説明

情報制御装置およびメモリエラー復旧制御方法

【課題】情報制御装置全体の電源をOFFにすることなく、ソフトエラーの復旧が可能なメモリエラー復旧制御方法を提供する。
【解決手段】メモリ制御部7により内蔵のメモリ4への読み書き動作を制御する情報制御装置1内に、メモリ4への電源導通路9上に電源供給のON/OFFを切り替えるゲート回路3を備え、メモリ制御部7がソフトエラーを検出した際に、ゲート回路3をあらかじめ定めた一定時間の間OFFにし、メモリ4への電源供給をその間遮断して、メモリ4のソフトエラーを復旧させる。なお、上位装置20と接続している場合は、ソフトエラーを検出した旨を上位装置20に通知し、上位装置20から電源供給一時停止指令を受信した際に、メモリ4への電源供給を前記一定時間の間遮断する。ゲート回路3にさらにアドレスデコード回路を備え、メモリ4内のソフトエラー発生アドレスのみに対し電源供給を前記一定時間の間OFFにするようにしても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報制御装置およびメモリエラー復旧制御方法に関し、特に、各種情報を記憶する内蔵のメモリに発生したソフトエラーを復旧させる機構を有する情報制御装置およびメモリエラー復旧制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報制御装置などに備えられたメモリに発生するソフトエラーは、メモリ機能そのものが正常であっても、外部から入射される放射線などが原因になって、メモリに記憶されているデータがビットエラーを一時的に起こすものである。通常、ソフトエラーの発生自体を回避することは難しく、また、メモリ自体の電源供給を一旦停止し、メモリ内部の記憶状態をクリアしない限り、復旧しないケースが多い。よって、メモリのソフトエラーが発生した場合、そのメモリを備えた情報制御装置全体の電源の供給を一旦停止させなければならないため、情報制御装置が提供するサービスへの影響が甚大である。
【0003】
このようなサービス低下を防止するための従来技術として、特許文献1の特開平01−122246号公報「通話路制御メモリ装置」がある。この特許文献1においては、メモリのソフトエラーが発生した際にも直ちにサービスの再開を可能とするために、メモリを2個に備え、一方を現用とし、他方を待機用として現用と同じデータを書き込むようにして、2重化運用をすることとし、現用となっている一方のメモリにソフトエラーが発生した場合、制御モードを切り替えることによって、もう一方の待機中のメモリを現用とし、ソフトエラーが発生したメモリを待機用とするとともに復旧モードに設定して、待機側に切り替えたメモリの内容を全面的に書き替えることによって復旧させるようにして、メモリのソフトエラーを回復させている。
【特許文献1】特開平01−122246号公報(第2−3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1のような従来技術は、情報制御装置として2つのメモリを備える構成とする必要があり、メモリや2重化機構などのコストから、情報制御装置のコストアップを避けることができないという問題がある。また、メモリを2つ備える構成としても、双方とも電源がON状態であり、双方のメモリで、ソフトエラーが発生する可能性があり、切替えを行っても、ソフトエラー状態を回避することができない虞がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、2つのメモリなどの冗長なメモリを備える必要がなく、メモリのソフトエラーが発生した際に、該メモリを備えた情報制御装置全体の電源をOFFにすることもなく、ソフトエラーの復旧が可能な情報制御装置およびメモリエラー復旧制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するため、本発明による情報制御装置およびメモリエラー復旧制御方法は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0007】
(1)メモリを内蔵し、メモリ制御部により該メモリへの読み書き動作を制御する情報制御装置において、前記メモリへの電源導通路上に、前記メモリへの電源供給のON/OFFを切り替えるゲート回路を備え、前記メモリ制御部において前記メモリから読み出したデータにソフトエラーを検出した場合、前記ゲート回路を、あらかじめ定めた一定時間の間、OFFにし、前記メモリへの電源供給を該一定時間の間遮断する情報制御装置。
(2)上記(1)の情報制御装置において、前記ゲート回路にさらに前記メモリのアドレスデコード回路を備え、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した際のアドレス情報を前記ゲート回路のアドレスデコード回路に供給することにより、前記ゲート回路として、ソフトエラーが発生したアドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断する情報制御装置。
(3)上記(1)または(2)の情報制御装置において、当該情報制御装置が上位装置インタフェースを介して上位装置と接続している場合、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した場合、その旨を前記上位装置に通知し、前記上位装置からの電源供給一時停止指令を前記メモリ制御部で受信した際に、前記メモリ制御部が、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断する情報制御装置。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかの情報制御装置において、前記メモリ制御部が、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断しても、エラー状態が解消しない場合は、前記メモリにハードエラーが発生しているものと判定する情報制御装置。
(5)メモリを内蔵し、メモリ制御部により該メモリへの読み書き動作を制御する情報制御装置におけるメモリエラー復旧制御方法であって、前記メモリ制御部において前記メモリから読み出したデータにソフトエラーを検出した場合、あらかじめ定めた一定時間の間、前記メモリへの電源供給を遮断するメモリエラー復旧制御方法。
(6)上記(5)のメモリエラー復旧制御方法において、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した際のアドレス情報に該当する前記メモリ内のアドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断するメモリエラー復旧制御方法。
(7)上記(5)または(6)のメモリエラー復旧制御方法において、前記情報制御装置が上位装置インタフェースを介して上位装置と接続している場合、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した場合、その旨を前記上位装置に通知し、前記上位装置からの電源供給一時停止指令を受信することにより、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断するメモリエラー復旧制御方法。
(8)上記(5)ないし(7)のいずれかのメモリエラー復旧制御方法において、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断しても、エラー状態が解消しない場合は、前記メモリにハードエラーが発生しているものと判定するメモリエラー復旧制御方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報制御装置およびメモリエラー復旧制御方法によれば、メモリのソフトエラー発生時に、情報制御装置全体の電源をOFFにするために、サービスを提供する情報制御装置の交換を行わなくとも、メモリのみの電源供給を一定時間の間OFFした後ONすることにより復旧することができるという効果が得られる。その理由は、メモリのソフトエラーは電源を一度OFFしないと改善しないケースが多く、通常、情報制御装置そのものの電源のON/OFFを行う必要があるのに対し、本発明においては、情報制御装置のCPUやメモリ制御部自体の制御により、または、上位装置からの指示により、メモリのみの電源供給のON/OFFを行う機能を有しているので、情報制御装置全体への影響を軽減することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明による情報制御装置およびメモリエラー復旧制御方法の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。
【0010】
図1に、本発明による情報制御装置の構成の一例を示す。図1に示す情報制御装置1は、上位装置20と上位装置インタフェース11を介して接続されている。上位装置20は、上位装置インタフェース11を介して、下位装置の情報制御装置1からのメッセージを終端して、該メッセージに対する応答・指示などを行う。ここで、情報制御装置1は、電源2、GATE回路3、メモリ4、上位メッセージ終端部5、CPU6、メモリ制御部7、電源導通路8、9、10、GATE制御インタフェース12、メモリ制御インタフェース13、14、15を少なくとも含んで構成されている。
【0011】
なお、本発明における情報制御装置は、汎用コンピュータやPCなどの通常の情報処理装置であっても良いし、例えば、電話装置のように、特定のサービスを提供するために、特定の情報を演算したり、加工したりして出力する装置であっても良いし、上位装置20からの情報を一旦蓄積してその情報に基づく制御を行う装置であっても良いし、上位装置20と有線または無線で接続された構成を可能とし、かつ、読み書き動作が可能なメモリを内蔵した装置であれば、如何なる装置であっても構わない。
【0012】
図1において、電源2は、情報制御装置1の各部を動作させる電源回路であり、電源導通路8を介して、上位メッセージ終端部5、CPU6およびメモリ制御部7へ、また、電源導通路9とGATE回路3とを介して、メモリ4へ、それぞれ、電源供給を行う。GATE回路3は、電源導通路9からの電源供給を、後段の電源導通路10へ導通させるか否かを制御する機能を有している。すなわち、GATE制御インタフェース12のGATE制御信号がONの時、GATE回路3がONして、電源導通路10を介して、メモリ4へ電源供給を行う。一方、GATE制御インタフェース12のGATE制御信号がOFFの時は、GATE回路3がOFFし、電源導通路10側への出力を停止し、メモリ4への電源供給は行われない。
【0013】
メモリ4は、PWR(電源供給)、DATA(データ)、ADR(アドレス)、PTY(パリティ)の各入出力端子を有する。PWR(電源供給)から電源供給がなされている状態にある時、メモリ制御部7からの書き込み制御に基づいて、ADR端子からのアドレス情報が示すメモリ4の位置に、DATA、PTY端子から入力されるデータ、パリティを保存する一方、メモリ制御部7からの読み出し制御に基づいて、ADR端子からのアドレス情報が示すメモリ4の位置から、データ、パリティをDATA、PTY端子に読み出す。なお、メモリ制御インタフェース13、14、15は、それぞれ、DATA、ADR、PTYの各入出力端子に接続され、メモリ制御部7との間で、DATA(データ)、ADR(アドレス)、PTY(パリティ)の各信号を転送するインタフェースである。
【0014】
上位メッセージ終端部5は、上位装置20からのメッセージを終端し、後段のCPU6を介して、メモリ制御部7へメッセージ内容を通知する機能を有する。また、逆に、メモリ制御部7からのメッセージを、CPU6を介して、上位装置20へ通知する機能を有する。
【0015】
CPU6は、上位メッセージ終端部5とメモリ制御部7との間に介在し、両者を制御するための制御インタフェースを有している。また、メモリ制御部7は、以下の機能を有している。
(1)メモリ4へのデータ書き込みおよび読み込みの制御を行う。
(2)メモリ4へのデータ書き込み時、パリティを生成して付与する。
(3)メモリ4からのデータ読み出し時、パリティが正しいか否かを確認して、読み出したデータの信頼性を確認する。
(4)GATE制御インタフェース12を介して、GATE回路3をON/OFF制御する機能を有する。GATE制御インタフェース12は、GATE回路3へメモリ制御部7からのGATE制御信号を転送する。
【0016】
(動作の説明)
次に、図1のブロック構成の情報制御装置1の動作について、図2ないし図6を用いて説明する。ここに、図2は、図1の情報制御装置1の通常時におけるメモリ制御用の信号の流れを示す説明図であり、図3は、図1の情報制御装置1のソフトエラー検出時におけるメモリ制御用の信号の流れを示す説明図であり、図4は、図1の情報制御装置1のソフトエラー復旧時におけるメモリ制御用の信号の流れを示す説明図である。また、図5は、図1の情報制御装置1においてソフトエラーを検出するまでの動作手順の一例を示すフローチャートであり、図6は、図1の情報制御装置1においてソフトエラーを復旧するまでの動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0017】
まず、図5のフローチャートを用いて、平常時におけるメモリアクセスとして、ソフトエラーを検出するまで、メモリ4への読み書き動作が正常に行われる場合の動作について説明する。なお、図5の動作が開始されるに先立って、メモリ制御部7は、GATE制御インタフェース12を介して、GATE回路3に対してGATE制御信号としてONを出力して、電源2から電源導通路9、GATE回路3を介して、電源導通路10からメモリ4に電源供給が行われている状態になっている。
【0018】
次に、図5のフローチャートにおいて、メモリ制御部7は、図2の説明図に示すように、GATE回路3に対して、GATE制御信号のデフォルト状態としてONを出力した状態を継続して、メモリ4へデータのライトアクセスをする(書き込みを行う)場合、データのほかに、パリティの生成を行い、メモリ4へパリティ付きでデータを書き込む(ステップS1)。一方、メモリ4からのデータのリードアクセスをする(読み出しを行う)場合、図2の説明図に示すように、メモリ4からデータとパリティとを読み出し(ステップS2)、パリティチェックにより、読み出しデータに異常がないか否かを確認する(ステップS3)。
【0019】
メモリ4への正常な読み書き動作が行われている限り(ステップS3のOKの場合)、ステップS1、S2の動作が継続する。仮に、メモリ制御部7が、パリティエラーを検出した場合(ステップS3のNGの場合)、メモリ4のソフトエラーが発生しているものと判断し、CPU6および上位メッセージ終端部5を介して、上位装置20に対して上位装置インタフェース11によりメモリ4のソフトエラーが発生したことを通知する(ステップS4)。
【0020】
次に、図6のフローチャートを用いて、メモリ4に発生したソフトエラーの復旧動作が行われる場合の動作について説明する。上位装置20は、下位装置の情報制御装置1から上位装置インタフェース11によりメモリ4のソフトエラーが発生した旨の通知を受信すると、下位装置の情報制御装置1のメモリ4にソフトエラーが発生していることを感知する(ステップS11)。上位装置20は、図3の説明図に示すように、下位装置の情報制御装置1のメモリ制御部7に対して、メモリ4の復旧通知すなわち電源供給一時停止指令(あらかじめ定めた一定時間の間、電源供給を遮断する指令)として、メモリ4への電源供給用のGATE回路3のOFF/ON動作を指示する(ステップS12)。このメモリ4の復旧通知は、上位メッセージ終端部5、CPU6を介して、メモリ制御部7へ送信される。
【0021】
メモリ制御部7は、図3の説明図に示すように、メモリ4の復旧通知を受信すると、GATE制御インタフェース12を介して、GATE回路3に対してGATE制御信号としてOFF信号をあらかじめ定めた一定時間の間出力する。GATE回路3は、OFF信号を受信すると、メモリ4への電源供給を停止する(ステップS13)。この結果、メモリ4に発生していたソフトエラーは消滅する。
【0022】
しかる後、メモリ制御部7は、メモリ4への電源供給一時停止指示からあらかじめ定めた一定時間経過後に、図4の説明図に示すように、GATE制御インタフェース12を介して、GATE回路3に対してGATE制御信号としてON信号を出力する(ステップS14)。GATE回路3は、ON信号を受信すると、メモリ4への電源供給を再開し、メモリ4の復旧処理を完了する(ステップS15)。
【0023】
以上のように、メモリ4のソフトエラーが発生した場合、情報制御装置1全体の電源をOFF/ONしなくても、メモリ4のみの電源供給をOFF/ON制御することにより、メモリ4のソフトエラーを復旧させることができる。その理由は、メモリ4のソフトエラーは電源を一度OFFしないと消滅しないケースが多く、通常、情報制御装置1そのものの電源のON/OFF制御を行う必要がある。しかし、図1に示す情報制御装置1においては、上位装置20からの指示により、メモリ制御部7が、メモリ4のみの電源供給をON/OFF制御する機能を有することによって、メモリ4のソフトエラーを復旧させることができるので、情報制御装置1が提供しているサービスへの影響を軽減することができる。
【0024】
(他の実施例)
次に、本発明の他の実施例について説明する。前述した実施例においては、上位装置20からの指示により、GATE回路3へのGATE制御信号をON/OFFする場合を示したが、上位装置20からの指示ではなく、CPU6あるいはメモリ制御部7自身の判断によって、GATE回路3へのGATE制御信号をON/OFFする指示を出力するようにしても良い。
【0025】
また、GATE回路3へのGATE制御信号をON/OFFすることにより、メモリ4全体への電源供給をON/OFF制御する場合を示したが、メモリ4全体ではなく、メモリ制御部7にてパリティエラーを検出した際のアドレス(ADR)に該当するメモリ4のメモリ素子に対してのみ電源供給をON/OFF制御するようにすることも考えられる。この場合、メモリ4のアドレス(ADR)をデコードするアドレスデコード回路をGATE回路3側にも用意する必要があるが、メモリ制御部7がソフトエラーを検出した際のアドレス情報をGATE回路3の前記アドレスデコード回路に供給することにより、ソフトエラーが発生したアドレスのみの電源供給を一定時間の間遮断して、該アドレスのみについてソフトエラーを復旧させる動作を行わせることが可能であり、情報制御装置1が提供するサービスへの影響をより低減することができる。
【0026】
また、前述した実施例においては、メモリ4のソフトエラーが発生した際に、メモリ4への電源供給のON/OFFによって、ソフトエラーが復旧する場合を示している。以下では、ソフトエラーではなく、メモリ4のハードエラーが発生している場合について説明する。ハードエラーの場合は、メモリ4への電源供給のON/OFF制御によっても、正常な状態に復旧することができない。そこで、メモリ4の交換中でも、サービスを継続させることが可能なように、ハードエラーの発生に備えて、メモリ4を2つ具備するようにする。
【0027】
2つのメモリ4のうち、通常時、一方のメモリは、現用として、GATE回路3がON状態となって、電源の供給が行われ、他方のメモリは、GATE回路3がOFF状態になって、電源供給が行われなく、待機状態になっている。ここで、現用として運用している側のメモリにハードエラーが発生した際は、一定時間の間、GATE回路3をOFFにした後、ONに設定して、該一定時間の間、電源供給を停止するが、かかる動作を行っても、固定的なエラーであるが故に、エラー状態は解消されない。
【0028】
したがって、一定時間の間、電源供給を停止しても、エラー状態が解消しない場合は、メモリのハードエラーが発生しているものと判断して、メモリの運用系を切り替えるために、GATE回路3のON、OFF状態を切り替えて、今まで待機中にあったメモリに対して、電源供給を行うとともに、メモリ制御インタフェース13、14、15を切り替えて、メモリ制御部7との間でデータの書き込み、読み出しを行う状態にする。一方、今まで、運用状態にあったメモリは、GATE回路3がOFF状態になって、電源供給が停止するが、このメモリには、永久的なハードエラーが発生している。したがって、メモリの修理を行うために、メモリの交換が行われる。
【0029】
しかし、本実施例においては、メモリを2つ具備する必要があるため、コスト面で不利となるが、2つのメモリに同じデータを記憶させるための2重化機構までは備えなくても良い。
【0030】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による情報制御装置の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】図1の情報制御装置の通常時におけるメモリ制御用の信号の流れを示す説明図である。
【図3】図1の情報制御装置のソフトエラー検出時におけるメモリ制御用の信号の流れを示す説明図である。
【図4】図1の情報制御装置のソフトエラー復旧時におけるメモリ制御用の信号の流れを示す説明図である。
【図5】図1の情報制御装置においてソフトエラーを検出するまでの動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】図1の情報制御装置においてソフトエラーを復旧するまでの動作手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
1 情報制御装置
2 電源
3 GATE回路
4 メモリ
5 上位メッセージ終端部
6 CPU
7 メモリ制御部
8 電源導通路
9 電源導通路
10 電源導通路
11 上位装置インタフェース
12 GATE制御インタフェース
13 メモリ制御インタフェース
14 メモリ制御インタフェース
15 メモリ制御インタフェース
20 上位装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリを内蔵し、メモリ制御部により該メモリへの読み書き動作を制御する情報制御装置において、前記メモリへの電源導通路上に、前記メモリへの電源供給のON/OFFを切り替えるゲート回路を備え、前記メモリ制御部において前記メモリから読み出したデータにソフトエラーを検出した場合、前記ゲート回路を、あらかじめ定めた一定時間の間、OFFにし、前記メモリへの電源供給を該一定時間の間遮断することを特徴とする情報制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報制御装置において、前記ゲート回路にさらに前記メモリのアドレスデコード回路を備え、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した際のアドレス情報を前記ゲート回路のアドレスデコード回路に供給することにより、前記ゲート回路として、ソフトエラーが発生したアドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断することを特徴とする情報制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報制御装置において、当該情報制御装置が上位装置インタフェースを介して上位装置と接続している場合、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した場合、その旨を前記上位装置に通知し、前記上位装置からの電源供給一時停止指令を前記メモリ制御部で受信した際に、前記メモリ制御部が、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断することを特徴とする情報制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報制御装置において、前記メモリ制御部が、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断しても、エラー状態が解消しない場合は、前記メモリにハードエラーが発生しているものと判定することを特徴とする情報制御装置。
【請求項5】
メモリを内蔵し、メモリ制御部により該メモリへの読み書き動作を制御する情報制御装置におけるメモリエラー復旧制御方法であって、前記メモリ制御部において前記メモリから読み出したデータにソフトエラーを検出した場合、あらかじめ定めた一定時間の間、前記メモリへの電源供給を遮断することを特徴とするメモリエラー復旧制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載のメモリエラー復旧制御方法において、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した際のアドレス情報に該当する前記メモリ内のアドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断することを特徴とするメモリエラー復旧制御方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載のメモリエラー復旧制御方法において、前記情報制御装置が上位装置インタフェースを介して上位装置と接続している場合、前記メモリ制御部がソフトエラーを検出した場合、その旨を前記上位装置に通知し、前記上位装置からの電源供給一時停止指令を受信することにより、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断することを特徴とするメモリエラー復旧制御方法。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載のメモリエラー復旧制御方法において、前記メモリまたは前記メモリ内のソフトエラー発生アドレスへの電源供給を前記一定時間の間遮断しても、エラー状態が解消しない場合は、前記メモリにハードエラーが発生しているものと判定することを特徴とするメモリエラー復旧制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−310774(P2007−310774A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141237(P2006−141237)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】