説明

情報提示装置及び情報提示プログラム

【課題】 ユーザに最適な情報を提示する。
【解決手段】 ユーザから入力されるキーワードに対応する情報を提示する情報提示装置において、予め蓄積されている類推単語群から前記キーワードに基づいて類推単語を抽出する類推手段と、前記キーワードと前記類推手段により得られる類推単語とに重み付けを付加して嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、予め蓄積されている情報メタデータ群から前記嗜好情報生成手段により得られる嗜好情報に基づいて情報を抽出し、更に抽出された情報から前記重み付けに基づいて前記ユーザに提示する情報を選択する情報選択手段とを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示装置及び情報提示プログラムに係り、特にユーザに最適な情報を提示するための情報提示装置及び情報提示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、番組等に代表されるコンテンツ(情報)をユーザの嗜好情報に合わせて提示する技術がある。このような技術では、まずユーザに対してアンケート等を実施し、その結果をユーザの嗜好情報として、電子番組表等の番組データを参照して嗜好情報に対応する番組を選択しユーザに提示している。
【0003】
ここで、上述のアンケートの具体的な内容としては、年齢や性別、趣味、好きな番組のジャンルや嫌いな番組のジャンル、気になる情報等の多種の内容がある。ユーザは、所望する情報を取得したい場合には、これらの質問に対して詳細に回答する必要が生じる。
【0004】
また、番組等のコンテンツを提示する側では、嗜好情報と、予め登録された番組データベースとを比較して対象となる番組を抽出し、更に番組コンテンツの属性を利用してコンテンツをグループ化し、そのグループ毎にコンテンツの推薦を行うための技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1では、コンテンツをグループ化することにより、コンテンツの属性を表す項目に基づき生成されたグループ化項目におけるグループ毎の利用頻度から、関連したコンテンツの推薦を行うことができる。
【特許文献1】特開2004−206679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したようにユーザが所望する番組等の情報を提示させるためには、まずユーザが詳細な嗜好情報を生成させるため、多くのデータを入力する必要がある。そのため、ユーザに作業負担がかかってしまう。
【0007】
また、ユーザは、番組等の情報を視聴(提示)することにより、嗜好が変化する場合がある。しかしながら、従来では、その嗜好の変化を的確に捉えて、その変化に対応して迅速に番組の提示順序等を更新することができなかった。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、特にユーザに最適な情報を提示するための情報提示装置及び情報提示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0010】
請求項1に記載された発明は、ユーザから入力されるキーワードに対応する情報を提示する情報提示装置において、予め蓄積されている類推単語群から前記キーワードに基づいて類推単語を抽出する類推手段と、前記キーワードと前記類推手段により得られる類推単語とに重み付けを付加して嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、予め蓄積されている情報メタデータ群から前記嗜好情報生成手段により得られる嗜好情報に基づいて情報を抽出し、更に抽出された情報から前記重み付けに基づいて前記ユーザに提示する情報を選択する情報選択手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、ユーザに最適な情報を提示することができる。また、ユーザが入力される1つのキーワードから類推単語を抽出し、キーワードと類推単語を用いて嗜好情報を拡張するため、ユーザが詳細な情報を入力する必要がなく嗜好に対応した情報を提示することができる。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記情報が提示されているユーザの提示中における身体情報を検出する身体情報検出手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、身体情報により、提示された情報に対するユーザの反応を迅速かつ高精度に取得することができる。これにより、提示された情報に対するユーザの嗜好の変化を取得することができる。
【0014】
請求項3に記載された発明は、前記情報が提示されているユーザの提示中の情報に対して行った対話情報を検出する対話検出手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、対話情報により、提示された情報に対するユーザの反応を迅速かつ高精度に取得することができる。これにより、提示された情報に対するユーザの嗜好の変化を取得することができる。
【0016】
請求項4に記載された発明は、前記情報が提示されているユーザが提示中の情報を変更したことにより得られる変更情報を検出する変更検出手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、変更情報により、提示された情報に対するユーザの反応を迅速かつ高精度に取得することができる。これにより、提示された情報に対するユーザの嗜好の変化を取得することができる。
【0018】
請求項5に記載された発明は、前記嗜好情報生成手段は、前記嗜好情報と、前記身体情報、前記対話情報、及び前記変更情報のうち何れか1つからなる行動情報とに基づいて、既に付加されている前記キーワード及び前記類推単語の重み付けを更新することを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、行動情報から嗜好情報の重み付けを更新してユーザに最適な嗜好情報を生成することができる。これにより、嗜好情報の確度を向上させることができる。
【0020】
請求項6に記載された発明は、前記情報選択手段は、予め前記情報メタデータに含まれる各データ項目に対して重み付けを設定しておき、各データ項目に対する重み付け値と、前記キーワードと前記類推単語に付加された重み付け値とに基づいて、抽出された情報毎の得点を算出することを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、よりユーザの嗜好に適した情報を選択してユーザに提示することができる。
【0022】
請求項7に記載された発明は、前記情報選択手段は、予め蓄積されている情報メタデータ群に新たな情報メタデータが追加される毎に情報の抽出及び提示する情報の選択を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、新しい情報が蓄積される度に提示情報が更新されるため、時間の無駄が無く迅速にユーザに対して新たな情報を提示することができる。
【0024】
請求項8に記載された発明は、前記身体情報検出手段は、前記ユーザの目の向き、瞳孔の大きさ、血圧、脈拍、心拍数のうち、少なくとも1つの情報を身体情報として検出することを特徴とする。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、身体情報を簡易な手法で高精度に取得することができる。
【0026】
請求項9に記載された発明は、前記対話検出手段は、対話対象に対する対話時間、対話回数、対話内容のうち、少なくとも1つの情報を対話情報として検出することを特徴とする。
【0027】
請求項9記載の発明によれば、対話情報を高精度に取得することができる。
【0028】
請求項10に記載された発明は、前記変更検出手段は、予め設定されている情報の提示時間と、前記ユーザが情報を変更するまでの時間とから得られる視聴度を変更情報として検出することを特徴とする。
【0029】
請求項10記載の発明によれば、情報の変更を容易に取得することができる。
【0030】
請求項11に記載された発明は、ユーザから入力されるキーワードに対応する情報を提示する処理をコンピュータに実行させるための情報提示プログラムにおいて、予め蓄積されている類推単語群から前記キーワードに基づいて類推単語を抽出する類推処理と、前記キーワードと前記類推処理により得られる類推単語とに重み付けを付加して嗜好情報を生成する嗜好情報生成処理と、予め蓄積されている情報メタデータ群から前記嗜好情報生成処理により得られる嗜好情報に基づいて情報を抽出し、更に抽出された情報から前記重み付けに基づいて前記ユーザに提示する情報を選択する情報選択処理とをコンピュータに実行させる。
【0031】
請求項11記載の発明によれば、ユーザに最適な情報を提示することができる。また、ユーザが入力される1つのキーワードから類推単語を抽出し、キーワードと類推単語を用いて嗜好情報を拡張するため、ユーザが詳細な情報を入力する必要がなく嗜好に対応した情報を提示することができる。また、実行プログラムをコンピュータにインストールすることにより、容易に情報提示処理を実現することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、ユーザに最適な情報を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
<本発明の概要>
本発明は、ユーザの入力したキーワードのみを嗜好情報として用いるのではなく、ユーザの入力したキーワードに加えて予め蓄積されている類推辞書等を用いて嗜好情報の拡張を行う。また、各嗜好情報に対し情報提示中におけるユーザの行動情報を用いて嗜好情報の更新を行う。これにより、嗜好情報はユーザが情報を視聴するという行為により、ユーザの嗜好に沿うコンテンツを選択することができる。
【0034】
以下に、上記のような特徴を有する本発明における情報提示装置及び情報提示プログラムを好適に実施した実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、ユーザに提示する情報(コンテンツ)の一例として、番組を提示する例を示すが、本発明においては提示される情報についてはこの限りではなく、例えば画像情報、音声情報、文書、ゲーム等のコンテンツであってもよい。
【0035】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における情報提示装置の一構成例を示す図である。図1の情報提示装置10は、ユーザ入力手段11と、類推手段12と、類推辞書データベース13と、嗜好情報生成手段14と、嗜好情報データベース15と、番組選択手段16と、番組データベース17と、番組提示手段18と、身体情報検出手段19と、対話検出手段20と、番組変更検出手段21とを有するよう構成されている。
【0036】
ユーザ入力手段11は、ユーザが何らかの番組等のコンテンツを視聴するにあたり、ユーザが興味を持つものや好きなもの、視聴したい番組のキーワード等についてユーザからの情報(キーワード)入力する。なお、キーワードは、単語でもよく、また複数の単語や文章であってもよい。また、ユーザ入力手段11は、入力された情報を類推手段12に出力する。
【0037】
類推手段12は、ユーザ入力手段11により入力されたキーワードに基づいて、類推単語群が予め蓄積されている類推辞書データベース13を参照し、キーワードに対応して予め類推されている類推単語を抽出する。この抽出された情報をキーワードと共に嗜好情報とする。これにより、キーワードと類推単語を用いて嗜好情報を拡張するため、ユーザが詳細な情報を入力する必要がなく嗜好に対応した情報を提示することができる。また、類推手段12は、抽出された単語を嗜好情報生成手段14に出力する。
【0038】
嗜好情報生成手段14は、類推手段12により類推された単語に対して重み付けを行う。また、嗜好情報生成手段14は、身体情報検出手段19、対話検出手段20、及び番組変更検出手段21のうち、少なくとも1つの手段から得られる行動情報を入力し、入力した情報に対応する単語に対して重み付けの更新を行う。なお、上述した重みの付加については、ユーザによりキーワードが入力される毎、あるいは所定の時間間隔毎や所定の時間、又は提示されている番組単位等の各時点で行われる。
【0039】
このように、嗜好情報生成手段14は、身体情報検出手段19、対話検出手段20、及び番組変更検出手段21により得られるユーザの反応(行動情報)から嗜好の変化を的確に捉えることができる。また、嗜好情報生成手段14は、行動情報により嗜好情報の重み付けを更新してユーザに最適な嗜好情報を生成することができ、嗜好情報の確度を向上させることができる。なお、重み付けの具体的な付加方法についての詳細は後述する。
【0040】
嗜好情報生成手段14は、重みが付加された嗜好情報を嗜好情報データベース15に出力する。なお、嗜好情報データベース15については後述する。
【0041】
番組選択手段16は、嗜好情報データベース15により蓄積された嗜好情報に基づいて番組データベース17から番組を抽出する。また、番組選択手段16は、抽出した番組毎の得点を算出してユーザに提示する番組の選択を行う。更に、番組選択手段16は、ユーザに提示する番組の順序等を決定する。なお、番組選択手段16は、提示順序だけでなく、提示する際にその番組情報については画面に強調して表示する等の処理の設定を行ってもよい。
【0042】
ここで、番組選択手段16における番組の抽出については、番組毎に付加されている番組特徴情報を記述した番組メタデータ(情報メタデータ)を用いて抽出を行う。番組データベース17には、番組メタデータと、メタデータに対応する番組の素材データ等が蓄積されているため、番組選択手段16は、番組データベース17を参照し、嗜好情報と番組メタデータに基づいて番組の抽出を行う。
【0043】
なお、上述した番組特徴情報としては、例えば、番組のタイトル、サブタイトル、番組の言語、制作日時、制作者、番組の冒頭の内容(description)、全体の概略説明等がある。
【0044】
また、番組選択手段16における得点の算出については、予め情報メタデータに含まれる各データ項目に対して重み付けを設定しておき、各データ項目に対する重み付け値と、嗜好情報データベース15に蓄積されたキーワード及び類推単語からなる嗜好情報に付加された重み付け値とに基づいて、抽出された情報毎の得点を算出する。なお、得点算出方法の詳細については後述する。
【0045】
番組選択手段16は、提示する番組やその番組の提示順序等の番組を提示するための各種情報を番組提示手段18に出力する。
【0046】
番組提示手段18は、番組選択手段16により得られた提示順序等の各種情報に基づいて、ユーザに対して番組を提示する。ここで、番組提示の一例を挙げて説明する。例えば、番組提示手段18は、まず番組選択手段16により番組データベース17に蓄積された各番組を生成するために必要となる番組台本や素材データ、自動番組制作エンジンを取得する。また、番組提示手段18は、上述した自動番組制作エンジン等を用いて番組台本と素材データを入力し、例えば番組のTVML(TV program Marking Language)スクリプト等を生成する。
【0047】
ここで、TVMLとは、テレビ番組を制作するためのオブジェクトベース記述言語である。TVMLは、テレビ番組の映像と音声を、素材と台本とに分けて記述するものであり、番組台本を記述すれば、パソコン等で動作するソフトウェア等がこれを読取り、即座にテレビ番組として視聴することができるものである。
【0048】
次に、番組提示手段18は、生成したTVMLスクリプトをTVMLプレーヤーに入力することによりユーザに番組を再生することができる。
【0049】
身体情報検出手段19は、ユーザの番組視聴中におけるユーザの視線情報や瞳孔の大きさ等の情報、脈拍、心拍数、血圧等の身体情報を検出する。例えば、身体情報検出手段19は、番組視聴中のユーザの視線位置と瞳孔の大きさを検出し、これらの情報をユーザの番組視聴中の行動情報として、所定の時間間隔や番組の切り替わり等の各時点でユーザの興味の度合(嗜好の変化)を検出する。
【0050】
なお、身体情報検出手段19は、瞳孔の情報を取得する場合はユーザの目を撮影可能な撮像装置を構成し、また脈拍を測定する場合は脈拍計を構成し、血圧を測定する場合は血圧計が構成される。つまり、測定される身体情報に対応した検出装置が構成されることになる。また、身体情報検出手段19は、例えば上述から2つ以上の装置により構成され、複数の身体情報を検出するようにしてもよい。
【0051】
身体情報検出手段19は、検出した身体情報等をユーザの行動情報として嗜好情報生成手段14に出力する。嗜好情報生成手段14では、上述したように身体情報検出手段19により得られる身体情報に基づいてユーザの嗜好情報の更新を行う。
【0052】
また、対話検出手段20は、ユーザが番組視聴中にその番組に対して入力した質問等の回数と時間等の番組との対話情報を検出する。
【0053】
例えば、対話検出の一例を挙げて説明する。例えば、コンピュータグラフィックスや音声合成を使用してユーザの好みにあったテレビ番組を自動的に作り出して提供するTV4U(TV for You)システムでは、ユーザが番組視聴中に任意のタイミングで番組出演者であるCGキャラクタ(エージェント)に対し話しかけることにより番組に割り込むことができる。そして、番組出演者と対話し、更に欲しい情報を取得することができる。
【0054】
対話検出手段20は、上述の割り込みの回数と、ユーザの入力した単語等を検出する。また、対話検出手段20は、この割り込み回数とユーザの入力した単語を嗜好情報生成手段14に出力する。
【0055】
嗜好情報生成手段14は、所定の時間間隔又は番組の切り替わり等の各時点で、これらの情報に基づいて嗜好情報の更新を行う。例えば、割り込み回数が所定の閾値以上である場合は、視聴した番組に対する興味があるとみなすことができ、また入力した単語に関して興味があるとみなすことができる。嗜好情報生成手段14は、これらの結果に基づいて嗜好情報の重み付けに反映させる、より嗜好情報の確度を向上させることができる。
【0056】
また、番組変更検出手段21は、ユーザからの指示による番組の変更を検出する。例えば、番組視聴中のユーザが任意のタイミングで別の番組に切り替えた場合に、その番組についての変更情報を検出する。また、番組変更検出手段21は、取得した番組の変更情報を嗜好情報生成手段14に出力する。
【0057】
嗜好情報生成手段14は、上述したように所定の時間間隔や番組の切り替わり等の各時点でこれらの情報に基づいて嗜好情報の重み付けの更新を行う。
【0058】
なお、番組変更検出手段21は、ユーザが番組を切り替えるための切り替え情報を番組提示手段18に出力する。番組提示手段18は、切り替え情報により次の番組を提示する。
【0059】
上述したように情報提示装置10により、視聴者(ユーザ)の嗜好情報及び行動情報に基づいて、蓄積装置等に蓄積されている番組群から最適な番組を逐次選択して提供することができる。
【0060】
<類推手段12の出力例>
次に、類推手段12の出力例について、図を用いて説明する。図2は、類推手段における単語の出力例を示す図である。図2に示す例では、ユーザ入力手段11により「ワイン」という単語が入力された例を示している。類推手段12は、類推辞書データベース13を参照して「ワイン」に対して設定されている類推単語を抽出する。類推辞書データベース13は、予め単語に対応する類推単語群が設定されており、図2に示すように、「ワイン」から類推される例として、「赤ワイン」、「白ワイン」、「ブドウ」、「ワイナリー」という単語が抽出される。
【0061】
類推手段12は、ユーザが入力した情報から得られる「ワインが好き」を拡張し、「ユーザは、ワイン、赤ワイン、白ワイン、ブドウ、ワイナリーが好き」として、この情報をユーザの嗜好情報として出力する。また、嗜好情報は、重みが付加されて嗜好情報データベース15に蓄積される。
【0062】
<番組選択手段16>
次に、番組選択手段16における番組選択例について説明する。ユーザの嗜好情報に含まれる各単語について、番組データベース17に予め蓄積されている番組メタデータから対応する番組を検索して抽出を行う。図3は、番組メタデータの一例を示す図である。
【0063】
図3に示すメタデータは、番組特徴情報として番組のタイトル(<title>)、サブタイトル(<subtitle>)、メタデータに対応する素材データの存在場所(<link>)、番組の冒頭の内容等の要約(<desciption>)、制作者(<creator>)、制作日時(<date>)、番組中で使用している言語(<language>)等からなる。
【0064】
番組選択手段16は、上述したメタデータ中の単語と嗜好情報データベース15に蓄積されているユーザの嗜好情報(単語)とを比較して番組を抽出する。図3は、嗜好情報である「ワイナリー」を検索キー(検索ワード)として番組データベース17を検索し、抽出された番組メタデータである。
【0065】
なお、図3に示されているメタデータは、TV4Uシステムにおけるメタデータを示すものであるが、本発明においては項目(タグ)の種類や順序等は特に限定されず、素材データとして蓄積されている他のメタデータを用いてもよい。
【0066】
次に、番組選択手段16は、番組メタデータに含まれる各項目毎に設定されている重み付け値と嗜好情報に対する重み付け値に基づいて、抽出された番組毎に得点を算出する。また、番組選択手段16は、例えば得点の多いものからユーザに提示させるように番組提示オーダー(提示順序)を決定する。ここで、具体的な得点の算出方法について図を用いて説明する。
【0067】
図4は、番組の得点算出例を示す図である。まず、図4(a)、(b)に示すように予めユーザの嗜好情報及びメタデータにおける嗜好情報の出現位置に対する重み付けが設定され、嗜好情報データベース15等に蓄積されている。
【0068】
例えば、図4(a)に示すように、嗜好情報についてユーザの直接入力した単語については3点、類推辞書データベース13により得られた類推単語には1点というような得点の設定を行う。また、図4(b)に示すように、メタデータにおける嗜好情報(検索ワード)がタイトル(<Title>)に出現した場合、タイトルは番組を代表する文言であるため4点を設定し、サブタイトルに出現した場合は3点、その他に出現した場合は1点というような設定を行う。
【0069】
ここで、上述した図2に示す嗜好情報について図4(a)の重み付けを適用すれば、図4(c)に示すように「ワイン」が3点、「赤ワイン」、「白ワイン」、「ブドウ」、及び「ワイナリー」が各1点となる。
【0070】
次に、図4(b)及び図4(c)に示す設定値(重み付け値)に基づいて、番組データベース17から抽出されたメタデータに含まれる単語から番組毎の得点を算出する。例えば、図3に示すメタデータに対して図4(b)、(c)を適用した場合、図4(d)に示すような得点が算出される。
【0071】
具体的に説明すると、検索の結果、タイトルで「ワイナリー」がヒットしているため、タイトルデータに含まれる「ワイナリー」の得点は4点となる。また、「ワイナリー」は、類推辞書データベース13からの出力であるため1点となる。ここで、ここで、2つの得点を乗算して「4点×1点=4点」となる。
【0072】
また、同様に、メタデータの要約部(description)でも「ワイナリー」がヒットしているため、要約部(その他)に含まれる「ワイナリー」の得点は1点となる。また、上述したように、「ワイナリー」は類推辞書データベース13からの出力であるため1点となる。ここで、2つの得点を乗算して「1点×1点=1点」となる。
【0073】
したがって、図3に示すメタデータに対応する番組の総得点、つまり、この番組に対するユーザの嗜好得点は5点となる。このように、番組データベース17から抽出された全ての番組メタデータについて、番組毎の得点算出をユーザの嗜好情報単位で行う。
【0074】
また、番組選択手段16は、算出された番組毎の得点結果に基づいて、ユーザに提示する番組を選択し、更に提示順序等を決定して番組提示オーダー等を生成する。
【0075】
ここで、図5は、抽出された番組に対する得点結果と、提示オーダーの順序の設定例を示す図である。図5では、一例として番組データベースから抽出された番組A〜Hのメタデータについて、図4に示すような得点の算出を行い、その得点に基づいて提示オーダーの設定を行ったものである。
【0076】
このように、番組データベース17に蓄積されている全ての番組に対し、ユーザの嗜好情報をキーとして検索を行い、抽出された番組についてはユーザへの提示対象番組(候補番組)となり、更にその番組のメタデータに基づいて得点を算出して提示対象番組の提示の有無や提示順序等を設定する。図5に示す例では、各番組の得点の高いものから5番組を提示させる例を示している。
【0077】
なお、上述した提示順序や提示数等の設定はこれに限定されるものではない。例えば、得点の算出の際、図5に示すように嗜好情報の単語が同一のメタデータ内に何個含まれていたかをカウントしておき、例えば同一得点の番組が存在する場合に単語が多く含まれていた番組を優先させる等の処理を行うことができる。また、同一得点の番組が存在する場合には、制作日付の新しい番組順等から提示する等の予め設定された条件に基づいて提示させてもよい。また、単純にヒット単語数が多い番組から順に提示させるようにしてもよい。
【0078】
番組選択手段16は、上述したように番組提示オーダー等のその番組を提示するための情報を番組提示手段18に出力する。また、番組提示手段18は、番組選択手段16から得られる情報から番組台本や素材データ等を取得して番組を制作してユーザに提示する。ここで、番組提示手段18における番組の制作例について図を用いて説明する。
【0079】
図6は、本発明における番組制作の一例を示す図である。なお、図6では、TV4Uシステムにおける番組生成の概要を示すものである。上述したようにTV4Uシステムは、専用のスクリプト言語としてTVMLを用いる。なお、TVML以外でも、XML(eXtensible Markup Language)形式等の表現形式を用いることもできる。
【0080】
図6では、XML形式の番組台本と、メタデータに記述されている番組の素材データを自動番組制作エンジン31に入力し、TVMLスクリプトで記述された番組生成台本を生成する。次に、生成されたスクリプトをTVMLプレーヤー32に入力する。
【0081】
TVMLプレーヤー32は、TVMLで記述された番組スクリプトを読み取り、番組の映像や音声をリアルタイムにモニタ33に出力する。つまり、上述の番組提示オーダー等に基づいて番組がユーザに提示される。ここで、TVMLプレーヤー32は、例えばスタジオショットをリアルタイムCGで生成し、CGスタジオセットの中に登場するCGキャラクタがTVMLスクリプトの中に記述された台詞を合成音声により出力することで、しゃべっているように表現させたり、演技するところを表示させたりすることができる。その他、動画再生や、BGM再生、画像によるタイトル表示等の出力も可能である。
【0082】
このように、上述した内容により、ユーザは少ないキーワードを入力するだけで、ユーザの嗜好情報を拡張して設定することができる。これにより、ユーザが詳細な情報を入力する負担(労力)を軽減させることができ、またユーザに最適な番組を提示することができる。
【0083】
次に、ユーザの番組視聴により得られる行動情報に基づく嗜好情報の重み付けの更新について図を用いて説明する。
【0084】
<身体情報検出手段19における行動情報の生成>
まず、身体情報検出手段19における行動情報の生成手法について、図を用いて説明する。身体情報検出手段19では、一例として身体情報としてのユーザの番組視聴中におけるユーザの位置と瞳孔の大きさを検出する。これらの情報をユーザの行動情報とし、各時点におけるユーザの興味の度合(嗜好の変化)を測定し、この結果を基にユーザの嗜好情報の更新を行う。例えば、ユーザがある番組に対する興味の有無を、ユーザがモニタ等の番組出力画面を見ている相対時間(番組視聴度)と、ユーザの瞳孔の大きさの変化(番組興味度)から評価する。
【0085】
ここで、上述の内容について図を用いて説明する。図7は、番組視聴度と番組興味度との関係の一例を示す図である。なお、図7においては、標準的な番組の視聴度を0.7と定義する。視聴度は、ユーザが番組全体中において実際に見ている相対時間を示すものである。例えば、ある番組の番組長(再生時間)が15分の番組が存在したとすると、15分間中どれだけ番組画面を見ていたかを尺度とする。
【0086】
つまり、この例において15分間中12分間番組を見ていた場合、図7に示すように番組視聴度は12/15=0.8となる。なお、片時も目を離さず番組を視聴していた際の視聴度は1.0となる。
【0087】
次に、瞳孔の大きさを取得する。図8は、瞳孔の大きさによる番組興味度の測定例を示す図である。図8(a)に示すように、予め測定されたユーザの通常時の瞳孔の大きさから、番組視聴中にどれくらい瞳孔が開いたか(拡大)、または閉じたか(縮小)を、番組全体での度合で測定する。なお、図8(b)は上述の基準による測定結果の一例である。
【0088】
ここで、通常の状態での瞳孔の大きさ(面積)を1とする。例えば、瞳孔の大きさを所定の時間間隔毎に測定(例えば、10秒単位等)で測定し、各時点の動向の大きさの和を測定回数で割る。これにより、番組全体における平均を算出することができる。
【0089】
これらの情報を嗜好情報生成手段14に出力し、嗜好情報の重み付けを更新して新たな重みが付加された嗜好情報を嗜好情報データベース15に蓄積することができる。これにより、一度作成され蓄積されている嗜好情報は、ユーザが番組を視聴することで逐次更新されることになる。このため、嗜好情報の確度を向上させることができる。
【0090】
また、上述したように、番組選択手段16における番組提示オーダーの生成についても嗜好情報データベース15に蓄積されているデータが更新されるため、ユーザに最適な番組を迅速に提示することができる。
【0091】
また、例えば番組変更検出手段21により変更された内容を組み合わせることにより、よりユーザが視聴したい番組を提示することができる。具体的には、ユーザがリモコン等の操作により任意のタイミングで別の番組に切り替える場合、例えば、番組長が15分の番組でユーザが番組の視聴を開始してから10分後に別の番組に切り替えた場合は、測定対象としての番組長は15分ではなく10分とすることで、より正確な行動情報を取得することができる。
【0092】
また、番組変更検出手段21は、別の番組を切り替えたことによる変更情報を嗜好情報生成手段14に出力し、測定結果により、今まで視聴されていた番組がユーザに興味のあるものであったか否かの判断を行い、その判断結果に応じて嗜好情報の重み付けの更新を行う。
【0093】
ここで、嗜好情報の更新例について図を用いて説明する。図9は、番組の視聴前と視聴後とでの嗜好情報の重み付けが更新される一例を示す図である。なお、図9(a)は、上述した図4(d)で示した番組の得点算出結果の例である。
【0094】
まず、ある番組における視聴前の重み付けが図9(a)に示すように5点であるとする。次に、視聴後において、身体情報検出手段19により得られる行動情報と番組変更検出手段21により得られる行動情報とに基づいて、嗜好情報の重み付けの更新を行う。
【0095】
ユーザにとって通常の標準的な番組の興味度は、0.7(視聴度)×1.0(瞳孔面積)=0.7となっている。ここで、視聴していた番組がこの値より高い場合、その番組に含まれる各嗜好情報の単語の重みが上がり、逆に低い場合には下がることになる。図9(b)に示す例では、身体情報検出手段19により得られた行動情報としての番組興味度が0.6である。この場合には、例えば、その番組に含まれる単語「ワイナリー」の重みは、使用前の1点に番組視聴度の割合0.6/0.7=0.86を乗じて0.86となる。同様に、同一の番組に含まれる他の嗜好情報についても重み付けの更新が行われる。
【0096】
嗜好情報生成手段14は、この嗜好情報を嗜好情報データベース15に蓄積することにより、番組選択手段16において、番組選択及び選択順序の更新されることになる。このように、ユーザが番組を視聴することで、図4(a)に示すユーザの嗜好情報の重み付けが逐次更新され、よりユーザに嗜好に適した番組を提示することができる。
【0097】
<新たに番組(情報)が追加された場合>
更に、番組データベース17等に新たに番組が追加された場合、番組選択手段16は、新たに番組の抽出を行い、番組を選択し順序を設定する処理が行われる。の更新が行われる。ここで、番組提示順序の更新例について図を用いて説明する。
【0098】
図10は、番組提示順序の更新例を示す図である。図10に示すように、現在の番組提示オーダーが「B⇒D⇒A⇒E⇒G」であるとする。また、現在ユーザが番組Dを視聴しているとする。このとき、新たな番組Iが番組データベース17に追加された場合、番組選択手段16は、番組の抽出を行う。また、番組Iが抽出された場合、番組選択手段16は、番組Iの得点を算出し得点が5点であったとする。この場合、番組選択手段16は、番組提示オーダーを更新し、ユーザが現在視聴している番組Dが終了後に番組Iを提示するように変更する(B⇒D⇒I⇒A⇒E⇒G)。
【0099】
これにより、番組選択において、番組データベース17の蓄積手段に新たに番組が追加される度に更新され、よりユーザが視聴したい番組を時間の無駄なく迅速に視聴させることができる。
【0100】
なお、本実施形態におけるTV4Uシステムにおいては、視聴とは非同期に番組がTVクリエータと呼ばれる番組制作サブシステム等で制作され、TVサーバと呼ばれる番組蓄積・配信サブシステムに蓄積され、番組データベース17にも、通信ネットワーク等により配信されるか、DVD等の記録媒体により更新される。また、新しい番組が蓄積された時点で提示情報の更新を行う。そのため、図10に示すようにユーザが他の番組を視聴している時点で提示順序を更新することができる。
【0101】
なお、上述の実施形態では、メタデータが番組毎に構成されていることを前提としているため、番組毎に嗜好情報の更新が行われるが、例えば、1つの番組が1コーナー毎のメタデータを複数有する場合には、1コーナー単位で嗜好情報の重み付けの更新を行うことができる。これにより、より迅速にユーザの嗜好情報を反映させた番組を提供することができる。
【0102】
また、番組の視聴履歴情報を所定の時間単位で蓄積しておき、番組中でもコーナー単位で分けて詳細な重み付けの変更を行ってもよい。ここで、上述の内容について図を用いて説明する。
【0103】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態における情報提示装置の一構成例を示す図である。なお、図11では、上述した第1の実施形態(図1)と同一の処理を行う構成ブロックについては同一符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
【0104】
図11に示す情報提示装置40は、図1に示す情報提示装置10と比較して視聴履歴を蓄積しておくための視聴履歴データベース41を有しており、これに関連して嗜好情報生成手段42、番組提示手段43の処理も第1の実施形態とは多少異なっている。
【0105】
番組提示手段43は、上述したように番組選択手段16により得られる番組提示オーダー等に基づいて、例えばTVMLスクリプトを生成する。なお、番組選択手段16から得られる情報は、番組単位ではなく、番組の各コーナー毎となっている。
【0106】
また、番組提示手段43は、番組をユーザに提示するが、そのとき番組の視聴情報を時間情報と共に視聴履歴データベース41に蓄積しておく。この視聴履歴は、嗜好情報生成手段42により参照され、また上述した身体情報検出手段19、対話検出手段20、及び番組変更検出手段21から番組の各コーナー毎に得られるユーザの行動情報に基づいて嗜好情報の重み付けの更新が行われる。
【0107】
これにより、番組単位ではなく、1番組中における各コーナー単位に嗜好情報の重み付けの更新を行うことができる。これにより、ユーザが視聴したいコーナーから先に提示することもできる。これにより、ユーザにより最適な番組を提示することができる。
【0108】
なお、上述した実施の形態に用いられる各種データベース(類推辞書データベース13、嗜好情報データベース15、番組データベース17、視聴履歴データベース41)は、情報提示装置内に構成されていたが、本発明においてはこの限りではなく、例えば他の蓄積サーバ等で管理されていてもよく、その場合インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して対応するデータを取得してもよい。
【0109】
また、本発明における情報提示装置10、40は、上述した専用の装置構成等を用いて本発明における情報提示処理を行うこともできるが、各構成における処理をコンピュータに実行させることができる実行プログラムを生成し、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等にそのプログラムをインストールすることにより、上述した情報提示処理を実現することができる。
【0110】
<ハードウェア構成>
ここで、本発明における情報提示処理が実行可能なコンピュータのハードウェア構成例について図を用いて説明する。図12は、本発明における情報提示処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【0111】
図12におけるコンピュータ本体には、入力装置51と、出力装置52と、ドライブ装置53と、補助記憶装置54と、メモリ装置55と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)56と、ネットワーク接続装置57とを有するよう構成されており、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0112】
入力装置51は、ユーザが操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスを有しており、ユーザからのプログラムの実行やキーワードの入力等、各種操作信号を入力する。出力装置52は、本発明における処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイ(モニタ)を有し、CPU56が有する制御プログラムにより情報提示処理における実行経過や結果等を表示することができる。
【0113】
ここで、本発明において、コンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、例えば、CD−ROM等の記録媒体58等により提供される。プログラムを記録した記録媒体58は、ドライブ装置53にセット可能であり、記録媒体58に含まれる実行プログラムが、記録媒体58からドライブ装置53を介して補助記憶装置54にインストールされる。
【0114】
補助記憶装置54は、ハードディスク等のストレージ手段であり、本発明における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム、上述した各種データベース等を蓄積し必要に応じて入出力を行うことができる。
【0115】
CPU56は、OS(Operating System)等の制御プログラム、及びメモリ装置55により読み出され格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して、情報提示処理における各処理を実現することができる。プログラムの実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置54から取得することができ、また格納することもできる。
【0116】
ネットワーク接続装置57は、通信ネットワーク等と接続することにより、実行プログラムを通信ネットワークに接続されている他の端末等から取得したり、プログラムを実行することで得られた実行結果又は本発明における実行プログラムを他の端末等に提供することができる。
【0117】
上述したようなハードウェア構成により、特別な装置構成を必要とせず、低コストで上述した情報提示処理を実現することができる。また、プログラムをインストールすることにより、容易に情報提示処理を実現することができる。
【0118】
次に、実行プログラムにおける処理手順についてフローチャートを用いて説明する。
【0119】
<情報提示処理手順>
図13は、本発明における情報提示処理の一例を示すフローチャートである。なお、後述する処理においては、情報の一例として番組の提示例を示すが本発明において提示される情報はこの限りではない。
【0120】
情報提示処理において、まずユーザがキーワードを入力したか否かを判断する(S01)。ユーザ入力がある場合(S01において、YES)、予め蓄積されている類推単語群から入力されたキーワードに対応する類推単語を抽出する(S02)。なお、ユーザにより入力されたキーワードとS02により抽出された類推単語が嗜好情報となる。
【0121】
また、ユーザからキーワードの入力がなかった場合(S01において、NO)、又はS02の処理が終了した場合、ユーザが番組を視聴したことによる行動情報を取得したが否かを判断する(S03)。なお、行動情報とは、上述した目の動き、瞳孔の大きさ、心拍数、血圧等の身体情報や、番組の切り替え情報、番組エージェントとの対話等による情報である。
【0122】
ここで、番組視聴における行動情報を取得した場合(S03において、YES)、得られた行動情報に対する番組に関連した嗜好情報に既に付加されている重み付けの更新を行う(S04)。また、ユーザが番組を視聴していない場合や番組視聴における行動情報が無い場合(S03において、NO)、又はS04の処理が終了した場合、予め蓄積されている番組メタデータ群から嗜好情報に基づいて番組の抽出を行う(S05)。なお、S01の処理において、ユーザからの入力が無い場合、予め設定されたキーワードや制作日付の新しい番組等を抽出条件にして番組の抽出を行うこともできる。
【0123】
また、S05により抽出された各番組について、S04にて設定された重み付け値と、番組メタデータに含まれる項目毎に予め設定された重み付け値とに基づいて番組毎の得点を算出する(S06)。次に、抽出された番組毎の得点に基づいて、ユーザに提示する番組を選択し(S07)、番組の提示を行う(S08)。
【0124】
ここで、番組の提示を終了するか否かを判断し(S09)、番組の提示を終了しない場合(S09において、NO)、S01に戻り処理を継続する。また、番組の提示を終了する場合(S09において、YES)、情報提示処理を終了する。これにより、嗜好情報及び行動情報を用いてユーザに最適な番組を提示することができる。また、実行プログラムをコンピュータにインストールすることにより、容易に情報提示処理を実現することができる。
【0125】
上述したように本発明によれば、ユーザに最適な情報を提示することができる。具体的には、ユーザが入力される1つのキーワードから類推単語を抽出し、キーワードと類推単語を用いて嗜好情報を拡張するため、ユーザが詳細な情報を入力する必要がなく嗜好に対応した情報を提示することができる。
【0126】
更に、一度作成された嗜好情報は、ユーザが情報を視聴することにより、アップデート(更新)されるため、よりユーザの嗜好に適した情報を迅速に提示させることができる。
【0127】
更に、情報提示オーダーにおいては、新しい番組(情報)が蓄積される度に逐次更新されるため、時間の無駄が無く迅速にユーザに新たな情報を提示することができる。以上のことから、本発明を適用して変動型の情報提示システムを提供することができる。
【0128】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】第1の実施形態における情報提示装置の一構成例を示す図である。
【図2】類推手段における単語の出力例を示す図である。
【図3】番組メタデータの一例を示す図である。
【図4】番組の得点算出例を示す図である。
【図5】抽出された番組に対する得点結果と、提示オーダーの順序の設定例を示す図である。
【図6】本発明における番組制作の一例を示す図である。
【図7】番組視聴度と番組興味度との関係の一例を示す図である。
【図8】瞳孔の大きさによる番組興味度の測定例を示す図である。
【図9】番組の視聴前と視聴後とでの嗜好情報の重み付けが更新される一例を示す図である。
【図10】番組提示順序の更新例を示す図である。
【図11】第2の実施形態における情報提示装置の一構成例を示す図である。
【図12】本発明における情報提示処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【図13】本発明における情報提示処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0130】
10,40 情報提示システム
11 ユーザ入力手段
12 類推手段
13 類推辞書データベース
14,42 嗜好情報生成手段
15 嗜好情報データベース
16 番組選択手段(情報選択手段)
17 番組データベース
18,43 番組提示手段
19 身体情報検出手段
20 対話検出手段
21 番組変更検出手段
31 自動番組制作エンジン
32 TVMLプレーヤー
33 モニタ
41 視聴履歴データベース
51 入力装置
52 出力装置
53 ドライブ装置
54 補助記憶装置
55 メモリ装置
56 CPU
57 ネットワーク接続装置
58 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから入力されるキーワードに対応する情報を提示する情報提示装置において、
予め蓄積されている類推単語群から前記キーワードに基づいて類推単語を抽出する類推手段と、
前記キーワードと前記類推手段により得られる類推単語とに重み付けを付加して嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段と、
予め蓄積されている情報メタデータ群から前記嗜好情報生成手段により得られる嗜好情報に基づいて情報を抽出し、更に抽出された情報から前記重み付けに基づいて前記ユーザに提示する情報を選択する情報選択手段とを有することを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記情報が提示されているユーザの提示中における身体情報を検出する身体情報検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記情報が提示されているユーザの提示中の情報に対して行った対話情報を検出する対話検出手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記情報が提示されているユーザが提示中の情報を変更したことにより得られる変更情報を検出する変更検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記嗜好情報生成手段は、
前記嗜好情報と、前記身体情報、前記対話情報、及び前記変更情報のうち何れか1つからなる行動情報とに基づいて、既に付加されている前記キーワード及び前記類推単語の重み付けを更新することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載に情報提示装置。
【請求項6】
前記情報選択手段は、
予め前記情報メタデータに含まれる各データ項目に対して重み付けを設定しておき、各データ項目に対する重み付け値と、前記キーワードと前記類推単語に付加された重み付け値とに基づいて、抽出された情報毎の得点を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報提示装置。
【請求項7】
前記情報選択手段は、
予め蓄積されている情報メタデータ群に新たな情報メタデータが追加される毎に情報の抽出及び提示する情報の選択を行うことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記身体情報検出手段は、
前記ユーザの目の向き、瞳孔の大きさ、血圧、脈拍、心拍数のうち、少なくとも1つの情報を身体情報として検出することを特徴とする請求項2に記載の情報提示装置。
【請求項9】
前記対話検出手段は、
対話対象に対する対話時間、対話回数、対話内容のうち、少なくとも1つの情報を対話情報として検出することを特徴とする請求項3に記載の情報提示装置。
【請求項10】
前記変更検出手段は、
予め設定されている情報の提示時間と、前記ユーザが情報を変更するまでの時間とから得られる視聴度を変更情報として検出することを特徴とする請求項4に記載の情報提示装置。
【請求項11】
ユーザから入力されるキーワードに対応する情報を提示する処理をコンピュータに実行させるための情報提示プログラムにおいて、
予め蓄積されている類推単語群から前記キーワードに基づいて類推単語を抽出する類推処理と、
前記キーワードと前記類推処理により得られる類推単語とに重み付けを付加して嗜好情報を生成する嗜好情報生成処理と、
予め蓄積されている情報メタデータ群から前記嗜好情報生成処理により得られる嗜好情報に基づいて情報を抽出し、更に抽出された情報から前記重み付けに基づいて前記ユーザに提示する情報を選択する情報選択処理とをコンピュータに実行させるための情報提示プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−244028(P2006−244028A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57452(P2005−57452)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】