説明

情報提示装置

【課題】車両の運転に必要な支援情報を、車両の運転者に伝える情報提示装置を備えた、ステアリングホイールを提供する。
【解決手段】車両の状態を検出する車両状態検出手段と、検出した車両状態情報に基づいて、支援情報を生成する支援情報生成手段と、支援情報に基づいて、ステアリングホイール1に形成されて、運転者に支援情報を伝える触力覚提示手段を備える。ステアリングホイール1は、運転者が把持するホイール部2と、ホイール部2の内部の芯金8と、ホイール部2の外表面を形成する外装部と、ホイール部2の中央に設けられたボス部4とを有し、触力覚提示手段は、外装部の一部である可動裏側外装部、または、上記一部に形成された膨出部を、ホイール部2の周方向に移動させる手段から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者にステアリングホイールを介して、車両の運転に必要な支援情報を伝える情報提示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1と特許文献2とが知られている。特許文献1は、運転者が操舵時に中指で把持している把持部を振動子により振動させて、運転者に的確に警告を与えることが可能なステアリングホイールを提供することを目的としている。
【0003】
そのために、ステアリングホイールは、操舵時に把持する把持部の部位を振動可能とする振動子を備える構成である。振動子が、50〜300Hzの範囲内の振動数で、把持部を振動させて皮膚感覚に知覚させるように構成されている。
【0004】
特許文献2は、車両の状態に関する警報を運転者に確実に知らせるとともに、分かりやすく伝える車両の警報装置を提供するためのものである。そのために、車両の状態を車両検出装置で検出し、この車両検出装置の車両状態情報に基づいて、運転者に警報を発生する警告表示装置と、車両検出装置の車両状態情報に基づいて車両の状態を伝える車両状態伝達装置とを備えている。
【0005】
そして、車両状態伝達装置は、車両の状態の変化を、運転者が操作するステアリングホイールを介して触覚情報として運転者に伝達する触覚提示手段を備え、警告表示装置が作動したときに、触覚提示手段を作動させるものである。
【0006】
具体的には、運転者が操舵時に把持する手掌をマトリックス状の突起物により刺激し、運転者の皮膚感覚に知覚させるものである。突起物の周波数、ストローク、作動パターンは任意に設定可能であり、サイドブレーキの解除忘れや車両のふらつきなどを警告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−162466号公報
【特許文献2】特開2008−149844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
運転者のステアリングホイールを握る手の触覚には大別して二つあり、皮膚の表面の受容器を刺激する皮膚感覚と、筋肉や骨に力を加えて動かす触力覚とがある。上述のように、特許文献1と特許文献2とが知られているが、共に皮膚感覚の刺激を用いた情報提示装置である。
【0009】
例えば、個人的なばらつき、怪我の有無、及び手袋の装着の有無等による皮膚感覚の相違により、運転者毎に知覚のばらつきがある。そのため、情報提示装置から伝えられる支援情報の解釈にバラツキを生じるという問題がある。そこで、皮膚の表面の受容器を刺激する皮膚感覚の刺激にとどまらず、筋肉や骨に力を加えて動かす触力覚に働きかける情報提示装置が望まれる。
【0010】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、運転者毎に知覚のばらつきがあるため情報提示装置から伝えられる支援情報の解釈にバラツキを生じるという問題を解消することを目的とする。
【0011】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両の内外からのセンサ情報から車両の状態を検出する車両状態検出手段と、車両状態検出手段が検出した車両の状態に基づいて、車両の運転を支援する支援情報を生成する支援情報生成手段と、車両を操舵するステアリングホイールに設けられ、車両の運転者に支援情報を伝える触力覚提示手段を備え、ステアリングホイールは、運転者に操舵されるホイール部を有し、ホイール部には、ベース部と、該ベース部に対して相対的に移動する可動部と、可動部を支援情報に基づいて駆動する駆動部の少なくとも一部とを備え、可動部と駆動部とで触力覚提示手段を構成し、可動部の動きで、少なくともステアリングホイールを操舵すべき方向を運転者に知らせることを特徴としている。
【0013】
この発明によれば、ステアリングホイールは、ホイール部を有し、ホイール部には、ベース部と、可動部と、可動部を支援情報に基づいて駆動する駆動部の少なくとも一部とを備え、可動部と駆動部とで触力覚提示手段を構成し、可動部の動きで、少なくともステアリングホイールを操舵すべき方向を運転者に知らせるから、運転者の手の筋肉や骨格を動かすことにより、触力覚を刺激して運転支援を行なうことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、ベース部は、ホイール部の内部に設けられた芯金と、芯金と接合されホイール部の外表面を覆うベース外装部とから構成され、可動部は、ホイール部の外表面を覆い、ベース外装部に対して相対的に移動する可動外装部から構成され、駆動部は、芯金とベース外装部とに対して、可動外装部を相対的に移動させることを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、駆動部は、芯金とベース外装部とに対して、可動外装部を相対的に移動させるから、運転者が把持している可動外装部が動くことにより、触力覚を刺激して運転支援を行なうことができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、駆動部は、ベース外装部に対して可動外装部を、ベース外装部と可動外装部との間の隙間の範囲内で、ホイール部の操舵方向に駆動することを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、ベース外装部に対して可動外装部が隙間の範囲内でホイール部の操舵方向に駆動されるから、動く量を隙間の範囲内に規制することができるので、動く量が大きすぎることでステアリングの操舵に悪影響を与えるのを阻止することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、駆動部は、ホイール部内に設けられ支援情報に基づいて可動外装部を引っ張る紐状部材と、紐状部材を駆動する回転体とから成ることを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、駆動手段は、可動外装部を引っ張る紐状部材と、紐状部材を駆動する回転体とから成るから、場所をとらない細い紐状部材を、ホイール部の狭い隙間の中に設けて、回転体の動力を可動外装部に伝達することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、ベース部は、ホイール部の輪の中央に設けられたボス部に結合されたベース芯金から成り、可動部は、ベース芯金に対して相対的に移動する可動芯金、及び可動芯金を覆う柔軟性部材で形成された膨出部から成り、駆動部は、ベース芯金に対して可動芯金を相対的に移動させ、可動芯金が柔軟性部材に当接することで形成された膨出部の位置を変化させることを特徴としている。
【0021】
この発明によれば、駆動部は、ベース芯金に対して可動芯金を相対的に移動させ、可動芯金の周りの柔軟性部材で形成された膨出部の位置を変化させるから、膨出部の位置が変化することによって、膨出部を把持する手の筋肉や骨格を動かすことができ、触力覚を刺激して運転支援を行なうことができる。
【0022】
請求項6に記載の発明では、可動芯金は、膨出部の内部で転動する転動ローラを有し、転動ローラの外周面が膨出部の内面に沿って転動しながら膨出部の位置を変化させることを特徴としている。
【0023】
この発明によれば、転動ローラの外周面が膨出部に沿って転がりながら移動することで、膨出部と転動ローラ間の摩擦抵抗が少なくなり、転動ローラの移動に大きな力を必要としない。
【0024】
請求項7に記載の発明では、駆動部は、ホイール部内に設けられ支援情報に基づいて可動芯金を引っ張る紐状部材と、該紐状部材を駆動する回転体とを備えることを特徴としている。
【0025】
この発明によれば、駆動部は、支援情報に基づいて可動芯金を引っ張る紐状部材と、紐状部材を駆動する回転体とを備えるから、場所をとらない細い紐状部材で回転体の動力を可動芯金に伝達することができるため、ホイール部の狭い隙間の中で可動芯金を動かすことができる。
【0026】
請求項8に記載の発明では、車両状態検出手段は、車両に対向する物体に対する車両の走行位置を検出し、支援情報生成手段は、車両の走行位置に基づいてステアリングホイールを操舵すべき方向を提示する支援情報を生成することを特徴としている。
【0027】
この発明によれば、車両の走行位置に基づいてステアリングホイールを操舵すべき方向を示す支援情報を生成するから、支援情報に基づいて、車両を操舵するホイール部の可動部を、ベース部に対して相対的に移動させることができ、操舵すべき方向を、触力覚を通して、運転者に提示することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明では、触力覚提示手段の可動部の動きで、ステアリングホイールを操舵すべき方向を運転者に知らせるときに、可動部を小刻みに往復運動させることを特徴としている。
【0029】
この発明によれば、可動部を小刻みに往復運動した後に操舵すべき方向を運転者に知らせることができるから、運転支援のための触力覚の刺激に気が付き易い。
【0030】
請求項10に記載の発明では、ステアリングホイールのホイール部に、ホイール部を包み込むステアリングカバーを有し、ステアリングカバー内に、ベース部と、該ベース部に対して相対的に移動する可動部と、可動部を支援情報に基づいて駆動する駆動部の少なくとも一部とを備え、可動部と駆動部とで触力覚提示手段を構成し、可動部の動きでステアリングカバーの表面を駆動し、少なくともステアリングホイールを操舵すべき方向を運転者に知らせることを特徴としている。
【0031】
この発明によれば、ステアリングカバー内に、ベース部と、該ベース部に対して相対的に移動する可動部と、可動部を支援情報に基づいて駆動する駆動部の少なくとも一部とを備え、可動部と駆動部とで触力覚提示手段を構成し、可動部の動きでステアリングカバーの表面を駆動し、少なくともステアリングホイールを操舵すべき方向を運転者に知らせるから、ステアリングホイールに後付されたステアリングカバーを活用して、触力覚提示手段を構成することができる。
【0032】
請求項11に記載の発明では、ステアリングカバーは、ステアリングカバーの表面を構成する表側シートと裏側シートを重ねて、表側シートと裏側シートとの間に複数の駆動部の少なくとも一部が配設されて構成され、ベース部は、ステアリングカバーの裏側シートから成り、可動部は裏側シートに重ねられた表側シートから成ることを特徴としている。
【0033】
この発明によれば、ベース部はステアリングカバーの裏側シートから成り、可動部は裏側シートに重ねられた表側シートから成り、駆動部のすくなくとも一部は裏側シートと表側シートの間に配設されているから、車両乗員の手に触れる表側シートを介して、少なくともステアリングホイールを操舵すべき方向を運転者に知らせるから、運転者の手の筋肉や骨格を動かすことにより、触力覚を刺激して運転支援を行なうことができる。
【0034】
請求項12に記載の発明では、駆動部は、裏側シートに対して表側シートを相対的に動かす電歪素子を利用した高分子アクチュエータからなることを特徴としている。
【0035】
この発明によれば、駆動部は、電歪素子を利用した高分子アクチュエータからなるから、小型で可撓性を持たせることができ、ステアリングカバー内に収納し易い。
【0036】
請求項13に記載の発明では、駆動部に対する給電は、ステアリングホイールのスポーク部に沿って敷設されたケーブルで行われていることを特徴としている。
【0037】
この発明によれば、駆動部に対する給電は、ステアリングホイールのスポーク部に沿ったケーブルで行っているから、ケーブルがステアリング操作に影響しないようにすることができる。
【0038】
請求項14に記載の発明では、駆動部に対する給電は、ステアリングホイールに取り付けられたアンテナを介して無線で行われていることを特徴としている。
【0039】
この発明によれば、駆動部に対する給電は、ステアリングホイールに取り付けられたアンテナを介して無線で行われているから、給電部の配線がステアリング操作に影響しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態の情報提示装置に使用するステアリングホイールの構造を模式的に示す正面図である。
【図2】図1のステアリングホイールの運転者の手で握られる可能性が高い部分の外装部等を直線的に示す模式構成図である。
【図3】図1のZ3―Z3線に沿う断面図である。
【図4】図1のステアリングホイールの背面図である。
【図5】上記第1実施形態の情報提示装置の全体ブロック図である。
【図6】図5に示した支援情報生成手段の中で実行される制御フローを示すフローチャートである。
【図7】上記第1実施形態において、自車がセンターライン寄りを走行しているときの左回転を促す触力覚提示を行なうときの説明図である。
【図8】上記第1実施形態において、自車が路肩寄りを走行しているときのステアリングホイールの右回転操作を促す触力覚提示を行なうときの説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態の情報提示装置に使用するステアリングホイールの内部構造を透過して示す模式的斜視図である。
【図10】図9の矢印Z10−Z10線に沿うステアリングホイールのホイール部の一部断面斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態に使用するステアリングホイールの図2相当部分の内部を模式的に示す模式構成図である。
【図12】図2の外装部等のその他の例を示す模式構成図である。
【図13】本発明の第4実施形態に用いる高分子で形成された電歪素子の作動状態を示す説明図である。
【図14】上記第4実施形態において、電歪素子でステアリングカバーを時計回転方向に駆動する状態を説明する模式説明図である。
【図15】上記第4実施形態において、電歪素子でステアリングカバーを反時計回転方向に駆動する状態を説明する模式説明図である。
【図16】上記第4実施形態において、ステアリングカバーを平面状に展開した状態を図17の矢印Y17方向から見て模式的に示す一部破砕斜視図である。
【図17】上記第4実施形態において、展開されたステアリングカバーをステアリングホイールに巻きつけて取り付けている状態を示す斜視図である。
【図18】上記第4実施形態において、ステアリングカバーをステアリングホイールに巻き付け、縫い付けが終了した取り付け完成図である。
【図19】有線式で給電する構成を示す本発明の情報提示装置の各実施形態に採用可能な給電構造を示す模式図である。
【図20】無線式で給電する構成を示す本発明の情報提示装置の各実施形態に採用可能な給電構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0042】
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0043】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図8を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の情報提示装置に使用するステアリングホイールの構造を模式的に示す正面図である。図2は、図1のステアリングホイールの運転者の手で握られる図1のホイール部2のR1部分の外装部を直線化して模式的に示す斜視図である。
【0044】
図1において、自動車のステアリングホイール1は、外周が手で握られるホイール部2と、ホイール部2に連結された4箇所のスポーク部3と、スポーク部3の真ん中に取り付けられたボス部(ステアリングホイール基部)4とを有する。
【0045】
この第1実施形態においては、ボス部4に、ホイール部2の外装部の一部を矢印Y1にて示す周方向に動かすための駆動用モータを内蔵する回転駆動部5が装備されている。そして、この駆動用モータの力でホイール部2内を円周方向に移動する紐状部材6(ボールチェーン6とも言い、駆動部の一部を構成する)が設けられている。
【0046】
図1のステアリングホイール1において、一点鎖線で囲った領域R1は、運転者の手で把持されることが多い把持部7の一部である。この把持部7を成すホイール部2の外装部の一部は、他の外装部に対して周方向に移動可能となっている。
【0047】
図2において、ホイール部2の外装部の一部(裏側外装部2b)は、他の外装部(表側外装部2a)に対して、凹凸嵌合部2cで結合しており、図2のホイール部2の外周に沿う周方向(矢印Y21、Y22方向)にのみ、外装部の一部(裏側外装部2b)は、他の外装部(表側外装部2a)に対して動き得る構成となって、後述する触力覚提示手段の可動部を構成している。
【0048】
凹凸嵌合部2cによって、表側外装部2aと裏側外装部2bとは矢印Y21、Y22方向の相対的な移動は可能であるが、表側外装部2aと裏側外装部2bとが分離しないように、一方の凸部が他方の凹部に互いに嵌合している。
【0049】
外装部(表側外装部2a及び裏側外装部2b)は、ウレタン樹脂またはポリプロピレンから構成されている。そして、上記触覚提示手段は、少なくとも運転者が直進操舵時に把持するステアリングホイール1のホイール部2の所定領域(時計の長針と短針とが10時10分を示す針の位置と、時計の長針と短針とが8時20分を示す針の位置とで囲まれる領域)内に構成されている。
【0050】
図1のホイール部2の内部には、芯金を構成するホイール部芯金8が設けけられている。このホイール部芯金8は、鋼やマグネシウム合金からなる円環状金属棒からなるが、図2においては、ホイール部芯金8となる円環状金属棒は、直線状に模式化されて図示されている。
【0051】
このステアリングホイール1のホイール部芯金8とホイール部2の外装部の一部となる表側外装部2aとは、操舵時に一体に回転し、この回転は、複数のスポーク部3(図1では4本)を介してボス部4に伝わり、ボス部4から操舵のための回転力が図示しないステアリングシャフト(ステアリングホイールとステアリングギヤボックスをつなぐ軸でコラムシャフトとも呼ばれる)に伝達されるようになっている。
【0052】
なお、図2の表側外装部2aのウレタン樹脂をホイール部芯金8と結合して一体にする理由は、操舵時の回転力と姿勢保持の荷重を表側外装部2aからホイール部芯金8、さらにスポーク部3、ボス部4、及びステアリングシャフトに伝える必要があるためである。
【0053】
図2の矢印Y21、Y22方向の表側外装部2aの回転は、直接車両の操舵に影響するが、ホイール部2の表側外装部2aと凹凸嵌合部2cで結合している裏側外装部2bの矢印Y21、Y22方向の表側外装部2aに対する回転ずれは、直接車両の操舵に影響せずに、運転者に対する支援情報を伝達する役割を果たす。上記回転ずれは、外装部の一部である裏側外装部2bを、ホイール部2の外周の周方向に、支援情報に基づいて移動させることで生じる。
【0054】
なお、回転ずれを引き起こす裏側外装部2bには、こぶ状の凹凸面が形成してありステアリングホイール1のホイール部2を握り易くしている。また、この裏側外装部2bの表側外装部2aに対する回転ずれは、ステアリングホイール1内で完結する動きであって、ステアリングシャフトには何ら直接的な駆動力の伝達を引き起こさない。
【0055】
ステアリングホイール1のホイール部2の外装部2a、2bを握って運転しているときに、裏側外装部2bの表側外装部2aに対する図2の矢印Y21、Y22方向の回転ずれが発生すると、この回転ずれは、ステアリングホイール1側から、運転者の指または掌に伝わる。
【0056】
このときに、皮膚の表面の受容器を刺激する皮膚感覚の刺激にとどまらず、筋肉や骨に力を加えて動かす触力覚に働きかけて、ステアリングホイール1を回転ずれ方向に操舵するように促がすことができる。よって、後述するように、車線から外れた車両の位置を、元に戻すように操舵することを促す等して運転支援を行なうことができる。
【0057】
次に、上記回転ずれを引き起こす構造について説明する。図1において、ボス部4の内部には駆動源となる図示しない中空のステッピングモータが設けられている。このステッピングモータによって、遊星歯車機構の中空の太陽歯車が回転し、その周りの遊星歯車を介して外周にボールチェーン6を駆動する本発明の回転体を成すボールチェーン用スプロケット(以下、単にスプロケットと言う)10が形成された外側歯車が回転する。スプロケット10は、ボールチェーン6からなる紐状部材を駆動する回転体を構成している。
【0058】
ステッピングモータと遊星歯車機構の中空部にはステアリングシャフトが貫通する。つまり、ステアリングシャフトの周囲の空間にステッピングモータと遊星歯車機構が設けられている。
【0059】
ステッピングモータの回転に応じて、遊星歯車減速機が回転し、この遊星歯車減速機の出力側のスプロケット10が回転する。このようなスプロケット10とボールチェーン6を使用した駆動機構は特許第3064486号公報等に開示されている。
【0060】
ボールチェーン6は市販されており、図2のように複数のボール状の係止部材6aが、ワイヤロープ6bに等間隔に固着されたものである。ボールチェーン6を駆動するスプロケット10(図1)は、外周にボールチェーン6のボール状の係止部材6aを係止するための複数の凹部を有し、凹部相互間にはV字状の溝を有する突起が形成されており、突起のV字状の溝にボールチェーン6のワイヤロープ6b(図2)が保持されている。
【0061】
図1において、図示しないステッピングモータが制御装置からの駆動信号により回転すると、遊星歯車減速機を介してスプロケット10が回転し、ボールチェーン6が駆動される。ボールチェーン6は、ステアリングホイール1のボス部4からスポーク部3を通りホイール部2内に張りめぐらされている。
【0062】
2個の定滑車(ローラ)11、12は、ボールチェーン6を案内して、ホイール部2から出たボールチェーン6の部分を、スポーク部3内を通り、ボス部4のスプロケット10に導いている。
【0063】
図3は、図1のZ3―Z3線に沿う一部断面斜視図である。ホイール部2内の金属リングからなるホイール部芯金8は、図3のようにステアリングホイール1のホイール部2の表側外装部2aのウレタン樹脂内に一部が埋設されて結合されている。また、裏側外装部2bと表側外装部2aとは相対的に設定された寸法だけ図3のステアリングホイールの周方向Y3方向に摺動可能である。
【0064】
裏側外装部2bと表側外装部2aとの間の空間部2dには、ボールチェーン6が移動可能に配設されている。ボールチェーン6は、表側外装部2aに対して摺動可能とされた裏側外装部2bに連結されている。
【0065】
従って、スプロケット10(図1)の回転によりボールチェーン6が図3の周方向Y3に移動すると、表側外装部2aに対して裏側外装部2bが摺動して動く。この動く裏側外装部2bは、図1の定滑車11、12相互間の約120度の範囲にわたって存在する。この約120度のホイール部2部分は、運転者によって運転中に把持される部分である。
【0066】
図4は、図1のステアリングホイールの背面図である。図4において、定滑車11、12間の約120度の範囲にある裏側外装部2bは、可動裏側外装部2b1として構成され、表側外装部2a(図1)に対して摺動可能とされている。一方、他の約60度の部分は固定裏側外装部2b2として構成され、この固定裏側外装部2b2と表側外装部2aとは結合されている。
【0067】
つまり、裏側外装部2bの一部である約120度の範囲内に存在する可動裏側外装部2b1を動かし、裏側外装部2bの残部である約60度の範囲内に存在する固定裏側外装部2b2は、表側外装部2aに結合させた固定部としている。
【0068】
これら可動裏側外装部2b1と固定裏側外装部2b2との間には、図4のように、周方向の隙間G1、G2が設定され、この隙間G1、G2内の約120度の範囲内で、可動裏側外装部2b1が固定裏側外装部2b2に対して、隙間G1、G2の各々の隙間寸法分だけずれるように摺動可能である。
【0069】
図5は、この第1実施形態の情報提示装置20の全体ブロック図であり、図6は図5に示した支援情報生成手段23の中で実行される制御フローを示すフローチャートである。また、図7は、上記第1実施形態の情報提示装置を用いて、自車がセンターライン寄りを走行しているときのステアリングホイール1の左回転を促す触力覚提示を行なうときの説明図である。更に、図8は、自車が路肩寄りを走行しているときのステアリングホイール1の右回転操作を促す触力覚提示を行なうときの説明図である。
【0070】
図5において、車両内外センサ21には、車両の位置を検出するGPSセンサ、車線に位置を検出する車線センサ、路肩の位置を検出する路肩センサ、車両の前方及び後方等の障害物を検出する障害物センサなどが設けられている。なお、この種のセンサにはカメラも含まれる。
【0071】
このような車両内外センサ21からのセンサ情報は、車両状態検出手段22に入力される。この車両状態検出手段22としては、例えばナビゲーション装置、車線路肩監視走行制御装置、車両前方後方監視装置等である。
【0072】
これらの車両状態検出手段22の信号は支援情報生成手段23に送信され、この支援情報生成手段23の制御信号により触力覚提示手段24内の図1のスプロケット10を駆動するステッピングモータが駆動される。支援情報生成手段23内では、図6に示した制御フローに従って触力覚提示の必要性を判断している。
【0073】
図6において、制御がスタートすると、ステップS1において、車両状態情報が取得されたか否かを判断する。例えば、図4の車両状態検出手段22が車線路肩監視走行制御装置である場合においては、図6のステップS1において、車線または路肩情報を取得したか否かを判断する。
【0074】
図7は、車両状態検出手段22を構成する車線路肩監視走行制御装置においてセンターライン25を監視して必要な触力覚提示を行なう場合を示す説明図であり、図7の(a)は自車26がセンターライン25に寄り過ぎている走行状態を示し、図7の(b)は、そのときのステアリングホイール1の図4における可動裏側外装部2b1の回転ずれによる左回転を促す触力覚提示を説明している。
【0075】
また、図8は、車両状態検出手段22を構成する車線路肩監視走行制御装置において路肩27を監視して必要な触力覚提示を行なう場合を示す説明図であり、図8の(a)は自車26が路肩27に寄り過ぎている走行状態を示し、図8の(b)は、そのときのステアリングホイール1の右回転を促す触力覚提示を説明している。
【0076】
図6のステップS1において、車線または路肩情報等が取得されている場合は、YESとなって、ステップS2において、運転支援の必要性があるか否かを判断する。ここでは、例えば、検出された図7のセンターライン25に対し自車26の位置が設定された値以上にセンターライン25寄りに走行している場合、または、検出された図8の路肩27に対し自車26の位置が設定された値以上に路肩27寄りに走行している場合が運転支援の
必要性有りと判断される。
【0077】
図6のステップS3においては、運転支援の必要性有りと判断された内容に従って、触力覚の種類があらかじめ定めたマップの中から選択され、図7、図8のステアリングホイール1のボス部4内部に装着した触力覚提示手段に制御信号が出力される。
【0078】
触力覚提示手段を成すステアリングホイール触力覚制御装置は、前述したように、図1、図4のステアリングホイール1のボス部4内のステッピングモータに駆動信号が入力されると、ステッピングモータを設定された回転量だけ左回転または右回転させ、遊星歯車減速機を介してスプロケット10を左回転または右回転させて、ボールチェーン6を設定された方向に設定量だけ駆動する。
【0079】
これにより、ステアリングホイール2の表側外装部2aとホイール部芯金8と固定裏側外装部2b2とを動かさずに、可動裏側外装部2b1のみを設定された図4の隙間G1、G2分だけ左または右回転方向に動かす(回転ずれを引き起こす)ことができ、ステアリングホイール2を握って運転している運転者の筋肉や骨に力を加えて、運転者の触力覚を刺激しステアリングホイール1をあるべき方向に操舵するよう促すことができる。
【0080】
このようにして、上記第1実施形態では、指等の触覚受容器としてのパチニ小体のみを刺激するのでなくマッサージ機のように筋肉や骨格を動かすことにより触力覚をも刺激して運転支援を行なう支援情報を提示することができる。これにより、手に怪我をして包帯を巻いているとか手袋を装着している場合であっても、的確に支援情報を提示することができる。
【0081】
以上のように、ステアリングホイール1のホイール部2のホイール部芯金8以外の外装部を、表側外装部2aと裏側が外装部2bに分け、表側外装部2aは、操舵時の回転力と姿勢保持の荷重をホイール部芯金8、ひいてはステアリングシャフトに伝える必要があるためホイール部芯金8と一体化している。
【0082】
一方、裏側外装部2bは、表側外装部2aに比べて自由度があり、かつ操舵がし易いように表面に膨出部(コブ)があるため、触力覚提示のアクチュエータとしての使用に適している。そして、固定された表側外装部2aに対して、アクチュエータとしての裏側外装部2bがスライド回転する構造とすることで、運転者の指に対して回転方向を示唆する触力覚提示が可能になる。
【0083】
なお、上記第1実施形態では、ホイール部のベース部を表側外装部2aと、固定裏側外装部2b2と、ホイール部芯金8とで構成している。また、ベース部に対して相対的に移動する可動部を、可動裏側外装部2b1で構成している。
【0084】
また、駆動部を可動裏側外装部2b1に結合されて可動裏側外装部2b1を引っ張ることにより駆動する紐状部材6と、紐状部材を駆動するスプロケット10(回転体)で構成している。
【0085】
また、ベース外装部は、表側外装部2aと、固定裏側外装部2b2とから構成され、可動外装部は、可動裏側外装部2b1から構成されている。また、ベース芯金は、ホイール部芯金8から構成されている。
【0086】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。
【0087】
図9は、本発明の第2実施形態の情報提示装置に使用するステアリングホイール1の内部構造を模式的に透過させて示す斜視図である。図9において、ステアリングホイール構造および力覚提示手段の搭載位置は、第1実施形態と同様である。
【0088】
なお、図9においては、ステアリングホイールに装着されたエアバッグ装置類と、これらを覆うパッド状のリッドと、スポーク部の外装部の一部とを取り除いて図示している。
【0089】
この第2実施形態ではボールチェーン6の敷設範囲を第1実施形態よりも狭く設定し、かつ、ホイール部内ローラ11、12以外にスプロケット10に隣接した駆動原側ローラ30、31を2個追加して、定滑車(ローラ)を合計4個使用している。
【0090】
図10は、図9の矢印Z10−Z10線に沿うステアリングホイール1のホイール部2の一部断面斜視図である。表側外装部2aを構成するウレタン樹脂の一部は、裏側外装部2bを構成するウレタン樹脂の凹部内に嵌合している。
【0091】
固定側の表側外装部2aに対し裏側外装部2bが矢印Y10方向にスライドが可能なように隙間G2が設けられている。この隙間G2に相当する分だけ、裏側外装部2bが、図9のボールチェーン6に引かれてスライドし、運転者の触力覚を刺激する。
【0092】
この第2実施形態においても、ボールチェーン6とステアリングホイール1のホイール部2の裏側外装部2bとが結合しており、裏側外装部2bの少なくとも一部が表側外装部2a、及び図示しないホイール部芯金(図3の8相当)に対して相対的に移動可能に構成されている。
【0093】
これにより、第1実施形態と同様に、表側外装部2aとホイール部芯金(8)と裏側外装部2bとが操舵時に回転して、この回転を図示しないステアリングシャフトに伝達する。これに対して運転支援装置の支援情報によりステアリングホイール1を握る手の指が当
たるこぶ状の膨出部が形成された裏側外装部2bの一部が、表側外装部2aに対して回転
ずれを引き起こすようにスライドし、操舵の方向を運転者に知らせることができる。
【0094】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。図11は、本発明の第3実施形態を示す図2相当部の構成を示しており、ステアリングホイールの運転者の手で握られる可能性が高い部分の外装部2abの内部を模式的に示す模式構成図である。なお、実際には円弧状の形状を直線状に模式して図示している。
【0095】
図11において、外装部2abは裏側と表側の区別がない筒状の柔軟性のあるウレタン樹脂またはポリプロピレンから成る。このチューブ状の外装部2abの内部に可動ホイール部芯金81が実際は円弧状(図11は直線状に模式化)に設けられている。38は、スポーク部(3相当)の内部に設けられたスポーク芯金である。
【0096】
可動ホイール部芯金81の一部は二股状部分81a、81bに分離され、ピン32aと、ピン32a上を回転する移動部材を成す転動ローラ32とが設けられている。可動ホイール部芯金81は、図示しないボールチェーン(6相当)に結合され、矢印Y11の方向にスライド可能とされている。この可動ホイール部芯金81が動いても、スポーク芯金38と連結されたステアリングシャフトが動くわけではない。なお、スポーク部芯金38は、スポーク部の内部と運転者に把持されるホイール部内に延在するが、図11ではスポーク部芯金38の一部のみを図示している。
【0097】
転動ローラ32は外装部2abの内部で移動し、転動ローラ32の外周面が外装部2abに沿って転がりながら移動することで外装部2ab表面の膨出部33、34が移動する。転動ローラ32の転がり移動によって、転動ローラ32の移動に大きな力を必要としない。
【0098】
ステアリングシャフトは、スポーク芯金38や図示しない固定ホイール部芯金と連結されて固定部を構成している。この固定部に対して相対的に所定量移動可能に可動部となる可動ホイール部芯金81が構成されている
可動ホイール部芯金81と上記図示しない固定ホイール部芯金とで全体として丸いホイール部芯金が形成されている。可動ホイール部芯金81と上記固定ホイール部芯金との間には隙間(図4のG1、G2相当)が設けられている。
【0099】
可動ホイール部芯金81を動かすと、転動ローラ32が可撓性のある外装部2ab内で動き、転動ローラ32の表面が外装部2abに当接することにより形成されている外装部2abの外周の膨出部33、34が移動する。
【0100】
これにより、可動ホイール部芯金81のわずかな(隙間G1、G2相当分の)矢印方向Y11(図11)の動きに連動して、外装部2abの外周の膨出部33、34が移動する。
【0101】
なお、膨出部33、34が移動してもステアイングシャフトまで移動することはない。膨出部33、34の移動により、運転者の指の筋肉や骨が動いて触力覚を刺激することができる。また、膨出部33、34、及び転動ローラ32は図11のように複数設けることが望ましい。
【0102】
以上のように、第3実施形態は、外装部2abをなすウレタン樹脂部材の内側に膨出部(こぶ部)生成機構を成す転動ローラ32が設けられている。ウレタン部材は、突起状の転動ローラ32に対して伸縮可能な材質となっており、膨出部生成機構をなす転動ローラ32の移動にともないステアリングホイール(1)のホイール部(2)の膨出部33、34の位置が移動する。なお、膨出部33、34の大きさ、膨出部33と膨出部34相互の間隔、移動速度、移動方向は任意に設定することができる。
【0103】
以上、触力覚提示内容をステアリングホイールの回転方向に絞り、また知覚(解釈)のバラツキが少ない触力覚を用いることより、運転者に対してより確実、かつより分かり易く支援情報を伝えることができる。
【0104】
なお、上記第3実施形態では、ホイール部のベース芯金をスポーク芯金38で構成し、ベース芯金に対して相対的に移動する可動芯金を、可動ホイール部芯金81で構成している。また、駆動部を可動ホイール部芯金81に結合されて可動ホイール部芯金81を引っ張ることにより駆動する紐状部材(6)と、紐状部材(6)を駆動するスプロケット(回転体10)で構成している。また、可動芯金を覆う柔軟性部材は、チューブ状の外装部2abで形成されている。
【0105】
(第4実施形態)
次に、電歪素子(高分子アクチュエータ)を使用した本発明の第4実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。図13は、本発明の第4実施形態に用いる高分子で形成された電歪素子からなるソフトアクチュエータ40の作動状態を示す説明図、図14は、第4実施形態においてソフトアクチュエータ40でステアリングカバー42を時計回転方向に駆動する状態を説明する模式説明図、図15は第4実施形態においてソフトアクチュエータ40でステアリングカバー42を反時計回転方向に駆動する状態を説明する模式説明図である。
【0106】
図16は、第4実施形態において、ステアリングカバーを平面状に展開した状態を図17の矢印Y17方向から見て示す一部破砕斜視図である。図17は展開されたステアリングカバー42をステアリングホイール1に巻きつけて取り付ける状態を示す斜視図、図18は図14の巻き付け及び縫い付けが終了した取り付け完成図である。
【0107】
人工筋肉には、圧電式、形状記憶合金、静電式、圧空式など様々なタイプが存在するが、合成樹脂など高分子を用いたものが使用され、ソフトアクチュエータと呼ばれる。この第4実施形態は、駆動部としてソフトアクチュエータ40を使用している。
【0108】
図13は、高分子材料からなる誘電体を使用したソフトアクチュエータ40の原理を示している。誘電エラストマーに強い電場を加えると電場の方向に収縮し、電場と垂直な方向には膨張して応力を生じることが知られている。
【0109】
2枚の電極板41a、41bの間に高分子の誘電体40aを挟み、電圧をかけると、帯電し電極間に引力が生じ、誘電体40aが押しつぶされて面方向に膨張する。このような 誘電体40aからなるソフトアクチュエータ40が、可撓性のある合成樹脂またはゴムからなる後述する2枚のシートの間に多数敷き詰められ糸で縫いつけられている。
【0110】
図14から図15では図示を省略しているが、フレキシブルプリント基板で、ソフトアクチュエータ40の電極板41a、41b(図13)に配線している。図14に示したように、ステアリングカバー42の表側シート421には、ソフトアクチュエータ40の誘電体40aの前進側(図14右側)の一端が縫い付けられ、ソフトアクチュエータ40の誘電体40aの他端は裏側シート422に縫い付けられている。
【0111】
電圧を印加しない状態では、ソフトアクチュエータ40は図13の(a)および図14の(a)の状態にあり、電圧を印加すると、図13の(b)および図14の(b)のように、誘電体40aが面方向である図13の矢印Y13、Y14方向に膨張する。これにより、ステアリングカバー42の表側シート421と裏側シート422の間にずれが生じる。
【0112】
裏側シート422がステアリングホイール1(図17)に接合されているため、表側シート421は図14の(b)の矢印Y14方向に移動する。図15では、電圧を印加すると誘電体40aが面方向である図15の左方向に膨張する。これにより、図15の(b)のように、ステアリングカバー42の裏側シート422と表側シート421の間にずれが生じる。裏側シート422がステアリングホイール1に接合されているため表側シート421は図15の(b)の矢印Y15方向に移動する。
【0113】
図16は、帯状のステアリングカバー42の一部(ステアリングホイール上部1Uに接合される一部)を図17の矢印Y17方向から見た状態を示している。この図16に示すように裏側シート422と表側シート421の間に、多数のソフトアクチュエータ40を敷き詰め、これらのシート421、422からなるステアリングカバー42は、全体としてリング状にステアリングホイール1に巻き付けて装着される。
【0114】
図16において、ステアリングホイール1の車両進行方向側(乗員から見て裏側)のステアリングホイール1の部位に位置するソフトアクチュエータ40(図16上列側)は、表側シート421を矢印Y161のように反時計回転させる。また、図16において、ステアリングホイール1の車両進行方向と反対側、つまり運転者側に位置するソフトアクチュエータ40(図16下列側)は、表側シート421を矢印Y162のように時計回転させる。
【0115】
図17は、ステアリングホイール1にステアリングカバー42を巻き付けた状態を示している。裏側シート422の裏面はステアリングホイール1に密着し易いように接着材が塗布されている。
【0116】
図18は、糸でステアリングカバー42内周側を糸で縫いつけ、取付けが完了した状態を示している。図18において、力覚提示手段はステアリングカバー42の少なくとも把持部に形成され、ステアリングカバー42の表側カバー421が、支援情報に基づいて、矢印Y181および矢印Y182のように円周方向に変位する。
【0117】
次に、第4実施形態の作動について、図5から図8を援用して説明する。情報提示装置20(図5)の支援情報生成手段23は、触力覚提示手段24を構成するステアリングカバー42内の誘電体40aからなるアクチュエータ40の電極板に駆動信号を入力する。
【0118】
図7のように、車両がセンターラインよりに走行していてステアリングを反時計方向に回転させ、車両を道路の外側に移動させる必要のあるときは、図15の反時計回転用アクチュエータ40に電圧が印加され、図14の時計方向回転用アクチュエータ40には電圧が印加されない。
【0119】
これにより、図16のステアリングカバー42における表側シート421の車両進行方向側が反時計方向に所定量位置ずれし、表側シート421の運転者側は停止したままとなる。これにより、エラストマーからなるステアリングカバー42が捩れ、乗員の中指内側に反時計方向の回転力が伝達され、ステアリングホイール1を反時計方向(図18の矢印Y182方向)に回転させることが情報伝達される。
【0120】
次に、図8のように、車両が路側帯よりに走行していてステアリングホイール1を時計方向に回転させ、車両を道路の内側に移動させる必要のあるときは図14の時計回転用アクチュエータ40に電圧が印加され、図15の反時計方向回転用アクチュエータ40には電圧が印加されない。
【0121】
これにより、図16のステアリングカバー42における表側シート421の運転者側が時計方向に所定量位置ずれし、表側シート421の車両進行方向側は停止したままとなる。よって、エラストマーからなるステアリングカバー42が捩れ、乗員の親指等の内側に時計方向の回転力が伝達され、ステアリングホイール1を時計方向(図18の矢印Y181方向)に回転させることが情報伝達される。
【0122】
次に、ステアリングホイール1に設けたアクチュエータ等への給電方法について説明する。図19は、有線式で給電する構成を示す本発明の情報提示装置の各実施形態に採用可能な給電構造を示す模式図である。
【0123】
上記第4実施形態は、情報提示装置が単純なアクチュエータであり、ステアリングホイール外に設置された図5の支援情報生成手段23をなすECU(電子制御ユニットからなるコンとローラ)からの指令で、アクチュエータ40が動作する。
【0124】
この場合は、図19の(a)のように、アクチュエータのオンオフ情報を有する電源線45は、ステアリングホイール1内のアクチュエータからスポーク部3に沿って、ステアリングホイール中央の警報器(ホーン)用スイッチ部の下方までスパイラルケーブルで配線すればよい。この場合、情報提示装置のアクチュエータは、コントローラ(別体ECU)からの指令で動作する。
【0125】
以上のように、第4実施形態においては、車両の内外からのセンサ情報から車両の状態を検出する車両状態検出手段が車両計器板内等に設けられている。この車両状態検出手段が検出した車両の状態に基づいて、車両の運転を支援する支援情報を生成する支援情報生成手段(コントローラとなるECU)と、車両を操舵するステアリングホイール1に設けられ、車両の運転者に支援情報を伝える触力覚提示手段としてのステアリングカバー42を備える。
【0126】
ステアリングホイール1は、運転者に操舵されるホイール部を有し、ホイール部には、ベース部と、該ベース部に対して相対的に移動する可動部を成すステアリングカバー42の表側シート421が設けられている。また、表側シート421を支援情報に基づいて駆動する駆動部としてのソフトアクチュエータ40を有する。
【0127】
このソフトアクチュエータ40は、高分子材料から成る誘電体を有する。可動部を成す特にステアリングカバー42の表側シート421と駆動部となるソフトアクチュエータ40とで触力覚提示手段を構成し、可動部の動きで、少なくともステアリングホイール1を操舵すべき方向を運転者に知らせることができる。
【0128】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、図2の表側外装部2aがホイール部芯金8に固定され、凹凸のある裏側外装部2bが、表側外装部2aに対して、回転ずれを引き起こすようにしたが、反対に、裏側外装部2bをホイール部芯金8に固定し、表側外装部2aが、裏側外装部2bに対して、回転ずれを引き起こすようにしてもよい。
【0129】
また、上述の第1実施形態では、図1のボールチェーン6を約120度の範囲に亘りホイール部2内に張り巡らしたが、ボールチェーン6は、ワイヤ状またはベルト状の紐状部材であればよく、周方向の動きを、移動させるべきホイール部の可動部に伝達できるものであれば良い。
【0130】
また、紐状部材のスプロケット10に係合する部分のみがボールチェーン6やタイミングベルトのように歯車やスプロケット10からなる回転体に結合できればよく、他の部分は回転体に結合するための複数のボールや複数の突起がないワイヤ状ないし紐状部材であってもよい。
【0131】
また、表側外装部2aと裏側外装部2bとを摺動可能としているが、摺動部分の摺動抵抗を少なくするために、2層成形して摺動抵抗の少ない樹脂同士を接触させるか、または、摺動面に金属めっき等を施して摺動し易くも良い。
【0132】
上述の第1実施形態では、図1の定滑車11、12間の約120度の範囲にある裏側外装部2bの一部を表側外装部2aに対して摺動可能として、他の部分は、固定部として裏側外装部と表側外装部とを結合させた。
【0133】
つまり、裏側外装部の一部を紐状部材で動かしたが、360度の全範囲の裏側外装部2bを表側外装部2aに対して摺動可能としても良い。この場合の摺動量及び摺動方向は、紐状部材を駆動する歯車やスプロケットからなる回転体に動力を伝えるモータの回転数及び回転方向で決定される。
【0134】
上述の第1実施形態では、センターラインよりや路肩よりの場合の運転支援について述べたが、その他の用途に使用することもできる。例えば、車両の被衝突物との相対速度や距離を検知可能なミリ波レーダ等から構成されて被衝突物の接近を検知する接近検知センサが搭載されている車両においては、右前方において被衝突物の接近を検知したときに、ステアリングホイールを左回転させる触力覚提示を行なっても良い。
【0135】
また、カーナビゲーションシステムに連動して目的地が左方向にあるときに、左側車線への車線変更等を事前に促す触力覚提示を行なうこともできる。更に、駐車支援時の衝突回避のためにステアリングホイールの操舵方向を誘導しても良い。
【0136】
上述の第1実施形態では、図1のように、ボールチェーン6をボールチェーン用のスプロケット10で駆動したが、紐状部材に両端が接続された円弧状のラックを、ギヤードモータの回転軸によって駆動されるピニオンで動かして、紐状部材を往復動させるようにしても良い。
【0137】
上述の第1実施形態では、中空のステッピングモータと遊星歯車減速機を使用したが、正転逆転が可能な直流モータと、この直流モータの出力軸に設けられたウオームギヤに噛み合って正転逆転する中空のウオームホイールとを有し、ウオームホイールの外周側にスプロケットが連結されたものを使用してもよい。
【0138】
上述の第1実施形態では、外装部2a、2b、2abを樹脂で構成したが、樹脂以外の材料を用いても良い。また、裏側外装部2bは、図4のように下側の隙間G1、G2間の固定用外装部と、それ以外の円弧状の可動外装部の組み合わせとし、固定用外装部と可動外装部との間に一対の隙間G1、G2を形成して、この隙間G1、G2分だけ可動外装部が動き得るようにしたが、可動外装部を複数に分割し、分割された個々の可動外装部相互間に隙間を介して複数の固定外装部の各々を設けても良い。
【0139】
上述の実施形態では、2個から4個の定滑車を使用したが、更に多くの定滑車を使用して紐状部材の屈曲を滑らかなものとしても良い。
【0140】
図7及び図8においては、車両状態検出手段は、車両に対向する物体としての道路に対する車両の走行位置を検出し、支援情報生成手段が、車両の走行位置に基づいてステアリングホイールを操舵すべき方向を提示する支援情報を生成する例について説明したが、上記車両に対向する物体としては、道路以外にも、自車の前方を走行する他の車両、二輪車、または自車の前方に存在する障害物、歩行者であっても良い。
【0141】
すなわち、これらの他の車両、二輪車、障害物、歩行者に対する車両の走行位置を車両状態検出手段で検出し、支援情報生成手段が、車両の走行位置に基づいてステアリングホイールを操舵すべき方向を提示する支援情報を生成するようにしても良い。
【0142】
また、図2において、ホイール部芯金8は断面円形のものを示したが、このホイール部芯金8は、一般的なステアリングに採用されているように、図12に示すような断面C字型の芯金としても良い。
【0143】
次に、図6のステップS3においては、運転支援の必要性有りと判断された内容に従って、触力覚の種類があらかじめ定めたマップの中から選択され、図7、図8のステアリングホイール1のボス部4内部に装着した触力覚提示手段に制御信号が出力された。
【0144】
そして、図1、図4のステアリングホイール1のボス部4内のステッピングモータに駆動信号が入力され、ステッピングモータを設定された回転量だけ左回転または右回転させたが、これを次のように変形しても良い。
【0145】
ステッピングモータを設定された回転量だけ左回転または右回転させる前に、ステッピングモータを、左回転及び右回転することを小刻みに繰り返し、運転者に警告を与える。このように先に警告を与えた後に、操舵すべき方向を示すべくステッピングモータを設定された回転量だけ左回転もしくは右回転させ、ボールチェーン6を設定された方向に設定量だけ駆動する。
【0146】
これにより、運転者に操舵方向を指示する前に、警告としてステアリングホイールが小刻みに左右にバイブレータのように振動するため、運転者の注意を喚起し、操舵支援のためのステアリングホイールの動きに運転者が気付き易くなる。
【0147】
上記実施形態では、駆動部を電動機や電歪素子を使用して構成したが、リニアモータなど小型かつ薄型のアクチュエータを使用することができる。
【0148】
電歪素子から成るソフトアクチュエータをステアリングカバー内に全部収納したが、スポーク部等に電歪素子を設け、駆動用紐または駆動ケーブルで可動部を成す表側シートを引っ張って駆動しても良い。
【0149】
次に、上記第4実施形態では、図19の(a)ようにして給電したが、図19に示すその他の有線式給電方法を採用することもできる。図19の(b)は、ホーン下のスパイラルケーブルを用いて、スポーク部3経由の配線で情報提示装置のコントローラ(ECU)に給電する。
【0150】
なお、この場合の給電とは、情報提示装置のコントローラ(ECU)、入力センサが全て一体の場合(完全に入出力が閉じている場合)は、スパイラルケーブル45を用いて、単純に電源線のみを給電することとなる。
【0151】
次に、図19の(c)は、情報提示装置とコントローラ(ECU)は一体であるが、制御信号を外部からCANなどでもらう場合を図示している。この場合は、スパイラルケーブル45を用いて、電源線と信号線(通信線)を配線する。
【0152】
次に、図20は、無線式で給電する構成を示す本発明の情報提示装置の各実施形態に採用可能な給電構造を示す模式図である。図20の(a)は、無線式であり、有線式と異なる部分は、アンテナの搭載である。情報提示装置のコントローラ(ECU)の表面搭載構造と、アンテナとは、ホーン部を含むスポーク部3上に搭載し、無線による電力供給を行う。
【0153】
図20の(b)は、信号のみ無線で送信し、それ以外の電源は有線でスパイラルケーブル45aを用いて給電する。図20の(c)は、無線による制御を行なう。但し、コントローラ(ECU)はステアリング内に含まない。無線で受信する制御信号を解釈できる制御部が一体化されたスマートアクチュエータを使用している。このスマートアクチュエータの電源も無線で受信している。
【符号の説明】
【0154】
1 ステアリングホイール
2 ホイール部
2a ホイール部の外装部を構成する表側外装部(ベース外装部)
2ab チューブ状の外装部(柔軟性部材)
2b ホイール部の外装部を構成する裏側外装部
2b1 裏側外装部の一部である可動裏側外装部(可動外装部)
2b2 裏側外装部の残部である固定裏側外装部(ベース外装部)
2c 凹凸嵌合部
3 スポーク部
4 ボス部
5 回転駆動部
6 ボールチェーンからなる紐状部材(駆動部)
8 芯金を構成するホイール部芯金
10 紐状部材を駆動する回転体を構成するスプロケット(駆動部)
11、12 定滑車
22 車両状態検出手段
23 支援情報生成手段
24 触力覚提示手段
30、31 スプロケットに隣接した駆動原側ローラ
32 転動ローラ
32a ピン
33、34 膨出部
38 スポーク芯金
40ソフトアクチュエータ(駆動部)
40a 誘電体
41a、41b 電極板
42 ステアリングカバー
421 表側シート
422 裏側シート
81 可動ホイール部芯金
81a、81b 可動ホイール部芯金の二股状部分
G1、G2 可動裏側外装部と固定裏側外装部との間の隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内外からのセンサ情報から車両の状態を検出する車両状態検出手段と、
前記車両状態検出手段が検出した前記車両の状態に基づいて、前記車両の運転を支援する支援情報を生成する支援情報生成手段と、
前記車両を操舵するステアリングホイールに設けられ、前記車両の運転者に前記支援情報を伝える触力覚提示手段を備え、
前記ステアリングホイールは、前記運転者に操舵されるホイール部を有し、前記ホイール部には、ベース部と、該ベース部に対して相対的に移動する可動部と、前記可動部を前記支援情報に基づいて駆動する駆動部の少なくとも一部とを備え、
前記可動部と前記駆動部とで前記触力覚提示手段を構成し、前記可動部の動きで、少なくとも前記ステアリングホイールを操舵すべき方向を前記運転者に知らせることを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記ベース部は、前記ホイール部の内部に設けられた芯金と、前記芯金と接合され前記ホイール部の外表面を覆うベース外装部とから構成され、
前記可動部は、前記ホイール部の外表面を覆い、前記ベース外装部に対して相対的に移動する可動外装部から構成され、
前記駆動部は、前記芯金と前記ベース外装部とに対して、前記可動外装部を相対的に移動させることを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記ベース外装部に対して前記可動外装部を、前記ベース外装部と前記可動外装部との間の隙間の範囲内で、前記ホイール部の操舵方向に駆動することを特徴とする請求項2に記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記駆動部は、前記ホイール部内に設けられ前記支援情報に基づいて前記可動外装部を引っ張る紐状部材と、前記紐状部材を駆動する回転体とから成ることを特徴とする請求項3に記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記ベース部は、前記ホイール部の輪の中央に設けられたボス部に結合されたベース芯金から成り、
前記可動部は、前記ベース芯金に対して相対的に移動する可動芯金、及び前記可動芯金を覆う柔軟性部材で形成された膨出部から成り、
前記駆動部は、前記ベース芯金に対して前記可動芯金を相対的に移動させ、前記可動芯金が前記柔軟性部材に当接することで形成された前記膨出部の位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記可動芯金は、前記膨出部の内部で転動する転動ローラを有し、前記転動ローラの外周面が前記膨出部の内面に沿って転動しながら前記膨出部の位置を変化させることを特徴とする請求項5に記載の情報提示装置。
【請求項7】
前記駆動部は、前記ホイール部内に設けられ前記支援情報に基づいて前記可動芯金を引っ張る紐状部材と、該紐状部材を駆動する回転体とを備えることを特徴とする請求項5または6に記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記車両状態検出手段は、前記車両に対向する物体に対する前記車両の走行位置を検出し、前記支援情報生成手段は、前記車両の走行位置に基づいて前記ステアリングホイールを操舵すべき方向を提示する前記支援情報を生成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の情報提示装置。
【請求項9】
前記触力覚提示手段の前記可動部の動きで、前記ステアリングホイールを操舵すべき方向を前記運転者に知らせるときに、前記可動部を小刻みに往復運動させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の情報提示装置。
【請求項10】
前記ステアリングホイールの前記ホイール部に、前記ホイール部を包み込むステアリングカバーを有し、前記ステアリングカバー内に、前記ベース部と、該ベース部に対して相対的に移動する前記可動部と、前記可動部を前記支援情報に基づいて駆動する駆動部の少なくとも一部とを備え、
前記可動部と前記駆動部とで前記触力覚提示手段を構成し、前記可動部の動きで前記ステアリングカバーの表面を駆動し、少なくとも前記ステアリングホイールを操舵すべき方向を前記運転者に知らせることを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項11】
前記ステアリングカバーは、前記ステアリングカバーの前記表面を構成する表側シートと裏側シートを重ねて、前記表側シートと前記裏側シートとの間に複数の前記駆動部の少なくとも一部が配設されて構成され、
前記ベース部は、前記ステアリングカバーの裏側シートから成り、前記可動部は前記裏側シートに重ねられた前記表側シートから成ることを特徴とする請求項10に記載の情報提示装置。
【請求項12】
前記駆動部は、前記裏側シートに対して前記表側シートを相対的に動かす電歪素子を利用した高分子アクチュエータからなることを特徴とする請求項11に記載の情報提示装置。
【請求項13】
前記駆動部に対する給電は、前記ステアリングホイールのスポーク部に沿って敷設されたケーブルで行われていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の情報提示装置。
【請求項14】
前記駆動部に対する給電は、前記ステアリングホイールに取り付けられたアンテナを介して無線で行われていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の情報提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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