説明

情報処理装置およびその制御方法

【課題】画面の一部に強い光が差し込んでいる場合に、ユーザが、当該画面の一部に表示された文字や図形を、強い光が差し込んでいない画面上の別の領域に移動する操作を行うことなく、当該文字や図形を視認し易くする。
【解決手段】情報処理装置は、表示手段に表示する映像の位置を設定する情報処理装置であって、前記表示手段を構成する複数の部分領域それぞれにおける照度を測定し、前記照度が基準値以上となる部分領域を除く領域に、前記映像を表示する位置を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面(ディスプレイ)上で、映像を表示する位置を決定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイパネル)等において、視認しやすい映像を提供するために、周囲の環境に応じて輝度、色温度、色の濃淡等を変化させる技術が普及している。特に、画面上に表示された文字や図形を視認し易くするために、画面の周囲光の強弱に応じて画面の輝度を変化させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−308892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画面に直接太陽光などの強い光が差し込んでいる場合、画面の輝度を変化させても、画面上に表示された文字や図形の視認性が充分に向上しない場合があった。そして、画面の一部に強い光が差し込んでいる場合には、当該画面の一部に表示された文字や図形を視認し易くするため、ユーザは、当該文字や図形を、強い光が差し込んでいない画面上の別の領域に移動する操作を行っていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、表示手段に表示する映像の位置を設定する情報処理装置であって、前記表示手段を構成する複数の部分領域それぞれにおける照度を測定する測定手段と、前記照度が基準値以上となる部分領域を除く領域に、前記映像を表示する位置を設定する設定手段とを有する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。即ち、画面の一部に強い光が差し込んでいる場合に、ユーザが、当該画面の一部に表示された文字や図形を、強い光が差し込んでいない画面上の別の領域に移動する操作を行うことなく、当該文字や図形を視認し易くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】測定された照度値に基づいて映像の表示位置を変更する処理を模式的に示す図である。
【図3】映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】測定された照度値に基づいて映像の表示位置とサイズとを変更する処理を模式的に示す図である。
【図5】映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】照度値の経時変化に基づく値を決定する処理を模式的に示す図である。
【図8】映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】レイアウトを変更する様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1(A)は、第1の実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。情報処理装置100は、ケーブル等を介して、表示部151、照度測定部152、映像蓄積部153と通信可能に接続されている。また、情報処理装置100は、照度取得部101、判定部102、映像入力部103、表示位置設定部104、映像出力部105を有する。
【0010】
表示部151は、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)等であり、映像出力部105から出力された映像信号に対応する映像を表示する。また、表示部151は、LCOS(Liquid crystal on silicon)プロジェクタ等の投影装置が投影する投影領域であってもよい。照度測定部152は、周知の照度計等であり、表示部151の表示領域を複数の部分領域に分割した各部分領域の照度を測定する。また、照度測定部152は表示部151の表示領域内に照度計を一定の間隔で設置したものであってもよい。また、照度測定部152は、表示部151の各部分領域の輝度を測定する輝度計等であってもよい。
【0011】
図2は、照度測定部152が各部分領域における照度を測定する処理を模式的に示す図である。本実施形態では、図2(A)に示すように表示部151の表示領域を横16、縦9の領域に分割した各領域(144個の領域)を、照度を測定する部分領域とする。尚、図2(A)において、各部分領域内に記載された数値は、照度測定部152によって測定された照度を量子化した値(以下、照度値とする。)である。図2(A)においては、外光204が、表示領域201の一部に相当する領域(外光照射領域202)に照射されており、当該外光照射領域202の照度値が、他の領域の照度値と比較して大きくなっている。即ち、この照度値が大きい場合、照度測定部152によって測定された照度が高いことを表す。
【0012】
映像蓄積部153は、HDD(ハードディスクドライブ)、コンテンツを配信するサーバ等であり、表示部151に出力する映像データを蓄積する。照度取得部101は、前述した照度値を取得するI/F(インタフェース)である。判定部102は、MPU(マイクロプロセッサ)等であり、各部分領域の照度値が基準値となる所定の閾値以下であるか否かそれぞれ判定する。尚、所定の閾値とは、定数に限らず、照度の時間的変化から算出される値であってもよい。映像入力部103は、映像蓄積部153が出力した映像データを入力するI/Fである。
【0013】
表示位置設定部104は、MPU等であり、判定部102が判定した結果に基づいて、映像入力部103に入力された映像データに対応する映像を表示する位置を設定する。尚、映像を表示する位置を設定する処理とは、例えば、映像を表示する座標を変更する処理、映像の形状をアフィン変換する処理等である。表示位置設定部104における処理の詳細については、後述する。映像出力部105は、表示部151に、表示位置設定部104が設定した位置に映像を表示するための映像信号を出力するI/Fである。
【0014】
図3は、情報処理装置100において、映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS301において、映像入力部103は、映像蓄積部153が出力した映像データを入力する。次に、ステップS302において、表示位置設定部104は、入力された映像データに対応する映像を表示する位置を設定する。次に、ステップS303において、照度取得部101は、照度測定部152が測定した各部分領域の照度値を取得する。
【0015】
次に、ステップS304において、判定部102は、各部分領域の照度値が所定の閾値以下(基準値以下)であるか否かそれぞれ判定する。ステップS304において、各部分領域の照度値が所定の閾値以下であると判定された場合、ステップS305の処理を実行する。一方、ステップS304において、各部分領域の照度値が所定の閾値を超える判定された場合、ステップS307の処理を実行する。
【0016】
ステップS305において、表示位置設定部104は、映像データに対応する映像を表示する位置が、照度値が所定の閾値以上となる部分領域上にあるか否か判断する。ステップS305において、映像を表示する位置が、照度値が所定の閾値以上となる部分領域上にあると判断された場合、ステップS306の処理を実行する。一方、ステップS305において、映像を表示する位置が、照度値が所定の閾値以上となる部分領域上にないと判断された場合、ステップS307の処理を実行する。
【0017】
ステップS306において、表示位置設定部104は、映像を表示する位置が、照度値が所定の閾値以上(基準値以上)となる部分領域上にないよう、表示位置を変更する。尚、表示位置を変更する処理の詳細については、後述する。ステップS307において、映像出力部105は、表示部151に、映像信号を出力する。尚、出力する映像信号は、表示位置設定部104がステップS302において設定した位置、または表示位置設定部104がステップS305において変更した後の位置に映像を表示するための信号とする。尚、ステップS307の処理を実行した後、一連の処理を終了するが、映像蓄積部153から映像入力部103に新たな映像データが出力されると、再び、新たな映像データに対して、ステップS301からの処理を実行する。
【0018】
次に、図2を参照しながら、ステップS304、S305、S306における処理を具体的に説明する。まず、ステップS303において、図2(A)に示す照度値が得られたとする。即ち、外光照射領域202においては、照度値が7から9までの値として測定され、外光照射領域202以外の部分領域では、照度値が0として測定されたものとする。次に、ステップS304において、判定部102は、各部分領域の照度値が、所定の閾値(本実施形態では、4とする。)以下であるか否か判定する。図2(A)では、外光照射領域202において、4以上の照度値が観測されているので、続いてステップ305の処理を実行する。
【0019】
ステップS305において、表示位置設定部104は、映像の表示位置が、4以上の照度値が観測されている外光照射領域202上に存在するか否か判断する。以下、図2(B)を参照しながら、ステップS305における処理を具体的に説明する。ここで、映像が表示可能な領域である表示領域201(矩形領域ABCD)の各頂点座標をA(0,0)、B(15,0)、C(15,8)、D(0,8)と定義する。そして、ステップS302において位置を設定した映像が出力される領域を、映像出力領域205とすると、映像出力領域205(矩形領域EFGH)の各頂点座標は、E(8,3)、F(15,3)、G(15,8)、H(8,8)となる。即ち、ステップS305で、表示位置設定部104は、矩形領域EFGHの内部に、照度値が4以上である部分領域があるか否か判断する。
【0020】
続いて、図2(C)を参照しながら、ステップS306において、表示位置設定部104が実行する処理を具体的に説明する。尚、表示位置設定部104が実行する処理とは、映像出力領域205の座標を変更する演算を行う処理である。本実施形態では、座標を変更した後の映像出力領域205(映像出力領域206)が、外光照射領域202の外となり、かつ元の映像出力領域205の座標からの移動量が最小となる座標に位置するよう座標を変更する演算を行う。尚、例えば、外光照射領域202に含まれる映像出力領域205の頂点(例えば、座標G。)がある場合に、座標を変更する演算は、以下の様になる。即ち、映像出力領域205(映像出力領域206)が、外光照射領域202の外となる条件を満たすとともに、当該頂点(座標G)を中心とする同心円の半径rとしたとき、当該半径rが最小となる点(座標J)を算出する。
【0021】
また、映像出力領域205の一部が、外光照射領域202となり、外光照射領域202に含まれる映像出力領域205の頂点がない場合には以下の処理を行う。即ち、まず、外光照射領域202の境界から最も近い、映像出力領域205の頂点を、外光照射領域202内に移動させ、上述した処理を行う。また、外光照射領域202に含まれる映像出力領域205の頂点が複数存在する場合には、まず、外光照射領域202に含まれていない映像出力領域205の頂点から最も遠い頂点を同心円の中心として、上述した処理を行う。また、映像出力領域205の全ての頂点が外光照射領域202に含まれる場合には、まず、映像出力領域205の重心を同心円の中心として、上述した処理を行う。
【0022】
尚、図2(C)の場合、位置を変更した後の映像出力領域206(矩形HIJK)は、元の映像出力領域205から、水平方向に−2、垂直方向に−2移動している。このようにして、視認性の低下する外光照射領域の外に映像を表示させることが可能となる。尚、本実施形態で、照度測定部152が照度を取得する処理は、表示部151が映像を表示していない間に行ってもよい。これは、照度測定部152によって測定された照度値が、表示部151自身が発する光の影響を受けないようにするためである。
【0023】
また、照度測定部152が照度を取得する処理は、表示部151が映像を表示している間に行ってもよい。このとき、図1(C)に示すように、更に情報処理装置は、照度補正部121を備え、照度測定部152で測定した照度値から、表示部151自身が発する光の照度値を減じた値を、外光による照度値として判定部102に入力してもよい。
【0024】
(第1の実施形態の変形例)
上述した第1の実施形態では、映像領域の位置を外光照射領域外とする移動処理を行う。しかしながら、当該処理を行うことによって、図4(B)に示すように、映像領域703の一部が、表示領域701の外に相当する位置に移動され、結果的に、映像領域703の一部が表示されない場合がある。このような場合においては、図4(C)に示すように、映像領域703の全体が表示領域701内となるように映像領域のサイズを変更する制御を実行することが望ましい。
【0025】
図5は、第1の実施形態において実行する処理に加えて、適宜、映像領域のサイズを変更する処理の流れを示すフローチャートである。図5において、ステップS501からステップS506までの処理、ステップS509の処理は、図3における、ステップS301からステップS306までの処理、ステップS307の処理と同様であるため、説明を省略し、相違点のみについて説明する。
【0026】
ステップS507において、表示位置設定部104は、表示位置を変更した後の映像領域が、表示領域外となるか否か判断する。ステップS507において、表示位置を変更した後の映像領域が、表示領域外となると判断された場合、ステップS508の処理を実行する。一方、ステップS507において、表示位置を変更した後の映像領域が、表示領域外とならないと判断された場合、ステップS509の処理を実行する。ステップS508において、表示位置設定部104は、表示位置を変更した後の映像領域が、表示領域内となる様、映像領域のサイズを変更する。ステップS508の処理を実行すると、続いて、ステップS509の処理を実行する。このようにすると、視認性の低下する外光照射領域の外に映像を表示させることが可能となると共に、表示領域内に所望の映像を好適に表示することが可能となる。
【0027】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、表示部151自身が発する光が、測定する照度に影響を及ぼさない場合について記載した。本実施形態では、表示部151自身が発する光が測定する照度に影響を及ぼす場合において、外光による照度を測定する処理について説明する。
【0028】
図1(B)は、本実施形態に係る情報処理装置110の機能構成を示す機能ブロック図である。尚、情報処理装置100と同じ機能を有する要素については、同符号を付し、その説明を省略する。輝度検知部111は、MPU等であり、表示部151自身が発する光の輝度を検出する。尚、本実施形態においては、表示部151へ出力された映像信号から輝度値(測定された輝度を量子化した値)を算出する。判定部112は、MPU等であり、算出した輝度値が閾値以下だった場合に、各部分領域の照度値が所定の閾値以下であるか否かそれぞれ判定する。即ち、表示部151が発する光が測定する照度に影響を及ぼさない場合(例えば、シーンチェンジ等の輝度が低い場合)に、各部分領域の照度値が所定の閾値以下であるか否かそれぞれ判定する。
【0029】
図6は、情報処理装置110において、映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートである。尚、図6において、ステップS601からステップS607までの処理は、図3における、ステップS301からステップS307までの処理と同様であるため、説明を省略し、相違点のみについて説明する。ステップS600において、輝度検知部111は、表示部151の輝度値が所定の閾値以下であるか否か判断する。ステップS600において、輝度値が所定の閾値以下である場合には、ステップS601の処理を実行する。一方、ステップS600において、輝度値が所定の閾値以下でない場合には、一連の処理を終了する。尚、本処理は、例えば、所定の時間間隔、所定のフレーム間隔で逐次、実行する。以上説明した処理を行うことにより、視認性の低下する外光照射領域が時間を追って変化した場合であっても、当該外光照射領域外に映像を表示させることで、映像コンテンツの視認性を向上することが可能となる。
【0030】
(第3の実施形態)
上述した第1および第2の実施形態においては、表示部151の照度の強さによって映像を表示する領域を変更していた。一方、本実施形態では、表示部151の照度変化に基づいて、映像を表示する領域を変更する。本実施形態に係る情報処理装置は、情報処理装置100と同様であるため、説明を省略する。但し、判定部102は、各部分領域で測定された照度値の経時変化に基づく値が所定の閾値以下であるか否かそれぞれ判定する。尚、判定部102は、過去に測定した照度値を数回分保持しておき、現在の照度値との差分を求めるものとする。
【0031】
本実施形態において、映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートは図3と同様であるため、説明を省略する。但し、ステップS304において、判定部102は、各部分領域の照度値が所定の閾値以下であるか否かそれぞれ判定するのではなく、各部分領域の照度値の経時変化に基づく値が所定の閾値以下であるか否かそれぞれ判定する。
【0032】
図7は、照度値の経時変化に基づく値を決定する処理を模式的に示す図である。図7(A)は、2回前に照度を測定した時刻である時刻(t−2)において測定された各部分領域の照度値(このときの照度値をaとする。)である。また、図7(B)は、1回前に照度を測定した時刻である時刻(t−1)において測定された各部分領域の照度値(このときの照度値をbとする。)である。また、図7(C)は、現在に相当する時刻tにおいて測定された各部分領域の照度値(このときの照度値をcとする。)である。
本実施形態においては、以下の(式1)によって、各部分領域の照度値の経時変化に基づく値(変化率L)を算出する。
【0033】
L=W1*(|b−c|/c)+W2*(|a−c|/c) (式1)
尚、W1、W2は重み付けを表す係数である。
【0034】
そして、照度値の変化率Lが所定の閾値以上となる部分領域を照度変動領域とする。W1、W2を共に10とした場合の照度の変化率Lを図7(d)に示す。更に、判定に用いる閾値を4とした場合、ステップS304において、判定部102は、表示領域701の右下部に相当する領域702が閾値以上の照度変化率であると観測する。以上説明した処理を行うことにより、表示領域に外光が差し込んだり差し込まなかったりする領域を避けて、映像を表示することにより視認性を向上させることが可能となる。
【0035】
(第4の実施形態)
第1、第2の実施形態では、照度の強さによって映像を表示する領域を変更する実施例について説明した。本実施形態では、映像の表示領域自体は変更せずに、照度の強さによって映像のレイアウトを変更する実施例について説明する。
【0036】
本実施形態に係る情報処理装置は、情報処理装置100と同様であるため、説明を省略する。ただし、表示位置設定部104が映像の表示位置だけでなく、映像に重畳するUIや字幕の位置を設定することを特徴とする。また、本実施例では表示位置設定部104は、映像や映像に重畳するUIや字幕の優先度に応じて表示位置を決定する。これらの優先度はあらかじめ映像蓄積部153に蓄積されている映像データに付加されていても良いし、図示されていない情報処理装置100のユーザインターフェイスから入力されたユーザの操作に基づいて映像入力部103において映像に優先度を付加しても良い。
【0037】
図9は、測定された照度値に基づき映像のレイアウトを変更する様子を模式的に示す図である。図9の(A)はデータ放送を表示している状態であり、表示領域701には、放送等の映像が表示されている映像領域703の他に、データ放送のメニュー705とデータ放送706が表示されている。また、表示領域701の一部に外光が照射されている外光照射領域702が存在する。また、本実施形態では、次の様にユーザの操作によって映像に優先度が決定されているものとする。ユーザはユーザインターフェイスを介し情報処理装置100に対しデータ放送表示を要求したとする。ユーザがデータ放送の表示を要求した場合、ユーザはデータ放送の視聴を希望している可能性が高いので、データ放送に関わる表示の優先度が高く設定される。
【0038】
データ放送に関わる表示の優先度が高く設定されるので、映像入力部103において、データ放送706の優先度を1、データ放送のメニュー705の優先度を2、映像領域703の優先度を3とし優先度を付加する。尚、優先度の数値が低いほど優先度が高いとする。図8は、情報処理装置110において、映像を表示する位置を設定する処理の一例を示すフローチャートである。尚、ステップS801からステップS804までの処理は、ステップS301からステップS304までの処理と同様である。また、ステップS808からステップS809までの処理は、ステップS306からステップS307までの処理と同様である。以上を踏まえ、以下、相違点のみについて説明する。
【0039】
ステップS805において、表示位置設定部104は、ユーザの操作に基づき映像入力部103において映像に付加された優先度を取得する。前述のように映像領域703には、映像領域703とデータ放送のメニュー705とデータ放送706の3つの表示内容がある。ステップS805では、表示位置設定部104は、入力された映像からこれら3つの優先度を取得する。データ放送706とデータ放送のメニュー、映像領域703の優先度はそれぞれ1、2、3であり、表示位置設定部104はデータ放送706とデータ放送のメニュー、映像領域703の順で優先度が高いと判断する。
【0040】
ステップS806において、表示位置設定部104は、優先度の高い表示内容の表示位置を決定する。最も高い優先度の映像はデータ放送706であるので、データ放送706の表示位置を決定する。表示位置設定部104の表示位置の決定方法は、照度値が閾値以下の領域であり、かつ座標値の低い領域を表示領域として割り当てるものとする。データ放送706は、外光照射領域外かつ最も座標値の低い(0,0)に割り当てられる。
【0041】
ステップS807において、表示位置設定部104は、すべての表示位置を決定したか判断を行う。データ放送のメニュー705と映像領域703の表示領域の割り当てが完了していないのでステップS806に遷移する。ステップS806において、表示位置設定部104は、次に優先度の高いデータ放送メニュー705の表示位置を決定する。データ放送706は、外光照射領域外で最も座標値の低いデータ放送706に隣接した領域が割り当てられる。
【0042】
ステップS806とステップS807を繰り返し、すべての表示内容の位置を決定した後ステップS808に遷移し、映像出力部105は、映像信号を表示する。このようにすると、表示領域701には図9の(B)のように表示される。以上のような処理を行うことで、ユーザがデータ放送表示を要求した際にユーザにデータ放送内容が見やすいように外光照射領域外にレイアウトされる。このように、表示内容のレイアウトを変更することで重要度の高い表示内容を外光照射領域外に表示することができ視認性を向上できる。
【0043】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段に表示する映像の位置を設定する情報処理装置であって、
前記表示手段を構成する複数の部分領域それぞれにおける照度を測定する測定手段と、
前記照度が基準値以上となる部分領域を除く領域に、前記映像を表示する位置を設定する設定手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記設定手段は、更に、前記映像のサイズを、前記映像の全体が前記表示手段に表示される映像のサイズに設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示手段に表示する映像の位置を設定する情報処理装置の制御方法であって、
前記表示手段を構成する複数の部分領域それぞれにおける照度を測定する測定工程と、
前記照度が基準値以上となる部分領域を除く領域に、前記映像を表示する位置を設定する設定工程と
を有する制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−141864(P2011−141864A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227549(P2010−227549)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】