説明

情報処理装置、画像送信プログラム、画像表示プログラム及び画像表示方法

【課題】シンクライアントの汎用性を維持しつつ、操作レスポンスを向上させることを課題とする。
【解決手段】情報処理装置1は、画像メモリ1aと、変更頻度判別部1bと、第1の画像送信部1cと、高頻度変更領域識別部1dと、送信停止部1eと、第2の画像送信部1fとを有する。画像メモリ1aは、コンピュータの実行結果を描画する画像を保持する。変更頻度判別部1bは、画像メモリ1aに描画された画像を複数の領域に分割し、領域ごとにフレーム間の変更の頻度を判別する。第1の画像送信部1cは、変更のある領域の画像を送信する。高頻度変更領域識別部1dは、変更の頻度がしきい値を超えた領域を高頻度更新領域として識別する。送信停止部1eは、識別した領域について、第1の画像送信部1cでの送信を停止する。第2の画像送信部1fは、識別した領域の画像を、第1の画像送信部1cよりも圧縮率の高い動画の圧縮処理を行って送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像送信プログラム、画像表示プログラム及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シンクライアント(thin client)というシステム(system)が知られている。シンクライアントシステムでは、クライアント(client)に最低限の機能しか持たせず、サーバ(server)でアプリケーション(application)やファイル(file)などのリソース(resource)を管理するようにシステムが構築される。
【0003】
かかるシンクライアントシステムは、実際にはサーバが処理を実行した処理結果やサーバが保持するデータをクライアントに表示させつつも、あたかもクライアントが主体となって処理を実行したり、データを保持しているかのように振る舞う。
【0004】
一例として、シンクライアントシステムは、サーバで資料作成やメールなどの業務に関するアプリケーションを実行させ、そのアプリケーションの処理結果をクライアントに表示させる。このような業務アプリの他にも、CAD(Computer-Aided Design)などのように精細な画像を扱うアプリケーション、さらには、動画を扱うアプリケーションなどがシンクライアントシステムの適用範囲として拡充されることが求められる。
【0005】
ところが、シンクライアントシステムで通信に用いられるプロトコル、例えばRDP(Remote Desktop Protocol)や、VNC(Virtual Network Computing)で用いられているRFB(Remote Frame Buffer)プロトコルなどで、画像や動画などの大容量のデータを扱う場合には、クライアントで実行される操作に対するレスポンス(response)が悪化する問題がある。なお、かかる問題は、シンクライアントシステムでクライアントとサーバ間で画面更新時に大容量のデータ送信が発生する場合に共通するものであり、画像や動画を扱う場合に限定して生じる問題ではない。
【0006】
このことから、操作レスポンスを改善するための技術の一例として、次のような技術が提案されている。これを説明すると、サーバは、特定のメディアアプリケーション(media application)の出力を途中でフックしてそのメディアプリケーションが扱うデータをクライアントに送信する。一方、クライアントは、サーバで動作するメディアアプリケーションが扱うデータの再生処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2007−505580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来技術は、特定のメディアアプリケーションに依存した環境でしか効力を発揮できないので、シンクライアントの汎用性を損なうという問題がある。
【0009】
すなわち、上記の従来技術は、サーバ及びクライアントにインストール(install)されるメディアアプリケーションを改造するか、または予め改造を行ったメディアアプリケーションをプリインストールすることが前提となる。ところが、メディアアプリケーションの入手経路が多種多様である現状では、改造を施すことができるメディアアプリケーションは一部に限られる。このため、その他の大部分のメディアアプリケーションを利用する場合には、依然として、操作レスポンスが悪化したままで利用する他に術はない。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、シンクライアントの汎用性を維持しつつ、操作レスポンスを向上させることができる情報処理装置、画像送信プログラム、画像表示プログラム及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の開示する情報処理装置は、ネットワーク経由で接続された端末装置の表示部にコンピュータの実行結果を表示するための画像を生成してネットワークへ送信する情報処理装置である。前記情報処理装置は、コンピュータの実行結果を描画する画像を保持する画像メモリを有する。さらに、前記情報処理装置は、前記画像メモリに描画された画像を複数の領域に分割し、前記領域ごとにフレーム間の変更の頻度を判別する変更頻度判別部を有する。さらに、前記情報処理装置は、前記変更のある領域の画像を送信する第1の画像送信部を有する。さらに、前記情報処理装置は、前記変更の頻度がしきい値を超えた領域を高頻度更新領域として識別する高頻度変更領域識別部を有する。さらに、前記情報処理装置は、前記識別した領域について、前記第1の画像送信部での送信を停止する送信停止部を有する。さらに、前記情報処理装置は、前記識別した領域の画像を、前記第1の画像送信部よりも圧縮率の高い動画の圧縮処理を行って送信する第2の画像送信部を有する。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示する情報処理装置の一つの態様によれば、シンクライアントの汎用性を維持しつつ、操作レスポンスを向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例2に係るシンクライアントシステムに含まれる各装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、デスクトップ画面の分割要領を説明するための図である。
【図4A】図4Aは、デスクトップ画面の変更頻度の判別要領を説明するための図である。
【図4B】図4Bは、デスクトップ画面の変更頻度の判別要領を説明するための図である。
【図4C】図4Cは、デスクトップ画面の変更頻度の判別要領を説明するための図である。
【図5】図5は、メッシュ連結体の補正要領を説明するための図である。
【図6】図6は、高頻度変更領域の候補の合成要領を説明するための説明図である。
【図7A】図7Aは、高頻度変更領域の属性情報の通知要領を説明するための図である。
【図7B】図7Bは、高頻度変更領域の属性情報の通知要領を説明するための図である。
【図7C】図7Cは、高頻度変更領域の属性情報の通知要領を説明するための図である。
【図8】図8は、実施例2に係る画像送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図9A】図9Aは、マップクリアの延長要領を説明するための図である。
【図9B】図9Bは、マップクリアの延長要領を説明するための図である。
【図10A】図10Aは、高頻度変更領域の縮小に関する抑制要領を説明するための図である。
【図10B】図10Bは、高頻度変更領域の縮小に関する抑制要領を説明するための図である。
【図11】図11は、実施例3に係る画像送信プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する情報処理装置、画像送信プログラム、画像表示プログラム及び画像表示方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理装置1は、ネットワーク経由で接続された端末装置の表示部にコンピュータの実行結果を表示するための画像を生成してネットワークへ送信するである。図1に示すように、情報処理装置1は、画像メモリ1aと、変更頻度判別部1bと、第1の画像送信部1cと、高頻度変更領域識別部1dと、送信停止部1eと、第2の画像送信部1fとを有する。
【0016】
画像メモリ1aは、コンピュータの実行結果を描画する画像を保持する。また、変更頻度判別部1bは、画像メモリ1aに描画された画像を複数の領域に分割し、領域ごとにフレーム間の変更の頻度を判別する。また、第1の画像送信部1cは、変更のある領域の画像を送信する。
【0017】
高頻度変更領域識別部1dは、変更の頻度がしきい値を超えた領域を高頻度更新領域として識別する。また、送信停止部1eは、高頻度変更領域識別部1dが高頻度変更領域として識別した領域について、第1の画像送信部1cでの送信を停止する。また、第2の画像送信部1fは、高頻度変更領域識別部1dが高頻度変更領域として識別した領域の画像を、第1の画像送信部1cよりも圧縮率の高い動画の圧縮処理を行って送信する。
【0018】
このため、本実施例に係る情報処理装置1では、動画向けの圧縮方式を用いる領域を高頻度変更領域として特定のアプリケーションに依存せずに識別することができる。さらに、本実施例に係る情報処理装置1では、高頻度変更領域以外の領域については変更があった部分の画像を送信しつつ、高頻度変更領域についてはその領域に対応する画像を動画向けの圧縮方式のデータに圧縮できる。それゆえ、本実施例に係る情報処理装置1では、端末装置へ送信する画像のうち操作レスポンスを悪化させる根本となる画像に重点を置いてデータ量を低減しつつ、圧縮処理を行うエンコーダ、端末装置側で復号化処理を行うデコーダの負荷を最小限にできる。よって、本実施例に係る情報処理装置1によれば、シンクライアントの汎用性を維持しつつ、操作レスポンスを向上させることが可能になる。さらに、本実施例に係る情報処理装置1では、端末装置へ送信するデータ量を低減できるので、情報処理装置及び端末装置間での伝送遅延を低減できる結果、端末装置側で表示される画像がコマ落ちする可能性も低減できる。
【実施例2】
【0019】
[システム構成]
続いて、実施例2に係るシンクライアントシステムについて説明する。図2は、実施例2に係るシンクライアントシステムに含まれる各装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すシンクライアントシステム(thin client system)3は、クライアント(client)端末20が表示する画面をリモート(remote)でサーバ(server)装置10に制御させるものである。つまり、シンクライアントシステム3は、実際にはサーバ装置10が実行した処理結果や保持するデータをクライアント端末20に表示させつつも、あたかもクライアント端末20が主体となって処理を実行したり、データを保持しているかのように振る舞う。
【0021】
図2に示すように、シンクライアントシステム3は、サーバ装置10と、クライアント端末20とを有する。なお、図2の例では、1つのサーバ装置10に対し、1つのクライアント端末を接続する場合を図示したが、任意の数のクライアント端末を接続できる。
【0022】
これらサーバ装置10及びクライアント端末20は、所定のネットワーク(Network)を介して、相互に通信可能に接続される。かかるネットワークには、有線または無線を問わず、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。なお、サーバ装置10及びクライアント端末20間の通信プロトコル(Protocol)には、一例として、VNCにおけるRFB(Remote Frame Buffer)プロトコルを採用する場合を想定する。
【0023】
サーバ装置10は、クライアント端末20に表示させる画面をリモートで制御するサービスを提供するコンピュータ(computer)である。このサーバ装置10には、サーバ向けのリモート画面制御用のアプリケーション(application)がインストール(install)またはプリインストール(preinstall)される。なお、以下では、サーバ向けのリモート画面制御用のアプリケーションをサーバ側リモート画面制御用アプリと呼ぶ。
【0024】
このサーバ側リモート画面制御用アプリは、基本機能として、リモート画面制御サービスを提供する機能を有する。一例としては、サーバ側リモート画面制御用アプリは、クライアント端末20における操作情報を取得した上でその操作により要求された処理を自装置で動作するアプリケーションに実行させる。そして、サーバ側リモート画面制御用アプリは、アプリケーションにより実行された処理結果を表示するための画面を生成した上でその画面をクライアント端末20へ送信する。このとき、サーバ側リモート画面制御用アプリは、今回の画面生成の前にクライアント端末20で表示させていたビットマップ画像(bitmap)との間で変更があった部分の画素(pixel)が集まった領域、すなわち更新矩形の画像を送信する。なお、以下では、一例として、更新部分の画像が矩形の画像で形成される場合を説明するが、開示の装置は更新部分の画像が矩形以外の形状で形成される場合にも適用できる。
【0025】
このほか、サーバ側リモート画面制御用アプリは、フレーム(frame)間で動きが大きい部分のデータを動画向けの圧縮方式のデータに圧縮してクライアント端末20へ送信する機能も有する。一例としては、サーバ側リモート画面制御用アプリは、アプリケーションにより実行された処理結果から生成した画面を複数の領域に分割し、分割した領域ごとに変更の頻度を監視する。このとき、サーバ側リモート画面制御用アプリは、変更の頻度がしきい値を超えた領域、すなわち高頻度変更領域の属性情報をクライアント端末20へ送信する。これとともに、サーバ側リモート画面制御用アプリは、高頻度変更領域のビットマップ画像をMPEG−2やMPEG−4などのMPEG方式のデータにエンコード(encode)した上でクライアント端末20へ送信する。なお、ここでは、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式のデータへ圧縮する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、動画向けの圧縮方式であれば任意の圧縮符号化方式、例えばMotion−JPEG(Joint Photographic Experts Group)などを採用できる。
【0026】
クライアント端末20は、サーバ装置10によるリモート画面制御サービスの提供を受ける側のコンピュータである。かかるクライアント端末20の一例としては、パーソナルコンピュータ(personal computer)など固定端末の他、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistant)などの移動体端末を適用することもできる。このクライアント端末20には、クライアント向けのリモート画面制御用アプリケーションがインストールまたはプリインストールされる。なお、以下では、クライアント向けのリモート画面制御用のアプリケーションをクライアント側リモート画面制御用アプリと呼ぶ。
【0027】
このクライアント側リモート画面制御用アプリは、マウス(mouse)やキーボード(keyboard)などの各種の入力デバイス(device)を介して受け付けた操作情報をサーバ装置10へ通知する機能を有する。一例としては、クライアント側リモート画面制御用アプリは、マウスの左右のクリック(click)を始め、ダブルクリック(double click)やドラッグ(drag)、マウスの移動操作を介して得られたマウスカーソルの移動量などを操作情報として通知する。他の一例としては、マウスホイールの回転量、キーボードのうち押下されたキーの種別なども操作情報として通知する。
【0028】
さらに、クライアント側リモート画面制御用アプリは、サーバ装置10から受信した画像を所定の表示部に表示させる機能を有する。一例としては、クライアント側リモート画面制御用アプリは、サーバ装置10から更新矩形のビットマップ画像を受信した場合には、更新矩形の画像を前回のビットマップ画像から変更のあった位置に合わせて表示する。他の一例としては、クライアント側リモート画面制御用アプリは、サーバ装置10から高頻度変更領域の属性情報を受信した場合には、その属性情報に含まれる位置に対応する表示画面上の領域をビットマップ画像の表示対象外のブランク(blank)領域とする。その上で、クライアント側リモート画面制御用アプリは、動画向けの圧縮方式のデータを受信した場合にそのデータをデコード(decode)した上でブランク領域に表示する。
【0029】
[サーバ装置の構成]
次に、本実施例に係るサーバ装置の構成について説明する。図2に示すように、サーバ装置10は、OS実行制御部11aと、アプリ実行制御部11bと、グラフィックドライバ12と、フレームバッファ13と、サーバ側リモート画面制御部14とを有する。なお、図2の例では、図2に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや表示デバイスなどの機能を有するものとする。
【0030】
OS実行制御部11aは、OS(Operating System)の実行を制御する処理部である。例えば、OS実行制御部11aは、後述の操作情報取得部14aにより取得された操作情報からアプリケーションの起動指示やアプリケーションに対するコマンドを検出する。一例としては、OS実行制御部11aは、アプリケーションのアイコン(icon)上でダブルクリックを検出した場合に、そのアイコンに対応するアプリケーションの起動を後述のアプリ実行制御部11bへ指示する。他の一例としては、起動中のアプリケーションの操作画面、いわゆるウィンドウ(window)上でコマンド(command)の実行を要求する操作を検出した場合に、OS実行制御部11aは、そのコマンドの実行をアプリ実行制御部11bへ指示する。なお、以下では、アプリケーションをアプリと略記する。
【0031】
アプリ実行制御部11bは、OS実行制御部11aによる指示に基づき、アプリケーションの実行を制御する処理部である。一例としては、アプリ実行制御部11bは、OS実行制御部11aによりアプリの起動が指示された場合や起動中のアプリにコマンドの実行が指示された場合にアプリを動作させる。そして、アプリ実行制御部11bは、アプリを実行することにより得られた処理結果の表示用イメージ(image)をフレームバッファ13に描画する要求を後述のグラフィックドライバ12へ行う。このようにグラフィックドライバ12へ描画要求を行う場合には、アプリ実行制御部11bは、表示用イメージとともに表示用イメージの描画位置をグラフィックドライバ12へ通知する。
【0032】
なお、アプリ実行制御部11bが実行するアプリは、プリインストールされたものであってもよく、サーバ装置10の出荷後にインストールされたものであってもかまわない。また、JAVA(登録商標)などのネットワーク環境で動作するアプリであってもよい。
【0033】
グラフィックドライバ(graphic driver)12は、フレームバッファ13に対する描画処理を実行する処理部である。一例としては、グラフィックドライバ12は、アプリ実行制御部11bからの描画要求を受け付けた場合に、アプリの処理結果の表示用イメージをアプリにより指定されたフレームバッファ13上の描画位置へビットマップ形式で描画する。なお、ここでは、アプリにより描画要求を受け付ける場合を説明したが、OS実行制御部11aからの描画要求を受け付けることもできる。一例としては、グラフィックドライバ12は、OS実行制御部11aからマウスカーソルの描画要求を受け付けた場合に、マウスカーソルの表示用イメージをOSにより指定されたフレームバッファ13上の描画位置へビットマップ形式で描画する。
【0034】
フレームバッファ(frame buffer)13は、グラフィックドライバ12により描画されたビットマップデータを記憶する記憶デバイスである。かかるフレームバッファ13の一態様としては、VRAM(Video Random Access Memory)を始めとするRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子が挙げられる。なお、フレームバッファ13は、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置を採用することとしてもかまわない。
【0035】
サーバ側リモート画面制御部14は、サーバ側リモート画面制御用アプリを通じて、リモート画面制御サービスをクライアント端末20へ提供する処理部である。このサーバ側リモート画面制御部14は、図2に示すように、操作情報取得部14aと、画面生成部14bと、変更頻度判別部14cと、高頻度変更領域識別部14dと、エンコーダ14eと、第1の画像送信部14fと、第2の画像送信部14gとを有する。
【0036】
操作情報取得部14aは、クライアント端末20から操作情報を取得する処理部である。かかる操作情報の一例としては、マウスの左右のクリックを始め、ダブルクリックやドラッグ、マウスの移動操作を介して得られたマウスカーソルの移動量などが挙げられる。操作情報の他の一例としては、マウスホイールの回転量、キーボードのうち押下されたキーの種別なども挙げられる。
【0037】
画面生成部14bは、クライアント端末20の表示部22に表示させる画面の画像を生成する処理部である。一例としては、画面生成部14bは、グラフィックドライバ12によりフレームバッファ13へビットマップデータが格納される度に、次のような処理を起動する。すなわち、画面生成部14bは、前回のフレーム生成時にクライアント端末20で表示させていたデスクトップ画面と、今回のフレーム生成時にフレームバッファ13へ書き込まれたデスクトップ画面とを比較する。そして、画面生成部14bは、前回のフレームから変更があった部分の画素をつなげ合わせた上で矩形に整形した更新矩形の画像を生成し、更新矩形送信用のパケットを生成する。
【0038】
変更頻度判別部14cは、フレームバッファ13に描画された画像を分割した領域ごとにフレーム間の変更の頻度を判別する処理部である。一例としては、変更頻度判別部14cは、画面生成部14bにより生成された更新矩形を図示しない作業用の内部メモリへ所定の期間にわたって蓄積する。このとき、変更頻度判別部14cは、更新矩形の位置および大きさを特定可能な属性情報、例えば更新矩形の左上の頂点の座標と更新矩形の幅および高さとを蓄積する。かかる更新矩形を蓄積させる期間は、高頻度変更領域を識別する精度と相関関係があり、期間を長くするほど高頻度変更領域の誤検出が低減される。なお、ここでは、一例として、1秒間にわたって更新矩形の画像を蓄積する場合を想定する。
【0039】
このとき、変更頻度判別部14cは、更新矩形の画像を蓄積してから所定の期間が経過した場合に、クライアント端末20に表示させるデスクトップ画面をメッシュ(mesh)状に分割したマップ(map)を用いて、デスクトップ画面の変更頻度を判別する。
【0040】
図3は、デスクトップ画面の分割要領を説明するための図である。図3に示す符号30は、変更頻度判別用のマップを示す。図3に示す符号31は、マップ30に含まれるメッシュを指す。図3に示す符号32は、メッシュ31を形成する画素のブロックに含まれる1画素を指す。図3に示す例では、変更頻度判別部14cがマップ30を占める画素のうち8画素×8画素のブロックを1つのメッシュとして分割する場合を想定している。この場合には、1つのメッシュに64個の画素が含まれることになる。
【0041】
ここで、変更頻度判別部14cは、作業用の内部メモリに蓄積した更新矩形の位置および大きさにしたがって更新矩形の画像を変更頻度判別用のマップに順次展開する。そして、変更頻度判別部14cは、更新矩形をマップに展開する度に、マップ上で更新矩形と重なり合った部分のメッシュの変更回数を累積して加算する。このとき、変更頻度更新部14cは、マップ上に展開された更新矩形がメッシュに含まれる画素との間で所定数にわたって重なり合った場合に、そのメッシュの変更回数を1つ加算する。なお、ここでは、更新矩形がメッシュに含まれる画素と1つでも重なり合った場合に、メッシュの変更回数を加算する場合を想定して説明を行う。
【0042】
図4A〜図4Cは、デスクトップ画面の変更頻度の判別要領を説明するための図である。図4A〜図4Cに示す符号40A、符号40B及び符号40Nは変更頻度判別用のマップを示す。図4A及び図4Bに示す符号41A及び符号41Bは更新矩形を示す。ここで、マップ40Aのメッシュ内に図示した数字は、更新矩形41Aが展開された時点におけるメッシュの変更回数を示す。また、マップ40Bのメッシュ内に図示した数字は、更新矩形41Bが展開された時点におけるメッシュの変更回数を示す。さらに、マップ40Nのメッシュ内に図示した数字は、作業用の内部メモリに蓄積した更新矩形が全て展開された時点におけるメッシュの変更回数を示す。なお、図4A〜図4Cにおいて数字が図示されていないメッシュは変更回数がゼロであるものとする。
【0043】
図4Aに示すように、更新矩形41Aがマップ40Aに展開された場合には、網掛け部分のメッシュが更新矩形41Aと重なり合う。このため、変更頻度判別部14cは、網掛け部分のメッシュの更新回数を1つずつ加算する。この場合には、各メッシュの変更回数はゼロであるため、網掛け部分の変更回数は0から1に加算される。さらに、図4Bに示すように、更新矩形41Bがマップ40Bに展開された場合には、網掛け部分のメッシュが更新矩形41Bと重なり合う。このため、変更頻度判別部14cは、網掛け部分のメッシュの更新回数を1つずつ加算する。この場合には、各メッシュの変更回数は1であるため、網掛け部分の変更回数は1から2に加算される。このようにして全ての更新矩形がマップに展開された段階では、図4Cに示すマップ40Nの結果が得られる。
【0044】
そして、変更頻度判別部14cは、作業用の内部メモリに蓄積した更新矩形を全てマップに展開し終えた場合に、所定の期間における変更回数、すなわち変更頻度がしきい値を超えるメッシュを取得する。図4Cの例で言えば、しきい値を「4」としたとき、網掛け部分のメッシュが取得されることになる。かかるしきい値は、その値を高く設定するほどデスクトップ画面で動画が表示されている可能性が高い部分を後述のエンコーダ14eによりエンコードできる。なお、上記の「しきい値」は、サーバ側リモート画面制御用アプリの開発者が段階的に設定した値をエンドユーザに選択させたり、また、エンドユーザが値を直接設定することができる。
【0045】
図2の説明に戻り、高頻度変更領域識別部14dは、クライアント端末20に表示されるデスクトップ画面のうち高頻度で変更される領域を高頻度変更領域として識別する処理部である。
【0046】
高頻度変更領域識別部14dは、変更頻度判別部14cにより変更回数がしきい値を超えるメッシュが取得された場合に、隣接するメッシュ同士を連結したメッシュ連結体を矩形に補正する。一例としては、高頻度変更領域識別部14dは、メッシュ連結体に補間する補間領域を導出した上でメッシュ連結体に補間領域を足し合わせることによりメッシュ連結体を矩形に補正する。この補間領域の導出には、メッシュの連結体が最小の補間で矩形に整形される領域を導出するアルゴリズム(algorithm)が適用される。
【0047】
図5は、メッシュ連結体の補正要領を説明するための図である。図5に示す符号51は補正前のメッシュ連結体を示す。図5に示す符号52は補間領域を示す。また、図5に示す符号53は補正後の矩形を示す。図5に示すように、高頻度変更領域識別部14dは、メッシュ連結体51に補間領域52を足し合わせることにより、メッシュ連結体51を矩形53に補正する。この段階では、後述の矩形の合成が完了しておらず、矩形53が未だ高頻度変更領域と確定していないので、補正後の矩形を高頻度変更領域の候補と呼ぶこととする。
【0048】
高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域の候補が複数存在する場合には、複数の高頻度変更領域の候補の距離が所定の値以下である高頻度変更領域の候補同士を含む矩形に合成する。ここで言う高頻度変更領域の候補の距離とは、補正後の矩形の最短距離を指すものとする。一例としては、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域の候補を合成するにあたって各候補の間を埋める補間領域を導出した上で高頻度変更領域の候補に補間領域を足し合わせることにより、高頻度変更領域の候補同士を含む矩形に合成する。この補間領域の導出には、高頻度変更領域の候補の間が最小の補間で合成体に整形される領域を導出するアルゴリズム(algorithm)が適用される。
【0049】
図6は、高頻度変更領域の候補の合成要領を説明するための説明図である。図6に示す符号61A及び符号61Bは、高頻度変更領域の候補を指す。図6に示す符号62は補間領域を指す。図6に示す符号63は、高頻度変更領域の候補61A及び高頻度変更領域の候補61Bの合成体を指す。図6に示すように、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域の候補61A及び高頻度変更領域の候補61Bに補間領域62を足し合わせることにより、高頻度変更領域の候補61A及び高頻度変更領域の候補61Bを含む合成体63へ合成する。そして、高頻度変更領域識別部14dは、このようにして得た合成体を高頻度変更領域と識別する。
【0050】
このようにして高頻度変更領域を識別すると、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域の位置および大きさを特定可能な属性情報をクライアント端末20へ送信する。これにより、クライアント端末20で表示されるデスクトップ画面のビットマップデータのうち高頻度変更領域に対応する部分をブランク表示させる。その後、高頻度変更領域識別部14dは、作業用の内部メモリにマッピングされたメッシュの変更回数をクリア(clear)する。なお、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域の属性情報を作業用の内部メモリに登録する。
【0051】
図7A〜図7Cは、高頻度変更領域の属性情報の通知要領を説明するための図である。図7Aに示す符号70Aは、フレームバッファ13に描画されたデスクトップ画面の一例を示す。図7B〜図7Cに示す符号70B及び符号70Cは、変更頻度判別用のマップを示す。図7Aに示す符号71は、ブラウザ(browser)画面を指す。図7Aに示す符号72は、動画再生画面を指す。図7Bに示す符号73は、マウスの移動軌跡を示す。図7Bに示す符号74は、アプリによる動画再生領域を示す。
【0052】
図7Aに示すように、デスクトップ画面70Aには、ブラウザ画面71及び動画再生画面72が含まれる。このデスクトップ画面70Aから経時的な変化を追った場合には、図7Bに示すように、静止画であるブラウザ画面71の更新矩形は検出されず、マウスの移動軌跡73および動画再生領域74に関する更新矩形が検出される。このうち、動画の再生領域74で変更回数がしきい値を超えるメッシュ、すなわち図示の網掛け部分が高頻度変更領域識別部14dにより識別されたものとする。この場合には、高頻度変更領域識別部14dは、図7Cに示す網掛け部分の高頻度変更領域の左上の頂点の座標(x,y)と、高頻度変更領域の幅wおよび高さhとを高頻度変更領域の属性情報としてクライアント端末20へ送信する。なお、ここでは、高頻度変更領域の位置を特定する点として左上の頂点の座標を採用する場合を説明したが、他の頂点を採用することとしてもかまわない。また、高頻度変更領域の位置を特定することができる点であれば、頂点以外の任意の点、例えば重心などを採用できる。また、ここでは、画面上の左上を座標軸XYの原点とする場合を説明したが、画面内および画面外の任意の点を原点とすることができる。
【0053】
また、高頻度変更領域識別部14dは、画面生成部14bにより更新矩形が生成される度に、その更新矩形が作業用の内部メモリに記憶された高頻度変更領域、すなわち後述の第2の画像送信部14gにより動画を送信中の領域に含まれるか否かを判定する。このとき、高頻度変更領域識別部14dは、更新矩形が高頻度変更領域に含まれない場合には、更新矩形の画像および属性情報を後述の第1の画像送信部14fに送信させる。一方、高頻度変更領域識別部14dは、更新矩形が高頻度変更領域に含まれる場合には、原則として、後述の第1の画像送信部14fに更新矩形の画像および属性情報を送信させない。なお、更新矩形がOS実行制御部11aにより描画されたマウスのものである場合には、マウスに関する更新矩形の画像および属性情報を例外的に送信させることとしてもよい。
【0054】
また、高頻度変更領域識別部14dは、フレームバッファ13にビットマップデータが描画される度に、作業用の内部メモリに高頻度変更領域の属性情報が登録されているか否かを判定する。そして、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域の属性情報が登録されている場合に、フレームバッファ13に描画されたビットマップデータのうち高頻度変更領域に対応する部分のビットマップ画像を切り出した上で後述のエンコーダ14eへ出力する。
【0055】
エンコーダ14eは、高頻度変更領域識別部14dから入力される高頻度変更領域の画像をエンコードする処理部である。一例としては、エンコーダ14eは、高頻度変更領域識別部14dから入力された高頻度変更領域のビットマップ画像がストリーム(stream)を形成可能なフレーム数に到達した段階で高頻度変更領域のビットマップ画像をエンコードする。なお、エンコード方式の一態様としては、MPEG−2やMPEG−4などのMPEG方式やMotion−JPEG方式が挙げられる。
【0056】
第1の画像送信部14fは、画面生成部14bにより生成された更新矩形の画像および属性情報をクライアント端末20へ送信する処理部である。この更新矩形を送信する場合の通信プロトコルには、一例としてVNCにおけるRFBプロトコルが採用される。
【0057】
第2の画像送信部14gは、エンコーダ14eによりエンコードされた高頻度変更領域のエンコード画像をクライアント端末20へ送信する処理部である。この高頻度変更領域のエンコード画像を送信する場合の通信プロトコルには、一例として、RTP(Real-time Transport Protocol)を採用できる。
【0058】
なお、OS実行制御部11a、アプリ実行制御部11b、グラフィックドライバ12、サーバ側リモート画面制御部14には、各種の集積回路や電子回路を採用できる。また、サーバ側リモート画面制御部14に含まれる機能部の一部を別の集積回路や電子回路とすることもできる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。
【0059】
[クライアント端末の構成]
次に、本実施例に係るクライアント端末の構成について説明する。図2に示すように、クライアント端末20は、入力部21と、表示部22と、クライアント側リモート画面制御部23とを有する。なお、図2の例では、図2に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば音声出力部などの機能を有するものとする。
【0060】
入力部21は、各種の情報、例えば後述のクライアント側リモート画面制御部23に対する指示入力を受け付ける入力デバイスであり、一例としては、キーボード(keyboard)やマウス(mouse)などを適用できる。なお、後述の表示部22も、マウスと協働して、ポインティングデバイス(pointing device)機能を実現する。
【0061】
表示部22は、各種の情報、例えばサーバ装置10から送信されたデスクトップ画面などを表示する表示デバイスであり、一例としては、モニタ(monitor)、ディスプレイ(display)やタッチパネル(touch panel)などを適用できる。
【0062】
クライアント側リモート画面制御部23は、クライアント側リモート画面制御用アプリを通じて、サーバ装置10によるリモート画面制御サービスの提供を受ける処理部である。このクライアント側リモート画面制御部23は、図2に示すように、操作情報通知部23aと、第1の画像受信部23bと、第1の表示制御部23cと、第2の画像受信部23dと、デコーダ23eと、第2の表示制御部23fとを有する。
【0063】
操作情報通知部23aは、入力部21による操作情報をサーバ装置10へ通知する処理部である。一例としては、操作情報通知部23aは、マウスの左右のクリックを始め、ダブルクリックやドラッグ、マウスの移動操作を介して得られたマウスカーソルの移動量などを操作情報として通知する。他の一例としては、操作情報通知部23aは、マウスホイールの回転量、キーボードのうち押下されたキーの種別なども操作情報として通知する。
【0064】
第1の画像受信部23bは、サーバ装置10の第1の画像送信部14fにより送信された更新矩形の画像および属性情報を受信する処理部である。また、第1の画像受信部23bは、サーバ装置10の高頻度変更領域識別部14dにより送信された高頻度変更領域の属性情報も受信する。
【0065】
第1の表示制御部23cは、第1の画像受信部23bにより受信された更新矩形の画像を表示部11に表示させる処理部である。一例としては、第1の表示制御部23cは、第1の画像受信部23bにより受信された更新矩形の属性情報に含まれる位置および大きさに対応する表示部22の画面領域に更新矩形のビットマップ画像を表示させる。また、第1の表示制御部23cは、第1の画像受信部23bにより高頻度変更領域の属性情報が受信された場合には、次のような処理を行う。すなわち、第1の表示制御部23cは、高頻度変更領域の属性情報に含まれる高頻度変更領域の位置および大きさに対応する表示部22の画面領域をビットマップ画像の表示対象外のブランク領域とする。
【0066】
第2の画像受信部23dは、サーバ装置10の第2の画像送信部14gにより送信された高頻度変更領域のエンコード画像を受信する処理部である。また、第2の画像受信部23dは、サーバ装置10の高頻度変更領域識別部14dにより送信された高頻度変更領域の属性情報も受信する。
【0067】
デコーダ23eは、第2の画像受信部23dにより受信された高頻度変更領域のエンコード画像をデコードする処理部である。なお、デコーダ23eには、サーバ装置10に搭載されるエンコード方式に適合するデコード方式のデコーダが搭載される。
【0068】
第2の表示制御部23fは、第1の画像受信部23bにより高頻度変更領域の属性情報に基づき、デコーダ23eによりデコードされた高頻度変更領域のデコード画像を表示部22に表示させる処理部である。一例としては、第2の表示制御部23fは、高頻度変更領域の属性情報に含まれる高頻度変更領域の位置および大きさに対応する表示部22の画面領域に高頻度変更領域のデコード画像を表示させる。
【0069】
なお、クライアント側リモート画面制御部23には、各種の集積回路や電子回路を採用できる。また、クライアント側リモート画面制御部23に含まれる機能部の一部を別の集積回路や電子回路とすることもできる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。
【0070】
[処理の流れ]
次に、本実施例に係るシンクライアントシステムの処理の流れについて説明する。図8は、実施例2に係る画像送信処理の手順を示すフローチャートである。この画像送信処理は、サーバ装置10により実行される処理であり、フレームバッファ13にビットマップデータが描画された場合に起動する。
【0071】
図8に示すように、フレームバッファ13にビットマップデータが描画されると、画面生成部14bは、前回のフレームから変更があった部分の画素をつなげ合わせた上で矩形に整形した更新矩形の画像を生成する(ステップS101)。そして、画面生成部14bは、先に生成した更新矩形の画像から更新矩形送信用のパケットを生成する(ステップS102)。
【0072】
続いて、変更頻度判別部14cは、画面生成部14bにより生成された更新矩形を図示しない作業用の内部メモリへ蓄積する(ステップS103)。このとき、更新矩形の蓄積を開始してから所定の期間が経過していない場合(ステップS104否定)には、以降に続く高頻度変更領域の識別に関する処理をとばし、後述のステップS113へ移行する。
【0073】
一方、更新矩形の蓄積を開始してから所定の期間が経過した場合(ステップS104肯定)には、変更頻度判別部14cは、次のような処理を行う。すなわち、変更頻度判別部14cは、作業用の内部メモリに蓄積した更新矩形の位置および大きさにしたがって更新矩形の画像を変更頻度判別用のマップに順次展開する(ステップS105)。そして、変更頻度判別部14cは、変更頻度判別用のマップに含まれるメッシュのうち変更頻度がしきい値を超えるメッシュを取得する(ステップS106)。
【0074】
その後、高頻度変更領域識別部14dは、変更頻度判別部14cにより変更頻度がしきい値を超えるメッシュが取得されたか否かを判定する(ステップS107)。このとき、変更頻度がしきい値を超えるメッシュが存在しない場合(ステップS107否定)には、高頻度変更領域がデスクトップ画面に存在しないので、以降に続く高頻度変更領域の識別に関する処理をとばし、ステップS112へ移行する。
【0075】
一方、変更頻度がしきい値を超えるメッシュが存在する場合(ステップS107肯定)には、高頻度変更領域識別部14dは、隣接するメッシュ同士を連結したメッシュ連結体を矩形に補正する(ステップS108)。
【0076】
そして、補正後の矩形、すなわち高頻度変更領域の候補が複数存在する場合(ステップS109肯定)には、高頻度変更領域識別部14dは、次のような処理を行う。すなわち、高頻度変更領域識別部14dは、複数の高頻度変更領域の候補の距離が所定の値以下である高頻度変更領域の候補同士を含む矩形に合成する(ステップS110)。なお、高頻度変更領域の候補が複数存在しない場合(ステップS109否定)には、矩形の合成を行わずにステップS111へ移行する。
【0077】
続いて、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域の位置および大きさを特定可能な属性情報をクライアント端末20へ送信する(ステップS111)。そして、高頻度変更領域識別部14dは、作業用の内部メモリにマッピングされたメッシュの変更回数をクリアする(ステップS112)。
【0078】
その後、高頻度変更領域識別部14dは、画面生成部14bにより生成された更新矩形が作業用の内部メモリに記憶された高頻度変更領域、すなわち第2の画像送信部14gにより動画を送信中の領域に含まれるか否かを判定する(ステップS113)。
【0079】
このとき、更新矩形が高頻度変更領域に含まれない場合(ステップS113否定)には、第1の画像送信部14fは、更新矩形の画像および属性情報をクライアント端末20へ送信し(ステップS114)、処理を終了する。
【0080】
一方、更新矩形が高頻度変更領域に含まれる場合(ステップS113肯定)には、次のような処理を行う。すなわち、高頻度変更領域識別部14dは、フレームバッファ13に描画されたビットマップデータのうち高頻度変更領域に対応する部分のビットマップ画像を切り出した上でエンコーダ14eにエンコードさせる(ステップS115)。そして、エンコーダ14eによりエンコードされた高頻度変更領域のエンコード画像をクライアント端末20へ送信し(ステップS116)、処理を終了する。
【0081】
なお、上記のステップS104〜ステップS112までの高頻度更新領域の識別に関する処理は、図8に示したフローとは別処理として動作させることもできる。この場合には、更新矩形の蓄積を開始してから所定の期間が経過する度に処理が起動することになる。
【0082】
また、上記のステップ113〜ステップS114の処理は、図8に示したフローと別の処理として動作させることもできる。この場合には、画面生成部14bにより更新矩形が生成される度に処理が起動することになる。
【0083】
また、上記のステップS115〜ステップS116の処理は、図8に示したフローと別の処理として動作させることもできる。この場合には、フレームバッファ13にビットマップデータが描画される度に作業用の内部メモリに高頻度変更領域の属性情報が登録されているか否かが判定される。このとき、高頻度変更領域の属性情報が登録されている場合に処理が起動することになる。
【0084】
[実施例2の効果]
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置10では、動画向けの圧縮方式を用いる領域を高頻度変更領域として特定のアプリケーションに依存せずに識別することができる。さらに、本実施例に係るサーバ装置10では、高頻度変更領域以外の領域については変更があった部分の画像を送信しつつ、高頻度変更領域についてはその領域に対応する画像を動画向けの圧縮方式のデータに圧縮できる。それゆえ、本実施例に係るサーバ装置10では、クライアント端末20へ送信する画像のうち操作レスポンスを悪化させる根本となる画像に重点を置いてデータ量を低減できる。これとともに、圧縮処理を行うサーバ装置10のエンコーダ、復号化処理を行うクライアント端末20のデコーダの負荷を最小限にできる。
【0085】
よって、本実施例に係るサーバ装置10及びシンクライアントシステム3によれば、シンクライアントの汎用性を維持しつつ、操作レスポンスを向上させることが可能である。さらに、本実施例に係るサーバ装置10及びシンクライアントシステム3では、クライアント端末20へ送信するデータ量を低減できるので、サーバ装置10及びクライアント端末20間での伝送遅延を低減できる。この結果、クライアント端末20側で表示される画像がコマ落ちする可能性も低減できる。
【0086】
また、本実施例に係るサーバ装置10は、複数のメッシュ連結体が存在する場合に、近接する領域の双方を含む領域に変換する。これによって、本実施例に係るサーバ装置10では、実際に動画が再生される領域の全てで動きがなくとも、動画が再生される領域における一部の動きから動画の再生領域を覆うように高頻度変更領域を形成することが可能である。
【実施例3】
【0087】
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0088】
[マップクリアの延長]
例えば、上記の実施例2では、高頻度変更領域識別部14dが更新矩形を蓄積させる周期に合わせて変更頻度判別用のマップをクリアする場合を説明したが、変更頻度判別用のマップをクリアする契機はこれに限定されない。
【0089】
一例としては、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域として識別した領域において変更頻度がしきい値を超えなくなった後も所定の期間にわたって継続して高頻度変更領域と識別することもできる。
【0090】
図9A及び図9Bは、マップクリアの延長要領を説明するための図である。図9Aの例では、高頻度変更領域が最初に識別された時点の変更頻度判別用のマップ80Aと、その時点の高頻度変更領域の識別結果81Aとを図示している。また、図9Bの例では、高頻度変更領域が最初に識別されてから所定の期間内である特定の時点の変更頻度判別用のマップ80Bと、その時点の高頻度変更領域の識別結果81Aとを図示している。
【0091】
図9Aに示すように、マップ80Aで変更回数がしきい値を超えるメッシュ連結体が取得されて高頻度変更領域の識別結果81Aが得られた場合には、以降に変更回数がしきい値を超えるメッシュ連結体が取得されなくとも識別結果81Aを所定の期間引き継ぐ。すなわち、図9Bに示すように、マップ80Aで変更回数がしきい値を超えるメッシュ連結体が取得されずとも、最初に高頻度変更領域の識別結果81Aを識別してから所定の期間内であれば高頻度変更領域の識別結果81Aを引き継ぐ。なお、上記の「しきい値」は、サーバ側リモート画面制御用アプリの開発者が段階的に設定した値をエンドユーザに選択させたり、また、エンドユーザが値を直接設定することができる。
【0092】
これによって、実際に動画が再生される領域において間欠的に動きがなくなった場合でも、高頻度変更領域を断続的に識別することがなくなる結果、高頻度変更領域で画像のコマ落ちが断続的に発生するのを防止できる。さらに、高頻度変更領域の識別結果を引き継ぐことにより高頻度変更領域のサイズ(size)が安定するので、エンコード時のパラメータを初期化する頻度を低減できる結果、エンコーダにかかる負荷を低減することも可能になる。
【0093】
[高頻度変更領域の縮小の抑制]
他の一例としては、高頻度変更領域識別部14dは、高頻度変更領域として識別した領域が以前に高頻度変更領域と識別した領域よりも縮小した場合に、次のような処理を行う。すなわち、高頻度変更領域識別部14dは、当該縮小した度合いが所定のしきい値以下であるならば、前回の識別時に高頻度変更領域と識別した領域を今回の識別結果として引き継ぐ。
【0094】
図10A及び図10Bは、高頻度変更領域の縮小に関する抑制要領を説明するための図である。図10Aの例では、時点T1の変更頻度判別用のマップ90Aと高頻度変更領域の識別結果91Aとを図示している。また、図10Bの例では、時点T2の変更頻度判別用のマップ90Bと高頻度変更領域の識別結果91Aとを図示している。なお、上記の時点T1および時点T2はT1<T2であるものとする。
【0095】
図10Aに示すように、マップ90Aで変更回数がしきい値を超えるメッシュ連結体が取得されて高頻度変更領域の識別結果91Aが得られた場合には、時点T1以降に変更回数が閾値を超えるメッシュ連結体が縮小されても直ちに高頻度変更領域を縮小しない。すなわち、図9Bに示すように、変更回数が閾値を超えるメッシュ連結体が斜線の部分について縮小したとしてもその面積が所定のしきい値、例えば半分以下であるならば、高頻度変更領域の識別結果91Aを引き継ぐ。
【0096】
これによって、実際に動画が再生される領域において一部の動きが間欠的になったとしても、高頻度変更領域を断続的に識別することがなくなる結果、高頻度変更領域で画像のコマ落ちが断続的に発生するのを防止できる。さらに、高頻度変更領域の識別結果を引き継ぐことにより高頻度変更領域のサイズが安定するので、エンコード時のパラメータを初期化する頻度を低減できる結果、エンコーダにかかる負荷を低減することも可能になる。
【0097】
[その他]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0098】
例えば、サーバ装置10の第1の画像送信部14f及び第2の画像送信部14gが実行する画像の送信処理を1つの画像送信部に統合することとしてもよい。また、クライアント端末20の第1の画像受信部23b及び第2の画像受信部23dが実行する画像の受信処理を1つの画像受信部に統合することとしてもかまわない。さらに、クライアント端末の第1の表示制御部23c及び第2の表示制御部23fが実行する表示制御処理を1つの表示制御部に統合することとしてもよい。
【0099】
また、サーバ装置が有する操作情報取得部14a、画面生成部14b、変更頻度判別部14c、高頻度変更領域識別部14d、エンコーダ14e、第1の画像送信部14fまたは第2の画像送信部14gを次のように構成できる。一例としては、これらの機能部をサーバ装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。他の一例としては、これらの機能部を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のサーバ装置10の機能を実現するようにしてもよい。同様に、クライアント端末20が有する操作情報通知部23a、第1の画像受信部23b、第1の表示制御部23c、第2の画像受信部23d、デコーダ23eまたは第2の表示制御部23fを先のように構成できる。
【0100】
[画像送信プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図11を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する画像送信プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。なお、図11は、実施例3に係る画像送信プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。また、ここでは、サーバ装置10と同様の機能を有する画像送信プログラムを実行するコンピュータの例を説明するが、クライアント端末20と同様の機能を有する画像表示プログラムを実行する場合も同様である。
【0101】
図11に示すように、実施例3におけるコンピュータ100は、操作部110aと、マイク110bと、スピーカ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD(Hard Disk Drive)170と、RAM(Random Access Memory)180と有する。これら110〜180の各部はバス140を介して接続される。
【0102】
ROM160には、上記の実施例2で示した操作情報取得部14aと、画面生成部14bと、変更頻度判別部14cと同様の機能を発揮する制御プログラムが予め記憶される。さらに、ROM160には、高頻度変更領域識別部14dと、第1の画像送信部14fと、第2の画像送信部14gと同様の機能を発揮する制御プログラムが予め記憶される。つまり、ROM160には、図11に示すように、操作情報取得プログラム160aと、画面生成プログラム160bと、変更頻度判別プログラム160cと、高頻度変更領域識別プログラム160dとが記憶される。さらに、ROM160には、第1の画像送信プログラム160eと、第2の画像送信プログラム160gとが記憶される。これらのプログラム160a〜160fについては、図2に示したサーバ装置10の各構成要素と同様、適宜統合又は分離しても良い。なお、RAM160に格納される各データは、常に全てのデータがRAM160に格納される必要はなく、処理に必要なデータのみがRAM160に格納されれば良い。
【0103】
そして、CPU150が、これらのプログラム160a〜160fをROM160から読み出して実行する。これにより、CPU150は、図11に示すように、各プログラム160a〜160dについては、操作情報取得プロセス150a、画面生成プロセス150b及び変更頻度判別プロセス150c及び高頻度変更領域識別プロセス150dとして機能するようになる。さらに、CPU150は、各プログラム160e〜160fについては、第1の画像送信プロセス150e及び第2の画像送信プロセス150gとして機能するようになる。これらプロセス150a〜150fは、図2に示した操作情報取得部14aと、画面生成部14bと、変更頻度判別部14cと、高頻度変更領域識別部14dと、第1の画像送信部14fと、第2の画像送信部14gとにそれぞれ対応する。そして、CPU150は、RAM180を用いて、画像送信プログラムを実行する。なお、CPU150上で仮想的に実現される各処理部は、常に全ての処理部がCPU150上で動作する必要はなく、処理に必要な処理部のみが仮想的に実現されれば良い。
【0104】
なお、上記した画像送信プログラムについては、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理装置
1a 画像メモリ
1b 変更頻度判別部
1c 第1の画像送信部
1d 高頻度変更領域識別部
1e 送信停止部
1f 第2の画像送信部
3 シンクライアントシステム
10 サーバ装置
11a OS実行制御部
11b アプリ実行制御部
12 グラフィックドライバ
13 フレームバッファ
14 サーバ側リモート画面制御部
14a 操作情報取得部
14b 画面生成部
14c 変更頻度判別部
14d 高頻度変更領域識別部
14e エンコーダ
14f 第1の画像送信部
14g 第2の画像送信部
20 クライアント端末
21 入力部
22 表示部
23 クライアント側リモート画面制御部
23a 操作情報通知部
23b 第1の画像受信部
23c 第1の表示制御部
23d 第2の画像受信部
23e デコーダ
23f 第2の表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク経由で接続された端末装置の表示部にコンピュータの実行結果を表示するための画像を生成してネットワークへ送信する情報処理装置であって、
コンピュータの実行結果を描画する画像を保持する画像メモリと、
前記画像メモリに描画された画像を複数の領域に分割し、前記領域ごとにフレーム間の変更の頻度を判別する変更頻度判別部と、
前記変更のある領域の画像を送信する第1の画像送信部と、
前記変更の頻度がしきい値を超えた領域を高頻度更新領域として識別する高頻度変更領域識別部と、
前記識別した領域について、前記第1の画像送信部での送信を停止する送信停止部と、
前記識別した領域の画像を、前記第1の画像送信部よりも圧縮率の高い動画の圧縮処理を行って送信する第2の画像送信部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記高頻度変更領域識別部は、複数の領域を識別した際に、近接する領域の双方を含む領域に変換することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記高頻度変更領域識別部は、前記高頻度変更領域として識別した領域において前記変更の頻度がしきい値を超えなくなった後も所定の期間にわたって継続して高頻度変更領域と識別することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記高頻度変更領域識別部は、前記識別した領域が以前に高頻度変更領域と識別した領域よりも縮小した場合に、当該縮小した度合いが所定のしきい値以下であるならば、前回の識別時に高頻度変更領域と識別した領域を今回の識別結果とすることを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ネットワーク経由で接続された端末装置の表示部にコンピュータの実行結果を表示するための画像を生成してネットワークへ送信する情報処理装置に用いる画像送信プログラムであって、
前記情報処理装置に、
コンピュータの実行結果を描画する画像を保持する画像メモリに描画された画像を複数の領域に分割し、前記領域ごとにフレーム間の変更の頻度を判別する変更頻度判別手順と、
前記変更のある領域の画像を送信する第1の画像送信手順と、
前記変更の頻度がしきい値を超えた領域を高頻度更新領域として識別する高頻度変更領域識別手順と、
前記識別した領域について、前記第1の画像送信部での送信を停止する画像入換手順と、
前記識別した領域の画像を、前記第1の画像送信部よりも圧縮率の高い動画の圧縮処理を行って送信する第2の画像送信手順と
を実行させることを特徴とする画像送信プログラム。
【請求項6】
ネットワーク経由で接続された情報処理装置により生成されたコンピュータの実行結果を表示するための画像を受信し、該受信した画像を自装置の表示部に表示する端末装置に用いる画像表示プログラムであって、
前記端末装置に、
コンピュータの実行結果を描画する画像が分割された複数の領域のうち、フレーム間に変更のある領域の画像を受信する第1の画像受信手順と、
コンピュータの実行結果を描画する画像が分割された複数の領域のうち、フレーム間に変更の頻度がしきい値を超えた領域を対象に前記第1の画像受信手順よりも圧縮率の高い動画の圧縮処理が行われた画像を受信する第2の画像受信手順と、
前記第1の画像受信工程により受信された画像を前記表示部に表示させる第1の表示制御工程と、
前記第2の画像受信工程により受信された画像を復号化した上で前記表示部に表示させる第2の表示制御工程と
を実行させることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項7】
ネットワーク経由で接続された端末装置の表示部にコンピュータの実行結果を表示するための画像を生成してネットワークへ送信する情報処理装置と、前記情報処理装置から前記ネットワークを経由して受信した画像を表示する端末装置とを有する画像表示システムに用いる画像表示方法であって、
前記情報処理装置が、
コンピュータの実行結果を描画する画像を保持する画像メモリに描画された画像を複数の領域に分割し、前記領域ごとにフレーム間の変更の頻度を判別する変更頻度判別工程と、
前記変更のある領域の画像を送信する第1の画像送信工程と、
前記変更の頻度がしきい値を超えた領域を高頻度変更領域として識別する高頻度変更領域識別工程と、
前記識別した領域について、前記第1の画像送信部での送信を停止する送信停止工程と、
前記識別した領域の画像を、前記第1の画像送信部よりも圧縮率の高い動画の圧縮処理を行って送信する第2の画像送信工程とを含み、
前記端末装置が、
前記第1の画像送信工程により送信された画像を前記表示部に表示させる第1の表示制御工程と、
前記第2の画像送信工程により送信された画像を復号化した上で前記表示部に表示させる第2の表示制御工程とを含んだ
ことを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−238014(P2011−238014A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108799(P2010−108799)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】