説明

情報機器、画像形成装置、操作画面の表示制御方法およびコンピュータープログラム

【課題】操作画面での複数選択の操作性を向上させる。
【解決手段】情報機器は、操作に関わる複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンを操作パネルに表示させる表示制御部と、複数のアイコンに対する複数選択の履歴を記憶する履歴記憶部とを備える。表示制御部は、履歴が示す過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンがシングルタッチ操作またはマルチタッチ操作によって複数選択し易い所定位置に配置されるように、タッチ操作のモードに応じて複数のアイコンの配列を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルによる操作に応じた動作をする情報機器、この種の情報機器である画像形成装置、情報機器の操作のための操作画面の表示制御方法およびコンピュータープログラムに関する。画像形成装置には、複写機、プリンター、ファクシミリ装置およびこれらの機器の機能を合わせ持つMFP(Multi-functional Peripheral)が含まれる。
【背景技術】
【0002】
MFPのような多機能化した画像形成装置は、操作入力手段としてタッチパネルを備えている。ここでいうタッチパネルは、画面表示の可能なディスプレイとタッチ式ポインティングデバイスとを組み合わせた装置である。透光性のポインティングデバイスはディスプレイの前面に密着し、タッチパネルの表面は表示面とタッチ入力面とを兼ねている。
【0003】
画像形成装置のタッチパネルでは、ユーザーによる操作に応じて画面表示の内容が変更される。例えば、動作設定の項目を選択するための複数のキー(ボタンとも呼ばれる)を有する第1の操作画面が表示されている状態において、ユーザーがキーの一つを操作すると、操作されたキーに該当する項目の詳細な設定のための第2の操作画面が、第1の操作画面に代えて、または第1の操作画面に部分的に重なるように表示される。ユーザーは、表示された操作画面において適切に操作をすることにより、所望の動作に関係する各種の操作画面を順に表示させることができる。
【0004】
タッチパネルによる操作に関して、指によって操作が行なわれる場合とペンを用いて操作が行なわれる場合とで、表示する操作キーのレイアウトを切り替える技術がある。特許文献1には、ペン収納部を有する携帯用の情報処理装置において、入力用ペンがペン収納部から抜き出されているときには、表示面の下部にスイッチボタンを小さく表示させ、入力用ペンがペン収納部に収納されているときには表示面の左端部または右端部にスイッチボタンを大きく表示させることが記載されている。特許文献2では、画像形成装置の操作パネルにおいて、操作パネル上に設けられたタッチペン収納部におけるタッチペンの有無を検出し、タッチペンが収納されていない場合に、ユーザーが機能を選択するための操作画面に、指で操作し辛くタッチペンで操作するのが好ましいキー群の表示を伴う機能を選択し易いように、当該機能に対応したキーを優先的に配置することが開示されている。
【0005】
一方、近年、タッチ入力方法が多様化している。例えば、タブレット型パーソナルコンピューターやスマートフォンといったマルチメディア機能を有する情報機器は、複数の指を同時にタッチ入力面に接触させるマルチタッチ操作を受け付ける。マルチタッチ操作には、2本の指をタッチ入力面に接触させたまま指の間隔を縮める「ピンチイン」、および指の間隔を拡げる「ピンチアウト」が含まれる。ピンチインおよびピンチアウトは、表示されている画像を縮小したり拡大したりする場合に用いられる。また、1本の指またはペンを用いるシングルタッチ操作には、入力面内の一箇所を軽く叩くようにタッチして直ぐに離す最も一般的な「タップ」や少し長くタッチする「ホールド」の他に、タッチしたまま指またはペンを動かす操作(以下、これをスライドという)がある。スライドには、指を素早く振り上げるように動かす「フリック」、およびタッチ入力面をなぞるように指またはペンを動かす「ドラッグ」が含まれる。フリックは画面スクロールに用いられており、ドラッグはアイコンを移動させたり複数のアイコンを一括に選択したりするのに用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−179502号公報
【特許文献2】特開2009−175802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、画像形成装置の操作のために用意される多数の操作画面は、複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンが並ぶ複数の選択画面を含んでいる。そして、さらにそれら選択画面は、多数のアイコンが並びかつそれらのうちの複数個の選択(複数選択)の可能な選択画面(これをマルチ選択画面と呼称する)を含んでいる。例えば、マルチ選択画面として、記憶されている多数のドキュメントからプリントや転送などの処理の対象を選択する画面、多数ページのドキュメントのうちの処理対象ページを選択する画面、および登録された多数の宛先から送信先を選択する画面がある。マルチ選択画面では、通常、多数のアイコンが選択肢の名称に基づいて五十音順やアルファベット順に配列されている。複数のユーザーによって共用される画像形成装置では、ユーザーごとにアイコンの配列を切り替えないのであれば、誰もが理解し易い配列が好ましい。
【0008】
あるマルチ選択画面での操作を頻繁に行うユーザーがいつも同じアイコン群を複数選択する状況を想定すると、複数選択しようとするアイコンの間に他のアイコンが存在するような配列は好ましくない。指またはペンをあちらこちらに移動しなければならず、複数選択に手間がかかるからである。特に、表示面の全域を用いても配置し切れないほどにアイコンの総数が多いために複数のページに振り分けてアイコンが配列されるマルチ操作画面において、一つずつ表示される複数のページにわたって複数選択をするのは面倒である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、操作画面での複数選択の操作性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する情報機器は、複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンを前記操作パネルに表示させる表示制御部と、前記複数のアイコンに対する複数選択の履歴を記憶する履歴記憶部と、を備える。前記表示制御部は、シングルタッチ操作モードにおいて、前記複数のアイコンのうちの前記履歴が示す過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、当該特定アイコンのみで連続する仮想線に沿う列を構成するように前記複数のアイコンを配列し、かつマルチタッチ操作モードにおいて、前記複数の特定アイコンが当該特定アイコンのみで行と列とを構成するように前記複数のアイコンを配列する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作の状況に応じて操作の選択肢として表示される複数のアイコンの配列が、シングルタッチ操作に適するようにまたはマルチタッチ操作に適するように切り替えられるので、複数のアイコンを一括に選択する複数選択の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】情報機器としての画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置におけるタッチ入力操作に関わる機能構成を示す図である。
【図4】タッチ入力形式の指定画面の例を示す図である。
【図5】複数選択領域を有する操作画面の一例を示す図である。
【図6】複数選択領域を有する操作画面の他の例を示す図である。
【図7】複数選択領域ではないマルチタッチ領域を有する操作画面を示す図である。
【図8】タッチ入力操作のカウントテーブルを示す図である。
【図9】複数選択領域におけるシングルタッチ操作のためのアイコン配列変更の第1例を示す図である。
【図10】複数選択領域におけるマルチタッチ操作のためのアイコン配列変更の第1例を示す図である。
【図11】複数選択領域におけるマルチタッチ操作のためのアイコン配列変更の第2例を示す図である。
【図12】マルチタッチ操作による複数選択の手順の例を示す図である。
【図13】複数選択領域におけるマルチタッチ操作のためのアイコン配列変更の第3例を示す図である。
【図14】特定アイコン数が多い場合のマルチタッチ操作のためのアイコン配列の一例を示す図である。
【図15】特定アイコン数が多い場合のマルチタッチ操作のためのアイコン配列の他の例を示す図である。
【図16】特定アイコンの一部を重複させるアイコン配列の例を示す図である。
【図17】特定アイコンをグループ分けするアイコン配列の例を示す図である。
【図18】アイコン配列を切り替える画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】図18のマルチタッチ配列処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に例示される画像形成装置1は、コピーおよびネットワークプリンティングを含む多様な用途をもつMFPと呼ばれる情報機器である。画像形成装置1は、例えば企業のオフィスに構築されたLAN(Local Area Network)8に接続され、パーソナルコンピューターやサーバーといった情報処理装置とのデータ通信および外部の通信装置とのファクシリ通信が可能である。画像形成装置1は、外部装置からのアクセスおよび筐体上部の前側に配置された操作パネル10による操作に従って動作する。本実施形態の操作パネル10にはタッチ入力ペン13が装着される。
【0014】
画像形成装置1に所望の処理を実行させたいユーザーはユーザー認証を受ける必要がある。例示の画像形成装置1では、操作パネル10の近傍に認証デバイス15としてICカードから情報を非接触で読み取るカードリーダーが設けられている。画像形成装置1を共用する複数のユーザーには、それぞれの識別情報を記憶するICカードがユーザーカードとして予め配布される。各ユーザーは、所持している自分用のユーザーカードを認証デバイス15に近づけることによってユーザー認証を受けることができる。
【0015】
図2のように、操作パネル10はタッチパネル12およびペンホルダー14を備える。タッチパネル12は、操作画面を表示するディスプレイとその表示面に密着する透光性のタッチ入力デバイスとから構成される。タッチ入力デバイスからの信号を処理するユーザーインタフェースは、ユーザーが指またはタッチ入力ペン13を用いて行うシングルタッチ操作を受け付けるとともに、所定の操作画面が表示されている状態でのマルチタッチ操作を受け付ける。ペンホルダー14はタッチ入力ペン13を着脱可能に支持する。ペンホルダー14はタッチ入力ペン13の有無に応じた検出信号を出力するセンサー141を有している。
【0016】
画像形成装置1の全体制御を担うメインコントローラー20は、制御プログラムや各種アプリケーションを実行するコンピューターとしてのCPU(central processing unit)21、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)22、プログラム実行のワークエリアとされるS−RAM(Static Random Access Memory)23、および動作の設定値を記憶するバッテリバックアップされたNV−RAM(不揮発性メモリ)24を有する。
【0017】
ADF(Auto Document Feeder)32は、原稿台を有しており、コピー、イメージ入力、またはファクシミリ送信において、原稿台にセットされた原稿シートをイメージスキャナー33の読取り位置へ搬送する。イメージスキャナー33は原稿シートに記録されている画像情報を光学的に読み取る。エンジンコントローラー34は、プリンターエンジン35の動作を制御する。プリンターエンジン35は、多段式の用紙スタッカー36から供給される用紙の片面または両面に電子写真法によってモノクロまたはカラーの画像をプリントする。ファクシミリユニット37は、図示しない電話回線またはLAN8を用いるファクシミリ送受信のためのデータ処理を担う。通信インタフェース38は画像形成装置1をLAN8に接続する。ストレージ39はハードディスクドライブ(HDD)のような大容量記憶デバイスである。ストレージ39には、制御プログラムや操作画面の表示のための画面データを含む制御用のデータを記憶する媒体としてのメモリ領域が設けられている。ストレージ39に格納されているデータやプログラムは必要に応じてワークエリアにロードされる。
【0018】
このようなハードウェア構成をもつ画像形成装置1におけるタッチ入力操作に関わる機能構成が図3に示されている。図3のように、画像形成装置1は、ユーザー識別部201、履歴記憶部202、表示制御部203、タッチ形式判定部204、シングルタッチ配列指定部205、マルチタッチ配列指定部206、およびペン状態判別部207を有している。これらの構成要素は、メインコントローラー20に実装されたコンピューターとしてのCPU21がプログラムを実行することによって実現される。
【0019】
ユーザー識別部201は、認証デバイス15から入力される識別情報に基づいて、画像形成装置1を使用しようとする認証された現在のユーザーを識別する。ユーザー識別部201は履歴記憶部202およびタッチ形式判定部204に現在のユーザーを通知する。
【0020】
履歴記憶部202は、表示制御部203と連携してユーザーによる操作の履歴を記憶する。履歴記憶部202によってユーザーごとの複数選択の履歴を示す履歴情報D1が作成され、履歴情報D1はNV−RAM24またはストレージ39によって記憶される。
【0021】
表示制御部203は、画面画像データD2を用いてタッチパネル12に操作画面を表示させ、ユーザーが行う操作に応じて表示の内容を切り替える。表示制御部203が表示させる各種の操作画面には、複数選択領域を有するマルチ選択画面が含まれる。表示制御部203は画面画像データD2に含まれる描画パーツを組み合わせて操作画面を構成する。その際、マルチ選択画面の複数選択領域には、操作に関わる複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンが、五十音順やアルファベット順といった標準の順序、またはユーザーごとにカスタマイズした順序で配列される。
【0022】
タッチ形式判定部204は、ユーザー識別部201によって識別されたユーザーが、マルチ選択画面の表示された状態においてシングルタッチ操作を行うかマルチタッチ操作を行うかを、マルチ選択画面の表示に際して、予め定められた判定用の情報に基づいて判定する。判定用の情報は、ユーザーが指定した操作方法(タッチ形式)を示す動作設定情報D3、ペン状態判別部207から入力されるタッチ入力ペン13の有無の判別結果を示すペン状態情報D4、および履歴記憶部202から入力されるユーザーの操作履歴を示す履歴情報D1のうちの現在のユーザーに対応する情報である。このタッチ形式判定部204による判定によってタッチ操作に関わる操作モードが決まる。シングルタッチ操作を行うと判定されると、操作モードはシングルタッチ操作モードとなり、マルチタッチ操作を行うと判定されると、操作モードはマルチタッチ操作モードとなる。言い換えれば、タッチ形式判定部204は、シングルタッチ操作モードまたはマルチタッチ操作モードを択一的に設定する操作モード設定手段として機能する。
【0023】
タッチ形式判定部204による判定は、図4に例示されるタッチ入力形式の指定画面W10での指定内容がNV−RAM24またはストレージ39に格納されている場合には、その指定内容に従う。すなわち、キー105のタップによってシングルタッチ操作が指定されている状態では、タッチ形式判定部204はユーザーがシングルタッチ操作を行うと判定し、キー106のタップによってマルチタッチ操作が指定されている状態では、タッチ形式判定部204はユーザーがマルチタッチ操作を行うと判定する。なお、指定画面W10での指定内容は、ユーザーごとに記憶される。
【0024】
一方、指定画面W10での指定内容が格納されていない場合(ユーザーが指定をしていない場合)、タッチ入力ペン13がユーザー認証後に取り外されてペンホルダー14に無ければ、タッチ形式判定部204はユーザーがシングルタッチ操作を行うと判定する。また、指定画面W10での指定内容が格納されておらずかつタッチ入力ペン13がペンホルダー14に有る場合には、タッチ形式判定部204は履歴情報D1に基づいて、シングルタッチ操作およびマルチタッチ操作のうちのユーザーが過去により多く行なった方の操作を行うと判定する。すなわち、表示しようとしている操作画面が過去に表示されたときに、シングルタッチ操作が多く行なわれておれば、ユーザーがシングルタッチ操作を行うと判定され、マルチタッチ操作が多く行なわれておれば、ユーザーがマルチタッチ操作を行うと判定される。
【0025】
シングルタッチ配列指定部205は、タッチ形式判定部204によってシングルタッチ操作が行なわれると判定された場合に、表示制御部203に対して、マルチ選択画面の複数選択領域におけるアイコンの配列をシングルタッチ操作に適した配列とするよう指示を与える。本実施形態におけるシングルタッチ操作に適した配列とは、複数選択領域に配置される複数のアイコンのうちの現在のユーザーによって過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、連続した仮想線に沿う列を当該特定アイコンのみで構成するように並ぶ配列である。
【0026】
マルチタッチ配列指定部206は、タッチ形式判定部204によってマルチタッチ操作が行なわれると判定された場合に、表示制御部203に対して、マルチ選択画面の複数選択領域におけるアイコンの配列をマルチタッチ操作に適した配列とするよう指示を与える。マルチタッチ操作に適した配列とは、複数選択領域に配置される複数のアイコンのうちの現在のユーザーによって過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、当該特定アイコンのみで行と列とを構成する位置に配置される配列である。
【0027】
以下、マルチ選択画面におけるアイコン配列の切替えについてさらに詳しく説明する。
【0028】
図5はマルチ選択画面の一例を示している。図5において、タッチパネル12によって表示面のほぼ全域にわたる宛先選択画面W1が表示されている。ファクシミリモードを指定する操作に呼応して表示される宛先選択画面W1はマルチ選択画面であるので、当然ながら複数選択領域40を有している。複数選択領域40には、予め登録されている通信先を示す所定サイズの四角形のアイコンが宛先の選択肢として表示される。図示の例において、同時に表示可能なアイコンの数は15であり、複数選択領域40には四つのアイコン41,49,53,55を含む計15個のアイコンが3行5列に並べて表示されている。図5の状態におけるアイコン配列順序は、各アイコンに対応する通信先の名称に基づく五十音順である。標準順序の一つである五十音順および他の標準順序であるアルファベット順では、第1行から行ごとに左から右へと最上位のアイコンから降順にアイコンが並ぶ。このように表示されたアイコンにタップすることによりユーザーは宛先を選択することができる。ファクシミリ通信に際しては複数の通信先に同時に送信する同報通信が可能であるので、宛先選択画面W1において複数のアイコンを選択する複数選択の行なわれる場合がある。図5では、上述の四つのアイコン41,49,53,55の複数選択が行なわれ、これらアイコン41,49,53,55がその輪郭を太くする強調表示によって他のアイコンと区別されている。
【0029】
図6はマルチ選択画面の他の例を示している。図6において、グレーアウト表示された操作画面W2に部分的に重なるように対象選択画面W3が表示されている。対象選択画面W3は操作画面W2において所定の操作が行なわれたときにポップアップ表示されるマルチ選択画面である。対象選択画面W3の複数選択領域80には、指定された文書が有する複数のページのサムネイルがページ選択の選択肢を示すアイコンとして表示される。配列順序はページ番号の昇順である。図示では六つのアイコン81,82,86,88,91,95を含む計15個のアイコンが編集対象の選択肢として3行5列に並べて表示されている。ユーザーはアイコンをタップして所望のページを選択した後に、キー96,97,98のいずれかをタップすることにより、選択したページを削除したり回転させたり移動させたりすることができる。また、ユーザーはキー99のタップによってプレビュー画面を表示させ、選択したページの画像を確認することができる。この対象選択画面W3では、複数のページが一括処理の対象として選択されることがしばしばある。
【0030】
図7はプレビュー画面W4の例を示している。プレビュー画面W4は複数選択領域ではないマルチタッチ領域であるプレビュー領域100を有する。プレビュー領域100にはユーザーが指定したページの内容を示す画像G1が配置される。ユーザーはプレビュー領域100においてマルチタッチ操作であるピンチアウトおよびピンチインを行うことにより、画像G1を拡大させたり縮小させたりすることができる。また、ユーザーは、プレビュー領域100の右方に配置されているキー101,102のシングルタッチ操作(タップまたはホールド)によっても画像G1を拡大させたり縮小させたりすることができる。キー103をタップすると、表示される画面はプレビュー画面W4から図6の対象選択画面W3に戻る。
【0031】
図8は履歴情報D1の一部として記憶されるカウントテーブルT1のデータ構成を示している。カウントテーブルT1では、ユーザーごとにかつマルチ選択画面ごとにカウントされたシングルタッチ操作の回数およびマルチタッチ操作の回数の累積が記録される。上述のタッチ形式判定部204は、必要に応じてカウントテーブルT1を参照し、表示制御部203によって表示されようとしている画面に対応するカウント回数に応じて、上述のようにユーザーがシングルタッチ操作を行うかマルチタッチ操作を行うかを判定する。
【0032】
図9はシングルタッチ操作のためのアイコン配列変更の第1例を示している。詳しくは、図9(A)は標準順序の配列において複数のアイコンの選択された状態を示し、図9(B)はシングルタッチ操作に適したアイコン配列を示し、図9(C)はシングルタッチ操作による複数選択の要領を示している。図中の斜線の付された四角形は複数選択されたアイコンである(以降の図においても同様)。
【0033】
図9(A)において、複数選択領域は1ページずつ表示される2以上のページで構成され、第1のページ401と第2のページ402とにそれぞれ3行5列に並べて15個ずつ四角形のアイコンが配列されている。配列順序は標準順序(例えば五十音順)である。第1のページ401では1行目のアイコン42、2行目のアイコン49、および3行目のアイコン52,54が選択され、第2のページ402では2行目のアイコン61,64が選択されている。このような複数選択に際して、ユーザーはページを切替えなければならず、選択に手間がかかる。そこで、複数選択の操作性を高めるため、以降に当該複数選択領域を含む操作画面を再び表示する際には、その時点より以前に複数選択されたアイコンである特定アイコン(ここではアイコン42,49,52,54,61,64)が図9(B)のように配列される。
【0034】
図9(B)において、六つの特定アイコン42,49,52,54,61,64は、第1のページ401における1行目の全列および2行目の先頭列に配置される。第1のページ401には特定アイコン以外のアイコンも配置され、ページ全体ではアイコンが3行5列に並ぶ。ここで、配列の特徴は、特定アイコンが一点鎖線矢で示される仮想線L1に沿って並ぶことである。本例では特定アイコンが2行に配置されるので屈曲しているが、仮想線L1は連続する1本の線である。
【0035】
仮想線L1に沿って特定アイコンが並ぶ配列は、シングルタッチ操作によって特定アイコン42,49,52,54,61,64を再び複数選択するのに適している。つまり、図9(C)のように、例えば指F1で2行目の特定アイコン64にタッチし、入力面にタッチしたままた指F1を1行目の特定アイコン42まで移動させ、続いてタッチしたまま行に沿って最終列の特定アイコン61まで指F1を移動させる。ユーザーは、この一筆書きの要領で全ての特定アイコン42,49,52,54,61,64を素早く複数選択することができる。
【0036】
図10はマルチタッチ操作のためのアイコン配列変更の第1例を示している。詳しくは、図10(A)は図9(A)と同一の状態を示し、図10(B)はマルチタッチ操作に適したアイコン配列の例を示している。
【0037】
図10(A)のように選択されたアイコン42,49,52,54,61,64は、以降に当該複数選択領域を含む操作画面を再び表示する際に、特定アイコン42,49,52,54,61,64として図10(B)のように配置される。図10(B)の配列の特徴は、特定アイコンが当該特定アイコンのみで行と列とを構成する位置に配置されることである。行数および列数は、これらの積が特定アイコン数と同一かまたは特定アイコン数よりも多くかつ最も特定アイコン数に近い値となるように選定される。複数の選定候補があるときは、行列の対角距離の小さいものが選ばれる。
【0038】
図10(B)において、特定アイコン42,49,52,54,61,64は、第1のページ401内の3行5列の配列のうちの左端の3行2列の位置に集めて配置されている。この例での特定アイコン数は6であるので、特定アイコン42,49,52,54,61,64はちょうど3行2列に収まる。
【0039】
図11はマルチタッチ操作のためのアイコン配列変更の第2例を示している。詳しくは、図11(A)は標準順序の配列において複数のアイコンが選択された状態を示し、図11(B)は図11(A)に対応するマルチタッチ操作に適したアイコン配列の例を示している。
【0040】
図11(A)において、第1のページ401の1行目のアイコン41,43,44、2行目のアイコン50、および3行目のアイコン53が選択されている。このような複数選択に際して、ユーザーはページを切替える必要はない。しかし、ページ401内のあちらこちらに指またはタッチ入力ペンを動かさなければならず、選択に相応の手間がかかる。そこで、複数選択の操作性を高めるため、以降に当該複数選択領域を含む操作画面を再び表示する際には、アイコン41,43,44,50,53が特定アイコンとして図11(B)のように配列される。
【0041】
図11(B)において、特定アイコン41,43,44,50,53は、図10(B)と同様にページ401内の左端の3行2列の位置に集めて配置されている。この例での特定アイコン数は5であって、3行2列における行数と列数との積よりも一つ少ない。この場合、“特定アイコンのみで行と列とを構成する”という制約を満たすため、行列の六つのアイコン配置位置の一つが空白とされる。そして、その空白は行列の四隅以外の位置とされる。例示では行数が3であるので、四隅以外の位置は2行目の位置となる。空白を四隅以外とすることにより、ページ401内に表示される全アイコンのうちの特定アイコンの集まりの範囲がユーザーにとって理解し易くなる。
【0042】
図12はマルチタッチ操作による複数選択の手順の例を示している。詳しくは、図12(A)は選択操作開始前の複数操作領域の状態を示し、図12(B)および(C)は選択途中のユーザーの動作を示し、図12(D)は選択操作終了時の複数操作領域の状態を示している。
【0043】
図12(A)のように3行2列に配置された六つの特定アイコン42,49,52,54,61,64を複数選択するとき、ユーザーは例えば図12(B)のように2行目辺りを2本の指F1,F2でタッチする。続いてユーザーは2箇所のタッチ位置を対角の頂点とする仮想の矩形が図12(C)のように六つの特定アイコン42,49,52,54,61,64の全てに重なるように指F1,F2の間隔を拡げるピンチアウトを行う。これにより、六つの特定アイコン42,49,52,54,61,64が複数選択される。
【0044】
図13はマルチタッチ操作のためのアイコン配列変更の第3例を示している。詳しくは、図13(A)は標準順序の配列において複数のアイコンが選択された状態を示し、図13(B)はマルチタッチ操作に適したアイコン配列を示している。
【0045】
図13(A)において、複数選択領域を構成する第1のページ401と第2のページ402とにそれぞれ3行5列に並べて15個ずつアイコンが配列されている。そして、計30個のアイコンのうち、第1のページ401のアイコン42,49,52,53,54と第2のページ402のアイコン57,58,61,64,65,67とが複数選択されている。これら計11個のアイコン42,49,52,53,54,57,58,61,64,65,67が特定アイコンとして図13(B)のように配列される。
【0046】
図13(B)において、特定アイコン42,49,52,53,54,57,58,61,64,65,67は、ページ401内の左端の3行4列の位置に集めて配置されている。この例での特定アイコン数が11であって、3行4列における行数と列数との積よりも一つ少ない。この場合も、“特定アイコンのみで行と列とを構成する”という制約を満たすため、行列の12個のアイコン配置位置の一つが空白とされる。そして、その空白は行列における両端行および両端列を除く位置、すなわち対角のアイコン配置位置を頂点とする四角形(矩形)の4辺に対応する位置以外のアイコン配置位置とされる。例示では行数が3であり列数が4であるので、4辺に対応しない位置は2行目のうちの2列目および3列目の位置となる。例示では2行目の3列目の位置が空白とされている。このように空白を特定アイコンで囲むことにより、ページ401内に表示される全アイコンのうちの特定アイコンの集まりの範囲がユーザーにとって理解し易くなる。
【0047】
図14および図15は特定アイコン数が多い場合のマルチタッチ操作のためのアイコン配列の例を示している。行数または列数が大き過ぎると、行列の対角距離が長くて片手でのマルチタッチ操作がし辛い。そこで、多数の特定アイコンをマルチタッチ操作に適するように配列する場合、多数の特定アイコンを複数の行列に分けて配列する。図14の例では、計21個の特定アイコン41,42,…,55,56,…,60,61のうち、15個の特定アイコン41,42,…,54,55は第1のページ405の左端部に3行5列に配列され、その行列と1列を隔てた3行2列に残りの六つの特定アイコン56,57,…60,61が配列されている。図15の例では、計21個の特定アイコン41,42,…,55,56,…,60,61のうち、15個の特定アイコン41,42,…,54,55は第1のページ405の左端部に3行5列に配列され、残りの六つの特定アイコン56,57,…60,61は第2のページ406の左端部に3行2列に配列されている。図15の例の場合、ページを切替える必要はあるが、各ページ405,406において特定アイコンが集まっているので、各ページ405,406内のあちらこちらに配置されるのと比べると、21個の特定アイコンの複数選択を素早く行うことができる。
【0048】
図16は特定アイコンの一部を重複させるアイコン配列の例を示している。詳しくは、図16(A)は1回目の複数選択における選択状態を示し、図16(B)は2回目の複数選択における選択状態を示している。そして、図16(C)は図16(A)および(B)に対応するシングルタッチ操作に適したアイコン配列の例を示し、図16(D)は図16(A)および(B)に対応するマルチタッチ操作に適したアイコン配列の例を示している。
【0049】
同じマルチ選択画面で回ごとに選択内容の異なる複数回の複数選択の行なわれることがある。図16(A)では第1のページ401のアイコン42,49,52,54と第2のページ402のアイコン61,64が選択され、図16(B)では第1のページ401のアイコン42,56と第2のページ402のアイコン57,58が選択されている。図16(A)と(B)とを見比べて判るように、1回目の複数選択と2回目の複数選択とで一つのアイコン42が共通に選択されている。上述のとおり、標準順序の配列からシングルタッチ操作用の配列またはマルチタッチ操作用の配列に切替える際には、一つのジョブのために複数選択された一組の特定アイコンが隣り合うように集めて配列される。この図16の例のように複数のジョブ間で共通に選択された特定アイコンがあり、その個数が比較的に少ない場合、または一組の特定アイコン数に対する共通に選択された特定アイコンの個数の割合が所定値(例えば1/4)より小さい場合には、図16(C)および(D)のように、共通に選択された特定アイコンが複数の位置に重複配置される。
【0050】
図16(C)において、1回目の複数選択に対応する六つの特定アイコン42,49,52,54,61,64は図9の例と同様に屈曲した仮想線L1に沿うように1行目と2行目の先頭列とに配列されている。そして、2回目の複数選択に対応する四つの特定アイコン42,55,57,58は仮想線L2に沿うように2行目の2列目から4列目に配列されている。共通に選択された特定アイコン42は、1行目の先頭列と2行目の2列目とに重複させて配置されている。
【0051】
図16(D)において、1回目の複数選択に対応する六つの特定アイコン42,49,52,54,61,64は図10の例と同様にページ401の左端部に3行2列に配列され、その行列の右隣りに、2回目の複数選択に対応する四つの特定アイコン42,55,57,58が2行2列に配列されている。共通に選択された特定アイコン42は、1行目の先頭列と3列目とに重複させて配置されている。
【0052】
図17は特定アイコンをグループ分けするアイコン配列の例を示している。詳しくは、図17(A)は1回目の複数選択における選択状態を示し、図17(B)は2回目の複数選択における選択状態を示している。そして、図17(C)は図17(A)および(B)に対応するシングルタッチ操作に適したアイコン配列の例を示し、図17(D)は図17(A)および(B)に対応するマルチタッチ操作に適したアイコン配列の例を示している。
【0053】
図17(A)では第1のページ401のアイコン42,49,52,54と第2のページ402のアイコン61,64が選択され、図17(B)では第1のページ401のアイコン42,49,52,54と第2のページ402のアイコン61,65が選択されている。図17(A)と(B)とを見比べて判るように、1回目の複数選択と2回目の複数選択とで五つのアイコンン42,49,52,54,61が共通に選択されている。このように共通に選択されたアイコンの数が所定値(例えば3個)より多い場合、または各回の特定アイコン数に対する共通に選択された特定アイコン数の割合が所定値(例えば1/4)より大きい場合、共通に選択されたアイコンを重複させると、冗長になり過ぎてユーザーがどこからどこまで選べばよいのか迷うおそれがある。そこで、このような場合には、共通に選択された特定アイコンとそうではない特定アイコンとのグループ分けが行なわれる。すなわち、複数回の複数選択のいずれかで選択された特定アイコンは、共通グループと回ごとに細分化される個別グループとのいずれかにグループ分けされる。
【0054】
図17(C)では、共通グループに属する五つの特定アイコン42,49,52,54,61は1行目に配列されている。そして、個別グループに属する1回目の複数選択のみで選択された一つの特定アイコン64は2行目の先頭列に配置され、2回目の複数選択のみで選択された一つの特定アイコン65は2行目の最終列に配置されている。図17(C)の状態で、ユーザーが1回目の複数選択と同じ六つのアイコン42,49,52,54,61,64を再び複数選択するには、例えば特定アイコン64から特定アイコン42を経て特定アイコン61へ至るように仮想線L1に沿って指を移動させるシングルタッチ操作を行なえばよい。特定アイコン61から特定アイコン64への経路を辿ってもよい。また、ユーザーが2回目の複数選択と同じ六つのアイコン42,49,52,54,61,65を再び複数選択するには、例えば特定アイコン42から特定アイコン61を経て特定アイコン65へ至るように仮想線L3に沿って指を移動させるシングルタッチ操作を行なえばよい。特定アイコン65から特定アイコン42への経路を辿ってもよい。
【0055】
図17(D)では、共通グループに属する五つの特定アイコン42,49,52,54,61はページ401の左端部に一つの空白を含めて3行2列に配列されている。そして、個別グループに属する1回目の複数選択のみで選択された一つの特定アイコン64は1行目の3列目に配置され、2回目の複数選択のみで選択された一つの特定アイコン65は1行目の4列目に配置されている。図17(D)の状態で、ユーザーが1回目の複数選択と同じ六つのアイコン42,49,52,54,61,64を再び複数選択するには、例えばピンチアウトによる3行2列の選択と特定アイコン64のタップとを行なえばよい。また、ユーザーが2回目の複数選択と同じ六つのアイコン42,49,52,54,61,65を再び複数選択するには、例えばピンチアウトによる3行2列の選択と特定アイコン65のタップとを行なえばよい。
【0056】
図18はアイコン配列を切り替える画像形成装置1の動作の概略を示すフローチャートである。
【0057】
表示制御部203は、複数選択領域を有する操作画面であるマルチ選択画面をタッチパネル12に表示させるとき(S10でYES)、その旨をマルチ選択画面の表示に先立ってタッチ形式判定部204に通知する。通知を受けたタッチ形式判定部204は、動作設定情報D3、ペン状態情報D4、および現在のユーザーによる操作の履歴情報D1を判定用の情報として取得する(S11)。
【0058】
表示制御部203は、履歴情報D1に基づいて、表示させようとしているマルチ選択画面における共通グループに属する特定アイコンの個数または1回の複数選択数に対する割合が所定値以上かどうかをチェックする(S12)。共通に選択された特定アイコンの個数または割合がそれに対応する所定値以上であるとき(S12でYES)、表示制御部203は、図17の例のように特定アイコンをグループ分けする表示設定を行う(S13)。また、共通に選択された特定アイコンの個数または割合がそれに対応する所定値よりも少ない場合(S12でNO)、表示制御部203は、複数選択が行なわれる都度に記録された各回の複数選択にそれぞれ対応する複数の特定アイコンの組を図16の例のように組ごとに集めて並べる表示設定を行う(S14)。
【0059】
タッチ形式判定部204による判定の結果が、「ユーザーはシングルタッチ操作を行う」であれば、表示制御部202はシングルタッチ操作に適した配列で特定アイコンを表示させるシングルタッチ配列処理を実行する(S15,S16)。タッチ形式判定部204による判定の結果が、「ユーザーはマルチタッチ操作を行う」であれば、表示制御部202はマルチタッチ操作に適した配列で特定アイコンを表示させるマルチタッチ配列処理を実行する(S15,S17)。
【0060】
図19は図18のマルチタッチ配列処理のフローチャートである。表示制御部202は、
表示させるべき特定アイコンが矩形を形成する行列にちょうど収まる場合、すなわち特定アイコンの個数が行数と列数との積と一致する行列が存在する場合(S171でYES)、そのような行列を構成するように特定アイコンを配列する(S172)。特定アイコンが行列にちょうど収まらない場合(S171でNO)、表示制御部202は、特定アイコン数が空白を囲むのに十分な数であれば(S173でYES)、特定アイコンで囲まれる内部に空白を有する行列を構成するように特定アイコンを配列する(S174)。行列の内部に空白を配置するのが可能でなければ(S173でNO)、四隅以外に空白を有する行列に特定アイコンを配列する(S175)。
【0061】
以上の実施形態において、マルチタッチ操作に適するように特定アイコンを配列する場合の行列の最大行数は例示の3に限らない。複数選択領域40,80のサイズやアイコンサイズに応じて行数が4以上の行列に特定アイコンを配列することができる。行列は複数行1列のものおよび1行複数列のものを含む。空白を設ける場合の行列は3行以上かつ3列以上の行列である。
【0062】
シングルタッチ操作およびマルチタッチ操作のそれぞれの回数をカウントする際、図5の宛先選択画面W1や図6の対象選択画面W3のようなマルチ選択画面を図7のプレビュー画面W4のようなマルチ選択画面ではないがマルチタッチ操作が可能な画面よりも重要視する重み付けを行なってもよい。なお、マルチ選択画面の他の例として、複数の文書をまとめて印刷したり送信したりする際の文書選択画面がある。
【0063】
ユーザー認証に関わるユーザーカードはICカードに限らず、磁気カードや光学読取式のカードであってもよい。ユーザーカードによる認証とパスワードのような認証情報の手入力による認証とを併用したり、これら二種の認証のいずれかを選択するようにしたり、認証情報の手入力による認証のみ可能にしたりする変形もある。指紋や静脈といった生体情報を読み取るセンサーを認証デバイス11として用いてもよい。認証の手法は任意である。また、例えば単一のユーザーのみが使用する使用状況では、認証デバイス15およびユーザー認証処理を省略することができる。
【0064】
画像形成装置1はMFPに限らず、複数選択の行なわれる機器であればよく、複写機、プリンター、またはファクシミリ装置であってもよい。また、据置き型または携帯型の各種の情報機器に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
10 操作パネル
41,42,43,44,45 特定アイコン(アイコン)
46,47,48,49,50 特定アイコン(アイコン)
51,52,53,54,55 特定アイコン(アイコン)
56,57,58,59,60 特定アイコン(アイコン)
61,64,65,67,81 特定アイコン(アイコン)
82,86,88,91,95 特定アイコン(アイコン)
201 ユーザー識別部
202 履歴記憶部
203 表示制御部
204 タッチ形式判定部
205 シングルタッチ配列指定部
206 マルチタッチ配列指定部
207 ペン状態判別部
D1 履歴情報(判定用の情報)
D3 動作設定情報(判定用の情報)
D4 ペン状態情報(判定用の情報)
L1,L2,L3 仮想線
13 タッチ入力ペン
14 ペンホルダー
141 センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ入力が可能な操作パネルを有する情報機器であって、
複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンを前記操作パネルに表示させる表示制御部と、
前記複数のアイコンに対する複数選択の履歴を記憶する履歴記憶部と、を備え、
前記表示制御部は、
シングルタッチ操作モードにおいて、前記複数のアイコンのうちの前記履歴が示す過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、連続する仮想線に沿う列を当該特定アイコンのみで構成するように、前記複数のアイコンを配列し、かつ
マルチタッチ操作モードにおいて、前記複数の特定アイコンが当該特定アイコンのみで行と列とを構成するように、前記複数のアイコンを配列する
ことを特徴とする情報機器。
【請求項2】
ユーザーによるモード指定操作が行なわれた場合に、そのモード指定に従って前記シングルタッチ操作モードまたは前記マルチタッチ操作モードが設定される
請求項1記載の情報機器。
【請求項3】
タッチ入力ペンを着脱可能に支持するホルダーと、
前記ホルダーにおける前記タッチ入力ペンの有無を判別するペン状態判別部とを、さらに備え、
前記ペン状態判別部によって前記ホルダーに前記タッチ入力ペンが無いと判別された場合に前記シングルタッチ操作モードが設定され、前記タッチ入力ペンが有ると判別された場合に前記マルチタッチ操作モードが設定される
請求項1記載の情報機器。
【請求項4】
前記履歴に基づいて、シングルタッチ操作の回数がマルチタッチ操作の回数よりも多い場合に前記シングルタッチ操作モードが設定され、前記マルチタッチ操作の回数が前記シングルタッチ操作の回数よりも多い場合に前記マルチタッチ操作モードが設定される
請求項1記載の情報機器。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記マルチタッチ操作モードにおいて、前記複数の特定アイコンを行と列とに配列する際に、当該配列の行数と列数との積よりも当該複数の特定アイコンの個数が少ない場合には、行と列とにおける少なくとも四隅を除く位置に当該複数の特定アイコンを配置する
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報機器。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記マルチタッチ操作モードにおいて、前記複数の特定アイコンを行と列とに配列する際に、当該配列の行数と列数との積よりも当該複数の特定アイコンの個数が少ない場合には、行と列とにおける両端行および両端列を除く位置に当該複数の特定アイコンを配置する
請求項5記載の情報機器。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記マルチタッチ操作モードにおいて、前記複数の特定アイコンを行と列とに配列する際に、当該複数の特定アイコンの個数が設定数を超える場合には、複数個の行列に分けて当該複数の特定アイコンを配置する
請求項1ないし6のいずれかに記載の情報機器。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記複数のアイコンのうちの前記複数の特定アイコンの一部と他のアイコンとの組が過去に選択されている場合には、前記複数の特定アイコンと前記組とに共通のアイコンを重複させて、当該複数の特定アイコンおよび当該組に属する複数のアイコンを、前記シングルタッチ操作モードまたは前記マルチタッチ操作モードである操作モードに応じて、前記仮想線に沿う列を構成するかまたは他のアイコンを含まずに行と列とを構成する配列で前記操作パネルに表示させる
請求項1ないし7のいずれかに記載の情報機器。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記複数のアイコンのうちの前記複数の特定アイコンの一部と他のアイコンとの組が過去に複数選択されており、かつ当該複数の特定アイコンの個数に対する当該複数の特定アイコンのうちの前記組と共通のアイコンの個数の割合が設定値を超える場合、または当該共通のアイコンの個数が設定値を超える場合には、当該共通のアイコンを、前記シングルタッチ操作モードまたは前記マルチタッチ操作モードである操作モードに応じて、前記仮想線に沿う列を構成するかまたは他のアイコンを含まずに行と列とを構成する配列で前記操作パネルに表示させる
請求項1ないし7のいずれかに記載の情報機器。
【請求項10】
タッチ入力が可能な操作パネルを有する画像形成装置であって、
複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンを前記操作パネルに表示させる表示制御部と、
入力された識別情報に基づいてユーザーを識別するユーザー識別部と、
前記ユーザー識別部によって識別された前記ユーザーによる前記複数のアイコンに対する複数選択の履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴に基づいて、前記ユーザーによるシングルタッチ操作の回数がマルチタッチ操作の回数よりも多い場合に、前記複数のアイコンが表示された状態において前記ユーザーによってシングルタッチ操作が行なわれると判定し、前記マルチタッチ操作の回数が前記シングルタッチ操作の回数よりも多い場合に、前記複数のアイコンが表示された状態において前記ユーザーによってマルチタッチ操作が行なわれると判定するタッチ形式判定部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記タッチ形式判定部によって前記シングルタッチ操作が行なわれると判定された場合に、前記複数のアイコンのうちの前記履歴が示す過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、連続する仮想線に沿う列を当該特定アイコンのみで構成するように、前記複数のアイコンを配列し、かつ
前記タッチ形式判定部によって前記マルチタッチ操作が行なわれると判定された場合に、前記複数の特定アイコンが当該特定アイコンのみで行と列とを構成するように、前記複数のアイコンを配列する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
タッチ入力が可能な操作パネルを有する情報機器における操作画面の表示制御方法であって、
複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンを表示させる際に、
シングルタッチ操作モードであれば、前記複数のアイコンのうちの過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、連続する仮想線に沿う列を当該特定アイコンのみで構成するように、前記複数のアイコンを配列し、
マルチタッチ操作モードであれば、前記複数の特定アイコンが当該特定アイコンのみで行と列とを構成するように前記複数のアイコンを配列する
ことを特徴とする操作画面の表示制御方法。
【請求項12】
タッチ入力が可能な操作パネルを有する情報機器において実行されるコンピュータープログラムであって、
前記情報機器が有するコンピューターによって実行されたときに、
複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンを前記操作パネルに表示させる表示制御部と、
前記複数のアイコンに対する複数選択の履歴を記憶する履歴記憶部と、を前記コンピューターに実現させ、
前記表示制御部は、
シングルタッチ操作モードにおいて、前記複数のアイコンのうちの前記履歴が示す過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、連続する仮想線に沿う列を当該特定アイコンのみで構成するように、前記複数のアイコンを配列し、かつマルチタッチ操作モードにおいて、前記複数の特定アイコンが当該特定アイコンのみで行と列とを構成するように、前記複数のアイコンを配列する
ことを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項13】
タッチ入力が可能な操作パネルを有する情報機器において実行されるコンピュータープログラムであって、
前記情報機器が有するコンピューターによって実行されたときに、
複数の選択肢にそれぞれ対応する複数のアイコンを前記操作パネルに表示させる表示制御部と、
入力された識別情報に基づいてユーザーを識別するユーザー識別部と、
前記ユーザー識別部によって識別された前記ユーザーによる前記複数のアイコンに対する複数選択の履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴に基づいて、前記ユーザーによるシングルタッチ操作の回数がマルチタッチ操作の回数よりも多い場合に、前記複数のアイコンが表示された状態において前記ユーザーによってシングルタッチ操作が行なわれると判定し、前記マルチタッチ操作の回数が前記シングルタッチ操作の回数よりも多い場合に、前記複数のアイコンが表示された状態において前記ユーザーによってマルチタッチ操作が行なわれると判定するタッチ形式判定部と、
前記タッチ形式判定部によって前記シングルタッチ操作が行なわれると判定された場合に、前記複数のアイコンのうちの前記履歴が示す過去に複数選択されたアイコンである複数の特定アイコンが、連続する仮想線に沿う列を当該特定アイコンのみで構成するように、前記表示制御部に対して前記複数のアイコンの配列を指定するシングルタッチ配列指定部と、
前記タッチ形式判定部によって前記マルチタッチ操作が行なわれると判定された場合に、 前記複数の特定アイコンが当該特定アイコンのみで行と列とを構成するように、前記表示制御部に対して前記複数のアイコンの配列を指定するマルチタッチ配列指定部と、を前記コンピューターに実現させる
ことを特徴とするコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−84024(P2013−84024A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221495(P2011−221495)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】