説明

情報処理装置、画像形成装置及びプログラム

【課題】データのうち、指定したページが所望するページであるかを簡易、確実に確認できるようにし、ページの指定ミスを防いで無駄を無くすとともに、プレビュー画像の確認に要する時間をできるだけ短くし、生産性や、使いやすさを高める。
【解決手段】情報処理装置は、ページのプレビュー画像を表示するディスプレイと、画像形成装置にジョブを実行させるページを指定する指定入力と、指定入力されたページ(指定ページ)のプレビュー画像を表示させる指示入力と、プレビュー画像の表示ページの切替入力を受け付ける入力デバイスと、指定ページに基づき、ジョブ実行用データを送信する通信部と、を含み、ディスプレイは、連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての非連続ページのプレビュー画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つのデータのうち、ジョブを実行するページのプレビュー画像を表示する情報処理装置、画像形成装置に関する。又、プレビュー画像を表示するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置や画像形成装置には、印刷や送信しようとするページのプレビュー画像を表示するものがある。プレビュー画像は、使用者の所望する結果が得られるか(設定に間違いがないか)を確認のため参照される。例えば、プレビュー画像表示により、指定したページが適切か否かの確認や、多数のページに及ぶデータに送信してはいけないページが含まれていないかを確認することができる。このようなプレビュー表示を行う情報処理装置の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、指定された宛先に送信データを送信する送信指示を行う情報処理装置であって、プレビュー情報を表示する表示手段、プレビュー情報の表示の切り替えの指示を行う表示切替手段と、表示手段によって全てのプレビュー情報が表示されたかを判断する判断手段と、全てのプレビュー情報が表示されたと判断した場合に、指定された宛先に対して前記送信データを送信する送信指示を行う送信指示手段と、を備えた情報処理装置が記載されている。この構成により、予め全ての送信データを出力しないと送信指示を行わず、ユーザに対して送信データの(全)内容の確認を行わせることが可能となり、個人情報や営業秘密など、機密情報の漏洩の危険性を低減しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0020]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−166201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
まず、情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)からデータを画像形成装置に送信し、画像形成装置に印刷ジョブを行わせることがある。あるいは、画像形成装置に予め蓄積されたデータが印刷や送信に再利用されることもある。このとき、使用者は、複数ページのうち、一部のページを指定して印刷等を行うことがある。しかし、使用者の所望するページと異なるページを誤って指定してしまう場合がある。特に、数十ページや数百ページの中から、1又は数ページを選ぶ場合、ページ指定のミスが生じやすい。
【0006】
そして、誤ったページを指定したままで印刷や送信が行われると、使用者が所望する結果が得られず、用紙、トナー、電力等の資源が無駄となり、再設定のために時間の無駄が生ずる。従って、指定したページが使用者の所望するページかを、プレビュー画像等で確認できるようにすべきであるという問題がある。
【0007】
又、特許文献1記載の発明のように、使用者がページを指定してから、全ページのプレビュー画像を表示すれば、確かに印刷や送信での失敗を減らせる場合がある。しかし、特許文献1記載の発明は、全ページのプレビューの閲覧をして初めて送信を行える。そのため、多数ページ(例えば、数十〜数百ページ)のデータの送信や印刷では、プレビューを確認するだけで膨大な時間がかかる。又、必要な部分だけ確認できればよいのに、全ページのプレビューの閲覧を強要すると、返って確認がいい加減でおろそかになる場合もある。従って、特許文献1記載の発明は、使用者にとって煩わしく、現実的、効率的ではないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、データのうち、指定したページが所望するページであるかを簡易、確実に確認できるようにし、ページの指定ミスを防いで無駄を無くすとともに、プレビュー画像の確認に要する時間をできるだけ短くし、生産性や、使いやすさを高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため請求項1に係る情報処理装置は、プレビュー画像を表示するディスプレイと、データに含まれるページのうち、画像形成装置にジョブを実行させるページを指定する指定入力と、ページを指定する指定入力がなされた後に前記指定入力されたページである指定ページの前記プレビュー画像を表示させる指示入力と、前記プレビュー画像の表示ページの切替入力を受け付ける入力デバイスと、前記指定ページに基づき、画像形成装置に実行させるためのジョブ実行用データを送信する通信部と、を含み、前記ディスプレイは、前記指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することとした。
【0010】
この構成によれば、ページの指定が行われた後、指定ページが連続ページのとき、最初と最後のページのみのプレビュー画像が表示される。これにより、ページが連続している場合、実用上、必要なページのみのプレビュー画像の確認で済ますことができる。従って、確認するプレビュー画像のページ数が最小限となるので、連続ページの範囲が広くても(指定されたページ数が多くても)、プレビュー画像の確認に要する時間を従来よりも減らすことができる。
【0011】
又、ページの指定が行われた後、指定ページが非連続ページのとき、非連続ページの全ページのプレビュー画像を表示する。これにより、多数のページの中の1ページや、多数のページの中で散らばって存在する特定のページを間違いなく指定できているか、確実に確認することができる。従って、設定ミス(ページの指定ミス)による用紙等の無駄の発生を防ぐことができる。又、ページ指定にミスがないかを効率的に確認できるので、指定したページの全てのプレビュー画像を確認しなければならない場合に比べ、使用者は集中して指定ページの確認を行える。従って、的確にページの指定ミスを発見できる。
【0012】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記入力デバイスは、前記連続ページと前記非連続ページの両方の種類でページを指定する入力を受け付け、前記ディスプレイは、前記連続ページについては、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記非連続ページについては、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することとした。
【0013】
この構成によれば、入力デバイスは、指定ページとして、連続ページと非連続ページの両方の種類を指定する入力を受け付け、連続ページと非連続ページにあわせてプレビュー画像が表示される。これにより、使用者は、ページの指定を複数の態様で指定でき、かつ、プレビュー画像は指定した態様に合わせて表示される。従って、使用者は、指定したページの部分に応じてプレビュー画像を最小限かつ的確に確認することができ、効率的にプレビュー画像の確認を行うことができる。
【0014】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記通信部は、前記ディスプレイが表示すべき全てのページの前記プレビュー画像を表示した後、前記ジョブ実行用データの送信を行うこととした。
【0015】
この構成によれば、通信部は、ディスプレイが表示すべき全てのページのプレビュー画像を表示した後、ジョブ実行用データの送信を行う。これにより、使用者が指定したページに誤りがないかをしっかり確認した後、印刷や送信のジョブが実行され、ページの指定ミスによる無駄が生じない。
【0016】
又、請求項4に係る画像形成装置は、1又は複数ページの画像データを含む蓄積文書を記憶する記憶部と、前記蓄積文書に基づき印刷を行う画像形成部と、前記蓄積文書のページのプレビュー画像を表示する表示部と、前記蓄積文書に含まれるページのうち、ジョブを実行させるページを指定する指定入力と、ページを指定する指定入力がなされた後に前記指定入力されたページである指定ページのプレビュー画像を表示させる指示入力と、前記プレビュー画像の表示ページの切替入力を受け付ける入力部と、を含み、前記表示部は、前記指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することとした。
【0017】
この構成によれば、画像形成装置に蓄積された蓄積文書の印刷で、ページの指定が行われた後、指定ページが連続ページのとき、最初と最後のページのみのプレビュー画像が表示される。これにより、請求項1の発明と同様に、プレビュー画像の確認を最小限で済ますことができる。従って、プレビュー画像の確認に要する時間を従来よりも減らすことができる。又、ページの指定が行われた後、指定ページが非連続ページのとき、非連続ページの全ページのプレビュー画像が表示される。これにより、ページを間違いなく指定できているか、確実に確認することができる。従って、設定ミス(ページの指定ミス)による用紙等の無駄の発生を防ぐことができる。又、使用者は集中して指定ページの確認を行える。従って、的確にページの指定ミスを発見できる。
【0018】
又、請求項5に係る発明は、前記入力部は、前記連続ページと前記非連続ページの両方の種類でページを指定する入力を受け付け、前記表示部は、前記連続ページについては、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記非連続ページについては、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することとした。
【0019】
この構成によれば、請求項2の発明と同様、入力部は、指定ページとして、連続ページと非連続ページの両方の種類を指定する入力を受け付ける。これにより、使用者は、ページの指定を複数の態様で指定でき、かつ、プレビュー画像は指定した態様に合わせて表示される。従って、使用者は、指定したページの部分に応じてプレビュー画像を最小限かつ的確に確認することができ、効率的にプレビュー画像の確認を行うことができる。
【0020】
又、請求項6に係る発明は、請求項4又は5の発明において、前記画像形成部は、前記表示部が表示すべき全てのページの前記プレビュー画像を表示した後、前記蓄積文書に基づき印刷を行うこととした。
【0021】
この構成によれば、画像形成部は、ディスプレイが表示すべき全てのページのプレビュー画像を表示した後、蓄積文書に基づき画像形成を行う。これにより、使用者が指定したページに誤りがないかをしっかり確認した後、ジョブの実行が開始され、印刷や送信を確実に行うことができ、ページの指定ミスによる無駄が生じない。
【0022】
又、請求項7に係るプログラムは、データに含まれるページのうち、画像形成装置にジョブを実行させるページを指定する指定入力と、ページを指定する指定入力がなされた後に前記指定入力されたページである指定ページのプレビュー画像を表示させる指示入力と、前記プレビュー画像の表示ページの切替入力を、入力デバイスに受け付けさせ、前記指定ページの確認のためのプレビュー画像を表示する前記ディスプレイに、前記指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像の表示をディスプレイに行わせ、前記指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を、前記ディスプレイに表示させることとした。
【0023】
このプログラムにより、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、指定ページが所望するページであるかを簡易、確実に確認できる情報処理装置、画像形成装置を提供することができる。又、実行したジョブのミスが防がれるので、トナー、用紙、時間、エネルギー等の無駄の無い情報処理装置、画像形成装置を提供することができる。又、プレビュー画像の確認のための時間を短くできるので、生産性が高く使いやすい情報処理装置、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るコンピュータでのジョブ実行用データの設定画面の一例を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態に係るコンピュータでのプレビュー画像の表示の一例を示す説明図であり、(a)は指定ページが連続ページの場合を示し、(b)は指定ページが非連続ページの場合を示し、(c)は指定ページが非連続ページと連続ページが混在している場合を示す。
【図4】第1の実施形態に係るコンピュータでのジョブ実行確認画面の一例を示す説明図である
【図5】第1の実施形態に係るコンピュータでのプレビュー画像の表示制御の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る複合機の一例を示す模型的正面断面図である。
【図7】第2の実施形態に係る複合機の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態に係る複合機での機能選択画面の一例を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態に係る複合機での文書出力設定画面の一例を示す説明図である。
【図10】第2の実施形態に係る複合機での範囲指定画面の一例を示す説明図である。
【図11】第2の実施形態に係る複合機でのプレビュー確認画面の一例を示す説明図である。
【図12】第2の実施形態に係るコンピュータでのプレビュー画像の表示制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図5を用いて説明する。ここで、本発明は、各種情報処理装置に適用可能であるが、コンピュータ(情報処理装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
【0027】
(コンピュータのハードウェア構成)
まず、図1を用い、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1の一例を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
まず、図1に示すコンピュータ1は、例えば、パーソナルコンピュータである。そして、コンピュータ1は、図1に示すように、処理部11を有する。処理部11は、演算処理や、画像データに対する処理(例えば、プレビュー画像生成処理)や、圧縮や解凍などのデータ処理や、コンピュータ1の各部の動作制御を行う。処理部11は、例えば、基板として構成され、CPU11aのような演算、処理用の素子を含む。
【0029】
そして、コンピュータ1は、不揮発的にデータを記憶する記憶部12を有する。記憶部12は、RAM13よりも大きな容量を有する。記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)である。尚、記憶部12は、フラッシュROMを利用したSSDでもよい。記憶部12は、コンピュータ1を動作させ、各種処理を行わせるためのプログラム(例えば、OSや各種アプリケーション)やデータを記憶する。
【0030】
又、コンピュータ1は、データやプログラムを揮発的に記憶するメインメモリ(主記憶装置)としてRAM13を有する。RAM13には、記憶部12から読み出されたコンピュータ1を動作させ、各種処理を行わせるためのプログラム、データが蓄えられる。CPU11aは、RAM13内のプログラムやデータを利用し、演算や処理を行う。
【0031】
又、コンピュータ1は、ディスプレイ14を有する。ディスプレイ14は、例えば、プログラム(アプリケーションソフト)を動作させたとき、画面、画像を表示する。例えば、プログラムの起動に伴い、処理部11は、プログラムの操作用や入力用の画面、画像をディスプレイ14に表示させる。又、例えば、記憶部12に記憶される画像形成装置用のプログラムに従い、処理部11は、印刷や送信の設定用の画面をディスプレイ14に表示させる。
【0032】
又、コンピュータ1は、入力デバイス15を有する。入力デバイス15は、例えば、キーボードやポインティングデバイス(マウス)である。例えば、入力デバイス15を用い、ディスプレイ14の表示を参照し、プログラム等に関しての入力、設定を行うことができる。この入力に基づき、プログラムは動作し、処理部11に処理を行わせる。
【0033】
又、コンピュータ1は、外部との通信用インターフェイスとして通信部16を含む。通信部16は、通信用のチップ、回路、コネクタ、ソケット等を含む。この通信部16を介して、コンピュータ1は、コンピュータ1のプリンタや送信機として機能する画像形成装置101(例えば、プリンタ、FAX装置、複合機等)と通信可能に接続される。接続形態としては、コンピュータ1と通信部16を直接的にケーブルで接続するようにしてもよいし、ネットワーク経由で接続するようにしてもよい。
【0034】
使用者は、コンピュータ1で入力デバイス15を用いて操作することにより、画像形成装置101にジョブ(印刷ジョブや送信ジョブ)行わせるためのジョブ実行用データをコンピュータ1から画像形成装置101に送信できる。例えば、ジョブ実行用データは、画像データやジョブを実行するうえでの設定データを含む。
【0035】
そして、画像形成装置101は、コンピュータ1から受信したジョブ実行用データに基づき、印刷できる(プリンタ機能)。又、画像形成装置101は、コンピュータ1から受信したジョブ実行用データに基づき、FAX装置102やネットワーク103を介して他のコンピュータ104に画像データ等に送信できる(FAX機能、インターネットFAX機能)。
【0036】
(ジョブ実行用データの設定画面)
次に、図2に基づき、本発明の実施形態に係るコンピュータ1から画像形成装置101に送信するジョブ実行用データの設定画面の一例を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1でのジョブ実行用データ設定画面S10の一例を示す説明図である。
【0037】
例えば、使用者は、コンピュータ1の記憶部12に記憶された(インストールされた)プログラム(文書作成プログラムや、表計算プログラムや、画像データ処理プログラム等)を動作させ、各種の処理をコンピュータ1に行わせる。これらのプログラムを起動し、動作させたプログラムに対応するファイルが開かれた状態で、印刷コマンドや送信コマンドが実行されると、画像形成装置101へのジョブ実行用データ送信に関するプログラムが起動する。そして、処理部11は、図2に示すようなジョブ実行用データ設定画面S10をディスプレイ14に表示させる。
【0038】
ジョブ実行用データ設定画面S10は、例えば、複数の領域に分割される。例えば、ジョブ実行用データ設定画面S10の上の領域は、プリンタの情報確認等を行うための基本領域F1である。基本領域F1の左下は、印刷コマンドや送信コマンドを実行したプログラムのファイルにおいて、印刷や送信を行うページを指定するためのページ指定領域F2である。又、基本領域F1の右下は、印刷部数を設定するための印刷部数設定領域F3である。
【0039】
基本領域F1では、ジョブ実行用データを送信する画像形成装置101を示す送信対象表示欄E1が設けられる。尚、コンピュータ1にはネットワーク103等により、複数の画像形成装置101が接続される場合がある。そこで、入力デバイス15を用い送信対象表示欄E1の右端のボタンを押すと、プルダウンメニュー形式で、通信可能でジョブ実行用データの送信対象となり得る画像形成装置101を選択することができる。
【0040】
又、印刷ではなく、ジョブ実行用データを画像形成装置101から送信させるとき、送信チェックボックスC1が押される。この送信チェックボックスC1にチェックが入っていると、処理部11は、ジョブ実行用データに基づいたFAX装置102やコンピュータ104等への送信を画像形成装置101に行わせる。尚、送信チェックボックスC1の下方には、アドレス指定キーK1が設けられる。アドレス指定キーK1が押されると、例えば、処理部11は、送信相手方のアドレス情報(FAX番号、ネットワークアドレス、Eメールアドレス等)を入力するための画面(不図示)をディスプレイ14に表示させる。そして、使用者は、入力デバイス15を用いてアドレス情報を入力する。入力されたアドレス情報は、コンピュータ1から画像形成装置101に送信される。
【0041】
そして、ページ指定領域F2には、印刷や送信コマンドが実行されたファイルで、印刷や送信を行うページを指定するための4つのラジオボタンRが設けられる。「全て」の文字が付されたラジオボタンR1は、ファイルに含まれる全ページの印刷や送信を行うときに押される。「選択した部分」の文字が付されたラジオボタンR2は、ドラッグ動作等により、プログラムで予め選択した部分の印刷や送信を行うときに押される。「現在のページ」の文字が付されたラジオボタンR3は、ファイル中、使用者が現在、操作や入力を行っているページのみを印刷や送信するときに押される。「ページ指定」の文字が付されたラジオボタンR4は、入力デバイス15を用いて印刷や送信するページを指定するときに押される。
【0042】
使用者は、ラジオボタンR4を押し、ラジオボタンR4の右方に設けられたページ指定欄E2に印刷や送信するページを指定する入力を行う。特定の連続しない独立の1ページについて(非連続ページ)の印刷や送信を行うとき、特定のページの番号をページ指定欄E2に入力する。例えば、ファイルのうち、1ページ目のみ印刷や送信を行う場合、使用者は、ページ指定欄E2に「1」と入力する。
【0043】
又、複数の非連続ページの印刷や送信を行うとき、所望するページの番号を並べてページ指定欄E2に入力する。例えば、1ページと7ページの印刷や送信を行うとき、使用者は、ページ指定欄E2に「1,7」とページ番号をカンマで区切って入力する。
【0044】
又、例えば、ファイルのページ数が全50ページのうち、20ページ〜27ページと連続する範囲(連続ページ)の印刷や送信を行う場合、使用者は、ページ指定欄E2に「20−27」と範囲の最初のページ番号と最後のページ番号をハイフンでつなげて入力する。尚、ページ指定欄E2では「1,7,20−27」と非連続ページの連続ページの両方の態様を入力することができる。
【0045】
そして、使用者がジョブ実行用データを送信に関し、設定、確認が終了すると、使用者は、OKキーK2を押す。このOKキーK2が押されると、処理部11は、ジョブ実行用データ設定画面S10で印刷や送信を行うと指定されたページ(指定ページ)のプレビュー画像を表示させる。そして、使用者による表示すべき全プレビュー画像の確認後、処理部11は、ジョブ実行用データ設定画面S10で設定、入力された内容に従い、通信部16から画像形成装置101に向けてジョブ実行用データを送信する。
【0046】
(プレビュー画像)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1でのプレビュー画像の表示の一例を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1でのプレビュー画像の表示の一例を示す説明図であり、(a)は指定ページが連続ページの場合を示し、(b)は指定ページが非連続ページの場合を示し、(c)は指定ページが非連続ページと連続ページが混在している場合を示す。
【0047】
一般に、コンピュータ1は、印刷等の設定完了入力後(例えば、印刷等の設定画面でのOKキーの押下後)、直ちにジョブ実行用データの生成と画像形成装置への送信を行う。使用者は、印刷や送信前にページの内容や誤りの有無を確認したければ、プレビュー画像を印刷等の設定完了入力前に確認する。例えば、プレビュー機能をプログラムが含むと、使用者は、プレビューコマンドを実行する。そうすると、例えば、全ページ分のプレビュー画像が表示され、使用者は、ディスプレイ14に表示されたプレビュー画像の次ページへの切り替えを繰り返し、所望のページのプレビュー画像により、内容等を確認する。
【0048】
しかし、本実施形態のコンピュータ1では、ジョブ実行用データ設定画面S10でOKキーK2が押されると(ページの指定が行われた後)、印刷や送信すると指定されたページ(指定ページ)のプレビュー画像が表示される。
【0049】
ここで、図3を用いて、プレビュー画像の表示例を説明する。尚、図3の各図では各ページの下方に、ページ番号の一例を付している。又、図3では、ディスプレイ14が、各ページのプレビュー画像を1枚ずつ順に表示する例(表示順を白抜矢印で図示)を説明する(例えば、マウスのクリックやキーボードの矢印キーの押下等、入力デバイス15の操作で、表示されるプレビュー画像のページが切り替えられる)。尚、ディスプレイ14の1画面に複数ページ分のプレビュー画像が表示されてもよい。
【0050】
まず、図3(a)を用いて、指定ページが連続している連続ページである場合を説明する。本説明では、ファイルに含まれるページのうち、20〜27ページの連続ページを印刷や送信を行うページとして指定した例を説明する。言い換えると、ラジオボタンR4が押され、ページ指定欄E2に「20−27」と入力された例を説明する。
【0051】
開いているファイルについての印刷や送信では、原稿読取と異なり、ページ間に他の文書、書類が紛れ込むおそれはない。使用者は、指定したページのうち、最初と最後を確認し、範囲の指定に誤りが無いかを確認できればよい。そのため、印刷や送信するページとして連続ページが指定されたとき、処理部11は、連続ページのうち、最初のページと最後のページのプレビュー画像のみをディスプレイ14に表示させる。図3(a)は、20ページから27ページの範囲のうち、20ページ目と、27ページ目のみプレビュー画像が表示される例を示している。これにより、範囲内の全ページのプレビュー画像を確認させる場合に比べ、プレビュー画像の確認に要する時間は短くなる。
【0052】
尚、開いているファイルの全ページの指定がなされたとき(ラジオボタンR1が押されていたとき)、連続ページ(連続する範囲)の指定といえる。そのため、例えば、50ページのファイルの場合、処理部11は、1ページ目(最初のページ)と50ページ目(最後のページ)のプレビュー画像をディスプレイ14に表示させてもよい。尚、印刷や送信を行う範囲は明らかで、プレビュー画像を確認する必要が少ない場合も多いと考えられ、全ページの印刷や送信を行うとき、プレビュー画像を表示しないようにしてもよい。
【0053】
次に、図3(b)を用いて、指定ページが非連続ページである場合(指定ページが連続せず、独立している場合)を説明する。本説明では、ファイルに含まれるページのうち、1ページ、7ページ、10ページの3つの特定のページを、印刷や送信を行うページとして指定した例を説明する。言い換えると、ラジオボタンR4が押され、例えば、ページ指定欄E2に「1,7,10」と入力された例を説明する。
【0054】
一部の特定ページのみを印刷や送信したい場合、ページの指定ミスが生じ得る。ページの指定がずれたまま印刷や送信がなされると、印刷や送信のやり直しとなり、無駄が生ずる。印刷や送信する範囲として、それぞれ非連続なページが指定されたとき、処理部11は、全ての非連続ページのプレビュー画像をディスプレイ14に表示させる。図3(b)は、1ページ目と、7ページ目と、10ページ目の全ての非連続ページのプレビュー画像が表示される例を示している。これにより、指定したページにミス(ずれ)がないか確認することができる。
【0055】
尚、現在のページを印刷や送信すると指定されたとき(ラジオボタンR3が押されていたとき)、この場合も非連続ページの指定といえる。そのため、処理部11は、現在のページのプレビュー画像をディスプレイ14に表示させてもよい。尚、この場合、使用者は、印刷や送信を行う範囲の内容をわかっているはずなので、ラジオボタンR3が押されていたとき、処理部11は、プレビュー画像を表示させないようにしてもよい。
【0056】
又、選択した部分を印刷や送信すると指定されたとき(ラジオボタンR2が押されていたとき)について述べておく。選択した部分が複数ページにわたるとき、図3(a)に示す例と同様に、連続ページの指定と同様に扱えばよい。選択した部分が1ページに収まるとき、図3(b)に示す例と同様に、非連続ページの指定と同様に扱えばよい。
【0057】
次に、図3(c)を用いて非連続ページと、連続ページを混在させて指定した場合を説明する。本説明では、開いているファイルに含まれるページのうち、1ページ、7ページ、10ページの3つの非連続ページと、20ページ〜27ページの連続ページが混在されて、印刷や送信を行うページとして指定された例を説明する。言い換えると、ラジオボタンR4が押され、ページ指定欄E2に「1,7,10,20−27」と入力された例を説明する。
【0058】
非連続ページと連続ページの両方が、印刷や送信するページとして指定されたとき、処理部11は、指定された非連続ページの全てのプレビュー画像と、指定された連続ページの最初ページと最後ページのプレビュー画像をディスプレイ14に表示させる。図3(b)は、1ページ目と、7ページ目と、10ページ目と、20ページ目と、27ページ目のプレビュー画像(計5ページ)が表示される例を示している。図3(c)の例は、図3(a)と図3(b)の例を掛け合わせたといえる。
【0059】
(プレビュー画像閲覧後のジョブ実行確認)
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係るジョブの実行確認の一例を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1でのジョブ実行確認画面S11の一例を示す説明図である。
【0060】
本実施形態のコンピュータ1では、ページ指定のミスの有無をしっかりと確認できるようにするとともに、できるだけ表示、確認させるプレビュー画像の枚数を少なくする。これにより、使用者は、効率よくプレビュー画像の確認を行い、設定ミス(ページ指定ミス)等を把握できる。しかし、設定ミスがあれば、無駄なジョブ実行を防ぐため、ジョブを中止することが望ましい。
【0061】
そこで、本実施形態のコンピュータ1では、表示すべき全てのプレビュー画像を表示し終えると、処理部11は、図4に示すようなジョブ実行確認画面S11を表示させる。YesキーK3は、プレビュー画像の確認後、ページ指定にミスがなく、印刷や送信をそのまま実行してよいとき押される。NoキーK4は、プレビュー画像の確認後、ページ指定にミスがあり、印刷や送信を中止し、設定をやり直すべきとき押される。入力デバイス15を用いて、YesキーK3又はNoキーK4が押される。
【0062】
(プレビュー画像表示制御)
次に、図5に基づき、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1でのプレビュー画像の表示制御の一例を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係るコンピュータ1でのプレビュー画像の表示制御の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、図5に示すスタートは、プログラムでのコマンド実行により表示されたジョブ実行用データ設定画面S10でOKキーK2が押され、画像形成装置101にジョブ実行用データを送信しようとする時点である。
【0064】
次に、処理部11は、印刷や送信を行うと指定されたページについて、開いているファイルに基づき、表示すべきプレビュー画像用の画像データを生成する(ステップ♯1)。処理部11は、連続ページについては最初と最後のページのプレビュー画像用の画像データを生成する。又、処理部11は、非連続ページとして指定された全ページのプレビュー画像用の画像データを生成する。
【0065】
もし、ファイルの全ページの印刷や送信を行うと設定されていれば(ラジオボタンR1の選択、ステップ♯2のYes)、処理部11は、開いているファイルのうち、1ページ目と最後のページのプレビュー画像をディスプレイ14に表示させる(ステップ♯3)。一方、全ページの指定で無く(ステップ♯2のNo)、非連続ページと、連続ページが混在して指定されていれば(ページ指定欄E2に入力されたページが連続ページと非連続ページの態様が混ざっていれば、ステップ♯4のYes)、処理部11は、非連続ページの全てと連続ページの最初と最後のページのプレビュー画像をディスプレイ14に表示させる(ステップ♯5)。
【0066】
即ち、入力デバイス15は、連続ページと非連続ページの両方の種類でページを指定する入力を受け付け、ディスプレイ14は、連続ページについては、連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、非連続ページについては、全ての非連続ページのプレビュー画像を表示する。
【0067】
一方、混在もせず(ステップ♯4のNo)、指定ページが連続ページであれば(ステップ♯6のYes)、処理部11は、連続ページの最初と最後のページのプレビュー画像をディスプレイ14に表示させる(ステップ♯7)。一方、非連続ページであれば(ステップ♯6のNo)、処理部11は、全ての非連続ページのプレビュー画像をディスプレイ14に表示させる(ステップ♯8)。
【0068】
即ち、本発明に係る情報処理装置(コンピュータ1)は、ジョブ実行の対象となるページのプレビュー画像を表示するディスプレイ14と、データに含まれるページのうち、画像形成装置にジョブを実行させるページを指定する指定入力と(ジョブ実行用データ設定画面S10でのページの指定入力)、ページを指定する指定入力がなされた後に指定入力されたページである指定ページのプレビュー画像を表示させる指示入力(例えば、ジョブ実行用データ設定画面S10でのOKキーK2の押下入力)と、プレビュー画像の表示ページの切替入力(プレビュー画像の表示ページを切り替えるための入力デバイス15の操作入力。例えば、マウスのクリックやキーボードの矢印キーの押下等)、を受け付ける入力デバイス15と、指定ページに基づき、画像形成装置に実行させるためのジョブ実行用データを送信する通信部16と、を含み、ディスプレイ14は、指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての非連続ページのプレビュー画像を表示する。
【0069】
そして、処理部11は、表示すべきプレビュー画像の全てを表示した後(ステップ♯3、ステップ♯5、ステップ♯7、ステップ♯8の後)、ジョブ実行確認画面S11をディスプレイ14に表示させる(ステップ♯9)。
【0070】
その後、処理部11は、指定されたページでジョブ実行をするか否かを確認する(YesキーK3とNoキーK4のいずれが押されたかを確認する)(ステップ♯10)。もし、YesキーK3が押され、指定されたページでそのままジョブを実行する場合、処理部11は、指定ページのジョブ実行用データを生成し、通信部16を介して画像形成装置101に送信する(ステップ♯11)。即ち、通信部16は、ディスプレイ14が表示すべき全てのページのプレビュー画像を表示した後、ジョブ実行用データの送信を行う。これにより、画像形成装置101にジョブ実行用データが送信され、画像形成装置101で印刷や送信等のジョブが実行されることになる(エンド)。
【0071】
一方、もし、NoキーK4が押され、指定ページでのジョブ実行を中止すべき場合、処理部11は、ジョブ実行用データを生成せず、ジョブ実行用データ設定画面S10でなされた設定を破棄する(ステップ♯12)、そのまま制御は終了される(エンド)。このとき、例えば、ディスプレイ14は、開いているプログラムのファイルの画面を表示する。
【0072】
このようにして、第1の実施形態によれば、ページの指定が行われた後、指定ページが連続ページのとき、最初と最後のページのみのプレビュー画像が表示される。これにより、ページが連続していると、実用上、必要十分なページのみのプレビュー画像の確認で済ますことができる。従って、確認するプレビュー画像のページ数が最小限となるので、連続ページの範囲が広くても(指定されたページ数が多くても)、プレビュー画像の確認に要する時間を従来よりも減らすことができる。
【0073】
又、ページの指定が行われた後、指定ページが非連続ページのとき、非連続ページの全ページのプレビュー画像を表示する。これにより、多数のページの中の1ページや、多数のページの中で散らばって存在する特定のページを間違いなく指定できているか、確実に確認することができる。従って、設定ミス(ページの指定ミス)による用紙等の無駄の発生を防ぐことができる。又、ページ指定にミスがないかを効率的に確認できるので、指定したページの全てのプレビュー画像を確認しなければならない場合に比べ、使用者は集中して指定ページの確認を行える。従って、的確にページの指定ミスを発見できる。
【0074】
又、入力デバイス15は、指定ページとして、連続ページと非連続ページの両方の種類を指定する入力を受け付け、連続ページと非連続ページにあわせてプレビュー画像が表示される。これにより、使用者は、ページの指定を複数の態様で指定でき、かつ、プレビュー画像は指定した態様に合わせて表示される。従って、使用者は、指定したページの部分に応じてプレビュー画像を最小限かつ的確に確認することができ、効率的にプレビュー画像の確認を行うことができる。又、通信部16は、ディスプレイ14が表示すべき全てのページのプレビュー画像を表示した後、ジョブ実行用データの送信を行う。これにより、使用者が指定したページに誤りがないかをしっかり確認した後、印刷や送信のジョブが実行され、ページの指定ミスによる無駄が生じない。
【0075】
(第2の実施形態)
次に、図6〜図12を用いて、本発明の第2の実施形態に係る複合機2を説明する。
【0076】
第1の実施形態では、情報処理装置(コンピュータ1)でのプレビュー画像表示を説明した。第2の実施形態では、情報処理装置に変えて、画像形成装置でのプレビュー画像表示を説明する。第2の実施形態の説明では、画像形成装置として複合機2を例に挙げて説明する。尚、本実施形態で説明する複合機2は、第1の実施形態でコンピュータ1と通信可能に接続される画像形成装置として用いることができる。
【0077】
(複合機2の概要)
まず、図6に基づき、本発明の第2の実施形態に係る複合機2を説明する。図6は本発明の第2の実施形態に係る複合機2の一例を示す模型的正面断面図である。
【0078】
図6に示すように、本実施形態の複合機2は、最上部に原稿カバー2aを有し、複合機2本体には、画像読取部3、操作パネル4、給紙部5、搬送路6、画像形成部7、定着部8等が設けられる。
【0079】
まず、図6に破線で示すように、操作パネル4は、複合機2の正面上方に設けられる。そして、操作パネル4は、複合機2の状態や各種メッセージを表示する液晶表示部41(表示部に相当)を備える。液晶表示部41は、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを1又は複数表示できる。又、液晶表示部41にタッチパネル部42(例えば、抵抗膜方式、入力部に相当)が設けられる。タッチパネル部42は、液晶表示部41で押下された部分の位置、座標を検出するためのものである。
【0080】
又、操作パネル4には、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー43や数字等の入力用のテンキー部44(0〜9の数字と※、♯の記号がそれぞれ付された複数のキーで構成)も設けられる。又、操作パネル4には、複合機2に蓄えられた蓄積文書を扱うときに押される文書ボックスキー45が設けられる。使用者は、文書ボックスキー45を押し、ボックスを開き、操作パネル4を用いて各種操作を行うことにより複合機2に記憶された蓄積文書の印刷を行える。このように、操作パネル4にはスタートキー43や、テンキー部44や、文書ボックスキー45等のハードとしてのキー(入力部に相当)も各種設けられる。
【0081】
原稿カバー2aは、図6の紙面奥行き方向に支点を有し、紙面上下方向に開閉可能である。原稿カバー2aは、原稿の複写時、載置読取用コンタクトガラス31に載置された原稿を押さえる。画像読取部3は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。又、画像読取部3内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。尚、原稿カバー2aに変えて、載原稿を1枚ずつ、自動的、連続的に、画像読取部3の読み取り位置(送り読取用コンタクトガラス32)に向けて搬送する原稿搬送装置を設けてもよい。
【0082】
そして、これらの光学系部材を用い、載置読取用コンタクトガラス31に載置される原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データが生成される。複合機2は、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。
【0083】
給紙部5は、複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種シート)を収容し、1枚ずつ搬送路6に送り込む。給紙部5は、収納用紙が載置されるカセット51を含む(図6で上方のものに51A、下方のものに51Bの符号を付す)。又、カセット51から搬送路6に送り出すため回転駆動する給紙ローラ52が設けられる(図6で上方のものに52A、下方のものに52Bの符号を付す)。例えば、印刷時には、給紙ローラ52が回転駆動し、印刷に要する用紙が1枚ずつ搬送路6に送り出される。
【0084】
搬送路6は、給紙部5から排出トレイ61まで用紙を搬送する通路である。尚、用紙搬送経路上には画像形成部7、定着部8等が配される。そして、搬送路6には、用紙の案内のためのガイドや、用紙搬送の際に回転駆動する搬送ローラ対62、63や、搬送されてくる用紙を画像形成部7の手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせて用紙を送り出すレジストローラ対64等が設けられる。
【0085】
画像形成部7は、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。そのため、画像形成部7は、図6中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム71、及び、感光体ドラム71の周囲に配設された帯電装置72、露光装置73、現像装置74、転写ローラ75、清掃装置76等を備える。
【0086】
トナー像形成及び転写プロセスを説明すると、画像形成部7の略中心に設けられ、所定方向に回転駆動する感光体ドラム71は、図6において、感光体ドラム71の右斜め上方に設けられる帯電装置72により、所定電位に帯電される。図4において、露光装置73は、帯電装置72の右側方に設けられ、画像データに基づき、レーザ光をから出力し、感光体ドラム71表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。尚、画像データは、画像読取部3で得られた画像データや、ネットワーク等により接続される外部のPC201や相手方FAX装置202(図7参照)から送信された画像データ等が用いられる。
【0087】
そして、図6において、感光体ドラム71の右斜め下方に設けられる現像装置74は、感光体ドラム71に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。感光体ドラム71の左方に設けられる転写ローラ75は感光体ドラム71に圧接し、ニップが形成される。そして、トナー像にあわせタイミングを図られつつ、用紙はニップに進入する。用紙進入時、転写ローラ75には所定の電圧が印加され、用紙に感光体ドラム71上のトナー像が転写される。清掃装置76は、転写後に感光体ドラム71に残留するトナーを除去する。
【0088】
定着部8は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部8は主として発熱体を内蔵する加熱ローラ81と加圧ローラ82で構成される。加熱ローラ81と加圧ローラ82は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過することで、用紙表面のトナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は、排出トレイ61に排出される。このようにして、コピー機能、プリンタ機能の使用時、画像形成(印刷)が行われる。
【0089】
(複合機2のハードウェア構成)
次に、図7に基づき、本発明の第2の実施形態に係る複合機2のハードウェア構成の一例を説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る複合機2の構成の一例を示すブロック図である。
【0090】
複合機2内には、制御部9が設けられる。制御部9は、複合機2の動作を制御し、例えば、CPU91、画像処理部92等を含む。尚、制御部9は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
【0091】
CPU91は、中央演算処理装置であって、記憶部93に格納され、展開されるプログラムやデータに基づき複合機2の各部を制御する。画像処理部92は、印刷を行う画像データや、外部のPC201や相手方のFAX装置202に送信される画像データに対し、各種画像処理を施す。
【0092】
記憶部93は、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部93は、複合機2の制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。例えば、画像読取部3で読み取られた原稿の画像データを記憶部93のHDDに記憶することができる。
【0093】
そして、制御部9は、操作パネル4、画像読取部3、給紙部5、搬送路6、画像形成部7、定着部8等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して複合機2の動作を制御する。
【0094】
本実施形態の複合機2の操作パネル4は、例えば、表示制御部40、表示する画面、画像の画像データなどを記憶するメモリ46を含む。表示制御部40は、CPUやIC等で構成され、液晶表示部41の表示を制御する。具体的に、例えば、表示制御部40は、表示する画面の画像データに基づき、液晶表示部41の表示を制御する。又、表示制御部40は、タッチパネル部42の出力を受け、液晶表示部41で押下された座標を特定する。例えば、タッチパネル部42の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリ46に記憶される。
【0095】
表示制御部40は、押下位置の座標と液晶表示部41に表示される各種画面の画像データを比較する等により、押されたキーを特定、認識する。このように、使用者は、コピー等の各機能を使用するうえでの設定を行える。例えば、表示制御部40は、設定内容を認識し内容を制御部9に送信する。これにより、制御部9は、操作パネル4での設定内容を反映した動作を複合機2内の各部に行わせる。又、操作パネル4に設けられる各種ハードキー(テンキー部43や文書ボックスキー45等)も表示制御部40に接続され、表示制御部40は、各種キーが押下されたことを認識し、その旨を制御部9に伝達する。
【0096】
更に、制御部9は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のチップ等を備えたデータ通信部94と接続される。データ通信部94は、ネットワークや公衆回線等により、PC201や、相手方FAX装置202と、複合機2を通信可能に接続する。例えば、画像データを含むデータを外部のPC201や相手方FAX装置202(インターネットFAXでもよい)に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。PC201や相手方FAX装置202からの画像データに基づき印刷を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。尚、PC201には、第1の実施形態で説明したコンピュータ1として用いることができる。このように、複合機2は、コピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、FAX機能のうちの複数の機能を備える。
【0097】
(文書ボックス機能)
次に、図8〜図11を用いて、本発明の第2の実施形態に係る複合機2での文書ボックス機能を説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る複合機2での機能選択画面S21の一例を示す説明図である。図9は、本発明の第2の実施形態に係る複合機2での文書出力設定画面S22の一例を示す説明図である。図10は、本発明の第2の実施形態に係る複合機2でのページ指定画面S23の一例を示す説明図である。図11は、本発明の第2の実施形態に係る複合機2でのプレビュー確認画面の一例を示す説明図である。
【0098】
本実施形態の複合機2では、記憶部93は、画像読取部3を用いて読み取った1又は複数枚の原稿の画像データを1つのファイル(文書)として記憶(蓄積)する。尚、保存されたファイル(以下「蓄積文書」と称する)の形式は、登録の際に選択される(例えば、PDFやJPEGやTIFF)。記憶部93に記憶された蓄積文書(画像データ)は、後日、再利用(印刷や送信)される(複数の使用者での共有も可能)。
【0099】
記憶部93への蓄積文書の入力や、蓄積文書の出力や再利用に関する機能が文書ボックス機能である。文書ボックス機能では、蓄積文書の保存、印刷、送信、削除、結合等を行うことができる。そこで、文書ボックス機能の利用手順の一例を以下に説明する。
【0100】
まず、図8に基づき、蓄積文書に関する機能のうち、いずれの機能を用いるかを選択するための機能選択画面S21を説明する。表示制御部40は、文書ボックスキー45が押されると、図8に示すような機能選択画面S21を液晶表示部41に表示させる。
【0101】
機能選択画面S21には、例えば、文書登録キーK5、文書出力キーK6、文書編集キーK7といった複数のキーが配される。文書登録キーK5は、画像読取部3を用いて原稿を読み取り、得られた画像データを名称づけて記憶部93に文書として登録(記憶)させる場合に押される(蓄積文書の入力)。文書出力キーK6は、記憶部93に記憶された蓄積文書を用いて、印刷、送信を行う場合に押される。文書編集キーK7は、記憶部93に記憶された蓄積文書の削除や、複数の蓄積文書を1つに結合する(1つのファイルとする)場合に押される。
【0102】
次に、蓄積文書の出力を行う場合を説明する。文書出力キーK6が押されると、表示制御部40は、図9に示すような文書出力設定画面S22を液晶表示部41に表示させる。文書出力設定画面S22には、記憶部93内の蓄積文書を一覧形式で表示する一覧表示領域F4が設けられる。図9は、4種類の蓄積文書が記憶部93に記憶されている例を示している。一覧表示領域F4には、蓄積文書の名称や登録日が表示される。使用者は、出力したい蓄積文書を押して指定する。表示制御部40は、使用者が押した蓄積文書を反転表示して指定された旨を表示する。
【0103】
尚、蓄積文書が多数に及ぶと、全ての蓄積文書を一覧表示領域F4に表示しきれない場合があるので、上キーK8や下キーK9が設けられる。一覧表示領域F4に表示しきれないほど、蓄積文書が記憶部93に記憶されている場合、上キーK8や下キーK9が押されると、表示制御部40は、一覧表示領域F4の表示をスクロールさせるように、表示する蓄積文書を変える。
【0104】
蓄積文書の選択が完了すると、使用者は、選択終了キーK10を押す。選択終了キーK10が押されると、表示制御部40は、図10に示すようなページ指定画面S23を液晶表示部41に表示させる。ページ指定画面S23は、蓄積文書に含まれるページのうち、印刷や送信を行うページを指定するための画面である。第1の実施形態でのジョブ実行用データ設定画面S10のページ指定領域F2と同様のものである。
【0105】
ページ指定画面S23には、印刷や送信を行うページを指定するために、3つのチェックボックスCが設けられる。「全て」の文字が付されたチェックボックスC2は、蓄積文書に含まれる全ページの印刷や送信を行うときに押される。
【0106】
「ページ指定(範囲指定)」の文字が付されたチェックボックスC3は、蓄積文書のうち、印刷や送信を行うページの範囲を指定するために押される。使用者は、開始ページ入力欄E3を押し、テンキー部44を用いて数字を入力して、印刷や送信を行うページの最初のページを指定できる。又、使用者は、終了ページ入力欄E4を押し、テンキー部44を用いて数字を入力して、印刷や送信を行うページの最後のページを指定できる。例えば、蓄積文書の全50ページのうち、20ページ〜27ページと連続する範囲(連続ページ)の印刷や送信を行うとき、図10に示すように、使用者は、ページ指定欄E2に、開始ページ入力欄E3に「20」と入力し終了ページ入力欄E4に「27」と入力する。
【0107】
「ページ指定」の文字が付されたチェックボックスC4は、テンキー部44を用いて印刷や送信するページを指定するときに押される。使用者は、ページ指定入力欄E5を押し、テンキー部44を用いて数字を入力することで、連続せず、独立したページ(非連続ページ)を指定できる。例えば、蓄積文書の全50ページのうち、1ページ、7ページのように、特定のページであり、連続しないページ(非連続ページ)を指定して、印刷や送信を行うとき、使用者は、ページ指定入力欄E5に、「1*7」と入力する。尚、チェックボックスC3とチェックボックスC4の両方にチェックを入れると、連続ページの指定と非連続ページの指定の両方の種類でのページの指定が可能である。
【0108】
範囲指定が完了すると、使用者はOKキーK11を押す。OKキーK11が押されると表示制御部40は、図11に示すようなプレビュー画像確認画面S24を液晶表示部41に表示させる。尚、キャンセルキーK12は、蓄積文書の出力を止めるとき押される。プレビュー画像確認画面S24は、指定されたページのうち、印刷や送信を行うページの内容を確認するための画面である。
【0109】
プレビュー画像確認画面S24には、ページ単位でプレビュー画像を表示するプレビュー画像表示領域F5が設けられる。そして、プレビュー画像確認画面S24で表示されるプレビュー画像は、第1の実施形態と同様に(図3参照)、指定ページが連続ページであるとき、指定された範囲の最初のページと最後のページのプレビュー画像が表示される。尚、チェックボックスC2が押され、蓄積文書の全ページの印刷や送信が指定されていれば、範囲指定が連続ページと扱われる。
【0110】
非連続ページについては、第1の実施形態と同様に(図3参照)に、指定された全ての非連続ページのプレビュー画像が表示される。尚、表示制御部40は、ページ指定に基づきプレビュー画像表示領域F5の右下には、表示すべきプレビュー画像の全ページ数(図11の例では、全5ページ)と、現在表示しているページの順番(図11の例では、1ページ目)を表示できる。
【0111】
又、プレビュー画像確認画面S24には、プレビュー画像を拡大して表示させる際に押される拡大キーK13と、プレビュー画像を縮小して表示させる際に押される縮小キーK14が設けられる。拡大キーK13や縮小キーK14が押されると、表示制御部40は、プレビュー画像表示領域F5に表示されるプレビュー画像を拡大又は縮小させて液晶表示部41に表示させる。
【0112】
尚、プレビュー画像を液晶表示部41に表示させるための画像データは、複合機2の制御部9から操作パネル4(表示制御部40)に与えられる。表示制御部40は、ページ指定画面S23での入力内容(指定されたページ)を制御部9に伝達する。そして、制御部9は、指定されたページに基づき、蓄積文書の画像データを加工し、表示すべきプレビュー画像のための画像データを生成し、表示制御部40に送信する。そして、表示制御部40は、与えられた画像データに基づきプレビュー画像を液晶表示部41に表示させる。
【0113】
プレビュー画像の拡大、又は、縮小の場合、拡大キーK13や縮小キーK14が押されるごとに、制御部9がプレビュー画像用の画像データを生成し、表示制御部40に与えて、拡大や縮小されたプレビュー画像が表示されてもよい。あるいは、表示制御部40が制御部9から受信した画像データの拡大、縮小処理を行って拡大や縮小されたプレビュー画像が表示されてもよい。
【0114】
又、プレビュー画像確認画面S24には、次頁キーK15と前頁キーK16が設けられる。次頁キーK15は、次の順番のプレビュー画像を表示されるときに押され、前頁キーK16は、1つ前の順番のプレビュー画像を表示させるときに押される。次頁キーK15や前頁キーK16の押下に伴い、表示制御部40は、プレビュー画像表示領域F5に表示するプレビュー画像の切り替えを行う。
【0115】
又、プレビュー画像確認画面S24の下方に、例えば、印刷実行キーK17、送信実行キーK18、中止キーK19が設けられる。印刷実行キーK17は、指定したページに誤りが無く、そのまま印刷を行うとき押される。印刷実行キーK17が押されると、表示制御部40は、指定されたページを印刷すべき旨の入力がなされたことを本体の制御部9に伝える。これを受けて、制御部9は、画像形成部7等を動作させ、指定されたページの印刷を行わせる。
【0116】
送信実行キーK18は、指定したページに誤りが無く、そのまま送信を行うとき押される。送信実行キーK18が押されると、表示制御部40は、指定されたページを送信すべき旨の入力がなされたと認識し、例えば、アドレス情報を入力するための画面(不図示)を表示させる。アドレス情報が入力されると、表示制御部40は、入力されたアドレス情報とともに、指定されたページを送信すべきことを本体の制御部9に伝える。これを受けて、制御部9は、データ通信部94等を動作させ、指定されたページについて送信を行わせる。
【0117】
尚、表示制御部40は、表示すべき全てのプレビュー画像が表示されると、印刷実行キーK17と送信実行キーK18への入力(押下)を受け付ける。そのため、表示制御部40は、表示すべき全てのプレビュー画像が表示されてから、印刷実行キーK17と送信実行キーK18を液晶表示部41に表示させるようにしてもよい。
【0118】
(プレビュー画像表示制御)
次に、図12に基づき、本発明の第2の実施形態に係る複合機2でのプレビュー画像の表示制御の一例を説明する。図12は、本発明の第2の実施形態に係る複合機2でのプレビュー画像の表示制御の一例を示すフローチャートである。
【0119】
まず、図12に示すスタートは、液晶表示部41で文書出力キーK6が押された→文書出力設定画面S22で蓄積文書が選択された→ページ指定画面S23(図8参照)で印刷や送信するページが指定されてOKキーK11が押された、といった過程を経て、液晶表示部41にプレビュー画像確認画面S24を表示させようとする時点である。
【0120】
次に、表示制御部40は、選択された蓄積文書と印刷や送信を行うと指定された各ページを本体の制御部9に伝える(ステップ♯21)。あるいは、プレビュー画像を表示すべきページを表示制御部40が判断し、表示制御部40は表示すべきページを示すデータを送信するようにしてもよい。そして、本体の制御部9は、選択された蓄積文書でプレビュー画像として表示すべきページの画像データを生成し、表示制御部40に送信する(ステップ♯22)。
【0121】
次に、印刷や送信を行うと指定されたページが全ページ(全ページ、チェックボックスC2の選択)と設定されたのであれば(ステップ♯23のYes)、表示制御部40は、選択された蓄積文書のうち、最初のページと最後のページのプレビュー画像を液晶表示部41に表示させる(ステップ♯24)。
【0122】
一方、全ページの指定で無く(ステップ♯23のNo)、非連続ページと、連続ページが混在して指定されていれば(チェックボックスC3とチェックボックスC4の両方の選択、ステップ♯25のYes)、表示制御部40は、非連続ページの全てと連続ページの最初と最後のページのプレビュー画像を液晶表示部41に表示させる(ステップ♯26)。
【0123】
即ち、入力部(タッチパネル部42等)は、連続ページと非連続ページの両方の種類でページを指定する入力を受け付け、表示部(液晶表示部41)は、連続ページについては、連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、非連続ページについては、全ての非連続ページのプレビュー画像を表示する。
【0124】
一方、混在しておらず(ステップ♯25のNo)、指定されたページが連続ページであれば(チェックボックスC3のみ選択、ステップ♯27のYes)、表示制御部40は、連続ページの最初と最後のページのプレビュー画像を液晶表示部41に表示させる(ステップ♯28)。一方、非連続ページであれば(ステップ♯27のNo)、表示制御部40は、非連続ページの全てのプレビュー画像を液晶表示部41に表示させる(ステップ♯29)。
【0125】
即ち、本発明に係る画像形成装置(例えば、複合機2)は、1又は複数ページの画像データを含む蓄積文書を記憶する記憶部93と、蓄積文書に基づき印刷を行う画像形成部7と、蓄積文書のページのプレビュー画像を表示する表示部(液晶表示部41)と、蓄積文書に含まれるページのうち、ジョブを実行させるページを指定する指定入力(ページ指定画面S23でのページの指定入力)と、ページを指定する指定入力がなされた後に指定入力されたページである指定ページのプレビュー画像を表示させる指示入力(例えば、ページ指定画面S23でのOKキーK11の押下入力)と、プレビュー画像の表示ページの切替入力(例えば、プレビュー画像確認画面S24での次頁キーK15の押下入力。)、を受け付ける入力部(タッチパネル部42等)と、を含み、表示部(液晶表示部41)は、指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての非連続ページのプレビュー画像を表示する。
【0126】
そして、表示すべきプレビュー画像の全てを表示した後(ステップ♯24、ステップ♯26、ステップ♯28、ステップ♯29の後)、表示制御部40は、ジョブ(印刷や送信)を実行すべきかを確認する(ステップ♯30)。具体的には、印刷実行キーK17や送信実行キーK18が押されたかを確認する。
【0127】
もし、指定されたページでそのままジョブを実行するとき、表示制御部40は、指定されたページでジョブを実行すべき旨を制御部9に送信する(ステップ♯31)。これにより、制御部9は、画像形成部7やデータ通信部94を動作させ、ジョブが実行されることになる(エンド)。即ち、画像形成部7は、表示部(液晶表示部41)が表示すべき全てのページのプレビュー画像を表示した後、蓄積文書に基づき印刷を行う。
【0128】
一方、指定されたページに誤りがあり、中止キーK19が押されたとき、表示制御部40は、蓄積文書の出力に関する設定を破棄する(ステップ♯32)。そして、そのまま制御は終了される(エンド)例えば、表示制御部40は機能選択画面S21を液晶表示部41に表示させる。
【0129】
このようにして、第2の実施形態によれば、画像形成装置(例えば、複合機2)に蓄積された蓄積文書の印刷で、ページの指定が行われた後、指定ページが連続ページのとき、最初と最後のページのみのプレビュー画像が表示される。これにより、請求項1の発明と同様に、プレビュー画像の確認を最小限で済ますことができる。従って、プレビュー画像の確認に要する時間を従来よりも減らすことができる。又、ページの指定が行われた後、指定ページが非連続ページのとき、非連続ページの全ページのプレビュー画像が表示される。これにより、ページを間違いなく指定できているか、確実に確認することができる。従って、設定ミス(ページの指定ミス)による用紙等の無駄の発生を防ぐことができる。又、使用者は集中して指定ページの確認を行える。従って、的確にページの指定ミスを発見できる。
【0130】
又、複合機2の入力部(タッチパネル部42等)は、指定ページとして、連続ページと非連続ページの両方の種類を指定する入力を受け付ける。これにより、使用者は、ページの指定を複数の態様で指定でき、かつ、プレビュー画像は指定した態様に合わせて表示される。従って、使用者は、指定したページの部分に応じてプレビュー画像を最小限かつ的確に確認することができ、効率的にプレビュー画像の確認を行うことができる。又、画像形成部7は、ディスプレイ14が表示すべき全てのページのプレビュー画像を表示した後、蓄積文書に基づき画像形成を行う。これにより、使用者が指定したページに誤りがないかをしっかり確認した後、ジョブの実行が開始され、印刷や送信を確実行うことができ、ページの指定ミスによる無駄が生じない。
【0131】
次に、他の実施形態を説明する。第1の実施形態では情報処理装置、第2の実施形態では画像形成装置を例に挙げて説明した。しかし、図5、図12のフローチャートで示したように、本発明を情報処理装置や画像形成装置におけるプログラムとして捉えることもできる。即ち、本発明に係るプログラムは、データに含まれるページのうち、画像形成装置(例えば、複合機2)にジョブを実行させるページを指定する指定入力と、ページを指定する指定入力がなされた後に指定入力されたページである指定ページのプレビュー画像を表示させる指示入力と、プレビュー画像の表示ページの切替入力を、入力デバイス15に受け付けさせ、指定ページの確認のためのプレビュー画像を表示するディスプレイ14に、指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像の表示をディスプレイ14に行わせ、指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての非連続ページのプレビュー画像を、ディスプレイ14に表示させる。このプログラムによれば、第1の実施形態での情報処理装置と同様の効果を得ることができる。
【0132】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、コンピュータや、表示部と入力部を有する画像形成装置や、情報処理装置や画像形成装置のプログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 コンピュータ(情報処理装置) 101 画像形成装置
14 ディスプレイ 15 入力デバイス
16 通信部
2 複合機(画像形成装置) 41 液晶表示部(表示部)
42 タッチパネル部(入力部) 44 テンキー部(入力部)
7 画像形成部 93 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレビュー画像を表示するディスプレイと、
データに含まれるページのうち、画像形成装置にジョブを実行させるページを指定する指定入力と、ページを指定する指定入力がなされた後に前記指定入力されたページである指定ページの前記プレビュー画像を表示させる指示入力と、前記プレビュー画像の表示ページの切替入力を受け付ける入力デバイスと、
前記指定ページに基づき、画像形成装置に実行させるためのジョブ実行用データを送信する通信部と、を含み、
前記ディスプレイは、前記指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力デバイスは、前記連続ページと前記非連続ページの両方の種類でページを指定する入力を受け付け、
前記ディスプレイは、前記連続ページについては、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記非連続ページについては、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記ディスプレイが表示すべき全てのページの前記プレビュー画像を表示した後、前記ジョブ実行用データの送信を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
1又は複数ページの画像データを含む蓄積文書を記憶する記憶部と、
前記蓄積文書に基づき印刷を行う画像形成部と、
前記蓄積文書のページのプレビュー画像を表示する表示部と、
前記蓄積文書に含まれるページのうち、ジョブを実行させるページを指定する指定入力と、ページを指定する指定入力がなされた後に前記指定入力されたページである指定ページのプレビュー画像を表示させる指示入力と、前記プレビュー画像の表示ページの切替入力を受け付ける入力部と、を含み、
前記表示部は、前記指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記入力部は、前記連続ページと前記非連続ページの両方の種類でページを指定する入力を受け付け、
前記表示部は、前記連続ページについては、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像を表示し、前記非連続ページについては、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を表示することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部は、前記表示部が表示すべき全てのページの前記プレビュー画像を表示した後、前記蓄積文書に基づき印刷を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
データに含まれるページのうち、画像形成装置にジョブを実行させるページを指定する指定入力と、ページを指定する指定入力がなされた後に前記指定入力されたページである指定ページのプレビュー画像を表示させる指示入力と、前記プレビュー画像の表示ページの切替入力を、入力デバイスに受け付けさせ、
前記指定ページの確認のためのプレビュー画像を表示する前記ディスプレイに、前記指定ページが連続した範囲である連続ページであるとき、前記連続ページのうち最初と最後のページのみのプレビュー画像の表示をディスプレイに行わせ、
前記指定ページが連続せず独立した非連続ページであるとき、全ての前記非連続ページの前記プレビュー画像を、前記ディスプレイに表示させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−74939(P2012−74939A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218386(P2010−218386)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】