説明

情報受信装置、情報受信方法、情報受信プログラム、および情報配信システム

【課題】個人情報を過度に用いることなく、ある通信手段を介して配信されるコンテンツを他の異なる通信手段を介して提供される場合であっても、適切に当該コンテンツを受信する。
【解決手段】電波を送出する放送局2(無線局)の放送範囲内にIP通信網10(電波とは異なる通信手段)を介してコンテンツ提供を行う放送局ポータルサーバ3(情報配信装置)から受信するコンテンツについて、複数の放送局2の電波の受信状況および自己の位置情報に基づいて出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定手段と、コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて、放送局ポータルサーバ3へコンテンツ配信要求を行う通信制御手段と、有する受信装置5(情報受信装置)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報受信装置、情報受信方法、情報受信プログラム、情報配信管理装置、および情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送局が地上デジタル放送で提供する放送コンテンツをIP(Internet Protocol)通信網を介して再送信する場合において、電波法、または著作権法上の問題から放送コンテンツの受信可能エリアを当該放送局の放送範囲に限定する必要がある。そのための限定方法として、たとえば、IP通信網を介して放送コンテンツを受信可能な受信装置に記憶されている地域情報と、当該受信装置のユーザがインターネット接続契約をしたインターネットサービスプロバイダーに登録されている当該ユーザの個人情報から得られる地域情報とを比較し、当該受信装置が設置されている地域が放送局の放送コンテンツを受信することが可能な地域であるか否かを判定し、この判定によりIP通信網を介して放送コンテンツを提供する範囲を当該放送局の放送範囲に限定することが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−329783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される方法では、受信装置のユーザがインターネット接続契約をしたインターネットサービスプロバイダーに登録されている個人情報を必ず用いなければならず、インターネットサービスプロバイダーに対して当該ユーザの個人情報の一部を開示させることが必要となる。そのため、インターネットサービスプロバイダー側で、当該ユーザの個人情報管理方法と、受信装置を使用していないユーザの個人情報管理方法とが異なることも考えられ、インターネットサービスプロバイダー側での個人情報管理が煩雑になる可能性がある。また、上記の理由などから当該ユーザの個人情報の一部を開示させることについて、インターネットサービスプロバイダー側の同意が得られない場合には、当該受信装置が利用可能なインターネットサービスプロバイダーが限られてしまう。その結果、当該受信装置により放送コンテンツの再送信サービスを利用したいと思うユーザは、インターネット接続契約をするインターネットサービスプロバイダーを自由に選択することができなくなる。
【0005】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、個人情報を過度に用いることなく、ある通信手段を介して配信されるコンテンツを他の異なる通信手段を介して提供される場合であっても、適切に当該コンテンツを受信することができる情報受信装置、情報受信方法、情報受信プログラム、および当該情報受信装置に対して適切に当該コンテンツを受信できるようにするための情報配信管理装置、および情報配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面である情報受信装置は、電波を送出する無線局の放送範囲内に電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置から受信するコンテンツについて、複数の無線局の電波の受信状況および自己の位置情報に基づいて、出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定手段と、コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御手段と、を有するものである。
【0007】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、通信制御手段は、複数の無線局からの電波受信状況を取得するための電波状況取得テーブルを有する情報配信管理装置と通信可能であり、コンテンツ出力可否判定手段は、通信制御手段を介して情報配信管理装置へ自己の位置情報を送信し、当該位置情報に基づいて作成された電波状況取得テーブルを受信すると共に、電波状況取得テーブルに含まれる無線局のうち、無線局の電波の受信状況から受信可能であると判定した場合には、当該テーブルに含まれる無線局に対応する情報配信装置からのコンテンツの出力可否について、許可することが好ましい。
【0008】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、コンテンツ出力可否判定手段は、電波状況取得テーブルに含まれる無線局のうち、所定割合の無線局において、電波の受信状況から受信可能であると判定した場合には、当該テーブルに含まれる無線局に対応する情報配信装置からのコンテンツの出力可否についてすべて許可することが好ましい。
【0009】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、コンテンツ出力可否判定手段は、電波状況取得テーブルに含まれる無線局のうち、特定の無線局において、電波の受信状況から受信可能であると判定した場合には、当該テーブルに含まれる無線局に対応する情報配信装置からのコンテンツの出力可否についてすべて許可することが好ましい。
【0010】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、情報配信管理装置は、情報受信装置の位置情報を特定可能な位置情報特定データベースと、無線局の放送範囲を特定可能な放送範囲特定データベースと、を有し、コンテンツ出力可否判定手段は、位置情報特定データベースを参照して自己の位置情報を特定すると共に、放送範囲特定データベースを参照して当該無線局の放送範囲に当該情報受信装置の特定された位置が含まれるか否かにより、当該無線局に対応する情報配信装置から提供されるコンテンツの出力可否を判定することが好ましい。
【0011】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、情報配信管理装置は、無線局の放送範囲における受信感度情報が特定可能な受信感度情報データベースを有し、コンテンツ出力可否判定手段は、自己の設置場所における無線局の電波の受信状況を示す情報と、受信感度情報データベースに記憶されている当該放送局の放送範囲における受信感度情報とに基づいて、当該無線局に対応する情報配信装置から提供されるコンテンツの出力可否を判定することが好ましい。
【0012】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、無線局毎における自己の情報受信装置の受信感度特性情報が記憶された受信感度特性情報データベースを備え、コンテンツ出力可否判定手段は、自己の情報受信装置における無線局の電波の受信状況を示す情報と、受信感度特性情報データベースに記憶されている当該無線局における情報受信装置の受信感度特性情報とに基づいて、当該無線局に対応する情報配信装置から提供されるコンテンツの出力可否を判定することが好ましい。
【0013】
また、本発明の一側面である情報受信方法は、コンテンツ出力可否判定手段、通信制御手段を備え、電波を送出する無線局の放送範囲内に電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置からコンテンツを受信可能である情報受信装置が実行する情報受信方法であって、コンテンツ出力可否判定手段が、情報受信装置における無線局からの電波の受信状況および情報受信装置の位置情報に基づいて、自己の情報受信装置におけるコンテンツの出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定ステップと、通信制御手段が、コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御ステップと、を有するものである。
【0014】
また、本発明の一側面である情報受信プログラムは、コンピュータを、電波を送出する無線局の放送範囲内に電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置から受信するコンテンツについて、複数の無線局の電波の受信状況および情報受信装置の位置情報に基づいて、出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定手段、コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御手段、として機能させるものである。
【0015】
また、本発明の一側面である情報配信管理装置は、電波を送出する無線局の放送範囲内に電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置からのコンテンツの出力可否について判定可能な情報受信装置に対して、情報受信装置から送信されてきた位置情報に基づいて複数の無線局からの電波の受信状況を取得するための電波状況取得テーブルを作成するテーブル作成手段と、テーブル作成手段によって作成された電波状況取得テーブルを情報受信装置に対して送出する通信制御手段と、を有するものである。
【0016】
また、本発明の一側面である情報配信システムは、電波を送出する無線局と、無線局の放送範囲内に、電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置と、情報配信装置から受信するコンテンツについて、複数の無線局の電波の受信状況および自己の位置情報に基づいて、出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定手段、コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御手段を具備する情報受信装置と、情報受信装置から送信されてきた位置情報に基づいて複数の無線局からの電波の受信状況を取得するための電波状況取得テーブルを作成するテーブル作成手段、テーブル作成手段によって作成された電波状況取得テーブルを情報受信装置に対して送出する通信制御手段を具備する情報配信管理装置と、を有するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、個人情報を過度に用いることなく、ある通信手段を介して配信されるコンテンツを他の異なる通信手段を介して提供される場合であっても、適切に当該コンテンツを受信することができる情報受信装置、情報受信方法、情報受信プログラム、および当該情報受信装置に対して適切に当該コンテンツを受信できるようにするための情報配信管理装置、および情報配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例に係る情報配信システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す放送局の全体構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す放送局ポータルサーバの全体構成例を示すブロック図である。
【図4】図3に示す放送局情報DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図5】図3に示すチューナICDBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図6】図1に示す放送局管理サーバの全体構成例を示すブロック図である。
【図7】図6に示す位置情報変換DBに格納されている情報の一例を示す図である。
【図8】図1に示す受信装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図9】図1に示す受信装置と放送局管理サーバとの間で実行される地域特定処理のフローチャートである。
【図10】図1に示す受信装置と放送局管理サーバとの間で実行される出力可否判定処理のフローチャートである。
【図11】図1に示す受信装置と放送局ポータルサーバとの間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。
【図12】図6に示す位置情報変換DBに格納されている情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0020】
まず、本発明の実施例に係る情報配信システム1について説明する。図1は、本発明の実施例に係る情報配信システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報配信システム1は、放送局2、放送局ポータルサーバ3、放送局管理サーバ4、および受信装置5を有している。この情報配信システム1では、放送局2から送出された放送波を受信装置5がアンテナで受信することにより、放送コンテンツを受信することができる。また、受信装置5は、IP通信網10を介して、放送局ポータルサーバ3から上述の放送局2が提供する放送コンテンツおよび/もしくは当該放送コンテンツ以外のコンテンツを受信することができる。なお、図1に示す情報配信システム1の例では、1つの放送局2、当該放送局2に対応する1つの放送局ポータルサーバ3、1つの放送局管理サーバ4、および2つの受信装置5を示したが、その他にも、都道府県単位別または市区町村別の単位などで、複数の放送局2、複数の放送局ポータルサーバ3、複数の放送局管理サーバ4、および3以上の受信装置5を有するように構成されてもよい。また、図1に示す情報配信システム1の例では、1つの放送局2に対して1つの放送局ポータルサーバ3が存在するが、1つの放送局2に対して複数の放送局ポータルサーバ3が存在してもよいし、放送局ポータルサーバ3をもたない放送局2が含まれてもよい。
【0021】
また、この情報配信システム1における受信装置5は、IP通信網10を介し、放送局管理サーバ4との間で当該受信装置5の機器の正当性を認証する処理、当該受信装置5が設置されている地域を特定する処理、当該受信装置5が設置されている地域から各放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツについての出力可否判定処理を行い、これらの処理を実行した後に、放送局ポータルサーバ3に対してコンテンツ配信要求をするものである。なお、IP通信網10は、放送局ポータルサーバ3と受信装置5間の通信を行うための通信網である。このIP通信網10は、たとえば、TCP/IPなどの通信プロトコルを利用したインターネット、CATV、専用線、VPN(仮想LAN)、WANなどのいずれか、もしくはそれらの組み合わせたネットワークで構成されていてもよい。なお、IP通信網10にはIP通信以外の他の通信プロトコルを利用したネットワーク媒体が含まれていてもよい。
【0022】
(放送局の構成)
放送局2は、放送スケジュールに沿って放送番組用のコンテンツをストリームデータとして送出する。また、放送局2は、放送波にデータ放送、EPG(Electronic Program Guide)情報を放送波に重畳して送出することができる。なお、放送局2は、請求項の無線局の一例に相当する。
【0023】
図2は、図1に示す放送局2の全体構成例を示すブロック図である。図2に示すように、放送局2は、コンテンツストリーム作成部21、EPG情報作成部22、データ放送作成部23、MUX(MUltipleXer)部24、放送用コンテンツDB25、放送スケジュールDB26、データ放送用コンテンツDB27、を主要な構成要素としている。ここで、上述したコンテンツストリーム作成部21、EPG情報作成部22、データ放送作成部23、MUX部24の各機能が実現する情報処理は、放送局2全体を制御する制御部28が不図示のハードウェア資源と協働して実行することにより実現される。具体的には、制御部28は、不図示のハードウェア資源であるCPUなどから構成され、当該CPUなどの中央演算処理装置が不図示のROM、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のRAMに読み出して協働して実行することにより実現している。また、上述した放送用コンテンツDB25、放送用スケジュールDB26、データ放送用コンテンツDB27は記憶部29に記憶されており、当該記憶部29は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0024】
コンテンツストリーム作成部21は、放送用コンテンツDB25を参照して放送用コンテンツを作成する。なお、本実施例において、放送用コンテンツは、MPEG2−TS(Motion Photographic Codeing Experts Groupe−2 Transport Stream)規格に準拠して符号化及び多重化されているものとして説明する。MPEG2−TS規格では、伝送されるコンテンツの映像及び音声等は、符号化されたES(Elementary Stream)として生成され、ESを意味のある単位毎にパケット化されたPES(Packetized Elementary Stream)が生成される。更に、PESを分割したTS(Transport Stream)パケットが、放送局2から伝送される。
【0025】
また、各TSパケットのヘッダにPIDと呼ばれる13ビットのパケット識別子を付与することにより、各TSパケットが、放送用コンテンツの映像データ、音声データ、制御データ等のいずれであるのか分類することができる。また、ここでいう制御データとは、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)と呼ばれるデータを指している。SI/PSIのSIは、EPG情報を作成するために必要な情報等を含み、PSIは、基本的な制御をするための情報を含む制御データのことである。なお、TSパケットには、放送局2の意図に反する視聴を防止するための暗号化処理(以下、「スクランブル処理」という)が施されていてもよい。ここで、スクランブル処理の方式としてたとえば、Multi2を使用することができる。このMulti2は、デジタルデータを暗号化する方式の一つであり、BSデジタル放送や地上デジタル放送などでも広く採用されている。なお、放送用コンテンツDB25には、上述した放送用コンテンツの元になる情報が記憶されている。
【0026】
EPG情報作成部22は、放送用スケジュールDB26を参照してEPG情報を作成する。なお、放送用スケジュールDB26には、放送局2の放送スケジュールが記憶されているが、他の放送局2の放送スケジュール情報が記憶されていてもよい。
【0027】
データ放送作成部23は、データ放送用コンテンツDB27から例えば天気予報や番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報を作成する。なお、データ放送に関連する情報も、上述した放送用コンテンツと同様にMPEG2−TS規格に準拠して符号化及び多重化されているものとして説明する。なお、データ放送用コンテンツDB27には、天気予報や番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報以外にも、その番組に関係する後述の放送局ポータルサーバ3が提供するURL(Uniform Resource Locator)情報やP2P(Peer to Peer)方式で利用できる検索クエリ情報が記憶されていてもよい。なお、データ放送作成部23は、これらの情報をあわせてMUX部24に供給する。
【0028】
MUX部24は、コンテンツストリーム作成部21が放送用コンテンツDB25を参照して作成したコンテンツデータと、EPG情報作成部22が放送用スケジュールDB26を参照して作成したEPG情報と、放送作成部23がデータ放送用コンテンツDB27を参照して作成したデータ放送番組データとを多重化した放送データを生成する。そして、当該放送データは、放送局2のアンテナから放送波として送出される。
【0029】
(放送局ポータルサーバの構成)
放送局ポータルサーバ3は、IP通信網10を介して放送局2の放送コンテンツ(いわゆる放送局2のサイマル放送に該当するコンテンツ)、当該コンテンツに関する静止画、音声、動画といった関連コンテンツや、放送コンテンツとは関係なく独自に制作した独自コンテンツ(たとえば、放送局ポータルサーバ3が提供するホームページ、テキスト情報、静止画情報、動画情報)などの放送局2に対応するコンテンツを受信装置5に提供する。なお、放送局ポータルサーバ3は、請求項の情報配信装置の一例に相当する。
【0030】
図3は、図1に示す放送局ポータルサーバ3の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、放送局ポータルサーバ3は、送信可否判定部31、コンテンツ生成部32、通信制御部33、放送局情報DB34、コンテンツDB35、チューナICDB36を主要な構成要素としている。ここで、上述した送信可否判定部31、コンテンツ生成部32、通信制御部33の各機能が実現する情報処理は、放送局ポータルサーバ3全体を制御する制御部37が不図示のハードウェア資源と協働して実行することにより実現される。具体的には、制御部37は、不図示のハードウェア資源であるCPUなどから構成され、当該CPUなどの中央演算処理装置が不図示のROM、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のRAMに読み出して協働して実行することにより実現している。また、上述した放送局情報DB34、コンテンツDB35、チューナICDB36は記憶部38に記憶されており、記憶部38は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0031】
送信可否判定部31は、放送局情報DB34などを参照し、コンテンツ配信要求をしてきた受信装置5についてIP通信網10を介してのコンテンツ配信を許可するか否かの判定をする。送信可否判定部31は、コンテンツ配信要求をしてきた受信装置5が送信してきた後述する電波状況取得テーブルの出力可否判定結果を参照し、IP通信網10を介してのコンテンツ配信ができないと判定した場合には、コンテンツを送信できない旨を当該受信装置5に対して通知する。なお、送信可否判定部31は、コンテンツ配信要求をしてきた受信装置5が送信してきた電波状況取得テーブルの出力可否判定結果を参照し、IP通信網10を介してのコンテンツ配信できると判定した場合には、当該受信装置5に対してコンテンツを送信できる旨を通知すると共に、当該コンテンツ配信要求を許可する信号をコンテンツ生成部32へ供給する。
【0032】
コンテンツ生成部32は、送信可否判定部31からコンテンツ配信要求を許可する信号を受け取ると、コンテンツDB35を参照して、当該受信装置5に対して送信すべきコンテンツを生成する。ここで、受信装置5に対して送信すべきコンテンツとは、受信装置5が要求するコンテンツでもよいし、当該放送番組に連動するコンテンツを生成するようにしてもよい。特定のコンテンツを受信装置5が要求した場合に選択されたコンテンツを生成するようにし、それ以外では番組連動型のコンテンツを自動で生成し、送信するようにしてもよい。通信制御部33は、IP通信網10を介して、受信装置5からのコンテンツ配信要求を受信し、受信装置5へコンテンツを送信する通信インターフェースである。
【0033】
放送局情報DB34は、放送局2に関する情報が格納されているデータベースであり、当該放送局2のラジオ周波数とエリア区分、当該エリア区分における受信レベル条件、および当該放送局ポータルサーバ3がIP通信網10において提供可能な視聴エリアとなる位置情報などが格納されている。
【0034】
図4は、図3に示す放送局情報DB34に少なくとも格納されているデータの一例を示す図である。図4に示すように、放送局情報DB34少なくとも格納されているデータとしては、当該放送局ポータルサーバ3が対応する放送局2の「放送局ID」、「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」などである。「放送局ID」には、情報配信システム1内において、放送局ポータルサーバ3に対応する放送局2を一意に識別できるコードが格納されている。「放送局名」には、放送局ポータルサーバ3に対応する放送局2の名称が格納されている。「コールサイン」には、放送局ポータルサーバ3に対応する放送局2の国際電気通信条約に基づいて発行されている識別番号が格納されている。「放送局ポータルサーバURL」には、放送局ポータルサーバ3のホームページ等のURLが格納されている。したがって、放送局情報DB34では、「放送局ID」を参照すると、当該放送局IDに関連付けられている「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」などが一意に決定される。
【0035】
放送局情報DB34に少なくとも格納されている視聴エリア情報を管理するテーブルには、「都道府県コード」、「市区町村コード」、「郵便番号」、「周波数」、「エリア区分」、「受信レベル条件」などの項目がある。「都道府県コード」には、情報配信システム1内において、日本の都道府県を一意に識別できる番号が格納されている。「市区町村コード」には、情報配信システム1内の「都道府県コード」との組み合わせにより日本の市区町村を一意に識別できる番号が格納されている。「郵便番号」には、「都道府県コード」および「市区町村コード」により一意に特定される地域の郵便番号が格納されている。「周波数」には、「都道府県コード」および「市区町村コード」により特定される地域において受信できる放送局2からの放送波の周波数が格納されている。「エリア区分」には、「都道府県コード」および「市町村コード」で特定された地域において、ある放送局2の「周波数」の受信状況を判定するためのエリア区分を示すフラグ(1、0)が格納されている。なお、当該フラグの値が「0」の場合には、受信可能エリア(受信状態の良い地域であろう放送免許地域)を示し、「1」の場合には、フリンジエリア(受信状態の悪い地域であろう放送免許地域以外)を示す。「受信レベル条件」には、「都道府県コード」および「市町村コード」で特定された地域において、「周波数」によって特定される放送局2から受信するために必要な受信レベル条件の数値が格納されている。なお、「受信レベル条件」に格納されている数値の単位は、mV/mである。
【0036】
したがって、放送局情報DB34では、「都道府県コード」および「市区町村コード」を特定すると、当該コードにより特定される地域の「郵便番号」が特定できると共に、当該地域における放送局2が「周波数」により特定され、当該地域において、「周波数」により特定された放送局2が受信可能エリアであるのか、フリンジエリアであるのかがわかる「エリア区分」および当該地域において放送局2から受信可能となる「受信レベル条件」が一意に特定することができる。また、放送局情報DB34では、「郵便番号」をキーとし、当該「郵便番号」により特定される地域において受信可能である放送局2を「周波数」により特定し、かつ当該地域において、「周波数」により特定された放送局2が受信可能エリアであるのか、フリンジエリアであるのかがわかる「エリア区分」および当該地域において放送局2から受信可能となる「受信レベル条件」を一意に特定することができる。なお、放送局ポータルサーバ3は、IP通信網10を介して、放送局情報DB34に格納されているデータを放送局管理サーバ4へ提供することができる。
【0037】
コンテンツDB35は、種々のコンテンツが格納されているデータベースである。コンテンツDB35に記憶されているコンテンツは放送局2が放送する番組に連動しているものや放送終了後にも接続可能なコンテンツ、また、受信するエリアが限定されないコンテンツ等が記憶されている。具体的なコンテンツの種類としては、静止画、動画、音声等がある。なお、これらの情報は例えばXML(eXtensible Markup Language)やBML(Broadcast Markup Language)等のマークアップ言語で記述されており、このようなマークアップ言語を用いることで、IP通信網10との親和性を良好なものとすることができる。
【0038】
チューナICDB36は、情報配信システム1において使用される受信装置5の機器情報などが少なくとも格納されているデータベースである。受信装置5は、当該受信装置5の製造元、受信装置5に組み込まれているチューナICの種類によって性能が異なり、かつ、当該受信装置5にチューナICを埋め込んだ際のノイズの影響などにより同一の放送局2からの受信感度が製品単位でそれぞれ異なる。そこで、受信装置5の種類毎に、比較可能な受信感度を算出するためのチューナICに関するRSSI(Rceived Signal Strength Indication)やS/N比(SNR:Signal to Noise ratio)などの各種パラメータから算出される係数などが記憶されている。
【0039】
図5は、図3に示すチューナICDB36に格納されているデータの一例を示す図である。図5に示すように、「機器ID」、「製造メーカ名」、「型番」、「ファームバージョン」、「受信レベル算出用係数」が少なくとも格納されている。「機器ID」には、情報配信システム1において、受信装置5が一意に識別できる識別情報が格納されている。「製造メーカ名」には、受信装置5の製造メーカ名が格納されている。「型番」には、受信装置5の製造メーカが決定する型番情報が格納されている。「ファームバーション」には、受信装置5のファームウェアのバージョン情報が格納されている。「受信レベル算出用係数」には、各チューナICに関する各種パラメータの特性に応じて算出される係数が格納されている。したがって、チューナICDB36では、「機器ID」が特定されると、当該「機器ID」に関連付けられた「製造メーカ名」、「型番」、「ファームバージョン」、「受信レベル算出用係数」が一意に決定できる。
【0040】
(放送局管理サーバの構成)
放送局管理サーバ4は、受信装置5を認証する機能、当該受信装置5の設置されている地域を特定する機能、放送局2の放送範囲に対応する地域にのみ当該放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツを出力可能とする機能などを少なくとも有し、情報配信システム1における統括的な管理を行うサーバである。なお、放送局管理サーバ4には、当該情報配信システム1に含まれない放送局2(たとえば、放送局ポータルサーバ3が情報配信システム1に登録されていない放送局2、またはそもそも放送局ポータルサーバ4が存在しない放送局2など)についての情報を有していてもよい。放送局管理サーバ4は、請求項の情報配信管理装置の一例に相当する。
【0041】
図6は、図1に示す放送局管理サーバ4の全体構成例を示すブロック図である。図6に示すように、放送局管理サーバ4は、機器認証部41、地域特定処理部42、テーブル作成部43、通信制御部44、位置情報変換DB45、全放送局情報DB46、チューナIC情報DB47を主要な構成要素としている。ここで、上述した機器認証部41、地域特定処理部42、テーブル作成部43、通信制御部44の各機能が実現する情報処理は、放送局管理サーバ4全体を制御する制御部48が不図示のハードウェア資源と協働して実行することにより実現される。具体的には、制御部48は、不図示のハードウェア資源であるCPUなどから構成され、CPUが不図示のROM、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のRAMに読み出して協働して実行することにより実現している。また、上述した位置情報変換DB45、全放送局情報DB46、チューナIC情報DB47は記憶部49に記憶されており、記憶部49は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0042】
機器認証部41は、受信装置5が情報配信システム1において正当な機器であるか否かを認証する。情報配信システム1では、たとえば、ワンタイムパスワードと同様のタイム・スタンプ方式、またはチャレンジ・レスポンス方式などにより、ワンタイムデバイスIDとして予め発行できる共通の仕組みを受信装置5側および当該機器認証部41側に構築しておき、当該「機器ID」の照合をこれらの装置間で実行することで、受信装置5の機器認証を行うことが可能である。なお、機器認証部41は、チューナIC情報DB47に、上記のワンタイムデバイスID(機器ID)を受信装置5毎に記憶することができる。
【0043】
地域特定処理部42は、受信装置5の設置されている地域を特定する。なお、地域特定処理部42が行う地域特定処理の詳細については、後述する。テーブル作成部43は、受信装置5から送信されてきた位置情報に基づいて当該受信装置が設置されている地域において受信可能な放送局2のリストを作成する。通信制御部44は、受信装置5や、放送局ポータルサーバ4などの外部機器とIP通信網10を介して通信を行うための通信インターフェースである。
【0044】
位置情報変換DB45は、IPアドレスから位置情報が特定できる情報が少なくとも格納されたデータベースである。図7は、図6に示す位置情報変換DB45に格納されている情報の一例を示す図である。図7に示すように、位置情報変換DB45には、「IPアドレス」、「都道府県コード」、「市区町村コード」、「郵便番号」、「都道府県名」、「市区町村名」、「町域名」などが少なくとも格納されている。「IPアドレス」には、グローバルIPアドレスが格納されている。なお、このIPアドレスが格納されている単位は、図7に示すように個別のIPアドレス単位で格納する方法以外に、所定の範囲毎(たとえば、ネットワークアドレス単位など)に格納する方法でもよい。位置情報変換DB45は、請求項の位置情報特定データベースの一例に相当する。
【0045】
全放送局情報DB46は、情報配信システム1に含まれる各放送局2に関するデータが格納されているデータベースであり、放送局ポータルサーバ3の放送局情報DB34と同様に、放送局2のラジオ周波数とエリア区分、当該エリア区分における受信レベル条件、およびIP通信網10を介して提供される放送コンテンツの視聴エリアとなる位置情報などが少なくとも格納されたデータベースである。なお、全放送局情報DB46は、各放送局ポータルサーバ3の放送局情報DB34の集合体であるため、図示を省略する。全放送局情報DB46は、請求項の放送範囲特定データベースの一例、受信感度情報データベースの一例に相当する。
【0046】
チューナIC情報DB47は、放送局ポータルサーバ3のチューナIC情報DB37と同様に、情報配信システム1において使用される受信装置5の機器情報が少なくとも格納されているデータベースである。なお、チューナIC情報DB47は、放送局ポータルサーバ3のチューナIC情報DB37と格納されている情報は同様であるため、図示を省略する。チューナIC情報DB47は、受信感度特性情報データベースの一例に相当する。
【0047】
(受信装置の構成)
受信装置5は、放送局2からの放送波を受信し、受信した放送番組の映像、音声出力やEPG情報の出力を行う。また、受信装置5は、放送局2のアンテナから送出される放送波の受信状況が所定のレベル以上の場合には、放送局ポータルサーバ3がIP通信網10を介して送信した、放送局2が放送波によって送信するコンテンツと同一のコンテンツおよび/もしくは当該コンテンツに関連するコンテンツ、それ以外の異なるコンテンツを出力することができる。なお、受信装置5は、請求項の情報受信装置の一例に相当する。
【0048】
図8は、図1に示す受信装置5の全体構成を示すブロック図である。受信装置5は、たとえばTV放送やラジオ放送を放送局2から受信すると共に、IP通信網10と接続可能に構成されている端末であり、特定の地域に固定されて使用される。また、受信装置5は、放送局2、放送局管理サーバ4、放送局ポータルサーバ3からの受信情報を表示装置6、音声再生装置7へ出力する。なお、本実施例に係る受信装置5は、表示装置6、音声再生装置7とは別個の装置としている。しかし、本発明ではこれに限定するものではなく、受信装置5、表示装置6、音声再生装置7が同じ筐体内に具備されるようなもの、例えばテレビセットとしても良い。また、受信装置5と表示装置6とが同一の筐体内に具備され、音声再生装置7だけが別の筐体内に具備されるような構成であっても良い。つまり、これら3つの受信装置5、表示装置6、音声再生装置7をどのような装置内に具備するのかについては特に限定するものではない。また、受信装置5には録画機能、録音機能を有していてもよい。
【0049】
図8に示すように、受信装置5は、操作入力部51、チューナ52、DEMUX(DEMUltipleXer)部53、デコード部54、映像/音声出力部55、ネットワーク接続部56、受信状況検出部57、登録情報記憶部58、コンテンツ出力可否判定部59、制御部60とを主要な構成要素としている。ここで、制御部60は、CPUなどから構成される受信装置5全体を制御する中央演算処理装置であり、当該CPUが不図示のROM、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のRAMに読み出し、これらのプログラムを実行することにより、操作入力部51、チューナ52、DEMUX部53、デコード部54、映像/音声出力部55、ネットワーク接続部56、受信状況検出部57、登録情報記憶部58、コンテンツ出力可否判定部59の各部と協働して受信装置5の各機能を実現している。
【0050】
操作入力部51は、ユーザからの操作入力(チャンネルの選局指示など)を受け付けて、制御部60へユーザの指示を伝える。操作入力部51は、たとえばリモコンやタッチパネルで構成されるが、音声入力等ができるように構成されてもよい。ユーザは、この操作入力部51を操作することで、受信装置5への操作入力を行うことができる。なお、受信装置5への操作入力は、赤外線などの無線信号(操作信号)を介して受信装置5内に設けられた操作入力部51に入力されるようにしてもよい。ユーザが操作入力部51を用いてチャンネルの選局指示を入力すると、この選局指示内容を示す信号が、操作入力部51および不図示のバスを介して制御部60に入力され、制御部60は、不図示のバスを介してチューナ52に対して、ユーザが選局したチャンネルにチューニング指示を送信する。
【0051】
チューナ52は、制御部60からのチューニング指示により、放送局2の放送波をアンテナで受信し、受信したRF(Radio Frequency)信号を復調し、誤り訂正処理などを行い、TSパケットからなるTS信号をDEMUX部53へ出力する。なお、図8では、チューナ52は、地上デジタル放送を受信するために1つのみ図示したが、アナログ放送、ラジオ放送(アナログ、デジタル)、BS放送(アナログ、デジタル)も受信する場合にはそれらのチューナ52を備え、2つ以上のチューナ52を備えるようにしてもよい。
【0052】
DEMUX部53は、チューナ52からTSパケットからなるTS信号(つまり、送信側の放送局2のMUX部24で映像や音声などの複数のストリームを多重化した放送データ)を、映像や音声などのストリームデータと、SI/PSIなどのセクション形式のデータとに分離する処理を行う。なお、DEMUX部53によって分離された各データは、デコード部54に供給される。
【0053】
デコード部54は、DEMUX部53から供給された放送用コンテンツやEPG情報、データ放送などをデコードし、それぞれオーディオデータ、ビデオデータ、番組データを生成する。デコードして生成されたオーディオデータは、上述の音声再生装置7に供給する。音声再生装置7は、供給されたオーディオデータに対してD/A変換処理を行い、音声信号として出力する。また、デコード部54は、デコードしたビデオデータおよび番組データを、映像/音声出力部55へ供給する。映像/音声出力部55に供給されたデータは、表示装置6および/または音声再生装置7に出力される。また、デコード部54は、ネットワーク接続部56から受信したデータをデコードし、映像/音声出力部55に供給する。デコード部54は、デコードしたこれらのデータを不図示の記憶部に供給する。なお、デコード部54が記憶部に供給するデータは、映像信号、音声信号としてデコードせずに、データ信号としてそのまま供給するようにしてもよい。
【0054】
映像/音声出力部55は、供給された番組データを不図示のRAMに格納する。映像/音声出力部55は、番組データを描画することでEPG情報を生成する。そして、映像/音声出力部55は、デコード部54からのビデオデータに基づいた画面上に、EPG情報に基づいた画面を合成した合成画面を生成し、表示装置6に送出する。表示装置6は、この合成画面を表示する。なお、制御部60からの記憶指示によりデコード部54でデコードしたデータが不図示の記憶部に記憶される。なお、映像/音声出力部55への出力方法は上記に限らず、番組データをRAMに格納しないで表示装置6に直接出力させるようにしてもよい。また、映像/音声出力部55は、ビデオデータに基づいた画面上に、EPG情報に基づいた画面を合成した合成画面とせずに、ビデオデータのみの画面、またはEPG情報のみの画面を表示装置6にそれぞれ出力するようにしてもよい。
【0055】
ネットワーク接続部56は、IP通信網10を介して放送局管理サーバ4と通信を行う通信インターフェースである。ネットワーク接続部56は、放送局ポータルサーバ3、または放送局管理サーバ4からのデータを受信し、デコード部54に当該データを送る。
【0056】
受信状況検出部57は、制御部60からの受信状況検出指示により、放送局2から送出される放送波の受信状況を検出する機能を有する。たとえば、受信状況検出部57は、電界受信強度信号を生成できる電界受信強度信号生成回路(不図示)などから構成され、当該生成回路から得られる値が制御部60に出力されるようにする。当該生成回路としては、たとえば公知のRSSI(Receive Signal Strength Indication)回路を備えさせ、当該RSSI回路から電界受信強度信号を得られるようにすることができる。なお、電界受信強度が検出できればどのような回路であってもよい。上述した電界受信強度信号生成回路から得られる電界受信強度信号を用いることで放送波の受信状況を検出することができる。
【0057】
登録情報記憶部58は、当該受信装置5を使用して情報配信システム1を利用するユーザについての登録情報や当該受信装置5についての機器情報、後述するコンテンツ出力可否判定部59が記憶する電波状況取得テーブルの判定結果情報などが格納されている。なお、ここでいうユーザについての登録情報とは、当該情報配信システム1を利用可能なユーザと関連付けられているIPアドレス、当該ユーザのユーザID、当該ユーザIDに関連付けられたパスワード、当該ユーザの住所、郵便番号、電話番号などである。また、当該受信装置5についての機器情報とは、当該受信装置5の機器種別情報、機器ID情報、シリアル番号などである。
【0058】
コンテンツ出力可否判定部59は、受信装置5が設置されている地域において、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4が提供するコンテンツの出力可否について判定を実行する。なお、出力可否判定部59が行う出力可否判定処理の詳細については後述する。
【0059】
なお、受信装置5は、放送局2から送出される放送波に重畳される放送データにスクランブル処理がなされている場合には、当該スクランブルを解除するデスクランブラ部(不図示)を備えていてもよい。その場合、デスクランブラ部は、制御部60の指示にしたがい、チューナで受信したRF信号に重畳され、スクランブル処理を施されて伝送されてきたTSパケットからなるTS信号を通常の信号へと解除する処理を行う。また、デスクランブラ部は、スクランブル処理が解除されたTSパケットからなるTS信号を、DEMUX部53に供給する。
【0060】
(地域特定処理)
続いて、放送局管理サーバ4と受信装置5の間で実行される地域特定処理について説明する。図9は、図1に示す受信装置5と放送局管理サーバ4との間で実行される地域特定処理のフローチャートである。
【0061】
START:受信装置5の制御部60は、操作入力部51からの操作入力信号が入力されると、以下の処理を開始する。
【0062】
ステップS1:制御部60は、登録情報記憶部58に格納されている当該受信装置5についての機器情報およびユーザについての登録情報を放送局管理サーバ4に対して送信する。具体的には、制御部60は、当該受信装置5の機種情報、当該受信装置5に割り振られているIPアドレス情報、およびユーザの郵便番号情報が放送局管理サーバ4に対して送信する。
【0063】
ステップS2:放送局管理サーバ4の制御部48は、通信制御部44を介してステップ1の情報を受信装置5から受信すると、当該受信装置5がどのような機器であるのかを判定する。具体的には、制御部48は、チューナIC情報DB47を参照し、送信された機器情報から当該受信装置5のどのような受信装置5であるのかを特定する。制御部48は、受信装置5の機器情報から機器種別が特定できた場合には、ステップS3の処理へ移行する。
【0064】
ステップS3:制御部48は、当該受信装置5から送信されてきた位置情報の正当性について確認する処理を行う。具体的には、制御部48は、位置情報変換DB45を参照し、送信されてきたIPアドレス情報から特定される位置と、郵便番号情報から特定される位置を比較し、「都道府県名」、「市区町村名」、「町域名」が一致するか否かにより、受信装置5から送信されてきた位置情報の正当性を確認する。なお、特定された位置を比較して両者が一致していると判定する方法は、上記のように「都道府県名」、「市区町村名」、「町域名」が完全一致すれば両者は一致していると判定する方法以外にも、「都道府県名」、「市区町村名」が一致すれば両者は一致していると判定する方法、「都道府県名」のみ一致すれば両者は一致していると判定する方法が考えられるが、IPアドレスから特定される地域の精度と郵便番号から特定される地域の精度の状況を考慮して適宜選択することが好ましい。
【0065】
ステップS4:制御部48は、ステップS3で比較した結果、受信装置5から送信されてきた位置情報の正当性が確認できた場合には、正当性が確認できた旨を受信装置5に対して送信し、正当性が確認できない場合には、正当性が確認できない旨を受信装置5に対して送信する。
【0066】
ステップS5:受信装置の制御部60は、IP通信網10を介して放送局管理サーバ4から受信した正当性の確認結果を受信し、表示装置6にその確認結果を示す画面を表示し、処理を終了する(END)。
【0067】
このように、放送局管理サーバ4は、上述したステップS3の判定処理により、受信装置5から送信されてきたIPアドレス情報から求められる位置情報と郵便番号情報から求められる位置情報とを比較することで、受信装置が設置されているとされる地域情報の正当性を確認することができる。
【0068】
(出力可否判定処理)
続いて、放送局管理サーバ4と受信装置5の間で実行される出力可否判定処理について説明する。図10は、図1に示す受信装置5と放送局管理サーバ4との間で実行される出力可否判定処理のフローチャートである。なお、以下の処理は、図9に示す地域特定処理と一体となって連続して実行されてもよいし、図9に示す地域特定処理が完了した後に、独立して実行されてもどちらでもよい。
【0069】
START:放送局2から受信している放送コンテンツが、IP通信網10を介して受信できるか否かを知りたい場合や、現在視聴している放送コンテンツの受信方法をIP通信網10に切り替えたい場合などに、ユーザが操作入力部51を操作することによって、受信装置5の制御部60は、以下の処理を開始する。
【0070】
ステップS11:制御部60は、登録情報記憶部58に格納されている当該受信装置5についての機器情報およびユーザについての登録情報を放送局管理サーバ4に対して送信する。具体的には、制御部60は、当該受信装置5の機種情報、当該受信装置5に割り振られているIPアドレス情報、およびユーザの郵便番号情報を放送局管理サーバ4に対して送信する。
【0071】
ステップS12:放送局管理サーバ4の制御部48は、通信制御部44を介してステップ11の情報を受信装置5から受信すると、図9で示したステップS3の地域特定処理を行う。
【0072】
ステップS13:制御部48は、ステップS12で特定された地域で受信可能な電波状況取得テーブルを作成し、当該電波状況取得テーブルを受信装置5に対して送信する。具体的には、制御部48は、全放送局情報DB46を参照し、「郵便番号」で特定された地域に関連付けられている「周波数」を全てリストアップして電波状況取得テーブルを作成し、受信装置5に対して当該電波状況取得テーブルを送信する。
【0073】
ステップS14:受信装置5の制御部60は、放送局管理サーバ4から送信されてきた電波状況取得テーブルに基づいて、各放送局からの放送波の受信感度を検出する。
【0074】
ステップS15:制御部60は、ステップS14で送信されてきた電波状況取得テーブルに含まれる各放送局2の受信状況が全放送局情報DB46に格納されている各放送局の「受信レベル」に達しているか否かにより受信可能であるか否かを判定し、当該受信可否に基づいて当該受信装置5におけるコンテンツの出力可否を判定する。具体的には、制御部60は、IP通信網10を介して放送局管理サーバ4の全放送局情報DB46およびチューナIC情報DB47を参照し、当該放送局2での受信感度を示す値に当該受信装置5の受信レベル算出用係数を乗算した値が、当該放送局2の受信レベル条件として設定されている値に達しているか否かにより受信可否を判定し、この判定に基づいて当該放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツの出力可否を判定する。つまり、制御部60は、放送局2の受信状況が当該放送局2の受信レベル条件として設定されている値に達しており受信可能と判定した場合には、当該放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツの出力を許可すると判定し、達していない場合には、当該放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツの出力を許可しないと判定する。制御部60は、この判定処理を電波状況取得テーブルに含まれる全ての放送局2について実行する。
【0075】
ステップS16:更に、制御部60は、ステップS15で判定したすべての放送局2において、コンテンツの出力を許可すると判定された放送局2が所定割合以上である場合(たとえば、電波状況取得テーブルに含まれる放送局2の50%以上が出力を許可すると判定された場合など)には、当該電波状況取得テーブルに含まれるすべての放送局2について、コンテンツの出力を許可すると判定すると共に、当該判定結果を含む電波状況取得テーブル情報を受信装置5に通知し、処理を終了する(END)。一方、制御部59は、ステップS15で判定したすべての放送局2において、コンテンツの出力を許可しないと判定された放送局2が所定割合以上ではない場合(たとえば、電波状況取得テーブルに含まれる放送局2の50%以上が出力を許可すると判定された場合において30%が出力を許可すると判定されたときなど)には、当該電波状況取得テーブルに含まれるすべての放送局2について、コンテンツの出力を許可しないと判定すると共に、当該判定結果を含む電波状況取得テーブル情報を受信装置5に通知し、処理を終了する(END)。なお、上述した所定割合については、すべての放送局2に対して一律で同一の割合と設定してもよいし、所定の地域毎に割合を変更して設定するようにしてもよい。
【0076】
ステップS17:制御部60は、ステップ16の判定結果情報を登録情報記憶部58に記憶して、処理を終了する(END)。その後、受信装置5は、登録情報記憶部58に記憶された判定結果情報に基づいて、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3に対してコンテンツ配信要求を実行することが可能となる。
【0077】
このような受信装置5は、ステップS16の判定処理を行うことで、放送局2がある位置や受信装置5が設置されているビルでの受信環境等の関係によって、本来放送範囲内にあるにも関わらず、放送局2から受信できないと判定される場合であっても、電波状況取得テーブルに含まれる放送局2の判定結果が所定割合以上で受信可能であるならば、当該受信装置5は放送範囲内に存在すると推測し、受信不可と判定された当該放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツの出力を許可することが可能となる。また、一方で、受信装置5は、地域の異なる放送局2同士の周波数がたまたま一致してしまったため、本来IP通信網10を介してコンテンツを出力させてはならないにも関わらず、個別に放送局2の受信状況を判断すると受信可能と判断され、コンテンツ出力を許可してしまう状況が生じても、当該放送局2以外の電波状況取得テーブルに含まれる他の放送局2の受信状況が著しく悪くなるため、当該受信装置5がその放送局2の放送範囲内に存在しないと推測し、当該放送局2に対応した放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツの出力を許可しない判定をすることが可能となる。つまり、このような受信装置5、受信装置5が実行する情報受信方法は、ある通信手段を介して配信されるコンテンツを他の異なる通信手段を介して提供される場合であっても、適切に当該コンテンツを受信することができる。
【0078】
続いて、受信装置5と放送局ポータルサーバ3との間で実行されるコンテンツ配信処理について説明する。図11は、図1に示す受信装置5と放送局ポータルサーバ3との間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。なお、当該処理は、図10に示した出力可否判定処理と一体となって実行されてもよいし、出力可否判定処理後に独立して実行されてもどちらでもよい。
【0079】
START:放送局2から受信している放送コンテンツが、IP通信網10を介して受信できるか否かを知りたい場合や、現在視聴している放送コンテンツの受信方法をIP通信網10に切り替えたい場合などに、ユーザが操作入力部51を操作することによって、受信装置5の制御部60は、以下の処理を開始する。
【0080】
ステップS21:受信装置5の制御部60は、図10で示したコンテンツ出力可否判定処理により登録情報記憶部58に記憶された電波状況取得テーブルの判定結果情報を送信する。
【0081】
ステップS22:放送局ポータルサーバ3の制御部37は、受信装置5から当該受信装置5における電波状況取得テーブルの判定結果情報を受信し、自己の放送局ポータルサーバ3からのコンテンツ出力可否結果を照合して、コンテンツ配信可否を判定する。なお、このステップS22の前に、放送局管理サーバ4へ当該受信装置5から電波状況取得テーブルの判定結果情報を予め送信しておき、受信装置5から受信した判定結果情報と、放送局管理サーバ4に当該受信装置5の判定結果を照会し、当該照会結果として受信した判定結果情報とが一致しているか否かにより照合する処理としてもよい。
【0082】
ステップS23:制御部37は、ステップS22においてコンテンツ配信が可能と判断された場合には、受信装置5に対してコンテンツを配信する。
【0083】
ステップS24:受信装置5の制御部60は、放送局ポータルサーバ3から配信されたコンテンツを受信して、表示装置6、音声再生装置7へ出力して処理を終了する(END)。
【0084】
このような受信装置5は、放送局管理サーバ4との間で図9に示した機器認証処理および図10に示した出力可否判定処理を実行した上で、当該判定結果に基づいて放送局ポータルサーバ3との間で図11に示したコンテンツ配信処理を実行するため、ある通信手段を介して配信されるコンテンツを他の異なる通信手段を介して提供してもらう場合であっても、適切に当該コンテンツを受信することができる。
【0085】
また、上述した情報配信システム1とすることで、受信装置5側では、郵便番号という地域情報の申告のみで、地域が特定されると共に、放送受信可能エリアに存在するか否かを自装置において判定し、個別の放送局2における受信感度状況のみならず、当該地域で受信可能である複数の放送局2での受信感度状況を考慮して放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツの出力可否を最終的に判定するようにしている。このような情報配信システム1、受信装置5、受信装置5が実行する情報受信方法では、インターネットサービスプロバイダーに個人情報の開示をそもそも求める必要がなく、郵便番号などの地域情報の申告のみで個人情報を過度に用いることがなく、ある通信手段を介して配信されるコンテンツを他の異なる通信手段を介して提供される場合であっても、適切に当該コンテンツを受信することができる。
【0086】
以上、情報配信システム1を本発明の一実施例として説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。たとえば、本発明の実施例に係る出力可否判定方法は、電波状況取得テーブルに含まれる放送局2の所定割合以上が受信可能と判定されたときに、電波状況取得テーブルに含まれるすべての放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツについて出力を許可するように判定したが、その他にも電波状況取得テーブルに含まれる特定の放送局2の所定割合以上が受信可能と判定されたときに、電波状況取得テーブルに含まれるすべての放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツについて出力を許可するようにしてもよい。具体的には、たとえば電波状況取得テーブルに含まれるAM局の受信可能局の割合が所定割合以上である、または電波状況取得テーブルに含まれるFM局の受信可能局の割合が所定割合以上である場合に、電波状況取得テーブルに含まれるすべての放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツについて出力を許可するようにしてもよい。
【0087】
更に、電波状況取得テーブルに含まれる放送局2のうち、特定の放送局2が受信可能であると判定された場合には、他の放送局2の受信状況を考慮するまでもなく、電波状況取得テーブルに含まれるすべての放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツについて出力を許可するようにしてもよい。具体的には、たとえば放送範囲が他の放送局2と比較して極端に狭い地域に限定されるような放送局2(たとえば、コミュニティ放送局など)が受信可能であると判定された場合には、電波状況取得テーブルに含まれるすべての放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3から提供されるコンテンツについて出力を許可するようにしてもよい。
【0088】
また、上述した実施例および変形例における受信装置5は据え置き型にて使用されることを前提としているが、移動体型の受信装置5であってもよい。その場合には、郵便番号等を使用しても地域特定が困難であるため、受信装置5にGPS機能を備えさせたものとする。そして、放送局管理サーバ4では、図12に示すような緯度経度情報から位置が特定できる緯度経度変換テーブルを位置情報変換DB45に追加する。そして、移動体型の受信装置5は、現在位置を示す緯度経度情報をGPS機能により取得し、受信装置5のIPアドレス情報と共に放送局管理サーバ4に送信する。そして、放送局管理サーバ4側では、緯度経度変換テーブルが追加された位置情報変換DB45を参照し、移動体型の受信装置5から送信されてきた緯度経度情報から特定される地域と、IPアドレス情報から特定される地域とを比較することで、移動体型の受信装置5のいる地域を特定する。なお、移動体型の受信装置5における地域特定処理以降の処理(出力可否判定処理、コンテンツ配信処理)については、上述した実施例と同一であるため、その説明を省略する。
【0089】
また、上述した実施例および変形例では、図10に示すような出力可否判定処理を例示したが、その他にも、以下のような出力可否判定処理としてもよい。たとえば、受信装置5は、自装置の機器情報、当該受信装置5に割り振られているIPアドレス情報、およびユーザの郵便番号情報から受信装置5が設置されている地域を特定した時点において、当該地域のエリア区分が受信可能エリア(フラグが0)と設定されている放送局2があれば、その時点で当該放送局2に対応する放送局ポータルサーバ3からのコンテンツ出力を許可する判定をし、フリンジエリア(フラグが1)と設定されている放送局2があれば、フリンジエリアとなっている当該放送局2のみから構成される電波状況取得テーブルを作成し、登録情報記憶部58に記憶するようにしてもよい。このような電波状況取得テーブルの作成方法とすることで、電波状況取得テーブルのデータ量を削減できると共に、受信可能エリアと予め分かっている放送局2に対して改めて受信感度を検出する手間を省くことが可能となる。
【0090】
また、上述した実施例および変形例において、受信装置5での放送局2の受信感度を検出する方法として、電界受信強度により受信感度を検出していたが、その他にも受信誤り率を検出できる受信誤り率検出回路(不図示)を受信装置5に設け、当該受信誤り率検出回路から所定の基準値を超えた場合に検出信号が発生するように構成し、当該検出信号の有無を登録情報記憶部58に記憶するようにしてもよい。なお、受信誤り率により放送局2の受信感度を検出する方法の場合には、放送局管理サーバ4の全放送局情報DB46においては、放送局2の放送範囲内での標準的な受信誤り率を予め記憶しておくと共に、チューナICDB47においては、受信装置5毎の受信誤り率乗算用係数を予め記憶し、これらの情報を受信装置5側から取得する処理を行ってから当該受信装置5において出力可否判定を行うことが好ましい。
【0091】
また、上述した実施例および変形例では、放送局管理サーバ4側に位置情報変換DB45、全放送局情報DB46、チューナICDB47を置き、受信装置5側から必要な情報を取得するように構成しているが、位置情報変換DB45、全放送局情報DB46、チューナICDB47の全部または一部を受信装置5側に配置するように構成し、自装置内にある情報については、IP通信網10を介さないで受信装置5内で地域特定処理、出力可否判定処理を行うようにしてもよい。
【0092】
また、上述した実施例および変形例では、放送局ポータルサーバ3からコンテンツをダウンロードするクライアントサーバ型のネットワーク方式を採用していたが、P2P(Peer To Peer)型のネットワーク方式を採用してもよい。この場合、放送局ポータルサーバ3に対するコンテンツの要求を検索クエリとして情報配信システム1内に含まれる放送局ポータルサーバ3または放送局管理サーバ4などに対してブロードキャスト送信すると共に、当該受信状況を示す情報も送信し、受信状況を示す情報が基準値を満たす場合に限り、当該コンテンツを保有するピア(コンピュータ)の情報を伝え、当該ピアからコンテンツをダウンロードするようにしてもよい。
【0093】
また、上述した実施例および変形例で説明した各装置の備える機能すべてまたは一部をプログラムによって構成し、このプログラムを情報処理装置(コンピュータ)にインストールすることで上述した各装置の備える機能を実現するようにしてもよい。特に、上述した実施例および変形例で説明した受信装置5の備える機能すべてまたは一部をプログラムによって構成し、この情報受信プログラムを情報処理装置(コンピュータ)にインストールすることで上述した受信装置5の備える機能を実現するようにしてもよい。なお、この情報受信プログラムを実行可能な状態で記録した媒体からコンピュータに直接インストールすることも可能であるが、ネットワーク経由で遠隔にあるコンピュータにインストールしてもよい。このような情報配信管理プログラムは、個人情報を過度に用いることがなく、ある通信手段を介して配信されるコンテンツを他の異なる通信手段を介して提供される場合であっても、適切に当該コンテンツを受信することができる。
【符号の説明】
【0094】
1・・・情報配信システム、2・・・放送局(無線局)、3・・・放送局ポータルサーバ(情報配信装置)、4・・・放送局管理サーバ(情報配信管理装置)、5・・・受信装置、6・・・表示装置、7・・・音声再生装置、21・・・コンテンツストリーム作成部、22・・・EPG情報作成部、23・・・データ放送作成部、25・・・放送用コンテンツDB、26・・・放送用スケジュールDB、27・・・データ放送用コンテンツDB、28・・・制御部29・・・記憶部、31・・・送信可否判定部、32・・・コンテンツ生成部、33・・・通信制御部、34・・・放送局情報DB、35・・・コンテンツDB、36・・・チューナICDB、37・・・制御部、38・・・記憶部、41・・・機器認証部、42・・・地域特定処理部、43・・・テーブル作成部(テーブル作成手段)、44・・・通信制御部(通信制御手段)、45・・・位置情報変換DB(位置情報特定データベース)、46・・・全放送局情報DB(放送範囲特定データベース、受信感度情報データベース)、47・・・チューナICDB(受信感度特性情報データベース)、48・・・制御部、49・・・記憶部、51・・・操作入力部、52・・・チューナ、53・・・DEMUX部、54・・・デコード部、55・・・映像/音声出力部、56・・・ネットワーク接続部(通信制御手段)、57・・・受信状況検出部、58・・・登録情報記憶部、59・・・コンテンツ出力可否判定部(コンテンツ出力可否判定手段)、60・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送出する無線局の放送範囲内に上記電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置から受信するコンテンツについて、複数の上記無線局の電波の受信状況および自己の位置情報に基づいて、出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定手段と、
上記コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて上記情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御手段と、
を有することを特徴とする情報受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報受信装置であって、
前記通信制御手段は、複数の前記無線局からの電波受信状況を取得するための電波状況取得テーブルを有する情報配信管理装置と通信可能であり、
前記コンテンツ出力可否判定手段は、
前記通信制御手段を介して上記情報配信管理装置へ自己の位置情報を送信し、当該位置情報に基づいて作成された上記電波状況取得テーブルを受信すると共に、上記電波状況取得テーブルに含まれる前記無線局のうち、前記無線局の電波の受信状況から受信可能であると判定した場合には、当該テーブルに含まれる前記無線局に対応する前記情報配信装置からのコンテンツの出力可否について、許可することを特徴とする情報受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報受信装置であって、
前記コンテンツ出力可否判定手段は、
前記電波状況取得テーブルに含まれる前記無線局のうち、所定割合の前記無線局において、電波の受信状況から受信可能であると判定した場合には、当該テーブルに含まれる前記無線局に対応する前記情報配信装置からのコンテンツの出力可否についてすべて許可することを特徴とする情報受信装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報受信装置であって、
前記コンテンツ出力可否判定手段は、
前記電波状況取得テーブルに含まれる前記無線局のうち、特定の無線局において、電波の受信状況から受信可能であると判定した場合には、当該テーブルに含まれる前記無線局に対応する前記情報配信装置からのコンテンツの出力可否についてすべて許可することを特徴とする情報受信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4いずれか1項記載の情報受信装置であって、
前記情報配信管理装置は、
前記情報受信装置の位置情報を特定可能な位置情報特定データベースと、
前記無線局の放送範囲を特定可能な放送範囲特定データベースと、を有し、
前記コンテンツ出力可否判定手段は、
上記位置情報特定データベースを参照して自己の位置情報を特定すると共に、上記放送範囲特定データベースを参照して当該無線局の放送範囲に当該情報受信装置の特定された位置が含まれるか否かにより、当該無線局に対応する前記情報配信装置から提供されるコンテンツの出力可否を判定することを特徴とする情報受信装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5いずれか1項記載の情報受信装置であって、
前記情報配信管理装置は、
前記無線局の放送範囲における受信感度情報が特定可能な受信感度情報データベースを有し、
前記コンテンツ出力可否判定手段は、
自己の設置場所における前記無線局の電波の受信状況を示す情報と、上記受信感度情報データベースに記憶されている当該放送局の放送範囲における受信感度情報とに基づいて、当該無線局に対応する情報配信装置から提供されるコンテンツの出力可否を判定することを特徴とする情報受信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報受信装置であって、
前記無線局毎における自己の情報受信装置の受信感度特性情報が記憶された受信感度特性情報データベースを備え、
前記コンテンツ出力可否判定手段は、
自己の情報受信装置における前記無線局の電波の受信状況を示す情報と、上記受信感度特性情報データベースに記憶されている当該無線局における前記情報受信装置の受信感度特性情報とに基づいて、当該無線局に対応する情報配信装置から提供されるコンテンツの出力可否を判定することを特徴とする情報受信装置。
【請求項8】
コンテンツ出力可否判定手段、通信制御手段を備え、
電波を送出する無線局の放送範囲内に上記電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置から上記コンテンツを受信可能である情報受信装置が実行する情報受信方法であって、
上記コンテンツ出力可否判定手段が、上記情報受信装置における上記無線局からの電波の受信状況および上記情報受信装置の位置情報に基づいて、自己の情報受信装置における上記コンテンツの出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定ステップと、
上記通信制御手段が、上記コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて上記情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御ステップと、
を有することを特徴とする情報受信管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
電波を送出する無線局の放送範囲内に上記電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置から受信するコンテンツについて、複数の上記無線局の電波の受信状況および上記情報受信装置の位置情報に基づいて、出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定手段、
上記コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて上記情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御手段、
として機能させるための情報受信プログラム。
【請求項10】
電波を送出する無線局の放送範囲内に上記電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置からの上記コンテンツの出力可否について判定可能な情報受信装置に対して、上記情報受信装置から送信されてきた位置情報に基づいて複数の上記無線局からの電波の受信状況を取得するための電波状況取得テーブルを作成するテーブル作成手段と、
上記テーブル作成手段によって作成された上記電波状況取得テーブルを上記情報受信装置に対して送出する通信制御手段と、
を有することを特徴とする情報配信管理装置。
【請求項11】
電波を送出する無線局と、
上記無線局の放送範囲内に上記電波とは異なる通信手段によってコンテンツ提供を行う情報配信装置と、
上記情報配信装置から受信するコンテンツについて、複数の上記無線局の電波の受信状況および自己の位置情報に基づいて、出力可否を判定するコンテンツ出力可否判定手段、コンテンツ出力可否判定手段の判定結果に基づいて上記情報配信装置へコンテンツ配信要求を行う通信制御手段を具備する情報受信装置と、
上記情報受信装置から送信されてきた位置情報に基づいて複数の上記無線局からの電波の受信状況を取得するための電波状況取得テーブルを作成するテーブル作成手段、上記テーブル作成手段によって作成された上記電波状況取得テーブルを上記情報受信装置に対して送出する通信制御手段を具備する情報配信管理装置と、
を有することを特徴とする情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−97385(P2011−97385A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249688(P2009−249688)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【特許番号】特許第4575519号(P4575519)
【特許公報発行日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】