説明

情報処理装置、方法及びコンピュータ・プログラム

【課題】容易な一連のタッチ操作による正確な語句選択を可能とする。
【解決手段】タッチパネル画面に表示されている文字列のうち指で触れた個所の周辺に表示されている文字列から評価値の高い語句を抽出し、抽出された語句を前記触れた個所の周辺に選択用の選択釦として表示する。これにより、改めて検索窓等にその語句をキー操作で入力する等の煩雑な操作を必要とせず、触れた個所に選択釦で表示された候補を選ぶという直感的な操作で語句を正確に選択できる。このため、容易な一連のタッチ操作による正確な語句選択を可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末などタッチパネル画面を備えた情報端末の分野において、画面に表示されている語句をウェブ検索など処理の対象としたい場合、ユーザが指先でその語句の表示位置をタッチすることで語句を選択する操作が普及している。このような語句選択の一例として、表示された記事に対応する関連検索メニューを表示してキーワードを抽出し、抽出したキーワードについて検索を実行する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-076565号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような従来技術では、指先による選択動作において所望の語句の表示位置からずれるなど、正確に語句を選択することは困難であった。このような困難への対処として、ウェブ・ブラウザといったアプリケーション・プログラムなどの機能で、表示されているテキストのフォントサイズを大きくして所望の語句を選択し易くしたり、入力窓(例えば、検索語句入力欄)に対象の語句を改めて文字入力やコピー&ペースト操作などで入力することも考えられる。
【0005】
しかし、上記のような対処では、対象の語句を選択するために要する操作が煩雑という問題があった。
【0006】
上記の課題に対し、本発明の目的は、容易な一連のタッチ操作による正確な語句選択を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)である情報処理装置は、タッチパネル画面上に触れる操作を受け付ける操作受付手段と、受け付けられた前記操作で触れた個所から前記タッチパネル画面において予め定められた範囲内に表示されている前記文字列から予め定められた評価値の高い語句を少なくとも1つ抽出する語句抽出手段と、抽出された前記語句に対応した選択釦を生成する選択釦生成手段と、生成された前記選択釦を前記触れたタッチパネル画面上に表示する選択釦表示手段と、表示された前記選択釦を選択する選択操作を受け付ける選択受付手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様(8)である情報処理方法は、上記態様を方法のカテゴリで捉えたもので、コンピュータが備えたタッチパネル画面上に触れる操作を受け付ける操作受付処理と、受け付けられた前記操作で触れた個所から前記タッチパネル画面において予め定められた範囲内に表示されている前記文字列から予め定められた評価値の高い語句を少なくとも1つ抽出する語句抽出処理と、抽出された前記語句に対応した選択釦を生成する選択釦生成処理と、生成された前記選択釦を前記触れたタッチパネル画面上に表示する選択釦表示処理と、表示された前記選択釦を選択する選択操作を受け付ける選択受付処理と、をコンピュータが実行することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様(9)であるコンピュータ・プログラムは、上記態様をコンピュータ・プログラムのカテゴリで捉えたもので、コンピュータを制御することにより、コンピュータが備えたタッチパネル画面上に触れる操作を受け付けさせ、受け付けられた前記操作で触れた個所から前記タッチパネル画面において予め定められた範囲内に表示されている前記文字列から予め定められた評価値の高い語句を少なくとも1つ抽出させ、抽出された前記語句に対応した選択釦を生成させ、生成された前記選択釦を前記触れたタッチパネル画面上に表示させ、表示された前記選択釦を選択する選択操作を受け付けさせることを特徴とする。
【0010】
本発明の上記態様では、タッチパネル画面に表示されている文字列のうち指で触れた個所の周辺に表示されている文字列から評価値の高い語句を抽出し、抽出された語句を前記触れた個所の周辺に選択用の選択釦として表示する。これにより、改めて検索窓等にその語句をキー操作で入力する等の煩雑な操作を必要とせず、触れた個所に選択釦で表示された候補を選ぶという直感的な操作で語句を正確に選択できる。このため、容易な一連のタッチ操作による正確な語句選択を可能とすることができる。
【0011】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記選択操作で選択された選択釦に係る前記語句を検索キーとして、検索を実行する検索手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記選択釦表示手段は、前記触れた個所を中心として円弧を描く配置で前記選択釦を表示することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様(4)は、上記いずれかの態様において、前記選択釦表示手段は、前記語句の前記選択釦を、語句に対応して予め定められた基準値に応じた順序で表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の他の態様(5)は、上記いずれかの態様において、前記選択釦表示手段は、予め定められた数の前記選択釦を前記順序にしたがって表示する所定数表示手段と、予め定められた操作を検出する操作検出手段と、前記予め定められた操作が検出された場合に、前記予め定められた数の前記選択釦の表示を前記順序にしたがって切り替える表示切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様(6)は、上記いずれかの態様において、前記選択操作で選択された前記選択釦に関連する情報を関連情報として通信ネットワークを介して取得する関連情報取得手段を備え、前記選択釦生成手段は、前記関連情報に対応した選択釦である関連選択釦を生成し、前記選択釦表示手段は、選択された選択釦の近傍に前記関連選択釦を表示することを特徴とする。
【0016】
本発明の他の態様(7)は、上記いずれかの態様において、前記選択受付手段は、前記タッチパネル画面において、表示された前記選択釦が継続して触れられているときは第一の選択操作として受け付けて前記選択釦生成手段に前記関連選択釦を生成させ、表示された前記選択釦に触れられている個所がずらされたうえで触れる操作が終了されたときは第二の選択操作として受け付けて、予め定められている情報処理の手段に制御を渡すことを特徴とする。
【0017】
なお、上記の各態様は、明記しない他のカテゴリ(方法、プログラム、システムなど)としても把握することができ、方法やプログラムのカテゴリについては、装置のカテゴリで示した「手段」を、「処理」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの順序は、本出願に直接明記のものに限定されず、順序を変更したり、一部の処理をまとめてもしくは随時一部分ずつ実行するなど、変更可能である。さらに、個々の手段、処理やステップを実現、実行する端末などのコンピュータは共通でもよいし、手段、処理やステップごとにもしくはタイミングごとに異なってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、容易な一連のタッチ操作による正確な語句選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態について構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態におけるデータ例を示す図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における画面表示例を示す図(文字列の表示)。
【図5】本発明の実施形態における画面表示例を示す図(選択釦の表示)。
【図6】本発明の実施形態における画面表示例を示す図(選択釦の選択)。
【図7】本発明の実施形態における画面表示例を示す図(関連選択釦の表示)。
【図8】本発明の実施形態における画面表示例を示す図(関連選択釦を表示する他の態様)。
【図9】本発明の実施形態における画面表示例を示す図(関連選択釦を表示する他の態様)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について図に沿って例示する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項は適宜省略する。
【0021】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1の構成図に示す情報処理装置1(以下「本装置1」や「本装置」とも呼ぶ)に関するもので、本装置1は、スマートフォン、携帯電話端末、タブレットPCなどのモバイル情報端末や、その他のパーソナルコンピュータなどである。この本装置1は、コンピュータの構成として少なくとも、CPUなどの演算制御部6と、主メモリや補助記憶装置等の記憶装置7と、通信ネットワークN(例えば、携帯電話、PHS、公衆無線LANなどの移動通信網、インターネットなど)との通信手段8(移動通信網との通信回路、無線LANアダプタなど)と、を有する。
【0022】
また、本装置1は、上記のようなコンピュータの構成に加え、タッチパネル機能付きの液晶や有機EL等の表示画面G(以下「タッチパネル画面G」や「タッチパネル画面」、単に「画面G」や「画面」とも呼ぶ)を有する。
【0023】
この本装置1では、記憶装置7に記憶(インストール)した所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部6を制御することで、図1に示す各手段などの要素(20,30ほか)を実現する。ここでいうコンピュータ・プログラムの種類は自由で、例えば、HTMLやスクリプトなどウェブページのデータとしてウェブサーバから配信されるものでもよいし、オペレーティング・システムなどの基本ソフトウェアや、スマートフォンのアプリケーション・プログラム(「アプリ」とも呼ぶ)、それらのプラグイン・ソフトウェアに代表される機能拡張モジュール、その他の種類でもよい。
【0024】
また、実現される要素のうち情報の記憶手段の態様は自由で、記憶装置7上のファイルなど任意のデータ形式で実現できるほか、ネットワーク・コンピューティング(クラウド)によるリモート記憶などでもよい。また、記憶手段は、データの格納領域だけでなく、データの入出力や管理などの機能を含んでもよい。また、本出願に示す記憶手段の単位は説明上の便宜によるもので、適宜、構成を分けたり一体化できるほか、明示する記憶手段以外にも、各手段の処理データや処理結果などを記憶する記憶手段を適宜用いるものとする。
【0025】
なお、図中(例えば図1)の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れを否定するものでも、方向の限定を意味するものでもない。例えばデータをある方向に取得する場合、必要に応じ事前のデータリクエストや事後のアクノリッジ(ACK:確認応答)が逆方向に送信される。また、記憶手段以外の各手段は、以下に説明するような情報処理の機能・作用(例えば図3)を実現・実行する処理手段であるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。
【0026】
〔2.作用効果〕
上記のように構成された本装置1においてタッチ操作による語句の選択を実現する処理手順を図3のフローチャートに示す。
【0027】
〔2−1.操作の受付と語句の抽出〕
すなわち、操作受付手段20は、図4に例示するように、文字列などの情報を表示している画面G上について指Fで触れる操作すなわちタッチ操作を受け付けると(ステップS11)、触れられた画面上の位置や大きさなどの情報を語句抽出手段30へ渡す。語句抽出手段30は、受け付けられた操作で触れた位置すなわち個所からタッチパネル画面Gにおいて予め定められた範囲内に表示されている文字列から、形態素解析などにより、予め定められた評価値の高い語句を少なくとも1つ抽出する(ステップS12)。
【0028】
ここで、語句ごとの前記評価値の内容は自由で、例えば、ウェブページなどその文書内における出現頻度、もしくは他の文書も含む文書群における出現頻度、本発明においてユーザがその語句を選択する選択頻度、形態素解析などで一文節として検出される検出頻度、その語句をキーとしたウェブ検索の回数や頻度、その語句をキーとしたウェブ検索でのヒット件数など、任意の評価値を採用できる。ウェブ検索に関する回数やヒット件数などは例えば検索サーバ2からAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)などで得る。
【0029】
また、触れた位置から「予め定められた範囲」は、例えば、触れた位置を中心とした所定サイズの円や楕円の内側、触れた位置を含む行から前後所定行数の範囲、触れた位置に最も近い文字から前後所定文字数の範囲、同じウェブページの全体、同じウェブページのうち触れた時点でスクロール無しで表示されていた範囲などが考えられるが、これらに限らず他にも自由に定めることができる。
【0030】
また、抽出する語句の数は1つでも複数でもよく、ユーザが設定などで数を選択できるようにしてもよい。図2(2)は、抽出された語句と評価値をデータとして例示したもので、複数の語句を注した場合に係るものであり、評価値等記憶手段35に格納することで又は直接、選択釦生成手段40に渡し、以下のように選択釦を生成する対象とする。
【0031】
〔2−2.選択釦の生成と表示〕
すなわち、次に、選択釦生成手段40が、上記のように抽出された語句に対応した選択釦を生成し(ステップS13)、選択釦表示手段50が、図5に例示するように、生成された選択釦B(B1〜B6)を前記触れたタッチパネル画面G上に表示する(ステップS14)。ここで、表示する選択釦の種類、形式、数などは自由であり、図5の例では、選択釦の表示範囲R内に、扇型の選択釦6個を表示しているが、これに限らず選択釦は、円、楕円、三角形、四角形、六角形といった多角形、その他の図形や、各種の選択リストを構成する単なる語句の文字表示など、図形以外の形態でもよい。また、選択釦の生成としては、選択釦の形状などの外形に応じた画像をその場で語句の文字列などと共に描画生成してもよいし、外形に応じた画像を予め用意しておき、文字列と組み合わせるようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、タッチ操作で触れられた位置を操作受付手段20などで取得し、選択釦B(B1〜B6)をその位置すなわち触れた個所の周辺に表示することで、選択操作が容易になる。特に、本実施形態では、図5に例示するように、選択釦表示手段50が、触れた個所を中心として円弧を描く配置で選択釦B(B1〜B6)を表示する。なお、選択釦間の間隔の如何は問わないので、ここでいう円弧は、指で隠れる一部は選択釦を表示しないなど本来の部分的な円弧を描く配置でもよいし、図5に示したように360度ぐるりを囲む円を描く配置でもよい。
【0033】
加えて、本実施形態では、選択釦表示手段50は、語句の選択釦を、語句に対応して予め定められた基準値に応じた順序で表示する。図5の例では、図2(1)において評価値が高い順すなわち「インターネット」「スマートフォン」・・・の順に、選択釦B1、B2、B3、B4を所定の位置順序で表示している。なお、ここでいう基準値は前記評価値とは異なってもよいし同じ値を用いてもよく、評価値について例示したような出現頻度、ユーザによる選択頻度、形態素解析などでの検出頻度、ウェブ検索における回数やヒット件数など、自由に定めることができる。本実施形態では、前記評価値を基準値としても用いるものとする。
【0034】
また、選択釦表示手段50は、語句の選択釦を、語句に対応して予め定められた基準値や基準値の順位に応じたサイズで表示してもよく、こうすれば語句の重要度や人気を一目で容易に把握できる。サイズの例については、相似形の大小を変える他、扇型の角度の大小で差をつけるなど、具体的態様は自由に定めてよい。
【0035】
また、選択釦Bは、画素数など画面サイズに応じ、人の指によるタッチ選択に適したサイズで表示する。選択釦の面積は、例えば、タッチ操作における接触面積の平均値に対し2倍から数倍の面積や、タッチ操作で触れられる範囲の平均直径に対し1.5倍から数倍のサイズなどを基準とすれば、確実なタッチ選択が実現できる。例えば、1センチあたり100ピクセルの画面において、タッチ操作で触れられる範囲の平均直径7.5ミリメートルに対し所定の辺のサイズがその2倍の1.5センチメートルで選択釦を表示するには、その辺のサイズを150ピクセルとすればよい。
【0036】
また、操作受付手段20が、個々人ごとに、触れる操作で触れた接点の大きさ(「接点サイズ」と呼ぶこととする)を検出し(ステップS11)、選択釦生成手段40が検出された前記接点サイズに応じた大きさ(例えば接点サイズに比例した大きさなど)で選択釦を生成(ステップS13)するようにすれば、ユーザの性別、年齢、体格、操作上の癖などに適合した選択し易いサイズで選択釦を表示できるので、タッチ操作による語句選択の操作性と正確さが向上する。この場合、接点サイズとしては、例えば、接触面積、円の直径、楕円の長軸の長さ、短軸の長さなどを自由に定めて用いることができる。
【0037】
〔2−3.選択釦の切替表示〕
また、選択釦が多いときは、いくつかずつの表示を順に切り替えてゆく。この場合、選択釦表示手段50では、所定数表示手段52が、予め定められた数の選択釦を前記順序にしたがって表示し(ステップS14)、操作検出手段54が、予め定められた操作(「切替操作」と呼ぶこととする)を検出するごとに(ステップS15)、表示切替手段56が、前記予め定められた数の選択釦の表示を前記順序にしたがって切り替える(ステップS16)。
【0038】
例えば、図5の例では、一度に6つまでの選択釦(例えばB1〜B6)を表示すると共に、「次へ」ボタンBNを表示し、この「次へ」ボタンBNへのタッチ操作を切替操作とするが、具体的な切替操作の内容は、本体を振る操作を内蔵の加速度センサで検出するなど、任意に定めることができる。
【0039】
〔2−4.選択の受付と検索〕
そして、上記のように表示された選択釦を選択する選択操作(例えばタップ操作やダブルタップ操作など)を選択受付手段60が受け付け(ステップS15からS19)、選択内容を次の情報処理へ引き渡す。選択操作の具体的内容(ステップS15からS19)は後述するが、単純な一例は、触れている指の位置を所望の選択釦上にスライド移動させたうえ、そこで指を離すことである。例えば、図6の例では、指を元の位置F1から、選択釦B2に対応した位置F2へスライド移動(太い矢印で示す)させて指を離す操作をすれば、選択釦B2を最終的、確定的に選択(「最終選択」と呼ぶこととする)する操作となる。
【0040】
また、選択操作の内容を引き渡す先の情報処理の内容は自由であるが、例えば各種データやウェブページなどの検索が考えられる。この場合、検索手段70は、選択操作で選択された選択釦に係る語句(選択釦B2なら例えば「スマートフォン」)を検索キーとして、検索を実行する(ステップS20)。検索の実行は、例えば予め用意されたデータを検索するような本装置1内で完結する態様でもよいが、語句を検索クエリとして検索サーバ2へ送信し結果を受信するなど、通信ネットワークNを介した検索でもよい。
【0041】
〔2−5.関連選択釦の表示と選択〕
選択釦で選択した語句に関連する情報をさらなる選択釦(「関連選択釦」と呼ぶ)として派生的に表示し(例えば図7)その選択を受け付けてもよい。この場合、関連選択釦を派生的に表示させる所定の選択操作(後述。「関連選択」と呼ぶこととする)を受けて(ステップS21)、まず、関連情報取得手段80が、選択操作で選択された選択釦に関連する情報を関連情報として通信ネットワークを介して取得する(ステップS22)。これら関連情報も評価値と共に、評価値等記憶手段35に格納することで又は直接、選択釦生成手段40に渡し、後述するように関連選択釦を生成する対象とする。
【0042】
ここで、関連情報としては、基の語句と同時に検索される関連検索ワードである他の語句や、基の語句をキーとした検索結果の各項目など、自由に定めることができる。関連検索ワードは、例えば検索サーバ2からAPIなどで得る。例えば、図2(2)に示す関連情報のデータ例は、図2(1)に示した語句「インターネット」と組み合わせて同時に検索に多く用いられる関連検索ワード「ラジオ」「プロバイダ」などに関するもので、例えば、「ラジオ」は、二語で「インターネット ラジオ」や、一語で「インターネットラジオ」といった具合に、「インターネット」と組み合わせて検索キーとしたウェブ検索が多く行われていることを意味する。
【0043】
そして、選択釦生成手段40は、このような関連情報に対応した選択釦である関連選択釦を生成し(ステップS23)、図7に示すように、選択釦表示手段50が関連選択釦B11〜B16を、関連選択された選択釦B1の近傍に表示する(ステップS14)。
【0044】
なお、関連選択された選択釦の近傍に関連選択釦を表示する場合、図7のように、関連選択された選択釦の全周囲を関連選択釦が囲む配置でなくてもよい。すなわち、図8に例示するように画面サイズなどに応じ、選択釦の表示範囲Rに収まるよう、関連選択された選択釦の周囲の一部分を囲む配置で関連選択釦を表示してもよい。例えば図8の例では、関連選択された選択釦B1の左側には扇型の選択釦が収まり切らないので、右側のみに関連選択釦を表示している。
【0045】
〔2−6.選択操作の使い分け〕
図5のように表示された選択釦に対する操作のうち、上記のように関連選択釦を派生的に表示させる第一の選択操作すなわち上記の関連選択の操作と、選択釦の語句を検索対象などとして最終的、確定的に選択する第二の選択操作すなわち上記の最終選択と、をどのように区別して定義し使い分けるかは自由であるが、一例として本実施形態では、次のように区別する。
【0046】
すなわち、選択受付手段60は、タッチパネル画面において、選択釦に触れるタッチ操作があって(ステップS17:「YES」)、表示された選択釦が所定時間(例えば1秒以上など)継続して触れられているときは(ステップS18:「YES」)、第一の選択操作である関連選択として受け付けて(ステップS21)、関連情報の取得を経て(ステップS22)、選択釦生成手段40に関連選択釦を生成させる(ステップS22)。例えば、図5の場合、語句「インターネット」に対応する選択釦B1に指をずらしてすぐ離さず1秒以上触れていると、図7に例示するように、関連情報ごとの関連選択釦B11〜B16を表示する。
【0047】
一方、選択受付手段60は、触れられている個所が、表示された選択釦にずらされたうえで触れる操作が終了されたときは第二の選択操作である最終選択として受け付けて、予め定められている情報処理の手段に制御を渡す。例えば、図5の状態では、指で触れられている位置は選択釦B1〜B6の中心であるが、その箇所が図6に示すように、表示されている例えば選択釦B2にずらされたうえで、触れる操作が終了されたときはその選択釦に係る語句(例えば、選択釦B2なら「スマートフォン」)が最終選択され(ステップS19)、検索などの対象となる(ステップS20)。
【0048】
なお、上記のように表示された関連選択釦に対し、さらに関連選択により関連選択釦を派生的、2次的に表示したり、そこからさらに多段に連鎖的に関連選択釦を表示してもよい。例えば、図7の状態で、関連情報「テレビ」に係る関連選択釦B14を関連選択すれば、図9に示すように「テレビ」の関連情報である関連検索ワード「地デジ」「ケーブル」などに対応する関連選択釦B141〜B146を表示する。
【0049】
〔3.効果〕
(1) 以上のように本実施形態では、タッチパネル画面に表示されている文字列のうち(例えば図4)指で触れた個所の周辺に表示されている文字列から評価値の高い語句を抽出し(例えば図3のステップS12及び図2(1))、抽出された語句を前記触れた個所の周辺に選択用の選択釦として表示する(例えば図5及び図3のステップ14)。これにより、改めて検索窓等にその語句をキー操作で入力する等の煩雑な操作を必要とせず、触れた個所に選択釦で表示された候補を選ぶという直感的な操作で語句を正確に選択できる(例えばステップS17〜S19)。このため、容易な一連のタッチ操作による正確な語句選択を可能とすることができる。
【0050】
(2) 特に、本実施形態では、表示された記事などの文章内から選択された語句を検索キーとしてウェブ検索などの検索を実行することにより(例えばステップS20)、検索サービスの使い勝手を改善できるので、記事内の関心ある語句に関連する情報を調べるなどの情報利用が促進できる。
【0051】
(3) また、本実施形態では、前記触れた個所を中心として円弧を描く配置で前記選択釦を表示することにより(例えば図5)、触れた個所から指を離さずに任意の選択釦の位置にずらす(例えば図6)という容易な一連のタッチ操作で正確な語句選択を行うことが容易になる。
【0052】
(4) さらに、本実施形態では、語句に対応する所定の基準値(例えば図2(1))に応じた順序で選択釦を表示することにより(例えば図5)、多くのユーザが検索対象として選択した語ほど早く選択し易い位置に優先的に表示されるので、多くのユーザが所望の語句を迅速に選択することができる。
【0053】
(5) とりわけ、本実施形態では、順位に応じて語句の選択画面を所定の操作で切り替えることにより、頻出の順に数個ずつまとめて選択釦を表示できるので(例えば図5)、限られた面積でも選択釦ごとの表示サイズを十分大きく維持でき、所望の語句を正確に選択することができる。
【0054】
(6) 加えて、本実施形態では、ユーザが選択した選択釦を基に、その近傍にさらにその選択釦の語句の関連情報を関連選択釦で表示する(例えば図7〜図9)。これにより、もとの記事などと間接的に関連する語句や情報まで容易に選択可能となり、情報検索などの使い勝手が改善できる。
【0055】
(7) また、本実施形態では、指をずらして行った先の選択釦から指を離さずにおけば(ステップS18:「YES」)、関連選択釦を表示させる第一の選択操作となり(ステップS21)、指をずらして行った先の選択釦から指を離せば(ステップS18:「NO」)、その選択釦に対応する語句又は関連情報を選択する第二の選択操作となる(ステップS19)。これにより、指を触れたまま繰返しずらして何段階でも関連選択釦を選択し、任意の選択釦で指を離せば語句や関連情報の最終的な選択となるという一連の特に円滑なタッチ操作で正確に語句選択を行うことが可能となる。
【0056】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本出願における構成図、データの図、フローチャートなどは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。例えば、選択操作の内容として最終選択した語句や関連情報などを引き渡す先の情報処理の内容は、検索に限らず、クリップボードなど一時記憶領域への記憶や日本語入力システムへの単語登録など自由である。また、選択釦を表示する位置や配置も、触れた個所の近傍や円弧状に限らず自由であり、円弧状に表示する場合でも360度を6分割する以外にも、他の分割の仕方でもよい。
【0057】
また、本装置1を構成する個々の手段を実現する態様は自由で、外部のサーバが提供している機能をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワーク・コンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出すことで実現するなど、本発明の構成は柔軟に変更できる。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 情報処理装置
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信手段
20 操作受付手段
30 語句抽出手段
40 選択釦生成手段
50 選択釦表示手段
52 所定数表示手段
54 操作検出手段
56 表示切替手段
60 選択受付手段
70 検索手段
80 関連情報取得手段
B(B1〜B6) 選択釦
B11〜B16,B141〜B146 関連選択釦
BN ボタン
F 指
F1,F2 位置
G 画面
N 通信ネットワーク
R 選択釦表示範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル画面上に触れる操作を受け付ける操作受付手段と、
受け付けられた前記操作で触れた個所から前記タッチパネル画面において予め定められた範囲内に表示されている前記文字列から予め定められた評価値の高い語句を少なくとも1つ抽出する語句抽出手段と、
抽出された前記語句に対応した選択釦を生成する選択釦生成手段と、
生成された前記選択釦を前記触れたタッチパネル画面上に表示する選択釦表示手段と、
表示された前記選択釦を選択する選択操作を受け付ける選択受付手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択操作で選択された選択釦に係る前記語句を検索キーとして、検索を実行する検索手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択釦表示手段は、前記触れた個所を中心として円弧を描く配置で前記選択釦を表示することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選択釦表示手段は、前記語句の前記選択釦を、語句に対応して予め定められた基準値に応じた順序で表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択釦表示手段は、
予め定められた数の前記選択釦を前記順序にしたがって表示する所定数表示手段と、
予め定められた操作を検出する操作検出手段と、
前記予め定められた操作が検出された場合に、前記予め定められた数の前記選択釦の表示を前記順序にしたがって切り替える表示切替手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選択操作で選択された前記選択釦に関連する情報を関連情報として通信ネットワークを介して取得する関連情報取得手段を備え、
前記選択釦生成手段は、前記関連情報に対応した選択釦である関連選択釦を生成し、
前記選択釦表示手段は、選択された選択釦の近傍に前記関連選択釦を表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択受付手段は、前記タッチパネル画面において、
表示された前記選択釦が継続して触れられているときは第一の選択操作として受け付けて前記選択釦生成手段に前記関連選択釦を生成させ、
表示された前記選択釦に触れられている個所がずらされたうえで触れる操作が終了されたときは第二の選択操作として受け付けて、予め定められている情報処理の手段に制御を渡すことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが備えたタッチパネル画面上に触れる操作を受け付ける操作受付処理と、
受け付けられた前記操作で触れた個所から前記タッチパネル画面において予め定められた範囲内に表示されている前記文字列から予め定められた評価値の高い語句を少なくとも1つ抽出する語句抽出処理と、
抽出された前記語句に対応した選択釦を生成する選択釦生成処理と、
生成された前記選択釦を前記触れたタッチパネル画面上に表示する選択釦表示処理と、
表示された前記選択釦を選択する選択操作を受け付ける選択受付処理と、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを制御することにより、
コンピュータが備えたタッチパネル画面上に触れる操作を受け付けさせ、
受け付けられた前記操作で触れた個所から前記タッチパネル画面において予め定められた範囲内に表示されている前記文字列から予め定められた評価値の高い語句を少なくとも1つ抽出させ、
抽出された前記語句に対応した選択釦を生成させ、
生成された前記選択釦を前記触れたタッチパネル画面上に表示させ、
表示された前記選択釦を選択する選択操作を受け付けさせる
ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−58123(P2013−58123A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196797(P2011−196797)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】