情報処理装置及び操作物
【課題】 撮像画像に写りこんだ被写体の像に基づき当該被写体の動きを検出し、その動きを入力とする新規なゲーム装置及び当該ゲーム装置に適した新規な被写体を提供することである。
【解決手段】 ゲームシステムは、イメージセンサ31から、スポンジ弾7が装填された模擬銃73を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記スポンジ弾7の弾頭に取り付けられた再帰反射シート9の位置を検出する画像解析手段と、前記再帰反射シート9の位置に応じたゲーム画面上の座標を決定する手段と、前記再帰反射シート9が撮影状態から非撮影状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生時に、前記座標に向かって飛んでいく弾丸オブジェクトを表示するオブジェクト制御手段と、を含む。スポンジ弾7が発射されると模擬銃73の銃口には再帰反射シート9がなくなるので、撮影状態から非撮影状態に切り替わる。
【解決手段】 ゲームシステムは、イメージセンサ31から、スポンジ弾7が装填された模擬銃73を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記スポンジ弾7の弾頭に取り付けられた再帰反射シート9の位置を検出する画像解析手段と、前記再帰反射シート9の位置に応じたゲーム画面上の座標を決定する手段と、前記再帰反射シート9が撮影状態から非撮影状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生時に、前記座標に向かって飛んでいく弾丸オブジェクトを表示するオブジェクト制御手段と、を含む。スポンジ弾7が発射されると模擬銃73の銃口には再帰反射シート9がなくなるので、撮影状態から非撮影状態に切り替わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に映像を表示する情報処理装置及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本件出願人による特許文献1に開示されているゴルフゲームシステムは、ゲーム機及びゴルフクラブ型入力装置を含み、ゲーム機のハウジングの内部には撮像ユニットが収納され、この撮像ユニットは、イメージセンサ及び赤外発光ダイオード等から構成される。赤外発光ダイオードによって撮像ユニットの前方の所定範囲に赤外光が間欠的に照射され、したがって、イメージセンサは、その範囲内で移動するゴルフクラブ型入力装置に設けられた反射体を間欠的に撮影する。このような反射体のストロボ映像を処理することによって、ゲーム機の入力となる入力装置の速度などを計算する。このように、ストロボスコープを用いてコンピュータやゲーム機にリアルタイムで入力を与えることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−85524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、撮像画像に写りこんだ被写体の像に基づき当該被写体の動きを検出し、その動きを入力とする新規な情報処理装置及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、前記映像中に表示される的オブジェクトを制御する的オブジェクト制御手段と、前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生時に、前記座標に向かって飛んでいく弾丸オブジェクトを表示するオブジェクト制御手段と、前記トリガ発生時の前記座標と、前記的オブジェクトとの位置関係に応じて、前記弾丸オブジェクトが前記的オブジェクトに当たるか否かを決定する手段と、を含む。
【0006】
この構成によれば、プレイヤは、操作物を動かすことで被写体の位置を調整して映像中の的オブジェクトが表示されている位置を狙い、そこから撮像手段に対して何らかの方法で被写体を隠すことにより、当該所望の座標に弾丸オブジェクトを飛ばし、的オブジェクトにあてる射撃ゲームを楽しむことができる。
【0007】
前記操作物は、銃口に装填された模擬弾を発射する模擬銃であり、
前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、模擬弾を装填したときに模擬銃の銃口部分に被写体が現れるため、プレイヤは模擬銃の銃口の向きを変えることにより、表示装置に表示される映像の所望の座標を指定することができる。さらに、模擬弾を発射すると模擬銃の銃口部分から被写体がなくなり、被写体が撮像手段に写らなくなるので上述の被写体を隠すのと同じ効果を得られる。つまり、模擬銃を撃つと、映像中でも弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
【0009】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、被写体が設けられているの弾頭部分だけであるため、弾頭部分の向きが変われば、撮像手段に被写体が写らなくなる。発射後すぐに弾頭部分の向きが変われば、それだけ模擬弾発射時から被写体が撮像手段に対して隠れるまでの時間が短くなるので、結果プレイヤが銃を撃ったと思った瞬間に映像中で弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、前記座標に応じて前記映像中を移動する第1オブジェクトを制御する手段と、前記映像中に表示される第2オブジェクトを制御する手段と、前記撮像画像中で、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移するとトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトを捕まえたと判定する判定手段と、を含む。
【0012】
この構成によれば、プレイヤは操作物を動かすことで被写体の位置を調整して、第1オブジェクトを第2オブジェクトの位置に動かし、そこから撮像手段に対して何らかの方法で被写体を隠すことにより、第1オブジェクトで第2オブジェクトを捕まえることができる。
【0013】
前記第2オブジェクトは、前記第1オブジェクトよりも下層のレイヤーに表示され、前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第2オブジェクトを前記第1オブジェクトよりも上層のレイヤーに表示することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第1オブジェクトで第2オブジェクトをすくいあげることで捕まえたようにプレイヤからは見える。
【0015】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、裏返すことによって情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えるための操作物であって、前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、プレイヤは操作物を裏返すだけで、入力/非入力を切り替えられる。
【0017】
本発明の第2の観点による情報処理装置は、例えば第1オブジェクトを網、第2オブジェクトを金魚とする金魚すくいゲームなどが実現できる。この操作物を用いれば、実際の金魚すくいで網を返すように操作物を裏返す操作で、金魚を捕まえることができる。
【0018】
本発明の第3の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体が写っているか否かを判定する画像解析手段と、前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続したか否かを判定する手段と、前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生段階で、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続している場合、所定のイベントを発生させるイベント発生手段と、を含む。
【0019】
この構成によれば、プレイヤは操作物を動かすことで被写体が撮像手段に写るように調整して、タイミングを見計らって撮像手段に対して何らかの方法で被写体を隠すことにより、イベントを発生させることができる。
【0020】
前記操作物は一方端にプレイヤが把持する把持部が、他方端に前記被写体が設けられている。
【0021】
この構成によれば、プレイヤが把持部を把持して操作物を動かすと、被写体側は大きく動くため、被写体を撮像手段の撮像範囲外まで一瞬で動かすことができる。つまり、容易に被写体を撮像手段から隠すことができる。
【0022】
例えば撮像手段にしばらく被写体を写しておくと、映像中で魚が針にかかり、そこで把持部を上げ被写体を引き上げて撮像手段から隠すと魚がつれるイベントが発生するようなゲームが実施できる。
【0023】
前記操作物は、プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている。
【0024】
この構成によれば、さらに、操作物は釣竿のようにしなるので、上記のような釣りゲームをする場合に最適である。
【0025】
本発明の第4の観点によれば、情報処理装置は、表示装置に接続して使用される情報処理装置であって、撮像手段から、プレイヤが実空間中で操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像から、前記操作物が有する所定間隔で並んだ二つの被写体を検出する検出手段と、前記二つの被写体の像がなす角度によって、前記操作物の傾きを算出する算出手段と、前記操作物の傾きに応じて、前記表示装置に表示する画面内の操作キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段と、を含む。
【0026】
この構成によれば、操作物を傾けた方向に操作キャラクタが移動するので、操作方法が直感的で分かりやすい。
【0027】
前記操作キャラクタは、仮想のハンドルを有する乗り物又は当該乗り物に乗ったキャラクタであり、前記移動方向決定手段は、前記傾きに応じて前記仮想のハンドルの傾きを決定し、それに応じて前記操作キャラクタの移動方向を決定する。
【0028】
この構成によれば、実際にハンドルを傾けて操作キャラクタを動かしている気分を味わうことができる。同様のゲームは傾きセンサなどを用いてもできるが、その場合センサ等ははじめから操作物に内蔵されている必要がある。これに対してこの構成によれば、あとから操作物に被写体を取り付けてもよいので、汎用性が高い。
【0029】
本発明の第5の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、前記被写体の位置の履歴を記憶しておく記憶手段と、前記映像中の所定のオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段と、前記被写体の位置が所定の条件を満たしたときにトリガを発生する手段と、前記トリガに応じて、前記被写体の位置の履歴を読み出す履歴読み出し手段と、前記被写体の位置の履歴から、前記操作物の状態情報を算出する状態算出手段と、を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時、前記状態情報に応じて、前記オブジェクトを変異させる。
【0030】
状態情報とは、操作物の傾き、移動量、移動速度、移動方向、加速度などを含む概念で、情報処理装置はプレイヤがどのように操作物を扱っているのかを検出した結果の情報といえる。この構成によれば、プレイヤは被写体の位置が所定条件を満たすように動かせば、映像中のオブジェクトを変異させることができる。さらにオブジェクトの変異は、操作物の動きに応じたものになるので、プレイヤの意図に合致したオブジェクトの変異を実現することができる。オブジェクトの変異とは、オブジェクトの移動、形状・色彩の変化、オブジェクトに設定されたパラメータの変化などが含まれる。
【0031】
引用文献1のように各種センサやカメラを用い、プレイヤが所定の閾値を越える速度や強さで操作物を操作した場合に、プレイヤが入力動作(例えばゴルフ、テニス、野球のスイングやボウリングや野球の投球)があったと判定し、当該動作に応じてオブジェクトを変異させる方式では、閾値の設定が難しい。なぜなら人によってスイングや投球の速度や強さは異なるためである。閾値を低く設定しすぎると、プレイヤの何気ない動作が入力動作として検出されてしまう恐れがあり、閾値を高く設定しすぎると、あまり強い運動をできないプレイヤには操作できなくなってしまう。
この点本発明の第5の観点による情報処理装置によれば、操作物が所定の条件を満たす位置にくることという万人に共通な条件でオブジェクトを変異させるので、情報処理装置が当該条件を満たしたか否かを検出することは容易であり、プレイヤの意図に合わない映像を表示してしまうことも少なくなる。
【0032】
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段をさらに含み、前記所定の条件は、前記映像上の座標と、前記オブジェクトとの表示位置とが、所定の位置関係を満たすことである。
【0033】
この構成によれば、プレイヤは映像中のオブジェクトの位置を見ながら、所定の位置関係を満たすように被写体を動かすことで、オブジェクトを変異させることができる。この点、プレイヤにとってはオブジェクトの表示位置が所定の位置関係の目安になるともいえる。
【0034】
前記映像上の座標に応じて前記映像中に所定のヒットエリアを設定する手段をさらに含み、前記所定の条件は、前記ヒットエリアと前記オブジェクトとの全部又は一部が重なることである。
【0035】
この構成によれば、プレイヤがオブジェクトを変異させる目的で、オブジェクトの位置を目安に操作物を動かしたときにのみオブジェクトを変異させることができるため、プレイヤの何気ない動作や意図しない動作によって、オブジェクトが変異することが少ない。つまり、それだけプレイヤの意図に合致したオブジェクトの変異を表示することができる。
【0036】
なお、上記の場合、映像上の座標及びヒットエリアに連動したカーソルなどを表示してもよい。このようにすれば、プレイヤにとって、所定の条件を満たしたか否かが視覚的に分かりやすい。
【0037】
前記状態情報は前記操作物の移動量又は移動速度を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動量又は移動速度に応じて前記オブジェクトの移動量又は移動速度を決定する。
【0038】
この構成によれば、プレイヤは操作物を速く(大きく)動かすことで、映像中のオブジェクトを速く(大きく)動かすことができる。
【0039】
前記状態情報は前記操作物の移動方向を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動方向に応じて前記オブジェクトの移動方向を変化させる。
【0040】
この構成によれば、プレイヤは操作物を動かす方向を調整することで、映像中のオブジェクトの移動方向を調整することができる。
【0041】
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを映像中で移動させ、前記トリガ発生時の前記オブジェクトの位置に応じて、前記オブジェクトの軌道を決定し、その後前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する。
【0042】
前記状態情報は、前記操作物の所定の軸方向への移動量を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する際に、前記操作物の所定の軸方向への移動量に応じて補正量を変化させる。
【0043】
この構成によれば、操作物のある軸方向への移動量が大きいほど補正量を大きくすることができる。また、あまり操作物を大きく動かすことができないプレイヤであっても、予め決定される軌道によってそれらしいオブジェクトの軌道が表示される。
【0044】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする。
【0045】
この構成によれば、プレイヤが操作物を傾けたり、捻ったり、前後左右に動かしたりしても、いずれかの面の被写体が撮像手段に写り、被写体の位置を情報処理装置に検出させ、操作物の状態情報を取得させることができる。このことによって、プレイヤの動作の自由度が上がる。操作物の全ての面が被写体になっていてもよい。
【0046】
上述の本発明の第1から第5の観点による情報処理装置において、前記被写体に光を照射する装置を制御する手段をさらに含み、前記被写体は再帰反射シートであることを特徴としてもよい。
【0047】
本発明の第6の観点によれば、操作物は、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、模擬弾と、銃口に装填された前記模擬弾を発射する模擬銃と、を含み、前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする。
【0048】
この構成によれば、模擬弾を装填したときに模擬銃の銃口部分に被写体が現れるため、プレイヤは模擬銃の銃口の向きを変えることにより、被写体の位置に応じた情報を情報処理装置に与えることができる。さらに、模擬弾を発射すると模擬銃の銃口部分から被写体がなくなり、被写体が撮像手段に写らなくなるので、被写体を撮影状態から非撮影状態に切り替えることができる。つまり、模擬銃を撃つと、情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えることができる。
【0049】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする。
【0050】
この構成によれば、被写体が設けられているの弾頭部分だけであるため、弾頭部分の向きが変われば、撮像手段に被写体が写らなくなる。発射後すぐに弾頭部分の向きが変われば、それだけ模擬弾発射時から被写体が撮像手段に対して隠れるまでの時間が短くなるので、結果プレイヤが銃を撃ったと思った瞬間に情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えることができる。
【0051】
本発明の第7の観点によれば、操作物は、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して、入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、表面と裏面とを有し、前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする。
【0052】
この構成によれば、プレイヤは操作物を裏返すだけで、入力/非入力を切り替えられる。
【0053】
本発明の第8の観点によれば、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して、入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、一方端にプレイヤが把持する把持部が、他方端に前記被写体が設けられている。
【0054】
この構成によれば、プレイヤが把持部を把持して操作物を動かすと、被写体側は大きく動くため、被写体を撮像手段の撮像範囲外まで一瞬で動かすことができる。つまり、容易に被写体を撮像手段から隠すことができる。
【0055】
この操作物は、プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている。
【0056】
この構成によれば、操作物が釣り竿のようにしなるので、つりのゲーム用の操作物として適している。
【0057】
本発明の第9の観点によれば、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して、入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、表面と裏面とを有し、前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする。
【0058】
この構成によれば、プレイヤが操作物を傾けたり、捻ったり、前後左右に動かしたりしても、いずれかの面の被写体が撮像手段に写り、被写体の位置を情報処理装置に検出させ、操作物の状態情報を取得させることができる。操作物の全ての面が被写体になっていてもよい。
【0059】
本発明の第6から第9の操作物において、前記被写体は、再帰反射シートであることを特徴としてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0061】
(実施の形態1)
【0062】
図1は、本発明の実施の形態1によるゲームシステムの全体構成を示す図である。図1を参照して、このゲームシステムは、アダプタ1、撮像ユニット5を備えたカートリッジ3、スポンジ弾7、コード71、模擬銃73及びテレビジョンモニタ11を備える。アダプタ1には、カートリッジ3が装着される。また、アダプタ1は、AVケーブル13により、テレビジョンモニタ11に接続される。
【0063】
図2は、図1のアダプタ1及びカートリッジ3の斜視図である。図2を参照して、アダプタ1は、上面、下面、左右の側面、前面、及び背面を有する平たい直方体形状を有する。アダプタ1の前面左側には、電源スイッチ19及びリセットスイッチ21が設けられ、前面右側には、赤外線フィルタ29が設けられる。この赤外線フィルタ29は、赤外線以外の光をカットして、赤外線だけを透過させるフィルタであり、この赤外線フィルタ29の裏側には、IRレシーバ141(図14参照)が配置されている。また、アダプタ1の上面の前縁近傍には、4個の方向キー27が設けられる。さらに、左端の方向キー27の左側には、キャンセルキー23が設けられ、右端の方向キー27の右側には、決定キー25が設けられる。
【0064】
カートリッジ3には、その上面後部に撮像ユニット5が設けられている。撮像ユニット5には、赤外線フィルタ17が設けられ、それを囲むように4個の赤外発光ダイオード15が設けられる。この赤外線フィルタ17は、赤外線以外の光をカットして、赤外線だけを透過させるフィルタであり、この赤外線フィルタ17の裏側には、後述のイメージセンサ31(図4参照)が配置されている。
図3(a)は、図1のスポンジ弾7、コード71及び模擬銃73の説明図である。図3(a)を参照して、スポンジ弾7は模擬銃73の銃口部分に詰められる。模擬銃73の引き金がプレイヤに引かれると、空気圧によってスポンジ弾7は前方に射出される。なお、スポンジ弾7を打ち出す方法は任意の方法でかまわない。スポンジ弾7と模擬銃73とはコード71で繋がっているおり、スポンジ弾7が遠くに飛んでいくことは無い。
【0065】
図3(b)は、スポンジ弾7の拡大図である。スポンジ弾7の弾頭には、光を再帰反射する再帰反射シート9が、スポンジ弾7を模擬銃73の銃口部分に詰めたとき再帰反射シート9が正面に来るように、取り付けられている。
【0066】
図1に戻って、プレイヤが、スポンジ弾7を模擬銃73の銃口部分に詰めてから、模擬銃73を撮像ユニット5に向けると、再帰反射シート9が現れ、この再帰反射シート9が撮像ユニット5によって撮影される。
プレイヤが模擬銃73の引き金を引き、スポンジ弾73が打ち出されると、スポンジ弾7は撮像ユニット5に向かって射出された後、空気抵抗によってすぐ向きを変え、重力に惹かれて落下する。スポンジ弾7の落下中、再帰反射シート9の向きは撮像ユニット5の方向ではなく地面の方向を向いているため、撮影されない。従って、プレイヤが、スポンジ弾7を打ち出すと、それまで撮影されていた再帰反射シート9が撮影されない状態となり、この切り替えにより、カートリッジ3のマルチメディアプロセッサ33(図4参照)に対する入力/非入力の切り替えを制御できる。本実施の形態では、イメージセンサ31に再帰反射シートが撮影された場合を撮影状態、撮影されない状態を非撮影状態と呼ぶ。
【0067】
再び図2を参照して、4つの赤外発光ダイオード15は、間欠的に赤外光を発光する。そして、赤外発光ダイオード15からの赤外光は、スポンジ弾7に取り付けられた再帰反射シート9により反射され、赤外線フィルタ17の背面側に設けられたイメージセンサ31に入力される。このようにして、イメージセンサ31により、スポンジ弾7を装填した模擬銃73の先端の再帰反射シート9が撮影される。
【0068】
赤外光は間欠的に照射されるところ、赤外光の非照射時においても、イメージセンサ31による撮影処理は行われている。カートリッジ3のマルチメディアプロセッサ33は、赤外光照射時の画像信号と非照射時の画像信号との差分を求めて、この差分信号DI(差分画像DI)を基に、スポンジ弾7を装填した模擬銃73の銃口(つまり再帰反射シート9)の位置等を算出する。このように、差分を求めることで、再帰反射シート9からの反射光以外の光によるノイズを極力除去でき、精度良く再帰反射シート9を検出できる。
【0069】
図4は、図1のアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成を示す図である。図4を参照して、アダプタ1に電気的に接続されるカートリッジ3は、マルチメディアプロセッサ33、イメージセンサ31、赤外発光ダイオード15、外部メモリ35、及びバス37を含む。外部メモリ35は、ROM、RAM、及び/又はフラッシュメモリなど、システムの仕様に応じて必要なものを備える。
【0070】
マルチメディアプロセッサ33は、バス37を通じて、外部メモリ35にアクセスできる。従って、マルチメディアプロセッサ33は、外部メモリ35に格納されたプログラムを実行でき、また、外部メモリ35に格納されたデータをリードして処理することができる。この外部メモリ35に、画面の制御、再帰反射シート9の位置検出、並びに入力判定等の各処理を行うアプリケーションプログラム、画像データ、及び音声データ等が予め格納される。
【0071】
このマルチメディアプロセッサ33は、図示しないが、中央演算処理装置(以下、「CPU」と呼ぶ。)、グラフィックスプロセシングユニット(以下、「GPU」と呼ぶ。)、サウンドプロセシングユニット(以下、「SPU」と呼ぶ。)、ジオメトリエンジン(以下、「GE」と呼ぶ。)、外部インタフェースブロック、メインRAM、及びA/Dコンバータ(以下、「ADC」と呼ぶ。)などを具備する。
【0072】
CPUは、外部メモリ35に格納されたプログラムを実行して、各種演算やシステム全体の制御を行う。グラフィックス処理に関するCPUの処理として、外部メモリ35に格納されたプログラムを実行して、各オブジェクトの拡大・縮小、回転、及び/又は平行移動のパラメータ、視点座標(カメラ座標)、並びに視線ベクトルの算出等を行う。ここで、1または複数のポリゴン又はスプライトから構成され、同じ拡大・縮小、回転、及び平行移動の変換が適用される単位を「オブジェクト」と呼ぶ。
【0073】
GPUは、ポリゴン及びスプライトから構成される三次元イメージをリアルタイムに生成し、アナログのコンポジットビデオ信号に変換する。SPUは、PCM(pulse code modulation)波形データ、アンプリチュードデータ、及びメインボリュームデータを生成し、これらをアナログ乗算して、アナログオーディオ信号を生成する。GEは、三次元イメージを表示するための幾何演算を実行する。具体的には、GEは、行列積、ベクトルアフィン変換、ベクトル直交変換、透視投影変換、頂点明度/ポリゴン明度計算(ベクトル内積)、及びポリゴン裏面カリング処理(ベクトル外積)などの演算を実行する。
【0074】
外部インタフェースブロックは、周辺装置(本実施の形態ではイメージセンサ31及び赤外発光ダイオード15)とのインタフェースであり、24チャンネルのプログラマブルなデジタル入出力(I/O)ポートを含む。ADCは、4チャンネルのアナログ入力ポートに接続され、これらを介して、アナログ入力装置(本実施の形態ではイメージセンサ31)から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。メインRAMは、CPUのワーク領域、変数格納領域、および仮想記憶機構管理領域等として利用される。
【0075】
再帰反射シート9は、赤外発光ダイオード15の赤外光に照射され、その赤外光を反射する。この再帰反射シート9からの反射光がイメージセンサ31に入力され、したがって、イメージセンサ31からは再帰反射シート9の像を含む画像信号が出力される。上記のように、マルチメディアプロセッサ33は、ストロボ撮影のために、赤外発光ダイオード15を間欠的に点滅するので、赤外光消灯時の画像信号も出力される。イメージセンサ31からのこれらのアナログ画像信号はマルチメディアプロセッサ33に内蔵されたADCによってデジタルデータに変換される。
【0076】
マルチメディアプロセッサ33は、イメージセンサ31からADCを介して入力されるデジタル画像信号から上記の差分信号DI(差分画像DI)を生成して、これに基づき、撮影状態から非撮影状態への遷移、すなわちスポンジ弾7を発射することによる入力判定、さらに再帰反射シート9の位置等を検出して、演算、グラフィック処理、及びサウンド処理等を実行し、ビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUを出力する。ビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUは、アダプタ1を介してAVケーブル13によりテレビジョンモニタ11に与えられ、応じて、テレビジョンモニタ11に映像が表示され、そのスピーカ(図示せず)から音声が出力される。
【0077】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0078】
図5〜図8は、ゲーム画面の例示図である。
図5を参照して、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面は、カーソル41及び的オブジェクト43を含む。
この実施の形態1では、再帰反射シート9の位置は、スポンジ弾7を装着した状態の模擬銃73の向きを示す情報として扱われる。マルチメディアプロセッサ33は、検出した再帰反射シート9Lの位置に応じて、カーソル41Lの移動を制御し、検出した再帰反射シート9Rの位置に応じて、カーソル41Rの移動を制御する。
【0079】
つまり、マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DIから再帰反射シート9の像を抽出して、その注目点の差分画像DI上の座標を算出する。そして、マルチメディアプロセッサ33は、注目点の差分画像DI上の座標を、スクリーン座標に変換することによって、注目点のテレビジョンモニタ11の画面上の位置を求める。マルチメディアプロセッサ33は、この注目点(再帰反射シート9に相当)のスクリーン座標に応じた位置に、カーソル41を表示する。なお、スクリーン座標系は、テレビジョンモニタ11に映像を表示する際に用いられる座標系である。また、この実施の形態では、差分画像DI上の水平座標軸(以下、X軸という)及び垂直座標軸(以下、Y軸という)は、それぞれスクリーン座標の水平座標軸(以下、x軸という)及び垂直座標軸(以下、y軸という)と平行であるものとする。
【0080】
プレイヤが、スポンジ弾7を装填した状態で模擬銃73の向きを変えると、マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート9の位置の変化を、撮像ユニット5が取得した差分画像DIによって検出し、カーソル41を移動させる。プレイヤが、テレビジョンモニタ11の画面上の任意の位置に、スポンジ弾7を装填した模擬銃73を向けると、カーソル41がその位置に移動するように調整されている。
【0081】
次に、プレイヤが引き金を引きスポンジ弾7が発射されると、前述の通り撮影状態から非撮影状態に遷移し、この遷移をトリガ(以下、このトリガを発射トリガという。)として、マルチメディアプロセッサ33は弾丸オブジェクト(図示せず)がカーソルオブジェクト41の中心に向かって飛んでいくアニメーションを表示する。マルチメディアプロセッサ33は、発射トリガ発生時に、カーソルオブジェクト41の中心と、的オブジェクト43とのスクリーン座標系における位置関係により、弾丸オブジェクトが的オブジェクト43に命中するか否か、命中する場合、的オブジェクト43が倒れるか否か、をプログラムに従って決定する。
【0082】
マルチメディアプロセッサ33は、発射トリガ発生時に、的オブジェクト43に弾オブジェクト43に当たらない、又は、当たるが的オブジェクト43が倒れないと判定すると、「はずれ」という文字を表示し、残弾パラメータをデクリメントし、再び図5の画面を表示する。なお、マルチメディアプロセッサ33は、残弾パラメータが「0」になると、ゲームオーバーの文字を表示し、ゲームを終了する。
的オブジェクト43に弾オブジェクトが命中し、的オブジェクト43が倒れると判定すると、景品獲得場面(図示せず)を表示し、倒れた的オブジェクト43を画面中央に拡大して表示し、プレイヤが当該的オブジェクト43を獲得したと表示し、プレイヤの得点を加算して、倒れた的オブジェクト43の表示を消した状態で、再び図5の画面を表示する。
プレイヤの空間においては、発射後、スポンジ弾7は、再帰反射シート9がテレビジョンモニタ11ではなく地面の方向を向いた状態で、コード71によって模擬銃73にぶら下がっている。プレイヤが再びスポンジ弾7を模擬銃73の銃口部分に装填し、模擬銃73をテレビジョンモニタ11の方向に向けることで、再び撮影状態に移行することができる。マルチメディアプロセッサ33は、再び撮影状態に移行すると、差分画像DI上の注目点の位置に応じて、カーソル41を表示する。
【0083】
プレイヤが上記の操作を繰り返し、横一列に並んだ的オブジェクトが全て倒れたと判定すると、マルチメディアプロセッサ33は、当該列にそって移動する的オブジェクト43を表示する。的が移動するため、プレイヤは弾丸オブジェクトを命中させ、的オブジェクト43を倒すことが難しくなる。
【0084】
図6は、図5のゲームを多人数で対戦できるようにアレンジしたゲームの画面図である。図6のゲームは4人で遊ぶモードを説明している。図6のゲームを行う場合、図1のスポンジ弾7及び模擬銃73は人数分用意される。差分画像DIには、人数分の再帰反射シート9が撮影され、それぞれ注目点が検出される。マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DIをY軸に平行な直線で人数分で等分割、図4では4分割し、それによってできた各エリアに注目点があるか否かをチェックし、注目点があれば、当該注目点に応じてカーソル41A〜41Dをそれぞれ表示し、各注目点が消失した時点で弾丸オブジェクトを発射する。理論上は何人でもプレイできるが、人数が増えるほど画面が見づらく、また、再帰反射シートの検出が難しくなるため、この方式の複数人プレイは、多くても4人程度が適当である。
図6のゲームでは4人のプレイヤはそれぞれスポンジ弾7を装填した模擬銃73を持ってカメラユニット5の前に横一列に並び、それぞれ自分のカーソル位置に応じた的オブジェクト43A〜43Dを狙う。
【0085】
図7は、クレー射撃をモチーフにしたゲームの画面図である。プレイヤの操作方法や、マルチメディアプロセッサ33が行う処理は、図5で説明したものとほぼ同じである。マルチメディアプロセッサ33は、撮像結果に応じてカーソル41及び弾丸オブジェクトの表示/非表示及び表示位置を制御する。同時にマルチメディアプロセッサ33はクレーオブジェクト45を画面一方端から他方端まで放物線を描いて飛んでいくように表示する。マルチメディアプロセッサ33は、弾丸オブジェクトがクレーオブジェクト45に当たったと判定すると、クレーオブジェクト45が粉砕するように表示し、プレイヤの得点を加算する。マルチメディアプロセッサ33は所定の時間が経過すると、ゲームを終了し、プレイヤの最終得点を表示する。
【0086】
図8は、図7のゲームを多人数で対戦できるようにアレンジしたゲームの画面図である。クレーオブジェクト45は4分割された画面で矢印で示したような軌道でそれぞれ移動する。それ以外は図6のゲームと大差が無いため、説明を省略する。
【0087】
本実施の形態では、プレイヤはいかに多くの的オブジェクト43又はクレーオブジェクトに弾丸オブジェクトを命中させられるかを競い、命中数に応じて加算される得点に応じて、上位にランクされる。
【0088】
さて、以上のように、実施の形態1によれば、スポンジ弾7を装填したときに模擬銃73の銃口部分に再帰反射シートが現れるため、プレイヤは模擬銃73の銃口の向きを変えることにより、表示装置に表示される映像の所望の座標を指定することができる。さらに、模擬弾を発射すると模擬銃の銃口部分から被写体がなくなり、被写体が撮像手段に写らなくなるので上述の被写体を隠すのと同じ効果を得られる。つまり、模擬銃73を撃つと、映像中でも弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
【0089】
再帰反射シートが設けられているの弾頭部分だけであるため、弾頭部分の向きが変われば、イメージセンサ31に再帰反射シート9が写らなくなる。発射後すぐに弾頭部分の向きが変わるので、スポンジ弾7発射時から再帰反射シート9がイメージセンサ31に対して隠れるまでの時間が短く、結果プレイヤが模擬銃73を撃ったと思った瞬間に映像中で弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
このように、的オブジェクト43又はクレーオブジェクト45を狙う射撃ゲームを楽しむことができる。
【0090】
(実施の形態2)
【0091】
本発明の実施の形態2によるゲームシステムの全体構成は、図1のゲームシステムと同様である。ただし、実施の形態2では、図1のスポンジ弾7、模擬銃73に代えて、図9のスティック61を使用する。また、実施の形態2によるアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成は、図4に示したものと同じである。
【0092】
図9を参照して、このスティック61は、人が握ることができる程度の直径(例えば4cm)を有する棒状のものであり、例えば、発泡ポリエチレンで形成される。また、スティック61には、所定間隔(例えば20cm)離れて、帯状(例えば幅4cm)の再帰反射シート65L,65Rが取り付けられている。スティック61の長さは例えば60cmである。使用者は、スティック61を両手で把持する場合、例えば、再帰反射シート65Lの外側を左手で握り、再帰反射シート65Rの外側を右手で握って、スティック61を動かす。
【0093】
プレイヤがスティック61を把持して撮像ユニット5の前に立つと、再帰反射シート65L及び65Rが撮像され、差分画像DI上に所定の間隔でならんだ二つの再帰反射シートの像が写る。
ここで、 マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート65Lの像の注目点と再帰反射シート65Rの像の注目点とを結ぶ直線の傾きを、スティック61の傾きとする。
具体的には、差分画像DIの左上角を原点、水平右方向をX軸の正方向、垂直下方向をY軸の正方向として、差分画像DI中、左側に写る注目点のY座標Y1と、差分画像DI中右側に写る注目点のY座標Y2とを比較してスティック61の傾き状態を判定する。
マルチメディアプロセッサ33は、Y1>Y2+k(kは所定の正数)ならば、スティック61は右に傾いた状態と判定する。また、マルチメディアプロセッサ33は、Y1<Y2−kならば、スティック61は左に傾いた状態と判定する。さらに、マルチメディアプロセッサ33は、Y2−k≦Y1≦Y2+kの場合は、スティック61は水平な状態と判定する。スティック61の傾き状態は、ゲームの処理に利用される。
【0094】
また、マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート65Lの像の注目点と再帰反射シート65Rの像の注目点との中点のY座標Y3を、スティック61の位置を示す情報として取得する。プレイヤがスティック61を上に動かすとY3は減少し、下に動かすとY3は増加することになる。
【0095】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0096】
図10は、ゲーム画面の例示図である。図10を参照して、マルチメディアプロセッサ33が表示するゲーム画面は、操作キャラクタ81、0秒からのカウントアップを実行する時間表示部89及び障害オブジェクト83、85、87を含む。このゲームはバイクに乗った操作キャラクタ81が障害オブジェクト83、85、87をよけながら仮想の道を進み、できるだけ早くゴール地点までたどり着くことを目指すゲームである。この実施の形態では、マルチメディアプロセッサ33は、背景及び他のオブジェクトを画面上側から下側にスクロールすることによって、操作キャラクタ81が仮想空間中を進む様子を表現する。
【0097】
マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート65L及び65Rが両方差分画像DI上に写っている場合、上記のスクロール処理を行い、操作キャラクタ81が進んでいることを表現し、操作キャラクタ81の仮想空間中の位置を示す位置パラメータを増加させ、ゴール側に近づける。
マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81が、いずれかの障害オブジェクト83、85又は87と当たった場合、操作キャラクタ81がこける演出を行い、その間は再帰反射シート65L及び65Rが両方写っていても、上記のスクロール処理及び位置パラメータの増加を停止させる。つまり操作キャラクタ81が障害オブジェクト83〜87にぶつかると、その間は仮想空間中を進めず、タイムロスとなるため、プレイヤは障害オブジェクト83〜87をよけながら、操作キャラクタ81を進ませなければならない。
【0098】
マルチメディアプロセッサ33は、スティック61の傾き状態に応じて、操作キャラクタ81を傾け、画面中左右方向に移動させる。スティック61が右に傾いていると判定する場合、マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81の体を右に傾け、操作キャラクタ81を画面中右側に移動させる。また、スティック61が左に傾いていると判定する場合、マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81の体を左に傾け、操作キャラクタ81を画面中左側に移動させる。さらに、スティック61が水平な状態にあると判定する場合は、マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81の左右方向への移動を行わず、直進させる。
【0099】
また、マルチメディアプロセッサ33は、スティック61の位置を示す情報であるY3の値が、定期的に行われる撮像が所定回数行われる間に、所定の量減少した場合、つまりスティック61が所定の速度で垂直上方向に動かされた場合、操作キャラクタ81をジャンプさせ、所定時間「ジャンプ」状態にする。マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81が「ジャンプ」状態の場合に、操作キャラクタ81の表示位置が障害オブジェクト83又は85の表示位置と重なっても、それらがぶつかったとは判定しない。ただし、障害オブジェクト87のように一部の障害オブジェクトについては、操作キャラクタ81が「ジャンプ」状態の場合でも、表示位置が重なれば、それらがぶつかったと判定する。
つまり、プレイヤは、スティック61を水平左右方向に傾けて、操作キャラクタ81を左右に移動させるだけでなく、スティック61を垂直上方向に動かし、ジャンプさせることによっても、一部の障害オブジェクトを操作キャラクタ81に回避させることができる。
【0100】
上記の所定の正数kの値を小さくすると、スティック61が水平状態であると判定される範囲が狭くなり、操作キャラクタ81を直進させるのが難しくなる。このように設定すると、ただスティック61をイメージセンサ31にかざすだけでなく、左右に随時バランスをとるというゲーム性が生まれる。
【0101】
図10のゲームのように、単純にスティック61を傾けた方向に操作キャラクタ81が移動するのでも面白いが、スティック61の傾きを、操作キャラクタ81の仮想のバイクのハンドルに見立てて、仮想のハンドルの傾きに応じて操作キャラクタ81の進む方向を決定するようなゲームであっても良い。
【0102】
さて、以上のように、実施の形態2によれば、スティック61を傾けた方向に操作キャラクタ81が移動するので、操作方法が直感的で分かりやすい。
【0103】
また、実際にハンドルを傾けて操作キャラクタ81を動かしている気分を味わうことができる。同様のゲームは傾きセンサなどを用いてもできるが、その場合センサ等ははじめから操作物に内蔵されている必要がある。これに対してこの構成によれば、あとからスティック61でなくても、何か棒状の物体に再帰反射シート65L及び65Rを所定の間隔をあけて取り付けても操作物として使える。
【0104】
(実施の形態3)
【0105】
図11は、本発明の実施の形態3によるゲームシステムの全体構成を示す図である。
図11を参照して、このゲームシステムは、アダプタ1、カートリッジ100、センサユニット102、模擬ポイ104及びテレビジョンモニタ11を含む。カートリッジ100はアダプタ1に電気的に接続される。そして、アダプタ1は、AVケーブル13により、テレビジョンモニタ11に接続される。従って、カートリッジ100は、アダプタ1及びAVケーブル13を介して、テレビジョンモニタ11に、ビデオ信号VD及びオーディオ信号AUを与えることができる。なお、カートリッジ100は、カートリッジ3と異なり、撮像ユニット5を持っていない。
なお、ポイとは日本の遊びである金魚すくいに用いる道具で、水にぬれると破れやすくなる紙などの繊維でできた網のようなものである。金魚すくいとは、金魚の重さや水圧でポイが破れないように気をつけながら水中の金魚をすくう遊びである。
【0106】
図12は、図11のセンサユニット102の斜視図である。図12を参照して、センサユニット102の表面中央付近を境にして一方側の領域には、電源スイッチ112、キャンセルキー114、エンターキー116、並びにセレクトキー118及び120が設けられる。エンターキー116は、選択を確定したり、全体画面に切り替えたりする場合などに使用される。キャンセルキー114は、選択をキャンセルしたり、画面上の所定の場所に戻る場合などに使用される。セレクトキー118及び120は、カーソルを上下させて選択を行ったり、全体画面を見たりする(上下に移動)場合などに使用される。
【0107】
また、センサユニット102の表面中央付近を境にして他方側の領域には、赤外線のみを透過する赤外線フィルタ106が設けられる。この赤外線フィルタ106を挟むように、ストロボ撮影用の2個の赤外発光ダイオード108が設けられる。赤外線フィルタ106の裏側には、後述のイメージセンサ31が配置される。さらに、センサユニット102の表面には、赤外線フィルタ106からやや先端側に、赤外線のみを透過する赤外線フィルタ110が設けられる。この赤外線フィルタ110の裏側には、後述の赤外線通信用の赤外発光ダイオード133が配置される。
【0108】
図13(a)及び図13(b)は、図11の模擬ポイ104の説明図である。図13(a)を参照して、この模擬ポイ104は、ポイの形を模した形状をしており、プレイヤは取手を持って模擬ポイ104を動かしたり、裏返したりすることができる。模擬ポイ104の丸い部分(実際のポイならば紙等が張られる部分)の裏側にのみ、光を再帰反射する再帰反射シート124が貼られている。
模擬ポイ104の裏側がセンサユニット102側に向いていると、再帰反射シート124が撮影される。そこから模擬ポイ104が裏返され、表側がセンサユニット102側を向くと、再帰反射シート124が撮影されない。つまりプレイヤは模擬ポイ104を動かしたり、裏返したりすることで、再帰反射シート124の撮影状態/非撮影状態を切り替えることができ、結果簡単に入力/非入力を制御することができる。
【0109】
図14は、図11のアダプタ1、カートリッジ3及びセンサユニット102の電気的構成を示す図である。図13を参照して、センサユニット102は、MCU(Micro Controller Unit)131、イメージセンサ31、ストロボ撮影用の赤外発光ダイオード108、及び赤外線通信用の赤外発光ダイオード133を含む。
【0110】
MCU131は、赤外発光ダイオード108を制御する。MCU131の制御に従って、撮影用の赤外発光ダイオード108は、間欠的に駆動され、点灯と消灯とを交互に繰り返す。この赤外発光ダイオード108の点灯により、センサユニット102の上空で動かされる再帰反射シート124に赤外光が照射される。MCU131は、イメージセンサ31の制御も行う。MCU131の制御によって、イメージセンサ31は、センサユニット102の上空で動かされる再帰反射シート124を撮影する。この場合、再帰反射シート124には、赤外光が間欠的に照射されるので、ストロボ撮影が行われることになる。
【0111】
MCU131は、赤外発光ダイオード108の点灯時の画像データと消灯時の画像データとの差分データを算出する。そして、差分データに基づく差分画像DIに写っている再帰反射シート124の像を解析して、再帰反射シート124の差分画像DI上の位置を算出する。なお、MCU131が、差分データを求めることで、再帰反射シート124からの反射光以外の光によるノイズを極力除去でき、精度良く再帰反射シート124を検出できる。
【0112】
MCU131は、通信用の赤外発光ダイオード133を駆動して、赤外線通信により、算出した再帰反射シート124の位置(水平座標,垂直座標)の情報を、アダプタ1のIRレシーバ141に送信する。
【0113】
一方、カートリッジ100は、マルチメディアプロセッサ33、外部メモリ35及びバス37を含む。これらは、図4のものと同じである。マルチメディアプロセッサ33は、IRレシーバ141から、センサユニット102から送信された再帰反射シート124の位置情報を受け取る。マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート124の位置情報に基づいて、各種演算、グラフィック処理、及びサウンド処理を実行し、ビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUを生成する。マルチメディアプロセッサ33が生成したビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUは、アダプタ1及びAVケーブル13を介して、テレビジョンモニタ11に与えられ、応じて、テレビジョンモニタ11に映像が表示され、そのスピーカ(図示せず)から音声が出力される。なお、アダプタ1は、マルチメディアプロセッサ33が生成したビデオ信号VDをそのままAVケーブル13に与え、また、オーディオ信号AUを増幅してAVケーブル13に与える。
【0114】
図11に戻って、センサユニット102は床面に載置される。従って、イメージセンサ31の撮像面は、床面にほぼ平行になる。また、センサユニット102の長手方向に沿って、イメージセンサ31(撮像画像(差分画像))の垂直軸(Y軸)が延びており、垂直軸に垂直に水平軸(X軸)が延びている。そして、イメージセンサ31上の水平座標軸は、スクリーン座標の水平座標軸(x軸)と平行である。また、イメージセンサ31上の垂直座標軸は、テレビジョンモニタ11に表示される画面の垂直座標軸(y軸)に平行である。
【0115】
使用者は、模擬ポイ104の裏面を下に向けて、つまり、再帰反射シート124がイメージセンサ31に撮影されるように、センサユニット102の上空で、模擬ポイ104を動かしたり裏返したりして操作する。
【0116】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0117】
図15は、ゲーム画面の例示図である。図14を参照して、マルチメディアプロセッサ33が表示するゲーム画面は、残りのチャレンジ回数及び捕まえた金魚の数を示す状態表示部155、水中を泳ぐ金魚オブジェクト153及びポイカーソル151を含む。
【0118】
マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DIに写る再帰反射シート124の注目点の位置に応じて、ポイカーソル151のスクリーン座標を制御する。つまり、プレイヤが模擬ポイ104の裏側をセンサユニット102の上空で、前後左右に動かすと、画面中のポイカーソル151も、画面中を上下左右に移動する。
ここでプレイヤが模擬ポイ104を裏返し、再帰反射シート124が上を向き、撮影状態から非撮影状態に遷移することをトリガとして、マルチメディアプロセッサ33は、ポイカーソル151が水中に入り、金魚をすくおうとするアニメーションを表示する。
マルチメディアプロセッサ33は、このときポイカーソル151の下に金魚オブジェクト153が表示されているか否かを判定し、金魚オブジェクト153がすくわれるアニメーションを表示し、捕まえた金魚の数を示すパラメータをインクリメントし、状態表示部155の表示を更新する。普段ポイカーソル151は金魚オブジェクト153や水面を表現した半透明の水色の背景よりも上層のレイヤーに表示されるが、トリガ発生時は金魚オブジェクト153や背景よりも下層のレイヤーに表示される。また、金魚オブジェクト153を捕まえたときは、金魚オブジェクト153、ポイカーソル151、背景の順番に表示される。このように表示すると、ポイカーソル151が水中に入り、金魚オブジェクト153を水中からすくい上げたように見える。
【0119】
捕まえた金魚は金魚の種類に応じて点数が異なり、プレイヤは当該点数の多寡を競う。
図16(a)は、各金魚オブジェクト153に設定された点数の例を示す図である。このように、金魚オブジェクト153の大きさや、柄によって、点数が異なる。マルチメディアプロセッサ33は、点数が高い金魚オブジェクト153ほど高速で移動させるため、プレイヤは点数が高い金魚オブジェクト153ほどすくうのが難しい。
【0120】
図15に戻って、ポイカーソル151には、ポイカーソル151が水中に入ったり、金魚オブジェクト153をすくったりするたびに減少する耐久値が設定されている。耐久値の初期値は例えば、「10」に設定されており、マルチメディアプロセッサ33は、耐久値の減少に応じてポイカーソル151が破れていくような表示を行い、耐久値が「0」以下になるとポイカーソル151が完全に破れ、残りポイの数を示すパラメータをデクリメントし、状態表示部の表示を更新する。残りポイが「0」になるとゲームオーバーとなる。
【0121】
図16(b)及び(c)は、ポイカーソル151の耐久値を説明するための図である。図16(b)を参照して、ポイカーソル151の円状の部分の、中心に近い部分から円上の部分の外に向かって、それぞれ領域A、領域B、領域C及び領域D(ポイの外)が設定されている。この実施例では、ポイカーソル151の中心に近い部分で金魚オブジェクト153をすくうほど、ポイカーソル151の耐久値の減少が少なくなる。
図16(c)を参照して、図16(c)は、金魚オブジェクトの種類と、当該金魚オブジェクトを、領域A〜Dですくおうとした場合の、耐久値の減少値を示す図である。図16(a)で高得点が設定されている金魚オブジェクト153ほど、ポイカーソル151の中心から遠い位置すくった場合の耐久値の減少は大きい。なお、ポイカーソル151が水中に移動した際に、金魚オブジェクト153が領域A、領域B又は領域Cにいなかった場合、耐久値が減少するのみで、金魚オブジェクト153はすくえない。
【0122】
さて、以上のように、実施の形態3によれば、プレイヤは模擬ポイ104を動かすことで再帰反射シート124の位置を調整して、ポイカーソル151を金魚オブジェクト153の位置に動かし、そこから模擬ポイ104を裏返すことで、ポイカーソル151で金魚オブジェクト153を捕まえることができる。
【0123】
ポイカーソル151で金魚オブジェクト153をすくいあげることで捕まえたようにプレイヤからは見える。
【0124】
プレイヤ模擬ポイ104を裏返すだけで、入力/非入力を切り替えられる。実際の金魚すくいでポイを返すように、模擬ポイ104を裏返す操作で、金魚オブジェクト153を捕まえることができる。
【0125】
(実施の形態4)
【0126】
本発明の実施の形態4によるゲームシステムの全体構成は、図11のゲームシステムと同様である。ただし、実施の形態2では、図11の模擬ポイ104に代えて、図17の模擬竿161を使用する。実施の形態4によるアダプタ1、カートリッジ3及びセンサユニット102の電気的構成は、図14に示したものと同じである。
【0127】
図17は模擬竿161を説明する図である。模擬竿161の先端部163の床面を向いた面には、再帰反射シート165が設けられている。プレイヤが模擬竿161の先端部163がセンサユニット102の上空に来るように動かすと、再帰反射シート165が撮影される。プレイヤが本物の釣竿を引き上げるように模擬竿161をひきあげると、先端部163は飛んでいき、再帰反射シート165はセンサユニット102の撮影範囲から外れる。つまり、プレイヤは模擬竿161の先端部がセンサユニット102の上空に来るように動かし、引き上げるという釣りのような動作によって、非撮影状態から撮影状態に、その後再び非撮影状態へと遷移させることができ、結果入力・非入力を切り替えることが可能となる。
【0128】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0129】
図18(a)及び(b)は、ゲーム画面の例示図である。
図18(a)を参照して、ゲーム画面は、魚影オブジェクト171及び釣竿オブジェクト173を含む。
【0130】
マルチメディアプロセッサ33は再帰反射シート165が撮影されると、図18(a)のように釣竿オブジェクト173が水につかるように表示する。その状態で所定時間が経過すると、魚影オブジェクト171が釣竿オブジェクト173に近づき、水面が波立つ。
この段階でプレイヤが模擬竿161を引き上げ、再帰反射シート165の撮影状態が非撮影状態に遷移すると、マルチメディアプロセッサ33は、図18(b)に示したように、魚オブジェクト175が釣り上げられるアニメーションを表示する。マルチメディアプロセッサ33は、タイミングが早かったり遅かったりした場合、釣り糸が切れたり、ゴミが釣りあがったりする演出を行う。
【0131】
以上のように、実施の形態4によれば、プレイヤは模擬竿161を動かすことで再帰反射シート165がイメージセンサ31に写るように調整して、タイミングを見計らって模擬竿161を引き上げることで、再帰反射シート161がイメージセンサ31から隠れ、魚オブジェクト175が釣れるイベントを発生させることができる。
【0132】
プレイヤが模擬竿161の把持部を把持して動かすと、先端部163は大きく動くため、再帰反射シート165をイメージセンサ31の撮像範囲外まで一瞬で動かすことができる。つまり、容易に再帰反射シート165をイメージセンサ31から隠すことができる。
【0133】
模擬竿161は釣竿のようにしなるので、上記のような釣りゲームをする場合に最適である。
【0134】
(実施の形態5)
【0135】
本発明の実施の形態5によるゲームシステムの全体構成は、図1のゲームシステムと同様である。ただし、実施の形態5では、図1のスポンジ弾7及び模擬銃6に代えて、図19の模擬ラケット177を使用する。実施の形態5によるアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成は、図1に示したものと同じである。
【0136】
図19は模擬ラケット177を説明する図である。模擬ラケット177は、卓球のラケットの形状を模した形状をしている。模擬ラケット177の打球面には光を再帰反射する再帰反射シート179Aが取り付けられている。また、図には表れていない裏の打球面にも、同様に再起反射シート179Aが取り付けられている。そして、再帰反射シート179Aが設けられた面に対する側面には、再帰反射シート179Bが設けられる。再帰反射シート179Aと179Bとは、同じ素材であり、図19に示すように、形状と取り付けられた位置が異なるだけである。
プレイヤが模擬ラケット177を把持してカメラユニット5の前に立つと、イメージセンサ31により、操作物7の再帰反射シート179A及び/又は179Bが撮影される。
【0137】
再起反射シート179Bが設けられているのは、プレイヤが模擬ラケット177を傾けたりひねったりしても、常に再起反射シート179A又は179Bのいずれかがイメージセンサ31に撮影されるようにするための工夫である。イメージセンサ31はいずれかの像が写っていれば、そこから注目点を抽出するため、マルチメディアプロセッサ33は、模擬ラケット177の動きを検出することが可能となる。以下、再帰反射シート179Aと179Bとを区別する必要が無い場合は、合わせて再帰反射シート179という。なお、模擬ラケット177の全側面、又はブレードに相当する部分全体に再起反射シートを設けるような構成でもよい。
【0138】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0139】
図20は、ゲーム画面の例示図である。図20を参照して、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示する画面は、ボールオブジェクト181、ラケットカーソル183、ネットオブジェクト185、卓球台オブジェクト187、相手キャラクタ189を含む。マルチメディアプロセッサ33は、検出した再帰反射シート9の位置に応じて、半透明に表示されるラケットカーソル1833及び当たり判定エリア182のスクリーン上での移動を制御する。
なお、図5(a)中、破線で描かれた正方形の当たり判定エリア182は、説明のために描いたものであり、プレイヤが見る表示画面には表示されていない。
【0140】
マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DI上の再帰反射シート179の注目点のX軸方向の動きとY軸方向の動きに、スクリーン11上の当たり判定エリア182及びラケットカーソル183のx軸方向の動きとy軸方向の動きとを連動させる。
スクリーン11上で、返球可能条件が整った上で、当たり判定エリア182とボールオブジェクト181とが重なると、マルチメディアプロセッサ33は、相手キャラクタ189が打ったボールオブジェクト181を、プレイヤが打ち返すことに成功したと判定し、返球を表示するための処理を実行する。
なお、この実施の形態では、相手キャラクタ189が打ったボールオブジェクト181が、卓球台オブジェクト187のプレイヤ側コートでワンバウンドすることとしている。このため、ボールオブジェクト181が相手側コートにある間は、ラケットカーソル183を重ねてもボールオブジェクト181を打ち返すことはできない。
このようにプレイヤは、ラケットカーソル183のブレード部分(当たり判定エリア182がある)が、ボールオブジェクト181の表示位置に重なるように、模擬ラケット177を動かすことによって、ボールオブジェクト181を相手コート側に打ち返すことができる。
【0141】
打ち返し可能な条件を満たした場合、ボールオブジェクト181の色を変化させるなどして、プレイヤに視覚的にどのタイミングからボールオブジェクト181を打ち返すことが可能か示すこともできる。
【0142】
なお、ボールオブジェクト181を打ち返したか否かの判定は、上述の当たり判定エリア182による判定でなくてもよい。例えば、ラケットカーソル183のスプライトが当たり判定エリアであってもよいし、ラケットカーソル183のスプライトより大きな当たり判定エリアを設定していたり、逆に小さく設定していたりしてもよい。このように当たり判定エリアを設定することで、ボールオブジェクト181を打ち返す難易度を調整することができる。
【0143】
マルチメディアプロセッサ33は、ボールオブジェクトの仮想空間中の位置を表すパラメータとして、ボールオブジェクト181のスクリーン座標であるx座標及びy座標の他に、テレビジョンモニタ11に表示される画面の奥行き方向に沿った仮想のz軸を設定し、ボールオブジェクトのz座標も制御している。マルチメディアプロセッサ33は、z座標の値に応じて、プレイヤに近づけば大きく、プレイヤから離れれば小さく見えるように、ボールオブジェクト181の画像の大きさを制御する。
【0144】
マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DI上の再帰反射シート179の像の注目点のXY座標を直近3フレーム分記憶しており、毎フレーム更新する。ここでフレームとは、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示する画像を更新する周期のことを言うものとし、ここでは1フレーム=1/60分の1秒の意味でも使うものとする。マルチメディアプロセッサ33は、毎フレームイメージセンサ31より差分画像DIを取得している。
マルチメディアプロセッサ33は、ボールオブジェクト181が打ち返されたと判定すると、そのときのボールオブジェクト181のxyz座標に応じて、仮の返球軌道K1を一旦決定する。
次に、マルチメディアプロセッサ33は、過去3フレームにおける注目点のXY座標の履歴をチェックし、注目点の移動速度(3フレーム間の移動量)及び移動方向を取得する。注目点のXY座標における移動は、再帰反射シート179が貼られた模擬ラケット177の動き、すなわちプレイヤのスイング動作に応じたものである。
当該移動速度及び移動速度によって返球の球威の決定及び仮の返球軌道K1をプレイヤのスイング方向を加味した返球軌道K2に補正するための処理を実行することで、プレイヤの実感にあった返球を実現できる。
【0145】
マルチメディアプロセッサ33は、注目点のX軸方向、つまり左右方向への移動量をチェックする。注目点のX軸方向の移動量に応じて、「左3」「左2」「左1」「左右0」「右1」「右2」「右3」の7段階の補正量が定められており、当該補正量にしたがって、プロセッサ67は、返球軌道K1のベクトルの左右への向きを補正する。この補正によってプレイヤが模擬ラケット177を振った方向に返球が伸びるようにプレイヤからは見える。
この点模擬ラケット177をあまり振らず、「左右0」のレベルだった場合でも、ボールオブジェクト181を打ったタイミングに応じて決定される返球軌道K1によって、それらしい返球軌道が描かれるため、お年寄りや幼児など、模擬ラケット177を強く振ることが難しいプレイヤも、この卓球ゲームを十分楽しむことが可能である。
【0146】
次に、マルチメディアプロセッサ33は、注目点の移動速度に応じて返球の球威を決定する。移動速度を閾値A1〜A3(A1<A2<A3)によって分類し、移動量が閾値A1未満ならば、「あてただけ」、閾値A1以上閾値A2未満ならば「弱ショット」、閾値A2以上閾値A3未満ならば「強ショット」、閾値A3以上ならば「スマッシュ」と判定する。
マルチメディアプロセッサ33はこの判定結果に応じて、返球のスピード及び相手側コート又はコート外に落ちる位置を決定する。プレイヤが強く/速く模擬ラケット177を動かせば、返球速度も強く/速くなる。また、プレイヤが弱く/遅く模擬ラケット177を動かせば、返球速度も弱く/遅くなる。
強い返球は相手キャラクタ189に打ち返されづらいが、一方で飛距離が大きいためコートの外に出やすくもなる。
【0147】
マルチメディアプロセッサ33は、「弱ショット」又は「強ショット」を判定した場合、球種が「ドライブ」か「カット」か、を判定する。具体的には、マルチメディアプロセッサ33は、注目点のXY座標の履歴をチェックして、注目点が下から上方向(Y軸負方向)に移動していた場合、プレイヤが模擬ラケット177を斜め上前方に押し出すようなドライブ打法のスイングをしている可能性が高いため、球種を「ドライブ」と判定する。
逆に、注目点が上から下方向(Y軸正方向)Y2座標に移動していた場合、プレイヤが模擬ラケットを177斜め下前方に切るようなカット打法のスイングをしている可能性が高いため、球種を「カット」と判定する。
マルチメディアプロセッサ33は、球種の判定結果を、返球がバウンドした後のはね方を決定するパラメータとして利用し、実際の卓球でドライブ打法やカット打法を行った場合のような軌道を描くように調整を行う。
【0148】
ラリーが終了し、プレイヤ側がサーブを行う場合、マルチメディアプロセッサ33は、プレイヤ側のコートの端に沿ってボールオブジェクト181を左右方向(x軸方向)に往復させる。プレイヤはサーブを打ちたい位置にボールオブジェクト181がきたときに、ボールオブジェクト181にラケットカーソル183を重ねるように移動させる。このとき、マルチメディアプロセッサ33は、ボールオブジェクト181を上方向(y軸負方向)にボールオブジェクト181を所定量移動させた後、再び、元の位置に戻るまで下方向(y軸正方向)に移動させる。これは卓球のサーブトスを再現したものである。
プレイヤがボールオブジェクト181が元の位置に戻るまでにラケットカーソル183をボールオブジェクト181に近づけることで、ボールオブジェクト181は、プレイヤ側コートで1バウンドした後、相手側コートに飛んでいく。球威や球種は、前述の方式と同様の方式によって決定される。
サーブにおいて、ボールオブジェクト181がネットオブジェクト185に当たって相手側コートに跳ねた場合は、もう一度サーブをやり直す。
【0149】
以上この実施の形態5によれば、プレイヤは再帰反射シート179の位置が所定条件を満たすように動かせば、映像中のボールオブジェクト181を打ち返すことができる。この条件はスイングの強さなど、人によって基準が異なるものと違い、万人に共通であるため、情報処理装置による検出・処理が簡単である。
【0150】
また、プレイヤがボールオブジェクト181を打ち返す目的で、ボールオブジェクト181の表示位置を目安に模擬ラケット177を動かしたときにのみ、ボールオブジェクト181が返球されるため、プレイヤの何気ない動作や意図しない動作によって、ボールオブジェクト181が打ち返されてしまうことが少ない。つまり、それだけプレイヤの意図に合致したボールオブジェクト181の返球を表示することができる。
【0151】
さらに、プレイヤは模擬ラケット177を速く(大きく)動かすことで、映像中のボールオブジェクト181を速く(大きく)動かすことができる。
【0152】
さらに、プレイヤは模擬ラケット177を動かす方向を調整することで、映像中のボールオブジェクト181の移動方向を調整することができる。
【0153】
さらに、模擬ラケット177の左右方向への移動量が大きいほど、左右への移動芳香の補正量を大きくなり、プレイヤの意図に合致する。また、あまり模擬ラケット177を大きく動かすことができないプレイヤであっても、予め決定される返球軌道K1によってそれらしい返球軌道が表示される。
【0154】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0155】
(1)上記の各実施の形態で、ストロボ撮影(赤外発光ダイオード15、108の点滅)及び差分画像DIを取得する処理は、ノイズを減らし、再帰反射シート及び操作物の動きを検出しやすくするために好適な例を示しただけであって、本発明に必須の要素ではない。つまり、赤外発光ダイオード15は、点滅させなくてもよいし、また、赤外発光ダイオード15がなくてもよい。照射する光は赤外光に限られない。また、再帰反射シートは、カメラユニット5や撮像ユニット102が照射する光を再帰反射するため検出がしやすい好適な例として挙げたのみで、代わりに所定の色や所定の形状のマーカや被写体を撮像し、画像解析によって注目点を検出する方式でもよい。撮像素子は、イメージセンサに限られず、CCDなどの他の撮像素子を使用できる。
【0156】
(2)上記のプレイヤが把持する操作物は、いずれも再帰反射シートを設けるのみであったが、ボタンスイッチ、加速度センサやジャイロセンサなどその他の信号出力手段を設け、当該信号をプロセッサ33が別途入力信号として利用するような構成にしてもよい。但し、この場合、操作物とプロセッサ33とが通信できるように例えばケーブルによる優先接続、赤外線による無線通信、ラジオなど電波による無線通信など、別途通信手段を設ける必要がある。また、操作物に電池などの電源供給手段をさらに設ける必要がある。
【0157】
(3)上記各実施の形態は、再帰反射シートをイメージセンサに撮影させ、又は隠すことによってゲームの操作を行うものであった。すなわち再帰反射シートをイメージセンサに撮影させたり隠したりすることが容易な形態であれば、操作物の形状は自由とである。例えば実施の形態3の模擬ポイ104を用いて実施の形態1の射的ゲームをプレイすることも可能である。この場合まずカメラユニット5に模擬ポイ104を向けてカーソル41の位置を調整し、模擬ポイ104を裏返せば再帰反射シートが隠れ、弾オブジェクトがカーソル41の位置に発射される。
また、上記各実施の形態で説明した操作物の形状でなくてもよく、例えば図21のような変形例も考えられる。
【0158】
図21は、操作物の変形例を示す図である。図21を参照して操作物191L及び191Rは手袋方の操作物である。プレイヤが装着した場合に手のひら側に再帰反射シート193L及び193Rが現れる。プレイヤが手を握ると再帰反射シート193L及び193Rは隠れるため、上記の各実施の形態で説明したようなゲームシステムにおいて、プレイヤは手を握る/開くという動作により、容易に撮影状態、非撮影状態を切り替え、入力を制御することができる。
【0159】
(4)上記の実施の形態1、3、4では、再帰反射シートの撮影状態、非撮影状態を切り替えることで入力/非入力を切り替えていたが、例えば再帰反射シートがイメージセンサに所定の距離まで近づいたことを、像の大きさによって検出し、それをトリガとして入力/非入力を切り替えるような方式であってもよい。例えば実施の形態1では、模擬銃73がスポンジ弾7を発射した際に、一瞬スポンジ弾7がイメージセンサ31に接近した後に、地面方向に落下することで再帰反射シート9が写らなくなることをトリガとしていたが、スポンジ弾7がイメージセンサ31に接近した段階でトリガを発生させてもよいということである。
【0160】
(5)実施の形態4の模擬竿161は、実際の釣竿のように竿部分と糸部分があり、糸部分の先端に再帰反射シート165が張られた先端部163があったが、糸部分は必須の構成要素ではなく、例えば竿部分の先端に先端部163があるような構成でもよい。この場合釣りらしさは薄れるが、糸が絡まないので便利である。この場合竿部分は、よくしなる素材でつくり、先端部163の再帰反射シート165が床側を向くようにするか、先端部163全体に再帰反射シート165を貼るとよい。
【0161】
(6)各実施の形態におけるゲームはあくまで例示であり、様々な題材のゲームに応用可能である。たとえば実施の形態5は卓球ゲームであったが、テニスゲームや野球ゲーム、ゴルフゲーム等にも当然応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の実施の形態1によるゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1のアダプタ1及びカートリッジ3の斜視図である。
【図3】(a)図1のスポンジ弾7、コード71及び模擬銃73の説明図である。(b)スポンジ弾7の拡大図である。
【図4】図1のアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成を示す図である。
【図5】ゲーム画面の例示図である。
【図6】ゲーム画面の例示図である。
【図7】ゲーム画面の例示図である。
【図8】ゲーム画面の例示図である。
【図9】スティック61の説明図である。
【図10】ゲーム画面の例示図である。
【図11】本発明の実施の形態3によるゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図12】図11のセンサユニット102の斜視図である。
【図13】(a)(b)図11の擬似ポイ104の説明図である。
【図14】図11のアダプタ1、カートリッジ3及びセンサユニット102の電気的構成を示す図である。
【図15】ゲーム画面の例示図である。
【図16】(a)各金魚オブジェクト153に設定された点数の例を示す図である。(b)(c)ポイカーソル151の耐久値を説明するための図である。
【図17】模擬竿161を説明する図である。
【図18】(a)(b)ゲーム画面の例示図である。
【図19】模擬ラケット177を説明する図である。
【図20】ゲーム画面の例示図である。
【図21】操作物の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
1…アダプタ、3…カートリッジ、5…カメラユニット、11…テレビジョンモニタ、7…スポンジ弾、73…模擬銃、9…再帰反射シート、31…イメージセンサ、33…マルチメディアプロセッサ、15…赤外発光ダイオード、102…センサユニット、61…スティック、65L及び65R…再帰反射シート、104…模擬ポイ、124…再帰反射シート、161…模擬竿、165…再帰反射シート、177…模擬ラケット、179…再帰反射シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に映像を表示する情報処理装置及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本件出願人による特許文献1に開示されているゴルフゲームシステムは、ゲーム機及びゴルフクラブ型入力装置を含み、ゲーム機のハウジングの内部には撮像ユニットが収納され、この撮像ユニットは、イメージセンサ及び赤外発光ダイオード等から構成される。赤外発光ダイオードによって撮像ユニットの前方の所定範囲に赤外光が間欠的に照射され、したがって、イメージセンサは、その範囲内で移動するゴルフクラブ型入力装置に設けられた反射体を間欠的に撮影する。このような反射体のストロボ映像を処理することによって、ゲーム機の入力となる入力装置の速度などを計算する。このように、ストロボスコープを用いてコンピュータやゲーム機にリアルタイムで入力を与えることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−85524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、撮像画像に写りこんだ被写体の像に基づき当該被写体の動きを検出し、その動きを入力とする新規な情報処理装置及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、前記映像中に表示される的オブジェクトを制御する的オブジェクト制御手段と、前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生時に、前記座標に向かって飛んでいく弾丸オブジェクトを表示するオブジェクト制御手段と、前記トリガ発生時の前記座標と、前記的オブジェクトとの位置関係に応じて、前記弾丸オブジェクトが前記的オブジェクトに当たるか否かを決定する手段と、を含む。
【0006】
この構成によれば、プレイヤは、操作物を動かすことで被写体の位置を調整して映像中の的オブジェクトが表示されている位置を狙い、そこから撮像手段に対して何らかの方法で被写体を隠すことにより、当該所望の座標に弾丸オブジェクトを飛ばし、的オブジェクトにあてる射撃ゲームを楽しむことができる。
【0007】
前記操作物は、銃口に装填された模擬弾を発射する模擬銃であり、
前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、模擬弾を装填したときに模擬銃の銃口部分に被写体が現れるため、プレイヤは模擬銃の銃口の向きを変えることにより、表示装置に表示される映像の所望の座標を指定することができる。さらに、模擬弾を発射すると模擬銃の銃口部分から被写体がなくなり、被写体が撮像手段に写らなくなるので上述の被写体を隠すのと同じ効果を得られる。つまり、模擬銃を撃つと、映像中でも弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
【0009】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、被写体が設けられているの弾頭部分だけであるため、弾頭部分の向きが変われば、撮像手段に被写体が写らなくなる。発射後すぐに弾頭部分の向きが変われば、それだけ模擬弾発射時から被写体が撮像手段に対して隠れるまでの時間が短くなるので、結果プレイヤが銃を撃ったと思った瞬間に映像中で弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、前記座標に応じて前記映像中を移動する第1オブジェクトを制御する手段と、前記映像中に表示される第2オブジェクトを制御する手段と、前記撮像画像中で、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移するとトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトを捕まえたと判定する判定手段と、を含む。
【0012】
この構成によれば、プレイヤは操作物を動かすことで被写体の位置を調整して、第1オブジェクトを第2オブジェクトの位置に動かし、そこから撮像手段に対して何らかの方法で被写体を隠すことにより、第1オブジェクトで第2オブジェクトを捕まえることができる。
【0013】
前記第2オブジェクトは、前記第1オブジェクトよりも下層のレイヤーに表示され、前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第2オブジェクトを前記第1オブジェクトよりも上層のレイヤーに表示することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第1オブジェクトで第2オブジェクトをすくいあげることで捕まえたようにプレイヤからは見える。
【0015】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、裏返すことによって情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えるための操作物であって、前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、プレイヤは操作物を裏返すだけで、入力/非入力を切り替えられる。
【0017】
本発明の第2の観点による情報処理装置は、例えば第1オブジェクトを網、第2オブジェクトを金魚とする金魚すくいゲームなどが実現できる。この操作物を用いれば、実際の金魚すくいで網を返すように操作物を裏返す操作で、金魚を捕まえることができる。
【0018】
本発明の第3の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体が写っているか否かを判定する画像解析手段と、前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続したか否かを判定する手段と、前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、前記トリガ発生段階で、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続している場合、所定のイベントを発生させるイベント発生手段と、を含む。
【0019】
この構成によれば、プレイヤは操作物を動かすことで被写体が撮像手段に写るように調整して、タイミングを見計らって撮像手段に対して何らかの方法で被写体を隠すことにより、イベントを発生させることができる。
【0020】
前記操作物は一方端にプレイヤが把持する把持部が、他方端に前記被写体が設けられている。
【0021】
この構成によれば、プレイヤが把持部を把持して操作物を動かすと、被写体側は大きく動くため、被写体を撮像手段の撮像範囲外まで一瞬で動かすことができる。つまり、容易に被写体を撮像手段から隠すことができる。
【0022】
例えば撮像手段にしばらく被写体を写しておくと、映像中で魚が針にかかり、そこで把持部を上げ被写体を引き上げて撮像手段から隠すと魚がつれるイベントが発生するようなゲームが実施できる。
【0023】
前記操作物は、プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている。
【0024】
この構成によれば、さらに、操作物は釣竿のようにしなるので、上記のような釣りゲームをする場合に最適である。
【0025】
本発明の第4の観点によれば、情報処理装置は、表示装置に接続して使用される情報処理装置であって、撮像手段から、プレイヤが実空間中で操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、前記撮像画像から、前記操作物が有する所定間隔で並んだ二つの被写体を検出する検出手段と、前記二つの被写体の像がなす角度によって、前記操作物の傾きを算出する算出手段と、前記操作物の傾きに応じて、前記表示装置に表示する画面内の操作キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段と、を含む。
【0026】
この構成によれば、操作物を傾けた方向に操作キャラクタが移動するので、操作方法が直感的で分かりやすい。
【0027】
前記操作キャラクタは、仮想のハンドルを有する乗り物又は当該乗り物に乗ったキャラクタであり、前記移動方向決定手段は、前記傾きに応じて前記仮想のハンドルの傾きを決定し、それに応じて前記操作キャラクタの移動方向を決定する。
【0028】
この構成によれば、実際にハンドルを傾けて操作キャラクタを動かしている気分を味わうことができる。同様のゲームは傾きセンサなどを用いてもできるが、その場合センサ等ははじめから操作物に内蔵されている必要がある。これに対してこの構成によれば、あとから操作物に被写体を取り付けてもよいので、汎用性が高い。
【0029】
本発明の第5の観点によれば、情報処理装置は、映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した画像を受信する手段と、前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、前記被写体の位置の履歴を記憶しておく記憶手段と、前記映像中の所定のオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段と、前記被写体の位置が所定の条件を満たしたときにトリガを発生する手段と、前記トリガに応じて、前記被写体の位置の履歴を読み出す履歴読み出し手段と、前記被写体の位置の履歴から、前記操作物の状態情報を算出する状態算出手段と、を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時、前記状態情報に応じて、前記オブジェクトを変異させる。
【0030】
状態情報とは、操作物の傾き、移動量、移動速度、移動方向、加速度などを含む概念で、情報処理装置はプレイヤがどのように操作物を扱っているのかを検出した結果の情報といえる。この構成によれば、プレイヤは被写体の位置が所定条件を満たすように動かせば、映像中のオブジェクトを変異させることができる。さらにオブジェクトの変異は、操作物の動きに応じたものになるので、プレイヤの意図に合致したオブジェクトの変異を実現することができる。オブジェクトの変異とは、オブジェクトの移動、形状・色彩の変化、オブジェクトに設定されたパラメータの変化などが含まれる。
【0031】
引用文献1のように各種センサやカメラを用い、プレイヤが所定の閾値を越える速度や強さで操作物を操作した場合に、プレイヤが入力動作(例えばゴルフ、テニス、野球のスイングやボウリングや野球の投球)があったと判定し、当該動作に応じてオブジェクトを変異させる方式では、閾値の設定が難しい。なぜなら人によってスイングや投球の速度や強さは異なるためである。閾値を低く設定しすぎると、プレイヤの何気ない動作が入力動作として検出されてしまう恐れがあり、閾値を高く設定しすぎると、あまり強い運動をできないプレイヤには操作できなくなってしまう。
この点本発明の第5の観点による情報処理装置によれば、操作物が所定の条件を満たす位置にくることという万人に共通な条件でオブジェクトを変異させるので、情報処理装置が当該条件を満たしたか否かを検出することは容易であり、プレイヤの意図に合わない映像を表示してしまうことも少なくなる。
【0032】
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段をさらに含み、前記所定の条件は、前記映像上の座標と、前記オブジェクトとの表示位置とが、所定の位置関係を満たすことである。
【0033】
この構成によれば、プレイヤは映像中のオブジェクトの位置を見ながら、所定の位置関係を満たすように被写体を動かすことで、オブジェクトを変異させることができる。この点、プレイヤにとってはオブジェクトの表示位置が所定の位置関係の目安になるともいえる。
【0034】
前記映像上の座標に応じて前記映像中に所定のヒットエリアを設定する手段をさらに含み、前記所定の条件は、前記ヒットエリアと前記オブジェクトとの全部又は一部が重なることである。
【0035】
この構成によれば、プレイヤがオブジェクトを変異させる目的で、オブジェクトの位置を目安に操作物を動かしたときにのみオブジェクトを変異させることができるため、プレイヤの何気ない動作や意図しない動作によって、オブジェクトが変異することが少ない。つまり、それだけプレイヤの意図に合致したオブジェクトの変異を表示することができる。
【0036】
なお、上記の場合、映像上の座標及びヒットエリアに連動したカーソルなどを表示してもよい。このようにすれば、プレイヤにとって、所定の条件を満たしたか否かが視覚的に分かりやすい。
【0037】
前記状態情報は前記操作物の移動量又は移動速度を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動量又は移動速度に応じて前記オブジェクトの移動量又は移動速度を決定する。
【0038】
この構成によれば、プレイヤは操作物を速く(大きく)動かすことで、映像中のオブジェクトを速く(大きく)動かすことができる。
【0039】
前記状態情報は前記操作物の移動方向を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動方向に応じて前記オブジェクトの移動方向を変化させる。
【0040】
この構成によれば、プレイヤは操作物を動かす方向を調整することで、映像中のオブジェクトの移動方向を調整することができる。
【0041】
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを映像中で移動させ、前記トリガ発生時の前記オブジェクトの位置に応じて、前記オブジェクトの軌道を決定し、その後前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する。
【0042】
前記状態情報は、前記操作物の所定の軸方向への移動量を含み、前記オブジェクト制御手段は、前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する際に、前記操作物の所定の軸方向への移動量に応じて補正量を変化させる。
【0043】
この構成によれば、操作物のある軸方向への移動量が大きいほど補正量を大きくすることができる。また、あまり操作物を大きく動かすことができないプレイヤであっても、予め決定される軌道によってそれらしいオブジェクトの軌道が表示される。
【0044】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする。
【0045】
この構成によれば、プレイヤが操作物を傾けたり、捻ったり、前後左右に動かしたりしても、いずれかの面の被写体が撮像手段に写り、被写体の位置を情報処理装置に検出させ、操作物の状態情報を取得させることができる。このことによって、プレイヤの動作の自由度が上がる。操作物の全ての面が被写体になっていてもよい。
【0046】
上述の本発明の第1から第5の観点による情報処理装置において、前記被写体に光を照射する装置を制御する手段をさらに含み、前記被写体は再帰反射シートであることを特徴としてもよい。
【0047】
本発明の第6の観点によれば、操作物は、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、模擬弾と、銃口に装填された前記模擬弾を発射する模擬銃と、を含み、前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする。
【0048】
この構成によれば、模擬弾を装填したときに模擬銃の銃口部分に被写体が現れるため、プレイヤは模擬銃の銃口の向きを変えることにより、被写体の位置に応じた情報を情報処理装置に与えることができる。さらに、模擬弾を発射すると模擬銃の銃口部分から被写体がなくなり、被写体が撮像手段に写らなくなるので、被写体を撮影状態から非撮影状態に切り替えることができる。つまり、模擬銃を撃つと、情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えることができる。
【0049】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする。
【0050】
この構成によれば、被写体が設けられているの弾頭部分だけであるため、弾頭部分の向きが変われば、撮像手段に被写体が写らなくなる。発射後すぐに弾頭部分の向きが変われば、それだけ模擬弾発射時から被写体が撮像手段に対して隠れるまでの時間が短くなるので、結果プレイヤが銃を撃ったと思った瞬間に情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えることができる。
【0051】
本発明の第7の観点によれば、操作物は、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して、入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、表面と裏面とを有し、前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする。
【0052】
この構成によれば、プレイヤは操作物を裏返すだけで、入力/非入力を切り替えられる。
【0053】
本発明の第8の観点によれば、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して、入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、一方端にプレイヤが把持する把持部が、他方端に前記被写体が設けられている。
【0054】
この構成によれば、プレイヤが把持部を把持して操作物を動かすと、被写体側は大きく動くため、被写体を撮像手段の撮像範囲外まで一瞬で動かすことができる。つまり、容易に被写体を撮像手段から隠すことができる。
【0055】
この操作物は、プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている。
【0056】
この構成によれば、操作物が釣り竿のようにしなるので、つりのゲーム用の操作物として適している。
【0057】
本発明の第9の観点によれば、プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して、入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、表面と裏面とを有し、前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする。
【0058】
この構成によれば、プレイヤが操作物を傾けたり、捻ったり、前後左右に動かしたりしても、いずれかの面の被写体が撮像手段に写り、被写体の位置を情報処理装置に検出させ、操作物の状態情報を取得させることができる。操作物の全ての面が被写体になっていてもよい。
【0059】
本発明の第6から第9の操作物において、前記被写体は、再帰反射シートであることを特徴としてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0061】
(実施の形態1)
【0062】
図1は、本発明の実施の形態1によるゲームシステムの全体構成を示す図である。図1を参照して、このゲームシステムは、アダプタ1、撮像ユニット5を備えたカートリッジ3、スポンジ弾7、コード71、模擬銃73及びテレビジョンモニタ11を備える。アダプタ1には、カートリッジ3が装着される。また、アダプタ1は、AVケーブル13により、テレビジョンモニタ11に接続される。
【0063】
図2は、図1のアダプタ1及びカートリッジ3の斜視図である。図2を参照して、アダプタ1は、上面、下面、左右の側面、前面、及び背面を有する平たい直方体形状を有する。アダプタ1の前面左側には、電源スイッチ19及びリセットスイッチ21が設けられ、前面右側には、赤外線フィルタ29が設けられる。この赤外線フィルタ29は、赤外線以外の光をカットして、赤外線だけを透過させるフィルタであり、この赤外線フィルタ29の裏側には、IRレシーバ141(図14参照)が配置されている。また、アダプタ1の上面の前縁近傍には、4個の方向キー27が設けられる。さらに、左端の方向キー27の左側には、キャンセルキー23が設けられ、右端の方向キー27の右側には、決定キー25が設けられる。
【0064】
カートリッジ3には、その上面後部に撮像ユニット5が設けられている。撮像ユニット5には、赤外線フィルタ17が設けられ、それを囲むように4個の赤外発光ダイオード15が設けられる。この赤外線フィルタ17は、赤外線以外の光をカットして、赤外線だけを透過させるフィルタであり、この赤外線フィルタ17の裏側には、後述のイメージセンサ31(図4参照)が配置されている。
図3(a)は、図1のスポンジ弾7、コード71及び模擬銃73の説明図である。図3(a)を参照して、スポンジ弾7は模擬銃73の銃口部分に詰められる。模擬銃73の引き金がプレイヤに引かれると、空気圧によってスポンジ弾7は前方に射出される。なお、スポンジ弾7を打ち出す方法は任意の方法でかまわない。スポンジ弾7と模擬銃73とはコード71で繋がっているおり、スポンジ弾7が遠くに飛んでいくことは無い。
【0065】
図3(b)は、スポンジ弾7の拡大図である。スポンジ弾7の弾頭には、光を再帰反射する再帰反射シート9が、スポンジ弾7を模擬銃73の銃口部分に詰めたとき再帰反射シート9が正面に来るように、取り付けられている。
【0066】
図1に戻って、プレイヤが、スポンジ弾7を模擬銃73の銃口部分に詰めてから、模擬銃73を撮像ユニット5に向けると、再帰反射シート9が現れ、この再帰反射シート9が撮像ユニット5によって撮影される。
プレイヤが模擬銃73の引き金を引き、スポンジ弾73が打ち出されると、スポンジ弾7は撮像ユニット5に向かって射出された後、空気抵抗によってすぐ向きを変え、重力に惹かれて落下する。スポンジ弾7の落下中、再帰反射シート9の向きは撮像ユニット5の方向ではなく地面の方向を向いているため、撮影されない。従って、プレイヤが、スポンジ弾7を打ち出すと、それまで撮影されていた再帰反射シート9が撮影されない状態となり、この切り替えにより、カートリッジ3のマルチメディアプロセッサ33(図4参照)に対する入力/非入力の切り替えを制御できる。本実施の形態では、イメージセンサ31に再帰反射シートが撮影された場合を撮影状態、撮影されない状態を非撮影状態と呼ぶ。
【0067】
再び図2を参照して、4つの赤外発光ダイオード15は、間欠的に赤外光を発光する。そして、赤外発光ダイオード15からの赤外光は、スポンジ弾7に取り付けられた再帰反射シート9により反射され、赤外線フィルタ17の背面側に設けられたイメージセンサ31に入力される。このようにして、イメージセンサ31により、スポンジ弾7を装填した模擬銃73の先端の再帰反射シート9が撮影される。
【0068】
赤外光は間欠的に照射されるところ、赤外光の非照射時においても、イメージセンサ31による撮影処理は行われている。カートリッジ3のマルチメディアプロセッサ33は、赤外光照射時の画像信号と非照射時の画像信号との差分を求めて、この差分信号DI(差分画像DI)を基に、スポンジ弾7を装填した模擬銃73の銃口(つまり再帰反射シート9)の位置等を算出する。このように、差分を求めることで、再帰反射シート9からの反射光以外の光によるノイズを極力除去でき、精度良く再帰反射シート9を検出できる。
【0069】
図4は、図1のアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成を示す図である。図4を参照して、アダプタ1に電気的に接続されるカートリッジ3は、マルチメディアプロセッサ33、イメージセンサ31、赤外発光ダイオード15、外部メモリ35、及びバス37を含む。外部メモリ35は、ROM、RAM、及び/又はフラッシュメモリなど、システムの仕様に応じて必要なものを備える。
【0070】
マルチメディアプロセッサ33は、バス37を通じて、外部メモリ35にアクセスできる。従って、マルチメディアプロセッサ33は、外部メモリ35に格納されたプログラムを実行でき、また、外部メモリ35に格納されたデータをリードして処理することができる。この外部メモリ35に、画面の制御、再帰反射シート9の位置検出、並びに入力判定等の各処理を行うアプリケーションプログラム、画像データ、及び音声データ等が予め格納される。
【0071】
このマルチメディアプロセッサ33は、図示しないが、中央演算処理装置(以下、「CPU」と呼ぶ。)、グラフィックスプロセシングユニット(以下、「GPU」と呼ぶ。)、サウンドプロセシングユニット(以下、「SPU」と呼ぶ。)、ジオメトリエンジン(以下、「GE」と呼ぶ。)、外部インタフェースブロック、メインRAM、及びA/Dコンバータ(以下、「ADC」と呼ぶ。)などを具備する。
【0072】
CPUは、外部メモリ35に格納されたプログラムを実行して、各種演算やシステム全体の制御を行う。グラフィックス処理に関するCPUの処理として、外部メモリ35に格納されたプログラムを実行して、各オブジェクトの拡大・縮小、回転、及び/又は平行移動のパラメータ、視点座標(カメラ座標)、並びに視線ベクトルの算出等を行う。ここで、1または複数のポリゴン又はスプライトから構成され、同じ拡大・縮小、回転、及び平行移動の変換が適用される単位を「オブジェクト」と呼ぶ。
【0073】
GPUは、ポリゴン及びスプライトから構成される三次元イメージをリアルタイムに生成し、アナログのコンポジットビデオ信号に変換する。SPUは、PCM(pulse code modulation)波形データ、アンプリチュードデータ、及びメインボリュームデータを生成し、これらをアナログ乗算して、アナログオーディオ信号を生成する。GEは、三次元イメージを表示するための幾何演算を実行する。具体的には、GEは、行列積、ベクトルアフィン変換、ベクトル直交変換、透視投影変換、頂点明度/ポリゴン明度計算(ベクトル内積)、及びポリゴン裏面カリング処理(ベクトル外積)などの演算を実行する。
【0074】
外部インタフェースブロックは、周辺装置(本実施の形態ではイメージセンサ31及び赤外発光ダイオード15)とのインタフェースであり、24チャンネルのプログラマブルなデジタル入出力(I/O)ポートを含む。ADCは、4チャンネルのアナログ入力ポートに接続され、これらを介して、アナログ入力装置(本実施の形態ではイメージセンサ31)から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。メインRAMは、CPUのワーク領域、変数格納領域、および仮想記憶機構管理領域等として利用される。
【0075】
再帰反射シート9は、赤外発光ダイオード15の赤外光に照射され、その赤外光を反射する。この再帰反射シート9からの反射光がイメージセンサ31に入力され、したがって、イメージセンサ31からは再帰反射シート9の像を含む画像信号が出力される。上記のように、マルチメディアプロセッサ33は、ストロボ撮影のために、赤外発光ダイオード15を間欠的に点滅するので、赤外光消灯時の画像信号も出力される。イメージセンサ31からのこれらのアナログ画像信号はマルチメディアプロセッサ33に内蔵されたADCによってデジタルデータに変換される。
【0076】
マルチメディアプロセッサ33は、イメージセンサ31からADCを介して入力されるデジタル画像信号から上記の差分信号DI(差分画像DI)を生成して、これに基づき、撮影状態から非撮影状態への遷移、すなわちスポンジ弾7を発射することによる入力判定、さらに再帰反射シート9の位置等を検出して、演算、グラフィック処理、及びサウンド処理等を実行し、ビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUを出力する。ビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUは、アダプタ1を介してAVケーブル13によりテレビジョンモニタ11に与えられ、応じて、テレビジョンモニタ11に映像が表示され、そのスピーカ(図示せず)から音声が出力される。
【0077】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0078】
図5〜図8は、ゲーム画面の例示図である。
図5を参照して、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面は、カーソル41及び的オブジェクト43を含む。
この実施の形態1では、再帰反射シート9の位置は、スポンジ弾7を装着した状態の模擬銃73の向きを示す情報として扱われる。マルチメディアプロセッサ33は、検出した再帰反射シート9Lの位置に応じて、カーソル41Lの移動を制御し、検出した再帰反射シート9Rの位置に応じて、カーソル41Rの移動を制御する。
【0079】
つまり、マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DIから再帰反射シート9の像を抽出して、その注目点の差分画像DI上の座標を算出する。そして、マルチメディアプロセッサ33は、注目点の差分画像DI上の座標を、スクリーン座標に変換することによって、注目点のテレビジョンモニタ11の画面上の位置を求める。マルチメディアプロセッサ33は、この注目点(再帰反射シート9に相当)のスクリーン座標に応じた位置に、カーソル41を表示する。なお、スクリーン座標系は、テレビジョンモニタ11に映像を表示する際に用いられる座標系である。また、この実施の形態では、差分画像DI上の水平座標軸(以下、X軸という)及び垂直座標軸(以下、Y軸という)は、それぞれスクリーン座標の水平座標軸(以下、x軸という)及び垂直座標軸(以下、y軸という)と平行であるものとする。
【0080】
プレイヤが、スポンジ弾7を装填した状態で模擬銃73の向きを変えると、マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート9の位置の変化を、撮像ユニット5が取得した差分画像DIによって検出し、カーソル41を移動させる。プレイヤが、テレビジョンモニタ11の画面上の任意の位置に、スポンジ弾7を装填した模擬銃73を向けると、カーソル41がその位置に移動するように調整されている。
【0081】
次に、プレイヤが引き金を引きスポンジ弾7が発射されると、前述の通り撮影状態から非撮影状態に遷移し、この遷移をトリガ(以下、このトリガを発射トリガという。)として、マルチメディアプロセッサ33は弾丸オブジェクト(図示せず)がカーソルオブジェクト41の中心に向かって飛んでいくアニメーションを表示する。マルチメディアプロセッサ33は、発射トリガ発生時に、カーソルオブジェクト41の中心と、的オブジェクト43とのスクリーン座標系における位置関係により、弾丸オブジェクトが的オブジェクト43に命中するか否か、命中する場合、的オブジェクト43が倒れるか否か、をプログラムに従って決定する。
【0082】
マルチメディアプロセッサ33は、発射トリガ発生時に、的オブジェクト43に弾オブジェクト43に当たらない、又は、当たるが的オブジェクト43が倒れないと判定すると、「はずれ」という文字を表示し、残弾パラメータをデクリメントし、再び図5の画面を表示する。なお、マルチメディアプロセッサ33は、残弾パラメータが「0」になると、ゲームオーバーの文字を表示し、ゲームを終了する。
的オブジェクト43に弾オブジェクトが命中し、的オブジェクト43が倒れると判定すると、景品獲得場面(図示せず)を表示し、倒れた的オブジェクト43を画面中央に拡大して表示し、プレイヤが当該的オブジェクト43を獲得したと表示し、プレイヤの得点を加算して、倒れた的オブジェクト43の表示を消した状態で、再び図5の画面を表示する。
プレイヤの空間においては、発射後、スポンジ弾7は、再帰反射シート9がテレビジョンモニタ11ではなく地面の方向を向いた状態で、コード71によって模擬銃73にぶら下がっている。プレイヤが再びスポンジ弾7を模擬銃73の銃口部分に装填し、模擬銃73をテレビジョンモニタ11の方向に向けることで、再び撮影状態に移行することができる。マルチメディアプロセッサ33は、再び撮影状態に移行すると、差分画像DI上の注目点の位置に応じて、カーソル41を表示する。
【0083】
プレイヤが上記の操作を繰り返し、横一列に並んだ的オブジェクトが全て倒れたと判定すると、マルチメディアプロセッサ33は、当該列にそって移動する的オブジェクト43を表示する。的が移動するため、プレイヤは弾丸オブジェクトを命中させ、的オブジェクト43を倒すことが難しくなる。
【0084】
図6は、図5のゲームを多人数で対戦できるようにアレンジしたゲームの画面図である。図6のゲームは4人で遊ぶモードを説明している。図6のゲームを行う場合、図1のスポンジ弾7及び模擬銃73は人数分用意される。差分画像DIには、人数分の再帰反射シート9が撮影され、それぞれ注目点が検出される。マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DIをY軸に平行な直線で人数分で等分割、図4では4分割し、それによってできた各エリアに注目点があるか否かをチェックし、注目点があれば、当該注目点に応じてカーソル41A〜41Dをそれぞれ表示し、各注目点が消失した時点で弾丸オブジェクトを発射する。理論上は何人でもプレイできるが、人数が増えるほど画面が見づらく、また、再帰反射シートの検出が難しくなるため、この方式の複数人プレイは、多くても4人程度が適当である。
図6のゲームでは4人のプレイヤはそれぞれスポンジ弾7を装填した模擬銃73を持ってカメラユニット5の前に横一列に並び、それぞれ自分のカーソル位置に応じた的オブジェクト43A〜43Dを狙う。
【0085】
図7は、クレー射撃をモチーフにしたゲームの画面図である。プレイヤの操作方法や、マルチメディアプロセッサ33が行う処理は、図5で説明したものとほぼ同じである。マルチメディアプロセッサ33は、撮像結果に応じてカーソル41及び弾丸オブジェクトの表示/非表示及び表示位置を制御する。同時にマルチメディアプロセッサ33はクレーオブジェクト45を画面一方端から他方端まで放物線を描いて飛んでいくように表示する。マルチメディアプロセッサ33は、弾丸オブジェクトがクレーオブジェクト45に当たったと判定すると、クレーオブジェクト45が粉砕するように表示し、プレイヤの得点を加算する。マルチメディアプロセッサ33は所定の時間が経過すると、ゲームを終了し、プレイヤの最終得点を表示する。
【0086】
図8は、図7のゲームを多人数で対戦できるようにアレンジしたゲームの画面図である。クレーオブジェクト45は4分割された画面で矢印で示したような軌道でそれぞれ移動する。それ以外は図6のゲームと大差が無いため、説明を省略する。
【0087】
本実施の形態では、プレイヤはいかに多くの的オブジェクト43又はクレーオブジェクトに弾丸オブジェクトを命中させられるかを競い、命中数に応じて加算される得点に応じて、上位にランクされる。
【0088】
さて、以上のように、実施の形態1によれば、スポンジ弾7を装填したときに模擬銃73の銃口部分に再帰反射シートが現れるため、プレイヤは模擬銃73の銃口の向きを変えることにより、表示装置に表示される映像の所望の座標を指定することができる。さらに、模擬弾を発射すると模擬銃の銃口部分から被写体がなくなり、被写体が撮像手段に写らなくなるので上述の被写体を隠すのと同じ効果を得られる。つまり、模擬銃73を撃つと、映像中でも弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
【0089】
再帰反射シートが設けられているの弾頭部分だけであるため、弾頭部分の向きが変われば、イメージセンサ31に再帰反射シート9が写らなくなる。発射後すぐに弾頭部分の向きが変わるので、スポンジ弾7発射時から再帰反射シート9がイメージセンサ31に対して隠れるまでの時間が短く、結果プレイヤが模擬銃73を撃ったと思った瞬間に映像中で弾丸オブジェクトが飛んでいくように見せることができる。
このように、的オブジェクト43又はクレーオブジェクト45を狙う射撃ゲームを楽しむことができる。
【0090】
(実施の形態2)
【0091】
本発明の実施の形態2によるゲームシステムの全体構成は、図1のゲームシステムと同様である。ただし、実施の形態2では、図1のスポンジ弾7、模擬銃73に代えて、図9のスティック61を使用する。また、実施の形態2によるアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成は、図4に示したものと同じである。
【0092】
図9を参照して、このスティック61は、人が握ることができる程度の直径(例えば4cm)を有する棒状のものであり、例えば、発泡ポリエチレンで形成される。また、スティック61には、所定間隔(例えば20cm)離れて、帯状(例えば幅4cm)の再帰反射シート65L,65Rが取り付けられている。スティック61の長さは例えば60cmである。使用者は、スティック61を両手で把持する場合、例えば、再帰反射シート65Lの外側を左手で握り、再帰反射シート65Rの外側を右手で握って、スティック61を動かす。
【0093】
プレイヤがスティック61を把持して撮像ユニット5の前に立つと、再帰反射シート65L及び65Rが撮像され、差分画像DI上に所定の間隔でならんだ二つの再帰反射シートの像が写る。
ここで、 マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート65Lの像の注目点と再帰反射シート65Rの像の注目点とを結ぶ直線の傾きを、スティック61の傾きとする。
具体的には、差分画像DIの左上角を原点、水平右方向をX軸の正方向、垂直下方向をY軸の正方向として、差分画像DI中、左側に写る注目点のY座標Y1と、差分画像DI中右側に写る注目点のY座標Y2とを比較してスティック61の傾き状態を判定する。
マルチメディアプロセッサ33は、Y1>Y2+k(kは所定の正数)ならば、スティック61は右に傾いた状態と判定する。また、マルチメディアプロセッサ33は、Y1<Y2−kならば、スティック61は左に傾いた状態と判定する。さらに、マルチメディアプロセッサ33は、Y2−k≦Y1≦Y2+kの場合は、スティック61は水平な状態と判定する。スティック61の傾き状態は、ゲームの処理に利用される。
【0094】
また、マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート65Lの像の注目点と再帰反射シート65Rの像の注目点との中点のY座標Y3を、スティック61の位置を示す情報として取得する。プレイヤがスティック61を上に動かすとY3は減少し、下に動かすとY3は増加することになる。
【0095】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0096】
図10は、ゲーム画面の例示図である。図10を参照して、マルチメディアプロセッサ33が表示するゲーム画面は、操作キャラクタ81、0秒からのカウントアップを実行する時間表示部89及び障害オブジェクト83、85、87を含む。このゲームはバイクに乗った操作キャラクタ81が障害オブジェクト83、85、87をよけながら仮想の道を進み、できるだけ早くゴール地点までたどり着くことを目指すゲームである。この実施の形態では、マルチメディアプロセッサ33は、背景及び他のオブジェクトを画面上側から下側にスクロールすることによって、操作キャラクタ81が仮想空間中を進む様子を表現する。
【0097】
マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート65L及び65Rが両方差分画像DI上に写っている場合、上記のスクロール処理を行い、操作キャラクタ81が進んでいることを表現し、操作キャラクタ81の仮想空間中の位置を示す位置パラメータを増加させ、ゴール側に近づける。
マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81が、いずれかの障害オブジェクト83、85又は87と当たった場合、操作キャラクタ81がこける演出を行い、その間は再帰反射シート65L及び65Rが両方写っていても、上記のスクロール処理及び位置パラメータの増加を停止させる。つまり操作キャラクタ81が障害オブジェクト83〜87にぶつかると、その間は仮想空間中を進めず、タイムロスとなるため、プレイヤは障害オブジェクト83〜87をよけながら、操作キャラクタ81を進ませなければならない。
【0098】
マルチメディアプロセッサ33は、スティック61の傾き状態に応じて、操作キャラクタ81を傾け、画面中左右方向に移動させる。スティック61が右に傾いていると判定する場合、マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81の体を右に傾け、操作キャラクタ81を画面中右側に移動させる。また、スティック61が左に傾いていると判定する場合、マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81の体を左に傾け、操作キャラクタ81を画面中左側に移動させる。さらに、スティック61が水平な状態にあると判定する場合は、マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81の左右方向への移動を行わず、直進させる。
【0099】
また、マルチメディアプロセッサ33は、スティック61の位置を示す情報であるY3の値が、定期的に行われる撮像が所定回数行われる間に、所定の量減少した場合、つまりスティック61が所定の速度で垂直上方向に動かされた場合、操作キャラクタ81をジャンプさせ、所定時間「ジャンプ」状態にする。マルチメディアプロセッサ33は、操作キャラクタ81が「ジャンプ」状態の場合に、操作キャラクタ81の表示位置が障害オブジェクト83又は85の表示位置と重なっても、それらがぶつかったとは判定しない。ただし、障害オブジェクト87のように一部の障害オブジェクトについては、操作キャラクタ81が「ジャンプ」状態の場合でも、表示位置が重なれば、それらがぶつかったと判定する。
つまり、プレイヤは、スティック61を水平左右方向に傾けて、操作キャラクタ81を左右に移動させるだけでなく、スティック61を垂直上方向に動かし、ジャンプさせることによっても、一部の障害オブジェクトを操作キャラクタ81に回避させることができる。
【0100】
上記の所定の正数kの値を小さくすると、スティック61が水平状態であると判定される範囲が狭くなり、操作キャラクタ81を直進させるのが難しくなる。このように設定すると、ただスティック61をイメージセンサ31にかざすだけでなく、左右に随時バランスをとるというゲーム性が生まれる。
【0101】
図10のゲームのように、単純にスティック61を傾けた方向に操作キャラクタ81が移動するのでも面白いが、スティック61の傾きを、操作キャラクタ81の仮想のバイクのハンドルに見立てて、仮想のハンドルの傾きに応じて操作キャラクタ81の進む方向を決定するようなゲームであっても良い。
【0102】
さて、以上のように、実施の形態2によれば、スティック61を傾けた方向に操作キャラクタ81が移動するので、操作方法が直感的で分かりやすい。
【0103】
また、実際にハンドルを傾けて操作キャラクタ81を動かしている気分を味わうことができる。同様のゲームは傾きセンサなどを用いてもできるが、その場合センサ等ははじめから操作物に内蔵されている必要がある。これに対してこの構成によれば、あとからスティック61でなくても、何か棒状の物体に再帰反射シート65L及び65Rを所定の間隔をあけて取り付けても操作物として使える。
【0104】
(実施の形態3)
【0105】
図11は、本発明の実施の形態3によるゲームシステムの全体構成を示す図である。
図11を参照して、このゲームシステムは、アダプタ1、カートリッジ100、センサユニット102、模擬ポイ104及びテレビジョンモニタ11を含む。カートリッジ100はアダプタ1に電気的に接続される。そして、アダプタ1は、AVケーブル13により、テレビジョンモニタ11に接続される。従って、カートリッジ100は、アダプタ1及びAVケーブル13を介して、テレビジョンモニタ11に、ビデオ信号VD及びオーディオ信号AUを与えることができる。なお、カートリッジ100は、カートリッジ3と異なり、撮像ユニット5を持っていない。
なお、ポイとは日本の遊びである金魚すくいに用いる道具で、水にぬれると破れやすくなる紙などの繊維でできた網のようなものである。金魚すくいとは、金魚の重さや水圧でポイが破れないように気をつけながら水中の金魚をすくう遊びである。
【0106】
図12は、図11のセンサユニット102の斜視図である。図12を参照して、センサユニット102の表面中央付近を境にして一方側の領域には、電源スイッチ112、キャンセルキー114、エンターキー116、並びにセレクトキー118及び120が設けられる。エンターキー116は、選択を確定したり、全体画面に切り替えたりする場合などに使用される。キャンセルキー114は、選択をキャンセルしたり、画面上の所定の場所に戻る場合などに使用される。セレクトキー118及び120は、カーソルを上下させて選択を行ったり、全体画面を見たりする(上下に移動)場合などに使用される。
【0107】
また、センサユニット102の表面中央付近を境にして他方側の領域には、赤外線のみを透過する赤外線フィルタ106が設けられる。この赤外線フィルタ106を挟むように、ストロボ撮影用の2個の赤外発光ダイオード108が設けられる。赤外線フィルタ106の裏側には、後述のイメージセンサ31が配置される。さらに、センサユニット102の表面には、赤外線フィルタ106からやや先端側に、赤外線のみを透過する赤外線フィルタ110が設けられる。この赤外線フィルタ110の裏側には、後述の赤外線通信用の赤外発光ダイオード133が配置される。
【0108】
図13(a)及び図13(b)は、図11の模擬ポイ104の説明図である。図13(a)を参照して、この模擬ポイ104は、ポイの形を模した形状をしており、プレイヤは取手を持って模擬ポイ104を動かしたり、裏返したりすることができる。模擬ポイ104の丸い部分(実際のポイならば紙等が張られる部分)の裏側にのみ、光を再帰反射する再帰反射シート124が貼られている。
模擬ポイ104の裏側がセンサユニット102側に向いていると、再帰反射シート124が撮影される。そこから模擬ポイ104が裏返され、表側がセンサユニット102側を向くと、再帰反射シート124が撮影されない。つまりプレイヤは模擬ポイ104を動かしたり、裏返したりすることで、再帰反射シート124の撮影状態/非撮影状態を切り替えることができ、結果簡単に入力/非入力を制御することができる。
【0109】
図14は、図11のアダプタ1、カートリッジ3及びセンサユニット102の電気的構成を示す図である。図13を参照して、センサユニット102は、MCU(Micro Controller Unit)131、イメージセンサ31、ストロボ撮影用の赤外発光ダイオード108、及び赤外線通信用の赤外発光ダイオード133を含む。
【0110】
MCU131は、赤外発光ダイオード108を制御する。MCU131の制御に従って、撮影用の赤外発光ダイオード108は、間欠的に駆動され、点灯と消灯とを交互に繰り返す。この赤外発光ダイオード108の点灯により、センサユニット102の上空で動かされる再帰反射シート124に赤外光が照射される。MCU131は、イメージセンサ31の制御も行う。MCU131の制御によって、イメージセンサ31は、センサユニット102の上空で動かされる再帰反射シート124を撮影する。この場合、再帰反射シート124には、赤外光が間欠的に照射されるので、ストロボ撮影が行われることになる。
【0111】
MCU131は、赤外発光ダイオード108の点灯時の画像データと消灯時の画像データとの差分データを算出する。そして、差分データに基づく差分画像DIに写っている再帰反射シート124の像を解析して、再帰反射シート124の差分画像DI上の位置を算出する。なお、MCU131が、差分データを求めることで、再帰反射シート124からの反射光以外の光によるノイズを極力除去でき、精度良く再帰反射シート124を検出できる。
【0112】
MCU131は、通信用の赤外発光ダイオード133を駆動して、赤外線通信により、算出した再帰反射シート124の位置(水平座標,垂直座標)の情報を、アダプタ1のIRレシーバ141に送信する。
【0113】
一方、カートリッジ100は、マルチメディアプロセッサ33、外部メモリ35及びバス37を含む。これらは、図4のものと同じである。マルチメディアプロセッサ33は、IRレシーバ141から、センサユニット102から送信された再帰反射シート124の位置情報を受け取る。マルチメディアプロセッサ33は、再帰反射シート124の位置情報に基づいて、各種演算、グラフィック処理、及びサウンド処理を実行し、ビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUを生成する。マルチメディアプロセッサ33が生成したビデオ信号VDおよびオーディオ信号AUは、アダプタ1及びAVケーブル13を介して、テレビジョンモニタ11に与えられ、応じて、テレビジョンモニタ11に映像が表示され、そのスピーカ(図示せず)から音声が出力される。なお、アダプタ1は、マルチメディアプロセッサ33が生成したビデオ信号VDをそのままAVケーブル13に与え、また、オーディオ信号AUを増幅してAVケーブル13に与える。
【0114】
図11に戻って、センサユニット102は床面に載置される。従って、イメージセンサ31の撮像面は、床面にほぼ平行になる。また、センサユニット102の長手方向に沿って、イメージセンサ31(撮像画像(差分画像))の垂直軸(Y軸)が延びており、垂直軸に垂直に水平軸(X軸)が延びている。そして、イメージセンサ31上の水平座標軸は、スクリーン座標の水平座標軸(x軸)と平行である。また、イメージセンサ31上の垂直座標軸は、テレビジョンモニタ11に表示される画面の垂直座標軸(y軸)に平行である。
【0115】
使用者は、模擬ポイ104の裏面を下に向けて、つまり、再帰反射シート124がイメージセンサ31に撮影されるように、センサユニット102の上空で、模擬ポイ104を動かしたり裏返したりして操作する。
【0116】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0117】
図15は、ゲーム画面の例示図である。図14を参照して、マルチメディアプロセッサ33が表示するゲーム画面は、残りのチャレンジ回数及び捕まえた金魚の数を示す状態表示部155、水中を泳ぐ金魚オブジェクト153及びポイカーソル151を含む。
【0118】
マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DIに写る再帰反射シート124の注目点の位置に応じて、ポイカーソル151のスクリーン座標を制御する。つまり、プレイヤが模擬ポイ104の裏側をセンサユニット102の上空で、前後左右に動かすと、画面中のポイカーソル151も、画面中を上下左右に移動する。
ここでプレイヤが模擬ポイ104を裏返し、再帰反射シート124が上を向き、撮影状態から非撮影状態に遷移することをトリガとして、マルチメディアプロセッサ33は、ポイカーソル151が水中に入り、金魚をすくおうとするアニメーションを表示する。
マルチメディアプロセッサ33は、このときポイカーソル151の下に金魚オブジェクト153が表示されているか否かを判定し、金魚オブジェクト153がすくわれるアニメーションを表示し、捕まえた金魚の数を示すパラメータをインクリメントし、状態表示部155の表示を更新する。普段ポイカーソル151は金魚オブジェクト153や水面を表現した半透明の水色の背景よりも上層のレイヤーに表示されるが、トリガ発生時は金魚オブジェクト153や背景よりも下層のレイヤーに表示される。また、金魚オブジェクト153を捕まえたときは、金魚オブジェクト153、ポイカーソル151、背景の順番に表示される。このように表示すると、ポイカーソル151が水中に入り、金魚オブジェクト153を水中からすくい上げたように見える。
【0119】
捕まえた金魚は金魚の種類に応じて点数が異なり、プレイヤは当該点数の多寡を競う。
図16(a)は、各金魚オブジェクト153に設定された点数の例を示す図である。このように、金魚オブジェクト153の大きさや、柄によって、点数が異なる。マルチメディアプロセッサ33は、点数が高い金魚オブジェクト153ほど高速で移動させるため、プレイヤは点数が高い金魚オブジェクト153ほどすくうのが難しい。
【0120】
図15に戻って、ポイカーソル151には、ポイカーソル151が水中に入ったり、金魚オブジェクト153をすくったりするたびに減少する耐久値が設定されている。耐久値の初期値は例えば、「10」に設定されており、マルチメディアプロセッサ33は、耐久値の減少に応じてポイカーソル151が破れていくような表示を行い、耐久値が「0」以下になるとポイカーソル151が完全に破れ、残りポイの数を示すパラメータをデクリメントし、状態表示部の表示を更新する。残りポイが「0」になるとゲームオーバーとなる。
【0121】
図16(b)及び(c)は、ポイカーソル151の耐久値を説明するための図である。図16(b)を参照して、ポイカーソル151の円状の部分の、中心に近い部分から円上の部分の外に向かって、それぞれ領域A、領域B、領域C及び領域D(ポイの外)が設定されている。この実施例では、ポイカーソル151の中心に近い部分で金魚オブジェクト153をすくうほど、ポイカーソル151の耐久値の減少が少なくなる。
図16(c)を参照して、図16(c)は、金魚オブジェクトの種類と、当該金魚オブジェクトを、領域A〜Dですくおうとした場合の、耐久値の減少値を示す図である。図16(a)で高得点が設定されている金魚オブジェクト153ほど、ポイカーソル151の中心から遠い位置すくった場合の耐久値の減少は大きい。なお、ポイカーソル151が水中に移動した際に、金魚オブジェクト153が領域A、領域B又は領域Cにいなかった場合、耐久値が減少するのみで、金魚オブジェクト153はすくえない。
【0122】
さて、以上のように、実施の形態3によれば、プレイヤは模擬ポイ104を動かすことで再帰反射シート124の位置を調整して、ポイカーソル151を金魚オブジェクト153の位置に動かし、そこから模擬ポイ104を裏返すことで、ポイカーソル151で金魚オブジェクト153を捕まえることができる。
【0123】
ポイカーソル151で金魚オブジェクト153をすくいあげることで捕まえたようにプレイヤからは見える。
【0124】
プレイヤ模擬ポイ104を裏返すだけで、入力/非入力を切り替えられる。実際の金魚すくいでポイを返すように、模擬ポイ104を裏返す操作で、金魚オブジェクト153を捕まえることができる。
【0125】
(実施の形態4)
【0126】
本発明の実施の形態4によるゲームシステムの全体構成は、図11のゲームシステムと同様である。ただし、実施の形態2では、図11の模擬ポイ104に代えて、図17の模擬竿161を使用する。実施の形態4によるアダプタ1、カートリッジ3及びセンサユニット102の電気的構成は、図14に示したものと同じである。
【0127】
図17は模擬竿161を説明する図である。模擬竿161の先端部163の床面を向いた面には、再帰反射シート165が設けられている。プレイヤが模擬竿161の先端部163がセンサユニット102の上空に来るように動かすと、再帰反射シート165が撮影される。プレイヤが本物の釣竿を引き上げるように模擬竿161をひきあげると、先端部163は飛んでいき、再帰反射シート165はセンサユニット102の撮影範囲から外れる。つまり、プレイヤは模擬竿161の先端部がセンサユニット102の上空に来るように動かし、引き上げるという釣りのような動作によって、非撮影状態から撮影状態に、その後再び非撮影状態へと遷移させることができ、結果入力・非入力を切り替えることが可能となる。
【0128】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0129】
図18(a)及び(b)は、ゲーム画面の例示図である。
図18(a)を参照して、ゲーム画面は、魚影オブジェクト171及び釣竿オブジェクト173を含む。
【0130】
マルチメディアプロセッサ33は再帰反射シート165が撮影されると、図18(a)のように釣竿オブジェクト173が水につかるように表示する。その状態で所定時間が経過すると、魚影オブジェクト171が釣竿オブジェクト173に近づき、水面が波立つ。
この段階でプレイヤが模擬竿161を引き上げ、再帰反射シート165の撮影状態が非撮影状態に遷移すると、マルチメディアプロセッサ33は、図18(b)に示したように、魚オブジェクト175が釣り上げられるアニメーションを表示する。マルチメディアプロセッサ33は、タイミングが早かったり遅かったりした場合、釣り糸が切れたり、ゴミが釣りあがったりする演出を行う。
【0131】
以上のように、実施の形態4によれば、プレイヤは模擬竿161を動かすことで再帰反射シート165がイメージセンサ31に写るように調整して、タイミングを見計らって模擬竿161を引き上げることで、再帰反射シート161がイメージセンサ31から隠れ、魚オブジェクト175が釣れるイベントを発生させることができる。
【0132】
プレイヤが模擬竿161の把持部を把持して動かすと、先端部163は大きく動くため、再帰反射シート165をイメージセンサ31の撮像範囲外まで一瞬で動かすことができる。つまり、容易に再帰反射シート165をイメージセンサ31から隠すことができる。
【0133】
模擬竿161は釣竿のようにしなるので、上記のような釣りゲームをする場合に最適である。
【0134】
(実施の形態5)
【0135】
本発明の実施の形態5によるゲームシステムの全体構成は、図1のゲームシステムと同様である。ただし、実施の形態5では、図1のスポンジ弾7及び模擬銃6に代えて、図19の模擬ラケット177を使用する。実施の形態5によるアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成は、図1に示したものと同じである。
【0136】
図19は模擬ラケット177を説明する図である。模擬ラケット177は、卓球のラケットの形状を模した形状をしている。模擬ラケット177の打球面には光を再帰反射する再帰反射シート179Aが取り付けられている。また、図には表れていない裏の打球面にも、同様に再起反射シート179Aが取り付けられている。そして、再帰反射シート179Aが設けられた面に対する側面には、再帰反射シート179Bが設けられる。再帰反射シート179Aと179Bとは、同じ素材であり、図19に示すように、形状と取り付けられた位置が異なるだけである。
プレイヤが模擬ラケット177を把持してカメラユニット5の前に立つと、イメージセンサ31により、操作物7の再帰反射シート179A及び/又は179Bが撮影される。
【0137】
再起反射シート179Bが設けられているのは、プレイヤが模擬ラケット177を傾けたりひねったりしても、常に再起反射シート179A又は179Bのいずれかがイメージセンサ31に撮影されるようにするための工夫である。イメージセンサ31はいずれかの像が写っていれば、そこから注目点を抽出するため、マルチメディアプロセッサ33は、模擬ラケット177の動きを検出することが可能となる。以下、再帰反射シート179Aと179Bとを区別する必要が無い場合は、合わせて再帰反射シート179という。なお、模擬ラケット177の全側面、又はブレードに相当する部分全体に再起反射シートを設けるような構成でもよい。
【0138】
次に、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示するゲーム画面を表した図面を参照しながら、マルチメディアプロセッサ33による処理内容を説明する。
【0139】
図20は、ゲーム画面の例示図である。図20を参照して、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示する画面は、ボールオブジェクト181、ラケットカーソル183、ネットオブジェクト185、卓球台オブジェクト187、相手キャラクタ189を含む。マルチメディアプロセッサ33は、検出した再帰反射シート9の位置に応じて、半透明に表示されるラケットカーソル1833及び当たり判定エリア182のスクリーン上での移動を制御する。
なお、図5(a)中、破線で描かれた正方形の当たり判定エリア182は、説明のために描いたものであり、プレイヤが見る表示画面には表示されていない。
【0140】
マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DI上の再帰反射シート179の注目点のX軸方向の動きとY軸方向の動きに、スクリーン11上の当たり判定エリア182及びラケットカーソル183のx軸方向の動きとy軸方向の動きとを連動させる。
スクリーン11上で、返球可能条件が整った上で、当たり判定エリア182とボールオブジェクト181とが重なると、マルチメディアプロセッサ33は、相手キャラクタ189が打ったボールオブジェクト181を、プレイヤが打ち返すことに成功したと判定し、返球を表示するための処理を実行する。
なお、この実施の形態では、相手キャラクタ189が打ったボールオブジェクト181が、卓球台オブジェクト187のプレイヤ側コートでワンバウンドすることとしている。このため、ボールオブジェクト181が相手側コートにある間は、ラケットカーソル183を重ねてもボールオブジェクト181を打ち返すことはできない。
このようにプレイヤは、ラケットカーソル183のブレード部分(当たり判定エリア182がある)が、ボールオブジェクト181の表示位置に重なるように、模擬ラケット177を動かすことによって、ボールオブジェクト181を相手コート側に打ち返すことができる。
【0141】
打ち返し可能な条件を満たした場合、ボールオブジェクト181の色を変化させるなどして、プレイヤに視覚的にどのタイミングからボールオブジェクト181を打ち返すことが可能か示すこともできる。
【0142】
なお、ボールオブジェクト181を打ち返したか否かの判定は、上述の当たり判定エリア182による判定でなくてもよい。例えば、ラケットカーソル183のスプライトが当たり判定エリアであってもよいし、ラケットカーソル183のスプライトより大きな当たり判定エリアを設定していたり、逆に小さく設定していたりしてもよい。このように当たり判定エリアを設定することで、ボールオブジェクト181を打ち返す難易度を調整することができる。
【0143】
マルチメディアプロセッサ33は、ボールオブジェクトの仮想空間中の位置を表すパラメータとして、ボールオブジェクト181のスクリーン座標であるx座標及びy座標の他に、テレビジョンモニタ11に表示される画面の奥行き方向に沿った仮想のz軸を設定し、ボールオブジェクトのz座標も制御している。マルチメディアプロセッサ33は、z座標の値に応じて、プレイヤに近づけば大きく、プレイヤから離れれば小さく見えるように、ボールオブジェクト181の画像の大きさを制御する。
【0144】
マルチメディアプロセッサ33は、差分画像DI上の再帰反射シート179の像の注目点のXY座標を直近3フレーム分記憶しており、毎フレーム更新する。ここでフレームとは、マルチメディアプロセッサ33がテレビジョンモニタ11に表示する画像を更新する周期のことを言うものとし、ここでは1フレーム=1/60分の1秒の意味でも使うものとする。マルチメディアプロセッサ33は、毎フレームイメージセンサ31より差分画像DIを取得している。
マルチメディアプロセッサ33は、ボールオブジェクト181が打ち返されたと判定すると、そのときのボールオブジェクト181のxyz座標に応じて、仮の返球軌道K1を一旦決定する。
次に、マルチメディアプロセッサ33は、過去3フレームにおける注目点のXY座標の履歴をチェックし、注目点の移動速度(3フレーム間の移動量)及び移動方向を取得する。注目点のXY座標における移動は、再帰反射シート179が貼られた模擬ラケット177の動き、すなわちプレイヤのスイング動作に応じたものである。
当該移動速度及び移動速度によって返球の球威の決定及び仮の返球軌道K1をプレイヤのスイング方向を加味した返球軌道K2に補正するための処理を実行することで、プレイヤの実感にあった返球を実現できる。
【0145】
マルチメディアプロセッサ33は、注目点のX軸方向、つまり左右方向への移動量をチェックする。注目点のX軸方向の移動量に応じて、「左3」「左2」「左1」「左右0」「右1」「右2」「右3」の7段階の補正量が定められており、当該補正量にしたがって、プロセッサ67は、返球軌道K1のベクトルの左右への向きを補正する。この補正によってプレイヤが模擬ラケット177を振った方向に返球が伸びるようにプレイヤからは見える。
この点模擬ラケット177をあまり振らず、「左右0」のレベルだった場合でも、ボールオブジェクト181を打ったタイミングに応じて決定される返球軌道K1によって、それらしい返球軌道が描かれるため、お年寄りや幼児など、模擬ラケット177を強く振ることが難しいプレイヤも、この卓球ゲームを十分楽しむことが可能である。
【0146】
次に、マルチメディアプロセッサ33は、注目点の移動速度に応じて返球の球威を決定する。移動速度を閾値A1〜A3(A1<A2<A3)によって分類し、移動量が閾値A1未満ならば、「あてただけ」、閾値A1以上閾値A2未満ならば「弱ショット」、閾値A2以上閾値A3未満ならば「強ショット」、閾値A3以上ならば「スマッシュ」と判定する。
マルチメディアプロセッサ33はこの判定結果に応じて、返球のスピード及び相手側コート又はコート外に落ちる位置を決定する。プレイヤが強く/速く模擬ラケット177を動かせば、返球速度も強く/速くなる。また、プレイヤが弱く/遅く模擬ラケット177を動かせば、返球速度も弱く/遅くなる。
強い返球は相手キャラクタ189に打ち返されづらいが、一方で飛距離が大きいためコートの外に出やすくもなる。
【0147】
マルチメディアプロセッサ33は、「弱ショット」又は「強ショット」を判定した場合、球種が「ドライブ」か「カット」か、を判定する。具体的には、マルチメディアプロセッサ33は、注目点のXY座標の履歴をチェックして、注目点が下から上方向(Y軸負方向)に移動していた場合、プレイヤが模擬ラケット177を斜め上前方に押し出すようなドライブ打法のスイングをしている可能性が高いため、球種を「ドライブ」と判定する。
逆に、注目点が上から下方向(Y軸正方向)Y2座標に移動していた場合、プレイヤが模擬ラケットを177斜め下前方に切るようなカット打法のスイングをしている可能性が高いため、球種を「カット」と判定する。
マルチメディアプロセッサ33は、球種の判定結果を、返球がバウンドした後のはね方を決定するパラメータとして利用し、実際の卓球でドライブ打法やカット打法を行った場合のような軌道を描くように調整を行う。
【0148】
ラリーが終了し、プレイヤ側がサーブを行う場合、マルチメディアプロセッサ33は、プレイヤ側のコートの端に沿ってボールオブジェクト181を左右方向(x軸方向)に往復させる。プレイヤはサーブを打ちたい位置にボールオブジェクト181がきたときに、ボールオブジェクト181にラケットカーソル183を重ねるように移動させる。このとき、マルチメディアプロセッサ33は、ボールオブジェクト181を上方向(y軸負方向)にボールオブジェクト181を所定量移動させた後、再び、元の位置に戻るまで下方向(y軸正方向)に移動させる。これは卓球のサーブトスを再現したものである。
プレイヤがボールオブジェクト181が元の位置に戻るまでにラケットカーソル183をボールオブジェクト181に近づけることで、ボールオブジェクト181は、プレイヤ側コートで1バウンドした後、相手側コートに飛んでいく。球威や球種は、前述の方式と同様の方式によって決定される。
サーブにおいて、ボールオブジェクト181がネットオブジェクト185に当たって相手側コートに跳ねた場合は、もう一度サーブをやり直す。
【0149】
以上この実施の形態5によれば、プレイヤは再帰反射シート179の位置が所定条件を満たすように動かせば、映像中のボールオブジェクト181を打ち返すことができる。この条件はスイングの強さなど、人によって基準が異なるものと違い、万人に共通であるため、情報処理装置による検出・処理が簡単である。
【0150】
また、プレイヤがボールオブジェクト181を打ち返す目的で、ボールオブジェクト181の表示位置を目安に模擬ラケット177を動かしたときにのみ、ボールオブジェクト181が返球されるため、プレイヤの何気ない動作や意図しない動作によって、ボールオブジェクト181が打ち返されてしまうことが少ない。つまり、それだけプレイヤの意図に合致したボールオブジェクト181の返球を表示することができる。
【0151】
さらに、プレイヤは模擬ラケット177を速く(大きく)動かすことで、映像中のボールオブジェクト181を速く(大きく)動かすことができる。
【0152】
さらに、プレイヤは模擬ラケット177を動かす方向を調整することで、映像中のボールオブジェクト181の移動方向を調整することができる。
【0153】
さらに、模擬ラケット177の左右方向への移動量が大きいほど、左右への移動芳香の補正量を大きくなり、プレイヤの意図に合致する。また、あまり模擬ラケット177を大きく動かすことができないプレイヤであっても、予め決定される返球軌道K1によってそれらしい返球軌道が表示される。
【0154】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0155】
(1)上記の各実施の形態で、ストロボ撮影(赤外発光ダイオード15、108の点滅)及び差分画像DIを取得する処理は、ノイズを減らし、再帰反射シート及び操作物の動きを検出しやすくするために好適な例を示しただけであって、本発明に必須の要素ではない。つまり、赤外発光ダイオード15は、点滅させなくてもよいし、また、赤外発光ダイオード15がなくてもよい。照射する光は赤外光に限られない。また、再帰反射シートは、カメラユニット5や撮像ユニット102が照射する光を再帰反射するため検出がしやすい好適な例として挙げたのみで、代わりに所定の色や所定の形状のマーカや被写体を撮像し、画像解析によって注目点を検出する方式でもよい。撮像素子は、イメージセンサに限られず、CCDなどの他の撮像素子を使用できる。
【0156】
(2)上記のプレイヤが把持する操作物は、いずれも再帰反射シートを設けるのみであったが、ボタンスイッチ、加速度センサやジャイロセンサなどその他の信号出力手段を設け、当該信号をプロセッサ33が別途入力信号として利用するような構成にしてもよい。但し、この場合、操作物とプロセッサ33とが通信できるように例えばケーブルによる優先接続、赤外線による無線通信、ラジオなど電波による無線通信など、別途通信手段を設ける必要がある。また、操作物に電池などの電源供給手段をさらに設ける必要がある。
【0157】
(3)上記各実施の形態は、再帰反射シートをイメージセンサに撮影させ、又は隠すことによってゲームの操作を行うものであった。すなわち再帰反射シートをイメージセンサに撮影させたり隠したりすることが容易な形態であれば、操作物の形状は自由とである。例えば実施の形態3の模擬ポイ104を用いて実施の形態1の射的ゲームをプレイすることも可能である。この場合まずカメラユニット5に模擬ポイ104を向けてカーソル41の位置を調整し、模擬ポイ104を裏返せば再帰反射シートが隠れ、弾オブジェクトがカーソル41の位置に発射される。
また、上記各実施の形態で説明した操作物の形状でなくてもよく、例えば図21のような変形例も考えられる。
【0158】
図21は、操作物の変形例を示す図である。図21を参照して操作物191L及び191Rは手袋方の操作物である。プレイヤが装着した場合に手のひら側に再帰反射シート193L及び193Rが現れる。プレイヤが手を握ると再帰反射シート193L及び193Rは隠れるため、上記の各実施の形態で説明したようなゲームシステムにおいて、プレイヤは手を握る/開くという動作により、容易に撮影状態、非撮影状態を切り替え、入力を制御することができる。
【0159】
(4)上記の実施の形態1、3、4では、再帰反射シートの撮影状態、非撮影状態を切り替えることで入力/非入力を切り替えていたが、例えば再帰反射シートがイメージセンサに所定の距離まで近づいたことを、像の大きさによって検出し、それをトリガとして入力/非入力を切り替えるような方式であってもよい。例えば実施の形態1では、模擬銃73がスポンジ弾7を発射した際に、一瞬スポンジ弾7がイメージセンサ31に接近した後に、地面方向に落下することで再帰反射シート9が写らなくなることをトリガとしていたが、スポンジ弾7がイメージセンサ31に接近した段階でトリガを発生させてもよいということである。
【0160】
(5)実施の形態4の模擬竿161は、実際の釣竿のように竿部分と糸部分があり、糸部分の先端に再帰反射シート165が張られた先端部163があったが、糸部分は必須の構成要素ではなく、例えば竿部分の先端に先端部163があるような構成でもよい。この場合釣りらしさは薄れるが、糸が絡まないので便利である。この場合竿部分は、よくしなる素材でつくり、先端部163の再帰反射シート165が床側を向くようにするか、先端部163全体に再帰反射シート165を貼るとよい。
【0161】
(6)各実施の形態におけるゲームはあくまで例示であり、様々な題材のゲームに応用可能である。たとえば実施の形態5は卓球ゲームであったが、テニスゲームや野球ゲーム、ゴルフゲーム等にも当然応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の実施の形態1によるゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1のアダプタ1及びカートリッジ3の斜視図である。
【図3】(a)図1のスポンジ弾7、コード71及び模擬銃73の説明図である。(b)スポンジ弾7の拡大図である。
【図4】図1のアダプタ1及びカートリッジ3の電気的構成を示す図である。
【図5】ゲーム画面の例示図である。
【図6】ゲーム画面の例示図である。
【図7】ゲーム画面の例示図である。
【図8】ゲーム画面の例示図である。
【図9】スティック61の説明図である。
【図10】ゲーム画面の例示図である。
【図11】本発明の実施の形態3によるゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図12】図11のセンサユニット102の斜視図である。
【図13】(a)(b)図11の擬似ポイ104の説明図である。
【図14】図11のアダプタ1、カートリッジ3及びセンサユニット102の電気的構成を示す図である。
【図15】ゲーム画面の例示図である。
【図16】(a)各金魚オブジェクト153に設定された点数の例を示す図である。(b)(c)ポイカーソル151の耐久値を説明するための図である。
【図17】模擬竿161を説明する図である。
【図18】(a)(b)ゲーム画面の例示図である。
【図19】模擬ラケット177を説明する図である。
【図20】ゲーム画面の例示図である。
【図21】操作物の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
1…アダプタ、3…カートリッジ、5…カメラユニット、11…テレビジョンモニタ、7…スポンジ弾、73…模擬銃、9…再帰反射シート、31…イメージセンサ、33…マルチメディアプロセッサ、15…赤外発光ダイオード、102…センサユニット、61…スティック、65L及び65R…再帰反射シート、104…模擬ポイ、124…再帰反射シート、161…模擬竿、165…再帰反射シート、177…模擬ラケット、179…再帰反射シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、
前記映像中に表示される的オブジェクトを制御する的オブジェクト制御手段と、
前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、
前記トリガ発生時に、前記座標に向かって飛んでいく弾丸オブジェクトを表示するオブジェクト制御手段と、
前記トリガ発生時の前記座標と、前記的オブジェクトとの位置関係に応じて、前記弾丸オブジェクトが前記的オブジェクトに当たるか否かを決定する手段と、を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記操作物は、銃口に装填された模擬弾を発射する模擬銃であり、
前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、
前記座標に応じて前記映像中を移動する第1オブジェクトを制御する手段と、
前記映像中に表示される第2オブジェクトを制御する手段と、
前記撮像画像中で、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移するとトリガを発生させるトリガ発生手段と、
前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトを捕まえたと判定する判定手段と、を含む情報処理装置。
【請求項5】
前記第2オブジェクトは、前記第1オブジェクトよりも下層のレイヤーに表示され、前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第2オブジェクトを前記第1オブジェクトよりも上層のレイヤーに表示することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、裏返すことによって情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えるための操作物であって、
前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体が写っているか否かを判定する画像解析手段と、
前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続したか否かを判定する手段と、
前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、
前記トリガ発生段階で、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続している場合、所定のイベントを発生させるイベント発生手段と、を含む情報処理装置。
【請求項8】
前記操作物は、一方端にプレイヤが把持する把持部が、他方端に前記被写体が設けられている、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
表示装置に接続して使用される情報処理装置であって、
撮像手段から、プレイヤが実空間中で操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像から、前記操作物が有する所定間隔で並んだ二つの被写体を検出する検出手段と、
前記二つの被写体の像がなす角度によって、前記操作物の傾きを算出する算出手段と、
前記操作物の傾きに応じて、前記表示装置に表示する画面内の操作キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段と、を含む情報処理装置。
【請求項11】
前記操作キャラクタは、仮想のハンドルを有する乗り物又は当該乗り物に乗ったキャラクタであり、
前記移動方向決定手段は、前記傾きに応じて前記仮想のハンドルの傾きを決定し、それに応じて前記操作キャラクタの移動方向を決定する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、
前記被写体の位置の履歴を記憶しておく記憶手段と、
前記映像中の所定のオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段と、
前記被写体の位置が所定の条件を満たしたときにトリガを発生する手段と、
前記トリガに応じて、前記被写体の位置の履歴を読み出す履歴読み出し手段と、
前記被写体の位置の履歴から、前記操作物の状態情報を算出する状態算出手段と、を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時、前記状態情報に応じて、前記オブジェクトを変異させる情報処理装置。
【請求項13】
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段をさらに含み、
前記所定の条件は、前記映像上の座標と、前記オブジェクトとの表示位置とが、所定の位置関係を満たすことである、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記映像上の座標に応じて前記映像中に所定のヒットエリアを設定する手段をさらに含み、
前記所定の条件は、前記ヒットエリアと前記オブジェクトとの全部又は一部が重なることである請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記状態情報は前記操作物の移動量又は移動速度を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動量又は移動速度に応じて前記オブジェクトの移動量又は移動速度を決定する、請求項12から14の何れか一に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記状態情報は前記操作物の移動方向を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動方向に応じて前記オブジェクトの移動方向を変化させる、請求項12から15の何れか一に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを映像中で移動させ、前記トリガ発生時の前記オブジェクトの位置に応じて、前記オブジェクトの軌道を決定し、その後前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記状態情報は、前記操作物の所定の軸方向への移動量を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する際に、前記操作物の所定の軸方向への移動量に応じて補正量を変化させる請求項17記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、
前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする、請求項12から18の何れか一に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記被写体に光を照射する装置を制御する手段をさらに含み、
前記被写体は再帰反射シートであることを特徴とする、請求項1から19の何れか1に記載の情報処理装置。
【請求項21】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための被写体を含む操作物であって、
模擬弾と、
銃口に装填された前記模擬弾を発射する模擬銃と、を含み、
前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする、操作物。
【請求項22】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする、請求項21に記載の操作物。
【請求項23】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための被写体を含む操作物であって、
表面と裏面とを有し、
前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする、操作物。
【請求項24】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための被写体を含む操作物であって、
一方端にプレイヤが把持する把持部が、
他方端に前記被写体が設けられている、操作物。
【請求項25】
プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている、請求項24に記載の操作物。
【請求項26】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、
表面と裏面とを有し、
前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする、操作物。
【請求項27】
前記被写体は、再帰反射シートであることを特徴とする、請求項21から26の何れか一つに記載の操作物。
【請求項1】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、
前記映像中に表示される的オブジェクトを制御する的オブジェクト制御手段と、
前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、
前記トリガ発生時に、前記座標に向かって飛んでいく弾丸オブジェクトを表示するオブジェクト制御手段と、
前記トリガ発生時の前記座標と、前記的オブジェクトとの位置関係に応じて、前記弾丸オブジェクトが前記的オブジェクトに当たるか否かを決定する手段と、を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記操作物は、銃口に装填された模擬弾を発射する模擬銃であり、
前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段と、
前記座標に応じて前記映像中を移動する第1オブジェクトを制御する手段と、
前記映像中に表示される第2オブジェクトを制御する手段と、
前記撮像画像中で、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移するとトリガを発生させるトリガ発生手段と、
前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトを捕まえたと判定する判定手段と、を含む情報処理装置。
【請求項5】
前記第2オブジェクトは、前記第1オブジェクトよりも下層のレイヤーに表示され、前記トリガ発生時に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが重なっていた場合、前記第2オブジェクトを前記第1オブジェクトよりも上層のレイヤーに表示することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、裏返すことによって情報処理装置に対する入力/非入力を切り替えるための操作物であって、
前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体が写っているか否かを判定する画像解析手段と、
前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続したか否かを判定する手段と、
前記撮像画像中、前記被写体の像が写っている状態から写っていない状態に遷移したときにトリガを発生させるトリガ発生手段と、
前記トリガ発生段階で、前記被写体の像が写っている状態が所定時間継続している場合、所定のイベントを発生させるイベント発生手段と、を含む情報処理装置。
【請求項8】
前記操作物は、一方端にプレイヤが把持する把持部が、他方端に前記被写体が設けられている、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
表示装置に接続して使用される情報処理装置であって、
撮像手段から、プレイヤが実空間中で操作する操作物を撮像した撮像画像を受信する手段と、
前記撮像画像から、前記操作物が有する所定間隔で並んだ二つの被写体を検出する検出手段と、
前記二つの被写体の像がなす角度によって、前記操作物の傾きを算出する算出手段と、
前記操作物の傾きに応じて、前記表示装置に表示する画面内の操作キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段と、を含む情報処理装置。
【請求項11】
前記操作キャラクタは、仮想のハンドルを有する乗り物又は当該乗り物に乗ったキャラクタであり、
前記移動方向決定手段は、前記傾きに応じて前記仮想のハンドルの傾きを決定し、それに応じて前記操作キャラクタの移動方向を決定する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
映像を生成して表示装置に表示する情報処理装置であって、
撮像手段から、実空間中でプレイヤが操作する操作物を撮像した画像を受信する手段と、
前記撮像画像を解析し、前記操作物に取り付けられた被写体の位置を検出する画像解析手段と、
前記被写体の位置の履歴を記憶しておく記憶手段と、
前記映像中の所定のオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段と、
前記被写体の位置が所定の条件を満たしたときにトリガを発生する手段と、
前記トリガに応じて、前記被写体の位置の履歴を読み出す履歴読み出し手段と、
前記被写体の位置の履歴から、前記操作物の状態情報を算出する状態算出手段と、を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時、前記状態情報に応じて、前記オブジェクトを変異させる情報処理装置。
【請求項13】
前記被写体の位置に応じた前記映像上の座標を決定する座標決定手段をさらに含み、
前記所定の条件は、前記映像上の座標と、前記オブジェクトとの表示位置とが、所定の位置関係を満たすことである、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記映像上の座標に応じて前記映像中に所定のヒットエリアを設定する手段をさらに含み、
前記所定の条件は、前記ヒットエリアと前記オブジェクトとの全部又は一部が重なることである請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記状態情報は前記操作物の移動量又は移動速度を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動量又は移動速度に応じて前記オブジェクトの移動量又は移動速度を決定する、請求項12から14の何れか一に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記状態情報は前記操作物の移動方向を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを前記映像中で移動させ、前記操作物の移動方向に応じて前記オブジェクトの移動方向を変化させる、請求項12から15の何れか一に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記オブジェクト制御手段は、前記トリガ発生時に前記オブジェクトを映像中で移動させ、前記トリガ発生時の前記オブジェクトの位置に応じて、前記オブジェクトの軌道を決定し、その後前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記状態情報は、前記操作物の所定の軸方向への移動量を含み、
前記オブジェクト制御手段は、前記操作物の移動方向に応じて前記軌道を補正する際に、前記操作物の所定の軸方向への移動量に応じて補正量を変化させる請求項17記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記操作物は、表面と裏面とを有し、
前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする、請求項12から18の何れか一に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記被写体に光を照射する装置を制御する手段をさらに含み、
前記被写体は再帰反射シートであることを特徴とする、請求項1から19の何れか1に記載の情報処理装置。
【請求項21】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための被写体を含む操作物であって、
模擬弾と、
銃口に装填された前記模擬弾を発射する模擬銃と、を含み、
前記被写体は、前記模擬弾の弾頭部分に設けられていることを特徴とする、操作物。
【請求項22】
前記模擬弾は、空気抵抗を受けやすい素材又は形状をしており、発射後すぐに弾頭部分の向きが変わることを特徴とする、請求項21に記載の操作物。
【請求項23】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための被写体を含む操作物であって、
表面と裏面とを有し、
前記被写体は、前記表面又は前記裏面の何れか一方にのみ設けられていることを特徴とする、操作物。
【請求項24】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための被写体を含む操作物であって、
一方端にプレイヤが把持する把持部が、
他方端に前記被写体が設けられている、操作物。
【請求項25】
プレイヤが前記把持部を把持したときに、前記被写体が錘となり、地面側にしなる構造をしている、請求項24に記載の操作物。
【請求項26】
プログラム及び撮像手段からの撮像結果に従った処理を実行する情報処理装置に対して入力を与えるための、被写体を含む操作物であって、
表面と裏面とを有し、
前記被写体は、前記表面、前記裏面及び前記表面と前記裏面とがなす側面のそれぞれに設けられていることを特徴とする、操作物。
【請求項27】
前記被写体は、再帰反射シートであることを特徴とする、請求項21から26の何れか一つに記載の操作物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図20】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図18】
【図19】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図20】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図18】
【図19】
【図21】
【公開番号】特開2009−279281(P2009−279281A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136110(P2008−136110)
【出願日】平成20年5月24日(2008.5.24)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月24日(2008.5.24)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]