情報処理装置、画像形成装置の管理方法、及び、プログラム
【課題】ユーザの利便性を損なうことなく、システム内の画像形成装置全体が与える環境への影響(消費電力量や、排出二酸化炭素量等)を管理すること。
【解決手段】SC101は、システム内の複合機(102−1〜102−3)全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を管理し、複合機102からジョブの実行を許可するライセンスの取得要求を受けた場合、このライセンス発行によって発行済みのライセンス数がライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、発行済みのライセンス数がライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御する。
【解決手段】SC101は、システム内の複合機(102−1〜102−3)全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を管理し、複合機102からジョブの実行を許可するライセンスの取得要求を受けた場合、このライセンス発行によって発行済みのライセンス数がライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、発行済みのライセンス数がライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置の管理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク上に複数台の画像形成装置が接続される環境が一般的になっている。
しかし、ネットワーク上の複数台の画像形成装置が同時に電源ONの状態であると、消費電力が増大してしまう。この課題を解決するために、特許文献1では、過去のジョブの実行履歴等から、ある期間に同時に電源ONの状態になりうる画像形成装置の台数を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−173690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の技術は、サーバが画像形成装置の電源のON/OFFを一括して管理するので、電源OFFの画像形成装置を使用したいユーザは、その画像形成装置がサーバーにより電源ONとされるまで待機するしかなく、使い勝手の良いものとはいえなかった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、同時にジョブを実行する画像形成装置が与える環境への影響を制限しつつ、ユーザは使用したい画像形成装置を適切に使用して印刷ジョブを実行できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の画像形成装置のジョブ実行を管理する情報処理装置であって、画像形成装置でジョブを実行する場合に前記画像形成装置から送信される前記ジョブの実行を許可するライセンスの取得要求に応じて、前記ライセンスを前記画像形成装置に発行する発行処理手段と、前記複数の画像形成装置全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を記憶管理する管理手段と、前記ジョブを終了した前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの返却要求に応じて、前記管理手段で管理される前記発行済みのライセンス数を減算する返却処理手段とを有し、前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの利便性を損なうことなく、複数の画像形成装置のジョブ実行を効率よく管理することができる。そして、複数の画像形成装置全体が与える環境への影響(例えば、消費電力量等のエネルギー消費量や、排出二酸化炭素量等)を抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の情報処理装置を適用可能な画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】ライセンス算出テーブル、ライセンス要求返却パケット、ライセンスパケットを示す図である。
【図3】ライセンス数を決定するための画面を示す図である。
【図4】ライセンス数テーブル、ジョブ実行時間予測テーブル、ライセンス管理テーブルを示す図である。
【図5】ライセンス発行処理を示すフローチャートである。
【図6】ライセンス返却処理を示すフローチャートである。
【図7】複合機の内部構成、電力制御の状態遷移及び給電箇所を示す図である。
【図8】電力制御処理を示すフローチャートである。
【図9】ジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図10】ライセンス切れ設定を行うための画面を示す図である。
【図11】ライセンス要求返却パケットを示す図である。
【図12】ライセンス延長要求処理を示すフローチャートである。
【図13】ジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図14】ライセンス期限切れ時処理を示すフローチャートである。
【図15】サーバコンピュータの機能構成、ライセンス最大値を決定するための画面を示す図である。
【図16】ライセンス数テーブル、ライセンス管理テーブルを示す図である。
【図17】ライセンス数自動設定処理を示すフローチャートである。
【図18】ライセンス発行処理を示すフローチャートである。
【図19】ライセンス数自動調整処理を示すフローチャートである。
【図20】ジョブ分割実行処理を示すフローチャートである。
【図21】分割ジョブテーブル、ライセンスパケット、分割実行時のライセンス要求返却パケットを示す図である。
【図22】電力制御処理を示すフローチャートである。
【図23】分割実行処理を示すフローチャートである。
【図24】ライセンス発行処理を示すフローチャートである。
【図25】特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理するための画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について詳述する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、複数台の画像形成装置としての複合機が複数台と、1台の管理装置がネットワーク上に存在する場合について説明する。しかし、複合機が1台の場合や、複数の管理装置が同一ネットワーク上に存在する構成を本発明から除くものではない。
【0011】
図1(a)は、本発明の情報処理装置を適用可能な画像形成システムの構成図である。
図1(a)において、101は管理装置(本発明の情報処理装置)としてのサーバコンピュータ(以下、SC101)、102−1〜102−3は画像形成装置としての複合機である。複合機102−1〜102−3は、読取、印刷、電子画像生成処理、後処理等の機能を備えており、読み取り部、プリンタ部、画像処理部、後処理部等の処理ブロックを持つ。さらに、複合機102−1〜102−3は、ユーザが複写や電子データ生成を指示するためのLCDタッチパネル等で構成されたユーザインタフェース(操作部)を持つ。
【0012】
103−1〜103−2はクライアントコンピュータで、複合機102−1〜102−3に印刷ジョブの投入を行う。SC101、複合機102−1〜102−3(以下、複合機102)、クライアントコンピュータ103−1〜103−2は、ネットワーク104(以下、NW104)を介して通信可能に接続される。
【0013】
複合機102は、特にユーザからジョブ実行の依頼が無い場合、各処理ブロックへの通電を行わない、低電力状態1301(後述する図7(b))を維持する。複合機102は、クライアントコンピュータ103からの印刷ジョブ実行指示、又は、複合機自身のユーザインタフェースから、低電力状態1301からの復帰が指示された場合、ジョブ受付状態1302(図7(b))に遷移する。
【0014】
ジョブ受付状態1302に遷移後、複合機102は、SC101にライセンス取得を要求する。そして、ライセンス取得結果に応じて、複合機102は、稼動状態1303(図7(b))に遷移し、各処理ブロックについて、通電を行う。ジョブ実行後、複合機102は、各処理ブロックへの通電をカットし、再度、低電力状態1301に遷移する。
【0015】
図1(b)は、本実施例のSC101の機能構成を示すブロック図である。
図1(b)において、201〜206は、SC101の機能部である。機能部201〜206は、SC101内のCPUがSC101内の外部メモリにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0016】
201はネットワークI/F部である。NW104上の複合機からライセンス要求の依頼、及び、ライセンス供給は、ネットワークI/F部201を経由して行われる。202はライセンス発行部、203はライセンス数決定部、204はジョブ実行時間予測部、205はライセンス返却部、206はライセンス要求処理部である。
【0017】
ライセンス要求処理部206は、各機能部201〜205を使用してライセンス供給、及び、ライセンス数の管理を行う。なお、ライセンス供給は、複合機102から送信されるライセンス要求返却パケット800(図2(b))の受信に応じて行われる。ライセンス発行部202は、ライセンス要求処理部206からのライセンス発行指示により、ライセンスを発行する。ライセンス返却部205は、複合機102から返却されたライセンスの返却処理を行う。
【0018】
次に、ライセンス数決定部203について説明する。
ライセンス数決定部203は、予めSC101上で設定されたライセンス形態に応じて、最大供給可能なライセンス数(複合機102−1〜102−3全体(複数の画像形成装置全体)で発行可能なライセンスの上限値を示すライセンス最大値)を決定する。ライセンス最大値は、例えば、単位時間の排出二酸化炭素量(以下、排出CO2量)や消費電力量等の環境への影響の度合や、単純にシステム内の複合機の最大稼動台数や最大稼動処理ブロック数(処理ブロックについては後述する)を基準として決定してもよい。また、ライセンス最大値の決定は、その他別のパラメータ、例えば、現像剤等のコストを加味して増減させることも可能である。本実施例では、ライセンス最大値を、単位時間の排出CO2量又は消費電力量とする場合について説明する。なお、ライセンス最大値の決定方法については、後述する図3等を用いて説明する。
【0019】
また、ライセンス数決定部203は、図2(a)に示すようなライセンス算出テーブル300を生成し、SC101のRAMに格納する。以下、ライセンス算出テーブル300(図2(a))の生成方法について説明する。
【0020】
まず、ライセンス数決定部203は、NW104に接続されている複合機102の種別(機種)毎、及び、ジョブの処理に使用される処理ブロック毎の、ジョブ実行時の単位時間の排出CO2量(g/sec)及び消費電力量(w/sec)の情報を取得する。これらの情報は、予めユーザ(管理者)がSC101の外部メモリに設定しておくものであってもよいし、NW104を介して各複合機102から取得してもよい。そして、取得した情報を元に、ライセンス数決定部203は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))を生成し、SC101のRAMに格納する。なお、上述の処理ブロックとは、本実施例では、後述する図7(a)に示す複合機102内(画像形成装置内)のプリンタ部1213、読み取り部1212、画像処理部1210、後処理部1214を示すが、これら以外を含んでもよい。
【0021】
図2(a)は、本実施例のライセンス算出テーブルを示す図である。
ライセンス算出テーブル300は、複合機種別(複合機の機種)毎及び処理ブロック毎のジョブを処理する際の単位時間当たりの排出CO2量、消費電力量に基づき、複合機の機種毎及び処理ブロック毎のライセンス数を算出し、データベース化したものである。なお、ここでは、ライセンス数を算出する際には、単位時間当たりの排出CO2量「1.0(g/sec)」を排出CO2量モードの「1.0ライセンス」、消費電力量「1.0(w/sec)」を電力モードの「1.0ライセンス」として算出している。しかし、「1.0ライセンス」の基準として、排出CO2量「1.0(g/sec)」、消費電力量「1.0(w/sec)」以外の基準を用いてもよい。
なお、上述の説明では、ライセンス数決定部203がライセンス算出テーブル300を生成するものとしたが、予めユーザ(管理者)がライセンス算出テーブル300をSC101の外部メモリに記憶させておくものであってもよい。
【0022】
以下、ライセンス数決定部203によるライセンス最大値の決定方法について説明する。
ライセンス数決定部203がライセン最大値を決定するために、上限値情報を、SC上の、図3のような画面400により、前もって入力しておく必要がある。
【0023】
図3は、本実施例においてライセンス最大値を決定するための画面を示す図である。なお、画面400は、ライセンス数決定部203により表示される。
画面400において、401は目標とする単位時間当たりの排出CO2量(g/sec)であり、単位時間当たりにシステム内の全ての複合機102が排出するCO2量の合計の目標値である。402は目標とする単位時間当たりの消費電力量(w/sec)であり、単位時間当たりにシステム内の全ての複合機102が消費する電力量の合計の目標値である。排出CO2量401又は消費電力量402に設定される値を上限値として、この値を超えないようにライセンス数が算出される(詳細は後述する)。
【0024】
403−1は排出CO2で上限管理を行う排出CO2モード、403−2は消費電力で上限値管理を行う電力モードを選択するスイッチであり、いずれか一方のみが選択状態になるように構成されている。
【0025】
404は決定ボタンである。決定ボタン404の指示を検知すると、ライセンス数決定部203は、スイッチ403−1又は403−2により選択された管理モードに対応する上限値に応じて、ライセンス最大値を決定する。即ち、スイッチ403−1が選択された排出CO2モードでは、排出CO2量401の値に応じてライセンス最大値が決定される。また、スイッチ403−2が選択された電力モードでは、消費電力量402の値に応じてライセンス最大値が決定される。
【0026】
本実施例では、単純に排出CO2量や消費電力量の上限値をライセンス最大値に決定する。即ち、排出CO2量「1(g/sec)」を排出CO2量モードの「1ライセンス」、消費電力量「1(w/sec)」を電力モードの「1ライセンス」としてライセンス最大値を決定する。しかし、排出CO2量や消費電力量の上限値を、機能単体(処理ブロック単位)の消費量で除算した値等を、ライセンス最大値に決定してもよい。
なお、決定されたライセンス最大値は、図4(a)のライセンス数テーブル500として、SC101のRAMに格納される。
このように、ライセンス最大値として同時にジョブ実行可能な複合機全体による単位時間当たりの消費電力量や排出CO2量をライセンス数として設定し、図2(a)に示したようなライセンス算出テーブル300を生成する。この構成により、同時にジョブ実行可能な複合機全体による単位時間当たりの消費電力量や排出CO2量を制御可能となる。
なお、ライセンス最大値として同時にジョブ実行可能な処理ブロック数を設定し、複合機種別(機種)毎及び処理ブロック毎のライセンス数が全て「1」のライセンス算出テーブルを生成する構成としてもよい。このような構成とすることで、同時にジョブ実行可能な処理ブロック数を制御することもできる。
また、上述したライセンス最大値として同時にジョブ実行可能な複合機の台数を設定し、ライセンス算出テーブルを処理ブロック毎に分けることなく、単に、複合機種別毎のライセンス数を示すものとする。そして、このライセンス算出テーブルの複合機種別毎のライセンス数を全て「1」とする構成としてもよい。このような構成とすることで、同時にジョブ実行可能な複合機の台数を制御可能となる。
【0027】
図4(a)は、本実施例のライセンス数テーブル500を示す図である。
図4(a)に示すように、ライセンス数テーブル500は、消費電力で上限値管理を行う電力モードか、排出CO2で行う排出CO2モードかを示す管理モードと、ライセンス最大値から構成され、これらの情報を記憶管理する。
なお、図3の画面400は、ライセンス数決定部203に、ライセンス数テーブル500が保持されていない場合、又は、ユーザ(管理者)からの要求により、ライセンス数決定部203により、SC101の表示装置等に表示される。
【0028】
次に、ジョブ実行時間予測部204について説明する。
ジョブ実行時間予測部204では、ネットワークI/F201を通じて、接続されている複合機の、印刷速度、及び、読取速度、画像処理速度などの情報を取得する。取得した情報を元に、ジョブ実行時間予測部204は、図4(b)のような、ジョブ種毎に、各複合機種別(機種)毎の1ページあたりの実行時間予測を予測したジョブ実行時間予測テーブル600を生成し、保持する。
【0029】
図4(b)は、本実施例のジョブ実行時間予測テーブル600を示す図である。
図4(b)に示すように、ジョブ実行時間予測テーブル600には、ジョブ種毎及び複合機種別(機種)毎に、1ページ(処理単位)あたりの、実行時間予測値(単位処理時間(秒))が紐付けられて格納されている。なお、ジョブ種とは、例えば、片面コピー、両面コピー、カラープリント、モノクロプリント、PDF生成等を示すものとするが、これに限定されるものではない。また、ジョブ実行時間予測テーブル600には、ジョブ種毎に、該ジョブ種に必要な処理ブロックを示す情報も紐付けられて格納されている。なお、上述の説明では、ジョブ実行時間予測部204がジョブ実行時間予測テーブル600を生成するものとしたが、予めユーザ(管理者)がジョブ実行時間予測テーブル600をSC101の外部メモリに記憶させておくものであってもよい。
【0030】
次に、ライセンス要求処理部206について説明する。
ライセンス要求処理部206は、ライセンス数テーブル500(図4(a))と、ジョブ実行時間予測テーブル600(図4(b))を取得する。
さらに、ライセンス要求処理部206は、ライセンス数テーブル500(図4(a))から、ライセンス管理テーブル700(図4(c))を生成し、SC101のRAMに格納する。
【0031】
図4(c)に示すように、ライセンス管理テーブル700は、上述した管理モード、ライセンス数最大値、使用中ライセンス数、ライセンス詳細テーブル701を記憶管理する。
ライセンス詳細テーブル701には、ライセンスID毎に、使用ライセンス数と有効期限が格納されている。即ち、ライセンス要求処理部206は、有効期限付きのライセンスを複合機102に発行処理する。ライセンスIDは、複合機に付与されたライセンス毎に一意の値であり、ライセンスが付与された順番にしたがって生成される。また、ライセンス管理テーブル700の作成時には、使用中ライセンス数は「0」で、ライセンス詳細テーブル701にはデータが格納されていない状態となる。ライセンス要求処理部206は、以後、このライセンス管理テーブル700を用いてライセンスを管理する。
なお、ライセンス要求処理部206は、ライセンスの有効期限を管理し、有効期限が切れたライセンス情報については、ライセンス詳細テーブル701から削除する。また、削除したライセンス情報の使用ライセンス数を、ライセンス管理テーブル700の使用中ライセンス数から減算しする。このように処理することで、有効期限が切れたライセンスを、他の要求に対して提供可能な状態にする。
【0032】
ライセンスの要求は、複合機102が、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))をSC101に送付することによって行われる。
NW104上の複合機102から送付されたライセンス要求返却パケットは、ネットワークI/F部201を経由し、ライセンス要求処理部206に送られる。ライセンス要求処理部206は、到着したライセンス要求返却パケットをまず、ライセンス要求処理部206が備える処理キューに蓄積し、到着順に処理を行う。
【0033】
ライセンス要求返却パケット800の構造は、図2(b)のようになる。
図2(b)は、本実施例のライセンス要求返却パケット800の構成を示す図である。
図2(b)において、801は要求ホストを記述するフィールドであり、発行/返却要求を依頼してきた複合機102の名称を示す。要求ホスト801には、通常、IPアドレスやホスト名が記述される。なお、ライセンス要求に対する応答は、要求ホストフィールド801に記述されたホスト名に対してなされる。
【0034】
802はホスト種別を記述するフィールドであり、ライセンス要求してきた複合機102の種別(機種)を示す。803は実行ジョブ種を記述するフィールドであり、複合機102が実行しようとしているジョブ種を示す。実行ジョブ種803には、例えば、片面コピー、両面コピー、カラープリント、モノクロプリント等の情報が記述される。
【0035】
804は処理ページ数を記述するフィールドであり、プリント処理等、ジョブ実行前に総処理ページ数が確定している場合には、総処理ページ数が記述される。なお、スキャン処理など、ジョブ実行前には総処理ページ数が不確定の場合は、複合機102が1度に読み取ることが可能な最大のページ数が、処理ページ数804に記述される。
【0036】
805〜808はジョブにより使用する処理ブロックを指定するフィールドであり、ジョブにより使用する処理ブロックに対応するフィールドに「1」が格納される。図2(b)の例では、805の画像処理ブロックと806のプリントブロックに「1」、806のスキャンブロックと808の後処理ブロックに「0」が記述されており、ジョブを処理する際に、画像処理ブロックとプリントブロックを使用することが示されている。
【0037】
809はライセンス要求/返却の種別を決定するフィールドであり、このフィールドに「1」がセットされている場合はライセンスを要求していることを示し、また、このフィールドに「0」がセットされている場合はライセンス返却を行うことを示す。
【0038】
810は識別のためのライセンスIDを記述するフィールドである。ライセンス要求時には、ライセンスが確定していないため、ライセンスIDフィールド810に「0」がセットされる。一方、ライセンス返却時には、ライセンス要求時に複合機102に送付されるライセンスIDがライセンスIDフィールド810にセットされることになる。
以下、本実施例におけるライセンス発行処理について、図5のフローチャートに従う。複合機からパケットが送信された場合、パケットはまず、ネットワークI/F部201を通じて、ライセンス要求処理部206の処理キューに蓄積される。
【0039】
図5は、本実施例におけるライセンス発行処理を示すフローチャートである。なお、図5の処理は、ライセンス要求処理部206(SC101のCPU)により実行される。
【0040】
まず、S901において、ライセンス要求処理部206は、処理キューの先頭からライセンス要求返却パケット800(図2(b))を取り出す。さらに、ライセンス要求処理部206は、パケットのライセンス要求/返却識別フィールド809によって、ライセンスの要求が指示されているパケット(フィールド809が「1」のパケット)を検索する。そして、ライセンス要求処理を指示するパケットが存在しない場合(S901でNo)、S901の処理を繰り返す。
【0041】
そして、ライセンス要求処理を指示するパケットが見つかった場合(S901でYes)、ライセンス要求処理部206は、キューにライセンス要求用のパケットがあると判断し、S902に処理を進める。
【0042】
S902では、ライセンス要求処理部206は、ライセンス要求のパケットをキューから取り出して解析し、要求ホスト、ホスト種別、実行ジョブ種、処理ページ数、及び、必要処理ブロックを特定する。
【0043】
次に、S903において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の情報を取得する。また、S904において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))をライセンス数決定部203より取得する。
【0044】
次に、S905において、ライセンス要求処理部206は、取得した情報を元に、ライセンス算出テーブル300(図2(a))から、ジョブが使用するライセンス数を取得する。本実施例では、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の管理モードに「排出CO2量」モードが設定されている場合を例に説明する。この場合、ジョブの使用ライセンス数は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))と、ライセンス要求返却パケットに含まれるホスト種別と使用する処理ブロックの情報から、使用ライセンス数Lを算出する。例えば、ホスト種別802の複合機、且つ、処理ブロック805〜808が「1」の処理ブロック単位ライセンス(CO2)を、ライセンス算出テーブル300から取得して合算した値を、使用ライセンス数Lとして算出する。
【0045】
例えば、図2(b)に示すパケットの場合、ホスト種別は「複合機1」、使用する処理ブロックは「画像処理」と「プリント」である。また、図2(a)に示すライセンス算出テーブル300の例では、「複合機1」の「画像処理単位ライセンス(CO2)」は「0.1」、「複合機1」の「プリント単位ライセンス(CO2)」は「1.2」である。よって、使用ライセンス数Lは、複合機1の画像処理単位ライセンス(CO2)である「0.1」と、複合機1のプリント単位ライセンス(CO2)である「1.2」の和として算出され、「0.1+1.2=1.3」となる。
【0046】
次に、S906において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上の値であるか否かを判定する。そして、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上の値でないと判定した場合(S906でNo)、ライセンス要求処理部206は、ライセンスを発行できないと判断し、S907に処理を進める。
S907では、ライセンス要求処理部206は、ライセンス要求返却パケットをキューに再度要求を詰めなおし、一旦、ライセンス要求に対する処理を停止し、その後、S901に処理を戻す。
【0047】
一方、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上の値であると判定した場合(S906でYes)、ライセンス要求処理部206は、ライセンスが発行できると判断し、S908に処理を進める。
S908では、ライセンス要求処理部206は、ジョブ実行時間予測部204が保持するジョブ実行時間予測テーブル600(図4(b))を参照する。そして、ライセンス要求処理部206は、パケットから取得した実行ジョブ種,ホスト種別が、ジョブ実行時間予測テーブル600のジョブ種,複合機種別となる単位処理時間を、1ページあたりのジョブ実行予測時間T1として取得する。
例えば、図2(b)に示すパケットの場合、実行ジョブ種は「カラープリント」、ホスト種別は「複合機1」であるので、ジョブ実行予測時間T1は「10(秒)」となる。
【0048】
次に、S909において、ライセンス要求処理部206は、ライセンスの有効期間Tlimを算出する。ライセンスの有効期間Tlimは、ジョブ実行予測時間T1に、パケットから取得した処理ページ数と調整値(本実施例では「1.5」)を乗算することにより算出される。即ち、「ライセンスの有効期間Tlim=ジョブ実行予測時間T1×処理ページ数×1.5」として算出される。
例えば、図2(b)に示すパケットの場合、処理ページ数が「20」となるので、ライセンスの有効期間Tlimは「10×20×1.5=300(秒)」となる。
次に、S910において、ライセンス要求処理部206は、現在時刻にライセンスの有効期間Tlimを加えてライセンスの有効期限を算出する。さらに、ライセンス要求処理部206は、算出した有効期限、及び、使用ライセンス数Lを、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701に登録する。なお、ライセンスIDについては、ライセンス詳細テーブル701内で一意のライセンスIDを登録する。また、ライセンス要求処理部206は、現在使用されているライセンス数と使用ライセンス数Lの和により、ライセンス管理テーブル700(図4(c))内の使用中ライセンス数を更新する。
【0049】
次に、S911において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス発行指示をライセンス発行部202に対して行うことで、ライセンス要求に対する返答を行い、S901に処理を戻す。なお、ライセンス発行指示には、ライセンス詳細テーブル701に登録したライセンスID、有効期限、ライセンス要求返却パケットに含まれていた要求ホスト、処理ブロックの情報を含むものとする。
ライセンス発行部202は、ライセンス発行指示を受けると、該ライセンス発行指示に基づいて、図2(c)のようなライセンスパケット1000を生成し、ライセンスを要求した複合機(ライセンス発行指示に含まれる要求ホスト)に送信する。
【0050】
図2(c)は、本実施例のライセンスパケット1000を示す図である。
図2(c)において、1001はライセンスIDであり、図5のライセンス発行処理の結果、ライセンス詳細テーブル701(図4(c))上に記憶されたIDがセットされる。1002はライセンスの有効期限であり、これも同様に図5のライセンス発行処理の結果、ライセンス詳細テーブル701(図4(c))上に記憶された有効期限がセットされる。1003〜1006は供給するライセンスの詳細を示すもので、1003〜1006のフィールドに「1」がセットされている処理ブロックについて、有効期限内であればライセンスを使用することができる(対応する処理ブロックを使用できる)。なお、1003〜1006のフィールドは、ライセンス要求パケットに含まれていた使用する処理ブロック805〜808に「1」がセットされていたフィールドに対応するフィールドに「1」がセットされ、その他のフィールドに「0」がセットされる。
【0051】
次に、本実施例におけるライセンス返却処理について、図6のフローチャートに従って説明する。このフローチャートのS1101の処理はライセンス要求処理部206により実行され、S1102〜S1107の処理はライセンス返却部205(SC101のCPU)により実行される。
【0052】
まず、S1101において、ライセンス要求処理部206は、処理キューの先頭からパケット800(図2(b))を取り出す。さらに、ライセンス要求処理部206は、パケットのライセンス要求/返却識別フィールド809によって、ライセンスの返却が指示されているパケット(フィールド809が「0」のパケット)を検索する。そして、ライセンス返却処理を指示するパケットが見つかった場合、ライセンス要求処理部206は、キューにライセンス返却用のパケットがあると判断し、該ライセンス返却用のパケットをライセンス返却部205に送る。
【0053】
ライセンス返却用のパケットを受け取ると、ライセンス返却部205は、S1102において、該ライセンス返却用のパケット800(図2(b))を解析し、要求ホスト、ホスト種別、実行ジョブ種、処理ページ数、及び、必要処理ブロックを特定する。
【0054】
次に、S1103において、ライセンス返却部205は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の情報(管理モード、ライセンス最大値、使用中ライセンス数、ライセンス詳細テーブル)を取得する。
【0055】
さらに、S1104において、ライセンス返却部205は、ライセンス返却用のパケット800から返却対象のライセンスID(図2(b)のライセンスIDフィールド810内の値)を取得する。
【0056】
さらに、S1105において、ライセンス返却部205は、S1104で取得したライセンスIDが、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701上に発行済みライセンスとして登録されているかどうかを判定する。
【0057】
そして、S1104で取得したライセンスIDが、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701に登録されていると判定した場合(S1105でYes)、ライセンス返却部205は、S1106に処理を進める。
【0058】
S1106では、ライセンス返却部205は、S1104で取得したライセンスIDに対応する情報(ライセンスID、使用ライセンス数、有効期限)を、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701から削除する。また、削除した使用ライセンス数を、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の使用中ライセンス数から減算した値で、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の使用中ライセンス数を更新する。このように処理することで、返却されたライセンスのライセンス数を、他の要求に対して提供可能な状態にする。そして、S1101に処理を戻す。
【0059】
一方、S1104で取得したライセンスIDが、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701に登録されていないと判定した場合(S1105でNo)、ライセンス返却部205は、S1107に処理を進める。
S1107でライセンス返却部205は、エラー処理を行い、S1101に処理を戻す。
管理装置としてのSC101は、上述のような動作を行って、各複合機102からライセンスの要求が行われた場合、ライセンスの返却が行われた場合について、適宜処理を行うことで、ライセンスを管理することができる。
【0060】
以下、複合機102の構成について説明する。
図7(a)において、CPU1203は、システムバス1201及び画像バス1209に接続されている。1202はROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。また本発明の各手段を実現するシステムソフトウェアはROM1202又は、蓄積メモリ1205にコンピュータ読み取り可能に記録されており、CPU1203で実行される。
【0061】
RAM1204は、CPU1203がソフトウェアを実行するためのシステムワークメモリエリアである。RAM1204には、読み取り部1212で読み取った画像データを記憶するためや、読み取った画像データをプリンタ部1213で印字可能な状態に処理する際に一時記憶するための画像メモリとしも使用される。蓄積メモリ1205は、画像データ、システムソフトウェアなどが記憶される。
【0062】
IO制御B部1207は、操作部1215とのインターフェース部で、操作部1215に表示する画像データを操作部1215に対して出力する。IO制御B部1207は、操作部1215から本システム使用者が入力した情報を、CPU1203に伝える。
【0063】
LAN(ローカルエリアネットワーク)I/F部1206は、LANと接続するためのI/F部であり、LANに接続された各機器との情報の入出力を行う。本実施例において、SC101との通信及び、ライセンスの要求、返却は、LAN I/F部1206を経由して行われる。また、LAN I/F部は、NW上に存在するクライアントPC103から、印刷ジョブを受け付けるデータ入力のためのI/Fとしても使われる。
【0064】
以上のデバイスがシステムバス1201上に配置される。
IO制御A部1208は、システムバス1201と画像データを高速で転送する画像バス1209を接続し、システムバス1201のデータ構造を変換するバスブリッジである。画像バス1209は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。
【0065】
画像バス1209には、画像入出力デバイスである読み取り部1212やプリンタ部1213、後処理部1214と、画像処理部1210が接続され、画像データの同期系/非同期系の変換等を行う。
【0066】
画像処理部1210は、入力及び出力画像データに対し解像度変換、圧縮伸張、2値多値変換などの画像処理を行う。読み取り部1212では、紙などの媒体から画像の読み込みを行い、画像処理部1210で必要な画像処理を施した後、画像バス1209を経由して、蓄積メモリ1205上に蓄積される。プリンタ部1213では、蓄積メモリ1205上に蓄積された画像を画像バス1209を介して読み出し、紙などの媒体上に画像を形成し、出力する。後処理部1214は、プリンタ部から出力された紙などの媒体に、ステイプル処理、折処理、断裁処理等の処理を行う。なお、画像処理部1210、読み取り部1212、プリンタ部1213、後処理部1214は、上述の処理ブロックに対応する。
【0067】
操作部1215は、LCDタッチパネル等から構成され、IO制御B部1207から出力される、VGA信号を解釈して表示する。また、操作部1215には、低電力状態1301からの復帰を指示するためのスイッチが設けられている。
【0068】
電力制御部1211は、画像処理部1210、読み取り部1212、プリンタ部1213、後処理部1214等に電力を供給する制御を行う。電力制御部1211は、画像処理部1210、読み取り部1212、プリンタ部1213、後処理部1214へは、各個独立して電力供給可能である。
また、電力制御部1211は、CPU1203等に電力が供給されていない状態であっても、操作部1215上の復帰指示スイッチや、NWからのパケット受信を検知し、処理に必要なCPU1203やROM1202、RAM1204等への電力供給し、処理を開始することが可能である。
【0069】
本実施例において、電力制御部は、ジョブの処理状況に応じて複数の状態をとることができ、電力制御は、図7(b)の1300の表にしたがって行われる。
図7(b)は、本実施例での複合機の電力制御の状態遷移図及び給電箇所を示す。
1300において、「○」は各処理ユニット部に電力が供給されている状態、「×」は電力非供給状態、「−」はライセンスによって電力の供給、非供給が切り替わる状態である。
【0070】
ユーザによって操作が行われていないとき、又は、ジョブの非実行時は、低電力状態1301(1301)を維持する。低電力状態1301において、複合機102は、1300に示すように、画像処理部1210、プリンタ部1213、読み取り部1212、後処理部1214、操作部1215の全てが、電力非供給状態となる。低電力状態1301においても、操作部1215上の低電力状態1301からの復帰を指示するスイッチや、NW上からのパケット到達等によるトリガ信号の処理部分だけには電力が供給される。
【0071】
トリガ信号が複合機102に入力されると、操作部1215上の入力受付が可能な、ジョブ受付状態1302に遷移する。ジョブ受付状態1302において、複合機102は、画像処理部1210、プリンタ部1213、読み取り部1212、後処理部1214が電力非供給状態となり、操作部1215が電力供給状態となる。ジョブ受付状態1302では、複合機102は、ユーザI/F(操作部1215)からの入力を受付けて、ジョブ実行受付や、ネットワークI/F(LAN I/F部1206)を通じて、SC101へのライセンス要求を行うことが可能である。
【0072】
ジョブ実行操作が操作部1215上から行われた、又は、NW上のクライアントPC103から印刷指示を受け取った場合、複合機102は、SC101にジョブ種に応じたライセンス要求を行う。
【0073】
ライセンスがSC101から供給されるまでは、複合機102はジョブ受付状態1302を維持し、SC101からライセンスが供給された場合、複合機102は稼動状態1303へと遷移する。稼動状態1303において、複合機102は、画像処理部1210、プリンタ部1213、読み取り部1212、後処理部1214がライセンスによって電力の供給/非供給が切り替わる状態となり、操作部1215が電力供給状態となる。稼動状態1303では、複合機102は、ライセンスに応じて各処理部に電力を供給し、ジョブ実行を行う。ジョブ実行が終了すると、複合機102は、ライセンスをSC101に返却し、即座に低電力状態1301に遷移する、又は、一定時間経過までジョブ受付状態1302に遷移し、経過後、低電力状態1301に遷移する。
【0074】
図8は、本実施例の複合機102の電力制御動作を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0075】
まず、CPU1203は、低電力状態1301では、操作部1215からの復帰指示又はNWパケット到達によるトリガ信号が入力されるまでは低電力状態1301を維持する(S1401)。そして、トリガ信号が入力されると(S1401でYes)、CPU1203は、ジョブ受付状態1302に遷移する(S1402)。
【0076】
ジョブ受付状態1302に遷移後、CPU1203は、NW上のクライアントPC又は操作部1215上からジョブ投入操作が行われたか否かを判定する(S1403)。そして、ジョブ投入操作が行われたと判定した場合(S1403でYes)、CPU1203は、S1404に処理を進める。
【0077】
S1404では、CPU1203は、指示(投入)されたジョブ実行の詳細を調べ、S1405において、指示されたジョブ種、使用予定の処理ブロックの情報を元に、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成する。この際、CPU1203は、ライセンス要求返却パケットのライセンス要求/返却のフィールド809を「1」にセットして生成したパケットを管理装置としてのSC101に送信する。
【0078】
次に、S1406において、CPU1203は、ライセンス(ライセンスパケット1000(図2(c)))が供給されるまで、ジョブ受付状態1302を維持する。
そして、ライセンスが供給されたと判定した場合(S1406でYes)、CPU1203は、ライセンス情報(ライセンスパケット1000(図2(c)))に応じた処理ブロック(ライセンスで使用を許可された処理ブロック)に電力を供給し(S1407)、稼動状態1303に遷移する(S1408)。
【0079】
次に、S1409において、CPU1203は、依頼されたジョブを実行し(詳細は図9に示す)、ジョブ実行終了後、各処理部への給電を停止する(S1410)。
そして、S1411において、CPU1203は、ライセンスをSC101に返却するためのライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成する。この際、CPU1203は、ライセンス要求返却パケットのライセンス要求/返却識別フィールド809を「0」、ライセンスIDフィールド810に返却するライセンスのライセンスIDをセットして生成したパケットを管理装置としてのSC101に送信する。そして、S1402に処理を戻し、ジョブ受付状態1302へと遷移する。
【0080】
また、S1403において、ジョブ実行依頼を受けていないと判定した場合(S14−3でNo)、CPU1203は、S1412に処理を進める。
S1412では、CPU1203は、ジョブ受付状態1302へ遷移してTh時間が経過したか否かを判定する。なお、低電力状態1301への閾値時間であるThは、各複合機ごとに設定可能であり、各機体のコンフィグレーションデータとして、ROM1202、又はROM1202上に記憶された値をRAM1204上に読み出して記憶されている。
【0081】
S1412において、ジョブ受付状態1302へ遷移して未だTh時間が経過していないと判定した場合(S1412でNo)、CPU1203は、S1403に処理を戻す。
【0082】
一方、S1412において、ジョブ受付状態1302へ遷移して既にTh時間が経過したと判定した場合(S1412でYes)、CPU1203は、S1413において、低電力状態1301に遷移するため、不要部分への給電停止を行う。さらに、S1414において、CPU1203は、低電力状態1301に遷移し、S1401に処理を戻し、再び、トリガ信号が入力されるまで待機する。
複合機102は、このフローチャートの電力制御処理を実行することにより、ライセンスに応じた電力制御を行うことができる。
【0083】
図9は、図8のS1409のジョブ実行処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
まず、S1501において、CPU1203は、処理対象の全ページ数Nを取得する。次に、S1502において、処理済みページ数Aを「0」で初期化する。
【0084】
その後、S1503において、CPU1203は、ライセンスとして、SC101から取得した、ライセンス情報(ライセンスパケット1000)の有効期限と、現在の時刻を比較し、ライセンスが有効期限内であるかどうかを判定する。
【0085】
そして、ライセンスが有効期限内でない(ライセンス有効期限が切れている)と判定した場合(S1503でNo)、CPU1203は、S1504において、ライセンスの再要求を行う。即ち、図8のS1405で作成したものと同様のライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成し、SC101に送信する。
【0086】
ライセンスの再要求後、CPU1203は、ジョブ処理時に給電している各処理ブロックに対して給電の停止を行い(S1505)、状態をジョブ受付状態1302に遷移させ(S1506)、S1503に処理を戻す。
【0087】
一方、S1503において、ライセンスが有効期限内であると判定した場合(S1503でYes)、CPU1203は、1ページ分処理を行い(S1507)、処理済ページ数Aを1だけ増加させる(S1508)。
【0088】
次に、S1509において、CPU1203は、処理済ページ数Aと処理ページ数Nの比較を行い、全ページ数の処理が終了している(A=N)か否かを判定する。
そして、S1509において、未だ全ページ数の処理が終了していない(A≠N)と判定した場合(S1509でNo)、CPU1203は、S1503に処理を戻し、次のページの処理を行う。
【0089】
一方、S1509において、全ページ数の処理が終了している(A=N)と判定した場合(S1509でYes)、元の処理に復帰する(図14のフローチャートに処理を戻す)。
以上のような処理を行うことで、複合機102は、SC101から発行される単位時間当たりの総排出CO2量や総消費電力量に応じた上限値にしたがった、ライセンス情報を元に、電源制御を行うことができる。これにより、システム全体につながる複合機の台数を減らすことなく、システム内の複合機全体の総排出CO2量や、総消費電力量を設定値以内に抑えることが可能となる。
【実施例2】
【0090】
実施例1の構成では、ジョブ受付状態1302から低電力状態1301への遷移は、各複合機が独自に判断し、制御を行っている(低電力状態への移行時間は各複合機で異なる)。なお、低電力状態1301とジョブ受付状態1302では、操作部1215等への電力供給は稼動状態1303と同様に行われているため、無駄な待機電力が発生してしまう可能性がある。また、ライセンスの有効期限が切れてしまった場合、無条件にライセンスの再要求を行ってライセンス待ち状態になってしまい、ユーザの待ち時間が増える可能性がある。以上の点を改善するための実施例を以下に述べる。
なお、本実施例の基本的な構成は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0091】
図10(a)は、実施例2においてライセンス切れ設定を行うための画面を示す図である。
画面1600は、各複合機102でのジョブ受付状態1302から低電力状態1301への遷移を行う閾値時間、及び、ライセンス有効期限切れ時の複合機102の動作を設定するための画面である。なお、画面1600は、ライセンス要求処理部206により表示される。
【0092】
1601は低電力状態への遷移時間を設定するための閾値時間を設定するためのフィールドである。このフィールド1601に入力された値に応じて、ライセンス要求処理部206は、各複合機102に低電力状態1301への遷移時間を設定する。
【0093】
1602〜1604はライセンス切れ時の動作を規定する無効時動作モードを設定するためのキー(無効時動作モード設定キー)である。キー1602押下時は、ライセンスの有効期限が切れた時でも処理中のジョブに対しては通常通りの動作を継続させる動作(通常動作モード)が各複合機102に設定される。キー1603押下時は、ライセンスの有効期限が切れた時には処理速度を落として低速で処理させる動作(低速動作モード)が各複合機102に設定される。キー1604押下時は、ライセンスの有効期限が切れ時にはジョブの実行を一旦停止させる動作(動作禁止モード)が各複合機102に設定される。なお、キー1602〜1604は、いずれか一つのみが選択状態になる。
【0094】
フィールド1601及びキー1602〜1604の設定後、OKキー1605が押下されると、ライセンス要求処理部206が、動作設定パケット1700(図10(b))を生成して、各複合機102に送付する。
【0095】
図10(b)は、実施例2における動作設定パケットを示す図である。
図10(b)に示すように、動作設定パケット1700は、無効時動作モードフィールド1701、低電力状態遷移閾値フィールド1702を有する。
無効時動作モードフィールド1701は、ライセンス無効時の動作モードを設定するフィールドであり、通常動作モード=001、低速動作モード=002、動作禁止モード=003のように、各動作モードに割り振ったIDを元に設定する。
【0096】
低電力状態遷移閾値フィールド1702は、ジョブ受付状態1302から低電力状態1301への状態遷移を行う閾値時間を設定するフィールドである。即ち、ジョブ実行後、この低電力状態遷移閾値フィールド1702に設定された閾値時間が経過した後、各複合機102は低電力状態1301に遷移する。
【0097】
動作設定パケット1700を受け取った各複合機102のCPU1203は、無効時動作モードフィールド1701の値を無効時動作モードM、低電力状態遷移閾値フィールド1702の値を低電力状態遷移閾値時間ThとしてRAM1204に記憶する。ここでRAM上に記憶された低電力状態遷移閾値時間Thは、図8のS1412で参照される閾値である。即ち、複合機102は、SC101からの動作設定パケット1700(図10(b))によって設定された時間の経過後に、低電力状態1301に遷移することが可能となる。
【0098】
以下、ライセンスの延長について説明する。
ライセンスの延長処理は、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))のライセンス要求/返却識別フィールド809に、延長を意味する「2」の値をセットして、複合機102からSC101に送信することによって行われる。なお、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))のライセンス要求/返却識別フィールド809以外のフィールドには、延長したいライセンスと同じ値を設定しておくものとする。
【0099】
ライセンスパケット1000を受け取った複合機102が、このライセンスの延長を要求する場合、図11の1800に示すようなライセンス要求パケットをSC101に送信するものとする。
【0100】
図11は、ライセンスを延長する際に複合機102からSC101に送信されるライセンス要求返却パケットを示す図である。
ライセンス延長時のライセンス要求返却パケットは、ライセンス要求時と、ライセンスIDフィールド810、及び、ライセンス要求/返却識別フィールド809の値が異なる。
ライセンスIDフィールド810には、延長したい対象のライセンスIDがセットされる。ライセンス要求/返却識別フィールド809には、「延長」を意味する「2」がセットされる。
【0101】
ライセンス要求/返却識別フィールド809に「2」がセットされたライセンス要求返却パケット800がSC101に受信され、キューから取得されると、ライセンス要求処理部206により図12に示すような延長処理が実行される。
【0102】
図12は、実施例2でのライセンス延長要求処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、ライセンス要求処理部206(SC101のCPU)により実行される。
【0103】
まず、S1901において、ライセンス要求処理部206は、取得した延長要求用のパケットのライセンスIDフィールド810から延長要求対象のライセンスIDを取得する。
【0104】
次に、S1902において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の情報を取得する。
【0105】
次に、S1903において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701を、S1901で取得したライセンスIDのキーで検索する。さらに、ライセンス要求処理部206は、ライセンスIDに対応するライセンス詳細情報を取得する。
【0106】
次に、S1904において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))からライセンス最大値と使用中ライセンス数を取得する。そして、ライセンス要求処理部206は、ライセンス最大値が使用中ライセンス数以上の値であるか否かを判定する。
【0107】
そして、ライセンス最大値が使用中ライセンス数以上の値でないと判定した場合(S1904でNo)、ライセンス要求処理部206は、そのままS1908に処理を進める。
【0108】
一方、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数以上の値であると判定した場合(S1904でYes)、ライセンス要求処理部206は、S1905に処理を進める。なお、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数以上の値であっても、ライセンスの空き待ちをしている複合機(ライセンスの取得要求)がある場合には、そのままS1908に処理を進めるようにしてもよい。
【0109】
S1905では、ライセンス要求処理部206は、ジョブ実行時間予測部204が保持するジョブ実行時間予測テーブル600(図4(b))を参照する。そして、ライセンス要求処理部206は、パケットから取得した実行ジョブ種,ホスト種別が、ジョブ実行時間予測テーブル600のジョブ種,複合機種別となる単位処理時間を、1ページあたりのジョブ実行予測時間T1として取得する。
【0110】
次に、S1906において、ライセンス要求処理部206は、ライセンスの有効期間Tlimを算出する。ライセンスの有効期間Tlimは、ジョブ実行予測時間T1に、パケットから取得した処理ページ数と調整値(本実施例では「1.5」)を乗算することにより算出される。即ち、「ライセンスの有効期間Tlim=ジョブ実行予測時間T1×処理ページ数×1.5」として算出される。
【0111】
次に、S1907において、ライセンス要求処理部206は、現在時刻にライセンスの有効期間Tlimを加えてライセンスの有効期限を算出する。さらに、ライセンス要求処理部206は、算出した有効期限で、S1903で検索したライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701のレコード(ライセンス詳細情報)を更新する。
【0112】
S1908では、ライセンス要求処理部206は、S1901で取得したライセンスIDに対するライセンス発行指示を、ライセンス発行部202に対して行うことで、ライセンス延長に対する返答を行う。なお、ライセンス発行指示には、S1901で取得したライセンスID、有効期限、ライセンス要求返却パケットに含まれていた要求ホスト、処理ブロックの情報を含むものとする。
なお、S1904にてYesと判断された場合には、ライセンス発行指示内の有効期限は、S1907で算出した有効期限(再計算した有効期限)とする。また、S1904にてNoと判断された場合には、ライセンス発行指示内の有効期限は、S1903で取得した有効期限(再計算していない元のままの有効期限)とする。
【0113】
以下、実施例2のジョブ実行処理について説明する。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
まず、S2001〜S2002の処理は、図9のS1501〜S1502と同様なので、説明を略する。
【0114】
S2003において、CPU1203は、ライセンスとして、SC101から取得した、ライセンス情報1000の有効期限と、現在の時刻を比較し、ライセンスが有効期限内であるかどうかを判定する。
そして、ライセンスが有効期限内でない(ライセンス有効期限が切れている)と判定した場合(S2003でNo)、CPU1203は、S2004において、ライセンス期間切れ処理(図14)を実行し、S2010に処理を進める。なお、ライセンス無効時の処理については、後述する図14で示す。
【0115】
一方、S2003において、ライセンスが有効期限内であると判定した場合(S2003でYes)、CPU1203は、S2005において、有効期限までの残り時間が1分以上か否かを判定する。なお、本実施例では1分を閾値時間としているが、閾値時間は1分間に限るものではない。例えば、閾時間をユーザが任意に設定することや、ライセンス獲得までの平均時間以下の場合に自動設定する、ということも可能である。
【0116】
S2005において、有効期限までの残り時間が1分以上でない(1分未満)であると判定した場合(S2005でNo)、CPU1203は、S2006に処理を進める。S2006では、CPU1203は、ライセンス延長要求用のパケット(図11)をSC101に向けて送信済みかどうかの判定を行う。
【0117】
そして、S2006において、ライセンス延長要求用のパケット(図11)をSC101に向けて送信済みでないと判定した場合(S2006でNo)、CPU1203は、S2007に処理を進める。S2007では、CPU1203は、ライセンス延長要求パケットを生成し、管理装置としてのSC101に送信し、S2008に処理を進める。即ち、複合機102は、ジョブの実行中に該ジョブを実行するためのライセンスの有効期限が特定時間以内(ここでは1分未満)になった場合にライセンスの有効期限の延長要求をSC101に行う。
【0118】
一方、S2006において、ライセンス延長要求用のパケット(図11)をSC101に向けて送信済みであると判定した場合(S2006でYes)、CPU1203は、そのままS2008に処理を進める。なお、S2006〜2007は、同一ライセンスに対する延長要求が連続してなされないようにするためである。
その後のS2008〜S2010の処理は、図9のS1507〜S1509と同様なので、説明を略する。
【0119】
以下、図14を用いて、図13のS2004のライセンス切れ時の動作を説明する。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
S2101において、CPU1203は、RAM1204上にラッチしている、SC101から指示された、無効時動作モードMを取得する。
次に、S2102において、CPU1203は、無効時動作モードMの値によって処理を分岐する。
【0120】
まず、S2102にて、無効時動作モードMが「002」、即ち、低速モード(第2動作モード)で処理を行うモードと判定した場合、CPU1203は、S2103において、複合機の動作モードを低速処理モードに設定し、S2104に処理を進める。低速処理モードの設定は、CPU1203に供給されるPLLからのクロックを下げたり、プリンタ部1213が印字するために用紙の搬送を行うためのモータの回転速度を落とすなどの設定変更により実現される。
【0121】
また、S2102にて、無効時動作モードMが「001」、即ち、通常動作モード(第1動作モード)で処理を行うモードと判定した場合、CPU1203は、そのままS2104に処理を進める。
その後のS2104〜S2105の処理は、図9のS1507〜S1508と同様なので、説明を略する。ただし、低速動作モードに設定されている場合は、ジョブの処理が遅くなる。なお、S2105の処理が終了すると、CPU1203は、元の処理に復帰する(図13のフローチャートに処理を戻す)。
【0122】
また、S2102にて、期限切れ時動作モードMが「003」、即ち、動作停止モード(第3動作モード)と判定した場合、CPU1203は、S2106に処理を進める。
S2106では、CPU1203は、処理ブロックへの給電停止を行い、ジョブ受付状態1302に遷移する。
次に、S2107において、CPU1203は、ライセンスの再発要求を行う。ライセンスの再発行要求は、現在保有しているライセンスをまず返却し、改めて残りの処理ページ数、及び、必要処理ブロック数等をセットした、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))をSC101に送信することによって行う。
【0123】
次に、S2108において、CPU1203は、ジョブ受付状態1302への遷移を行い、SC101から通知されている低電力状態1301への遷移閾時間が経過したか否かを判定する。
そして、ジョブ受付状態1302へ遷移して既に遷移閾時間が経過したと判定した場合(S2108でYes)、CPU1203は、S2109に処理を進め、低電力状態1301への遷移を行う。
【0124】
次に、CPU1203は、トリガ信号がONになるまで(ライセンスパケットの到着、又は、他のジョブ投入が起こるまで)、低電力状態1301を保持する(S2110)。
そして、ライセンスパケットの到着又は他のジョブ投入が起こり、トリガ信号がONになると、CPU1203は、ジョブ受付状態1302に遷移し(S2111)、S2108に処理を戻す。
【0125】
一方、ジョブ受付状態1302へ遷移して未だ遷移閾時間が経過していないと判定した場合(S2108でNo)、CPU1203は、S2112において、SC101から供給されるライセンスを取得済みか否か判定する。
【0126】
そして、SC101から供給されるライセンスを未だ取得していないと判定した場合(S2112でNo)、CPU1203は、S2108に処理を戻す。
一方、SC101から供給されるライセンスを取得済みと判定した場合(S2112でYes)、CPU1203は、S2113に処理を進める。
S2113では、CPU1203は、取得済みのライセンスに従って、再び必要な処理ブロックに電力供給を開始し、元の処理に復帰する(図13に処理を戻す)。
以上のような処理を行うことで、ライセンス期限切れを未然に防ぎ、ユーザの処理待ち時間を低減することができる。
【実施例3】
【0127】
実施例1,2では、ライセンスを一定の上限値にしたがって、全ての処理ブロックを共通の上限値によって管理することにしていた。しかしながら、環境によって、利用する機能にばらつきがある場合がある。その際、特定の機能については待ち時間を多くとってもよいケースや、逆に、待ち時間を取りたくないケースも考えられる。その場合は、処理ブロックごとに最大の上限値から、各処理ブロックに上限値を設けて、管理することができればユーザの利便性が上がる。
【0128】
また、これまでの例では、複合機102が要求するライセンスが全てそろわなければ、ジョブ実行を開始できなかった。しかしながら、各処理ブロックにライセンスの上限値を設定可能にした場合、特定の処理ブロックのライセンスの獲得容易度に差が生まれ、処理可能なライセンスが一括ではそろわないケースが存在しうる。そのため、複合機102では、ライセンスの一部のみがそろった状態で処理できる部分を逐次に分割処理できれば、全体的なスループットの向上が見込まれる。
【0129】
本実施例では、処理ブロック毎にライセンス上限値による管理及び、分割実行可能な例について詳述する。
図15(a)は、実施例3におけるSC101の内部ブロック図である。なお、図1(b)と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は省略する。
図15(a)において、2201はジョブ分割部である。ジョブ分割部2201は、複合機が要求するライセンスの全てを一括供給できない場合に、ジョブを単位ステップごとに分割する。
2202は、分割ライセンス発行部であり、ジョブ分割部2201が分割したステップ毎に、ステップ実行用のライセンスを発行する。本実施例では、ライセンス数決定部203は、各処理部に上限値を設定することが可能な構成となる。
【0130】
上限値設定は、管理装置であるSC101上の画面において、図15(b)の2300の画面を通じて行う。
図15(b)は、実施例3においてライセンス最大値を決定するための画面を示す図であり、図3の画面400と同一のものには同一の符号を付してある。
図15(b)において、2301−1〜2301−4は、ライセンスの割合を変更させたい処理ブロックを選択するためのキーであり、いずれか1つのみが選択状態になるように構成されている。また、選択状態のキーは、反転表示され、選択中の処理ブロックが一意に判別可能である。なお、キー2301−1〜2301−4には、各処理ブロックごとのライセンスの割合が表示されている。ここでは、それぞれ25ずつの割合となっている。
【0131】
2302は、各処理ブロックに割り当てるライセンスの割合を増減させるためのキーである。2301−1〜2301−4を選択後、2302の「+」を押せば選択されている処理ブロックの割合が増え、また、2302の「−」を押せば選択されている処理ブロックの割合が減少する。なお、全割り当て数の比率が「100」(又は「0」)を超えて設定されようとした場合は、警告を表示し、他の処理ブロックの割合を減らす(増やす)か、選択されている処理部に対しての増加(減少)処理が中止されるように構成されている。
【0132】
2303は自動調整を行うかどうかの選択スイッチである。スイッチ2303で自動調整が選択された場合、ライセンス算出テーブル300(図2(a))を参照し、各処理ブロックが消費する電力量又は排出するCO2量の比率に応じた自動的に割り当て設定するライセンス自動割当設定処理(図17)が行われる。また、スイッチ2303で自動調整が選択された場合、稼動率の高い処理部について自動で割合を、処理ブロック毎のライセンスの割当の総計を変更しない範囲で、増やしたり逆に減らしたりするライセンス数調整処理(図19)も行われる。
【0133】
なお、本実施例では、決定ボタン404の指示を検知することにより、ライセンス数決定部203は、スイッチ403−1又は403−2により選択された管理モードに対応する上限値に応じて、ライセンス最大値を決定する。また、ライセンス数決定部203は、キー2301−1〜2301−4に表示されている各処理ブロックごとのライセンス割合に応じて、処理ブロック毎のライセンス最大値を決定する。例えば、プリンタ部ライセンス最大値、読取部ライセンス最大値、画像処理部ライセンス最大値、後処理部ライセンス最大値を決定する。
【0134】
なお、決定されたライセンス最大値、及び、各処理ブロック毎のライセンス最大値は、図16(a)のライセンス数テーブル2400として、SC101のRAMに格納される。
【0135】
図16(a)に示すように、ライセンス数テーブル2400は、各処理ブロック部に独立してライセンスの最大値が設定される。また、ライセンス数テーブル2400には、選択スイッチ2303により自動調整がONに設定されたかOFFに設定されたかを示す情報が自動調整フィールドに設定される。
【0136】
以下、図17を用いて、ライセンス自動割当設定処理について説明する。このフローチャートの処理は、ライセンス数決定部203(SC101のCPU)により実行される。
【0137】
まず、S2501において、ライセンス数決定部203は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))を取得する。
次に、S2502において、ライセンス数決定部203は、画面2300で入力された管理モード、及び、管理モードに応じたライセンスの上限値(ライセンス最大値W)を決定する。
【0138】
次に、S2503において、ライセンス数決定部203は、S2502で取得した管理モードに応じて、ライセンス算出テーブル300(図2(a))から、全処理ブロックの単位ライセンス合計値Yを算出する。例えば、画面2300において、403−1が選択されて排出CO2量管理モードに設定された場合、ライセンス算出テーブル300のテーブルから、排出CO2に関する処理ブロック単位ライセンスのみを取得して合算し、該合算結果をYとする。
【0139】
次にS2504において、ライセンス数決定部203は、全処理ブロックの数(処理部数N)を取得する。本実施例では、プリンタ部(処理部ID=0)、読取部(処理部ID=1)、画像処理部(処理部ID=2)、後処理部(処理部ID=3)の4つになっているため、Nには4が設定される。なお、各処理ブロックの数と各処理部IDについては、予め管理者によりSC101の外部メモリに設定されているものとする。
【0140】
次に、S2505において、ライセンス数決定部203は、ライセンス上限値算出済み処理部数Xを「0」に初期化する。
次に、S2506において、ライセンス数決定部203は、ライセンス上限値算出済み処理部数Xと、処理部数Nを比較を行い、全処理部に対してライセンス上限値を算出済み(X=N)か否かを判定する。
そして、S2506において、未だ全処理部に対してライセンス上限値を算出済みでない(X≠N)と判定した場合(S2506でNo)、ライセンス数決定部203は、S2507に処理を進める。
【0141】
S2507では、ライセンス数決定部203は、S2502で取得した管理モードに応じて、ライセンス算出テーブル300(図2(a))から、処理部IDがX+1の処理ブロックの単位ライセンス合計値Zを算出する。
【0142】
次に、S2508において、ライセンス数決定部203は、処理部IDがX+1の処理ブロックのライセンス数最大値を、ライセンス最大値Wと、全処理部の単位ライセンス合計値Yに対する処理部IDがX+1の処理ブロックの単位ライセンス合計値Zの割合(Z/Y)から算出し、メモリ上に保持しておく。なお、本実施例では、処理部IDがX+1の処理ブロックのライセンス数最大値=W×Z/Yとするが、他の重みづけを持たせることも可能である。また、各複合機の処理ブロック単位ライセンスの平均値で算出し、割合を決定する構成もありうる。
【0143】
次に、S2509において、ライセンス数決定部203は、処理部IDを1増やし、S2506に処理を戻し、全処理ブロックに対して、ライセンス数の算出が終わるまで処理を繰り返す。
【0144】
そして、S2506において、全処理部に対してライセンス上限値を算出済みである(X=N)と判定した場合(S2506でYes)、ライセンス数決定部203は、S2510に処理を進める。
【0145】
S2510では、ライセンス数決定部203は、メモリ上に保持した各処理ブロックのライセンス上限値等を用いて、ライセンス数テーブル2400(図16(a))を生成し、自動割り当て処理を終了する。
【0146】
本実施例では、ライセンス要求処理部206は、ライセンス数テーブル2400(図16(a))から、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))を生成し、保持する。
【0147】
図16(b)に示すように、実施例3のライセンス管理テーブル2600では、使用中ライセンス数が各処理ブロック毎に記憶される。また、ライセンス管理テーブル2600の自動調整フィールドに、画面2300の選択スイッチ2303により自動調整がONに設定されたかOFFに設定されたかを示す情報が記憶される。
【0148】
また、ライセンス詳細テーブル2601には、分割実行中かどうかを示す分割実行フィールドと、分割ジョブID、実行済みステップを記録するフィールドが設けられている。なお、これらのフィールドの詳細は後述する。
【0149】
以下、図18を用いて、実施例3におけるライセンス発行依頼処理について説明する。図18の処理は、ライセンス数決定部203(SC101のCPU)により実行される。なお、基本的な流れは図5に示した実施例1のライセンス発行依頼処理と同様である。
【0150】
まず、ライセンス要求処理部206は、処理キューにライセンス要求用のパケットが到着した場合(S2701でYes)、ジョブ情報を解析し(S2702)、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))を取得する(S2703)。
【0151】
さらに、ライセンス要求処理部206は、ジョブで使用する全処理ブロックにライセンス供給可能であれば(S2704でYes)、一括実行ライセンス供給処理を実行する(S2705)。この一括実行ライセンス供給処理(S2705)では、ライセンス要求処理部206は、図5のS908〜S911のように、ライセンス有効期間を算出し、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))を更新し、ライセンス発行指示をライセンス発行部202に行う。なお、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))の更新では、各処理ブロック毎の使用中ライセンス数を更新し、ライセンス詳細テーブル2601の分割実行フィールド及び実行済みステップフィールドにはそれぞれ「0」をセットし、分割ジョブIDフィールドにも「0」をセットする。
【0152】
一方、ジョブで使用する少なくとも1つの処理ブロックにライセンス供給可能でないと判定した場合(S2704でNo)、ライセンス要求処理部206は、S2706で、ライセンス数決定部203にライセンス数の自動調整を行うように指示する。即ち、ライセンスを発行すると、少なくとも1つの処理ブロックの使用中ライセンス数がライセンス最大値を超えてしまう場合には、ライセンス数の自動調整を行うように指示する。この指示を受けた、ライセンス数決定部203はライセンス数自動調整処理(図19)を実行する。
【0153】
そして、ライセンス数の自動調整が終わると、S2707において、ライセンス要求処理部206は、S2706の自動調整の結果、全使用ブロックにライセンス供給可能になったか否かを判定する。そして、全使用ブロックにライセンス供給可能になったと判定した場合(S2707でYes)、ライセンス要求処理部206は、上述した一括実行ライセンス供給処理を行う(S2705)。
【0154】
一方、S2707の自動調整処理を行っても、全使用ブロックにライセンス供給可能になっていないと判定した場合(S2707でNo)、ライセンス要求処理部206は、S2708に処理を進める。S2708では、ライセンス要求処理部206は、ジョブ分割部2201に、ジョブ分割実行処理(図20)を行うように指示する。
【0155】
以下、図19を用いて、S2706のライセンス数自動調整処理について説明する。図19の処理は、ライセンス数決定部203(SC101のCPU)により実行される。
【0156】
まず、S2801において、ライセンス数決定部203は、ライセンス管理テーブル2600の自動調整フィールドにONが設定されているか否かを判定する。そして、自動調整フィールドにONが設定されていないと判定した場合(S2801でNo)、ライセンス数決定部203は、ライセンス数テーブル2400(図16(a))の再生成を行わず、図18のフローチャートに処理を戻す。
【0157】
一方、自動調整フィールドにONが設定されていると判定した場合(S2801でYes)、ライセンス数決定部203は、S2802に処理を進める。
S2802では、ライセンス数決定部203は、ライセンスの上限値をオーバーして要求が行われた処理ブロックの処理部IDを示すXを取得する。なお、ライセンスの上限値をオーバーして要求が行われた処理ブロックが複数存在する場合には、いずれかの処理部IDを取得する。
【0158】
次に、ライセンス数決定部203は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))と、ライセンス数テーブル2400(図16(a))を取得する(S2803,S2804)。
【0159】
次に、S2805において、ライセンス数決定部203は、処理部IDがX以外の処理ブロックで、最大ライセンス数−使用中ライセンスの値が最も大きい処理ブロックのIDを示すYを決定する。
【0160】
次に、S2806において、ライセンス数決定部203は、X、Yに設定されているライセンス数が、システムとして決めている上限値及び下限値の範囲を超えていない(最小値以上、且つ、最大値未満)かどうかを判定する。なお、上限値(最大値)、下限値(最小値)は、ユーザの設定値、又は、ライセンス形態によって前もって決められ、SC101の外部メモリに格納されているものとする。
そして、X、Yに設定されているライセンス数の双方が、システムとして決めている上限値及び下限値の範囲内である(最小値以上、且つ、最大値未満)と判定した場合(S2806でYes)、S2807,S2808に処理を進める。
【0161】
S2807,S2808では、ライセンス数決定部203は、処理ブロックIDがXのライセンス数を増加し、処理IDがYのライセンス数を減少させ、S2809に処理を進める。なお、ここで増加、減少させるライセンス数の数は、予め決められた値(例えば「1」)であってもよいし、ユーザにより設定されてSC101の外部メモリに格納されている値でもよい。
【0162】
一方、X、Yに設定されているライセンス数の少なくとも1つが、システムとして決めている上限値又は下限値の範囲を超えている(最小値以下、又は、最大値以上)と判定した場合(S2806でNo)、ライセンス数決定部203は、S2809に処理を進める。
S2809では、ライセンス数決定部203は、ライセンス数テーブル2400(図16(a))の再生成を行い、ライセンス自動調整処理を終了する。
【0163】
以下、図20を参照して、S2708のジョブ分割実行処理について説明する。このフローチャートのS2901の処理はジョブ分割部2201により実行され、S2902〜S2911の処理は分割ライセンス発行部2202により実行されるものである。即ち、このフローチャートの処理は、SC101のCPUにより実行されるものである。
まず、S2901において、ジョブ分割部2201は、ジョブを分割実行するための分割ジョブテーブル3000(図21(a))を生成する。
【0164】
図21(a)において、3001は分割ジョブ識別のためのIDであり、生成された順番にしたがって、一意にIDが生成され、付与される。3002は分割ステップ数であり、このステップ数に応じて、3004〜300Nまで、ステップ番号と、ステップで必要なライセンス数が記録される。3003は各ホスト識別のためのIDであり、ライセンス数供給可能かどうかの判別の際に、用いられる。
【0165】
3004〜300Nは、ステップ実行時の各ステップで実行するジョブ種別と、必要なライセンス数を記録している。Nステップに分割した場合、実行ジョブ種と、必要ライセンス数のフィールドがN個の組み合わせで生成される。図21(a)に示した例では、コピージョブを原稿読取を行うスキャンと、印刷処理を行うプリントの2つのジョブに分割した場合を示す。
以下、図20のフローチャートの説明に戻る。
【0166】
分割ジョブテーブル3000を生成すると、ジョブ分割部2201は、生成した分割ジョブテーブル3000を分割ライセンス発行部2202に渡す。
分割ジョブテーブル3000を受けると、分割ライセンス発行部2202は、S2902において、分割ステップ数Snを取得する。Snは、分割ジョブテーブル3000の、分割ステップ数フィールドを参照することで得られる。次に、S2903において、分割ライセンス発行部2202は、処理済ステップ数Saを「0」に初期化する。
【0167】
次に、S2904において、分割ライセンス発行部2202は、処理済ステップ数Saと分割ステップ数Snの比較を行う。そして、SaとSnが等しくない(Sa≠Sn)と判定した場合(S2904でNo)、分割ライセンス発行部2202は、S2905において、処理済ステップ数Saを1増加させる。
【0168】
次に、S2906において、分割ライセンス発行部2202は、Saのステップに関する情報を取得し、分割ジョブテーブル3000(図21(a))中のホスト種別3003と、ステップNoから、必要なライセンス数Lnをライセンス算出テーブル300(図2(a))より求める。例えば、Saが「1」の場合、図21(a)に示した例では、ホスト種別3003が「複合機1」、ステップNo001必要ライセンス数が「スキャン:1,画像処理:1」となる。また、ライセンス算出テーブル300(図2(a))の例では、複合機1のスキャン単位ライセンス(CO2)は「0.4」、画像処理単位ライセンス(CO2)は「0.1」である。よって、必要なライセンス数Lnは(読取部ライセンス:0.4,画像処理ライセンス:0.1)と求められる。
【0169】
次に、S2907において、分割ライセンス発行部2202は、Saのステップに必要なライセンス数Lnを供給可能であるか判定する。そして、Saのステップに必要なライセンス数Lnを供給可能であると判定した場合(S2907でYes)、分割ライセンス発行部2202は、S2908に処理を進める。
【0170】
S2908では、分割ライセンス発行部2202は、ライセンスパケット3100(後述する図21(b))を生成してライセンス要求元の複合機102に送信する。この際、分割ライセンス発行部2202は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))のライセンス詳細テーブル2601の情報を更新する。詳細には、Sa=「1」の場合は、分割ライセンス情報を新規にライセンス詳細テーブル2601に登録し、Sa≠「1」の場合は、ライセンス詳細テーブル2601の分割ジョブIDが対応するレコードの使用ライセンス数、有効期限の情報を更新する。
【0171】
次に、S2909にて、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))のライセンス詳細テーブル2601の分割ジョブIDが対応するレコードの実行済みステップを調べて、Saのステップが「実行済み」になるまで待つ。そして、Saのステップが「実行済み」になったと判定した場合(S2909でYes)、ライセンス要求処理部206は、次のステップを実行するため、S2904に処理を戻す。
【0172】
そして、SaとSnが等しい(Sa=Sn)と判定した場合(S2904でYes)、ライセンス要求処理部206は、全ステップを実行したと判断し、S2910に進める。
S2910では、ライセンス要求処理部206は、ジョブを終了させ、S2911において、処理終了した分割ジョブテーブルを削除し、ジョブ分割実行処理を終了する。
【0173】
本実施例のライセンスパケット3100の構造は図21(b)のようになる。
本実施例のライセンスパケット3100は、実施例1のライセンスパケット1000(図2(c))に比較して、分割ジョブID3107と、分割ジョブステップ番号3108、分割ジョブ種別3109が追加された構成となっている。なお、3101〜3106は、一括実行用のライセンスパケット1000(図2(c))の1001〜1006と同一である。
【0174】
分割ジョブID3107には、分割ジョブテーブルの分割ジョブIDがセットされる。分割ジョブステップ番号3108、及び、分割ジョブ種別3109には、SC101がジョブを分割し、実行を指示するステップ番号、及び、ジョブ種別が設定され、複合機102に送信される。
また、分割ライセンスを返却するための、ライセンス要求返却パケットの構造は図21(c)の3200のようになる。
ステップが1つ終了するたびに、複合機102からは、本実施例のライセンス要求返却パケット3200(図21(c))がSC101に送信される。
【0175】
図21(c)は、実施例3のライセンス要求返却パケットの構成を示す図である。
本実施例のライセンス要求返却パケット3200と、実施例1のライセンス要求返却パケット800(図2(b))との差分は、ライセンス要求/返却のフィールド3201に、分割実行ライセンスの返却を意味する「3」がセットされ、分割実行ライセンスで供給された、分割ジョブID3202と、分割ジョブのステップ番号3203が付与されたことである。
【0176】
ライセンス要求/返却のフィールド3201が「3」のパケットがSC101に到達した際、SC101は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))のライセンス詳細テーブル2601の情報を更新し、実行済みステップ数に、返却されたパケットの分割ジョブステップ番号をセットする。
実行済みステップ数が変更されると、図20のS2909で返却済みになったと判断可能となる。
また、複合機102は、全ステップ実行終了後は、通常のライセンス返却用のライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成し、SC101に送付する。
【0177】
次に、図22を参照して、複合機102側のジョブ実行処理について説明する。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0178】
まず、S3301〜S3306については、図8のS1401〜S1406と同一であるので説明は割愛する。
S3307において、複合機102のCPU1203は、取得したライセンスパケット3100(図21(b))をメモリ上に一旦蓄積し、ライセンス情報として保持する。さらに、CPU1203は、ライセンス情報の、分割ジョブID3107の値に基づいてライセンスが一括実行可能か否かを判定する。
【0179】
CPU1203は、ライセンス情報の分割ジョブID3107が「0」の場合、ライセンスは一括実行可能なライセンスであると判定し(S3307でYes)、S3808において、通常通りの一括ジョブ実行(図9)を行う。
【0180】
一方、CPU1203は、ライセンス情報の分割ジョブID3107が「0」でない値の場合、ライセンスは一括実行不可能なライセンスであると判定し(S3307でNo)、S3809において、分割ジョブ実行処理(図23)を行う。
そして、S3808又はS3809でジョブ実行後、S3302に処理を戻し、ジョブ受付状態1302へと遷移する。
【0181】
以下、図23を用いて、図22のS3309の分割ジョブ実行処理について説明する。
このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
分割ジョブ実行では、まず、S3401において、CPU1203は、ライセンス情報から給電可能な処理部(処理ブロック)の情報を取得し、該取得した給電可能な処理部(処理ブロック)の情報に対応する各処理部への電力供給を行う(S3402)。
【0182】
次に、S3403において、CPU1203は、処理対象とするページ数Nを取得し、S3405において、処理済ページ数をMとし、処理済ページ数Mに「0」を設定する。
次に、S3405において、CPU1203は、処理済ページ数Mと処理ページ数Nの比較を行い、分割ステップ実行の1ステップが終了した(M=N)か否かを判定する。
そして、S3405において、未だ全ページ数の処理が終了していない(M≠N)と判定した場合(S3405でNo)、CPU1203は、S3406に処理を進める。
S3406では、CPU1203は、S3401で取得したライセンス情報で指示されたジョブの処理を1ページ分実行し、処理済ページ数Mに「M+1」をセットし、処理済みページ数Mを増加させ、S3405に処理を戻す。
【0183】
そして、S3405において、分割ステップ実行の1ステップが終了した(M=N)と判定した場合(S3405でYes)、CPU1203は、S3407において、ライセンス情報にしたがって供給している電力の供給を停止する。即ち、CPU1203は、S3402で電力供給を開始した各処理部(処理ブロック)への電力供給を停止する。
【0184】
次に、S3408において、CPU1203は、ステップ実行ライセンスの返却を行う。ステップ実行ライセンスの返却は、前述したとおり、図21(c)の3200に示したようなライセンス要求返却パケット(ライセンス要求/返却のフィールド3201に「3」がセットされている)をSC101に送信することにより行う。
【0185】
ステップ実行ライセンス返却した後、S3409において、CPU1203は、全ステップの実行が完了してジョブが終了したか否かの判定を行う。
そして、未だ実行するステップが残っておりジョブが終了していないと判定した場合(S3409でNo)、CPU1203は、次の分割実行ライセンスが供給されるまで待機する(S3411)。そして、次の分割実行ライセンスを取得したと判定した場合(S3411でYes)CPU1203は、S3401に処理を戻し、次のステップを実行する。
【0186】
一方、S3409において、既に全ステップの実行が完了してジョブが終了したと判定した場合(S3409でYes)、CPU1203は、S3410において、ライセンス返却を行う。ライセンスの返却は、前述したとおり、図21(c)のライセンス要求返却パケット(ただし、ライセンス要求/返却のフィールド3201に「0」がセットされている)をSC101に送信することにより行う。そして、ライセンスを返却すると、元の処理に戻る(図22のフローチャートに処理を戻す)。
【0187】
以上示したように、本実施例では、各部位に一括でライセンスが確保できない場合においても、ジョブの分割実行を複合機に指示して、複合機でジョブを分割実行する構成とする。この構成により、ライセンス待ちが起こる可能性を少なくして、ユーザの待ち時間を減らし、全体的なスループットを向上させることができる。
【実施例4】
【0188】
例えば、故障時のレポートプリントや、管理者による、管理情報のレポートプリントなど、特殊な条件下で、印刷を行う場合、ライセンスによるデバイスの電源制御を行いたくない場合も存在する。そのような場合の処理について、本実施例で説明する。
本実施例の構成は上述した実施例1と同様の部分も多いため、差分のみを説明する。
【0189】
まず、本実施例のライセンス発行処理について図24を用いて説明する。このフローチャートの処理は、ライセンス要求処理部206(SC101のCPUにより)実行される。
【0190】
まず、S3501〜S3505は、図5のS901〜S905と同一であるので説明は省略する。
次に、S3506において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス要求のパケットから特定した実行ジョブ種が、前もって設定された特殊ライセンス対象ジョブであるか否かを判定する。そして、実行ジョブ種が特殊ライセンス対象ジョブでないと判定した場合(S3506でNo)、ライセンス要求処理部206は、S3507に処理を進める。
【0191】
一方、実行ジョブ種が特殊ライセンス対象ジョブであると判定した場合(S3506でYes)、ライセンス要求処理部206は、S3513において、S3505で算出されている使用ライセンス数Lに「0」をセットし、S3507に処理を進める。
以後のS3507〜S3512は、図5のS906〜S911と同一である。
【0192】
なお、特殊ライセンス対象ジョブの場合、S3513で、使用ライセンス数Lが「0」をセットされているため、ライセンス要求処理部206では、そのジョブでどのような処理部を使用するものであっても使用ライセンス数がゼロと判断する。よって、この場合、常に、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上(S3507でYes)となり、ライセンス要求処理部206は、ライセンスを発行できると判断し、ライセンスを発行する。よって、特殊ライセンス対象ジョブの場合、必ずライセンスが発行される。したがって、複合機102側では、SC101が有するライセンス数に左右されず、必ずジョブ実行を行うことができる。即ち、複合機102は、特殊ライセンス対象ジョブの場合、使用中のライセンス数がライセンス最大値を超えてしまうか否かに関係なく、ライセンスを発行する。
【0193】
以下、特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理について説明する。
特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理は、SC101上で動作するアプリケーションプログラムにより行われる。このアプリケーションプログラムは、図25に示すような画面3600をSC101上の表示装置に表示する。
【0194】
図25は、特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理するための画面(非管理ジョブ種設定画面)を示す図である。
図25において、3601は非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種;特殊ライセンスとしてライセンス管理対象からはずすジョブ種)のリストである。
3602は、全ジョブ種が表示されるリストであり、リスト3602で選択されたジョブ種は反転表示される。リスト3602で反転表示されたジョブ(リスト3602で選択されたジョブ種)を非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)に設定したい場合は、キー3603を押下する。この操作によって、リスト3602で選択されたジョブ種を、非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)のリスト3601に加えることができる。
【0195】
逆に、非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)から、管理ジョブ種に戻したい場合は、非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)のリスト3601でジョブ種を選択し、キー3404を押下する。この操作によって、特殊ライセンス対象ジョブ種リスト3601で選択されたジョブ種を、管理対象とすることができる。
【0196】
3605は決定ボタンである。決定ボタン3605の指示を、アプリケーションプログラムが検知すると、アプリケーションプログラムは、特殊ライセンス対象ジョブ種リスト3601に設定されたジョブ種の情報を、特殊ライセンス対象ジョブ種として、SC101の外部メモリに格納する。これにより、特殊ライセンス対象ジョブ種リスト3601に設定されたジョブ種に対応するジョブは、図24のS3506で特殊ライセンス対象ジョブであると判定される。
【0197】
以上のように構成することで、特定のジョブに対しては、ライセンス管理対象外として、無条件にライセンスを発行することにより、ライセンス管理の影響を受けることなく、複合機102でジョブ実行が可能となる。
【0198】
以上示したように、本発明によれば、システム全体につながる画像形成装置の台数を減らす等のユーザの利便性を損なうことなく(ユーザに与えるデメリットを最低限に抑え)、効率的に画像形成装置による環境への影響を管理することができる。例えば、システム内の複数の画像形成装置の消費電力量等のエネルギー消費量、排出CO2量等を効率よく管理することができる。
【0199】
また、本発明では、ライセンスに有効期限を設けているため、例えば、ネットワーク切断や、不慮のトラブルによって、ライセンスを返却することなく画像形成装置が停止した場合でも、有効期限が切れた後には、そのライセンスを他のデバイスに供給できる。
【0200】
また、本発明の実施例2では、印字する紙などの印字媒体切れ、紙詰まり等により、ジョブの実行完了が著しく遅れてしまっても、ライセンスの有効期限が切れる前に有効期限を延長することができる。この構成により、ライセンスの有効期限切れを未然に防ぎ、ユーザの処理待ち時間を低減できる。
【0201】
また、本発明の実施例3では、ジョブで使用する全ての部位(処理ブロック)分のライセンスが一括で確保できない場合でも、ジョブを分割してライセンス発行する構成を有する。この構成により、ジョブを分割して実行でき、ユーザの待ち時間を減らし、ライセンス待ちが起こる可能性を少なくし、画像形成装置のパフォーマンス低下を抑え、全体的なスループットを向上させることができる。
【0202】
また、本発明の実施例4では、特定のジョブに対しては、ライセンス管理対象外として、無条件にライセンスを発行する構成を有する。この構成により、特定のジョブに対しては、ライセンス管理の影響を受けることなく、複合機でジョブ実行が可能となる。例えば、故障発生時や緊急的に印刷しなければならない種類のジョブを特定のジョブとして設定しておくことで、この種類のジョブは、ライセンスフル状態の場合でも、印刷不能状態に陥ることなく実行することができる。
【0203】
従って、本発明は、電量消費量や排出CO2量等の環境へ影響を与える指標の上限値管理を行いつつも、ユーザの待ち時間を最低限に抑えることができる。また、ジョブ実行には必要な処理ブロックのみに電力を供給可能に制御し、ジョブ実行に不要な電力を供給させないことで、画像形成装置が消費する電力や排出するCO2量を低減させることができ、画像形成装置による環境への影響を効率よく管理することができる。
【0204】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0205】
以上より、CO2排出量や消費電力等の上限値に応じて、システムトータルで制御を行うことができ、また、上限値管理を行うことで、ユーザに与えるデメリットを最低限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0206】
101 SC(管理装置)
102−1〜102−3 複合機
103−1〜103−2 クライアントコンピュータ
104 ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置の管理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク上に複数台の画像形成装置が接続される環境が一般的になっている。
しかし、ネットワーク上の複数台の画像形成装置が同時に電源ONの状態であると、消費電力が増大してしまう。この課題を解決するために、特許文献1では、過去のジョブの実行履歴等から、ある期間に同時に電源ONの状態になりうる画像形成装置の台数を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−173690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の技術は、サーバが画像形成装置の電源のON/OFFを一括して管理するので、電源OFFの画像形成装置を使用したいユーザは、その画像形成装置がサーバーにより電源ONとされるまで待機するしかなく、使い勝手の良いものとはいえなかった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、同時にジョブを実行する画像形成装置が与える環境への影響を制限しつつ、ユーザは使用したい画像形成装置を適切に使用して印刷ジョブを実行できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の画像形成装置のジョブ実行を管理する情報処理装置であって、画像形成装置でジョブを実行する場合に前記画像形成装置から送信される前記ジョブの実行を許可するライセンスの取得要求に応じて、前記ライセンスを前記画像形成装置に発行する発行処理手段と、前記複数の画像形成装置全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を記憶管理する管理手段と、前記ジョブを終了した前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの返却要求に応じて、前記管理手段で管理される前記発行済みのライセンス数を減算する返却処理手段とを有し、前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの利便性を損なうことなく、複数の画像形成装置のジョブ実行を効率よく管理することができる。そして、複数の画像形成装置全体が与える環境への影響(例えば、消費電力量等のエネルギー消費量や、排出二酸化炭素量等)を抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の情報処理装置を適用可能な画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】ライセンス算出テーブル、ライセンス要求返却パケット、ライセンスパケットを示す図である。
【図3】ライセンス数を決定するための画面を示す図である。
【図4】ライセンス数テーブル、ジョブ実行時間予測テーブル、ライセンス管理テーブルを示す図である。
【図5】ライセンス発行処理を示すフローチャートである。
【図6】ライセンス返却処理を示すフローチャートである。
【図7】複合機の内部構成、電力制御の状態遷移及び給電箇所を示す図である。
【図8】電力制御処理を示すフローチャートである。
【図9】ジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図10】ライセンス切れ設定を行うための画面を示す図である。
【図11】ライセンス要求返却パケットを示す図である。
【図12】ライセンス延長要求処理を示すフローチャートである。
【図13】ジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図14】ライセンス期限切れ時処理を示すフローチャートである。
【図15】サーバコンピュータの機能構成、ライセンス最大値を決定するための画面を示す図である。
【図16】ライセンス数テーブル、ライセンス管理テーブルを示す図である。
【図17】ライセンス数自動設定処理を示すフローチャートである。
【図18】ライセンス発行処理を示すフローチャートである。
【図19】ライセンス数自動調整処理を示すフローチャートである。
【図20】ジョブ分割実行処理を示すフローチャートである。
【図21】分割ジョブテーブル、ライセンスパケット、分割実行時のライセンス要求返却パケットを示す図である。
【図22】電力制御処理を示すフローチャートである。
【図23】分割実行処理を示すフローチャートである。
【図24】ライセンス発行処理を示すフローチャートである。
【図25】特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理するための画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について詳述する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、複数台の画像形成装置としての複合機が複数台と、1台の管理装置がネットワーク上に存在する場合について説明する。しかし、複合機が1台の場合や、複数の管理装置が同一ネットワーク上に存在する構成を本発明から除くものではない。
【0011】
図1(a)は、本発明の情報処理装置を適用可能な画像形成システムの構成図である。
図1(a)において、101は管理装置(本発明の情報処理装置)としてのサーバコンピュータ(以下、SC101)、102−1〜102−3は画像形成装置としての複合機である。複合機102−1〜102−3は、読取、印刷、電子画像生成処理、後処理等の機能を備えており、読み取り部、プリンタ部、画像処理部、後処理部等の処理ブロックを持つ。さらに、複合機102−1〜102−3は、ユーザが複写や電子データ生成を指示するためのLCDタッチパネル等で構成されたユーザインタフェース(操作部)を持つ。
【0012】
103−1〜103−2はクライアントコンピュータで、複合機102−1〜102−3に印刷ジョブの投入を行う。SC101、複合機102−1〜102−3(以下、複合機102)、クライアントコンピュータ103−1〜103−2は、ネットワーク104(以下、NW104)を介して通信可能に接続される。
【0013】
複合機102は、特にユーザからジョブ実行の依頼が無い場合、各処理ブロックへの通電を行わない、低電力状態1301(後述する図7(b))を維持する。複合機102は、クライアントコンピュータ103からの印刷ジョブ実行指示、又は、複合機自身のユーザインタフェースから、低電力状態1301からの復帰が指示された場合、ジョブ受付状態1302(図7(b))に遷移する。
【0014】
ジョブ受付状態1302に遷移後、複合機102は、SC101にライセンス取得を要求する。そして、ライセンス取得結果に応じて、複合機102は、稼動状態1303(図7(b))に遷移し、各処理ブロックについて、通電を行う。ジョブ実行後、複合機102は、各処理ブロックへの通電をカットし、再度、低電力状態1301に遷移する。
【0015】
図1(b)は、本実施例のSC101の機能構成を示すブロック図である。
図1(b)において、201〜206は、SC101の機能部である。機能部201〜206は、SC101内のCPUがSC101内の外部メモリにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0016】
201はネットワークI/F部である。NW104上の複合機からライセンス要求の依頼、及び、ライセンス供給は、ネットワークI/F部201を経由して行われる。202はライセンス発行部、203はライセンス数決定部、204はジョブ実行時間予測部、205はライセンス返却部、206はライセンス要求処理部である。
【0017】
ライセンス要求処理部206は、各機能部201〜205を使用してライセンス供給、及び、ライセンス数の管理を行う。なお、ライセンス供給は、複合機102から送信されるライセンス要求返却パケット800(図2(b))の受信に応じて行われる。ライセンス発行部202は、ライセンス要求処理部206からのライセンス発行指示により、ライセンスを発行する。ライセンス返却部205は、複合機102から返却されたライセンスの返却処理を行う。
【0018】
次に、ライセンス数決定部203について説明する。
ライセンス数決定部203は、予めSC101上で設定されたライセンス形態に応じて、最大供給可能なライセンス数(複合機102−1〜102−3全体(複数の画像形成装置全体)で発行可能なライセンスの上限値を示すライセンス最大値)を決定する。ライセンス最大値は、例えば、単位時間の排出二酸化炭素量(以下、排出CO2量)や消費電力量等の環境への影響の度合や、単純にシステム内の複合機の最大稼動台数や最大稼動処理ブロック数(処理ブロックについては後述する)を基準として決定してもよい。また、ライセンス最大値の決定は、その他別のパラメータ、例えば、現像剤等のコストを加味して増減させることも可能である。本実施例では、ライセンス最大値を、単位時間の排出CO2量又は消費電力量とする場合について説明する。なお、ライセンス最大値の決定方法については、後述する図3等を用いて説明する。
【0019】
また、ライセンス数決定部203は、図2(a)に示すようなライセンス算出テーブル300を生成し、SC101のRAMに格納する。以下、ライセンス算出テーブル300(図2(a))の生成方法について説明する。
【0020】
まず、ライセンス数決定部203は、NW104に接続されている複合機102の種別(機種)毎、及び、ジョブの処理に使用される処理ブロック毎の、ジョブ実行時の単位時間の排出CO2量(g/sec)及び消費電力量(w/sec)の情報を取得する。これらの情報は、予めユーザ(管理者)がSC101の外部メモリに設定しておくものであってもよいし、NW104を介して各複合機102から取得してもよい。そして、取得した情報を元に、ライセンス数決定部203は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))を生成し、SC101のRAMに格納する。なお、上述の処理ブロックとは、本実施例では、後述する図7(a)に示す複合機102内(画像形成装置内)のプリンタ部1213、読み取り部1212、画像処理部1210、後処理部1214を示すが、これら以外を含んでもよい。
【0021】
図2(a)は、本実施例のライセンス算出テーブルを示す図である。
ライセンス算出テーブル300は、複合機種別(複合機の機種)毎及び処理ブロック毎のジョブを処理する際の単位時間当たりの排出CO2量、消費電力量に基づき、複合機の機種毎及び処理ブロック毎のライセンス数を算出し、データベース化したものである。なお、ここでは、ライセンス数を算出する際には、単位時間当たりの排出CO2量「1.0(g/sec)」を排出CO2量モードの「1.0ライセンス」、消費電力量「1.0(w/sec)」を電力モードの「1.0ライセンス」として算出している。しかし、「1.0ライセンス」の基準として、排出CO2量「1.0(g/sec)」、消費電力量「1.0(w/sec)」以外の基準を用いてもよい。
なお、上述の説明では、ライセンス数決定部203がライセンス算出テーブル300を生成するものとしたが、予めユーザ(管理者)がライセンス算出テーブル300をSC101の外部メモリに記憶させておくものであってもよい。
【0022】
以下、ライセンス数決定部203によるライセンス最大値の決定方法について説明する。
ライセンス数決定部203がライセン最大値を決定するために、上限値情報を、SC上の、図3のような画面400により、前もって入力しておく必要がある。
【0023】
図3は、本実施例においてライセンス最大値を決定するための画面を示す図である。なお、画面400は、ライセンス数決定部203により表示される。
画面400において、401は目標とする単位時間当たりの排出CO2量(g/sec)であり、単位時間当たりにシステム内の全ての複合機102が排出するCO2量の合計の目標値である。402は目標とする単位時間当たりの消費電力量(w/sec)であり、単位時間当たりにシステム内の全ての複合機102が消費する電力量の合計の目標値である。排出CO2量401又は消費電力量402に設定される値を上限値として、この値を超えないようにライセンス数が算出される(詳細は後述する)。
【0024】
403−1は排出CO2で上限管理を行う排出CO2モード、403−2は消費電力で上限値管理を行う電力モードを選択するスイッチであり、いずれか一方のみが選択状態になるように構成されている。
【0025】
404は決定ボタンである。決定ボタン404の指示を検知すると、ライセンス数決定部203は、スイッチ403−1又は403−2により選択された管理モードに対応する上限値に応じて、ライセンス最大値を決定する。即ち、スイッチ403−1が選択された排出CO2モードでは、排出CO2量401の値に応じてライセンス最大値が決定される。また、スイッチ403−2が選択された電力モードでは、消費電力量402の値に応じてライセンス最大値が決定される。
【0026】
本実施例では、単純に排出CO2量や消費電力量の上限値をライセンス最大値に決定する。即ち、排出CO2量「1(g/sec)」を排出CO2量モードの「1ライセンス」、消費電力量「1(w/sec)」を電力モードの「1ライセンス」としてライセンス最大値を決定する。しかし、排出CO2量や消費電力量の上限値を、機能単体(処理ブロック単位)の消費量で除算した値等を、ライセンス最大値に決定してもよい。
なお、決定されたライセンス最大値は、図4(a)のライセンス数テーブル500として、SC101のRAMに格納される。
このように、ライセンス最大値として同時にジョブ実行可能な複合機全体による単位時間当たりの消費電力量や排出CO2量をライセンス数として設定し、図2(a)に示したようなライセンス算出テーブル300を生成する。この構成により、同時にジョブ実行可能な複合機全体による単位時間当たりの消費電力量や排出CO2量を制御可能となる。
なお、ライセンス最大値として同時にジョブ実行可能な処理ブロック数を設定し、複合機種別(機種)毎及び処理ブロック毎のライセンス数が全て「1」のライセンス算出テーブルを生成する構成としてもよい。このような構成とすることで、同時にジョブ実行可能な処理ブロック数を制御することもできる。
また、上述したライセンス最大値として同時にジョブ実行可能な複合機の台数を設定し、ライセンス算出テーブルを処理ブロック毎に分けることなく、単に、複合機種別毎のライセンス数を示すものとする。そして、このライセンス算出テーブルの複合機種別毎のライセンス数を全て「1」とする構成としてもよい。このような構成とすることで、同時にジョブ実行可能な複合機の台数を制御可能となる。
【0027】
図4(a)は、本実施例のライセンス数テーブル500を示す図である。
図4(a)に示すように、ライセンス数テーブル500は、消費電力で上限値管理を行う電力モードか、排出CO2で行う排出CO2モードかを示す管理モードと、ライセンス最大値から構成され、これらの情報を記憶管理する。
なお、図3の画面400は、ライセンス数決定部203に、ライセンス数テーブル500が保持されていない場合、又は、ユーザ(管理者)からの要求により、ライセンス数決定部203により、SC101の表示装置等に表示される。
【0028】
次に、ジョブ実行時間予測部204について説明する。
ジョブ実行時間予測部204では、ネットワークI/F201を通じて、接続されている複合機の、印刷速度、及び、読取速度、画像処理速度などの情報を取得する。取得した情報を元に、ジョブ実行時間予測部204は、図4(b)のような、ジョブ種毎に、各複合機種別(機種)毎の1ページあたりの実行時間予測を予測したジョブ実行時間予測テーブル600を生成し、保持する。
【0029】
図4(b)は、本実施例のジョブ実行時間予測テーブル600を示す図である。
図4(b)に示すように、ジョブ実行時間予測テーブル600には、ジョブ種毎及び複合機種別(機種)毎に、1ページ(処理単位)あたりの、実行時間予測値(単位処理時間(秒))が紐付けられて格納されている。なお、ジョブ種とは、例えば、片面コピー、両面コピー、カラープリント、モノクロプリント、PDF生成等を示すものとするが、これに限定されるものではない。また、ジョブ実行時間予測テーブル600には、ジョブ種毎に、該ジョブ種に必要な処理ブロックを示す情報も紐付けられて格納されている。なお、上述の説明では、ジョブ実行時間予測部204がジョブ実行時間予測テーブル600を生成するものとしたが、予めユーザ(管理者)がジョブ実行時間予測テーブル600をSC101の外部メモリに記憶させておくものであってもよい。
【0030】
次に、ライセンス要求処理部206について説明する。
ライセンス要求処理部206は、ライセンス数テーブル500(図4(a))と、ジョブ実行時間予測テーブル600(図4(b))を取得する。
さらに、ライセンス要求処理部206は、ライセンス数テーブル500(図4(a))から、ライセンス管理テーブル700(図4(c))を生成し、SC101のRAMに格納する。
【0031】
図4(c)に示すように、ライセンス管理テーブル700は、上述した管理モード、ライセンス数最大値、使用中ライセンス数、ライセンス詳細テーブル701を記憶管理する。
ライセンス詳細テーブル701には、ライセンスID毎に、使用ライセンス数と有効期限が格納されている。即ち、ライセンス要求処理部206は、有効期限付きのライセンスを複合機102に発行処理する。ライセンスIDは、複合機に付与されたライセンス毎に一意の値であり、ライセンスが付与された順番にしたがって生成される。また、ライセンス管理テーブル700の作成時には、使用中ライセンス数は「0」で、ライセンス詳細テーブル701にはデータが格納されていない状態となる。ライセンス要求処理部206は、以後、このライセンス管理テーブル700を用いてライセンスを管理する。
なお、ライセンス要求処理部206は、ライセンスの有効期限を管理し、有効期限が切れたライセンス情報については、ライセンス詳細テーブル701から削除する。また、削除したライセンス情報の使用ライセンス数を、ライセンス管理テーブル700の使用中ライセンス数から減算しする。このように処理することで、有効期限が切れたライセンスを、他の要求に対して提供可能な状態にする。
【0032】
ライセンスの要求は、複合機102が、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))をSC101に送付することによって行われる。
NW104上の複合機102から送付されたライセンス要求返却パケットは、ネットワークI/F部201を経由し、ライセンス要求処理部206に送られる。ライセンス要求処理部206は、到着したライセンス要求返却パケットをまず、ライセンス要求処理部206が備える処理キューに蓄積し、到着順に処理を行う。
【0033】
ライセンス要求返却パケット800の構造は、図2(b)のようになる。
図2(b)は、本実施例のライセンス要求返却パケット800の構成を示す図である。
図2(b)において、801は要求ホストを記述するフィールドであり、発行/返却要求を依頼してきた複合機102の名称を示す。要求ホスト801には、通常、IPアドレスやホスト名が記述される。なお、ライセンス要求に対する応答は、要求ホストフィールド801に記述されたホスト名に対してなされる。
【0034】
802はホスト種別を記述するフィールドであり、ライセンス要求してきた複合機102の種別(機種)を示す。803は実行ジョブ種を記述するフィールドであり、複合機102が実行しようとしているジョブ種を示す。実行ジョブ種803には、例えば、片面コピー、両面コピー、カラープリント、モノクロプリント等の情報が記述される。
【0035】
804は処理ページ数を記述するフィールドであり、プリント処理等、ジョブ実行前に総処理ページ数が確定している場合には、総処理ページ数が記述される。なお、スキャン処理など、ジョブ実行前には総処理ページ数が不確定の場合は、複合機102が1度に読み取ることが可能な最大のページ数が、処理ページ数804に記述される。
【0036】
805〜808はジョブにより使用する処理ブロックを指定するフィールドであり、ジョブにより使用する処理ブロックに対応するフィールドに「1」が格納される。図2(b)の例では、805の画像処理ブロックと806のプリントブロックに「1」、806のスキャンブロックと808の後処理ブロックに「0」が記述されており、ジョブを処理する際に、画像処理ブロックとプリントブロックを使用することが示されている。
【0037】
809はライセンス要求/返却の種別を決定するフィールドであり、このフィールドに「1」がセットされている場合はライセンスを要求していることを示し、また、このフィールドに「0」がセットされている場合はライセンス返却を行うことを示す。
【0038】
810は識別のためのライセンスIDを記述するフィールドである。ライセンス要求時には、ライセンスが確定していないため、ライセンスIDフィールド810に「0」がセットされる。一方、ライセンス返却時には、ライセンス要求時に複合機102に送付されるライセンスIDがライセンスIDフィールド810にセットされることになる。
以下、本実施例におけるライセンス発行処理について、図5のフローチャートに従う。複合機からパケットが送信された場合、パケットはまず、ネットワークI/F部201を通じて、ライセンス要求処理部206の処理キューに蓄積される。
【0039】
図5は、本実施例におけるライセンス発行処理を示すフローチャートである。なお、図5の処理は、ライセンス要求処理部206(SC101のCPU)により実行される。
【0040】
まず、S901において、ライセンス要求処理部206は、処理キューの先頭からライセンス要求返却パケット800(図2(b))を取り出す。さらに、ライセンス要求処理部206は、パケットのライセンス要求/返却識別フィールド809によって、ライセンスの要求が指示されているパケット(フィールド809が「1」のパケット)を検索する。そして、ライセンス要求処理を指示するパケットが存在しない場合(S901でNo)、S901の処理を繰り返す。
【0041】
そして、ライセンス要求処理を指示するパケットが見つかった場合(S901でYes)、ライセンス要求処理部206は、キューにライセンス要求用のパケットがあると判断し、S902に処理を進める。
【0042】
S902では、ライセンス要求処理部206は、ライセンス要求のパケットをキューから取り出して解析し、要求ホスト、ホスト種別、実行ジョブ種、処理ページ数、及び、必要処理ブロックを特定する。
【0043】
次に、S903において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の情報を取得する。また、S904において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))をライセンス数決定部203より取得する。
【0044】
次に、S905において、ライセンス要求処理部206は、取得した情報を元に、ライセンス算出テーブル300(図2(a))から、ジョブが使用するライセンス数を取得する。本実施例では、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の管理モードに「排出CO2量」モードが設定されている場合を例に説明する。この場合、ジョブの使用ライセンス数は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))と、ライセンス要求返却パケットに含まれるホスト種別と使用する処理ブロックの情報から、使用ライセンス数Lを算出する。例えば、ホスト種別802の複合機、且つ、処理ブロック805〜808が「1」の処理ブロック単位ライセンス(CO2)を、ライセンス算出テーブル300から取得して合算した値を、使用ライセンス数Lとして算出する。
【0045】
例えば、図2(b)に示すパケットの場合、ホスト種別は「複合機1」、使用する処理ブロックは「画像処理」と「プリント」である。また、図2(a)に示すライセンス算出テーブル300の例では、「複合機1」の「画像処理単位ライセンス(CO2)」は「0.1」、「複合機1」の「プリント単位ライセンス(CO2)」は「1.2」である。よって、使用ライセンス数Lは、複合機1の画像処理単位ライセンス(CO2)である「0.1」と、複合機1のプリント単位ライセンス(CO2)である「1.2」の和として算出され、「0.1+1.2=1.3」となる。
【0046】
次に、S906において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上の値であるか否かを判定する。そして、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上の値でないと判定した場合(S906でNo)、ライセンス要求処理部206は、ライセンスを発行できないと判断し、S907に処理を進める。
S907では、ライセンス要求処理部206は、ライセンス要求返却パケットをキューに再度要求を詰めなおし、一旦、ライセンス要求に対する処理を停止し、その後、S901に処理を戻す。
【0047】
一方、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上の値であると判定した場合(S906でYes)、ライセンス要求処理部206は、ライセンスが発行できると判断し、S908に処理を進める。
S908では、ライセンス要求処理部206は、ジョブ実行時間予測部204が保持するジョブ実行時間予測テーブル600(図4(b))を参照する。そして、ライセンス要求処理部206は、パケットから取得した実行ジョブ種,ホスト種別が、ジョブ実行時間予測テーブル600のジョブ種,複合機種別となる単位処理時間を、1ページあたりのジョブ実行予測時間T1として取得する。
例えば、図2(b)に示すパケットの場合、実行ジョブ種は「カラープリント」、ホスト種別は「複合機1」であるので、ジョブ実行予測時間T1は「10(秒)」となる。
【0048】
次に、S909において、ライセンス要求処理部206は、ライセンスの有効期間Tlimを算出する。ライセンスの有効期間Tlimは、ジョブ実行予測時間T1に、パケットから取得した処理ページ数と調整値(本実施例では「1.5」)を乗算することにより算出される。即ち、「ライセンスの有効期間Tlim=ジョブ実行予測時間T1×処理ページ数×1.5」として算出される。
例えば、図2(b)に示すパケットの場合、処理ページ数が「20」となるので、ライセンスの有効期間Tlimは「10×20×1.5=300(秒)」となる。
次に、S910において、ライセンス要求処理部206は、現在時刻にライセンスの有効期間Tlimを加えてライセンスの有効期限を算出する。さらに、ライセンス要求処理部206は、算出した有効期限、及び、使用ライセンス数Lを、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701に登録する。なお、ライセンスIDについては、ライセンス詳細テーブル701内で一意のライセンスIDを登録する。また、ライセンス要求処理部206は、現在使用されているライセンス数と使用ライセンス数Lの和により、ライセンス管理テーブル700(図4(c))内の使用中ライセンス数を更新する。
【0049】
次に、S911において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス発行指示をライセンス発行部202に対して行うことで、ライセンス要求に対する返答を行い、S901に処理を戻す。なお、ライセンス発行指示には、ライセンス詳細テーブル701に登録したライセンスID、有効期限、ライセンス要求返却パケットに含まれていた要求ホスト、処理ブロックの情報を含むものとする。
ライセンス発行部202は、ライセンス発行指示を受けると、該ライセンス発行指示に基づいて、図2(c)のようなライセンスパケット1000を生成し、ライセンスを要求した複合機(ライセンス発行指示に含まれる要求ホスト)に送信する。
【0050】
図2(c)は、本実施例のライセンスパケット1000を示す図である。
図2(c)において、1001はライセンスIDであり、図5のライセンス発行処理の結果、ライセンス詳細テーブル701(図4(c))上に記憶されたIDがセットされる。1002はライセンスの有効期限であり、これも同様に図5のライセンス発行処理の結果、ライセンス詳細テーブル701(図4(c))上に記憶された有効期限がセットされる。1003〜1006は供給するライセンスの詳細を示すもので、1003〜1006のフィールドに「1」がセットされている処理ブロックについて、有効期限内であればライセンスを使用することができる(対応する処理ブロックを使用できる)。なお、1003〜1006のフィールドは、ライセンス要求パケットに含まれていた使用する処理ブロック805〜808に「1」がセットされていたフィールドに対応するフィールドに「1」がセットされ、その他のフィールドに「0」がセットされる。
【0051】
次に、本実施例におけるライセンス返却処理について、図6のフローチャートに従って説明する。このフローチャートのS1101の処理はライセンス要求処理部206により実行され、S1102〜S1107の処理はライセンス返却部205(SC101のCPU)により実行される。
【0052】
まず、S1101において、ライセンス要求処理部206は、処理キューの先頭からパケット800(図2(b))を取り出す。さらに、ライセンス要求処理部206は、パケットのライセンス要求/返却識別フィールド809によって、ライセンスの返却が指示されているパケット(フィールド809が「0」のパケット)を検索する。そして、ライセンス返却処理を指示するパケットが見つかった場合、ライセンス要求処理部206は、キューにライセンス返却用のパケットがあると判断し、該ライセンス返却用のパケットをライセンス返却部205に送る。
【0053】
ライセンス返却用のパケットを受け取ると、ライセンス返却部205は、S1102において、該ライセンス返却用のパケット800(図2(b))を解析し、要求ホスト、ホスト種別、実行ジョブ種、処理ページ数、及び、必要処理ブロックを特定する。
【0054】
次に、S1103において、ライセンス返却部205は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の情報(管理モード、ライセンス最大値、使用中ライセンス数、ライセンス詳細テーブル)を取得する。
【0055】
さらに、S1104において、ライセンス返却部205は、ライセンス返却用のパケット800から返却対象のライセンスID(図2(b)のライセンスIDフィールド810内の値)を取得する。
【0056】
さらに、S1105において、ライセンス返却部205は、S1104で取得したライセンスIDが、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701上に発行済みライセンスとして登録されているかどうかを判定する。
【0057】
そして、S1104で取得したライセンスIDが、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701に登録されていると判定した場合(S1105でYes)、ライセンス返却部205は、S1106に処理を進める。
【0058】
S1106では、ライセンス返却部205は、S1104で取得したライセンスIDに対応する情報(ライセンスID、使用ライセンス数、有効期限)を、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701から削除する。また、削除した使用ライセンス数を、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の使用中ライセンス数から減算した値で、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の使用中ライセンス数を更新する。このように処理することで、返却されたライセンスのライセンス数を、他の要求に対して提供可能な状態にする。そして、S1101に処理を戻す。
【0059】
一方、S1104で取得したライセンスIDが、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701に登録されていないと判定した場合(S1105でNo)、ライセンス返却部205は、S1107に処理を進める。
S1107でライセンス返却部205は、エラー処理を行い、S1101に処理を戻す。
管理装置としてのSC101は、上述のような動作を行って、各複合機102からライセンスの要求が行われた場合、ライセンスの返却が行われた場合について、適宜処理を行うことで、ライセンスを管理することができる。
【0060】
以下、複合機102の構成について説明する。
図7(a)において、CPU1203は、システムバス1201及び画像バス1209に接続されている。1202はROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。また本発明の各手段を実現するシステムソフトウェアはROM1202又は、蓄積メモリ1205にコンピュータ読み取り可能に記録されており、CPU1203で実行される。
【0061】
RAM1204は、CPU1203がソフトウェアを実行するためのシステムワークメモリエリアである。RAM1204には、読み取り部1212で読み取った画像データを記憶するためや、読み取った画像データをプリンタ部1213で印字可能な状態に処理する際に一時記憶するための画像メモリとしも使用される。蓄積メモリ1205は、画像データ、システムソフトウェアなどが記憶される。
【0062】
IO制御B部1207は、操作部1215とのインターフェース部で、操作部1215に表示する画像データを操作部1215に対して出力する。IO制御B部1207は、操作部1215から本システム使用者が入力した情報を、CPU1203に伝える。
【0063】
LAN(ローカルエリアネットワーク)I/F部1206は、LANと接続するためのI/F部であり、LANに接続された各機器との情報の入出力を行う。本実施例において、SC101との通信及び、ライセンスの要求、返却は、LAN I/F部1206を経由して行われる。また、LAN I/F部は、NW上に存在するクライアントPC103から、印刷ジョブを受け付けるデータ入力のためのI/Fとしても使われる。
【0064】
以上のデバイスがシステムバス1201上に配置される。
IO制御A部1208は、システムバス1201と画像データを高速で転送する画像バス1209を接続し、システムバス1201のデータ構造を変換するバスブリッジである。画像バス1209は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。
【0065】
画像バス1209には、画像入出力デバイスである読み取り部1212やプリンタ部1213、後処理部1214と、画像処理部1210が接続され、画像データの同期系/非同期系の変換等を行う。
【0066】
画像処理部1210は、入力及び出力画像データに対し解像度変換、圧縮伸張、2値多値変換などの画像処理を行う。読み取り部1212では、紙などの媒体から画像の読み込みを行い、画像処理部1210で必要な画像処理を施した後、画像バス1209を経由して、蓄積メモリ1205上に蓄積される。プリンタ部1213では、蓄積メモリ1205上に蓄積された画像を画像バス1209を介して読み出し、紙などの媒体上に画像を形成し、出力する。後処理部1214は、プリンタ部から出力された紙などの媒体に、ステイプル処理、折処理、断裁処理等の処理を行う。なお、画像処理部1210、読み取り部1212、プリンタ部1213、後処理部1214は、上述の処理ブロックに対応する。
【0067】
操作部1215は、LCDタッチパネル等から構成され、IO制御B部1207から出力される、VGA信号を解釈して表示する。また、操作部1215には、低電力状態1301からの復帰を指示するためのスイッチが設けられている。
【0068】
電力制御部1211は、画像処理部1210、読み取り部1212、プリンタ部1213、後処理部1214等に電力を供給する制御を行う。電力制御部1211は、画像処理部1210、読み取り部1212、プリンタ部1213、後処理部1214へは、各個独立して電力供給可能である。
また、電力制御部1211は、CPU1203等に電力が供給されていない状態であっても、操作部1215上の復帰指示スイッチや、NWからのパケット受信を検知し、処理に必要なCPU1203やROM1202、RAM1204等への電力供給し、処理を開始することが可能である。
【0069】
本実施例において、電力制御部は、ジョブの処理状況に応じて複数の状態をとることができ、電力制御は、図7(b)の1300の表にしたがって行われる。
図7(b)は、本実施例での複合機の電力制御の状態遷移図及び給電箇所を示す。
1300において、「○」は各処理ユニット部に電力が供給されている状態、「×」は電力非供給状態、「−」はライセンスによって電力の供給、非供給が切り替わる状態である。
【0070】
ユーザによって操作が行われていないとき、又は、ジョブの非実行時は、低電力状態1301(1301)を維持する。低電力状態1301において、複合機102は、1300に示すように、画像処理部1210、プリンタ部1213、読み取り部1212、後処理部1214、操作部1215の全てが、電力非供給状態となる。低電力状態1301においても、操作部1215上の低電力状態1301からの復帰を指示するスイッチや、NW上からのパケット到達等によるトリガ信号の処理部分だけには電力が供給される。
【0071】
トリガ信号が複合機102に入力されると、操作部1215上の入力受付が可能な、ジョブ受付状態1302に遷移する。ジョブ受付状態1302において、複合機102は、画像処理部1210、プリンタ部1213、読み取り部1212、後処理部1214が電力非供給状態となり、操作部1215が電力供給状態となる。ジョブ受付状態1302では、複合機102は、ユーザI/F(操作部1215)からの入力を受付けて、ジョブ実行受付や、ネットワークI/F(LAN I/F部1206)を通じて、SC101へのライセンス要求を行うことが可能である。
【0072】
ジョブ実行操作が操作部1215上から行われた、又は、NW上のクライアントPC103から印刷指示を受け取った場合、複合機102は、SC101にジョブ種に応じたライセンス要求を行う。
【0073】
ライセンスがSC101から供給されるまでは、複合機102はジョブ受付状態1302を維持し、SC101からライセンスが供給された場合、複合機102は稼動状態1303へと遷移する。稼動状態1303において、複合機102は、画像処理部1210、プリンタ部1213、読み取り部1212、後処理部1214がライセンスによって電力の供給/非供給が切り替わる状態となり、操作部1215が電力供給状態となる。稼動状態1303では、複合機102は、ライセンスに応じて各処理部に電力を供給し、ジョブ実行を行う。ジョブ実行が終了すると、複合機102は、ライセンスをSC101に返却し、即座に低電力状態1301に遷移する、又は、一定時間経過までジョブ受付状態1302に遷移し、経過後、低電力状態1301に遷移する。
【0074】
図8は、本実施例の複合機102の電力制御動作を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0075】
まず、CPU1203は、低電力状態1301では、操作部1215からの復帰指示又はNWパケット到達によるトリガ信号が入力されるまでは低電力状態1301を維持する(S1401)。そして、トリガ信号が入力されると(S1401でYes)、CPU1203は、ジョブ受付状態1302に遷移する(S1402)。
【0076】
ジョブ受付状態1302に遷移後、CPU1203は、NW上のクライアントPC又は操作部1215上からジョブ投入操作が行われたか否かを判定する(S1403)。そして、ジョブ投入操作が行われたと判定した場合(S1403でYes)、CPU1203は、S1404に処理を進める。
【0077】
S1404では、CPU1203は、指示(投入)されたジョブ実行の詳細を調べ、S1405において、指示されたジョブ種、使用予定の処理ブロックの情報を元に、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成する。この際、CPU1203は、ライセンス要求返却パケットのライセンス要求/返却のフィールド809を「1」にセットして生成したパケットを管理装置としてのSC101に送信する。
【0078】
次に、S1406において、CPU1203は、ライセンス(ライセンスパケット1000(図2(c)))が供給されるまで、ジョブ受付状態1302を維持する。
そして、ライセンスが供給されたと判定した場合(S1406でYes)、CPU1203は、ライセンス情報(ライセンスパケット1000(図2(c)))に応じた処理ブロック(ライセンスで使用を許可された処理ブロック)に電力を供給し(S1407)、稼動状態1303に遷移する(S1408)。
【0079】
次に、S1409において、CPU1203は、依頼されたジョブを実行し(詳細は図9に示す)、ジョブ実行終了後、各処理部への給電を停止する(S1410)。
そして、S1411において、CPU1203は、ライセンスをSC101に返却するためのライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成する。この際、CPU1203は、ライセンス要求返却パケットのライセンス要求/返却識別フィールド809を「0」、ライセンスIDフィールド810に返却するライセンスのライセンスIDをセットして生成したパケットを管理装置としてのSC101に送信する。そして、S1402に処理を戻し、ジョブ受付状態1302へと遷移する。
【0080】
また、S1403において、ジョブ実行依頼を受けていないと判定した場合(S14−3でNo)、CPU1203は、S1412に処理を進める。
S1412では、CPU1203は、ジョブ受付状態1302へ遷移してTh時間が経過したか否かを判定する。なお、低電力状態1301への閾値時間であるThは、各複合機ごとに設定可能であり、各機体のコンフィグレーションデータとして、ROM1202、又はROM1202上に記憶された値をRAM1204上に読み出して記憶されている。
【0081】
S1412において、ジョブ受付状態1302へ遷移して未だTh時間が経過していないと判定した場合(S1412でNo)、CPU1203は、S1403に処理を戻す。
【0082】
一方、S1412において、ジョブ受付状態1302へ遷移して既にTh時間が経過したと判定した場合(S1412でYes)、CPU1203は、S1413において、低電力状態1301に遷移するため、不要部分への給電停止を行う。さらに、S1414において、CPU1203は、低電力状態1301に遷移し、S1401に処理を戻し、再び、トリガ信号が入力されるまで待機する。
複合機102は、このフローチャートの電力制御処理を実行することにより、ライセンスに応じた電力制御を行うことができる。
【0083】
図9は、図8のS1409のジョブ実行処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
まず、S1501において、CPU1203は、処理対象の全ページ数Nを取得する。次に、S1502において、処理済みページ数Aを「0」で初期化する。
【0084】
その後、S1503において、CPU1203は、ライセンスとして、SC101から取得した、ライセンス情報(ライセンスパケット1000)の有効期限と、現在の時刻を比較し、ライセンスが有効期限内であるかどうかを判定する。
【0085】
そして、ライセンスが有効期限内でない(ライセンス有効期限が切れている)と判定した場合(S1503でNo)、CPU1203は、S1504において、ライセンスの再要求を行う。即ち、図8のS1405で作成したものと同様のライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成し、SC101に送信する。
【0086】
ライセンスの再要求後、CPU1203は、ジョブ処理時に給電している各処理ブロックに対して給電の停止を行い(S1505)、状態をジョブ受付状態1302に遷移させ(S1506)、S1503に処理を戻す。
【0087】
一方、S1503において、ライセンスが有効期限内であると判定した場合(S1503でYes)、CPU1203は、1ページ分処理を行い(S1507)、処理済ページ数Aを1だけ増加させる(S1508)。
【0088】
次に、S1509において、CPU1203は、処理済ページ数Aと処理ページ数Nの比較を行い、全ページ数の処理が終了している(A=N)か否かを判定する。
そして、S1509において、未だ全ページ数の処理が終了していない(A≠N)と判定した場合(S1509でNo)、CPU1203は、S1503に処理を戻し、次のページの処理を行う。
【0089】
一方、S1509において、全ページ数の処理が終了している(A=N)と判定した場合(S1509でYes)、元の処理に復帰する(図14のフローチャートに処理を戻す)。
以上のような処理を行うことで、複合機102は、SC101から発行される単位時間当たりの総排出CO2量や総消費電力量に応じた上限値にしたがった、ライセンス情報を元に、電源制御を行うことができる。これにより、システム全体につながる複合機の台数を減らすことなく、システム内の複合機全体の総排出CO2量や、総消費電力量を設定値以内に抑えることが可能となる。
【実施例2】
【0090】
実施例1の構成では、ジョブ受付状態1302から低電力状態1301への遷移は、各複合機が独自に判断し、制御を行っている(低電力状態への移行時間は各複合機で異なる)。なお、低電力状態1301とジョブ受付状態1302では、操作部1215等への電力供給は稼動状態1303と同様に行われているため、無駄な待機電力が発生してしまう可能性がある。また、ライセンスの有効期限が切れてしまった場合、無条件にライセンスの再要求を行ってライセンス待ち状態になってしまい、ユーザの待ち時間が増える可能性がある。以上の点を改善するための実施例を以下に述べる。
なお、本実施例の基本的な構成は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0091】
図10(a)は、実施例2においてライセンス切れ設定を行うための画面を示す図である。
画面1600は、各複合機102でのジョブ受付状態1302から低電力状態1301への遷移を行う閾値時間、及び、ライセンス有効期限切れ時の複合機102の動作を設定するための画面である。なお、画面1600は、ライセンス要求処理部206により表示される。
【0092】
1601は低電力状態への遷移時間を設定するための閾値時間を設定するためのフィールドである。このフィールド1601に入力された値に応じて、ライセンス要求処理部206は、各複合機102に低電力状態1301への遷移時間を設定する。
【0093】
1602〜1604はライセンス切れ時の動作を規定する無効時動作モードを設定するためのキー(無効時動作モード設定キー)である。キー1602押下時は、ライセンスの有効期限が切れた時でも処理中のジョブに対しては通常通りの動作を継続させる動作(通常動作モード)が各複合機102に設定される。キー1603押下時は、ライセンスの有効期限が切れた時には処理速度を落として低速で処理させる動作(低速動作モード)が各複合機102に設定される。キー1604押下時は、ライセンスの有効期限が切れ時にはジョブの実行を一旦停止させる動作(動作禁止モード)が各複合機102に設定される。なお、キー1602〜1604は、いずれか一つのみが選択状態になる。
【0094】
フィールド1601及びキー1602〜1604の設定後、OKキー1605が押下されると、ライセンス要求処理部206が、動作設定パケット1700(図10(b))を生成して、各複合機102に送付する。
【0095】
図10(b)は、実施例2における動作設定パケットを示す図である。
図10(b)に示すように、動作設定パケット1700は、無効時動作モードフィールド1701、低電力状態遷移閾値フィールド1702を有する。
無効時動作モードフィールド1701は、ライセンス無効時の動作モードを設定するフィールドであり、通常動作モード=001、低速動作モード=002、動作禁止モード=003のように、各動作モードに割り振ったIDを元に設定する。
【0096】
低電力状態遷移閾値フィールド1702は、ジョブ受付状態1302から低電力状態1301への状態遷移を行う閾値時間を設定するフィールドである。即ち、ジョブ実行後、この低電力状態遷移閾値フィールド1702に設定された閾値時間が経過した後、各複合機102は低電力状態1301に遷移する。
【0097】
動作設定パケット1700を受け取った各複合機102のCPU1203は、無効時動作モードフィールド1701の値を無効時動作モードM、低電力状態遷移閾値フィールド1702の値を低電力状態遷移閾値時間ThとしてRAM1204に記憶する。ここでRAM上に記憶された低電力状態遷移閾値時間Thは、図8のS1412で参照される閾値である。即ち、複合機102は、SC101からの動作設定パケット1700(図10(b))によって設定された時間の経過後に、低電力状態1301に遷移することが可能となる。
【0098】
以下、ライセンスの延長について説明する。
ライセンスの延長処理は、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))のライセンス要求/返却識別フィールド809に、延長を意味する「2」の値をセットして、複合機102からSC101に送信することによって行われる。なお、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))のライセンス要求/返却識別フィールド809以外のフィールドには、延長したいライセンスと同じ値を設定しておくものとする。
【0099】
ライセンスパケット1000を受け取った複合機102が、このライセンスの延長を要求する場合、図11の1800に示すようなライセンス要求パケットをSC101に送信するものとする。
【0100】
図11は、ライセンスを延長する際に複合機102からSC101に送信されるライセンス要求返却パケットを示す図である。
ライセンス延長時のライセンス要求返却パケットは、ライセンス要求時と、ライセンスIDフィールド810、及び、ライセンス要求/返却識別フィールド809の値が異なる。
ライセンスIDフィールド810には、延長したい対象のライセンスIDがセットされる。ライセンス要求/返却識別フィールド809には、「延長」を意味する「2」がセットされる。
【0101】
ライセンス要求/返却識別フィールド809に「2」がセットされたライセンス要求返却パケット800がSC101に受信され、キューから取得されると、ライセンス要求処理部206により図12に示すような延長処理が実行される。
【0102】
図12は、実施例2でのライセンス延長要求処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、ライセンス要求処理部206(SC101のCPU)により実行される。
【0103】
まず、S1901において、ライセンス要求処理部206は、取得した延長要求用のパケットのライセンスIDフィールド810から延長要求対象のライセンスIDを取得する。
【0104】
次に、S1902において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))の情報を取得する。
【0105】
次に、S1903において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701を、S1901で取得したライセンスIDのキーで検索する。さらに、ライセンス要求処理部206は、ライセンスIDに対応するライセンス詳細情報を取得する。
【0106】
次に、S1904において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル700(図4(c))からライセンス最大値と使用中ライセンス数を取得する。そして、ライセンス要求処理部206は、ライセンス最大値が使用中ライセンス数以上の値であるか否かを判定する。
【0107】
そして、ライセンス最大値が使用中ライセンス数以上の値でないと判定した場合(S1904でNo)、ライセンス要求処理部206は、そのままS1908に処理を進める。
【0108】
一方、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数以上の値であると判定した場合(S1904でYes)、ライセンス要求処理部206は、S1905に処理を進める。なお、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数以上の値であっても、ライセンスの空き待ちをしている複合機(ライセンスの取得要求)がある場合には、そのままS1908に処理を進めるようにしてもよい。
【0109】
S1905では、ライセンス要求処理部206は、ジョブ実行時間予測部204が保持するジョブ実行時間予測テーブル600(図4(b))を参照する。そして、ライセンス要求処理部206は、パケットから取得した実行ジョブ種,ホスト種別が、ジョブ実行時間予測テーブル600のジョブ種,複合機種別となる単位処理時間を、1ページあたりのジョブ実行予測時間T1として取得する。
【0110】
次に、S1906において、ライセンス要求処理部206は、ライセンスの有効期間Tlimを算出する。ライセンスの有効期間Tlimは、ジョブ実行予測時間T1に、パケットから取得した処理ページ数と調整値(本実施例では「1.5」)を乗算することにより算出される。即ち、「ライセンスの有効期間Tlim=ジョブ実行予測時間T1×処理ページ数×1.5」として算出される。
【0111】
次に、S1907において、ライセンス要求処理部206は、現在時刻にライセンスの有効期間Tlimを加えてライセンスの有効期限を算出する。さらに、ライセンス要求処理部206は、算出した有効期限で、S1903で検索したライセンス管理テーブル700(図4(c))のライセンス詳細テーブル701のレコード(ライセンス詳細情報)を更新する。
【0112】
S1908では、ライセンス要求処理部206は、S1901で取得したライセンスIDに対するライセンス発行指示を、ライセンス発行部202に対して行うことで、ライセンス延長に対する返答を行う。なお、ライセンス発行指示には、S1901で取得したライセンスID、有効期限、ライセンス要求返却パケットに含まれていた要求ホスト、処理ブロックの情報を含むものとする。
なお、S1904にてYesと判断された場合には、ライセンス発行指示内の有効期限は、S1907で算出した有効期限(再計算した有効期限)とする。また、S1904にてNoと判断された場合には、ライセンス発行指示内の有効期限は、S1903で取得した有効期限(再計算していない元のままの有効期限)とする。
【0113】
以下、実施例2のジョブ実行処理について説明する。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
まず、S2001〜S2002の処理は、図9のS1501〜S1502と同様なので、説明を略する。
【0114】
S2003において、CPU1203は、ライセンスとして、SC101から取得した、ライセンス情報1000の有効期限と、現在の時刻を比較し、ライセンスが有効期限内であるかどうかを判定する。
そして、ライセンスが有効期限内でない(ライセンス有効期限が切れている)と判定した場合(S2003でNo)、CPU1203は、S2004において、ライセンス期間切れ処理(図14)を実行し、S2010に処理を進める。なお、ライセンス無効時の処理については、後述する図14で示す。
【0115】
一方、S2003において、ライセンスが有効期限内であると判定した場合(S2003でYes)、CPU1203は、S2005において、有効期限までの残り時間が1分以上か否かを判定する。なお、本実施例では1分を閾値時間としているが、閾値時間は1分間に限るものではない。例えば、閾時間をユーザが任意に設定することや、ライセンス獲得までの平均時間以下の場合に自動設定する、ということも可能である。
【0116】
S2005において、有効期限までの残り時間が1分以上でない(1分未満)であると判定した場合(S2005でNo)、CPU1203は、S2006に処理を進める。S2006では、CPU1203は、ライセンス延長要求用のパケット(図11)をSC101に向けて送信済みかどうかの判定を行う。
【0117】
そして、S2006において、ライセンス延長要求用のパケット(図11)をSC101に向けて送信済みでないと判定した場合(S2006でNo)、CPU1203は、S2007に処理を進める。S2007では、CPU1203は、ライセンス延長要求パケットを生成し、管理装置としてのSC101に送信し、S2008に処理を進める。即ち、複合機102は、ジョブの実行中に該ジョブを実行するためのライセンスの有効期限が特定時間以内(ここでは1分未満)になった場合にライセンスの有効期限の延長要求をSC101に行う。
【0118】
一方、S2006において、ライセンス延長要求用のパケット(図11)をSC101に向けて送信済みであると判定した場合(S2006でYes)、CPU1203は、そのままS2008に処理を進める。なお、S2006〜2007は、同一ライセンスに対する延長要求が連続してなされないようにするためである。
その後のS2008〜S2010の処理は、図9のS1507〜S1509と同様なので、説明を略する。
【0119】
以下、図14を用いて、図13のS2004のライセンス切れ時の動作を説明する。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
S2101において、CPU1203は、RAM1204上にラッチしている、SC101から指示された、無効時動作モードMを取得する。
次に、S2102において、CPU1203は、無効時動作モードMの値によって処理を分岐する。
【0120】
まず、S2102にて、無効時動作モードMが「002」、即ち、低速モード(第2動作モード)で処理を行うモードと判定した場合、CPU1203は、S2103において、複合機の動作モードを低速処理モードに設定し、S2104に処理を進める。低速処理モードの設定は、CPU1203に供給されるPLLからのクロックを下げたり、プリンタ部1213が印字するために用紙の搬送を行うためのモータの回転速度を落とすなどの設定変更により実現される。
【0121】
また、S2102にて、無効時動作モードMが「001」、即ち、通常動作モード(第1動作モード)で処理を行うモードと判定した場合、CPU1203は、そのままS2104に処理を進める。
その後のS2104〜S2105の処理は、図9のS1507〜S1508と同様なので、説明を略する。ただし、低速動作モードに設定されている場合は、ジョブの処理が遅くなる。なお、S2105の処理が終了すると、CPU1203は、元の処理に復帰する(図13のフローチャートに処理を戻す)。
【0122】
また、S2102にて、期限切れ時動作モードMが「003」、即ち、動作停止モード(第3動作モード)と判定した場合、CPU1203は、S2106に処理を進める。
S2106では、CPU1203は、処理ブロックへの給電停止を行い、ジョブ受付状態1302に遷移する。
次に、S2107において、CPU1203は、ライセンスの再発要求を行う。ライセンスの再発行要求は、現在保有しているライセンスをまず返却し、改めて残りの処理ページ数、及び、必要処理ブロック数等をセットした、ライセンス要求返却パケット800(図2(b))をSC101に送信することによって行う。
【0123】
次に、S2108において、CPU1203は、ジョブ受付状態1302への遷移を行い、SC101から通知されている低電力状態1301への遷移閾時間が経過したか否かを判定する。
そして、ジョブ受付状態1302へ遷移して既に遷移閾時間が経過したと判定した場合(S2108でYes)、CPU1203は、S2109に処理を進め、低電力状態1301への遷移を行う。
【0124】
次に、CPU1203は、トリガ信号がONになるまで(ライセンスパケットの到着、又は、他のジョブ投入が起こるまで)、低電力状態1301を保持する(S2110)。
そして、ライセンスパケットの到着又は他のジョブ投入が起こり、トリガ信号がONになると、CPU1203は、ジョブ受付状態1302に遷移し(S2111)、S2108に処理を戻す。
【0125】
一方、ジョブ受付状態1302へ遷移して未だ遷移閾時間が経過していないと判定した場合(S2108でNo)、CPU1203は、S2112において、SC101から供給されるライセンスを取得済みか否か判定する。
【0126】
そして、SC101から供給されるライセンスを未だ取得していないと判定した場合(S2112でNo)、CPU1203は、S2108に処理を戻す。
一方、SC101から供給されるライセンスを取得済みと判定した場合(S2112でYes)、CPU1203は、S2113に処理を進める。
S2113では、CPU1203は、取得済みのライセンスに従って、再び必要な処理ブロックに電力供給を開始し、元の処理に復帰する(図13に処理を戻す)。
以上のような処理を行うことで、ライセンス期限切れを未然に防ぎ、ユーザの処理待ち時間を低減することができる。
【実施例3】
【0127】
実施例1,2では、ライセンスを一定の上限値にしたがって、全ての処理ブロックを共通の上限値によって管理することにしていた。しかしながら、環境によって、利用する機能にばらつきがある場合がある。その際、特定の機能については待ち時間を多くとってもよいケースや、逆に、待ち時間を取りたくないケースも考えられる。その場合は、処理ブロックごとに最大の上限値から、各処理ブロックに上限値を設けて、管理することができればユーザの利便性が上がる。
【0128】
また、これまでの例では、複合機102が要求するライセンスが全てそろわなければ、ジョブ実行を開始できなかった。しかしながら、各処理ブロックにライセンスの上限値を設定可能にした場合、特定の処理ブロックのライセンスの獲得容易度に差が生まれ、処理可能なライセンスが一括ではそろわないケースが存在しうる。そのため、複合機102では、ライセンスの一部のみがそろった状態で処理できる部分を逐次に分割処理できれば、全体的なスループットの向上が見込まれる。
【0129】
本実施例では、処理ブロック毎にライセンス上限値による管理及び、分割実行可能な例について詳述する。
図15(a)は、実施例3におけるSC101の内部ブロック図である。なお、図1(b)と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は省略する。
図15(a)において、2201はジョブ分割部である。ジョブ分割部2201は、複合機が要求するライセンスの全てを一括供給できない場合に、ジョブを単位ステップごとに分割する。
2202は、分割ライセンス発行部であり、ジョブ分割部2201が分割したステップ毎に、ステップ実行用のライセンスを発行する。本実施例では、ライセンス数決定部203は、各処理部に上限値を設定することが可能な構成となる。
【0130】
上限値設定は、管理装置であるSC101上の画面において、図15(b)の2300の画面を通じて行う。
図15(b)は、実施例3においてライセンス最大値を決定するための画面を示す図であり、図3の画面400と同一のものには同一の符号を付してある。
図15(b)において、2301−1〜2301−4は、ライセンスの割合を変更させたい処理ブロックを選択するためのキーであり、いずれか1つのみが選択状態になるように構成されている。また、選択状態のキーは、反転表示され、選択中の処理ブロックが一意に判別可能である。なお、キー2301−1〜2301−4には、各処理ブロックごとのライセンスの割合が表示されている。ここでは、それぞれ25ずつの割合となっている。
【0131】
2302は、各処理ブロックに割り当てるライセンスの割合を増減させるためのキーである。2301−1〜2301−4を選択後、2302の「+」を押せば選択されている処理ブロックの割合が増え、また、2302の「−」を押せば選択されている処理ブロックの割合が減少する。なお、全割り当て数の比率が「100」(又は「0」)を超えて設定されようとした場合は、警告を表示し、他の処理ブロックの割合を減らす(増やす)か、選択されている処理部に対しての増加(減少)処理が中止されるように構成されている。
【0132】
2303は自動調整を行うかどうかの選択スイッチである。スイッチ2303で自動調整が選択された場合、ライセンス算出テーブル300(図2(a))を参照し、各処理ブロックが消費する電力量又は排出するCO2量の比率に応じた自動的に割り当て設定するライセンス自動割当設定処理(図17)が行われる。また、スイッチ2303で自動調整が選択された場合、稼動率の高い処理部について自動で割合を、処理ブロック毎のライセンスの割当の総計を変更しない範囲で、増やしたり逆に減らしたりするライセンス数調整処理(図19)も行われる。
【0133】
なお、本実施例では、決定ボタン404の指示を検知することにより、ライセンス数決定部203は、スイッチ403−1又は403−2により選択された管理モードに対応する上限値に応じて、ライセンス最大値を決定する。また、ライセンス数決定部203は、キー2301−1〜2301−4に表示されている各処理ブロックごとのライセンス割合に応じて、処理ブロック毎のライセンス最大値を決定する。例えば、プリンタ部ライセンス最大値、読取部ライセンス最大値、画像処理部ライセンス最大値、後処理部ライセンス最大値を決定する。
【0134】
なお、決定されたライセンス最大値、及び、各処理ブロック毎のライセンス最大値は、図16(a)のライセンス数テーブル2400として、SC101のRAMに格納される。
【0135】
図16(a)に示すように、ライセンス数テーブル2400は、各処理ブロック部に独立してライセンスの最大値が設定される。また、ライセンス数テーブル2400には、選択スイッチ2303により自動調整がONに設定されたかOFFに設定されたかを示す情報が自動調整フィールドに設定される。
【0136】
以下、図17を用いて、ライセンス自動割当設定処理について説明する。このフローチャートの処理は、ライセンス数決定部203(SC101のCPU)により実行される。
【0137】
まず、S2501において、ライセンス数決定部203は、ライセンス算出テーブル300(図2(a))を取得する。
次に、S2502において、ライセンス数決定部203は、画面2300で入力された管理モード、及び、管理モードに応じたライセンスの上限値(ライセンス最大値W)を決定する。
【0138】
次に、S2503において、ライセンス数決定部203は、S2502で取得した管理モードに応じて、ライセンス算出テーブル300(図2(a))から、全処理ブロックの単位ライセンス合計値Yを算出する。例えば、画面2300において、403−1が選択されて排出CO2量管理モードに設定された場合、ライセンス算出テーブル300のテーブルから、排出CO2に関する処理ブロック単位ライセンスのみを取得して合算し、該合算結果をYとする。
【0139】
次にS2504において、ライセンス数決定部203は、全処理ブロックの数(処理部数N)を取得する。本実施例では、プリンタ部(処理部ID=0)、読取部(処理部ID=1)、画像処理部(処理部ID=2)、後処理部(処理部ID=3)の4つになっているため、Nには4が設定される。なお、各処理ブロックの数と各処理部IDについては、予め管理者によりSC101の外部メモリに設定されているものとする。
【0140】
次に、S2505において、ライセンス数決定部203は、ライセンス上限値算出済み処理部数Xを「0」に初期化する。
次に、S2506において、ライセンス数決定部203は、ライセンス上限値算出済み処理部数Xと、処理部数Nを比較を行い、全処理部に対してライセンス上限値を算出済み(X=N)か否かを判定する。
そして、S2506において、未だ全処理部に対してライセンス上限値を算出済みでない(X≠N)と判定した場合(S2506でNo)、ライセンス数決定部203は、S2507に処理を進める。
【0141】
S2507では、ライセンス数決定部203は、S2502で取得した管理モードに応じて、ライセンス算出テーブル300(図2(a))から、処理部IDがX+1の処理ブロックの単位ライセンス合計値Zを算出する。
【0142】
次に、S2508において、ライセンス数決定部203は、処理部IDがX+1の処理ブロックのライセンス数最大値を、ライセンス最大値Wと、全処理部の単位ライセンス合計値Yに対する処理部IDがX+1の処理ブロックの単位ライセンス合計値Zの割合(Z/Y)から算出し、メモリ上に保持しておく。なお、本実施例では、処理部IDがX+1の処理ブロックのライセンス数最大値=W×Z/Yとするが、他の重みづけを持たせることも可能である。また、各複合機の処理ブロック単位ライセンスの平均値で算出し、割合を決定する構成もありうる。
【0143】
次に、S2509において、ライセンス数決定部203は、処理部IDを1増やし、S2506に処理を戻し、全処理ブロックに対して、ライセンス数の算出が終わるまで処理を繰り返す。
【0144】
そして、S2506において、全処理部に対してライセンス上限値を算出済みである(X=N)と判定した場合(S2506でYes)、ライセンス数決定部203は、S2510に処理を進める。
【0145】
S2510では、ライセンス数決定部203は、メモリ上に保持した各処理ブロックのライセンス上限値等を用いて、ライセンス数テーブル2400(図16(a))を生成し、自動割り当て処理を終了する。
【0146】
本実施例では、ライセンス要求処理部206は、ライセンス数テーブル2400(図16(a))から、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))を生成し、保持する。
【0147】
図16(b)に示すように、実施例3のライセンス管理テーブル2600では、使用中ライセンス数が各処理ブロック毎に記憶される。また、ライセンス管理テーブル2600の自動調整フィールドに、画面2300の選択スイッチ2303により自動調整がONに設定されたかOFFに設定されたかを示す情報が記憶される。
【0148】
また、ライセンス詳細テーブル2601には、分割実行中かどうかを示す分割実行フィールドと、分割ジョブID、実行済みステップを記録するフィールドが設けられている。なお、これらのフィールドの詳細は後述する。
【0149】
以下、図18を用いて、実施例3におけるライセンス発行依頼処理について説明する。図18の処理は、ライセンス数決定部203(SC101のCPU)により実行される。なお、基本的な流れは図5に示した実施例1のライセンス発行依頼処理と同様である。
【0150】
まず、ライセンス要求処理部206は、処理キューにライセンス要求用のパケットが到着した場合(S2701でYes)、ジョブ情報を解析し(S2702)、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))を取得する(S2703)。
【0151】
さらに、ライセンス要求処理部206は、ジョブで使用する全処理ブロックにライセンス供給可能であれば(S2704でYes)、一括実行ライセンス供給処理を実行する(S2705)。この一括実行ライセンス供給処理(S2705)では、ライセンス要求処理部206は、図5のS908〜S911のように、ライセンス有効期間を算出し、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))を更新し、ライセンス発行指示をライセンス発行部202に行う。なお、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))の更新では、各処理ブロック毎の使用中ライセンス数を更新し、ライセンス詳細テーブル2601の分割実行フィールド及び実行済みステップフィールドにはそれぞれ「0」をセットし、分割ジョブIDフィールドにも「0」をセットする。
【0152】
一方、ジョブで使用する少なくとも1つの処理ブロックにライセンス供給可能でないと判定した場合(S2704でNo)、ライセンス要求処理部206は、S2706で、ライセンス数決定部203にライセンス数の自動調整を行うように指示する。即ち、ライセンスを発行すると、少なくとも1つの処理ブロックの使用中ライセンス数がライセンス最大値を超えてしまう場合には、ライセンス数の自動調整を行うように指示する。この指示を受けた、ライセンス数決定部203はライセンス数自動調整処理(図19)を実行する。
【0153】
そして、ライセンス数の自動調整が終わると、S2707において、ライセンス要求処理部206は、S2706の自動調整の結果、全使用ブロックにライセンス供給可能になったか否かを判定する。そして、全使用ブロックにライセンス供給可能になったと判定した場合(S2707でYes)、ライセンス要求処理部206は、上述した一括実行ライセンス供給処理を行う(S2705)。
【0154】
一方、S2707の自動調整処理を行っても、全使用ブロックにライセンス供給可能になっていないと判定した場合(S2707でNo)、ライセンス要求処理部206は、S2708に処理を進める。S2708では、ライセンス要求処理部206は、ジョブ分割部2201に、ジョブ分割実行処理(図20)を行うように指示する。
【0155】
以下、図19を用いて、S2706のライセンス数自動調整処理について説明する。図19の処理は、ライセンス数決定部203(SC101のCPU)により実行される。
【0156】
まず、S2801において、ライセンス数決定部203は、ライセンス管理テーブル2600の自動調整フィールドにONが設定されているか否かを判定する。そして、自動調整フィールドにONが設定されていないと判定した場合(S2801でNo)、ライセンス数決定部203は、ライセンス数テーブル2400(図16(a))の再生成を行わず、図18のフローチャートに処理を戻す。
【0157】
一方、自動調整フィールドにONが設定されていると判定した場合(S2801でYes)、ライセンス数決定部203は、S2802に処理を進める。
S2802では、ライセンス数決定部203は、ライセンスの上限値をオーバーして要求が行われた処理ブロックの処理部IDを示すXを取得する。なお、ライセンスの上限値をオーバーして要求が行われた処理ブロックが複数存在する場合には、いずれかの処理部IDを取得する。
【0158】
次に、ライセンス数決定部203は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))と、ライセンス数テーブル2400(図16(a))を取得する(S2803,S2804)。
【0159】
次に、S2805において、ライセンス数決定部203は、処理部IDがX以外の処理ブロックで、最大ライセンス数−使用中ライセンスの値が最も大きい処理ブロックのIDを示すYを決定する。
【0160】
次に、S2806において、ライセンス数決定部203は、X、Yに設定されているライセンス数が、システムとして決めている上限値及び下限値の範囲を超えていない(最小値以上、且つ、最大値未満)かどうかを判定する。なお、上限値(最大値)、下限値(最小値)は、ユーザの設定値、又は、ライセンス形態によって前もって決められ、SC101の外部メモリに格納されているものとする。
そして、X、Yに設定されているライセンス数の双方が、システムとして決めている上限値及び下限値の範囲内である(最小値以上、且つ、最大値未満)と判定した場合(S2806でYes)、S2807,S2808に処理を進める。
【0161】
S2807,S2808では、ライセンス数決定部203は、処理ブロックIDがXのライセンス数を増加し、処理IDがYのライセンス数を減少させ、S2809に処理を進める。なお、ここで増加、減少させるライセンス数の数は、予め決められた値(例えば「1」)であってもよいし、ユーザにより設定されてSC101の外部メモリに格納されている値でもよい。
【0162】
一方、X、Yに設定されているライセンス数の少なくとも1つが、システムとして決めている上限値又は下限値の範囲を超えている(最小値以下、又は、最大値以上)と判定した場合(S2806でNo)、ライセンス数決定部203は、S2809に処理を進める。
S2809では、ライセンス数決定部203は、ライセンス数テーブル2400(図16(a))の再生成を行い、ライセンス自動調整処理を終了する。
【0163】
以下、図20を参照して、S2708のジョブ分割実行処理について説明する。このフローチャートのS2901の処理はジョブ分割部2201により実行され、S2902〜S2911の処理は分割ライセンス発行部2202により実行されるものである。即ち、このフローチャートの処理は、SC101のCPUにより実行されるものである。
まず、S2901において、ジョブ分割部2201は、ジョブを分割実行するための分割ジョブテーブル3000(図21(a))を生成する。
【0164】
図21(a)において、3001は分割ジョブ識別のためのIDであり、生成された順番にしたがって、一意にIDが生成され、付与される。3002は分割ステップ数であり、このステップ数に応じて、3004〜300Nまで、ステップ番号と、ステップで必要なライセンス数が記録される。3003は各ホスト識別のためのIDであり、ライセンス数供給可能かどうかの判別の際に、用いられる。
【0165】
3004〜300Nは、ステップ実行時の各ステップで実行するジョブ種別と、必要なライセンス数を記録している。Nステップに分割した場合、実行ジョブ種と、必要ライセンス数のフィールドがN個の組み合わせで生成される。図21(a)に示した例では、コピージョブを原稿読取を行うスキャンと、印刷処理を行うプリントの2つのジョブに分割した場合を示す。
以下、図20のフローチャートの説明に戻る。
【0166】
分割ジョブテーブル3000を生成すると、ジョブ分割部2201は、生成した分割ジョブテーブル3000を分割ライセンス発行部2202に渡す。
分割ジョブテーブル3000を受けると、分割ライセンス発行部2202は、S2902において、分割ステップ数Snを取得する。Snは、分割ジョブテーブル3000の、分割ステップ数フィールドを参照することで得られる。次に、S2903において、分割ライセンス発行部2202は、処理済ステップ数Saを「0」に初期化する。
【0167】
次に、S2904において、分割ライセンス発行部2202は、処理済ステップ数Saと分割ステップ数Snの比較を行う。そして、SaとSnが等しくない(Sa≠Sn)と判定した場合(S2904でNo)、分割ライセンス発行部2202は、S2905において、処理済ステップ数Saを1増加させる。
【0168】
次に、S2906において、分割ライセンス発行部2202は、Saのステップに関する情報を取得し、分割ジョブテーブル3000(図21(a))中のホスト種別3003と、ステップNoから、必要なライセンス数Lnをライセンス算出テーブル300(図2(a))より求める。例えば、Saが「1」の場合、図21(a)に示した例では、ホスト種別3003が「複合機1」、ステップNo001必要ライセンス数が「スキャン:1,画像処理:1」となる。また、ライセンス算出テーブル300(図2(a))の例では、複合機1のスキャン単位ライセンス(CO2)は「0.4」、画像処理単位ライセンス(CO2)は「0.1」である。よって、必要なライセンス数Lnは(読取部ライセンス:0.4,画像処理ライセンス:0.1)と求められる。
【0169】
次に、S2907において、分割ライセンス発行部2202は、Saのステップに必要なライセンス数Lnを供給可能であるか判定する。そして、Saのステップに必要なライセンス数Lnを供給可能であると判定した場合(S2907でYes)、分割ライセンス発行部2202は、S2908に処理を進める。
【0170】
S2908では、分割ライセンス発行部2202は、ライセンスパケット3100(後述する図21(b))を生成してライセンス要求元の複合機102に送信する。この際、分割ライセンス発行部2202は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))のライセンス詳細テーブル2601の情報を更新する。詳細には、Sa=「1」の場合は、分割ライセンス情報を新規にライセンス詳細テーブル2601に登録し、Sa≠「1」の場合は、ライセンス詳細テーブル2601の分割ジョブIDが対応するレコードの使用ライセンス数、有効期限の情報を更新する。
【0171】
次に、S2909にて、ライセンス要求処理部206は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))のライセンス詳細テーブル2601の分割ジョブIDが対応するレコードの実行済みステップを調べて、Saのステップが「実行済み」になるまで待つ。そして、Saのステップが「実行済み」になったと判定した場合(S2909でYes)、ライセンス要求処理部206は、次のステップを実行するため、S2904に処理を戻す。
【0172】
そして、SaとSnが等しい(Sa=Sn)と判定した場合(S2904でYes)、ライセンス要求処理部206は、全ステップを実行したと判断し、S2910に進める。
S2910では、ライセンス要求処理部206は、ジョブを終了させ、S2911において、処理終了した分割ジョブテーブルを削除し、ジョブ分割実行処理を終了する。
【0173】
本実施例のライセンスパケット3100の構造は図21(b)のようになる。
本実施例のライセンスパケット3100は、実施例1のライセンスパケット1000(図2(c))に比較して、分割ジョブID3107と、分割ジョブステップ番号3108、分割ジョブ種別3109が追加された構成となっている。なお、3101〜3106は、一括実行用のライセンスパケット1000(図2(c))の1001〜1006と同一である。
【0174】
分割ジョブID3107には、分割ジョブテーブルの分割ジョブIDがセットされる。分割ジョブステップ番号3108、及び、分割ジョブ種別3109には、SC101がジョブを分割し、実行を指示するステップ番号、及び、ジョブ種別が設定され、複合機102に送信される。
また、分割ライセンスを返却するための、ライセンス要求返却パケットの構造は図21(c)の3200のようになる。
ステップが1つ終了するたびに、複合機102からは、本実施例のライセンス要求返却パケット3200(図21(c))がSC101に送信される。
【0175】
図21(c)は、実施例3のライセンス要求返却パケットの構成を示す図である。
本実施例のライセンス要求返却パケット3200と、実施例1のライセンス要求返却パケット800(図2(b))との差分は、ライセンス要求/返却のフィールド3201に、分割実行ライセンスの返却を意味する「3」がセットされ、分割実行ライセンスで供給された、分割ジョブID3202と、分割ジョブのステップ番号3203が付与されたことである。
【0176】
ライセンス要求/返却のフィールド3201が「3」のパケットがSC101に到達した際、SC101は、ライセンス管理テーブル2600(図16(b))のライセンス詳細テーブル2601の情報を更新し、実行済みステップ数に、返却されたパケットの分割ジョブステップ番号をセットする。
実行済みステップ数が変更されると、図20のS2909で返却済みになったと判断可能となる。
また、複合機102は、全ステップ実行終了後は、通常のライセンス返却用のライセンス要求返却パケット800(図2(b))を生成し、SC101に送付する。
【0177】
次に、図22を参照して、複合機102側のジョブ実行処理について説明する。このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0178】
まず、S3301〜S3306については、図8のS1401〜S1406と同一であるので説明は割愛する。
S3307において、複合機102のCPU1203は、取得したライセンスパケット3100(図21(b))をメモリ上に一旦蓄積し、ライセンス情報として保持する。さらに、CPU1203は、ライセンス情報の、分割ジョブID3107の値に基づいてライセンスが一括実行可能か否かを判定する。
【0179】
CPU1203は、ライセンス情報の分割ジョブID3107が「0」の場合、ライセンスは一括実行可能なライセンスであると判定し(S3307でYes)、S3808において、通常通りの一括ジョブ実行(図9)を行う。
【0180】
一方、CPU1203は、ライセンス情報の分割ジョブID3107が「0」でない値の場合、ライセンスは一括実行不可能なライセンスであると判定し(S3307でNo)、S3809において、分割ジョブ実行処理(図23)を行う。
そして、S3808又はS3809でジョブ実行後、S3302に処理を戻し、ジョブ受付状態1302へと遷移する。
【0181】
以下、図23を用いて、図22のS3309の分割ジョブ実行処理について説明する。
このフローチャートの処理は、CPU1203がROM1202にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
分割ジョブ実行では、まず、S3401において、CPU1203は、ライセンス情報から給電可能な処理部(処理ブロック)の情報を取得し、該取得した給電可能な処理部(処理ブロック)の情報に対応する各処理部への電力供給を行う(S3402)。
【0182】
次に、S3403において、CPU1203は、処理対象とするページ数Nを取得し、S3405において、処理済ページ数をMとし、処理済ページ数Mに「0」を設定する。
次に、S3405において、CPU1203は、処理済ページ数Mと処理ページ数Nの比較を行い、分割ステップ実行の1ステップが終了した(M=N)か否かを判定する。
そして、S3405において、未だ全ページ数の処理が終了していない(M≠N)と判定した場合(S3405でNo)、CPU1203は、S3406に処理を進める。
S3406では、CPU1203は、S3401で取得したライセンス情報で指示されたジョブの処理を1ページ分実行し、処理済ページ数Mに「M+1」をセットし、処理済みページ数Mを増加させ、S3405に処理を戻す。
【0183】
そして、S3405において、分割ステップ実行の1ステップが終了した(M=N)と判定した場合(S3405でYes)、CPU1203は、S3407において、ライセンス情報にしたがって供給している電力の供給を停止する。即ち、CPU1203は、S3402で電力供給を開始した各処理部(処理ブロック)への電力供給を停止する。
【0184】
次に、S3408において、CPU1203は、ステップ実行ライセンスの返却を行う。ステップ実行ライセンスの返却は、前述したとおり、図21(c)の3200に示したようなライセンス要求返却パケット(ライセンス要求/返却のフィールド3201に「3」がセットされている)をSC101に送信することにより行う。
【0185】
ステップ実行ライセンス返却した後、S3409において、CPU1203は、全ステップの実行が完了してジョブが終了したか否かの判定を行う。
そして、未だ実行するステップが残っておりジョブが終了していないと判定した場合(S3409でNo)、CPU1203は、次の分割実行ライセンスが供給されるまで待機する(S3411)。そして、次の分割実行ライセンスを取得したと判定した場合(S3411でYes)CPU1203は、S3401に処理を戻し、次のステップを実行する。
【0186】
一方、S3409において、既に全ステップの実行が完了してジョブが終了したと判定した場合(S3409でYes)、CPU1203は、S3410において、ライセンス返却を行う。ライセンスの返却は、前述したとおり、図21(c)のライセンス要求返却パケット(ただし、ライセンス要求/返却のフィールド3201に「0」がセットされている)をSC101に送信することにより行う。そして、ライセンスを返却すると、元の処理に戻る(図22のフローチャートに処理を戻す)。
【0187】
以上示したように、本実施例では、各部位に一括でライセンスが確保できない場合においても、ジョブの分割実行を複合機に指示して、複合機でジョブを分割実行する構成とする。この構成により、ライセンス待ちが起こる可能性を少なくして、ユーザの待ち時間を減らし、全体的なスループットを向上させることができる。
【実施例4】
【0188】
例えば、故障時のレポートプリントや、管理者による、管理情報のレポートプリントなど、特殊な条件下で、印刷を行う場合、ライセンスによるデバイスの電源制御を行いたくない場合も存在する。そのような場合の処理について、本実施例で説明する。
本実施例の構成は上述した実施例1と同様の部分も多いため、差分のみを説明する。
【0189】
まず、本実施例のライセンス発行処理について図24を用いて説明する。このフローチャートの処理は、ライセンス要求処理部206(SC101のCPUにより)実行される。
【0190】
まず、S3501〜S3505は、図5のS901〜S905と同一であるので説明は省略する。
次に、S3506において、ライセンス要求処理部206は、ライセンス要求のパケットから特定した実行ジョブ種が、前もって設定された特殊ライセンス対象ジョブであるか否かを判定する。そして、実行ジョブ種が特殊ライセンス対象ジョブでないと判定した場合(S3506でNo)、ライセンス要求処理部206は、S3507に処理を進める。
【0191】
一方、実行ジョブ種が特殊ライセンス対象ジョブであると判定した場合(S3506でYes)、ライセンス要求処理部206は、S3513において、S3505で算出されている使用ライセンス数Lに「0」をセットし、S3507に処理を進める。
以後のS3507〜S3512は、図5のS906〜S911と同一である。
【0192】
なお、特殊ライセンス対象ジョブの場合、S3513で、使用ライセンス数Lが「0」をセットされているため、ライセンス要求処理部206では、そのジョブでどのような処理部を使用するものであっても使用ライセンス数がゼロと判断する。よって、この場合、常に、ライセンス最大値が、使用中ライセンス数と使用ライセンス数Lの和以上(S3507でYes)となり、ライセンス要求処理部206は、ライセンスを発行できると判断し、ライセンスを発行する。よって、特殊ライセンス対象ジョブの場合、必ずライセンスが発行される。したがって、複合機102側では、SC101が有するライセンス数に左右されず、必ずジョブ実行を行うことができる。即ち、複合機102は、特殊ライセンス対象ジョブの場合、使用中のライセンス数がライセンス最大値を超えてしまうか否かに関係なく、ライセンスを発行する。
【0193】
以下、特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理について説明する。
特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理は、SC101上で動作するアプリケーションプログラムにより行われる。このアプリケーションプログラムは、図25に示すような画面3600をSC101上の表示装置に表示する。
【0194】
図25は、特殊ライセンスとして発行するジョブ種の管理するための画面(非管理ジョブ種設定画面)を示す図である。
図25において、3601は非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種;特殊ライセンスとしてライセンス管理対象からはずすジョブ種)のリストである。
3602は、全ジョブ種が表示されるリストであり、リスト3602で選択されたジョブ種は反転表示される。リスト3602で反転表示されたジョブ(リスト3602で選択されたジョブ種)を非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)に設定したい場合は、キー3603を押下する。この操作によって、リスト3602で選択されたジョブ種を、非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)のリスト3601に加えることができる。
【0195】
逆に、非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)から、管理ジョブ種に戻したい場合は、非管理ジョブ種(特殊ライセンス対象ジョブ種)のリスト3601でジョブ種を選択し、キー3404を押下する。この操作によって、特殊ライセンス対象ジョブ種リスト3601で選択されたジョブ種を、管理対象とすることができる。
【0196】
3605は決定ボタンである。決定ボタン3605の指示を、アプリケーションプログラムが検知すると、アプリケーションプログラムは、特殊ライセンス対象ジョブ種リスト3601に設定されたジョブ種の情報を、特殊ライセンス対象ジョブ種として、SC101の外部メモリに格納する。これにより、特殊ライセンス対象ジョブ種リスト3601に設定されたジョブ種に対応するジョブは、図24のS3506で特殊ライセンス対象ジョブであると判定される。
【0197】
以上のように構成することで、特定のジョブに対しては、ライセンス管理対象外として、無条件にライセンスを発行することにより、ライセンス管理の影響を受けることなく、複合機102でジョブ実行が可能となる。
【0198】
以上示したように、本発明によれば、システム全体につながる画像形成装置の台数を減らす等のユーザの利便性を損なうことなく(ユーザに与えるデメリットを最低限に抑え)、効率的に画像形成装置による環境への影響を管理することができる。例えば、システム内の複数の画像形成装置の消費電力量等のエネルギー消費量、排出CO2量等を効率よく管理することができる。
【0199】
また、本発明では、ライセンスに有効期限を設けているため、例えば、ネットワーク切断や、不慮のトラブルによって、ライセンスを返却することなく画像形成装置が停止した場合でも、有効期限が切れた後には、そのライセンスを他のデバイスに供給できる。
【0200】
また、本発明の実施例2では、印字する紙などの印字媒体切れ、紙詰まり等により、ジョブの実行完了が著しく遅れてしまっても、ライセンスの有効期限が切れる前に有効期限を延長することができる。この構成により、ライセンスの有効期限切れを未然に防ぎ、ユーザの処理待ち時間を低減できる。
【0201】
また、本発明の実施例3では、ジョブで使用する全ての部位(処理ブロック)分のライセンスが一括で確保できない場合でも、ジョブを分割してライセンス発行する構成を有する。この構成により、ジョブを分割して実行でき、ユーザの待ち時間を減らし、ライセンス待ちが起こる可能性を少なくし、画像形成装置のパフォーマンス低下を抑え、全体的なスループットを向上させることができる。
【0202】
また、本発明の実施例4では、特定のジョブに対しては、ライセンス管理対象外として、無条件にライセンスを発行する構成を有する。この構成により、特定のジョブに対しては、ライセンス管理の影響を受けることなく、複合機でジョブ実行が可能となる。例えば、故障発生時や緊急的に印刷しなければならない種類のジョブを特定のジョブとして設定しておくことで、この種類のジョブは、ライセンスフル状態の場合でも、印刷不能状態に陥ることなく実行することができる。
【0203】
従って、本発明は、電量消費量や排出CO2量等の環境へ影響を与える指標の上限値管理を行いつつも、ユーザの待ち時間を最低限に抑えることができる。また、ジョブ実行には必要な処理ブロックのみに電力を供給可能に制御し、ジョブ実行に不要な電力を供給させないことで、画像形成装置が消費する電力や排出するCO2量を低減させることができ、画像形成装置による環境への影響を効率よく管理することができる。
【0204】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0205】
以上より、CO2排出量や消費電力等の上限値に応じて、システムトータルで制御を行うことができ、また、上限値管理を行うことで、ユーザに与えるデメリットを最低限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0206】
101 SC(管理装置)
102−1〜102−3 複合機
103−1〜103−2 クライアントコンピュータ
104 ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置のジョブ実行を管理する情報処理装置であって、
画像形成装置でジョブを実行する場合に前記画像形成装置から送信される前記ジョブの実行を許可するライセンスの取得要求に応じて、前記ライセンスを前記画像形成装置に発行する発行処理手段と、
前記複数の画像形成装置全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を記憶管理する管理手段と、
前記ジョブを終了した前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの返却要求に応じて、前記管理手段で管理される前記発行済みのライセンス数を減算する返却処理手段とを有し、
前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記発行処理手段は、前記ジョブの実行に必要なライセンス数のライセンスを前記画像形成装置に発行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の画像形成装置全体の単位時間当たりの消費電力量又は排出二酸化炭素量の上限値に基づいて前記ライセンスの上限値を決定する決定手段を有し、
前記ジョブの実行に必要なライセンス数は、前記ジョブを実行する際の画像形成装置の単位時間当たりの消費電力量又は排出二酸化炭素量に基づくライセンス数であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の画像形成装置はそれぞれ、独立して電力供給可能な複数の処理ブロックを有し、ジョブを実行するために前記ライセンスの発行を受けた場合、前記ジョブを実行する際に使用する処理ブロックに電力供給を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ジョブの実行時間を予測する実行時間予測手段を有し、
前記発行処理手段は、前記実行時間予測手段により予測されたジョブの実行時間に基づく有効期限付きのライセンスを発行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記発行処理手段は、画像形成装置でジョブの実行中に該ジョブを実行するためのライセンスの有効期限が特定時間以内になった場合に前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの有効期限の延長要求に応じて、前記ライセンスの有効期限を延長したライセンスを前記画像形成装置に発行することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記各画像形成装置に対して、ライセンスの有効期限が切れた場合の画像形成装置の動作を規定する動作モードを設定する動作モード設定手段を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記動作モード設定手段は、ジョブの実行中にライセンスの有効期限が切れた場合でも該ジョブの処理をそのまま継続する第1動作モード、ジョブの実行中にライセンスの有効期限が切れた場合は該ジョブの処理を処理速度を落として継続する第2動作モード、又は、ジョブの実行中にライセンスの有効期限が切れた場合は該ジョブの実行を停止する第3動作モードのいずれかの動作モードを設定することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記発行処理手段により発行されるライセンスは、画像形成装置にてジョブを実行する際に該画像形成装置内の各処理ブロックを使用するための処理ブロック毎のライセンスを含むものであり、
前記管理手段は、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値と、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数を記憶管理するものであり、
前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数の少なくとも1つが前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を超えてしまう場合には、画像形成装置で実行されるジョブを複数のステップに分割し、該ステップ毎にライセンスを発行するように制御することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記発行処理手段により発行されるライセンスは、画像形成装置にてジョブを実行する際に該画像形成装置内の各処理ブロックを使用するための処理ブロック毎のライセンスを含むものであり、
前記管理手段は、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値と、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数を記憶管理するものであり、
前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数が前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を超えてしまう場合には、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値の総計を変更しない範囲で、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を調整する調整処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記発行処理手段は、前記調整処理による調整の後も、前記ライセンスの発行によって、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数の少なくとも1つが前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を超えてしまう場合には、画像形成装置で実行されるジョブを複数のステップに分割し、該ステップ毎にライセンスを発行するように制御することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記複数の画像形成装置はそれぞれ、前記ジョブから分割されたステップのライセンスを受けた場合には、該ステップを実行し、次のステップに対するライセンス発行を待機することを特徴とする請求項9又は11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記複数の画像形成装置はそれぞれ、画像形成装置内の複数の処理ブロックに独立して電力供給可能なものであり、前記ジョブから分割されたステップのライセンスを受けた場合には、前記分割されたステップのライセンスに含まれる処理ブロック毎のライセンスで使用を許可された処理ブロックに対して電力供給を行うことを特徴とする請求項9、11、12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
ライセンス管理の対象としないジョブ種を設定する非管理ジョブ種設定手段と、
前記発行処理手段は、前記非管理ジョブ種設定手段により設定されたジョブ種に対応するジョブに対するライセンスの取得要求を受信した場合、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまうか否かに関係なく、ライセンスを発行するように制御することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
複数の画像形成装置のジョブ実行を管理するコンピュータにおける画像形成装置の管理方法であって、
コンピュータが、画像形成装置でジョブを実行する場合に前記画像形成装置から送信される前記ジョブの実行を許可するライセンスの取得要求に応じて、前記ライセンスを前記画像形成装置に発行する発行処理工程と、
コンピュータが、前記複数の画像形成装置全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を記憶管理する管理工程と、
コンピュータが、前記ジョブを終了した前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの返却要求に応じて、前記管理工程で管理される前記発行済みのライセンス数を減算する返却処理工程とを有し、
前記発行処理工程は、前記ライセンスの発行によって、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御することを特徴とする画像形成装置の管理方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載された情報処理装置の手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の画像形成装置のジョブ実行を管理する情報処理装置であって、
画像形成装置でジョブを実行する場合に前記画像形成装置から送信される前記ジョブの実行を許可するライセンスの取得要求に応じて、前記ライセンスを前記画像形成装置に発行する発行処理手段と、
前記複数の画像形成装置全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を記憶管理する管理手段と、
前記ジョブを終了した前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの返却要求に応じて、前記管理手段で管理される前記発行済みのライセンス数を減算する返却処理手段とを有し、
前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記発行処理手段は、前記ジョブの実行に必要なライセンス数のライセンスを前記画像形成装置に発行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の画像形成装置全体の単位時間当たりの消費電力量又は排出二酸化炭素量の上限値に基づいて前記ライセンスの上限値を決定する決定手段を有し、
前記ジョブの実行に必要なライセンス数は、前記ジョブを実行する際の画像形成装置の単位時間当たりの消費電力量又は排出二酸化炭素量に基づくライセンス数であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の画像形成装置はそれぞれ、独立して電力供給可能な複数の処理ブロックを有し、ジョブを実行するために前記ライセンスの発行を受けた場合、前記ジョブを実行する際に使用する処理ブロックに電力供給を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ジョブの実行時間を予測する実行時間予測手段を有し、
前記発行処理手段は、前記実行時間予測手段により予測されたジョブの実行時間に基づく有効期限付きのライセンスを発行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記発行処理手段は、画像形成装置でジョブの実行中に該ジョブを実行するためのライセンスの有効期限が特定時間以内になった場合に前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの有効期限の延長要求に応じて、前記ライセンスの有効期限を延長したライセンスを前記画像形成装置に発行することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記各画像形成装置に対して、ライセンスの有効期限が切れた場合の画像形成装置の動作を規定する動作モードを設定する動作モード設定手段を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記動作モード設定手段は、ジョブの実行中にライセンスの有効期限が切れた場合でも該ジョブの処理をそのまま継続する第1動作モード、ジョブの実行中にライセンスの有効期限が切れた場合は該ジョブの処理を処理速度を落として継続する第2動作モード、又は、ジョブの実行中にライセンスの有効期限が切れた場合は該ジョブの実行を停止する第3動作モードのいずれかの動作モードを設定することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記発行処理手段により発行されるライセンスは、画像形成装置にてジョブを実行する際に該画像形成装置内の各処理ブロックを使用するための処理ブロック毎のライセンスを含むものであり、
前記管理手段は、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値と、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数を記憶管理するものであり、
前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数の少なくとも1つが前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を超えてしまう場合には、画像形成装置で実行されるジョブを複数のステップに分割し、該ステップ毎にライセンスを発行するように制御することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記発行処理手段により発行されるライセンスは、画像形成装置にてジョブを実行する際に該画像形成装置内の各処理ブロックを使用するための処理ブロック毎のライセンスを含むものであり、
前記管理手段は、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値と、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数を記憶管理するものであり、
前記発行処理手段は、前記ライセンスの発行によって、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数が前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を超えてしまう場合には、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値の総計を変更しない範囲で、前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を調整する調整処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記発行処理手段は、前記調整処理による調整の後も、前記ライセンスの発行によって、前記処理ブロック毎の発行済みのライセンス数の少なくとも1つが前記処理ブロック毎のライセンスの上限値を超えてしまう場合には、画像形成装置で実行されるジョブを複数のステップに分割し、該ステップ毎にライセンスを発行するように制御することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記複数の画像形成装置はそれぞれ、前記ジョブから分割されたステップのライセンスを受けた場合には、該ステップを実行し、次のステップに対するライセンス発行を待機することを特徴とする請求項9又は11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記複数の画像形成装置はそれぞれ、画像形成装置内の複数の処理ブロックに独立して電力供給可能なものであり、前記ジョブから分割されたステップのライセンスを受けた場合には、前記分割されたステップのライセンスに含まれる処理ブロック毎のライセンスで使用を許可された処理ブロックに対して電力供給を行うことを特徴とする請求項9、11、12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
ライセンス管理の対象としないジョブ種を設定する非管理ジョブ種設定手段と、
前記発行処理手段は、前記非管理ジョブ種設定手段により設定されたジョブ種に対応するジョブに対するライセンスの取得要求を受信した場合、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまうか否かに関係なく、ライセンスを発行するように制御することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
複数の画像形成装置のジョブ実行を管理するコンピュータにおける画像形成装置の管理方法であって、
コンピュータが、画像形成装置でジョブを実行する場合に前記画像形成装置から送信される前記ジョブの実行を許可するライセンスの取得要求に応じて、前記ライセンスを前記画像形成装置に発行する発行処理工程と、
コンピュータが、前記複数の画像形成装置全体で発行可能なライセンスの上限値と発行済みのライセンス数を記憶管理する管理工程と、
コンピュータが、前記ジョブを終了した前記画像形成装置から送信される前記ライセンスの返却要求に応じて、前記管理工程で管理される前記発行済みのライセンス数を減算する返却処理工程とを有し、
前記発行処理工程は、前記ライセンスの発行によって、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えない場合にはライセンスを発行し、前記発行済みのライセンス数が前記ライセンスの上限値を超えてしまう場合にはライセンスを発行しないように制御することを特徴とする画像形成装置の管理方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載された情報処理装置の手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−239080(P2011−239080A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107411(P2010−107411)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]