説明

情報処理装置および情報処理システム

【課題】手描き入力された情報を、ユーザに煩雑な処理を課すことなく3次元情報として表示する。
【解決手段】情報通信システムにおいて、(A)に示すように、一方の携帯端末のタッチパネル102にひらがなの「あ」「い」「う」という文字が入力されると、他方の携帯端末のタッチパネルでは、(B)に示すように、手描きデータが、3次元表示される。当該3次元表示では、手描きされた線の幅に応じて、飛び出し量が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、手描き入力された情報を3次元表示するための情報処理装置および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、手描き入力された情報の表示に関する技術が種々開示されている。たとえば、特許文献1(特開2010−15212号公報)には、3次元画像情報を記録する手段により記録された画像情報を表示する装置において、表示される画像情報と当該画像情報上に書き込まれた手描き入力情報の相対位置を、上記記録手段が変位、移動、旋回、上下動しても変わらないように制御する技術が開示されている。
【0003】
なお、3次元画像情報の表示に関する技術も、種々開示されている。たとえば、特許文献2(特開2007−200227号公報)には、文字データ列、絵文字データ列を含む複数の種別のオブジェクトを表示する表示装置において、オブジェクトの種別ごとに、立体的に表示するか平面的に表示するかを制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−15212号公報
【特許文献2】特開2007−200227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、従来の情報処理装置では、ユーザが手描き入力した情報を表示することもでき、また、3次元画像情報を表示することもできた。
【0006】
しかしながら、従来の技術によれば、ユーザによって手描き入力された情報自体の3次元表示を制御することはできなかった。たとえば、単に特許文献1に記載の技術と特許文献2に記載の技術を組合わせたとしても、手描き入力された情報は、オブジェクト情報を有していなければ、3次元表示するか否か等の3次元画像情報として表示制御ができなかった。手描き入力された情報に、さらにそのような情報を付すためには、ユーザに煩雑な処理を課すこととなる。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、手描き入力された情報を、ユーザに煩雑な処理を課すことなく3次元情報として表示制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った情報処理装置は、情報端末と通信可能な情報処理装置であって、手描き入力を受付けるための入力手段と、入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて、手描きデータを生成するための生成手段と、手描きデータから取得される特性情報と手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を記憶するための記憶手段と、生成手段によって生成された手描きデータおよび関連情報を、情報端末に送信するための送信手段とを備える。
【0009】
また、本発明の情報処理装置では、特性情報は、手描きデータにおいて、手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含むことが好ましい。
【0010】
また、本発明の情報処理装置では、付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含むことが好ましい。
【0011】
本発明に従った情報処理システムは、情報端末と、当該情報端末と通信可能な情報処理装置とを備えた情報処理システムであって、情報処理装置は、手描き入力を受付けるための入力手段と、入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて、手描きデータを生成するための生成手段と、手描きデータから取得される特性情報と手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を記憶するための記憶手段と、生成手段によって生成された手描きデータおよび関連情報を、情報端末に送信するための送信手段とを含み、情報端末は、送信手段によって送信された手描きデータおよび関連情報を受信するための受信手段と、受信手段によって受信された手描きデータを表示装置に表示させるための表示制御手段とを含み、表示制御手段は、受信手段によって受信された手描きデータから特性情報を取得し、取得した特性情報と関連情報に基づいて、受信手段によって受信された手描きデータの表示の飛び出し量を取得し、受信手段によって受信された手描きデータを、取得した飛び出し量で表示させる。
【0012】
また、本発明の情報処理システムでは、特性情報は、手描きデータにおいて、手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含むことが好ましい。
【0013】
また、本発明の情報処理システムでは、付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、情報処理装置から情報端末に、手描き入力に基づいて生成されたデータと当該手描きデータを表示させる際の関連情報とが送信される。これにより、これらを受信した情報端末は、飛び出し量を制御するためのテーブル等のデータを予め記憶していなくとも、手描きデータから取得される情報に基づいて、手描きデータの飛び出し量を制御して表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態である情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の情報処理システムにおいて送受信される、手描き入力の情報を模式的に示す図である。
【図3】図1の情報処理システムにおいて表示される手描きデータを模式的に示す図である。
【図4】図1の携帯端末の外観を示すイメージ図である。
【図5】図1の携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】図1の携帯端末のメモリのデータ構造を模式的に示す図である。
【図7】図1のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】図7のメモリあるいは固定ディスクに記憶されるデータについて説明するための図である。
【図9】図1の情報処理システムにおける複数の携帯端末の間での通信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図9の処理において携帯端末からサーバへ送信されるデータの構造の一例を示すイメージ図である。
【図11】深度取得用情報のデータ構造を模式的に示す図である。
【図12】図1の情報処理システムの携帯端末において実行される、ユーザからの情報の入力を受付ける処理のフローチャートである。
【図13】図12のテキスト入力処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図14】図12の手描き入力処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図15】図14のペン情報の設定処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図16】図14の手描き処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図17】図1の情報処理システムの携帯端末において実行される、データ表示処理のフローチャートである。
【図18】図1の情報処理システムの変形例(1)において、サーバから受信側の携帯端末に送信されるデータの一例を模式的に示す図である。
【図19】図1の情報処理システムの変形例(2)における、複数の携帯端末の通信時のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号が付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0017】
<情報処理システムの概略構成>
図1は、本発明の一実施の形態である情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
【0018】
図1を参照して、情報処理システム1は、携帯端末100A,100Bと、サーバ400とを含む。
【0019】
携帯端末100A,100Bは、キャリア網700およびネットワーク500を介して、または、ネットワーク500を介して、サーバ400と通信可能に構成されている。これにより、携帯端末100Aと携帯端末100Bは、サーバ400を介して互いに通信できる。
【0020】
ネットワーク500は、たとえばインターネット等の公衆通信網によって構成される。キャリア網700は、携帯端末100A,100Bの通話等のための通信網である。なお、本実施の形態の情報処理システム1では、携帯端末100Aと携帯端末100Bは、互いに通信できればよく、同じキャリア網700を介して通信しても良いし、異なるキャリア網を介して通信しても良いし、赤外線通信等により直接通信しても良い。携帯端末100Aと携帯端末100Bは、情報処理装置または情報端末の一例である。これらの他の機器との通信は、無線であっても良いし、有線であっても良い。なお、本実施の形態の携帯端末100A,100Bは、携帯型のパーソナルコンピュータ等のように通信機能を有していればよく、通話機能(電話機能)は必須とされない。
【0021】
携帯端末100A,100Bは、それぞれ、タッチパネル102、および、ボタン110A〜110Cを備える。情報処理システム1では、携帯端末100Aと携帯端末100Bの間で、タッチパネル102に対して手描き入力された情報を通信できる。具体的には、携帯端末100Aと携帯端末100Bのうち一方のタッチパネル102において、スタイラスペン120またはユーザの指等によって手描き入力された情報が、他方のタッチパネル102に表示される。
【0022】
<情報処理システムにおける通信の特徴>
情報処理システム1では、携帯端末100Aと携帯端末100Bの一方において手描き入力された情報を、他方において、3次元で表示できる。図2は、情報処理システム1において送受信される、手描き入力の情報を模式的に示す図である。
【0023】
図2(A)は、携帯端末100Aと携帯端末100Bの中の、手描き入力を受付ける側の、タッチパネル102の表示内容を模式的に示す。図2(A)のタッチパネル102は、手描きで入力されたひらがなの「あ」「い」「う」という文字を表示している。携帯端末100(以下、携帯端末100A,100Bを総称して、適宜「携帯端末100」という)は、手描き入力を受付けて、他の携帯端末100等の他の機器に、手描き入力に基づいて生成されたデータ(以下、「手描きデータ」)を送信する。
【0024】
図2(B)は、携帯端末100Aと携帯端末100Bの中の、上記した手描きデータを受信した側の、タッチパネル102の表示内容を模式的に示す。手描きデータを受信した側のタッチパネル102では、手描きデータが、3次元表示されている。なお、この3次元表示では、飛び出し量が制御されている。具体的には、手描きされた情報の中で、「あ」の部分と「い」の部分と「う」の部分が、異なる飛び出し量で表示されている。各部分の飛び出し量を、図3に示す。図3では、「あ」の飛び出し量(飛び出して見える高さ)はh1とされ、「い」の飛び出し量はh2とされ、「う」の飛び出し量はh3とされている。なお、これらの飛び出し量の関係は、h1>h2>h3である。
【0025】
飛び出し量は、後述するように、手描きデータから取得される情報(以下、「特性情報」)に基づいて制御される。特性情報は、たとえば、手描き入力された情報を表示する線の太さ(幅)もしくは線の色、または、手描き入力された際の筆圧もしくは筆記速度を含む。
【0026】
<携帯端末100のハードウェア構成>
本実施の形態に係る携帯端末100のハードウェア構成について説明する。図4は、本施の形態に係る携帯端末100の外観を示すイメージ図である。図5は、本施の形態に係る携帯端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
図4および図5に示すように、本実施の形態に係る携帯端末100は、外部のネットワークや機器との間でデータを送受信する通信デバイス101と、プログラムや各種データベースを記憶するメモリ103と、CPU(Central Processing Unit)106と、ディスプレイ107と、外部から音声が入力されるマイク108と、外部へと音声を出力するスピーカ109と、情報や命令の入力を受け付ける各種ボタン110と、外部からの通信データや通話信号を受信した旨の音声を出力する第1の通知部111と、外部からの通信データや通話信号を受信した旨を表示する第2の通知部112とを含む。
【0028】
本実施の形態に係るディスプレイ107は、液晶パネルやCRT(Cathode Ray Tube)から構成されるタッチパネル102を実現する。すなわち、本実施の形態に係る携帯端末100は、ディスプレイ107の上側(表側)にタブレット104が敷設されている。これによって、ユーザは、スタイラスペン120などを用いることによって、タブレット104を介して、図形情報などをCPU106に手描き入力することができる。
【0029】
なお、ユーザは、以下の方法によっても、手描き入力を行うことが可能である。すなわち、赤外線や音波を出力する特殊なペンを利用することによって、そのペンから発信される赤外線や音波を受信する受信部によってペンの動きを割り出す。この場合、当該受信部を軌跡を記憶する装置に接続することによって、CPU106が当該装置から出力される軌跡を手描き入力として受信することができる。
【0030】
あるいは、ユーザは、静電パネルに対して、指、または、静電対応のペンを用いて手描き画像を描くことも可能である。
【0031】
このようにして、ディスプレイ107(タッチパネル102)は、CPU106が出力したデータに基づいて、画像やテキストを表示する。たとえば、CPU106は、ディスプレイ107に、通信デバイス101を介して受信した動画コンテンツを表示させる。また、CPU106は、ディスプレイ107に、タブレット104を介して受け付けた手描き画像や、通信デバイス101を介して受け付けた手描き画像に基づく手描き画像を、動画コンテンツに重畳させて表示させることができる。
【0032】
各種ボタン110は、キー入力操作などによってユーザから情報を受け付ける。たとえば、各種ボタン110は、通話を受け付けたり、通話を発したりするためのTELボタン110Aと、メールを受け付けたり、メールを発したりするためのメールボタン110Bと、P2P通信を受け付けたり、P2P通信を発したりするためのP2Pボタン110Cと、アドレス帳データを呼び出すアドレス帳ボタン110Dと、各種の処理を終了させるための終了ボタン110Eとを含む。すなわち、各種ボタン110は、通信デバイス101を介してP2P参加要請メールを受信したときに、ユーザから、チャットルームへ参加する命令や、メールの内容を表示させる命令などを選択可能に受け付ける。
【0033】
また、各種ボタン110は、手描き入力を開始するための命令を受け付けるためのボタン、すなわち第1の入力を受け付けるためのボタンを含んでもよい。各種ボタン110は、手描き入力を終了するための命令を受け付けるためのボタン、すなわち第2の入力を受け付けるためのボタンを含んでもよい。
【0034】
第1の通知部111は、スピーカ109などを介して着信音を出力する。あるいは、第1の通知部111は、バイブレーション機能を有する。第1の通知部111は、着呼した際や、メールを受信した際や、P2P参加要請メールを受信した際に、音声を出力したり、携帯端末100を振動させたりする。
【0035】
第2の通知部112は、着信したときに点滅するTEL用LED(Light Emitting Diode)112Aと、メールを受信したときに点滅するメール用LED112Bと、P2P通信を受信したときに点滅するP2P用LED112Cを含む。
【0036】
CPU106は、携帯端末100の各部を制御する。たとえば、各種ボタン110を介してユーザから各種命令を受け付けて、通信デバイス101や通信デバイス101やネットワークを介して外部の通信端末とデータの送受信を行う。
【0037】
通信デバイス101は、CPU106からの通信データを通信信号に変換し、その通信信号を外部へと発信する。通信デバイス101は、外部から受信した通信信号を通信データに変換し、その通信データをCPU106に入力する。
【0038】
メモリ103は、作業用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)や、制御プログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)や、画像データなどを記憶するハードディスクなどによって実現される。また、メモリ103は、ワークメモリ103A、アドレス帳データ103B、自端末データ103C、IP(Internet Protocol)アドレスデータ103D、および、IPアドレスデータ103Eを含む。図6は、メモリ103のデータ構造を模式的に示す。
【0039】
図6(a)は、メモリ103を構成する各種のワークメモリ103Aのデータ構造を示すイメージ図である。図6(b)は、メモリ103が記憶するアドレス帳データ103Bを示すイメージ図である。図6(c)は、メモリ103が記憶する自端末データ103Cを示すイメージ図である。図6(d)は、メモリ103が記憶する自端末のIPアドレスデータ103Dと他端末のIPアドレスデータ103Eとを示すイメージ図である。
【0040】
図6(a)に示すように、メモリ103のワークメモリ103Aは、発信者の電話番号を格納するRCVTELNO領域、受信メールに関する情報を格納するRCVMAIL領域、送信メールに関する情報を格納するSENDMAIL領域、選択されたアドレスのメモリNoを格納するSEL領域、生成されたルーム名を格納するROOMNAME領域などを含む。なお、ワークメモリ103Aは、電話番号を格納しなくてもよい。受信メールに関する情報は、MAIN領域に格納されるメール本文と、RCVMAILのFROM領域に格納されるメール送信元のメールアドレスを含む。送信メールに関する情報は、MAIN領域に格納されるメール本文と、RCVMAILのTO領域に格納されるメール送信先のメールアドレスとを含む。
【0041】
図6(b)に示すように、アドレス帳データ103Bは、宛先(他の通信端末)毎にメモリNoを対応付けている。そして、アドレス帳データ103Bは、宛先毎に、名前、電話番号、メールアドレスなどを互いに対応付けて格納する。
【0042】
図6(c)に示すように、自端末データ103Cは、自端末のユーザの名前、自端末の電話番号、自端末のメールアドレスなどを格納する。
【0043】
図6(d)に示すように、自端末のIPアドレスデータ103Dは、自端末のIPアドレスを格納する。他端末のIPアドレスデータ103Eは、他端末のIPアドレスを格納する。
【0044】
本実施の形態に係る携帯端末100の各々は、図6に示すデータを利用することによって、キャリア網700およびネットワーク500を介して、ネットワーク500を介して、または、直接、他の通信端末との間でデータを送受信できる。
【0045】
<サーバ400のハードウェア構成>
次に、本実施の形態に係るサーバ400について説明する。
【0046】
図7は、サーバ400のハードウェア構成を示すブロック図である。図7に示すように、サーバ400は、相互に内部バス408で接続されたCPU405と、メモリ406と、固定ディスク407と、通信デバイス409とを含む。
【0047】
メモリ406は、各種の情報を記憶するものであって、たとえば、CPU405でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する。固定ディスク407は、CPU405が実行するプログラムやデータベースを記憶する。CPU405は、サーバ400の各要素を制御するものであって、各種の演算を実施する装置である。
【0048】
通信デバイス409は、CPU405が出力したデータを電気信号へと変換して外部へ送信し、外部から受信した電気信号をデータに変換してCPU405に入力する。具体的には、通信デバイス409は、CPU405からのデータを、ネットワーク500やキャリア網700などを介して、携帯端末100や、ゲーム機、電子辞書、電子BOOKなどの、ネットワークに接続可能な機器に送信する。そして、通信デバイス409は、ネットワーク500やキャリア網700を介して、携帯端末100などのネットワークに接続可能な機器から受信したデータを、CPU405に入力する。
【0049】
図8は、メモリ406あるいは固定ディスク407に記憶されるデータについて説明するための図である。図8(a)は、サーバ400のメモリ406あるいは固定ディスク407に記憶されるルーム管理テーブル406Aのデータ構造を示す第1のイメージ図であって、図8(b)は、サーバ400のメモリ406あるいは固定ディスク407に記憶されるルーム管理テーブル406Aのデータ構造を示す第2のイメージ図である。
【0050】
図8(a)および図8(b)に示すように、ルーム管理テーブル406Aは、ルーム名とIPアドレスとを対応付けて格納する。たとえば、ある時点においては、図8(a)に示すように、サーバ400にルーム名Rを有するチャットルーム、ルーム名Sを有するチャットルーム、ルーム名Tを有するチャットルームが生成されている。そして、ルーム名Rを有するチャットルームには、AというIPアドレスを有する通信端末と、CというIPアドレスを有する通信端末が入室している。ルーム名Sを有するチャットルームには、BというIPアドレスを有する通信端末が入室している。ルーム名Tを有するチャットルームには、DというIPアドレスを有する通信端末が入室している。
【0051】
ルーム名Rは、たとえば、CPU406によって、AというIPアドレスを有する通信端末のメールアドレスとBというIPアドレスを有する通信端末のメールアドレスに基づいて決定する。図8(a)に示す状態において、ルーム名Sを有するチャットルームに新たにEというIPアドレスを有する通信端末が入室すると、図8(b)に示すように、ルーム管理テーブル406Aはルーム名SとIPアドレスEとを対応付けて格納する。
【0052】
具体的には、サーバ400においては、第1の携帯端末100Aが新たなチャットルームの生成を要求してきた際に、CPU405が、第1の携帯端末100Aのメールアドレスと第2の携帯端末100Bのメールアドレスとに基づいてルーム名を生成した上で、ルーム管理テーブル406Aに当該ルーム名と第1の携帯端末100AのIPアドレスとを対応付けて格納する。
【0053】
そして、第2の携帯端末100Bがサーバ400にチャットルームへの参加を要求してきた際に、CPU405が、ルーム管理テーブル406Aに当該ルーム名と第2の携帯端末100BのIPアドレスとを対応付けて格納する。CPU406は、ルーム管理テーブル406Aから、当該ルーム名に対応する第1の携帯端末100AのIPアドレスを読み出す。CPU406は、第1の携帯端末100AのIPアドレスを第2の各通信端末に送信し、第2の携帯端末100BのIPアドレスを第1の携帯端末100Aに送信する。
【0054】
<携帯端末100における通信処理>
次に、サーバ400を介した、携帯端末100Aと携帯端末100Bの間でのチャット通信について説明する。図9は、本実施の形態に係る携帯端末100Aと携帯端末100Bの間での通信処理の処理手順を示すフローチャートである。図10は、当該処理において携帯端末100からサーバ400へ送信されるデータの構造を示すイメージ図である。
【0055】
図9を参照して、まず、携帯端末100AのCPU106は、通信デバイス101を介して、サーバ400からチャット通信に関するデータを取得する(ステップS002)。同様に、携帯端末100B(受信側)のCPU106も、通信デバイス101を介して、サーバ400からチャット通信に関するデータを取得する(ステップS004)。
【0056】
なお、「チャット通信に関するデータ」は、チャットルームのID、メンバーの端末情報、お知らせ(告知情報)、この時点までのチャット内容などを含む。
【0057】
携帯端末100AのCPU106は、タッチパネル102に、チャット通信用のウィンドウを表示させる(ステップS006)。同様に、携帯端末100BのCPU106は、タッチパネル102に、チャット通信用のウィンドウを表示させる(ステップS008)。
【0058】
図9では、携帯端末100Aから携帯端末100Bにデータが送信される際の処理手順が手順SA01で示され、また、携帯端末100Bから携帯端末100Aにデータが送信される際の処理手順が手順SA02で示されている。
【0059】
手順SA01について説明する。
携帯端末100AのCPU106は、タッチパネル102等を介してユーザからの情報の入力を受け付けると(ステップS102)、当該入力された情報に基づいて、携帯端末100Bに送信するためのデータを作成する(ステップS104)。タッチパネル102に対する手描き入力がなされた場合には、作成されるデータには手描きデータが含まれる。そして、CPU106は、作成したデータを、携帯端末100Bに送信するために、サーバ400へ送信する(ステップS106)。送信されるデータには、携帯端末100Bを送信先として特定する情報が含まれる。サーバ400は、携帯端末100Aから受信したデータを、携帯端末100Bへ送信する。
【0060】
ここで、ステップS104におけるデータの作成について説明する。
図10に示されるように、携帯端末100からサーバ400へ送信されるデータは、手描きデータとテキストデータを含む。
【0061】
タッチパネル102等が操作されることによりテキスト情報(文字および/または記号を指定する情報)が入力されると、ステップS104において作成されるデータはテキストデータを含む。また、タッチパネル102に対して手描き入力がなされると、ステップS104において作成されるデータは手描きデータを含む。
【0062】
手描きデータは、CPU106が、所定時間毎にタッチパネル102から接触座標データを順次受け付けることにより作成されるデータである。CPU106は、手描き入力がなされると、所定時間ごとに、タッチパネル102に対する接触位置の変化(軌跡)を取得する。そして、図10に示されるように、手描きデータは、手描きクリア情報(a)と、接触位置の軌跡を示す情報(b)と、線の色を示す情報(c)と、線の幅を示す情報(d)とを含む、手描きデータを作成する。
【0063】
手描きクリア情報(a)は、それまでに入力された手描きをクリアするための情報(true)または手描き入力を続行するための情報(false)を含む。接触位置の軌跡を示す情報(b)は、手描きストロークを構成するそれぞれの頂点の座標、および、それぞれの頂点に対応する手描き入力が開始された時点からの経過時間を含む。
【0064】
テキストデータは、図10において、(f)で示されるフォントを特定する情報(フォント情報)と、(g)で示されるテキストの種類を特定する情報(テキスト情報)と、(h)で示される入力位置とを含む。
【0065】
(f)のフォント情報は、フォントの種類(たとえば、ゴシック)と、フォントの色と、フォントのサイズとを含む。(g)のテキスト情報は、たとえば、「こ」「ん」「に」「ち」「は」という文字、または、記号を特定する情報を含み、一定時間内に入力された、1または複数の、文字または記号を特定する情報を含む。(h)の入力位置は、テキスト情報に含まれる1または複数の文字または記号の、最初に表示されるべきものについての、表示されるべき位置を特定する情報(たとえば、ディスプレイ107における座標)を含む。
【0066】
サーバ400は、携帯端末100Bに、携帯端末100Aから受信したデータに加えて、深度取得用情報を送信する。深度取得用情報とは、携帯端末100Aから受信した手描きデータを、3次元で表示するための情報である。具体的には、手描きデータを、当該手描きデータから取得される特性情報に基づいて深度を調整して表示するための情報であり、特性情報と深度とを関連付ける情報である。深度とは、3次元表示される際の、飛び出し量(画面から飛び出して見える量)である。図11は、深度取得用情報のデータ構造を模式的に示す図である。
【0067】
図11を参照して、深度取得用情報では、特性情報の例示として、線の色、線の幅、および、描くスピードが示されている。そして、深度取得用情報では、特性情報のそれぞれが、深度と関連付けられている。
【0068】
具体的には、深度取得用情報は、特定の線の色(図11の例では、赤色)と、深度「+3cm」とを関連付ける。これにより、手描きデータ中の線の色が当該特定の色である場合には、当該手描きデータは、3cm飛び出すように、表示される。なお、深度取得用情報では、第1の色に第1の飛び出し量を対応させ、第2の色に第2の飛び出し量を対応させても良い。この場合、ユーザが、手描き入力において、色を変えて複数の線を描くと、受信側の端末で、線の色ごとに、異なる飛び出し量で表示される。
【0069】
また、深度取得用情報は、線の幅についての3つの条件(「〜5px」「6px〜10px」「11px〜」)のそれぞれを、深度「+1cm」「+2cm」「+3cm」と関連付ける。これにより、手描きデータにおいて、線の幅が5px(ピクセル)以下である場合には、当該手描きデータは、1cm飛び出すように、表示される。また、手描きデータにおいて、線の幅が6px以上10px以下である場合には、当該手描きデータは、2cm飛び出すように、表示される。また、手描きデータにおいて、線の幅が11px以上である場合には、当該手描きデータは、3cm飛び出すように、表示される。このとき、線の色が上記した特定の色である場合には、特定の色であることによる飛び出し量(1cm)が追加された飛び出し量で、手描きデータが表示される。つまり、図11に示された深度取得用情報によれば、手描き入力された情報は、太い線ほど飛び出し量が多くなるように表示される。
【0070】
また、深度取得用情報は、描くスピードについての3つの条件(「〜100ms」「101ms〜1000ms」「1001ms〜」)のそれぞれを、深度「+5cm」「+4cm」「+3cm」と関連付ける。描くスピードとは、筆記速度であり、図10を参照して説明した「接触位置の軌跡を示す情報(b)」から求めることができる。なお、筆記速度は、ストロークごとの経過時間によって特定されても良いし、特定の時間ごとの、筆記された軌跡の長さによって特定されても良い。図11では、描くスピードは、ストロークごとの経過時間によって特定されている。そして、図11の深度取得用情報によれば、手描きデータにおいて、描くスピードが100ms以下である場合には、当該手描きデータは、5cm飛び出すように表示される。また、手描きデータにおいて、描くスピードが101ms以上1000ms以下である場合には、当該手描きデータは、4cm飛び出すように表示される。そして、手描きデータにおいて、描くスピードが1001ms以上である場合には、当該手描きデータは、3cm飛び出すように表示される。つまり、手描き入力さされた情報は、速く描かれた線ほど飛び出し量が多くなるように表示される。また、本実施の形態では、描くスピードによって特定される深度は、線の色および線の幅によって特定される深度に追加されて、手描き入力の情報の表示に反映される。
【0071】
なお、図11に示された、深度取得用情報における飛び出し量と各特性情報との関連付けは、一例である。たとえば、細い線ほど飛び出し量が多くなるように、線の幅と飛び出し量とが関連付けられても良い。このような場合には、受信側の携帯端末100では、図2(B)または図3に示されるように、手描きデータが表示される。また、本実施の形態における飛び出し量(深度)としては、図11に示された+(プラス)の量だけでなく、−(マイナス)の量、つまり、へこむ量(オブジェクトが奥に引っ込むように見える場合の引っ込む量)をも含むことが意図される。つまり、たとえば、線幅が8px以上の場合には飛び出して見え、そして、線が太くなるほど飛び出し量が多くなるように、また、線幅が8px未満の場合引っ込んで見え、そして、線が細くなるほどへこみ量が多くなるように、線の幅と飛び出し量(およびへこみ量)が関連付けられても良い。
【0072】
図11を参照して説明された深度取得用情報は、上記した特性情報を含む手描きデータ(図10参照)に添付されるように送信されても良いし、特性情報として手描きデータに含めて送信されても良いし、また、携帯端末間の通信の開始時等に、上記手描きデータとは別に送信されても良い。
【0073】
図9に戻って、サーバ400から、携帯端末100Aから送信されたデータおよび深度取得用情報を受信した携帯端末100Bでは、通信デバイス101が、当該データおよび情報を受信する(ステップS108)。そして、携帯端末100BのCPU106は、当該データを解析し(ステップS110)、解析結果に従って、受信したデータに従った画像をディスプレイ107に表示させる(ステップS112)。
【0074】
ここで、ステップS110におけるデータの解析について説明する。
携帯端末100BのCPU106は、携帯端末100Aから送信されたデータにおいて、手描きデータが含まれる場合、当該手描きデータの中の、深度取得用情報の「詳細項目」の欄に含まれる項目について、深度取得用情報に記載された条件に合致するか否かが判断される。そして、合致すると判断すると、当該手描きデータの飛び出し量として、深度取得用情報において「深度」の欄に記憶されている飛び出し量に設定する。各「詳細項目」の内容と設定される飛び出し量の関係は、図11を参照して説明した通りである。つまり、手描きデータにおいて、線の色が「赤色」であれば、飛び出し量が3cmとされる。また、図11に示される線の幅の条件ごとに飛び出し量が設定される。また、図11に示される描くスピードの条件とごとに飛び出し量が設定される。
【0075】
以上説明した手順SA01により、携帯端末100Aに対して入力された情報に基づいて生成されたデータと、サーバ400に記憶されている深度取得用情報とが、携帯端末100Bに送信される。そして、携帯端末100Bでは、携帯端末100Aから送信されたデータがディスプレイ107に表示される。特に、携帯端末100Aから送信されたデータに手描きデータが含まれる場合、携帯端末100Bでは、当該手描きデータが、深度取得用情報に基づいて解析された結果として設定される飛び出し量に従って、3次元で表示される。
【0076】
一方、手順SA02では、携帯端末100Bのタッチパネル102等に対して入力された情報に基づいて、図10を参照して説明したデータが生成される。そして、生成されたデータは、サーバ400に記憶されている深度取得用情報とともに、携帯端末100Aに送信される。そして、携帯端末100Aでは、携帯端末100Bから送信されたデータがディスプレイ107に表示される。特に、携帯端末100Bから送信されたデータに手描きデータが含まれる場合、携帯端末100Aでは、当該手描きデータが、深度取得用情報に基づいて解析された結果として設定される飛び出し量に従って、3次元で表示される。
【0077】
具体的には、手順SA02では、携帯端末100BのCPU106は、タッチパネル102等を介してユーザからの情報の入力を受け付けると(ステップS202)、当該入力された情報に基づいて、携帯端末100Bに送信するためのデータを作成する(ステップS204)。そして、CPU106は、作成したデータを、携帯端末100Aに送信するために、サーバ400へ送信する(ステップS206)。送信されるデータには、携帯端末100Aを送信先として特定する情報が含まれる。サーバ400は、携帯端末100Bから受信したデータを、深度取得用情報(図11参照)とともに、携帯端末100Aへ送信する。
【0078】
携帯端末100Aでは、通信デバイス101が、当該データおよび情報を受信する(ステップS108)。そして、携帯端末100AのCPU106は、当該データを解析し(ステップS110)、携帯端末100Aのディスプレイ107に表示させる(ステップS112)。
【0079】
ここで、手順SA01のステップS102および手順SA02のステップS122の、ユーザからの情報の入力を受付ける処理の内容について、詳細に説明する。
【0080】
図12は、携帯端末100Aおよび携帯端末100Bにおいて実行される、ユーザからの情報の入力を受付ける処理(ステップS102,ステップS202)のフローチャートである。
【0081】
図12を参照して、当該処理では、CPU106は、まずステップSX10において、当該CPU106が属する携帯端末100に、テキストが入力されたか否かを判断し、そうであると判断するとステップSX20へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSX30へ処理を進める。
【0082】
ステップSX20では、CPU106は、図10を参照して説明したテキストデータを作成するための処理(テキスト入力処理)を実行して、ステップSX30へ処理を進める。
【0083】
図13は、ステップSX20におけるテキスト入力処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0084】
図13を参照して、テキスト入力処理では、CPU106は、まずステップSY10で、当該CPU106が属する携帯端末100において、テキストのフォントが設定されているか否かを判断し、設定されていると判断するとステップSY20へ処理を進め、設定されていないと判断するとステップSY30へ処理を進める。
【0085】
ステップSY20では、設定されているフォントの情報を、テキストデータの「フォント情報」(図10の(f))に相当する情報として取得して、ステップSY30へ処理を進める。
【0086】
ステップSY30では、テキスト情報の入力があったか否かを判断し、あったと判断するとステップSY40へ処理を進め、なかったと判断するとステップSY50へ処理を進める。
【0087】
ステップSY40では、CPU106は、入力されたテキスト情報を、テキストデータの「テキスト情報」(図10の(g))に相当する情報として取得して、ステップSY50へ処理を進める。
【0088】
ステップSY50では、CPU106は、入力されたテキストを表示する位置の設定がなされているか否かを判断し、なされていると判断するとステップSY60へ処理を進め、なされていないと判断するとステップSY70へ処理を進める。
【0089】
ステップSY60では、CPU106は、設定されている位置の情報を、テキストデータの「入力位置」に相当する情報として取得して、ステップSY70へ処理を進める。
【0090】
ステップSY70では、CPU106は、ステップSY20,ステップSY40,ステップSY60のそれぞれで取得した情報を、図10を参照して説明したような送信用データにおいて、(f),(g),(h)のそれぞれに相当する領域に格納して、図12に処理をリターンさせる。
【0091】
図12に戻って、ステップSX30では、CPU106は、手描き入力があったか否かを判断し、あったと判断するとステップSX40へ処理を進め、ないと判断すると処理を終了させる。手描き入力があったか否かは、たとえば、タッチパネル102の手描き入力用の領域に対してタッチ操作があったか否か、また、携帯端末100が手描き入力を受付けるモードに設定されている状態でタッチパネル102へのタッチ操作があったか否かに基づいて、判断される。
【0092】
ステップSX40では、CPU106は、図10の手描きデータを作成するための処理(手描き入力処理)を実行する。
【0093】
図14は、ステップSX40の手描き入力処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0094】
図14を参照して、手描き入力処理では、CPU106は、まずステップSZ10で、ペン情報の設定を行ない。ステップSZ20へ処理を進める。
【0095】
ここで、ステップSZ10の処理内容について、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図15を参照して説明する。
【0096】
図15を参照して、ペン情報の設定処理では、まずステップSZ11で、CPU106は、タッチパネル102に入力された情報をクリアする操作がなされたか否かを判断し、なされたと判断するとステップSZ12へ処理を進め、そのような操作がなされていないと判断するとステップSZ13へ処理を進める。
【0097】
ステップSZ12では、CPU106は、手描きデータの「手描きクリア情報」(図10の(a)に“true”を設定して、ステップSZ14へ処理を進める。
【0098】
ステップSZ13では、CPU106は、手描きデータの「手描きクリア情報」(図10の(a)に“false”を設定して、ステップSZ14へ処理を進める。
【0099】
ステップSZ14では、CPU106は、ペンの色(線の色)を変更する情報が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断するとステップSZ15へ処理を進め、されていないと判断するとステップSZ16へ処理を進める。
【0100】
ステップSZ15では、CPU106は、手描きデータの「線の色」(図10の(c))に、変更後のペンの色として入力された情報を設定して、ステップSZ16へ処理を進める。
【0101】
ステップSZ16では、CPU106は、ペンの幅(線の幅)の設定を変更する情報が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断するとステップSZ17へ処理を進める。
【0102】
ステップSZ17では、CPU106は、手描きデータの「線の幅」(図10の(d))に、変更後のペンの幅として入力された情報を設定して、図14へ処理をリターンさせる。
【0103】
一方、ステップSZ16でペンの幅を設定する情報が入力されていないと判断すると、CPU106は、そのまま処理を図14へ戻す。
【0104】
図14に戻って、ステップSZ10でペン情報の設定を行なった後、CPU106は、ステップSZ20で、ステップSZ10において設定されたデータ(b)が“true”でないかどうかを判断し、“true”ではないと判断するとステップSZ40へ処理を進め、“true”であると判断するとステップSZ30へ処理を進める。
【0105】
ステップSZ30では、CPU106は、メモリ103の、送受信データの(b)に相当する領域に、ステップSZ12で設定された“true”を格納させて、処理を図12へリターンさせる。
【0106】
一方、ステップSZ40では、CPU106は、タッチパネル102に対するペンダウンがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップSZ60へ処理を進め、ないと判断するとステップSZ50へ処理を進める。ここで、ペンダウンとは、タブレット104に対するタッチ操作の開始をいう。CPU106は、タブレット104における検出出力に基づいて、ステップSZ40の判断を行なう。
【0107】
ステップSZ50では、CPU106は、タッチパネル102においてペンドラッグがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップSZ60へ処理を進め、なかったと判断すると図12へ処理をリターンさせる。ここで、ペンドラッグとは、タブレット104に対するタッチ操作の位置の変更があったことを意味する。
【0108】
つまり、本手描き入力処理における手描きデータの作成の対象となる期間において、それまでなかったタブレット104へのタッチ操作が開始された場合には、ステップSZ40においてYESの判断がなされて、ステップSZ60へ処理が進められる。また、当該期間の前から継続してタブレット104へのタッチ操作が行なわれている場合であって、タッチ操作の位置が当該期間において変更された場合には、ステップSZ50でYESの判断がなされて、ステップSZ60へ処理が進められる。
【0109】
ステップSZ60では、CPU106は、手描きデータの「手描きクリア情報」(図10の(a))の値として“false”を設定して、ステップSZ70へ処理を進める。
【0110】
ステップSZ70では、CPU106は、手描き処理を実行して、ステップSZ80へ処理を進める。
【0111】
図16は、ステップSZ70の手描き処理のサブルーチンのフローチャートである。
図16を参照して、手描き処理では、CPU106は、まずステップSZ71で、現在作成中の送受信データの対象となる期間の開始からの時間を取得して、ステップSZ72へ処理を進める。
【0112】
ステップSZ72では、CPU106は、ステップSZ71で取得した時間を、図10のデータ(b)のCtに設定して、ステップSZ73へ処理を進める。
【0113】
ステップSZ73では、CPU106は、タブレット104において、現在タッチ操作の対象となっている座標(X,Y)を取得して、ステップSZ74へ処理を進める。
【0114】
ステップSZ74では、CPU106は、ステップSZ73で取得した座標を、図10のデータ(b)の座標(Cx,Cy)に設定して、ステップSZ75へ処理を進める。
【0115】
ステップSZ75では、CPU106は、ステップSZ74で座標のデータを設定してから特定時間が経過したか否かを判断し、経過したと判断するとステップSZ76へ処理を進め、経過していないと判断するとステップSZ75の処理を繰返す。
【0116】
ステップSZ76では、CPU106は、タブレット104においてペンドラッグがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップSZ78へ処理を進め、なかったと判断するとステップSZ77へ処理を進める。なお、ステップSZ76における判断は、ステップSZ50(図14)において行なわれた判断と同様である。
【0117】
ステップSZ77では、CPU106は、タブレット104においてペンダウンがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップSZ78へ処理を進め、なかったと判断するとステップSZ75へ処理を戻す。なお、ステップSZ77における判断は、ステップSZ40(図14)において行なわれた判断と同様である。
【0118】
ステップSZ78では、CPU106は、現在作成の対象となっている送受信データの作成の開始(ステップSX10(図12))から一定時間が経過したか否かを判断し、まだ経過していないと判断するとステップSZ71に処理を戻し、経過したと判断すると図14へ処理をリターンさせる。
【0119】
以上説明した手描き処理により、タブレット104に対する手描き入力について、一定時間毎に手描きデータが作成される。
【0120】
なお、当該手描きデータにおいて、基本的には、特定時間毎に、タブレット104においてタッチ操作がなされた座標が取得される。取得された座標は、送受信データの作成の開始からの経過時間とともに、図10の(b)のデータとして保存される。各座標データおよび経過時間のデータは、(CxN,CyN,CtN)の形式で、格納される。ここで、Nは、一定期間において、座標データが取得された回数を示す。また、上記時間内のある地点で座標データを作成してから、特定時間が経過しても、当該特定時間内にペンドラッグおよびペンアップがなされなければ、次に特定時間が経過するまで、座標データの作成が延期される(ステップSZ75〜ステップSZ77)。
【0121】
次に、ステップS112およびステップS132(図9)におけるデータ表示処理の内容について説明する。図17は、データ表示処理のフローチャートである。
【0122】
図17を参照して、データ標準処理では、CPU106は、まずステップSW10において、受信したデータにおける手描きデータと、深度取得用情報(図11)とを比較し、手描きデータが深度取得用情報の条件と一致しているか否かを判断し、一致していると判断するとステップSW20へ処理を進め、一致していないと判断するとステップSW30へ処理を進める。
【0123】
ステップSW20では、CPU106は、深度取得用情報で特定される深度を、手描きデータが表示される深度として設定して、ステップSW40へ処理を進める。
【0124】
ステップSW30では、CPU106は、受信した手描きデータを表示する深度を±0と設定して、ステップSW40へ処理を進める。
【0125】
ステップSW40では、CPU106は、受信した手描きデータを、ステップSW20またはステップSW30で設定した深度で、ディスプレイ107に表示させて、処理を終了する。
【0126】
本実施の形態において、深度取得用情報では、図11に例示されたように、「線の色」「線の幅」「描くスピード」について、深度を設定するための条件が関連付けられている。ステップSW10では、CPU106は、受信した手描きデータにおいて、「線の色」が、深度取得用情報において設定されている条件と一致するか否かを判断し、また、手描きデータに含まれる「線の幅」が深度取得用情報における条件に一致するか否かを判断し、また、受信した手描きデータの(b)から取得される「描くスピード」が深度取得用情報における条件に一致するか否かを判断する。そして、一致すると判断すると、深度取得用情報において、一致したと判断した条件に関連付けられる深度を、手描きデータが表示される深度として設定する(ステップSW20)。
【0127】
以上説明した本実施の形態によれば、手描きデータを生成した送信側の携帯端末100において、当該手描きデータを3次元表示するために深度を設定する情報を生成することなく、受信側の携帯端末100で、当該手描きデータを3次元表示させることができる。
【0128】
なお、本実施の形態は、サーバ400を介した携帯端末100Aと携帯端末100Bの間の通信に関し、いかなる通信態様にも適用でき、比較的短期間ごとに携帯端末100Aおよび携帯端末100Bとサーバ400の間の送受信されるデータがリロードされるチャット形式に限定されない。
【0129】
<変形例(1)>
以上説明した本実施の形態では、送信側の携帯端末100で生成された手描きデータが、サーバ400に送られる。サーバ400は、当該送信側の携帯端末から受信した手描きデータと、深度取得用情報とを、受信側の携帯端末100に送信する。これにより、受信側の携帯端末100は、手描きデータの中から抽出したデータ(たとえば、線の色および/または線の幅)、および/または、当該手描きデータに基づいて生成されたデータ(たとえば、描くスピード)を、深度取得用情報における条件と比較することにより、手描きデータを表示する深度を決定する。
【0130】
なお、手描きデータから抽出されたデータおよび/または手描きデータに基づいて生成されたデータに基づいた深度の決定は、サーバで行なわれてもよい。この場合、サーバは、受信側の携帯端末に対して、送信側の携帯端末から送信された手描きデータに、当該手描きデータに基づいて決定した深度を追加して、受信側の携帯端末に送信する。これにより、サーバから受信側の携帯端末に、深度取得用情報が送信される必要はない。
【0131】
図18は、本変形例において、サーバから受信側の携帯端末に送信されるデータの一例を模式的に示す図である。
【0132】
図18を参照して、本変形例において受信側の携帯端末に送信されるデータは、図10を参照して説明したデータに加えて、項目(j)が追加されている。
【0133】
項目(j)は、サーバ400が、上記したように、送信側の携帯端末100から受信した手描きデータと、自機(または、サーバ400とネットワーク500を介して通信可能な機器)に記憶されている深度取得用情報に基づいて決定した深度を特定する情報である。
【0134】
本変形例では、受信側の携帯端末100は、データ受信処理(図9のステップS108およびステップS128)において、図18に例示されたデータを受信する。そして、受信側の携帯端末100は、データ表示処理(図9のステップS112およびステップS132)では、データ(a)〜(d)の手描きデータを、データ(j)として記憶されている深度で、ディスプレイ107に表示させる。
【0135】
なお、本変形例の受信側の携帯端末100では、図17を参照して説明した処理の中の、ステップSW10(手描きデータと深度取得用情報との比較)は実行されない。その代わりに、受信したデータ(図18)において、データ(j)として記憶された深度が0以外であれば、ステップSW20で、データ(j)に示される深度を設定し、また、データ(j)の深度が±0であれば、ステップSW30で、手描きデータの表示の深度を±0に設定する。そして、ステップSW40で、ステップSW20またはステップSW30で設定した深度で、手描きデータを表示する。
【0136】
以上説明した本変形例では、手描きデータを生成して送信する携帯端末100において当該手描きデータを3次元表示するための深度情報を生成しなくとも、サーバ400が、深度情報を生成する。そして、サーバ400は、受信側の携帯端末100に対して、生成した深度情報を手描きデータとともに、送信する。これにより、受信側の携帯端末100は、深度取得用情報という比較的データ量の大きい情報を受信することなく、送信側の携帯端末100で生成された手描きデータを3次元表示できる。
【0137】
<変形例(2)>
以上説明した本実施の形態では、図9に特に示されるように、携帯端末100Aと携帯端末100Bは、サーバ400を介して、通信していた。なお、情報処理システム1では、携帯端末100Aと携帯端末100Bは、赤外線通信等によって、(サーバ400を介することなく)直接通信することができる。図19は、本変形例における携帯端末100Aと携帯端末100Bの通信時のシーケンスの一例を示す。
【0138】
図19を参照して、携帯端末100Aと携帯で100Bは、それぞれ、通信相手との通信を開始するための処理を実行する(ステップS201,ステップS202)。これにより、携帯端末100Aと携帯端末100Bが通信可能な状態になる。
【0139】
図19では、携帯端末100Aから携帯端末100Bにデータが送信される際の処理手順が手順SA03で示され、また、携帯端末100Bから携帯端末100Aにデータが送信される際の処理手順が手順SA04で示されている。
【0140】
手順SA03について説明する。
手順SA03では、携帯端末100AのCPU106は、携帯端末100Aのタッチパネル102等に対して入力された情報に基づいて、たとえば図10を参照して説明したデータを生成する(ステップS211,ステップS212)。
【0141】
なお、本変形例では、送信側の携帯端末100に、図11を参照して説明した深度取得用情報が記憶されている。したがって、送信側である携帯端末100AのCPU106が、図10に示した手描きデータを生成し、さらに、当該手描きデータに基づいて、図19の(j)の深度情報を作成してもよい。
【0142】
そして、携帯端末100AのCPU106は、生成したデータを、携帯端末100Bに対して送信する(ステップS213)。このとき送信されるデータは、図10に示したような深度情報を含まないものであってもよいし、図18を参照して説明したような深度情報を含むデータであってもよい。
【0143】
ステップS214では、受信側である携帯端末100BのCPU106は、携帯端末100Aから受信したデータを解析する(ステップS214)。受信したデータに(j)の深度情報が含まれない場合であって携帯端末100Bのメモリ103において深度取得用情報が記憶されている場合には、CPU106は、データの解析により深度情報を生成する。
【0144】
そして、当該データに含まれる手描きデータおよび/またはテキストデータを、携帯端末100Bのディスプレイ107に表示させる(ステップS215)。
【0145】
一方、手順SA04では、携帯端末100BのCPU106は、携帯端末100Bのタッチパネル102等に対して入力された情報に基づいて、たとえば図10を参照して説明したデータを生成する(ステップS221,ステップS222)。そして、携帯端末100BのCPU106は、生成したデータを、携帯端末100Bに対して送信する(ステップS223)。このとき送信されるデータは、図10に示したような深度情報を含まないものであってもよいし、図18を参照して説明したような深度情報を含むデータであってもよい。
【0146】
ステップS224では、受信側である携帯端末100AのCPU106は、携帯端末100Bから受信したデータを解析する(ステップS224)。携帯端末100Aのメモリ103において深度取得用情報が記憶されている場合には、CPU106は、そして、当該データに含まれる手描きデータおよび/またはテキストデータを、携帯端末100Bのディスプレイ107に表示させる。
【0147】
<変形例(3)>
以上説明した本実施の形態では、図11の深度取得用情報は、サーバ400に記憶されていた。
【0148】
また、変形例(2)では、図11の深度取得用情報は受信側および送信側の双方の携帯端末100に記憶されていた。このため、送信側の携帯端末100および受信側の携帯端末100に深度取得用情報が記憶されているので、これらの間の通信の際には、深度取得用情報が送信されることを要しない。
【0149】
図9に示したようなサーバ400を経由した通信や、図19を参照して説明したような直接的な通信のいずれにおいても、深度取得用情報は、(サーバ400からではなく)送信側の装置から受信側の装置に送信されてもよい。つまり、たとえば、図9の手順SA01が実行されているときには、携帯端末100Aから、図10に示したようなデータとともに、図11に示したような深度取得用情報が送信されてもよい。
【0150】
そして、それ以降の携帯端末100Aと携帯端末100Bの間の通信では、携帯端末100Aから携帯端末100Bに送信された深度取得用情報が利用されて、双方における手描きデータの表示の深度が制御されてもよい。
【0151】
つまり、複数の装置の間の通信において、その中の一の装置において記憶されていた深度取得用情報が、それらの複数の装置の間での通信(および、手描きデータの表示の深度の制御)に利用されるようにしてもよい。
【0152】
なお、本変形例において、送信側の携帯端末100のみに深度取得用情報が記憶されていても良い。この場合、送信側の携帯端末100が、手描きデータを生成し、また、当該手描きデータに基づいて深度情報を生成し、手描きデータおよび深度情報を受信側の携帯端末100に送信する。これにより、受信側の携帯端末100は、深度取得用情報を受信することなく、受信した手描きデータを3次元表示させることができる。また、送信側の携帯端末100が、手描きデータと深度取得用情報とを、受信側の携帯端末100に送信しても良い。
【0153】
また、本変形例において、受信側の携帯端末100のみに深度取得用情報が記憶されていても良い。この場合、送信側の携帯端末100は、従来の手描きデータの通信と同様に、手描きデータを送信する。受信側の携帯端末100は、受信した手描きデータに基づいて深度情報を取得する。そして、取得した深度情報に従って、受信した手描きデータを3次元表示させる。
【0154】
<その他の変形例>
以上説明した本実施の形態およびその変形例では、深度取得用情報が、手描きデータの表示の深度の制御に利用される。ここで、携帯端末100では、タッチパネル102等に対して入力された情報に基づいて、深度取得用情報を適宜更新することができる。これにより、情報処理システム1において、よりバラエティに富んだ態様で、手描きデータを表示することができる。
【0155】
また、深度取得用情報において特定される深度は、図11に例示したような+(プラス)の値、つまり、画面から飛び出す量だけでなく、−(マイナス)の値、つまり、画面から引っ込むように見える量を規定しても良い。つまり、本明細書において、飛び出し量は、画面から飛び出して見える量だけでなく、画面に対してどの程度引っ込んで見えるかを表す量をも含む概念であると解されるべきである。
【0156】
また、以上説明した本実施の形態およびその変形例において、図11を参照して説明した深度取得用情報は、さらに、手描き入力における筆圧と深度とを関連付けても良い。この場合、携帯端末100Aと携帯端末100Bの間で送受信されるデータには、図10を参照して説明した手描きデータの項目に、筆圧を特定する情報が含まれる。そして、深度取得用情報では、たとえば、予め定められた筆圧の範囲ごとに深度が関連付けられる。ここでの関連付けでは、たとえば、筆圧が低くなるほど飛び出し量が多くなる。
【0157】
また、以上説明した本実施の形態において、情報処理装置および情報端末の一例として携帯端末が示されたが、情報処理装置および情報端末は、携帯端末のように通話機能や携帯性を有する機器に限定されない。手描きデータの生成および/または表示ができる機器であれば、ゲーム機、電子辞書、電子BOOKなどであっても良い。
【0158】
また、情報処理装置および情報端末は、適切なアプリケーションをインストールされた汎用のコンピュータによって実現されても良い。なお、一般的傾向として、コンピュータのオペレーティングシステムの一部として様々なプログラムモジュールを用意しておき、アプリケーションプログラムはこれらモジュールを所定の配列で必要なときに呼び出して処理を進める方式が一般的である。そうした場合、情報処理装置および情報端末を実現するためのソフトウェア自体にはそうしたモジュールは含まれず、当該コンピュータでオペレーティングシステムと協働してはじめて情報処理装置および情報端末が実現することになる。しかし、一般的なプラットフォームを使用する限り、そうしたモジュールを含ませたソフトウェアを流通させる必要はなく、それらモジュールを含まないソフトウェア自体およびそれらソフトウェアを記録した記録媒体(およびそれらソフトウェアがネットワーク上を流通する場合のデータ信号)が実施の形態を構成すると考えることができる。
【0159】
また、本明細書に記載された情報処理装置についての主要な変形例を、以下に示す。
ネットワーク上のサーバと通信可能であり、手描き入力を受付ける入力手段を備えた情報端末と当該サーバを介して通信可能な情報処理装置であって、
当該情報端末は、当該サーバに、当該入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて生成された手描きデータを送信し、
当該サーバから、当該情報端末から送信された手描きデータ、および、手描きデータから取得される特性情報と手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を受信するための受信手段と、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータを表示装置に表示させるための表示制御手段とを備え、
当該表示制御手段は、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータから特性情報を取得し、
取得した当該特性情報と、当該受信手段によって受信された当該関連情報とに基づいて、当該受信手段によって受信された当該手描きデータの表示の飛び出し量を取得し、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータを、取得した当該飛び出し量で表示させる、情報処理装置。
【0160】
好ましくは、当該特性情報は、当該手描きデータにおいて、当該手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、当該入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含む。
【0161】
好ましくは、当該付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含む。
また、本明細書に記載された情報処理システムについての主要な変形例を、以下に示す。
【0162】
情報端末、情報処理装置、ならびに、当該情報端末および当該情報処理装置とネットワークを介して通信可能なサーバを備えた情報処理システムであって、
当該情報端末は、
手描き入力を受付ける入力手段と、
当該入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて手描きデータを生成する生成手段と、
当該手描きデータを当該サーバに送信する第1の送信手段とを含み、
当該サーバは、
当該情報端末から、当該手描きデータを受信するための第1の受信手段と、
手描きデータから取得される特性情報と手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を記憶するための記憶手段と、
当該第1の受信手段によって受信された当該手描きデータ、および、当該記憶手段に記憶された当該関連情報を、当該情報処理装置に送信する第2の送信手段とを含み、
当該情報処理装置は、
当該サーバから、当該手描きデータおよび当該関連情報を受信する第2の受信手段と、
当該第2の受信手段によって受信された当該手描きデータを表示装置に表示させるための表示制御手段とを含み、
当該表示制御手段は、
当該第2の受信手段によって受信された当該手描きデータから特性情報を取得し、
取得した当該特性情報と、当該第2の受信手段によって受信された当該関連情報とに基づいて、当該第2の受信手段によって受信された当該手描きデータの表示の飛び出し量を取得し、
当該第2の受信手段によって受信された当該手描きデータを、取得した当該飛び出し量で表示させる、情報処理システム。
【0163】
好ましくは、当該特性情報は、当該手描きデータにおいて、当該手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、当該入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含む。
【0164】
好ましくは、当該付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含む。
また、本明細書に記載された情報処理装置についての別の主要な変形例を、以下に示す。
【0165】
手描き入力を受付ける入力手段を備えた情報端末と通信可能な情報処理装置であって、
当該情報端末から送信された、当該入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて生成された手描きデータを受信するための受信手段と、
手描きデータから取得される特性情報と手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を記憶するための記憶手段と、
当該受信手段によって受信された手描きデータを表示装置に表示させるための表示制御手段とを備え、
当該表示制御手段は、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータから特性情報を取得し、
取得した当該特性情報と当該関連情報に基づいて、当該手描きデータの表示の飛び出し量を取得し、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータを、取得した当該飛び出し量で表示させる、情報処理装置。
【0166】
好ましくは、当該特性情報は、当該手描きデータにおいて、当該手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、当該入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含む。
【0167】
好ましくは、当該付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含む。
また、本明細書に記載された情報処理システムについての別の主要な変形例を、以下に示す。
【0168】
情報端末と、当該情報端末と通信可能な情報処理装置とを備えた情報処理システムであって、
当該情報端末は、
手描き入力を受付ける入力手段と、
当該入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて手描きデータを生成する生成手段と、
当該手描きデータを当該情報処理装置に送信する送信手段とを含み、
当該情報処理装置は、
当該手描きデータを受信するための受信手段と、
手描きデータから取得される特性情報と手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を記憶するための記憶手段と、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータを表示装置に表示させるための表示制御手段とを含み、
当該表示制御手段は、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータから特性情報を取得し、
取得した当該特性情報と当該関連情報に基づいて、当該受信手段によって受信された当該手描きデータの表示の飛び出し量を取得し、
当該受信手段によって受信された当該手描きデータを、取得した当該飛び出し量で表示させる、情報処理システム。
【0169】
好ましくは、当該特性情報は、当該手描きデータにおいて、当該手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、当該入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含む。
【0170】
好ましくは、当該付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0171】
1 情報処理システム、100,100A,100B 携帯端末、102 タッチパネル、103 メモリ、104 タブレット、106 CPU、107 ディスプレイ、400 サーバ、500 ネットワーク、700 キャリア網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と通信可能な情報処理装置であって、
手描き入力を受付けるための入力手段と、
前記入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて、手描きデータを生成するための生成手段と、
手描きデータから取得される特性情報と前記手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を記憶するための記憶手段と、
前記生成手段によって生成された前記手描きデータおよび前記関連情報を、前記情報端末に送信するための送信手段とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記特性情報は、前記手描きデータにおいて、前記手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、前記入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報端末と、当該情報端末と通信可能な情報処理装置とを備えた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
手描き入力を受付けるための入力手段と、
前記入力手段によって受付けられた手描き入力に基づいて、手描きデータを生成するための生成手段と、
手描きデータから取得される特性情報と前記手描きデータを表示させる際の飛び出し量とを関連付ける情報である関連情報を記憶するための記憶手段と、
前記生成手段によって生成された前記手描きデータおよび前記関連情報を、前記情報端末に送信するための送信手段とを含み、
前記情報端末は、
前記送信手段によって送信された前記手描きデータおよび前記関連情報を受信するための受信手段と、
前記受信手段によって受信された手描きデータを表示装置に表示させるための表示制御手段とを含み、
前記表示制御手段は、
前記受信手段によって受信された前記手描きデータから特性情報を取得し、
取得した前記特性情報と前記関連情報に基づいて、前記受信手段によって受信された前記手描きデータの表示の飛び出し量を取得し、
前記受信手段によって受信された前記手描きデータを、取得した前記飛び出し量で表示させる、情報処理システム。
【請求項5】
前記特性情報は、前記手描きデータにおいて、前記手描き入力による軌跡を表示させるための付随情報、または、前記入力手段に対する筆記速度もしくは筆圧を含む、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記付随情報は、表示色、または、表示される線の幅を含む、請求項5に記載の情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−128664(P2012−128664A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279566(P2010−279566)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】