説明

情報提供サーバ、視聴端末、情報提供プログラム、及び回答データ取得プログラム

【課題】高精度な回答を提供する。
【解決手段】通信ネットワークに接続されたコンテンツを視聴する視聴端末からの問い合わせ情報に対する回答データを提供する情報提供サーバにおいて、前記視聴端末に提供されるコンテンツ情報を含むコンテンツデータベースと前記問い合わせ情報に対応する回答データを含む回答辞書データベースとを蓄積する蓄積手段と、前記視聴端末からの問い合わせ情報から検索対象のキーワードを抽出し、抽出したキーワードに基づいて、前記蓄積手段に蓄積された回答辞書データベースを検索し、対応する回答データを抽出する問い合わせ回答手段と、前記回答辞書データベースに蓄積される回答データ及び前記回答データに対して予め設定される確度を更新するためのデータベース管理手段とを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供サーバ、視聴端末、情報提供プログラム、及び回答データ取得プログラムに係り、特に問い合わせに対する高精度な回答を提供するための情報提供サーバ、視聴端末、情報提供プログラム、及び回答データ取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、番組等のコンテンツを視聴者に提供する情報提供サービスにおいて、例えば視聴者が番組を視聴中に番組出演者に対し番組内容に関する問い合わせを行うと、番組に割り込んで番組司会者と直接対話して問い合わせに対する回答データを得ることができる仕組みが存在している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この場合、視聴者に対する回答データは、予め番組制作者が視聴者からの問い合わせ情報を予測し、それに対する回答データを作成してキーワードと共に辞書データベース等に蓄積される。そして、視聴者からの問い合わせ情報を、辞書データベースに蓄積されたキーワードとマッチングすることにより、蓄積された回答の中から所定の回答データを提供することができる。
【特許文献1】特開2003−219391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術において、視聴者からの問い合わせに対する回答データが辞書データに存在している場合にはその問い合わせに回答することができるが、辞書データに存在していない場合にはその問い合わせに対する質問に回答することができない。
【0005】
つまり、より多くの問い合わせに対する回答を可能にするためには、番組制作者等が視聴者等からの問い合わせ情報を予想し、それに対する回答データを作成して辞書データベース等に登録しておく必要があった。したがって、回答データの作成者(番組制作者等)の負担が大きなものとなっていた。また、番組制作者毎に回答の精度が異なる場合もあるため、視聴者に問い合わせに対して適切な回答が得られないこともあった。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、問い合わせ対する高精度な回答を提供するための情報提供サーバ、視聴端末、情報提供プログラム、及び回答データ取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0008】
請求項1に記載された発明は、通信ネットワークに接続されたコンテンツを視聴する視聴端末からの問い合わせ情報に対する回答データを提供する情報提供サーバにおいて、前記視聴端末に提供されるコンテンツ情報を含むコンテンツデータベースと前記問い合わせ情報に対応する回答データを含む回答辞書データベースとを蓄積する蓄積手段と、前記視聴端末からの問い合わせ情報から検索対象のキーワードを抽出し、抽出したキーワードに基づいて、前記蓄積手段に蓄積された回答辞書データベースを検索し、対応する回答データを抽出する問い合わせ回答手段と、前記回答辞書データベースに蓄積される回答データ及び前記回答データに対して予め設定される確度を更新するためのデータベース管理手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、視聴端末からの問い合わせに対して高精度な回答を提供することができる。
【0010】
請求項2に記載された発明は、前記データベース管理手段は、前記問い合わせ回答手段により前記キーワードに対する回答データが抽出されなかった場合、前記キーワードに基づいて前記コンテンツデータベースを検索し、抽出されたコンテンツ情報から回答データを生成し、更に前記回答データに対応する確度を設定して前記回答辞書データベースに登録することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、予め回答データを作成しなくてもコンテンツ情報から回答データを生成するため、番組制作者等の負担を削減することができる。また、生成される回答データに確度を設定することで視聴者からの問い合わせに対して高精度な回答を提供することができる。
【0012】
請求項3に記載された発明は、前記データベース管理手段は、視聴者からの回答データに対する評価情報に基づいて、前記確度の更新を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、確度を随時更新することにより、回答データの精度を向上させていくことができる。
【0014】
請求項4に記載された発明は、前記データベース管理手段は、前記回答辞書データベースに蓄積されている回答データの確度と予め設定された閾値とを比較して、前記回答データを削除するか否かを判断することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、不適切な回答データを無駄に蓄積されるのを防止することができる。これにより、情報提供サーバの記憶容量を節約することができる。
【0016】
請求項5に記載された発明は、前記回答辞書データベースに蓄積される回答データは、前記コンテンツの制作者が作成した回答データ、前記コンテンツ情報から言語処理により取得した回答データ、及び前記コンテンツ情報から取得した他のコンテンツへのリンク先情報からなる回答データのうち、少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、回答データの種類を複数設けることにより、高精度な回答データを場合に応じて様々な観点から抽出することができる。
【0018】
請求項6に記載された発明は、通信ネットワークにより接続された情報提供サーバに送信した問い合わせ情報に対する回答データを受信し、視聴するための視聴端末において、前記問い合わせ情報を生成する問い合わせ情報生成手段と、前記情報提供サーバから得られる前記回答データを評価し、その評価結果に基づいて、前記回答データを含む個別の辞書データベースを生成する個別辞書データベース管理手段とを有することを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、視聴端末毎に個別の回答辞書データベースを設けることにより、各視聴者毎の嗜好にあった高精度な回答を取得することができる。
【0020】
請求項7に記載された発明は、通信ネットワークに接続されたコンテンツを視聴する視聴端末からの問い合わせ情報に対する回答データを提供する情報提供処理をコンピュータに実行させるための情報提供プログラムにおいて、前記視聴端末からの問い合わせ情報から検索対象のキーワードを抽出するキーワード抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出されたキーワードに基づいて、予め設定された問い合わせ情報に基づく回答データが蓄積された回答辞書データベースを検索し、対応する回答データを抽出する回答データ抽出ステップと、前記回答辞書データベースに蓄積される回答データ及び前記回答データに対して予め設定される確度を更新するためのデータベース更新ステップとをコンピュータに実行させる。
【0021】
請求項7記載の発明によれば、視聴端末からの問い合わせに対して高精度な回答を提供することができる。また、実行プログラムをコンピュータにインストールすることにより、容易に本発明における情報提供を実現することができる。
【0022】
請求項8に記載された発明は、通信ネットワークにより接続された情報提供サーバに送信した問い合わせ情報に対する回答データを取得する回答データ取得処理をコンピュータに実行させるための回答データ取得プログラムにおいて、前記問い合わせ情報を生成する問い合わせ情報生成ステップと、前記問い合わせ情報生成ステップにより生成された問い合わせ情報を前記情報提供サーバに送信する送信ステップと、前記情報提供サーバからの回答データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより得られた前記回答データを含む個別の辞書データベースを生成する個別辞書データベース管理ステップとをコンピュータに実行させる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、視聴端末毎に個別の回答辞書データベースを設けることにより、各視聴者毎の嗜好にあった高精度な回答を取得することができる。また、実行プログラムをコンピュータにインストールすることにより、容易に本発明における回答データ取得処理を実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、問い合わせに対して高精度な回答を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<本発明の概要>
本発明は、視聴者が番組等のコンテンツを視聴端末で視聴中に、何らかの問い合わせ(質問)を行い、その問い合わせに対応する回答データを提供する仕組みにおいて、視聴者に提供する回答データを含む回答辞書データを既存のコンテンツデータから生成する。
【0026】
具体的には、質問等の問い合わせ情報に回答するための回答データを既に公開されて保存されている番組データ群を用いて自動的に生成する。これにより、番組制作者が予め回答データを作成していなくても視聴者からの問い合わせに対して高精度な回答を提供することができる。
【0027】
また、回答データには、問い合わせ情報に対する確からしさを示す尺度を示す確度の情報を含み、視聴者の回答に対する評価結果等を利用して確度を動的に変化させることにより、回答辞書データの精度を向上させる。
【0028】
更に、本発明は、回答辞書データベースをサーバ側だけでなく、視聴端末(クライアント側)にも設け、これらをそれぞれ組み合わせて使用することで、より適切な回答を取得することができる。
【0029】
以下に、上述したような特徴を有する本発明における情報提供サーバ、視聴端末、情報提供プログラム、及び回答データ取得プログラムを好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
なお、本実施形態では、番組の制作、提示に用いられるスクリプトの一例としてTVML(TV program Marking Language)を用いるが、本発明はTVMLに限定されるものではなくTVML以外の表現形式を用いてもよい。また、以下の説明では、提供されるコンテンツの一例として番組を用いるが、本発明におけるコンテンツ種類についてはこの限りではない。
【0031】
<情報提供システム:概略構成>
図1は、本発明における情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。図1に示す情報提供システム10は、情報提供サーバ11と、少なくとも1つの視聴端末12−1,12−2,・・・,12−nとを有するよう構成されている。また、情報提供サーバ11と視聴端末12とは、インターネット等の通信ネットワーク13を介して相互にデータの送受信が可能な状態で接続されている。
【0032】
情報提供サーバ11は、番組制作エンジンや、XML(eXtensible Markup Language)等で構成された番組台本データ、素材データ、番組に対応するメタデータ等の各種データを番組データベースとして蓄積し、Web等により通信ネットワーク13に接続された他の端末から閲覧できるように各種データを公開する。
【0033】
ここで、番組制作エンジンとは、番組に登場するCGキャラクタや番組における1つの動作の単位で「タイトル表示」、「ズームイン」、「CGキャラクタの動作」等のイベントが予め定義されたものであり、番組台本データに任意の番組制作エンジンを適用することにより、効率的に番組制作を実現することができるものである。
【0034】
また、情報提供サーバ11は、視聴端末12から得られる番組等に関する問い合わせ情報に対する回答データを含む回答辞書データベースを有し、視聴端末12からの問い合わせ情報に対応した回答データを回答辞書データベースから抽出し、抽出した回答データを問い合わせのあった視聴端末12に出力する。
【0035】
ここで、情報提供サーバ11は、視聴端末12からの問い合わせに対応する回答データが回答辞書データベースに登録されていなかった場合は、視聴端末12に対して、その旨のメッセージを返す。また、情報提供サーバ11は、回答不可データを蓄積しておき、所定のタイミング又は所定の時間毎に回答辞書データベースの更新を行う。
【0036】
更に、情報提供サーバ11は、視聴者からの回答に対する評価結果に基づいて回答データ毎に設定されている確度を動的に変化させる。また、情報提供サーバ11は、その確度に基づいて複数の回答データから所定の回答データの選択や不適切な回答データの削除等を行う。
【0037】
また、視聴端末12は、通信ネットワーク13を介して情報提供サーバ11が公開している番組に関するメタデータを参照し、所望する番組情報(番組制作エンジン、番組台本データ、素材データ)をダウンロード等により取得した、取得した番組を再生して出力する。
【0038】
また、視聴端末12は、視聴者から入力される問い合わせ情報を情報提供サーバ11に送信し、情報提供サーバ11から得られる回答データを受信して、受信した回答データを再生して出力する。更に、視聴端末12は、回答データに対する評価結果を生成し、情報提供サーバ11に送信する。上述したシステム構成により、視聴端末からの問い合わせに対して高精度な回答を提供することができる。
【0039】
次に、情報提供サーバ11及び視聴端末12における機能構成について具体的に説明する。
【0040】
<情報提供サーバ11:機能構成>
図2は、本発明における情報提供サーバの機能構成の一例を示す図である。図2に示す情報提供サーバ11は、入力手段21と、出力手段22と、蓄積手段23と、問い合わせ回答手段24と、辞書DB(DB:データベース)管理手段25と、番組管理手段26と、公開手段27と、送受信手段28と、制御手段29とを有するよう構成されている。また、蓄積手段23には、番組DB31、辞書DB32が蓄積されている。
【0041】
入力手段21は、サーバ管理者等からの辞書DB32の更新指示や、番組の公開指示等の各種処理の入力を受け付ける。なお、入力手段21は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス、音声により指示を入力するためのマイク等からなる。
【0042】
また、出力手段22は、入力手段21により入力された指示内容や、指示内容に基づいて辞書DB32の管理情報や、公開された番組の内容等を出力する。なお、出力手段22は、ディスプレイ、スピーカ等からなる。更に、出力手段22は、プリンタ等の機能を有していてもよく、その場合には辞書DB32等の内容等、取得可能なデータを紙等の印刷媒体に印刷して、管理者等に提供することもできる。
【0043】
蓄積手段23の番組DB31には、番組に関するデータ、例えば番組そのものや、番組を制作するために必要な情報、例えば番組制作エンジンや番組台本データ、素材データ、各番組の内容をWebに公開する場合等に用いられるメタデータ等が蓄積される。
【0044】
一方、辞書DB32には、視聴者からの問い合わせ情報に対して、所定の回答を行うための回答データが蓄積されている。なお、回答データは、所定の文字列(数字を含んでもよい)をキーワードとして辞書DB32に蓄積されている。
【0045】
なお、辞書DB32の回答データは、後述するように更新処理により登録することができ、また番組制作者等が入力手段21から直接登録することもできる。
【0046】
問い合わせ回答手段24は、視聴端末12からの問い合わせ情報からキーワードの抽出を行い、抽出されたキーワードに基づいて、辞書DB32を参照し対応する回答を抽出する。
【0047】
なお、問い合わせ回答手段24は、視聴端末12からの問い合わせ情報に対応する回答が辞書DB32に存在しなかった場合は、「問い合わせに対する回答データはありません。」等、その旨の示すメッセージを生成する。また、問い合わせ回答手段24は、問い合わせ情報に対する回答データが抽出されなかった場合は、検索に用いたキーワードを回答不可ワードとして辞書DB管理手段25に出力する。
【0048】
辞書DB管理手段25は、問い合わせ回答手段24からの回答不可ワード及び視聴端末12からの回答データに対する評価情報等に基づいて、所定のタイミング又は所定の時間毎に辞書DB32の更新処理を行う。
【0049】
ここで、更新処理としては、回答データの新規登録を行う他に、使用されていない、又は視聴端末12からの評価が低い回答データを削除、再編集する等の処理を行う。更に、更新処理として、回答データ毎に設定される確度の設定や確度の更新を行う。
【0050】
なお、更新のタイミングとしては、例えば視聴端末12からの問い合わせ情報を受信した時点で随時行ってもよく、また、問い合わせ情報が所定回数となった場合に行ってもよい。
【0051】
番組管理手段26は、通信ネットワーク13を介して視聴端末12に提供する番組の情報を管理する。具体的には、個々の番組がどのチャンネルに属するか、又は新規に開設するチャンネルであるか判断して、その番組のチャンネルを設定し、そのチャンネル情報を管理する。また、番組管理手段26は、視聴端末12からの番組取得要求に対して番組DB31から該当する番組情報を抽出し、抽出した番組情報を送受信手段28により要求のあった視聴端末12に出力させる。
【0052】
また、番組管理手段26は、その番組がどのような素材や番組制作エンジンを使用してどのような番組を生成されているか等、その番組を構成する具体的な内容を管理する。
【0053】
更に、番組管理手段26は、問い合わせ回答手段24により得られる視聴者が番組視聴中に送信した問い合わせ情報に対する回答データを、番組中に登場するエージェント(CGキャラクタ)等を介して対話形式で回答データを出力させる場合、回答データから対話シーンを生成することもできる。
【0054】
公開手段27は、番組DB31に蓄積されている番組に関するメタデータを、例えばHTML(HyperText Markup Language)形式に変換する。また、公開手段27は、変換したHTMLファイルをWeb上の他の端末から閲覧可能な状態にして、メタデータの内容を公開する。これにより、視聴端末12は、通信ネットワーク13を介して公開されているメタデータを参照し、その中から所望する番組を選択し、選択した番組に関する番組情報(番組制作エンジン、番組台本データ、素材データ)をダウンロードさせることで、視聴端末12でその番組を再生して、視聴者に提供することができる。
【0055】
なお、本発明において、公開されるメタデータのファイル形式は、HTMLに限定されるものではなく他のファイル形式であってもよい。また、公開手段27は、動画や音声等のデータを通信ネットワーク13に接続された他のストレージ装置に蓄積しておき、その情報にアクセスすることができるURL(Uniform Resource Locator)等のアドレス情報を管理し、そのアドレス情報のみをWebに公開したり、送受信手段28を介して視聴端末12に直接送信してもよい。
【0056】
送受信手段28は、視聴端末12からの番組の提供要求を受信して番組管理手段26に出力する。また、送受信手段28は、要求のあった視聴端末12に対して番組DB31から得られた番組を送信する。更に、送受信手段28は、視聴端末12からの問い合わせ情報を受信し、問い合わせ回答手段24に出力する。また、送受信手段28は、問い合わせ情報に対する回答データを視聴端末12に送信する。
【0057】
制御手段29は、情報提供サーバ11の各構成部全体の制御を行う。具体的には、制御手段29は、問い合わせ回答手段24により辞書DB32から問い合わせ情報に対する回答データを抽出させたり、辞書DB管理手段25により所定のタイミング等で回答データを更新させる等の処理を制御する。
【0058】
<視聴端末12>
次に、視聴端末12の機能構成について図を用いて説明する。図3は、第1の実施形態における視聴端末の機能構成の一例を示す図である。図3に示す視聴端末12は、入力手段41と、出力手段42と、問い合わせ情報生成手段43と、公開情報参照手段44と、番組再生手段45と、送受信手段46と、制御手段47とを有するよう構成されている。
【0059】
入力手段41は、視聴者からの番組取得要求や、情報提供サーバ11に公開されているメタデータの表示されているページにアクセスし、選択された所望する番組の取得要求を送信し、ダウンロードした番組を再生・視聴するための各種指示の入力を受け付ける。また、入力手段41は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス、音声により指示を入力するためのマイク等からなる。
【0060】
また、出力手段42は、入力手段41により入力された指示内容や、番組再生手段45により再生された番組、問い合わせ情報生成手段43により生成した問い合わせ情報等を表示する。なお、出力手段42は、ディスプレイ、スピーカ等からなる。更に、出力手段42は、プリンタ等の機能を有していてもよく、その場合には番組の内容等、取得可能なデータを紙等の印刷媒体に印刷して、視聴者等に提供することもできる。
【0061】
問い合わせ情報生成手段43は、視聴者の入力手段41からの入力により、例えば番組中に対話可能な問い合わせ情報を生成する。また、問い合わせ情報生成手段43は、送受信手段46を介して生成した問い合わせ情報を情報提供サーバ11に出力させる。また、問い合わせ情報生成手段43は、情報提供サーバ11から得られる問い合わせ情報に対する回答データを視聴した際の評価情報を生成し、その評価情報を送受信手段46により情報提供サーバ11に出力させる。
【0062】
ここで、評価情報とは、例えば回答データに対して「満足」、「普通」、「不満」等、予め設定される視聴者の評価を種別等で表したものである。つまり、予め上述の評価種別等を設定しておき、回答データが番組として再生された後、番組内で評価種別を選択させる画面等を表示して視聴者に何れかの種別を選択させたり、もしくは視聴者がスピーカにより「満足」、「普通」、「不満」の何れかを音声入力する等により回答データに対する評価情報を取得することができる。
【0063】
公開情報参照手段44は、アドレス情報に基づいて情報提供サーバ11が公開している番組情報のコンテンツを参照して、その内容を出力手段42により出力させる。
【0064】
番組再生手段45は、情報提供サーバ11から取得した各番組情報(番組制作エンジン、番組台本データ、素材データ)から番組を再生し、出力手段42により出力させて視聴者に提供する。なお、番組再生手段45は、TVMLプレイヤー等を用いることができる。TVMLプレイヤーとは、TVMLで記述された番組スクリプトを読み取り、番組映像音声をリアルタイムに出力するソフトウェアである。TVMLプレイヤーは、スタジオショットをリアルタイムCGで生成し、CGスタジオセットの中に登場するCGキャラクタがTVMLスクリプト中に記述された台詞を合成音声で喋り、演技するところを表示することができる。
【0065】
また、番組再生手段45は、情報提供サーバ11から得られた回答データを番組中に登場するエージェント(CGキャラクタ)等を介して対話形式で出力させる場合、回答データが対話シーンであればそのまま番組を再生し、対話シーンでなければ回答データから対話シーンを生成した後に番組を再生して、対話形式で回答データを視聴者に提供することができる。
【0066】
送受信手段46は、番組取得要求や、問い合わせ情報、評価情報等を情報提供サーバ11に送信する。また、送受信手段46は、情報提供サーバ11からの番組情報、回答データ等を受信する。
【0067】
制御手段47は、視聴端末12の各構成全体の制御を行う。具体的には、制御手段47は、問い合わせ情報生成手段43により問い合わせ情報を生成させたり、公開情報参照手段44により公開された番組のメタデータを参照させたり、番組再生手段45により番組情報から番組を再生させる等の処理を制御する。
【0068】
上述した構成により、問い合わせに対する高精度な回答を提供するための情報提供サーバ11、及び視聴端末12を提供することができる。
【0069】
<データベース例>
ここで、本発明における番組DB31及び辞書DB32の一例について図を用いて説明する。図4は、番組DB及び辞書DBを説明するための一例の図である。なお、図4(a)は、番組DB31に含まれる番組台本データの一例を示し、図4(b)は、辞書DB32に含まれる回答データの一例を示している。また、図4(a),(b)は、それぞれXML形式で記述されているが、形式については特に制限されない。また、番組DB31には、図4(a)に示す番組台本データの他にも番組制作エンジンや素材データ等がそれぞれ複数存在し、辞書DB32には図4(b)に示す回答データが複数存在する。
【0070】
まず、図4(a)に示す番組台本データは、タイトル部<title>や、サブタイトル部<subtitle>、要約<description>、番組制作者<creator>等の情報がそれぞれタグにより識別されている。
【0071】
また、図4(b)に示す辞書DB32において、<interaction>タグは対話辞書データであることを示し、<targetword>タグは問い合わせの内容を示している。つまり、<targetword>タグにより囲まれるターゲットワード(キーワード)は、問い合わせ情報から抽出されるキーワードとマッチングを行うためのキーワードである。
【0072】
また、<accuracy>タグは回答の確度を示している。なお、図4(b)に示す確度は、「確度<1」の関係となっており、値が1に近いほうが正解である精度が高いことになる。
【0073】
また、<relation>タグは回答データが直接的であるか、又は間接的な情報であるかの応答内容を示している。つまり、<relation>タグには、その回答データが、ターゲットワードに対して直接の回答となる情報(directly)であるか、又は他の番組を紹介するような間接的な情報(indirectly)であるかが設定される。
【0074】
また、<responsedata>タグは回答データの作成者等の情報を示している。具体的には、回答データが番組制作者の作成によるものか、又は後述する更新処理を用いてシステム処理により作成されたものであるか等の識別情報が設定される。また、<update>タグはその回答データが新たに蓄積された日(日時)あるいは更新された日(日時)がセットされる。
また、<response>タグは回答データを示している。ここで、回答データは、データの内容を示すタグと共に格納されており、これにより視聴者への回答データとしてテキスト情報(text)だけでなく、画像情報(image)や映像情報(movie)、音声情報(sound)、ターゲットワードに関連する番組情報のリンク先(programlocation)等、様々な情報を提供することができる。
【0075】
また、<apescript>タグはタグ内の各種データが演出スタイルシート(APEスクリプト)で記述されていることを示し、<text>タグは回答データにおいて番組出演者が喋るセリフであることを示し、<image>タグは、回答データとして表示できる図であることを示している。また、<programlocation>タグは問い合わせ情報に関連する番組へのアクセスリンク情報を示している。
【0076】
ここで、上述したように情報提供サーバ11及び視聴端末12は、上述した専用の装置構成により本発明における情報提供等を行うこともできるが、各構成における処理をコンピュータに実行させることができる実行プログラムを生成し、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ、サーバ等にプログラムをインストールすることにより、後述する情報提供サーバ11における情報提供処理、及び視聴端末12における回答データ取得処理を実現することができる。
【0077】
<ハードウェア構成>
ここで、本発明における実行可能なコンピュータのハードウェア構成例について図を用いて説明する。図5は、本発明における情報提供処理及び回答データ取得処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。図5におけるコンピュータ本体には、入力装置51と、出力装置52と、ドライブ装置53と、補助記憶装置54と、メモリ装置55と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)56と、ネットワーク接続装置57とを有するよう構成されており、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0078】
入力装置51は、使用者が操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスや音声を入力するマイク等を有しており、ユーザからのプログラムの実行等、各種操作信号を入力する。出力装置52は、本発明における処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイを有し、CPU56が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
【0079】
ここで、本発明において、コンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、例えばCD−ROM等の記録媒体58等により提供される。プログラムを記録した記録媒体58は、ドライブ装置53にセット可能であり、記録媒体58に含まれる実行プログラムが、記録媒体58からドライブ装置53を介して補助記憶装置54にインストールされる。
【0080】
補助記憶装置54は、ハードディスク等のストレージ手段であり、本発明における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム等を蓄積し必要に応じて入出力を行うことができる。
【0081】
CPU56は、OS(Operating System)等の制御プログラム、メモリ装置55に格納された実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現することができる。また、プログラム実行中に必要な各種情報は、補助記憶装置54から取得することができ、またプログラム実行後の各種情報を格納することもできる。
【0082】
ネットワーク接続装置57は、通信ネットワーク13等と接続することにより、実行プログラムを通信ネットワーク13に接続されている他の端末等から取得したり、プログラムを実行することで得られた実行結果又は本発明における実行プログラム自体を他の端末等に提供することができる。
【0083】
上述したようなハードウェア構成により、特別な装置構成を必要とせず、低コストで効率的に情報提供サーバ11における情報提供処理、及び視聴端末12における回答データ取得処理を実現することができる。また、プログラムをインストールすることにより、情報提供処理及び回答データ取得処理を容易に実現することができる。
【0084】
<情報処理手順>
次に、本発明における情報提供サーバ11の情報提供手順について説明する。なお、情報処理手順として、視聴端末12からの問い合わせに回答する問い合わせ回答処理、及び辞書DB32を更新する辞書DB更新処理を分けて説明する。
【0085】
<情報提供処理手順1:問い合わせ回答処理>
図6は、問い合わせ回答処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、視聴端末12から送信された問い合わせ情報を取得し(S01)、取得した問い合わせ情報からキーワード(検索ワード)を抽出する(S02)。例えば、「Aはなんですか?」という問い合わせ情報であれば、「A」がキーワードとして抽出される。次に、抽出したキーワードに基づいて辞書DB32から対応する回答データを検索する(S03)。
【0086】
S03の処理による検索の結果、回答データがあったか否かを判断し(S04)、回答データがあった場合(S04において、YES)、その回答データはその番組の制作者が作成したものであるか否かを判断する(S05)。ここで、番組制作者が作成したものであれば、回答の信憑性もあり、確度の高い回答であると考えられる。したがって、回答データが番組制作者により作成されている場合(S05において、YES)、その回答データに基づいて対話シーンを生成して視聴端末12に送信する(S06)。これにより、視聴端末12は、回答データに対応する番組を再生して対話形式で視聴することができる。
【0087】
また、S05の処理において、番組制作者が作成した回答データでない場合(S05において、NO)、図4(b)に示す回答データ毎の確度に基づいて回答データを選択する(S07)。なお、回答データの選択手法としては、例えば、確度が最大のものとしてもよく、また、確度が予め設定された閾値よりも高いものの中から更新日が最新なものとしてもよい。上述により選択された回答データに基づいて対話シーンを生成して視聴端末12に送信する(S08)。
【0088】
また、S04の処理において、辞書DB32内に回答データがなかった場合(S04において、NO)、その旨を示すエラーメッセージを情報提供サーバ11及び/又は視聴端末12に出力し、回答できなかったキーワードを回答不可ワードとして蓄積する(S10)。
【0089】
ここで、S06、S07の処理においては、S03の検索における回答データが複数存在する場合には、確度が最大のもののみを提示するだけでなく、確度に関係なく抽出された回答全てを提示してもよい。また、予め設定された閾値以上の確度を提示するようにしてもよく、例えば3個等の所定数の回答データを順々に提示するようにしてもよい。また、上述したフローチャートによれば、視聴者に回答する回答データの適用順序は、「番組制作者が制作した回答」→「システムが制作した直接的回答」→「システムが制作した間接的回答」となっているが、これに制限されずに確度を基準として動的に並べ替えてもよい。
【0090】
<情報提供処理手順2:辞書DB更新処理>
次に、本発明における辞書DB更新処理について、フローチャートを用いて説明する。図7は、辞書DB更新処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図7に示す辞書DB更新処理手順は、情報提供サーバ11が自動的に辞書を作成する場合の処理手順を示すものであるが、本発明における辞書DB32の更新についてはこれに限定されず、例えば番組制作者等が入力手段21等を用いて、直接辞書DB32の更新を行ったり、通信ネットワーク13に接続される外部装置から既に更新された辞書DB32自体を取得して既存の辞書DBを更新してもよい。
【0091】
まず、図6に示す問い合わせ回答処理において、回答結果が得られなかったキーワードが存在する場合に、上述のS10の処理で蓄積した回答不可ワードを入力する(S21)。また、入力した不可ワードに基づいて番組DB31を検索する(S22)。具体的には、上述した図4(a)に示す番組DB32に蓄積された全ての番組台本データ(content.ass)内に上述のキーワード「A」がヒットするか否かを検索する。
【0092】
ここで、番組DB31に含まれる番組台本データに回答不可ワードが存在するか否かを判断し(S23)、番組台本データに回答不可ワードが存在する場合(S23において、YES)、番組台本データのタイトル部又はサブタイトル部でヒットしているか否かを判断する(S24)。
【0093】
回答不可ワードが番組台本データのタイトル部(<title>タグ内)又はサブタイトル部(<subtitle>タグ内)でヒットした場合(S24において、YES)、図4(a)に示す番組台本データのうち、所定のタグ(例えば、<description>タグ等)で記述される番組本編データでもヒットしているか否かを判断する(S25)。番組本編データでもヒットしている場合(S25において、YES)、辞書データとしての確度が比較的高いと判断し、回答不可ワードがヒットした番組台本データの中から回答不可ワードの周辺のデータ群(例えば、回答不可ワードを含む1文又は1文節等)を抽出して言語処理による確度設定処理を行う(S26)。なお、S26における確度設定処理については後述する。
【0094】
次に、S26により確度が設定された回答データをターゲットワードと共に図4に示すように辞書DB32に蓄積する(S27)。この場合、<responsedata>タグには、回答データが番組制作者等の人手ではなくシステムで作成したことを示す「system」がセットされ、確度及び回答内容には、S26による処理結果に基づいたデータが蓄積される。また、<update>タグには、蓄積された日時(更新日)がセットされる。
【0095】
また、S25の処理において、タイトル部又はサブタイトル部ではヒットしたが番組本編データ内ではヒットしなかった場合(S25において、NO)、辞書データとしての確度やあまり高くないと判断し、直接的な辞書データとしては生成せず、間接的な回答データとして、「そのワードに関連する番組が存在する」という回答を行うための回答データを生成する。また、その関連する番組のリンク情報を間接的な回答データとして辞書DB32に登録する(S28)。
【0096】
また、S24の処理において、回答不可ワードが番組台本データのタイトル部又はサブタイトル部でヒットしていない場合(S24において、NO)、辞書データとしての確度は、それほど高くないかもしれないが、解説内容が番組本編データ等の文章中に含まれている可能性があるため、番組台本データから回答不可ワードの周辺のデータ群を抽出して言語処理による確度設定処理を行う(S29)。なお、S29における確度設定処理については後述する。
【0097】
また、S29により確度設定された回答データをターゲットワードと共に図4に示すように辞書DB32に蓄積する(S30)。この場合、回答フラグには「システム」がセットされ、確度及び応答内容には、S29による処理結果に基づいたデータが蓄積される。また、蓄積された日時を「更新日」にセットする。
【0098】
また、S23の処理において、番組台本データ中に回答不可ワードが存在しなかった場合(S23において、NO)、その旨を示すエラーメッセージを出力する(S31)。これにより、自動的に辞書DBの更新を行うことができる。
【0099】
<確度設定処理>
ここで、上述したS26及びS29における確度設定処理について、それぞれフローチャートを用いて説明する。図8は、S26における確度設定処理手順の一例を示すフローチャートであり、図9は、S29における確度設定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0100】
図8において、番組台本データ内から抽出した文章(センテンス)を全て入力し(S41)、検索した回答不可ワードを説明する文の係り受けが存在するか否かを判断する(S42)。ここで、説明の係り受けが存在する場合(S42において、YES)、辞書データの確度が高いと判断して辞書データを作成する。
【0101】
具体的には、係り受けが主語・述語の関係にあるか否かを判断し(S43)、主語・述語の関係にある場合(S43において、YES)、適切な回答である可能性が最も高いとして確度を“0.8”(高)に設定する(S44)。また、主語・述語の関係にない場合(S43において、NO)、具体的には、修飾・被修飾、補助、並立、接続・被接続等の関係にある場合には、確度をある程度の高いもの(中〜高程度)として“0.7”(中〜高)に設定する。更に、S42の処理において、係り受けが存在していない場合(S42において、NO)、確度を中程度として“0.6”(中)に設定する。
【0102】
また、図9においては、図8と同様に、抽出した文章(センテンス)を全て入力し(S51)、検索した回答不可ワードを説明する文の係り受けが存在するか否かを判断する(S52)。ここで、説明の係り受けが存在する場合(S52において、YES)、タイトル部又はサブタイトル部には存在しないワードではあるが、辞書データの確度が高いと判断して辞書データを作成する。
【0103】
具体的には、係り受けが主語・述語の関係にあるか否かを判断し(S53)、主語・述語の関係にある場合(S53において、YES)、確度を中程度として“0.6”(中)に設定する(S54)。また、主語・述語の関係にない場合(S53において、NO)、具体的には、修飾・被修飾、補助、並立、接続・被接続等の関係にある場合には、角度をある程度低いもの(低〜中程度)として“0.5”(低〜中)に設定する。更に、S52の処理において、係り受けが存在していない場合(S52において、NO)、確度を低程度として“0.4”(低)に設定する。
【0104】
このように、所定の基準で自動的に確度を設定することができるため、高精度な辞書DB32を作成することができる。
【0105】
<確度の更新処理手順>
次に、確度の更新処理例についてフローチャートを用いて説明する。図10は、確度の更新処理手順の一例を示すフローチャートである。図10に示す確度の更新処理は、まず視聴者等からの回答に対する評価結果を受け付け(S61)、その内容に基づいて確度の更新を行う(S61)。具体的には、例えば評価結果が視聴者の満足のいく回答データだったと評価されていた場合には、その回答データに対応する確度を上げる。例えば現時点での確度が“0.6”であった場合には、“0.6”を例えば“1.2”(評価重み)で乗算して確度を“0.72”に上げる。また、評価結果が普通だった場合には、確度をそのまま“0.6”とし、評価結果が不満であった場合は、“0.6”を例えば“0.8”(評価重み)で乗算して確度を“0.48”とする。
【0106】
なお、評価結果は、例えば対話応答の最後で、番組出演者等により視聴者に対して「これでよろしいですか?」と質問し、その返答として「満足」、「普通」、「不満」、「他を見る」等の選択領域を表示して視聴者に選択させる、又は視聴者に上述の何れかの言葉をマイクで音声入力してもらう等の処理を行うことで、容易に回答に対する評価結果を取得することができる。
【0107】
このように、辞書DB32に対して評価結果を反映させた確度を登録する。また、確度が予め設定された閾値(例えば“0.5”)以上であるか否かを判断し(S63)、閾値以上である場合(S63において、YES)、そのまま処理を終了し、閾値未満である場合(S63において、NO)、辞書DBに蓄積されている回答データを削除する(S64)。
【0108】
これにより、確度の低い不必要なデータを蓄積しておく必要がなく、常に精度の高い回答データを蓄積することができる。したがって、視聴者等からの問い合わせに対する高精度な回答を提供することができる。
【0109】
ここで、上述した実施形態では、辞書DBをサーバのみに設けていたが、視聴端末に個別の辞書DBを設けることにより、個々に専用の回答データを有することができ、個別に満足度を向上させることができ、更にユーザからの質問に対して高精度な回答を提供することができる。ここで、上述した実施形態について以下に説明する。なお、情報提供サーバ側の構成は、図2に示す構成と同一であるためここでの説明は省略し視聴端末についてのみ説明する。
【0110】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態における視聴端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図11において図3と同一の機能構成を有する部分については同一の符号を付すものとし、ここでの説明は省略する。図11に示す視聴端末60は、図3に示す視聴端末12と比較すると、個別辞書DB61と、個別辞書DB管理手段62とが新たに設けられている。また、図1に示すシステム構成は、視聴端末12−1〜12−nが視聴端末60−1〜60−nに置き換えたものとなる。
【0111】
図11に示すように、個別辞書DB61には、図4(b)に示すようなデータが各視聴端末毎に蓄積されている。また、個別辞書管理手段62は、個別辞書DB61を管理する。具体的には、個別辞書管理手段62は、情報提供サーバ11から得られる回答データに対する視聴者の評価結果に基づいて、個別辞書DB61にその回答データを登録するか否かを判断する。また、回答データに対する評価結果に応じて確度の更新を行い、所定の閾値以下の確度となった回答データを削除する等の処理を行う。
【0112】
なお、個別辞書DB61に含まれる回答データは、視聴者等が入力手段41により所定の情報を入力することで更新することもできる。なお、その場合には、図4(b)に示す<responsedata>タグに、“Televiewer(視聴者)”等の識別情報をセットする。
【0113】
<回答データ取得処理手順>
次に、第2の実施形態における視聴端末の回答データ取得処理手順の一例についてフローチャートを用いて説明する。図12は、第2の実施形態における回答データ取得処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図12に示す例では、番組視聴中に対話形式で問い合わせることで回答データを取得し、取得した回答データを評価結果に基づいて上述した個別辞書DB61に登録する例について説明する。
【0114】
図12に示す回答データ取得処理において、まず視聴端末60は、番組視聴中に視聴者から質問のために入力された情報から問い合わせ情報を生成し(S71)、情報提供サーバ11に出力する(S72)。次に、視聴端末60は、情報提供サーバ11から回答データを受信すると(S73)、その回答データが番組制作者が作成した回答データであるか否かを判断する(S74)。
【0115】
ここで、番組制作者が作成した回答データである場合(S74において、YES)、対話シーンを生成して回答データを提示する(S75)。更に、回答データに満足であるか否かを判断し(S76)、満足である場合(S76において、YES)、処理を終了する。
【0116】
ここで、S74において、番組制作者が作成した回答データでない場合(S74において、NO)、又はS76の処理において回答データに満足していない場合(S76において、NO)、問い合わせ情報に基づいて視聴端末60に設けられている個別辞書DB61を検索する(S77)。また、検索の結果、回答データがあったが否かを判断し(S78)、回答データがあった場合(S78において、YES)、対話シーンを生成して回答データを提示する(S79)。また、提示した回答データに対する視聴者からの評価結果から回答データに満足しているか否かを判断し(S80)、回答データに満足している場合(S80において、YES)、処理を終了する。なお、視聴者からの評価結果は、上述したように、予め評価種別等を設定しておき、回答データが番組として再生された後、番組内で評価種別を選択させる画面等を表示して視聴者に何れかの種別を選択させたり、もしくは視聴者がスピーカにより各評価種別のうちの何れか1つを音声入力する等により回答データに対する評価情報を取得することができる。
【0117】
ここで、S77の処理において、個別辞書DB61に回答データがない場合(S78において、NO)、又はS80の処理において満足していない場合(S80において、NO)、S73において受信したデータが直接的な回答データであるか否かを判断する(S81)。なお、直接的なデータであるか否かの判断は、回答データに含まれる<relation>タグが“directly”であるか否かで判断する。
【0118】
S81の処理において、直接的なデータである場合(S81において、YES)、確度等に基づいて回答データを選択し(S82)、選択された回答データに基づいて対話シーンを生成して回答データを提示する(S83)。また、提示した回答データに対する視聴者の評価結果から回答データに満足しているか否かを判断し(S84)、満足している場合(S84において、YES)、個別辞書DBにこの回答データを登録して処理を終了する(S85)。また、このとき、上述したように回答データの確度を上げるよう更新処理を行う。これにより、今後の検索においてヒットする可能性を高くすることができ、高精度な回答データを出力することができる。また、S84の処理において、回答データに満足していない場合(S84において、NO)、そのまま処理を終了する。
【0119】
また、S81の処理において、直接的な回答データがなかった場合(S81において、NO)、S73にて受信した回答データは間接的な回答データであるため、その間接的な回答データから確度等に基づいて回答データを選択し(S86)、選択された回答データに基づいて対話シーンを生成して回答データを提示する(S87)。
【0120】
また、提示した回答データに対する視聴者の評価結果から回答データに満足しているか否かを判断し(S88)、回答に満足している場合(S88において、YES)、個別辞書DB61にこの回答データを登録し(S89)、処理を終了する。また、S88の処理において、回答に満足していない場合(S88において、NO)、そのまま処理を終了する。
【0121】
これにより、視聴端末毎に個別辞書DB61を生成及び更新することができる。なお、上述の例では、回答データの適用順序を、「番組制作者が制作した回答データ」→「視聴端末に蓄積された個別辞書DB61に含まれる回答データ」→「システム(情報提供サーバ11)が制作した直接的な回答データ」→「システムが制作した間接的な回答データ」としているが、本発明においてはこれに限定されない。また、上述したフローチャートにおいては、情報提供サーバ11からの回答データがなかった場合や、確度の更新処理については説明を省略しているが、上述した実施形態を適用することができる。
【0122】
上述したように本発明によれば、問い合わせに対して高精度な回答を提供することができる。具体的には、番組制作者が予め問い合わせ情報を予想して、その回答データを制作していなかった場合でも、システム側で回答データを生成することができる。これにより、視聴者の問い合わせに回答できる可能性が高くなる。
【0123】
また、視聴端末(クライアント側)に固有の辞書DBを持つことにより、それぞれの視聴者にとって最適な回答を保存することができる。つまり、サーバ側にある回答データは、複数の視聴者共通の回答データであるため、多くの視聴者が利用することによって多くの視聴者にとって適切な回答データが生成される。したがって、ある視聴者がある回答データに対して、自分にとっては適切である回答データであっても他の多くの視聴者にとっては不適切な回答データである場合には、その回答データの確度が下がり、辞書DBから削除されてしまう可能性がある。
【0124】
そのため、視聴端末毎に固別の辞書DBを有し、その中に自分が満足する回答データを蓄積することにより、各視聴者が個別に高精度な回答を取得することができる。なお、本発明は、特に番組、映画、音楽を含むコンテンツの公開・配信の分野等に幅広く適用することができる。
【0125】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明における情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】本発明における情報提供サーバの機能構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態における視聴端末の機能構成の一例を示す図である。
【図4】番組DB及び辞書DBを説明するための一例の図である。
【図5】本発明における情報提供処理及び回答データ取得処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】問い合わせ回答処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】辞書DB更新処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】S26における確度設定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】S29における確度設定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】確度の更新処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】他の実施形態における視聴端末の機能構成の一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態における回答データ取得処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
10 情報提供システム
11 情報提供サーバ
12,60 視聴端末
13 通信ネットワーク
21,41 入力手段
22,42 出力手段
23 蓄積手段
24 問い合わせ回答手段
25 辞書DB管理手段
26 番組管理手段
27 公開手段
28,46 送受信手段
29,47 制御手段
31 番組DB
32 辞書DB
43 問い合わせ情報生成手段
44 公開情報参照手段
45 番組再生手段
51 入力装置
52 出力装置
53 ドライブ装置
54 補助記憶装置
55 メモリ装置
56 CPU
57 ネットワーク接続装置
58 記録媒体
61 個別辞書DB
62 個別辞書DB管理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続されたコンテンツを視聴する視聴端末からの問い合わせ情報に対する回答データを提供する情報提供サーバにおいて、
前記視聴端末に提供されるコンテンツ情報を含むコンテンツデータベースと前記問い合わせ情報に対応する回答データを含む回答辞書データベースとを蓄積する蓄積手段と、
前記視聴端末からの問い合わせ情報から検索対象のキーワードを抽出し、抽出したキーワードに基づいて、前記蓄積手段に蓄積された回答辞書データベースを検索し、対応する回答データを抽出する問い合わせ回答手段と、
前記回答辞書データベースに蓄積される回答データ及び前記回答データに対して予め設定される確度を更新するためのデータベース管理手段とを有することを特徴とする情報提供サーバ。
【請求項2】
前記データベース管理手段は、
前記問い合わせ回答手段により前記キーワードに対する回答データが抽出されなかった場合、前記キーワードに基づいて前記コンテンツデータベースを検索し、抽出されたコンテンツ情報から回答データを生成し、更に前記回答データに対応する確度を設定して前記回答辞書データベースに登録することを特徴とする請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項3】
前記データベース管理手段は、
視聴者からの回答データに対する評価情報に基づいて、前記確度の更新を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提供サーバ。
【請求項4】
前記データベース管理手段は、
前記回答辞書データベースに蓄積されている回答データの確度と予め設定された閾値とを比較して、前記回答データを削除するか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報提供サーバ。
【請求項5】
前記回答辞書データベースに蓄積される回答データは、
前記コンテンツの制作者が作成した回答データ、前記コンテンツ情報から言語処理により取得した回答データ、及び前記コンテンツ情報から取得した他のコンテンツへのリンク先情報からなる回答データのうち、少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報提供サーバ。
【請求項6】
通信ネットワークにより接続された情報提供サーバに送信した問い合わせ情報に対する回答データを受信し、視聴するための視聴端末において、
前記問い合わせ情報を生成する問い合わせ情報生成手段と、
前記情報提供サーバから得られる前記回答データを評価し、その評価結果に基づいて、前記回答データを含む個別の辞書データベースを生成する個別辞書データベース管理手段とを有することを特徴とする視聴端末。
【請求項7】
通信ネットワークに接続されたコンテンツを視聴する視聴端末からの問い合わせ情報に対する回答データを提供する情報提供処理をコンピュータに実行させるための情報提供プログラムにおいて、
前記視聴端末からの問い合わせ情報から検索対象のキーワードを抽出するキーワード抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたキーワードに基づいて、予め設定された問い合わせ情報に基づく回答データが蓄積された回答辞書データベースを検索し、対応する回答データを抽出する回答データ抽出ステップと、
前記回答辞書データベースに蓄積される回答データ及び前記回答データに対して予め設定される確度を更新するためのデータベース更新ステップとをコンピュータに実行させるための情報提供プログラム。
【請求項8】
通信ネットワークにより接続された情報提供サーバに送信した問い合わせ情報に対する回答データを取得する回答データ取得処理をコンピュータに実行させるための回答データ取得プログラムにおいて、
前記問い合わせ情報を生成する問い合わせ情報生成ステップと、
前記問い合わせ情報生成ステップにより生成された問い合わせ情報を前記情報提供サーバに送信する送信ステップと、
前記情報提供サーバからの回答データを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより得られた前記回答データを含む個別の辞書データベースを生成する個別辞書データベース管理ステップとをコンピュータに実行させるための回答データ取得プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−194944(P2007−194944A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11539(P2006−11539)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【Fターム(参考)】