説明

情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】パーティションごとの独立したアクセス制御を実現する構成を提供する。
【解決手段】情報処理装置において実行するアプリケーション、例えば記録アプリケーション、再生アプリケーション、外部機器接続アプリケーションなどのアプリケーションに応じて情報記録媒体中のアクセス許容するパーティションを異ならせる。例えばアクセス制御部が、開始アドレス等のアクセス情報をアプリケーションに応じて変更してアプリケーションに提供する。本構成により、例えばマニュアルなど誤消去を防止すべきデータについては、記録アプリケーションからはアクセスできない設定とするなど、実行アプリケーションに応じたアクセス制御が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、情報記録媒体にアクセス許容態様の異なるパーティションを設定して情報記録や再生を行なうことを可能とした情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばデジタルビデオカメラやPC、その他の情報処理機器においては、例えばハードディスクなどのメディア(情報記録媒体)を利用した情報記録や情報再生処理が行なわれる。このような情報記録媒体の利用手法の1つにパーティションの設定がある。例えばハードディスクの記憶領域を2つに分割して2つのパーティションを設定することで、1台のハードディスクをあたかも2台のハードディスクが存在するような利用構成が実現できる。
【0003】
パーティションの設定や利用方法について開示した従来技術としては例えば以下のようなものがある。例えば特許文献1(特開2002−202902)や特許文献2(特開2004−348195)には、ハードディスクなどのメディアに対する複数のパーティションを設定する際の工夫や、大容量パーティションを設定する際の工夫について記載している。
【0004】
しかし、これらの文献に示された構成では、基本的にいずれのパーティションのデータも区別なく記録や再生が可能である。すなわちアクセス許容度に差があるものとはなっていない。特許文献3(特開2004−213365)は、単一のハードディスクドライブ装置の記憶領域にバックアップ領域を確保する構成について開示している。この特許文献3では、バックアップ領域を論理フォーマットのなされない領域として設定し、通常のアクセスを不可能としてデータの保護を実現している。しかし、バックアップデータの記憶領域のアクセスには通常のアクセス手法とは異なる特殊なアクセスが必要となる。
【0005】
デジタルカメラなどに備えられるきぉく手段、例えばハードディスク等には予めカメラの使用方法等のマニュアルや、サンプル画像データ、あるいは画像処理アプリケーションなどの記録済みデータが設定されてユーザに提供される場合が多い。PC等においても様々なアプリケーションプログラムを予め記録してユーザに提供する場合がある。
【0006】
このような記録済みデータを持つ情報記録媒体を備えた情報処理装置では、例えばユーザが生成したデータ(例えば撮影データ)を記録するユーザデータ記録領域と同じ領域にこのようなマニュアルやアプリケーションを記録する設定とすると、自由に記録、消去されるユーザデータと同様にマニュアル当の重要データが扱われ、これらの重要データを誤ってユーザが消去してしまうといった問題が発生する可能性がある。
【0007】
例えばカメラなどにおいてマニュアルや画像処理アプリケーションは、誤消去すべきでない重要データであり、これらの重要データと、自由に記録、再生、消去可能なユーザデータとに対して異なるアクセス許容構成を設定し、重要データの誤消去を防止する構成とすることが望ましい。しかし、新たな重要データの追加や更新といった処理も必要となる場合があり、このような処理の困難性を高めることは好ましくない。
【特許文献1】特開2002−202902号公報
【特許文献2】特開2004−348195号公報
【特許文献3】特開2004−213365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、情報記録媒体に複数のパーティションを設定して、一部のパーティションをユーザデータの記録再生などに利用するパーティションとし、一部のパーティションをユーザデータ以外の例えばマニュアルやアプリケーション、サンプルデータなどの重要データを記録するパーティションとし、それぞれのアクセス許容度に差を設定して、マニュアル等の重要データを記録したパーティション内の記録データが誤消去される可能性を低減し、また、重要データの記録、追加や更新といった処理の困難性も高めることのない情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、
情報記録媒体に対するデータ記録または再生処理を実行するアプリケーション実行部と、
前記アプリケーション実行部における実行アプリケーションからの情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じたアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示するアクセス制御部と、
情報記録媒体のアクセスを実行するデバイスドライバを有し、
前記アクセス制御部は、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応するアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする情報処理装置にある。
【0010】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記アクセス制御部は、前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて異なる開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記アクセス制御部は、前記実行アプリケーションから情報記録媒体指定情報として、情報記録媒体の全体または、一部パーティションに対応する情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記アクセス制御部は、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報として、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する先頭の論理ブロックアドレス(LBA)を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記アプリケーション実行部は、データ記録を実行する記録アプリケーション、データ再生を実行する再生アプリケーション、外部接続機器による処理を実行する接続アプリケーションの少なくともいずれかを実行アプリケーションとして選択可能な構成を有し、記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションの各々は予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、前記アクセス制御部は、前記記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションのいずれかから指定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記再生アプリケーションは、再生対象データの種類である再生カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、前記アクセス制御部は、前記再生アプリケーションの再生カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記接続アプリケーションは、処理対象データの種類である処理カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、前記アクセス制御部は、前記接続アプリケーションの処理カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記アクセス制御部は、前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応する仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報記録媒体の各パーティションには、パーティション対応のアクセス情報としてのパーティション対応のマスターブートレコード(MBR)が個別に設定された構成であり、前記アクセス制御部は、前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、一部パーティションのみを前記実行アプリケーションに提示する際、前記パーティション対応のマスターブートレコード(MBR)を含む仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、さらに、前記情報記録媒体のパーティションレイアウト情報を記憶した記憶部を有し、前記アクセス制御部は、前記情報記録媒体のパーティションレイアウトの変更に際して、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報の更新処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報には、情報記録媒体に設定されたパーティションの開始アドレス、およびパーティションサイズを算出可能な情報が含まれる構成であり、前記アクセス制御部は、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報を適用してアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の第2の側面は、
情報記録媒体であり、
複数のデータ記録領域としての複数のパーティションが設定され、
各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)が記録された構成を有し、
前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)の記録情報を利用したアクセスを可能とした構成を有することを特徴とする情報記録媒体にある。
【0021】
さらに、本発明の情報記録媒体の一実施態様において、前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)は、対応するパーティションの開始セクタアドレスとサイズ情報を記録した対応パーティションのみのパーティションテーブルを記録した構成であることを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明の第3の側面は、
情報記録媒体のフォーマット処理を実行する情報処理装置であり、
複数のデータ記録区分領域である複数のパーティションを設定し、パーティション各々に各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)を記録した構成としたフォーマット処理を実行するデータ処理部を有することを特徴とする情報処理装置にある。
【0023】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)に、対応するパーティションの開始セクタアドレスとサイズ情報を記録した対応パーティションのみのパーティションテーブルを記録する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明の第4の側面は、
情報処理装置において、情報記録媒体に対するアクセス制御を実行する情報処理方法であり、
アプリケーション実行部が、情報記録媒体に対するデータ記録または再生処理を実行するアプリケーション実行ステップと、
アクセス制御部が、前記アプリケーション実行ステップにおける実行アプリケーションからの情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じたアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示するアクセス制御ステップを有し、
前記アクセス制御ステップは、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応するアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする情報処理方法にある。
【0025】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記アクセス制御ステップは、前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて異なる開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうステップであることを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記アクセス制御ステップは、前記実行アプリケーションから情報記録媒体指定情報として、情報記録媒体の全体または、一部パーティションに対応する情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうステップであることを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記アクセス制御ステップは、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報として、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する先頭の論理ブロックアドレス(LBA)を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記アプリケーション実行ステップは、データ記録を実行する記録アプリケーション、データ再生を実行する再生アプリケーション、外部接続機器による処理を実行する接続アプリケーションの少なくともいずれかを実行アプリケーションとして選択して実行するステップであり、記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションの各々は予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定され、前記アクセス制御ステップは、前記記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションのいずれかから指定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする。
【0029】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記再生アプリケーションは、再生対象データの種類である再生カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、前記アクセス制御ステップは、前記再生アプリケーションの再生カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記接続アプリケーションは、処理対象データの種類である処理カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、前記アクセス制御ステップは、前記接続アプリケーションの処理カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする。
【0031】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記アクセス制御ステップは、前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応する仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報記録媒体の各パーティションには、パーティション対応のアクセス情報としてのパーティション対応のマスターブートレコード(MBR)が個別に設定された構成であり、前記アクセス制御ステップは、前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、一部パーティションのみを前記実行アプリケーションに提示する際、前記パーティション対応のマスターブートレコード(MBR)を含む仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする。
【0033】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理装置は、前記情報記録媒体のパーティションレイアウト情報を記憶した記憶部を有し、前記情報処理方法は、さらに、前記アクセス制御部が、前記情報記録媒体のパーティションレイアウトの変更に際して、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報の更新処理を実行するステップを有することを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報には、情報記録媒体に設定されたパーティションの開始アドレス、およびパーティションサイズを算出可能な情報が含まれる構成であり、
前記アクセス制御ステップは、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報を適用してアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする。
【0035】
さらに、本発明の第5の側面は、
情報処理装置において、情報記録媒体のフォーマット処理を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、複数のデータ記録区分領域である複数のパーティションを設定し、パーティション各々に各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)を記録した構成としたフォーマット処理を実行するデータ処理ステップを有することを特徴とする情報処理方法にある。
【0036】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記データ処理部は、前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)に、対応するパーティションの開始セクタアドレスとサイズ情報を記録した対応パーティションのみのパーティションテーブルを記録することを特徴とする。
【0037】
さらに、本発明の第6の側面は、
情報処理装置において、情報記録媒体に対するアクセス制御を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
アプリケーション実行部に、情報記録媒体に対するデータ記録または再生処理を実行させるアプリケーション実行ステップと、
アクセス制御部に、前記アプリケーション実行ステップにおける実行アプリケーションからの情報記録媒体指定情報を受領させ、受領した情報記録媒体指定情報に応じたアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示させるアクセス制御ステップを実行させ、
前記アクセス制御ステップでは、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応するアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示させる処理を行なわせることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0038】
さらに、本発明の第7の側面は、
情報処理装置において、情報記録媒体のフォーマット処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
データ処理部に、複数のデータ記録区分領域である複数のパーティションを設定し、パーティション各々に各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)を記録した構成としたフォーマット処理を実行させるデータ処理ステップを実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0039】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記録媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記録媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0040】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0041】
本発明の一実施例構成によれば、情報処理装置において実行するアプリケーション、例えば記録アプリケーション、再生アプリケーション、外部機器接続アプリケーションなどのアプリケーションに応じて情報記録媒体中のアクセス許容するパーティションを異ならせることを可能とした構成が実現される。例えばアクセス制御部が、開始アドレス等のアクセス情報をアプリケーションに応じて変更してアプリケーションに提供する。本構成により、例えばマニュアルなど誤消去を防止すべきデータについては、記録アプリケーションからはアクセスできない設定とするなど、実行アプリケーションに応じたアクセス制御が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を参照しながら、本発明の情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。説明は、以下の各項目に従って行なう。
1.ファイルシステムの概要
2.本発明に従った情報記録媒体のデータ記録構成例
3.情報処理装置の構成例および処理例
4.情報処理装置の実行する処理のシーケンス詳細
5.情報処理装置のハードウェア構成例
【0043】
[1.ファイルシステムの概要]
例えばデジタルビデオカメラやPC、その他の情報処理機器において、ハードディスクなどのメディア(情報記録媒体)に対して情報記録を行なう場合、記録データファイルの管理情報、例えばFAT(File Allocation Table)を適用した処理が行なわれる。FATには、例えばFAT16、FAT32などがあり、これらのファイルシステムは、メディア(情報記録媒体)に対して記録されるデータファイル各々についての記録位置情報、記録位置連鎖情報等を管理する。なお、FAT16/32の詳細については、例えば、「Microsoft Extensible Firmware Initiative FAT32 File System Specification」などに説明がある。
【0044】
図1を参照して、ハードディスクにパーティションを1つ設け、FAT16およびFAT32でフォーマットした場合のデータ構造について説明する。図1(a)がFAT16、(b)がFAT32によるフォーマットを示している。
【0045】
FAT16のデータ構造は、図1(a)に示すように、先頭セクタ(LBA=0)から順に、マスターブートレコード(MBR)、パーティションブートレコード(PBR)に続き、ファイルアロケーションテーブル1(FAT1)と、ファイルアロケーションテーブル2(FAT2)が記録され、さらにルートディレクトリエントリに続いて、データ領域としてのクラスタが複数設定される。
【0046】
FAT32のデータ構造は、図1(b)に示すように、先頭セクタ(LBA=0)から順に、マスターブートレコード(MBR)、パーティションブートレコード(PBR)、ファイルシステム情報(FSinfo)に続いて、ファイルアロケーションテーブル1(FAT1)と、ファイルアロケーションテーブル2(FAT2)が記録され、その後、データ領域としてのクラスタが複数設定される。
【0047】
マスターブートレコード(MBR)は、図2(a)に示すように、起動情報と、パーティション情報、すなわち、各パーティションの開始アドレスとサイズ情報を含むパーティションテーブルを保持している。なお、図1に示すFAT16,FAT32のデータ構造では、パーティションを1つのみとした例を示しているが、ハードディスクなどの記録媒体を複数のパーティションに区切って管理することが可能であり、この場合には、図2に示すように、複数のパーティションの各パーティションの開始アドレスとサイズ情報が含まれるパーティションテーブルが設定される。
【0048】
起動時においては、まず、MBRの起動コード領域から起動コード(プログラム)が読み出される。この読み出されたMBRの起動コードは、図2(a)に示す起動コードの直後に形成されるパーティションテーブル領域のパーティションテーブルを参照し、目的とするパーティションのブートセクタの情報を読み出し、このブートセクタのコード(プログラム)によって、OS(Operating System)が起動される。
【0049】
パーティションテーブルは複数個(例えば4個)設けることができるようにされる。各パーティションテーブルは、上述したように、例えばハードディスクの記録領域を分割して形成される各パーティション領域の位置(開始アドレス)と大きさ(パーティションサイズ)を示す情報を保持する。なお、パーティションテーブル領域に続く2バイト(0E,0F)には、パーティションテーブルに対する署名が付与される。
【0050】
16バイト(128ビット)データ長のパーティションテーブルのデータ構造を図2(b)に示す。0バイト目から7バイト目までの8バイト分のエリアがCHS方式でアドレスを指定する場合に用いる情報の格納エリアであり、8バイト目から15バイト目までの8バイト分のエリアがLBA方式でアドレスを指定する場合に用いる情報の格納エリアである。
【0051】
CHS方式は、シリンダ(Cylinder)、ヘッド(Head)、セクタ(Sector)の3つのパラメータを1組として用いて、記録媒体(ハードディスク)上のアドレス(位置)を指定するようにするものである。また、LBA方式は、ハードディスクの記録領域上のアクセス可能な単位ブロック(例えば、1セクタ単位)それぞれについて、例えば0番から順番に数字(ブロックアドレス(論理アドレス))を割り当てておき、その数字を指定することにより、ハードディスクの記録領域上のアドレス(位置)を指定するようにするものである。
【0052】
図2(b)に示すように、CHS方式でアクセスする場合に用いる情報の格納エリアは、0バイト目がアクティブフラグ情報(以下、単にフラグ情報という。)の格納エリア、1バイト目から3バイト目までの3バイト分がCHS方式でアクセスする場合に用いる開始セクタ情報の格納アリア、4バイト目がパーティションタイプ情報(以下、単にタイプ情報という。)の格納エリア、5バイト目から7バイト目までの3バイト分がCHS方式でアクセスする場合に用いる終了セクタ情報の格納エリアである。
【0053】
また、図2(b)に示すように、LBA方式でアクセスする場合に用いる情報の格納エリアは、8バイト目から11バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられる開始セクタ情報の格納エリア、12バイト目から15バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられるパーティションサイズの格納エリアである。
【0054】
なお、CHS方式は、ハードディスクの物理的構造をそのまま流用しており、シリンダ、ヘッド、セクタというアドレス指定のためのパラメータが3つあることから、ソフトウェア的な処理が複雑になってしまう。これに対し、LBA方式の場合には、ブロックアドレスという単一のパラメータで指定するので、アクセス時のアドレス指定が極めて簡単である。このため、ハードディスクにおけるアドレス指定方式としてはLBA方式が主流になっており、その他の記録媒体、例えば、いわゆるリムーバブルメディアとして広く用いられるようになってきている種々のメモリーカードなどにおいても、LBA方式でアドレス指定ができるものが多くなってきている。なお、本発明の情報処理装置において適用する方式は、CHS方式、LBA方式いずれでもよい。
【0055】
情報記録媒体に記録される各ファイルには、ファイル名や記録日時などのファイル管理情報が設定される。図3に各パーティションに設けられるディレクトリに格納される情報であって、ファイル毎に形成されるファイル管理情報であるディレクトリエントリの情報構造を示す。このディレクトリエントリは、パーティション内にファイルが形成された場合に、その形成されたファイルに応じてディレクトリに形成されるファイル管理情報であり、形成されたファイルの詳細情報を管理するものである。
【0056】
各ファイルに対応するファイル管理情報としてのディレクトリエントリは、図3に示すように、名前(ファイル名)欄、拡張名欄、属性欄、予約欄、作成時刻欄、作成日欄、最終アクセス日付欄、先頭クラスタ番号の指示情報(High)欄、記録時刻欄、記録日付欄、先頭クラスタ番号の指示情報(Low)欄、ファイルサイズ欄を備え、それぞれ対応する情報、すなわち、ファイル名、拡張名、属性、作成時刻、作成日、最終アクセス日付、先頭クラスタ番号(High)、記録時刻、記録日付、先頭クラスタ番号(Low)、ファイルサイズを管理する。このディレクトリエントリの情報を用いることにより、ファイル名によって特定されるファイルは、(1)どのような属性のものであり、(2)開始クラスタはどこで、(3)どの位の大きさのファイルであり、(4)いつ作成され、(5)最終アクセスはいつで、(6)データの記録はいつ行われたか等について管理することができる。
【0057】
開始クラスタ番号は、ファイルのデータ記録が開始されたパーティションのデータ領域のクラスタ単位の記憶領域を特定する情報である。換言すれば、開始クラスタ番号は、当該パーティションのデータ領域をクラスタ単位に分割した各記憶領域の内の何番目の記憶領域から当該ファイルのデータの記録が行われたかを示している。そして、この例の場合には、図3に示すように、先頭クラスタ番号は、上位側(high側)の2バイトと、下位側(Low側)の2バイトとに分けて管理される。
【0058】
クラスタは、図1に示すように、データ領域に含まれ、FATにおけるデータを管理できる最小単位であり、複数のセクタをまとめた、1ファイル当たりの最小記録単位を意味する。1クラスタは、セクタ(ハードディスクの場合、セクタサイズ=512バイト)をn個(n=1,2,4,・・・64,128)集めた構成になる。ハードディスクの最小単位であるセクタは、ファイルを管理するための単位としては小さすぎるので、複数のセクタをまとめたクラスタという単位領域を用いることによって、ファイルの管理が容易となるようにしている。クラスタの具体的な大きさは、例えば、FAT16の場合には32キロバイト、FAT32の場合には4キロバイトである。
【0059】
図1に示すFATのデータ構造には、図2を参照して説明したマスターブートレコード(MBR)に続いて、パーティションに対応する起動コードを含むパーティションブートレコード(PBR)が設定され、その後、ファイルアロケーションテーブル1(FAT1)と、ファイルアロケーションテーブル2(FAT2)が格納される。
【0060】
ファイルアロケーションテーブル2(FAT2)は、ファイルアロケーションテーブル1(FAT1)の予備データとして利用される。すなわち、ファイルアロケーションテーブル2(FAT2)には、ファイルアロケーションテーブル1(FAT1)のコピーデータを格納している。
【0061】
一般的なファイルアロケーションテーブル(FAT)のデータ構成例について、図4を参照して説明する。ファイルアロケーションテーブル(FAT)は、メディア(情報記録媒体)に対して記録されるデータファイル各々についての記録位置情報、記録位置連鎖情報を管理するテーブルである。
【0062】
前述したように、各データファイルの構成データは、1つ以上のクラスタに分散されて情報記録媒体に記録される。ファイルアロケーションテーブル(FAT)は、各ファイルの構成データを格納したクラスタのクラスタ番号の連鎖情報を格納している。
【0063】
図4に示すFATは、2つに分割して示してある。2重線で示す項目は、インデックスであり、データエントリとして、
[0x00000000]〜[0x0000000F]
[0x00000010]〜[0x0000001F]
[0x00000020]〜[0x0000002F]
[0x00000030]〜[0x0000003F]
のクラスタ番号を示している。なお、図に示すテーブルでは[0x]を省略しているが、上記[0x]は後続の8桁の0〜Fの数値で示されるクラスタ番号が16進数表記であることを示している。
【0064】
各ファイルの構成データを格納したクラスタ番号の位置に、ファイル構成データの次のデータを格納したクラスタ番号が記録され、最終クラスタ番号の位置にはEOF(エンドオブファイル)を示すコード[0x0FFFFFFF]が記録される。先頭クラスタ番号は、図3を参照して説明した各ファイルのディレクトリエントリに記録されている。
【0065】
例えば、各ファイルのディレクトリエントリに記録された先頭クラスタ番号を、
第1ファイル:0x00000007
第2ファイル:0x0000000A
第3ファイル:0x0000001B
第4ファイル:0x0000002C
とする。
【0066】
第1ファイルの先頭クラスタ番号は、[0x00000007]であるので、まず、クラスタ番号[0x00000007]のクラスタを読み取ることで、第1ファイルの最初のデータが取得できる。第1ファイルの次の構成データの記録されたクラスタ番号は、図4に示すFATのクラスタ番号[0x00000007]の位置の記録情報に基づいて知ることができる。図4に示すFATのクラスタ番号[0x00000007]の位置にはクラスタ番号[0x00000008]が記録され、第1ファイルの次の構成データの記録されたクラスタ番号は[0x00000008]であることが判明し、クラスタ番号[0x00000008]のクラスタからデータを読み取ることができる。
【0067】
さらに、第1ファイルの次の構成データの記録されたクラスタ番号は、図4に示すFATのクラスタ番号[0x00000008]の位置に記録されている。図4に示すFATのクラスタ番号[0x00000008]の位置にはクラスタ番号[0x00000009]が記録され、第1ファイルの次の構成データの記録されたクラスタ番号は[0x00000009]であることが判明し、クラスタ番号[0x00000009]のクラスタからデータを読み取ることができる。さらに、次の構成データの記録されたクラスタ番号を取得するため、FATのクラスタ番号[0x00000009の位置の記録情報を参照すると、EOF(エンドオブファイル)の対応コード[0x0FFFFFFF]が記録されており、後続データはないことが判明する。
【0068】
結果として、第1ファイルは、
クラスタ番号:[0x00000007]→[0x00000008]→[0x00000009]によって指定されるクラスタに格納されていることが判明する。
【0069】
同様に、
第2ファイルは、
クラスタ番号:[0x0000000A]→[0x0000001F]→[00000025]→[0x00000031]→[0x00000030]
第3ファイルは、
クラスタ番号:[0x000001B]→[0x0000011]→[0x0000012]→[0x0000013]→[0x0000014]→[0x0000003]
第4ファイルは、
クラスタ番号:[0x000002C]→[0x000002D]→[0x000002E]→[0x000002F]→[0x0000038]→[0x0000039]→[0x000003A]→[0x000003B]
によって指定されるクラスタに格納されていることが判明し、これらのクラスタからデータを取得することが可能となる。
【0070】
なお、図4に示すFATは、FAT32に対応するデータ例である。FAT32では、EOF(エンドオブファイル)の対応コードは[0x0FFFFFFF]であるが、FAT16では、EOF(エンドオブファイル)の対応コードは[0xFFFF]である。このEOF(エンドオブファイル)の対応コードを検出することで、ファイル構成データが終了することを判別することができる。
【0071】
このように、情報記録媒体に記録される各ファイルは、
(a)ファイル名や作成日時、ファイルサイズなどを保持する「ディレクトリエントリ」
(b)クラスタの連鎖情報を保持する「FAT」
(c)クラスタ単位で記録されている「データ(ファイルの実体)」
の3要素を有し、これらがハードディスクなどの情報記録媒体上に記録され、「ディレクトリエントリ」と、「FAT」に基づいて、各ファイルの構成クラスタを識別して、データを読み取ることができる。
【0072】
なお、これらの3要素はハードディスクなどのメディア上に記録されるが、記録位置としては、3要素がひとまとまりになっているわけではなく点在している。
【0073】
[2.本発明に従った情報記録媒体のデータ記録構成例]
次に、本発明に従った情報記録媒体のデータ記録構成例について説明する。情報記録媒体には、情報記録媒体を利用したデータの書き込みや再生処理を実行するアプリケーションからの見え方が異なるパーティションが設定される。利用するアプリケーション、例えば記録アプリケーション、再生アプリケーションなどに応じてアクセス許容度に差があるパーティションが設定される。
【0074】
例えば情報処理装置をデジタルカメラとした場合、カメラにおいてデータ記録を実行する記録アプリケーションを起動してデータ記録を実行する場合、情報記録媒体に設定された一部のパーティション(公開パーティション)、すなわちデータ書き込みの許容された一部の公開パーティションのみがアプリケーションに対して提示され、データ記録アプリケーションは、その一部の公開パーティションに対してのみデータ記録を行なうことができる。その他の非公開パーティションは、データ記録アプリケーションからは、その存在が認識されない設定とされる。
【0075】
また、マニュアルやプログラム、サンプルデータなどのユーザによる誤消去を防止すべき重要データは、非公開パーティションに記録される。この非公開パーティションは喜六プリケーションの実行時にはアプリケーションに提示されずアクセスが許容されない。しかし、例えばカメラにおいてマニュアル再生を実行する再生アプリケーションが起動され、マニュアル再生が実行される場合には、非公開パーティションのアクセスが可能となりマニュアルデータの読み取りがなされ、再生処理が実行される。このように、各パーティションは、アプリケーションレイヤにおいて実行するアプリケーションに応じてアクセスの可否が制御される。
【0076】
図5を参照して、ハードディスクにパーティションを2つ設け、FAT32でフォーマットした場合のデータ構造について説明する。図5のフォーマットデータ構成例において、パーティションはパーティションサイズAの第1パーティション10と、パーティションサイズBの第2パーティション20の2つである。なお、全体サイズはZである。
【0077】
論理アドレス(LBA)=0(0x00000000)には、先に図1(b)を参照して説明したFAT32のフォーマットデータと同様、従来通りマスターブートレコード(MBR)110を配置する。マスターブートレコード(MBR)110には、先に、図2を参照して説明したように、起動情報と、パーティション情報、すなわち、各パーティションの開始アドレスとサイズ情報を含むパーティションテーブルを保持している。図5に示すように、2つのパーティション、すなわち、第1パーティション10と、第2パーティション20を設ける設定とした場合のマスターブートレコード(MBR)には、2つのパーティションに対応する2つのパーティションテーブルが設定され、それぞれのテーブルに各パーティションの開始アドレスとサイズ情報が記録される。
【0078】
図6に、マスターブートレコード(MBR)110のデータ構成例を示す。図6には、
(a)MBRのデータ構成、
(b)MBRに含まれるパーティションテーブルのデータ構成、
(c)MBRから得られるパーティション情報、
を示している。
【0079】
図6(a)は、図5に示す2つのパーティションを持つフォーマットデータに対応するマスターブートレコード(MBR)の構成である。このマスターブートレコード(MBR)には図5に示す第1パーティション10に対応するパーティションテーブル111、第2パーティション20に対応するパーティションテーブル121が記録される。なお、各パーティションテーブル111,121には、図6(b)に示す各データが格納される。すなわち、先に図2を参照して説明したように、8バイト目から11バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられる開始セクタ情報の格納エリア、12バイト目から15バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられるパーティションサイズの格納エリアである。
【0080】
すなわち、図6(a)に示すMBRの第1パーティションに対応するパーティションテーブル111には、第1パーティションの開始セクタ(LBA)記録領域112、パーティションサイズ記録領域113が設定されており、第2パーティションに対応するパーティションテーブル121には、第2パーティションの開始セクタ(LBA)記録領域122、パーティションサイズ記録領域123が設定され、各パーティションに対応する開始セクタ(LBA)情報、サイズ情報が記録される。
【0081】
これらの記録情報から、図6(c)に示すように、
第1パーティションの開始LBA: X=0x0000003F
第1パーティションのサイズ: A=0x3456789A
第2パーティションの開始LBA: Y=0x456789AB
第2パーティションのサイズ: B=0x01234567
これらの情報を得ることができる設定となっている。
【0082】
このように、図5に示すデータ構成中の論理アドレス(LBA)=0(0x00000000)に設定されるマスターブートレコード(MBR)110は、各パーティションの開始アドレスとしての開始LBA(FATの場合、PBRが位置する。ここではPBR1、PBR2と呼ぶ)を保持しており、MBRを参照すれば2つのパーティションの開始アドレスを得ることができる。
【0083】
各パーティションの開始アドレスとしての開始LBA位置に設定されるPBR1、PBR2は、それぞれ第1パーティション10、第2パーティションに対応する起動コードを含むパーティションブートレコード(PBR)である。
すなわち、
第1パーティション10の開始LBA:Xの位置には、第1パーティション10対応のPBR1が設定され、
第2パーティション20の開始LBA:Yの位置には、第2パーティション20対応のPBR2が設定されている。
このように第1パーティション10,第2パーティション20に対応するPBRが個別に設定される。さらに、PBR1およびPBR2の直前に、第1パーティション10、第2パーティションの各々に対応するパーティション専用となるMBR1,120、MBR2,130が配置される。
【0084】
すなわち、
第1パーティション10の開始LBA:Xの直前の位置(LBA=X−1)には、第1パーティション10対応のMBR1が設定され、
第2パーティション20の開始LBA:Yの直前の位置(LBA=Y−1)には、第2パーティション20対応のMBR2が設定されている。
なお、第1パーティション10と第2パーティション20の間は、1セクタ以上の隙間を空ける。
【0085】
MBR1,120は、第1パーティション10専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)であり、MBR2,130は、第2パーティション20専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)である。
【0086】
第1パーティション10専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)であるMBR1,120のデータ構成例を図7に示し、第2パーティション20専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)であるMBR2,130のデータ構成例を図8に示す。図7は、図6と同様、
(a)MBR1のデータ構成、
(b)MBR1に含まれるパーティションテーブルのデータ構成、
(c)MBR1から得られるパーティション情報、
を示している。
【0087】
図7(a)は、図5に示す第1パーティション10に対応するパーティション対応マスターブートレコード1(MBR1),120の構成である。このパーティション対応マスターブートレコード1(MBR1),120には図5に示す第1パーティション10に対応するパーティションテーブル211のみが記録される。すなわち、図5に示す第2パーティション20に対応するパーティションテーブルについては記録されていない。
【0088】
パーティションテーブル211は、図5に示す第1パーティション10に対応する情報を記録したテーブルである。すなわち、図7(b)に示す各データが格納される。すなわち、8バイト目から11バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられる開始セクタ情報の格納エリア、12バイト目から15バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられるパーティションサイズの格納エリアである。
【0089】
すなわち、図7(a)に示すパーティション対応マスターブートレコード1(MBR1),120に記録された第1パーティションに対応するパーティションテーブル211には、第1パーティションの開始セクタ(LBA)記録領域212、パーティションサイズ記録領域213が設定される。
【0090】
これらの記録情報から、図7(c)に示すように、
第1パーティションの開始LBA: X=0x0000003F
第1パーティションのサイズ: A=0x3456789A
これらの情報を得ることができる設定となっている。
【0091】
このように、図5に示すデータ構成中、論理アドレス(LBA)=X−1に設定される第1パーティション対応のマスターブートレコード1(MBR1)120は、第1パーティションの開始アドレスとしての開始LBAとサイズ情報を保持しており、このMBR1を参照すれば第1パーティション10のみの開始アドレスとサイズを得ることができ、第1パーティション10に対するアクセスのみが可能となる。ただし、第2パーティションについての情報は得られないため、第2パーティションに対するアクセスはできない。
【0092】
次に、第2パーティション20専用のマスターブートレコード(MBR)であるMBR2,130のデータ構成例を図8に示す。図8も、図6、図7と同様、
(a)MBR2のデータ構成、
(b)MBR2に含まれるパーティションテーブルのデータ構成、
(c)MBR2から得られるパーティション情報、
を示している。
【0093】
図8(a)は、図5に示す第21パーティション20に対応するパーティション対応マスターブートレコード2(MBR2),130の構成である。このパーティション対応マスターブートレコード2(MBR2),130には図5に示す第2パーティション20に対応するパーティションテーブル221のみが記録される。すなわち、図5に示す第1パーティション10に対応するパーティションテーブルについては記録されていない。
【0094】
パーティションテーブル221は、図5に示す第2パーティション20に対応する情報を記録したテーブルである。すなわち、図8(b)に示す各データが格納される。すなわち、8バイト目から11バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられる開始セクタ情報の格納エリア、12バイト目から15バイト目までの4バイト分がLBA方式で用いられるパーティションサイズの格納エリアである。
【0095】
すなわち、図8(a)に示すパーティション対応マスターブートレコード2(MBR2),130に記録された第2パーティションに対応するパーティションテーブル221には、第2パーティションの開始セクタ(LBA)記録領域222、パーティションサイズ記録領域223が設定される。
【0096】
これらの記録情報から、図8(c)に示すように、
第2パーティションの開始LBA: Y=0x456789AB
第2パーティションのサイズ: B=0x01234567
これらの情報を得ることができる設定となっている。
【0097】
このように、図5に示すデータ構成中、論理アドレス(LBA)=Y−1に設定される第2パーティション対応のマスターブートレコード2(MBR2)130は、第2パーティションの開始アドレスとしての開始LBAとサイズ情報を保持しており、このMBR2を参照すれば第2パーティション20のみの開始アドレスとサイズを得ることができ、第2パーティション20に対するアクセスのみが可能となる。ただし、第1パーティションについての情報は得られないため、第1パーティションに対するアクセスはできない。
【0098】
以上のように、図5に示すフォーマットデータには、
記憶領域の全てのパーティションに対応するパーティションテーブルを格納したMBR、
個別のパーティションに対応するパーティションテーブルのみを格納したパーティション対応MBR、
これらのマスターブートレコード(MBR)が記録された構成を持つ。
【0099】
このような情報の配置構成とすることで、
(a)MBRから見えるパーティションは2つのパーティション(第1パーティション10、と第2パーティション20)、
(b)MBR1から見えるパーティションは1つ(第1パーティションのみ)、
(c)MBR2から見えるパーティションは1つ(第2パーティションのみ)、
といった具合に、従来の機器との接続互換性が維持された形態で、3種類の接続形態(上位アプリケーション(ソフトウェア)への見せ方)を実現することが可能となる。
【0100】
すなわち、図5に示すフォーマット構成を持つ情報記録媒体に対するアクセスを実行する上位ソフトウェアであるアプリケーションの種類に応じて、MBR、MBR1、MBR2を選択的にアクセス可能な設定とすることができる。
例えば、情報処理装置をデジタルカメラとして想定し、ユーザの利用可能なデータ記録アプリケーションに対してはMBR1のみを読み込み可能として第1パーティションのみを利用してデータの記録再生を実行させる、さらに、ユーザの利用可能なデータ再生アプリケーションに対しては、MBRを読み込み可能、あるいはMBR1、MBR2を選択的に読み込み可能な設定として、第1パーティション、および第2パーティションに記録されたデータを読み取り再生することを可能とする。
【0101】
例えば第2パーティションにマニュアル、プログラム、サンプルデータなどの消去すべきでないデータを予め記録しておくことで、この第2パーティションの記録データは、再生アプリケーションによってのみアクセス可能となり、記録アプリケーションの処理によって誤ったデータの追記等によるデータ消去が行なわれるといったことを防止することができる。
【0102】
メディア全体(MBR以降)ではなく、MBR1以降またはMBR2以降の各パーティションを限定的に公開する(アクセス可能な設定とする)際は、アプリケーションからの記録媒体情報の問い合わせに対して、MBR1(またはMBR2)が配置されている実際のLBAを仮想的にLBA=0とするオフセット処理を行い、かつ、メディア全体のサイズとしてパーティションのサイズを算出して、これらの情報をアプリケーションに提示する。
【0103】
すなわち、アプリケーションからの記録媒体情報の問い合わせに対してアクセス制御部が、アクセス許容パーティションのみによって構成されるメディアを仮想メディアとして設定して、開始セクタ(LBA)情報、サイズ情報を算出してアプリケーションに提示する。このような設定とすることで、従来機器との接続互換性を維持した形でパーティションの公開/非公開を制御可能としている。なお、この構成は、着脱可能なメディアに対しても、本体内蔵のメディアと同様にして適用可能なものである。
【0104】
アプリケーションによる情報記録媒体に対するアクセス形態としては、以下の3つのアクセス形態が、アプリケーションの種類に応じて選択的に利用される。
【0105】
[アクセス形態A]
メディア全体をアクセス可能とする設定。
機器本体に内蔵されているメディアの場合でも、脱着可能なメディアの場合でも、いずれも、従来通りのアクセス手順にて、LBA=0に記録されているMBRを読み出し、その内容に基づいて、第1パーティション、および第2パーティションへ、それぞれアクセス可能とするアクセス形態である。
【0106】
[アクセス形態B]
図5に示す第1パーティション10のみをアクセス可能とする設定。
機器本体に内蔵されているメディアを想定しているが、ソフトウェア制御により、メディアサイズおよび開始アドレスとしての開始LBAをそれぞれ第1パーティションに対応する情報として、
メディアサイズ=A、
開始LBA=X−1、
としてアプリケーションに対して公開する。この設定により、第2パーティションの存在を隠すことが可能となる。
【0107】
[アクセス態C]
図5に示す第2パーティション20のみをアクセス可能とする設定。
機器本体に内蔵されているメディアを想定しているが、ソフトウェア制御により、メディアサイズおよび開始アドレスとしての開始LBAをそれぞれ第2パーティションに対応する情報として、
メディアサイズ=B、
開始LBA=Y−1、
としてアプリケーションに対して公開する。この設定により、第1パーティションの存在を隠すことが可能となる。
【0108】
なお、例えばハードディスク等の情報記録媒体のフォーマット処理により、図5に示すフォーマットを持つ構成とするいわゆるフォーマット処理は、例えばPC等の情報処理装置において実行可能である。すなわち、PC等の情報処理装置のデータ処理部が、図5に示すフォーマットに対応するフォーマット処理プログラムを実行して、複数のデータ記録区分領域である複数のパーティションを設定し、パーティション各々に各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)を記録した構成としたフォーマット処理を実行する。パーティション対応マスターブートレコード(MBR)には、対応するパーティションの開始セクタアドレスとサイズ情報を記録した対応パーティションのみのパーティションテーブルを記録する処理が実行される。
【0109】
[3.情報処理装置の構成例および処理例]
次に、本発明の一実施例に係る情報処理装置の構成例および処理例について説明する。本発明の情報処理装置は、情報記録媒体に対するデータ記録、または情報記録媒体からのデータ再生処理を行なう装置である。情報処理装置は例えばデジタルビデオカメラ、PCなどの装置である。
【0110】
情報処理装置の構成について、図9、図10を参照して説明する。図9は、ハードディスク等の情報記録媒体284をアクセスしてデータ記録あるいはデータ読み取りを実行する情報処理装置の構成を処理階層別に示している。図9に示すように、ハードディスク等の情報記録媒体284に対してデータを記録したり、記録媒体に記録されているデータを読み出して利用したりする場合には、ユーザからの処理要求を受け付け、またユーザインタフェースを提供するなどのユーザとの窓口として最上層にアプリケーションプログラム281が存在する。その下層に情報記録媒体284上のファイルを管理するためのファイルシステム(ファイル管理プログラム)282とファイルシステムからの情報に基づいて情報記録媒体284を制御するデバイスドライバ283とが存在する。
【0111】
情報記録媒体284に対してデータを記録、または情報記録媒体284からデータを再生する場合には、例えばアプリケーションプログラム281を介する要求がファイルシステム282、デバイスドライバ283に伝えられ、ファイルシステム282、デバイスドライバ283の機能によりデータの書き込み、再生が実行される。従来と同様の処理によって、ファイルシステム⇔デバイスドライバ⇔記録媒体(ハードディスク)といった構成で処理は行なわれる。
【0112】
データ記録を行なう場合に、複数の異なるファイルを継続記録ファイルとして適用する場合は、ファイルシステムによって適用されるファイルアロケーションテーブル(FAT)に対する特殊コードの記録を行なう。また、データ再生を実行する場合に複数の異なるファイルを継続記録ファイルとして適用する場合は、FATからの特殊コードの検出を条件として、ファイルの切り替えを実行する。
【0113】
図9に示すシステム構成中のファイルシステムをさらに詳細に示した構成図を図10に示す。図10に示す構成は、図9と同様、情報記録媒体に対するデータ記録および情報記録媒体からのデータ取得、再生処理を実行する情報処理装置のシステム構成を示す図であり、ハードディスクやフラッシュメモリ等の情報記録媒体361,362に対してデータを記録したり、記録媒体に記録されているデータを読み出して利用する処理を実行する情報処理装置のシステム構成を示している。
【0114】
図10にも、図9と同様、アプリケーション300の下層に情報記録媒体361,362上のファイルを管理するためのファイルシステム(ファイル管理プログラム)310とファイルシステム310からの情報に基づいて情報記録媒体361,362を制御するデバイスドライバ350とを示している。図10に示す例では2つの情報記録媒体361,362を示している。例えば、図5を参照して説明したフォーマットを持つハードディスクと、その他のフラッシュメモリなどの記録媒体である。デバイスドライバ350は、記録デバイスである情報記録媒体361,362に対応するデバイスドライバ351,352を有する。
【0115】
アプリケーション300、ファイルシステム310、デバイスドライバ350は、各構成部の処理に必要なプログラムやパラメータの格納、データ処理におけるワーク領域としてメモリ370をアクセスして利用する。
【0116】
アプリケーション300には、情報記録媒体361,362に対するデータ記録処理を実行する記録アプリケーション301、情報記録媒体361,362に記録されたデータの再生処理を実行する再生アプリケーション302、接続機器による処理を実行するUSB接続アプリケーション303など、処理に応じたアプリケーションが含まれる。
【0117】
ユーザはこれらのアプリケーションを選択して様々な処理を実行することになる。なお、これらのアプリケーションに応じて、先に図5を参照して説明した複数パーティションに区分された記憶手段、例えば、図10に示す情報記録媒体A361に対するアクセス可能なパーティションが決定されることになる。これらのアプリケーション毎の処理については後述する。なお、図10には、2つの情報記録媒体A,Bを示しているが、以下、情報記録媒体A361が図5に示すフォーマット構成を持つハードディスクであり、情報記録媒体B362がハードディク以外のフラッシュメモリやDVDなどの記憶媒体であると仮定して説明する。本発明の構成としては、少なくとも1つの記憶媒体が、図5に示すフォーマット構成を持つ媒体であればよい。
【0118】
ファイルシステム310は、記録媒体の種別やフォーマット情報などを含む各記憶媒体対応のマウントドライブ情報311,312を保持し、マウントドライブ情報311,312に従って、ハードディスク等の情報記録媒体を適用したデータ記録、再生制御を実行する。ファイルシステム310は、データ記録再生制御を実行する記録再生制御部320と、メディア制御を実行するメディア制御部330を有する。記録再生制御部320の実行する処理は、メディア非依存型のメディア共通の処理であり、メディア制御部330の実行する処理は、メディア依存型の処理である。
【0119】
記録再生制御部320は、ファイルアロケーションテーブル(FAT)の記録、参照処理を実行するFAT制御部321と、データ記録位置情報としてのクラスタの決定処理、クラスタ番号に基づく再生位置決定処理を実行するクラスタ制御部322と、ファイルに対応する情報を格納したディレクトリエントリ(図3参照)を生成、または参照する処理を実行するディレクトリエントリ制御部323を有する。ディレクトリエントリ制御部323は、アプリケーション300からの記憶手段やファイル指定情報に基づいて特定のファイルに対応するディレクトリエントリを取得し、例えばファイル再生の場合は、ディレクトリエントリから先頭クラスタ番号を取得し、クラスタ制御部322に提供する。
【0120】
メディア制御部330は、位置算出部331を有し、クラスタ制御部322の決定するクラスタ情報やFATのクラスタ連鎖情報に基づいて、デバイスドライバ350を制御し、クラスタ番号によってデータ記録、またはデータ再生を実行するディスクの位置を決定し、決定した位置情報に従って、デバイスドライバ350を介してデータ記録、または当該ディスク位置からのデータ再生を実行する。
【0121】
ファイルシステム310内のアクセス制御部340は、先に、図5〜図8を参照して説明したアプリケーションに応じた記憶手段のアクセス制御を行う。アクセス制御部340は、メディア非依存型のメディア共通の処理を実行するメディア制御部330と、メディア依存型の処理を実行するメディスア制御部330の双方において、それぞれの処理に応じたアクセス制御を実行する。なお、図10に示す構成では、アクセス制御部340をファイルシステム310内に構成した例を示しているが、このアクセス制御部340は、デバイスドライバ350内に構成されていてもよく、あるいは、ファイルシステム310と、デバイスドライバ350との中間に設定した独立した制御部として構成してもよい。
【0122】
以下、一例として、情報記録媒体A361が図5に示す2つのパーティションを持つフォーマットされたハードディスクであり、情報記録媒体Bがメモリスティック(登録商標)などのフラッシュメモリであるとして、情報処理装置において実行される情報記録媒体A361に対するアクセス制御の詳細について説明する。
【0123】
アクセス制御部340は、アプリケーション300において実行されるアプリケーションの種類、すなわち、
記録アプリケーション301、
再生アプリケーション302、
USB接続アプリケーション303、
これら実行アプリケーションの種類に応じたアクセス制御を行なう。
【0124】
具体的なアクセス制御例について、図11以下を参照して説明する。
図11は、記録アプリケーション301をユーザが実行アプリケーションとして選択した場合の処理例について説明する図である。図11(a)は記録アプリケーション301を実行アプリケーションとして選択した場合に、情報処理装置のディスプレイに表示されるユーザインタフェース(UI)を示している。記録先として、2つの情報記録媒体、すなわち、図10に示す、
情報記録媒体A(HDD)361、
情報記録媒体B(MS:フラッシュメモリ)362、
これらの選択画面がUIとして提示される。
【0125】
記録アプリケーション301の実行時、情報記録媒体A(HDD)361を記録先として選択した場合、アクセス制御部340の制御により、アプリケーションにおいて認識されるハードディスクの構成は、図11(b)に示す仮想HDDの構成となる。すなわち、図11(c)に示す実際のハードディスクのデータ領域の一部である第1パーティション領域のみが、記録アプリケーション301の認識可能なHDDとして設定される。
【0126】
記録アプリケーション301を実行してデータ記録を行なう場合は、先に図7を参照して説明した第1パーティション対応のマスターブートレコード:MBR1が読み取り可能なMBRとして設定され、図7を参照して説明したMBR1に設定されたパーティションテーブルに記録された第1パーティションに関する情報、すなわち、
第1パーティションの開始LBA: X=0x0000003F
第1パーティションのサイズ: A=0x3456789A
これらの情報が記録アプリケーション301によって読み取られて、第1パーティションをデータ記録領域としてデータ記録処理が行なわれる。
【0127】
記録アプリケーション301は、図11(b)に示す仮想HDDに設定されているマスターブートレコード(MBR)(実際はMBR1)から、第1パーティションの開始LBA:Xを取得し、この開始アドレスであるXからPBR(パーティションブートレコード(実際はPBR1))の位置を取得し、PBR1に含まれるパーティション対応の起動コードを実行して、第1パーティションの領域のみのアクセスによるデータ記録処理を行なう。
【0128】
なお、具体的には、記録アプリケーション301によって指定可能な記録デバイス識別子としてHDDのデバイス識別子[dev/hdd1]が設定され、アクセス制御部は、記録アプリケーション301から指定されるこの識別子[dev/hdd1]によって図11(b)に示すような仮想HDDを設定して、記録アプリケーション301に提供する処理を行なうことになる。この処理の具体的シーケンスについては後段でフローチャートを参照して説明する。
【0129】
次に、図12、図13を参照して、再生アプリケーション302をユーザが実行アプリケーションとして選択した場合の処理例について説明する。図12(a)は再生アプリケーション302を実行アプリケーションとして選択した場合に、情報処理装置のディスプレイに表示されるユーザインタフェース(UI)を示している。再生元メディアとして、2つの情報記録媒体、すなわち、図10に示す、
情報記録媒体A(HDD)361、
情報記録媒体B(MS:フラッシュメモリ)362、
これらの選択画面がUIとして提示される。
さらに、情報記録媒体A(HDD)361に対応する再生カテゴリとして、
[動画・静止画・音楽]
[マニュアル]
の2つのカテゴリの選択画面が提示される。
【0130】
この例では、
第1パーティションはユーザデータの記録が可能なパーティションであり、ユーザデータとしての[動画・静止画・音楽]が記録、再生可能な領域として設定され、
第2パーティションは、ユーザデータの記録が許容されず、マニュアルなどの予め記録済みデータが記録された領域として設定されているものとする。なお、本例では、第2パーティションに記録されているデータを[マニュアル]として説明するがマニュアル以外にも、第2パーティションはプログラムやサンプル画像データなど様々なデータの記録領域として利用可能である。
【0131】
図12(a)は、再生アプリケーション302を実行し、さらに、再生元として[動画・静止画・音楽]を選択した場合のUI例である。このように、ユーザデータとしての[動画・静止画・音楽]を再生することを選択した場合、アクセス制御部340の制御により、アプリケーションにおいて認識されるハードディスクの構成は、図12(b)に示す仮想HDDの構成となる。すなわち、図12(c)に示す実際のハードディスクのデータ領域の一部である第1パーティション領域のみが、再生アプリケーション302の認識可能なHDDとして設定される。
【0132】
再生アプリケーション302を実行して[動画・静止画・音楽]のデータ再生を行なう場合は、先に図7を参照して説明した第1パーティション対応のMBR1が読み取り可能なMBRとして設定され、図7を参照して説明したMBR1に設定されたパーティションテーブルに記録された第1パーティションに関する情報、すなわち、
第1パーティションの開始LBA: X=0x0000003F
第1パーティションのサイズ: A=0x3456789A
これらの情報が再生アプリケーション302によって読み取られて、第1パーティションをデータ再生領域としてデータ再生処理が行なわれる。
【0133】
再生アプリケーション302は、図12(b)に示す仮想HDDに設定されているマスターブートレコード(MBR)(実際はMBR1)から、第1パーティションの開始LBA:Xを取得し、この開始アドレスであるXからPBR(パーティションブートレコード(実際はPBR1))の位置を取得し、PBR1に含まれるパーティション対応の起動コードを実行して、第1パーティションの領域のみのアクセスによるデータ再生処理を行なう。第1パーティションにはユーザデータとしての動画、静止画、音楽などが記録されており、これらのデータ再生が実行される。
【0134】
なお、具体的には、再生アプリケーション302によって選択された再生元が[動画・静止画・音楽]である場合、指定可能なデバイス識別子[dev/hdd1]が設定され、アクセス制御部は、再生アプリケーション302の指定する識別子[dev/hdd1]によって図12(b)に示すような仮想HDDを設定して、再生アプリケーション302に提供する。この処理の具体的シーケンスについては後段でフローチャートを参照して説明する。
【0135】
図13(a)は、再生アプリケーション302を実行し、さらに、再生元として[マニュアル]を選択した場合のUI例である。このように、[マニュアル]の再生を選択した場合、アクセス制御部340の制御により、アプリケーションにおいて認識されるハードディスクの構成は、図13(b)に示す仮想HDDの構成となる。すなわち、図13(c)に示す実際のハードディスクのデータ領域の一部である第2パーティション領域のみが、再生アプリケーション302の認識可能なHDDとして設定される。
【0136】
再生アプリケーション302を実行して[マニュアル]のデータ再生を行なう場合は、先に図8を参照して説明した第2パーティション対応のMBR2が読み取り可能なMBRとして設定され、図8を参照して説明したMBR2に設定されたパーティションテーブルに記録された第2パーティションに関する情報、すなわち、
第2パーティションの開始LBA: Y=0x456789AB
第2パーティションのサイズ: B=0x01234567
これらの情報が再生アプリケーション302によって読み取られて、第2パーティションをデータ再生領域としてデータ再生処理が行なわれる。
【0137】
再生アプリケーション302は、図13(b)に示す仮想HDDに設定されているマスターブートレコード(MBR)(実際はMBR2)から、第2パーティションの開始LBA:Yを取得し、この開始アドレスであるYからPBR(パーティションブートレコード(実際はPBR2))の位置を取得し、PBR2に含まれるパーティション対応の起動コードを実行して、第2パーティションの領域のみのアクセスによるデータ再生処理を行なう。第2パーティションにはマニュアルが記録されておりマニュアル再生が実行される。
【0138】
なお、具体的には、再生アプリケーション302によって選択された再生元が[マニュアル]である場合、指定可能なデバイス識別子[dev/hdd2]が設定され、アクセス制御部は、再生アプリケーション302の指定する識別子[dev/hdd2]によって図13(b)に示すような仮想HDDを設定して、再生アプリケーション302に提供する。この処理の具体的シーケンスについては後段でフローチャートを参照して説明する。
【0139】
なお、この情報処理装置(例えばデジタルカメラ)の情報記録媒体(HDD)361を、USB接続した外部機器(例えばPC)からアクセスして記録や再生処理を実行したい場合は、USB接続アプリケーション303を実行する。
【0140】
USB接続アプリケーション303を実行する場合のデータ記録、再生処理について、図14、図15を参照して説明する。USB接続アプリケーション303の実行においては、パーティション1、パーティション2のいずれもアクセス可能である点で、基本的には図12、図13を参照して説明した再生アプリケーションの実行時の処理と同様である。しかし、再生アプリケーションの実行に際しては、データ記録処理は実行できないが、USB接続アプリケーション303の実行時には、パーティション1、パーティション2のいずれもデータ記録可能となる点で異なる。例えばパーティション2に記録されているマニュアルの更新や、新たな保護データの追加などを行なう差異に利用可能である。また、製品製造時におけるマニュアルなどのデータ記録処理にも利用可能である。
【0141】
図14(a)はUSB接続アプリケーション303を実行アプリケーションとして選択した場合に、情報処理装置のディスプレイに表示されるユーザインタフェース(UI)を示している。記録処理または再生処理メディアとして、2つの情報記録媒体、すなわち、図10に示す、
情報記録媒体A(HDD)361、
情報記録媒体B(MS:フラッシュメモリ)362、
これらの選択画面がUIとして提示される。
さらに、情報記録媒体A(HDD)361に対応するカテゴリとして、
[動画・静止画・音楽]
[マニュアル]
の2つのカテゴリの選択画面が提示される。
【0142】
先に説明したように、この例では、第1パーティションはユーザデータの記録が可能なパーティションであり、ユーザデータとしての[動画・静止画・音楽]が記録、再生可能な領域として設定され、第2パーティションは、ユーザデータの記録が許容されず、マニュアルなどの予め記録済みデータが記録された領域として設定されている。
【0143】
図14(a)は、USB接続アプリケーション303を実行し、さらに、記録または再生元として[動画・静止画・音楽]を選択した場合のUI例である。このように、ユーザデータとしての[動画・静止画・音楽]の記録または再生を選択した場合、アクセス制御部340の制御により、アプリケーションにおいて認識されるハードディスクの構成は、図14(b)に示す仮想HDDの構成となる。すなわち、図14(c)に示す実際のハードディスクのデータ領域の一部である第1パーティション領域のみが、USB接続アプリケーション303の認識可能なHDDとして設定される。
【0144】
USB接続アプリケーション303を実行して[動画・静止画・音楽]のデータ記録または再生を行なう場合は、先に図7を参照して説明した第1パーティション対応のMBR1が読み取り可能なMBRとして設定され、図7を参照して説明したMBR1に設定されたパーティションテーブルに記録された第1パーティションに関する情報、すなわち、
第1パーティションの開始LBA: X=0x0000003F
第1パーティションのサイズ: A=0x3456789A
これらの情報がUSB接続アプリケーション303によって読み取られて、第1パーティションをデータ記録再生領域としてデータ記録または再生処理が行なわれる。
【0145】
USB接続アプリケーション303は、図14(b)に示す仮想HDDに設定されているマスターブートレコード(MBR)(実際はMBR1)から、第1パーティションの開始LBA:Xを取得し、この開始アドレスであるXからPBR(パーティションブートレコード(実際はPBR1))の位置を取得し、PBR1に含まれるパーティション対応の起動コードを実行して、第1パーティションの領域のみのアクセスによるデータ記録または再生処理を行なう。第1パーティションにはユーザデータとしての動画、静止画、音楽などの記録領域として設定されており、これらのデータ記録再生を実行する。
【0146】
なお、具体的には、USB接続アプリケーション303によって選択された再生元が[動画・静止画・音楽]である場合、指定可能なデバイス識別子[dev/hdd1]が設定され、アクセス制御部は、USB接続アプリケーション303の指定する識別子[dev/hdd1]によって図14(b)に示すような仮想HDDを設定して、USB接続アプリケーション303に提供する。この処理の具体的シーケンスについては後段でフローチャートを参照して説明する。
【0147】
図15(a)は、USB接続アプリケーションを実行し、さらに、記録または再生元として[マニュアル]を選択した場合のUI例である。このように、[マニュアル]の記録または再生を選択した場合、アクセス制御部340の制御により、アプリケーションにおいて認識されるハードディスクの構成は、図15(b)に示す仮想HDDの構成となる。すなわち、図15(c)に示す実際のハードディスクのデータ領域の一部である第2パーティション領域のみが、USB接続アプリケーション303の認識可能なHDDとして設定される。
【0148】
USB接続アプリケーション303を実行して[マニュアル]のデータ記録または再生を行なう場合は、先に図8を参照して説明した第2パーティション対応のMBR2が読み取り可能なMBRとして設定され、図8を参照して説明したMBR2に設定されたパーティションテーブルに記録された第2パーティションに関する情報、すなわち、
第2パーティションの開始LBA: Y=0x456789AB
第2パーティションのサイズ: B=0x01234567
これらの情報がUSB接続アプリケーション303によって読み取られて、第2パーティションをデータ記録または再生領域とした処理が行なわれる。なお、この設定に基づく処理は、例えば製造時にマニュアルの記録処理を行なう場合にも利用可能である。
【0149】
USB接続アプリケーション303は、図15(b)に示す仮想HDDに設定されているマスターブートレコード(MBR)(実際はMBR2)から、第2パーティションの開始LBA:Yを取得し、この開始アドレスであるYからPBR(パーティションブートレコード(実際はPBR2))の位置を取得し、PBR2に含まれるパーティション対応の起動コードを実行して、第2パーティションの領域のみのアクセスによるデータ記録または再生処理を行なう。
【0150】
なお、具体的には、USB接続アプリケーション303によって選択された再生元が[マニュアル]である場合、指定可能なデバイス識別子[dev/hdd2]が設定され、アクセス制御部は、USB接続アプリケーション303の指定する識別子[dev/hdd2]によって図15(b)に示すような仮想HDDを設定して、USB接続アプリケーション303に提供する。この処理の具体的シーケンスについては以下、フローチャートを参照して説明する。
【0151】
[4.情報処理装置の実行する処理のシーケンス詳細]
次に、本発明の情報処理装置の実行する処理シーケンスについて、図16以下のフローチャートを参照して説明する。
【0152】
まず、図16〜図18を参照して、情報記録媒体(メディア)のマウント処理シーケンスについて説明する。メディア・マウント処理は、情報記録媒体(メディア)を利用したデータ記録または再生の前処理として実行される処理であり、情報記録媒体(メディア)を認識し、情報記録媒体(メディア)のアクセスに必要な情報を取得する処理として実行され、例えばアプリケーションから、ファイルシステムに対するメディア指定情報の入力に基づいて実行される。
【0153】
以下では、図10に示すアクセス制御部340の制御の下に実行されるマウント処理として、図16を参照してメディア非依存部の記録再生制御部側のマウント処理シーケンス、図18を参照してメディア依存部のメディア制御部側のマウント処理シーケンスの各々について説明する。
【0154】
まず、図16に示すフローチャートを参照して、メディア非依存部の記録再生制御部側におけるアクセス制御部340の制御の下に実行されるマウント処理シーケンスについて説明する。
【0155】
ステップS101において、上位アプリケーションから指示されたデバイス名(記憶媒体指定情報)にてデバイスをオープンする。なお、上位アプリケーションは、例えば先に図10を参照して説明したように、
記録アプリケーション、
再生アプリケーション
USB接続アプリケーション、
これらのアプリケーションがあり、これらのいずれかから選択された実行アプリケーションである。
【0156】
これらのアプリケーションの指定可能なデバイスは予め設定されている。設定例について、図17を参照して説明する。図17(a)は、アプリケーションの指定可能なデバイス名(記憶媒体指定情報)と具体的なアクセス先との対応を示す図であり、図17(b)はアプリケーションの種類と、各アプリケーションに対して予め設定された指定可能なデバイス(記憶媒体指定情報)の対応情報を示す図である。
【0157】
図17(a)に示すように、アプリケーションの指定可能なデバイス名(記憶媒体指定情報)と具体的なアクセス先は、例えば以下のような設定である。
HDD[/dev/hdd]:HDD全体(第1〜第2パーティション)
HDD[/dev/hdd1]:HDD第1パーティション
HDD[/dev/hdd2]:HDD第2パーティション
MS[dev/ms]:フラッシュメモリ
【0158】
また、図17(b)に示すように、アプリケーションの種類と、各アプリケーションに対して予め設定された指定可能なデバイス(記憶媒体指定情報)の対応情報は以下のような設定である。
記録アプリケーション:[/dev/hdd1]
再生アプリケーション[動画・静止画・音楽]:[/dev/hdd1]
再生アプリケーション[マニュアル]:[/dev/hdd2]
USB接続アプリケーション[動画・静止画・音楽]:[/dev/hdd1]
USB接続アプリケーション[マニュアル]:[/dev/hdd2]
例えば、このように予め、各アプリケーションの指定可能なデバイスが設定されている。再生アプリケーション、USB接続アプリケーションにおいては、処理カテゴリによって、指定可能なデバイスが切り替えられる設定となっている。
【0159】
図16のフローに戻り、マウント処理のシーケンスについての説明を続ける。ステップS101において、上位アプリケーションから指示されたデバイス名(記憶媒体指定情報)にてデバイスをオープンする。このオープン処理は、指定デバイスの認識、アクセス準備状態の設定である。ステップS102においてオープン処理の成功が確認されるとステップS103において、指定メディアのファイル情報、残容量情報などデータの記録または再生処理に必要とする各種の情報の読み取りが実行される。読み取り情報は、例えば図10のメモリ(RAM)370に保持される。
【0160】
次に、図18を参照してメディア依存部であるメディア制御部側のマウント処理シーケンスの各々について説明する。まず、ステップS201において、上位アプリケーションから指定されたデバイス名(記憶媒体指定情報)を確認する。図17(b)を参照して説明したように、記録、再生、USB接続各アプリケーションは、予め指定可能なデバイス(記憶媒体指定情報)が設定されている。
【0161】
アプリケーションからの指定デバイス名が[/dev/hdd]である場合は、ステップS202に進み、指定デバイス名が[/dev/hdd1]である場合は、ステップS203に進み、指定デバイス名が[/dev/hdd2]である場合は、ステップS204に進む。指定デバイス名がその他である場合は、ステップS205に進む。
【0162】
指定デバイス名が[/dev/hdd]である場合は、ステップS202に進み、実際のHDD全体の先頭アドレスである論理ブロックアドレス:LBA=0x00000000を上位アプリケーションへ提示する論理ブロックアドレス:LBA=0x00000000として設定し、さらに、上位アプリケーションへ提示するメディアサイズをMAX+1とする。すなわち、図19(a)に示す実際のメディア全体をアプリケーションに提示する。アプリケーションは、図19(a)に示すHDD全体、すなわち第1パーティション、第2パーティションに対するアクセスが可能となる。
【0163】
また、指定デバイス名が[/dev/hdd1]である場合は、ステップS203に進み、実際の論理ブロックアドレス:LBA=X−1を上位アプリケーションへ提示するLBA=0x00000000として設定し、さらに、上位アプリケーションへ提示するメディアサイズをA+1とする。すなわち、図19(b)に示す第1パーティション相当のメディア領域をアプリケーションに提示する仮想HDDとして設定する。アプリケーションは、図19(b)に示す第1パーティションに対応する仮想HDDを認識可能となり、第1パーティションのみに対するアクセスが可能となる。
【0164】
また、指定デバイス名が[/dev/hdd2]である場合は、ステップS204に進み、実際の論理ブロックアドレス:LBA=Y−1を上位アプリケーションへ提示するLBA=0x00000000として設定し、さらに、上位アプリケーションへ提示するメディアサイズをB+1とする。すなわち、図19(c)に示す第2パーティション相当のメディア領域をアプリケーションに提示する仮想HDDとして設定する。アプリケーションは、図19(c)に示す第2パーティションに対応する仮想HDDを認識可能となり、第2パーティションのみに対するアクセスが可能となる。
【0165】
また、指定デバイス名がその他である場合は、ステップS205に進み、その他のデバイス例えばフラッシュメモリなどのマウント処理を実行する。
【0166】
なお、ステップS202〜S204において実行するアプリケーションに提示する開始アドレス情報としてのLBAとして用いられるX,YやサイズA,Bの値は、例えば、図6〜図8を参照して説明したように、
第1パーティションの開始LBA: X=0x0000003F
第2パーティションの開始LBA: Y=0x456789AB
第1パーティションのサイズ:A
第2パーティションのサイズ:B
これらの各値である。これらの各値は、予め不揮発性メモリに保持しておき、これらの値を用いてLBAの算出を行なう構成としてもよい。あるいは必要となる最低限の情報(パーティションレイアウト情報)のみをメモリに保持する構成としてもよい。例えば図20に示すようなデータを不揮発性メモリに格納する。すなわち、
第1パーティションの開始LBA:X
第1パーティションのサイズ:A
第2パーティションのサイズ:B

第nパーティションのサイズ:
パーティション間の位相調整量
読み出し専用フラグ
これらの値をメモリに保持し、アクセス制御部が、これらの情報を用いて必要な値を算出する構成としてもよい。例えば、第2パーティションの開始アドレスである開始LBA=Yは、
Y=X+A+N+1として算出される。
読み出し専用フラグは、各パーティションが読み出し専用として設定されているか否かを示すフラグであり、書き込みコマンドの入力があった場合に参照してアクセス制御部によって参照され、書き込み許可、不許可等の制御を行うためのフラグであるこのフラグを利用した処理については後述する。
【0167】
次に、図21を参照して、メディア制御部(メディア依存部)においてアクセス制御部340が実行するメディア(情報記録媒体)に対する情報の書き込み(write)または読み取り(read)処理の制御シーケンスについて説明する。
【0168】
まず、ステップS301において、上位アプリケーションから指定されたデバイス名(記憶媒体指定情報)を確認する。図17(b)を参照して説明したように、記録、再生、USB接続各アプリケーションは、予め指定可能なデバイス(記憶媒体指定情報)が設定されている。
【0169】
アプリケーションからの指定デバイス名が[/dev/hdd]である場合は、ステップS302に進み、指定デバイス名が[/dev/hdd1]である場合は、ステップS303に進み、指定デバイス名が[/dev/hdd2]である場合は、ステップS304に進む。指定デバイス名がその他である場合は、ステップS305に進む。
【0170】
指定デバイス名が[/dev/hdd]である場合は、ステップS302に進み、アクセスする論理ブロックアドレスLBAを、上位アプリケーションからの指定LBAの値そのまま利用してアクセスを実行する。この場合は、図19(a)に示す実際のメディア全体がアプリケーションに提示されており、アプリケーションの指定するLBAをそのまま実際のLBAとして利用したアクセスを行って指定されたアドレスのデータの読み取り、または指定アドレスに対するデータ書き込みを実行する。
【0171】
指定デバイス名が[/dev/hdd1]である場合は、ステップS303に進み、アクセスする論理ブロックアドレスLBAを、上位アプリケーションからの指定LBAから算出する。すなわち、
アクセスLBA=(アプリ指定LBA)+X−1
として算出して、算出したアクセスLBAを利用してアクセスを実行する。
この場合は、図19(b)に示す仮想HDD、すなわち第1パーティションのみからなる仮想HDDがアプリケーションに提示されており、
第1パーティションの開始LBA:Xの1セクタ前のX−1が第1パーティション対応のMBR1の位置であり、この実際の第1パーティションの先頭アドレスの算出処理として、
アクセスLBA=(アプリ指定LBA)+X−1
を実行して、この算出アクセスLBAを利用したアクセスを行って指定されたアドレスのデータの読み取り、または指定アドレスに対するデータ書き込みを実行する。この処理によって、図19(b)に示す仮想HDDを利用して第1パーティション領域のみに対するデータ記録または再生が実行される。
【0172】
さらに、指定デバイス名が[/dev/hdd2]である場合は、ステップS304に進み、アクセスする論理ブロックアドレスLBAを、上位アプリケーションからの指定LBAから算出する。すなわち、
アクセスLBA=(アプリ指定LBA)+Y−1
として算出して、算出したアクセスLBAを利用してアクセスを実行する。
この場合は、図19(c)に示す仮想HDD、すなわち第2パーティションのみからなる仮想HDDがアプリケーションに提示されており、
第2パーティションの開始LBA:Yの1セクタ前のY−1が第2パーティション対応のMBR2の位置であり、この実際の第2パーティションの先頭アドレスの算出処理として、
アクセスLBA=(アプリ指定LBA)+Y−1
を実行して、この算出アクセスLBAを利用したアクセスを行って指定されたアドレスのデータの読み取り、または指定アドレスに対するデータ書き込みを実行する。この処理によって、図19(c)に示す仮想HDDを利用して第2パーティション領域のみに対するデータ記録または再生が実行される。
【0173】
また、指定デバイス名がその他である場合は、ステップS305に進み、その他のデバイス例えばフラッシュメモリなどを利用したデータ書き込みまたは読み取り処理を実行する。
【0174】
次に、図22〜図24のフローチャートを参照して、アクセス制御部において実行する起動処理および終了処理のシーケンスについて説明する。
【0175】
まず、図22を参照して起動処理のシーケンスについて説明する。起動処理は、情報処理装置の起動時に実行される処理である。まず、ステップS401において初期化処理1として、例えばメディアの装着されたメディアの種類の判別、判別したメディアのフォーマット情報の取得処理が実行される。ステップS402において、先に図20を参照して説明したパーティションレイアウト情報を不揮発性メモリから読み出しワーク領域メモリとしてのRAMに保持する。
【0176】
さらに、ステップS403において、情報更新フラグをクリアする。この情報更新フラグは、不揮発性メモリに保持されているパーティションレイアウト情報が現在の装着メディアのパーティションレイアウト情報に一致するものであることが確認された場合にクリアされ、更新中である場合はセットされた状態とされる。次にステップS404において、初期化処理2として、上位アプリケーションからのコマンド入力待機状態への最終的な処理が実行される。この後、アプリケーションからのコマンドが入力され、入力に従った処理が実行可能となる。
【0177】
次に、図23を参照してパーティションレイアウト情報を変更する場合の処理シーケンスについて説明する。先に図5を参照して2つのパーティションの設定されたフォーマット例を説明したが、例えば再フォーマット処理を実行することでパーティションレイアウトは変更することが可能である。具体的には、3つのパーティションを設定するといった処理が可能である。図23に示すフローは、このようなパーティションレイアウトの変更を行なう場合の処理シーケンスである。
【0178】
まず、ステップS501において、ワークメモリとしてのRAMに保持されているパーティションレイアウト情報(図20参照)を上位アプリケーションから指定された値に変更する。なお、このアプリケーションは、パーティションの設定等を実行するアプリケーションであり、図10を参照して説明した記録、再生、USB接続アプリケーションとは異なるアプリケーションである。ステップS502において、情報更新フラグをセットする。この後、実際のメディアに対するフォーマット処理としてのパーティション設定処理が実行されることになる。
【0179】
メディアフォーマット処理の終了シーケンスを図24のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS601において終了処理1を実行する。この処理は、メディアに対するフォーマット処理完了の確認処理である。次に、ステップS602において、情報更新フラグがセットされているか否かを確認する。前述したように、不揮発性メモリに保持されているパーティションレイアウト情報が現在の装着メディアのパーティションレイアウト情報に一致するものであることが確認された場合にクリアされ、更新中である場合はセットされた状態とされる。
【0180】
情報更新フラグがセットされている場合は、ステップS603に進み、更新後のパーティションレイアウト情報を不揮発性メモリに記録し、ステップS604において情報更新フラグをクリアし、ステップS605において終了処理2、すなわちすべてのフォーマット処理の完了確認を実行して次の処理に移行可能な状態へのセット処理を行い、処理を終了する。
【0181】
次に、図25、図26を参照して、アプリケーションからの書き込みコマンドが入力された場合に、アクセス制御部340が実行する処理について説明する。先に図20を参照してパーティションレイアウト情報について説明したが、その中の読み出し専用フラグを参照してパーティションに対するデータ書き込みの許可、不許可を決定して行なう書き込み制御である。
【0182】
読み出し専用フラグは、図25に示すように、各パーティションがデータの読み書きが許可された設定であるか、データの書き込みが許可されない読み出し専用として設定されているかを示す各パーティション毎に設定されるフラグである。
【0183】
アクセス制御部340は、アプリケーションからのデータ書き込み(write)コマンドが入力された場合、このフラグを参照してデータ書き込みの許可、あるいは不許可を決定する。図26に示すフローチャートを参照してこの制御シーケンスについて説明する。
【0184】
まず、ステップS701において、アプリケーションからの入力コマンドがデータ書き込み(write)コマンドであるか否かを判定する。データ書き込みコマンドでない場合は、ステップS705に進み、コマンドに従った通常処理を実行する。
【0185】
アプリケーションからの入力コマンドがデータ書き込み(write)コマンドである場合は、ステップS702に進み、図25に示すフラグを確認する。このフラグ確認は、アプリケーションからの指定デバイスに対応するフラグの確認処理として実行される。
【0186】
ステップS703において、アプリケーションからの指定デバイスに対応するフラグが読み出し専用を示すと判定した場合は、ステップS704に進み、アプリケーションに対してエラーコードを出力し、書き込み要求を拒否する。ステップS703において、アプリケーションからの指定デバイスに対応するフラグが読み出し専用を示していないと判定した場合は、ステップS705に進み、アプリケーションからの要求に従い、データ書き込み処理を実行する。このようなフラグを参照して書き込み制御により誤ったデータ書き込みが防止される。
【0187】
[5.情報処理装置のハードウェア構成例]
次に、上述した処理を実行する情報処理装置の構成例として、デジタルビデオカメラと、PCの装置構成例について、図27、図28を参照して説明する。
【0188】
まず、図27を参照してデジタルビデオカメラの構成例について説明する。デジタルビデオカメラは、画像を撮像して、撮像することにより得た画像データをドライブ432を介して磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の各種情報記録媒体に記録する撮像モードと、画像入出力部414や音声入出力部416あるいは通信部431を通じて供給を受けたデータを記録媒体に記録したり、記録媒体に記録されているデータを再生したりするVTRモードとを備えたものである。
【0189】
撮像モードは、動画を撮像すると共に、これと同時に収音するようにした音声とを記録媒体に記録する動画撮像モードと、静止画を撮像する静止画撮像モードとを備えている。また、VTRモード時においては、記録ボタンスイッチなどによって構成される操作入力部420を操作することにより供給されるデータの記録が行われるようにされ、再生ボタンスイッチを操作することにより記録媒体に記録されている目的とするデータを再生することができる。
【0190】
図27に示すように、デジタルビデオカメラは、光学レンズ部411、光電変換部412、カメラ機能制御部402、画像信号処理部413、画像入出力部414、液晶ディスプレイ415、音声入出力部416、音声信号処理部417、通信部431、制御部(CPU)401、内蔵メモリ(RAM)418、内蔵メモリ(ROM)419、操作入力部420、情報記録媒体に対するドライブ432、さらに、各構成部に対する電力供給を行なう電源441を備えたものである。
【0191】
制御部(CPU)401は、ROM419に格納された各種の処理プログラムに従って処理を実行する。RAM418は、各処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられる。前述したパーティション対応の処理に際しても、RAM418に保持されたパーティションレイアウト情報を利用した処理が実行される。
【0192】
操作入力部401は、動画撮影モード、静止画撮影モード、VTRモードなどの動作モードを切り換えるモード切り換えキー、静止画の撮影のためのシャッターキー、動画を撮影するための撮影開始キー、録画キー、再生キー、停止キー、早送りキー、早戻しキーなどの種々の操作キーや機能キーなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に応じた電気信号を制御部(CPU)401に供給する。
【0193】
制御部(CPU)401は、ユーザからの操作入力に応じて、目的とする処理を行うためのプログラムをROM419から読み出して実行し、各部を制御することによって、ユーザからの指示に応じた処理の制御を行う。デジタルビデオカメラは、情報記録媒体として、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の各種情報記録媒体を装着可能であり、これらの情報記録媒体にドライブ432を介して各種の情報を記録し、また、これらの情報記録媒体に記録された情報を再生する。磁気ディスクとしてのハードディスクは例えば先に図5を参照して説明したレイアウトを持つ。
【0194】
次に、図28を参照して、上述した処理を実行する情報処理装置の一例としてのPCのハードウェア構成例について説明する。CPU(Central Processing Unit)501は、OS(Operating System)に対応する処理や、上述の実施例において説明したパーティション対応のデータ記録、あるいはデータ再生処理などを実行するデータ処理部として機能する。これらの処理は、情報処理装置のROM、ハードディスクなどのデータ記憶部に格納されたコンピュータ・プログラムに従って実行される。
【0195】
ROM(Read Only Memory)502は、CPU501が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)503は、CPU501の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ、前述のパーティションレイアウト情報等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス504により相互に接続されている。前述した管理情報の記録処理に際しても、RAM503を作業領域としてデータの更新などが実行される。
【0196】
ホストバス504は、ブリッジ505を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス506に接続されている。
【0197】
キーボード508、ポインティングデバイス509は、ユーザにより操作される入力デバイスである。ディスプレイ510は、液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)などから成り、各種情報をテキストやイメージで表示する。
【0198】
HDD(Hard Disk Drive)511は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動する。ハードディスクは例えば先に図5を参照して説明したレイアウトを持つ。また、ハードディスクは、画像データファイルの格納領域として利用されるとともに、データ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0199】
ドライブ512は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体521に記録されているデータまたはプログラムを読み出して、そのデータまたはプログラムを、インタフェース507、外部バス506、ブリッジ505、およびホストバス504を介して接続されているRAM503に供給する。
【0200】
接続ポート514は、外部接続機器522を接続するポートであり、USB,IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート514は、インタフェース507、および外部バス506、ブリッジ505、ホストバス504等を介してCPU501等に接続されている。通信部515は、ネットワークに接続され、その他の情報処理装置との通信を実行する。
【0201】
なお、図27、図28に示す情報処理装置の構成例は、装置の一例であり、情報処理装置は、図27、図28に示す構成に限らず、上述した実施例において説明した処理を実行可能な構成であればよい。
【0202】
なお、本発明は、ランダムアクセス可能なメディア全般に適用可能であるが、特に、HDD(ハードディスクドライブ)に対して適用した場合が効果的であると言える。また、ファイルシステムに関しては、FAT16/32に限定されるものではない。
【0203】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0204】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0205】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0206】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0207】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0208】
以上、説明したように、本発明の一実施例構成によれば、情報処理装置において実行するアプリケーション、例えば記録アプリケーション、再生アプリケーション、外部機器接続アプリケーションなどのアプリケーションに応じて情報記録媒体中のアクセス許容するパーティションを異ならせることを可能とした構成が実現される。例えばアクセス制御部が、開始アドレス等のアクセス情報をアプリケーションに応じて変更してアプリケーションに提供する。本構成により、例えばマニュアルなど誤消去を防止すべきデータについては、記録アプリケーションからはアクセスできない設定とするなど、実行アプリケーションに応じたアクセス制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】FAT16およびFAT32でフォーマットした場合のデータ構造について説明する図である。
【図2】マスターブートレコード(MBR)のデータ構成について説明する図である。
【図3】ディレクトリエントリの情報構造を説明する図である。
【図4】一般的なファイルアロケーションテーブル(FAT)のデータ構成例について説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に係る情報記録媒体のフォーマット構成例を示す図である。
【図6】図5に示すマスターブートレコード(MBR)110のデータ構成例を示す図である。
【図7】図5に示す第1パーティション10専用のマスターブートレコード(MBR)であるMBR1,120のデータ構成例を示す図である。
【図8】図5に示す第2パーティション20専用のマスターブートレコード(MBR)であるMBR2,130のデータ構成例を示す図である。
【図9】本発明の一実施例に係る情報処理装置のシステム構成について説明する図である。
【図10】本発明の一実施例に係る情報処理装置のシステム構成について説明する図である。
【図11】本発明の一実施例に係る情報処理装置において記録アプリケーションを実行した場合の具体的なアクセス制御例について説明する図である。
【図12】本発明の一実施例に係る情報処理装置において再生アプリケーションを実行した場合の具体的なアクセス制御例について説明する図である。
【図13】本発明の一実施例に係る情報処理装置において再生アプリケーションを実行した場合の具体的なアクセス制御例について説明する図である。
【図14】本発明の一実施例に係る情報処理装置においてUSB接続アプリケーションを実行した場合の具体的なアクセス制御例について説明する図である。
【図15】本発明の一実施例に係る情報処理装置においてUSB接続アプリケーションを実行した場合の具体的なアクセス制御例について説明する図である。
【図16】報記録媒体(メディア)のマウント処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図17】アプリケーションの指定可能なデバイスについて説明する図である。
【図18】報記録媒体(メディア)のマウント処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図19】アプリケーションに提示されるデバイス構成について説明する図である。
【図20】不揮発性メモリに格納されるパーティションレイアウト情報の例について説明する図である。
【図21】メディア(情報記録媒体)に対する情報の書き込み(write)または読み取り(read)処理の制御シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図22】起動処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図23】パーティションレイアウト情報の更新処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図24】終了処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図25】読み出し専用フラグについて説明する図である。
【図26】アプリケーションからのデータ書き込み(write)コマンドが入力された場合、フラグを参照してデータ書き込みの許可、あるいは不許可を決定するシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図27】本発明の情報処理装置の一実施例としてのデジタルビデオカメラの構成例について説明する図である。
【図28】本発明の情報処理装置の一実施例としてのPCの構成例について説明する図である。
【符号の説明】
【0210】
10 第1パーティション
20 第2パーティション
110 マスターブートレコード(MBR)
111 パーティションテーブル
112 開始セクタ(LBA)記録領域
113 パーティションサイズ記録領域
120 マスターブートレコード1(MBR1)
121 パーティションテーブル
122 開始セクタ(LBA)記録領域
123 パーティションサイズ記録領域
211 パーティションテーブル
212 開始セクタ(LBA)記録領域
213 パーティションサイズ記録領域
221 パーティションテーブル
222 開始セクタ(LBA)記録領域
223 パーティションサイズ記録領域
281 アプリケーション
282 ファイルシステム
283 デバイスドライバ
284 情報記録媒体
300 アプリケーション
301 記録アプリケーション
302 再生アプリケーション
303 USB接続アプリケーション
310 ファイルシステム
311,312 マウントドライブ情報
320 記録再生制御部
321 FAT制御部
322 クラスタ制御部
323 ディレクトリエントリ制御部
330 メディア制御部
331 位置算出部
340 アクセス制御部
350,351,352 デバイスドライバ
361,362 情報記録媒体
370 メモリ
401 制御部(CPU)
402 カメラ機能制御部
411 光学レンズ部
412 光電変換部
413 画像信号処理部
414 画像入出力部
415 液晶ディスプレイ
416 音声入出力部
417 音声処理部
418 内蔵メモリ(RAM)
419 内蔵メモリ(ROM)
420 操作入力部
431 通信部
432 ドライブ
441 電源
501 CPU(Central Processing Unit)
502 ROM(Read-Only-Memory)
503 RAM(Random Access Memory)
504 ホストバス
505 ブリッジ
506 外部バス
507 インタフェース
508 キーボード
509 ポインティングデバイス
510 ディスプレイ
511 HDD(Hard Disk Drive)
512 ドライブ
514 接続ポート
515 通信部
521 リムーバブル記録媒体
522 外部接続機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体に対するデータ記録または再生処理を実行するアプリケーション実行部と、
前記アプリケーション実行部における実行アプリケーションからの情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じたアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示するアクセス制御部と、
情報記録媒体のアクセスを実行するデバイスドライバを有し、
前記アクセス制御部は、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応するアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記アクセス制御部は、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて異なる開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記アクセス制御部は、
前記実行アプリケーションから情報記録媒体指定情報として、情報記録媒体の全体または、一部パーティションに対応する情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記アクセス制御部は、
情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報として、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する先頭の論理ブロックアドレス(LBA)を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アプリケーション実行部は、
データ記録を実行する記録アプリケーション、データ再生を実行する再生アプリケーション、外部接続機器による処理を実行する接続アプリケーションの少なくともいずれかを実行アプリケーションとして選択可能な構成を有し、
記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションの各々は予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、
前記アクセス制御部は、
前記記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションのいずれかから指定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記再生アプリケーションは、再生対象データの種類である再生カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、
前記アクセス制御部は、
前記再生アプリケーションの再生カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記接続アプリケーションは、処理対象データの種類である処理カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、
前記アクセス制御部は、
前記接続アプリケーションの処理カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記アクセス制御部は、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応する仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報記録媒体の各パーティションには、パーティション対応のアクセス情報としてのパーティション対応のマスターブートレコード(MBR)が個別に設定された構成であり、
前記アクセス制御部は、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、一部パーティションのみを前記実行アプリケーションに提示する際、前記パーティション対応のマスターブートレコード(MBR)を含む仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置は、さらに、
前記情報記録媒体のパーティションレイアウト情報を記憶した記憶部を有し、
前記アクセス制御部は、
前記情報記録媒体のパーティションレイアウトの変更に際して、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報の更新処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報には、
情報記録媒体に設定されたパーティションの開始アドレス、およびパーティションサイズを算出可能な情報が含まれる構成であり、
前記アクセス制御部は、
前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報を適用してアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報記録媒体であり、
複数のデータ記録領域としての複数のパーティションが設定され、
各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)が記録された構成を有し、
前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)の記録情報を利用したアクセスを可能とした構成を有することを特徴とする情報記録媒体。
【請求項13】
前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)は、対応するパーティションの開始セクタアドレスとサイズ情報を記録した対応パーティションのみのパーティションテーブルを記録した構成であることを特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体。
【請求項14】
情報記録媒体のフォーマット処理を実行する情報処理装置であり、
複数のデータ記録区分領域である複数のパーティションを設定し、パーティション各々に各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)を記録した構成としたフォーマット処理を実行するデータ処理部を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
前記データ処理部は、
前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)に、対応するパーティションの開始セクタアドレスとサイズ情報を記録した対応パーティションのみのパーティションテーブルを記録する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
情報処理装置において、情報記録媒体に対するアクセス制御を実行する情報処理方法であり、
アプリケーション実行部が、情報記録媒体に対するデータ記録または再生処理を実行するアプリケーション実行ステップと、
アクセス制御部が、前記アプリケーション実行ステップにおける実行アプリケーションからの情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じたアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示するアクセス制御ステップを有し、
前記アクセス制御ステップは、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応するアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
前記アクセス制御ステップは、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて異なる開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうステップであることを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記アクセス制御ステップは、
前記実行アプリケーションから情報記録媒体指定情報として、情報記録媒体の全体または、一部パーティションに対応する情報記録媒体指定情報を受領し、受領した情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうステップであることを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記アクセス制御ステップは、
情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報として、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する先頭の論理ブロックアドレス(LBA)を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記アプリケーション実行ステップは、
データ記録を実行する記録アプリケーション、データ再生を実行する再生アプリケーション、外部接続機器による処理を実行する接続アプリケーションの少なくともいずれかを実行アプリケーションとして選択して実行するステップであり、記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションの各々は予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定され、
前記アクセス制御ステップは、
前記記録アプリケーション、再生アプリケーション、接続アプリケーションのいずれかから指定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記再生アプリケーションは、再生対象データの種類である再生カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、
前記アクセス制御ステップは、
前記再生アプリケーションの再生カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする請求項20に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記接続アプリケーションは、処理対象データの種類である処理カテゴリに応じて予め利用可能な情報記録媒体指定情報が設定された構成であり、
前記アクセス制御ステップは、
前記接続アプリケーションの処理カテゴリに応じて決定される情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体の全体または一部パーティションに対応する開始アドレス情報を前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする請求項20に記載の情報処理方法。
【請求項23】
前記アクセス制御ステップは、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応する仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項24】
前記情報記録媒体の各パーティションには、パーティション対応のアクセス情報としてのパーティション対応のマスターブートレコード(MBR)が個別に設定された構成であり、
前記アクセス制御ステップは、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、一部パーティションのみを前記実行アプリケーションに提示する際、前記パーティション対応のマスターブートレコード(MBR)を含む仮想メディアを設定して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なうことを特徴とする請求項23に記載の情報処理方法。
【請求項25】
前記情報処理装置は、前記情報記録媒体のパーティションレイアウト情報を記憶した記憶部を有し、
前記情報処理方法は、さらに、
前記アクセス制御部が、前記情報記録媒体のパーティションレイアウトの変更に際して、前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報の更新処理を実行するステップを有することを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項26】
前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報には、
情報記録媒体に設定されたパーティションの開始アドレス、およびパーティションサイズを算出可能な情報が含まれる構成であり、
前記アクセス制御ステップは、
前記記憶部に記録されたパーティションレイアウト情報を適用してアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示する処理を行なう構成であることを特徴とする請求項25に記載の情報処理方法。
【請求項27】
情報処理装置において、情報記録媒体のフォーマット処理を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、複数のデータ記録区分領域である複数のパーティションを設定し、パーティション各々に各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)を記録した構成としたフォーマット処理を実行するデータ処理ステップを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項28】
前記データ処理部は、
前記パーティション対応マスターブートレコード(MBR)に、対応するパーティションの開始セクタアドレスとサイズ情報を記録した対応パーティションのみのパーティションテーブルを記録することを特徴とする請求項27に記載の情報処理方法。
【請求項29】
情報処理装置において、情報記録媒体に対するアクセス制御を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
アプリケーション実行部に、情報記録媒体に対するデータ記録または再生処理を実行させるアプリケーション実行ステップと、
アクセス制御部に、前記アプリケーション実行ステップにおける実行アプリケーションからの情報記録媒体指定情報を受領させ、受領した情報記録媒体指定情報に応じたアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示させるアクセス制御ステップを実行させ、
前記アクセス制御ステップでは、
前記実行アプリケーションから受領する情報記録媒体指定情報に応じて、情報記録媒体に設定された複数パーティションの全体、または一部パーティションのみに対応するアクセス情報を生成して前記実行アプリケーションに提示させる処理を行なわせることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項30】
情報処理装置において、情報記録媒体のフォーマット処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
データ処理部に、複数のデータ記録区分領域である複数のパーティションを設定し、パーティション各々に各パーティション専用のパーティション対応マスターブートレコード(MBR)を記録した構成としたフォーマット処理を実行させるデータ処理ステップを実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【図10】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図19】
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