説明

情報処理装置及びその処理方法

【課題】 コスト及びネットワーク通信の負荷をかけずに、画像形成装置の設置位置が変更されているか否かをユーザに提示する装置及び方法を提供する。
【解決手段】 画像形成装置の位置情報を保持しておき、画像形成装置に印刷データを生成して送信する際に、その画像形成装置の現在の位置情報を取得する。保持されている位置情報と取得された現在の位置情報とに基づき、その画像形成装置が移動しているか否かを判定し、移動している場合に、印刷を行うか否かをユーザが指示するための画面を表示する。ユーザが印刷を行うと指示した場合、その画像形成装置に印刷データを生成して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置が設置されている位置情報に応じて当該画像形成装置に対して印刷データを送信するか否かを決定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介してホストPC(パーソナルコンピュータ)とプリンタが接続されているネットワークプリント環境では、ホストPCからプリンタのIPアドレスを指定して印刷データを送信する。この印刷方法では、プリンタの設置場所は考慮されていないため、例えばIPアドレスの変更なくプリンタの設置場所が変更されていた場合でも、ホストPCからプリンタに印刷データが送信でき、印刷がされてしまう。
【0003】
そのため、印刷を実行したユーザがプリンタの新たな設置位置を知らない場合、印刷物を回収することができなくなってしまう。或いは、プリンタの新たな設置位置が、印刷を実行したユーザが立ち入ることのできないアクセス制限等が設定された場所であった場合、ユーザは印刷物を回収することができなくなってしまう。更には、印刷データの機密度が高い場合は、セキュリティーの面でも好ましくない状態となってしまう。
【0004】
そこで、プリンタの位置情報を考慮したサーバコンピュータ及び印刷システムに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この技術によると、サーバコンピュータとプリンタの構成を採用している。プリンタが設置されている位置情報が予めサーバコンピュータのプリンタデータベースに登録されている。ホストPCから印刷を開始するときに、サーバコンピュータからプリンタ位置情報を取得し、印刷データにプリンタ位置情報を埋め込んで印刷データをプリンタに送信する。プリンタは受信した印刷データと現在のプリンタの位置情報とを比較し、一致した場合にのみ印刷データを印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−246183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、プリンタの位置情報を管理するためのサーバコンピュータを用意する必要があり、システムの導入にコストがかかってしまう。また、印刷データにプリンタの位置情報を付加する必要があり、ホストPCとプリンタの両方でその対応を導入する必要がある。更に、プリンタの位置情報が一致せず、結果的に正常に印刷できない場合でも、ホストPCからプリンタに対して印刷データが送信されるため、不要にネットワーク通信に負荷をかけてしまう。
【0007】
本発明は、コスト及びネットワーク通信の負荷をかけずに、画像形成装置の設置位置が変更されているか否かをユーザに提示する装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像形成装置に印刷データを生成して送信する情報処理装置であって、
前記画像形成装置の位置情報を保持する保持手段と、
前記画像形成装置に印刷データを生成して送信する際に、当該画像形成装置の現在の位置情報を取得する取得手段と、
前記保持手段により保持されている位置情報と前記取得手段により取得された現在の位置情報とに基づいて、前記画像形成装置が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記画像形成装置が移動していると判定された場合に、印刷を行うか否かをユーザが指示するための画面を表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された画面において前記ユーザが印刷を行うと指示した場合、前記印刷データを生成して前記画像形成装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コスト及びネットワーク通信の負荷をかけずに、画像形成装置の設置位置が変更されているか否かをユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】印刷システムに含まれるホストPC及びプリンタの構成を示す図。
【図2】ホストPCの印刷処理を行うモジュールの構成を示す図。
【図3】第1の実施形態における配置換え後の印刷処理を示すフローチャート。
【図4】第1及び第2の実施形態のシステム構成を示す図。
【図5】配置換え後のシステム構成を示す図。
【図6】第1の実施形態における警告画面を示す図。
【図7】第2の実施形態における配置換え後の印刷処理を示すフローチャート。
【図8】第2の実施形態における警告画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態について詳細に説明する。まず、印刷システムに含まれる情報処理装置(ホストPC)と画像形成装置(プリンタ)の構成を、図1を用いて説明する。尚、後述するような本発明の機能が実行されるのであれば、特にシステム構成はこれに限定されない。
【0012】
情報処理装置としてのホストPC1000に関して説明する。ホストPC1000は、CPU1を備え、ROM3のプログラム用ROMや外部メモリ11に記憶された、例えば文書処理プログラム等に基づいて文書や画像の処理を実現する。また、CPU1は、システムバス4に接続される各構成を総括的に制御する。また、このROM3のプログラム用ROMや外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるオペレーティングシステム(以下OS)等が記憶されている。また、ROM3のフォント用ROMや外部メモリ11には、上述した文書処理の際などに使用するフォントデータ等が記憶され、データ用ROMや外部メモリ11には、各種処理等を行う際に使用する情報が記憶される。
【0013】
RAM2は、CPU1の主メモリ、ワークエリア等として機能するメモリである。キーボードコントローラ(KBC)5は、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)6は、CRTディスプレイ(CRT)10の表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)7は、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、及びプリンタ制御コマンド生成プログラム(以下プリンタドライバ)等を記憶する外部メモリ11とのアクセス制御を行う。外部メモリ11は、HDDやフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等が含まれる。プリンタコントローラ(PRTC)8は、双方向性インタフェース30を介してプリンタ2000に接続され、プリンタ2000との通信制御処理を実行する。
【0014】
尚、CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情報メモリへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT10上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU1は、CRT10上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実現する。具体的には、ユーザは印刷を実行する際に、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷要求の設定を行える。
【0015】
一方、画像形成装置としてのプリンタ2000に含まれる各構成は、CPU12により制御される。CPU12は、ROM13のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等や、外部メモリ14に記憶された制御プログラム等に基づいて動作し、各種処理を実現する。CPU12は、システムバス15に接続される印刷部I/F16を介して印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM13のプログラムROMには、CPU12の制御プログラム等が記憶される。ROM13のフォント用ROMには、上述の出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶されている。また、データ用ROMには、印刷処理を含む、各種処理等を行う際に使用する情報が記憶される。
【0016】
CPU12は、入力部18を介してホストPC1000と通信処理が可能であり、プリンタ内の情報等をホストPC1000に通知できる。RAM19は、CPU12の主メモリやワークエリア等として機能するメモリで、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。RAM19は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述したハードディスク(HDD)、ICカード等の外部メモリ14は、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスを制御される。外部メモリ14は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。
【0017】
また、入力部18は前述した操作部21で操作のためのスイッチ及びLED表示器等が配されている。また、前述した外部メモリ14は複数個備えることが可能となっている。これにより、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるページ記述言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続して構成することができる。更に、不図示のNVRAMを有し、操作パネル1501からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0018】
ここで、プリンタ2000が所定の回線(LAN)などを用いて接続されたホストPC1000における典型的な印刷処理を行うモジュールの構成を、図2を用いて説明する。アプリケーション201、グラフィックエンジン202、プリンタドライバ203、及びシステムスプーラ204が外部メモリ11に保存されたファイルとして存在する。OSやそのモジュールを利用するモジュールによってRAM2にロードされ、実行される。また、アプリケーション201及びプリンタドライバ203は、外部メモリ11のFDや不図示のCDROM、或いは不図示のネットワークを経由して外部メモリ11のHDDに追加することが可能である。
【0019】
アプリケーション201はRAM2にロードされて実行され、プリンタ2000に対して印刷を行う際には、同様にRAM2にロードされているグラフィックエンジン202を利用して出力(描画)を行う。グラフィックエンジン202は、印刷装置毎に用意されたプリンタドライバ203をアプリケーション201と同様に外部メモリ11からRAM2にロードし、アプリケーション201の出力をプリンタドライバ203に設定する。そして、アプリケーション201から受け取るGDI(Graphic Device Interface)関数からDDI(Device Driver Interface)関数に変換してプリンタドライバ203へDDI関数を出力する。プリンタドライバがDDIを通して受信した一連のデータを印刷ジョブ、又は単にジョブと呼ぶ。1件の印刷要求に対して1つの印刷ジョブができる。
【0020】
プリンタドライバ203は、グラフィックエンジン202から受け取ったDDI関数に基づいて、プリンタが認識可能な制御コマンド、例えばPDL(ページ記述言語)データに変換する。ここでは、1つの印刷要求から生成された1つの制御コマンドセットを印刷ジョブと呼ぶ。生成された印刷ジョブは、OSによってRAM2にロードされたシステムスプーラ204を経てインタフェース30経由でプリンタ2000へ印刷データとして出力される仕組みとなっている。
【0021】
[第1の実施形態]
以上の構成を有する情報処理装置において、本発明に係る第1の実施形態を説明する。尚、第1の実施形態では、図4及び図5に示すシステム構成を用いて説明するが、本発明の機能が実行されるのであれば、特にシステム構成はこれに限定されない。
【0022】
図4に示すシステム構成は、あるビルのあるフロア400を表す。このフロア400にホストPC1000とプリンタ2000が設置されている。また、ホストPC1000が設置されている位置を(X1、Y1、Z1)とし、プリンタ2000が設置されている位置を(X2、Y2、Z2)とする。この例では、設置されている位置は経度X、緯度Y、及び高度Zで表現するが、設置位置が特定できれば他の情報で表現されてもよい。
【0023】
ここで、ホストPC1000は、前回プリンタ2000で印刷したときのプリンタ2000の位置情報を保持する構成とする。例えば、前回プリンタ2000で印刷したときのプリンタ2000の位置情報が(X2、Y2、Z2)であった場合、その情報がRAM2等の記憶装置に保持されている。
【0024】
図5に示すシステム構成は、図4に示す状態からフロア400の配置換えがあったときのシステム構成である。ホストPC1000は設置位置が変更されていないため、位置情報は(X1、Y1、Z1)である。プリンタ2000は設置位置が変更されているため、位置情報は(X3、Y3、Z3)に変更されている。そして、プリンタ2000と同一の構成のプリンタ2002が新たに位置情報(X2、Y2、Z2)の位置に設置されている。
【0025】
以上の構成において、図5に示す配置換え後のシステム構成で印刷を実施した際の処理を図3に示すフローチャートに従って説明する。尚、このフローチャートは、図1に示すROM3のプログラム用ROMや外部メモリ11に記憶された、例えば文書処理プログラム等に格納されたプログラムに従って、図1に示すCPU1によって実行される。
【0026】
S300において、CPU1はインタフェース30経由でプリンタ2000にプリンタの位置情報の取得要求を出し、プリンタの位置情報を取得し、S302へ処理を進める。プリンタ2000は、ホストPC1000からの位置情報の取得要求に応じて位置情報を更新し、更新した位置情報を提示する。位置情報の更新方法は、特に限定しないが、GPS(Global Positioning System)を用いることで経度、緯度、及び高度を取得することができる。この例では、プリンタ2000は配置換えにより設置位置が移動されているため、プリンタ2000の位置情報として(X3、Y3、Z3)が取得される。
【0027】
S302において、CPU1はプリンタ2000が前回印刷したときからその設置位置が変更されているか否かを判定する。ここで、設置位置が変更されていると判定した場合はS304へ処理を進め、設置位置が変更されていないと判定した場合はS310へ処理を進める。CPU1は、前回印刷したときのプリンタ2000の位置情報と、S300で取得したプリンタ2000の位置情報とを比較し、プリンタ2000の設置位置が変更されているか否かを判定する。この例では、前回印刷したときのプリンタ2000の位置情報は(X2、Y2、Z2)であり、S300で取得したプリンタ2000の位置情報は(X3、Y3、Z3)であるため、プリンタ2000の設置位置は変更されたと判定する。
【0028】
このS304では、CPU1はCRTC6に指示してCRT10に警告画面を表示し、S306へ処理を進める。図6は警告表示画面の一例を示す図である。図6に示すように、警告マーク600と警告コメント602が表示される。また、警告コメント602は、ユーザに警告の内容を通知するためである。図6では、「前回印刷したときからプリンタは移動されています。印刷しますか?」と表示されている。例えば、前回印刷したときのプリンタ位置(X2、Y2、Z2)とS300で取得したプリンタ2000の位置情報(X3、Y3、Z3)とを用いれば、プリンタがどの方角にどれだけ移動したか計算できる。そのため、警告コメント602に、その情報を表示してもよい。その後、ユーザが印刷ボタン604を押下することで、移動したプリンタ2000に対して印刷を実行することが可能となる。また、ユーザがキャンセルボタン606を押下することで、印刷を中止することが可能となる。
【0029】
S306において、CPU1は印刷の指示があったか否かを判定する。ここで、印刷の指示があったと判定した場合はS308へ処理を進め、印刷の指示がなかったと判定した場合は、この処理を終了する。この例では、CPU1が、印刷ボタン604が押下された通知を受けた場合は印刷の指示があったと判定し、キャンセルボタン606が押下された通知を受けた場合は印刷の指示がなかったと判定する。
【0030】
S308では、CPU1は前回印刷したときのプリンタ2000の位置情報をS300で取得したプリンタ2000の位置情報で更新して保持する。この例では、(X2、Y2、Z2)から(X3、Y3、Z3)に更新されてRAM2等の記憶装置に保持する。
【0031】
そして、S310では、CPU1は印刷データを生成し、PRTC8に指示を行い印刷データをプリンタ2000に送信する。
【0032】
第1の実施形態によれば、プリンタの設置位置が変更されている場合に、ユーザは印刷を行うか否かを指示することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0033】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では、プリンタが配置換えにより設置位置が移動されている場合に、移動前の位置近くのプリンタを探索するか否かをユーザが指示して印刷を行うものである。
【0034】
第2の実施形態のホストPC、プリンタ、システム構成は、第1の実施形態で説明した図1、図2、図4、及び図5と同様であり、その説明は省略する。また、本発明の機能が実行されるのであれば、特にシステム構成はこれに限定されない。
【0035】
以上の構成において、図5に示す配置換え後のシステム構成で印刷を実施した際の処理を図7に示すフローチャートに従って説明する。尚、このフローチャートは、図1に示すROM3のプログラム用ROMや外部メモリ11に記憶された、例えば文書処理プログラム等に格納されたプログラムに従って、図1に示すCPU1によって実行される。
【0036】
S700において、CPU1はインタフェース30経由でプリンタ2000にプリンタの位置情報の取得要求を出し、プリンタの位置情報を取得し、S702へ処理を進める。プリンタ2000は、ホストPC1000からの位置情報の取得要求に応じて位置情報を更新し、更新した位置情報を提示する。位置情報の更新方法は、特に限定しないが、GPS(Global Positioning System)を用いることで経度、緯度、及び高度を取得することができる。この例では、プリンタ2000は配置換えにより設置位置が移動されているため、プリンタ2000の位置情報として(X3、Y3、Z3)が取得される。
【0037】
S702において、CPU1はプリンタ2000が前回印刷したときからその設置位置が変更されているか否かを判定する。ここで、設置位置が変更されていると判定した場合はS704へ処理を進め、設置位置が変更されていないと判定した場合はS710へ処理を進める。CPU1は、前回印刷したときのプリンタ2000の位置情報と、S700で取得したプリンタ2000の位置情報とを比較し、プリンタ2000の設置位置が変更されているか否かを判定する。この例では、前回印刷したときのプリンタ2000の位置情報は(X2、Y2、Z2)であり、S700で取得したプリンタ2000の位置情報は(X3、Y3、Z3)であるため、プリンタ2000の設置位置は変更されたと判定する。
【0038】
このS704では、CPU1はCRTC6に指示してCRT10に警告画面を表示し、S706へ処理を進める。図8は警告表示画面の一例を示す図である。図8に示すように、警告マーク800と警告コメント802が表示される。また、警告コメント802は、ユーザに警告の内容を通知するためである。図8では、「前回印刷したときからプリンタは移動されています。処理を選択してください。」と表示されている。例えば、前回印刷したときのプリンタ位置(X2、Y2、Z2)とS700で取得したプリンタ2000の位置情報(X3、Y3、Z3)とを用いれば、プリンタがどの方角にどれだけ移動したか計算できる。そのため、警告コメント802にその情報を表示してもよい。その後、ユーザが印刷ボタン804を押下することで、移動したプリンタ2000に対して印刷を実行することが可能となる。また、ユーザがキャンセルボタン806を押下することで、印刷を中止することが可能となる。更に、ユーザが「昔の位置近くのプリンタを探す」ボタン808を押下することで、移動したプリンタ2000が昔設置されていた位置近くに現在設置されているプリンタを探索することが可能となる。
【0039】
S706において、CPU1はユーザからの指示情報を判定する。ここで、印刷の指示があったと判定した場合はS708へ処理を進め、印刷の指示がなかったと判定した場合は、この処理を終了する。プリンタ変更印刷の指示があったと判定した場合はS712へ処理を進める。ここで、CPU1が、印刷ボタン804が押下された通知を受けた場合は印刷の指示があったと判定し、キャンセルボタン806が押下された通知を受けた場合は印刷の指示がなかったと判定する。また「昔の位置近くのプリンタを探す」ボタン808が押下された通知を受けた場合はプリンタ変更印刷の指示があったと判定する。
【0040】
S708では、CPU1は前回印刷したときのプリンタ2000の位置情報をS700で取得したプリンタ2000の位置情報で更新して保持する。この例では、(X2、Y2、Z2)から(X3、Y3、Z3)に更新されてRAM2等の記憶装置に保持する。
【0041】
そして、S710では、CPU1は印刷データを生成し、PRTC8に指示を行い印刷データをプリンタ2000に送信する。
【0042】
また、S712では、新たなプリンタの情報を取得し、S714へ処理を進める。このとき、CPU1はプリンタ情報管理サーバ(不図示)に前回印刷したときのプリンタ2000の位置情報(X2、Y2、Z2)を送信し、(X2、Y2、Z2)の位置に現在設置されているプリンタ2002のIPアドレス等の情報を受信してもよい。
【0043】
或いは、ネットワークに接続されている全てのプリンタに対して位置情報を問い合わせ、位置情報が(X2、Y2、Z2)であるプリンタ2002からIPアドレス等の情報を受信してもよい。
【0044】
次に、S714において、S712で取得したプリンタの情報を更新し、S708へ処理を進める。例えば、CPU1は、プリンタ2000に関連付けられていたIPアドレスを、S712で取得した新たなプリンタのIPアドレスに変更する。
【0045】
第2の実施形態によれば、プリンタの設置位置が変更されている場合に、ユーザは昔の位置近くのプリンタを探索することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0046】
[他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に印刷データを生成して送信する情報処理装置であって、
前記画像形成装置の位置情報を保持する保持手段と、
前記画像形成装置に印刷データを生成して送信する際に、当該画像形成装置の現在の位置情報を取得する取得手段と、
前記保持手段により保持されている位置情報と前記取得手段により取得された現在の位置情報とに基づいて、前記画像形成装置が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記画像形成装置が移動していると判定された場合に、印刷を行うか否かをユーザが指示するための画面を表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された画面において前記ユーザが印刷を行うと指示した場合、前記印刷データを生成して前記画像形成装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザが印刷を行うと指示した場合、前記保持手段により保持されている位置情報を前記取得手段により取得された現在の位置情報で更新することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記画像形成装置が移動していると判定された場合に、更に、移動前の位置近くの画像形成装置を探すか否かをユーザが指示するための画面を表示し、
前記情報処理装置は、前記ユーザが移動前の位置近くの画像形成装置を探すと指示した場合、前記保持手段により保持されている位置情報に基づいて、当該移動前の位置近くの画像形成装置を探索する探索手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
画像形成装置に印刷データを生成して送信する情報処理装置の処理方法であって、
保持手段が、前記画像形成装置の位置情報を保持する保持工程と、
取得手段が、前記画像形成装置に印刷データを生成して送信する際に、当該画像形成装置の現在の位置情報を取得する取得工程と、
判定手段が、前記保持工程において保持された位置情報と前記取得工程において取得された現在の位置情報とに基づいて、前記画像形成装置が移動しているか否かを判定する判定工程と、
表示手段が、前記判定工程において前記画像形成装置が移動していると判定された場合に、印刷を行うか否かをユーザが指示するための画面を表示する表示工程と、
送信手段が、前記表示工程で表示された画面において前記ユーザが印刷を行うと指示した場合、前記印刷データを生成して前記画像形成装置へ送信する送信工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の処理方法。
【請求項5】
コンピュータを請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54464(P2013−54464A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191078(P2011−191078)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】