説明

情報処理装置

【課題】ユーザーが、入力デバイスを装置本体に固定する際に、入力デバイスを固定する動作とは別の動作を行うことなく、装置本体の動作モードを選択でき、且つ、多様な動作モードを設定可能とする。
【解決手段】情報処理装置は、装置本体(100)及び装置本体に情報を入力するための入力デバイス(220)を備える。装置本体は、入力デバイスを保持可能な保持部(130)と、保持部によって入力デバイスが保持される直前の入力デバイスの位置である直前位置を検出する直前位置検出手段(212)と、入力デバイスが保持部によって保持された場合、直前位置検出手段によって検出された直前位置に応じて、装置本体の動作モードを選択する動作モード選択手段(340)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の情報処理装置として、スタイラスペン(以下、単に「ペン」と適宜称する)によって装置本体に情報を入力するものが知られている(例えば特許文献1から3参照)。
【0003】
例えば特許文献1には、ペンが装置本体であるコンピューターの一部に格納されると、コンピューターの電源を切りの状態とし、ペンが取り外されると、コンピューターの電源を入りの状態とする技術が開示されている。例えば特許文献2には、装置本体に設けられたペン収納部にペンが収納された際のペンの回転状態に基づいて電源の制御を行う技術が開示されている。例えば特許文献3には、装置本体に、ペンを格納するためのペンホルダー(収納場所)を複数設け、ペンが複数のペンホルダーのいずれに格納されたか(或いは、いずれから抜き去られたか)に応じて電力供給状態を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−59797号公報
【特許文献2】特開平11−66011号公報
【特許文献3】特開2002−23953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術によれば、ペンが装置本体に収納されると、装置本体の電源が切れてしまうため、ユーザー(使用者)は装置本体の電源を切りたくないときには、ペンを装置本体に収納することができないという技術的問題点がある。また、上述した特許文献2に開示された技術によれば、ユーザーは、ペンを装置本体に収納する際、電源の制御を行うためにペンを回転させる必要があり、ユーザーの手間が増大してしまうという技術的問題点がある。また、上述した特許文献3に開示された技術によれば、制御する電力供給状態の数を増やすためには、その数に応じてペンホルダーの数を増やす必要があるため、装置本体の小型化が困難になったり、装置本体のデザイン性に悪影響を及ぼしたりしてしまうおそれがあるという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば、ユーザーが、例えばスタイラスペン等の入力デバイスを装置本体に固定する際に、入力デバイスを固定する動作とは別の動作を行うことなく、装置本体の動作モードを選択でき、且つ、多様な動作モードを設定可能な情報処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は上記課題を解決するために、装置本体及び該装置本体に情報を入力するための入力デバイスを備えた情報処理装置であって、前記装置本体は、前記入力デバイスを保持可能な保持部と、該保持部によって前記入力デバイスが保持される直前の前記入力デバイスの位置である直前位置を検出する直前位置検出手段と、前記入力デバイスが前記保持部によって保持された場合、前記直前位置検出手段によって検出された直前位置に応じて、前記装置本体の動作モードを選択する動作モード選択手段とを備える。
【0008】
本発明の情報処理装置によれば、例えば表示領域において表示を行う表示部及び該表示領域における例えばスタイラスペン等である入力デバイスの位置を検出可能な例えばデジタイザー等の位置検出手段を有する装置本体に、入力デバイスによって情報を入力することができる。
【0009】
装置本体は、ユーザーが入力デバイスを使用しないときに、入力デバイスを保持するための保持部を備えている。保持部は、例えば装置本体の筐体に設けられ、入力デバイスを保持することが可能に構成される。保持部は、装置本体の表示領域の周縁の少なくとも一部に沿って設けられる。例えば、保持部は、矩形状を有する表示領域の一辺に沿うように、装置本体における表示領域外に設けられる。
【0010】
本発明では特に、保持部によって入力デバイスが保持される直前の入力デバイスの位置、である直前位置が直前位置検出手段によって検出される。直前位置検出手段は、例えばデジタイザー等によって構成される。直前位置検出手段は、典型的には、装置本体の表示領域の周縁の一部に沿うように設けられる。直前位置検出手段は、例えば、装置本体の表示領域における入力デバイスの位置を検出する例えばデジタイザー等の位置検出手段と一体的に設けられてもよいし、該位置検出手段とは別体として設けられてもよい。ここで、本発明に係る「直前位置」とは、入力デバイスが保持部によって保持される直前に直前位置検出手段によって検出された入力デバイスの位置であり、言い換えれば、入力デバイスが保持部に保持される前において、直前位置検出手段によって最後に検出された入力デバイスの位置である。直前位置は、典型的には、ユーザーが、入力デバイスを装置本体の表示領域において使用した後、入力デバイスを表示領域外に設けられた保持部に保持させるために、入力デバイスを装置本体の表示領域から保持部に移動させる際に、直前位置検出手段によって最後に検出される入力デバイスの位置(言い換えれば、入力デバイスが直前位置検出手段から遠ざかることにより、直前位置検出手段によって入力デバイスの位置が検出できなくなる直前の入力デバイスの位置)である。
【0011】
更に、入力デバイスが保持部によって保持された場合、直前位置検出手段によって検出された直前位置に応じて、装置本体の動作モードが動作モード選択手段によって選択される。動作モード選択手段によって選択される動作モードとしては、例えば、装置本体の現在の状態を維持する動作モード、デジタイザーの電源を遮断する動作モード、デジタイザー及び表示部の電源を遮断する動作モード、デジタイザー及び表示部の電源を遮断すると共に、装置本体のメインCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)をスリープ状態にする動作モードなどが設定されてもよい。
【0012】
尚、入力デバイスがユーザーによって保持部から取り上げられ、入力デバイスが保持部によって保持されない状態となった場合には、動作モード選択手段によって選択された動作モードが解除され、装置本体は予め定められた通常の状態に戻ってもよい。また、動作モード選択手段によって選択される動作モードは、先に例示した動作モードに限定されず、他の動作モードが設定されてもよい。
【0013】
本発明によれば、入力デバイスが保持部によって保持された場合、直前位置検出手段によって検出された直前位置に応じて、装置本体の動作モードが動作モード選択手段によって選択されるので、ユーザーは、入力デバイスを装置本体に固定する際に、入力デバイスを固定する動作とは別の動作を殆ど或いは全く行うことなく、装置本体の動作モードを選択することができる。更に、直前位置検出手段によって検出される直前位置に応じて、装置本体の動作モードとして多様な動作モードを設定することができる。例えば、直前位置検出手段を複数の検出領域(即ち、直前位置を検出可能な領域)を有するように構成し、該複数の検出領域の各々に対して装置本体の動作モードを1つずつ割り当てることができる。
【0014】
以上説明したように、本発明の情報処理装置によれば、例えば、ユーザーが、例えばスタイラスペン等の入力デバイスを装置本体に固定する際に、入力デバイスを固定する動作とは別の動作を行うことなく、装置本体の動作モードを選択でき、且つ、多様な動作モードを設定することができる。
【0015】
本発明の情報処理装置の一態様では、前記動作モード選択手段によって選択される動作モードを表示する選択動作モード表示手段を更に備える。
【0016】
この態様によれば、動作モード選択手段によって選択される動作モードが選択動作モード表示手段によって表示されるので、動作モード選択手段によって選択される動作モードをユーザーが視認することができる。よって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0017】
上述した選択動作モード表示手段を備える態様では、前記装置本体は、表示を行うための表示領域を有し、前記直前位置検出手段及び前記選択動作モード表示手段は、前記表示領域内に、前記表示領域の周縁の少なくとも一部に沿うように設けられてもよい。
【0018】
この場合には、例えば、選択動作モード表示手段を、装置本体の表示領域において表示を行う表示部と一体的に形成することができる。よって、選択動作モード表示手段による表示内容を容易に変更することが可能となる。更に、当該情報処理装置の構成を比較的簡易なものとすることができる。尚、選択動作モード表示手段は、装置本体の表示領域において表示を行う表示部と別体として設けられてもよい。
【0019】
加えて、直前位置検出手段及び選択動作モード表示手段は、表示領域の周縁の少なくとも一部に沿うように設けられるので、表示領域における表示に悪影響を殆ど或いは全く及ぼさない。
【0020】
上述した選択動作モード表示手段を備える態様では、前記装置本体は、表示を行うための表示領域を有し、前記直前位置検出手段及び前記選択動作モード表示手段は、前記表示領域外に、前記表示領域の周縁の少なくとも一部に沿うように設けられてもよい。
【0021】
この場合には、例えば、選択動作モード表示手段を、装置本体の筐体上に設けることができる。当該情報処理装置の構成を比較的簡易なものとすることができる。更に、直前位置検出手段及び選択動作モード表示手段は、表示領域の周縁の少なくとも一部に沿うように設けられるので、表示領域における表示に悪影響を殆ど或いは全く及ぼさない。
【0022】
本発明の情報処理装置の他の態様では、前記保持部によって前記入力デバイスが保持された保持状態を検出する保持状態検出手段を更に備え、前記動作モード選択手段は、前記直前位置検出手段によって検出された直前位置と前記保持状態検出手段によって検出された保持状態とに応じて、前記装置本体の動作モードを選択する。
【0023】
この態様によれば、例えば、直前位置検出手段によって検出された直前位置と保持状態検出手段によって検出された保持状態との組み合わせに対して装置本体の動作モードを割り当てることができるので、より一層多様な動作モードを設定することが可能となる。
【0024】
上述した保持状態検出手段を備える態様では、前記装置本体は、前記保持部を複数備え、前記保持状態検出手段は、前記保持状態の少なくとも一部として、前記入力デバイスが前記複数の保持部のうちいずれの保持部によって保持されたかを検出してもよい。
【0025】
この場合には、動作モード選択手段は、入力デバイスが複数の保持部のうちいずれの保持部によって保持されたかに応じても装置本体の動作モードを選択することができるので、より一層多様な動作モードを設定することが可能となる。
【0026】
本発明の情報処理装置の他の態様では、前記装置本体は、前記動作モード選択手段が前記装置本体の動作モードとして選択可能な動作モードを設定する選択動作モード設定手段を更に備える。
【0027】
この態様によれば、ユーザーは、動作モード選択手段が装置本体の動作モードとして選択可能な動作モードを、選択動作モード設定手段によって、入力デバイスの直前位置に対して割り当てることができる。即ち、入力デバイスの直前位置がどこである場合に、装置本体の動作モードとしてどのような動作モードが選択されるべきかをユーザーが設定することができる。従って、ユーザーの利便性を向上させることができ、実践上大変便利である。
【0028】
本発明の情報処理装置の他の態様では、前記装置本体は、前記入力デバイスが前記装置本体に対応するものであるか否かを判定する判定手段を更に備え、前記動作モード選択手段は、前記判定手段によって前記入力デバイスが前記装置本体に対応するものであると判定された場合のみに、前記装置本体の動作モードを選択する。
【0029】
この態様によれば、動作モード選択手段は、入力デバイスが装置本体に対応するものであると判定手段が例えばRFID(Radio Frequency Identification)技術により判定した場合のみに、装置本体の動作モードを選択する。よって、例えば、装置本体に対応しない他の入力デバイスなどが保持部によって保持されることにより装置本体の動作モードが誤って切り替わってしまうことを低減或いは防止できる。
【0030】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る情報処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】スタイラスペンが保持部によって保持された状態の情報処理装置を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態における、デジタイザー本体、表示部及び筐体の位置関係を示す断面図である。
【図5】スタイラスペンの直前位置に応じた動作モード選択部による動作モードの選択を説明するための模式図である。
【図6】第1変形例に係る情報処理装置の構成を示す模式図である。
【図7】第2変形例に係る情報処理装置の構成を示す模式図である。
【図8】第2実施形態に係る情報処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図9】第2実施形態における、デジタイザー本体、表示部及び筐体の位置関係を示す断面図である。
【図10】第3実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態における、保持部によってスタイラスペンが保持された保持状態の一例を示す断面図である。
【図12】第3実施形態における、保持部によってスタイラスペンが保持された保持状態の他の例を示す断面図である。
【図13】第4実施形態における、保持部によってスタイラスペンが保持された保持状態の一例を示す断面図である。
【図14】第4実施形態における、保持部によってスタイラスペンが保持された保持状態の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0033】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る情報処理装置について、図1から図5を参照して説明する。尚、以下では、本実施形態に係る情報処理装置の構成及び動作を、方向を用いて適宜説明するが、この方向は、特に説明しない限り、本実施形態に係る情報処理装置を使用するユーザーの視点から見た場合の方向である。
【0034】
先ず、本実施形態に係る情報処理装置の全体構成について、図1を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【0036】
図1において、本実施形態に係る情報処理装置1は、本発明に係る「入力デバイス」の一例としてのスタイラスペン220によって装置本体100に情報を入力することが可能な携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)である。尚、情報処理装置1は、携帯電話、携帯音楽再生装置、携帯動画再生装置、携帯ナビゲーション装置などであってもよい。
【0037】
図1において、情報処理装置1は、表示部110及び筐体120を有する装置本体100と、スタイラスペン220とを備えている。
【0038】
表示部110は、例えば電気泳動表示装置等の表示装置によって構成され、例えば文字や文章などのテキストデータや図形などのイメージデータなど、各種データを装置本体100の表示領域100Aにおいて表示する。尚、表示部110は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ或いは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって構成されてもよい。
【0039】
図1では図示を省略するが、スタイラスペン220の位置や軌跡を検出するデジタイザー本体210(図3及び図4参照)が表示部110及び後述する選択動作モード表示部350に重なるように設けられている。デジタイザー本体210が表示部110及び選択動作モード表示部350におけるスタイラスペン220の位置や軌跡を検出することで、スタイラスペン220から装置本体100に情報を入力することが可能となる。
【0040】
筐体120は、例えば図3を参照して後述するメインCPU150、サブCPU160、電源170、外部記憶装置190、RAM(Random Access Memory)320など、情報処理装置1を動作させるための各種ハードウェアを収容する筐体である。筐体120は、表示部110を外縁側から保持するように設けられている。
【0041】
スタイラスペン220は、デジタイザー本体210に対して情報を入力する棒状或いはペン状の入力デバイスである。スタイラスペン220は、装置本体100とは別体で設けられている。情報処理装置1は、スタイラスペン220によって入力される情報をデジタイザー本体210によって特定し、この特定した情報を、表示部110によって表示したり、外部記憶装置190に記憶したりする。スタイラスペン220は、後述する保持部130によって保持されることができるように、磁石を有している。
【0042】
筐体120の表面には、スタイラスペン220を保持するための保持部130(即ち、保持部130a及び保持部130b)が設けられている。保持部130は、当該保持部130上に載置されたスタイラスペン220を着脱可能に保持する。保持部130は、筐体120の表面の一部が窪んだ凹部として、筐体120に設けられている。保持部130の凹部には、磁性体が設けられている。スタイラスペン220に設けられた磁石と保持部130に設けられた磁性体との間に働く磁力によって、保持部130はスタイラスペン220を保持することができる。
【0043】
保持部130aは、筐体120の表面において第1の方向(即ち、情報処理装置1の左右方向或いは短手方向)に延びる形状を有している。
【0044】
保持部130bは、筐体120の表面において第1の方向に交わる第2の方向(即ち、情報処理装置1の上下方向或いは長手方向)に延びる形状を有している。保持部130bは、筐体120の表面においてスタイラスペン220の軸方向が前記第2の方向に沿う状態で、スタイラスペン220を保持することができる。
【0045】
図2は、スタイラスペン220が保持部130bによって保持された状態の情報処理装置1を示す斜視図である。
【0046】
図2に示すように、保持部130bは、筐体120の表面においてスタイラスペン220の軸方向が上述した第2の方向に沿う状態で、スタイラスペン220を保持することができる。
【0047】
図1において、筐体120には、キースイッチ140が複数設けられている。キースイッチ140は、情報処理装置1の電源の入切やページ送りなどの指示を入力するために用いられる。
【0048】
更に、筐体120には、表示領域100Aの周縁の一部に沿うように、選択動作モード表示部350(即ち、選択動作モード表示部350a、選択動作モード表示部350b、選択動作モード表示部350c及び選択動作モード表示部350d)が設けられている。より具体的には、筐体120には、矩形状を有する表示領域100Aの一辺に沿うように、選択動作モード表示部350a、選択動作モード表示部350b、選択動作モード表示部350c及び選択動作モード表示部350dが配列されている。選択動作モード表示部350は、後述する動作モード選択部340によって選択される動作モードを表示する表示体である。
【0049】
図1に示す例では、選択動作モード表示部350aは、動作モード選択部340によって選択される動作モードが、第1の動作モードであることを文字「a)」により表示している。選択動作モード表示部350bは、動作モード選択部340によって選択される動作モードが、第2の動作モードであることを文字「b)」により表示している。選択動作モード表示部350cは、動作モード選択部340によって選択される動作モードが、第3の動作モードであることを文字「c)」により表示している。選択動作モード表示部350dは、動作モード選択部340によって選択される動作モードが、第4の動作モードであることを文字「d)」により表示している。尚、動作モード選択部340によって選択される上述した第1の動作モードから第4の動作モードについては後述する。また、本実施形態では、選択動作モード表示部350は、動作モード選択部340によって選択される動作モードを、上述したように文字により表示しているが、例えば言葉、図形、記号などにより表示してもよい。
【0050】
次に、本実施形態に係る情報処理装置の構成について、図3を参照して説明を加える。
【0051】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
図3において、情報処理装置1は、メインCPU150、サブCPU160、ROM(Read Only Memory)310、RAM320、電源170、バッテリー180、キースイッチ140、外部記憶装置190、デジタイザー200及び表示部110を備えている。これらの構成要素はバス900を介して互いに電気的に接続されている。
【0053】
メインCPU150は、表示部110、デジタイザー本体210、ROM310、RAM320及び外部記憶装置190を制御する。
【0054】
サブCPU160は、電源170、バッテリー180及びキースイッチ140を制御する。
【0055】
電源170は、デジタイザー本体210や表示部110などの装置本体100を構成する各構成要素に電力を供給する。
【0056】
バッテリー180は、例えばニッケル−カドミウム系電池やリチウムイオン系電池などの、充電可能な2次電池である。
【0057】
ROM310には、メインCPU150やサブCPU160において動作させる各種動作プログラムが記憶されている。
【0058】
RAM320は、メインCPU150やサブCPU160においてプログラムが動作される際にデータを一時的に記憶するワークエリアとなる。また、RAM320は、表示部110において表示させる表示データを一時的に記憶する。
【0059】
外部記憶装置190は、例えばハードディスクであり、表示部110において表示させる表示データを記憶する。
【0060】
表示部110は、上述したように例えば電気泳動表示装置等の表示装置によって構成されている。表示部110は、表示データを表示するディスプレイ111と、このディスプレイ111を制御するディスプレイコントローラー112とを有している。
【0061】
デジタイザー200は、上述したデジタイザー本体210及びスタイラスペン220からなる。
【0062】
デジタイザー本体210は、本体部211及び直前位置検出部212を有している。
【0063】
図4は、デジタイザー本体210、表示部110及び筐体120の位置関係の例を示す断面図であり、図1のA−A’線での断面を示している。尚、図4では、情報処理装置1を構成する、デジタイザー本体210、表示部110、筐体120、保持部130及び選択動作モード表示部350以外の構成要素については、説明の便宜上、図示を省略している。
【0064】
図4において、デジタイザー本体210は、少なくとも、平面視で表示部110に重なる本体部211と、本体部211から保持部130bが設けられた側に延設された直前位置検出部212と、を有している。
【0065】
本体部211は、デジタイザー本体210のうち少なくとも表示部110に平面視で重なる部分である。本体部211は、表示部110におけるスタイラスペン220の位置や軌跡を検出する。
【0066】
直前位置検出部212は、表示領域100Aの一辺(より具体的には、表示領域100Aの保持部130bが設けられた側の辺)に沿うように設けられている。言い換えれば、直前位置検出部212は、デジタイザー本体210のうち選択動作モード表示部350に重なる部分である。図4では、選択動作モード表示部350の保持部130bが設けられた側の端部350yは、直前位置検出部212の保持部130bが設けられた側の端部212yと一致しているが、ユーザーが予期せぬ動作を防止するためには、選択動作モード表示部350の保持部130bが設けられた側の端部350yが直前位置検出部212の保持部130bが設けられた側の端部212yよりも保持部130b側に位置していた方が好ましい。直前位置検出部212は、保持部130によってスタイラスペン220が保持される直前のスタイラスペン220の位置(以下、この位置を「直前位置」と適宜称する)を検出する。
【0067】
図3において、情報処理装置1は、ペン保持状態検出部330と、動作モード選択部340とを備えている。
【0068】
ペン保持状態検出部330は、スタイラスペン220が保持部130によって保持されたか否かを検出する。ペン保持状態検出部330は、保持部130の近傍に設けられた磁気センサーを有しており、この磁気センサーによって、スタイラスペン220に設けられた磁石による磁場を検出することで、保持部310によってスタイラスペン220が保持されたか否かを検出する。
【0069】
動作モード選択部340は、スタイラスペン220が保持部130によって保持された場合(即ち、スタイラスペン220が保持部130によって保持されたことがペン保持状態検出部330によって検出された場合)、直前位置検出部212によって検出された直前位置に応じて、装置本体100の動作モードを選択する。動作モード選択部340は、筐体120の内部に電子回路として設けられている。
【0070】
次に、スタイラスペン220の直前位置に応じた動作モード選択部340による動作モードの選択について、図1から図4に加えて図5を参照して説明する。
【0071】
図5は、スタイラスペン220の直前位置に応じた動作モード選択部340による動作モードの選択を説明するための模式図である。
【0072】
図5は、ユーザーが、スタイラスペン220を表示領域100Aにおいて使用した後、スタイラスペン220を保持部130に保持させるために、スタイラスペン220を表示領域100Aから保持部130に移動させる際に、スタイラスペン220が選択動作モード表示部350上を通過する様子(矢印P1参照)を示している。
【0073】
図5において、ユーザーがスタイラスペン220を表示領域100Aから保持部130に移動させる際、スタイラスペン220が選択動作モード表示部350上を通過すると、直前位置検出部212によって直前位置(即ち、保持部130によってスタイラスペン220が保持される直前のスタイラスペン220の位置、)が検出される。直前位置は、選択動作モード表示部350a、選択動作モード表示部350b、選択動作モード表示部350c又は選択動作モード表示部350dに対応する位置として検出される。
【0074】
動作モード選択部340は、直前位置検出部212によって検出された直前位置に応じて、装置本体100の動作モードを選択する。言い換えれば、動作モード選択部340は、直前位置が、選択動作モード表示部350a、選択動作モード表示部350b、選択動作モード表示部350c及び選択動作モード表示部350dのうちいずれに対応する位置であるかに応じて、装置本体100の動作モードを選択する。動作モード選択部340によって選択される動作モードとしては、例えば、装置本体100の現在の状態を維持する第1の動作モード、デジタイザー本体210の電源を遮断する第2の動作モード、デジタイザー本体210及び表示部110の電源を遮断する第3の動作モード、デジタイザー本体210及び表示部110の電源を遮断すると共に、メインCPU150をスリープ状態にする第4の動作モードが設定される。尚、動作モード選択部340によって選択される動作モードは、上述した第1から第4の動作モードに限定されず、他の動作モードが設定されてもよい。
【0075】
例えば、動作モード選択部340は、直前位置が選択動作モード表示部350aに対応する位置である場合には、装置本体100の動作モードとして上述した第1の動作モードを選択し、直前位置が選択動作モード表示部350bに対応する位置である場合には、装置本体100の動作モードとして上述した第2の動作モードを選択し、直前位置が選択動作モード表示部350cに対応する位置である場合には、装置本体100の動作モードとして上述した第3の動作モードを選択し、直前位置が選択動作モード表示部350dに対応する位置である場合には、装置本体100の動作モードとして上述した第4の動作モードを選択する。
【0076】
本実施形態に係る情報処置装置1によれば、スタイラスペン220が保持部130によって保持された場合、直前位置検出部212によって検出された直前位置に応じて、装置本体100の動作モードが動作モード選択部340によって選択されるので、ユーザーは、スタイラスペン220を装置本体100に固定する際に、スタイラスペン220を固定する動作とは別の動作を殆ど或いは全く行うことなく、装置本体100の動作モードを選択することができる。ここで、動作モード選択部340は、スタイラスペン220が保持部130によって保持された時に装置本体100の動作モードを選択する。言い換えれば、動作モード選択部340は、スタイラスペン220が保持部130によって保持されるまでは、装置本体100の動作モードを選択しない。即ち、動作モード選択部340は、スタイラスペン220が保持部130によって保持されたことが検出された後に、装置本体100の動作モードを選択する。よって、例えば、ユーザーがスタイラスペン220を装置本体100に固定する意志がないにもかかわらず、意図せずスタイラスペン220を選択動作モード表示部350上を通過させても、動作モードが誤って切り替わってしまうことを防止することができる。このような誤作動を防止する手段としては、前述の手段に限られるものではない。たとえば、動作モード選択部340は、スタイラスペン220が選択動作モード表示部350上を通過する毎に装置本体100の動作モードを選択するが、スタイラスペン220が装置本体100に固定されたときに、装置本体100の動作モードが選択された動作モードに切り替えられるようにしてもよい。
【0077】
更に、本実施形態に係る情報処理装置1によれば、直前位置検出部212によって検出される直前位置に応じて、装置本体100の動作モードとして多様な動作モードを設定することができる。即ち、直前位置検出部212における選択動作モード表示部350aに対応する位置、直前位置検出部212における選択動作モード表示部350bに対応する位置、直前位置検出部212における選択動作モード表示部350cに対応する位置、及び直前位置検出部212における選択動作モード表示部350dに対応する位置の各々に対して装置本体100の動作モードを1つずつ割り当てることができる。
【0078】
図3において、本実施形態では特に、情報処理装置1は、本発明に係る「選択動作モード設定手段」の一例としての選択動作モード設定部360を備えている。選択動作モード設定部360は、動作モード選択部340が装置本体100の動作モードとして選択可能な動作モードを、ユーザーから入力される指示に応じて設定する。よって、ユーザーは、選択動作モード設定部360によって、スタイラスペン220の直前位置に対して動作モードを割り当てることができる。即ち、スタイラスペン220の直前位置がどこである場合に、装置本体100の動作モードとしてどのような動作モードが選択されるべきかをユーザーが設定することができる。従って、ユーザーの利便性を向上させることができ、実践上大変便利である。
【0079】
図3において、本実施形態では特に、情報処理装置1は、本発明に係る「判定手段」の一例としてのペン判定部370を備えている。ペン判定部370は、スタイラスペン220が装置本体100に対応するものであるか否かをRFID技術により判定する。尚、スタイラスペン220には、識別情報を示すIC(integrated circuit)タグが設けられている。動作モード選択部340は、ペン判定部370によってスタイラスペン220が装置本体100に対応するものであると判定された場合のみに、装置本体100の動作モードを選択する。よって、例えば、装置本体100に対応しない他のスタイラスペンなどが保持部130a或いは130bによって保持されることにより装置本体100の動作モードが誤って切り替わってしまうことを低減或いは防止できる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1によれば、例えば、ユーザーが、スタイラスペン220を装置本体100に固定する際に、スタイラスペン220を固定する動作とは別の動作を行うことなく、装置本体100の動作モードを選択でき、且つ、多様な動作モードを設定することができる。
【0081】
図6は、第1変形例に係る情報処理装置の構成を示す模式図である。
【0082】
図6に示すように、第1変形例に係る情報処理装置は、デジタイザー本体部210によって現在検出されている位置を示すインジケーター710が表示部110に表示されるように構成されている。ここでは、第4の動作モードが選択された場合に、選択動作モード表示部350dの横にたとえば三角形のインジケータ710が表示されている例を示している。このようなインジケーター710が表示されることにより、ユーザーは、どの動作モードが選択されつつあるのかを視認することができる。よって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0083】
図7は、第2変形例に係る情報処理装置の構成を示す模式図である。
【0084】
図7に示すように、第2変形例に係る情報処理装置は、デジタイザー本体部210の直前位置検出部212によって検出された位置が、選択動作モード表示部350a、選択動作モード表示部350b、選択動作モード表示部350c及び選択動作モード表示部350dのうちどの選択動作モード表示部350に対応するのかを示すインジケーター720が、選択動作モード表示部350a、選択動作モード表示部350b、選択動作モード表示部350c及び選択動作モード表示部350d各々の上に表示されるように構成されている。このようなインジケーター720が表示されることにより、ユーザーは、どの動作モードが選択されつつあるのかを視認することができる。よって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0085】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る情報処理装置について、図8及び図9を参照して説明する。
【0086】
尚、図8及び図9において、図1から図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0087】
図8は、第2実施形態に係る情報処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【0088】
図8において、第2実施形態に係る情報処理装置2は、上述した第1実施形態における選択動作モード表示部350に代えて選択動作モード表示部352を備えている点で、上述した第1実施形態に係る情報処理装置1と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る情報処理装置1と概ね同様に構成されている。
【0089】
選択動作モード表示部352(即ち、選択動作モード表示部352a、選択動作モード表示部352b、選択動作モード表示部352c及び選択動作モード表示部352d)は、表示領域100A内に、表示領域100Aの一辺に沿うように設けられている。
【0090】
図9は、第2実施形態における、デジタイザー本体210、表示部110及び筐体120の位置関係の例を示す断面図であり、図8のB−B’線での断面を示している。
【0091】
図9に示すように、デジタイザー本体210は、少なくとも、平面視で表示部110に重なる本体部211と、本体部211から保持部130bが設けられた側に延設された直前位置検出部212と、を有している。
【0092】
本体部211は、デジタイザー本体210のうち少なくとも表示部110に平面視で重なる部分である。本体部211は、表示部110におけるスタイラスペン220の位置や軌跡を検出する。
【0093】
第2実施形態においては、図9に示すように、選択動作モード表示部352は、例えば電気泳動表示装置等の表示装置によって構成された表示領域100Aの一部として設けられている。言い換えれば、表示領域100Aの4つの辺のうち、保持部130bが設けられた側の辺に沿う部分が、選択動作モード表示部352として機能する。
【0094】
このように第2実施形態では、選択動作モード表示部352は、装置本体100の表示領域100Aにおいて表示を行う表示部110と一体的に形成されている。よって、選択動作モード表示部352による表示内容を容易に変更することが可能となる。更に、情報処理装置2の構成を比較的簡易なものとすることができる。加えて、選択動作モード表示部352は、表示領域100Aの一辺に沿うように設けられているので、表示領域100Aの中央における表示に悪影響を殆ど或いは全く及ぼさない。
【0095】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る情報処理装置について、図10から図12を参照して説明する。
【0096】
尚、図10から図12において、図1から図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0097】
図10は、第3実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0098】
図10において、第3実施形態に係る情報処理装置3は、図3を参照して上述した第1実施形態におけるペン保持状態検出部330及び動作モード選択部340の各々に代えて、ペン保持状態検出部333及び動作モード選択部343を備える点で、上述した第1実施形態に係る情報処理装置1と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る情報処理装置1と概ね同様に構成されている。
【0099】
図10において、情報処理装置3は、ペン保持状態検出部333と、動作モード選択部343とを備えている。
【0100】
ペン保持状態検出部333は、スタイラスペン220が保持部130によって保持された保持状態を検出する。
【0101】
動作モード選択部343は、スタイラスペン220が保持部130によって保持された場合、直前位置検出部212によって検出された直前位置とペン保持状態検出部333によって検出された保持状態とに応じて、装置本体100の動作モードを選択する。
【0102】
ここで、保持部130a及びペン保持状態検出部333の構成について、図11及び図12を参照して説明する。
【0103】
尚、保持部130bは、筐体120の表面において第2の方向に延びる形状を有する点で、筐体120の表面において第1の方向に延びる形状を有する保持部130aと異なり、その他の点については保持部130aと概ね同様に構成されている。よって、以下では、保持部130aの構成について主に説明し、保持部130bの構成については説明を適宜省略する。ペン保持状態検出部333は、保持部130a及び保持部130bの各々に対して設けられている。
【0104】
図11は、保持部130aによってスタイラスペン220が保持された保持状態の一例を示す断面図である。図12は、保持部130aによってスタイラスペン220が保持された保持状態の他の例を示す断面図であり、図11に対応して示されている。
【0105】
図11において、保持部130aは、筐体120の表面の一部が窪んだ凹部131aとして、筐体120に設けられている。凹部131aは、筐体120の表面において第1の方向(即ち、情報処理装置1の左右方向或いは短手方向)に延びる形状を有している。凹部131aは、スタイラスペン220の外形よりも大きい外形を有している。これにより、ユーザーは、保持部130aの凹部131a内に、スタイラスペン220を容易に載置することができる。スタイラスペン220が保持部130aに載置された際、スタイラスペン220の滑り移動及び転がり移動が、凹部131aの段差によって凹部131a内に制限される。
【0106】
スタイラスペン220は、磁石221及び磁石222を有している。磁石221は、スタイラスペン220の軸方向におけるほぼ中央に設けられている。磁石222は、スタイラスペン220の軸方向の両端のうち第1の端部に設けられている。磁石221及び磁石222は、永久磁石であってもよいし、電磁石であってもよい。
【0107】
保持部130aの凹部131aには、磁性体132が設けられている。磁性体132は、凹部131aの表面に設けられている。スタイラスペン220に設けられた磁石221及び磁石222と凹部131aに設けられた磁性体132との間に働く磁力によって、磁石221及び磁石222が磁性体132に吸着される。このようにして、保持部130aはスタイラスペン220を保持することができる。このように、保持部130aが磁性体132を有しており、磁性体132はスタイラスペン220に設けられた磁石221及び磁石222を吸着するので、保持部130aはスタイラスペン220を安定的に保持することができる。
【0108】
ペン保持状態検出部333を構成する磁気センサー333a及び磁気センサー333bが筐体120の内部に設けられている。磁気センサー333aは、凹部131aの第1の方向におけるほぼ中央に設けられている。磁気センサー333bは、凹部131aの第1の方向の両端のうち第1の端部に設けられている。スタイラスペン220が保持部130aに保持されると、磁気センサー333aはスタイラスペン220に設けられた磁石221による磁場を検出し、磁気センサー333bは、スタイラスペン220に設けられた磁石222による磁場を検出することができるため、ペン保持状態検出部333は、保持部130aによるスタイラスペン220の保持状態(より具体的には、スタイラスペン220の凹部131a内における向き、即ち、スタイラスペン220の第1の端部が、凹部131aの両端のうちいずれの端側に位置するか)を検出することができる。
【0109】
具体的には、図11に示す例では、磁石221による磁場が磁気センサー333aによって検出され、磁石222による磁場が磁気センサー333bによって検出されることにより、ペン保持状態検出部333は、スタイラスペン220の第1の端部が、凹部131aの第1の端部側(即ち、図11における右側)になるように、スタイラスペン220が保持部130aによって保持されている保持状態を検出する。尚、以下では、図11に示すようなスタイラスペン220の第2の端部である先端が凹部131aの左端側に位置する保持状態を「スタイラスペン220の向きが左向きである」と適宜称する。即ち、ペン保持状態検出部333は、磁石221による磁場が磁気センサー333aによって検出され、かつ磁石222による磁場が磁気センサー333bによって検出される場合には、保持状態として、スタイラスペン220の向きが左向きであることを検出する。
【0110】
一方、図12に示す例では、磁石221による磁場が磁気センサー333aによって検出されるが、磁石222による磁場は磁気センサー333bによって検出されないことにより、ペン保持状態検出部333は、スタイラスペン220の第1の端部が、凹部131aの第2の端部側(即ち、図12における左側)になるように、スタイラスペン220が保持部130aによって保持されている保持状態を検出する。尚、以下では、図12に示すようなスタイラスペン220の先端が凹部131aの右端側に位置するスタイラスペン220の保持状態を「スタイラスペン220の向きが右向きである」と適宜称する。即ち、ペン保持状態検出部333は、磁石221による磁場が磁気センサー333aによって検出されるが、磁石222による磁場は磁気センサー333bによって検出されない場合には、保持状態として、スタイラスペン220の向きが右向きであることを検出する。
【0111】
尚、スタイラスペン220が凹部131bに保持され、スタイラスペン220の先端が凹部131bの図1における上端側となる保持状態を「スタイラスペン220の向きが上向きである」と適宜称し、スタイラスペン220の先端が凹部131bの図1における下端側となる保持状態を「スタイラスペン220の向きが下向きである」と適宜称する。凹部131bに対して設けられたペン保持状態検出部333は、保持状態として、スタイラスペン220の向きが上向きであることやスタイラスペン220の向きが下向きであることを検出することができる。また、ペン保持状態検出部333は、磁石221による磁場が磁気センサー333aによって検出されず、磁石222による磁場が磁気センサー333bによって検出されない場合には、保持状態として、スタイラスペン220が保持部130によって保持されていないことを検出する。
【0112】
このように、ペン保持状態検出部333によれば、保持状態として、スタイラスペン220が保持部130aによって保持されており、スタイラスペン220の向きが左向きであることや、スタイラスペン220が保持部130aによって保持されており、スタイラスペン220の向きが右向きであること、スタイラスペン220が保持部130bによって保持されており、スタイラスペン220の向きが上向きであること、スタイラスペン220が保持部130bによって保持されており、スタイラスペン220の向きが下向きであることを検出することができる。
【0113】
図11及び図12において、動作モード選択部343は、筐体120の内部に電子回路として設けられている。動作モード選択部343は、上述したように、スタイラスペン220が保持部130によって保持された場合、直前位置検出部212によって検出された直前位置とペン保持状態検出部333によって検出された保持状態とに応じて、装置本体100の動作モードを選択する。言い換えれば、動作モード選択部343は、直前位置が、選択動作モード表示部350a、選択動作モード表示部350b、選択動作モード表示部350c及び選択動作モード表示部350d(図1参照)のうちいずれに対応する位置であるかに加えて、スタイラスペン220の保持状態(即ち、スタイラスペン220が保持部130a及び保持部130bのいずれによって保持されたか及びスタイラスペン220の向き)に応じて、装置本体100の動作モードを選択する。
【0114】
よって、直前位置検出部212によって検出された直前位置とペン保持状態検出部333によって検出された保持状態との組み合わせに対して装置本体100の動作モードを割り当てることができるので、より一層多様な動作モードを設定することが可能となる。
【0115】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る情報処理装置について、図13及び図14を参照して説明する。
【0116】
図13は、第4実施形態における、保持部によってスタイラスペンが保持された保持状態の一例を示す断面図であり、図14は、第4実施形態における、保持部によってスタイラスペンが保持された保持状態の他の例を示す断面図である。尚、図13及び図14は、図11に対応して示されている。また、図13及び図14において、図10から図12に示した第3実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0117】
図13及び図14において、第4実施形態に係る情報処理装置は、保持部130及びペン保持状態検出部333の構成が上述した第3実施形態に係る情報処理装置と異なる。
【0118】
図13及び図14において、保持部130aは、凹部131a内に、スタイラスペン220が有するクリップ225に対応する形状の切欠部135を有している。切欠部135の底部には開口部が形成されている。筐体120の内部には、ペン保持状態検出部333を構成するスイッチ333cが設けられている。スイッチ333cは、ボタン333cbを有している。ボタン333cbは、切欠部135の底部に形成された開口部から切欠部135の内部に突出するように設けられている。
【0119】
図13に示すように、スタイラスペン220のクリップ225が切欠部135に嵌め合わされた状態で、スタイラスペン220が保持部130aによって保持された場合には、ペン保持状態検出部333は、スイッチ333cのボタン333cbがクリップ225によって押下されていることを検出することで、スタイラスペン220の第1の保持状態を検出する。
【0120】
一方、図14に示すように、スタイラスペン220のクリップ225が切欠部135に嵌め合わされない状態で、スタイラスペン220が保持された場合には、ペン保持状態検出部333は、スイッチ333cのボタン333cbがクリップ225によって押下されていないことを検出することで、スタイラスペン220の第2の保持状態を検出する。
【0121】
即ち、ペン保持状態検出部333は、第1の保持状態として、スタイラスペン220の軸周り回転状態が一の回転状態であることを検出し、第2の保持状態として、スタイラスペン220の軸周り回転状態が一の回転状態とは異なる他の回転状態であることを検出する。つまり、ペン保持状態検出部333は、スイッチ333cのボタン333cbがクリップ225によって押下されているか否かに応じて異なる回転状態を保持状態として検出することができる。
【0122】
動作モード選択部343は、スタイラスペン220が保持部130によって保持された場合、直前位置検出部212によって検出された直前位置とペン保持状態検出部333によって検出された保持状態とに応じて、装置本体100の動作モードを選択する。言い換えれば、動作モード選択部343は、直前位置が、選択動作モード表示部350a、350b、350c及び350d(図1参照)のうちいずれに対応する位置であるかに加えて、スタイラスペン220の保持状態(即ち、スタイラスペン220が保持部130a及び保持部130bのいずれによって保持されたか及びスタイラスペン220の回転状態)に応じて、装置本体100の動作モードを選択する。
【0123】
このように構成された第4実施形態に係る情報処理装置によれば、上述した第3実施形態に係る情報処理装置と同様に、直前位置検出部212によって検出された直前位置とペン保持状態検出部333によって検出された保持状態との組み合わせに対して装置本体100の動作モードを割り当てることができるので、より一層多様な動作モードを設定することが可能となる。
【0124】
尚、ペン保持状態検出部333を、保持状態として、スタイラスペン220が複数の保持部130のいずれによって保持されたか並びにスタイラスペン220の向き及び回転状態を検出するように構成することで、直前位置検出部212によって検出される直前位置とペン保持状態検出部333によって検出される保持状態との組み合わせを増やすことができ、該組み合わせに対して装置本体100の動作モードを割り当てることによって、より一層多様な動作モードを設定することが可能となる。
【0125】
例えば、第4実施形態に係る情報処理装置においては、スイッチ333cを凹部131aの第1の端部側(即ち、図13における右側)にのみ設けたが、スイッチ333cをさらに凹部131aの第2の端部側(即ち、図13における左側)にも設ければ、スタイラスペン220の回転状態だけでなく保持される向き(上下左右)も利用して、さらに多様な動作モードを設定することができる。
【0126】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報処理装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0127】
100…装置本体、100A…表示領域、110…表示部、120…筺体、130、130a、130b…保持部、140…キースイッチ、200…デジタイザー、210…デジタイザー本体、211…本体部、212…直前位置検出部、220…スタイラスペン、330…ペン保持状態検出部、340…動作モード選択部、350、350a、350b、350c、350d…選択動作モード表示部、360…選択動作モード設定部、370…ペン判定部、710、720…インジケーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体及び該装置本体に情報を入力するための入力デバイスを備えた情報処理装置であって、
前記装置本体は、
前記入力デバイスを保持可能な保持部と、
該保持部によって前記入力デバイスが保持される直前の前記入力デバイスの位置である直前位置を検出する直前位置検出手段と、
前記入力デバイスが前記保持部によって保持された場合、前記直前位置検出手段によって検出された直前位置に応じて、前記装置本体の動作モードを選択する動作モード選択手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記動作モード選択手段によって選択される動作モードを表示する選択動作モード表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記装置本体は、表示を行うための表示領域を有し、
前記直前位置検出手段及び前記選択動作モード表示手段は、前記表示領域内に、前記表示領域の周縁の少なくとも一部に沿うように設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記装置本体は、表示を行うための表示領域を有し、
前記直前位置検出手段及び前記選択動作モード表示手段は、前記表示領域外に、前記表示領域の周縁の少なくとも一部に沿うように設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記保持部によって前記入力デバイスが保持された保持状態を検出する保持状態検出手段を更に備え、
前記動作モード選択手段は、前記直前位置検出手段によって検出された直前位置と前記保持状態検出手段によって検出された保持状態とに応じて、前記装置本体の動作モードを選択する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記装置本体は、前記保持部を複数備え、
前記保持状態検出手段は、前記保持状態の少なくとも一部として、前記入力デバイスが前記複数の保持部のうちいずれの保持部によって保持されたかを検出する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記装置本体は、
前記動作モード選択手段が前記装置本体の動作モードとして選択可能な動作モードを設定する選択動作モード設定手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記装置本体は、
前記入力デバイスが前記装置本体に対応するものであるか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記動作モード選択手段は、前記判定手段によって前記入力デバイスが前記装置本体に対応するものであると判定された場合のみに、前記装置本体の動作モードを選択する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−175465(P2011−175465A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39130(P2010−39130)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】