説明

情報処理装置

【課題】利用者に効果的にコンテンツを視聴させることができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、管理情報と嗜好情報とを格納する記憶部と、外部と通信する通信部と、管理情報に基づいて記憶部に情報の読み書きに制限を設定した占有領域を作成し、通信部を介して嗜好情報に基づいてコンテンツを取得して占有領域に格納する制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、利用者に対して番組に利用者の嗜好に適したコンテンツを付加させて配信する番組配信システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この番組配信システムは、受信した番組を再生するとともに番組の再生履歴等に基づいて利用者の視聴情報を収集する視聴端末と、視聴端末から利用者の嗜好情報を収集し嗜好情報に適したコンテンツを選択して新たに配信する番組に挿入する番組配信サーバとを有し、利用者の嗜好に対して適切なコンテンツを番組に付加することができる。
【特許文献1】特開2003−179901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の情報処理装置によると、コンテンツは利用者がコンテンツが付加された番組を視聴しなければ再生されないため、必ずしも利用者に視聴されるとは限らない。
【0005】
従って、本発明の目的は、利用者に効果的にコンテンツを視聴させることができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記目的を達成するため、利用者を特定する管理情報を格納する記憶部と、外部と通信する通信部と、前記管理情報に基づいて前記記憶部に情報の読み書きの制限を設定した占有領域を作成し、前記通信部を介してコンテンツを取得して前記占有領域に格納する制御部とを有することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0007】
上記した構成によれば、コンテンツは、情報処理装置の記憶部に格納されるため、付随して再生される情報が限定されず、情報処理装置の動作に合わせて再生することができるため利用者にコンテンツを視聴させることができる。
【0008】
(2)本発明は上記目的を達成するため、利用者を特定する管理情報と利用者の操作履歴である嗜好情報とを格納する記憶部と、外部と通信する通信部と、前記管理情報に基づいて前記記憶部に情報の読み書きに制限を設定した占有領域を作成し、前記通信部を介して前記嗜好情報に基づいてコンテンツを取得して前記占有領域に格納する制御部とを有することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0009】
上記した構成によれば、(1)の効果に加え、利用者の操作履歴に基づいてコンテンツを取得するため、利用者の嗜好に合ったコンテンツを取得することができる。
【0010】
(3)本発明は上記目的を達成するため、利用者を特定する管理情報と利用者の操作履歴である嗜好情報とを格納する記憶部と、外部と通信する通信部と、前記管理情報に基づいて前記記憶部に情報の読み書きに制限を設定した占有領域を作成し、前記通信部を介して前記嗜好情報に基づいてコンテンツを取得して前記占有領域に格納するとともに、前記占有領域に格納された前記コンテンツを前記管理情報及び前記嗜好情報のうち少なくとも一つに基づいて再生する制御部とを有することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0011】
上記した構成によれば、(1)及び(2)の効果に加え、利用者の操作履歴に基づいてコンテンツを再生するため、利用者の嗜好に合ったタイミングでコンテンツを再生することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者に効果的にコンテンツを視聴させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の情報処理装置の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置を示す概略図である。
【0015】
情報処理装置1は、例えば、無線LAN(Local Area Network)モジュール等の無線通信部を内蔵しており、インターネット10A及びアクセスポイント10Bを介してサーバ10と通信することができる。情報処理装置1の利用者は、サーバ10を管理する所定のサービス提供会社と契約し、サービス提供会社は、契約に基づいて後述するコンテンツをサーバ10から情報処理装置1に対して送信する。
【0016】
(情報処理装置の構成)
図2は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置の外観を示す概略斜視図である。
【0017】
情報処理装置1は、内蔵された記憶部に記憶された音楽データや映像データ等のコンテンツを再生して音声や映像を出力するとともに携帯電話機能と無線LANに対する無線通信機能を有するマルチメディアプレイヤーであって、充電可能な内部電源により動作する。また、情報処理装置1は、本体内部にCPU(Central Processing Unit)やHDD(Hard Disc Drive)等の電子部品及び充電池等の内部電源を収容しており、利用者の情報及び契約設定の記録されたSIM(Subscriber Identify Module)カード2Aを挿入可能なSIMカードスロット2と、文字や画像等を表示する液晶表示パネル等からなる表示部7Aと、イヤホン/マイクプラグ82を挿入可能なイヤホン/マイクジャック8Aと、メニュー操作やボリューム操作、チャンネル切替操作等を行える複数のスイッチとからなる操作部9とを有する。
【0018】
イヤホン/マイク80は、音声を出力するイヤホン81aと、音声を収集するマイク81bと、イヤホン/マイクジャック8Aに挿入可能なイヤホン/マイクプラグ82とを有する。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
情報処理装置1は、利用者の情報及び契約内容である管理情報20の格納されたSIMカード2Aを挿入可能なSIMカードスロット2と、情報処理装置1内の各部の動作を制御する制御部3と、アンテナ4Aを介して無線LAN等の規格に基づいて無線通信する通信部4と、情報を読み書き可能に格納するHDD等の記憶部5と、情報を一時的に記憶して各部の処理を補助するメモリ6と、画像情報を処理して表示部7Aに表示する画像処理部7と、音声情報を処理してイヤホン/マイクジャック8Aに対して音声の入出力を制御する音声処理部8と、入力される操作内容を制御部に操作信号として出力する操作部9と、アンテナ11Aを介した基地局との無線通信に基づいて公衆電話回線に接続可能な電話機能部11とを有する。
【0021】
SIMカード2Aは、例えば、情報処理装置1の利用者が情報処理装置1の購入時に所定のサービス提供会社と契約することで付与される利用者特定のための情報を含んだカードであり、利用者特定のための情報として管理情報20を格納する。管理情報は、例えば、シリアルナンバーや電話番号のような利用者を特定するIDである。
【0022】
制御部3は、SIMカード2Aの管理情報20を照合して各種設定を行う照合手段30と、照合手段30によって照合された管理情報20に基づいて記憶部5に後述する占有領域51を作成する占有手段31と、管理情報20及び後述する嗜好情報50に基づいて通信部4を介して所定のサービス提供会社のサーバ10からコンテンツ51aをダウンロードして占有領域51に格納するダウンロード手段32と、占有領域51に格納されたコンテンツ51aを管理情報20及び嗜好情報50に基づいて再生する提供手段33と、利用者の使用履歴に基づいて嗜好情報50を作成する嗜好検出手段34とを有する。
【0023】
記憶部5は、利用者の操作では情報の読み書きができず、占有手段31、ダウンロード手段32及び提供手段33でのみ情報の読み書きが可能であり、例えば、広告情報であるコンテンツ51aが格納される占有領域51と、情報処理装置1の嗜好検出手段34によって生成される嗜好情報50とを有する。
【0024】
占有領域51は、その記憶容量を管理情報20に基づいて占有手段31により決定される。例えば、利用者が所定のサービス提供会社から情報処理装置1を無償で提供された場合には占有領域51の記憶容量を記憶部5の半分、利用者が情報処理装置1を通常購入した場合には占有領域51の記憶容量を記憶部5の5分の1に設定する。
【0025】
嗜好情報50は、嗜好検出手段34が情報処理装置1の使用履歴を解析することで生成される。例えば、情報処理装置1において音楽データが再生された場合、音楽データが再生された時刻、頻度、また、音楽データに付随するタイトル、ジャンル、アーティスト情報等を使用履歴として蓄積しておき、嗜好検出手段34は、その統計を解析することで嗜好情報50を生成する。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置の表示部における表示例を示す概略図である。
【0027】
表示部7Aは、操作部9に対する利用者の操作内容に基づいて表示される利用者表示71と、利用者表示71上に表示されるコンテンツ表示70とを含む画像を表示する。利用者表示71は、例えば、映像データの再生画像等を表示するものであり、コンテンツ表示70は、例えば、広告情報画像等を表示するものである。コンテンツ表示70の表示サイズ及び表示時間は、管理情報20に基づいて変化する。また、コンテンツ表示70の利用者表示71に対する不透明度を変化させてもよい。
【0028】
(動 作)
以下に、本発明の実施の形態における情報処理装置の動作を各図を参照しつつ説明する。
【0029】
図5は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0030】
まず、照合手段30は、SIMカードスロット2にSIMカード2Aが挿入されているか確認し(S10)、SIMカード2Aが挿入されている場合(S10;Yes)、管理情報20を読み込む(S11)。次に、占有手段31は、照合手段30の読み込んだ管理情報20に基づいて記憶部5に対して所定の記憶容量を有する占有領域51を作成する(S12)。
【0031】
次に、ダウンロード手段32は、所定の時刻になると(S13;Yes)、嗜好情報50を読み込み(S14)、管理情報20及び嗜好情報50に基づいて通信部4を介して外部のサーバー10から占有領域51にコンテンツ51aをダウンロードする(S15)。
【0032】
なお、ステップS13における所定の時刻は、管理情報20に基づいて変化させてもよい。例えば、利用者が所定のサービス提供会社から情報処理装置1を無償で提供された場合には1時間毎に、利用者が情報処理装置1を通常購入した場合には12時間おきに設定する。短い間隔でダウンロードを実行すれば新しい情報をコンテンツ51aとして取得することができるが、通信部4や記憶部5等の負担が増加し、長い間隔でダウンロードを実行すれば通信部4や記憶部5等の負担は減少するが、常に新しい情報をコンテンツ51aとして取得することができなくなる。また、所定の時刻は、情報処理装置1の電源投入時であってもよい。
【0033】
図6は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、提供手段33は、管理情報20及び嗜好情報50を読み込む(S20)。次に、所定の操作信号を検出した場合(S21;Yes)、又は所定の時刻になった場合(S22;Yes)、占有領域51に格納されているコンテンツ51aを再生する(S23)。
【0035】
なお、ステップ21における所定の操作信号は、例えば、映像データ再生の操作がなされた場合、映像データを再生する前にステップS23におけるコンテンツ51aの再生を行い、コンテンツ51aの再生終了後に映像データ再生を行う。このとき、例えば、照合手段30は、管理情報20を参照し、利用者が所定のサービス提供会社から情報処理装置1を無償で提供された場合には、提供手段33は、コンテンツ51aを通常通り再生し、利用者が情報処理装置1を通常購入した場合にはコンテンツ51aを半分の時間で再生するように設定する。
【0036】
また、ステップS22における所定の時刻は、嗜好情報50に基づいて設定される。例えば、嗜好情報50において、午後5時に音楽データを再生する頻度が高いと記述されているとき、所定の時刻として午後5時を設定し、ステップS23において音楽に関連するコンテンツ51aを再生する。
【0037】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、情報処理装置1における操作内容に基づいて嗜好情報50を作成し、利用者の個人情報である管理情報20と嗜好情報50とに基づいてコンテンツ51aのダウンロード及びコンテンツの再生を実行するため、効果的に利用者にコンテンツ51aを視聴させることができる。
【0038】
なお、情報処理装置1は、コンテンツ51aの再生中、利用者がコンテンツ51aを視聴しているかどうか確認するためのカメラ等の視聴確認手段を有していてもよい。
【0039】
また、嗜好情報20は、例えば、HDDプレイヤー等の外部機器と接続して、HDDプレイヤーにおいて録画及び再生された番組情報等から取得しても良い。
【0040】
また、管理情報20は、記憶部5に読み書き負荷に格納されていても良い。また、記憶部5は、HDDに限らず不揮発性メモリ等を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の外観を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の表示部における表示例を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1…情報処理装置、2…SIMカードスロット、2A…SIMカード、3…制御部、4…通信部、4A…アンテナ、5…記憶部、6…メモリ、7…画像処理部、7A…表示部、8…音声処理部、8A…イヤホン/マイクジャック、9…操作部、10…サーバ、10A…インターネット、10B…アクセスポイント、11…電話機能部、11A…アンテナ、20…管理情報、30…照合手段、31…占有手段、32…ダウンロード手段、33…提供手段、34…嗜好検出手段、50…嗜好情報、51…占有領域、51a…コンテンツ、70…コンテンツ表示、71…利用者表示、80…イヤホン/マイク、81a…イヤホン、81b…マイク、82…イヤホン/マイクプラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を特定する管理情報を格納する記憶部と、
外部と通信する通信部と、
前記管理情報に基づいて前記記憶部に情報の読み書きの制限を設定した占有領域を作成し、前記通信部を介してコンテンツを取得して前記占有領域に格納する制御部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
利用者を特定する管理情報と利用者の操作履歴である嗜好情報とを格納する記憶部と、
外部と通信する通信部と、
前記管理情報に基づいて前記記憶部に情報の読み書きに制限を設定した占有領域を作成し、前記通信部を介して前記嗜好情報に基づいてコンテンツを取得して前記占有領域に格納する制御部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記占有領域に格納された前記コンテンツを前記管理情報に基づいて再生することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記占有領域に格納された前記コンテンツを前記嗜好情報に基づいて再生することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
利用者を特定する管理情報と利用者の操作履歴である嗜好情報とを格納する記憶部と、
外部と通信する通信部と、
前記管理情報に基づいて前記記憶部に情報の読み書きに制限を設定した占有領域を作成し、前記通信部を介して前記嗜好情報に基づいてコンテンツを取得して前記占有領域に格納するとともに、前記占有領域に格納された前記コンテンツを前記管理情報及び前記嗜好情報のうち少なくとも一つに基づいて再生する制御部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、管理情報に基づいて前記占有領域の容量を決定することを特徴とする請求項1、2、又は5のいずれか1つに記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−232075(P2009−232075A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73927(P2008−73927)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】