説明

情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、情報表示プログラム、及び情報提供プログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記録媒体

【課題】関連商品の閲覧に関する利便性を高めること。
【解決手段】ウェブサーバ40は、ユーザ端末10のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得するキーワード取得部43と、商品情報を記憶する商品データベース21を第1商品情報に基づいて参照して、第1の商品に関連する第2の商品(関連商品)を示す第2商品情報を取得する関連商品取得部44と、ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報をユーザ端末10に送信する関連商品送信部45とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一形態は、情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、情報表示プログラム、及び情報提供プログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特定の商品に関連する商品(関連商品)をユーザに提示する手法が知られている。例えば下記特許文献1のレコメンド情報生成装置は、ユーザの閲覧履歴情報に基づいて抽出した第1レコメンド商品情報と、第1レコメンド商品情報に基づいて抽出した第2レコメンド商品情報とを関連づけて記憶した上で、第1レコメンド商品情報をユーザ端末で表示させるための第1レコメンド表示情報と、第2レコメンド商品情報をユーザ端末で表示させるための第2レコメンド表示情報とを生成し、これらの表示情報を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−065217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、関連商品の表示がユーザにとって閲覧しづらいものである場合がある。例えば、特定の商品に関連する商品の情報は当該特定の商品の情報と同じウェブページ上に表示されるので、ウェブページの閲覧性を損なう可能性がある。例えば、ページレイアウトによってはスクロール操作が必要となるために、一覧性が損なわれる場合がある。また、関連商品を表示する際にページ遷移が発生すると、遷移前のウェブページを引き続き見続けたいユーザに不便を強いることになりかねない。そこで、関連商品の閲覧に関する利便性を高めることが要請されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態に係る情報提供装置は、ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、商品情報を記憶する商品データベースを第1商品情報に基づいて参照して、第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報をユーザ端末に送信する商品情報送信部とを備える。
【0006】
本発明の一形態に係る情報提供方法は、情報提供装置により実行される情報提供方法であって、ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得ステップと、商品情報を記憶する商品データベースを第1商品情報に基づいて参照して、第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得ステップと、ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報をユーザ端末に送信する商品情報送信ステップとを含む。
【0007】
本発明の一形態に係る情報提供プログラムは、ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、商品情報を記憶する商品データベースを第1商品情報に基づいて参照して、第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報をユーザ端末に送信する商品情報送信部とをコンピュータに実行させる。
【0008】
本発明の一形態に係るコンピュータ読取可能な記録媒体は、ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、商品情報を記憶する商品データベースを第1商品情報に基づいて参照して、第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報をユーザ端末に送信する商品情報送信部とをコンピュータに実行させる情報提供プログラムを記憶する。
【0009】
本発明の一形態に係る情報表示プログラムは、情報提供装置と通信可能なコンピュータに、コンピュータのウェブブラウザに表示されたウェブページに重畳して別ウィンドウを表示するウィンドウ表示部と、情報提供装置から受信した情報を別ウィンドウ内に表示する情報表示部とを実行させる。情報提供装置は、ウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、商品情報を記憶する商品データベースを第1商品情報に基づいて参照して、第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報をコンピュータに送信する商品情報送信部とを備える。情報表示部は、第2商品情報を別ウィンドウ内に表示する。
【0010】
このような形態によれば、第1の商品はウェブページ上に表示される一方で、その第1の商品に関連する第2の商品は、そのウェブページ上に重畳して表示される別ウィンドウ内に表示される。このように、第2の商品(関連商品)をウェブページ内ではなく別ウィンドウに表示させることで、ユーザは第1の商品が表示されているウェブページに対して特段の操作をすることなく第1の商品と第2の商品とを同時に見ることができる。すなわち、関連商品の閲覧に関する利便性を高めることができる。
【0011】
別の形態に係る情報提供装置では、商品データベースに記憶される商品情報が、商品の取扱店舗を特定するための店舗情報を含み、第1商品情報が、第1の商品の取扱店舗を特定するための第1店舗情報を含み、第2商品取得部が、第1商品情報に基づいて、取扱店舗が第1の商品と同じである第2の商品を示す第2商品情報を取得してもよい。これにより、取扱店舗が同じである関連商品がユーザに提示されるので、その店舗にとっては、ユーザの注目が他店舗の商品に移ることを防止することができる。また、ユーザにとっては、同じ店舗で扱われている関連商品にアクセスすることができる。
【0012】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、第1商品取得部が、ウェブページを解析することで該ウェブページが第1の商品を示しているか否かを判定し、該ウェブページが第1の商品を示していると判定した場合に第1商品情報を取得してもよい。これにより、商品が掲載されていないウェブページに対して関連商品の検索が実行されることを回避できる。
【0013】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、第1商品取得部が、第1商品情報を取得する対象として予め設定されているURLのリストを参照し、ウェブページのURLが該リストに含まれている場合に、該ウェブページが第1の商品を示していると判定してもよい。このようにURLのリストを用いれば、ウェブページが商品に関するものか否かを簡単に判定することができる。
【0014】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、第1商品取得部が、第1の商品の購入手続を行うためのユーザインタフェースがウェブページに含まれている場合に、該ウェブページが第1の商品を示していると判定してもよい。このように、ウェブページが商品に関するものか否かを所定のインタフェースの有無に基づいて判定することで、そのウェブページに関する判定を動的に実行することができる。
【0015】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、第1商品取得部が、第1の商品の購入に関する所定の語句がウェブページに含まれている場合に、該ウェブページが第1の商品を示していると判定してもよい。このように、ウェブページが商品に関するものか否かを所定の語句の有無に基づいて判定することで、そのウェブページに関する判定を動的に実行することができる。
【0016】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、第1商品取得部が、商品検索サービスにおいてユーザが商品を検索するために入力した語句の履歴を記憶する第1履歴データベースを参照することで、検索回数が多い語句の集合を特定し、続いて、ウェブページの記述に基づいて抽出した語句のうち該集合に含まれる語句を第1商品情報として取得してもよい。このように、商品検索サービスで多く用いられた語句を第1商品情報として用いることで、適正な語句を用いて第2の商品(関連商品)を取得することができる。
【0017】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、第1商品取得部が、ウェブページの記述に基づいて抽出した語句を提示ワードとしてユーザ端末に送信し、該ユーザ端末において該提示ワードに基づいて指定された語句を第1商品情報として取得し、ユーザ端末により受信された提示ワードが別ウィンドウ内に表示されてもよい。このように、関連商品の取得に用いる語句をユーザに選択させることで、そのユーザの意向に沿った関連商品を提示することができる。
【0018】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、第2商品取得部が、ユーザによる商品ページの閲覧又は商品の購入の履歴を示す履歴データを記憶する第2履歴データベースを参照することで、ユーザ端末のユーザが過去に閲覧又は購入した商品をアクセス商品として特定し、続いて、第1商品情報、及び該アクセス商品を示す情報に基づいて商品データベースを参照して、第1の商品及び該アクセス商品の双方に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得してもよい。このように、ウェブページにアクセスしたユーザが過去に閲覧又は購入した商品も考慮して第2商品情報を取得することで、そのユーザの嗜好に合った関連商品を提示することができる。
【0019】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、別ウィンドウにおいて、第2商品情報の少なくとも一部が、第2の商品のウェブページへのリンクとして表示されてもよい。このリンクにより、ユーザは関連商品のウェブページに簡単にアクセスすることができる。
【0020】
さらに別の形態に係る情報提供装置では、別ウィンドウには、第2の商品を購入対象として選択するためのユーザインタフェースがさらに表示されてもよい。このインタフェースにより、ユーザは関連商品を購入対象として簡単に選ぶことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一側面によれば、関連商品の閲覧に関する利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係るオンライン・ショッピング・システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す各サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1に示すショッピングサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図4】商品情報の例を示す図である。
【図5】ウェブページの例を示す図である。
【図6】図1に示すウェブサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態に係るツールバー・プログラムの構成を示すブロック図である。
【図8】ツールバー内に関連商品が表示された例を示す図である。
【図9】第1実施形態におけるツールバー・ダウンロード処理を示すシーケンス図である。
【図10】第1実施形態における関連商品表示処理を示すシーケンス図である。
【図11】第1実施形態に係る情報提供プログラムの構成を示すブロック図である。
【図12】第2実施形態に係るウェブサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図13】第2実施形態に係るツールバー・プログラムの構成を示すブロック図である。
【図14】ツールバー内に提示ワードが表示された例を示す図である。
【図15】ツールバー内に関連商品が表示された例を示す図である。
【図16】キーワード履歴の初期値の例を示す図である。
【図17】更新されたキーワード履歴の例を示す図である。
【図18】第2実施形態における関連商品表示処理を示すシーケンス図である。
【図19】第2実施形態に係る情報提供プログラムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
(第1実施形態)
まず、図1〜11を用いて第1実施形態を説明する。第1実施形態に係るオンライン・ショッピング・システム1は、仮想商店街(オンライン・ショッピング・サイト)のユーザに商品情報を提供したり、そのユーザによる購入の申込みを受け付けて購入処理を実行したりするコンピュータシステムである。オンライン・ショッピング・サイトの会員として登録されているユーザには、ユーザを特定するためのユーザIDが付与されている。図1に示すように、オンライン・ショッピング・システム1は、ユーザ端末10、ショッピングサーバ20、店舗端末30、及びウェブサーバ40を備えている。これらの装置は、インターネットなどで構成された通信ネットワークNを介して互いに接続されており、これにより装置間の片方向通信又は双方向通信が実現される。図1では3台のユーザ端末10及び2台の店舗端末30を示しているが、オンライン・ショッピング・システム1におけるユーザ端末10及び店舗端末30の台数は何台でもよい。
【0025】
ユーザ端末10は、ウェブブラウザを備えたコンピュータである。ユーザ端末10はHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に則ったリクエスト信号(HTTPリクエスト)をショッピングサーバ20又はウェブサーバ40に送信することでウェブページを要求する。そして、ユーザ端末10はそのHTTPリクエストに応じてショッピングサーバ20又はウェブサーバ40から送られてきたウェブページを受信してウェブブラウザ上に表示する。これにより、ユーザは所望のウェブページを閲覧したり操作したりすることができる。ユーザ端末10としては、例えば高機能携帯電話機(スマートフォン)や携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、携帯型又は据置型のパーソナルコンピュータ(PC)などが挙げられるが、ユーザ端末10の種類はこれらに限定されない。
【0026】
ショッピングサーバ20は、1以上の店舗を加盟店とする仮想商店街をユーザに提供するコンピュータである。ショッピングサーバ20は各店舗の商品情報を記憶している。また、ショッピングサーバ20はユーザ端末10からのHTTPリクエストに基づいて、各種ウェブページ(例えば商品ページや商品検索用のページなど)の提供や購入処理などの様々な処理を実行する。
【0027】
図2に示すように、ショッピングサーバ20は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU101と、ROM及びRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードなどで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力部105と、モニタなどの出力部106とで構成される。ショッピングサーバ20の各機能的構成要素は、CPU101や主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力部105、出力部106などを動作させ、主記憶部102や補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102や補助記憶部103内に格納される。なお、図2ではショッピングサーバ20が1台のコンピュータで構成されているように示しているが、ショッピングサーバ20の機能を複数台のコンピュータに分散させてもよい。
【0028】
図3に示すように、ショッピングサーバ20では商品データベース21、ページ生成部22、購入処理部23、及び履歴データベース(第1及び第2履歴データベース)24という各機能的構成要素が実行される。
【0029】
商品データベース21は、商品情報を記憶する手段である。商品情報は店舗端末30や購入処理部23での処理により登録又は更新される。図4に示すように、商品情報は、店舗を特定するための店舗IDと、一の店舗における一の商品を特定するための商品IDと、商品の属性とが互いに関連付けられたレコードである。図4の例では、商品属性として商品の名前、カテゴリ、メーカ名、価格、商品画像、及び在庫数が示されているが、商品属性の項目は任意に定めてよい。なお、商品は有体物でもよいし、サービスの提供などの無体物でもよい。
【0030】
商品IDに関して言うと、一つの商品に対して店舗共通の値が割り当てられるのではなく、同じ商品であっても各店舗で異なる値が割り当てられる。図4の例では、商品Bに割り当てられている商品IDが、店舗ID「A001」の店舗と店舗ID「A002」の店舗とで異なっている。もっとも、店舗ID及び商品IDの組合せにより一の店舗の一の商品を特定することができるので、商品IDをレコード毎に変えなくてもよい。例えば、一の商品を特定するカタログID(型番)を商品IDとして用いてもよい。
【0031】
一つの商品の属性の一部が店舗間で異なることもありうる。図4の例では、商品Bの価格及び在庫が店舗間で異なっている。
【0032】
商品情報のレコードの構成は図4の例に限定されない。店舗と商品とが対応付けられている限りにおいて、任意の正規化や冗長化を用いて商品情報を設計することが可能である。
【0033】
ページ生成部22は、ユーザ端末10からのHTTPリクエストに応じて、オンライン・ショッピング・サイトのウェブページを生成し、生成したウェブページをそのユーザ端末10に送信する手段である。例えば、ページ生成部22は、ユーザ端末10においてクリックされたリンクに対応する商品のウェブページ(商品ページ)や、ユーザ端末10において指定された検索条件に合致する1以上の商品が掲載されたウェブページ(検索結果ページ)を生成及び送信する。また、ページ生成部22は商品ページに対するユーザ端末10での操作に応じて、買い物かごに入れられた商品の一覧を表示するウェブページ(買い物かごページ)や、決済及び配送の手続を行うためのウェブページ(決済ページ)を生成及び送信する。ウェブページを生成する際には、ページ生成部22は必要に応じて商品データベース21を検索して必要な商品情報を読み出す。
【0034】
ページ生成部22により生成される商品ページの一例を図5に示す。図5に示す例は、ある特定の店舗で取り扱われている商品「ステレオヘッドセット」のウェブページ200である。ウェブページ200の左側の領域201には、店舗で取り扱われている他の商品にアクセスするためのリンクが表示されている。一方、商品ページの残りの領域202には、ステレオヘッドセットについての価格や型番などの商品情報と、商品を買い物かごに入れたり問合せを行ったりするための各種ボタンと、お気に入りへの追加や、レビューの閲覧または作成などを行うための各種リンクとが表示されている。
【0035】
このようなページ生成処理に加えて、ページ生成部22は、HTTPリクエストに含まれているユーザIDと、生成及び送信されるウェブページで示される商品のIDと、現在日時とを含む閲覧履歴のレコードを生成して履歴データベース24に格納する。
【0036】
購入処理部23は、決済ページを介してユーザから商品の購入が申し込まれた場合に、商品の手配や代金請求、商品情報内の在庫数の更新などの一連の購入処理を行う手段である。購入処理部23は、ユーザID及び購入商品の商品IDを含む申込データをユーザ端末10から受信すると、その申込データに基づいて購入処理を実行する。また、購入処理部23はそのユーザID及び商品IDと現在日時とを含む購入履歴のレコードを生成して履歴データベース24に格納する。
【0037】
履歴データベース24は、各種の履歴データ(閲覧履歴、購入履歴、及び検索履歴)を記憶する手段である。閲覧履歴のレコードは、ユーザIDと、閲覧された商品のIDと、閲覧日時とを含む。購入履歴のレコードは、ユーザIDと、購入された商品のIDと、購入日時とを含む。検索履歴は、ユーザIDと、そのユーザが仮想商店街の所定のウェブページにおいて商品を検索するために入力したキーワードと、検索結果ページに含まれるウェブページのURLと、検索日時とを含む。閲覧履歴はページ生成部22により格納され、購入履歴は購入処理部23により格納される。閲覧履歴は、商品検索処理が実行される度に生成され格納される。
【0038】
なお、商品データベース21及び履歴データベース24はショッピングサーバ20の外部に設けられていてもよい。この場合には、ページ生成部22及び購入処理部23は通信ネットワークを介して各データベース21,24にアクセスすればよい。
【0039】
店舗端末30は、仮想商店街の加盟店舗に設けられたコンピュータである。店舗端末30は、加盟店舗のスタッフにより入力された商品情報の登録、上書き、あるいは削除の指示を受け付け、商品データベース21内に記憶されている自店舗の商品情報をその指示に基づいて更新する。
【0040】
以上を前提として、本発明の一形態に係る情報提供装置が適用されるウェブサーバ40について説明する。ウェブサーバ40は、商品ページに表示されている商品に関連する他の商品(関連商品)の情報(関連商品情報)を表示するためのツールバーの提供と、関連商品情報の検索とを実行するコンピュータである。ウェブサーバ40はショッピングサーバ20と同じ会社により運営されてもよいし、それとは異なる会社により運営されてもよい。
【0041】
ウェブサーバ40のハードウェア構成はショッピングサーバ20と同様であり、例えば図2のように示すことができる。したがって、ウェブサーバ40の各機能的構成要素も、CPU101や主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力部105、出力部106などを動作させ、主記憶部102や補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102や補助記憶部103内に格納される。ウェブサーバ40の機能は複数台のコンピュータに分散させてもよい。
【0042】
図6に示すように、ウェブサーバ40ではツールバー提供部41、ツールバー記憶部42、キーワード取得部(第1商品取得部)43、関連商品取得部(第2商品取得部)44、及び関連商品送信部(商品情報送信部)45という各機能的構成要素が実行される。
【0043】
ツールバー提供部41は、ショッピングサーバ20のページ生成部22で生成された商品ページに重畳して表示されるツールバー・プログラム(情報表示プログラム)をユーザ端末10に提供する手段である。ツールバーは、関連商品情報を表示するためのユーザインタフェースである。ツールバー提供部41は、ユーザ端末10からダウンロード要求を受け付けると、ツールバー・プログラムをツールバー記憶部42から読み出してそのユーザ端末10に送信する。送信されたプログラムはユーザ端末10より受信されインストールされる。ユーザ端末10にツールバーがインストールされた以降は、ユーザはそのツールバーを用いて関連商品情報を閲覧することができる。インストールされたツールバーにはユーザIDが記憶される。
【0044】
図7に示すように、ツールバー・プログラムP1は、メインモジュールP10、ツールバー表示モジュールP11、及び情報表示モジュールP12を備えている。
【0045】
メインモジュールP10は、ツールバー機能を統括的に制御する部分である。ツールバー表示モジュールP11は、ウェブページに重畳してツールバーを表示するツールバー表示部11をユーザ端末10に実行させる。情報表示モジュールP12は、関連商品送信部45から送られてきた関連商品情報を受信し、その関連商品情報をツールバー内に表示する情報表示部12をユーザ端末10に実行させる。すなわち、このツールバー・プログラムP1がインストールされることで、図6に示すように、ユーザ端末10においてツールバー表示部11(ウィンドウ表示部)及び情報表示部12が実現する。
【0046】
ツールバー・プログラムP1は、本実施形態のように通信ネットワークNを介して提供されてもよいし、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリ等の有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。
【0047】
図8に示すように、ツールバー300はウェブブラウザ400とは別のウィンドウとして表示される。ツールバー300はウェブページ200に重畳されて表示されるので、ユーザからは、ツールバー300がウェブブラウザ400上でポップアップ表示されたウィンドウのように見える。
【0048】
ツールバー300には1以上の関連商品についての商品情報が表示される。関連商品の名前(図8の例では「商品AB」「商品BC」「商品CD」)には、当該関連商品のウェブページへのリンクが埋め込まれている。このリンクがクリックされると、関連商品のウェブページ(関連商品ページ)を取得するためのHTTPリクエストがショッピングサーバ20に送信される。このリクエストに応じてページ生成部22が関連商品ページを生成しユーザ端末10に送信すると、ウェブブラウザ400上に表示されているウェブページ200が関連商品ページに切り替わる。したがって、ユーザは関連商品のウェブページに簡単にアクセスすることができる。さらに、ツールバー300には各関連商品についての買い物かごボタン(関連商品を購入対象として選択するためのユーザインタフェース)も表示されるので、ユーザは関連商品を購入対象として簡単に選ぶことができる。
【0049】
ツールバーは、商品ページに対する所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)を契機に起動してもよいし、ウェブブラウザと同時に起動してもよい。起動時にはツールバー自体は非表示であってもよい。
【0050】
ツールバーは、関連商品を表示する機能を有する。商品ページに対する所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)が行われた時に、あるいは商品ページが表示された時に、ツールバーはウェブブラウザに表示された商品ページのURL(Uniform Resource Locator)を取得し、このURLと保持しているユーザIDとをウェブサーバ40に送信する。そして、ツールバーはこれらの情報に応じてウェブサーバ40から送られてきた関連商品情報を受信し、図8に示すようにその関連商品情報を表示する。商品ページの表示と同時に関連商品情報を取得した場合には、ツールバーは所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)を受けて初めてその関連商品情報を表示してもよい。
【0051】
ツールバー自体をウェブブラウザ上のどこに配置するかは任意に定めてよく、ユーザがツールバー自体の位置や形状、大きさを変更可能なようにツールバーを設計してもよい。また、ツールバー内における関連商品の表示方法は図8の例に限定されない。例えば、関連商品のウェブページへのリンクや買い物かごボタンをツールバー内に配置しなくてもよい。また、関連商品のウェブページへのリンク及び買い物かごボタン以外のインタフェースをツールバー内に配置してもよい。例えば、図5における問い合わせボタンや、コメントを作成して所定のデータベースに登録するためのテキストボックス及びボタンが配置されてもよい。
【0052】
キーワード取得部43は、ユーザ端末10からのHTTPリクエストに基づいて生成されたウェブページで示される商品の情報を取得する手段である。
【0053】
キーワード取得部43は、ツールバーから送られてきたユーザID及び商品ページのURLを受信すると、まず、そのURLが関連商品情報を重畳表示する対象となっているウェブページを示すものであるか否かを判定する。そして、受信したURLが処理対象となっている場合にのみ、商品ページで表示されている商品情報の取得を開始する。
【0054】
例えば、キーワード取得部43は、関連商品情報を重畳表示する対象となっているURLのリストを保持しており、受信したURLがそのリスト内に存在する場合にのみ商品情報の取得を開始してもよい。
【0055】
また、キーワード取得部43は受信したURLで示される商品ページの内容や構成を解析し、所定のユーザインタフェースや語句が商品ページ内に存在する場合にのみ商品情報の取得を開始してもよい。例えば、キーワード取得部43はURLで示される商品ページに買い物かごボタンや決済ボタンなどが含まれていたり、取引の規約や配送方法、金額などが記載されていたりした場合に、商品情報の取得を開始してもよい。
【0056】
このように、商品情報を取得するか否かを事前に判定することで、商品が掲載されていないウェブページに対して関連商品の検索が実行されることを回避できる。このような判定ロジックはツールバーに実装されてもよいが、本実施形態のようにウェブサーバ40側でこの判定を実行することで、ツールバーがインストールされるユーザ端末10に掛かる処理の負荷を低減することができる。この判定処理の際にURLのリストを用いれば、ウェブページが商品に関するものか否かを簡単に判定することができる。一方、ウェブページが商品に関するものか否かを所定のインタフェース又は所定の語句の有無に基づいて判定するならば、ウェブページに関する判定を動的に実行することができる。
【0057】
商品情報の取得を行うと判定すると、キーワード取得部43は受信したURLを含むHTTPリクエストをショッピングサーバ20に送信し、そのリクエストに応じてページ生成部22で生成及び送信された商品ページを受信する。すなわち、キーワード取得部43はユーザ端末10で表示されているものと同じ商品ページのデータを取得する。続いて、キーワード取得部43は商品ページから店舗ID(第1の商品の取扱店舗を特定する第1店舗情報)及びキーワードを取得し、これらのデータをユーザIDと共に関連商品取得部44に出力する。本実施形態において、店舗ID及びキーワードは第1商品情報に相当する。
【0058】
キーワードの取得については、様々な手法が考えられる。第1の手法として、キーワード取得部43は、商品ページ内のテキストに対して形態素解析を実行することで得られた語句をキーワードとして取得したり、商品ページ内のタグ情報で示される語句をキーワードとして取得したりしてもよい。また、キーワード取得部43は商品ページ内の画像を光学文字認識(OCR)処理することで得た語句をキーワードとして取得してもよい。
【0059】
また、キーワード取得部43は上記第1の手法を用いて取得したキーワードから以下に示す方法で選択した一部のキーワードを最終的に取得してもよい。この手法を第2及び第3の手法として以下に説明する。
【0060】
第2の手法として、キーワード取得部43は、履歴データベース24内の検索履歴を参照することで、検索回数が多い語句(例えば上位10位までの語句)の集合を特定し、第1の手法で得たキーワードのうちその集合に含まれるものを最終的に選択してもよい。このように、商品検索サービスで多く用いられた語句をキーワードとして用いることで、適正なキーワードを用いて関連商品情報を取得することができる。
【0061】
第3の手法として、キーワード取得部43は、入力されたユーザID及びURLに対応する検索履歴を履歴データベース24から抽出し、第1の手法で得たキーワードのうちその集合に含まれるものを最終的にして選択してもよい。これにより、ユーザによる検索の傾向に沿ったキーワードを得ることができる。
【0062】
関連商品取得部44は、入力された店舗ID、キーワード、及びユーザIDの少なくとも一部に基づいて商品データベース21を検索することで関連商品情報(第2商品情報)を取得する手段である。関連商品情報の検索方法もいくつか挙げることができる。
【0063】
第1の手法として、関連商品取得部44は、店舗IDが一致し、且つ商品属性(商品の名前やカテゴリ、メーカ名など)がキーワードに一致又は類似する1以上の商品情報を商品データベース21から抽出してもよい。この場合にはユーザIDは不要である。キーワードが複数存在する場合には、関連商品取得部44はAND検索及びOR検索のいずれを実行してもよい。
【0064】
第2の手法として、関連商品取得部44は、ユーザの閲覧履歴及び購入履歴のうちの少なくとも一つも参照して関連商品を抽出してもよい。なお、以下では、閲覧履歴及び購入履歴のうちの少なくとも一つを「閲覧/購入履歴」という。具体的には、関連商品取得部44はまずユーザIDに対応する閲覧/購入履歴を履歴データベース24から読み出すことで、これまでにユーザが閲覧又は購入した商品(アクセス商品)を特定する。続いて、関連商品取得部44は、店舗IDが一致し、且つ商品属性がキーワード及び特定された商品の属性の双方に一致又は類似する1以上の商品情報を商品データベース21から抽出する。このように、ウェブページにアクセスしたユーザが過去に閲覧又は購入した商品も考慮して関連商品情報を取得することで、そのユーザの嗜好に合った関連商品を提示することができる。
【0065】
いずれにしても、関連商品取得部44は商品ページに掲載されている商品と取扱店舗が同じである関連商品の情報を取得して関連商品送信部45に出力する。語句の類似度に基づく検索を行う際には、関連商品取得部44は、従来から知られているレコメンド商品抽出のロジックや意味解析などを用いることができる。また、関連商品取得部44は、ショッピングサーバにより提供される検索用のAPI(Application Programming Interface)を用いてもよい。
【0066】
関連商品送信部45は、関連商品取得部44から入力された関連商品情報をツールバー内に表示させるためにその関連商品情報をユーザ端末10に送信する手段である。
【0067】
次に、図9,10を用いて、オンライン・ショッピング・システム1の動作を説明するとともに本実施形態に係る情報提供方法について説明する。
【0068】
ユーザ端末10へのツールバーのインストールは図9に示すように行われる。ユーザ端末10においてユーザがツールバーを取得するための操作を行うと(ステップS11)、その操作に応じてユーザ端末10がツールバーのダウンロード要求をウェブサーバ40に送信する(ステップS12)。ウェブサーバ40では、ツールバー提供部41がその要求に応じてツールバー・プログラムをツールバー記憶部42から取得してユーザ端末10に送信する(ステップS13,S14)。ユーザ端末10は、そのプログラムを受信してインストール処理を実行する(ステップS15)。これにより、ユーザ端末10でツールバーが利用可能になる。
【0069】
ツールバーを用いた関連商品情報の表示は図10に示すように行われる。ユーザ端末10においてユーザが特定の商品ページを要求する操作を行うと(ステップS21)、その操作に応じてユーザ端末10が商品ページを取得するためのHTTPリクエストをショッピングサーバ20に送信する(ステップS22)。ショッピングサーバ20では、ページ生成部22がそのHTTPリクエストに応じて商品ページを生成してユーザ端末10に送信する(ステップS23,S24)。これにより、ユーザ端末10のウェブブラウザ上に商品ページが表示される(ステップS25)。
【0070】
その後、ユーザが、商品ページが表示されているウェブブラウザに対して、関連商品を表示させるための操作(例えば商品ページ内での右クリック)を行うと(ステップS26)、ツールバーが、予め保持しているユーザIDと商品ページのURLとをウェブサーバ40に送信する(ステップS27)。上述したように、ツールバーはユーザ操作を待つことなく、商品ページが表示された時点で自動的にユーザID及びURLをウェブサーバ40に送信してもよい。したがって、ステップS26の処理は省略可能である。
【0071】
ウェブサーバ40では、キーワード取得部43がURLで示される商品ページをショッピングサーバ20から取得し(ステップS28、第1商品取得ステップ)、その商品ページに基づいて店舗ID及びキーワードを取得する(ステップS29、第1商品取得ステップ)。この際には、キーワード取得部43はキーワードを取得するか否かを判定する。キーワードの取得に関しては、上述したように様々な手法がある。続いて、関連商品取得部44が、店舗ID及びキーワードを用いてショッピングサーバ20の商品データベース21を検索することで、これらのデータに対応する商品情報を関連商品情報として取得する(ステップS30、第2商品取得ステップ)。関連商品情報の検索に関しても、上述したように様々な手法がある。続いて、関連商品送信部45が関連商品情報をユーザ端末10に送信する(ステップS31、商品情報送信ステップ)。
【0072】
ユーザ端末10では、ツールバーがその関連商品情報を表示する(ステップS32)。これにより、ユーザは商品ページ内に表示された商品と、ツールバー内に表示された関連商品とを同時に閲覧することができる。なお、商品ページの表示と同時に関連商品情報を取得し、所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)を受けて初めてその関連商品情報を表示する場合には、ステップS32の処理はそのユーザ操作に応じて実行される。
【0073】
次に、図11を用いて、コンピュータをウェブサーバ40として機能させるための情報提供プログラムP2を説明する。
【0074】
情報提供プログラムP2は、メインモジュールP20、ツールバー提供モジュールP21、ツールバー記憶モジュールP22、キーワード取得モジュールP23、関連商品取得モジュールP24、及び関連商品送信モジュールP25を備えている。
【0075】
メインモジュールP20は、情報提供機能を統括的に制御する部分である。ツールバー提供モジュールP21、ツールバー記憶モジュールP22、キーワード取得モジュールP23、関連商品取得モジュールP24、及び関連商品送信モジュールP25を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記のツールバー提供部41、ツールバー記憶部42、キーワード取得部43、関連商品取得部44、及び関連商品送信部45の機能と同様である。
【0076】
情報提供プログラムP2は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリ等の有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供される。また、情報提供プログラムP2は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザの要求に基づいて得られた商品の情報はウェブページ上に表示される一方で、関連商品は、そのウェブページ上に重畳して表示されるツールバー内に表示される。このように、関連商品をウェブページ内ではなくツールバーに表示させることで、ユーザはウェブページに対して特段の操作をすることなく、意図的にアクセスした商品(自分で検索した商品)と関連商品とを同時に見ることができる。すなわち、関連商品の閲覧に関する利便性を高めることができる。
【0078】
例えば、ウェブページに関連商品が掲載されていた場合でも、ページレイアウトのためにユーザが自らアクセスした商品とその関連商品とを一度に見ることができない場合があるが、本実施形態ではその不便を解消することができる。また、ウェブページに関連商品が掲載されていなくても、ユーザはツールバーを介して関連商品の情報を得ることができる。さらに、関連商品はツールバー内に表示されるので、関連商品の表示によってウェブブラウザ内の表示がユーザの意図に反して変わることはない。
【0079】
このように、本実施形態における関連商品の表示手法は、従来のようにウェブページ内に関連商品を表示させる手法や、検索エンジンによるキーワード検索で得られる情報の一覧の表示方法とは全く異なる。
【0080】
また、本実施形態ではユーザは何も操作をしなくても、あるいはウェブページ上で右クリックなどの簡単な操作を行うだけで、関連商品情報を簡単に得ることができる。例えば、自分で考えたキーワードを入力して検索することで関連商品情報を得る場合と比べると、ユーザは迅速且つ簡単にその情報を得ることができる。
【0081】
本実施形態では、取扱店舗が同じである関連商品がユーザに提示されるので、その店舗にとっては、ユーザの注目が他店舗の商品に移ることを防止することができる。また、ユーザにとっては、同じ店舗で扱われている関連商品にアクセスすることができるし、ひいては、一つの店舗で購入を完結させることができる。このような手法は、取扱店舗に関係なく関連商品を表示している従来の手法とは全く異なる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、図12〜19を用いて第2実施形態を説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、ウェブサーバにおいて決定されたキーワードにより関連商品が自動的に検索されるのではなく、一旦キーワードがユーザに提示され、その提示に基づいてユーザが指定されたキーワードを用いて関連商品が検索されることである。そのため、第2実施形態では、ツールバーおよびウェブサーバの機能の一部が第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる点について特に説明する。
【0083】
第2実施形態に係るオンライン・ショッピング・システム2の全体構成は第1実施形態と同様であるが(図1参照)、オンライン・ショッピング・システム2は、ウェブサーバ40に代えてウェブサーバ50を備えている。このウェブサーバ50に、本発明の別の形態に係る情報提供装置が適用される。
【0084】
ウェブサーバ50は、関連商品情報を表示するためのツールバーの提供と、関連商品情報の検索とを実行するコンピュータである。ウェブサーバ50は通信ネットワークNを介してユーザ端末10やショッピングサーバ20と通信可能に接続されている。ウェブサーバ50のハードウェア構成はウェブサーバ40のものと同様である(図2参照)。したがって、ウェブサーバ50の各機能的構成要素も、CPU101や主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力部105、出力部106などを動作させ、主記憶部102や補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102や補助記憶部103内に格納される。ウェブサーバ50の機能は複数台のコンピュータに分散されていてもよい。
【0085】
図12に示すように、ウェブサーバ50ではツールバー提供部51、ツールバー記憶部52、キーワード取得部53、キーワード履歴データベース54、関連商品取得部55、及び関連商品送信部56という各機能的構成要素が実行される。
【0086】
本実施形態におけるユーザ端末10へのツールバー・プログラムの提供方法は第1実施形態と同様なので、ツールバー提供部51及びツールバー記憶部52の機能はそれぞれ、第1実施形態におけるツールバー提供部41及びツールバー記憶部42と同じである。しかし、ツールバーの機能そのものは第1実施形態と異なるので、その機能についてまず説明する。
【0087】
図13に示すように、ツールバー・プログラムP3は、メインモジュールP30、ツールバー表示モジュールP31、及び情報表示モジュールP32を備えている。
【0088】
メインモジュールP30は、ツールバー処理を統括的に制御する部分である。ツールバー表示モジュールP31は、ツールバーを表示するツールバー表示部61をユーザ端末10に実行させる。情報表示モジュールP32は、後述する提示ワードの受信及び表示と、関連商品情報の受信及び表示とを実行する情報表示部62をユーザ端末10に実行させる。すなわち、このツールバー・プログラムP3がインストールされることで、図12に示すように、ユーザ端末10においてツールバー表示部61及び情報表示部62が実現する。
【0089】
ツールバー・プログラムP3は、ツールバー・プログラムP1と同様に、通信ネットワークNや記録媒体を介して提供することができる。
【0090】
本実施形態におけるツールバーは、関連商品を表示する機能だけでなく、その関連商品を検索するためのキーワードをユーザに指定させる機能も備えるユーザインタフェースである。ユーザ端末10にツールバーがインストールされた以降は、ユーザはそのツールバーを用いてキーワードを指定することで関連商品情報を閲覧することができる。インストールされたツールバーにはユーザIDが記憶される。本実施形態でも、ツールバーはウェブページに重畳して表示されるので、ユーザからは、ツールバーがウェブブラウザ上でポップアップ表示されたウィンドウのように見える。
【0091】
図14,15も参照して、本実施形態におけるツールバー500の動作を説明する。ツールバー500は、商品ページ200に対する所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)を契機に起動してもよいし、ウェブブラウザ400と同時に起動してもよい。起動時にはツールバー500自体は非表示であってもよい。
【0092】
ユーザ端末10に商品ページ200が表示され、自動的に又はユーザの操作に応じてツールバー500がその商品ページに重畳して表示されると、まず、ツールバー500には図14に示すような提示ワードの一覧が表示される。図14の例では、「ステレオヘッドセット」「ネックバンド式」「店舗X」「携帯電話対応」という4個の提示ワードが表示されている。
【0093】
各提示ワードの左側には、関連商品を検索する際にその提示ワードを用いるか否かを示すマークが表示されている。このマークは、提示ワードを用いることを示す「○」と、提示ワードを用いないことを示す「×」のどちらかで示される。ユーザはこのマークをクリックすることで、対応する提示ワードを関連商品検索に用いるか否かを指定することができる。ツールバー500の左下にある編集ボタンは、提示ワードを編集するためのボタンである。この編集ボタンにより、ユーザは提示された語句を参考にしつつキーワードを自由に設定することができる。ツールバー500の右下にある検索ボタンは、関連商品検索をウェブサーバ50に指示するためのボタンである。
【0094】
検索ボタンが押されたことで関連商品検索が実行されると、図15に示すように、1以上の関連商品についての商品情報がツールバー500内に表示される。この際には、図14,15から分かるように、ツールバーの形状及び大きさが変わりうる。関連商品の名前(図15の例では「商品AB」「商品BC」「商品CD」)には、当該関連商品のウェブページへのリンクが埋め込まれている。さらに、各関連商品についての買い物かごボタンも表示される。このように、関連商品の表示態様は第1実施形態(図8)と同様である。
【0095】
商品ページに対する所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)が行われた時に、あるいは商品ページが表示された時に、ツールバーはウェブブラウザに表示された商品ページのURLを取得し、このURLと保持しているユーザIDとをウェブサーバ50に送信する。そして、ツールバーはこれらの情報に応じてウェブサーバ50から送られてきた1以上の提示ワードを受信し、その提示ワードを図14に示すように表示する。なお、商品ページの表示を契機に提示ワードを取得した場合には、ツールバーは所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)を受けて初めてその提示ワードを表示してもよい。この場合には、ユーザ操作から関連商品の表示までのタイムラグを避けることができる。
【0096】
その後、ユーザが提示ワードに基づいてキーワードを指定して検索ボタンを押すと、ツールバーは商品ページのURLと、ユーザIDと、選択された1以上のキーワードとをウェブサーバ50に送信する。ここで、提示ワードに基づくキーワードの指定とは、提示ワードの選択や、提示ワードを編集することで作成した語句を選択することを意味する。ツールバーはその送信に応じてウェブサーバ50から送られてきた関連商品情報を受信し、図15に示すようにその関連商品情報を表示する。関連商品情報が表示された後のツールバーの操作方法は第1実施形態と同様である。
【0097】
第1実施形態と同様に、ツールバー自体の配置方法や表示方法、及び、ツールバー内における関連商品の表示方法は任意に定めてよい。提示ワードはグループ化された上で階層的に表示されてもよい。また、一部の提示ワードを任意の視覚効果(例えば色分けやハイライト表示)を用いて強調表示してもよい。例えば、後述するキーワード取得部53において、他ユーザにより検索された回数が特に多いと判定された提示ワードを強調表示してもよい。
【0098】
キーワード取得部53は、ユーザ端末10からのHTTPリクエストに基づいて生成されたウェブページで示される商品の情報を取得する手段である。
【0099】
キーワード取得部53は、ツールバーから送られてきたユーザID及び商品ページのURLを受信すると、まず、そのURLが関連商品情報を重畳表示する対象となっているウェブページを示すものであるか否かを判定する。キーワード取得部53は、第1実施形態におけるキーワード取得部43と同様にこの判定を行えればよい。
【0100】
キーワード取得部53は、受信したURLが処理対象となっている場合にのみ、商品ページで表示されている商品情報(第1商品情報)の取得を開始する。キーワード取得部53は受信したURLを含むHTTPリクエストをショッピングサーバ20に送信し、そのリクエストに応じてページ生成部22で生成及び送信された商品ページを受信する。続いて、キーワード取得部53はその商品ページから店舗ID(第1の商品の取扱店舗を特定する第1店舗情報)及び提示ワードを取得する。
【0101】
提示ワードの取得に関して言うと、キーワード取得部53は、第1実施形態におけるキーワード取得部43と同様の手法(第1〜第3の手法)により提示ワードを取得してもよい。
【0102】
また、第4の手法として、ユーザが同じ商品ページを過去にも閲覧していた場合には、キーワード取得部53はキーワード履歴から今回の提示ワードを取得してもよい。具体的には、キーワード取得部53は受信したユーザID及びURL(今回取得したウェブページのURL)に対応する最近のキーワード履歴が後述のキーワード履歴データベース54に記憶されているか否かを判定する。そして、そのようなキーワード履歴が記憶されている場合には、キーワード取得部53はそのキーワード履歴で示されているキーワードを提示ワードとして取得する。この際に、キーワード取得部53はフラグ情報が「YES」であるキーワード、すなわち、ユーザが前回実際に用いたキーワードのみを取得してもよい。一方、受信したユーザID及びURLに対応するキーワード履歴が記憶されていない場合には、キーワード取得部53は上記第1〜第3の手法のいずれかを用いればよい。第4の手法においては、キーワード履歴データベース54はキャッシュの機能を果たしているといえる。
【0103】
このような第4の手法によれば、提示ワードを簡単に且つ早く取得することができる。フラグ情報が「YES」であるキーワードのみを取得した場合には、よりユーザの意向に沿った候補ワードを提示することができる。
【0104】
第5の手法として、キーワード取得部53は、他のユーザのキーワード履歴から今回の提示ワードを取得してもよい。具体的には、キーワード取得部53は受信したユーザIDとは異なるユーザIDを含み、且つ入力されたURL(今回取得したウェブページのURL)と一致するキーワード履歴をキーワード履歴データベース54から読み出す。続いて、キーワード取得部53は読み出したキーワード履歴で示されるキーワードから所定数のキーワードを提示ワードとして取得する。この際、キーワード取得部53は任意の手法で提示ワードを選んでよい。例えば、キーワード取得部53は、フラグ情報が「YES」であるキーワードのみを抽出して、他ユーザにより指定された回数が多い順に所定数のキーワードを選んでもよい。また、キーワード取得部53はフラグ情報を参照することなくキーワード履歴を集計し、提示された回数が多い順に所定数のキーワードを選んでもよい。
【0105】
このように、他のユーザに対する処理で用いられたものと同じ語句を提示ワードとして設定することで、他者によるキーワード設定の傾向が反映された提示ワードをユーザに提供することができる。
【0106】
店舗ID及び提示ワードを取得すると、キーワード取得部53はこれらのデータをユーザ端末10に送信する。さらに、キーワード取得部53はこれらのデータ及び受信したユーザID及びURLに基づいてキーワード履歴を生成してキーワード履歴データベース54に格納する。
【0107】
図16に示すように、キーワード履歴のレコードは、1回のキーワード取得処理を特定する処理IDと、その処理の日時と、受信したユーザIDと、商品ページから取得した店舗IDと、受信したURL(商品ページのURL)と、取得した1以上のキーワード(提示ワード)と、各キーワード(提示ワード)がユーザにより選択されたか否かを示すフラグ情報とを含んでいる。フラグ情報は「YES」か「NO」で示されるが、キーワード取得処理が行われた直後はまだユーザによるキーワードの指定が行われていないので、その初期値は「NO」である。
【0108】
関連商品取得部55は、ユーザ端末10から送られてきた店舗ID、キーワード、及びユーザIDを受信し、これらのデータの少なくとも一部に基づいて商品データベース21を検索することで関連商品情報(第2商品情報)を取得する手段である。関連商品取得部55は、第1実施形態における関連商品取得部44と同様に任意の手法を用いて、商品ページに掲載されている商品と取扱店舗が同じである関連商品の検索を実行する。
【0109】
関連商品取得部44は商品ページに掲載されている商品と取扱店舗が同じである関連商品の情報を取得し、その関連商品情報を関連商品送信部45に出力する。また、関連商品取得部44はユーザが特定のキーワードを用いたことを示す情報をキーワード履歴データベース54に登録する。具体的には、関連商品取得部44は対応する処理IDのキーワード履歴に対して、指定されたキーワードに対応するフラグ情報を「YES」に更新する。ユーザが提示ワードを編集した場合には、関連商品取得部44はキーワード履歴内のキーワード(提示ワード)を編集後の値で上書きする。例えば、図16に示すキーワード履歴が図17に示すように更新される。図17の例からは、ユーザが当初のキーワード「ステレオヘッドセット」を「ヘッドセット」編集したことや、ユーザが「ヘッドセット」「ネックバンド方式」「携帯電話対応」という3個のキーワードを選択したことが分かる。
【0110】
関連商品送信部56は、関連商品取得部55から入力された関連商品情報をツールバー内に表示させるためにその関連商品情報をユーザ端末10に送信する手段である。
【0111】
次に、図18を用いて、オンライン・ショッピング・システム2の動作を説明するとともに本実施形態に係る情報提供方法について説明する。ここでは、第1実施形態とは異なる、関連商品表示処理について説明する。
【0112】
ステップS41〜S45の処理は第1実施形態におけるステップS21〜S25までの処理と同じなので、その説明を省略する。ユーザが、商品ページに対して、関連商品を表示させるための操作(例えば商品ページ内での右クリック)を行うと(ステップS46)、ツールバーが、予め保持しているユーザIDと商品ページのURLとをウェブサーバ50に送信する(ステップS47)。上述したように、ツールバーはユーザ操作を待つことなく、商品ページが表示された時点で自動的にユーザID及びURLをウェブサーバ50に送信してもよい。したがって、ステップS46の処理は省略可能である。
【0113】
ウェブサーバ50では、キーワード取得部53がURLで示される商品ページをショッピングサーバ20から取得し(ステップS48)、その商品ページに基づいて店舗ID及び提示ワードを取得する(ステップS49)。提示ワードの取得に関しては、上述したように様々な手法がある。キーワード取得部53は取得した提示ワードをユーザ端末10に送信する(ステップS50)。
【0114】
ユーザ端末10では、ツールバーがその提示ワードを表示する(ステップS51)。そして、ユーザがそのツールバーを操作してキーワードを指定し検索ボタンを押すと(ステップS52)、ツールバーはそのキーワードをウェブサーバ50に送信する(ステップS53)。
【0115】
ウェブサーバ50では、関連商品取得部55が、店舗ID及びキーワードを用いて商品データベース21を検索することで、これらのデータに対応する商品情報を関連商品情報として取得する(ステップS54)。そして、関連商品送信部56がその関連商品情報をユーザ端末10に送信する(ステップS55)。ユーザ端末10では、ツールバーがその関連商品情報を表示する(ステップS56)。なお、商品ページの表示と同時に提示ワードを取得し、所定のユーザ操作(例えば商品ページ内での右クリック)を受けて初めてその提示ワードを表示する場合には、ステップS51の処理はそのユーザ操作に応じて実行される。
【0116】
次に、図19を用いて、コンピュータをウェブサーバ50として機能させるための情報提供プログラムP4を説明する。
【0117】
情報提供プログラムP4は、メインモジュールP40、ツールバー提供モジュールP41、ツールバー記憶モジュールP42、キーワード取得モジュールP43、キーワード履歴記憶モジュールP44、関連商品取得モジュールP45、及び関連商品送信モジュールP46を備えている。
【0118】
メインモジュールP40は、情報提供機能を統括的に制御する部分である。ツールバー提供モジュールP41、ツールバー記憶モジュールP42、キーワード取得モジュールP43、キーワード履歴記憶モジュールP44、関連商品取得モジュールP45、及び関連商品送信モジュールP46を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記のツールバー提供部51、ツールバー記憶部52、キーワード取得部53、キーワード履歴データベース54、関連商品取得部55、及び関連商品送信部56の機能と同様である。
【0119】
情報提供プログラムP4は、情報提供プログラムP2と同様に、通信ネットワークや記録媒体を介して提供することができる。
【0120】
以上説明した第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2実施形態特有の効果として以下の点が挙げられる。
【0121】
本実施形態によれば、関連商品情報を取得するための提示ワードがユーザ端末10に送信されるので、ユーザは関連商品を得るために用いる語句をその提示ワードに基づいて指定することができる。したがって、そのユーザは自身の意向に沿った関連商品の情報を選択肢から簡単に得ることができる。例えば、関連商品のキーワードを自分で準備することが難しい場合でも、ユーザは選択肢からキーワードを選ぶことができる。また、提示ワードにより、自分では思いつかないキーワードをユーザに気付かせることもできる。
【0122】
また、関連商品情報だけでなく提示ワードもツールバー内に表示されるので、ウェブページの表示が提示ワードの表示により影響を受けることもなく、したがって、本実施形態でもウェブページの閲覧性は損なわれない。
【0123】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0124】
ウェブサーバはショッピングサーバと一体化されていてもよい。一方で、ツールバー提供部及びツールバー記憶部はウェブサーバとは別のサーバに設けられていてもよい。上記第2実施形態において、キーワード履歴データベースはウェブサーバの外部に設けられていてもよく、この場合には、ウェブサーバは通信ネットワークを介してそのデータベースにアクセスすればよい。
【0125】
上記各実施形態では、ウェブページに表示された商品と関連商品とでその取扱店舗が同じであったが、ウェブページに表示された商品の取扱店舗とは異なる店舗で扱われている商品が関連商品として抽出されてもよい。この場合には、関連商品取得部は商品データベースから関連商品情報を抽出する際に店舗IDを用いる必要はない。
【0126】
上記各実施形態では、キーワード取得部が、ユーザ端末から受信したURLが関連商品情報を重畳表示する対象となっているウェブページを示すものであるか否かを判定したが、この判定処理は省略してもよい。
【0127】
上記各実施形態は、ウェブページ内に一つの商品のみが掲載されている場合だけでなく、複数の商品が掲載されている場合にも同様に適用することができる。例えば、ウェブページ上に商品Qaと商品Qbが掲載されている場合には、第1実施形態に係るウェブサーバ40はそのウェブページのURLに基づいて商品Qa,Qbの商品情報をそれぞれ取得し、各商品情報について関連商品情報を取得すればよい。一方、第2実施形態に係るウェブサーバ50はそのウェブページのURLに基づいて商品Qa,Qbに対する提示ワードをそれぞれ取得し、その後ユーザ端末10から受信したキーワード(商品Qa,Qbの少なくとも一方に関するキーワード)を用いて関連商品情報(商品Qa,Qbの少なくとも一方に関連する商品の情報)を取得すればよい。
【0128】
上記各実施形態では、キーワード取得部43,53が商品ページから店舗IDを取得し、関連商品取得部44,55がこの店舗IDを用いて関連商品を検索したが、店舗を識別するために店舗ID以外の情報を用いることもできる。例えば、キーワード取得部が商品ページ内の文字列又は画像を解析することで店舗名称を取得し、関連商品取得部がその店舗名称に対応する関連商品を検索してもよい。あるいは、キーワード取得部が商品ページのURLで示される店舗識別情報を取得し、関連商品取得部がその識別情報に対応する関連商品を検索してもよい。このように、店舗情報として用いる値の種類や、店舗情報の取得方法は任意に定めてよい。
【0129】
上記各実施形態ではツールバーがユーザIDを保持していたが、ブラウザIDやHTTPクッキーなどの他の情報を用いて、ツールバーを使用するユーザを特定してもよい。これは、ユーザの同一性を保証するために用いる情報がユーザIDに限定されないことを意味する。また、上記各実施形態では各種履歴データを履歴データベース24に格納したが、履歴データの少なくとも一部をHTTPクッキー内に記録することで、HTTPクッキーを用いて履歴を管理することも可能である。例えば、過去何世代分かの閲覧履歴や検索履歴をHTTPクッキー内に記録してもよい。
【0130】
上記各実施形態で述べたように、キーワードの取得方法は一つに限定されるものではなく、また、上記のように店舗情報の取得方法やユーザの特定方法も一つに限定されない。したがって、ウェブサーバ40とショッピングサーバ20とで運営者が同じか否かや、ツールバーとその背後に表示されているウェブページのサイトとの関係などに応じて、関連商品を検索するための情報を得ることができる。例えば、ツールバー及び商品ページの運営者が同じ場合には店舗IDを用いたり、その運用者が異なる場合にはページ解析により得た店舗名称を用いたりすることが考えられる。
【符号の説明】
【0131】
1及び2…オンライン・ショッピング・システム、10…ユーザ端末、11及び61…ツールバー表示部、12及び62…情報表示部、20…ショッピングサーバ、21…商品データベース、22…ページ生成部、23…購入処理部、24…履歴データベース、30…店舗端末、40…ウェブサーバ、41…ツールバー提供部、42…ツールバー記憶部、43…キーワード取得部、44…関連商品取得部、45…関連商品送信部、50…ウェブサーバ、51…ツールバー提供部、52…ツールバー記憶部、53…キーワード取得部、54…キーワード履歴データベース、55…関連商品取得部、56…関連商品送信部、200…ウェブページ、300及び500…ツールバー、400…ウェブブラウザ、P1及びP3…ツールバー・プログラム、P10及びP30…メインモジュール、P11及びP31…ツールバー表示モジュール、P12及びP32…情報表示モジュール、P2…情報提供プログラム、P20…メインモジュール、P21…ツールバー提供モジュール、P22…ツールバー記憶モジュール、P23…キーワード取得モジュール、P24…関連商品取得モジュール、P25…関連商品送信モジュール、P4…情報提供プログラム、P40…メインモジュール、P41…ツールバー提供モジュール、P42…ツールバー記憶モジュール、P43…キーワード取得モジュール、P44…キーワード履歴記憶モジュール、P45…関連商品取得モジュール、P46…関連商品送信モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、
商品情報を記憶する商品データベースを前記第1商品情報に基づいて参照して、前記第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、
前記ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に前記第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報を前記ユーザ端末に送信する商品情報送信部と
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記商品データベースに記憶される商品情報が、商品の取扱店舗を特定するための店舗情報を含み、
前記第1商品情報が、前記第1の商品の取扱店舗を特定するための第1店舗情報を含み、
前記第2商品取得部が、前記第1商品情報に基づいて、取扱店舗が前記第1の商品と同じである前記第2の商品を示す前記第2商品情報を取得する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記第1商品取得部が、前記ウェブページを解析することで該ウェブページが前記第1の商品を示しているか否かを判定し、該ウェブページが前記第1の商品を示していると判定した場合に前記第1商品情報を取得する、
請求項1又は2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記第1商品取得部が、前記第1商品情報を取得する対象として予め設定されているURLのリストを参照し、前記ウェブページのURLが該リストに含まれている場合に、該ウェブページが前記第1の商品を示していると判定する、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記第1商品取得部が、前記第1の商品の購入手続を行うためのユーザインタフェースが前記ウェブページに含まれている場合に、該ウェブページが前記第1の商品を示していると判定する、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記第1商品取得部が、前記第1の商品の購入に関する所定の語句が前記ウェブページに含まれている場合に、該ウェブページが前記第1の商品を示していると判定する、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記第1商品取得部が、商品検索サービスにおいてユーザが商品を検索するために入力した語句の履歴を記憶する第1履歴データベースを参照することで、検索回数が多い語句の集合を特定し、続いて、前記ウェブページの記述に基づいて抽出した語句のうち該集合に含まれる語句を前記第1商品情報として取得する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記第1商品取得部が、前記ウェブページの記述に基づいて抽出した語句を提示ワードとして前記ユーザ端末に送信し、該ユーザ端末において該提示ワードに基づいて指定された語句を前記第1商品情報として取得し、
前記ユーザ端末により受信された前記提示ワードが前記別ウィンドウ内に表示される、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記第2商品取得部が、ユーザによる商品ページの閲覧又は商品の購入の履歴を示す履歴データを記憶する第2履歴データベースを参照することで、前記ユーザ端末のユーザが過去に閲覧又は購入した商品をアクセス商品として特定し、続いて、前記第1商品情報、及び該アクセス商品を示す情報に基づいて前記商品データベースを参照して、前記第1の商品及び該アクセス商品の双方に関連する前記第2の商品を示す前記第2商品情報を取得する、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記別ウィンドウにおいて、前記第2商品情報の少なくとも一部が、前記第2の商品のウェブページへのリンクとして表示される、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記別ウィンドウには、前記第2の商品を購入対象として選択するためのユーザインタフェースがさらに表示される、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項12】
情報提供装置により実行される情報提供方法であって、
ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得ステップと、
商品情報を記憶する商品データベースを前記第1商品情報に基づいて参照して、前記第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得ステップと、
前記ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に前記第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報を前記ユーザ端末に送信する商品情報送信ステップと
を含む情報提供方法。
【請求項13】
ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、
商品情報を記憶する商品データベースを前記第1商品情報に基づいて参照して、前記第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、
前記ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に前記第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報を前記ユーザ端末に送信する商品情報送信部と
をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。
【請求項14】
ユーザ端末のウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、
商品情報を記憶する商品データベースを前記第1商品情報に基づいて参照して、前記第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、
前記ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に前記第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報を前記ユーザ端末に送信する商品情報送信部と
をコンピュータに実行させる情報提供プログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項15】
情報提供装置と通信可能なコンピュータに、
前記コンピュータのウェブブラウザに表示されたウェブページに重畳して別ウィンドウを表示するウィンドウ表示部と、
前記情報提供装置から受信した情報を前記別ウィンドウ内に表示する情報表示部と
を実行させ、
前記情報提供装置が、
前記ウェブブラウザに表示されるウェブページで示される第1の商品に関する第1商品情報を取得する第1商品取得部と、
商品情報を記憶する商品データベースを前記第1商品情報に基づいて参照して、前記第1の商品に関連する第2の商品を示す第2商品情報を取得する第2商品取得部と、
前記ウェブページに重畳して表示される別ウィンドウ内に前記第2商品情報を表示させるために、該第2商品情報を前記コンピュータに送信する商品情報送信部と
を備え、
前記情報表示部が、前記第2商品情報を前記別ウィンドウ内に表示する、
情報表示プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−8207(P2013−8207A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140544(P2011−140544)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】