説明

情報取得装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】対象物に関する情報(対象物の厚さ、素材、表面状態、水分含有量など)を取得する情報取得装置、及び、これを用いた画像形成装置に関するものである。
【解決手段】情報取得装置10は、対象物Pの一部分を加熱する熱源11と、加熱後における対象物Pの温度分布パターンXを取得する赤外線イメージセンサ12と、所定の比較パターンYを格納するメモリ13と、温度分布パターンXと比較パターンYとを比較して対象物Pに関する情報を取得する情報処理部14と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に関する情報(対象物の厚さ、素材、表面状態、水分含有量など)を取得する情報取得装置、及び、これを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンタ、複写機、ファクシミリ、或いは、それらの複合機に代表される画像形成装置には、用紙に関する情報(用紙の厚さ、素材、表面状態、水分含有量など)を取得する用紙情報取得装置として、機械的手法または光学的手法を用いて用紙の厚さを測定する紙厚センサや、可視光線カメラで撮影された用紙の表面写真を解析して用紙の素材や表面状態を把握する画像解析装置などが設けられていた。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−300279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の用紙情報取得装置では、測定結果や解析結果のばらつきが大きく、用紙に関する情報が満足に得られていなかった。
【0006】
本発明は、本願の発明者により見出された上記の問題点に鑑み、対象物に関する情報を満足に取得することが可能な情報取得装置、及び、これを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報取得装置は、対象物の一部分を加熱する熱源と、加熱後における前記対象物の温度分布パターンを取得する赤外線イメージセンサと、所定の比較パターンを格納するメモリと、前記温度分布パターンと前記比較パターンとを比較して前記対象物に関する情報を取得する情報処理部と、を有する構成(第1の構成)とされている。
【0008】
なお、上記第1の構成から成る情報取得装置において、前記熱源は、赤外線ランプ、または、セラミックヒータである構成(第2の構成)にするとよい。
【0009】
また、上記第1または第2の構成から成る情報取得装置において、前記赤外線イメージセンサは、一次元的または二次元的に配列された複数の感熱画素を有する構成(第3の構成)にするとよい。
【0010】
また、上記第3の構成から成る情報取得装置において、前記複数の感熱画素は、いずれも、冷接点と温接点との温度差に応じた相対温度信号を出力する熱電対を含む構成(第4の構成)にするとよい。
【0011】
また、上記第4の構成から成る情報取得装置において、前記赤外線イメージセンサは、前記冷接点が形成される基板と、前記温接点が形成される膜状部材と、を有し、前記基板と前記膜状部材の間は、前記基板に設けられた空洞部を介して熱分離されている構成(第5の構成)にするとよい。
【0012】
また、上記第5の構成から成る情報取得装置において、前記赤外線イメージセンサは、前記基板の温度に応じた絶対温度信号を出力するチップ温度検出部を有する構成(第6の構成)にするとよい。
【0013】
また、上記第4〜第6いずれかの構成から成る情報取得装置において、前記赤外線イメージセンサは、前記複数の感熱画素だけでなく、前記冷接点に印加される基準電圧を生成する基準電圧生成部や、前記冷接点と前記温接点との電位差を増幅して出力するアンプを同一チップに搭載した半導体集積回路装置である構成(第7の構成)にするとよい。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、用紙に関する情報を取得する手段として、上記第1〜第7いずれかの構成から成る情報取得装置を持つ構成(第8の構成)とされている。
【0015】
なお、上記第8の構成から成る画像形成装置において、前記情報取得装置は、未定着のトナー像を担持した前記用紙を加熱してトナー像を定着させる定着ローラよりも用紙搬送路の上流側に設けられており、前記用紙に関する情報に基づいて前記定着ローラの回転速度を調整する構成(第9の構成)にするとよい。
【0016】
また、上記第9の構成から成る画像形成装置において、前記赤外線イメージセンサは、前記用紙の温度分布パターンだけでなく、前記定着ローラ表面の温度分布パターンを取得する構成(第10の構成)にするとよい。
【0017】
また、上記第9の構成から成る画像形成装置において、前記情報取得装置は、前記用紙にインクを吐出するインク吐出ヘッドよりも用紙搬送路の上流側に設けられており、前記用紙に関する情報に基づいて前記インク吐出ヘッドのインク吐出量を調整する構成(第11の構成)にするとよい。
【0018】
また、上記第8〜第11いずれかの構成から成る画像形成装置において、前記熱源は、前記赤外線イメージセンサよりも用紙搬送路の上流側に設けられている構成(第12の構成)にするとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、対象物に関する情報を満足に取得することが可能な情報取得装置、及び、これを用いた画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の要部構成例を示す図
【図2】熱源11の一動作例を示す図
【図3】IRイメージセンサ12の一構成例を示す図
【図4】IRイメージセンサ12に組み込まれた内部回路の一例を示す図
【図5】IRイメージセンサ12の一変形例を示す図
【図6】用紙Pにおける温度分布パターンの一例を示す図
【図7】IRイメージセンサ12の駆動例を示す図
【図8】赤外線センサの種類を示す一覧表
【発明を実施するための形態】
【0021】
<画像形成装置>
図1は、本発明に係る画像形成装置の要部構成例を示す図である。図1で示す通り、本構成例の画像形成装置1は、要部の構成要素として、用紙搬送路2と、転写ドラム3と、定着ローラ4と、を有するほか、本発明に特有の構成要素として、用紙情報取得装置10を有している。また、図1では示されていないが、画像形成装置1には、上記の構成要素以外にも、給紙トレイ、排紙トレイ、表示部、操作部、制御部、及び、通信部などが必要に応じて具備されている。
【0022】
用紙搬送路2は、送りローラ(不図示)などを用いることにより、給紙トレイから転写ドラム3や定着ローラ4を経由して排紙トレイに至る経路で用紙P(紙、布、カードなどの紙葉類全般)を搬送する。なお、図中の白抜き矢印は用紙Pの搬送方向を示している。
【0023】
転写ドラム3は、その表面上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を用紙Pに転写する。
【0024】
定着ローラ4は、未定着のトナー像を担持した用紙Pをヒータ4aで加熱し、トナー像を定着させる。
【0025】
なお、用紙搬送路2における用紙Pの搬送動作、転写ドラム3におけるトナー像の転写動作、及び、定着ローラ4におけるトナー像の定着動作は、互いに同期が取られている。
【0026】
用紙情報取得装置10は、転写ドラム3と定着ローラ4との間に設けられており、搬送中の用紙Pに関する用紙情報(用紙Pの厚さ、素材、表面状態、水分含有量、重送の有無など)を取得する。なお、用紙情報取得装置10は、その構成要素として、熱源11と、IR[infrared]イメージセンサ12と、メモリ13と、情報処理部14と、を有する。
【0027】
熱源11は、情報処理部14のオン/オフ制御に応じて、用紙Pの一部分を所定の温度(例えば40℃〜60℃)に加熱する(図2を参照)。熱源11としては、IRランプまたはセラミックヒータを用いることが望ましい。熱源11は、IRイメージセンサ12よりも用紙搬送路2の上流側に設けられている。熱源11とIRイメージセンサ12との相互間の距離dについては、用紙Pが距離dを搬送されている間に、用紙Pの特性や状態に応じた温度分布パターンが生じるように適宜設計すればよい。
【0028】
IRイメージセンサ12は、加熱後における用紙Pの温度分布パターンXを取得して情報処理部14に出力する。なお、IRイメージセンサ12の構成や内部回路については、後ほど詳細に説明する。
【0029】
メモリ13は、所定の比較パターンYを不揮発的に格納する。なお、メモリ13としては、ROM[Read Only Memory]やEEPROM[Electrically Erasable Programmable Read Only Memory]、フラッシュメモリなどを用いることが望ましい。
【0030】
情報処理部14は、IRイメージセンサ12で取得された温度分布パターンXと、メモリ13から読み出された比較パターンYとを比較して用紙情報を取得し、この用紙情報に基づいて定着ローラ4の回転速度を調整する。なお、情報処理部14については、専用マイコンを設けてもよいし、或いは、画像形成装置1の各部を統括制御する主制御部(CPU[Central Processing Unit]など)の一機能として実現してもよい。
【0031】
<IRイメージセンサ>
図3は、IRイメージセンサ12の一構成例を示す図であり、図4は、IRイメージセンサ12に組み込まれた内部回路の一例を示す図である。
【0032】
図3及び図4で示したように、IRイメージセンサ12は、IRピクセル列121と、デコーダ122と、カウンタ123と、アンプ124と、基準電圧生成部125と、クロック生成部126と、リセット制御部127と、チップ温度検出部128と、を同一チップに搭載した半導体集積回路装置である。このように、IRピクセル列121を始めとして、用紙Pの温度分布パターンを取得するために必要な周辺回路を同一チップに搭載することにより、部品コストを削減することが可能となる。
【0033】
IRピクセル列121は、用紙Pの幅方向に沿って一次元的に配列された複数(例えば8〜16個)の感熱画素Aを含む。複数の感熱画素Aは、いずれも、冷接点と温接点との温度差に応じた相対温度信号X1を出力するサーモパイル(複数の熱電対を直列または並列に接続したもの)を含む。このような構成であれば、各感熱画素Aで生じた起電圧を相対温度信号X1として読み出すことにより、用紙P表面のIR画像(温度分布パターン)を取得することができる。なお、本構成例では、複数の感熱画素Aを一次元的に配列した構成を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、複数の感熱画素Aを二次元的に配列した構成としても構わない。また、本構成例では、用紙Pの幅全体を単一のIRイメージセンサ12でカバーする構成を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、図5で示したように、用紙Pの幅全体を2つのIRイメージセンサ12で分割カバーする構成としても構わない。
【0034】
感熱画素Aのデバイス構造について具体的に述べる。IRイメージセンサ12は、図3で示したように、その表面が冷接点形成領域A4(非感熱領域)とされる基板A1と、その表面が温接点形成領域A5(感熱領域)とされる膜状部材A2(例えばSiNメンブレン)と、を有する。基板A1と膜状部材A2との間は、基板A1に設けられた空洞部A3を介して熱分離されている。このようなデバイス構造を採用したことにより、環境温度の変化に依ることなく、用紙Pの温度分布パターンを適切に取得することが可能となる。また、本構成例のIRイメージセンサ12であれば、ペルチェ素子による冷却処理が不要なので、IRイメージセンサ12の消費電力を低く抑えることも可能となる。なお、上記のデバイス構造については、MEMS[Micro Electro Mechanical Systems]技術を用いて実現すればよい。
【0035】
デコーダ122は、情報処理部14からの指示に基づき、カウンタ123のカウント動作に同期して、複数の感熱画素Aで各々生じた起電圧をシリアル信号として出力する。
【0036】
カウンタ123は、クロック生成部125で生成された内部クロック信号のパルスをカウントし、そのカウント値をデコーダ122に出力する。
【0037】
アンプ124は、IRピクセル列121からデコーダ122経由で非反転入力端(+)に入力される感熱画素Aの出力電圧(温接点電位)と、基準電圧生成部125から反転入力端(−)に入力される基準電圧(冷接点電位)との電位差(感熱画素Aの起電圧)を増幅し、その増幅信号を相対温度信号X1として出力する。なお、相対温度信号X1は、アナログ/デジタル変換部15を介して情報処理部14に送出される。
【0038】
基準電圧生成部125は、基板A1(冷接点)に印加される基準電圧を生成する。
【0039】
クロック生成部126は、情報処理部14からの外部クロック信号に同期した内部クロック信号を生成し、この内部クロック信号をカウンタ123に出力する。
【0040】
リセット制御部127は、外部からのリセット信号を受け付けてクロック生成部126の動作をリセットする。
【0041】
チップ温度検出部128は、サーミスタなどを用いて基板A1の温度に応じた絶対温度信号X2を出力する。なお、絶対温度信号X2は、アナログ/デジタル変換部15を介して情報処理部14に送出される。この絶対温度信号X2は、情報処理部14での温度補正に利用される。
【0042】
<温度分布パターン>
図6は、用紙Pにおける温度分布パターンの一例を示す図である。一般に、紙は熱を通しやすい性質を持っている。しかしながら、用紙Pに一定の熱量を与えた場合でも、用紙Pの厚さ、素材、表面状態(切り離し用ミシン目の有無、電子チップの埋設有無など)、水分含有量、重送の有無などに応じて、用紙Pの表面温度や温度分布パターンには、大きなばらつきが生じる。このような温度ばらつきは、定着ローラ4での定着ムラを招く要因となるので、印刷品位の向上を図るためには、用紙Pの特性や状態に応じて定着ローラ4の回転速度(定着速度)を調整することが重要となる。
【0043】
そこで、本発明に係る画像形成装置1では、用紙Pの上記特性(厚さや表面状態によって温度の伝わり方が違うという特性)を逆手に取り、定着ローラ4での定着処理に先立って、用紙Pに一定の熱量(定着処理に支障を来さない程度の熱量)を与えた後、用紙Pの表面温度や温度分布パターンをモニタリングすることにより、用紙Pの特性や状態を把握するという手法が採用されている。
【0044】
具体的には、IRイメージセンサ12で取得された温度分布パターンXが標準の比較パターンY(所定の規格に準拠した標準用紙の温度分布パターン)と一致していた場合(図6の上段を参照)には、定着ローラ4の回転速度を標準値に設定する一方、温度分布パターンXが標準の比較パターンYよりも狭かった場合(図6の中段を参照)には、定着ローラ4の回転速度を標準値よりも遅めに設定するといったフィードバック制御を行うことが考えられる。また、IRイメージセンサ12で取得された温度分布パターンXが特定の比較パターンY(例えば重送発生時の温度分布パターン)と一致していた場合(図6の下段を参照)には、画像形成処理を停止して重送発生の報知処理を行うことも考えられる。その他、具体的な温度分布パターンは例示しないが、特性や表面状態の異なる用紙毎に各々対応した比較パターンYを予め用意しておくことにより、よりきめ細かな定着速度の調整を行うことが可能となる。
【0045】
また、用紙情報取得装置10で取得された用紙情報(搬送された用紙Pの内訳)を履歴として残しておけば、メンテナンスの効率化や運用の適正化を図る際の一指標として、有用に利用することが可能である。
【0046】
<発展応用例>
図7は、IRイメージセンサ12の駆動例を示す図である。用紙Pに転写されたトナー像を加熱して定着させる電子写真方式の画像形成装置1において、最適な画像品質を実現するためには、定着ローラ4の表面温度を均一化しておくことが望ましい。そこで、本構成例のIRイメージセンサ12は、用紙Pの温度分布パターンだけでなく、定着ローラ4表面の温度分布パターンを取得し得るように、回転駆動することが可能な構成とされている。具体的には、用紙PがIRイメージセンサ12の配設位置に到達するまでは、感熱素子Aが定着ローラ4の表面に向けられ、用紙PがIRイメージセンサ12の配設位置に到達すると、感熱素子Aが用紙Pの表面に向けられる。このような構成とすることにより、定着ローラ4の表面に複数のサーミスタを並べた従来技術と比べて、定着ローラ4表面の温度分布パターンを容易にかつ高解像度で取得することが可能となる。なお、定着ローラ4表面の温度分布パターンに異常が生じている場合には、定着ローラ4のクリーニングを行ったり、定着ローラ4の回転速度を落としたりすればよい。
【0047】
なお、図7では、単一のIRイメージセンサ12を用いて、用紙Pの温度分布パターンと定着ローラ4表面の温度分布パターンの双方を時分割で取得する構成を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、定着ローラ4表面の温度分布パターンのみを取得する専用のIRイメージセンサを別途設けても構わない。
【0048】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、画像形成装置1に搭載される用紙情報取得装置10に本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、その他の用途に供される情報取得装置にも広く適用することが可能であり、情報取得装置によって取り扱われる対象物は、必ずしも用紙に限定されるものではない。
【0049】
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0050】
例えば、上記実施形態では、転写ドラム3と定着ローラ4との間に用紙情報取得装置10を設けた構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、いかなる位置に用紙情報取得装置10を設けても構わない。例えば、用紙情報取得装置をレーザプリンタなどに搭載し、用紙の特性に応じて定着ローラの回転速度を調整する場合には、定着ローラよりも用紙搬送路の上流側でありさえすれば、いかなる位置に用紙情報取得装置を設けてもよく、また、用紙情報取得装置をインクジェットプリンタに搭載し、用紙の特性に応じてインク吐出量を調整する場合には、インク吐出ヘッドよりも用紙搬送路の上流側でありさえすれば、いかなる位置に用紙情報取得装置を設けてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、用紙情報取得装置10のみを用いて、用紙Pに関する情報を取得する構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、既存の紙厚センサや画像解析装置を併用しても構わない。
【0052】
また、上記実施形態では、IRイメージセンサ12の感熱素子としてサーモパイルを用いた構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、図8で例示する他方式の感熱素子を用いても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る情報取得装置は、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ、或いは、それらの複合機に代表される画像形成装置に搭載されて用紙に関する情報を取得する用紙情報取得装置として利用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 画像形成装置
2 用紙搬送路
3 転写ドラム
4 定着ローラ
4a ヒータ
10 用紙情報取得装置
11 熱源(赤外線ランプ、セラミックヒータ)
12 IRイメージセンサ
121 IRピクセル列
122 デコーダ
123 カウンタ
124 アンプ
125 基準電圧生成部
126 クロック生成部
127 リセット制御部
128 チップ温度検出部(サーミスタ)
13 メモリ
14 情報処理部(CPU)
15、16 アナログ/デジタル変換部(ADC)
P 用紙(対象物)
A 感熱画素(サーモパイル)
A1 基板
A2 膜状部材(SiNメンブレン)
A3 空洞部
A4 冷接点形成領域(非感熱領域)
A5 温接点形成領域(感熱領域)
X 温度分布パターン
X1 相対温度信号
X2 絶対温度信号(チップ温度信号)
Y 比較パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の一部分を加熱する熱源と、
加熱後における前記対象物の温度分布パターンを取得する赤外線イメージセンサと、
所定の比較パターンを格納するメモリと、
前記温度分布パターンと前記比較パターンとを比較して前記対象物に関する情報を取得する情報処理部と、
を有することを特徴とする情報取得装置。
【請求項2】
前記熱源は、赤外線ランプ、または、セラミックヒータであることを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置。
【請求項3】
前記赤外線イメージセンサは、一次元的または二次元的に配列された複数の感熱画素を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報取得装置。
【請求項4】
前記複数の感熱画素は、いずれも、冷接点と温接点との温度差に応じた相対温度信号を出力する熱電対を含むことを特徴とする請求項3に記載の情報取得装置。
【請求項5】
前記赤外線イメージセンサは、前記冷接点が形成される基板と、前記温接点が形成される膜状部材と、を有し、
前記基板と前記膜状部材との間は、前記基板に設けられた空洞部を介して熱分離されていることを特徴とする請求項4に記載の情報取得装置。
【請求項6】
前記赤外線イメージセンサは、前記基板の温度に応じた絶対温度信号を出力するチップ温度検出部を有することを特徴とする請求項5に記載の情報取得装置。
【請求項7】
前記赤外線イメージセンサは、前記複数の感熱画素だけでなく、前記冷接点に印加される基準電圧を生成する基準電圧生成部や、前記冷接点と前記温接点との電位差を増幅して出力するアンプを同一チップに搭載した半導体集積回路装置であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の情報取得装置。
【請求項8】
用紙に関する情報を取得する手段として、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の情報取得装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記情報取得装置は、未定着のトナー像を担持した前記用紙を加熱してトナー像を定着させる定着ローラよりも用紙搬送路の上流側に設けられており、前記用紙に関する情報に基づいて前記定着ローラの回転速度を調整することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記赤外線イメージセンサは、前記用紙の温度分布パターンだけでなく、前記定着ローラ表面の温度分布パターンを取得することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記情報取得装置は、前記用紙にインクを吐出するインク吐出ヘッドよりも用紙搬送路の上流側に設けられており、前記用紙に関する情報に基づいて前記インク吐出ヘッドのインク吐出量を調整することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記熱源は、前記赤外線イメージセンサよりも用紙搬送路の上流側に設けられていることを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−127754(P2012−127754A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278373(P2010−278373)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】