説明

情報処理装置

【課題】様々な情報を所定のシナリオに沿ってユーザに提示するとともに提示した情報を利用可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る携帯電話機は、情報取得部43、情報抽出部44および情報提示部45を制御することにより、所定のシナリオに応じて所定の情報の音声読み上げによる出力順序を制御する情報提示制御部42と、情報提示部45による所定の情報の音声読み上げ中にユーザによる元情報の表示指示を受け付ける指示受付部41と、元情報の表示指示が受け付けられると、所定のシナリオに応じて元情報および元情報に関連する情報のいずれか一方に応じた表示用プログラムを起動させ、この表示用プログラムを介して表示部27に所定のシナリオに応じて元情報および元情報に関連する情報のいずれか一方を表示させる元情報表示部51と、を備えたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータや携帯電話機などの情報処理装置には、様々な情報を所定の手順(台本、シナリオ)に沿ってユーザに提示することができるものがある。この様々な情報には、ネットワークから取得可能なウェブページやフィードなどの情報や、自機の記憶媒体に記憶された情報が含まれる。
【0003】
この種の情報提示技術を適用した情報処理装置は、様々な情報を映像や音声に変換しつつ所定の手順に沿ってユーザに提示するようになっている。このため、ユーザは能動的に操作することなくこれらの様々な情報に接することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−239479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、様々な情報を映像や音声に変換しつつ所定の手順に沿って、単にユーザに提示していくのみでは、ユーザにとって利便性が悪い場合がある。これは、様々な情報を提示されると、ユーザは単に情報の提示を受けるのみでは満足せずに、提示された情報を利用したいと所望することがあるためである。
【0006】
提示された情報の利用要求としては、たとえば、提示された情報についてのより詳細な情報の確認要求や、過去に提示された情報についての再確認要求などが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、上述した課題を解決するために、情報取得部、情報抽出部、情報提示部、情報提示制御部、指示受付部および元情報表示部を備えたことを特徴とするものである。情報取得部は、外部の記憶媒体および自機の記憶媒体の少なくとも一方から所定のシナリオに応じて元情報を取得する。情報抽出部は元情報から所定の情報を抽出し、情報提示部はこの抽出された所定の情報を音声読み上げにより出力する。情報提示制御部は、情報提示部を制御することにより所定のシナリオに応じて所定の情報の音声読み上げによる出力順序を制御する。情報提示部による所定の情報の音声読み上げ中にユーザによる元情報の表示指示は指示受付部により受け付けられる。元情報表示部は、元情報の表示指示が受け付けられると、所定のシナリオに応じて元情報および元情報に関連する情報のいずれか一方に応じた表示用プログラムを起動させ、この起動させた表示用プログラムを介して表示部に所定のシナリオに応じて元情報および元情報に関連する情報のいずれか一方を表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むネットワークシステムの一例を示す全体図。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯電話機の外観の一例を示し、(a)は正面斜視図、(b)は背面斜視図。
【図3】本実施形態に係る携帯電話機の内部構成例を概略的に示すブロック図。
【図4】図3に示す主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図5】主制御部により、様々な情報を所定のシナリオに沿ってユーザに提示する際の手順を示すフローチャート。
【図6】情報提示プログラムが起動された際の初期画面の一例を示す説明図。
【図7】ページ送り指示により表示されるページが切り替わる様子を示す説明図。
【図8】コンテンツリスト表示中に情報提示指示された際の様子を示す説明図。
【図9】図5のステップS3で主制御部により実行される提示制御処理の手順を示すサブルーチンフローチャート。
【図10】チャンネルに対する情報提示指示があった場合における図9のステップS11〜S14の手順が行われる際の画面の例を示す説明図。
【図11】図9のステップS18で主制御部により実行される元情報表示処理の手順を示すサブルーチンフローチャート。
【図12】元情報がウェブサイトまたはフィードである場合において元情報表示部によりウェブ閲覧用プログラムが起動される様子を示す説明図。
【図13】履歴一覧表示を利用して履歴内のコンテンツを再生する際の様子を示す説明図。
【図14】優先付き一覧表示を利用して優先付きコンテンツを再生する際の様子を示す説明図。
【図15】優先度付加キーにより履歴コンテンツに対して優先度が付加される様子を示し、(a)は情報提示中のコンテンツに対する優先度付加の様子を示す説明図、(b)は履歴一覧表示中のコンテンツに対する優先度付加の様子を示す説明図。
【図16】チャンネルの編集画面の一例を示す説明図。
【図17】シナリオを新たに追加するための画面の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る情報処理装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、ユーザが能動的な操作をせずとも、外部のウェブサーバ上の情報や自機の記憶媒体に記憶された情報をユーザに対して少なくとも音声読み上げにより提示するものである。音声読み上げにおいては、情報はユーザに対し逐次的(シーケンシャル)に提示される。
【0011】
情報処理装置は、所定のシナリオに沿って外部のウェブサーバ上の情報や自機の記憶媒体に記憶された情報を映像や音声に変換して提示する。なお、シナリオは、スクリプトなどで記述されたものでもよいし、装置固有の固定のシーケンスでもよい。
【0012】
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むネットワークシステムの一例を示す全体図である。なお、本実施形態では、本発明に係る情報処理装置として携帯電話機を用いる場合の一例について示す。また、情報処理装置は、データの音声出力機能を有する装置であれば携帯電話機に限られず、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像装置、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などでもよい。
【0013】
なお、以下の説明において、「音声」とは、聞き手に人の声として認識される音によりテキストデータを読み上げた音をいう。また、「音」は、「音声」を含むほか、「音楽」や「効果音(ビープ音など)」などを含むものとする。
【0014】
携帯電話機10は、図1に示すように、電話網101に収容される基地局102を介してインターネット網103に接続される。インターネット網103にはサーバ群110が接続される。電話網101は、図示しないゲートウェイサーバを介してインターネット網103に接続される。
【0015】
また、携帯電話機10は、携帯電話機10の周辺の無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント(以下、APという)104を介してインターネット網103に接続される。携帯電話機10は、IEEE802.11シリーズ(IEEE802.11a/b/g/j/nなど)の各方式に従ってAP104や他の無線LAN接続可能な情報処理装置などの親機と無線LAN接続を確立することができる。たとえば、ユーザが自宅にいる場合は、携帯電話機10は自宅のAP104と無線LAN接続を確立することができる。
【0016】
サーバ群110は、携帯電話機10により閲覧されるウェブページを記憶したウェブサーバ111や、携帯電話機10による電子メールの送受信を仲介するためのメールサーバ112などにより構成される。
【0017】
図2は、携帯電話機10の外観の一例を示す図である。図2(a)には携帯電話機10の正面斜視図を、(b)には背面斜視図を、それぞれ示した。
【0018】
携帯電話機10の正面の表面上には、タッチパネル11、レシーバ12、マイクロフォン14およびタッチキー15が設けられる。スピーカ13は、携帯電話機10の背面に設けられる。また、携帯電話機10の側面の一部には、ハードキー16および音出力端子17が設けられる。また、周辺デバイスとしてのカメラ31が背面に設けられる。
【0019】
図3は、本実施形態に係る携帯電話機10の内部構成例を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、携帯電話機10は、さらに移動体通信用アンテナ21、移動体通信部22、無線LAN通信用アンテナ23、無線LAN通信部24、記憶部25および主制御部26を少なくとも有するほか、周辺デバイスとして、カメラ31や、音出力端子17を含む外部インターフェース32などを有する。
【0020】
タッチパネル11は、表示部27と、表示部27の近傍に設けられたタッチセンサ28と有する。
【0021】
表示部27は、たとえば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。
【0022】
表示部27は、主制御部26に制御されて、シナリオに沿って外部の記憶媒体としてのウェブサーバ111や自機の記憶媒体としての記憶部25に記憶された情報を表示するほか、携帯電話機10を操作するための情報や携帯電話機10を操作するための複数のキー(ソフトキー)などを表示する。一方、タッチセンサ28は、ユーザによるタッチセンサ28上の指示位置の情報を携帯電話機10の主制御部26に与える。タッチセンサ28としては、静電容量式センサや抵抗膜式(感圧式)センサ、電磁誘導式センサなど、従来各種のものが知られており、これらのうち任意のものを使用することが可能である。
【0023】
ここで、シナリオについて簡単に説明する。
【0024】
本実施形態に係る携帯電話機10は、外部のウェブサーバ111上の情報や自機の記憶媒体25などに記憶された元情報を取得し、元情報から音声読み上げに必要な所定の情報を抽出し、この所定の情報をユーザに音声読み上げにより提示する。シナリオは、あらかじめ各情報に応じたものが携帯電話機10の記憶媒体25などに記憶されており、これらの元情報の取得、抽出等はシナリオに沿って行われる。
【0025】
たとえば元情報がウェブサーバ111に記憶されたウェブサイトAの情報であれば、携帯電話機10はこのウェブサイトAのページ構成に適したシナリオをあらかじめ記憶部25に記憶している。また、元情報が携帯電話機10の利用可能なスケジュール管理プログラム(以下、スケジューラという)により生成されるスケジュールデータであれば、携帯電話機10はこのスケジューラが保持するデータ構造に適したシナリオをあらかじめ記憶部25に記憶している。
【0026】
以下の説明では、シナリオに応じて得られた所定の情報をコンテンツというものとする。また、各コンテンツは、ユーザによる設定または初期設定によりいずれかのコンテンツ群に関連付けられる。また、以下の説明では、コンテンツ群をチャンネルというものとする。
【0027】
レシーバ12およびスピーカ13は、受話音声をはじめとした各種の情報に対応した音を出力する。スピーカ13は、レシーバ12に比べ、より大きな音を出力することが可能に構成される。また、マイクロフォン14は、ユーザによって入力された音声をデジタル音声信号に変換する。
【0028】
タッチキー15は、たとえば静電容量方式のタッチセンサにより構成され、キーに対するユーザの接触操作に応じた信号を出力する。
【0029】
ハードキー16は、ユーザにより押下されるとこの押下に応じた信号を主制御部26に与える。主制御部26は、ハードキー16が押下されると、押下されてから開放されるまでの時間に応じて携帯電話機10を制御することができる。たとえば、主制御部26は、ハードキー16が短押しされるといわゆるクリア機能を実現し、長押しされると携帯電話機10全体の電源のONまたはOFFを行い、超長押しされると携帯電話機10をリセットする。
【0030】
音出力端子17は、ステレオフォン、イヤフォンおよびヘッドセットその他の外部のヘッドフォン120のプラグを接続するための端子である。音出力端子17にヘッドフォン120のプラグが接続されると、主制御部26は、音出力端子17を介してヘッドフォン120に対して受話音声をはじめとした各種の情報に対応した音を出力する。ユーザは、ヘッドフォン120を利用することにより、たとえば洋服のポケットに携帯電話機10を入れたままでも、様々な情報の音声読み上げによる提示を楽しむことができる。
【0031】
移動体通信部22は、主制御部26に制御されて、移動体通信用アンテナ21および基地局102を介して電話網101やインターネット網103と接続される。移動体通信部22は、移動体用プロトコルにもとづく無線通信により基地局102とデータの送受信を行う。たとえば、移動体通信部22は、電話網101を介した音声データの送受信のほか、インターネット網103を介してサーバ群110とデータの送受信を行うことができる。なお、本発明に係る情報処理装置は、サーバ群110とデータの送受信可能に構成されればよく、次に説明する無線LAN通信用アンテナ23および無線LAN通信部24を備える場合は移動体通信用アンテナ21および移動体通信部22を備えずともよい。
【0032】
無線LAN通信部24は、主制御部26に制御されて、無線LAN通信用アンテナ23を介してAP104と無線LANを構築する。無線LAN通信部24は、インターネットプロトコル(IP)にもとづく無線通信によりAP104と無線LAN接続されてAP104とデータの送受信を行う。たとえば、無線LAN通信部24は、インターネット網103を介してサーバ群110とデータの送受信を行うことができる。
【0033】
記憶部25は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリであり、たとえば電子メールデータや音楽データなどの各種データを記憶している。また、記憶部25は、各情報に応じたシナリオを記憶しており、各シナリオはユーザによる設定によりいずれかのシナリオ群に関連付けられる。コンテンツは、シナリオに応じて取得された所定の情報であるため、チャンネル(コンテンツ群)は、シナリオ群を構成するシナリオによりそれぞれ取得される情報によって構成されることになる。
【0034】
また、記憶部25は、過去にユーザに対して情報提示された、または情報提示が試みられたコンテンツを履歴として記憶しておく。
【0035】
なお、シナリオは、各情報に適したものを利用することが望ましいのに対し、ユーザが所望する各情報はその構成などが変更されたり新規に追加されたりする場合がある。たとえば、ウェブサイトであれば、サイトのレイアウトが更新されたりする場合がある。したがって、シナリオは、各情報に適したシナリオをシナリオの提供者からネットワークを介してダウンロード可能に構成されているとよい。
【0036】
主制御部26は、CPU、RAM、ROMなどにより構成され、ROM内に記憶されたプログラムに従って、携帯電話機10の処理動作を制御する。CPUは、ROM内に記憶された情報提示プログラムおよびプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、情報提示プログラムに従って、様々な情報を所定のシナリオに沿ってユーザに提示する。
【0037】
RAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。
【0038】
ROMは、携帯電話機10の起動プログラム、情報提示プログラムや、ウェブページ閲覧用プログラム、スケジュール管理用プログラム(スケジューラ)、電子メール管理用プログラム(メーラ)などの元情報表示用プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。ウェブページ閲覧用プログラムは、いわゆるウェブブラウザのほか、所定のウェブサイトに好適な閲覧用アプリケーションをいう。
【0039】
なお、ROMは、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、ROM内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0040】
図4は、図3に示す主制御部26のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0041】
CPUは、情報提示プログラムによって、少なくとも指示受付部41、情報提示制御部42、情報取得部43、情報抽出部44、情報提示部45、音声合成部46、元情報表示部51、コンテンツ一覧表示部52、履歴一覧表示部53、優先付き一覧表示部54および優先度関連付け部55として機能する。
【0042】
指示受付部41は、タッチセンサ28の出力を受け、表示画面に対する入力操作の内容を取得する。タッチセンサ28の出力には、ユーザにより表示画面上の接触位置の情報が少なくとも含まれる。指示受付部41は、タッチセンサ28から受けたこの接触位置の情報およびこの情報を受けた時間の情報にもとづき、表示画面に対してユーザが入力を意図した操作がプレス、リリース、プレスアンドホールド、スライド、フリック、シングルタップ、ダブルタップなどのいずれの入力操作であるかを判別し、入力操作の内容および接触位置の情報を出力する。また、指示受付部41は、ハードキー15の押下が短押し、長押し、超長押しであるかを判別し、判別した結果を出力する。
【0043】
情報提示制御部42は、情報取得部43、情報抽出部44および情報提示部45を制御することにより、所定のシナリオに応じて提示すべき情報の音声読み上げによる出力順序を制御する。情報提示制御部42は、複数のチャンネルのうちの1つのチャンネルに対する再生指示(情報提示指示)があった旨の情報を指示受付部41から受けると、このチャンネルのシナリオ群に含まれたシナリオのそれぞれに対応する所定の情報を所定のシナリオごとに音声読み上げさせる。また、情報提示制御部42は、コンテンツに対する情報提示指示があった旨の情報を指示受付部41から受けると、この情報提示要求されたコンテンツを得るためのシナリオに応じて所定の情報を音声読み上げさせる。
【0044】
また、情報提示制御部42は、ユーザによりタッチセンサ28および指示受付部41を介して過去に情報提示指示を受けることにより情報提示部45により情報提示された、または情報提示が試みられたコンテンツ(履歴コンテンツ)を記憶部25に記憶させる。
【0045】
情報取得部43は、情報提示制御部42に制御されて、所定のシナリオに応じて様々な情報を取得する。様々な情報には、ウェブサーバ111のウェブページ(RSSやAtom形式のフィードを含む)や、記憶部25に記憶されたメールデータおよびスケジュールデータなどが含まれる。
【0046】
情報抽出部44は、情報提示制御部42に制御されて、情報取得部43により取得された情報から所定の情報を抽出する。所定の情報は、情報取得部43により取得された情報のうち、ユーザに提示する際に必要となる部分の情報を意味する。ユーザに提示する際に不要な情報は所定の情報に含まれず、情報抽出部44により省かれる。たとえば、情報取得部42によりウェブページの情報が取得された場合、情報抽出部44は、HTML(Hyper Text Markup Language)タグや、HTMLアンカー内のURL(Uniform Resource Locator)データ等を省くことにより所定の情報を抽出する。
【0047】
情報提示部45は、情報提示制御部42に制御されて、テキストデータにもとづいて音声読み上げを行う音声合成部46を有する。情報提示部45は、情報抽出部44により抽出された所定の情報を、少なくとも音声読み上げにより順次スピーカ13や音出力端子17に出力する。なお、所定の情報は、音声読み上げのみによって出力してもよいし、音声読み上げとともに読み上げ対象のテキストデータや、所定の情報にもとづく画像を表示部27に出力してもよい。文字列や画像の表示を伴う場合は、音声の提示と文字列や画像の表示とは同期を取って行うとよい。また、情報提示部45は、音声読み上げの合間や音声読み上げの最中に音楽を再生してもよい。
【0048】
音声合成部45は、あらかじめ設定された音声読み上げパラメータにもとづいてテキストデータの音声読み上げを行う。なお、テキストデータの音声読み上げのパラメータには、話者(声色)および話速が含まれる。音声読み上げのパラメータを変更することにより、聞き手に認識される読み上げ音声の感情のほか、性別を変更することも可能である。
【0049】
情報提示部45による所定の情報の音声読み上げは、逐次的(シーケンシャル)に行う必要がある。そこで、情報提示制御部42は、情報取得部43、情報抽出部44および情報提示部45を制御することにより、所定の情報の音声読み上げによる出力順序を制御する。なお、情報取得部43による情報の取得および情報抽出部44による所定の情報の抽出は、最終的な提示順序によらず実行されても構わず、たとえば所定の時間ごとに実行されても構わない。ここで、「所定の時間ごと」とは、所定時間間隔ごと(たとえば2時間ごとなど)および所定時刻ごと(たとえば毎日午後1時など)の少なくとも一方を含むものとする。
【0050】
元情報表示部51は、情報提示部45による所定の情報の音声読み上げ中に元情報の表示指示が受け付けられた旨の情報を指示受付部41から受けると、元情報に応じた表示用プログラムを起動させ、この表示用プログラムを介して表示部27に元情報を表示させる。
【0051】
たとえば、元情報がスケジュールデータであれば、元情報表示部51は、スケジューラを起動してこのスケジュールデータを表示部27に表示させる。
【0052】
また、元情報表示部51は、情報提示部45による所定の情報の音声読み上げ中に元情報の表示指示が受け付けられた旨の情報を指示受付部41から受けると、元情報に関連する情報に応じた表示用プログラムを起動させ、この表示用プログラムを介して表示部27に元情報に関連する情報を表示させてもよい。
【0053】
たとえば元情報がウェブサイトのフィードであり、元情報(フィード)に関連する情報がフィードの提供元ウェブサイトである場合は、情報提示部45による所定の情報の音声読み上げ中に元情報の表示指示が受け付けられた旨の情報を指示受付部41から受けると、元情報表示部51は、ウェブサイト閲覧用プログラムを起動させ、このウェブサイト閲覧用プログラムを介して表示部27にフィードの提供元ウェブサイトを表示させる。フィードの提供元ウェブサイトのURI(Uniform Resource Identifier)の情報はフィードに含まれるため、フィード用のシナリオにはフィードに含まれるURIを情報抽出部44に抽出させておくよう記述されていることが好ましい。
【0054】
また、元情報の表示指示が受け付けられた旨の情報を指示受付部41から受けた際に元情報表示部51が表示部27に元情報および元情報に関連する情報のいずれを表示させるかは、シナリオに記述されているとよい。
【0055】
なお、ユーザに対していずれの情報を表示させるか選択させるためのボタン(たとえば、元情報の表示指示受付ボタンと元情報に関連する情報の表示指示受付ボタン)を表示部27に表示させてもよく、この場合、元情報表示部51はユーザによりいずれのボタンを介した指示があったかにより、表示させる情報を決定する。
【0056】
コンテンツ一覧表示部52は、ユーザによりタッチセンサ28および指示受付部41を介して指示を受けて、チャンネル(シナリオ群)に含まれたコンテンツ(シナリオ)の一覧(コンテンツ一覧)を生成し表示部27に表示させる。
【0057】
履歴一覧表示部53は、ユーザによりタッチセンサ28および指示受付部41を介して過去に情報提示指示を受けることにより情報提示部45により情報提示された、または情報提示が試みられたコンテンツ(履歴コンテンツ)の一覧(履歴一覧)を生成し表示部27に表示させる。指示受付部41は、この履歴一覧に表示されたコンテンツに対する情報提示指示を受け付ける。
【0058】
優先付き一覧表示部54は、記憶部25に記憶されたコンテンツ(履歴コンテンツ)のうち、優先度が付加されたコンテンツの一覧(優先付き一覧)を生成し表示部27に表示させる。指示受付部41は、この優先付き一覧に表示されたコンテンツに対する情報提示指示を受け付ける。
【0059】
優先度関連付け部55は、コンテンツに対する優先度の付加や削除などの編集指示が受け付けられた旨の情報を指示受付部41から受けると、記憶部25に記憶されたこのコンテンツのそれぞれに対して優先度の情報を関連付ける。
【0060】
なお、本実施形態では、ユーザが、音声読み上げ中のコンテンツや、履歴一覧表示部53による履歴一覧に表示されたコンテンツ、優先付き一覧表示部54による優先付き一覧に表示されたコンテンツに対して優先度を編集できる場合の例について説明する。
【0061】
(2)基本的な情報提示動作
次に、本実施形態に係る情報処理装置としての携帯電話機10の基本的な情報提示動作の一例について説明する。
【0062】
図5は、主制御部26により、様々な情報を所定のシナリオに沿ってユーザに提示する際の手順を示すフローチャートである。図5において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0063】
この手順は、記憶部25に所定のシナリオが記憶され、情報提示制御部42が、コンテンツやチャンネルに対する情報提示指示があった旨の情報を指示受付部41から受けた時点でスタートとなる。
【0064】
まず、ステップS1において、情報取得部43は、情報提示制御部42に制御されて、所定のシナリオに応じてウェブサーバ111のウェブページ(RSSやAtom形式のフィードを含む)や、記憶部25に記憶されたメールデータおよびスケジュールデータなどの元情報を取得する。チャンネルに対する情報提示指示があった場合は、このチャンネルのシナリオ群に含まれたシナリオのそれぞれに対応する元情報を取得する。
【0065】
次に、ステップS2において、情報抽出部44は、情報提示制御部42に制御されて、情報取得部43により取得された元情報から、ユーザに提示する際に必要となる部分である所定の情報を抽出する。
【0066】
そして、ステップS3において、主制御部26は、所定のシナリオに応じて提示すべき情報を音声読み上げにより出力する処理(提示制御処理)を実行する。
【0067】
なお、情報取得部43による情報の取得および情報抽出部44による所定の情報の抽出は、最終的な提示順序によらず実行されても構わない。したがって、ステップS1およびステップS2は並列的に実行されてもよい。また、ステップS1およびステップS2を繰り返し実行した後にステップS3を実行してもよい。また、ステップS1およびステップS2は、たとえば所定の時間ごとに実行されても構わない。この場合、所定の情報は記憶部25に記憶させておき、ユーザからの情報提示指示を受けてこの所定の情報を記憶部25から読み出してステップS3を実行してもよい。
【0068】
以上の手順により、ユーザによる情報提示指示を受けて様々な情報を所定のシナリオに沿ってユーザに提示することができる。
【0069】
(3)チャンネル選択処理
続いて、チャンネル選択処理について説明する。
【0070】
図6は、情報提示プログラムが起動された際の初期画面の一例を示す説明図である。図7に示すように、初期画面は、コンテンツリスト表示領域61、チャンネル名表示領域62、ステータス表示領域63およびメニュー表示領域64を有する。コンテンツリスト表示画面は、コンテンツ一覧表示部52により生成されて表示部27に表示される。
【0071】
コンテンツリスト表示領域61には、現在選択されているチャンネルを構成するコンテンツのリストが表示される。図6は初期画面であるため、デフォルトチャンネルであるチャンネルAの構成コンテンツであるコンテンツA−1、A−2が表示されている。チャンネル名表示領域62には、現在選択されているチャンネル名が表示される。また、チャンネル名表示領域62には、ページ送りキー81が表示される。このページ送りキー81がユーザにより押下されると、指示受付部41によりページ送り指示が受け付けられる。
【0072】
ステータス表示領域63には、現在の情報提示状況が表示される。また、ステータス表示領域63には、再生キー82が表示される。この再生キー82がユーザにより押下されると、指示受付部41により現在選択されている(チャンネル名表示部62に表示されている)チャンネルに対する情報提示指示が受け付けられる。たとえば、図6に示したチャンネルAに対する情報提示指示が受け付けられると、コンテンツA−1に対する音声読み上げ処理が行われた後、コンテンツA−2に対する音声読み上げ処理が行われることにより、チャンネルAに対する一連の情報提示処理が終了することになる。
【0073】
メニュー表示領域64には、バックグラウンドキー83やチャンネルキー84、メニューキー85などが表示される。バックグラウンドキー83がユーザにより押下されると、指示受付部41により情報提示プログラムをバックグラウンドで動作させるべき旨の指示が受け付けられる。チャンネルキー84が押下されると、現在選択されている(チャンネル名表示部62に表示されている)チャンネルに対する編集機能の起動指示が受け付けられる。メニューキー85が押下されると、各種メニューの表示指示が受け付けられる。
【0074】
図7は、ページ送り指示により表示されるページが切り替わる様子を示す説明図である。図7に示すように、ページ送り指示キー81は、ページ後退用およびページ前進用のいずれかの機能が割り当てられて、異なる場所にそれぞれ設けられるとよい。たとえば、図6に示したチャンネルAが表示されている状態(図7では左側の状態)でページ送り指示キー81のうちページ前進用のキー(図7では表示部27の右側のキー)が押下されると、次のチャンネルであるチャンネルBのコンテンツのリストが表示される。
【0075】
図8は、コンテンツリスト表示中に情報提示指示された際の様子を示す説明図である。チャンネルBが表示されている際に(図8の左側参照)、再生キー82が押下されてチャンネルBに対する情報提示指示が受け付けられると、コンテンツB−1に対する音声読み上げ処理が行われた後、コンテンツB−2、B−3に対する音声読み上げ処理が行われる。
【0076】
各コンテンツの音声読み上げは、各コンテンツを構成するコンテンツ要素ごとに行われる。たとえば元情報がニュースを提供するウェブサイトのフィードである場合は、フィードから取得可能な最新の所定の数のニュース(たとえば10個のニュースなど)がコンテンツであって、各ニュースがコンテンツ要素となる。したがって、この場合、このコンテンツの音声読み上げはニュースごとに行われ、所定の数(たとえば10個)のニュースの音声読み上げが終わった時点でコンテンツの音声読み上げは終了となる。
【0077】
図8の右側に示すように、音声読み上げ処理時の画面は、コンテンツ要素表示領域65、指示キー表示領域66を有する。
【0078】
コンテンツ要素表示領域65は、コンテンツ要素タイトル表示領域67、コンテンツ要素内容表示領域68およびその他の領域69を有する。
【0079】
コンテンツ要素タイトル表示領域67は、情報提示指示のあったチャンネルを構成するコンテンツのうち、現在情報提示中のコンテンツを構成するコンテンツ要素のタイトルを表示するための領域である。コンテンツ要素内容表示領域68は、コンテンツ要素の内容を表示するための領域である。その他の領域69は、音声読み上げの話者を模した画像(話者画像)や、所定の画像などを表示するための領域である。ここで、所定の画像には、たとえばウェブサイト内の所定の位置の画像を取得するようシナリオで定義している場合は、このシナリオに沿って取得された画像を含む。
【0080】
指示キー表示領域66には、一時停止キー91、前進キー92、後退キー93、リターンキー94、元情報表示指示キー95および優先度付加キー96が表示される。
【0081】
一時停止キー91は、情報提示の一時停止を受け付けるキーである。前進キー92および後退キー93は、それぞれ情報提示すべきコンテンツ要素を前進および後退させるための指示を受け付けるキーである。リターンキー94は、情報提示を中止し、再度図8左に示すページ表示画面に移動するための指示を受け付けるキーである。
【0082】
元情報表示指示キー95は、現在情報提示されているコンテンツ要素の元情報を表示するための指示を受け付けるためのキーである。元情報表示指示キー95が押下されると、元情報表示部51は、元情報に応じた表示用プログラムを起動させ、この表示用プログラムを介して表示部27に元情報を表示させる。このため、ユーザは、音声読み上げ中に元情報が知りたくなった場合に、この元情報表示指示キー95を押すだけで簡単に元情報を表示させることができる。
【0083】
優先度付加キー96は、現在情報提示中のコンテンツ要素を有するコンテンツに対して優先度を付加または削除するためのキーである。このキーが押されるたびに、優先度関連付け部55は優先度の付加および削除を行う。
【0084】
(4)提示制御処理
図9は図5のステップS3で主制御部26により実行される提示制御処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。なお、本実施形態に係る携帯電話機10は、複数のコンテンツにより構成されたチャンネルに対する情報提示指示を受け付けると、このチャンネルに属するコンテンツをコンテンツごとに順に音声読み上げするようになっている。コンテンツの音声読み上げはコンテンツ要素ごとに行われる。図9には、imax個のコンテンツにより構成されたチャンネルに対する情報提示指示が受け付けられた場合の例について示した。
【0085】
図10は、チャンネルに対する情報提示指示があった場合における図9のステップS11〜S14の手順が行われる際の画面の例を示す説明図である。図10には、情報提示指示を受けたチャンネルが図7の真中および図8の左に示したチャンネルBである場合の例について示してある。
【0086】
ステップS11において、情報提示制御部42は、RAMの所要のワークエリアに対して現在情報提示中のコンテンツを示す指標iに1を格納する。
【0087】
次に、ステップS12において、情報提示制御部42は、情報提示部45にi番目のコンテンツを音声読み上げによる出力を開始させる。コンテンツの音声読み上げは、コンテンツ要素ごとに行われる。ステップS14から戻ってきた場合は、引き続きコンテンツ要素の読み上げを継続する。
【0088】
次に、ステップS13において、元情報表示部51は、情報提示部45による所定の情報の音声読み上げ中に元情報の表示指示が受け付けられた旨の情報を指示受付部41から受けたか否かを判定する。元情報の表示指示を受けた場合はステップS17に進む。一方、元情報の表示指示を受けていない場合はステップS14に進む。
【0089】
次に、ステップS14において、情報提示制御部42は、i番目のコンテンツを構成する全てのコンテンツ要素の提示が終了したか否かを判定する。全て終了した場合は、ステップS15に進む。全て終了していない場合は、ステップS12に戻る。
【0090】
次に、ステップS15において、情報提示制御部42は、RAMの所要のワークエリアに記憶された指標iに1を加える。
【0091】
次に、ステップS16において、情報提示制御部42は、RAMの所要のワークエリアに記憶された指標iがimaxより大きいか否かを判定する。imaxより大きい場合は、全てのコンテンツの情報提示が終了しているため、一連の手順は終了となる(図10参照)。一方、指標iがimax以下である場合はステップS12に戻る。
【0092】
他方、ステップS13において元情報の表示指示を受けたと判定された場合、ステップS17において、情報提示制御部42は、音声読み上げ処理を一時停止する。
【0093】
次に、ステップS18において、元情報表示部51は、元情報に応じた表示用プログラムを起動させて情報提示プログラムをバックグラウンドへ移行させ、この表示用プログラムを介して表示部27に元情報を表示させる元情報表示処理を実行する。
【0094】
次に、ステップS19において、情報提示制御部42は、情報提示プログラムをフォアグラウンドへ移行させ、情報提示部45に音声読み上げ処理を再開させる。
【0095】
以上の手順により、ユーザが音声読み上げ中に元情報が知りたくなった場合に、この元情報表示指示キー95を押すだけで簡単に元情報を表示させることができる。
【0096】
なお、図9には元情報の表示中には音声読み上げ処理を一時停止し情報提示プログラムをバックグラウンドへ移行させる場合の例について示したが、音声読み上げ処理は継続されてもよい。この場合、ユーザは所定の情報(コンテンツ)を音声読み上げにより確認しつつ元情報を表示画面に表示させることができる。
【0097】
(5)元情報表示処理
次に、元情報の表示処理について説明する。
【0098】
図11は、図9のステップS18で主制御部26により実行される元情報表示処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。図11には、元情報がウェブサイトまたはフィードである場合の例について示す。
【0099】
まず、ステップS21において、元情報表示部51は、情報提示部45による所定の情報の音声読み上げ中に元情報の表示指示が受け付けられた旨の情報を指示受付部41から受けると、元情報がフィードであるか否かを判定する。元情報がフィードであるか否かはシナリオに記述されている。元情報がフィードである場合、元情報表示部51は、指示受付部41から受けた元情報表示指示がフィードの提供元ウェブサイトの表示指示であるものとして動作するべくステップS22に進む。一方、元情報がウェブサイトである場合は、ステップS25に進む。
【0100】
次に、ステップS22において、元情報表示部51は、提供元ウェブサイトを表示するよう指示しつつフィードの提供元ウェブサイトに適したウェブページ閲覧用プログラムを起動させるとともに、情報提示プログラムをバックグラウンドへ移行させる。
【0101】
図12は、元情報がウェブサイトまたはフィードである場合において元情報表示部51によりウェブ閲覧用プログラムが起動される様子を示す説明図である。
【0102】
ウェブページ閲覧用プログラムは、ウェブブラウザおよび所定のウェブサイトに好適なアプリケーションのいずれか1つが利用される(図12参照)。どのプログラムが起動されるかは、情報提示中のコンテンツに対応するシナリオに記述されているとよい。
【0103】
次に、ステップS23において、主制御部26は、ステップS21でウェブページ閲覧用プログラムに従ってフィードの提供元ウェブサイトを表示部27に表示させる。
【0104】
次に、ステップS24において、主制御部26は、ウェブページ閲覧用プログラムの終了指示があったか否かを判定する。終了指示があった場合は、図9のステップS19に戻り、一連の元情報表示処理は終了となる。一方、終了指示がない場合は、ステップS23に戻りフィードの提供元ウェブサイト表示を継続する。
【0105】
他方、ステップS21で元情報がウェブサイトであると判定されると、ステップS25において元情報表示部51は、このウェブサイトを表示するよう指示しつつこのウェブサイトに適したウェブページ閲覧用プログラムを起動させるとともに、情報提示プログラムをバックグラウンドへ移行させる。
【0106】
次に、ステップS26において、主制御部26は、ステップS21でウェブページ閲覧用プログラムに従ってウェブサイトを表示部27に表示させる。
【0107】
次に、ステップS27において、主制御部26は、ウェブページ閲覧用プログラムの終了指示があったか否かを判定する。終了指示があった場合は、図9のステップS19に戻り、一連の元情報表示処理は終了となる。一方、終了指示がない場合は、ステップS26に戻り元情報の表示を継続する。
【0108】
以上の手順により、所定の情報の音声読み上げ中に元情報の表示指示が受け付けられた場合に、元情報がウェブサイトである場合はこのウェブサイトを表示することができるとともに、元情報がフィードである場合はこのフィードの提供元ウェブサイトを表示することができる。
【0109】
(6)履歴の利用
本実施形態に係る携帯電話機10は、過去にユーザによりタッチセンサ28および指示受付部41を介して情報提示指示を受けることにより情報提示部45により情報提示された、または情報提示が試みられたコンテンツを利用可能に構成される。
【0110】
図13は、履歴一覧表示を利用して履歴内のコンテンツを再生する際の様子を示す説明図である。なお、図13において、(未再生)の表示はチャンネルの情報提示指示があったためにチャンネルを構成する当該コンテンツの情報提示が試みられたものとして記憶部25に格納されたものの、当該コンテンツの情報提示は実際には行われなかったことを示す指標である。また、図13においては、各コンテンツに表示された時刻(図13真中参照)は、このコンテンツを含むチャンネルに対する情報提示指示があった時刻であるものとする。もちろん、この時刻は各コンテンツが実際に情報提示開始された時刻であってもよい。
【0111】
履歴一覧表示部53は、記憶部25に記憶されたコンテンツの一覧(履歴一覧)を生成し表示部27に表示させる。この一覧表示画面は、初期画面(図6参照)からページ送りキー81を所定回数押下することにより呼び出される。
【0112】
履歴一覧表示部53は、ページ送りキー81が押下されることにより履歴一覧表示指示を受けると、まず、図13左に示すように、履歴コンテンツが記憶された日付の一覧表示を行う。次に、この日付の1つが押下されると、履歴一覧表示部53は、押下された日付に属する履歴コンテンツの一覧を表示する(図13真中参照)。ここまでは、再生キー82は押下不可となっていてもよい。
【0113】
次に、この履歴コンテンツの1つが押下されると、押下された履歴コンテンツが強調表示されるとともに、再生キー82が押下可能となる。そして、再生キー82が押下されると、指示受付部41は、強調表示された履歴コンテンツに対する情報提示指示があった旨の情報を情報提示制御部42に与え、情報提示制御部42により記憶部25に格納された所定の情報の情報提示処理が実行される(図7右参照)。
【0114】
図13に示すように、本実施形態に係る携帯電話機10は、ユーザによりタッチセンサ28および指示受付部41を介して過去に情報提示指示を受けることにより情報提示部45により情報提示された、または情報提示が試みられたコンテンツの一覧(履歴一覧)を生成し表示部27に表示させることができる。このため、ユーザはこの履歴一覧を利用することにより、過去に視聴した所定の情報について、容易に再度視聴することができる。
【0115】
(7)優先度付け(スター付け)
次に、履歴コンテンツに対する優先度付けについて説明する。
【0116】
図14は、優先付き一覧表示を利用して履歴コンテンツのうち優先度付けされたコンテンツ(以下、優先付きコンテンツという)を再生する際の様子を示す説明図である。
【0117】
優先付き一覧表示部54は、記憶部25に記憶されたコンテンツのうち、優先度が付加されたコンテンツ(優先付きコンテンツ)の一覧(優先付き一覧)を生成し表示部27に表示させる。この一覧表示画面は、初期画面(図6参照)からページ送りキー81を所定回数押下することにより呼び出される。
【0118】
優先付き一覧表示部54は、ページ送りキー81が押下されることにより優先付き一覧表示指示を受けると、図14に示すように、履歴コンテンツのうち優先度が付加されたコンテンツ(優先付きコンテンツ)のみを抽出し、この優先付きコンテンツの一覧を生成して表示部27に表示させる。このとき、再生キー82は押下不可となっていてもよい。
【0119】
そして、図13に示した履歴一覧表示に対する操作と同様のユーザ操作を受け付けることにより、優先付きコンテンツの情報提示処理を行うことになる。
【0120】
ユーザはこの優先付き一覧表示を利用することにより、過去に視聴した所定の情報のうち、自らが優先度を付加したコンテンツについて、容易に再度視聴することができる。
【0121】
図15は、優先度付加キー96により履歴コンテンツに対して優先度が付加される様子を示し、(a)は情報提示中のコンテンツに対する優先度付加の様子を示す説明図であり、(b)は履歴一覧表示中のコンテンツに対する優先度付加の様子を示す説明図である。
【0122】
図15(a)に示すように、現在情報提示中のコンテンツ要素を有するコンテンツに対して優先度付加キー(スターキー)96が押下されると、優先度関連付け部55は、記憶部25に記憶されたこのコンテンツに対して関連付けられた優先度の情報を変更する。なお、現在情報提示中のコンテンツ要素を有するコンテンツは、情報提示が試みられたコンテンツであって、すでに情報提示制御部42により記憶部25に格納されたコンテンツである。
【0123】
また、図15(b)に示すように、履歴一覧表示中のコンテンツに対しても、優先度付加キー96が与えられる。このため、ユーザは履歴一覧中のコンテンツに対しても容易に優先度を編集することができる。また、(未再生)の表示があるコンテンツに対して優先度を付加することが可能である。
【0124】
なお、本実施形態においてはスターキー96の押下による優先度付加および削除のみが可能である場合の例について示したが、優先度は複数段階であってもよい。
【0125】
また、優先度つきのコンテンツについては、履歴コンテンツの自動削除時において削除されないようにしてもよい。
【0126】
(8)チャンネル編集
次に、チャンネルを構成するコンテンツの編集について説明する。
【0127】
図16は、チャンネルの編集画面の一例を示す説明図である。
【0128】
チャンネルは、1つまたは複数のコンテンツにより構成される。各コンテンツは、それぞれコンテンツの元情報に適したシナリオに関連付けられており、チャンネルの情報提示要求があるとチャンネルを構成する各コンテンツのシナリオに応じて各コンテンツの元情報が取得されることにより所定の情報(コンテンツ)を得ることができる。
【0129】
図16に示すように、チャンネルに既に登録されたシナリオ(図16下段参照)と、チャンネルに利用可能なシナリオ(図16上段参照)とはシナリオ移動キー97により互いに容易に入れ替え可能である。また、チャンネルに既に登録されたシナリオの優先順位もまたシナリオ移動キー97により容易に入れ替え可能である。このため、ユーザは、容易に自らの好むチャンネルを構築することができる。
【0130】
(9)シナリオの追加
図17は、シナリオを新たに追加するための画面の一例を示す説明図である。図17には、フィードが元情報となるコンテンツを追加するための画面の一例を示した。
【0131】
ユーザは、追加したいコンテンツがあると、このシナリオ追加画面に対してフィードのURIと、最新の記事から何個分の記事を情報提示させたいか(図17の「要素の数」参照)を入力する。また、ユーザは、情報提示時の画面のレイアウト(図8右参照)をあらかじめ記憶部25に記憶された雛形から選択することができる(図17の「テンプレート」参照)。
【0132】
主制御部26は、このURIの入力を受け付けると、まず、入力されたURIをたどり、元情報の取得、所定の情報の抽出を試みる。そして、主制御部26は、正しく元情報の取得および所定の情報の抽出を実行可能である場合には、入力されたフィードのURIに応じて元情報の取得および所定の情報の抽出に必要かつ適切なシナリオを自動的に構築する。
【0133】
たとえば、ユーザが実際には存在しない不正なURIを入力した場合には、主制御部26は、元情報の取得および所定の情報の抽出の試行に失敗する。この場合、主制御部26は、入力されたフィードのURIに応じたシナリオの追加に失敗した旨の情報をユーザに提示する。
【0134】
一方、適切なURIが入力され、元情報の取得および所定の情報の抽出の試行に成功した場合には、主制御部26は、入力されたフィードのURIに応じたシナリオを自動的に構築して追加し、入力されたURIに応じた新たなシナリオが追加された旨の情報をユーザに提示する。このため、ユーザは追加したいコンテンツに適したシナリオを容易に得ることができる。
【0135】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0136】
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0137】
10 携帯電話機
11 タッチパネル
12 レシーバ
13 スピーカ
14 マイクロフォン
15 タッチキー
16 ハードキー
17 音出力端子
21 移動体通信用アンテナ
22 移動体通信部
23 無線LAN通信用アンテナ
24 無線LAN通信部
25 記憶部
26 主制御部
27 表示部
28 タッチセンサ
31 カメラ
32 外部インターフェース
41 指示受付部
42 情報提示制御部
43 情報取得部
44 情報抽出部
45 情報提示部
46 音声合成部
51 元情報表示部
52 コンテンツ一覧表示部
53 履歴一覧表示部
54 優先付き一覧表示部
55 優先度関連付け部
61 コンテンツリスト表示領域
62 チャンネル名表示領域
63 ステータス表示領域
64 メニュー表示領域
65 コンテンツ要素表示領域
66 指示キー表示領域
67 コンテンツ要素タイトル表示領域
68 コンテンツ要素内容表示領域
69 その他の領域
81 ページ送りキー
82 再生キー
83 バックグラウンドキー
84 チャンネルキー
85 メニューキー
91 一時停止キー
92 前進キー
93 後退キー
94 リターンキー
95 元情報表示指示キー
96 優先度付加キー
97 シナリオ移動キー
101 電話網
102 基地局
103 インターネット網
104 無線LANのAP
110 サーバ群
111 ウェブサーバ
112 メールサーバ
120 ヘッドフォン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の記憶媒体および自機の記憶媒体の少なくとも一方から所定のシナリオに応じて元情報を取得する情報取得部と、
前記元情報から所定の情報を抽出する情報抽出部と、
前記所定の情報を音声読み上げにより出力する情報提示部と、
前記情報提示部を制御することにより、前記所定のシナリオに応じて前記所定の情報の音声読み上げによる出力順序を制御する情報提示制御部と、
前記情報提示部による前記所定の情報の音声読み上げ中にユーザによる前記元情報の表示指示を受け付ける指示受付部と、
前記元情報の表示指示が受け付けられると、前記所定のシナリオに応じて前記元情報および前記元情報に関連する情報のいずれか一方に応じた表示用プログラムを起動させ、この起動させた表示用プログラムを介して表示部に前記所定のシナリオに応じて前記元情報および前記元情報に関連する情報のいずれか一方を表示させる元情報表示部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報提示制御部は、
前記指示受付部により前記情報提示部による前記所定の情報の音声読み上げ中に前記元情報の表示指示が受け付けられると、前記情報提示部を制御することにより、前記所定の情報の音声読み上げを一時停止させる、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記指示受付部は、
前記情報提示部による前記所定の情報の音声読み上げ中にユーザによる前記元情報に関連する情報の表示指示を受け付け、
前記元情報表示部は、
前記元情報に関連する情報の表示指示が受け付けられると、前記元情報に関連する情報に応じた表示用プログラムを起動させ、この表示用プログラムを介して表示部に前記元情報に関連する情報を表示させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記元情報はウェブサイトのフィードであり、
前記指示受付部は、
前記情報提示部による前記所定の情報の音声読み上げ中にユーザによる前記フィードの提供元ウェブサイトの表示指示を受け付け、
前記元情報表示部は、
前記フィードの前記提供元ウェブサイトの表示指示が受け付けられると、ウェブサイト閲覧用プログラムを起動させ、このウェブサイト閲覧用プログラムを介して表示部に前記提供元ウェブサイトを表示させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記指示受付部は、
ユーザによる前記シナリオに対する情報提示指示を受け付け、
前記情報提示指示を受け付けた前記シナリオに対応する前記所定の情報を記憶しておく記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記所定の情報の一覧を生成し表示部に表示させる履歴一覧表示部と、
をさらに備え、
前記指示受付部は、
前記履歴一覧表示部により表示された一覧に含まれた前記所定の情報の少なくとも1つに対するユーザによる情報提示指示を受け付け、
前記情報提示制御部は、
前記履歴一覧表示部により表示された一覧に含まれた前記所定の情報の少なくとも1つに対する情報提示指示が受け付けられると、前記情報提示部を制御することにより、前記所定のシナリオに応じて前記情報提示指示があった前記所定の情報を音声読み上げにより順次出力させる、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶された前記所定の情報のそれぞれに対して前記優先度の情報を関連付ける優先度関連付け部と、
前記記憶部に記憶された前記所定の情報のうち、前記優先度が付加された前記所定の情報の一覧を生成し表示部に表示させる優先付き一覧表示部と、
をさらに備え、
前記指示受付部は、
前記情報提示部による前記所定の情報の音声読み上げ中の前記所定の情報に対するユーザによる優先度の付加および削除の指示、および前記履歴一覧表示部による前記記憶部に記憶された前記所定の情報の一覧表示中のそれぞれの前記所定の情報に対するユーザによる優先度の付加および削除の指示を受け付けるとともに、前記優先付き一覧表示部により表示された一覧に含まれた前記所定の情報の少なくとも1つに対するユーザによる情報提示指示を受け付け、
前記優先度関連付け部は、
前記所定の情報に対するユーザによる優先度の付加および削除の指示に応じて前記記憶部に記憶された前記所定の情報に関連付けられた前記優先度の情報を変更し、
前記情報提示制御部は、
前記優先付き一覧表示部により表示された一覧に含まれた前記所定の情報の少なくとも1つに対する情報提示指示が受け付けられると、前記情報提示部を制御することにより、前記所定のシナリオに応じて前記情報提示指示があった前記所定の情報を音声読み上げにより順次出力させる、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定のシナリオを1つまたは複数有する前記シナリオ群に含まれた前記所定のシナリオの一覧を表示部に表示させるコンテンツ一覧表示部、
をさらに備え、
前記記憶部は、
前記シナリオ群をさらに記憶し、
前記指示受付部は、
前記シナリオ群ごとにユーザによる情報提示指示を受け付け、
前記情報提示制御部は、
前記シナリオ群の1つに対する情報提示指示が受け付けられると、前記情報取得部、前記情報抽出部および前記情報提示部を制御することにより、前記情報提示指示を受けた前記シナリオ群に含まれた前記所定のシナリオのそれぞれに対応する前記所定の情報を前記所定のシナリオごとに音声読み上げさせる、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、
前記シナリオ群の1つに対する情報提示指示が受け付けられると、前記情報提示制御部により、この情報提示指示を受けた前記シナリオ群に含まれた前記所定のシナリオのそれぞれに対応する前記所定の情報を格納される、
請求項4ないし7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
表示画面を有し前記元情報を表示する表示部と、前記表示画面への入力を受け付けるタッチセンサと、を有するタッチパネル、
をさらに備えた請求項1ないし8のいずれか1項に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−3610(P2012−3610A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139623(P2010−139623)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】