説明

情報処理装置及びキャリブレーション方法

【課題】ジェスチャー操作に係るキャリブレーションを容易かつ効率的に行うことが可能な情報処理装置及びキャリブレーション方法を提供する。
【解決手段】映像を表示する表示手段と、操作者の手の位置を検出する検出する検出手段と、第1の操作受付モードによって操作者からの操作を受け付ける第1操作受付手段と、第2の操作受付モードによって、前記検出手段の検出結果に基づいてユーザからの操作を受け付ける第2操作受付手段と、前記第1の操作受付モードから前記第2の操作受付モードへの変更を行う場合に、当該変更を確認するための確認画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記確認画面の表示中に、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記手の位置検出に係るパラメータを調整する調整手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びキャリブレーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、PC等の情報処理装置において、操作者の手の位置や動き(ジェスチャー)を検出し、このジェスチャーにより情報処理装置を操作することが可能なユーザインターフェースが提案されている。係るユーザインターフェースでは、情報処理装置に触れることで操作が行えるだけでなく、非接触で当該情報処理装置を操作することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−79662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の情報処理装置に触れるユーザインターフェースは、操作者の個人差により位置の検出精度に誤差が発生する手法がある。そのような手法の装置において、各人が情報処理装置に触れる操作を行う際には、事前にキャリブレーションを行う必要があるが、キャリブレーション専用の操作を行うことは操作者にとって手間であり、利便性に欠けるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ジェスチャー操作方法と位置操作方法を持つ装置において、位置操作に係るキャリブレーションを容易かつ効率的に行うことが可能な情報処理装置及びキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態の情報処理装置は、表示手段と、検出手段と、第1操作受付手段と、第2操作受付手段と、表示制御手段と、調整手段とを備える。表示手段は、映像を表示する。検出手段は、操作者の手の位置を検出する。第1操作受付手段は、第1の操作受付モードによって操作者からの操作を受け付ける。第2操作受付手段は、第2の操作受付モードによって、検出手段の検出結果に基づいてユーザからの操作を受け付ける。表示制御手段は、第1の操作受付モードから第2の操作受付モードへの変更を行う場合に、当該変更を確認するための確認画面を表示手段に表示させる。調整手段は、確認画面の表示中に、検出手段の検出結果に基づいて、手の位置検出に係るパラメータを調整する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態に係るテレビジョンの一例を示す外観斜視図。
【図2】図2は、実施形態に係るテレビジョンの信号処理系を示す図。
【図3−1】図3−1は、反射光強度のばらつきを説明するための図。
【図3−2】図3−2は、反射光強度のばらつきを説明するための図。
【図4】図4は、操作受付処理の手順を示すフローチャート。
【図5】図5は、確認画面の一例を示す図。
【図6】図6は、位置操作画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る情報処理装置及びキャリブレーション方法の実施の形態を詳細に説明する。後述する実施の形態では、情報処理装置の一形態として、テレビジョンに適用した例について説明するが、これに限らず、PC(Personal Computer)や、タブレット型PC、フォトフレーム、携帯型電子機器等の情報処理装置に適用してもよい。
【0009】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置であるテレビジョン100の一例を示す正面図である。同図に示すように、テレビジョン100は、前方から見た正面視(前面に対する平面視)で、長方形状の外観を呈している。テレビジョン100は、筐体1とLCDパネル2とを備えている。LCDパネル2は、後述する映像処理部19(図2参照)から映像信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。なお、筐体1は、支持部3に支持されている。
【0010】
筐体1の四隅には赤外LED4a、4b、4c、4dがそれぞれ設けられている。また、筐体1の中央下部にはフォトディテクタ5が設けられている。各赤外LEDから照射される赤外光は、テレビジョン100の正面に存在する物体(視聴者等)で反射され、その反射光がフォトディテクタ5で受光される。テレビジョン100は、フォトディテクタ5での受光結果に基づき、視聴者の手の動きをジェスチャーとして検出し、このジェスチャーによる操作入力を受け付ける。なお、赤外LEDやフォトディテクタ5が設けられる位置は、図1の例に限らないものとする。また、赤外LEDが設けられる個数は2以上であれば特に問わず、フォトディテクタ5を複数個(例えば、赤外LED毎に)設ける形態としてもよい。
【0011】
図2は、テレビジョン100の信号処理系を示すブロック図である。図2に示すように、テレビジョン100は、アンテナ11で受信したデジタルテレビジョン放送信号を、入力端子12を介して受信手段であるチューナ部13に供給することにより、所望のチャンネルの放送信号を選局することが可能になっている。テレビジョン100は、チューナ部13で選局された放送信号を、復調復号部14に供給してデジタルの映像信号及び音声信号等に復元した後、入力信号処理部15に出力する。
【0012】
入力信号処理部15は、復調復号部14から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対してそれぞれ所定のデジタル信号処理を施す。
【0013】
また、入力信号処理部15は、デジタルの映像信号を合成処理部16に出力し、デジタルの音声信号を音声処理部17に出力している。このうち、合成処理部16は、入力信号処理部15から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(On Screen Display)信号生成部18で生成される字幕、GUI(Graphical User Interface)、OSDなどの重畳用映像信号であるOSD信号を重畳して出力している。この場合、合成処理部16は、入力信号処理部15から供給される映像信号にOSD信号生成部18から供給されたOSD信号をそのまま重畳して出力している。
【0014】
テレビジョン100は、合成処理部16から出力したデジタルの映像信号を、映像処理部19に供給する。映像処理部19は、入力されたデジタルの映像信号を、出力部として機能するLCDパネル2で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換している。テレビジョン100は、映像処理部19から出力されたアナログ映像信号を、LCDパネル2に供給して映像出力に供する。
【0015】
音声処理部17は、入力されたデジタルの音声信号を、後段のスピーカ20で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換している。そして、この音声処理部17から出力されたアナログ音声信号が、スピーカ20に供給されることにより音声再生に供される。
【0016】
ここで、テレビジョン100は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部21によって統括的に制御している。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)21aを内蔵しており、テレビジョン100の本体に設置された操作装置である操作部22からの操作情報を受けて、又は、操作装置であるリモートコントローラ23から送出され受信部24で受信した操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御する。また、制御部21は、後述する検出制御部30と協働することで、視聴者の手の動きをジェスチャーとして検出し、このジェスチャーに割当てられた操作内容が実現されるように各部をそれぞれ制御する。
【0017】
また、制御部21は、メモリ部21bを内蔵している。メモリ部21bは、主として、CPU21aが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、該CPU21aに作業エリアを提供するためのRAM(Random Access Memory)と、各種の設定情報、制御情報及び操作部22やリモートコントローラ23からの操作情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
【0018】
また、制御部21には、ディスクドライブ部25が接続されている。ディスクドライブ部25は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク26を着脱自在とするもので、装着された光ディスク26に対してデジタルデータの記録再生を行なう機能を有している。
【0019】
制御部21は、視聴者による操作部22やリモートコントローラ23の操作に基づいて、復調復号部14から得られるデジタルの映像信号及び音声信号を、記録再生処理部27によって暗号化し所定の記録フォーマットに変換した後、ディスクドライブ部25に供給して光ディスク26に記録させるように制御することができる。
【0020】
また、制御部21は、視聴者による操作部22やリモートコントローラ23の操作に基づいて、ディスクドライブ部25により光ディスク26からデジタルの映像信号及び音声信号を読み出させ、上記記録再生処理部27によって復号化した後、入力信号処理部15に供給することによって、以後、上記した映像表示及び音声再生に供させるように制御することができる。
【0021】
制御部21には、HDD(Hard Disk Drive)28が接続されている。制御部21は、視聴者による操作部22やリモートコントローラ23の操作に基づいて、復調復号部14から得られるデジタルの映像信号及び音声信号を、記録再生処理部27によって暗号化し所定の記録フォーマットに変換した後、HDD28に供給して記録させるように制御することができる。
【0022】
また、制御部21は、視聴者による操作部22やリモートコントローラ23の操作に基づいて、HDD28からデジタルの映像信号及び音声信号を読み出し、記録再生処理部27によって復号化した後、入力信号処理部15に供給することによって、以後、上記した映像表示及び音声再生に供させるように制御することができる。
【0023】
HDD28は、各種データを記憶することにより、メニュー情報データベース(メニュー情報DB)28a及びジェスチャー情報データベース(ジェスチャー情報DB)28bとして機能する。メニュー情報データベース28aは、GUIやOSDを構成するためのメニュー構成情報を記憶している。ジェスチャー情報データベース28bは、予め定められた各ジェスチャーのパターン(ジェスチャーパターン)と、当該ジェスチャーパターンに割り当てられた操作内容に対応するコマンドとを対応付けて記憶している。
【0024】
ジェスチャーパターンは、二つの種類に大別される。第1のジェスチャーパターンは、ジェスチャー自体、つまり動きの軌跡で操作内容が確定されるものである。第1のジェスチャーパターンでは、例えば、手を左/右に振る等することで操作内容(コマンド)が確定し、これにより音量の上げ下げや、チャンネルの切り替え等が実行される。以下、第1のジェスチャーパターンでの操作を、「ジェスチャー操作モード」という。
【0025】
また、第2のジェスチャーパターンは、ジェスチャー自体と、そのジェスチャーが行われた位置(操作位置)との組により、操作内容が確定されるものである。この第2のジェスチャーパターンでは、LCDパネル2に表示されるGUIに対する操作が基本となる。例えば、LCDパネル2に表示されたボタン等の選択子に対し、タップ等の選択を表すジェスチャーが行われることで操作内容(コマンド)が確定し、これにより当該ボタンの押下等が実行される。以下、第2のジェスチャーパターンでの操作を、「位置操作モード」という。
【0026】
さらに、テレビジョン100には、入力端子29が接続されている。入力端子29は、テレビジョン100の外部からデジタルの映像信号及び音声信号を直接入力するためのものである。この入力端子29を介して入力されたデジタルの映像信号及び音声信号は、制御部21の制御に基づいて、記録再生処理部27を介した後、入力信号処理部15に供給されて、以後、上記した映像表示及び音声再生に供される。
【0027】
また、入力端子29を介して入力されたデジタルの映像信号及び音声信号は、制御部21の制御に基づいて、記録再生処理部27を介した後、ディスクドライブ部25による光ディスク26に対しての記録再生や、HDD28に対しての記録再生に供される。
【0028】
なお、制御部21は、視聴者による操作部22やリモートコントローラ23の操作に基づいて、ディスクドライブ部25とHDD28との間で、光ディスク26に記録されているデジタルの映像信号及び音声信号をHDD28に記録したり、HDD28に記録されているデジタルの映像信号及び音声信号を光ディスク26に記録したりすることも制御している。
【0029】
また、制御部21には、検出制御部30が接続されている。この検出制御部30は、LED制御部31と、データ解析部32とを有している。LED制御部31は、赤外LED4a、4b、4c及び4dの発光タイミングを制御する。具体的に、LED制御部31は、制御部21の制御に基づき、赤外LED4a、4b、4c及び4dの各赤外LEDを、所定の順序(例えば、4a→4b→4c→4d)で、時分割で発光させる。なお、何れの赤外LEDからの出射光かを識別する必要があるため、例えば、各赤外LEDの出射光をパルス光とし、そのパルス位相を異ならせる方法や、出射光を連続正弦波光とし、その周波数又は位相を異ならせる方法等が用いられているものとする。
【0030】
データ解析部32は、フォトディテクタ5で受光された各赤外LEDについての反射光をそれぞれ解析し、受光量の程度を示す反射光強度を取得する。また、データ解析部32は、取得した反射光強度を、対応する赤外LEDを識別する識別情報とともに制御部21に出力する。
【0031】
制御部21は、データ解析部32から各赤外LEDの識別情報と反射光強度とを受け付けると、これら各赤外LEDの反射光強度から視聴者の手の位置を検出するとともに、この位置の経時変化等に基づいて、視聴者が行った手の位置の動きをジェスチャーとして検出する。また、制御部21は、検出したジェスチャーを、HDD28のジェスチャー情報DB28bに記憶された各ジェスチャーパターンと照合し、一致したジェスチャーパターンに対応付けられたコマンドを実行することで、ジェスチャーで指示された操作内容が反映されるよう各部を制御する。
【0032】
上記操作位置の検出方法は、特に問わず、公知の技術を用いることが可能である。本実施形態では、下記式(1)〜(3)を用いることで、操作者の操作位置を特定(検出)する。なお、ここでの操作位置は、LCDパネル2の表示面(例えば、画面中央部)を基準とする三次元の情報(x、y、z)である。
【0033】
【数1】

【0034】
上記式(1)〜(3)において、LED1は赤外LED4aについての反射光強度、LED2は赤外LED4bについての反射光強度、LED3は赤外LED4cについての反射光強度、LED4は赤外LED4dについての反射光強度である。また、a〜sは係数である。
【0035】
制御部21は、キャリブレーション時に、係数a〜sの値を調整することで、各視聴者の操作位置(x、y、z)が、ジェスチャー検出の基準となる基準位置に一致するよう補正を行う。係るキャリブレーションは、LCDパネル2の所定位置(例えば、画面中央部)をジェスチャーによりタップさせ、その時に得られるタップ位置(操作位置)に基づいて行なわれる。
【0036】
具体的には、LCDパネル2の表示面と操作位置との離間距離(図1に示すz方向)が、所定の垂直基準値となるよう、上記式(3)の係数o〜sの値を調整する。また、LCDパネル2の表示面に並行な面上(図1に示すx−y面)における操作位置が、所定の水平基準位置となるよう、上記式(1)、(2)の係数a〜nの値を調整する。ここで、例えば、垂直基準値は、操作位置を表示面上とする“0”であり、水平基準位置は、表示面の中央位置である。なお、水平基準位置及び垂直基準位置は、設定情報としてHDD28等に予め記憶されているものとする。
【0037】
ところで、視聴者各人の個人差により取得される反射光強度の値にばらつきが生じるため、上記キャリブレーションは、テレビジョン100を操作する視聴者毎に行うことが好ましい。例えば、手のサイズやLCDパネル2の表示面に対する姿勢が異なると、同じ操作位置からジェスチャーを行った場合であっても、得られる結果(反射光強度)は異なってくる。
【0038】
図3−1及び図3−2は、個人差による反射光強度のばらつきを説明するための図である。図3−1では、LCDパネル2の表示面中央部において、表示面と平行(x−y方向)に手H1をかざした状態を示している。また、図3−2では、LCDパネル2の表示面中央部において、手H1のサイズより大きな手H2を、y軸を基準に左方向に傾け且つx軸を基準に手前方向に傾けた状態を示している。なお、図3−1及び図3−2において、LCDパネル2と手との離間距離Dは同等であるとする。
【0039】
図3−1及び図3−2に示すように、手のサイズや姿勢が異なると赤外LED4a、4b、4c及び4dとの間の距離も異なる(図中破線長を参照)。そのため、フォトディテクタ5で検出される各赤外LEDの反射光強度は、図3−1と図3−2とでは異なる値が取得されることになる。例えば、図3−1では、各赤外LEDについての反射光強度は略同等となるが、図3−2では、赤外LED4bと4cについての反射光強度が略同等となるが、赤外LED4d、4aについての反射光強度は異なるものとなる。
【0040】
このように、個人差により反射光強度にばらつきが生じるため、例えば、手H1の視聴者用にキャリブレーションした状態で、手H2の視聴者がジェスチャーを行うと、操作空間内での操作位置は同等であるにもかかわらず、異なる操作位置に存在すると判定される。ここで、上述したジェスチャー操作モードの場合、ジェスチャー自体が検出できれば事足りるため、操作位置の誤差は特段問題とならないが、位置操作モードの場合、操作位置を特定する必要があるため、測定位置に誤差が生じると誤操作の発生の原因となる。
【0041】
そのため、位置操作モードでテレビジョン100を操作しようとする視聴者は、事前にキャリブレーションを済ませておく必要があるが、キャリブレーション用の操作を毎回行うことは操作者にとって手間であり、利便性に欠けるという問題がある。
【0042】
そこで、本実施形態のテレビジョン100では、キャリブレーションを陽に行わず、ジェスチャー操作モードから位置操作モードへの変更時に、この位置操作モードへの移行を確認する確認画面を表示し、この確認画面への応答時に得られるジェスチャーの操作位置に基づいて、キャリブレーションを実行する。以下、図4〜図6を用いて、テレビジョン100でのキャリブレーションについて説明する。
【0043】
図4は、テレビジョン100の制御部21が実行する操作受付処理の手順を示すフローチャートである。まず、制御部21は、ジェスチャー操作モードで動作する(ステップS11)。このとき、制御部21は、検出制御部30から入力される各赤外LED4a〜4dの反射光高度から視聴者のジェスチャーを検出し、ジェスチャー情報データベースのジェスチャーパターン(第1のジェスチャーパターン)と一致した場合に、この第1のジェスチャーパターンに対応付けられたコマンドを実行する。
【0044】
ここで、操作部22、リモートコントローラ23又はジェスチャー(第1のジェスチャーパターン)により、位置操作モードの開始が指示されると(ステップS12;Yes)、制御部21は、この位置操作モードの開始を確認する確認画面を、OSD信号生成部18に生成させることで、当該確認画面をLCDパネル2に表示させる(ステップS13)。なお、位置操作モードの開始が指示されない場合は(ステップS12;No)、ジェスチャー操作モードを継続する。
【0045】
図5は、LCDパネル2に表示される確認画面の一例を示す図である。同図に示すように、確認画面の中央部、つまり上述したキャリブレーションでのタップ位置に、位置操作モードへの変更を確認するための確認ボタンB11が配置されている。なお、確認画面の構成は、図5の例に限らないものとする。
【0046】
制御部21は、図5に示した確認ボタンB11がタップされるまで待機する(ステップS14;No)。なお、確認ボタンB11の配置領域以外の領域がタップされた場合、制御部21は、そのタップ操作を無効化する。
【0047】
制御部21は、検出制御部30と協働し、確認ボタンB11のタップ操作(第2のジェスチャーパターン)を検出すると(ステップS14;Yes)、キャリブレーションを十実行し、このタップ操作が行われた操作位置が所定の基準位置となるよう上記式(1)〜(3)の係数a〜sを調整する(ステップS15)。
【0048】
続いて、制御部21は、メニュー情報データベース28aに記憶されたメニュー構成情報に基づき、位置操作モードに使用するGUI(以下、位置操作画面という)を、OSD信号生成部18に生成させることで、当該位置操作画面をLCDパネル2に表示させる(ステップS16)。
【0049】
図6は、LCDパネル2に表示される位置操作画面の一例を示す図である。同図に示すように、位置操作画面には、テレビジョン100に対する各種操作を指示するための選択子B12が配置されている。ここで、選択子B12は、例えば操作ボタンやアイコン画像等であって、チューナ部13でのチャンネル番号を指示するコマンドや、テレビジョン100が有する各種の機能を実現させるためのコマンドが割り当てられている。なお、位置操作画面の構成は、図6の例に限らないものとする。
【0050】
続いて、制御部21は、位置操作画面に対する操作を待機し、検出制御部30と協働することで、何れかの選択子B12に対するタップ操作(第2のジェスチャーパターン)を検出すると、この選択子B12に対応付けられたコマンドを実行する(ステップS17)。ここで、ステップS17でのタップ操作の検出は、ステップS15のキャリブレーション後に行われるため、タップ操作が行われた操作位置を精度よく検出することができる。なお、位置操作モード時においても、ジェスチャー操作モードでの操作は受け付けるものとする。
【0051】
制御部21は、位置操作モードの終了が指示されるまでステップS17の処理を継続する(ステップS18;No)。ここで、操作部22、リモートコントローラ23又はジェスチャー(第1のジェスチャーパターン)により、位置操作モードの終了が指示されると(ステップS18;Yes)、制御部21はステップS11に戻る。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、操作部22、リモートコントローラ23又はジェスチャー(第1のジェスチャーパターン)により、位置操作モードへの変更が指示された場合に、位置操作モードへの変更を確認する確認画面を表示し、この確認画面への応答時に得られるジェスチャーの操作位置に基づいて、キャリブレーションを実行する。このように、通常の操作の流れの中でキャリブレーションを実施することで、視聴者に意識させることなくキャリブレーションを行うことができるため、キャリブレーション専用の操作を行う手間を省くことが可能となり、視聴者の利便性を向上させることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0054】
例えば、上記実施形態では、確認画面(図5参照)や位置操作画面(図6参照)を、LCDパネル2の表示面に表示する形態としたが、これに限らず、テレビジョン100が立体視可能な構成を備える場合には、上記した確認画面及び位置操作画面等を、立体映像(3D映像)として表示してもよい。この場合、ジェスチャー検出の基準位置(垂直基準値、水平基準位置)は、位置操作画面の表示面からの飛出し量に応じて定めるものとする。具体的には、立体映像の飛出し量垂直基準値を略一致させることが好ましく、また、立体映像として表示される画面の中央位置を水平基準位置とすることが好ましい。
【0055】
なお、立体視の実現方法は特に問わず、グラスを用いるアクティブシャッター方式や、裸眼立体視方式(例えば、インテグラルイメージング方式、レンチキュラ方式、パララックスバリア方式等)等の公知の技術を用いることが可能である。例えば、アクティブシャッター方式を採用する場合、右目用の画像と左目用の画像(確認画面及び位置操作画面等)を高速に切り替えてLCDパネル2に表示し、それと同期して液晶シャッターメガネの左右それぞれの視界を交互に遮ることで、視聴者に立体視させることができる。また、裸眼立体視方式を採用する場合、LCDパネル2の前面に、レンチキュラーレンズアレイや液晶GRIN(gradient index)レンズを配設し、所定の視差量を有した立体視用の多視点画像(確認画面及び位置操作画面等)をLCDパネル2に表示することで、視聴者に立体視させることができる。
【0056】
また、上記実施形態では、検出制御部30を個別に設けた構成としたが、これに限らず、検出制御部30の機能を制御部21が有する形態としてもよい。また、上記実施形態では、ジェスチャーの検出に赤外LEDを用いる形態としたが、これに限らず、他の発光素子を用いる形態としてもよい。
【0057】
また、上記実施形態のテレビジョン100で実行されるプログラムは、メモリ部21bやHDD28に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0058】
また、上記実施形態のテレビジョン100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
100 テレビジョン
1 筐体
2 LCDパネル
3 支持部
4a、4b、4c、4d 赤外LED
5 フォトディテクタ
11 アンテナ
12 入力端子
13 チューナ部
14 復調復号部
15 入力信号処理部
16 合成処理部
17 音声処理部
18 OSD信号生成部
19 映像処理部
20 スピーカ
21 制御部
21a CPU
21b メモリ部
22 操作部
23 リモートコントローラ
24 受信部
25 ディスクドライブ部
26 光ディスク
27 記録再生処理部
28 HDD
28a メニュー情報データベース
28b ジェスチャー情報データベース
29 入力端子
30 検出制御部
31 LED制御部
32 データ解析部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示手段と、
操作者の手の位置を検出する検出する検出手段と、
第1の操作受付モードによって操作者からの操作を受け付ける第1操作受付手段と、
第2の操作受付モードによって、前記検出手段の検出結果に基づいてユーザからの操作を受け付ける第2操作受付手段と、
前記第1の操作受付モードから前記第2の操作受付モードへの変更を行う場合に、当該変更を確認するための確認画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記確認画面の表示中に、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記手の位置検出に係るパラメータを調整する調整手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第2の操作受付モードへの変更を確認する確認用の選択子を、前記調整の基準となる所定位置に配置した前記確認画面を前記表示手段に表示させ、
前記調整手段は、前記選択子が配置された位置を指示する操作を前記第2操作受付手段が受け付けた場合に、この操作に係る前記検出手段の検出結果に基づいて、前記手の位置検出に係るパラメータを調整する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2操作受付手段は、前記選択子が配置された位置以外の他の領域への選択入力を無効化する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記操作画面及び前記確認画面を立体画像として表示し、
前記調整手段は、前記確認画面の表示面からの飛出し量に基づいて、前記位置検出に係るパラメータを調整する請求項1〜3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出手段で検出された前記操作者の手の位置の動きを、ジェスチャーとして検出するジェスチャー検出手段を更に備え、
前記第1操作受付手段は、前記ジェスチャー検出手段で検出されたジェスチャーを、前記第1の操作受付モードでの操作として受け付ける請求項1〜4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出手段は、複数の光源から照射した光線の反射光に基づいて、前記操作者の手の位置を検出する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の光源は、前記表示手段の表示面の周囲に設けられている請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置で実行されるキャリブレーション方法であって、
前記情報処装置は、映像を表示する表示手段と、操作者の手の位置を検出する検出する検出手段と、を備え、
第1操作受付手段が、第1の操作受付モードによって操作者からの操作を受け付ける第1操作受付工程と、
第2操作受付手段が、前記検出手段の検出結果に基づいてユーザからの操作を受け付ける第2操作受付工程と、
表示制御手段が、前記第1の操作受付モードから前記第2の操作受付モードへの変更を行う場合に、当該変更を確認するための確認画面を前記表示手段に表示させる表示制御工程と、
調整手段が、前記確認画面の表示中に、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記手の位置検出に係るパラメータを調整する調整工程と、
を含むキャリブレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−252415(P2012−252415A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122728(P2011−122728)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【特許番号】特許第5032685号(P5032685)
【特許公報発行日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】