情報処理装置、承認支援システム及びプログラム
【課題】第2の利用者のログインから所定時間だけ遡った期間に第1の利用者により入力された第2の利用者を承認者とするデータに対して、第2の利用者を承認者とする前記第1の利用者が入力したデータ以外のデータより先に承認の前段階の処理を行う。
【解決手段】サーバー装置は、承認者がログインすると、承認者がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者により記憶部の実行待ち領域に書き込まれた、この承認者の承認を必要とするデータを特定し、特定したデータに対して先に承認の前段階の処理を実行する。そして、サーバー装置は、この処理が実行されたデータに基づいて承認処理画面の画面データを作成し、画像形成装置に送信する。
【解決手段】サーバー装置は、承認者がログインすると、承認者がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者により記憶部の実行待ち領域に書き込まれた、この承認者の承認を必要とするデータを特定し、特定したデータに対して先に承認の前段階の処理を実行する。そして、サーバー装置は、この処理が実行されたデータに基づいて承認処理画面の画面データを作成し、画像形成装置に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、承認支援システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務における一連の手続きを管理、支援するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、クライアントが、ワークフロー管理サーバから定期的に最新のタスク情報を取得して、最新のタスク情報の内容を表示する技術が開示されている。また、特許文献2には、決裁者が決裁判断を行うべき複数の案件データの概略情報を一覧表示する一覧画面を表示し、一覧画面に表示されている複数の案件データを、業務名順、依頼処理内容順、申請者順などの所定の並べ替えルールに基づいて並べ替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−73335号公報
【特許文献2】特開2003−108731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、第2の利用者のログインから所定時間だけ遡った期間に第1の利用者により入力された第2の利用者を承認者とするデータに対して、第2の利用者を承認者とする前記第1の利用者により入力されたデータ以外のデータより先に承認の前段階の処理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、第1の利用者による承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記特定手段は、前記第1の利用者がログアウトしてから前記第2の利用者がログインするまでの期間に、前記入力装置が前記データの入力以外の処理に利用された場合には、当該第2の利用者がログインした時刻から前記予め設定された時間と当該処理の時間とを考慮した期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータを特定することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記特定手段は、前記第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者が連続してログインしている場合には、各々の当該ログインが行われている間に前記記憶手段に書き込まれた複数のデータを特定することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る承認支援システムは、第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力を受け付ける入力受付手段を有する入力装置と、利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、前記入力受付手段により入力が受け付けられたデータを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段とを有する情報処理装置とを備え、前記入力装置は、前記送信手段から送信された画面データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された画面データが表す承認待ち画面を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係るプログラムは、コンピューターを、利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,4,5に係る発明によれば、第2の利用者のログインから所定時間だけ遡った期間に第1の利用者により入力された第2の利用者を承認者とするデータに対して、第2の利用者を承認者とする前記第1の利用者により入力されたデータ以外のデータより先に承認の前段階の処理を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、第1の利用者がログアウトしてから第2の利用者がログインするまでの間に、承認を必要とするデータの入力以外の処理に入力装置が利用された場合には、データを特定するときに用いる期間を、その処理の時間を考慮した期間にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者が連続してログインしている場合には、これらのグインが行われている間に入力されたデータに対して、他のデータより先に処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るワークフローシステムの構成を示す図。
【図2】サーバー装置の構成を示すブロック図。
【図3】画像形成装置の構成を示すブロック図。
【図4】ログイン管理情報の一例を示す図。
【図5】ワークフローシステムの処理を示すシーケンス図。
【図6】承認を必要とする見積書の一例を示す図。
【図7】実行待ち領域の記憶内容の一例を示す図。
【図8】データの実行順序を説明する図。
【図9】承認処理画面の一例を示す図。
【図10】変形例に係る優先処理データを特定する処理を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[構成]
まず、本実施形態に係るワークフローシステム1の構成について説明する。図1は、ワークフローシステム1の構成を示す図である。同図に示すように、ワークフローシステム1は、サーバー装置10と、画像形成装置20とを備えている。サーバー装置10と画像形成装置20とは、LAN(Local Area Network)などの通信回線30を介して接続されている。
【0013】
(サーバー装置の構成)
図2は、サーバー装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、サーバー装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリー12と、通信部13と、記憶部14とを備えている。CPU11は、メモリー12に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバー装置10の各部を制御する。CPU11は、本発明に係る取得手段、書込手段、特定手段、実行手段及び作成手段の一例として機能する。メモリー12は、例えばROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを備えており、CPU11により実行されるプログラムやデータを記憶する。通信部13は、通信回線30を介して接続された画像形成装置20との通信を確立し、データの送受信を行う。通信部13は、本発明に係る送信手段の一例として機能する。記憶部14は、例えばハードディスクを備えており、各種のデータを記憶する。記憶部14は、本発明に係る記憶手段の一例として機能する。
【0014】
(画像形成装置の構成)
図3は、画像形成装置20の構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像形成装置20は、CPU21と、メモリー22と、通信部23と、記憶部24と、表示操作部25と、画像読取部26と、画像形成部27とを備えている。CPU21は、メモリー22に記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置20の各部を制御する。メモリー22は、例えばROMとRAMとを備えており、CPU21によって実行されるプログラムやデータを記憶する。通信部23は、通信回線30を介して接続されたサーバー装置10との通信を確立し、データの送受信を行う。通信部23は、本発明に係る受信手段の一例として機能する。記憶部24は、例えばハードディスクを備えており、ログイン処理に用いる認証情報Nと、ログインの履歴を管理するためのログイン管理情報L(利用情報の一例)などを記憶する。認証情報Nには、画像形成装置20の利用が許可された利用者のユーザー名とパスワードとが記述されている。表示操作部25は、例えばタッチパネルを備えており、CPU21の制御に応じた画像を表示するとともに、利用者の操作に応じた操作信号をCPU21に入力する。表示操作部25は、本発明に係る表示手段の一例として機能する。画像読取部26は、例えばスキャナ装置を備えており、画像を光学的に読み取って画像データに変換する。画像読取部26は、本発明に係る入力受付手段の一例として機能する。画像形成部27は、例えば電子写真方式で画像を形成するプリンター装置を備えており、画像データに応じた画像を用紙に形成して出力する。また、画像形成装置20は、ブラウザ機能を有しており、サーバー装置10から送信されてきた画面データを解釈して各種の画面を表示したり、この画面において入力されたデータをサーバー装置10に送信したりする。
【0015】
ここで、記憶部24に記憶されているログイン管理情報Lについて詳細に説明する。図4は、ログイン管理情報Lの一例を示す図である。同図に示すように、ログイン管理情報Lには、「日付」と、「時刻」と、「状態」と、「ユーザー名」(利用者識別情報の一例)と、「装置ID」とが対応付けられている。「日付」は、利用者がログイン又はログアウトした日付を表す情報である。「時刻」は、利用者がログイン又はログアウトした時刻を示す情報である。ログインとは、利用者の識別を経て、画像形成装置20の利用を開始する動作のことである。ログアウトとは、画像形成装置20の利用を終了する動作のことである。「状態」は、ログイン又はログアウトのいずれかの状態を示す情報である。「ユーザー名」は、ログイン又はログアウトした利用者の名前を示す情報である。「装置ID」は、利用者がログインした装置を識別する情報である。ここでは、「MFP−001」という装置IDが画像形成装置20に割り当てられているものとする。例えば、図に示すログイン管理情報Lでは、日付「2009/03/24」と、時刻「10:20:00」と、状態「ログイン」と、ユーザー名「ユーザーA」と、装置ID「MFP−001」とが対応付けられている。これは、「ユーザーA」が、「2009/03/24」の「10:20:00」に画像形成装置20にログインしたことを表している。
【0016】
[動作]
次に、本実施形態に係るワークフローシステム1の動作について説明する。図5は、ワークフローシステム1の処理を示すシーケンス図である。作業者であるユーザーA(第1の利用者の一例)は、画像形成装置20の表示操作部25を操作して、自分のユーザー名及びパスワードを入力し、ログインを指示する。ここでは、ユーザーAにより、「ユーザーA」というユーザー名と、「*****」というパスワードとが入力されたものとする。ユーザー名及びパスワードが入力されると、CPU21は、これを記憶部24に記憶されている認証情報Nと照合して、ユーザー名及びパスワードが一致するか否かを判定する(ステップS11)。この判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致しない場合には(ステップS11:NO)、ログインに失敗したことを表すメッセージを表示操作部25に表示して、この処理を終了する。
【0017】
一方、ステップS11の判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致する場合には(ステップS11:YES)、ログイン処理を行う(ステップS12)。このとき、CPU11は、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lを更新する。例えば、ユーザーAがログインした日時が「2009/03/24」の「10:20:00」である場合、CPU11は、図4に示すように、日付「2009/03/24」と、時刻「10:20:00」と、状態「ログイン」と、ユーザー名「ユーザーA」と、装置ID「MFP−001」とをログイン管理情報Lに追加する。そして、CPU21は、更新したログイン管理情報Lを記憶部24から読み出し、通信部23からサーバー装置10に送信する。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきたログイン管理情報Lを通信部13により受信すると、受信したログイン管理情報Lを記憶部14に記憶させる。つまり、CPU11は、利用者を識別する「ユーザー名」と、その利用者がログイン及びログアウトした「時刻」とが対応付けられたログイン管理情報Lを取得する。
【0018】
続いて、作業者であるユーザーAは、承認を必要とする見積書F3を画像読取部26にセットした後、表示操作部25に表示された作業メニューから「見積書の登録」を選択し、スキャン処理に必要な値や見積書の登録作業に必要な項目の値を入力し、スキャンの実行を指示する。ここでは、図6に示す見積書F3がセットされた場合を想定する。スキャンの実行が指示されると、画像読取部26は、見積書F3の画像を読み取り、画像データD3に変換する(ステップS13)。これにより、見積書F3を示す画像データD3が生成される。つまり、画像読取部26は、作業者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力を受け付ける。続いて、CPU21は、画像読取部26からこの画像データD3を取得し、取得した画像データD3を通信部23からサーバー装置10に送信する(ステップS14)。
【0019】
サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきた画像データD3を通信部13により受信すると、受信した画像データD3を記憶部14の実行待ち領域14aに記憶させる(ステップS15)。つまり、CPU11は、画像形成装置20により入力が受け付けられたデータを取得して記憶部14に書き込む。なお、以下の説明では、データを実行待ち領域14aに記憶させることを「登録する」という。このとき、CPU11は、画像データD3に対応付けて、画像データD3を識別する「データID」と、画像データD3が生成された日時を示す「登録時刻」と、画像データD3を登録した作業者の名前を示す「依頼者名」とを記憶させる。「依頼者名」には、記憶部14のログイン管理情報Lに記述されているログイン中のユーザー名が用いられる。なお、「登録時刻」に用いられる日時は画像データD1が生成された日時に限らず、例えば画像データD1が記憶部14に記憶された日時が用いられてもよい。
【0020】
図7は、実行待ち領域14aの記憶内容の一例を示す図である。この例では、画像データD3には、データID「003」と、登録日時「2009/3/24 10:30:00」と、依頼者名「ユーザーA」とが対応付けられている。これは、画像データD3が、「2009/3/24 10:30:00」に、「ユーザーA」により登録されたことを示している。また、この例では、画像データD3の他に、画像データD1と画像データD2とが登録されている。画像データD1には、データID「001」と、登録日時「2009/3/24 10:00:00」と、依頼者名「ユーザーC」とが対応付けられている。これは、画像データD1が、「2009/3/24 10:00:00」に、「ユーザーC」により登録されたことを示している。また、画像データD2には、データID「002」と、登録日時「2009/3/24 10:15:00」と、依頼者名「ユーザーB」とが対応付けられている。これは、画像データD2が、「2009/3/24 10:15:00」に、「ユーザーB」により登録されたことを示している。
【0021】
実行待ち領域14aには、解析処理が施される前の画像データが記憶される。そして、実行待ち領域14aに記憶された画像データは、データが登録された順に実行待ち領域14aから読み出されて、承認の前処理の一例である解析処理が実行されるようになっている。この解析処理は、画像の内容(文字など)をコンピューターが編集できる形式に変換する処理であり、例えば光学文字認識やフォーム解析により行われる。例えば、図6に示した見積書F3に基づいて生成された画像データD3の場合、スキュー補正処理やノイズ除去処理や光学文字認識処理を行い、見積書F3に記載された「購入品目」,「単価」,「数量」,「金額」,「見積有効期限」などの情報を抽出し、抽出された情報と画像データD3とを対応付けてデータベースへ登録処理を行う。そして、解析処理が実行されると、解析処理が施される前の画像データは実行待ち領域14aから削除される。
【0022】
続いて、ユーザーAは、表示操作部25を操作して、ログアウトを指示する。ログアウトが指示されると、CPU21は、ログアウト処理を行う(ステップS16)。このとき、CPU11は、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lを更新する。例えば、ユーザーAがログアウトした日時が「2009/03/24」の「10:30:00」である場合、CPU11は、図4に示すように、日付「2009/03/24」と、時刻「10:30:00」と、状態「ログアウト」と、ユーザー名「ユーザーA」と、装置ID「MFP−001」とをログイン管理情報Lに追加する。
【0023】
続いて、ユーザーAは、承認者であるユーザーX(第2の利用者の一例)に声をかけて、見積書F3の承認を依頼する。この場合、承認者は、画像形成装置20の表示操作部25を操作して、自分のユーザー名及びパスワードを入力し、ログインを指示する。ここでは、ユーザーXにより、「ユーザーX」というユーザー名と、「*****」というパスワードとが入力されたものとする。ユーザー名及びパスワードが入力されると、CPU21は、これを記憶部24に記憶されている認証情報Nと照合して、ユーザー名及びパスワードが一致するか否かを判定する(ステップS17)。この判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致しない場合には(ステップS17:NO)、ログインに失敗したことを表すメッセージを表示操作部25に表示して、この処理を終了する。
【0024】
一方、ステップS17の判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致する場合には(ステップS17:YES)、ログイン処理を行う(ステップS18)。このとき、CPU11は、上述と同様に、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lを更新する。例えば、承認者がログインした日時が「2009/03/24」の「10:31:00」である場合、CPU11は、図4に示すように、日付「2009/03/24」と、時刻「10:31:00」と、状態「ログイン」と、ユーザー名「ユーザーX」と、装置IDである「MFP−001」とをログイン管理情報Lに追加する。そして、CPU21は、更新したログイン管理情報Lを記憶部24から読み出し、通信部23からサーバー装置10に送信する。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきたログイン管理情報Lを通信部13により受信すると、受信したログイン管理情報Lを記憶部14に記憶させる。
【0025】
続いて、CPU21は、ユーザーXが承認すべき処理に関する情報の取得要求を通信部23からサーバー装置10に送信する(ステップS19)。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきた取得要求を通信部13により受信すると、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lに基づいて、承認者がログインする直前にログアウトした作業者により登録され、ユーザーXを承認者とするデータを優先処理データとして特定する(ステップS20)。具体的には、CPU11は、ログイン管理情報Lに基づいて、承認者であるユーザーXがログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者を特定し、特定した作業者がそのときに登録したデータのうちユーザーXを承認者とするデータを優先処理データとする。この設定時間は、例えばワークフローシステム1が構築される時に予め決められていてもよいし、利用者の操作により設定されてもよい。例えば、設定時間が3分である場合、CPU11は、承認者であるユーザーXがログインした「10:31:00」から3分だけ遡った期間、すなわち「10:28:00」から「10:31:00」までの期間に、ログアウトした作業者を特定する。図4の例では、「10:30:00」に「ユーザーA」がログアウトしているため、この「ユーザーA」が特定される。そして、CPU11は、特定した「ユーザーA」がログインしていた「10:20:00」〜「10:30:00」までの期間に登録され、且つユーザーXを承認者とする画像データD3を優先処理データとして特定する。なお、データの承認者の判別は、例えば上述した見積書の登録作業に必要な項目の値として入力される承認者のユーザー名に基づいて行われればよい。つまり、CPU11は、承認者であるユーザーXがログインすると、ログイン管理情報Lに基づいて、ユーザーXがログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者であるユーザーAがログインしている間に実行待ち領域14aに書き込まれた画像データのうち、ユーザーXを承認者とするデータを特定する。
【0026】
続いて、CPU11は、実行待ち領域14aに登録されているユーザーXを承認者とするデータのうちユーザーA以外のユーザーにより入力されたデータよりも先に、優先処理データとして特定した画像データD3を実行待ち領域14aから読み出して、解析処理を実行する(ステップS21)。つまり、CPU11は、特定されたデータに対して、記憶部14の実行待ち領域14aに記憶されているユーザーXを承認者とするデータのうちユーザーA以外のユーザーにより入力されたデータよりも先に、承認の前処理を実行する。図8は、実行待ち領域14aに登録されているデータの実行順序を説明する図である。上述したように、実行待ち領域14aにおいては、先に登録されたデータが先に実行されるようになっている。この例では、画像データD1→画像データD2→画像データD3の順に登録されているため、画像データD1→画像データD2→画像データD3の順に実行されることになる。ところが、上述したように、優先処理データとして画像データD3が特定された場合には、画像データD1,D2が実行される前に、画像データD3が実行される。
【0027】
続いて、CPU11は、解析処理が施された画像データD3に基づいて、見積書F3の承認を受け付ける承認処理画面P3(承認待ち画面の一例)の画面データを作成する(ステップS22)。図9は、承認処理画面P3の一例を示す図である。同図に示すように、承認処理画面P3には、画像データD3が表す見積書F3の画像と、画像データD3に対応付けられたデータID「003」、登録日時「2009/3/24 10:30:00」及び依頼者名「ユーザーA」と、解析処理で画像データD3から抽出された情報である購入品目「部材1」、単価「50円」、数量「1,000個」、金額「50,000円」と、見積有効期限「2009/6/末」とが配置されており、見積書F3が承認待ちであることを示している。つまり、CPU11は、承認の前処理が実行されたデータに基づいて、そのデータが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する。さらに、この承認処理画面P3には、承認処理の実行を指示する承認ボタンBが配置されている。
【0028】
続いて、CPU11は、作成した画面データを通信部13から画像形成装置20に送信する(ステップS23)。つまり、通信部13は、作成された画面データを画像形成装置20に送信する。画像形成装置20のCPU21は、サーバー装置10から送信されてきた画面データを通信部23により受信すると、受信した画面データに応じた承認処理画面P3を表示操作部25に表示させる(ステップS24)。つまり、CPU21は、サーバー装置10から送信された画面データを受信し、表示操作部25は、受信された画面データが表す承認処理画面P3を表示する。この場合、承認者であるユーザーXは、承認処理画面P3に表示されている見積書F3の内容を確認した後、表示操作部25を操作して、承認処理画面P3に配置されている承認ボタンBを押下して、承認を行う。この承認ボタンBが押下されると、サーバー装置10へ承認ボタンBが押下された旨の情報が送信され、サーバー装置10において、見積書F3の承認処理が実行される。
【0029】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の各変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態において、優先処理データの解析処理にかかる時間が閾値よりも長い場合には、解析処理の実行中であることを示すメッセージを画像形成装置20の表示操作部25に表示させてもよい。この場合、サーバー装置10のCPU11は、優先処理データの解析処理にかかる時間が閾値よりも長いか否かを判定し、閾値よりも長い場合には、解析処理の実行中であることを示すメッセージを作成して、通信部13から画像形成装置20に送信する。画像形成装置20のCPU21は、サーバー装置10から送信されてきたメッセージを通信部23により受信すると、受信したメッセージを表示操作部25に表示させる。そして、解析処理が終了すると、サーバー装置10のCPU11は、上述した承認処理画面P3の画面データを作成して、画像形成装置20に送信する。
【0030】
(変形例2)
上述した実施形態において、作業者がログアウトしてから承認者がログインするまでの期間に、画像形成装置20が別の利用者によりログインされてコピー処理に利用された場合には、コピー処理の時間を上述した設定時間から考慮して扱ってもよい。例えば、設定時間が3分であり、コピー処理に利用された時間が1分である場合には、承認者であるユーザーXがログインした「10:31:00」から、設定時間「3分」とコピー処理の時間「1分」とを加算した時間である4分だけ遡った期間、すなわち「10:27:00」から「10:31:00」の期間にログアウトした作業者を特定し、特定した作業者により登録された画像データを優先処理データとして特定する。なお、処理の時間を除外して扱う対象はコピー処理に限らない。例えば、承認を必要としない内容の画像データをサーバー装置10に登録する処理であってもよいし、画像形成装置20がFAX機能を有している場合には、FAX処理であってもよい。
【0031】
(変形例3)
上述した実施形態において、作業者であるユーザーAが短い時間間隔で連続してログインしていた場合には、これらの複数のログイン期間を1つのログイン期間として扱ってもよい。この場合、サーバー装置10のCPU11は、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lに基づいて、承認者がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者が連続してログインしているか否かを判定する。例えば、図10(a)に示すように、承認者である「ユーザーX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に「ユーザーA」がログインしており、その1つ前のログインを「ユーザーB」が行っている場合には、CPU11は、「ユーザーA」が連続してログインしていないと判定する。この場合、CPU11は、上述した実施形態と同様にして、優先処理データを特定する。
【0032】
一方、図10(b)に示すように、承認者である「ユーザX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に「ユーザーA」がログインしており、その1つ前のログインも「ユーザーA」が行っており、さらに、ユーザーAがいったんログアウトした時刻からユーザーAが再びログインした時刻までの時間tが閾値よりも短いときには、CPU11は、「ユーザーA」が連続してログインしていると判定する。この場合、CPU11は、先のログイン中に登録された画像データD3と、後のログイン中に登録された画像データD4とを優先処理データとして特定し、それらの画像データD3,D4の解析処理を実行する。そして、CPU11は、解析処理が施された画像データD3,D4に基づいて、承認処理画面の画面データを作成し、作成した画面データを通信部13から画像形成装置20に送信する。
【0033】
また、承認者である「ユーザーX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログインして作業が行われたデータをすべて優先処理データとして特定するようにしてもよい。図10(a)の例では、「ユーザーX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に「ユーザーA」と「ユーザーB」がログインしているため、それぞれのログイン中に登録された画像データD2及びD3を優先処理データとして特定する。
【0034】
(変形例4)
上述した実施形態では、画像形成装置20が1台である構成を例に挙げて説明したが、画像形成装置20が複数台あり、作業者と承認者とが異なる画像形成装置20を利用してもよい。この場合、サーバー装置10のCPU11は、承認者がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に実行待ち領域14aに登録された画像データを、優先処理データとして特定する。
また、画像形成装置20に代えて、パーソナルコンピューター装置などの装置を入力装置として用いてもよい。
【0035】
(変形例5)
上述した実施形態では、画像形成装置20がログイン処理及びログアウト処理を行う構成を例に挙げて説明したが、これらの処理をサーバー装置10が行ってもよい。この場合、サーバー装置10の記憶部14には、上述した認証情報N及びログイン管理情報Lが記憶される。そして、画像形成装置20のCPU21は、表示操作部25の操作によりユーザー名及びパスワードが入力されると、入力されたユーザー名及びパスワードを通信部23によりサーバー装置10に送信する。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきたユーザー名及びパスワードを通信部13により受信すると、これを記憶部14に記憶されている認証情報Nと照合して、ユーザー名及びパスワードが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合にはログイン処理を行う。また、CPU11は、ログイン処理又はログアウト処理を行うときに、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lの更新を行う。
【0036】
(変形例6)
上述した実施形態では、画像読取部26で画像を読み取ることによりデータが入力されていたが、データの入力方法はこれに限らない。例えば、作業者が、画像形成装置20の表示操作部25を操作して、サーバー装置10において生成されたWeb入力画面に対してデータを入力してもよい。この場合、上述した解析処理では、Web入力画面に対して入力されたデータを解釈する処理などが行われる。
【0037】
(変形例7)
上述した実施形態において、画像形成装置20のCPU21にて行なわれる処理は、CPU21と他のハードウェアとの協働によって行われてもよいし、CPU21に代えて1又は複数のハードウェアが行ってもよい。また、画像形成装置20のCPU21又はサーバー装置10のCPU11によって行われる処理は、単一のプログラムによって実現されてもよいし、複数のプログラムによって実現されてもよい。また、サーバー装置10のCPU11,画像形成装置20のCPU21によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリーなどの、コンピューターが読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどの通信回線経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…ワークフローシステム、10…サーバー装置、11…CPU、12…メモリー、13…通信部、14…記憶部、20…画像形成装置、21…CPU、22…メモリー、23…通信部、24…記憶部、25…表示操作部、26…画像読取部、27…画像形成部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、承認支援システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務における一連の手続きを管理、支援するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、クライアントが、ワークフロー管理サーバから定期的に最新のタスク情報を取得して、最新のタスク情報の内容を表示する技術が開示されている。また、特許文献2には、決裁者が決裁判断を行うべき複数の案件データの概略情報を一覧表示する一覧画面を表示し、一覧画面に表示されている複数の案件データを、業務名順、依頼処理内容順、申請者順などの所定の並べ替えルールに基づいて並べ替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−73335号公報
【特許文献2】特開2003−108731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、第2の利用者のログインから所定時間だけ遡った期間に第1の利用者により入力された第2の利用者を承認者とするデータに対して、第2の利用者を承認者とする前記第1の利用者により入力されたデータ以外のデータより先に承認の前段階の処理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、第1の利用者による承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記特定手段は、前記第1の利用者がログアウトしてから前記第2の利用者がログインするまでの期間に、前記入力装置が前記データの入力以外の処理に利用された場合には、当該第2の利用者がログインした時刻から前記予め設定された時間と当該処理の時間とを考慮した期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータを特定することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記特定手段は、前記第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者が連続してログインしている場合には、各々の当該ログインが行われている間に前記記憶手段に書き込まれた複数のデータを特定することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る承認支援システムは、第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力を受け付ける入力受付手段を有する入力装置と、利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、前記入力受付手段により入力が受け付けられたデータを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段とを有する情報処理装置とを備え、前記入力装置は、前記送信手段から送信された画面データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された画面データが表す承認待ち画面を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係るプログラムは、コンピューターを、利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,4,5に係る発明によれば、第2の利用者のログインから所定時間だけ遡った期間に第1の利用者により入力された第2の利用者を承認者とするデータに対して、第2の利用者を承認者とする前記第1の利用者により入力されたデータ以外のデータより先に承認の前段階の処理を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、第1の利用者がログアウトしてから第2の利用者がログインするまでの間に、承認を必要とするデータの入力以外の処理に入力装置が利用された場合には、データを特定するときに用いる期間を、その処理の時間を考慮した期間にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者が連続してログインしている場合には、これらのグインが行われている間に入力されたデータに対して、他のデータより先に処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るワークフローシステムの構成を示す図。
【図2】サーバー装置の構成を示すブロック図。
【図3】画像形成装置の構成を示すブロック図。
【図4】ログイン管理情報の一例を示す図。
【図5】ワークフローシステムの処理を示すシーケンス図。
【図6】承認を必要とする見積書の一例を示す図。
【図7】実行待ち領域の記憶内容の一例を示す図。
【図8】データの実行順序を説明する図。
【図9】承認処理画面の一例を示す図。
【図10】変形例に係る優先処理データを特定する処理を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[構成]
まず、本実施形態に係るワークフローシステム1の構成について説明する。図1は、ワークフローシステム1の構成を示す図である。同図に示すように、ワークフローシステム1は、サーバー装置10と、画像形成装置20とを備えている。サーバー装置10と画像形成装置20とは、LAN(Local Area Network)などの通信回線30を介して接続されている。
【0013】
(サーバー装置の構成)
図2は、サーバー装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、サーバー装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリー12と、通信部13と、記憶部14とを備えている。CPU11は、メモリー12に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバー装置10の各部を制御する。CPU11は、本発明に係る取得手段、書込手段、特定手段、実行手段及び作成手段の一例として機能する。メモリー12は、例えばROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを備えており、CPU11により実行されるプログラムやデータを記憶する。通信部13は、通信回線30を介して接続された画像形成装置20との通信を確立し、データの送受信を行う。通信部13は、本発明に係る送信手段の一例として機能する。記憶部14は、例えばハードディスクを備えており、各種のデータを記憶する。記憶部14は、本発明に係る記憶手段の一例として機能する。
【0014】
(画像形成装置の構成)
図3は、画像形成装置20の構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像形成装置20は、CPU21と、メモリー22と、通信部23と、記憶部24と、表示操作部25と、画像読取部26と、画像形成部27とを備えている。CPU21は、メモリー22に記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置20の各部を制御する。メモリー22は、例えばROMとRAMとを備えており、CPU21によって実行されるプログラムやデータを記憶する。通信部23は、通信回線30を介して接続されたサーバー装置10との通信を確立し、データの送受信を行う。通信部23は、本発明に係る受信手段の一例として機能する。記憶部24は、例えばハードディスクを備えており、ログイン処理に用いる認証情報Nと、ログインの履歴を管理するためのログイン管理情報L(利用情報の一例)などを記憶する。認証情報Nには、画像形成装置20の利用が許可された利用者のユーザー名とパスワードとが記述されている。表示操作部25は、例えばタッチパネルを備えており、CPU21の制御に応じた画像を表示するとともに、利用者の操作に応じた操作信号をCPU21に入力する。表示操作部25は、本発明に係る表示手段の一例として機能する。画像読取部26は、例えばスキャナ装置を備えており、画像を光学的に読み取って画像データに変換する。画像読取部26は、本発明に係る入力受付手段の一例として機能する。画像形成部27は、例えば電子写真方式で画像を形成するプリンター装置を備えており、画像データに応じた画像を用紙に形成して出力する。また、画像形成装置20は、ブラウザ機能を有しており、サーバー装置10から送信されてきた画面データを解釈して各種の画面を表示したり、この画面において入力されたデータをサーバー装置10に送信したりする。
【0015】
ここで、記憶部24に記憶されているログイン管理情報Lについて詳細に説明する。図4は、ログイン管理情報Lの一例を示す図である。同図に示すように、ログイン管理情報Lには、「日付」と、「時刻」と、「状態」と、「ユーザー名」(利用者識別情報の一例)と、「装置ID」とが対応付けられている。「日付」は、利用者がログイン又はログアウトした日付を表す情報である。「時刻」は、利用者がログイン又はログアウトした時刻を示す情報である。ログインとは、利用者の識別を経て、画像形成装置20の利用を開始する動作のことである。ログアウトとは、画像形成装置20の利用を終了する動作のことである。「状態」は、ログイン又はログアウトのいずれかの状態を示す情報である。「ユーザー名」は、ログイン又はログアウトした利用者の名前を示す情報である。「装置ID」は、利用者がログインした装置を識別する情報である。ここでは、「MFP−001」という装置IDが画像形成装置20に割り当てられているものとする。例えば、図に示すログイン管理情報Lでは、日付「2009/03/24」と、時刻「10:20:00」と、状態「ログイン」と、ユーザー名「ユーザーA」と、装置ID「MFP−001」とが対応付けられている。これは、「ユーザーA」が、「2009/03/24」の「10:20:00」に画像形成装置20にログインしたことを表している。
【0016】
[動作]
次に、本実施形態に係るワークフローシステム1の動作について説明する。図5は、ワークフローシステム1の処理を示すシーケンス図である。作業者であるユーザーA(第1の利用者の一例)は、画像形成装置20の表示操作部25を操作して、自分のユーザー名及びパスワードを入力し、ログインを指示する。ここでは、ユーザーAにより、「ユーザーA」というユーザー名と、「*****」というパスワードとが入力されたものとする。ユーザー名及びパスワードが入力されると、CPU21は、これを記憶部24に記憶されている認証情報Nと照合して、ユーザー名及びパスワードが一致するか否かを判定する(ステップS11)。この判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致しない場合には(ステップS11:NO)、ログインに失敗したことを表すメッセージを表示操作部25に表示して、この処理を終了する。
【0017】
一方、ステップS11の判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致する場合には(ステップS11:YES)、ログイン処理を行う(ステップS12)。このとき、CPU11は、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lを更新する。例えば、ユーザーAがログインした日時が「2009/03/24」の「10:20:00」である場合、CPU11は、図4に示すように、日付「2009/03/24」と、時刻「10:20:00」と、状態「ログイン」と、ユーザー名「ユーザーA」と、装置ID「MFP−001」とをログイン管理情報Lに追加する。そして、CPU21は、更新したログイン管理情報Lを記憶部24から読み出し、通信部23からサーバー装置10に送信する。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきたログイン管理情報Lを通信部13により受信すると、受信したログイン管理情報Lを記憶部14に記憶させる。つまり、CPU11は、利用者を識別する「ユーザー名」と、その利用者がログイン及びログアウトした「時刻」とが対応付けられたログイン管理情報Lを取得する。
【0018】
続いて、作業者であるユーザーAは、承認を必要とする見積書F3を画像読取部26にセットした後、表示操作部25に表示された作業メニューから「見積書の登録」を選択し、スキャン処理に必要な値や見積書の登録作業に必要な項目の値を入力し、スキャンの実行を指示する。ここでは、図6に示す見積書F3がセットされた場合を想定する。スキャンの実行が指示されると、画像読取部26は、見積書F3の画像を読み取り、画像データD3に変換する(ステップS13)。これにより、見積書F3を示す画像データD3が生成される。つまり、画像読取部26は、作業者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力を受け付ける。続いて、CPU21は、画像読取部26からこの画像データD3を取得し、取得した画像データD3を通信部23からサーバー装置10に送信する(ステップS14)。
【0019】
サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきた画像データD3を通信部13により受信すると、受信した画像データD3を記憶部14の実行待ち領域14aに記憶させる(ステップS15)。つまり、CPU11は、画像形成装置20により入力が受け付けられたデータを取得して記憶部14に書き込む。なお、以下の説明では、データを実行待ち領域14aに記憶させることを「登録する」という。このとき、CPU11は、画像データD3に対応付けて、画像データD3を識別する「データID」と、画像データD3が生成された日時を示す「登録時刻」と、画像データD3を登録した作業者の名前を示す「依頼者名」とを記憶させる。「依頼者名」には、記憶部14のログイン管理情報Lに記述されているログイン中のユーザー名が用いられる。なお、「登録時刻」に用いられる日時は画像データD1が生成された日時に限らず、例えば画像データD1が記憶部14に記憶された日時が用いられてもよい。
【0020】
図7は、実行待ち領域14aの記憶内容の一例を示す図である。この例では、画像データD3には、データID「003」と、登録日時「2009/3/24 10:30:00」と、依頼者名「ユーザーA」とが対応付けられている。これは、画像データD3が、「2009/3/24 10:30:00」に、「ユーザーA」により登録されたことを示している。また、この例では、画像データD3の他に、画像データD1と画像データD2とが登録されている。画像データD1には、データID「001」と、登録日時「2009/3/24 10:00:00」と、依頼者名「ユーザーC」とが対応付けられている。これは、画像データD1が、「2009/3/24 10:00:00」に、「ユーザーC」により登録されたことを示している。また、画像データD2には、データID「002」と、登録日時「2009/3/24 10:15:00」と、依頼者名「ユーザーB」とが対応付けられている。これは、画像データD2が、「2009/3/24 10:15:00」に、「ユーザーB」により登録されたことを示している。
【0021】
実行待ち領域14aには、解析処理が施される前の画像データが記憶される。そして、実行待ち領域14aに記憶された画像データは、データが登録された順に実行待ち領域14aから読み出されて、承認の前処理の一例である解析処理が実行されるようになっている。この解析処理は、画像の内容(文字など)をコンピューターが編集できる形式に変換する処理であり、例えば光学文字認識やフォーム解析により行われる。例えば、図6に示した見積書F3に基づいて生成された画像データD3の場合、スキュー補正処理やノイズ除去処理や光学文字認識処理を行い、見積書F3に記載された「購入品目」,「単価」,「数量」,「金額」,「見積有効期限」などの情報を抽出し、抽出された情報と画像データD3とを対応付けてデータベースへ登録処理を行う。そして、解析処理が実行されると、解析処理が施される前の画像データは実行待ち領域14aから削除される。
【0022】
続いて、ユーザーAは、表示操作部25を操作して、ログアウトを指示する。ログアウトが指示されると、CPU21は、ログアウト処理を行う(ステップS16)。このとき、CPU11は、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lを更新する。例えば、ユーザーAがログアウトした日時が「2009/03/24」の「10:30:00」である場合、CPU11は、図4に示すように、日付「2009/03/24」と、時刻「10:30:00」と、状態「ログアウト」と、ユーザー名「ユーザーA」と、装置ID「MFP−001」とをログイン管理情報Lに追加する。
【0023】
続いて、ユーザーAは、承認者であるユーザーX(第2の利用者の一例)に声をかけて、見積書F3の承認を依頼する。この場合、承認者は、画像形成装置20の表示操作部25を操作して、自分のユーザー名及びパスワードを入力し、ログインを指示する。ここでは、ユーザーXにより、「ユーザーX」というユーザー名と、「*****」というパスワードとが入力されたものとする。ユーザー名及びパスワードが入力されると、CPU21は、これを記憶部24に記憶されている認証情報Nと照合して、ユーザー名及びパスワードが一致するか否かを判定する(ステップS17)。この判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致しない場合には(ステップS17:NO)、ログインに失敗したことを表すメッセージを表示操作部25に表示して、この処理を終了する。
【0024】
一方、ステップS17の判定において、CPU21は、ユーザー名及びパスワードが一致する場合には(ステップS17:YES)、ログイン処理を行う(ステップS18)。このとき、CPU11は、上述と同様に、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lを更新する。例えば、承認者がログインした日時が「2009/03/24」の「10:31:00」である場合、CPU11は、図4に示すように、日付「2009/03/24」と、時刻「10:31:00」と、状態「ログイン」と、ユーザー名「ユーザーX」と、装置IDである「MFP−001」とをログイン管理情報Lに追加する。そして、CPU21は、更新したログイン管理情報Lを記憶部24から読み出し、通信部23からサーバー装置10に送信する。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきたログイン管理情報Lを通信部13により受信すると、受信したログイン管理情報Lを記憶部14に記憶させる。
【0025】
続いて、CPU21は、ユーザーXが承認すべき処理に関する情報の取得要求を通信部23からサーバー装置10に送信する(ステップS19)。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきた取得要求を通信部13により受信すると、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lに基づいて、承認者がログインする直前にログアウトした作業者により登録され、ユーザーXを承認者とするデータを優先処理データとして特定する(ステップS20)。具体的には、CPU11は、ログイン管理情報Lに基づいて、承認者であるユーザーXがログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者を特定し、特定した作業者がそのときに登録したデータのうちユーザーXを承認者とするデータを優先処理データとする。この設定時間は、例えばワークフローシステム1が構築される時に予め決められていてもよいし、利用者の操作により設定されてもよい。例えば、設定時間が3分である場合、CPU11は、承認者であるユーザーXがログインした「10:31:00」から3分だけ遡った期間、すなわち「10:28:00」から「10:31:00」までの期間に、ログアウトした作業者を特定する。図4の例では、「10:30:00」に「ユーザーA」がログアウトしているため、この「ユーザーA」が特定される。そして、CPU11は、特定した「ユーザーA」がログインしていた「10:20:00」〜「10:30:00」までの期間に登録され、且つユーザーXを承認者とする画像データD3を優先処理データとして特定する。なお、データの承認者の判別は、例えば上述した見積書の登録作業に必要な項目の値として入力される承認者のユーザー名に基づいて行われればよい。つまり、CPU11は、承認者であるユーザーXがログインすると、ログイン管理情報Lに基づいて、ユーザーXがログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者であるユーザーAがログインしている間に実行待ち領域14aに書き込まれた画像データのうち、ユーザーXを承認者とするデータを特定する。
【0026】
続いて、CPU11は、実行待ち領域14aに登録されているユーザーXを承認者とするデータのうちユーザーA以外のユーザーにより入力されたデータよりも先に、優先処理データとして特定した画像データD3を実行待ち領域14aから読み出して、解析処理を実行する(ステップS21)。つまり、CPU11は、特定されたデータに対して、記憶部14の実行待ち領域14aに記憶されているユーザーXを承認者とするデータのうちユーザーA以外のユーザーにより入力されたデータよりも先に、承認の前処理を実行する。図8は、実行待ち領域14aに登録されているデータの実行順序を説明する図である。上述したように、実行待ち領域14aにおいては、先に登録されたデータが先に実行されるようになっている。この例では、画像データD1→画像データD2→画像データD3の順に登録されているため、画像データD1→画像データD2→画像データD3の順に実行されることになる。ところが、上述したように、優先処理データとして画像データD3が特定された場合には、画像データD1,D2が実行される前に、画像データD3が実行される。
【0027】
続いて、CPU11は、解析処理が施された画像データD3に基づいて、見積書F3の承認を受け付ける承認処理画面P3(承認待ち画面の一例)の画面データを作成する(ステップS22)。図9は、承認処理画面P3の一例を示す図である。同図に示すように、承認処理画面P3には、画像データD3が表す見積書F3の画像と、画像データD3に対応付けられたデータID「003」、登録日時「2009/3/24 10:30:00」及び依頼者名「ユーザーA」と、解析処理で画像データD3から抽出された情報である購入品目「部材1」、単価「50円」、数量「1,000個」、金額「50,000円」と、見積有効期限「2009/6/末」とが配置されており、見積書F3が承認待ちであることを示している。つまり、CPU11は、承認の前処理が実行されたデータに基づいて、そのデータが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する。さらに、この承認処理画面P3には、承認処理の実行を指示する承認ボタンBが配置されている。
【0028】
続いて、CPU11は、作成した画面データを通信部13から画像形成装置20に送信する(ステップS23)。つまり、通信部13は、作成された画面データを画像形成装置20に送信する。画像形成装置20のCPU21は、サーバー装置10から送信されてきた画面データを通信部23により受信すると、受信した画面データに応じた承認処理画面P3を表示操作部25に表示させる(ステップS24)。つまり、CPU21は、サーバー装置10から送信された画面データを受信し、表示操作部25は、受信された画面データが表す承認処理画面P3を表示する。この場合、承認者であるユーザーXは、承認処理画面P3に表示されている見積書F3の内容を確認した後、表示操作部25を操作して、承認処理画面P3に配置されている承認ボタンBを押下して、承認を行う。この承認ボタンBが押下されると、サーバー装置10へ承認ボタンBが押下された旨の情報が送信され、サーバー装置10において、見積書F3の承認処理が実行される。
【0029】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の各変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態において、優先処理データの解析処理にかかる時間が閾値よりも長い場合には、解析処理の実行中であることを示すメッセージを画像形成装置20の表示操作部25に表示させてもよい。この場合、サーバー装置10のCPU11は、優先処理データの解析処理にかかる時間が閾値よりも長いか否かを判定し、閾値よりも長い場合には、解析処理の実行中であることを示すメッセージを作成して、通信部13から画像形成装置20に送信する。画像形成装置20のCPU21は、サーバー装置10から送信されてきたメッセージを通信部23により受信すると、受信したメッセージを表示操作部25に表示させる。そして、解析処理が終了すると、サーバー装置10のCPU11は、上述した承認処理画面P3の画面データを作成して、画像形成装置20に送信する。
【0030】
(変形例2)
上述した実施形態において、作業者がログアウトしてから承認者がログインするまでの期間に、画像形成装置20が別の利用者によりログインされてコピー処理に利用された場合には、コピー処理の時間を上述した設定時間から考慮して扱ってもよい。例えば、設定時間が3分であり、コピー処理に利用された時間が1分である場合には、承認者であるユーザーXがログインした「10:31:00」から、設定時間「3分」とコピー処理の時間「1分」とを加算した時間である4分だけ遡った期間、すなわち「10:27:00」から「10:31:00」の期間にログアウトした作業者を特定し、特定した作業者により登録された画像データを優先処理データとして特定する。なお、処理の時間を除外して扱う対象はコピー処理に限らない。例えば、承認を必要としない内容の画像データをサーバー装置10に登録する処理であってもよいし、画像形成装置20がFAX機能を有している場合には、FAX処理であってもよい。
【0031】
(変形例3)
上述した実施形態において、作業者であるユーザーAが短い時間間隔で連続してログインしていた場合には、これらの複数のログイン期間を1つのログイン期間として扱ってもよい。この場合、サーバー装置10のCPU11は、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lに基づいて、承認者がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログアウトした作業者が連続してログインしているか否かを判定する。例えば、図10(a)に示すように、承認者である「ユーザーX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に「ユーザーA」がログインしており、その1つ前のログインを「ユーザーB」が行っている場合には、CPU11は、「ユーザーA」が連続してログインしていないと判定する。この場合、CPU11は、上述した実施形態と同様にして、優先処理データを特定する。
【0032】
一方、図10(b)に示すように、承認者である「ユーザX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に「ユーザーA」がログインしており、その1つ前のログインも「ユーザーA」が行っており、さらに、ユーザーAがいったんログアウトした時刻からユーザーAが再びログインした時刻までの時間tが閾値よりも短いときには、CPU11は、「ユーザーA」が連続してログインしていると判定する。この場合、CPU11は、先のログイン中に登録された画像データD3と、後のログイン中に登録された画像データD4とを優先処理データとして特定し、それらの画像データD3,D4の解析処理を実行する。そして、CPU11は、解析処理が施された画像データD3,D4に基づいて、承認処理画面の画面データを作成し、作成した画面データを通信部13から画像形成装置20に送信する。
【0033】
また、承認者である「ユーザーX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内にログインして作業が行われたデータをすべて優先処理データとして特定するようにしてもよい。図10(a)の例では、「ユーザーX」がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に「ユーザーA」と「ユーザーB」がログインしているため、それぞれのログイン中に登録された画像データD2及びD3を優先処理データとして特定する。
【0034】
(変形例4)
上述した実施形態では、画像形成装置20が1台である構成を例に挙げて説明したが、画像形成装置20が複数台あり、作業者と承認者とが異なる画像形成装置20を利用してもよい。この場合、サーバー装置10のCPU11は、承認者がログインした時刻から設定時間だけ遡った期間内に実行待ち領域14aに登録された画像データを、優先処理データとして特定する。
また、画像形成装置20に代えて、パーソナルコンピューター装置などの装置を入力装置として用いてもよい。
【0035】
(変形例5)
上述した実施形態では、画像形成装置20がログイン処理及びログアウト処理を行う構成を例に挙げて説明したが、これらの処理をサーバー装置10が行ってもよい。この場合、サーバー装置10の記憶部14には、上述した認証情報N及びログイン管理情報Lが記憶される。そして、画像形成装置20のCPU21は、表示操作部25の操作によりユーザー名及びパスワードが入力されると、入力されたユーザー名及びパスワードを通信部23によりサーバー装置10に送信する。サーバー装置10のCPU11は、画像形成装置20から送信されてきたユーザー名及びパスワードを通信部13により受信すると、これを記憶部14に記憶されている認証情報Nと照合して、ユーザー名及びパスワードが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合にはログイン処理を行う。また、CPU11は、ログイン処理又はログアウト処理を行うときに、記憶部14に記憶されているログイン管理情報Lの更新を行う。
【0036】
(変形例6)
上述した実施形態では、画像読取部26で画像を読み取ることによりデータが入力されていたが、データの入力方法はこれに限らない。例えば、作業者が、画像形成装置20の表示操作部25を操作して、サーバー装置10において生成されたWeb入力画面に対してデータを入力してもよい。この場合、上述した解析処理では、Web入力画面に対して入力されたデータを解釈する処理などが行われる。
【0037】
(変形例7)
上述した実施形態において、画像形成装置20のCPU21にて行なわれる処理は、CPU21と他のハードウェアとの協働によって行われてもよいし、CPU21に代えて1又は複数のハードウェアが行ってもよい。また、画像形成装置20のCPU21又はサーバー装置10のCPU11によって行われる処理は、単一のプログラムによって実現されてもよいし、複数のプログラムによって実現されてもよい。また、サーバー装置10のCPU11,画像形成装置20のCPU21によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリーなどの、コンピューターが読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどの通信回線経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…ワークフローシステム、10…サーバー装置、11…CPU、12…メモリー、13…通信部、14…記憶部、20…画像形成装置、21…CPU、22…メモリー、23…通信部、24…記憶部、25…表示操作部、26…画像読取部、27…画像形成部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、
第1の利用者による承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、
前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、
前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記第1の利用者がログアウトしてから前記第2の利用者がログインするまでの期間に、前記入力装置が前記データの入力以外の処理に利用された場合には、当該第2の利用者がログインした時刻から前記予め設定された時間と当該処理の時間とを考慮した期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者が連続してログインしている場合には、各々の当該ログインが行われている間に前記記憶手段に書き込まれた複数のデータを特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力を受け付ける入力受付手段
を有する入力装置と、
利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、
前記入力受付手段により入力が受け付けられたデータを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、
前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、
前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段と
を有する情報処理装置とを備え、
前記入力装置は、
前記送信手段から送信された画面データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された画面データが表す承認待ち画面を表示する表示手段とを有する
ことを特徴とする承認支援システム。
【請求項5】
コンピューターを、
利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、
第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、
前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、
前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、
第1の利用者による承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、
前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、
前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記第1の利用者がログアウトしてから前記第2の利用者がログインするまでの期間に、前記入力装置が前記データの入力以外の処理に利用された場合には、当該第2の利用者がログインした時刻から前記予め設定された時間と当該処理の時間とを考慮した期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者が連続してログインしている場合には、各々の当該ログインが行われている間に前記記憶手段に書き込まれた複数のデータを特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力を受け付ける入力受付手段
を有する入力装置と、
利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、
前記入力受付手段により入力が受け付けられたデータを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、
前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、
前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段と
を有する情報処理装置とを備え、
前記入力装置は、
前記送信手段から送信された画面データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された画面データが表す承認待ち画面を表示する表示手段とを有する
ことを特徴とする承認支援システム。
【請求項5】
コンピューターを、
利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者がログイン及びログアウトした時刻とが対応付けられた利用情報を取得する取得手段と、
第1の利用者がログインしているときに、承認を必要とするデータの入力が入力装置により受け付けられると、入力が受け付けられた当該データを取得して記憶手段に書き込む書込手段と、
前記第1の利用者がログアウトした後に第2の利用者がログインすると、前記取得手段により取得された利用情報に基づいて、当該第2の利用者がログインした時刻から予め設定された時間だけ遡った期間内にログアウトした第1の利用者がログインしている間に前記記憶手段に書き込まれたデータのうち当該第2の利用者を承認者とするデータを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたデータに対して、前記記憶手段に記憶されている前記特定されたデータ以外の前記第2の利用者を承認者とするデータよりも先に、承認の前段階の処理を実行する実行手段と、
前記実行手段により前記処理が実行されたデータに基づいて、当該データが承認待ちであることを示す承認待ち画面の画面データを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された画面データを前記入力装置に送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−28378(P2011−28378A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171261(P2009−171261)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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