説明

情報処理装置

【課題】タッチタイピングの実行を容易にする仮想キーボードを表示すること。
【解決手段】 タッチスクリーンディスプレイからの検出信号に応じて、タッチスクリーンディスプレイ上に置かれたユーザの手の大きさを検出する検出部214と、キーコードをそれぞれ入力するための複数の仮想キーを含む仮想キーボードをタッチスクリーンディスプレイ上に表示する仮想キーボード表示手段であって、検出手段によって検出された大きさに応じた大きさの仮想キーボードを表示する表示部215と、仮想キーボードの内の操作された仮想キーに対応するコードデータを出力する出力部212と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にパーソナルコンピュータのような情報処理装置に関し、特に仮想キーボートを用いてキーデータを入力する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的な複数のキーを有するキーボードの代わりに、仮想的なキーボード(以下、仮想キーボード)を表示し、ユーザの操作位置を検出し、検出位置に応じたキーコードを出力する技術が開発されている。
【0003】
特許文献1には、仮想キーボード上の基準キーの位置をユーザが設定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−531861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、仮想キーボードの場合、物理的なキーを有さないので、キーの位置が直感的に分からず、タッチタイピングを行いにくい。
【0006】
本発明の目的は、タッチタイピングの実行を容易にする仮想キーボードを表示することが可能な情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一例に係わる情報処理装置は、タッチスクリーンディスプレイと、前記タッチスクリーンディスプレイからの検出信号に応じて、前記タッチスクリーンディスプレイ上に置かれたユーザの手の大きさを検出する検出手段と、キーコードをそれぞれ入力するための複数の仮想キーを含む仮想キーボードを前記タッチスクリーンディスプレイ上に表示する仮想キーボード表示手段であって、前記検出手段によって検出された大きさに応じた大きさの前記仮想キーボードを表示する表示手段と、前記仮想キーボードの内の操作された仮想キーに対応するコードデータを出力する出力手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タッチタイピングの実行を容易にする仮想キーボードを表示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】同実施形態の情報処理装置のタッチスクリーンディスプレイに表示される仮想キーボードの例を示す図。
【図3】同実施形態の情報処理装置のシステム構成の例を示すブロック図。
【図4】同実施形態の情報処理装置によって用い似られるキー入力制御プログラムの構成例を示すブロック図。
【図5】同実施形態の情報処理装置のタッチスクリーンディスプレイ上に両手を置いた場合に検出される領域を示す図。
【図6】同実施形態の情報処理装置のタッチスクリーンディスプレイに表示される仮想キーボードの例を示す図。
【図7】同実施形態の情報処理装置のタッチスクリーンディスプレイに表示される仮想ボタンの例を示す図。
【図8】同実施形態の情報処理装置のタッチスクリーンディスプレイに表示される仮想ボタンの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0011】
図1には、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観が示されている。この情報処理装置は、例えば、バッテリ駆動可能な携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0012】
図1は、コンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12の上面には、液晶表示装置(LCD)13から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD13の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0013】
このLCD13は、ペン又は指によってタッチされたLCD13の表示画面上のタッチエリア(タッチ位置とも云う)を検知可能なタッチスクリーンディスプレイとして実現してもよい。ユーザは、LCD13の表示画面上に表示された各種オブジェクト(例えば、フォルダやファイルを表すアイコン、メニュー、ボタン、等)を指先やペンなどを用いて選択することができる。表示画面上のタッチエリアを示す座標データはタッチスクリーンディスプレイからコンピュータ10内のCPUに入力される。
【0014】
ディスプレイユニット12は薄い箱型の筐体を有しており、このディスプレイユニット12はコンピュータ本体11にヒンジ部14を介して回動自在に取り付けられている。ヒンジ部14はコンピュータ本体11にディスプレイユニット12を連結する連結部である。すなわち、ディスプレイユニット12の下端部は、コンピュータ本体11の後端部にヒンジ部14によって支持されている。ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面がディスプレイユニット12によって覆われる閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。また、ディスプレイユニット12の上面上の所定位置、例えば、LCD13の右側には、本コンピュータ10をパワーオンまたはパワーオフするためのパワーボタン16が設けられている。
【0015】
コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有するベースユニットであり、その上面にはタッチスクリーンディスプレイとして機能する液晶表示装置(LCD)15が組み込まれており、そのLCD15の表示画面はコンピュータ本体11のほぼ中央に位置されている。LCD15の上面には透明のタッチパネルが配置されており、LCD15と透明のタッチパネルとによってタッチスクリーンディスプレイが実現される。このタッチスクリーンディスプレイは、ペン又は指によってタッチされた表示画面上のタッチエリア(タッチ位置とも云う)を検知することができる。コンピュータ本体11上のLCD15は、ディスプレイユニット12のLCD13とは独立したディスプレイである。これらLCD13,15は仮想画面環境を実現するためのマルチディスプレイとして使用することができる。この場合、コンピュータ10のオペレーティングシステムによって管理される仮想画面は、LCD13に表示される第1の画面領域とLCD15に表示される第2の画面領域とを含む。第1の画面領域および第2の画面領域の各々には、任意のアプリケーションウィンドウ、任意のオブジェクト等を表示することができる。
【0016】
本実施形態では、本体11の上面上に設けられたLCD15(タッチスクリーンディスプレイ)は、図2に示されているように、例えば、仮想キーボード(ソフトウェアキーボードとも云う)151の表示に用いられる。仮想キーボード151は、例えば、LCD15の表示画面全体にフルスクリーンモードで表示することができる。この仮想キーボード151は、複数のキーコードをそれぞれ入力するための複数の仮想キー(複数の数字キー、複数のアルファベットキー、複数の矢印キー、複数の補助キー、複数のファンクションキー等)を含む。より詳しくは、仮想キーボード151は、複数の仮想キーそれぞれに対応する複数のボタン(ソフトウェアボタン)を含む。
【0017】
一方、ディスプレイユニット12内のLCD13は、図2に示すように、各種アプリケーションウィンドウ等を表示するためのメインディスプレイとして使用することができる。ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ15上に表示される仮想キーボードをタッチ操作することにより、LCD13に表示されるアプリケーションウィンドウ等に対して各種コードデータ(キーコード、文字コード、コマンド等)を入力することが出来る。
【0018】
コンピュータ本体11の上面上の所定位置、例えば、LCD15の両側には2つのボタンスイッチ17,18が設けられている。これらボタンスイッチ17,18の各々には任意の機能を割り当てることが出来る。例えば、ボタンスイッチ17は、仮想キーボードを用いたキー入力操作を制御するためのアプリケーションプログラムであるキー入力制御プログラムを起動するためのボタンスイッチ等として利用し得る。ボタンスイッチ17がユーザによって押された時、キー入力制御プログラムが起動される。キー入力制御プログラムは、仮想キーボードをタッチスクリーンディスプレイ15上に表示する。
【0019】
次に、図3を参照して、本コンピュータ10のシステム構成を説明する。ここでは、LCD13,15の双方がタッチスクリーンディスプレイとして実現されている場合を想定する。
【0020】
本コンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、GPU(Graphics Processing Unit)114、サウスブリッジ115、BIOS−ROM116、ハードディスクドライブ(HDD)117、エンベデッドコントローラ118等を備えている。
【0021】
CPU111は、コンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD117から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステム(OS)および各種アプリケーションプログラム等を実行する。アプリケーションプログラムには、キー入力制御プログラム201が含まれている。このキー入力制御プログラム201は、仮想キーボード151をタッチスクリーンディスプレイ15上に表示し、ユーザによる仮想キーボード151のタッチ操作に応じてコードデータを生成する。生成されたコードデータ(例えば、タッチされた仮想キーに対応するキーコード等)は、例えば、オペレーティングシステム(OS)を介してアクティブなアプリケーションに渡される。また、CPU111は、BIOS−ROM116に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0022】
ノースブリッジ112はCPU111のローカルバスとサウスブリッジ115との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112には、主メモリ113をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。GPU114は、コンピュータ10のディスプレイモニタとしてそれぞれ使用される2つのLCD13,15を制御する表示コントローラである。GPU114は、ノースブリッジ112を介してCPU111から受信される描画要求に基づいてビデオメモリ(VRAM)に表示データを描画するための表示処理(グラフィクス演算処理)を実行する。ビデオメモリには、LCD13に表示される画面イメージに対応する表示データを格納する記憶領域と、LCD15に表示される画面イメージに対応する表示データを格納する記憶領域とが割り当てられている。LCD13上には透明のタッチパネル13Aが配置されている。同様に、LCD15上にも透明のタッチパネル15Aが配置されている。タッチパネル13A,15Aの各々は、例えば、抵抗膜方式または静電容量方式等を用いて、タッチパネル(タッチスクリーンディスプレイ)上のタッチエリア(タッチ位置)を検出するように構成されている。また、タッチパネル13A,15Aの各々としては、複数のタッチ位置を同時に検知可能なマルチタッチパネルを使用してもよい。
【0023】
サウスブリッジ115は、HDD121を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラやSerial ATAコントローラを内蔵している。エンベデッドコントローラ(EC)118は、ユーザによるパワーボタンスイッチ16の操作に応じてコンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。また、エンベデッドコントローラ(EC)118は、タッチパネル13A,15Aの各々を制御するタッチパネルコントローラ118Aを含んでいる。
【0024】
次に、図4を参照して、キー入力制御プログラム201の構成について説明する。
キー入力制御プログラム201は、タッチパネルドライバプログラムを介してタッチパネル15Aからタッチエリア検出情報を受信し、そのタッチエリア検出情報に基づいて、仮想キーボード151内の複数の仮想キーからユーザによってタッチされた仮想キーを選択する。タッチエリア検出情報は、外部部材(例えば、ユーザの指、またはペン)がタッチされたタッチパネルディスプレイ(LCD15およびタッチパネル15A)上のタッチエリア(タッチ位置)を示す座標データを含む。
【0025】
キー入力制御プログラム201は、仮想キー選択部211、コード出力部212、座標/操作信号出力部213、検出部214、および表示部215を機能実行モジュールとして含む。仮想キー選択部211は、仮想キーボードに含まれる複数の仮想キーから、タッチスクリーンディスプレイ上のタッチエリアに位置する仮想キーを選択する。
【0026】
仮想キー選択部211による仮想キーの選択は、例えば、タッチエリアを示す上述のタッチエリア検出情報とキー割当て情報とに基づいて行うことが出来る。キー割当て情報は、複数の仮想キーそれぞれが表示されるタッチスクリーンディスプレイ上の領域、つまり仮想キーそれぞれの表示領域を示す。
【0027】
コード出力部212は、仮想キー選択部211によって選択された仮想キーに対応するコードデータをアプリケーションプログラム等に出力する。
【0028】
また、座標/操作信号出力部213は、タッチパネル15Aがポインティングデバイスとして使用される場合に、タッチパネル15Aからの検出信号に応じて、操作位置を示す座標信号、およびポインティングデバイスのボタンが操作されたことを示す操作信号を出力する。
【0029】
検出部214は、タッチエリア検出情報を受信し、そのタッチエリア検出情報に基づいてタッチスクリーンディスプレイ上に置かれたユーザの手の大きさを検出する。また、検出部214は、そのタッチエリア検出情報に基づいて、タッチスクリーンディスプレイ上に置かれたユーザの指の位置を検出する。
【0030】
図4に示される表示部215は、表示ドライバプログラムを介して、タッチスクリーンディスプレイの表示画面上に仮想キーボード151を表示する。仮想キーボード151は、上述したように、複数のキーコードを入力するための複数の仮想キーを含む。さらに、表示部215は、タッチスクリーンディスプレイによって検出された手の大きさに応じてタッチスクリーンディスプレイの表示画面上に表示される仮想キーボード151のサイズを変更する機能も有している。また、表示部215は、タッチスクリーンディスプレイ上にユーザの片方の手が置かれた場合に、ポインティングデバイスの仮想ボタンを表示する機能を有する。
【0031】
表示部215は、ユーザの手の大きさに応じたサイズの仮想キーボード151を表示する。表示部215は、検出された手の大きさに応じて、仮想キーボード151を示す画像を拡大または縮小し、拡大または縮小された画像をLCD15に表示する。
【0032】
検出部214による手の大きさの検出を以下に説明する。ユーザがタッチパネル15A上に両手を置いた場合に検出される領域を図5に示す。図5に示すように、領域300〜304,310〜314が検出される。領域300は、ユーザの右手の掌の内の手首に隣接し、拇指球および子指球を含む部位が接触する領域である。領域301は、右手の人差し指が接触する領域である。領域302は、右手の中指が接触する領域である。領域303は、右手の薬指が接触する領域である。領域304は、右手の小指が接触する領域である。以下、領域300〜304をそれぞれ、右手掌下領域300、右手人差し指領域301、右手中指領域302、右手薬指領域303、および右手小指領域304と称する。
【0033】
また、領域310は、ユーザの左手の掌の内の手首に隣接し、拇指球および子指球を含む部位が接触する領域である(以下、左手掌下部310)。領域311は、左手の人差し指が接触する領域である。領域312は、左手の中指が接触する領域である。領域313は、左手の薬指が接触する領域である。領域314は、左手の小指が接触する領域である。以下、領域310〜314をそれぞれ、左手掌下領域310、左手人差し指領域311、左手中指領域312、左手薬指領域313、および左手小指領域314と称する。
【0034】
表示部215は、右手掌下領域300の内の中心の位置座標を検出する。中心の位置座標は、右手掌下領域300の最左位置のx座標xL)、最右位置座標のx座標xR、最奥手位置のy座標yFS、最手前側位置のy座標yNSをそれぞれ検出する。そして、座標(xR−xL,yFS−yNS)を中心位置とする。また、同様に、右手人差し指領域301の中心位置座標を検出する。そして、右手掌下領域300の内の中心の位置座標と右人差し指領域301の内の中心位置座標との距離を演算する。
【0035】
表示部215は、左手掌下領域310の中心位置座標と左手人差し指領域の中心位置座標とを検出し、二つの中心位置座標の距離を演算する。 そして、演算された二つの距離の平均値に基づいたサイズの仮想キーボード151を表示する。より具体的には、表示部215は、仮想キーボードを表す元キーボード画像を演算された平均値に基づいて拡大または縮小することによって仮想キーボード151の画像を生成し、生成された画像をLCD15に表示する。
【0036】
したがって、右手の各部位が接触する領域300〜304ならびに左手の各部位が接触する領域310〜314がタッチパネル15A上のどこに位置するかによって、表示部215上での仮想キーボード151の位置およびサイズが変更される。なお、元キーボード画像は、拡大または縮小を行っても画像が劣化しない、ベクター形式の画像であることが好ましい。なお、隣接する指領域のピッチを測定し、測定されたピッチに基づいたピッチを有する仮想キーボードを表示させても良い。
【0037】
ユーザの手の大きさに応じたサイズの仮想キーボードを表示することによって、キーピッチ等がユーザにあった状態になり、タッチタイピングの実行を容易にすることが可能になる。
【0038】
右手人差し指、右手中指、右手薬指、右手小指、左手人差し指、左手中指、左手薬指、および左手小指の八つの指が一直線上に並んでいないときは、図6に示すように、仮想キーボードを右手用仮想キーボード151Rおよび左手用仮想キーボード151Lの2つに分けることによって、手のくせに対応させるようにしても良い。
【0039】
表示部215は、検出された右手の大きさに応じて、右手用仮想キーボード151Rを示す画像を拡大または縮小する。また、指の並びに応じて画像を回転させる。そして、表示部は、拡大または縮小されると共に回転された画像をLCD15に表示する。また、表示部215は、検出された左手の大きさに応じて、左手用仮想キーボード151Lを示す画像を拡大または縮小する。また、指の並びに応じて画像を回転させる。そして、表示部は、拡大または縮小されると共に回転された画像をLCD15に表示する。
【0040】
右手人差し指領域301の中心位置座標、右手中指領域302の中心位置座標、右手薬指領域303の中心位置座標、および右手小指領域304の中心位置座標を通る直線を近似する一次関数FR(x)と、左手人差し指領域311の中心位置座標、左手中指領域312の中心位置座標、左手薬指領域313の中心位置座標、および左手小指領域314の中心位置座標を通る直線を近似する一次関数FL(x)とをそれぞれ求める。そして、二つの一次関数の傾きが設定値以上の場合には、続いて八つの指が一直線上に並んでいるかを判断する。
【0041】
二つの一次関数の傾きが設定値以上の場合であり且つ八つの指が一直線上に並んでいないと判断した場合、一次関数FR(x)の傾きに応じて右手側の仮想キーボードの回転角度を決定する。そして、右手掌下領域300の中心位置座標と右手人差し指領域301の中心位置座標とを検出し、二つの中心位置座標の距離に応じて右手側仮想キーボードの大きさを決定する。更に、右手人差し指領域301内に右手のホームキーである“J”キーが位置するように右手側仮想キーボードの表示位置を決定する。
【0042】
また、一次関数FL(x)の傾きに応じて左手側の仮想キーボードの回転角度を決定する。そして、左手掌下領域310の中心位置座標と左手人差し指領域311の中心位置座標とを検出し、二つの中心位置座標の距離に応じて左手側仮想キーボードの大きさを決定する。更に、左手人差し指領域311内に左手のホームキーである“F”キーが位置するように左手側仮想キーボードの表示位置を決定する。
【0043】
なお、タッチスクリーンディスプレイ上からユーザの両手が離れた場合、表示部215は、ユーザの両手が離れてから設定時間が経過した後に、仮想キーボード151の表示を中止する。例えば、1秒に設定された場合、表示部215はユーザの両手が離れてからも1秒間は仮想キーボード151を表示し続ける。一方、0秒に設定されれば、表示部215はユーザの両手が離れると直ぐに仮想キーボード151の表示を中止する。
【0044】
また、タッチスクリーンディスプレイ上にユーザの一方の手が置かれた場合、仮想キーボード151を表示せずに、ポインティングデバイスの仮想ボタンをLCD15に表示する。例えば、図7に示すように、右手掌下領域300と右手人差し指領域301、右手中指領域302、右手薬指領域303、および右手小指領域304との間の領域に仮想ボタン401を表示する。また、図8に示すように、ユーザの右手の親指が接触する領域305に仮想ボタン401を表示するようにしても良い。また、右手人差し指領域301、右手中指領域302、右手薬指領域303、および右手小指領域304からユーザから離れる方向に仮想ボタンを表示するようにしても良い。
【0045】
図7および図8に示すタッチスクリーンディスプレイ上で仮想ボタン401が表示される領域以外は、LCD13に表示されるポインティングカーソルを操作するための領域として使用される。すなわちユーザがタッチスクリーンディスプレイ上で仮想ボタン401が表示される領域をタッチすれば、ポインティングデバイスのボタン(右クリックボタン、左クリックボタンと称されることもある)に対応するコードデータを入力することができる。一方、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ上でその他の領域をタッチすれば、LCD13に表示されるポインティングカーソルを動かすことができる。
【0046】
以上説明したように、ユーザの手の大きさに応じた仮想キーボードを表示することによって、キーピッチ等がユーザの手にあった状態になり、タッチタイピングの実行を容易にすることが可能になる。
【0047】
なお、本実施形態のコンピュータ10は本体11とディスプレイユニット12とを有しているが、コンピュータ10のシステムを構成するコンポーネントのほとんど全てを必ずしも本体11内に設ける必要はなく、例えば、コンポーネントの一部またはほとんど全てをディスプレイユニット12内に設けても良い。この意味で、本体11とディスプレイユニット12はほぼ対等の関係のユニット同士であると云える。よって、本体11もディスプレイユニットであると考えることができ、またディスプレイユニット12を本体として考えることも出来る。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…携帯型パーソナルコンピュータ(情報処理装置),212…コード出力部,213…座標/操作信号出力部,214…検出部,215…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンディスプレイと、
前記タッチスクリーンディスプレイからの検出信号に応じて、前記タッチスクリーンディスプレイ上に置かれたユーザの手の大きさを検出する検出手段と、
キーコードをそれぞれ入力するための複数の仮想キーを含む仮想キーボードを前記タッチスクリーンディスプレイ上に表示する仮想キーボード表示手段であって、前記検出手段によって検出された大きさに応じた大きさの前記仮想キーボードを表示する表示手段と、
前記仮想キーボードの内の操作された仮想キーに対応するコードデータを出力する出力手段と、
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記手の大きさを検出するために、前記タッチスクリーンディスプレイ上に載置された前記ユーザの手掌の手首に隣接する部位の位置と人差し指、中指、薬指、および小指から選ばれる指の位置との距離を検出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記手の大きさに応じて前記仮想キーボードを示す画像を拡大または縮小し、前記拡大または縮小された画像を前記タッチスクリーンディスプレイに表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出手段は、
前記ユーザの右手の大きさと、前記ユーザの左手の大きさとを検出し、
前記ユーザの右手の指の位置と、前記ユーザの左手の指の位置とを検出し、
前記ユーザの右手の人差し指、中指、薬指、および小指の検出位置から第1の1次関数の傾きを算出し、
前記ユーザの左手の人差し指、中指、薬指、および小指の検出位置から第2の1次関数の傾きを算出し、
前記表示手段は、
前記右手の指の位置、前記右手の大きさ、および前記第1の1次関数の傾きに基づいて、前記ユーザの右手で操作される右手側仮想キーボードを表示し、
前記左手の指の位置、前記左手の大きさ、および前記第2の1次関数の傾きに基づいて、前記ユーザの左手で操作される左手側仮想キーボードを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記ユーザの右手の人差し指の位置と、前記ユーザの左手の人差し指の位置とを検出し、
前記表示手段は、前記右手の人差し指の位置に右手側の基準キーが表示されるように前記右手側仮想キーボードを表示し、前記左手の人差し指の位置に左手側の基準キーが表示されるように前記左手側仮想キーボードを表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示手段は、
前記右手の大きさに応じて前記右手側仮想キーボードを示す第1画像を拡大または縮小し、前記第1の1次関数の傾きに基づいて前記第1画像を回転させ、前記拡大または縮小されると共に、前記回転された第1画像を前記タッチスクリーンディスプレイに表示し、
前記左手の大きさに応じて前記左手側仮想キーボードを示す第2画像を拡大または縮小し、前記第2の1次関数の傾きに基づいて前記第2画像を回転させ、前記拡大または縮小されると共に、前記回転された第1画像を前記タッチスクリーンディスプレイに表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記タッチスクリーン上から前記ユーザの手が離れた場合、前記表示手段は、前記仮想キーボードの表示を中止することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記手が離れてから設定時間が経過した後に、前記仮想キーボードの表示を中止することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記タッチスクリーン上に片方の手が置かれた場合、前記表示手段は、前記仮想キーボードの表示を中止し、ポインティングデバイスの仮想ボタンを前記タッチスクリーンディスプレイに表示し、
前記タッチスクリーンディスプレイからの検出信号に応じて、ユーザの指の操作位置に対応する座標信号、前記仮想ボタンが操作されたことを示す操作信号を出力する第2出力手段を更に具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記ユーザの手掌の手首に隣接する部位の位置とユーザの指の位置との間、前記ユーザの指から前記ユーザ側と反対の位置、または前記ユーザの親指の位置に前記仮想ボタンを表示することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−159089(P2011−159089A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19762(P2010−19762)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】