説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】情報の視認の妨げにならないように、付加画像を配置する。
【解決手段】通信装置は、スケジュール情報と、そのスケジュール情報に付加されたデコレーション画像とを対応付けて記憶する。通信装置は、スケジュール情報が配置されるスケジュール領域において、情報が表示される表示範囲を特定する。続いて、通信装置は、デコレーション画像が配置されるスケジュール画面上の位置の候補として、そのデコレーション画像と対応付けて記憶されているスケジュール情報が配置されるスケジュール領域とそのデコレーション画像の少なくとも一部とが重なる位置であって、特定された表示範囲とそのデコレーション画像とが重ならない位置を決定する。そして、通信装置は、候補として決定された位置の中から選択した位置にデコレーション画像を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加画像を配置する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スケジュールを見やすいように表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、スケジュールの日付に対応するセルにメモ内容を表示するときに、メモ内容の文字列の長さがセル幅よりも長い場合には、そのメモ内容を、隣接するセルへはみ出すように表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−250765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、紙媒体のスケジュール帳を使用する場合に、装飾のためにスケジュールに関連するシールを貼ることがある。このとき、例えばシールを斜めに傾けて貼ったり、わざとスケジュール欄からはみ出すように貼ったりした方が、スケジュール欄に書き込まれた情報が見やすいし、見た目も面白くなる。一方、携帯電話機などの装置においてスケジュールを表示する場合には、予め決められたスケジュール欄の中にスケジュールの情報が配置されるため、例えば上述したシールを模した画像を配置すると、そのスケジュール欄に配置される情報の視認の妨げになってしまう場合がある。
本発明は、情報の視認の妨げにならないように、付加画像を配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、情報が配置される領域が設けられる画面を表示する表示手段と、前記領域に配置される情報と、当該情報に付加される付加画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域において、情報が表示される表示範囲を特定する特定手段と、前記付加画像が配置される前記画面上の位置の候補として、当該付加画像と対応付けて前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域を含む予め決められた範囲と当該付加画像の少なくとも一部とが重なる位置であって、前記特定手段により特定された表示範囲と当該付加画像とが重ならない位置を決定する候補決定手段と、前記記憶手段に記憶されている付加画像を、前記候補決定手段により候補として決定された位置の中から選択した位置に配置する配置手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0006】
本発明に係る情報処理装置において、前記配置手段は、前記記憶手段に記憶されている付加画像を、前記候補決定手段により候補として決定された位置の中からランダムに選択した位置に配置してもよい。
【0007】
本発明に係る情報処理装置において、前記記憶手段に記憶されている付加画像の大きさをランダムに決めた大きさに変更し、又は当該付加画像の姿勢をランダムに決めた姿勢に変更する変更手段を備え、前記配置手段は、前記変更手段により大きさ又は姿勢の少なくともいずれかが変更された付加画像を配置してもよい。
【0008】
本発明に係る情報処理装置において、前記記憶手段は、予め時間が指定されたスケジュールを示す前記情報を記憶し、前記画面には、時間軸が配置されており、前記記憶手段に記憶されている情報は、前記画面に配置された時間軸において、当該情報が示すスケジュールの時間に対応する位置に設けられる前記領域に配置され、前記候補決定手段は、前記記憶手段において前記付加画像と対応付けて記憶されている情報が示すスケジュールの時間を特定し、前記画面に配置された時間軸において、特定した当該時間よりも先の時間に対応する方向に当該付加画像がはみ出す位置を、前記候補から除外してもよい。
【0009】
本発明に係る情報処理装置において、前記配置手段は、前記付加画像の配置の履歴を取得し、取得した当該履歴に基づいて付加画像が配置された頻度の高い位置を特定し、特定した当該頻度の高い位置を優先して選択してもよい。
【0010】
また、本発明は、コンピュータを、情報が配置される領域が設けられる画面を表示する表示手段と、前記領域に配置される情報と、当該情報に付加される付加画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域において、情報が表示される表示範囲を特定する特定手段と、前記付加画像が配置される前記画面上の位置の候補として、当該付加画像と対応付けて前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域を含む予め決められた範囲と当該付加画像の少なくとも一部とが重なる位置であって、前記特定手段により特定された表示範囲と当該付加画像とが重ならない位置を決定する候補決定手段と、前記記憶手段に記憶されている付加画像を、前記候補決定手段により候補として決定された位置の中から選択した位置に配置する配置手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報の視認の妨げにならないように、付加画像を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図。
【図2】スケジュール帳データの一例を示す図。
【図3】通信装置の制御部が実現する機能構成を示すブロック図。
【図4】新規作成画面の一例を示す図。
【図5】月単位のスケジュール画面の一例を示す図。
【図6】日単位のスケジュール画面の一例を示す図。
【図7】週単位のスケジュール画面の一例を示す図。
【図8】日単位のスケジュール画面の一例を示す図。
【図9】スケジュール画面の遷移を示す図。
【図10】デコレーション画像の配置処理を示すフロー図。
【図11】表示範囲を特定する処理を説明する図。
【図12】候補となる位置を決定する処理を説明する図。
【図13】変形例に係る先の時間に対応する方向へとはみ出す位置を説明する図。
【図14】変形例に係る吹き出しのデコレーション画像を配置する処理を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[構成]
図1は、本実施形態に係る通信装置1の構成を示すブロック図である。この通信装置1は、例えば図示せぬマイクやスピーカ等の音声を入出力する手段を備えた携帯電話機である。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13及びEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)14を備えている。この制御部10は、CPU11がRAM13をワークエリアとして用いてROM12又はEEPROM14に記憶されたプログラムを実行することにより、通信装置1の各部の動作を制御する。また、EEPROM14には、スケジュール帳データ41が記憶されている。無線通信部20は、アンテナ21を備え、移動通信網とのデータ通信を無線で行う。表示部30は、液晶ディスプレイと液晶駆動回路とを備え、制御部10から供給される画像データに応じた画面を表示する。操作部40は、複数の操作キーを備え、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部10に供給する。なお、通信装置1がタッチパネルを備えている場合には、タッチパネルがユーザの操作を受け付けてもよい。
【0014】
次に、EEPROM14に記憶されているスケジュール帳データ41について説明する。図2は、スケジュール帳データ41の一例を示す図である。同図に示すように、スケジュール帳データ41には、「スケジュール情報」と、「デコレーション画像」とが対応付けられている。「スケジュール情報」は、ユーザのスケジュールを示す情報である。この「スケジュール情報」には、スケジュールの「タイトル」、「詳細情報」、「開始日」、「開始時刻」、「終了日」及び「終了時刻」が含まれている。この「開始日」「開始時刻」から「終了日」「終了時刻」までの時間が、スケジュールの予定時間となる。つまり、「スケジュール情報」は、予め時間が指定されたスケジュールを示す情報である。「デコレーション画像」は、スケジュール情報に付加される付加画像である。このデコレーション画像は、静止画像であってもよいし、アニメーション画像であってもよい。
【0015】
次に、通信装置1の制御部10が実現する機能構成について説明する。図3は、通信装置1の制御部10が実現する機能構成を示すブロック図である。各機能構成は、CPU11がネイティブアプリケーションを実行することにより実現されてもよいし、CPU11がJava(登録商標)アプリケーションを実行することにより実現されてもよい。同図に示すように、制御部10は、変更部101と、特定部102と、候補決定部103と、配置部104とを実現する。変更部101は、上述したデコレーション画像の大きさをランダムに決めた大きさに変更し、デコレーション画像の姿勢をランダムに決めた姿勢に変更する変更手段である。特定部102は、表示部30に表示されるスケジュール画面に設けられたスケジュール領域において、情報が表示される表示範囲を特定手段である。候補決定部103は、上述したデコレーション画像が配置されるスケジュール画面上の位置の候補として、そのデコレーション画像に対応するスケジュール情報が配置されるスケジュール領域とそのデコレーション画像の少なくとも一部とが重なる位置であって、特定部102により特定された表示範囲とそのデコレーション画像とが重ならない位置を決定する候補決定手段である。配置部104は、変更部101により大きさや姿勢が変更されたデコレーション画像を、候補決定部103により候補として決定された位置の中から選択した位置に配置する配置手段である。
【0016】
[動作]
次に、本実施形態に係る通信装置1の動作について説明する。
(スケジュール情報の新規登録処理)
まず、スケジュール情報の新規登録処理について説明する。新たなスケジュール情報を登録する場合、ユーザは、操作部40を操作して、スケジュール情報の新規登録を指示する。スケジュール情報の新規登録が指示されると、制御部10は、スケジュール情報の入力を受け付ける新規登録画面Pを表示部30に表示させる。図4は、新規登録画面Pの一例を示す図である。新規登録画面Pが表示されると、ユーザは、操作部40を操作して、スケジュール情報を入力する。図4の例では、新規登録画面Pの「タイトル」というテキストボックスt1に「花子とランチ」が入力され、「詳細情報」というテキストボックスt2に「表参道の○○CAFEというお店にて」が入力されている。また、「開始日時」というテキストボックスt3には「2009/05/16」及び「12:00」が入力され、「終了日時」というテキストボックスt4には「2009/05/16」及び「16:00」が入力されている。また、ユーザは、操作部40を操作して、入力したスケジュール情報を装飾するデコレーション画像を指定することができる。図4の例では、ハート形のデコレーション画像d1が指定されている。
【0017】
スケジュール情報の入力を終えると、ユーザは、操作部40を操作して、新規登録画面Pに配置された登録ボタンbを押す。登録ボタンbが押されると、制御部10は、新規登録画面Pにおいて入力されたスケジュール情報と、指定されたデコレーション画像とを、EEPROM14に記憶されているスケジュール帳データ41に追加する。この例では、図2に示すように、タイトル「花子とランチ」、詳細情報「表参道の○○CAFEというお店にて」、開始日「2009/05/16」、開始時刻「12:00」、終了日「2009/05/16」及び終了時刻「16:00」と、「デコレーション画像d1」とがスケジュール帳データ41に追加される。
【0018】
(スケジュール画面の表示処理)
次に、スケジュール情報の表示処理について説明する。月単位のスケジュール情報を見たい場合、ユーザは、操作部40を操作して、月単位のスケジュール画面Q1の表示を指示する。月単位のスケジュール画面Q1の表示が指示されると、制御部10は、EEPROM14に記憶されているスケジュール帳データ41に基づいて、月単位のスケジュール画面Q1を作成する。そして、制御部10は、作成したスケジュール画面Q1を表示部30に表示させる。図5は、月単位のスケジュール画面Q1の一例を示す図である。同図に示すように、このスケジュール画面Q1には、1ヶ月間の各日付が割り当てられた複数のスケジュール領域r1が設けられている。この場合、1ヶ月間の日付の並びが時間軸となる。各々のスケジュール領域r1には、スケジュール帳データ41において、スケジュールの予定時間がそのスケジュール領域r1に割り当てられた日付となるスケジュール情報に対応付けられた「デコレーション画像」が配置される。例えば、図2に示すスケジュール帳データ41では、開始日「2009/05/16」及び終了日「2009/05/16」と、「デコレーション画像d1」とが対応付けられている。この開始日「2009/05/16」及び終了日「2009/05/16」は、スケジュールの予定時間が5月16日であることを示している。この場合、5月16日のスケジュール領域r1には、ハート形のデコレーション画像d1が配置される。
【0019】
続いて、月単位のスケジュール画面Q1に表示されたいずれかの日付にフォーカスして、スケジュール情報を見たい場合、ユーザは、操作部40を操作して、フォーカスしたい日付のスケジュール領域r1を指定する。ここでは、5月16日のスケジュール領域r1が指定された場合を想定する。この場合、制御部10は、EEPROM14に記憶されているスケジュール帳データ41のうち、5月16日のスケジュールを示す情報に基づいて、日単位のスケジュール画面Q2を作成する。そして、制御部10は、作成したスケジュール画面Q2を表示部30にさせる。図6は、日単位のスケジュール画面Q2の一例を示す図である。同図に示すように、このスケジュール画面Q2には、5月16日という日付が割り当てられたスケジュール領域r2が設けられている。このスケジュール領域r2には、スケジュール帳データ41において、スケジュールの予定時間が5月16日となるスケジュール情報の「タイトル」、「詳細情報」、「開始時刻」及び「終了時刻」と、そのスケジュール情報に対応付けられた「デコレーション画像」とが配置される。例えば、図2に示すスケジュール帳データ41では、開始日「2009/05/16」及び終了日「2009/05/16」と、タイトル「花子とランチ」、詳細情報「表参道の○○CAFEというお店にて」、開始時刻「12:00」及び終了時刻「16:00」と、「デコレーション画像d1」とが対応付けられている。上述したように、この開始日「2009/05/16」及び終了日「2009/05/16」は、スケジュールの予定時間が5月16日であることを示している。この場合、スケジュール領域r2には、「花子とランチ」というタイトルと、「表参道の○○CAFEというお店にて」という詳細情報と、「12:00→16:00」という開始時刻及び終了時刻と、ハート形のデコレーション画像d1とが配置される。
【0020】
また、週単位のスケジュール情報を見たい場合、ユーザは、操作部40を操作して、週単位のスケジュール画面Q3の表示を指示する。週単位のスケジュール画面Q3の表示が指示されると、制御部10は、EEPROM14に記憶されているスケジュール帳データ41に基づいて、週単位のスケジュール画面Q3を作成する。そして、制御部10は、作成したスケジュール画面Q3を表示部30に表示させる。図7は、週単位のスケジュール画面Q3の一例を示す図である。同図に示すように、スケジュール画面Q3には、1週間の時間軸となる日付と、1日の時間軸となるタイムラインとが示されている。このスケジュール画面Q3には、上述したスケジュールの予定時間に対応する位置に、その時間が割り当てられたスケジュール領域r3が設けられる。このスケジュール領域r3には、スケジュール帳データ41において、スケジュールの予定時間がそのスケジュール領域r3に割り当てられた時間となるスケジュール情報の「タイトル」と、そのスケジュール情報に対応付けられた「デコレーション画像」とが配置される。例えば、図2に示すスケジュール帳データ41では、開始日「2009/05/16」、開始時刻「12:00」、終了日「2009/05/16」及び終了時刻「16:00」と、タイトル「花子とランチ」と、「デコレーション画像d1」とが対応付けられている。この開始日「2009/05/16」、開始時刻「12:00」、終了日「2009/05/16」及び終了時刻「16:00」は、スケジュールの予定時間が5月16日の12:00〜16:00であることを示している。この場合、スケジュール画面Q3の5月16日の12:00〜16:00に対応する位置にはスケジュール領域r3が設けられ、このスケジュール領域r3には、「花子とランチ」というタイトルと、ハート形のデコレーション画像d1とが配置される。
【0021】
続いて、週単位のスケジュール画面Q3に表示されたいずれかの日にフォーカスして、スケジュール情報を見たい場合、ユーザは、操作部40を操作して、フォーカスしたい日付のスケジュール領域r3を指定する。ここでは、5月16日のスケジュール領域r3が指定された場合を想定する。この場合、制御部10は、EEPROM14に記憶されているスケジュール帳データ41のうち、5月16日のスケジュールを示す情報に基づいて、日単位のスケジュール画面Q4を作成する。そして、制御部10は、作成したスケジュール画面Q4を表示部30にさせる。図8は、日単位のスケジュール画面Q4の一例を示す図である。同図に示すように、このスケジュール画面Q4には、1日の時間軸となるタイムラインが示されている。このスケジュール画面Q4には、上述したスケジュールの予定時間に対応する位置に、その時間が割り当てられたスケジュール領域r4が設けられる。このスケジュール領域r4には、スケジュール帳データ41において、スケジュールの予定時間がそのスケジュール領域r4に割り当てられた時間となるスケジュール情報の「タイトル」と、そのスケジュール情報に対応付けられた「デコレーション画像」とが配置される。例えば、図2に示すスケジュール帳データ41では、開始日「2009/05/16」、開始時刻「12:00」、終了日「2009/05/16」及び終了時刻「16:00」と、タイトル「花子とランチ」と、「デコレーション画像d1」とが対応付けられている。上述したように、この開始日「2009/05/16」、開始時刻「12:00」、終了日「2009/05/16」及び終了時刻「16:00」は、スケジュールの予定時間が5月16日の12:00〜16:00であることを示している。この場合、スケジュール画面Q4の5月16日の12:00〜16:00に対応する位置にはスケジュール領域r4が設けられ、このスケジュール領域r4には、「花子とランチ」というタイトルと、ハート形のデコレーション画像d1とが配置される。
【0022】
なお、上述したスケジュール画面Q1〜Q4は、図9に示すように、他のスケジュール画面へと遷移することができる。例えば、月単位のスケジュール画面Q1から週単位のスケジュール画面Q3へと遷移させたい場合、ユーザは、操作部40を操作して、月単位のスケジュール画面Q1から週単位のスケジュール画面Q3への遷移を指示すればよい。
【0023】
次に、上述した週単位のスケジュール画面Q3を例に挙げて、デコレーション画像の配置処理について詳細に説明する。図10は、デコレーション画像の配置処理を示すフロー図である。まず、制御部10は、デコレーション画像の大きさを、予め決められた複数の大きさの中からランダムに選択した大きさに変更する(ステップS11)。例えば、「大」、「中」、「小」という大きさが決められている場合、制御部10は、デコレーション画像の大きさを、この中からランダムに選択した大きさに変更する。なお、デコレーション画像の元の大きさと、ランダムに選択した大きさとが等しい場合、制御部10は、デコレーション画像の大きさの変更を行わない。続いて、制御部10は、デコレーション画像の姿勢を、予め決められた複数の姿勢の中からランダムに選択した姿勢に変更する(ステップS12)。例えば、「傾きなし」、「右斜め」、「左斜め」という姿勢が決められている場合、制御部10は、デコレーション画像を、この中からランダムに選択した姿勢になるように回転させる。なお、「傾きなし」という姿勢を選択した場合、制御部10は、デコレーション画像の姿勢の変更を行わない。ここでは、ステップS11において、デコレーション画像の大きさが「中」に変更され、ステップS12において、デコレーション画像の姿勢が「右斜め」に変更された場合を想定する。なお、以下の説明では、ステップS11及びS12の処理を経たデコレーション画像を「処理済みデコレーション画像」という。
【0024】
続いて、制御部10は、スケジュール画面Q3の各スケジュール領域r3において、情報が表示される表示範囲kを特定する(ステップS13)。この「表示範囲」とは、スケジュール領域r3において、デコレーション画像以外の画像や文字などの情報で占められる領域のことである。この表示範囲kは、例えばスケジュール領域r3に配置されるデコレーション画像以外の画像又は文字の表示位置と大きさに基づいて求められる。例えば、図11に示すように、スケジュール領域r3に「花子とランチ」というタイトルが配置される場合には、「花子とランチ」というタイトルにより占められる部分が表示範囲kとして特定される。なお、図の例では、「花子とランチ」という文字の隙間も表示範囲kに含まれているが、この部分を表示範囲kから除外してもよい。あるいは、「花子とランチ」という文字の外接を囲む外接矩形の範囲が表示範囲kとして特定されてもよい。
【0025】
続いて、制御部10は、処理済みデコレーション画像が配置されるスケジュール画面Q3上の位置の候補を決定する(ステップS14)。具体的には、制御部10は、スケジュール領域r3と処理済みデコレーション画像の少なくとも一部とが重なる位置であって、上述したステップS13にて特定された表示範囲kとその処理済みデコレーション画像とが重ならない位置を候補として決定する。例えば、図12(a)に示す位置は、処理済みデコレーション画像d1の一部が表示範囲kにかかっているため、候補として決定されない。一方、図12(b)に示す位置は、デコレーション画像d1の全体がスケジュール領域r3と重なるように配置されており、デコレーション画像d1が表示範囲kにかかっていないため、候補として決定される。また、図12(c)に示す位置は、デコレーション画像d1の一部がスケジュール領域r3と重なるように配置されており、デコレーション画像d1が表示範囲kにかかっていないため、候補として決定される。
【0026】
続いて、制御部10は、候補として決定された位置の中のいずれかをランダムに選択し、選択した位置に処理済みデコレーション画像を配置する(ステップS15)。例えば、図12(c)に示す位置が選択された場合には、図7に示すように、大きさが「中」で「右斜め」に傾いた処理済みデコレーション画像d1が、スケジュール領域r3から上側にはみ出すように配置される。
【0027】
また、ユーザは、このようにしてデコレーション画像が配置された後、デコレーション画像の配置を替えたい場合には、操作部40を操作して、デコレーション画像の配置替えを指示する。この場合、制御部10は、スケジュール画面Q3からデコレーション画像を削除した後、再び上述したステップS11に戻って、デコレーション画像の配置処理を行う。これにより、スケジュール画面Q3において、デコレーション画像の大きさや姿勢、位置が変更される。ユーザは、このデコレーション画像の配置替えを繰り返し行うことにより、デコレーション画像の配置を自分が気に入ったものにすることができる。
【0028】
なお、ここでは、週単位のスケジュール画面Q3にデコレーション画像を配置する場合を例に挙げて説明したが、上述した月単位のスケジュール画面Q1、日単位のスケジュール画面Q2、日単位のスケジュール画面Q4においても、上述と同様の配置処理を行ってデコレーション画像を配置してもよい。
【0029】
以上説明した実施形態によれば、デコレーション画像が、スケジュール領域に表示される情報と重ならないように配置されるため、スケジュール領域の情報を見やすくなる。また、デコレーション画像が、スケジュール領域内に収まるように配置されるだけではなく、スケジュール領域からはみ出すようにも配置されるため、デコレーション画像の表示に面白味がでる。さらに、デコレーション画像の大きさや姿勢、配置が毎回ランダムに変わって、ユーザの予測できないものになるため、ユーザは、デコレーション画像がどのように表示されるかを楽しむことができる。
【0030】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の各変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態において、例えば図13に示すように、5月16日の12:00〜16:00のスケジュール領域r3に配置されるデコレーション画像d1が、5月16日の16:00以降の時間に対応する方向にはみ出していると、5月16日の16:00〜のスケジュール領域r3のスケジュール情報が見づらくなってしまう。そこで、制御部10は、EEPROM14に記憶されているスケジュール帳データ41に基づいて、スケジュールの予定時間を特定し、スケジュール画面において、特定した予定時間よりも先の時間に対応する方向にデコレーション画像がはみ出す位置を、上述したステップS14にて決定された候補から除外してもよい。この場合、図13に示したデコレーション画像d1の位置は、5月16日の16:00以降の時間に対応する方向にデコレーション画像d1がはみ出しているため、ステップS14にて決定された候補から除外される。
【0031】
(変形例2)
上述した実施形態において、ユーザが、デコレーション画像の配置替えを繰り返し行うことにより、デコレーション画像の最終的な配置を決めている場合には、デコレーション画像の配置の履歴からユーザが好みの配置を推測することができる。そこで、制御部10は、上述したステップS15において、デコレーション画像の配置の履歴を取得して、取得した履歴に基づいてデコレーション画像が配置された頻度の高い位置を特定し、特定した頻度の高い位置を優先して選択してもよい。また、デコレーション画像の大きさや姿勢についても同様に、処理済みデコレーション画像の履歴に基づいて頻度の高い大きさや姿勢を特定し、これを優先して選択するようにしてもよい。
【0032】
(変形例3)
上述した実施形態において、デコレーション画像が、吹き出しを示す画像である場合には、スケジュール領域からはみ出すような位置にデコレーション画像を配置してもよい。この場合、デコレーション画像には、予め吹き出しを示す画像であるか否かを示す属性情報が対応付けられており、制御部10は、この属性情報に基づいて、デコレーション画像が吹き出しを示す画像であるか否かを判定する。この判定において、制御部10は、デコレーション画像が吹き出しを示す画像である場合には、上述したステップS14にて候補として決定された位置の中から、処理済みデコレーション画像がスケジュール領域からはみ出す位置を抽出し、抽出した位置の中から選択した位置にその処理済みデコレーション画像を配置する。また、上述した判定において、制御部10は、デコレーション画像が吹き出しを示す画像以外の画像である場合には、上述したステップS14にて候補として決定された位置の中から、処理済みデコレーション画像がスケジュール領域内に収まる位置を抽出し、抽出した位置の中から選択した位置にその処理済みデコレーション画像を配置してもよい。
【0033】
また、デコレーション画像が吹き出しを示す画像である場合に、そのデコレーション画像をスケジュール領域と重ならない位置に配置してもよい。例えば、図14に示すように、吹き出しのデコレーション画像d4を配置する場合、制御部10は、スケジュール領域r3を予め決められた分だけ拡大した拡大領域R3を設定する。この拡大領域R3は、スケジュール領域r3を含む予め決められた範囲の一例である。そして、制御部10は、上述したステップS14において、吹き出しの処理済みデコレーション画像d4が配置されるスケジュール画面Q3上の位置の候補として、設定した拡大領域R3とその処理済みデコレーション画像d4の少なくとも一部とが重なる位置であって、上述したステップS13にて特定された表示範囲kとその処理済みデコレーション画像とが重ならない位置を決定する。この場合、図14に示す位置も候補として決定される。
なお、デコレーション画像が吹き出しを示す画像である場合に限らず、デコレーション画像がその他の画像である場合についても、上述と同様にして、デコレーション画像とスケジュール領域とが重ならない位置を、デコレーション画像が配置される位置の候補として決定してもよい。
【0034】
(変形例4)
上述した実施形態において、デコレーション画像が、スケジュール領域からはみ出すような位置に配置される場合には、そのデコレーション画像を吹き出しで囲んで配置してもよい。この場合、吹き出しの指し示す方向を、スケジュール領域側に向けるようにするとよい。
【0035】
(変形例5)
上述した実施形態において、ユーザにより操作部40が操作されて、デコレーション画像の位置が指定された場合には、候補として決定された位置のうち、指定された位置に最も近い位置にデコレーション画像を配置してもよい。この場合、制御部10は、上述したステップS14において候補として決定された位置の中から、ユーザにより指定された位置との間の距離が最も短い位置を選択し、選択した位置に処理済みデコレーション画像を配置する。
【0036】
(変形例6)
上述した実施形態において、スケジュールの種別に応じて、デコレーション画像が配置される範囲を決めてもよい。この場合、ユーザは、スケジュール情報を入力するときに、「仕事」,「プライベート」といったスケジュールの種別を指定する。制御部10は、上述した「スケジュール情報」及び「デコレーション画像」と、選択された「スケジュールの種別」とをスケジュール帳データ41に追加する。この「スケジュールの種別」には、デコレーション画像が配置される範囲が設定される。そして、制御部10は、スケジュール帳データ41において、配置するデコレーション画像と対応付けられた「スケジュール種別」を特定する。続いて、制御部10は、上述したステップS14にて候補として決定された位置の中から、特定した「スケジュール種別」に対して設定された範囲に含まれる位置を抽出し、抽出した位置の中から選択した位置にデコレーション画像を配置する。例えば、「仕事」というスケジュール種別に対して、スケジュール領域の右側の範囲が設定されている場合には、「仕事」のスケジュールに対応するデコレーション画像が、スケジュール領域の右側の範囲内に配置される。また、「プライベート」というスケジュール種別に、スケジュール領域の左側の範囲が設定されている場合には、「プライベート」のスケジュールに対応するデコレーション画像が、スケジュール領域の左側の範囲内に配置される。
【0037】
(変形例7)
上述した実施形態では、デコレーション画像の大きさや姿勢を変更していたが、デコレーション画像のその他の属性を変更してもよい。例えば、デコレーション画像の色をランダムに決めた色に変更してもよい。
【0038】
(変形例8)
上述した実施形態において、スケジュール情報以外の情報(以下、「非スケジュール情報」という)がスケジュール領域に配置される場合には、スケジュール領域においてスケジュール情報及び非スケジュール情報が占める部分を表示範囲kとして特定してもよい。この非スケジュール情報としては、例えば、図5に示すスケジュール領域r1内にある日付などが挙げられる。また、スケジュール領域に、例えば天気予報を示す天気予報情報が配置される場合には、この天気予報情報も非スケジュール情報として扱われる。
【0039】
(変形例9)
上述した実施形態において、デコレーション画像の配置替えを行う場合に、選択されたデコレーション画像の配置替えだけを行ってもよい。この場合、ユーザは、操作部40を操作して、スケジュール画面に配置されているデコレーション画像の中から配置替えを行うデコレーション画像を選択する。制御部10は、選択されたデコレーション画像をスケジュール画面から削除した後、再び上述したステップS11に戻って、選択されたデコレーション画像について上述した配置処理を行う。
【0040】
(変形例10)
上述した実施形態において、制御部10は、上述したステップS15において、候補として決定された複数の位置を順番に選択してもよい。この場合、制御部10は、候補として決定された位置に順番を割り当て、例えば1回目の選択では順番が1番の位置を選択し、デコレーション画像の配置替えが行われたときに行われる2回目の選択では順番が2番の位置を選択する。要するに、制御部10は、候補として決定された位置の中から選択した位置にデコレーション画像を配置すればよい。
また、デコレーション画像の大きさや姿勢についても同様に、制御部10は、予め決められた大きさや姿勢の中から順番に選択してもよい。
【0041】
(変形例11)
上述した実施形態では、デコレーション画像をスケジュール画面に配置する例を挙げて説明したが、デコレーション画像が配置されるのはスケジュール画面に限らない。例えば、通信装置1がメモ機能を有しており、作成されたメモ情報がメモ表示画面に表示される場合には、このメモ表示画面において、上述と同様の配置処理を行ってデコレーション画像を配置してもよい。
【0042】
(変形例12)
上述した実施形態において、通信装置1のCPU11にて行なわれる処理は、CPU11と他のハードウェアとの協働によって行われてもよいし、CPU11に代えて1又は複数のハードウェアが行ってもよい。また、CPU11によって行われる処理は、単一のプログラムによって実現されてもよいし、複数のプログラムによって実現されてもよい。また、CPU11によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどの通信回線経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…通信装置、10…制御部、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…EEPROM、20…無線通信部、21…アンテナ、30…表示部、40…操作部、101…変更部、102…特定部、103…候補決定部、104…配置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が配置される領域が設けられる画面を表示する表示手段と、
前記領域に配置される情報と、当該情報に付加される付加画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域において、情報が表示される表示範囲を特定する特定手段と、
前記付加画像が配置される前記画面上の位置の候補として、当該付加画像と対応付けて前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域を含む予め決められた範囲と当該付加画像の少なくとも一部とが重なる位置であって、前記特定手段により特定された表示範囲と当該付加画像とが重ならない位置を決定する候補決定手段と、
前記記憶手段に記憶されている付加画像を、前記候補決定手段により候補として決定された位置の中から選択した位置に配置する配置手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記配置手段は、前記記憶手段に記憶されている付加画像を、前記候補決定手段により候補として決定された位置の中からランダムに選択した位置に配置する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されている付加画像の大きさをランダムに決めた大きさに変更し、又は当該付加画像の姿勢をランダムに決めた姿勢に変更する変更手段を備え、
前記配置手段は、前記変更手段により大きさ又は姿勢の少なくともいずれかが変更された付加画像を配置する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、予め時間が指定されたスケジュールを示す前記情報を記憶し、
前記画面には、時間軸が配置されており、
前記記憶手段に記憶されている情報は、前記画面に配置された時間軸において、当該情報が示すスケジュールの時間に対応する位置に設けられる前記領域に配置され、
前記候補決定手段は、前記記憶手段において前記付加画像と対応付けて記憶されている情報が示すスケジュールの時間を特定し、前記画面に配置された時間軸において、特定した当該時間よりも先の時間に対応する方向に当該付加画像がはみ出す位置を、前記候補から除外する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配置手段は、前記付加画像の配置の履歴を取得し、取得した当該履歴に基づいて付加画像が配置された頻度の高い位置を特定し、特定した当該頻度の高い位置を優先して選択する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
情報が配置される領域が設けられる画面を表示する表示手段と、
前記領域に配置される情報と、当該情報に付加される付加画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域において、情報が表示される表示範囲を特定する特定手段と、
前記付加画像が配置される前記画面上の位置の候補として、当該付加画像と対応付けて前記記憶手段に記憶されている情報が配置される領域を含む予め決められた範囲と当該付加画像の少なくとも一部とが重なる位置であって、前記特定手段により特定された表示範囲と当該付加画像とが重ならない位置を決定する候補決定手段と、
前記記憶手段に記憶されている付加画像を、前記候補決定手段により候補として決定された位置の中から選択した位置に配置する配置手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−76340(P2011−76340A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226712(P2009−226712)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】