説明

情報処理装置および機能制限解除方法

【課題】所定の機能の使用制限を不正に解除することが困難で、かつ、その使用制限の解除に用いる情報の管理が簡便な情報処理装置および機能制限解除方法を提供する。
【解決手段】所定の機能が使用制限された状態で内蔵された情報処理装置(画像処理装置10)において、第1解除情報と第2解除情報とを入手する。ここで、第2解除情報は、第1解除情報に所定の変換処理を施すことにより生成されている。解除情報の入手後、第2解除情報に対して前記した変換処理の逆変換を施して得られた第3情報と解除第1解除情報とを比較し、その比較結果が一致した場合に所定の機能の使用制限を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機能を使用制限された状態で内蔵する情報処理装置等に係わり、特に、この使用制限を解除する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機にスキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などを統合した複合機と呼ばれる画像処理装置は、ユーザのニーズに合わせて、それぞれの機能が個別に販売されることがある。
【0003】
しかしながら、販売される機能に応じて画像処理装置の製造ラインを別々にしなければならないとすると、装置を製造する効率が落ちてしまう。そこで、すべての機能に対応した機器を予め組み込んで画像処理装置を製造し、ユーザが購入しなかった機能については、その機器が作動できないようにソフトウェア的な使用制限をかけておくことが考えられる。
【0004】
この手法によれば、ユーザが購入していない機能が後から必要になった場合でも、使用制限を解除するだけの簡単な操作でこれらの機能(以下、オプション機能という。)を使用することが可能になる。
【0005】
オプション機能の使用制限は、その機能に係わる機器を作動させる作動プログラムを使用できないようにすることなどにより実現できる。あるプログラムを使用できないようにする技術として、たとえば記憶手段の手前に制御回路を設け、記憶手段内部のプログラムへのアクセスを制限する技術が提案されている。この制御回路は、外部からパスワードの入力を受け付け、このパスワードが予め記憶されている照合用パスワードと一致した場合にのみ記憶手段内部のプログラムへのアクセスを許可するようになっている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開平6−309529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
予め記憶させておいた照合用パスワードと一致するパスワードを入力してオプション機能の使用制限を解除する場合には、画像処理装置メーカなどで入力用のパスワードを管理する必要が生じ、その管理が煩雑になる。この点、たとえばすべての画像処理装置の各オプション機能でパスワードを共通にしておけば、パスワードの管理は煩雑にならずに済む。しかし、1回パスワードが漏洩しただけで、簡単に複製されてしまい、他の装置の使用制限の解除に不正に流用されてしまうおそれがあるため、セキュリティ上の問題が大きい。
【0008】
一方、各画像処理装置のオプション機能毎に固有のパスワードを設定すれば、使用制限の解除される対象が限定されるので、このような不正な流用を防止することができる。しかし、この場合には膨大な数のパスワードを管理する必要が生じてしまう。特に、すべてのユーザがオプション機能を購入するわけではないので、一部のパスワードは最終的に使用されずパスワード管理に要した労力と時間とが無駄になってしまうという問題が生じていた。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、所定の機能の使用制限を不正に解除することが困難で、かつ、その使用制限の解除に用いる情報の管理が簡便な情報処理装置および機能制限解除方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の目的は、以下のいずれかの構成によって達成される。
【0011】
(1)所定の機能を使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第2入手手段で入手した第2解除情報に所定の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段で得られた第3解除情報と前記第1入手手段で入手した第1解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に、前記所定の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0012】
上記(1)に係わる発明によれば、第1解除情報に所定の変換処理を施すことにより、第2解除情報が生成されている。情報処理装置は所定の機能(オプション機能)を使用制限された状態で内蔵しており、この使用制限を解除するために第1解除情報と第2解除情報とを入手する。そして、第2解除情報に所定の変換処理の逆変換を施して得られた第3解除情報が第1解除情報と一致した場合にオプション機能の使用制限を解除する。
【0013】
変換処理は、所定の規則に従って、ある情報をこれに対応する別の情報に変換する処理である。また、逆変換は、変換処理を施して得た情報を元の情報に戻す処理である。情報処理装置は、第2解除情報に所定の逆変換を施すことによって、第2解除情報が第1解除情報から生成されたものであるか否かを確認する。そして、第2解除情報が第1解除情報から生成されたものであるという、2つの解除情報の間に変換・逆変換の対応関係を確認できた場合に限り使用制限を解除する。
【0014】
このように情報処理装置は、2つの解除情報が変換・逆変換の対応関係を有するか否かに応じて使用制限の解除が可能か否かを判断する。このため、この対応関係を発生させる変換処理や、対応関係の有無を確認する逆変換の内容を秘密にしておけば、不正に生成した解除情報を使って使用制限が解除されてしまう事態を防止することができる。また、パスワード入力による解除と異なり、照合用のパスワードが予め情報処理装置内に記憶されていないので、情報処理装置メーカなどでこれに対応する入力用のパスワードを管理する必要がない。さらに、解除情報は、必要なときに必要な数だけ生成することができるので、予め解除情報を生成しておく必要もなく、解除情報の管理の手間がさらに軽減される。
【0015】
(2)第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
使用制限を解除する機能の指定を受ける指定手段と、
前記指定手段で第1の機能が指定された場合は、前記第2入手手段で入手した第2解除情報に第1の変換処理の逆変換を施し、前記指定手段で第2の機能が指定された場合は、前記第2解除情報に第2の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段で得られた第3解除情報と前記第1入手手段で入手した第1解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合は、前記指定手段で指定された機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0016】
上記(2)に係わる発明によれば、使用制限された2つのオプション機能を有する情報処理装置において、第1解除情報と、第2解除情報に指定された機能に応じた逆変換を施して得られた第3解除情報とが一致した場合に、指定されたオプション機能の使用制限を解除する。第2解除情報は、第1解除情報に使用制限を解除する機能に応じて異なる変換処理を施して生成されているので、2つの解除情報の間の変換・逆変換の対応関係はオプション機能毎に異なる。そこで、入手した2つの解除情報が指定されたオプション機能に応じた変換・逆変換の対応関係を有しているか否かを確認することにより、2つのオプション機能の使用制限を個別に解除することができる。これにより、2つのオプション機能を個別に販売することが可能となり、ユーザの選択肢が広がり利便性が向上する。
【0017】
また、解除情報を生成する処理に注目すると、変換処理の内容を変更するだけで、同一の第1解除情報からでも、それぞれのオプション機能に応じた異なる第2解除情報を生成することができる。
【0018】
なお、オプション機能の数が3以上の場合であっても、それらから選択した2つのオプション機能に着目すれば第1の機能と第2の機能とを内蔵しているものとみなせる。したがって、本発明を3以上のオプション機能を有する情報処理装置に適用して、それぞれの機能の使用制限を個別に解除することも可能である。
【0019】
(3)第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第2入手手段で入手した第2解除情報に第1の変換処理の逆変換もしくは第2の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記第1入手手段で入手した第1解除情報と、前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた第3解除情報もしくは前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた第3解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1解除情報と前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は、前記第1の機能の使用制限を解除し、前記第1解除情報と前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は、前記第2の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0020】
上記(3)に係わる発明によれば、使用制限された2つのオプション機能を内蔵する情報処理装置において、オプション機能に応じた2つの逆変換を個別に第2解除情報に施して得られた第3解除情報を、第1解除情報とそれぞれ比較する。そして、第1解除情報と第3解除情報とが一致した場合には、一致した結果の得られた逆変換に対応するオプション機能の使用制限を解除する。各オプション機能に対応する逆変換を試みて、その結果に応じて使用制限を解除する機能(以下、解除対象という。)を自動的に選択するので、解除対象の指定が不要になる。これにより、入力した解除情報では解除できない解除対象を指定してしまうなどの誤操作が発生せず、操作性が向上する。
【0021】
(4)第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して生成された第1解除情報を入手する第1入手手段と、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して生成された第2解除情報を入手する第2入手手段と、
使用制限を解除する機能の指定を受ける指定手段と、
前記指定手段で第1の機能が指定された場合は、前記第1入手手段で入手した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換を施すと共に前記第2入手手段で入手した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換を施し、前記指定手段で第2の機能が指定された場合は、前記第1解除情報に前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に前記第2入手手段で入手した第2解除情報に前記第4の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段でそれぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第3解除情報と前記第4解除情報とが一致した場合は、前記指定手段で指定された機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0022】
上記(4)に係わる発明によれば、第1解除情報と第2解除情報とのそれぞれが、共通の元情報から生成されている。そして、これらの解除情報を入手し、解除対象の指定を受けて使用制限の解除が可能か否かの判断を行なう。2つの解除情報がそれぞれ異なる変換処理により生成されているので、第1解除情報と第2解除情報との間の変換・逆変換の対応関係を不正に割り出すことがより困難になる。これにより、不正に生成した解除情報を使って使用制限が解除されてしまう危険性をさらに低減できる。
【0023】
(5)第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して生成された第1解除情報を入手する第1入手手段と、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して生成された第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第1入手手段で入手した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換もしくは前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に、前記第2入手手段で入手した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換もしくは前記第4の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段でそれぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第3の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は第1の機能の使用制限を解除し、前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第4の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は第2の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0024】
上記(5)に係わる発明によれば、第1解除情報と第2解除情報とのそれぞれが、共通の元情報から生成されている。そして、これらの解除情報を入手し、解除対象を自動的に選択する。2つの解除情報がそれぞれ異なる変換処理により生成されているので、第1解除情報と第2解除情報との間の変換・逆変換の対応関係を不正に割り出すことがより困難になる。これにより、不正に生成した解除情報を使って使用制限が解除されてしまう危険性をさらに低減できる。
【0025】
(6)所定の機能を使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第1入手手段で入手した第1解除情報に所定の変換処理を施す変換手段と、
前記変換手段で得られた第3解除情報と前記第2入手手段で入手した第2解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第2解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に、前記所定の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0026】
上記(6)に係わる発明によれば、第1解除情報に所定の変換処理を施して得られた第3解除情報と、第2解除情報とが一致した場合に、所定の機能の使用制限を解除する。
【0027】
(7)前記第1入手手段は、当該装置に装着された後付け可能な半導体デバイスから第1解除情報を入手する
ことを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0028】
上記(7)に係わる発明によれば、第1解除情報が半導体デバイスに記憶されており、第1入手手段は、装着されたこの半導体デバイスから第1解除情報を入手する。半導体デバイスは、メモリを内蔵したワンチップマイコンとよばれる小型集積回路やフラッシュメモリなど、どのような種類のものでもよい。半導体デバイスに記憶されている第1解除情報は1つでもよいし複数でもよい。
【0029】
第1解除情報を半導体デバイスに記憶させておくことにより、その半導体デバイスを物理的なキーとすることができる。たとえば、2つの解除情報が漏洩しても、その情報処理装置に適合する半導体デバイスが入手されなければ使用制限は解除されないので、不正な解除行為に対するセキュリティが向上する。さらに、物理的なキーは梱包箱に密封したり、許可された者しか入れない倉庫に保管したりすることが可能であり、内部に記憶されている第1解除情報の機密性を高めることができる。このため、解除情報を不正に取得し難いという点でもセキュリティが向上する。
【0030】
また、2つのオプション機能を内蔵するものでは、入手した2つの解除情報の変換・逆変換の対応関係の違いに応じて、それぞれのオプション機能が個別に解除される。このため、オプション機能毎に異なる種類の半導体デバイスを使ったり、その装着方法(装着位置など)を変更したりして解除対象を区別する必要がない。この結果、半導体デバイスの共通化が可能になるので、その購入コストを低減することができる。また、解除対象毎に半導体デバイスを区別する必要がないので、購入後の管理も容易になる。さらに、半導体デバイスの装着方法も共通化できるので、誤操作による装置の破損なども防止できる。
【0031】
(8)前記第1解除情報は、固有識別情報である
ことを特徴とする(7)に記載の情報処理装置。
【0032】
上記(8)に係わる発明によれば、各半導体デバイスなどを一意に特定する固有識別情報がそれぞれの半導体デバイスに記憶されており、この固有識別情報が第1解除情報として採用されている。固有識別情報は、各々に異なる情報なので、ある第1解除情報と変換・逆変換の対応関係にある第2解除情報はただ1つしか存在しない。このため、複数の半導体デバイスが不正に取得されても、それぞれに記憶されている第1解除情報と変換・逆変換の対応関係にある第2解除情報を取得しない限り使用制限は解除されない。これにより、すべての情報処理装置で第1解除情報を共通にする場合に比べて、不正な解除行為に対するセキュリティを向上させることができる。
【0033】
また、予めシリアルナンバーなどが記憶されている半導体デバイスを購入するようにすれば、独自に固有識別情報を生成したり、これらを各半導体デバイスに記憶させたりする工程を省略することができる。これにより、解除情報を生成する工程を効率化できる。
【0034】
(9)前記第1解除情報を予め記憶手段に記憶しておき、前記第1入手手段からの入手に代えて前記記憶手段に記憶されている第1解除情報を使用する
ことを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0035】
上記(9)に係わる発明によれば、第1解除情報を予め情報処理装置内に記憶しておく。予め記憶されている第1解除情報に対応した第2解除情報を入手するだけで所定の使用制限を解除することができるので、使用制限を解除するための操作が簡単になる。
【0036】
また、第1解除情報として固有識別情報が予め記憶されているものでは、これに対応する唯一の第2解除情報を用いた場合にしか解除対象の使用制限を解除することができない。これにより、1つの第2解除情報を使って、複数台の情報処理装置の使用制限が不正に解除されてしまう事態を防止することができる。
【0037】
特に、解除対象の制御部などに予め付されているシリアルナンバーなどが、メンテナンスや部品交換などのために別途管理されている場合には、これを固有識別情報(第1解除情報)として記憶手段に記憶させておくとよい。別の目的で既に管理されている情報を第1解除情報として利用すれば、これらとは別に独自に第1解除情報を生成し、情報処理装置に記憶させておく必要がなくなる。これにより、独自に第1解除情報を生成したり、第2解除情報を生成するためだけに第1解除情報を長期間管理したりする労力を削減することができる。
【0038】
(10)当該情報処理装置は、画像処理装置である
ことを特徴とする(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0039】
(11)使用制限された機能の1つにファクシミリ機能が含まれる
ことを特徴とする(10)に記載の情報処理装置。
【0040】
(12)第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
所定の機能を使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記入力した第2解除情報に所定の変換処理の逆変換を施すステップと、
前記装置において、前記逆変換して得られた第3解除情報と前記第1解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に前記所定の機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【0041】
(13)第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、使用制限を解除する機能の指定を受けるステップと、
前記装置において、前記ステップで第1の機能が指定された場合は、入力した前記第2解除情報に第1の変換処理の逆変換を施し、前記ステップで第2の機能が指定された場合は、前記第2解除情報に第2の変換処理の逆変換を施すステップと、
逆変換して得られた第3解除情報と、入力した前記第1解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に、前記指定された機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【0042】
(14)第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、入力した前記第2解除情報に第1の変換処理の逆変換もしくは第2の変換処理の逆変換を施すステップと、
逆変換して得られた第3解除情報と、入力した前記第1解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第1解除情報と前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は前記第1の機能の使用制限を解除し、前記第1解除情報と前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は前記第2の機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【0043】
(15)元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して第1解除情報を生成するステップと、
前記生成した第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して第2解除情報を生成するステップと、
前記第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、使用制限を解除する機能の指定を受けるステップと、
前記装置において、前記ステップで第1の機能が指定された場合は、前記入力した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換を施すと共に前記入力した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換を施し、前記ステップで第2の機能が指定された場合は、前記入力した第1解除情報に前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に前記入力した第2解除情報に前記第4の変換処理の逆変換を施すステップと、
前記装置において、それぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較するステップと、
前記比較の結果、前記第3解除情報と前記第4解除情報とが一致した場合は、前記指定された機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【0044】
(16)元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して第1解除情報を生成するステップと、
前記生成した第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して第2解除情報を生成するステップと、
前記第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記入力した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換もしくは前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に、前記入力した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換もしくは前記第4の変換処理の逆変換を施すステップと、
前記装置において、それぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較するステップと、
前記比較の結果、前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第3の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は前記第1の機能の使用制限を解除し、前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第4の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は前記第2の機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【0045】
(17)第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
所定の機能を使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記入力した第1解除情報に所定の変換処理を施すステップと、
前記装置において、前記変換して得られた第3解除情報と前記第2解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第2解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に前記所定の機能の使用制限を解除するステップと
を有することを特徴とする機能制限解除方法。
【0046】
(18)前記第1記憶媒体は、前記装置に着脱可能な半導体デバイスである
ことを特徴とする(12)乃至(17)のいずれか1つに記載の機能制限解除方法。
【0047】
(19)前記第1解除情報は、固有識別情報である
ことを特徴とする(18)に記載の機能制限解除方法。
【0048】
(20)前記第1記憶媒体と前記第2記憶媒体とは同梱される
ことを特徴とする(12)乃至(19)のいずれか1つに記載の機能制限解除方法。
【0049】
上記(20)に係わる発明によれば、第1解除情報を記憶する第1記憶媒体と、第2解除情報を記憶する第2記憶媒体とが一緒に梱包される。変換・逆変換の対応関係を有する第1解除情報と第2解除情報とがばらばらにならずにすむので、保管や運送などに際しての2つの解除情報の取り扱いが容易になる。
【0050】
(21)前記装置は、画像処理装置である
ことを特徴とする(12)乃至(20)のいずれか1つに記載の機能制限解除方法。
【0051】
(22)使用制限された機能の1つにファクシミリ機能が含まれる
ことを特徴とする(21)に記載の機能制限解除方法。
【発明の効果】
【0052】
本発明に係わる情報処理装置、使用制限解除方法によれば、入手した2つの解除情報が変換・逆変換の対応関係を有するか否かを確認して、オプション機能の使用制限が解除可能か否かを判断する。このため、この対応関係を発生させる変換処理や、対応関係の有無を確認する逆変換の内容を秘密にしておけば、不正に生成した解除情報を使って使用制限が解除されてしまう事態を防止することができる。また、パスワード入力による解除と異なり、照合用のパスワードが予め情報処理装置内に記憶されていないので、これに対応する入力用のパスワードを情報処理装置メーカなどで管理する必要がなく解除情報の管理が簡便になる。さらに、解除情報は、必要なときに必要な数だけ生成することができるので、予め解除情報を生成しておく必要もなく、解除情報の管理の手間がさらに軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。ここでは、所定の機能を使用制限された状態で内蔵する情報処理装置の一例として、画像処理装置について説明する。
【0054】
図1は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の概略構成を示している。画像処理装置10は、原稿を読み取ってその複製画像を記録紙上に形成する複写機能、公衆回線を介して画像データを送受信するファクシミリ機能、印刷データに基づいて画像を印刷するプリンタ機能などの複数の機能を備えた、いわゆる複合機として構成されている。また、初期段階では、これらの機能のうち複写機能のみが使用可能であり、ファクシミリ機能とプリンタ機能(以下、オプション機能という。)とは使用制限されている。
【0055】
画像処理装置10は、当該装置全体の統括制御および複写機能に係わる制御を行なうシステム制御部20と、ファクシミリ機能に係わる制御を行なうファクシミリ制御部30と、プリンタ機能に係わる制御を行なうプリンタ制御部40とを備えている。システム制御部20には、原稿を読み取る読取部11と、記録紙上に画像を形成して出力するプリントエンジン12と、ユーザなどからの操作を受け付ける操作制御部13とが接続されている。
【0056】
読取部11は、原稿を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路とを備えたスキャナとして構成されている。ラインイメージセンサには、たとえばCCD(Charge Coupled Device)が使用される。プリントエンジン12は、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。
【0057】
操作制御部13は、表面にタッチパネルを備えた液晶ディスプレイと各種の操作スイッチとから構成され、各種の案内情報や動作状態を表示したり、ユーザなどから各種の操作を受け付けたりする機能を果たす。
【0058】
システム制御部20は、システムCPU(中央演算処理装置)21と、読取処理部22と、2値化処理部23と、メモリ制御部24と、書込処理部25と、圧縮伸張部26と、メモリ27と、HDD(Hard Disc Drive)28とを備えている。これらは複数のバス29を介して接続されている。システムCPU21は、図示省略のROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)に格納されたプログラムにしたがって作動するCPUである。
【0059】
読取処理部22は、読取部11のラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号にシェーディング補正や拡大処理、A/D(アナログ/デジタル)変換処理などを施して多階調のデジタル画像データを出力する機能を果たす。2値化処理部23は、これに誤差拡散などを施して各画素を白黒いずれかで表した2値のデジタル画像データを出力する機能を果たす。圧縮伸張部26は画像データを圧縮伸張する機能を果たす。メモリ27には、圧縮された画像データなどが記憶される。HDD28は、圧縮された画像データなどを格納するための大容量の記憶装置である。メモリ制御部24は、圧縮伸張部26による圧縮伸張処理と、メモリ27やHDD28に対する画像データの書き込み動作および読み出し動作とを制御する機能を有している。書込処理部25は、画像データをプリントエンジン12に向けて順次送出する機能を果たす。
【0060】
ファクシミリ制御部30は、ファクシミリCPU31と、ワークメモリ32と、モデム33と、NCU(Network Control Unit)34と、圧縮伸張部35と、解像度変換部36と、メモリ制御部37と、メモリ38とを備えている。ファクシミリCPU31は、ファクシミリ機能に係わる動作を統括制御するCPUである。ワークメモリ32はファクシミリCPU31がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するメモリである。電話回線や外部電話機は回線接続端子39を介してNCU34に接続される。NCU34は、電話網との接続を制御する回路であり、電話回線の極性反転を検知したり、呼出信号を検知したり、電話回線の接続をファクシミリ装置と外部電話機とに切り替えたりする機能を果たす。
【0061】
モデム33は、デジタルデータを音声信号に変換したり、音声信号をデジタルデータに変換したりする変調復調装置である。モデム33はNCU34とファクシミリ制御部30の各機器が接続されたバス29との間に設置され、データを各機器で取り扱い可能な形式に変換してから出力する機能を果たす。
【0062】
解像度変換部36は、相手機の能力に応じて画像サイズや解像度を変換する機能を果たす。圧縮伸張部35は、画像データを所定の方式で符号化・復号化する機能を果たす。メモリ38は、画像データを記憶するメモリであり、メモリ制御部37はメモリ38に対する画像データの書き込み動作や読み出し動作を制御する機能を果たす。
【0063】
プリンタ制御部40は、プリンタCPU41と、ワークメモリ42と、ネットワークCPU43と、HDD44と、PCI(Peripheral Component Interconnect)ブリッジ45とを備えている。プリンタCPU41は、プリンタ機能に係わる動作を統括制御するCPUである。ワークメモリ42は、プリンタCPU41がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するメモリである。ネットワークCPU43は、ネットワークに接続されている図示省略の外部端末などから印刷データを受信する動作を統括制御するCPUである。外部端末はLAN(Local Area Network)9とRS−232C(Recommended Standard 232 version C)などの物理層46とを介してネットワークCPU43に接続される。HDD44は、受信した印刷データなどを格納するための大容量の記憶装置である。PCIブリッジ45は、システム制御部20とプリンタ制御部40とのバス29同士を接続する中継器である。
【0064】
オプション機能が使用制限されている状態では、ファクシミリCPU31やプリンタCPU41、ネットワークCPU43の作動がシステムCPU21により禁止されており、外部からデータを受信してもファクシミリ制御部30やプリンタ制御部40の各機器が作動できないようになっている。また、操作制御部13のタッチパネルにこれらの機能に係わる操作釦が表示されず、ユーザなどから操作指示を受け付けないようになっている。
【0065】
次に、ファクシミリ機能やプリンタ機能の使用制限解除について説明する。
【0066】
図2は、オプション機能の使用制限を解除する際の概略手続きをイメージ的に示している。オプション機能を使用したい場合には、ユーザ1はサービスセンタ2などに連絡して必要な機能を追加購入する(P1)。オプション機能が購入されると、サービスセンタ2からサービスマン3が派遣される(P2)。このサービスマン3によって、オプション機能の使用制限を個別に解除する操作がなされる(P3)。
【0067】
図3は、オプション機能の使用制限を個別に解除する手法の概要を示している。
【0068】
使用制限の解除は、第1解除情報と第2解除情報とを入手することにより行なわれる。画像処理装置10内部では、入手した2つの解除情報が変換・逆変換の対応関係を有しているか否かが確認され、その結果に基づいて使用制限の解除が可能か否かが判断される。
【0069】
2つの解除情報のうち、第1解除情報には任意の情報が採用されている。また、第2解除情報は、この第1解除情報に使用制限を解除する機能(解除対象)に応じた変換処理を施すことにより生成されている。たとえば、ある第1解除情報にファクシミリ機能用の変換処理「F」を施すと(Q1)、ファクシミリ機能用の第2解除情報が生成され、同じ第1解除情報にプリンタ機能用の変換処理「G」を施すと(R1)、プリンタ機能用の第2解除情報が生成される。変換処理は、所定の規則に従って、ある情報をこれに対応する別の情報に変換する処理である。第1解除情報に変換処理を施して第2解除情報を生成することにより、互いの情報に変換・逆変換の対応関係を持たせることができる。
【0070】
一方、画像処理装置10の内部では、入手した第2解除情報に対して前述の変換処理の逆変換が施される。たとえば、ファクシミリ機能の使用制限を解除する場合には、ファクシミリ機能用の変換処理「F」の逆変換「F−1」がファクシミリ機能用の第2解除情報に対して施される(Q2)。また、プリンタ機能の使用制限を解除する場合には、プリンタ機能用の第2解除情報に対してプリンタ機能用の変換処理「G」の逆変換「G−1」が施される(R2)。
【0071】
逆変換は、変換処理を施して得た情報を元の情報に戻す処理である。このため、第2解除情報にこの逆変換を施して得られた第3解除情報が、第1解除情報と一致する場合には、入手した2つの解除情報の間に変換・逆変換の対応関係があることが確認される。そこで、たとえばサービスマンなどにしかこのような解除情報を渡さないように管理しておけば、入力された解除情報がこの対応関係を有しているか否かを確認することにより、使用制限の解除操作が正当なものであるか否かを判定できる。
【0072】
さらに、ファクシミリ機能用とプリンタ機能用とのどちらの逆変換を使って変換・逆変換の対応関係が確認できたかに応じて、解除対象となるオプション機能を識別することができる。これらの考え方に基づいて、画像処理装置10では、ファクシミリ機能用の第2解除情報を逆変換して得られた第3解除情報が第1解除情報と一致した場合にはファクシミリ機能の使用制限が解除され(Q3)、プリンタ機能用の第2解除情報を逆変換して得られた第3解除情報が第1解除情報と一致するとプリンタ機能の使用制限が解除されるようになっている(R3)。
【0073】
以上に説明した手法を使って、ファクシミリ機能とプリンタ機能との使用制限を個別に解除する画像処理装置10の詳細について以下に説明する。
【0074】
図4は、画像処理装置10の構成のうち、使用制限の解除に係わる機器の電気的構成を示している。
【0075】
システムCPU21は、使用制限の解除に係わる動作を統括制御する機能を果たす。操作制御部13は、タッチパネルを介してサービスマンなどから解除対象となる機能の指定を受ける指定手段としての機能と、第2解除情報を入手する第2入手手段としての機能とを果たす。また、プリンタ制御部40と、ファクシミリ制御部30とは使用制限の解除対象に係わる機器となる。
【0076】
システムCPU21には、さらに装着部50a、50bが接続されている。装着部50a、50bは、装着されたファクシミリ機能用チップ60aやプリンタ機能用チップ60bから第1解除情報を入手する第1入手手段としての機能を果たす。装着部50a、50bは、各チップ60a、60bの差込口として構成されており、画像処理装置10内部の基板上に設けられている。
【0077】
ファクシミリ機能用チップ60aやプリンタ機能用チップ60bは、記憶機能を有する半導体デバイスである。これらのチップ60a、60bは、各オプション機能用の第1解除情報を記憶した第1記憶媒体としての役割を果たす。本実施の形態では、半導体デバイスとして小型で場所を取らないワンチップマイコン(以下、チップ60という。)が採用されている。チップ60は、図示省略のCPUとメモリとインターフェースとから構成される小型集積回路であり、本実施の形態では主にメモリに関する機能が利用されている。
【0078】
システムCPU21は、さらに逆変換手段70と比較手段71と解除手段72との機能を有している。逆変換手段70は、指定された機能に応じた逆変換を第2解除情報に施す機能を果たす。比較手段71は、第1解除情報と第2解除情報を逆変換して得られた第3解除情報とを比較し、その比較結果を解除手段72に提供する機能を果たす。解除手段72は、第1解除情報と第3解除情報との比較結果が一致する場合に、指定された機能の使用制限を解除する機能を果たす。
【0079】
使用制限が解除されると、システムCPU21によるファクシミリCPU31やプリンタCPU41などの作動禁止が解除されたり、操作制御部13のタッチパネルにオプション機能に係わる操作釦が表示されたりすることによってオプション機能を使用することが可能となる。
【0080】
図5、図6は、解除情報を生成し、これによりオプション機能の使用制限を解除する処理の具体例を示している。ここでは、説明を簡単にするため、解除情報が1桁の数値情報であり、これに単純な逆変換が施される場合を例に説明する。
【0081】
図5(a)は、第1解除情報から第2解除情報を生成する変換処理の規則を示した変換表4の一例である。変換表4によれば、第1解除情報に対して「(第1解除情報)+N」という変換処理を施すことにより第2解除情報が生成される。「N」は、解除対象に応じて設定されるパラメータである。
【0082】
ファクシミリ機能用の第2解除情報を生成する場合には、パラメータ「N=1」が設定されて、「(第1解除情報)+1」という変換処理「F」が実施される。プリンタ機能用の第2解除情報を生成する場合には、「(第1解除情報)+2」(N=2)という変換処理「G」が実施される。
【0083】
図5(b)は、画像処理装置10内で第2解除情報に対して施される逆変換の規則を示した逆変換表5の一例である。逆変換表5によれば、第2解除情報に対して「(第2解除情報)−N」という逆変換が施されることにより第3解除情報が生成される。この逆変換は、変換表4に基づく変換処理により生成された第2解除情報を元の第1解除情報に戻す役割を果たす。
【0084】
解除対象としてファクシミリ機能が指定された場合には、パラメータ「N=1」が設定され、「(第2解除情報)−1」という逆変換「F−1」が実施される。プリンタ機能が指定された場合には、「(第2解除情報)−2」(N=2)という逆変換「G−1」が実施される。
【0085】
図5(c)は、ファクシミリ機能用の第3解除情報を生成し、これらを入手して、ファクシミリ機能の使用制限を解除する処理の一例を示している。
【0086】
第1解除情報「1」にファクシミリ機能用の変換処理「F」を施すと(Q1)、第1解除情報に1を加えた第2解除情報「2」が生成される。画像処理装置10に第1、第2解除情報が入手され、解除対象としてファクシミリ機能が指定されると、第2解除情報に対してファクシミリ機能用の逆変換「F−1」が施される(Q2)。この結果、第2解除情報「2」から1を差し引いた第3解除情報「1」が得られ、これは第1解除情報と一致するので、指定したファクシミリ機能の使用制限が解除される(Q3)。
【0087】
一方、図5(d)のように、同じ第1解除情報「1」にプリンタ機能用の変換処理「G」を施すと(R1)、第1解除情報に2を加えた第2解除情報「3」が生成される。画像処理装置10に解除情報が入手され、プリンタ機能が指定されると、第2解除情報にプリンタ機能用の逆変換「G−1」が施される(R2)。この結果、第2解除情報「3」から2を差し引いた第3解除情報「1」が得られ、これは第1解除情報と一致するのでプリンタ機能の使用制限が解除される(R3)。
【0088】
また、図6(e)は、第1解除情報「1」と、第2解除情報として「9」とを入手して、ファクシミリ機能を解除対象とする指定を受けた場合の処理内容を示している。第2解除情報「9」は、第1解除情報と、ファクシミリ機能用の変換処理「G」に基づく変換・逆変換の対応関係がない。このため、第2解除情報「9」にファクシミリ機能用の逆変換「F−1」を施しても(Q2)、得られた第3解除情報としての数値情報「8」は第1解除情報と一致せずファクシミリ機能の使用制限は解除されない。
【0089】
なお、変換処理や逆変換の内容、解除情報をさらに複雑にしても、第1解除情報と第2解除情報との変換・逆変換の対応関係を利用してファクシミリ機能やプリンタ機能の使用制限を個別に解除する原理は同じである。そこで、以下の説明では、変換処理や解除情報の内容がより複雑で、変換・逆変換の対応関係が不正に割り出されないようになっている場合について説明する。
【0090】
図7は、第1解除情報を記憶したチップ60が製造されてから出荷されるまでの各工程をイメージ的に示している。
【0091】
チップ60が出荷されるまでの各工程は、チップ60を製造する第1工程と、第1解除情報を生成する第2工程と、第1解除情報を記憶したチップ60を梱包する第3工程とから構成されている。第1工程はチップ60のデバイスメーカで実施され、第2、第3工程は画像処理装置メーカの実装工場などで実施される。
【0092】
図7の第1工程の図は、チップ60の製造工程をイメージ的に示して いる。第1工程では、チップ60の製造時に各チップ60にシリアルナンバーが書き込まれる。シリアルナンバーは、一定の規則に従って生成される固有識別情報であり、各チップ60を一意に特定することができる。本例では、10桁の数列をチップ60の製造順にインクリメントしたものが採用されている。チップ60の製造時に固有識別情報を書き込んでおくことによって、画像処理装置メーカで別途固有識別情報を生成し、書き込む工程を省略することができる。
【0093】
図7の第2工程の図は、シリアルナンバー(第1解除情報)から第2解除情報を生成する工程をイメージ的に示している。第2工程では、デバイスメーカから購入した各チップ60からシリアルナンバーが読み出されて、オプション機能に応じた変換処理が施される。
【0094】
シリアルナンバーを第1解除情報として、これに所定の変換処理を施すと、第1解除情報と変換・逆変換の対応関係を有する文字列が生成されるようになっている。そして、この生成された文字列が第2解除情報となる。ここで、第1解除情報に、ファクシミリ機能用の変換処理「F」を施すとファクシミリ機能用の第2解除情報が生成され、プリンタ機能用の変換処理「G」を施すとプリンタ機能用の第2解除情報が生成される。このように、第2工程ではチップ60に記憶されている情報にまったく変更を加えることなく、変換処理の内容を変更するだけでオプション機能に応じた解除情報を生成することができる。
【0095】
図7の第3工程の図は、解除情報を記憶したチップ60などを梱包する工程をイメージ的に示している。第3工程では、第1解除情報を記憶したチップ60が梱包箱61に梱包され、この第1解除情報と変換・逆変換の対応関係にある第2解除情報が記録紙62などに記録される。この場合、記録紙などは、第2解除情報を記憶する第2記憶媒体としての役割を果たす。第2解除情報を記録した記録紙62は、チップ60を梱包した梱包箱61に同梱されてサービスセンタ2などへ出荷される。チップ60は、記録紙62にファクシミリ機能用の第2解除情報が記録されている場合には、ファクシミリ機能用チップ60aとして出荷され、プリンタ機能用が記録されている場合には、プリンタ機能用チップ60bとして出荷される。
【0096】
図示した例では、第2解除情報を「キットNo.」と称して記録した記録紙62が梱包箱61の側面に貼付されている。このように、変換・逆変換の対応関係を有する2つの解除情報がばらばらにならないようにしておくことにより、保管や運送に際しての取り扱いが容易になる。また、「キットNo.」などその情報の役割を推測し難い名称をつけておくことによって、チップ60に記憶されている第1解除情報との関係が第三者に気付かれ難いようになっている。
【0097】
なお、チップ60と第2解除情報を記録した媒体とを同梱する手法は上記のものに限られない。たとえば、記録紙62を梱包箱61内部に梱包してもよいし、記録紙62の代わりにチップ60の外面に第2解除情報を直接印刷してもよい。また、第2解除情報を半導体メモリやCD(Compact Disk)などの記憶媒体へ記録しても構わない。
【0098】
このチップ60が画像処理装置10に装着されると第1解除情報が入手される。また、第2解除情報は、梱包箱61に同梱された記録紙62に基づいてサービスマンなどにより手入力される。
【0099】
図8は、解除対象を指定して、その使用制限を解除する動作の流れを示している。
【0100】
画像処理装置10は、チップ60が装着されるのを待機しており(ステップS101;N)、チップ60が装着されると(ステップS101;Y)そこから第1解除情報を入手する(ステップS102)。次に解除対象の指定を受けて(ステップS103)、第2解除情報を入手したか否かを確認する(ステップS104)。第2解除情報を所定時間入手できなかったり、キャンセル指示を受けたりした場合には(ステップS104;N)、そのまま動作を終了する(エンド)。
【0101】
第2解除情報を入手すると(ステップS104;Y)、指定された機能に応じた逆変換を第2解除情報に施す(ステップS105)。その後、第1解除情報と第2解除情報を逆変換して得られた第3解除情報とを比較し(ステップS106)、比較結果が一致しなかった場合には(ステップS107;N)、別の(未確認の)第2解除情報を入手したか否かを確認するステップに戻る(ステップS104)。
【0102】
比較結果が一致した場合には(ステップS107;Y)、指定されたオプション機能の使用制限を解除して(ステップS108)動作を終了する(エンド)。
【0103】
本実施の形態に係わる画像処理装置10では、入手した2つの解除情報が変換・逆変換の対応関係を有するか否かを確認して、指定されたオプション機能の使用制限が解除可能か否かを判断する。このため、この対応関係を発生させる変換処理や、対応関係の有無を確認する逆変換の内容を秘密にしておけば、不正に生成した解除情報を使って使用制限が解除されてしまう事態を防止することができる。また、パスワード入力による解除と異なり、照合用のパスワードが予め画像処理装置10内に記憶されていないので、画像処理装置メーカなどでこれに対応する入力用のパスワードを管理する必要がなく解除情報の管理が簡便になる。さらに、解除情報は、必要なときに必要な数だけ生成することができるので、予め解除情報を生成しておく必要がなく、解除情報の管理の手間がさらに軽減される。
【0104】
また、画像処理装置10は、入手した2つの解除情報が指定されたオプション機能に応じた変換・逆変換の対応関係を有しているか否かを確認することにより、2つのオプション機能の使用制限を個別に解除することができる。これにより、2つのオプション機能を個別に販売することが可能となり、ユーザの選択肢が広がり利便性が向上する。
【0105】
また、解除情報を生成する処理に注目すると、変換処理の内容を変更するだけで、同一の第1解除情報からでも、それぞれのオプション機能に応じた異なる第2解除情報を生成することができる。
【0106】
また、第1解除情報をチップ60に記憶させておくことにより、チップ60を物理的なキーとすることができる。たとえば、2つの解除情報が漏洩しても、各画像処理装置10に適合するチップ60が入手されなければ使用制限は解除されないので、不正な解除行為に対するセキュリティが向上する。さらに、物理的なキーは梱包箱61に密封したり、許可された者しか入れない倉庫に保管したりすることが可能なので、内部に記憶されている第1解除情報の機密性を高めることができる。このため、解除情報を不正に取得し難いという点でもセキュリティが向上する。
【0107】
また、逆変換を変更して2つのオプション機能の使用制限を個別に解除できるため、解除対象毎に異なる種類のチップ60を使ったり、チップ60の装着方法(装着位置など)を変更したりする必要がない。これによりチップ60の共通化が可能になるので、その購入コストを低減できる。また、解除対象毎にチップ60を区別する必要がないので、購入後の管理も容易である。さらに、チップ60の装着方法も共通化できるので、誤操作による装置の破損なども防止できる。
【0108】
また、第1解除情報として採用されているチップ60のシリアルナンバーは、各々に異なる情報なので、ある第1解除情報と所定の変換・逆変換の対応関係にある第2解除情報はただ1つしか存在しない。このため、複数のチップ60が不正に取得されても、それぞれに記憶されている第1解除情報と変換・逆変換の対応関係にある第2解除情報が取得されない限り使用制限は解除されない。これにより、すべての画像処理装置10で第1解除情報を共通にする場合に比べて、不正な解除行為に対するセキュリティが向上する。
【0109】
次に、解除対象を指定する代わりに、解除情報を入手すると解除対象を自動的に選択する第2の実施の形態について説明する。
【0110】
第2の実施の形態に係わる画像処理装置10の概略構成は図1と同様であり、使用制限を解除する機能に係わる機器の電気的構成は図4と同様である。ただし、以下の手段の機能が第1の実施の形態と相違する。逆変換手段70は、ファクシミリ機能とプリンタ機能とに対応する2つの逆変換を、個別に第2解除情報に施す機能を果たす。第1の実施の形態の場合には、指定された解除対象に応じた逆変換のみを施したが、第2の実施の形態においては、解除対象となる機能の指定を受けずに、第2解除情報に対して、保有する全ての逆変換を行い、逆変換した数と同じ数の第3解除情報を生成するという点で第1の実施の形態と異なっている。
【0111】
比較手段71は、第1解除情報と、2つの逆変換を個別に施された第2解除情報とをそれぞれ比較し、その結果を解除手段72に提供する機能を果たす。第1の実施の形態の場合には、指定された解除対象に対応する逆変換のみが施されて得られた第3解除情報と、第1解除情報とを比較したが、第2の実施の形態においては、解除対象となる機能の指定を受けずに、第2解除情報に対して、保有する全ての逆変換を行い、逆変換した数と同じ数の第3解除情報と第1解除情報とを比較するという点で第1の実施の形態と異なっている。
【0112】
また、解除手段72は、比較手段71による比較の結果、第1解除情報がファクシミリ機能用の逆変換が施されて得られた第3解除情報と一致した場合には、ファクシミリ機能の使用制限を解除し、プリンタ機能用の逆変換が施されて得られた第3解除情報と一致した場合には、プリンタ機能の使用制限を解除する機能を果たす。第1の実施の形態の場合には、指定を受けた解除対象についてだけ使用制限の解除が可能か否かの判断を行なう点で第2の実施の形態と異なっている。
【0113】
なお、第2の実施の形態では、解除対象となる機能の指定を受けないので、操作制御部13は解除対象の指定を受ける指定手段としての機能を有していない。また、各解除情報を記憶したチップ60は図7と同様の工程で製造される。
【0114】
図9は、解除対象を自動的に選択して使用制限の解除を行なう動作の流れを示している。
【0115】
装着されたチップ60から第1解除情報を入手するまでの動作(ステップS201〜S202)は、第1の実施の形態(ステップS101〜S102)と同様であり、それらの説明は省略する。第1解除情報の入手後、画像処理装置10は第2解除情報を入手したか否かを確認する(ステップS203)。第2解除情報を入手できなかった場合には(ステップS203;N)、そのまま動作を終了する(エンド)。
【0116】
第2解除情報を入手すると(ステップS203;Y)、ファクシミリ機能とプリンタ機能との2つの逆変換を個別に第2解除情報に施す(ステップS204)。そして、第2解除情報に2つの逆変換を個別に施して得られた後の2つの第3解除情報を第1解除情報とそれぞれ比較する(ステップS205)。
【0117】
第1解除情報と第3解除情報とが一致する組み合わせがなかった場合には(ステップS206;N)、そのまま動作を終了する(エンド)。一致する組み合わせがあった場合には(ステップS206;Y)、一致する結果の得られた逆変換に対応するオプション機能の使用制限を解除して(ステップS207)、動作を終了する(エンド)。
【0118】
第2の実施の形態に係わる画像処理装置10では、各オプション機能に対応する逆変換を試みて、その結果に応じて解除対象を自動的に選択するので、解除対象の指定が不要になる。これにより、入力した解除情報とでは解除できない解除対象を指定してしまうなどの誤操作が発生せず、操作性が向上する。
【0119】
なお、第1の実施の形態、および第2の実施の形態においては、第2解除情報に対して、所定の変換の逆変換を行って得た第3解除情報と、第1解除情報とが一致するか否かを判断し、両者が一致する場合には、機能制限を解除するようにしている。これは、入手した第2解除情報は、第1解除情報を所定の変換を行うことにより得たものである、すなわち、正しく入手されたものであると判断しているからである。係る点に鑑みれば、上述の例に限らず、第1解除情報に対して、所定の変換を行って得た第3解除情報と、第2解除情報とが一致するか否かを判断し、両者が一致する場合には、機能制限を解除するようにしてもよい。この場合も、入手した第2解除情報は、第1解除情報を所定の変換を行うことにより得たものである、すなわち、正しく入手されたものであると判断していることになる。
【0120】
次に、2つの解除情報の一方が予め画像処理装置に記憶されている第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態に係わる画像処理装置の概略構成は、図1と同様である。
【0121】
図10は、第3の実施の形態に係わる画像処理装置80の構成のうち、使用制限を解除する機能に係わる機器の電気的構成を示している。画像処理装置80は、第1の実施の形態で示した画像処理装置10と同様にファクシミリ機能とプリンタ機能とが使用制限されている。画像処理装置80は、使用制限の解除の際に2つの解除情報を入手する代わりに、一方の解除情報が予め装置内に記憶されている点において第1の実施の形態と相違する。図10では、図4に示したものと同一部分には同一の符号を付してある。
【0122】
ファクシミリ制御部30とプリンタ制御部40とは、それぞれ不揮発メモリ81、82を有している。不揮発メモリ81、82は、電源をオフにしても記憶内容が保持される書き替え可能なメモリである。不揮発メモリ81、82は、半導体メモリやHDDなどにより構成される。不揮発メモリ81、82は、ファクシミリ機能およびプリンタ機能の使用制限をそれぞれ解除するための第1解除情報を予め記憶しておく記憶手段としての機能を果たす。なお、第1解除情報は、各制御部30、40の不揮発メモリ81、82の代わりに、図示省略のROMなどに各機能と対応付けて記憶しておいてもよい。
【0123】
また、装着部50a、50bは、装着された各チップ60a、60bから第2解除情報を入手する第2入手手段としての機能を果たす。第1の実施の形態の場合には、第1解除情報を入手する第1入手手段としての機能を果たす点で、第3の実施の形態と異なっている。
【0124】
逆変換手段70は、チップ60から入手した第2解除情報に対して逆変換を施す機能を果たす。第1の実施の形態の場合には、手入力された第2解除情報に対して逆変換が施される点で第3の実施の形態と異なっている。比較手段71は、不揮発メモリ81、82に予め記憶されている第1解除情報と、第2解除情報を逆変換して得られた第3解除情報とを比較して、その比較結果を解除手段72に提供する機能を果たす。第1の実施の形態の場合には、2つとも外部から入手した解除情報に基づいて比較が行なわれる点で第3の実施の形態と異なっている。
【0125】
図11は、第3の実施の形態において、第2解除情報を記憶したチップ60が出荷されるまでの各工程のイメージ図を示している。
【0126】
チップ60が出荷されるまでの各工程は、解除対象毎のシリアルナンバーを画像処理装置80に記憶させる第1工程と、シリアルナンバーから解除情報を生成する第2工程とから構成されている。これらの工程はいずれも画像処理装置メーカの実装工場などで実施される。
【0127】
図11の第1工程の図は、解除対象毎のシリアルナンバーを記憶させる工程をイメージ的に示している。第1工程では、画像処理装置80の製造時にファクシミリ制御部30やプリンタ制御部40に固有のシリアルナンバーがそれぞれの不揮発メモリ81、82に書き込まれる。シリアルナンバーは一定の規則で生成される固有識別情報であり、各ファクシミリ制御部30やプリンタ制御部40を一意に特定することができる。本例では、各制御部のマザーボード製造時に設定された製造番号がシリアルナンバーとして採用されている。画像処理装置80には、シリアルナンバーを記憶したファクシミリ制御部30やプリンタ制御部40が搭載されて各ユーザの元へ出荷される。
【0128】
図11の第2工程の図は、各制御部30、40のシリアルナンバー(第1解除情報)から第2解除情報を生成する工程をイメージ的に示している。第2工程では、各ファクシミリ制御部30やプリンタ制御部40に固有のシリアルナンバーに対してオプション機能に応じた変換処理が施される。シリアルナンバーに解除対象に応じた変換処理を施す手法については、図5で説明したものと同様なので説明を省略する。
【0129】
各制御部の不揮発メモリ81、82に記憶されているシリアルナンバーを第1解除情報として、これらにオプション機能に応じた変換処理を施すと、第1解除情報と変換・逆変換の対応関係を有する文字列が得られる。そして、この生成された文字列が第2解除情報としてチップ60に書き込まれる。
【0130】
第1解除情報は、既に特定の画像処理装置80内に記憶されている。このため、ファクシミリ機能用の第2解除情報が書き込まれたチップ60は、元となった第1解除情報を記憶している画像処理装置80専用のファクシミリ機能用チップ60aとなる。プリンタ機能用チップ60bについても同様である。
【0131】
上記の各工程を経て、ファクシミリ機能用チップ60a、プリンタ機能用チップ60bが対応する画像処理装置80の使用制限を解除するために出荷される。
【0132】
ファクシミリ制御部30やプリンタ制御部40のシリアルナンバーなどは、メンテナンスや部品交換などのために、別途管理されている場合がある。このように、別の目的で既に管理されている固有識別情報を第1解除情報として利用すれば、これらとは別に独自に第1解除情報を生成して予め画像処理装置80に記憶させておく必要がなくなる。これにより、独自に第1解除情報を生成したり、第2解除情報を生成するためだけに第1解除情報を長期間管理したりする労力を削減することができる。
【0133】
図12は、第3の実施の形態において、指定されたオプション機能の使用制限を解除する動作の流れを示している。
【0134】
画像処理装置80は、チップ60が装着されるのを待機しており(ステップS301;N)、チップ60が装着されると(ステップS301;Y)そこから第2解除情報を入手する(ステップS302)。次に、解除対象となる機能の指定を受けて(ステップS303)、指定された機能に応じた逆変換を第2解除情報に対して施す(ステップS304)。
【0135】
その後、指定された機能の制御部に保存されている第1解除情報と第2解除情報を逆変換して得られた第3解除情報とを比較し(ステップS305)、比較結果が一致しなかった場合には(ステップS306;N)、そのまま動作を終了する(エンド)。比較結果が一致した場合には(ステップS306;Y)、指定されたオプション機能の使用制限を解除して(ステップS307)動作を終了する(エンド)。
【0136】
第3の実施の形態に係わる画像処理装置80では、予め記憶されている第1解除情報に対応した第2解除情報を入手するだけで指定したオプション機能の使用制限を解除することができるので、使用制限を解除するための操作が簡単になる。
【0137】
また、各画像処理装置80のファクシミリ制御部30やプリンタ制御部40に固有のシリアルナンバーが第1解除情報として予め記憶されているため、これに対応する唯一の第2解除情報を用いた場合にしか使用制限を解除することができない。これにより、第2解除情報が記憶された1つのチップ60を使って、複数台の画像処理装置80の使用制限が不正に解除されてしまう事態を防止できる。
【0138】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0139】
実施の形態では画像処理装置10、80を例に説明したが、出荷時に所定の機能が使用できないように使用制限されている各種の機器(情報処理装置)に本発明は適用することができる。
【0140】
また、画像処理装置10、80がファクシミリ機能とプリンタ機能との2つのオプション機能を有している場合に限定されず、3つ以上のオプション機能を有する画像処理装置であってもよい。
【0141】
また、実施の形態では、使用制限の解除に係わる操作を画像処理装置メーカのサービスマンなどが行なう場合を例示したが、ユーザ自身が解除操作を行なってもよい。
【0142】
また、実施の形態では、2つの解除情報のうちの一方に逆変換を施す場合について説明したが、いずれの解除情報にも逆変換を行なうように構成してもよい。たとえば、ある元情報に互いに異なる2つの変換処理(第1の変換処理、第2の変換処理)を個別に施して、ファクシミリ機能とプリンタ機能とのそれぞれに対応する第1解除情報を生成する。また、第1解除情報を生成したものと同一の元情報に、第1解除情報を生成した変換処理とは異なり、かつ、互いに異なる2つの変換処理(第3の変換処理、第4の変換処理)を個別に施して、ファクシミリ機能とプリンタ機能とのそれぞれに対応する第2解除情報を生成する。そして、画像処理装置でこれら2つの解除情報を入手し、第1解除情報には解除対象に応じた変換処理の逆変換を施して第3解除情報を得る。同じく第2解除情報にも、解除対象に応じた変換処理の逆変換を施して第4解除情報を得る。この結果、第3解除情報と第4解除情報とが一致する場合に解除対象の使用制限を解除するように構成してもよい。この場合も、解除対象の指定を受けてもよいし、解除対象を自動的に選択してもよい。
【0143】
また、1つの半導体デバイスを使って2つのオプション機能の使用制限を解除できてもよい。たとえば、チップ60に2つの第1解除情報を記憶させておき、それぞれに対応する第2解除情報を入力してファクシミリ機能とプリンタ機能との使用制限を解除できるように構成してもよい。
【0144】
特に、本発明では、第1解除情報に施す変換処理を変更することにより、同一の第1解除情報からそれぞれのオプション機能に応じた異なる第2解除情報を生成することができる。そこで、1つの第1解除情報を記憶した半導体デバイスを1つ装着し、異なる変換処理で生成された2つの第2解除情報を入力することによって、2つの機能の使用制限を解除できるように構成してもよい。
【0145】
このほか、2つの解除情報の一方を予め画像処理装置80に記憶しておく第3の実施の形態でも、解除対象を自動的に選択するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置の概略構成図である。
【図2】オプション機能の使用制限を解除する際の概略手続きをイメージ的に示した説明図である。
【図3】オプション機能の使用制限を個別に解除する手法の概要を示した説明図である。
【図4】使用制限の解除に係わる機器の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】解除情報を生成し、これによりオプション機能の使用制限を解除する処理の具体例を示した第1の説明図である。
【図6】使用制限の解除に関する処理の具体例を示した第2の説明図である。
【図7】解除情報を記憶したチップが製造されてから出荷されるまでの各工程をイメージ的に示した説明図である。
【図8】解除対象を指定して、その使用制限を解除する動作の流れを示す流れ図である。
【図9】解除対象を自動的に選択して使用制限の解除を行なう動作の流れを示す流れ図である。
【図10】第3の実施の形態における使用制限の解除に係わる機器の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】第3の実施の形態において、解除情報を記憶したチップが出荷されるまでの各工程をイメージ的に示した説明図である。
【図12】第3の実施の形態において、解除対象を指定して使用制限を解除する動作の流れを示す流れ図である。
【符号の説明】
【0147】
1…ユーザ
2…サービスセンタ
3…サービスマン
4…変換表
5…逆変換表
9…LAN
10…画像処理装置
11…読取部
12…プリントエンジン
13…操作制御部
20…システム制御部
21…システムCPU
22…読取処理部
23…2値化処理部
24…メモリ制御部
25…書込処理部
26…圧縮伸張部
27…メモリ
28…HDD
29…バス
30…ファクシミリ制御部
31…ファクシミリCPU
32…ワークメモリ
33…モデム
34…NCU
35…圧縮伸張部
36…解像度変換部
37…メモリ制御部
38…メモリ
39…回線接続端子
40…プリンタ制御部
41…プリンタCPU
42…ワークメモリ
43…ネットワークCPU
44…HDD
45…PCIブリッジ
46…物理層
50a、50b…装着部
60…チップ
60a…ファクシミリ機能用チップ
60b…プリンタ機能用チップ
61…梱包箱
62…記録紙
70…逆変換手段
71…比較手段
72…解除手段
80…画像処理装置
81…不揮発メモリ
82…不揮発メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第2入手手段で入手した第2解除情報に所定の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段で得られた第3解除情報と前記第1入手手段で入手した第1解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に、前記所定の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
使用制限を解除する機能の指定を受ける指定手段と、
前記指定手段で第1の機能が指定された場合は、前記第2入手手段で入手した第2解除情報に第1の変換処理の逆変換を施し、前記指定手段で第2の機能が指定された場合は、前記第2解除情報に第2の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段で得られた第3解除情報と前記第1入手手段で入手した第1解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合は、前記指定手段で指定された機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第2入手手段で入手した第2解除情報に第1の変換処理の逆変換もしくは第2の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記第1入手手段で入手した第1解除情報と、前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた第3解除情報もしくは前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた第3解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1解除情報と前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は、前記第1の機能の使用制限を解除し、前記第1解除情報と前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は、前記第2の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して生成された第1解除情報を入手する第1入手手段と、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して生成された第2解除情報を入手する第2入手手段と、
使用制限を解除する機能の指定を受ける指定手段と、
前記指定手段で第1の機能が指定された場合は、前記第1入手手段で入手した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換を施すと共に前記第2入手手段で入手した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換を施し、前記指定手段で第2の機能が指定された場合は、前記第1解除情報に前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に前記第2入手手段で入手した第2解除情報に前記第4の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段でそれぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第3解除情報と前記第4解除情報とが一致した場合は、前記指定手段で指定された機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して生成された第1解除情報を入手する第1入手手段と、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して生成された第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第1入手手段で入手した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換もしくは前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に、前記第2入手手段で入手した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換もしくは前記第4の変換処理の逆変換を施す逆変換手段と、
前記逆変換手段でそれぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第3の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は第1の機能の使用制限を解除し、前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第4の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は第2の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
所定の機能を使用制限された状態で内蔵する情報処理装置であって、
第1解除情報を入手する第1入手手段と、
第2解除情報を入手する第2入手手段と、
前記第1入手手段で入手した第1解除情報に所定の変換処理を施す変換手段と、
前記変換手段で得られた第3解除情報と前記第2入手手段で入手した第2解除情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第2解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に、前記所定の機能の使用制限を解除する解除手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記第1入手手段は、当該装置に装着された後付け可能な半導体デバイスから第1解除情報を入手する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1解除情報は、固有識別情報である
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1解除情報を予め記憶手段に記憶しておき、前記第1入手手段からの入手に代えて前記記憶手段に記憶されている第1解除情報を使用する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
当該情報処理装置は、画像処理装置である
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
使用制限された機能の1つにファクシミリ機能が含まれる
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
所定の機能を使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記入力した第2解除情報に所定の変換処理の逆変換を施すステップと、
前記装置において、前記逆変換して得られた第3解除情報と前記第1解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に前記所定の機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【請求項13】
第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、使用制限を解除する機能の指定を受けるステップと、
前記装置において、前記ステップで第1の機能が指定された場合は、入力した前記第2解除情報に第1の変換処理の逆変換を施し、前記ステップで第2の機能が指定された場合は、前記第2解除情報に第2の変換処理の逆変換を施すステップと、
逆変換して得られた第3解除情報と、入力した前記第1解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第1解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に、前記指定された機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【請求項14】
第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、入力した前記第2解除情報に第1の変換処理の逆変換もしくは第2の変換処理の逆変換を施すステップと、
逆変換して得られた第3解除情報と、入力した前記第1解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第1解除情報と前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は前記第1の機能の使用制限を解除し、前記第1解除情報と前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報とが一致した場合は前記第2の機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【請求項15】
元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して第1解除情報を生成するステップと、
前記生成した第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して第2解除情報を生成するステップと、
前記第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、使用制限を解除する機能の指定を受けるステップと、
前記装置において、前記ステップで第1の機能が指定された場合は、前記入力した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換を施すと共に前記入力した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換を施し、前記ステップで第2の機能が指定された場合は、前記入力した第1解除情報に前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に前記入力した第2解除情報に前記第4の変換処理の逆変換を施すステップと、
前記装置において、それぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較するステップと、
前記比較の結果、前記第3解除情報と前記第4解除情報とが一致した場合は、前記指定された機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【請求項16】
元情報に第1の変換処理もしくは第2の変換処理を施して第1解除情報を生成するステップと、
前記生成した第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
前記元情報に第3の変換処理もしくは第4の変換処理を施して第2解除情報を生成するステップと、
前記第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
第1の機能と第2の機能とを使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記入力した第1解除情報に前記第1の変換処理の逆変換もしくは前記第2の変換処理の逆変換を施すと共に、前記入力した第2解除情報に前記第3の変換処理の逆変換もしくは前記第4の変換処理の逆変換を施すステップと、
前記装置において、それぞれ逆変換して得られた第3解除情報と第4解除情報とを比較するステップと、
前記比較の結果、前記第1の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第3の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は前記第1の機能の使用制限を解除し、前記第2の変換処理の逆変換を施して得られた前記第3解除情報と前記第4の変換処理の逆変換を施して得られた前記第4解除情報とが一致した場合は前記第2の機能の使用制限を解除するステップと
を有する
ことを特徴とする機能制限解除方法。
【請求項17】
第1解除情報を第1記憶媒体に記憶するステップと、
第2解除情報を第2記憶媒体に記憶するステップと、
所定の機能を使用制限された状態で内蔵する装置において、前記第1記憶媒体に記憶されている第1解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記第2記憶媒体に記憶されている第2解除情報を入力するステップと、
前記装置において、前記入力した第1解除情報に所定の変換処理を施すステップと、
前記装置において、前記変換して得られた第3解除情報と前記第2解除情報とを比較するステップと、
前記装置において、前記比較の結果、前記第2解除情報と前記第3解除情報とが一致した場合に前記所定の機能の使用制限を解除するステップと
を有することを特徴とする機能制限解除方法。
【請求項18】
前記第1記憶媒体は、前記装置に着脱可能な半導体デバイスである
ことを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1つに記載の機能制限解除方法。
【請求項19】
前記第1解除情報は、固有識別情報である
ことを特徴とする請求項18に記載の機能制限解除方法。
【請求項20】
前記第1記憶媒体と前記第2記憶媒体とは同梱される
ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1つに記載の機能制限解除方法。
【請求項21】
前記装置は、画像処理装置である
ことを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1つに記載の機能制限解除方法。
【請求項22】
使用制限された機能の1つにファクシミリ機能が含まれる
ことを特徴とする請求項21に記載の機能制限解除方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−129340(P2007−129340A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318625(P2005−318625)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】