情報処理装置、情報処理装置利用システム、処理条件編集方法
【課題】機器の利便性とセキュリティを両立して確保できる情報処理装置、情報処理装置利用システム及び処理条件編集方法を提供する。
【解決手段】ネットワーク21、23を介して接続されたサーバ22aまたは22bから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段15と、処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段17、18と、を有する情報処理装置200において、サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得する取得手段35と、処理条件記憶手段15に記憶された処理条件情報を表示する表示手段20,31と、処理条件情報を用いた、第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段31と、第1の処理条件情報を、処理条件記憶手段15に登録する処理条件登録手段36と、を有する。
【解決手段】ネットワーク21、23を介して接続されたサーバ22aまたは22bから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段15と、処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段17、18と、を有する情報処理装置200において、サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得する取得手段35と、処理条件記憶手段15に記憶された処理条件情報を表示する表示手段20,31と、処理条件情報を用いた、第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段31と、第1の処理条件情報を、処理条件記憶手段15に登録する処理条件登録手段36と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理条件に基づき情報処理する情報処理装置等に関し、特に、処理条件を編集可能な情報処理装置、情報処理装置利用システム及び処理条件編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークシステムにおいてディレクトリサービス(LANなどのコンピュータネットワーク上にあるユーザ情報、接続されているプリンタ、ファックスなどの機器を記憶し、検索可能にしたサービス。例えば「Active Directory」。)が利用されることがある。ディレクトリサービスの利用態様として種々のものが考えられるが、例えば、機器の処理条件(印刷条件、読み取り条件設定、画像データの配信方法、配信先ユーザ等)を外部のサーバに登録しておき、呼び出した処理条件を機器に設定して処理を実行する技術が考えられている。ユーザは、機器の操作を最小限にして所望の処理を機器に実行させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、利用者IDがスキャナに入力されると、スキャナが利用者IDを、ネットワークを介してスキャンサーバに送信し、スキャンサーバは、送信されてきた利用者IDと一致する利用者IDが内部メモリに登録されているか否か判定し、登録されている場合に利用者IDに対応する読取情報をスキャナに送信する画像読み取りシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、機器の操作パネルから、サーバから取得した処理条件を変更、追加、削除できれば、ユーザの利便性が向上する。しかし、ユーザが自由に処理条件の変更、追加、削除できるとすると、サーバで処理条件を管理している意味が薄れ、セキュリティが低下するおそれがある。例えば、処理条件には、画像データの配信先が含まれているので、配信先が変更されると特にセキュリティが低下しやすい。
【0005】
しかしながら、ユーザが処理条件を全く変更できないこととすると、利便性が低下してしまうという不都合が生じる。このように、管理された処理条件を用いた従来の機器の利用方法では、利便性とセキュリティを両立して確保しにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、機器の利便性とセキュリティを両立して確保できる情報処理装置、情報処理装置利用システム及び処理条件編集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ネットワークを介して接続されたサーバから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置において、前記サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得する取得手段と、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する表示手段と、前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段と、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する処理条件登録手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
機器の利便性とセキュリティを両立して確保できる情報処理装置、情報処理装置利用システム及び処理条件編集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置利用システムの概略について説明する図の一例である。
【図2】画像形成装置利用システムの画像形成装置のハードウェア構成図の一例である。
【図3】画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図4】宛先追加設定画面の一例を示す図である。
【図5】サーバのハードウェア構成について説明する図の一例である。
【図6】サーバの処理条件DBに記憶されている処理条件の一例を模式的に説明する図である。
【図7】サーバの機能ブロック図の一例である。
【図8】機器内処理条件の一例を示す図である。
【図9】機器内処理条件の一例を示す図である。
【図10】処理条件を画像形成装置に設定するまでの手順を示すシーケンス図の一例である。
【図11】処理条件一覧画面の一例を示す図である。
【図12】ユーザが機器内処理条件を用いて処理条件を編集する際のシーケンス図の一例である。
【図13】編集画面等の一例を示す図である。
【図14】図8(b)から処理条件番号が「−」以外の宛先だけを抽出したアドレス帳の一例を示す図である。
【図15】処理条件取得手段が編集範囲を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図16】処理条件を画像形成装置に設定するまでの手順を示すシーケンス図の一例である。
【図17】ユーザが機器内処理条件を用いて処理条件を編集する際のシーケンス図の一例である。
【図18】画像形成装置利用システムの構成図における画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図19】履歴機能をON又はOFFのいずれかの設定を受け付ける画面の一例を示す図である。
【図20】タイムスタンプ情報を有するアドレス帳の一例を示す図である。
【図21】編集画面の一例を示す図である。
【図22】処理条件取得手段が編集範囲を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図23】画像形成装置利用システムの構成図における画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図24】処理条件の保存条件の設定を受け付ける保存条件設定画面の一例を示す図である。
【図25】編集画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1を用いて、本実施例の画像形成装置利用システム100の概略について説明する。画像形成装置200とサーバ22はネットワークを介して接続されている。
【0012】
〔画像形成装置利用システム100の概略〕
(A1)画像形成装置200を利用するユーザは、画像形成装置200に認証情報(ユーザID、パスワード)を入力してログインする。画像形成装置200は認証情報をサーバ22に送信する。
(A2)画像形成装置200が認証情報をサーバ22に送信すると、サーバ22はこのユーザが利用できる処理条件を画像形成装置200に送信する。
(A3)ユーザは処理条件を確認して操作パネルの「登録」ボタンを押下する。画像形成装置200は「登録」ボタンの押下を受け付け、処理条件をハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶する。(実施例2では、「登録」ボタンの代わりにユーザがスターキーを押下して、サーバ22から受信した処理条件で画像形成装置200が処理を実行したあと、処理条件をハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶する。)。
【0013】
ここまでが、処理条件の記憶までの手順である。次に、ユーザが、サーバ22に記憶された処理条件を利用する際に、サーバ22から画像形成装置200が受信した処理条件を編集する手順を説明する。
(B1)画像形成装置200を利用するユーザは、画像形成装置200に認証情報(ユーザID、パスワード)を入力してログインする。
(B2)画像形成装置200が認証情報をサーバ22に送信すると、サーバ22はこのユーザが利用できる処理条件を画像形成装置200に送信する。画像形成装置200は認証情報をサーバ22に送信する。
(B3)画像形成装置200は、例えばユーザの操作に応じて、記憶装置に記憶されている処理条件、又は、処理条件と予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件、を読み出し操作パネルに表示する。
(B4)ユーザは、記憶装置に記憶されている処理条件、又は、処理条件と予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件を用いて、これから実行する処理条件を編集することができる。
(B5)ユーザは実行する処理条件を編集後、操作パネルの記憶ボタンを押下する。画像形成装置200は記憶ボタンの押下を受け付け、処理条件をハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置に記憶する。
【0014】
したがって、ユーザが実行する予定の処理条件を、画像形成装置200の記憶装置に記憶されていた処理条件、又は、処理条件と予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件の範囲で編集できる。すなわちユーザが編集して画像形成装置200に設定される処理条件は、元々サーバ22に記憶されていた処理条件、又は、予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件なので、セキュリティはほとんど低下しない。このため、セキュリティの維持と、利便性の向上を両立して実現できる。
【0015】
〔画像形成装置200〕
図2は、画像形成装置利用システム100の画像形成装置200のハードウェア構成図の一例を示す。画像形成装置200は、LAN21を介してサーバ22aと、LAN21及びインターネット23を介してサーバ22bと電気的に接続されている。サーバ22aとサーバ22bは、処理条件を記憶しているサーバは画像形成装置200と通信可能な態様で存在すればよいことを示す。以下、サーバ22aとサーバ22bを区別せずにサーバ22という。このサーバ22には、各ユーザの処理条件が記憶されている。
【0016】
画像形成装置200は、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、又は、これらの1以上の機能を備えた複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。本実施形態では画像形成装置200をMFPとして説明する。
【0017】
画像形成装置200は、CPU12、ROM13、RAM14、HDD15、操作パネル20、通信I/F19、プロッタエンジン18、及び、スキャナエンジン17を備え、これらが内部バス16により相互に接続されている。 すなわち、画像形成装置200は、パーソナルコンピュータやワークステーション等と同等の構成を備えた情報処理装置に、プロッタやスキャナ、給紙機構等のハードウェアユニットが接続された構成を有する。
【0018】
CPU12は、画像形成装置200全体を統括制御する制御手段であり、ROM13やHDDに記録された種々のプログラム9を実行することにより、後述する処理条件取得手段35、実行手段36の各手段として機能する。
ROM13は不揮発性の記憶手段であり、CPU12が実行するプログラムや、固定的なデータ、パラメータ等を記憶している。ROM13を書き換え可能な記憶手段(例えば、フラッシュメモリ)として構成し、これらのデータをアップデートできるようにしてもよい。RAM14は、一時的に使用するデータを記憶したり、CPU12のワークメモリとして使用される主に揮発性の記憶手段(例えば、DIMM:Dual Inline Memory Module)である。
【0019】
HDD15は、CPU12が実行するプログラム9や、装置の電源がOFFされた後でも保持しておく必要があるデータ(フォントデータ、画像処理等のパラメータの値)、スキャナエンジン17によって読み取った画像データ、通信インターフェイスによって外部の情報処理装置から受信した印刷データ等、種々のデータを記憶する。
【0020】
特に、本実施例では、HDD15が、サーバ22から取得した処理条件を記憶する。また、HDD15には、種々の機器内処理条件が登録された機器内処理条件DB24をが予め記憶されている。機器内処理条件については後述する。
【0021】
なお、ROM13やHDD15などの記憶手段に、フラッシュメモリ等の他の記憶手段(例えば、SDD:Solid State Drive)を一部又は全部に実装してもよい。
操作パネル20は、各種の画面、画像形成装置200の状態、メッセージ等を表示するディスプレイを有し、ユーザに種々の情報を視覚的に提供するユーザインターフェイスである。このディスプレイにはタッチパネルが一体に配置されており、また、ディスプレイの周囲にはテンキー、スタートキー等を含むハードキーが配置され、操作パネル20は、ユーザからの操作を受け付けるユーザインターフェイでもある。
【0022】
通信I/F19は、LAN21やインターネット23を介してサーバ22と通信可能にするための通信装置である。通信I/F19は、例えばTCP/IPをプロトコルにして通信するため、物理層とデータリンク層の通信接続を、サーバ22との間で確立する。画像形成装置200とサーバ22の間は、TCP/IPの上位層の、例えばLDAP(Lightweight Directory Access Protocol )をプロトコルにして通信する。LDAPは、ディレクトリサービスでは汎用的なプロトコルで、画像形成装置200からサーバ22の処理条件を検索する際に利用される。
【0023】
プロッタエンジン18は、印刷装置(プロッタデバイス)を制御する制御手段である。印刷装置は、スキャナエンジン17が原稿から生成した画像データ、情報処理装置から取得された印刷データなどから画像を形成して用紙に印刷する。印刷装置としては、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、感光ドラム等に形成したトナー画像を用紙に転写し、定着装置により熱と圧力により定着して出力する形態、異なる色の液滴が吐出される複数のノズル列を備えた記録ヘッドを往復移動させ、ノズル列より液滴を吐出して画像を形成する形態等、どのようなものでもよい。
【0024】
スキャナエンジン17は、スキャナデバイスを制御する制御手段である。スキャナデバイスは、読み取り台に載置されたり自動原稿給装装置(ADF)によって読み取り部に給装されたりする原稿の画像から反射光をCCD等で読み取り、それをA/D変換して画素毎の画素値から成る画像データを生成する。
【0025】
CPU12は、操作パネル20によって得られた操作結果に基づき、操作結果データを生成する。操作結果データは、原稿サイズ、解像度、カラーモード等の処理条件を有する。プロッタエンジン18及びスキャナエンジン17は、操作結果データをCPUから取得して、それぞれ読み取り・印刷を行う。
【0026】
図3に基づき、画像形成装置200の機能について詳細に説明する。図3は、図2の画像形成装置利用システム100の構成図における画像形成装置200の機能ブロック図の一例を示す。図2では、操作パネル20に操作パネル制御手段31が接続されている。操作パネル制御手段31は、操作パネル20と一体としてもよい。操作パネル制御手段31は、表示手段32、実行設定手段34、及び、操作手段33を有する。
【0027】
表示手段32は操作パネル20のディスプレイに各種の画面を描画する。表示手段32は、各種のソフトキーの配置を定める画面定義情報に基づき画面を生成する。この画面定義情報は操作手段33から参照できるようになっている。操作手段33は、ハードキーの押下を受け付けこのハードキーの種類をCPU12に通知し、また、タッチパネルの押下位置を検出してこれと画面定義情報とからソフトキーの押下を受け付けこのソフトキーの種類をCPU12に通知する。これにより、CPU12はユーザの操作に応じた処理を実行できる。
【0028】
実行設定手段34は、ユーザによる処理条件の編集範囲を規定する。実行設定手段34は、次の2つの編集範囲のいずれかを処理条件の編集範囲に規定する。
(1)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件、の両方を、ユーザがこれから実行する処理条件の編集範囲とする
(2)サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを、ユーザがこれから実行する処理条件を編集範囲とする
このような設定は、例えば、画像形成装置200の「システム初期設定」キーを管理者又はユーザが押下して、表示された画面の複数のタブの1つを押下することで表示される宛先追加設定画面101から設定される。
図4(a)は、宛先追加設定画面101の一例を示す図である。宛先追加設定画面101は、「サーバを出所とする処理条件のみ」ボタン102と「サーバを出所とする処理条件 + アドレス帳」ボタン103とを有する。実行設定手段34は、「サーバを出所とする処理条件のみ」ボタン102が押下された場合は(2)の編集範囲を設定する。また、実行設定手段34は、「サーバを出所とする処理条件 + アドレス帳」ボタン103が押下された場合は(1)の編集範囲を設定する。実行設定手段34は(1)と(2)に対応したフラグをHDDやRAM14に記憶しておく。CPU(処理条件取得手段35)12はこのフラグを参照して、HDD15から読み出す対象(処理条件)を、処理条件のみとするか、処理条件に加え機器内処理条件とするか、を切り替える。
【0029】
例えば、(1)の編集範囲の場合、予めHDDにて記憶している機器内処理条件を編集範囲に含めることができるので、ユーザの編集可能な範囲が広くなり利便性が向上する。また、(2)の編集範囲の場合、サーバ22に登録されていた処理条件に編集範囲を制限できるので、セキュリティを向上できる。管理者又はユーザは、利便性とセキュリティのどちらを重視するかによって編集範囲を切り替えることができる。
【0030】
なお、(1)(2)以外の編集範囲を、処理条件の編集範囲として規定してもよい。図4(b)は宛先追加設定画面101の別の一例を示す図である。図4(b)の宛先追加設定画面101は「サーバを出所とする処理条件とアドレス帳の共通設定内容」ボタン103を有する。この設定は、上記(1)(2)とは別に、
(3)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件、の両方に共通な処理条件を、ユーザがこれから実行する処理条件の編集範囲とする、設定である。
この(3)ような編集範囲の場合、ユーザの編集可能な範囲が狭くなるのでセキュリティを(1)(2)よりも厳しくすることができる。
【0031】
図3に戻り、アプリケーション30は、ROM13やHDD15に記憶されたプログラム9をCPU12が実行して得られた機能の実体、又は、プログラム9そのものである。本実施例のアプリケーション30は、実行手段36及び処理条件取得手段35を有する。なお、アプリケーション30として画像形成装置200は、プリンタアプリ、コピーアプリ、ファックスアプリ、スキャナアプリ,ネットファイルアプリ(ドキュメントボックスアプリ)、Webアプリ等を有する。実行手段36及び処理条件取得手段35はこれらアプリから共通に利用できる。
【0032】
処理条件取得手段35は、操作パネル制御手段31からユーザが押下したハードキー又はソフトキーの種類を取得して、それらから操作結果データを生成する。上記のように、操作結果データには処理条件が含まれる。具体的には、スキャナアプリの処理条件は「解像度」「濃度設定」「カラー種別」「用紙サイズ」「配信方法」「配信先」等である。また、コピーアプリの処理条件は「用紙サイズ」「編集(集約・両面・製本)」「仕上げ(ステープル・パンチ・ソート)」等である。このような処理条件は、いったんHDD15に記憶される。
【0033】
実行手段36は、ユーザから受け付けたスタートキーの押下をトリガーにして、操作結果データに沿ってプログラム(各種のコントロールサービス、リソースマネージャ、デバイスドライバ等)を実行する。例えば、ユーザがスキャナアプリを選択した状態では原稿のスキャンが開始される。なお、スタートキーの押下は、操作パネル制御手段31から実行手段36に通知される。
【0034】
また、実行手段36は、処理条件をHDD15に記憶する。実行手段36は、ユーザによる操作パネル20の記憶ボタンの押下後(本実施例)、又は、スタートキーの押下後(実施例2)、処理条件をHDD15に記憶する。
【0035】
画像形成装置200では、実行手段36が処理条件を取得する方法が3つある。
・1つは、ユーザの操作を受けて処理条件取得手段35が取得した処理条件を、実行手段36がHDDから読み出す方法である。
・もう1つは、LAN21又はインターネット23を介してサーバ22から処理条件取得手段35が取得した処理条件を、実行手段36が受け取る方法(例えば、HDD15やRAM14を介して)である。
・もう1つは、LAN21又はインターネット23を介してサーバ22から処理条件取得手段35が取得した処理条件を、ユーザが編集した後、処理条件取得手段35が実行手段36に(例えば、HDD15やRAM14を介して)送出する方法である。本実施例では、主に、この3番目の方法について説明する。
【0036】
〔サーバ22〕
図5に基づき、サーバ22のハードウェア構成について説明する。サーバ22は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等を実体とする情報処理装置である。サーバ22は、CPU71と、ROMやRAMを含むメモリ72とが、バスで接続された構造を有する。このバスには、所定のインターフェイスを介して、大容量の記憶装置であるHDD75、マウスやキーボードなどの入力装置76と、LCDやCRTなどのディスプレイ80を接続するモニタ制御部77と、光ディスクなどの記憶媒体78を読み取る記憶媒体読取装置73が接続され、また、インターネット23などのネットワークやUSBなどの外部機器と通信を行なう所定のネットワーク装置74が接続されている。
サーバ22のHDD75には、処理条件を画像形成装置200に送信するプログラム79が記憶されている。このプログラム79は、記憶媒体78から記憶媒体読取装置73により読み取られ、又は、インターネット23などのネットワークからダウンロードされるなどして、HDD75にインストールされたものである。サーバ22のCPU71は、HDD75に記憶しているプログラム79を読み出し、メモリ72のRAMを作業メモリにして実行することで、処理条件提供手段41を実現する。また、サーバ22のHDD75には処理条件DB70が記憶されている。処理条件DB70に登録された処理条件については後述する。
【0037】
ネットワーク装置74は、例えば、TCP/IPをプロトコルにして通信するため、物理層とデータリンク層の通信接続を、画像形成装置200との間で確立する。なお、本実施例では、画像形成装置200とサーバ22を別体に構成したが、画像形成装置200にサーバ22の機能を統合してもよい。この場合、サーバ22の機能や資源にアクセスできる者を管理者に限定し、画像形成装置200のユーザはサーバ22の機能や資源にアクセスできないようにする。
【0038】
図6に基づき、処理条件について説明する。図6は、サーバ22の処理条件DB70に記憶されている処理条件の一例を模式的に説明する図である。処理条件は、ユーザ毎、かつ、アプリケーション30毎に登録されている。図6の処理条件は、スキャンアプリ用の処理条件であるが、この他、プリンタアプリ、コピーアプリ、ファックスアプリ、ネットファイルアプリ用の処理条件が登録されうる。
【0039】
スキャンアプリ用の処理条件は、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目を有する。例えば、処理条件1の「宛先」は「takaka@dd.com aaaa@bbbb eeee@ffff」、「原稿種類」は「文字」、「解像度」は「400dpi」、「サイズ」は「自動検知」、「カラーモード」は「白黒」、「ファイル形式」は「PDF」である。このように、複数の処理条件を、ユーザ毎かつアプリケーション30毎に登録することができる。
【0040】
なお、「処理条件2」の右横の「※」は、画像形成装置200においてユーザが編集することができない処理条件であることを示す。図6の例では、「処理条件1」はユーザが編集可能で、「処理条件2」はユーザが編集できないことになる。このような設定は次述の管理者が行う。
【0041】
このような処理条件を画像形成装置200がサーバ22から取得すると、実行手段36は、例えばスキャナを動作させるパラメータとして「解像度」「濃度設定」「カラー種別」「用紙サイズ」の値を設定する。したがって、ユーザが画像形成装置200の操作パネル20を操作して「解像度」「濃度設定」「カラー種別」「用紙サイズ」を設定しなくても、画像形成装置200が原稿を読み取り、画像データを生成することができる。
【0042】
サーバ22への処理条件の登録は、管理者によって実行される。登録について簡単に説明する。管理者は、サーバ22と通信可能な端末にログインすることができ、この端末を操作して以下の手順を一例に処理条件をサーバ22に登録する。なお、端末とサーバ22が一体であってもよい。
(登録1)端末は特定のOS(例えば、Windows(登録商標)VISTA、7と同等以上の機能を備えたOS)の一機能又はアプリケーションソフトウェアとして実装される「スキャナ管理コンソール」というユーザインターフェイスを有する。スキャナ管理コンソールは、管理者が画像形成装置200及びサーバ22と通信したり、各種の情報を設定するためのユーザインターフェイスの一態様である。端末と画像形成装置200は、所定のプロトコル(例えば、WS−EWS)により通信する。
【0043】
処理条件を作成するためには画像形成装置200の能力情報(カラーでの読み取りが可能か否か、最大解像度はいくつか、等の情報)が必要になる。このため端末は、管理者の操作を受け付け、画像形成装置200にその画像形成装置200が有している能力情報や状態を問い合わせる。
(登録2)端末が画像形成装置200に対してその画像形成装置200が有している能力情報の提供を要求すると、要求に応じて画像形成装置200は端末に対して自機の能力情報を提供する。なお、端末が画像形成装置200の能力情報を受け取るのは管理者が処理条件作成の操作を行う前でもよいし、処理条件作成を行おうとした時でもよい。
【0044】
端末は画像形成装置200から受信した能力情報をディスプレイに表示する。管理者は、能力情報による能力を超えない範囲で、読み取り設定を登録することができる。また、管理者は、配信設定、その読み取り設定を使用するユーザの「ユーザ名」「パスワード」等を登録する。
(登録3)そして、端末は各種の情報が登録された処理条件をサーバ22に送信する。サーバ22はこれをユーザが参照可能なように例えばユーザIDに対応づけて保存する(記憶する)。サーバ22は、複数のネットワークに接続されたPC、スキャナ、プリンタ、複写機、ファクシミリ等を、ドメイン(ユーザーとコンピュータの管理単位)の階層構造として管理する。例えば、このサーバ22に接続可能な画像形成装置200等を規定することができる。ここまでが処理条件登録に関する処理の流れである。
【0045】
なお、管理者が一台の画像形成装置200について、端末を操作して処理条件を生成しサーバ22に登録する態様を説明したが、管理者により、一台の画像形成装置200について1つの処理条件が生成されると、端末は、その処理条件を、能力情報を提供した他の画像形成装置200…に適用して新しい処理条件を作成する。すなわち、一台の画像形成装置200の処理条件がサーバ22に登録されると、他の画像形成装置200でも、同じことができる処理条件を自動でサーバ22に登録することができる。
【0046】
図7は、サーバ22の機能ブロック図の一例を示す。処理条件提供手段41は、処理条件DB70とユーザ認証手段42と接続されている。処理条件提供手段41は、画像形成装置200から認証情報を受信する。認証情報は、上記のようにユーザIDとパスワードである。画像形成装置200は、処理条件の送信をサーバ22に要求する処理条件取得要求に認証情報を含めてサーバ22に送信する。処理条件提供手段41は、処理条件取得要求を受信すると、認証情報をユーザ認証手段42に送出する。ユーザ認証手段42は、認証情報(ユーザIDとパスワードの組)が不図示の認証情報DBに登録されているか否かに基づき、ユーザの認証が成立するか否かを判定し、判定結果を処理条件提供手段41に送出する。
【0047】
処理条件提供手段41は、ユーザの認証が成立したとの判定結果を取得した場合、ユーザIDをキーに処理条件DB70を参照し、ユーザIDに対応づけられた処理条件を処理条件DB70から読み出す。ユーザIDに対応づけられた処理条件が複数ある場合、処理条件提供手段41は全ての処理条件を読み出す。または、処理条件取得要求に要求する処理条件のアプリケーション30の種類を含めておき、該当するアプリケーション30の処理条件のみを処理条件提供手段41が読み出してもよい。処理条件提供手段41は、処理条件DB70から読み出した全ての処理条件を画像形成装置200に送信する。
【0048】
〔機器内処理条件〕
続いて、図8を用いて機器内処理条件について説明する。図8は機器内処理条件DB24に記憶された機器内処理条件の一例を示す図である。機器内処理条件は、管理者により画像形成装置に登録された処理条件と同等な情報である。「同等」であるので、処理条件と機器内処理条件とは同一でなくてもよい。機器内処理条件はどのような形態(例えば、処理条件単位、処理条件の項目単位、等)で記憶してもよいが、本実施例では、機器内処理条件を用いてユーザが処理条件を編集するので、処理条件の項目に対応して分解された項目単位の記憶形態とした。
【0049】
図8(a)は機器内処理条件の一項目である宛先(情報)を示す。機器内処理条件の宛先はアドレス帳と同じフォーマットなので、本実施例ではアドレス帳を機器内処理条件の宛先として示した。アドレス帳は、「ユーザ」「宛先」「処理条件番号」の各欄を有する。図8(a)はアドレス帳の一例であるが、図8(a)では「処理条件番号」の欄を有することが従来と異なる。「処理条件番号」は、処理条件の出所を識別するための番号である。
【0050】
「ユーザ」には宛先としてユーザのユーザIDやユーザ名等、ユーザを識別するための情報が登録される。「宛先」にはE-Mailアドレスやファックス番号など、画像データの送信先が登録される。図8(a)のようなアドレス帳は、管理者(サーバ22の管理者と同じでも異なっていてもよい。)が不図示のサーバ22又は画像形成装置200の操作パネル20から入力する。したがって、アドレス帳に登録されている宛先であれば、画像データを送信しても情報漏洩のおそれは少ない。図8(a)のアドレス帳では、管理者が登録した宛先には「処理条件番号」として「―」が登録される。
【0051】
これに対し、図8(b)はいくつかの宛先が処理条件から登録されたアドレス帳の一例を示す図である。処理条件から登録された「宛先」の「処理条件番号」には「―」以外の情報(数値等)が登録される。したがって、「処理条件番号」を参照するとその宛先が管理者が登録された機器内処理条件か、処理条件を出所とするかを判別できる。このように、1つのアドレス帳に機器内処理条件と処理条件が混在しても、両者を判別できるようになっている。なお、図8(b)は一例であって、機器内処理条件と処理条件を別々のデータベースに登録してもよい。
【0052】
図9(a)〜(e)は、「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の機器内処理条件及び処理条件を示す図の一例である。アドレス帳と同様に、予め、管理者が画像形成装置200に登録した「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の処理条件番号には「―」が登録されている。これら機器内処理条件は、宛先と異なり、画像形成装置200に固有であるので管理者が登録しておかなくてもよい。すなわち、画像形成装置200が指定されれば、その画像形成装置200で設定可能な「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」も自動的に定まる。しかしながら、管理者が、画像形成装置200の最大性能のうち一部の機能のみの使用をユーザに許可したい場合がある。例えば、カラーによる読み取りではファイルサイズが大きくなるので、カラーによる許可は原則的に許可したくないような場合である。このような要求から、管理者は図9(a)〜(e)の処理条件番号が「―」の機器内処理条件を、予め画像形成装置200に登録している。
【0053】
したがって、画像形成装置200がサーバ22から処理条件を受信し、画像形成装置200に処理条件として登録すると、管理者が登録した以外に、ユーザが画像形成装置200に設定して実行可能な処理条件が増大することになる。しかしながら、サーバ22にはユーザ毎に処理条件が登録されており、また、その処理条件は管理者が該ユーザに使用を許可した処理条件なので、多くの場合、処理条件は、予め画像形成装置200に登録された機器内処理条件に含まれる。または、サーバ22から送信された処理条件は、予め画像形成装置200に登録された機器内処理条件よりも機能として大きい(例えば、処理条件の「解像度」が600dpi、機器内処理条件の「解像度」が300dpi、処理条件の「カラーモード」がカラー、機器内処理条件の「カラーモード」が白黒、のような関係)ものである。このため、画像形成装置200では、サーバ22から受信した処理条件を、機器内処理条件により編集してもよいことになる。
【0054】
実行手段36は、サーバ22から受信した処理条件を画像形成装置200に登録するタイミングになると、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目毎に、機器内処理条件に重複して登録されているか否かを判定する。重複して登録されていなければ、実行手段36は、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目毎を、それぞれ機器内処理条件に登録する。
【0055】
なお、ここでいう「重複」とは、処理条件の各項目だけでなく処理条件番号が同じか、少なくとも、処理条件番号「―」でない機器内処理条件と同じであるこという。前者を例にすると、例えば、「原稿種類」が「文字」で処理条件番号が「―」と、「原稿種類」が「文字」で処理番号条件が「1」のとは、重複していると判定されない。したがって、この場合、「文字」について処理条件番号「―」と処理条件番号「1」とがどちらも機器内処理条件に登録される。これは、本実施例では編集範囲が(1)と(2)のように切り替えられるため、同じ処理条件でも出所に応じて別々に扱うためである。
【0056】
〔処理条件を画像形成装置200に設定するまでの手順〕
図10のシーケンス図に基づき処理条件を画像形成装置200に設定するまでの手順について説明する。まず、ユーザは操作パネル20を操作して認証操作を入力する(S3.1)。認証操作は認証情報を画像形成装置200に入力できればどのような操作でもよく、例えば、ユーザID及びパスワードを操作パネル20から入力する方法、ICカードを画像形成装置200に読み取らせることでユーザID及びパスワードを入力する方法、等がある。
【0057】
操作パネル制御手段31は、ユーザID及びパスワードの登録画面又はICカードから認証情報を受け付ける。操作パネル制御手段31は、認証情報を含む処理条件取得要求を処理条件取得手段35に送出する(S3.2)。処理条件取得手段35は、通信I/F19に、処理条件取得要求をサーバ22に送信するよう要求する(S3.3)。なお、画像形成装置200には、サーバ22のIPアドレスやMACアドレスなどが予め登録されている。通信I/F19は、処理条件取得要求をサーバ22に送信する(S3.4)。
【0058】
サーバ22のネットワーク装置74が処理条件取得要求を受信すると、ネットワーク装置74は処理条件提供手段41に送出する(S3.5)。処理条件提供手段41は、ユーザ認証手段42に認証情報を送出し、ユーザの認証が成立した場合、ユーザIDをキーに処理条件DB70から処理条件を読み出し(S3.6)、処理条件を取得する(S3.7)。処理条件提供手段41は、読み出した処理条件を画像形成装置200に送信するようネットワーク装置74に要求する(S3.8)。ネットワーク装置74は、処理条件を画像形成装置200に送信する(S3.9)。
【0059】
画像形成装置200の通信I/F19が処理条件を受信すると、通信I/F19は処理条件を処理条件取得手段35に送出する(S4.0)。処理条件取得手段35は、処理条件を操作パネル制御手段31に送出する(S4.3)。操作パネル制御手段31の表示手段32は、予め定められた画面定義情報に処理条件番号を加えて、処理条件の一覧画面を表示する。
図11(a)は処理条件一覧画面201の一例を示す図である。処理条件一覧画201は、一覧される「処理条件n(n=処理条件番号)」ボタン202〜204、「詳細」ボタン、「登録」ボタン206及び「編集」ボタン207を有する。ユーザが、1つの「処理条件n」ボタン202〜204を押下すると、排他的に押下された「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示される。この状態で、ユーザが「詳細」ボタン205を押下すると、表示手段32は該処理条件の詳細を表示する。また、「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザが「登録」ボタン206を押下すると「処理条件n」の処理条件を、実行手段36がHDD15に記憶する。また、「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザが「編集」ボタン207を押下すると「処理条件n」ボタン202〜204の処理条件の編集画面401が、表示される。
【0060】
図11(b)(c)は、ユーザが「詳細」ボタン205を押下することで、操作画面に表示された処理条件詳細画面301の一例を示す図である。図11(b)は処理条件1を、図11(c)は処理条件2をそれぞれ表示した場合の処理条件詳細画面301である。図6の処理条件1に示したように、図11(b)の「宛先」には「takaka@dd.com」「aaaa@bbbb」「eeee@ffff」が表示されている。ユーザが処理条件詳細画面301の右のスクロールバー303を操作すると、表示手段32は「解像度」「原稿種類」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」等の他の処理条件を表示する。
【0061】
同様に、図6の処理条件1に示したように、図11(c)の「宛先」には「ffff@gggg
hhhh@iiii」「iiii@jjjj」が表示されている。ユーザが処理条件詳細画面301の右のスクロールバー303を操作すると、表示手段32は「解像度」「原稿種類」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」等の他の処理条件を表示する。
【0062】
図11(b)(c)においてユーザが「戻る」ボタン302を押下すると、操作手段33がそれを受け付け、表示手段32は図11(a)の処理条件一覧画201を再度、表示する。
【0063】
図11(a)においてユーザが「編集」ボタン207を押下した際に表示される編集画面401の一例を図13(a)に示すが、編集画面401については後述する。
【0064】
図10に戻り、図11(b)(c)にてユーザが詳細な処理条件を確認し、図11(a)に戻り、図11(a)の「登録」ボタン206を押下すると、操作パネル制御手段31は、「登録」ボタン206の押下を受け付ける(S4.4)。操作パネル制御手段31は、実行手段36にユーザが選択した処理条件を記憶するよう要求する(S4.5)。実行手段36は、処理条件と記憶要求を取得し、HDD15に記憶する(S4.6)。
【0065】
例えば、処理条件に含まれる宛先「takaka@dd.com」「aaaa@bbbb」「eeee@ffff」が、画像形成装置200のアドレス帳に記憶される。また、実行手段36は、処理条件をHDD15に記憶する際、処理条件番号も記憶する。これにより、処理条件の出所が明らかとなる。
【0066】
〔機器内処理条件を用いた処理条件の編集手順〕
図12は、ユーザが上記の(1)又は(2)のいずれかを編集範囲として、サーバ22から取得した処理条件を編集する際のシーケンス図の一例を示す。このような処理条件の編集は、例えばその画像形成装置200において禁止されていない限り可能である。したがって、実際には、図12のシーケンス図は図10のシーケンス図と一体であって両者が区別して実行されることは少ない。
【0067】
図12において、ユーザがログインしてから実行手段36が処理条件をサーバ22から取得するまでの手順は、図10と同様なので説明を省略する。
【0068】
ステップS4.0までの処理で、処理条件取得手段35が通信I/F19から処理条件を取得する(S4.0)。すると、処理条件取得手段35は、編集用の「処理条件」又は「処理条件+機器内処理条件」をHDD15から読み出す(S4.1)。
【0069】
上述したように、実行設定手段34によって処理条件の編集範囲が規定されている。すわなち、予めHDD15にて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を、ユーザがこれから実行する処理条件の編集範囲とするか(1)、サーバ22から受信してHDD15に記憶しておいた処理条件だけを、ユーザがこれから実行する処理条件を編集範囲とするか(2)、が規定されている。処理条件取得手段35は、実行設定手段34が設定した例えばフラグを読み編集範囲を決定し、編集範囲に応じてHDD15から「処理条件」又は「処理条件+機器内処理条件」を読み出す(S4.2)。この手順については図15のフローチャート図にて説明する。
【0070】
図13(a)は、編集画面401の一例を示す図である。編集画面401には、ユーザが処理条件一覧画201で選択した「処理条件n」ボタン202〜204のいずれかの処理条件が項目毎に表示されている。図13(a)は処理条件1が選択された場合に表示される編集画面401である。また、「宛先」の欄には「宛先追加」ボタン405が表示されている。「宛先追加」ボタン405は、処理条件1の宛先「takaka@dd.com aaaa@bbbb eeee@ffff」に、ユーザが別の宛先を追加するためのボタンである。すなわち、「宛先追加」ボタン405は宛先の編集を開始するためのボタンとなる。
【0071】
図13(a)では、「宛先」の欄にしか編集を開始するためのボタンがないが、各項目に編集を開始するためのボタンが表示される。
【0072】
ユーザが「宛先追加」ボタン405を押下すると、操作パネル制御手段31は「宛先追加」ボタン405の押下を受け付ける。すると、操作パネル制御手段31は、処理条件取得手段35がHDD15から読み出した「処理条件」又は「処理条件+機器内処理条件」を操作パネル20に表示する。実行設定手段34による設定が、予めHDD15にて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする場合、操作パネル制御手段31が表示する宛先は図8(b)のアドレス帳の宛先である。より正確には、図8(b)のアドレス帳から、図13(a)の宛先(サーバ22からの処理条件に含まれている宛先)の重複を排除した宛先である。処理条件取得手段35は、図8(b)のアドレス帳の全てを読み出し、重複を排除して操作パネル制御手段31に送出する。
【0073】
実行設定手段34による設定が、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを編集範囲とする場合、操作パネル制御手段31が表示する宛先は図8(b)のアドレス帳(機器内処理条件)のうち、処理条件番号が「−」以外の宛先である。より正確には、図8(b)のアドレス帳の処理条件番号が「−」以外の宛先から、図13(a)の宛先(サーバ22からの処理条件に含まれている宛先)の重複を排除した宛先である。
【0074】
図14は、図8(b)から処理条件番号が「−」以外の宛先だけを抽出したアドレス帳の一例を示す。処理条件取得手段35は、図14のようなアドレス帳を読み出し、重複を排除して操作パネル制御手段31に送出する。
【0075】
図13(b)は、「宛先追加」ボタン405が押下されると表示される宛先追加画面402の一例を示す。宛先追加画面402には、名前(ユーザID又はユーザIDに紐づけられたユーザの氏名、ニックネーム等)409、宛先410及びチェックボックス408が表示される。
【0076】
図13(b)の左の宛先追加画面402は、実行設定手段34による設定が、予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする場合を、図13(b)の右の宛先追加画面402は、実行設定手段34による設定が、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを編集範囲とする場合の画面を、それぞれ示す。
【0077】
図13(b)の右図では、機器内処理条件の宛先が表示されないので、「suchann@murataku.ac.jp」「daaa@temada」が表示されない。すなわち、実行設定手段34による設定が、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを編集範囲とする場合、ユーザは機器内処理条件を編集に用いることができない。
【0078】
ユーザは、宛先追加画面402で追加したい宛先の先頭のチェックボックス408を押下する。図13(b)左図では「ffff@gggg」が、図13(b)右図では「llll@mmmm」が、それぞれチェックされている。操作パネル制御手段31は、押下を受け付けチェックボックス408にチェックマークを表示する。その状態で「OK」ボタン407を押下すれば、操作パネル制御手段31はチェックマークを表示した宛先を受け付ける。また、操作パネル制御手段31は、宛先が追加された編集画面401を再度表示する。
【0079】
図13(c)は、宛先が追加された編集画面401の一例を示す図である。図13(a)と比べ、図13(c)左図では「ffff@gggg」が宛先に追加され、図13(c)右図では「llll@mmmm」が宛先に追加されている。ユーザが「戻る」ボタン404を押下すると、操作パネル制御手段31は「戻る」ボタン404の押下を受け付け、図11(a)の処理条件一覧画201を表示する。
【0080】
図12に戻り、ユーザが、図11(a)の処理条件一覧画201から「登録」ボタン206を押下すると(S4.4)、操作パネル制御手段31は「登録」ボタン206の押下を受け付ける。操作パネル制御手段31は、図11(a)にてユーザが選択した処理条件に、ユーザが編集して追加した処理条件(宛先)を追加して、実行手段36に送出する(S4.5)。実行手段36はHDD15に、ユーザが編集して宛先等を追加した処理条件(宛先)を登録する(S4.6)。上記のように、実行手段36は、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目毎に、機器内処理条件に重複して登録されているか否かを判定し、重複して登録されていなければ各項目毎を、それぞれ機器内処理条件に登録する。
【0081】
例えば、「登録」ボタン206を押下することで、操作パネル制御手段31はユーザが編集した処理条件が設定された実行画面を表示する。したがって、ユーザは、処理条件の登録後、「スタート」キーを押下することで、該処理条件を実行することができる。
【0082】
以上の処理により、HDD15には新たな内処理条件が登録されたことになる。したがって、次回、サーバ22から処理条件を取得した際は、新たに登録された処理条件を編集範囲とすることができる。なお、例えば、編集範囲を「サーバから受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけ」に限定している限り、編集範囲が管理者がサーバ22に設定した処理条件の範囲を超えることはなく、セキュリティが低下することはない。また、編集範囲を「予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバから受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方」としても、機器内処理条件は管理者が登録したものなので、大きくセキュリティが低下することもない。したがって、機器の利便性とセキュリティを両立して確保することができる。
【0083】
〔編集範囲の決定の詳細な手順〕
図12のステップS4.1〜S4.2において、処理条件取得手段35が編集範囲を決定する手順を説明する。
図15のフローチャート図は、処理条件取得手段35が、通信I/F19から(サーバ22から)処理条件を取得するとスタートする。
【0084】
まず、処理条件取得手段35は、処理条件が編集可能か否かを判定する(S110)。処理条件取得手段35は、処理条件に「※」が添付されているか否かに基づき、その処理条件が編集可能か否かを判定する。編集が許可されない場合(S110のNo)、図15のフローチャート図に基づく処理は終了する。
【0085】
編集が許可されている場合(S110のYes)、処理条件取得手段35は、実行設定手段34が設定したフラグを参照する(S120)。上記のようにこのフラグは編集範囲を規定する。
【0086】
処理条件取得手段35は、編集範囲がアドレス帳からの追加が許可されているか否かを判定する(S130)。アドレス帳からの追加とは、「(1)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする」ことに相当する。
【0087】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のYes)、処理条件取得手段35はHDD15のアドレス帳を読み出す(S140)。アドレス帳には機器内処理条件が記憶されている。
【0088】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のNo)、処理条件取得手段35はHDDから、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件のみを読み出す(S150)。
【0089】
ついで、処理条件取得手段35は、サーバ22から受信した処理条件の宛先とHDDから読み出した宛先の重複を排除する(S160)。処理条件取得手段35は、アドレス帳から読み出し重複を排除した宛先を操作パネル制御手段31に送出する。
【0090】
これにより、操作パネル制御手段31は、図13(b)のような宛先追加画面402を表示することができる(S170)。
【0091】
以上説明したように、本実施例の画像形成装置利用システム100は、サーバ22から受信した処理条件の編集を編集範囲を限定して認めることで、利便性とセキュリティを両立することができる。また、編集範囲を可変にできるので、利便性を向上させるか、セキュリティを向上させるか、を適宜調整できる。
【実施例2】
【0092】
実施例1では、「登録」ボタン206により処理条件を登録したが、本実施例では処理条件の実行により、サーバ22から受信した編集前又は編集後の処理条件をHDD15に記憶する画像形成装置利用システム100について説明する。実際に画像形成装置200が実施した処理条件だけを登録することで、不用意に機器内処理条件の記憶容量が大きくなることを防止したり、実行後、自動的に処理条件を登録できるので操作手順を簡易化できる。
【0093】
本実施例の画像形成装置200の機能ブロック図は図2と同様であるので説明は省略する。
図16は、処理条件を画像形成装置200に設定するまでの手順を示すシーケンス図の一例である。図16において、ステップS4.0までは図10と同様である。画像形成装置200の通信I/F19がサーバ22から処理条件を受信すると、通信I/F19は処理条件を処理条件取得手段35に送出する(S4.0)。処理条件取得手段35は、処理条件を操作パネル制御手段31に送出する(S4.3)。操作パネル制御手段31の表示手段32は、予め定められた画面定義情報に処理条件番号を加えて、処理条件覧画面201を表示する。
【0094】
操作パネル制御手段31は、実施例1と同様に図11(a)のような処理条件一覧画201を表示する。ユーザが、1つの「処理条件n」ボタン202〜204を押下すると、排他的に押下された「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示される。実施例1と同様にユーザが「詳細」ボタン205を押下すると表示手段32は該処理条件の詳細を表示するので、ユーザは処理条件を確認することができる。
【0095】
いずれかの「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザがハードキーの1つである「スタート」キーを押下すると、操作パネル制御手段31は「スタート」キー押下を受け付ける(S5.1)。操作パネル制御手段31は、実行手段36に処理条件の実行を要求する(S5.2)。実行手段36は、処理条件をパラメータに設定して処理を実行する(S5.3)。すなわち、画像形成装置200は、処理条件の「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」をそれぞれパラメータとして設定し、原稿を読み取り画像データを生成する。
【0096】
実行手段36が処理条件の実行を終了すると、実行手段36は処理条件を各項目毎に、HDD15に登録する。
【0097】
図17は、ユーザが機器内処理条件を用いて処理条件を編集する際のシーケンス図の一例を示す。図17において、ユーザがログインしてから、ユーザが処理条件を編集するまでの手順は、図12と同様なので説明を省略する。
【0098】
図13(c)の編集画面403においてユーザが処理条件を編集して「戻る」ボタン404を押下すると、操作パネル20には、図11(a)の処理条件一覧画201が表示される。いずれかの「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザがハードキーの1つである「スタート」キーを押下すると、操作パネル制御手段31は「スタート」キー押下を受け付ける(S5.1)。操作パネル制御手段31は、実行手段36に処理条件の実行を要求する(S5.2)。実行手段36は、処理条件をパラメータに設定して処理を実行する(S5.3)。すなわち、画像形成装置200は、処理条件の「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」をそれぞれパラメータとして設定し、原稿を読み取り画像データを生成する。
【0099】
実行手段36が処理条件の実行を終了すると、実行手段36は処理条件を各項目毎に、機器内処理条件に登録する。すなわち、既に図16で処理条件がHDD15に登録された状態で、実行手段36は実行した処理条件をHDD15に登録する。
【0100】
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、実際に画像形成装置200が実施した処理条件だけを登録することで、不用意に機器内処理条件の記憶容量が大きくなることを防止したり、「スタート」キーを押下するだけで実行と登録が行われるので、操作手順を簡易化できる。
【実施例3】
【0101】
本実施例では、宛先追加画面402において表示される宛先を、過去に追加した宛先に基づきソートして表示する画像形成装置利用システム100について説明する。機器処理条件に登録される宛先の数は、徐々に増えるものと考えられる。この点、他の処理条件の項目が、画像形成装置200のハード的な機能の制約を受け、あまり増えない傾向にあるのと異なる。また、操作パネル20の大きさは有限である。したがって、宛先を宛先追加画面402に表示する場合、ユーザが選ぶ可能性の高いものから表示することで、ユーザの操作性が向上する。
【0102】
図18は、画像形成装置利用システム100の構成図における画像形成装置200の機能ブロック図の一例を示す。図18において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図18では、操作パネル制御手段31が履歴設定手段37を有し、処理条件取得手段35がソート手段38を有する。
【0103】
履歴設定手段37は、操作パネル20からの、管理者又はユーザによる履歴機能のON又はOFFの設定を受け付ける。
図19は、履歴機能のON又はOFFの設定を受け付ける画面の一例を示す。図19の画面は宛先追加設定画面101を例にしたが、履歴機能をON又はOFFに設定できればどのような画面でもよい。「履歴機能」ボタン105にチェックボックス106が表示されており、ユーザがチェックボックス106を押下すると、操作パネル制御手段31は履歴機能がONであることを受け付け、履歴設定手段37に通知する。
【0104】
履歴設定手段37は、履歴機能をON又はOFFに対応したフラグをHDDやROMに記憶しておく。処理条件取得手段35のソート手段38は、このフラグを参照して、宛先追加画面402の宛先をソートするか否かを決定する。のソート手段38は、HDD15に記憶された処理条件のタイムスタンプ情報を参照して、「宛先」をソートする。
【0105】
図13(c)に示したように、操作パネル制御手段31は、ユーザが追加した宛先を、図11(a)にてユーザが選択した処理条件に加える。操作パネル制御手段31は、ユーザが追加した宛先と、処理条件を処理条件取得手段35に送出する。処理条件取得手段35は、実行手段36に、宛先が追加された処理条件を送出するので、実行手段36はHDDに、ユーザが編集して宛先等を追加した処理条件(宛先)を登録する。
【0106】
処理条件の登録の際、実行手段36は、追加された処理条件(宛先)に追加された日時のタイムスタンプ情報を登録する。
図20は、タイムスタンプ情報を有するアドレス帳の一例を示す。なお、図20において図8(b)と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図20の最も右の欄には「追加日時」が設けられており、「takaka@dd.com」は「3日前」に処理条件に追加されたことが、「suchann@murataku.ac.jp」は「2日前」に処理条件に追加されたことが、「ffff@gggg」は「1日前」に処理条件に追加されたことが、分かる。
【0107】
なお、より好ましくは、最新のタイムスタンプ情報だけでなく、1つの宛先に対し過去5回程度のタイムスタンプ情報を登録しておく。こうすることで、宛先毎に使用頻度を算出することが可能となる。
【0108】
そして、図13(b)の宛先追加画面402を表示する際、ソート手段38は、タイムスタンプ情報を参照して、「宛先」をソートする。または、ソート手段38は、ソートして宛先を操作パネル制御手段31に送出する。タイムスタンプ情報によれば、最も最近、編集対象として追加された宛先は、「ffff@gggg」で、その前が「suchann@murataku.ac.jp」、さらにその前が「takaka@dd.com」であるので、操作パネル制御手段31はこの順番で宛先追加画面402の宛先を表示する
図21は、本実施例における図13(b)の宛先追加画面402の一例を示す図である。図21と図13(b)の左図を比べると、最も最近追加した「ffff@gggg」が最上段に表示されている。最近追加した宛先は、再度追加することが多いので、表示する宛先を過去の履歴でソートすることで、ユーザは画面の切り替えやスクロールを最小限にして、所望の宛先を追加することができる。
【0109】
なお、図21に示した「ソート」ボタン411を押下することで、ソート順を切り替えてもよい。ユーザが「ソート」ボタン411を押下する毎に、ソート手段38は、例えば「タイムスタンプ情報」「アルファベット順」「逆アルファベット順」「使用頻度」のように、ソートの要因を順番に切り替える。こうすることで、操作パネル制御手段31は、ユーザの所望のソート順で追加対象の宛先を表示することができる。
【0110】
〔編集範囲の決定の詳細な手順〕
図22は、処理条件取得手段35が編集範囲を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。図22において、ステップS160までの処理は図15と同様である。まず、処理条件取得手段35は、処理条件が編集可能か否かを判定する(S110)。処理条件取得手段35は、処理条件に「※」が添付されているか否かに基づき、その処理条件が編集可能か否かを判定する。編集が許可されない場合(S110のNo)、図22のフローチャート図に基づく処理は終了する。
【0111】
編集が許可されている場合(S110のYes)、処理条件取得手段35は、実行設定手段34が設定したフラグを参照する(S120)。上記のようにこのフラグは編集範囲を規定する。
【0112】
処理条件取得手段35は、編集範囲がアドレス帳からの追加が許可されているか否かを判定する(S130)。アドレス帳からの追加とは、「(1)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする」ことに相当する。
【0113】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のYes)、処理条件取得手段35はHDDのアドレス帳を読み出す(S140)。アドレス帳には機器内処理条件が記憶されている。
【0114】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のNo)、処理条件取得手段35はHDDのアドレス帳から、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件のみを読み出す(S150)。
【0115】
ついで、処理条件取得手段35は、サーバ22から受信した処理条件の宛先とHDDから読み出した宛先の重複を排除する(S160)。
【0116】
次に、ソート手段38は、履歴機能がONかOFFかを判定する(S165)。履歴機能がOFFの場合(S165のNo)、ソート手段38が宛先の表示順をソートすることなく、処理条件取得手段35は、アドレス帳から読み出し重複を排除した宛先を操作パネル制御手段31に送出する。
【0117】
履歴機能がONの場合(S165のYes)、ソート手段38は、アドレス帳から読み出し重複を排除した宛先の表示順をタイムスタンプ情報に基づきソートする(S166)。処理条件取得手段35は、ソートした順番で宛先を操作パネル制御手段31に送出する。
【0118】
これにより、操作パネル制御手段31は、図21のような宛先追加画面402を表示することができる(S170)。
【0119】
以上説明したように、本実施例の画像形成装置利用システム100は、サーバ22から受信した処理条件の編集を編集範囲を限定して認めることで、利便性とセキュリティを両立することができる。また、編集範囲を可変にできるので、利便性を向上させるか、セキュリティを向上させるか、を適宜調整できる。
【0120】
本実施例の画像形成装置利用システム100は、宛先を宛先追加画面402に表示する場合、ユーザが選ぶ可能性の高いものから表示することで、ユーザの操作性を向上させることができる。
【実施例4】
【0121】
実施例1ではユーザが「登録」ボタン206を押下することにより、実施例2では処理条件を画像形成装置200に設定し「スタート」キーを押下することにより、実行手段36が処理条件を登録するとして説明した。しかしながら、いずれの場合もHDD15に登録する処理条件を個別に選択することができなかった。そこで、本実施例では、画像形成装置200のHDD15に登録する処理条件を個別に選択できる画像形成装置利用システム100について説明する。
【0122】
図23は、画像形成装置利用システム100の構成図における画像形成装置200の機能ブロック図の一例を示す。図23において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図23では、操作パネル制御手段31が保存条件設定手段39を有する。
【0123】
保存条件設定手段39は、管理者又はユーザが操作パネル20から設定した、処理条件の保存条件の設定を受け付ける。保存条件は以下の通りである。
(R1)HDD15に登録する処理条件の項目を予め設定しておき、設定された項目だけが「登録」ボタン206又は「スタート」キーの押下により登録される
(R2)登録前に、登録する処理条件の項目をユーザが指定することができ、指定された項目だけが「登録」ボタン206又は「スタート」キーの押下により登録される
図24(a)は、処理条件の保存条件の設定を受け付ける保存条件設定画面501の一例を示す。保存条件設定画面501は、例えば、画像形成装置200の「システム初期設定」キーを管理者又はユーザが押下して、表示された画面の複数のタブの1つを押下することで表示される。保存条件設定画面501は、「自動保存」ボタン502と「ユーザ選択」ボタン503とを有する。また、「自動保存」ボタン502は「詳細条件保存設定」ボタン504を有する。「自動保存」ボタン502と「ユーザ選択」ボタン503は、管理者又はユーザの押下により排他的に選択される。選択されたボタンは丸印505が反転表示される。また、「自動保存」ボタン502が選択されると、「詳細条件保存設定」ボタン504の押下も可能となる。
【0124】
保存条件設定手段39は、「自動保存」ボタン502が押下された場合、上記(R1)の保存条件を設定する。保存条件設定手段39は、「ユーザ選択」ボタン503が押下された場合、上記(R2)の保存条件を設定する。これら保存条件の設定は、画像形成装置200の初期設定の1つとしてHDD等に記憶される。
【0125】
図24(b)は、ユーザが「詳細条件保存設定」ボタン504を押下した際に表示される詳細設定画面601の一例を示す図である。詳細設定画面601には、スキャナアプリの処理条件の各項目「宛先」「解像度」「カラーモード」「原稿種類」「ファイル形式」602が表示されている。管理者又はユーザは各項目602を押下することで、登録する項目602を個別に選択することができる。図24(b)では「宛先」が選択されているので、この場合、実行手段36はサーバ22から取得した処理条件のうち「宛先」だけを機器内処理条件に登録することになる。項目毎の個別の設定は、(R1)の保存条件の一部としてHDD等に記憶される。
【0126】
なお、図24(b)はスキャナアプリの処理条件を例示したもので、プリンタアプリ、コピーアプリ、ファックスアプリ、ネットファイルアプリ(ドキュメントボックスアプリ)、Webアプリについても登録する項目を個別に設定できる。
【0127】
保存条件設定手段39が、(R1)の保存条件を設定した場合、登録される処理条件の項目が図24(b)で設定された一部になるだけで、その他は実施例1又は2と変わりがない。一方、保存条件設定手段39が、(R2)の保存条件を設定した場合、ユーザが保存する項目を指示するための画面が表示される。
【0128】
例えば、図11(a)の処理条件一覧画201において、ユーザが「編集」ボタン207を押下すると、操作パネル制御手段31は図13(a)のような編集画面401を表示するが、この編集画面にてユーザが保存する項目が指示される。
図25は、本実施例の編集画面701の一例を示す図である。図25において図13(a)と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図25の編集画面701は、処理条件の各項目にチェックボックス412を有する。ユーザが保存したい項目に対応づけられたチェックボックス412を押下すると、操作パネル制御手段31がこれを受け付け、実行手段36に選択された処理条件の項目を通知する。これにより、実行手段36は、「登録」ボタン206又は「スタート」キーの押下に応じて、ユーザが選択した項目だけをHDD15に登録することができる。
【0129】
なお、登録する処理条件の項目をユーザが指定する画面は編集画面701である必要はなく、例えば、図11(b)(c)のように、ユーザが「詳細」ボタン205を押下することで表示される処理条件詳細画面301でもよい。
【0130】
本実施例によれば、保存条件設定手段39が保存条件設定画面501から初期設定として、HDD15に登録する処理条件を個別に設定しておくことができ、ユーザが所望の処理条件の一部の項目だけを登録することを可能にできる。
【符号の説明】
【0131】
9 プログラム
12 CPU
13 ROM
14 RAM
15 HDD
16 内部バス
17 スキャナエンジン
18 プロッタエンジン
19 通信I/F
20 操作パネル
21 LAN
24 機器内処理条件DB
31 操作パネル制御手段
32 表示手段
33 操作手段
34 実行設定手段
35 処理条件取得手段
36 実行手段
100 画像形成装置利用システム
200 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0132】
【特許文献1】特開2003−087479号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理条件に基づき情報処理する情報処理装置等に関し、特に、処理条件を編集可能な情報処理装置、情報処理装置利用システム及び処理条件編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークシステムにおいてディレクトリサービス(LANなどのコンピュータネットワーク上にあるユーザ情報、接続されているプリンタ、ファックスなどの機器を記憶し、検索可能にしたサービス。例えば「Active Directory」。)が利用されることがある。ディレクトリサービスの利用態様として種々のものが考えられるが、例えば、機器の処理条件(印刷条件、読み取り条件設定、画像データの配信方法、配信先ユーザ等)を外部のサーバに登録しておき、呼び出した処理条件を機器に設定して処理を実行する技術が考えられている。ユーザは、機器の操作を最小限にして所望の処理を機器に実行させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、利用者IDがスキャナに入力されると、スキャナが利用者IDを、ネットワークを介してスキャンサーバに送信し、スキャンサーバは、送信されてきた利用者IDと一致する利用者IDが内部メモリに登録されているか否か判定し、登録されている場合に利用者IDに対応する読取情報をスキャナに送信する画像読み取りシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、機器の操作パネルから、サーバから取得した処理条件を変更、追加、削除できれば、ユーザの利便性が向上する。しかし、ユーザが自由に処理条件の変更、追加、削除できるとすると、サーバで処理条件を管理している意味が薄れ、セキュリティが低下するおそれがある。例えば、処理条件には、画像データの配信先が含まれているので、配信先が変更されると特にセキュリティが低下しやすい。
【0005】
しかしながら、ユーザが処理条件を全く変更できないこととすると、利便性が低下してしまうという不都合が生じる。このように、管理された処理条件を用いた従来の機器の利用方法では、利便性とセキュリティを両立して確保しにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、機器の利便性とセキュリティを両立して確保できる情報処理装置、情報処理装置利用システム及び処理条件編集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ネットワークを介して接続されたサーバから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置において、前記サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得する取得手段と、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する表示手段と、前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段と、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する処理条件登録手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
機器の利便性とセキュリティを両立して確保できる情報処理装置、情報処理装置利用システム及び処理条件編集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置利用システムの概略について説明する図の一例である。
【図2】画像形成装置利用システムの画像形成装置のハードウェア構成図の一例である。
【図3】画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図4】宛先追加設定画面の一例を示す図である。
【図5】サーバのハードウェア構成について説明する図の一例である。
【図6】サーバの処理条件DBに記憶されている処理条件の一例を模式的に説明する図である。
【図7】サーバの機能ブロック図の一例である。
【図8】機器内処理条件の一例を示す図である。
【図9】機器内処理条件の一例を示す図である。
【図10】処理条件を画像形成装置に設定するまでの手順を示すシーケンス図の一例である。
【図11】処理条件一覧画面の一例を示す図である。
【図12】ユーザが機器内処理条件を用いて処理条件を編集する際のシーケンス図の一例である。
【図13】編集画面等の一例を示す図である。
【図14】図8(b)から処理条件番号が「−」以外の宛先だけを抽出したアドレス帳の一例を示す図である。
【図15】処理条件取得手段が編集範囲を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図16】処理条件を画像形成装置に設定するまでの手順を示すシーケンス図の一例である。
【図17】ユーザが機器内処理条件を用いて処理条件を編集する際のシーケンス図の一例である。
【図18】画像形成装置利用システムの構成図における画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図19】履歴機能をON又はOFFのいずれかの設定を受け付ける画面の一例を示す図である。
【図20】タイムスタンプ情報を有するアドレス帳の一例を示す図である。
【図21】編集画面の一例を示す図である。
【図22】処理条件取得手段が編集範囲を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図23】画像形成装置利用システムの構成図における画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図24】処理条件の保存条件の設定を受け付ける保存条件設定画面の一例を示す図である。
【図25】編集画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1を用いて、本実施例の画像形成装置利用システム100の概略について説明する。画像形成装置200とサーバ22はネットワークを介して接続されている。
【0012】
〔画像形成装置利用システム100の概略〕
(A1)画像形成装置200を利用するユーザは、画像形成装置200に認証情報(ユーザID、パスワード)を入力してログインする。画像形成装置200は認証情報をサーバ22に送信する。
(A2)画像形成装置200が認証情報をサーバ22に送信すると、サーバ22はこのユーザが利用できる処理条件を画像形成装置200に送信する。
(A3)ユーザは処理条件を確認して操作パネルの「登録」ボタンを押下する。画像形成装置200は「登録」ボタンの押下を受け付け、処理条件をハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶する。(実施例2では、「登録」ボタンの代わりにユーザがスターキーを押下して、サーバ22から受信した処理条件で画像形成装置200が処理を実行したあと、処理条件をハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶する。)。
【0013】
ここまでが、処理条件の記憶までの手順である。次に、ユーザが、サーバ22に記憶された処理条件を利用する際に、サーバ22から画像形成装置200が受信した処理条件を編集する手順を説明する。
(B1)画像形成装置200を利用するユーザは、画像形成装置200に認証情報(ユーザID、パスワード)を入力してログインする。
(B2)画像形成装置200が認証情報をサーバ22に送信すると、サーバ22はこのユーザが利用できる処理条件を画像形成装置200に送信する。画像形成装置200は認証情報をサーバ22に送信する。
(B3)画像形成装置200は、例えばユーザの操作に応じて、記憶装置に記憶されている処理条件、又は、処理条件と予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件、を読み出し操作パネルに表示する。
(B4)ユーザは、記憶装置に記憶されている処理条件、又は、処理条件と予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件を用いて、これから実行する処理条件を編集することができる。
(B5)ユーザは実行する処理条件を編集後、操作パネルの記憶ボタンを押下する。画像形成装置200は記憶ボタンの押下を受け付け、処理条件をハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置に記憶する。
【0014】
したがって、ユーザが実行する予定の処理条件を、画像形成装置200の記憶装置に記憶されていた処理条件、又は、処理条件と予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件の範囲で編集できる。すなわちユーザが編集して画像形成装置200に設定される処理条件は、元々サーバ22に記憶されていた処理条件、又は、予め画像形成装置200に記憶されている機器内処理条件なので、セキュリティはほとんど低下しない。このため、セキュリティの維持と、利便性の向上を両立して実現できる。
【0015】
〔画像形成装置200〕
図2は、画像形成装置利用システム100の画像形成装置200のハードウェア構成図の一例を示す。画像形成装置200は、LAN21を介してサーバ22aと、LAN21及びインターネット23を介してサーバ22bと電気的に接続されている。サーバ22aとサーバ22bは、処理条件を記憶しているサーバは画像形成装置200と通信可能な態様で存在すればよいことを示す。以下、サーバ22aとサーバ22bを区別せずにサーバ22という。このサーバ22には、各ユーザの処理条件が記憶されている。
【0016】
画像形成装置200は、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、又は、これらの1以上の機能を備えた複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。本実施形態では画像形成装置200をMFPとして説明する。
【0017】
画像形成装置200は、CPU12、ROM13、RAM14、HDD15、操作パネル20、通信I/F19、プロッタエンジン18、及び、スキャナエンジン17を備え、これらが内部バス16により相互に接続されている。 すなわち、画像形成装置200は、パーソナルコンピュータやワークステーション等と同等の構成を備えた情報処理装置に、プロッタやスキャナ、給紙機構等のハードウェアユニットが接続された構成を有する。
【0018】
CPU12は、画像形成装置200全体を統括制御する制御手段であり、ROM13やHDDに記録された種々のプログラム9を実行することにより、後述する処理条件取得手段35、実行手段36の各手段として機能する。
ROM13は不揮発性の記憶手段であり、CPU12が実行するプログラムや、固定的なデータ、パラメータ等を記憶している。ROM13を書き換え可能な記憶手段(例えば、フラッシュメモリ)として構成し、これらのデータをアップデートできるようにしてもよい。RAM14は、一時的に使用するデータを記憶したり、CPU12のワークメモリとして使用される主に揮発性の記憶手段(例えば、DIMM:Dual Inline Memory Module)である。
【0019】
HDD15は、CPU12が実行するプログラム9や、装置の電源がOFFされた後でも保持しておく必要があるデータ(フォントデータ、画像処理等のパラメータの値)、スキャナエンジン17によって読み取った画像データ、通信インターフェイスによって外部の情報処理装置から受信した印刷データ等、種々のデータを記憶する。
【0020】
特に、本実施例では、HDD15が、サーバ22から取得した処理条件を記憶する。また、HDD15には、種々の機器内処理条件が登録された機器内処理条件DB24をが予め記憶されている。機器内処理条件については後述する。
【0021】
なお、ROM13やHDD15などの記憶手段に、フラッシュメモリ等の他の記憶手段(例えば、SDD:Solid State Drive)を一部又は全部に実装してもよい。
操作パネル20は、各種の画面、画像形成装置200の状態、メッセージ等を表示するディスプレイを有し、ユーザに種々の情報を視覚的に提供するユーザインターフェイスである。このディスプレイにはタッチパネルが一体に配置されており、また、ディスプレイの周囲にはテンキー、スタートキー等を含むハードキーが配置され、操作パネル20は、ユーザからの操作を受け付けるユーザインターフェイでもある。
【0022】
通信I/F19は、LAN21やインターネット23を介してサーバ22と通信可能にするための通信装置である。通信I/F19は、例えばTCP/IPをプロトコルにして通信するため、物理層とデータリンク層の通信接続を、サーバ22との間で確立する。画像形成装置200とサーバ22の間は、TCP/IPの上位層の、例えばLDAP(Lightweight Directory Access Protocol )をプロトコルにして通信する。LDAPは、ディレクトリサービスでは汎用的なプロトコルで、画像形成装置200からサーバ22の処理条件を検索する際に利用される。
【0023】
プロッタエンジン18は、印刷装置(プロッタデバイス)を制御する制御手段である。印刷装置は、スキャナエンジン17が原稿から生成した画像データ、情報処理装置から取得された印刷データなどから画像を形成して用紙に印刷する。印刷装置としては、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、感光ドラム等に形成したトナー画像を用紙に転写し、定着装置により熱と圧力により定着して出力する形態、異なる色の液滴が吐出される複数のノズル列を備えた記録ヘッドを往復移動させ、ノズル列より液滴を吐出して画像を形成する形態等、どのようなものでもよい。
【0024】
スキャナエンジン17は、スキャナデバイスを制御する制御手段である。スキャナデバイスは、読み取り台に載置されたり自動原稿給装装置(ADF)によって読み取り部に給装されたりする原稿の画像から反射光をCCD等で読み取り、それをA/D変換して画素毎の画素値から成る画像データを生成する。
【0025】
CPU12は、操作パネル20によって得られた操作結果に基づき、操作結果データを生成する。操作結果データは、原稿サイズ、解像度、カラーモード等の処理条件を有する。プロッタエンジン18及びスキャナエンジン17は、操作結果データをCPUから取得して、それぞれ読み取り・印刷を行う。
【0026】
図3に基づき、画像形成装置200の機能について詳細に説明する。図3は、図2の画像形成装置利用システム100の構成図における画像形成装置200の機能ブロック図の一例を示す。図2では、操作パネル20に操作パネル制御手段31が接続されている。操作パネル制御手段31は、操作パネル20と一体としてもよい。操作パネル制御手段31は、表示手段32、実行設定手段34、及び、操作手段33を有する。
【0027】
表示手段32は操作パネル20のディスプレイに各種の画面を描画する。表示手段32は、各種のソフトキーの配置を定める画面定義情報に基づき画面を生成する。この画面定義情報は操作手段33から参照できるようになっている。操作手段33は、ハードキーの押下を受け付けこのハードキーの種類をCPU12に通知し、また、タッチパネルの押下位置を検出してこれと画面定義情報とからソフトキーの押下を受け付けこのソフトキーの種類をCPU12に通知する。これにより、CPU12はユーザの操作に応じた処理を実行できる。
【0028】
実行設定手段34は、ユーザによる処理条件の編集範囲を規定する。実行設定手段34は、次の2つの編集範囲のいずれかを処理条件の編集範囲に規定する。
(1)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件、の両方を、ユーザがこれから実行する処理条件の編集範囲とする
(2)サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを、ユーザがこれから実行する処理条件を編集範囲とする
このような設定は、例えば、画像形成装置200の「システム初期設定」キーを管理者又はユーザが押下して、表示された画面の複数のタブの1つを押下することで表示される宛先追加設定画面101から設定される。
図4(a)は、宛先追加設定画面101の一例を示す図である。宛先追加設定画面101は、「サーバを出所とする処理条件のみ」ボタン102と「サーバを出所とする処理条件 + アドレス帳」ボタン103とを有する。実行設定手段34は、「サーバを出所とする処理条件のみ」ボタン102が押下された場合は(2)の編集範囲を設定する。また、実行設定手段34は、「サーバを出所とする処理条件 + アドレス帳」ボタン103が押下された場合は(1)の編集範囲を設定する。実行設定手段34は(1)と(2)に対応したフラグをHDDやRAM14に記憶しておく。CPU(処理条件取得手段35)12はこのフラグを参照して、HDD15から読み出す対象(処理条件)を、処理条件のみとするか、処理条件に加え機器内処理条件とするか、を切り替える。
【0029】
例えば、(1)の編集範囲の場合、予めHDDにて記憶している機器内処理条件を編集範囲に含めることができるので、ユーザの編集可能な範囲が広くなり利便性が向上する。また、(2)の編集範囲の場合、サーバ22に登録されていた処理条件に編集範囲を制限できるので、セキュリティを向上できる。管理者又はユーザは、利便性とセキュリティのどちらを重視するかによって編集範囲を切り替えることができる。
【0030】
なお、(1)(2)以外の編集範囲を、処理条件の編集範囲として規定してもよい。図4(b)は宛先追加設定画面101の別の一例を示す図である。図4(b)の宛先追加設定画面101は「サーバを出所とする処理条件とアドレス帳の共通設定内容」ボタン103を有する。この設定は、上記(1)(2)とは別に、
(3)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件、の両方に共通な処理条件を、ユーザがこれから実行する処理条件の編集範囲とする、設定である。
この(3)ような編集範囲の場合、ユーザの編集可能な範囲が狭くなるのでセキュリティを(1)(2)よりも厳しくすることができる。
【0031】
図3に戻り、アプリケーション30は、ROM13やHDD15に記憶されたプログラム9をCPU12が実行して得られた機能の実体、又は、プログラム9そのものである。本実施例のアプリケーション30は、実行手段36及び処理条件取得手段35を有する。なお、アプリケーション30として画像形成装置200は、プリンタアプリ、コピーアプリ、ファックスアプリ、スキャナアプリ,ネットファイルアプリ(ドキュメントボックスアプリ)、Webアプリ等を有する。実行手段36及び処理条件取得手段35はこれらアプリから共通に利用できる。
【0032】
処理条件取得手段35は、操作パネル制御手段31からユーザが押下したハードキー又はソフトキーの種類を取得して、それらから操作結果データを生成する。上記のように、操作結果データには処理条件が含まれる。具体的には、スキャナアプリの処理条件は「解像度」「濃度設定」「カラー種別」「用紙サイズ」「配信方法」「配信先」等である。また、コピーアプリの処理条件は「用紙サイズ」「編集(集約・両面・製本)」「仕上げ(ステープル・パンチ・ソート)」等である。このような処理条件は、いったんHDD15に記憶される。
【0033】
実行手段36は、ユーザから受け付けたスタートキーの押下をトリガーにして、操作結果データに沿ってプログラム(各種のコントロールサービス、リソースマネージャ、デバイスドライバ等)を実行する。例えば、ユーザがスキャナアプリを選択した状態では原稿のスキャンが開始される。なお、スタートキーの押下は、操作パネル制御手段31から実行手段36に通知される。
【0034】
また、実行手段36は、処理条件をHDD15に記憶する。実行手段36は、ユーザによる操作パネル20の記憶ボタンの押下後(本実施例)、又は、スタートキーの押下後(実施例2)、処理条件をHDD15に記憶する。
【0035】
画像形成装置200では、実行手段36が処理条件を取得する方法が3つある。
・1つは、ユーザの操作を受けて処理条件取得手段35が取得した処理条件を、実行手段36がHDDから読み出す方法である。
・もう1つは、LAN21又はインターネット23を介してサーバ22から処理条件取得手段35が取得した処理条件を、実行手段36が受け取る方法(例えば、HDD15やRAM14を介して)である。
・もう1つは、LAN21又はインターネット23を介してサーバ22から処理条件取得手段35が取得した処理条件を、ユーザが編集した後、処理条件取得手段35が実行手段36に(例えば、HDD15やRAM14を介して)送出する方法である。本実施例では、主に、この3番目の方法について説明する。
【0036】
〔サーバ22〕
図5に基づき、サーバ22のハードウェア構成について説明する。サーバ22は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等を実体とする情報処理装置である。サーバ22は、CPU71と、ROMやRAMを含むメモリ72とが、バスで接続された構造を有する。このバスには、所定のインターフェイスを介して、大容量の記憶装置であるHDD75、マウスやキーボードなどの入力装置76と、LCDやCRTなどのディスプレイ80を接続するモニタ制御部77と、光ディスクなどの記憶媒体78を読み取る記憶媒体読取装置73が接続され、また、インターネット23などのネットワークやUSBなどの外部機器と通信を行なう所定のネットワーク装置74が接続されている。
サーバ22のHDD75には、処理条件を画像形成装置200に送信するプログラム79が記憶されている。このプログラム79は、記憶媒体78から記憶媒体読取装置73により読み取られ、又は、インターネット23などのネットワークからダウンロードされるなどして、HDD75にインストールされたものである。サーバ22のCPU71は、HDD75に記憶しているプログラム79を読み出し、メモリ72のRAMを作業メモリにして実行することで、処理条件提供手段41を実現する。また、サーバ22のHDD75には処理条件DB70が記憶されている。処理条件DB70に登録された処理条件については後述する。
【0037】
ネットワーク装置74は、例えば、TCP/IPをプロトコルにして通信するため、物理層とデータリンク層の通信接続を、画像形成装置200との間で確立する。なお、本実施例では、画像形成装置200とサーバ22を別体に構成したが、画像形成装置200にサーバ22の機能を統合してもよい。この場合、サーバ22の機能や資源にアクセスできる者を管理者に限定し、画像形成装置200のユーザはサーバ22の機能や資源にアクセスできないようにする。
【0038】
図6に基づき、処理条件について説明する。図6は、サーバ22の処理条件DB70に記憶されている処理条件の一例を模式的に説明する図である。処理条件は、ユーザ毎、かつ、アプリケーション30毎に登録されている。図6の処理条件は、スキャンアプリ用の処理条件であるが、この他、プリンタアプリ、コピーアプリ、ファックスアプリ、ネットファイルアプリ用の処理条件が登録されうる。
【0039】
スキャンアプリ用の処理条件は、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目を有する。例えば、処理条件1の「宛先」は「takaka@dd.com aaaa@bbbb eeee@ffff」、「原稿種類」は「文字」、「解像度」は「400dpi」、「サイズ」は「自動検知」、「カラーモード」は「白黒」、「ファイル形式」は「PDF」である。このように、複数の処理条件を、ユーザ毎かつアプリケーション30毎に登録することができる。
【0040】
なお、「処理条件2」の右横の「※」は、画像形成装置200においてユーザが編集することができない処理条件であることを示す。図6の例では、「処理条件1」はユーザが編集可能で、「処理条件2」はユーザが編集できないことになる。このような設定は次述の管理者が行う。
【0041】
このような処理条件を画像形成装置200がサーバ22から取得すると、実行手段36は、例えばスキャナを動作させるパラメータとして「解像度」「濃度設定」「カラー種別」「用紙サイズ」の値を設定する。したがって、ユーザが画像形成装置200の操作パネル20を操作して「解像度」「濃度設定」「カラー種別」「用紙サイズ」を設定しなくても、画像形成装置200が原稿を読み取り、画像データを生成することができる。
【0042】
サーバ22への処理条件の登録は、管理者によって実行される。登録について簡単に説明する。管理者は、サーバ22と通信可能な端末にログインすることができ、この端末を操作して以下の手順を一例に処理条件をサーバ22に登録する。なお、端末とサーバ22が一体であってもよい。
(登録1)端末は特定のOS(例えば、Windows(登録商標)VISTA、7と同等以上の機能を備えたOS)の一機能又はアプリケーションソフトウェアとして実装される「スキャナ管理コンソール」というユーザインターフェイスを有する。スキャナ管理コンソールは、管理者が画像形成装置200及びサーバ22と通信したり、各種の情報を設定するためのユーザインターフェイスの一態様である。端末と画像形成装置200は、所定のプロトコル(例えば、WS−EWS)により通信する。
【0043】
処理条件を作成するためには画像形成装置200の能力情報(カラーでの読み取りが可能か否か、最大解像度はいくつか、等の情報)が必要になる。このため端末は、管理者の操作を受け付け、画像形成装置200にその画像形成装置200が有している能力情報や状態を問い合わせる。
(登録2)端末が画像形成装置200に対してその画像形成装置200が有している能力情報の提供を要求すると、要求に応じて画像形成装置200は端末に対して自機の能力情報を提供する。なお、端末が画像形成装置200の能力情報を受け取るのは管理者が処理条件作成の操作を行う前でもよいし、処理条件作成を行おうとした時でもよい。
【0044】
端末は画像形成装置200から受信した能力情報をディスプレイに表示する。管理者は、能力情報による能力を超えない範囲で、読み取り設定を登録することができる。また、管理者は、配信設定、その読み取り設定を使用するユーザの「ユーザ名」「パスワード」等を登録する。
(登録3)そして、端末は各種の情報が登録された処理条件をサーバ22に送信する。サーバ22はこれをユーザが参照可能なように例えばユーザIDに対応づけて保存する(記憶する)。サーバ22は、複数のネットワークに接続されたPC、スキャナ、プリンタ、複写機、ファクシミリ等を、ドメイン(ユーザーとコンピュータの管理単位)の階層構造として管理する。例えば、このサーバ22に接続可能な画像形成装置200等を規定することができる。ここまでが処理条件登録に関する処理の流れである。
【0045】
なお、管理者が一台の画像形成装置200について、端末を操作して処理条件を生成しサーバ22に登録する態様を説明したが、管理者により、一台の画像形成装置200について1つの処理条件が生成されると、端末は、その処理条件を、能力情報を提供した他の画像形成装置200…に適用して新しい処理条件を作成する。すなわち、一台の画像形成装置200の処理条件がサーバ22に登録されると、他の画像形成装置200でも、同じことができる処理条件を自動でサーバ22に登録することができる。
【0046】
図7は、サーバ22の機能ブロック図の一例を示す。処理条件提供手段41は、処理条件DB70とユーザ認証手段42と接続されている。処理条件提供手段41は、画像形成装置200から認証情報を受信する。認証情報は、上記のようにユーザIDとパスワードである。画像形成装置200は、処理条件の送信をサーバ22に要求する処理条件取得要求に認証情報を含めてサーバ22に送信する。処理条件提供手段41は、処理条件取得要求を受信すると、認証情報をユーザ認証手段42に送出する。ユーザ認証手段42は、認証情報(ユーザIDとパスワードの組)が不図示の認証情報DBに登録されているか否かに基づき、ユーザの認証が成立するか否かを判定し、判定結果を処理条件提供手段41に送出する。
【0047】
処理条件提供手段41は、ユーザの認証が成立したとの判定結果を取得した場合、ユーザIDをキーに処理条件DB70を参照し、ユーザIDに対応づけられた処理条件を処理条件DB70から読み出す。ユーザIDに対応づけられた処理条件が複数ある場合、処理条件提供手段41は全ての処理条件を読み出す。または、処理条件取得要求に要求する処理条件のアプリケーション30の種類を含めておき、該当するアプリケーション30の処理条件のみを処理条件提供手段41が読み出してもよい。処理条件提供手段41は、処理条件DB70から読み出した全ての処理条件を画像形成装置200に送信する。
【0048】
〔機器内処理条件〕
続いて、図8を用いて機器内処理条件について説明する。図8は機器内処理条件DB24に記憶された機器内処理条件の一例を示す図である。機器内処理条件は、管理者により画像形成装置に登録された処理条件と同等な情報である。「同等」であるので、処理条件と機器内処理条件とは同一でなくてもよい。機器内処理条件はどのような形態(例えば、処理条件単位、処理条件の項目単位、等)で記憶してもよいが、本実施例では、機器内処理条件を用いてユーザが処理条件を編集するので、処理条件の項目に対応して分解された項目単位の記憶形態とした。
【0049】
図8(a)は機器内処理条件の一項目である宛先(情報)を示す。機器内処理条件の宛先はアドレス帳と同じフォーマットなので、本実施例ではアドレス帳を機器内処理条件の宛先として示した。アドレス帳は、「ユーザ」「宛先」「処理条件番号」の各欄を有する。図8(a)はアドレス帳の一例であるが、図8(a)では「処理条件番号」の欄を有することが従来と異なる。「処理条件番号」は、処理条件の出所を識別するための番号である。
【0050】
「ユーザ」には宛先としてユーザのユーザIDやユーザ名等、ユーザを識別するための情報が登録される。「宛先」にはE-Mailアドレスやファックス番号など、画像データの送信先が登録される。図8(a)のようなアドレス帳は、管理者(サーバ22の管理者と同じでも異なっていてもよい。)が不図示のサーバ22又は画像形成装置200の操作パネル20から入力する。したがって、アドレス帳に登録されている宛先であれば、画像データを送信しても情報漏洩のおそれは少ない。図8(a)のアドレス帳では、管理者が登録した宛先には「処理条件番号」として「―」が登録される。
【0051】
これに対し、図8(b)はいくつかの宛先が処理条件から登録されたアドレス帳の一例を示す図である。処理条件から登録された「宛先」の「処理条件番号」には「―」以外の情報(数値等)が登録される。したがって、「処理条件番号」を参照するとその宛先が管理者が登録された機器内処理条件か、処理条件を出所とするかを判別できる。このように、1つのアドレス帳に機器内処理条件と処理条件が混在しても、両者を判別できるようになっている。なお、図8(b)は一例であって、機器内処理条件と処理条件を別々のデータベースに登録してもよい。
【0052】
図9(a)〜(e)は、「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の機器内処理条件及び処理条件を示す図の一例である。アドレス帳と同様に、予め、管理者が画像形成装置200に登録した「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の処理条件番号には「―」が登録されている。これら機器内処理条件は、宛先と異なり、画像形成装置200に固有であるので管理者が登録しておかなくてもよい。すなわち、画像形成装置200が指定されれば、その画像形成装置200で設定可能な「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」も自動的に定まる。しかしながら、管理者が、画像形成装置200の最大性能のうち一部の機能のみの使用をユーザに許可したい場合がある。例えば、カラーによる読み取りではファイルサイズが大きくなるので、カラーによる許可は原則的に許可したくないような場合である。このような要求から、管理者は図9(a)〜(e)の処理条件番号が「―」の機器内処理条件を、予め画像形成装置200に登録している。
【0053】
したがって、画像形成装置200がサーバ22から処理条件を受信し、画像形成装置200に処理条件として登録すると、管理者が登録した以外に、ユーザが画像形成装置200に設定して実行可能な処理条件が増大することになる。しかしながら、サーバ22にはユーザ毎に処理条件が登録されており、また、その処理条件は管理者が該ユーザに使用を許可した処理条件なので、多くの場合、処理条件は、予め画像形成装置200に登録された機器内処理条件に含まれる。または、サーバ22から送信された処理条件は、予め画像形成装置200に登録された機器内処理条件よりも機能として大きい(例えば、処理条件の「解像度」が600dpi、機器内処理条件の「解像度」が300dpi、処理条件の「カラーモード」がカラー、機器内処理条件の「カラーモード」が白黒、のような関係)ものである。このため、画像形成装置200では、サーバ22から受信した処理条件を、機器内処理条件により編集してもよいことになる。
【0054】
実行手段36は、サーバ22から受信した処理条件を画像形成装置200に登録するタイミングになると、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目毎に、機器内処理条件に重複して登録されているか否かを判定する。重複して登録されていなければ、実行手段36は、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目毎を、それぞれ機器内処理条件に登録する。
【0055】
なお、ここでいう「重複」とは、処理条件の各項目だけでなく処理条件番号が同じか、少なくとも、処理条件番号「―」でない機器内処理条件と同じであるこという。前者を例にすると、例えば、「原稿種類」が「文字」で処理条件番号が「―」と、「原稿種類」が「文字」で処理番号条件が「1」のとは、重複していると判定されない。したがって、この場合、「文字」について処理条件番号「―」と処理条件番号「1」とがどちらも機器内処理条件に登録される。これは、本実施例では編集範囲が(1)と(2)のように切り替えられるため、同じ処理条件でも出所に応じて別々に扱うためである。
【0056】
〔処理条件を画像形成装置200に設定するまでの手順〕
図10のシーケンス図に基づき処理条件を画像形成装置200に設定するまでの手順について説明する。まず、ユーザは操作パネル20を操作して認証操作を入力する(S3.1)。認証操作は認証情報を画像形成装置200に入力できればどのような操作でもよく、例えば、ユーザID及びパスワードを操作パネル20から入力する方法、ICカードを画像形成装置200に読み取らせることでユーザID及びパスワードを入力する方法、等がある。
【0057】
操作パネル制御手段31は、ユーザID及びパスワードの登録画面又はICカードから認証情報を受け付ける。操作パネル制御手段31は、認証情報を含む処理条件取得要求を処理条件取得手段35に送出する(S3.2)。処理条件取得手段35は、通信I/F19に、処理条件取得要求をサーバ22に送信するよう要求する(S3.3)。なお、画像形成装置200には、サーバ22のIPアドレスやMACアドレスなどが予め登録されている。通信I/F19は、処理条件取得要求をサーバ22に送信する(S3.4)。
【0058】
サーバ22のネットワーク装置74が処理条件取得要求を受信すると、ネットワーク装置74は処理条件提供手段41に送出する(S3.5)。処理条件提供手段41は、ユーザ認証手段42に認証情報を送出し、ユーザの認証が成立した場合、ユーザIDをキーに処理条件DB70から処理条件を読み出し(S3.6)、処理条件を取得する(S3.7)。処理条件提供手段41は、読み出した処理条件を画像形成装置200に送信するようネットワーク装置74に要求する(S3.8)。ネットワーク装置74は、処理条件を画像形成装置200に送信する(S3.9)。
【0059】
画像形成装置200の通信I/F19が処理条件を受信すると、通信I/F19は処理条件を処理条件取得手段35に送出する(S4.0)。処理条件取得手段35は、処理条件を操作パネル制御手段31に送出する(S4.3)。操作パネル制御手段31の表示手段32は、予め定められた画面定義情報に処理条件番号を加えて、処理条件の一覧画面を表示する。
図11(a)は処理条件一覧画面201の一例を示す図である。処理条件一覧画201は、一覧される「処理条件n(n=処理条件番号)」ボタン202〜204、「詳細」ボタン、「登録」ボタン206及び「編集」ボタン207を有する。ユーザが、1つの「処理条件n」ボタン202〜204を押下すると、排他的に押下された「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示される。この状態で、ユーザが「詳細」ボタン205を押下すると、表示手段32は該処理条件の詳細を表示する。また、「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザが「登録」ボタン206を押下すると「処理条件n」の処理条件を、実行手段36がHDD15に記憶する。また、「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザが「編集」ボタン207を押下すると「処理条件n」ボタン202〜204の処理条件の編集画面401が、表示される。
【0060】
図11(b)(c)は、ユーザが「詳細」ボタン205を押下することで、操作画面に表示された処理条件詳細画面301の一例を示す図である。図11(b)は処理条件1を、図11(c)は処理条件2をそれぞれ表示した場合の処理条件詳細画面301である。図6の処理条件1に示したように、図11(b)の「宛先」には「takaka@dd.com」「aaaa@bbbb」「eeee@ffff」が表示されている。ユーザが処理条件詳細画面301の右のスクロールバー303を操作すると、表示手段32は「解像度」「原稿種類」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」等の他の処理条件を表示する。
【0061】
同様に、図6の処理条件1に示したように、図11(c)の「宛先」には「ffff@gggg
hhhh@iiii」「iiii@jjjj」が表示されている。ユーザが処理条件詳細画面301の右のスクロールバー303を操作すると、表示手段32は「解像度」「原稿種類」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」等の他の処理条件を表示する。
【0062】
図11(b)(c)においてユーザが「戻る」ボタン302を押下すると、操作手段33がそれを受け付け、表示手段32は図11(a)の処理条件一覧画201を再度、表示する。
【0063】
図11(a)においてユーザが「編集」ボタン207を押下した際に表示される編集画面401の一例を図13(a)に示すが、編集画面401については後述する。
【0064】
図10に戻り、図11(b)(c)にてユーザが詳細な処理条件を確認し、図11(a)に戻り、図11(a)の「登録」ボタン206を押下すると、操作パネル制御手段31は、「登録」ボタン206の押下を受け付ける(S4.4)。操作パネル制御手段31は、実行手段36にユーザが選択した処理条件を記憶するよう要求する(S4.5)。実行手段36は、処理条件と記憶要求を取得し、HDD15に記憶する(S4.6)。
【0065】
例えば、処理条件に含まれる宛先「takaka@dd.com」「aaaa@bbbb」「eeee@ffff」が、画像形成装置200のアドレス帳に記憶される。また、実行手段36は、処理条件をHDD15に記憶する際、処理条件番号も記憶する。これにより、処理条件の出所が明らかとなる。
【0066】
〔機器内処理条件を用いた処理条件の編集手順〕
図12は、ユーザが上記の(1)又は(2)のいずれかを編集範囲として、サーバ22から取得した処理条件を編集する際のシーケンス図の一例を示す。このような処理条件の編集は、例えばその画像形成装置200において禁止されていない限り可能である。したがって、実際には、図12のシーケンス図は図10のシーケンス図と一体であって両者が区別して実行されることは少ない。
【0067】
図12において、ユーザがログインしてから実行手段36が処理条件をサーバ22から取得するまでの手順は、図10と同様なので説明を省略する。
【0068】
ステップS4.0までの処理で、処理条件取得手段35が通信I/F19から処理条件を取得する(S4.0)。すると、処理条件取得手段35は、編集用の「処理条件」又は「処理条件+機器内処理条件」をHDD15から読み出す(S4.1)。
【0069】
上述したように、実行設定手段34によって処理条件の編集範囲が規定されている。すわなち、予めHDD15にて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を、ユーザがこれから実行する処理条件の編集範囲とするか(1)、サーバ22から受信してHDD15に記憶しておいた処理条件だけを、ユーザがこれから実行する処理条件を編集範囲とするか(2)、が規定されている。処理条件取得手段35は、実行設定手段34が設定した例えばフラグを読み編集範囲を決定し、編集範囲に応じてHDD15から「処理条件」又は「処理条件+機器内処理条件」を読み出す(S4.2)。この手順については図15のフローチャート図にて説明する。
【0070】
図13(a)は、編集画面401の一例を示す図である。編集画面401には、ユーザが処理条件一覧画201で選択した「処理条件n」ボタン202〜204のいずれかの処理条件が項目毎に表示されている。図13(a)は処理条件1が選択された場合に表示される編集画面401である。また、「宛先」の欄には「宛先追加」ボタン405が表示されている。「宛先追加」ボタン405は、処理条件1の宛先「takaka@dd.com aaaa@bbbb eeee@ffff」に、ユーザが別の宛先を追加するためのボタンである。すなわち、「宛先追加」ボタン405は宛先の編集を開始するためのボタンとなる。
【0071】
図13(a)では、「宛先」の欄にしか編集を開始するためのボタンがないが、各項目に編集を開始するためのボタンが表示される。
【0072】
ユーザが「宛先追加」ボタン405を押下すると、操作パネル制御手段31は「宛先追加」ボタン405の押下を受け付ける。すると、操作パネル制御手段31は、処理条件取得手段35がHDD15から読み出した「処理条件」又は「処理条件+機器内処理条件」を操作パネル20に表示する。実行設定手段34による設定が、予めHDD15にて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする場合、操作パネル制御手段31が表示する宛先は図8(b)のアドレス帳の宛先である。より正確には、図8(b)のアドレス帳から、図13(a)の宛先(サーバ22からの処理条件に含まれている宛先)の重複を排除した宛先である。処理条件取得手段35は、図8(b)のアドレス帳の全てを読み出し、重複を排除して操作パネル制御手段31に送出する。
【0073】
実行設定手段34による設定が、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを編集範囲とする場合、操作パネル制御手段31が表示する宛先は図8(b)のアドレス帳(機器内処理条件)のうち、処理条件番号が「−」以外の宛先である。より正確には、図8(b)のアドレス帳の処理条件番号が「−」以外の宛先から、図13(a)の宛先(サーバ22からの処理条件に含まれている宛先)の重複を排除した宛先である。
【0074】
図14は、図8(b)から処理条件番号が「−」以外の宛先だけを抽出したアドレス帳の一例を示す。処理条件取得手段35は、図14のようなアドレス帳を読み出し、重複を排除して操作パネル制御手段31に送出する。
【0075】
図13(b)は、「宛先追加」ボタン405が押下されると表示される宛先追加画面402の一例を示す。宛先追加画面402には、名前(ユーザID又はユーザIDに紐づけられたユーザの氏名、ニックネーム等)409、宛先410及びチェックボックス408が表示される。
【0076】
図13(b)の左の宛先追加画面402は、実行設定手段34による設定が、予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする場合を、図13(b)の右の宛先追加画面402は、実行設定手段34による設定が、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを編集範囲とする場合の画面を、それぞれ示す。
【0077】
図13(b)の右図では、機器内処理条件の宛先が表示されないので、「suchann@murataku.ac.jp」「daaa@temada」が表示されない。すなわち、実行設定手段34による設定が、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけを編集範囲とする場合、ユーザは機器内処理条件を編集に用いることができない。
【0078】
ユーザは、宛先追加画面402で追加したい宛先の先頭のチェックボックス408を押下する。図13(b)左図では「ffff@gggg」が、図13(b)右図では「llll@mmmm」が、それぞれチェックされている。操作パネル制御手段31は、押下を受け付けチェックボックス408にチェックマークを表示する。その状態で「OK」ボタン407を押下すれば、操作パネル制御手段31はチェックマークを表示した宛先を受け付ける。また、操作パネル制御手段31は、宛先が追加された編集画面401を再度表示する。
【0079】
図13(c)は、宛先が追加された編集画面401の一例を示す図である。図13(a)と比べ、図13(c)左図では「ffff@gggg」が宛先に追加され、図13(c)右図では「llll@mmmm」が宛先に追加されている。ユーザが「戻る」ボタン404を押下すると、操作パネル制御手段31は「戻る」ボタン404の押下を受け付け、図11(a)の処理条件一覧画201を表示する。
【0080】
図12に戻り、ユーザが、図11(a)の処理条件一覧画201から「登録」ボタン206を押下すると(S4.4)、操作パネル制御手段31は「登録」ボタン206の押下を受け付ける。操作パネル制御手段31は、図11(a)にてユーザが選択した処理条件に、ユーザが編集して追加した処理条件(宛先)を追加して、実行手段36に送出する(S4.5)。実行手段36はHDD15に、ユーザが編集して宛先等を追加した処理条件(宛先)を登録する(S4.6)。上記のように、実行手段36は、「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」の各項目毎に、機器内処理条件に重複して登録されているか否かを判定し、重複して登録されていなければ各項目毎を、それぞれ機器内処理条件に登録する。
【0081】
例えば、「登録」ボタン206を押下することで、操作パネル制御手段31はユーザが編集した処理条件が設定された実行画面を表示する。したがって、ユーザは、処理条件の登録後、「スタート」キーを押下することで、該処理条件を実行することができる。
【0082】
以上の処理により、HDD15には新たな内処理条件が登録されたことになる。したがって、次回、サーバ22から処理条件を取得した際は、新たに登録された処理条件を編集範囲とすることができる。なお、例えば、編集範囲を「サーバから受信してHDDに記憶しておいた処理条件だけ」に限定している限り、編集範囲が管理者がサーバ22に設定した処理条件の範囲を超えることはなく、セキュリティが低下することはない。また、編集範囲を「予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバから受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方」としても、機器内処理条件は管理者が登録したものなので、大きくセキュリティが低下することもない。したがって、機器の利便性とセキュリティを両立して確保することができる。
【0083】
〔編集範囲の決定の詳細な手順〕
図12のステップS4.1〜S4.2において、処理条件取得手段35が編集範囲を決定する手順を説明する。
図15のフローチャート図は、処理条件取得手段35が、通信I/F19から(サーバ22から)処理条件を取得するとスタートする。
【0084】
まず、処理条件取得手段35は、処理条件が編集可能か否かを判定する(S110)。処理条件取得手段35は、処理条件に「※」が添付されているか否かに基づき、その処理条件が編集可能か否かを判定する。編集が許可されない場合(S110のNo)、図15のフローチャート図に基づく処理は終了する。
【0085】
編集が許可されている場合(S110のYes)、処理条件取得手段35は、実行設定手段34が設定したフラグを参照する(S120)。上記のようにこのフラグは編集範囲を規定する。
【0086】
処理条件取得手段35は、編集範囲がアドレス帳からの追加が許可されているか否かを判定する(S130)。アドレス帳からの追加とは、「(1)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする」ことに相当する。
【0087】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のYes)、処理条件取得手段35はHDD15のアドレス帳を読み出す(S140)。アドレス帳には機器内処理条件が記憶されている。
【0088】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のNo)、処理条件取得手段35はHDDから、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件のみを読み出す(S150)。
【0089】
ついで、処理条件取得手段35は、サーバ22から受信した処理条件の宛先とHDDから読み出した宛先の重複を排除する(S160)。処理条件取得手段35は、アドレス帳から読み出し重複を排除した宛先を操作パネル制御手段31に送出する。
【0090】
これにより、操作パネル制御手段31は、図13(b)のような宛先追加画面402を表示することができる(S170)。
【0091】
以上説明したように、本実施例の画像形成装置利用システム100は、サーバ22から受信した処理条件の編集を編集範囲を限定して認めることで、利便性とセキュリティを両立することができる。また、編集範囲を可変にできるので、利便性を向上させるか、セキュリティを向上させるか、を適宜調整できる。
【実施例2】
【0092】
実施例1では、「登録」ボタン206により処理条件を登録したが、本実施例では処理条件の実行により、サーバ22から受信した編集前又は編集後の処理条件をHDD15に記憶する画像形成装置利用システム100について説明する。実際に画像形成装置200が実施した処理条件だけを登録することで、不用意に機器内処理条件の記憶容量が大きくなることを防止したり、実行後、自動的に処理条件を登録できるので操作手順を簡易化できる。
【0093】
本実施例の画像形成装置200の機能ブロック図は図2と同様であるので説明は省略する。
図16は、処理条件を画像形成装置200に設定するまでの手順を示すシーケンス図の一例である。図16において、ステップS4.0までは図10と同様である。画像形成装置200の通信I/F19がサーバ22から処理条件を受信すると、通信I/F19は処理条件を処理条件取得手段35に送出する(S4.0)。処理条件取得手段35は、処理条件を操作パネル制御手段31に送出する(S4.3)。操作パネル制御手段31の表示手段32は、予め定められた画面定義情報に処理条件番号を加えて、処理条件覧画面201を表示する。
【0094】
操作パネル制御手段31は、実施例1と同様に図11(a)のような処理条件一覧画201を表示する。ユーザが、1つの「処理条件n」ボタン202〜204を押下すると、排他的に押下された「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示される。実施例1と同様にユーザが「詳細」ボタン205を押下すると表示手段32は該処理条件の詳細を表示するので、ユーザは処理条件を確認することができる。
【0095】
いずれかの「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザがハードキーの1つである「スタート」キーを押下すると、操作パネル制御手段31は「スタート」キー押下を受け付ける(S5.1)。操作パネル制御手段31は、実行手段36に処理条件の実行を要求する(S5.2)。実行手段36は、処理条件をパラメータに設定して処理を実行する(S5.3)。すなわち、画像形成装置200は、処理条件の「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」をそれぞれパラメータとして設定し、原稿を読み取り画像データを生成する。
【0096】
実行手段36が処理条件の実行を終了すると、実行手段36は処理条件を各項目毎に、HDD15に登録する。
【0097】
図17は、ユーザが機器内処理条件を用いて処理条件を編集する際のシーケンス図の一例を示す。図17において、ユーザがログインしてから、ユーザが処理条件を編集するまでの手順は、図12と同様なので説明を省略する。
【0098】
図13(c)の編集画面403においてユーザが処理条件を編集して「戻る」ボタン404を押下すると、操作パネル20には、図11(a)の処理条件一覧画201が表示される。いずれかの「処理条件n」ボタン202〜204が反転表示された状態で、ユーザがハードキーの1つである「スタート」キーを押下すると、操作パネル制御手段31は「スタート」キー押下を受け付ける(S5.1)。操作パネル制御手段31は、実行手段36に処理条件の実行を要求する(S5.2)。実行手段36は、処理条件をパラメータに設定して処理を実行する(S5.3)。すなわち、画像形成装置200は、処理条件の「宛先」「原稿種類」「解像度」「サイズ」「カラーモード」「ファイル形式」をそれぞれパラメータとして設定し、原稿を読み取り画像データを生成する。
【0099】
実行手段36が処理条件の実行を終了すると、実行手段36は処理条件を各項目毎に、機器内処理条件に登録する。すなわち、既に図16で処理条件がHDD15に登録された状態で、実行手段36は実行した処理条件をHDD15に登録する。
【0100】
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、実際に画像形成装置200が実施した処理条件だけを登録することで、不用意に機器内処理条件の記憶容量が大きくなることを防止したり、「スタート」キーを押下するだけで実行と登録が行われるので、操作手順を簡易化できる。
【実施例3】
【0101】
本実施例では、宛先追加画面402において表示される宛先を、過去に追加した宛先に基づきソートして表示する画像形成装置利用システム100について説明する。機器処理条件に登録される宛先の数は、徐々に増えるものと考えられる。この点、他の処理条件の項目が、画像形成装置200のハード的な機能の制約を受け、あまり増えない傾向にあるのと異なる。また、操作パネル20の大きさは有限である。したがって、宛先を宛先追加画面402に表示する場合、ユーザが選ぶ可能性の高いものから表示することで、ユーザの操作性が向上する。
【0102】
図18は、画像形成装置利用システム100の構成図における画像形成装置200の機能ブロック図の一例を示す。図18において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図18では、操作パネル制御手段31が履歴設定手段37を有し、処理条件取得手段35がソート手段38を有する。
【0103】
履歴設定手段37は、操作パネル20からの、管理者又はユーザによる履歴機能のON又はOFFの設定を受け付ける。
図19は、履歴機能のON又はOFFの設定を受け付ける画面の一例を示す。図19の画面は宛先追加設定画面101を例にしたが、履歴機能をON又はOFFに設定できればどのような画面でもよい。「履歴機能」ボタン105にチェックボックス106が表示されており、ユーザがチェックボックス106を押下すると、操作パネル制御手段31は履歴機能がONであることを受け付け、履歴設定手段37に通知する。
【0104】
履歴設定手段37は、履歴機能をON又はOFFに対応したフラグをHDDやROMに記憶しておく。処理条件取得手段35のソート手段38は、このフラグを参照して、宛先追加画面402の宛先をソートするか否かを決定する。のソート手段38は、HDD15に記憶された処理条件のタイムスタンプ情報を参照して、「宛先」をソートする。
【0105】
図13(c)に示したように、操作パネル制御手段31は、ユーザが追加した宛先を、図11(a)にてユーザが選択した処理条件に加える。操作パネル制御手段31は、ユーザが追加した宛先と、処理条件を処理条件取得手段35に送出する。処理条件取得手段35は、実行手段36に、宛先が追加された処理条件を送出するので、実行手段36はHDDに、ユーザが編集して宛先等を追加した処理条件(宛先)を登録する。
【0106】
処理条件の登録の際、実行手段36は、追加された処理条件(宛先)に追加された日時のタイムスタンプ情報を登録する。
図20は、タイムスタンプ情報を有するアドレス帳の一例を示す。なお、図20において図8(b)と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図20の最も右の欄には「追加日時」が設けられており、「takaka@dd.com」は「3日前」に処理条件に追加されたことが、「suchann@murataku.ac.jp」は「2日前」に処理条件に追加されたことが、「ffff@gggg」は「1日前」に処理条件に追加されたことが、分かる。
【0107】
なお、より好ましくは、最新のタイムスタンプ情報だけでなく、1つの宛先に対し過去5回程度のタイムスタンプ情報を登録しておく。こうすることで、宛先毎に使用頻度を算出することが可能となる。
【0108】
そして、図13(b)の宛先追加画面402を表示する際、ソート手段38は、タイムスタンプ情報を参照して、「宛先」をソートする。または、ソート手段38は、ソートして宛先を操作パネル制御手段31に送出する。タイムスタンプ情報によれば、最も最近、編集対象として追加された宛先は、「ffff@gggg」で、その前が「suchann@murataku.ac.jp」、さらにその前が「takaka@dd.com」であるので、操作パネル制御手段31はこの順番で宛先追加画面402の宛先を表示する
図21は、本実施例における図13(b)の宛先追加画面402の一例を示す図である。図21と図13(b)の左図を比べると、最も最近追加した「ffff@gggg」が最上段に表示されている。最近追加した宛先は、再度追加することが多いので、表示する宛先を過去の履歴でソートすることで、ユーザは画面の切り替えやスクロールを最小限にして、所望の宛先を追加することができる。
【0109】
なお、図21に示した「ソート」ボタン411を押下することで、ソート順を切り替えてもよい。ユーザが「ソート」ボタン411を押下する毎に、ソート手段38は、例えば「タイムスタンプ情報」「アルファベット順」「逆アルファベット順」「使用頻度」のように、ソートの要因を順番に切り替える。こうすることで、操作パネル制御手段31は、ユーザの所望のソート順で追加対象の宛先を表示することができる。
【0110】
〔編集範囲の決定の詳細な手順〕
図22は、処理条件取得手段35が編集範囲を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。図22において、ステップS160までの処理は図15と同様である。まず、処理条件取得手段35は、処理条件が編集可能か否かを判定する(S110)。処理条件取得手段35は、処理条件に「※」が添付されているか否かに基づき、その処理条件が編集可能か否かを判定する。編集が許可されない場合(S110のNo)、図22のフローチャート図に基づく処理は終了する。
【0111】
編集が許可されている場合(S110のYes)、処理条件取得手段35は、実行設定手段34が設定したフラグを参照する(S120)。上記のようにこのフラグは編集範囲を規定する。
【0112】
処理条件取得手段35は、編集範囲がアドレス帳からの追加が許可されているか否かを判定する(S130)。アドレス帳からの追加とは、「(1)予めHDDにて記憶している機器内処理条件と、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件の両方を編集範囲とする」ことに相当する。
【0113】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のYes)、処理条件取得手段35はHDDのアドレス帳を読み出す(S140)。アドレス帳には機器内処理条件が記憶されている。
【0114】
アドレス帳からの追加が許可されている場合(S130のNo)、処理条件取得手段35はHDDのアドレス帳から、サーバ22から受信してHDDに記憶しておいた処理条件のみを読み出す(S150)。
【0115】
ついで、処理条件取得手段35は、サーバ22から受信した処理条件の宛先とHDDから読み出した宛先の重複を排除する(S160)。
【0116】
次に、ソート手段38は、履歴機能がONかOFFかを判定する(S165)。履歴機能がOFFの場合(S165のNo)、ソート手段38が宛先の表示順をソートすることなく、処理条件取得手段35は、アドレス帳から読み出し重複を排除した宛先を操作パネル制御手段31に送出する。
【0117】
履歴機能がONの場合(S165のYes)、ソート手段38は、アドレス帳から読み出し重複を排除した宛先の表示順をタイムスタンプ情報に基づきソートする(S166)。処理条件取得手段35は、ソートした順番で宛先を操作パネル制御手段31に送出する。
【0118】
これにより、操作パネル制御手段31は、図21のような宛先追加画面402を表示することができる(S170)。
【0119】
以上説明したように、本実施例の画像形成装置利用システム100は、サーバ22から受信した処理条件の編集を編集範囲を限定して認めることで、利便性とセキュリティを両立することができる。また、編集範囲を可変にできるので、利便性を向上させるか、セキュリティを向上させるか、を適宜調整できる。
【0120】
本実施例の画像形成装置利用システム100は、宛先を宛先追加画面402に表示する場合、ユーザが選ぶ可能性の高いものから表示することで、ユーザの操作性を向上させることができる。
【実施例4】
【0121】
実施例1ではユーザが「登録」ボタン206を押下することにより、実施例2では処理条件を画像形成装置200に設定し「スタート」キーを押下することにより、実行手段36が処理条件を登録するとして説明した。しかしながら、いずれの場合もHDD15に登録する処理条件を個別に選択することができなかった。そこで、本実施例では、画像形成装置200のHDD15に登録する処理条件を個別に選択できる画像形成装置利用システム100について説明する。
【0122】
図23は、画像形成装置利用システム100の構成図における画像形成装置200の機能ブロック図の一例を示す。図23において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図23では、操作パネル制御手段31が保存条件設定手段39を有する。
【0123】
保存条件設定手段39は、管理者又はユーザが操作パネル20から設定した、処理条件の保存条件の設定を受け付ける。保存条件は以下の通りである。
(R1)HDD15に登録する処理条件の項目を予め設定しておき、設定された項目だけが「登録」ボタン206又は「スタート」キーの押下により登録される
(R2)登録前に、登録する処理条件の項目をユーザが指定することができ、指定された項目だけが「登録」ボタン206又は「スタート」キーの押下により登録される
図24(a)は、処理条件の保存条件の設定を受け付ける保存条件設定画面501の一例を示す。保存条件設定画面501は、例えば、画像形成装置200の「システム初期設定」キーを管理者又はユーザが押下して、表示された画面の複数のタブの1つを押下することで表示される。保存条件設定画面501は、「自動保存」ボタン502と「ユーザ選択」ボタン503とを有する。また、「自動保存」ボタン502は「詳細条件保存設定」ボタン504を有する。「自動保存」ボタン502と「ユーザ選択」ボタン503は、管理者又はユーザの押下により排他的に選択される。選択されたボタンは丸印505が反転表示される。また、「自動保存」ボタン502が選択されると、「詳細条件保存設定」ボタン504の押下も可能となる。
【0124】
保存条件設定手段39は、「自動保存」ボタン502が押下された場合、上記(R1)の保存条件を設定する。保存条件設定手段39は、「ユーザ選択」ボタン503が押下された場合、上記(R2)の保存条件を設定する。これら保存条件の設定は、画像形成装置200の初期設定の1つとしてHDD等に記憶される。
【0125】
図24(b)は、ユーザが「詳細条件保存設定」ボタン504を押下した際に表示される詳細設定画面601の一例を示す図である。詳細設定画面601には、スキャナアプリの処理条件の各項目「宛先」「解像度」「カラーモード」「原稿種類」「ファイル形式」602が表示されている。管理者又はユーザは各項目602を押下することで、登録する項目602を個別に選択することができる。図24(b)では「宛先」が選択されているので、この場合、実行手段36はサーバ22から取得した処理条件のうち「宛先」だけを機器内処理条件に登録することになる。項目毎の個別の設定は、(R1)の保存条件の一部としてHDD等に記憶される。
【0126】
なお、図24(b)はスキャナアプリの処理条件を例示したもので、プリンタアプリ、コピーアプリ、ファックスアプリ、ネットファイルアプリ(ドキュメントボックスアプリ)、Webアプリについても登録する項目を個別に設定できる。
【0127】
保存条件設定手段39が、(R1)の保存条件を設定した場合、登録される処理条件の項目が図24(b)で設定された一部になるだけで、その他は実施例1又は2と変わりがない。一方、保存条件設定手段39が、(R2)の保存条件を設定した場合、ユーザが保存する項目を指示するための画面が表示される。
【0128】
例えば、図11(a)の処理条件一覧画201において、ユーザが「編集」ボタン207を押下すると、操作パネル制御手段31は図13(a)のような編集画面401を表示するが、この編集画面にてユーザが保存する項目が指示される。
図25は、本実施例の編集画面701の一例を示す図である。図25において図13(a)と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図25の編集画面701は、処理条件の各項目にチェックボックス412を有する。ユーザが保存したい項目に対応づけられたチェックボックス412を押下すると、操作パネル制御手段31がこれを受け付け、実行手段36に選択された処理条件の項目を通知する。これにより、実行手段36は、「登録」ボタン206又は「スタート」キーの押下に応じて、ユーザが選択した項目だけをHDD15に登録することができる。
【0129】
なお、登録する処理条件の項目をユーザが指定する画面は編集画面701である必要はなく、例えば、図11(b)(c)のように、ユーザが「詳細」ボタン205を押下することで表示される処理条件詳細画面301でもよい。
【0130】
本実施例によれば、保存条件設定手段39が保存条件設定画面501から初期設定として、HDD15に登録する処理条件を個別に設定しておくことができ、ユーザが所望の処理条件の一部の項目だけを登録することを可能にできる。
【符号の説明】
【0131】
9 プログラム
12 CPU
13 ROM
14 RAM
15 HDD
16 内部バス
17 スキャナエンジン
18 プロッタエンジン
19 通信I/F
20 操作パネル
21 LAN
24 機器内処理条件DB
31 操作パネル制御手段
32 表示手段
33 操作手段
34 実行設定手段
35 処理条件取得手段
36 実行手段
100 画像形成装置利用システム
200 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0132】
【特許文献1】特開2003−087479号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたサーバから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置において、
前記サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得する取得手段と、
前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する表示手段と、
前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段と、
前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する処理条件登録手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記サーバから取得した以外に予め機器内処理条件情報が記憶された機器内処理条件情報記憶手段を有し、
前記表示手段は、前記処理条件情報に加えて、前記機器内処理条件情報を表示し、
前記編集受け付け手段は、前記処理条件情報に加え、前記機器内処理条件情報を用いた前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記処理条件情報と、前記機器内処理条件情報とに共通の処理条件のみを表示し、
前記編集受け付け手段は、前記共通の処理条件のみを用いた前記第1の処理条件情報への追加を受け付ける、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段が、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報のみを表示するか、前記処理条件情報に加えて前記機器内処理条件情報を表示するか、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報と前記機器内処理条件情報とに共通の処理条件のみを表示するか、の設定を受け付ける設定受け付け手段、
を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記編集受け付け手段が過去に受け付けた、前記機器内処理条件情報、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報、の履歴情報を記録する履歴記録手段と、
前記履歴情報に基づき前記機器内処理条件情報、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報をソートするソート手段と、を有し、
前記表示手段は、前記履歴情報に基づきソートされた順番で前記機器内処理条件情報、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の処理条件情報のうち、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を受け付ける登録条件設定受け付け手段を有し、
前記処理条件登録手段は、前記第1の処理条件情報のうち、前記登録条件設定受け付け手段が受け付けた一部の項目のみを前記処理条件記憶手段に登録する、
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示手段が、前記第1の処理条件情報の各項目と、各項目毎に前記処理条件登録手段が登録するか否かの設定を受け付ける設定欄を表示し、
前記登録条件設定受け付け手段は、前記設定欄の設定に応じて、前記サーバから受信した前記第1の処理条件情報毎に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を受け付ける、
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記登録条件設定受け付け手段は、前記サーバから受信した複数の前記第1の処理条件情報に共通に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を一度で受け付ける、
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記登録条件設定受け付け手段は、
前記サーバから受信した前記第1の処理条件情報毎に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を受け付けるか、又は、前記サーバから受信した複数の前記第1の処理条件情報に共通に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を一度で受け付ける、の設定を受け付ける、
ことを特徴とする請求項6〜8いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処理条件登録手段は、前記実行手段が前記第1の処理条件情報を設定して情報処理を実行した後、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段を登録する、
ことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理条件登録手段は、ユーザによる登録指示を受け付けた場合に、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する、
ことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項12】
処理条件データベースを備えたサーバと、前記サーバから取得した処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理装置利用システムにおいて、
前記サーバは、前記情報処理装置からの要求に応じて第1の処理条件情報を提供する提供手段を有し、
前記情報処理装置は、
前記サーバに記憶されている、前記第1の処理条件情報を取得する取得手段と、
前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する表示手段と、
前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段と、
前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する処理条件登録手段と、を有する、ことを特徴とする情報処理装置利用システム。
【請求項13】
ネットワークを介して接続されたサーバから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置の処理条件編集方法において、
取得手段が、前記サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得するステップと、
表示手段が、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示するステップと、
編集受け付け手段が、前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付けるステップと、
処理条件登録手段が、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録するステップと、
を有することを特徴とする処理条件編集方法。
【請求項14】
処理条件データベースを備えたサーバと、前記サーバから取得した処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理装置利用システムの処理条件編集方法において、
前記サーバが、前記情報処理装置からの要求に応じて第1の処理条件情報を提供するステップと、
前記情報処理装置が、前記サーバに記憶されている、前記第1の処理条件情報を取得するステップと、
前記情報処理装置が、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示するステップと、
前記情報処理装置が、前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録するステップと、
を有する、ことを特徴とする処理条件編集方法。
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたサーバから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置において、
前記サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得する取得手段と、
前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する表示手段と、
前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段と、
前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する処理条件登録手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記サーバから取得した以外に予め機器内処理条件情報が記憶された機器内処理条件情報記憶手段を有し、
前記表示手段は、前記処理条件情報に加えて、前記機器内処理条件情報を表示し、
前記編集受け付け手段は、前記処理条件情報に加え、前記機器内処理条件情報を用いた前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記処理条件情報と、前記機器内処理条件情報とに共通の処理条件のみを表示し、
前記編集受け付け手段は、前記共通の処理条件のみを用いた前記第1の処理条件情報への追加を受け付ける、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段が、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報のみを表示するか、前記処理条件情報に加えて前記機器内処理条件情報を表示するか、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報と前記機器内処理条件情報とに共通の処理条件のみを表示するか、の設定を受け付ける設定受け付け手段、
を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記編集受け付け手段が過去に受け付けた、前記機器内処理条件情報、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報、の履歴情報を記録する履歴記録手段と、
前記履歴情報に基づき前記機器内処理条件情報、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報をソートするソート手段と、を有し、
前記表示手段は、前記履歴情報に基づきソートされた順番で前記機器内処理条件情報、又は、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の処理条件情報のうち、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を受け付ける登録条件設定受け付け手段を有し、
前記処理条件登録手段は、前記第1の処理条件情報のうち、前記登録条件設定受け付け手段が受け付けた一部の項目のみを前記処理条件記憶手段に登録する、
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示手段が、前記第1の処理条件情報の各項目と、各項目毎に前記処理条件登録手段が登録するか否かの設定を受け付ける設定欄を表示し、
前記登録条件設定受け付け手段は、前記設定欄の設定に応じて、前記サーバから受信した前記第1の処理条件情報毎に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を受け付ける、
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記登録条件設定受け付け手段は、前記サーバから受信した複数の前記第1の処理条件情報に共通に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を一度で受け付ける、
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記登録条件設定受け付け手段は、
前記サーバから受信した前記第1の処理条件情報毎に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を受け付けるか、又は、前記サーバから受信した複数の前記第1の処理条件情報に共通に、前記処理条件登録手段が登録する項目の設定を一度で受け付ける、の設定を受け付ける、
ことを特徴とする請求項6〜8いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処理条件登録手段は、前記実行手段が前記第1の処理条件情報を設定して情報処理を実行した後、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段を登録する、
ことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理条件登録手段は、ユーザによる登録指示を受け付けた場合に、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する、
ことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項12】
処理条件データベースを備えたサーバと、前記サーバから取得した処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理装置利用システムにおいて、
前記サーバは、前記情報処理装置からの要求に応じて第1の処理条件情報を提供する提供手段を有し、
前記情報処理装置は、
前記サーバに記憶されている、前記第1の処理条件情報を取得する取得手段と、
前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示する表示手段と、
前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付ける編集受け付け手段と、
前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録する処理条件登録手段と、を有する、ことを特徴とする情報処理装置利用システム。
【請求項13】
ネットワークを介して接続されたサーバから取得した、処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置の処理条件編集方法において、
取得手段が、前記サーバに記憶されている、第1の処理条件情報を取得するステップと、
表示手段が、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示するステップと、
編集受け付け手段が、前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付けるステップと、
処理条件登録手段が、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録するステップと、
を有することを特徴とする処理条件編集方法。
【請求項14】
処理条件データベースを備えたサーバと、前記サーバから取得した処理条件情報を記憶する処理条件記憶手段と、前記処理条件情報を設定して情報処理を実行する実行手段と、を有する情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理装置利用システムの処理条件編集方法において、
前記サーバが、前記情報処理装置からの要求に応じて第1の処理条件情報を提供するステップと、
前記情報処理装置が、前記サーバに記憶されている、前記第1の処理条件情報を取得するステップと、
前記情報処理装置が、前記処理条件記憶手段に記憶された前記処理条件情報を表示するステップと、
前記情報処理装置が、前記処理条件情報を用いた、前記第1の処理条件情報の編集を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記第1の処理条件情報を、前記処理条件記憶手段に登録するステップと、
を有する、ことを特徴とする処理条件編集方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−29708(P2011−29708A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170326(P2009−170326)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]