説明

情報取得方法及びコンテンツ記憶装置

【課題】 音楽CD等の記録媒体から取り込んだコンテンツデータに関する付随情報をデータベースから取得することの試行を自動で随時行うことが可能となる情報取得方法、及びコンテンツ記憶装置を提供する。
【解決手段】 音楽CD(記録媒体)21から音楽データ(コンテンツデータ)を取り込む際にデータベースサーバ装置(データベース)3から音楽データに関する付随情報を取得する音楽記憶装置(コンテンツ記憶装置)1は、取り込んだ音楽データに関する付随情報を取得できない場合は、音楽CD21のTOC情報(特定情報)を記憶しておき、記憶したTOC情報を用いて付随情報の取得を随時試行する。データベースサーバ装置3の記憶内容が更新された際に、改めて必要な付随情報を取得することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの情報を記録する音楽CD等の記録媒体から取り込んだコンテンツデータに関する付随情報を取得する情報取得方法、及びコンテンツ記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音楽を記録している記録媒体である音楽CD(Compact Disc)から音楽の情報を読み出し、読み出した音楽の情報をMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)ファイル等のデータ形式の音楽データへ変換し、変換した音楽データをハードディスク等の記憶手段に記憶する技術が用いられている。この技術を用いることにより、音楽CDを保管しておく一方で、大容量の記憶手段を備えたオーディオ再生装置又はパーソナルコンピュータ(PC)等の音楽記憶装置は、多数の音楽CDから取り込んだ音楽データを一括して記憶することが可能となっている。音楽記憶装置が記憶する大量の音楽データを管理する方法として、音楽のタイトル、音楽のアーティスト名、又は音楽CDのアルバム名等、音楽データに関する付随情報を音楽データに関連付けて記憶しておき、付随情報を用いて音楽データを管理する方法が用いられている。通常、付随情報を用いて音楽データが指定され、音楽記憶装置は、指定された音楽データに基づいて音楽を再生する。
【0003】
ところで、音楽データに関する付随情報は音楽CDには記録されていないので、音楽記憶装置は付随情報を別途取得する必要がある。一般に音楽CDは、音楽CDが記録する各音楽の演奏時間に関する情報であるTOC(Table of Contents )情報を記録しており、このTOC情報に基づいて音楽CDを特定する技術が知られている。そこで、音楽CDが記録する各音楽の付随情報を記憶したデータベースを構成しておき、音楽記憶装置は、音楽CDからTOC情報を読み出し、読み出したTOC情報に基づいて音楽CDに係る付随情報をデータベースから検索して取得する技術が開発されている。この技術の例は、例えば特許文献1及び2に開示されている。音楽記憶装置は、音楽CDから取り込んだ音楽データとデータベースから取得した付随情報とを互いに関連付けて記憶する。通常、付随情報を記録したデータベースは、インターネット等の通信ネットワークに接続されたサーバ装置を用いて構成されており、音楽記憶装置は、通信ネットワークを介してデータベースから付随情報を取得する。また、光ディスク等の記録媒体に付随情報を記録することでデータベースを構成することも行われることがある。
【特許文献1】特開2001−110171号公報
【特許文献2】特開2004−145701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発売されて間もない音楽CD等、音楽CDによっては付随情報がデータベースに記録されていないこともある。音楽記憶装置は、このような音楽CDから取り込んだ音楽データに関する付随情報を取得することができないので、付随情報を用いた音楽データの管理を行うことができない。この場合、付随情報を使用者が入力することも可能であるが、この場合は使用者の手間が大きいという問題がある。付随情報を記録したデータベースは更新され続けるので、付随情報の検索を随時行うことで最終的に付随情報を取得できる可能性はある。しかし、音楽CDから読み出すTOC情報を用いて付随情報の検索を行うので、付随情報の検索を行おうとする都度、保管してある音楽CDを持ち出してTOC情報を読み出す必要があり、自動で検索を行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、データベースから付随情報を取得できなかった場合に、付随情報の取得の試行を自動で随時行うことが可能となる情報取得方法、及びコンテンツ記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報取得方法は、コンテンツの情報及び記録内容を特定するための特定情報を記録している記録媒体からコンテンツの情報を読み出し、読み出したコンテンツの情報を所定のデータ形式に変換したコンテンツデータを記憶するコンテンツ記憶装置にて、記録媒体から特定情報を読み出し、コンテンツに関する付随情報を記録するデータベースから、読み出した特定情報に対応する付随情報を取得する方法において、前記コンテンツ記憶装置は、記録媒体から読み出した特定情報に対応する付随情報が前記データベースに記録されている場合に、前記付随情報を前記データベースから取得して、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて前記付随情報を記憶し、記録媒体から読み出した特定情報に対応する付随情報が前記データベースに記録されていない場合に、記録媒体から読み出した特定情報を、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて記憶し、記憶した特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを随時試行することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るコンテンツ記憶装置は、コンテンツの情報及び記録内容を特定するための特定情報を記録している記録媒体からコンテンツの情報を読み出し、読み出したコンテンツの情報を所定のデータ形式に変換したコンテンツデータを記憶する記憶手段と、前記記録媒体から特定情報を読み出す読出手段と、コンテンツに関する付随情報を記録する外部又は内部のデータベースから、前記読出手段が読み出した特定情報に対応する付随情報を取得することを試行する取得手段と、該取得手段が前記付随情報を取得できた場合に、前記取得手段が取得した前記付随情報を、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて記憶する手段とを備えるコンテンツ記憶装置において、前記取得手段が前記付随情報を取得できなかった場合に、記録媒体から前記読出手段が読み出した特定情報を、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて記憶する手段と、該手段が記憶した特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを随時試行する取得再試行手段と、該取得再試行手段が前記付随情報を取得できた場合に、前記取得再試行手段が取得した前記付随情報を、前記特定情報が関連付けられているコンテンツデータに関連付けて記憶する付随情報記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、音楽CD等の記録媒体からコンテンツデータを取り込む際にデータベースからコンテンツデータに関するアルバム名等の付随情報を取得するコンテンツ記憶装置は、記録媒体から取り込んだコンテンツデータに関する付随情報を取得できない場合は、付随情報を取得するために必要な、記録媒体の記録内容を特定するための特定情報を記憶しておき、記憶した特定情報を用いて付随情報の取得を随時試行することにより、データベースに付随情報が記憶されていない場合でも、データベースが更新された際に、改めて必要な付随情報を取得することが可能となる。
【0009】
本発明に係るコンテンツ記憶装置は、前記取得手段が前記付随情報を取得できなかった場合に、仮の内容でなる仮付随情報を作成する手段と、該手段が作成した仮付随情報を、前記特定情報が関連付けられているコンテンツデータに関連付けて記憶する手段とを更に備え、前記付随情報記憶手段は、前記コンテンツデータに関連付けられている仮付随情報を前記取得再試行手段が取得した前記付随情報で置換する手段を有することを特徴とする。
【0010】
また本発明においては、コンテンツ記憶装置が付随情報を取得できない場合に、日付等の仮の内容からなる仮付随情報をコンテンツデータに関連付けておき、付随情報を取得できた場合に、取得した付随情報で仮付随情報を置換する。
【0011】
本発明に係るコンテンツ記憶装置は、前記取得手段が前記付随情報を取得できなかった場合に、前記付随情報の一部又は全部の内容を入力される手段と、該手段が入力された内容でなる入力付随情報を、前記特定情報が関連付けられているコンテンツデータに関連付けて記憶する手段と、前記取得再試行手段が前記付随情報を取得できた場合に、入力付随情報が関連付けられているコンテンツデータに前記付随情報記憶手段が前記付随情報を関連付けることを制限する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0012】
また本発明においては、コンテンツ記憶装置が付随情報を取得できない場合に、使用者が入力した内容からなる入力付随情報をコンテンツデータに関連付けておき、付随情報を取得できた場合に、入力付随情報が関連付けられているコンテンツデータについては、取得した付随情報を入力付随情報の代わりに関連付けることを制限し、使用者が入力した内容からなる入力付随情報がコンテンツデータに関連付けられた状態を残すことを可能にする。
【0013】
本発明に係るコンテンツ記憶装置は、前記取得再試行手段が特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを試行する都度、前記付随情報を取得することを試行した回数に関する回数情報を前記特定情報に関連付けて記憶する手段と、該手段が記憶する前記回数情報の内容に応じて、前記取得再試行手段が前記特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを試行する頻度を調整する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0014】
更に本発明においては、コンテンツデータに関する付随情報をデータベースから取得することを試行した回数に関する回数情報を記憶しておき、回数情報の内容に応じて、コンテンツデータに関する付随情報をデータベースから取得することを試行する頻度を調整することにより、試行回数が多いコンテンツデータについては、付随情報の取得を試行する頻度を下げることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、コンテンツ記憶装置は、記憶している記録媒体の特定情報を用いてコンテンツデータに関する付随情報の取得の試行を随時行うことができるので、保管してある音楽CD等の記録媒体を持ち出すことなく、使用者に手間をかけさせずに容易に付随情報を取得することが可能となる。
【0016】
また本発明にあっては、コンテンツ記憶装置が付随情報を取得できない場合に、日付等の仮の内容からなる仮付随情報を音楽データに関連付けておくことにより、付随情報が未取得の状態であっても、仮付随情報を利用して音楽データを管理することが可能となる。
【0017】
また本発明にあっては、コンテンツ記憶装置が付随情報を取得した後でも、使用者が入力した内容からなる入力付随情報がコンテンツデータに関連付けられた状態を残すことが可能となるので、使用者が手動で入力した入力付随情報を用いて音楽データを管理することが可能となる。
【0018】
更に本発明にあっては、付随情報の取得を試行した試行回数が多いコンテンツデータは、音楽CD等の記録媒体の流通量が少ない等の理由によって、このコンテンツデータに関する付随情報はデータベースサーバには将来にわたって記憶されることがない可能性が高いので、付随情報の取得を試行する頻度を下げることにより、コンテンツ記憶装置の処理速度を向上させることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。以下の実施の形態では、本発明のコンテンツ記憶装置の例として、音楽CDから取り込んだ音楽データを記憶する音楽記憶装置を主に示しながら本発明を説明する。
【0020】
図1は、本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置1の内部の機能構成を示す機能ブロック図である。音楽記憶装置1は、オーディオ再生装置又はPCを用いて構成されており、演算を行うCPU11と、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するRAM12と、制御プログラムを記憶するROM13とを記憶している。CPU11は、ROM13が記憶する制御プログラムに従って、音楽記憶装置1の動作を制御する処理を行う構成となっている。
【0021】
また音楽記憶装置1は、本発明に係る記録媒体である音楽CD21を受け入れることができるドライブ部(読出手段)14と、ハードディスク等の記憶部(記憶手段、付随情報記憶手段)15とを備えている。ドライブ部14は、受け入れた音楽CD21が記録している音楽(コンテンツ)の情報を読み出し、CPU11は、読み出した音楽の情報をMP3ファイル等のデータ形式の音楽データ(コンテンツデータ)へ変換し、記憶部15は、音楽データを記憶する構成となっている。なお、制御プログラムの一部又は全部を記憶部15が記憶しておき、CPU11は、必要に応じて記憶部15からRAM12へロードした制御プログラムに従って処理を行う形態であってもよい。
【0022】
また音楽記憶装置1は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部16と、テンキー等の各種のスイッチでなり、使用者が操作することによって各種の処理指示を受け付ける操作部17とを備えている。なお、表示部16及び操作部17は、タッチパネルを用いた構成であってもよい。また音楽記憶装置1は、図示しないリモートコントローラからの信号を受信可能とし、使用者がリモートコントローラを操作することによって各種の処理指示を受け付ける形態であってもよい。
【0023】
また音楽記憶装置1は、外部の通信ネットワークNに接続された通信部18を備えている。通信部18は、通信ネットワークNとの間で各種の情報を交換する構成となっている。更に音楽記憶装置1は、記憶部15が記憶する音楽データに基づいて音楽を再生するための処理を行う再生処理部19を備えている。再生処理部19には、スピーカ22,22が接続されており、再生処理部19は、記憶部15が記憶している音楽データをデコードしてDA変換した音声データをスピーカ22,22へ出力して、スピーカ22,22に音声を発生させることにより、音楽データに基づいた音楽を再生する処理を行う。なお、音楽を再生するための処理の一部をCPU11が実行する形態であってもよい。
【0024】
通信ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN( Wide Area Network)又はインターネット等からなる。通信ネットワークNには、サーバ装置を用いてなるデータベースサーバ装置3が接続されている。データベースサーバ装置3は、音楽記憶装置1が音楽CDから取り込む音楽データに関する音楽のタイトル、音楽のアーティスト名、又は音楽CDのアルバム名等の付随情報を記憶しており、本発明に係るデータベースを構成している。音楽CD21は、記録している音楽の内容を特定するための特定情報としてTOC情報を記録している。データベースサーバ装置3は、音楽CDのTOC情報又はTOC情報に対応した音楽CDの識別情報に関連付けて音楽データの付随情報を記憶しており、TOC情報に基づいて、そのTOC情報を記録している音楽CDから取り込める音楽データの付随情報を検索することができる構成となっている。データベースサーバ装置3の記憶内容は、新規の音楽CDに係る付随情報が追加されることによって、随時更新されている。
【0025】
次に、以上の構成でなる音楽記憶装置1が行う処理を説明する。音楽記憶装置1は、ドライブ部14で受け入れた音楽CD21から音楽データを取り込み、音楽データに関する付随情報をデータベースサーバ装置3から取得する処理を行う。図2及び図3は、本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置1が音楽データの記憶及び付随情報の取得を行う処理の手順を示すフローチャートである。音楽記憶装置1のCPU11は、ROM13が記憶する制御プログラムに従って以下の処理を実行する。
【0026】
音楽記憶装置1のCPU11は、音楽データをまだ取り込んでいない音楽CD21をドライブ部14で受け入れた状態で、操作部17を使用者が操作することによる、音楽データの取り込み指示の受付を待ち受ける(S101)。音楽データの取り込み指示の受付がない場合は(S101:NO)、CPU11は、音楽データの取り込み指示の受付の待ち受けを続行する。音楽データの取り込み指示を操作部17で受け付けた場合は(S101:YES)、CPU11は、ドライブ部14に音楽CD21から音楽の情報を読み出させ、読み出した音楽の情報をMP3ファイル等のデータ形式の音楽データへ変換し、変換した音楽データを記憶部15に記憶させる(S102)。CPU11は、次に、音楽CD21が記録しているTOC情報をドライブ部14に読み出させ(S103)、読み出したTOC情報、及び当該TOC情報に対応する付随情報の検索要求を、通信部18に、通信ネットワークNを介してデータベースサーバ装置3へ送信させる(S104)。このようにしてCPU11及び通信部18は、本発明に係る取得手段として機能する。
【0027】
データベースサーバ装置3は、音楽記憶装置1から通信ネットワークNを介して送信されたTOC情報及び検索要求を受信し(S105)、記憶している付随情報の中から、受信したTOC情報に対応する付随情報を検索する(S106)。データベースサーバ装置3がTOC情報に関連付けて付随情報を記憶している形態の場合は、データベースサーバ装置3は、受信したTOC情報に関連付けられた付随情報を検索する。またTOC情報に対応した音楽CDの識別情報に関連付けてデータベースサーバ装置3が音楽データの付随情報を記憶している形態の場合は、データベースサーバ装置3は、受信したTOC情報に基づいて音楽CD21の識別情報を検索し、更に、検索した識別情報に関連付けられた付随情報を検索する。このようにして、データベースサーバ装置3は、音楽記憶装置1が音楽CD21から取り込んだ音楽データに関する付随情報を検索する。データベースサーバ装置3は、次に、通信ネットワークNを介して、検索結果を音楽記憶装置1へ送信する(S107)。このとき、データベースサーバ装置3は、受信したTOC情報に対応する付随情報を探し当てた場合は、探し当てた付随情報を送信し、受信したTOC情報に対応する付随情報を探し当てられなかった場合は、付随情報がないことを示す情報を送信する。
【0028】
音楽記憶装置1は、データベースサーバ装置3から送信された検索結果を通信部18で受信する(S108)。CPU11は、次に、音楽CD21から取り込んだ音楽データに関する付随情報を取得できたか否かを判定する(S109)。受信した検索結果が付随情報であって、付随情報を取得できた場合は(S109:YES)、CPU11は、タイトル名、アーティスト名又はアルバム名等の受信した付随情報、及び音楽データに関する付随情報を取得できた状態を表す状態情報を、音楽CD21から取り込んだ音楽データに関連付けて記憶部15に記憶させ(S110)、処理を終了する。
【0029】
ステップS109で、受信した検索結果が付随情報がないことを示す情報であって、付随情報を取得できなかった場合は(S109:NO)、CPU11は、タイトル名、アーティスト名又はアルバム名等の付随情報の内容が仮の内容でなる仮付随情報を作成する(S111)。ここで、CPU11は、日付、又は音楽データを作成した順番等を付随情報の仮の内容とすることで、仮付随情報を作成する。CPU11は、次に、作成した仮付随情報、付随情報を取得できていない状態であることを表す状態情報、付随情報の取得の試行を1回行ったことを示す回数情報、及び音楽CD21から読み出したTOC情報を、音楽CD21から取り込んだ音楽データに関連付けて記憶部15に記憶させる(S112)。CPU11は、次に、作成した仮付随情報の内容を表示部16に表示させ、使用者が操作部17を操作して仮付随情報の内容を書き換えるべく付随情報の内容を入力することによる、付随情報を取得できなかった音楽データに関する付随情報の一部又は全部の内容が入力されることを待ち受ける(S113)。付随情報の内容の入力がなかった場合は(S113:NO)、CPU11は、処理を終了する。付随情報の内容が操作部17に入力された場合は(S113:YES)、CPU11は、入力された内容でなる入力付随情報、及び入力付随情報が関連付けられている状態を表す状態情報を、音楽CD21から取り込んだ音楽データに関連付けて記憶部15に記憶させ(S114)、処理を終了する。
【0030】
図4は、音楽記憶装置1が記憶部15に記憶する記憶内容の例を概念的に示す概念図である。各音楽データは、取り込み元の音楽CD単位でまとめて記録されている。付随情報を取得済みである状態を表す状態情報が関連付けられている音楽データには、アルバム名、アーティスト名又はタイトル等のデータベースサーバ装置3から取得した付随情報が関連付けられており、TOC情報は関連付けられていない。また、付随情報が未取得である状態を表す状態情報が関連付けられている音楽データには、回数情報が関連付けられ、更に音楽CD単位で該音楽CDから読み出されたTOC情報が関連付けられている。このうち、入力付随情報がある状態を示す状態情報が関連付けられていない音楽データには、付随情報として、日付等で付随情報の内容を仮に表した仮付随情報が関連付けられている。また、入力付随情報がある状態を示す状態情報が関連付けられている音楽データには、付随情報として、仮付随情報の一部又は全部を置換した入力付随情報が関連付けられている。
【0031】
音楽記憶装置1は、付随情報が関連付けられていない音楽データについて、データベースサーバ装置3から付随情報を取得することの試行を随時実行する。図5及び図6は、本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置1が、付随情報を取得できなかった音楽データについて付随情報の取得を再度試行する処理の手順を示すフローチャートである。音楽記憶装置1のCPU11は、ROM13が記憶する制御プログラムに従って以下の処理を実行する。
【0032】
音楽記憶装置1のCPU11は、付随情報の取得を試行すべき予め定められた日時になったか、前回の試行から所定の時間が経過したか、又は使用者が操作部17を操作して付随情報の取得の試行指示を入力する等による、付随情報の取得を試行する条件となることを待ち受けている(S201)。付随情報の取得を試行する条件になっていない場合は(S201:NO)、CPU11は、付随情報の取得を試行する条件となることの待ち受けを続行する。CPU11は、次に、記憶部15で音楽データに関連付けられている状態情報に基づいて、記憶部15に記憶している音楽データの内で付随情報が未取得である音楽データがあるか否かを判定する(S202)。付随情報が未取得である音楽データがない場合は(S202:NO)、CPU11は、処理を終了する。
【0033】
ステップS202で付随情報が未取得である音楽データがある場合は(S202:YES)、CPU11は、付随情報が未取得である音楽データの中から、一の音楽CD21から取り込んだ一又は複数の音楽データを選択する(S203)。CPU11は次に、選択した音楽データに関連付けられている回数情報に基づいて、付随情報の取得を試行した試行回数が所定回数以上であるか否かを判定する(S204)。付随情報の取得を試行した試行回数が所定回数以上である場合は(S204:YES)、CPU11は、付随情報の取得の試行を実行すべきか否かを判定する(S205)。このときCPU11は、一定の確率で試行を実行するように乱数を用いて判定するか、予め定められた日時である場合に試行を実行するように判定するか、又は使用者が操作部17を操作することにより試行を実行すべきとの指示を受け付けた場合に試行を実行するように判定する等の方法により、判定を行う。付随情報の取得の試行を実行すべきでないと判定した場合は(S205:NO)、CPU11は、付随情報取得の試行を実行せずに、処理を後述するステップS216へ進める。付随情報の取得を試行した試行回数が多い音楽データの場合は、音楽CD21の流通量が少ない等の理由によって、当該音楽データに関する付随情報はデータベースサーバ装置3には将来にわたって記憶されることがない可能性が高いので、付随情報の取得を試行する頻度を下げることにより、処理速度を向上させることができる。
【0034】
ステップS204で付随情報の取得を試行した試行回数が所定回数未満である場合(S204:NO)、又はステップS205で付随情報の取得の試行を実行すべであると判定した場合は(S205:YES)、CPU11は、選択している音楽データに関連付けて記憶部15で記憶しているTOC情報、及び当該TOC情報に対応する付随情報の検索要求を、通信部18に、データベースサーバ装置3へ送信させる(S206)。このようにしてCPU11及び通信部18は、本発明に係る取得再試行手段として機能する。データベースサーバ装置3は、記憶している付随情報の中から、音楽記憶装置1から送信されたTOC情報に対応する付随情報を検索し、検索結果を音楽記憶装置1へ送信する。音楽記憶装置1は、データベースサーバ装置3から送信された検索結果を通信部18で受信し(S207)、CPU11は、選択している音楽データに関する付随情報を取得できたか否かを判定する(S208)。
【0035】
ステップS208で、受信した検索結果が付随情報であって付随情報を取得できた場合は(S208:YES)、CPU11は、選択した音楽データに関連付けられている状態情報に基づいて、音楽データに入力付随情報が関連付けられているか否かを判定する(S209)。音楽データに入力付随情報が関連付けられている場合は(S209:YES)、CPU11は、入力付随情報をデータベースサーバ装置3から受信した付随情報で置換することの許可を求める情報を表示部16に表示させて、使用者が操作部17を操作することによる、入力付随情報を取得した付随情報で置換することの許可の受付を待ち受ける(S210)。置換の許可を操作部17で受け付けた場合は(S210:YES)、CPU11は、選択した音楽データに関連付けて記憶部15に記憶してある入力付随情報及び仮付随情報を、取得した付随情報で置換する(S211)。置換の許可の受付がなかった場合は(S210:NO)、CPU11は、選択した音楽データに関連付けて記憶部15に記憶してある入力付随情報及び仮付随情報の内、入力付随情報を残して、取得した付随情報で仮付随情報を置換する(S212)。
【0036】
ステップS209で音楽データの入力付随情報が関連付けられていない場合は(S209:NO)、CPU11は、選択した音楽データに関連付けて記憶部15に記憶してある仮付随情報を、取得した付随情報で置換する(S213)。ステップS211、ステップS212又はステップS213が終了した後は、CPU11は、選択した音楽データに関連付けられている状態情報を、付随情報が取得済みである状態を表す状態情報へ更新し(S214)、処理を後述するステップS216へ進める。なお、選択した一又は複数の音楽データについて一括して入力付随情報を付随情報で置換することの許可を受け付けるのではなく、各音楽データについて逐一置換の許可を受け付ける処理、又は無条件で入力付随情報を残す処理を行う形態であってもよい。入力付随情報を付随情報で置換することを制限することにより、使用者が手動で入力した入力付随情報を用いて音楽データを管理することが可能となる。
【0037】
ステップS208で、受信した検索結果が付随情報がないことを示す情報であって付随情報を取得できなかった場合は(S208:NO)、CPU11は、付随情報の取得を試行した試行回数を1加算して、選択している音楽データに関連付けられた回数情報を更新する(S215)。ステップS205で付随情報の取得の試行を実行すべきでないと判定した場合(S205:NO)、ステップS214が終了した後、又はステップS215が終了した後は、CPU11は、付随情報が未取得である音楽データの内で、まだ未選択の音楽データがあるか否かを判定する(S216)。まだ未選択の音楽データがある場合は(S216:YES)、CPU11は、処理をステップS203へ戻して、付随情報が未取得でまだ未選択の音楽データを選択する。未選択の音楽データがない場合は(S216:NO)、CPU11は、処理を終了する。
【0038】
以上の処理によって、音楽記憶装置1は、音楽CD21から読み出したTOC情報を用いて、音楽データに関する付随情報の取得を随時試行する。音楽記憶装置1は、取得した付随情報、仮付随情報又は入力付随情報を関連付けて音楽データを記憶部15で記憶し、付随情報を用いた音楽データの指定を受け付け、指定された音楽データに基づいて再生処理部19で音楽を再生する。
【0039】
以上詳述した如く、本発明においては、音楽CD21から音楽データを取り込む際にデータベースサーバ装置3から音楽データに関するアルバム名等の付随情報を取得する音楽記憶装置1は、音楽CD21から取り込んだ音楽データに関する付随情報を取得できない場合は、付随情報を取得するために必要な音楽CD21のTOC情報を記憶しておき、記憶したTOC情報を用いて付随情報の取得を随時試行する。従って、データベースサーバ装置3に付随情報が記憶されていない場合でも、データベースサーバ装置3の記憶内容が更新された際に、音楽記憶装置1は改めて必要な付随情報を取得することができる。このとき、音楽記憶装置1は、記憶しているTOC情報を用いて付随情報の取得の試行を行うことができるので、保管してある音楽CD21を持ち出すことなく、使用者に手間をかけさせずに容易に付随情報を取得することが可能となる。
【0040】
更に本発明においては、音楽記憶装置1が付随情報を取得できない場合に、日付等の仮の内容からなる仮付随情報を音楽データに関連付けておき、付随情報を取得できた場合に、仮付随情報を取得した付随情報で置換する。これにより、付随情報が未取得の状態であっても、仮付随情報を利用して音楽データを管理することができる。
【0041】
なお、本実施の形態においては、本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置1は、ROM13が記憶する制御プログラムに従ってCPU11が主な処理を実行する形態を示したが、音楽記憶装置1は、本発明に係る主な処理を実行するASIC(Application Specific Integrated Circuit )等の専用のハードウェアを備えた形態であってもよい。
【0042】
また本実施の形態においては、音楽記憶装置1に通信ネットワークNを介して接続されたデータベースサーバ装置3を用いて本発明に係るデータベースを構成する形態を示したが、本発明は、これに限るものではなく、音楽記憶装置1が備える記憶部15の記憶容量の一部を用いてデータベースを構成する形態、又は光ディスク等の記録媒体を用いてデータベースを構成しておき、ドライブ部14で記録媒体を読み取ることでデータベースを利用する形態であってもよい。また本実施の形態においては、音楽記憶装置1が内蔵するハードディスク等の記憶部15を本発明に係る記憶手段として用いた形態を示したが、音楽記憶装置1でデータを記憶させた後で音楽記憶装置1から取り出すことが可能な可搬型のハードディスク、光ディスク又は磁気テープ等の記憶媒体を記憶手段として用いてもよい。
【0043】
更に、本実施の形態においては、本発明のコンテンツ記憶装置が音楽データを記憶するする音楽記憶装置である例を示したが、本発明のコンテンツ記憶装置は、これに限るものではなく、コンテンツデータとして静止画像又は動画像を含んだコンテンツデータを記憶する形態であってもよい。また、本発明に係る記録媒体の例として音楽CD21を示しているが、本発明のコンテンツ記憶装置が扱う記録媒体は音楽CDに限るものではなく、SACD(Super Audio CD)、DVD−Audio又はDVD−Video等のその他の記録媒体であってもよい。これらの記録媒体の場合は、記録内容を特定するための特定情報としてTOC情報以外の情報を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置の内部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置が音楽データの記憶及び付随情報の取得を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置が音楽データの記憶及び付随情報の取得を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】音楽記憶装置が記憶部に記憶する記憶内容の例を概念的に示す概念図である。
【図5】本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置が、付随情報を取得できなかった音楽データについて付随情報の取得を再度試行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明のコンテンツ記憶装置である音楽記憶装置が、付随情報を取得できなかった音楽データについて付随情報の取得を再度試行する処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 音楽記憶装置(コンテンツ記憶装置)
11 CPU
14 ドライブ部(読出手段)
15 記憶部(記憶手段、付随情報記憶手段)
18 通信部
21 音楽CD(記録媒体)
3 データベースサーバ装置(データベース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの情報及び記録内容を特定するための特定情報を記録している記録媒体からコンテンツの情報を読み出し、読み出したコンテンツの情報を所定のデータ形式に変換したコンテンツデータを記憶するコンテンツ記憶装置にて、記録媒体から特定情報を読み出し、コンテンツに関する付随情報を記録するデータベースから、読み出した特定情報に対応する付随情報を取得する方法において、
前記コンテンツ記憶装置は、
記録媒体から読み出した特定情報に対応する付随情報が前記データベースに記録されている場合に、前記付随情報を前記データベースから取得して、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて前記付随情報を記憶し、
記録媒体から読み出した特定情報に対応する付随情報が前記データベースに記録されていない場合に、記録媒体から読み出した特定情報を、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて記憶し、
記憶した特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを随時試行すること
を特徴とする情報取得方法。
【請求項2】
コンテンツの情報及び記録内容を特定するための特定情報を記録している記録媒体からコンテンツの情報を読み出し、読み出したコンテンツの情報を所定のデータ形式に変換したコンテンツデータを記憶する記憶手段と、前記記録媒体から特定情報を読み出す読出手段と、コンテンツに関する付随情報を記録する外部又は内部のデータベースから、前記読出手段が読み出した特定情報に対応する付随情報を取得することを試行する取得手段と、該取得手段が前記付随情報を取得できた場合に、前記取得手段が取得した前記付随情報を、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて記憶する手段とを備えるコンテンツ記憶装置において、
前記取得手段が前記付随情報を取得できなかった場合に、記録媒体から前記読出手段が読み出した特定情報を、前記記録媒体から読み出して変換したコンテンツデータに関連付けて記憶する手段と、
該手段が記憶した特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを随時試行する取得再試行手段と、
該取得再試行手段が前記付随情報を取得できた場合に、前記取得再試行手段が取得した前記付随情報を、前記特定情報が関連付けられているコンテンツデータに関連付けて記憶する付随情報記憶手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ記憶装置。
【請求項3】
前記取得手段が前記付随情報を取得できなかった場合に、仮の内容でなる仮付随情報を作成する手段と、
該手段が作成した仮付随情報を、前記特定情報が関連付けられているコンテンツデータに関連付けて記憶する手段とを更に備え、
前記付随情報記憶手段は、前記コンテンツデータに関連付けられている仮付随情報を前記取得再試行手段が取得した前記付随情報で置換する手段を有すること
を特徴とする請求項2に記載のコンテンツ記憶装置。
【請求項4】
前記取得手段が前記付随情報を取得できなかった場合に、前記付随情報の一部又は全部の内容を入力される手段と、
該手段が入力された内容でなる入力付随情報を、前記特定情報が関連付けられているコンテンツデータに関連付けて記憶する手段と、
前記取得再試行手段が前記付随情報を取得できた場合に、入力付随情報が関連付けられているコンテンツデータに前記付随情報記憶手段が前記付随情報を関連付けることを制限する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のコンテンツ記憶装置。
【請求項5】
前記取得再試行手段が特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを試行する都度、前記付随情報を取得することを試行した回数に関する回数情報を前記特定情報に関連付けて記憶する手段と、
該手段が記憶する前記回数情報の内容に応じて、前記取得再試行手段が前記特定情報に対応する付随情報を前記データベースから取得することを試行する頻度を調整する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一つに記載のコンテンツ記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−338814(P2006−338814A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164083(P2005−164083)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】