説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】帳票作成者に負担をかけることなく、認識領域の大きさや位置を変更してコンピュータでの認識処理が可能な帳票を作成することができ、認識領域の大きさや位置が変更された帳票を認識できるようにする。
【解決手段】原稿の記入欄に記入された記入情報の認識処理を実行する情報処理装置であって、記入欄は、該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードを有しており、原稿の画像データを入力する入力手段と、入力された画像データに含まれる識別コードに基づいて基本サイズ情報を取得する取得手段と、取得された基本サイズ情報を用いて認識対象領域のサイズを変更するサイズ変更手段と、サイズが変更された認識対象領域に対して認識処理を実行する認識手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関し、特に、帳票の設計や作成、帳票記入者による記入内容の認識処理に好ましく適用される技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、専用の帳票設計ソフトウエアを用いてコンピュータで読み取り可能な帳票を設計する方法が知られている。例えば、既存の帳票の画像上に文字やタイミングマークを認識する場所等を指定するもの、また文字を入力するための矩形やその矩形に対する処理を画面上で貼り付けて帳票を一から設計するもの等が知られている。このような専用の帳票設計ソフトウエアを用いた帳票作成においては、帳票設計が煩雑な作業であるため帳票作成者の作業負担増につながり、また人手をかけて帳票設計するため実際の帳票とずれが生じたりするといった問題があった。
【0003】
上記の問題は、帳票への記入情報に対する認識処理にも影響する。通常、認識処理を行うにあたって、帳票ごとあるいは矩形(認識領域)ごとに帳票作成者による設定が必要となる。具体的には、認識領域の位置や大きさ、処理の仕方(どの領域をどのOCR(Optical Character Reader)で処理するか等)、認識結果の出力(選択内容をどのように出力するか等(例えば“1”なら“男”、“2”なら“女”))等、処理に必要な情報を設定する。このように、従来の方法では、帳票作成者による設定作業は煩雑で作成者の作業負担が大きく、また実際の帳票とずれが生じた場合には正確かつ迅速な帳票認識処理が困難である。
【0004】
例えば特許文献1では、表の読み取りを高速化、高精度化することを目的とした表データ入出力装置が開示されている。この表データ入出力装置は、表の種別や表中の各データの行方向並びに列方向の位置を指定するためのバーコードを表データに付与するバーコード付与手段と、バーコードを読み取るバーコードリーダと、読み取られたバーコードから表種別、行方向及び列方向の位置を通知する種別・位置認識手段等を備える。
【0005】
また、例えば特許文献2では、イメージスキャナ等によって入力された記入済み帳票の画像から文字や記号等の記入情報を精度良く抽出することを目的とした記入情報抽出方法が開示されている。この記入情報抽出方法では、記入済み帳票画像のほかに未記入帳票画像(記入前の帳票画像)を別に用意し、双方の画像の位置合わせを行うことで、ノイズの影響を軽減して帳票の記入内容を柔軟に抽出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンピュータでの認識処理が可能な帳票を作成するに際して、認識領域の大きさや位置の変更を、自在にかつ帳票作成者の負担を少なくして行えれば、帳票設計上の柔軟性が増すとともに、帳票作成における生産性の向上につながる。そして、上記のようにして認識領域の大きさや位置を変更して作成された帳票を、帳票作成者がその都度処理のための設定を行うことなく認識できるようにすることが望ましい。
【0007】
特許文献1の発明は、バーコードを用いて表の読み取りを高速化、高精度化するものであるものの、例えば表の大きさや位置を変更した場合に、その都度変更後の位置を指定するバーコードを付加する必要があり、帳票作成者の負担を軽減して帳票作成の自在性を高めることはできない。また、特許文献2の発明は、帳票の記入情報を精度良く抽出するものではあるが、認識領域の大きさや位置を変更して作成された帳票を、帳票作成者がその都度処理のための設定を行うことなく認識できるようにしたものではない。
【0008】
そこで、本発明は、帳票作成者に負担をかけることなく、認識領域の大きさや位置を変更してコンピュータでの認識処理が可能な帳票を作成することができ、認識領域の大きさや位置が変更された帳票を認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、原稿の記入欄に記入された記入情報の認識処理を実行する情報処理装置であって、記入欄は、該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードを有しており、原稿の画像データを入力する入力手段と、入力された画像データに含まれる識別コードに基づいて基本サイズ情報を取得する取得手段と、取得された基本サイズ情報を用いて認識対象領域のサイズを変更するサイズ変更手段と、サイズが変更された認識対象領域に対して認識処理を実行する認識手段と、を備える情報処理装置である。
【0010】
また、本発明は、上記の帳票認識装置において、入力された画像データに含まれる識別コードについて、基本サイズ情報の取得に必要なコード読み取りが可能な比率に変更する比率変更手段を有するものであってもよい。さらに、比率変更手段は、識別コードを有する記入欄を構成する罫線の太さの比率を求め、罫線比率を用いて識別コードの比率変更を行うものであってもよい。
【0011】
他の態様として、本発明は、記入欄に記入された記入情報の認識処理に用いられる原稿を作成する情報処理装置であって、記入欄及び該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードが含まれる画像データを記憶手段から取得する取得手段と、取得された画像データを用いて原稿データを生成する生成手段と、を備える情報処理装置である。
【0012】
また、本発明は、上記の帳票作成装置において、画像データについてサイズの変更や文字データの追加入力を行う編集手段を有するものであってもよい。
【0013】
他の態様として、本発明は、原稿の記入欄に記入された記入情報の認識処理を実行するためのプログラムであって、記入欄は、該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードを有しており、原稿の画像データが入力された場合、コンピュータに、入力された画像データに含まれる識別コードに基づいて基本サイズ情報を取得する取得機能と、取得された基本サイズ情報を用いて認識対象領域のサイズを変更するサイズ変更機能と、サイズが変更された認識対象領域に対して認識処理を実行する認識機能と、を実行させるプログラムである。
【0014】
また、本発明は、上記のプログラムにおいて、入力された画像データに含まれる識別コードについて、基本サイズ情報の取得に必要なコード読み取りが可能な比率に変更する比率変更機能をコンピュータに実行させるものであってもよい。さらに、比率変更機能は、識別コードを有する記入欄を構成する罫線の太さの比率を求め、罫線比率を用いて識別コードの比率変更を行うものであってもよい。
【0015】
他の態様として、本発明は、記入欄に記入された記入情報の認識処理に用いられる原稿を作成するためのプログラムであって、コンピュータに、記入欄及び該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードが含まれる画像データを記憶手段から取得する取得機能と、取得された前記画像データを用いて原稿データを生成する生成機能と、を実行させるプログラムである。
【0016】
また、本発明は、上記のプログラムにおいて、画像データについてサイズの変更や文字データの追加入力を行う編集機能をコンピュータに実行させるものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、帳票作成者に負担をかけることなく、認識領域の大きさや位置を変更してコンピュータでの認識処理が可能な帳票を作成し、認識領域の大きさや位置が変更された帳票を認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した情報処理装置の構成を示した図である。
【図2】本発明を適用した情報処理装置の構成を示した図である。
【図3】本発明の実施形態に係るクライアントPCのハードウエア構成及び該クライアントPCを含むシステムにおける動作を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態における帳票作成処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における帳票認識処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるパーツデータの例を示した図である。
【図7】本発明の実施形態におけるパーツデータの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明を適用した情報処理装置の構成を示した機能ブロック図である。情報処理装置10は、認識処理を実行する装置で、入力手段11、比率変更手段12、取得手段13、サイズ変更手段14、認識手段15を有する。入力手段11は、認識処理に用いる原稿の画像データを入力する。認識処理に用いる原稿の記入欄には、記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードが含まれている。また、識別コードを含む記入欄の画像データは、ワープロソフトや画像編集ソフト等により編集可能な形式で部品化されたデータ(パーツデータ)となっている。比率変更手段12は、入力手段11で入力された画像データ中の識別コードについて、必要に応じてコード読み取り可能な比率に変更する。取得手段13は、入力手段11で入力された画像データ内の識別コードあるいは比率変更手段12で比率変更された識別コードを読み取って基本サイズ情報を取得する。サイズ変更手段14は、取得手段13で取得された基本サイズ情報を用いて認識対象領域のサイズ変更を行う。認識手段15は、サイズ変更手段14でサイズ変更された認識対象領域に対して認識処理を実行する。
【0020】
図2は、本発明を適用した情報処理装置の構成を示した機能ブロック図である。情報処理装置20は、認識処理に用いる帳票等の原稿を作成する装置で、取得手段21、作成手段22、編集手段23を有する。取得手段21は、記入欄と識別コードを含む画像データ(パーツデータ)をネットワーク上あるいは自装置の記憶手段40から取得する。パーツデータについては帳票認識装置10で述べたものと同様である。作成手段22は、取得手段21で取得された画像データを用いて原稿データを生成する。編集手段23は、画像データについてサイズの変更や文字テキストデータの追加入力といった編集を行う。
【0021】
本発明では、帳票においてよく使用する機能を1つの機能単位でパーツとして用意し、パーツはワープロソフト等で使用できる形式の画像データで提供される。このため、帳票作成処理において、ユーザは単数個あるいは複数個のパーツをワープロソフト等のツールに貼り付けるだけで容易に帳票を作成できる。また、ユーザは、パーツにあらかじめ決められた範囲で追記を行ったり、位置やサイズの変更を行ったりすることも可能である。そして、パーツにはQRコード等が含まれ、QRコード等にパーツの設計情報、処理情報へのリンクが付与されている。このため、帳票認識処理において、帳票をコンピュータで読み取る際はリンクをたどることで帳票の設計情報、処理情報へアクセスし、これらの情報を用いて迅速に帳票の認識処理を行うことができる。
【0022】
このように、ユーザが専用の帳票設計ソフトウエアを用いて直接設計を行わず、パーツをワープロソフト等の上で貼り合わせることにより帳票を作成するので、ユーザにとって簡単に帳票を作成することができ、人手によるずれを軽減することができる。また、パーツに設計情報や処理情報を取得するための識別コードを持たせているため、帳票認識に際して逐一ユーザが設定をすることなく、迅速かつ精度良く記入情報の認識処理を行うことができる。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の述べる実施形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0024】
本発明の実施形態として、認識処理を実行し、また認識処理に用いる帳票を作成する情報処理装置(クライアントPC)について説明する。図3は、本実施形態のクライアントPCのハードウエア構成と、クライアントPCを含むシステムにおける動作を説明するための図である。
【0025】
図3(a)に示すように、本実施形態のクライアントPC100は、CPU110、ROM120、RAM130、HDDコントローラ140、HDD141、外部I/F150、入出力コントローラ160、マウス161、KB(キーボード)162、DSP(ディスプレイ)163を備え、各装置が内部バスに接続して構成される。ROM120には本実施形態特有の処理を実行するためのプログラムが格納されており、CPU110はそのプログラムを読み込んで本実施形態特有の処理を行う。すなわち、CPU110は、ROM120内のプログラムを読み込むことで、図1に示す各手段(比率変更手段12、取得手段13、サイズ変更手段14、認識手段15)を主記憶上に構成する。なお、入力手段11は外部I/Fに相当する。また、CPU110は、ROM120内のプログラムを読み込むことで、図2に示す各手段(取得手段21、生成手段22、編集手段23)を主記憶上に構成する。
【0026】
クライアントPCを含むシステムにおける動作について図3(b)を参照して説明する。クライアントPC100は、スキャナ等の画像読み取り機器400、プリンタ等の画像出力機器300と接続され、またネットワーク上のサーバ220や自装置の記憶領域210からデータを取得する。クライアントPC100は、上述したように、CPU110上に構成された各手段(入力手段11、比率変更手段12、取得手段13、サイズ変更手段14、認識手段15)により、帳票認識処理を行う。また、同じくCPU110上に構成された各手段(取得手段21、生成手段22、編集手段13)により、帳票作成処理を行う。
【0027】
本実施形態における帳票作成処理及び帳票認識処理の概要について説明する。まず、帳票の作成にあたり、クライアントPC100は、取得手段21により、自装置の記憶領域210あるいはネットワーク上のサーバ220からパーツデータ1を取得する((1))。そして、生成手段22は、取得したパーツデータ1をワープロソフトや画像編集ソフト上で貼り合せて帳票データを生成する((2))。帳票データ生成の段階で、編集手段23により、データの編集を適宜行う。そして、クライアントPC100は帳票データ2を画像出力機器300に送出し、画像出力機器300は記録紙等に画像を出力して帳票3を作成する((3))。帳票記入者500は未記入の帳票に記入を行う((4))。
【0028】
次に、帳票の認識に際して、画像読み取り機器400は、記入済み帳票4を読み取って記入済み帳票データ5(記入済み帳票の画像データ)を取得し、クライアントPC100に送出する((5))。クライアントPC100は、入力手段11により記入済み帳票データ5を画像読み取り機器400から入力し、取得手段13により、記入済み帳票データ5内の識別コードを読み取って、認識処理に必要な処理情報6を自装置の記憶領域210あるいはネットワーク上のサーバ220から取得する((6))。識別コードの読み取りに際して、比率変更手段12は、必要に応じて、読み取り可能な比率に識別コードの比率を変更する。そして、サイズ変更手段14は、処理情報6を用いて、記入欄(認識対象領域)のサイズを認識処理可能なサイズに変更し、認識手段15は、サイズ変更された記入欄内の記入情報に対して認識処理を行う((7))。
【0029】
本実施形態における帳票作成処理及び帳票認識処理についてさらに詳細に説明する。はじめに帳票作成処理について述べる。図4は、本実施形態における帳票作成処理の流れを示したフローチャートである。クライアントPC100の取得手段21は、ローカル記憶領域210あるいはサーバ220からパーツデータをロードする(ステップS101)。そして、ワープロソフトや画像編集ソフト上でパーツデータを貼り合せる(ステップS102)。パーツデータを貼り合せる際、編集手段23は、サイズや貼り付け位置を変更する。さらにパーツデータを貼り付ける場合(ステップS103/YES)は上記を繰り返す(ステップS101、ステップS102)。生成手段22は、帳票の設計を終了する場合(ステップS103/NO)はパーツデータの貼り付けを終了し、パーツデータを貼り付けて帳票データを生成する。そして、生成した生成した帳票データを記録紙等に出力する(ステップS104)。
【0030】
パーツデータは、例えば図6や図7に示すようなデータで、ビットマップからなる画像データであり、認識処理の対象領域である矩形、該矩形内の先頭(左端あるいは左上部分)に付されたQRコード、該矩形内の帳票記入者の記入領域(あらかじめ入力された文字や画像を含む)が1つのパッケージとして部品化されている。QRコードには、このパーツの設計情報や処理情報のファイルの保存先がリンク情報として保持されている。QRコードの容量が許せば、ファイルのリンク情報でなく、ファイルそのものを保持するようにすることもできる。また、識別コードとしては、もちろんバーコードを用いることもできるが、この場合QRコードよりもサイズが大きくなってしまう。パーツデータは、貼り付け位置を自在に変更することが可能で、また縦横サイズを自由に変更できる。さらに、図6に示すように、パーツデータの外側のみならず、画像データの上(矩形内部の領域)にも文字入力を行ってテキストデータを追加することが可能である。
【0031】
続いて帳票認識処理について述べる。図5は、本実施形態における帳票認識処理の流れを示したフローチャートである。クライアントPC100は、入力手段11により、画像読み取り機器400から記入済み帳票データを取得する(ステップS201)。次いで、クライアントPC100は、記入済み帳票データから矩形画像データを全て検出する(ステップS202)。未処理の矩形画像データがなくなるまで(ステップS203/YES)以下の処理を繰り返す。
【0032】
はじめに、クライアントPC100は、検出した矩形の画像データがパーツデータであるかの判別を行う(ステップS204)。例えば、矩形の画像データがパーツデータであるか否かは、矩形の4隅に設けられた白ドットの形状や大きさで判断するように構成してもよい(図6(a)参照)。その他種々の方法でパーツデータの判別を行うことができる。矩形データがパーツデータである場合、帳票認識機能110は、矩形画像データに付されたQRコードの検索を行う(ステップS205)。QRコードの検索は、矩形内の領域に対してコードのマスクパターンを走査することで行う(パターンマッチング)。
【0033】
次いで、比率変更手段12は、検索されたQRコードが読み取り可能な比率か否かを判定する(ステップS206)。例えば、QRコードが読み取り可能な比率か否かは、QRコードを囲む矩形の罫線の比率を参照する。すなわち、縦罫線の太さと横罫線の太さが同一であるときのQRコードの縦横比率を読み取り可能な比率と判定する。その他種々の方法でQRコードの比率が読み取り可能なものかの判定を行うことができる。検索されたQRコードが読み取り可能な比率でない場合(ステップS206/NO)、比率変更手段12は、QRコードの比率を読み取り可能な比率に変更する(ステップS207)。そして、取得手段13は、比率変更後のQRコードを読み取って処理情報を取得する(ステップS208)。QRコードの比率が読み取り可能なものであった場合(ステップS206/YES)、取得手段13は、そのままQRコードを読み取って処理情報の取得を行う(ステップS208)。
【0034】
処理情報は、認識処理の対象となる矩形領域の位置(座標値)、サイズ(縦幅や横幅)、処理の仕方(どの領域をどのOCRで処理するか等の情報)、認識結果の出力内容(記入内容をどのように出力するか等の情報)等が含まれる。上述したように、QRコードには、処理情報のファイル保存先のリンク情報が保持されているが、データ容量が許せばファイル自体を保持するように構成することもできる。
【0035】
続いて、サイズ変更手段14は、取得した処理情報から位置情報やサイズ情報を抽出し、パーツデータの矩形が認識処理可能な位置及びサイズかを判定する(ステップS209)。認識処理可能な位置及びサイズでない場合(ステップS209/NO)、サイズ変更手段14は、処理情報の位置やサイズに基づいて矩形データのサイズを変更し、矩形データの位置を調整する(ステップS210)。そして、認識手段15は、矩形内の記入内容として表された画像データの認識処理を行う(ステップS211)。矩形が認識処理可能な位置及びサイズである場合(ステップS209/YES)、認識手段15は、サイズや位置の調整を行わずにそのまま記入内容の認識処理を行う(ステップS211)。
【0036】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0037】
すなわち、本実施形態におけるクライアントPCで実行されるプログラムは、先に述べた各手段(比率変更手段12、取得手段13、サイズ変更手段14、認識手段15、取得手段21、生成手段22、編集手段23)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウエアを用いて具体的手段を実現する。すなわち、コンピュータ(CPU)が所定の記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされて生成される。
【0038】
本実施形態におけるクライアントPCで実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供あるいは配布するように構成してもよい。
【0039】
また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、不揮発性のメモリカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムは、ROM等にあらかじめ組み込んで提供するように構成してもよい。
【0040】
この場合、上記記録媒体から読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成する。
【符号の説明】
【0041】
10,20 情報処理装置
11 入力手段
12 比率変更手段
13 取得手段
14 サイズ変更手段
15 認識手段
21 取得手段
22 生成手段
23 編集手段
40 記憶手段
100 クライアントPC
110 CPU
120 ROM
130 RAM
140 HDDコントローラ
141 HDD
150 外部I/F
160 入出力コントローラ
161 マウス
162 KB
163 DSP
210 クライアントPC記憶領域
220 サーバ
300 画像出力機器
400 画像読み取り機器
500 帳票記入者
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開平5−342239号公報
【特許文献2】特許第3614252号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の記入欄に記入された記入情報の認識処理を実行する情報処理装置であって、
前記記入欄は、該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードを有しており、
前記原稿の画像データを入力する入力手段と、
入力された前記画像データに含まれる前記識別コードに基づいて前記基本サイズ情報を取得する取得手段と、
取得された前記基本サイズ情報を用いて認識対象領域のサイズを変更するサイズ変更手段と、
サイズが変更された前記認識対象領域に対して認識処理を実行する認識手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
入力された前記画像データに含まれる前記識別コードについて、前記基本サイズ情報の取得に必要なコード読み取りが可能な比率に変更する比率変更手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記比率変更手段は、前記識別コードを有する前記記入欄を構成する罫線の太さの比率を求め、前記罫線比率を用いて前記識別コードの比率変更を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
記入欄に記入された記入情報の認識処理に用いられる原稿を作成する情報処理装置であって、
前記記入欄及び該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードが含まれる画像データを記憶手段から取得する取得手段と、
取得された前記画像データを用いて原稿データを生成する生成手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記画像データについてサイズの変更や文字データの追加入力を行う編集手段を有することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
原稿の記入欄に記入された記入情報の認識処理を実行するためのプログラムであって、
前記記入欄は、該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードを有しており、前記原稿の画像データが入力された場合、
コンピュータに、
入力された前記画像データに含まれる前記識別コードに基づいて前記基本サイズ情報を取得する取得機能と、
取得された前記基本サイズ情報を用いて認識対象領域のサイズを変更するサイズ変更機能と、
サイズが変更された前記認識対象領域に対して認識処理を実行する認識機能と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
入力された前記画像データに含まれる前記識別コードについて、前記基本サイズ情報の取得に必要なコード読み取りが可能な比率に変更する比率変更機能をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記比率変更機能は、前記識別コードを有する前記記入欄を構成する罫線の太さの比率を求め、前記罫線比率を用いて前記識別コードの比率変更を行うことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
記入欄に記入された記入情報の認識処理に用いられる原稿を作成するためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記記入欄及び該記入欄の基本サイズを示す基本サイズ情報を取得するための識別コードが含まれる画像データを記憶手段から取得する取得機能と、
取得された前記画像データを用いて原稿データを生成する生成機能と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記画像データについてサイズの変更や文字データの追加入力を行う編集機能をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−176267(P2010−176267A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16502(P2009−16502)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】