説明

情報処理装置および周辺機器およびデータ処理方法および記憶媒体

【課題】 上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に重複するデータの保持構造を簡素化あるいはデータ転送量を削減することである。
【解決手段】 上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に、出力ジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかをCPU41が判断し、同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、スキャナ、複写機、ファクシミリ装置あるいはこれらの装置の機能を複合的に処理可能な装置等を周辺機器とネットワークを介して通信可能な情報処理装置および周辺機器およびデータ処理方法および記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ等の周辺機器や、プリンタ、スキャナ、複写機、FAXなどの単体の周辺機器や、これらの機能を複合的に処理可能な周辺機器がホストと接続されて、あるいはネットワークを介して複数のホストと接続されて各機能に対するジョブを処理できるように画像処理システムが構築されている。
【0003】上記画像処理システムにおいて、外部から投入されたジョブデータの構造が上位のデータが下位のデータを複数含有する階層構造であっても、そのことを利用するための情報が管理されていないために、すべてのデータを解析しなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、階層構造の複数のデータを有するジョブデータでは、それらすべて、もしくは、一部のデータにおいて同じ属性を持ち、かつ、同じ値が設定されている可能性があり、重複する属性データのために、周辺機器側のバッファ領域を占有してしまい、有限なメモリ資源を効率よく利用できず、データの解析処理が遅延してしまう等の問題点が指摘されていた。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の第1の目的は、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置において、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に、出力ジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断し、同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させることにより、あるいは、ジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断し、同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させることにより、あるいは、複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断し、値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させることにより、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に重複するデータの保持構造を簡素化あるいはデータ転送量を削減でき、周辺機器側におけるジョブ解析処理時間を大幅に短縮して速やかにジョブの正常な処理結果を得ることができる情報処理装置および周辺機器およびデータ処理方法および記憶媒体を提供することである。
【0006】また、第2の目的は、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器において、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する際に、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、下位のデータの解析実行をスキップさせ、該スキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補うことにより、あるいは、 解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、下位のデータの解析実行をスキップし、該スキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補うことにより、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に重複するデータが簡素化され、あるいは削除されているジョブデータを受け取るため、該受信したジョブデータの解析に要する重複した属性解析処理を省略でき、ジョブデータの解析処理を高速化して短時間にジョブの正常な処理結果を得ることができるジョブ処理システムを自在に構築することができる情報処理装置および周辺機器およびデータ処理方法および記憶媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の発明は、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成手段と、前記作成手段により作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断する第1の判断手段(図4に示すCPU41がROM46,DISK47等に記憶される制御プログラムを実行して判断処理する構成に相当)と、前記第1の判断手段により同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持手段(図4に示すRAM42,DISK47にCPU41が保持させる相当)と有するものである。
【0008】本発明に係る第2の発明は、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成手段(図4に示すCPU41がROM46,DISK47等に記憶される制御プログラムを実行して作成処理する構成に相当)と、前記作成手段により作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断する第2の判断手段(図4に示すCPU41がROM46,DISK47等に記憶される制御プログラムを実行して判断処理する構成に相当)と、前記第2の判断手段により同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持手段(図4に示すRAM42,DISK47にCPU41が保持させる相当)とを有するものである。
【0009】本発明に係る第3の発明は、複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断する第3の判断手段と、前記第3の判断手段により値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させる保持手段とを有するものである。
【0010】本発明に係る第4の発明は、前記保持手段は、値が同一である属性のリストに該値の情報も合わせて保持させるものである。
【0011】本発明に係る第5の発明は、前記保持手段は、値が同一である属性の情報を上位の層のデータに保持させる場合には、該値が同一である属性の情報を省略可能とするものである。
【0012】本発明に係る第6の発明は、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析手段(図2に示すCPU21がROM25,DISK30等に記憶された制御プログラムを実行して解析処理する構成に相当)と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップする制御手段(図2に示すCPU21がROM25,DISK30等に記憶された制御プログラムを実行して処理する構成に相当)と、前記制御手段によるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得手段(図2に示すCPU21がROM25,DISK30等に記憶された制御プログラムを実行して処理する構成に相当)とを有するものである。
【0013】本発明に係る第7の発明は、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析手段(図2に示すCPU21がROM25,DISK30等に記憶された制御プログラムを実行して解析処理する構成に相当)と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップする制御手段と、前記制御手段によるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得手段(図2に示すCPU21がROM25,DISK30等に記憶された制御プログラムを実行して処理する構成に相当)とを有するものである。
【0014】本発明に係る第8の発明は、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報は、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを示す情報を前記解析手段が解析するものである。
【0015】本発明に係る第9の発明は、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストは、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを前記解析手段が解析するものである。
【0016】本発明に係る第10の発明は、前記制御手段は、他のデータの同じ属性が同じ値を保持し、かつ、上位のデータもしくは他のデータを既に解析していることから値が判明しているかどうかを判定して前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップするものである。
【0017】本発明に係る第11の発明は、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置におけるデータ処理方法であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップ(図12に示すステップ(101))と、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断する第1の判断ステップ(図12に示すステップ(104))と、前記第1の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップ(図12に示すステップ(105))と有するものである。
【0018】本発明に係る第12の発明は、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置におけるデータ処理方法であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップ(図12に示すステップ(101))と、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断する第2の判断ステップ(図12に示すステップ(104))と、前記第2の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップ(図12に示すステップ(105))とを有するものである。
【0019】本発明に係る第13の発明は、複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断する第3の判断ステップと、前記第3の判断ステップにより値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させる保持ステップとを有するものである。
【0020】本発明に係る第14の発明は、前記保持ステップは、値が同一である属性のリストに該値の情報も合わせて保持させるものである。
【0021】本発明に係る第15の発明は、前記保持ステップは、値が同一である属性の情報を上位の層のデータに保持させる場合には、該値が同一である属性の情報を省略可能とするものである。
【0022】本発明に係る第16の発明は、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器におけるデータ処理方法であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップ(図13に示すステップ(113))と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップ(図13に示すステップ(114))と、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップ(図13に示すステップ(114))とを有するものである。
【0023】本発明に係る第17の発明は、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器におけるデータ処理方法であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップ(図13に示すステップ(113))と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップ(図13に示すステップ(114))と、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップ(図13に示すステップ(114))とを有するものである。
【0024】本発明に係る第18の発明は、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報は、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを示す情報を前記解析ステップが解析するものである。
【0025】本発明に係る第19の発明は、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストは、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを前記解析ステップが解析するものである。
【0026】本発明に係る第20の発明は、前記制御ステップは、他のデータの同じ属性が同じ値を保持し、かつ、上位のデータもしくは他のデータを既に解析していることから値が判明しているかどうかを判定して前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップするものである。
【0027】本発明に係る第21の発明は、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置に、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップ(図12に示すステップ(101))と、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断する第1の判断ステップ(図1212に示すステップ(104))と、前記第1の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップ(図12に示すステップ(105))とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【0028】本発明に係る第22の発明は、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置に、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップ(図12に示すステップ(101))と、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断する第2の判断ステップ(図12に示すステップ(104))と、前記第2の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップ(図12に示すステップ(105))とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【0029】本発明に係る第23の発明は、複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断する第3の判断ステップと、前記第3の判断ステップにより値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させる保持ステップとを有するものである。
【0030】本発明に係る第24の発明は、前記保持ステップは、値が同一である属性のリストに該値の情報も合わせて保持させるものである。
【0031】本発明に係る第25の発明は、前記保持ステップは、値が同一である属性の情報を上位の層のデータに保持させる場合には、該値が同一である属性の情報を省略可能とするものである。
【0032】本発明に係る第26の発明は、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器に、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップ(図13に示すステップ(113))と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップ(図13に示すステップ(114))と、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップ(図13に示すステップ(113))と実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録したものである。
【0033】本発明に係る第27の発明は、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器に、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップ(図13に示すステップ(113))と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップ(図13に示すステップ(114))と、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップ(図13に示すステップ(114))とを実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録したものである。
【0034】本発明に係る第28の発明は、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報は、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを示す情報を前記解析ステップが解析するものである。
【0035】本発明に係る第29の発明は、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストは、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを前記解析ステップが解析するものである。
【0036】本発明に係る第30の発明は、前記制御ステップは、他のデータの同じ属性が同じ値を保持し、かつ、上位のデータもしくは他のデータを既に解析していることから値が判明しているかどうかを判定して前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップするものである。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態を示す周辺機器の一例を示すブロック図であり、画像入力機能とプリント機能とファクシミリ送受信機能をジョブ単位に処理する複合画像処理機能を有する周辺機器に対応する。
【0038】図1において、1は周辺機器を制御するためのコントローラであり、詳細は後述するが図2に示すようなハードウェア資源を備えているものとする。2は前記コントローラ1が周辺機器の外部と通信するための通信インターフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)インターフェースやIEEE1284インターフェース、もしくはその他の通信インターフェースで構成されるものとする。
【0039】3はスキャナエンジンであり、コントローラ1によって制御されている。4はプリンタエンジンであり、コントローラ1によって制御されており、例えばレーザビームプリンタやインクジェットプリンタ、もしくはその他のプリンタであってもよい。
【0040】5は画像の送受信時の通信制御などファクシミリ機能を実現するためのファクシミリボードであり、コントローラ1によって制御されている。6はユーザインターフェースであり、LCDディスプレイとキーボードから構成されており、コントローラ1からの情報表示を行なうとともにユーザからの指示をコントローラ1に伝える。
【0041】以上のような構成を有する周辺機器は、コントローラ1によりプリンタエンジン4を選択させて、プリントジョブの発行を可能にする。また、プリンタエンジン4とスキャナエンジン3を選択させて、コピージョブの発行を可能にする。また、プリンタエンジン4とスキャナエンジン3、ファクシミリボード5を選択させてファクシミリ受信ジョブ及び、ファクシミリ送信ジョブの発行を可能にする。
【0042】図2は、図1に示したコントローラ1に対するハードウェア資源の詳細構成を説明するブロック図である。
【0043】図2に示すようにコントローラ1は、CPU21と、RAM22と、LCD23と、キーボード24と、ROM25と、通信インターフェース26と、スキャナエンジン27と、プリンタエンジン28と、ファクシミリボード29と、DISK30とを備え、それぞれがシステムバス20を介して相互に接続されている。なお、図1に示したコントローラ1を制御するプログラムは、ROM25もしくはDISK30に記憶されており、必要に応じてRAM22に読み出され、CPU21によって実行される。
【0044】また、ROM25、DISK30には制御プログラム以外にも周辺機器や当該周辺機器で処理されるジョブの、機能及び状態を示す属性情報や出力の対象となるジョブデータなどを記憶している。
【0045】さらに、CPU21がLCD23を通して表示を行ない、キーボード24からユーザの指示を受ける。また、CPU21が通信インターフェース26を通じて外部と通信を行なう。
【0046】本実施形態では、特に断らない限り、図1の周辺機器では、CPU21がシステムバス20を介してキーボード24からユーザの入力を受け取り、かつ、RAM22と、LCD23と、ROM25と、通信インタフェース26と、スキャナエンジン27と、プリンタエンジン28と、ファクシミリボード29と、DISK30とを制御し実施する。
【0047】図3は、図1で示した周辺機器を適用可能なネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【0048】図3において、MFP31は図1で示した周辺機器を示し、パソコン32、パソコン33、パソコン34は、それぞれ図4で示すようなハードウェア資源を有し、ネットワーク35経由でMFP31と接続されたパソコン(パーソナルコンピュータ)を示す。ネットワーク35経由でMFP31と接続されるのは、ワークステーションであってもよいし、他の周辺機器やその他の機器であってもよい。ドライバソフトウェアは、パソコン(1)またはパソコン(2)またはパソコン(3)からネットワーク35経由で、MFP31に対してプリントやスキャン、コピー、もしくはファクシミリ送受信といったジョブ処理を依頼したり、MFP31の属性情報の問い合わせを行なうことができる。
【0049】図4は、本発明の一実施形態を示す情報処理装置の構成を説明するブロック図であり、図2に示したネットワークシステムを構成するパソコン32〜34のハードウェア資源の構成例に対応する。
【0050】図4に示すように、本実施形態におけるパソコン32〜34は、CPU41と、RAM42と、CRT43と、キーボード44と、ポインティングデバイス45と、ROM46と、DISK47と、通信インターフェース48とを備え、それぞれがシステムバス49を介して相互に接続されている。
【0051】なお、パソコン32〜34を制御するプログラムは、ROM46もしくはDISK47に記憶されており、必要に応じてRAM42にロードされて、CPU41によって実行される。また、CPU41がCRT43を通して表示を行ない、キーボード44及びポインティングデバイス45からユーザの指示を受ける。また、CPU41が通信インターフェース48を通じて外部と通信を行なう。
【0052】本実施形態では、特に断らない限り、図4のパソコンでは、CPU21がシステムバス49を介してキーボード44やポインティングデバイス45からユーザの入力を受け取り、かつ、RAM42と、CRT43と、ROM46と、DISK47と、通信インターフェース48とを制御して処理を行う。
【0053】また、図1に示した周辺機器に対するユーザの指示や、ユーザへの情報表示は、図1に示すローカルなユーザインタフェース6を通して行なってもよいし、図3におけるパソコン32またはパソコン33またはパソコン34のようなネットワーク35で接続されたクライアントとなる機器を通して行なってもよい。
【0054】図5,図6は、図3に示したパソコン32〜34でクライアントで生成される周辺機器で処理される階層構造のジョブデータの構造の一例を示す図である。
【0055】図5,図6において、本実施形態では、階層構造は、例えば3階層であり、最上位の層のデータから順に、ジョブデータ、バインダデータ、ドキュメントデータと呼ぶ。
【0056】また、ジョブデータは、ジョブデータ1A、バインダデータ1B、バインダデータ1C、ドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1G、ドキュメントデータ1H、ドキュメントデータ1Iから構成されている。
【0057】ジョブデータ1Aはバインダデータ1B、バインダデータ1Cの上位のデータであり、これらのデータを保持している。バインダデータ1Bはドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1Gの上位のデータであり、これらのデータを保持している。
【0058】また、バインダデータ1Cはドキュメントデータ1H、ドキュメントデータ1Iの上位のデータであり、これらのデータを保持している。実際には階層数は3階層でなくとも良いし、データの名称はこれに限ることはない。
【0059】また、本実施形態では、各データは、属性の意味を示す属性ID、属性値の大きさを示す属性値サイズ、属性値の3つの情報を一組とした複数の属性情報から構成されている。
【0060】例えばジョブデータ1Aは、属性ID1A01、属性値サイズ1A02、属性値1A03を組とした属性情報、属性ID1A04、属性値サイズ1A05、属性値1A06を組とした属性情報、属性ID1A07、属性値サイズ1A08、属性値1A09を組とした属性情報などから構成される。バインダデータ1B、バインダデータ1C、ドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1G、ドキュメントデータ1H、ドキュメントデータ1Iなども同様に構成されている。各データは本実施形態のように構成されていても良いし、そうでなくても良い。
【0061】なお、属性の表す情報の一例として、データの名称、データのサイズ、プリント数、メディアの指定、余白の指定などがある。属性には、各階層に共通に保持されている属性もあるが、その階層に固有の属性もある。
【0062】また、実施形態では、上位のデータは保持する下位のデータとの関係を表すために、保持する下位のデータの識別子のリストを属性値とした属性情報を持つ。例えば、ジョブデータ1Aは保持するバインダデータ1B、バインダデータ1Cの識別子のリストを属性値とした属性情報を持つ。同様にバインダデータ1Bは下位のドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1Gの識別子のリストを属性値とした属性情報を持ち、バインダデータ1Cは下位のドキュメントデータ1H、ドキュメントデータ1Iの識別子を属性値とした属性情報を持つ。
【0063】実際には、上位のデータと下位のデータの関係は本例のように表現されていても良いし、異なる表現でも良い。
【0064】図7は、図5,図6に示したジョブデータの一部を説明する図であり、一つのデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるものの一例を示す。
【0065】図7において、属性ID1A01は、この属性情報がこのデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性の属性値がどのデータでも同じであるもののIDを列挙していることを示している。なお、1A02は属性値サイズである。
【0066】属性値1A03はジョブデータ1Aに保持される一つ下位のデータであるバインダデータ1Bとバインダデータ1Cにおいて同じ値である属性のIDを列挙している。バインダデータ1Bとバインダデータ1Cでは、属性値1A03に示された属性ID(=α)、ID(=β)に対応する属性情報の属性値1B03と1C03、及び、属性値1B06と1C06がそれぞれ同じ値となっている。
【0067】図8,図9は、図5,図6に示したジョブデータの一部を説明する図であり、一つのデータに保持される下位の異なる層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるものの一例を示す。
【0068】図8,図9において、属性ID1A01は、この属性情報がこのデータに保持される下位の異なるの複数のデータの属性の属性値がどのデータでも同じであるもののIDを列挙していることを示している。
【0069】属性値1A06はジョブデータ1Aに保持される下位の異なる層のデータであるバインダデータ1B、バインダデータ1C、ドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1G、ドキュメントデータ1H、ドキュメントデータ1Iにおいて同じ値である属性のIDを列挙している。
【0070】バインダデータ1B、バインダデータ1C、ドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1G、ドキュメントデータ1H、ドキュメントデータ1Iでは、属性値1A06に示された属性IDα、IDβに対応する属性情報の属性値1B03、1C03、1D03、1E03、1F03、1G03、1H03、1I03、及び、1B06、1C06、1D06、1E06、1F06、1G06、1H06、1I06がそれぞれ同じ値となっている。
【0071】図10は、図5,図6に示したジョブデータの一部を示す図であり、一つのデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性の一部が同じ値であり、同じ値であるデータを識別する情報を上位のデータが持つものの一例を示す。
【0072】図10において、属性ID1B07は、この属性情報がこのデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性の属性値が同じであるデータの識別子とその属性のIDの組を列挙していることを示している。
【0073】属性値1B09はバインダデータ1Bに保持される一つ下位のデータおいて同じ値である属性のIDとそれらのデータの識別子の組を列挙している。1B09で属性IDα、βと組で識別子が列挙されているドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1Gでは、対応する属性情報の属性値1D03、1E03、1F03、1G03、及び、属性値1D06、1E06、1F06、1G06がそれぞれ同じ値となっている。
【0074】また、属性IDγと組で識別子が列挙されているドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1F、ドキュメントデータ1Gでは対応する属性情報の属性値1D09、1F09、1G09が、属性IDδと組で識別子が列挙されているドキュメントデータ1D、ドキュメントデータ1E、ドキュメントデータ1Gでは対応する属性情報の属性値1D12、1E12、1G12が同じ値となっている。
【0075】図11は、図5,図6に示したジョブデータの一部を示す図であり、一つのデータに保持される下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であり、上位のデータのその値の情報を持つものの一例を示す。
【0076】図11において、属性ID1C07は、この属性情報がこのデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性の属性値がどのデータでも同じであるもののIDと属性値の値の組を列挙していることを示している。属性値1C09はバインダデータ1Cに保持される一つ下位のデータであるドキュメントデータ1Hとドキュメントデータ1Iにおいて同じ値である属性のIDとその値を列挙している。
【0077】ドキュメントデータ1Hとドキュメントデータ1Iでは、属性値1A09に示された属性IDαに対応する属性情報の属性値1H03と1I03が属性値1A09に示された属性値α1、及び、βに対応する属性情報の属性値1H06と1I06が属性値β1となっている。このとき、属性情報1C07〜1C09で値が示された属性情報1H01〜1H03、1H04〜1H06、1I01〜1I03、1I04〜1I06は省略されているとしても良い。
【0078】図12は、本発明に係る情報処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したパソコン32〜34(クライアント)におけるジョブデータ生成処理手順に対応する。なお、(101)〜(108)は各ステップを示す。
【0079】先ず、ジョブデータの生成を開始したら、ジョブデータの階層構造において最下位に位置するデータをすべて生成する(101)。
【0080】このとき、属性値が複数のデータにおいて同じ値の属性があり上位の属性にその値の情報を含める場合は、同じ値の属性情報を生成するデータから省略しても良い。
【0081】次に、一つ上位のデータを生成する準備を行う(102)。そして、生成しようとするデータの下位のデータの属性を調査し(103)、属性値が同じ値の属性があり上位の属性にその値の情報を含めるかどうか判断し(104)、同じ値の属性があり上位の属性にその値の情報を含める場合は、生成するデータに下位のデータにおいて同じ値である属性の情報(1A01〜1A03、1A04〜1A06、1B07〜1B09、1C07〜1C09など)を付加する(105)。
【0082】次に、対象としているデータを生成し(106)、生成したデータと同位のデータはすべて生成済みでなければ(107)、ステップ(103)の処理に戻り、同位の他のデータを生成する。
【0083】一方、ステップ(107)で、同位のデータをすべて生成済みであると判定された場合は、生成したデータが最上位のデータであったか判断し(108)、最上位のデータでないと判断した場合は、ステップ(102)へ戻り、更に上位のデータを生成する準備を行う。
【0084】一方、ステップ(108)で、最上位のデータであると判定した場合には、処理を終了する。
【0085】図13は、本発明に係る周辺機器における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図1に示した周辺機器におけるジョブデータ解析処理手順に対応する。なお、(111)〜(117)は各ステップを示す。
【0086】先ず、ジョブデータの解析を開始したら、ジョブデータの階層構造において最上位に位置するデータを解析する(111)。次に、一つ下位のデータを解析する準備を行う(112)。
【0087】そして、上位のデータにこのデータの属性の属性値が他のデータと同じ値であるという情報(1A01〜1A03、1A04〜1A06、1B07〜1B09、1C07〜1C09など)があり、他のデータの解析結果からその値が既に取得できているかどうかを判断し(113)、他のデータの解析結果からその値が既に取得できていると判断した場合は、その属性に関しては解析を行わずにデータの一つを解析する(114)。
【0088】一方、ステップ(113)で、他のデータの解析結果からその値が既に取得できていないと判定した場合は、データを一つ解析して(117)、ステップ(115)へ進む。
【0089】そして、解析したデータと同位の属性をすべて解析し終わっているかどうかを判定して(115)、解析したデータと同位の属性をすべて解析し終わっていないと判定した場合は、ステップ(113)へ戻る。
【0090】一方、ステップ(115)で、解析したデータと同位の属性をすべて解析し終わっていると判定した場合には、今解析したデータが階層構造において最下位のデータかどうかを判断して(116)、最下位のデータでなければステップ(112)へ戻り、更に下位のデータを解析する準備を行う。
【0091】一方、ステップ(116)で、最下位のデータであると判定した場合には、処理を終了する。
【0092】以下、図14に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置および周辺機器を適用可能な画像処理システムで読み出し可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0093】図14は、本発明に係る印刷制御装置を適用可能な印刷システムで読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0094】なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0095】さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0096】本実施形態における図12および図13に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0097】以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0098】この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0099】プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM等を用いることができる。
【0100】また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0101】さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る第1〜第30の発明によれば、生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置において、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に、出力ジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断し、同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させるので、あるいは、ジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断し、同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させるので、あるいは、複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断し、値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させることにより、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に重複するデータの保持構造を簡素化あるいはデータ転送量を削減でき、周辺機器側におけるジョブ解析処理時間を大幅に短縮して速やかに、かつ、ジョブの正常な処理結果を得ることができる。
【0103】また、ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器において、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する際に、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、下位のデータの解析実行をスキップさせ、該スキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補うので、あるいは、 解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、下位のデータの解析実行をスキップし、該スキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補うので、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する際に重複するデータが簡素化され、あるいは削除されているジョブデータを受け取るため、該受信したジョブデータの解析に要する重複した属性解析処理を省略でき、ジョブデータの解析処理を高速化して短時間にジョブの正常な処理結果を得ることができるジョブ処理システムを自在に構築することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す周辺機器の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したコントローラに対するハードウェア資源の詳細構成を説明するブロック図である。
【図3】図1で示した周辺機器を適用可能なネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す情報処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】図3に示したパソコンでクライアントで生成される周辺機器で処理される階層構造のジョブデータの構造の一例を示す図である。
【図6】図3に示したパソコンでクライアントで生成される周辺機器で処理される階層構造のジョブデータの構造の一例を示す図である。
【図7】図5,図6に示したジョブデータの一部を説明する図である。
【図8】図5,図6に示したジョブデータの一部を説明する図である。
【図9】図5,図6に示したジョブデータの一部を説明する図である。
【図10】図5,図6に示したジョブデータの一部を示す図である。
【図11】図5,図6に示したジョブデータの一部を示す図である。
【図12】本発明に係る情報処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る周辺機器における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る印刷制御装置を適用可能な印刷システムで読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
1 コントローラ
2 通信インタフェース
3 スキャナエンジン
4 プリンタエンジン
5 FAXボード
6 ユーザインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】 生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成手段と、前記作成手段により作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断する第1の判断手段と、前記第1の判断手段により同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持手段と、有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】 生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成手段と、前記作成手段により作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断する第2の判断手段と、前記第2の判断手段により同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】 複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断する第3の判断手段と、前記第3の判断手段により値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させる保持手段と、を有することを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】 前記保持手段は、値が同一である属性のリストに該値の情報も合わせて保持させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】 前記保持手段は、値が同一である属性の情報を上位の層のデータに保持させる場合には、該値が同一である属性の情報を省略可能とすることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】 ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析手段と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップする制御手段と、前記制御手段によるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得手段と、を有することを特徴とする周辺機器。
【請求項7】 ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析手段と、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップする制御手段と、前記制御手段によるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得手段と、を有することを特徴とする周辺機器。
【請求項8】 どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報は、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを示す情報を前記解析手段が解析することを特徴とする請求項6または7記載の周辺機器。
【請求項9】 どのデータでも同じ値を持っている属性のリストは、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを前記解析手段が解析することを特徴とする請求項6または7記載の周辺機器。
【請求項10】 前記制御手段は、他のデータの同じ属性が同じ値を保持し、かつ、上位のデータもしくは他のデータを既に解析していることから値が判明しているかどうかを判定して前記解析手段による下位のデータの解析実行をスキップすることを特徴とする請求項6または7記載の周辺機器。
【請求項11】 生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置におけるデータ処理方法であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップと、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断する第1の判断ステップと、前記第1の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップと、有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項12】 生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置におけるデータ処理方法であって、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップと、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断する第2の判断ステップと、前記第2の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップと、を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項13】 複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断する第3の判断ステップと、前記第3の判断ステップにより値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させる保持ステップと、を有することを特徴とする請求項11または12記載のデータ処理方法。
【請求項14】 前記保持ステップは、値が同一である属性のリストに該値の情報も合わせて保持させることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載のデータ処理方法。
【請求項15】 前記保持ステップは、値が同一である属性の情報を上位の層のデータに保持させる場合には、該値が同一である属性の情報を省略可能とすることを特徴とする11〜13のいずれかに記載のデータ処理方法。
【請求項16】 ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器におけるデータ処理方法であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップと、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップと、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップと、を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項17】 ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器におけるデータ処理方法であって、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップと、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップと、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップと、を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項18】 どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報は、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを示す情報を前記解析ステップが解析することを特徴とする請求項16または17記載のデータ処理方法。
【請求項19】 どのデータでも同じ値を持っている属性のリストは、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを前記解析ステップが解析することを特徴とする請求項16または17記載のデータ処理方法。
【請求項20】 前記制御ステップは、他のデータの同じ属性が同じ値を保持し、かつ、上位のデータもしくは他のデータを既に解析していることから値が判明しているかどうかを判定して前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップすることを特徴とする請求項16または17記載のデータ処理方法。
【請求項21】 生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置に、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップと、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータの属性がどのデータでも同じ値であるかどうかを判断する第1の判断ステップと、前記第1の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップとを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項22】 生成されるジョブをネットワークを介して通信可能な周辺機器に投入処理可能な情報処理装置に、上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを作成する作成ステップと、前記作成ステップにより作成されるジョブデータにおいて上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータが同じ値であるかどうかを判断する第2の判断ステップと、前記第2の判断ステップにより同じ値であると判断された場合に、値が同一である属性を表す情報のリストを上位の層のデータに保持させる保持ステップとを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項23】 複数のデータの属性が一部のデータにおいて同一の値であることを判断する第3の判断ステップと、前記第3の判断ステップにより値が同一である属性を持ったデータを判別する情報とその属性の組み合わせのリストをそれらのデータを保持する上位の層のデータに保持させる保持ステップと、を有することを特徴とする請求項21または22記載の記憶媒体。
【請求項24】 前記保持ステップは、値が同一である属性のリストに該値の情報も合わせて保持させることを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載の記憶媒体。
【請求項25】 前記保持ステップは、値が同一である属性の情報を上位の層のデータに保持させる場合には、該値が同一である属性の情報を省略可能とすることを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載の記憶媒体。
【請求項26】 ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器に、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップと、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される一つ下位の同じ層の複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップと、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップとを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項27】 ネットワークを介して情報処理装置で生成されるジョブを通信により取得して処理可能な周辺機器に、該取得されるジョブ中の上位の層のデータに下位の層のデータを複数保持できるような階層構造のジョブデータを解析する解析ステップと、解析対象であるジョブデータ内の上位の層のデータに保持される下位の異なる層にまたがる複数のデータにおいて、どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報を解析し、該解析結果に基づき、前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップする制御ステップと、前記制御ステップによるスキップにより解析されなかった下位のデータの属性の値を上位のデータもしくは他のデータの解析結果から取得して補う取得ステップとを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項28】 どのデータでも同じ値を持っている属性のリストを表す情報は、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを示す情報を前記解析ステップが解析することを特徴とする請求項26または27記載の記憶媒体。
【請求項29】 どのデータでも同じ値を持っている属性のリストは、上位の層のデータに保持され、該保持されるリストを前記解析ステップが解析することを特徴とする請求項26または27記載の記憶媒体。
【請求項30】 前記制御ステップは、他のデータの同じ属性が同じ値を保持し、かつ、上位のデータもしくは他のデータを既に解析していることから値が判明しているかどうかを判定して前記解析ステップによる下位のデータの解析実行をスキップすることを特徴とする請求項26または27記載の記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図5】
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【図6】
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【図14】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2002−41373(P2002−41373A)
【公開日】平成14年2月8日(2002.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−224476(P2000−224476)
【出願日】平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】