説明

情報処理装置および情報処理方法

【課題】ユーザの余裕度に応じて提供する情報の提示形態を適応的に変化させる。
【解決手段】ユーザに関する情報に基づいて出力部に情報を提示する際に、ユーザの余裕度を示す情報を取得し、取得したユーザの余裕度に応じて、現在提示している情報の提示形態を決定する。そして、決定した提示形態に基づいて現在提示している情報に対し所定の処理を行い、当該所定の処理がされた情報を出力部へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの状況に応じて適応的に情報の提示手法(提示形態)を変更する情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像や音声等の情報を提示する情報提示装置が設置されている場合において、ユーザがその映像をじっくりと視聴できる状況であれば、通常の提示手法(提示形態)であってもユーザは提示された映像の内容を十分に理解できると考えられるが、ユーザの状況によっては、十分に映像を見る余裕がない場合も存在する。
【0003】
例えば、夜帰宅して部屋にいる場合は、提示された情報をじっくりと視聴をすることができるが、朝出かける際には、時間に余裕がないのでゆっくり視聴することができない。しかしながら、忙しい朝でも映像からの情報は効率的に取得したいといった場合がある。このような場合に、通常の提示手法では十分に満足できる情報を取得できないという問題点があった。
【0004】
例えば、特許文献1には、生体情報を取得し、生体情報に応じて表示画像を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007−3618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された、生体情報を取得し、生体情報に応じて表示画像を制御することで生体リズムの調整を可能とし、人(ユーザ)にやさしい情報の提示を目指しているが、忙しさといったようなユーザの余裕度に応じて情報の効率的な提示を行うものではなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザの余裕度に応じて提供する情報の提示形態を適応的に変化させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の情報処理装置は、ユーザの余裕度を示す情報を取得する余裕度取得部と、前記余裕度取得部が取得した前記ユーザの余裕度に応じて、現在提示している情報の提示形態を決定する制御部と、前記制御部による制御に基づき前記情報に対し所定の処理を行う情報処理部と、前記情報処理部で処理された情報を出力部へ出力する出力処理部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の一側面の情報処理方法は、ユーザに関する情報に基づいて出力部に情報を提示する情報処理装置の情報処理方法であって、ユーザの余裕度を示す情報を取得するステップと、前記取得した前記ユーザの余裕度に応じて、現在提示している情報の提示形態を決定するステップと、前記決定された提示形態に基づいて前記現在提示している情報に対し所定の処理を行うステップと、前記所定の処理がされた情報を前記出力部へ出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の一側面においては、ユーザの余裕度に応じて情報(コンテンツ)の形態が適応的に変化する。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の一側面によれば、ユーザの余裕度に応じて提供する情報の提示形態を適応的に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
以下に述べる実施の形態は、本発明を実施するための好適な形態の具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されている。ただし、本発明は、以下の実施の形態の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限られるものではない。したがって、例えば、以下の説明で挙げる使用材料とその使用量、処理時間、処理順序および各パラメータの数値的条件等は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法、形状および配置関係等も一例を示す概略的なものである。
【0013】
下記の実施の形態では、ユーザの余裕度を示す情報を取得する例として、加速度センサを用いる場合について説明するがこれに限られるものではない。
【0014】
図1は、本発明の情報処理装置が適用されたシステムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すシステムは、アンテナ1と、チューナ2と、デコード部3と、制御部4と、リモコン受信部6と、テロップ抽出部7と、ダイジェスト作成部8と、HDD(Hard Disk Drive)9を含む。さらに、このシステムは、音量調整部10と、再生速度調整部11と、テロップ貼付部12と、出力処理部13と、表示部14と、スピーカ15と、拡大・縮小処理部16と、音量調整部17と、再生速度調整部18と、テロップ貼付部19と、出力処理部20と、表示装置21、センサデータ受信部33を含むように構成される。
【0016】
本実施の形態は、本発明の情報処理装置を、例えば複数のテレビジョン放送番組を表示するのに使用されるスケーラブル・テレビジョン・システム(以下、「スケーラブルTVシステム」という。)に適用した例である。スケーラブルTVシステムとは、複数のテレビジョン受像機(モニタ)を必要に応じて連携して動作させ、1枚の画像や複数の画像を様々な方法で表示させるシステムである。この複数のテレビジョン受像機を必要に応じて連携して動作させて画像を表示する技術は周知の技術であり、一例として本出願人が先に出願した特開2007−93702号公報に開示されているもの等、種々のものがある。
【0017】
チューナ2は、例えばシステムに設置されたテレビジョン受像機に対応して設置され、アンテナ1により受信したテレビジョン信号から任意のチャンネルの映像データ、音声データを抽出するものである。
【0018】
デコード部3は、チューナ2から入力されたテレビジョン信号に含まれる符号化された映像データおよび音声データを、それらの符号化フォーマットに応じた所定の規則に基づいてデコード(復号)し、制御部4へ供給するものである。
【0019】
制御部4は、不揮発性メモリのROM(Read Only Member)に記憶されているコンピュータ・プログラムを、図示しない揮発性メモリのRAM(Random Access Memory)に読み出して、所定の制御および演算等を行うものである。この制御部4は全てのブロックに対し制御データを送信して制御することができる。例えば、後述するセンサデータ受信部33または各種センサ32から取得したセンサデータに基づいて所定のブロックに対し所定の処理を行わせるように制御する。
【0020】
リモコン受信部6は、特許請求の範囲に記載した「余裕度取得部」の下位概念である「操作信号受信部」の一例であり、遠隔操作用の操作手段である送信機5から送信された赤外線信号または無線信号等による操作信号(リモコン信号)を受信し、その操作信号を復調して制御部4に供給する。
【0021】
テロップ抽出部7は、制御部4から出力される制御データに基づき、画像信号からテロップ等の人工的に加工された画像に対応した画素データを抽出するものであり、例えば本出願人が先に出願した特開2004−318256号公報に開示されている技術などがある。
【0022】
ダイジェスト作成部8は、制御部4から送信される制御データに基づき、コンテンツ(すなわち情報)の内容を所定の条件に沿って短時間に集約・編集するなどの処理を行うブロックであり、いわゆるダイジェストを作成して制御部4あるいはHDD9へ供給するものである。ダイジェストを作成する技術として、例えば特開2006−211311号公報に記載されているようなもの等がある。
【0023】
HDD9は、ハード・ディスク・ドライブであり記録装置の一例である。チューナ2により受信したテレビジョン信号に含まれるテレビジョン番組等のコンテンツ(映像データ、音声データ)や、ネットワークを利用してダウンロードしたコンテンツあるいはDVD等の記録媒体に記録されているコンテンツ等を保存、蓄積する。さらに、HDD9は、後述する音量調整、テロップ子画面表示、テロップ別画面表示、提示速度調整、ダイジェスト再生および番組数増減などの各再生処理において参照される加速度変化の大きさの閾値等の情報を記憶している。なお、これらの情報は不揮発性のメモリに記憶してあればよく、HDD9の他、図示しないフラッシュメモリ等の半導体メモリなどに記憶してもよい。
【0024】
音量調節部10、再生調整部11およびテロップ貼付部12は、特許請求の範囲に記載した「情報処理部」を構成する要素の一例である。
【0025】
音量調整部10は、制御部4から出力される制御データに基づいて、提示するコンテンツの音声データの音量を調整するものである。
【0026】
再生速度調整部11は、制御部4から出力される制御データに基づき、提示するコンテンツの再生速度を調整するものである。
【0027】
テロップ貼付部12は、制御部4から出力される制御データに基づき、テロップ抽出部7で抽出されたテロップを、当該テロップを抽出した元のコンテンツの映像データとともに出力するものである。
【0028】
出力処理部13は、特許請求の範囲に記載した「出力処理部」の一例であり、画像処理部13aおよび音声処理部13bを含み、情報処理部で所定の処理が施された情報(映像データおよび/または音声データ)に対し、所定の処理を行い、表示部14および/またはスピーカ15へ供給する。
【0029】
画像処理部13aは、情報処理部10から入力される映像データに対し、表示部14の画面に表示するための所定の画像処理を実行し、表示部14へ供給する。
【0030】
音声処理部13bは、情報処理部10から入力される音声データに対し、所定の音声処理を実行したり、音声データを映像データに同期させて再生する処理を実行したりし、スピーカ15へ供給する。
【0031】
表示部14は、特許請求の範囲に記載した「出力部」の一例であり、出力処理部13から入力された映像データを表示する。表示部14には、液晶表示装置など種々の表示手段が適用できる。
【0032】
スピーカ15は、特許請求の範囲に記載した「出力部」の一例であり、出力処理部13から入力された音声データをデジタル−アナログ変換し、放音するものである。スピーカ15には、例えば、フラットパネルスピーカまたはコーン型のスピーカなどが適用される。
【0033】
拡大・縮小処理部16、音量調節部17、再生調整部18およびテロップ貼付部19は、特許請求の範囲に記載した「情報処理部」を構成する要素の一例である。音量調節部17、再生調整部18およびテロップ貼付部19は、上述した音量調節部10、再生調整部11およびテロップ貼付部12と同様の機能であるから、説明を省略する。
【0034】
拡大・縮小処理部16は、特許請求の範囲に記載した「拡大・縮小処理部」の一例であり、制御部4から入力される制御データに基づいてコンテンツに含まれる映像データの画面サイズの拡大または縮小処理を行い、後述する複数の出力部に同時に表示される番組数等のコンテンツ数を変更する。この拡大・縮小処理部16を始め、音量調節部17、再生調整部18およびテロップ貼付部19により所定の処理がされた映像データまたは音声データが、出力処理部20に供給される。
【0035】
出力処理部20は、特許請求の範囲に記載した「出力処理部」の一例であり、画像処理部20aおよび音声処理部20bを含み、情報処理部で所定の処理が施された情報(映像データおよび/または音声データ)に対し、所定の処理を行い、表示装置21に供給するする。画像処理部20aおよび音声処理部20bは、上述した画像処理部13aおよび音声処理部13bと同様の機能であるから、説明を省略する。
【0036】
表示装置20は、特許請求の範囲に記載した「出力部」の一例であり、出力処理部20から入力された映像データを表示する。この表示装置20は、いわゆるスケーラブルTVシステムが適用されており、例えば9台の表示部21A〜21Iにより大画面が構成されている。表示部21A〜21Iには、液晶表示装置など種々の表示手段が適用でき、これら各表示部(画面)に対する表示形態は、センサデータ受信部33で受信したセンサデータに応じて制御部4により決定される。
【0037】
なお、表示装置20は例えば表示部ごとに図示しないスピーカを備え、該スピーカにより出力処理部20から入力された音声データをデジタル−アナログ変換し、放音する。スピーカには、スピーカ15と同様、フラットパネルスピーカまたはコーン型のスピーカなどが適用される。
【0038】
さらに本実施の形態のシステムは、特許請求の範囲に記載した「余裕度取得部」の下位概念である「センサデータ受信部」の一例であるセンサデータ受信部33を備える。センサデータ受信部33は、ユーザの余裕度を示す情報としてユーザに装着もしくはユーザが保持する加速度センサ検出部31からの加速度データを取得する。センサデータ受信部33は、加速度センサ検出部31から取得した加速度データを制御部4に送る。加速度データは、ユーザの忙しさや行動の様子などの状態を反映した情報であり、制御部4は、この情報からユーザの現在の余裕の有無、すなわち余裕度を推定する。
【0039】
図2は、加速度センサ検出部31で得られる加速度の測定データの例を示すグラフである。グラフの横軸は時間、縦軸は加速度を示す。
【0040】
図2に示す加速度の時間遷移において、加速度の変化が大きい部分と加速度の変化が小さい部分が見られる。検出された加速度の変化の大きさを予め設定した閾値と比較することにより、ユーザの余裕度を推定することができる。例えば、加速度変化が閾値より大きい場合は、ユーザが忙しく動き回っていて余裕のない状態(余裕度が小さい状態)と判断できる。一方、加速度変化が閾値より小さい場合は、ユーザはあまり動き回っておらず落ち着いた余裕のある状態(余裕度が大きい状態)であると判断できる。一般に、ユーザは、1日の間で朝は忙しく余裕のない状態であり、夜は比較的にリラックスして余裕のある状態であると考えられる。
【0041】
また、他の各種センサ32として、例えば心拍数、血圧、発汗量などの生体情報を検出する生体情報センサが挙げられる。
【0042】
一例として、図3に、各種センサ32で得られる心拍数の測定データの例を示す。グラフの横軸は時間、縦軸は心拍数を示す。
【0043】
図3に示す心拍数の時間遷移において、心拍数が多い部分と心拍数が少ない部分が見られる。検出された心拍数を予め設定した閾値と比較することにより、ユーザの余裕度を推定することができる。例えば、心拍数Tが閾値Thより大きい場合は、ユーザが忙しく動き回っていて余裕のない状態(余裕度が小さい状態)と判断できる。一方、心拍数Tが閾値Thより小さい場合は、ユーザはあまり動き回っておらず落ち着いた余裕のある状態(余裕度が大きい状態)であると判断できる。
【0044】
また、ユーザの余裕度を示す情報が得られる他のセンサの例としては、撮像装置が考えられる。例えば、室内などの所定の位置にビデオカメラ等の撮像装置を設置し、この撮像装置でユーザの行動を撮影する。そして撮像した画像のフレーム間比較またはフレーム内比較を行い、ユーザの移動方向や移動量などを検出することにより、ユーザの行動を把握し、ユーザの余裕度を推定するようにしてもよい。
【0045】
制御部4は、チューナ2を介して受信したコンテンツやHDD9に蓄積したコンテンツ(映像データ、音声データ)等について、センサデータ受信部33が受信したこれらのセンサデータに基づき、情報処理部および情報出力部を通して後述する所定の処理が行われるように制御する。そして所定の処理がなされた映像データや音声データを出力部へ出力させることにより、ユーザに提示する情報の提示手法(提示形態)を適応的に変更する。
【0046】
なお、本実施の形態のシステムは、表示部14と表示装置21を含むように構成されているが、これらは情報処理装置の外部に設置してもよい。また、このシステムは、出力処理部13と出力処理部20を備えているが、これらはいずれか一方のみであってもよい。例えば、表示装置21は、表示部21A〜21IからなるいわゆるスケーラブルTVシステムであるが、表示部14がその表示画面を複数の表示領域に分割して表示できるものである場合、表示部14を表示装置21の代わりとして使用してもよい。また、その逆に表示装置21だけを使用するようにしてもよく、この場合は、拡大・縮小処理部16と、音量調整部17と、再生速度調整部18と、テロップ貼付部19と、出力処理部20は不要となる。なお、スピーカ15は表示部14に対応して設けられているが、複数の表示部14を設ける場合にそれに対応する台数のスピーカを設けるかどうかは任意に設計できる。
【0047】
次に、図4〜図10を参照して、コンテンツ(情報)の各表示形態の例を説明する。
以下の例では、加速度センサ検出部31で得られる加速度データに基づいて、コンテンツに所定の処理を行う場合を例に説明するが、他のセンサデータにも同様に適用することができる。
【0048】
図4は、加速度センサ検出部31で検出された加速度データの加速度変化が小さい場合の例を示すものである。任意の表示部の画面40には、日本各地の積雪に関して文字情報を含むニュース映像が表示されている。この例では、加速度変化が小さいため通常放送のままである。
【0049】
図5は、加速度センサ検出部31で検出された加速度データの加速度変化が大きい場合に、音量を大きくする例を示したものである。任意の表示部の画面40には、図4と同様に日本各地の積雪に関して文字情報を含むニュース映像が表示されているが、本例では、「日本海側で雪降り続く」という文字情報41を読み上げる際の音声の音量を調節する。なお、文字情報の読み上げの技術は周知技術を用いて行うことができる。例えばテロップ抽出部7により画像信号から文字情報を抽出し、その内容を制御部4が解析して音声処理部20を通じて音声信号として出力することにより、文字情報の読み上げが実現できる。
【0050】
このようにすることにより、ユーザは、積雪の様子等のニュースの内容を離れた場所から音声で聞くことができるようになり、余裕度が小さく画面40を見ることのできないときでもニュースの内容を把握することができる。
【0051】
図6は、情報提示形態として音量を調節する場合の再生処理を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS1において、センサデータ受信部33は、加速度センサ検出部31から加速度データを受信し、ステップS2の処理へ進む。
【0053】
ステップS2において、制御部4は、センサデータ受信部33から加速度データを取得し、その加速度変化がある閾値TH以上か否かを判定する。加速度変化がある閾値THより小さいと判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。この場合、音量は通常のままである。
【0054】
ステップS3において、ステップS2の判定処理で加速度変化が閾値より大きいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が小さいと判断して音量調整部17に制御データを送信して音声データ(例えば、文字情報41の内容)の音声ボリュームを上げるよう制御する。この処理が終了後、ステップS4の判定処理に進む。この音量をユーザが予め設定できるようにしておくと、より高効率の情報取得が実現できるとともに、使い勝手が向上する。
【0055】
ステップS4において、制御部4は、加速度変化がある閾値THより小さいか否かを判定する。加速度変化がある閾値TH以上であると判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。この場合、音量は大きい状態である。
【0056】
ステップS5において、ステップS4の判定処理で加速度変化が閾値より小さいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が大きいと判断して音量調整部17に制御データを送信して音声データの音声ボリュームを元に戻すよう制御する。この処理が終了後、音量調節を伴う再生処理を終了する。
【0057】
加速度センサ検出部31による加速度データの取得は所定のタイミングまたは定期的に行われる。よって、上記一連の再生処理を終了後、ある時間が経過すると図6に示すフローチャートが再起動し、当該音声調節を伴う再生処理を繰り返す。
【0058】
このように構成したことにより、ユーザの余裕度、すなわちユーザの行動の様子(状況)に応じて提供する情報(コンテンツ)を適応的に変化させることができる。
【0059】
なお、この例では、音量を大きくする調整の場合について説明をしたが、より小さい値に設定した閾値と加速度変化とを比較し、加速度変化がその閾値より小さい場合には、音量を小さくするようにしてもよい。また、画面内の文字情報を読み上げる際の音声の音量を調整したが、後述する所定の画面に表示されたテロップを読み上げる際の音量を調節することもできる。また、通常の音声すなわち画面内の番組出演者や背景等の音声の音量を調節するようにしてもよいことは勿論である。
【0060】
さらに、この例では、表示装置21に情報を提示するようにしたが、表示部14に提示するようにしてもよいことは勿論である。
【0061】
図7は、加速度センサ検出部31で検出された加速度データの加速度変化が大きい場合に、テロップを子画面表示する例を示したものである。図7(a)に示す任意の表示部の画面40aには、図4と同様に日本各地の積雪に関して文字情報を含むニュース映像が表示されているが、本例では、「十日町・・・2m79cm/長岡・・・1m30cm」という文字情報42をテロップ43として表示している。図7(b)は、放送番組が変わった後の画面40bにテロップ43を表示している様子を表している。
【0062】
このようにすることにより、特徴画像のみ抽出されて所定の子画面にテロップ表示されるので、ユーザは、積雪の様子等のニュースの内容を容易に視認できるようになり、余裕度が小さくゆっくり画面40aを見ることのできないときでもニュースの内容を把握することができる。また、積雪情報を伝える映像(図7(a))から報道フロアに場面が切り替わった後の映像(図7(b))に積雪情報のテロップ43を流すことにより、ユーザは、図7(a)に示す積雪情報を伝える場面を見逃したとしても、後から積雪情報を知ることができる。
【0063】
図8は、情報提示形態としてテロップを子画面に貼り付ける場合の再生処理を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS11において、センサデータ受信部33は、加速度センサ検出部31から加速度データを受信し、ステップS12の処理へ進む。
【0065】
ステップS12において、制御部4は、センサデータ受信部33から加速度データを取得し、その加速度変化がある閾値TH以上か否かを判定する。加速度変化がある閾値THより小さいと判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。
【0066】
ステップS13において、ステップS12の判定処理で加速度変化が閾値より大きいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が小さいと判断してテロップ抽出部7に制御データを送信して提示すべき情報(コンテンツ)の映像データからテロップを抽出するよう制御する。この処理が終了後、ステップS14の処理に進む。
【0067】
ステップS14において、テロップ制御部7は、抽出したテロップ(例えば、文字情報42の内容)をHDD9に蓄積し、次のステップS15の処理に進む。
【0068】
ステップS15において、制御部4は、加速度変化がある閾値THより小さいか否かを判定する。加速度変化がある閾値TH以上であると判定された場合にはステップS13の処理に戻り、テロップの抽出を継続する。
【0069】
ステップS16において、ステップS15の判定処理で加速度変化が閾値より小さいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が大きくユーザが表示部を閲覧できる状態であると判断し、テロップ貼付部19に制御データを送信してテロップを所定の位置の子画面(図7(a)参照)に貼り付けるよう制御する。このとき、蓄積されていたテロップが子画面の所定箇所にまとめて表示される。この処理が終了後、ステップS17の処理へ進む。
【0070】
ステップS17において、制御部4は、テロップを例えば子画面43に貼り付けてからの経過時間が閾値TH以上であるか否かを判定する。経過時間が閾値THより短いと判定された場合にはステップS16の処理に戻り、子画面へのテロップ表示を継続する(例えば(図7(b)参照)。このようにテロップ表示の経過時間を考慮するようにした場合、ユーザが忙しかったり表示装置21(または表示部14)のある部屋とは別の場所にいたりして提示されたテロップを見られない状況だったとしても、余裕ができたところで提示されたテロップを確認することができる。この経過時間の閾値をユーザが予め設定できるようにしておくと、より効率のよい情報取得が実現できるとともに、使い勝手が向上する。
【0071】
一方、経過時間が閾値TH以上であると判定された場合には、テロップの子画面貼付処理を伴う再生処理を終了する。
【0072】
加速度センサ検出部31による加速度データの取得は所定のタイミングまたは定期的に行われる。よって、上記一連の再生処理を終了後、ある時間が経過すると図8に示すフローチャートが再起動し、当該テロップ子画面表示を伴う再生処理を繰り返す。
【0073】
このように構成したことにより、ユーザの余裕度、すなわちユーザの行動の様子(状況)に応じて提供する情報(コンテンツ)を適応的に変化させることができる。
【0074】
なお、この例では、表示装置21に情報を提示するようにしたが、表示部14に提示するようにしてもよいことは勿論である。
【0075】
図9は、加速度センサ検出部31で検出された加速度データの加速度変化が大きい場合に、テロップを別画面表示する例を示したものである。図9(a)に示す表示装置21の任意の表示部の画面40には、図4と同様に日本各地の積雪に関して文字情報を含むニュース映像が表示されているが、別画面44にはあるニュース報道の場面が表示されている。一方、図9(b)に示す表示装置21の任意の表示部の画面40には、図4と同様に日本各地の積雪に関して文字情報を含むニュース映像が表示されているが、別画面45には、図9(a)に示したニュース報道の場面ではなく「十日町・・・2m79cm/長岡・・・1m30cm」という文字情報42をテロップとして表示している。
【0076】
このようにすることにより、特徴画像のみ抽出されて別画面にテロップ表示されるので、ユーザは、積雪の様子等のニュースの内容を容易に視認できるようになり、余裕度が小さくゆっくり画面40aを見ることのできないときでもニュースの内容を把握することができる。また、別画面の全面にテロップを表示することにより、文字が大きく余裕のないときでもユーザの目にとまりやすくなる。
【0077】
図10は、情報提示形態としてテロップを別画面に貼り付ける場合の再生処理を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS21において、センサデータ受信部33は、加速度センサ検出部31から加速度データを受信し、ステップS22の処理へ進む。
【0079】
ステップS22において、制御部4は、センサデータ受信部33から加速度データを取得し、その加速度変化がある閾値TH以上か否かを判定する。加速度変化がある閾値THより小さいと判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。
【0080】
ステップS23において、ステップS22の判定処理で加速度変化が閾値より大きいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が小さいと判断してテロップ抽出部7に制御データを送信して提示すべき情報(コンテンツ)の映像データからテロップを抽出するよう制御する。この処理が終了後、ステップS24の処理に進む。
【0081】
ステップS24において、テロップ制御部7は、抽出したテロップ(例えば、文字情報42の内容)をHDD9に蓄積し、次のステップS25の処理に進む。
【0082】
ステップS25において、制御部4は、加速度変化がある閾値THより小さいか否かを判定する。加速度変化がある閾値TH以上であると判定された場合にはステップS23の処理に戻り、テロップの抽出を継続する。
【0083】
ステップS26において、ステップS25の判定処理で加速度変化が閾値より小さいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が大きくユーザが表示部を閲覧できる状態であると判断してテロップ貼付部19に制御データを送信してテロップを所定の別画面(図9(a)参照)に貼り付けるよう制御する。このとき、蓄積されていたテロップが別画面の所定箇所にまとめて表示される。この処理が終了後、ステップS27の処理へ進む。
【0084】
ステップS27において、制御部4は、テロップを例えば別画面45に貼り付けてからの経過時間が閾値TH以上であるか否かを判定する。経過時間が閾値THより短いと判定された場合にはステップS26の処理に戻り、別画面へのテロップ表示を継続する(例えば(図9(b)参照)。図8に示したテロップ子画面貼付の場合と同様に、この経過時間の閾値をユーザが予め設定できるようにしておくと、より効率のよい情報取得が実現できるとともに、使い勝手が向上する。
【0085】
一方、経過時間が閾値THより長いと判定された場合には、テロップの別画面貼付処理を伴う再生処理を終了する。
【0086】
加速度センサ検出部31による加速度データの取得は所定のタイミングまたは定期的に行われる。よって、上記一連の再生処理を終了後、ある時間が経過すると図10に示すフローチャートが再起動し、当該テロップ別画面貼付を伴う再生処理を繰り返す。
【0087】
このように構成したことにより、ユーザの余裕度、すなわちユーザの行動の様子(状況)に応じて提供する情報(コンテンツ)を適応的に変化させることができる。
【0088】
次に、図11のフローチャートを参照して、情報提示形態として提示速度調整を行う場合の再生処理を説明する。
【0089】
ステップS31において、センサデータ受信部33は、加速度センサ検出部31から加速度データを受信し、ステップS32の処理へ進む。
【0090】
ステップS32において、制御部4は、センサデータ受信部33から加速度データを取得し、その加速度変化がある閾値TH以上か否かを判定する。加速度変化がある閾値THより小さいと判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。この場合、再生速度は通常のままである。
【0091】
ステップS33において、ステップS32の判定処理で加速度変化が閾値より大きいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が小さいと判断して再生速度調整部18に制御データを送信してコンテンツの再生速度を遅くするよう制御する。この処理が終了後、ステップS34の判定処理に進む。この再生速度をユーザが予め設定できるようにしておくと、より効率のよい情報取得が実現できるとともに、使い勝手が向上する。
【0092】
ステップS34において、制御部4は、加速度変化がある閾値THより小さいか否かを判定する。加速度変化がある閾値TH以上であると判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。この場合、再生速度は遅い状態である。
【0093】
ステップS35において、ステップS34の判定処理で加速度変化が閾値より小さいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が大きいと判断して再生速度調整部18に制御データを送信して再生速度を元に戻すよう制御する。この処理が終了後、再生速度調節を伴う再生処理を終了する。
【0094】
加速度センサ検出部31による加速度データの取得は所定のタイミングまたは定期的に行われる。よって、上記一連の再生処理を終了後、ある時間が経過すると図11に示すフローチャートが再起動し、当該提示速度調整を伴う再生処理を繰り返す。
【0095】
このように構成したことにより、ユーザの余裕度、すなわちユーザの行動の様子(状況)に応じて提供する情報(コンテンツ)を適応的に変化させることができる。
【0096】
なお、この例では、表示装置21に情報を提示するようにしたが、表示部14に提示するようにしてもよいことは勿論である。
【0097】
次に、図12のフローチャートを参照して、情報提示形態としてダイジェスト再生を行う場合の再生処理を説明する。
【0098】
ステップS41において、センサデータ受信部33は、加速度センサ検出部31から加速度データを受信し、ステップS42の処理へ進む。
【0099】
ステップS42において、制御部4は、センサデータ受信部33から加速度データを取得し、その加速度変化がある閾値TH以上か否かを判定する。加速度変化がある閾値THより小さいと判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。この場合、コンテンツは通常のままである。
【0100】
ステップS43において、ステップS42の判定処理で加速度変化が閾値より大きいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が小さいと判断してダイジェスト作成部8に制御データを送信してコンテンツのダイジェストを作成するよう制御する。作成したダイジェスト版のコンテンツは一時HDD9に蓄積する。この処理が終了後、ステップS44の判定処理に進む。
【0101】
ステップS44において、制御部4は、加速度変化がある閾値THより小さいか否かを判定する。加速度変化がある閾値TH以上であると判定された場合にはそのまま判定処理を継続する。
【0102】
ステップS45において、ステップS44の判定処理で加速度変化が閾値より小さいと判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が大きいと判断してHDD9に蓄積したダイジェスト版のコンテンツを情報処理部および出力処理部20を通じて表示装置21へ出力し、ダイジェスト再生するよう制御する。この処理が終了後、ダイジェスト再生の場合の再生処理を終了する。
【0103】
加速度センサ検出部31による加速度データの取得は所定のタイミングまたは定期的に行われる。よって、上記一連の再生処理を終了後、ある時間が経過すると図12に示すフローチャートが再起動し、当該ダイジェストによる再生処理を繰り返す。
【0104】
このように構成したことにより、ユーザの余裕度、すなわちユーザの行動の様子(状況)に応じて提供する情報(コンテンツ)を適応的に変化させることができる。
【0105】
なお、ダイジェスト再生を行う際、複数の画面のそれぞれにリアルタイムの画像(番組)とダイジェストをそれぞれ表示するようにしてもよい。この例では、表示装置21に情報を提示するようにしたが、表示部14に提示するようにしてもよいことは勿論である。例えばある画面にダイジェストのみを表示し、リアルタイムの画像を表示しないようにしてもよい。さらに、ユーザが余裕のできたときに送信機5を操作して、作成されたダイジェストの再生を行うようにしてもよい。
【0106】
次に、図13〜図15を参照して、複数の表示部を有する場合、すなわち表示装置20を利用した映像データの拡大処理および縮小処理を伴う再生処理を説明する。
【0107】
図13は、加速度センサ検出部31で検出された加速度データの加速度変化が大きい場合に、表示装置21の各表示部を利用して表示する番組数を減少させる例を示したものである。本例では、図13(a)→図13(b)→図13(c)の順に、画像が拡大表示されている。図13(a)では、画面50に9つの小画像50A〜50Iが表示され、図13(b)では、画面50に1つの中画像50D1と小画像50C,50F,50G〜50Iが表示され、そして図13(c)では、画面50に1つの大画像50D2が表示されている。
【0108】
このようにすることにより、ユーザの状態に応じて画像が大きく表示されるとともに表示番組数が減少するので、ユーザは、表示内容を容易に視認できるようになり、余裕度が小さくゆっくり画面50を見ることのできないときでも番組の内容を確実に把握することができる。
【0109】
拡大表示する番組(放送チャンネル)または表示領域(この例では、小画像50A)について、その優先度を予め決めておく。例えば、番組(放送チャンネル)等の選択を促すメニュー画面を表示し、拡大表示する番組(放送チャンネル)または表示領域を予めユーザに選択させてHDD9等に登録しておく。あるいは、過去の視聴履歴などから拡大表示する番組(放送チャンネル)を決定するようにしてもよい。
【0110】
図14は、図13示した場合と逆の場合であり、加速度センサ検出部31で検出された加速度データの加速度変化が小さい場合に、表示装置21の各表示部を利用して表示する番組数を増加させる例を示したものである。本例では、図14(a)→図14(b)→図14(c)の順に、画像が縮小表示されている。図14(a)では、画面50に1つの大画像50D2が表示され、図14(b)では、画面50に1つの中画像50D1と小画像50C,50F,50G〜50Iが表示され、そして図14(c)では、画面50に9つの小画像50A〜50Iが表示されている。
【0111】
このようにすることにより、ユーザの状態に応じて画像が小さく表示されるとともに表示番組数が増加するので、ユーザは、余裕度が大きくゆっくり画面50を見ることのできるときにはより多くの情報が得られるようになり、多くの情報を取得することができる。
【0112】
図15のフローチャートを参照して、情報提示形態として拡大・縮小処理を伴う場合の再生処理を説明する。ここで、現在の情報の提示形態が、図13(b)または図14(b)に示す状態であるとする。
【0113】
ステップS51において、センサデータ受信部33は、加速度センサ検出部31から加速度データを受信し、ステップS52の処理へ進む。
【0114】
ステップS52において、制御部4は、HDD9または図示しない半導体メモリなどから、現在の情報の表示形態に適した加速度変化の大きさの閾値TH1(拡大)、閾値TH2(縮小)を取得する。この処理が終了後、ステップS53の判定処理に進む。
【0115】
ステップS53において、制御部4は、センサデータ受信部33から取得した加速度変化が閾値TH1(拡大)以上か否かを判定する。加速度変化が閾値TH1以上であると判定した場合には、ステップS54の処理に進む。一方、加速度変化が閾値TH1より小さいと判定した場合には、ステップS55の判定処理に進む。
【0116】
ステップS54において、ステップS53の判定処理で加速度変化が閾値TH1以上であると判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が小さいと判断して拡大・縮小処理部16に制御データを送信し、コンテンツの再生時の画像サイズを拡大するよう制御する。この画像サイズが拡大処理されたコンテンツが出力処理部20の画像処理部20aを通じて表示装置21に出力され、複数の表示部を使用して拡大表示が行われる(図13(b)→図13(c))。この拡大表示に伴い番組数が減少する。この処理が終了後、拡大・縮小処理を伴う再生処理を終了する。
【0117】
ステップS55において、制御部4は、加速度変化が閾値TH2(縮小)以下か否かを判定する。加速度変化が閾値TH2以下ではないと判定された場合には、拡大・縮小処理を伴う再生処理を終了する。一方、加速度変化が閾値TH2以下であると判定した場合には、ステップS56の処理に進む。
【0118】
ステップS56において、ステップS55の判定処理で加速度変化が閾値TH2以下であると判定された場合、制御部4は、ユーザの余裕度が大きいと判断して拡大・縮小処理部16に制御データを送信し、コンテンツの再生時の画像サイズを縮小して複数の表示部に各々表示するよう制御する。この画像サイズが縮小処理されたコンテンツが出力処理部20の画像処理部20aを通じて表示装置21に出力され、複数の表示部の各々に縮小表示が行われる(図14(b)→図14(c))。この縮小表示に伴い番組数が増加する。この処理が終了後、拡大・縮小処理を伴う再生処理を終了する。
【0119】
加速度センサ検出部31による加速度データの取得は所定のタイミングまたは定期的に行われる。よって、拡大・縮小処理を伴う一連の再生処理を終了後、ある時間が経過すると図15に示すフローチャートが再起動し、拡大処理または縮小処理の実施の有無が判定される。したがって、図13(a)→図13(b)→図13(c)または図14(a)→図14(b)→図14(c)のように、ユーザの余裕度に応じて表示形態が適応的に変化する。
【0120】
このように構成したことにより、ユーザの余裕度、すなわちユーザの行動の様子(状況)に応じて提供する情報(コンテンツ)を適応的に変化させることができる。
【0121】
なお、上述例では現在の情報の提示形態を、図13(b)または図14(b)に示す状態と想定したが、現在の提示形態が縮小表示または拡大表示の限度である場合であっても同様に適用できる。例えば、現在の情報の提示形態が図14(a)に示す状態というのは拡大表示の限度であるが、この表示形態に適した閾値TH1(拡大)、閾値TH2(縮小)のうち、閾値TH1(拡大)を非常に大きい値とすることによりこれ以上の拡大処理を実行しないようにする。他の例としては、制御部4が閾値TH2(縮小)のみを取得し、拡大表示のための判定処理(ステップS53)を飛ばして、縮小表示のための判定処理(ステップS55)のみを行うようにしてもよい。
【0122】
また、この例では、表示装置21に情報を提示するようにしたが、表示部14に提示するようにしてもよいことは勿論である。
【0123】
以上の述べたように、人が保持する加速度センサによる加速度変化や生体情報、あるいは画像情報などによって、人の状況を判断し、例えば連続して映像を視聴可能なシステムにおいては、その映像再生のスピード調整や、音量調整、テロップを抜き出して大きく表示させる等の処理を行う。また、複数の映像提示装置が設置されているシステムにおいては、画像を拡大してマルチ画面表示させるなどの仕組みを用い、ユーザの状況に応じて適応的に情報を取得しやくすることができる。
【0124】
なお、上述した実施の形態では、センサデータ受信部で受信したセンサデータに基づいてユーザの余裕度を判定するようにしたが、送信機5を利用してユーザが余裕度を自己申告するようにしてもよい。制御部4は、リモコン受信部6を介して受信したユーザの自己申告による余裕度に基づいて、上述した情報の提示形態を適応的に切り換える。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の情報処理装置が適用されたシステムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】加速度の測定データ例を示すグラフである。
【図3】心拍数の測定データ例を示すグラフである。
【図4】加速度変化が小さい場合の例(通常放送)を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る加速度変化が大きい場合の例(音量大)を示す図である。
【図6】図5に示した情報提示形態を実現するための再生処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態に係る加速度変化が大きい場合の例(テロップ子画面表示)を示す図である。
【図8】図7に示した情報提示形態を実現するための再生処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施の形態に係る加速度変化が大きい場合の例(テロップ別画面表示)を示す図である。
【図10】図9に示した情報提示形態を実現するための再生処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態に係る提示速度調整の場合の再生処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態に係るダイジェスト再生の場合のフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態に係る加速度変化が大きい場合の例(番組数増)を示す図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る加速度変化が大きい場合の例(番組数減)を示す図である。
【図15】図13および図14に示した情報提示形態を実現するための再生処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
4…制御部、6…リモコン受信部、7…テロップ抽出部、8…ダイジェスト作成部、9…HDD、10,17…音量調整部、11,18…再生速度調整部、12,19…テロップ貼付部、13,20…出力処理部、13a,20a…画像処理部、13b,20b…音声処理部、14…表示部、15…スピーカ、16…拡大・縮小処理部、21…表示装置、21A〜21I…表示部、31…加速度センサ検出部、33…センサデータ受信部、40…画面、40a…親画面、41,42…文字情報、43…テロップ、44,45…画面、50…画面、50A〜50I…小画像、50D1…中画像、50D2…大画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの余裕度を示す情報を取得する余裕度取得部と、
前記余裕度取得部が取得した前記ユーザの余裕度に応じて、現在提示している情報の提示形態を決定する制御部と、
前記制御部による制御に基づき前記情報に対し所定の処理を行う情報処理部と、
前記情報処理部で処理された情報を出力部へ出力する出力処理部と、
を含む
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザの余裕度を示す情報は当該ユーザの現在の行動状態を反映した情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザの行動状態を検出するセンサで検出されたセンサデータを受信するセンサデータ受信部と、をさらに含み、
前記制御部は、前記センサデータ受信部が前記センサから受信した前記ユーザのセンサデータに基づいて前記ユーザの現在の余裕度を推定し、現在提示している情報の提示形態を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記センサはユーザの動きの加速度を検出する加速度センサであって、
前記制御部は、前記センサデータ受信部が前記加速度センサから受信した前記ユーザの加速度データに基づいて前記ユーザの現在の余裕度を推定し、現在提示している情報の提示形態を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記センサはユーザの生体情報を検出する生体情報センサであって、
前記制御部は、前記センサデータ受信部が前記生体情報センサから受信した前記ユーザの生体情報データに基づいて前記ユーザの現在の余裕度を推定し、現在提示している情報の提示形態を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
操作手段からの操作信号を受信する操作信号受信部をさらに含み、
前記操作信号受信部は、前記ユーザの余裕度を示す情報として前記操作手段を利用したユーザの申告に基づく操作信号を受信し、前記制御部へ供給する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理部は、情報に含まれる音声データの音量を調整する音量調整部を含み、
前記音量調整部は、前記制御部による制御に基づいて前記情報に含まれる音声データに対し音量調整処理を行い、前記出力処理部は、前記音量調整された音声データをスピーカに供給する
ことを特徴とする請求項3または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
映像データからテロップを抽出するテロップ抽出部を、さらに含み、
前記テロップ抽出部は、前記制御部による制御に基づいて前記情報に含まれる映像データからテロップを抽出し、前記情報処理部は、前記テロップを含む情報を前記出力処理部へ供給する
ことを特徴とする請求項3または6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理部は、テロップを映像データの所定の位置に貼り付け処理するテロップ貼付部を含み、
前記テロップ貼付部は、前記抽出したテロップを前記映像データに基づく映像に対する子画面として表示されるよう貼付処理する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報処理部は、テロップを映像データの所定の位置に貼り付け処理するテロップ貼付部を含み、
前記テロップ貼付部は、前記抽出したテロップを前記映像データに基づく映像に対して別画面として表示されるよう貼付処理する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理部は、前記テロップ抽出部で抽出された前記テロップの内容を音声データに変換し、前記出力処理部は、前記音声データをスピーカに供給する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報処理部は、前記情報の再生速度を調整する再生速度調整部を含み、
前記再生速度調整部は、前記制御部による制御に基づいて前記情報の再生速度を調整し、前記出力処理部へ供給する
ことを特徴とする請求項3または6に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記情報処理部は、前記情報に含まれる映像データのダイジェストを作成するダイジェスト作成部を含み、
前記ダイジェスト作成部は、前記制御部による制御に基づいて前記情報のダイジェストを作成し、前記出力処理部へ供給する
ことを特徴とする請求項3または6に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記情報処理部は、複数の出力部を利用して前記情報に含まれる映像データに対し拡大処理または縮小処理を行う拡大・縮小処理部を含み、
前記拡大・縮小処理部は、前記制御部による制御に基づいて前記情報に含まれる映像データの画面サイズの拡大または縮小処理を行い、前記複数の出力部に同時に表示されるコンテンツ数を変更する
ことを特徴とする請求項3または6に記載の情報処理装置。
【請求項15】
ユーザに関する情報に基づいて出力部に情報を提示する情報処理装置の情報処理方法において、
ユーザの余裕度を示す情報を取得するステップと、
前記取得した前記ユーザの余裕度に応じて、現在提示している情報の提示形態を決定するステップと、
前記決定された提示形態に基づいて前記現在提示している情報に対し所定の処理を行うステップと、
前記所定の処理がされた情報を前記出力部へ出力するステップと、
を含む
ことを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−187117(P2009−187117A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24218(P2008−24218)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】