説明

情報理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システム

【課題】ユーザが、他の多くのユーザのコンテンツに対する反応をリアルタイムで知ることができるようにする。
【解決手段】クライアント11はコンテンツを取得して再生するとともに、コンテンツの各場面に対するユーザの反応として発せられた音声を収音し、サーバ12に送信する。サーバ12は、各クライアント11から受信した音声を、各ユーザの仮想会場における位置と音響特性に基づいて加工して加算し、反応音声を生成する。この反応音声は、サーバ12から各クライアント11に送信され、再生される。これにより、コンテンツを視聴するユーザは、他の多くのユーザのコンテンツに対する反応音声をリアルタイムで知ることができ、他のユーザと感動等の感情を共有することができる。本発明は、テレビジョン受像機に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システムに関し、特に、コンテンツによらず、ユーザが他の多くのユーザのコンテンツに対する反応をリアルタイムで知ることができるようにした情報理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジアムや街頭に大型の表示装置を設置し、映像でスポーツ観戦等を行なうパブリックビューイングが知られている。パブリックビューイングでは、多くのユーザが同じ場所で同じコンテンツを視聴するため、コンテンツの各場面で感動等の感情をリアルタイムで共有することができる。
【0003】
ところが、このようなパブリックビューイングが行なわれるのは、例えばサッカーのワールドカップのような特定のコンテンツに限られている。そのため、他の殆どのコンテンツについては、ユーザは、別の場所にいる他のユーザが、コンテンツの視聴時にどのような反応をしているかをリアルタイムで知ることはできず、各場面で感情を共有することはできない。また、パブリックビューイングが行なわれていたとしても、ユーザはいちいちパブリックビューイングの会場まで出向かなければならず、不便であった。
【0004】
ところで、携帯電話機等は双方向通信機能を有しており、この双方向通信機能を利用した技術が多く提案されている。例えば、そのような技術として、携帯電話機により受信局にアクセスし、利用者が発した音声に応じた動画像や音声を受信して再生することで、利用者の心を癒すカウンセリングシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−31090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような双方向通信機能を利用して、受信局に他のユーザにより入力された文字データや音声データを記録させておけば、ユーザは、これらのデータを取得させて再生させることで、ユーザが視聴したコンテンツに対する他のユーザの反応を知ることができるようになると考えられる。
【0007】
しかしながら、上述した技術では、ユーザは、他のユーザにより入力された文字等のデータを、受信局のガイドにしたがって、ユーザごとに1つずつ取得して再生しなければならず、その操作は面倒なものとなる。つまり、複数のユーザが入力した文字や音声のそれぞれを、同時に再生させることはできなかった。そのため、ユーザは、コンテンツの視聴時に、リアルタイムで異なる場所にいる他の多くのユーザの反応を同時に知ることはできず、コンテンツの各場面で他のユーザと感情を共有することはできなかった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンツによらず、ユーザが他の多くのユーザのコンテンツに対する反応をリアルタイムで知ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面の情報処理装置は、コンテンツの再生を制御する再生制御手段と、前記コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音することで得られた音声データを、通信網を介して複数の装置から受信し、受信した複数の前記音声データに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算することで反応音声の反応音声データを生成するサーバから送信された、UDPパケットに格納された前記反応音声データを、前記通信網を介して受信する受信手段と、前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて前記反応音声を出力する音声出力手段とを備える。
【0010】
情報処理装置には、前記コンテンツの再生時において、周囲にいるユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音する収音手段と、前記収音手段により収音された音声の音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記サーバに送信する送信手段とをさらに設けることができる。
【0011】
前記反応音声データは、複数のユーザからなるグループごとに生成することができる。
【0012】
前記送信手段には、前記収音手段により収音された音声の音量が、所定の値以上である場合、前記収音手段により収音された音声の音声データを送信させることができる。
【0013】
前記反応音声データは、前記反応音声の再生時において、前記音声処理が施された前記音声データの各音声が弁別できないように、前記音声処理が施された前記音声データを充分小さいゲインで加算することにより生成することができる。
【0014】
前記送信手段には、前記収音手段により収音された音声の前記音声データとともに、前記コンテンツを示す情報を送信させ、前記サーバにおいて、同じ前記コンテンツを示す情報とともに送信されてきた前記音声データに基づいて、前記反応音声データが生成されるようにすることができる。
【0015】
前記送信手段には、前記コンテンツに対して定められたURLにより特定される前記サーバに、前記音声データを送信させることができる。
【0016】
前記音声出力手段には、前記コンテンツの再生時において、前記コンテンツの音声および前記反応音声を出力させることができる。
【0017】
本発明の第1の側面の情報処理方法またはプログラムは、コンテンツの再生を制御し、前記コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音することで得られた音声データを、通信網を介して複数の装置から受信し、受信した複数の前記音声データに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算することで反応音声の反応音声データを生成するサーバから送信された、UDPパケットに格納された前記反応音声データを、前記通信網を介して受信させ、前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて、音声出力手段に前記反応音声を出力させるステップを含む。
【0018】
本発明の第1の側面においては、コンテンツの再生が制御され、前記コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音することで得られた音声データを、通信網を介して複数の装置から受信し、受信した複数の前記音声データに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算することで反応音声の反応音声データを生成するサーバから送信された、UDPパケットに格納された前記反応音声データが、前記通信網を介して受信され、前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて、音声出力手段から前記反応音声が出力される。
【0019】
本発明の第2の側面の情報処理装置は、コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音して得られた音声データをUDPパケットに格納して送信する装置から、通信網を介して前記音声データを受信する受信手段と、複数の前記装置から受信した前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施す音声処理手段と、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算して、反応音声の反応音声データを生成する加算手段と、前記反応音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記装置に送信する送信手段とを備える。
【0020】
前記加算手段には、複数のユーザからなるグループごとに異なる前記音声処理が施された前記音声データを加算させることで、前記グループごとに前記反応音声データを生成させることができる。
【0021】
前記加算手段には、前記反応音声の再生時において、前記音声処理が施された前記音声データの各音声が弁別できないように、前記音声処理が施された前記音声データを充分小さいゲインで加算させることで、前記反応音声データを生成させることができる。
【0022】
本発明の第2の側面の情報処理方法またはプログラムは、コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音して得られた音声データをUDPパケットに格納して送信する装置から、通信網を介して前記音声データを受信させ、複数の前記装置から受信した前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算して、反応音声の反応音声データを生成し、前記反応音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記装置に送信させるステップを含む。
【0023】
本発明の第2の側面においては、コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音して得られた音声データをUDPパケットに格納して送信する装置から、通信網を介して前記音声データが受信され、複数の前記装置から受信した前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理が施され、前記音声処理が施された複数の前記音声データが加算されて、反応音声の反応音声データが生成され、前記反応音声データがUDPパケットに格納され、前記通信網を介して前記装置に送信される。
【0024】
本発明の第3の側面の情報処理システムは、通信網を介して接続されたクライアントとサーバとからなる情報処理システムであって、前記クライアントは、コンテンツの再生を制御する再生制御手段と、前記コンテンツの再生時において、周囲にいるユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音する収音手段と、前記収音手段により収音された音声の音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記サーバに送信する第1の送信手段と、複数の前記クライアントから送信された前記音声データに基づいて生成された反応音声の反応音声データを、前記サーバから受信する第1の受信手段と、前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて前記反応音声を出力する音声出力手段とを備え、前記サーバは、前記クライアントから送信された、前記音声データを受信する第2の受信手段と、複数の前記クライアントから送信された前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施す音声処理手段と、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算して、前記反応音声データを生成する加算手段と、前記反応音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記クライアントに送信する第2の送信手段とを備える。
【0025】
本発明の第3の側面においては、クライアントにより、コンテンツの再生が制御され、前記コンテンツの再生時において、周囲にいるユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声が収音され、収音された音声の音声データがUDPパケットに格納されて、通信網を介してサーバに送信される。また、前記サーバにより、前記クライアントから送信された、前記音声データが受信され、複数の前記クライアントから送信された前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理が施され、前記音声処理が施された複数の前記音声データが加算されて、反応音声データが生成され、前記反応音声データがUDPパケットに格納されて、前記通信網を介して前記クライアントに送信される。さらに、前記クライアントにより、前記反応音声データが受信されて再生され、反応音声が出力される。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1の側面乃至第3の側面によれば、コンテンツによらず、ユーザは他の多くのユーザのコンテンツに対する反応をリアルタイムで知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】クライアントの構成例を示す図である。
【図3】サーバの構成例を示す図である。
【図4】再生処理を説明するフローチャートである。
【図5】配信処理を説明するフローチャートである。
【図6】インパルスレスポンスについて説明する図である。
【図7】クライアントの他の構成例を示す図である。
【図8】クライアントの他の構成例を示す図である。
【図9】情報処理システムの他の構成例を示す図である。
【図10】情報処理システムの他の構成例を示す図である。
【図11】再生処理を説明するフローチャートである。
【図12】転送処理を説明するフローチャートである。
【図13】配信処理を説明するフローチャートである。
【図14】コンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
【0029】
〈第1の実施の形態〉
[情報処理システムの構成例]
図1は、本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成例を示す図である。この情報処理システムは、クライアント11−1乃至クライアント11−N、サーバ12、および通信網13から構成され、クライアント11−1乃至クライアント11−N、およびサーバ12は、インターネット等からなる通信網13を介して相互に接続されている。
【0030】
クライアント11−1乃至クライアント11−Nは、各ユーザが所有するテレビジョン受像機、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等からなり、コンテンツを取得して再生するとともに、コンテンツ視聴時におけるユーザの音声を収音し、サーバ12に送信する。
【0031】
なお、以下、クライアント11−1乃至クライアント11−Nを個々に区別する必要のない場合、単にクライアント11とも称する。また、クライアント11において再生されるコンテンツは、例えばテレビジョン放送番組、インターネット放送番組、ラジオ放送番組など、複数のクライアント11が同時に再生可能なものであれば、どのようなものであってもよい。
【0032】
サーバ12は、クライアント11から送信されてきた音声を受信し、これらの受信した音声に基づいて、同じコンテンツを視聴する多数のユーザのコンテンツに対する反応を表す音声(以下、反応音声とも称する)を生成する。そして、サーバ12は生成した反応音声を、通信網13を介して各クライアント11に送信する。
【0033】
例えば、サーバ12では、各ユーザが仮想的なスタジアムなど、同じ場所(以下、仮想会場と称する)で1つのコンテンツを視聴しているものと仮定され、各ユーザの仮想会場での位置や音響特性が適宜加味されて、各ユーザの音声から反応音声が生成される。この反応音声は、例えば何百人や何万人等の多数のユーザの歓声や笑い、喝采などの声の集まりとなる。
【0034】
クライアント11は、サーバ12から反応音声が送信されてくると、反応音声を受信して再生する。これにより、クライアント11でコンテンツを視聴しているユーザは、コンテンツの視聴時に、他の多くのユーザがコンテンツの各場面で、どのような反応をしているかをリアルタイムで知ることができる。
【0035】
[クライアントの構成例]
また、図1のクライアント11は、例えば図2に示すように構成される。図2に示されるクライアント11は、例えば、チューナを内蔵するパーソナルコンピュータやテレビジョン受像機などとされる。
【0036】
クライアント11は、取得部41、画像再生制御部42、表示部43、音声再生制御部44、音声出力部45、収音部46、送信制御部47、送信部48、受信部49、入力部50、および制御部51から構成される。
【0037】
取得部41は、例えばチューナなどからなり、放送されているコンテンツを取得し、コンテンツを構成する画像(画像データ)および音声(音声データ)を、それぞれ画像再生制御部42および音声再生制御部44に供給する。
【0038】
画像再生制御部42は、取得部41から供給された画像に対して、必要に応じてデコードなどの処理を行い、表示部43に供給する。表示部43は、例えば液晶ディスプレイなどからなり、画像再生制御部42から供給された画像を表示する。
【0039】
音声再生制御部44は、取得部41から供給された音声に対して、必要に応じてデコードなどの処理を行い、音声出力部45に供給する。また、音声再生制御部44は、受信部49から反応音声が供給された場合、取得部41から供給された音声に、反応音声を重畳させて音声出力部45に供給する。音声出力部45は、例えばスピーカなどからなり、音声再生制御部44から供給された音声を出力する。
【0040】
収音部46は、例えばマイクロホンなどからなり、クライアント11の周囲の音声を収音し、収音した音声(音声データ)を送信制御部47に供給する。送信制御部47は、収音部46から供給された音声に必要に応じてエンコードなどの処理を施し、送信部48に供給する。送信部48は、送信制御部47から供給された音声を、通信網13を介してサーバ12に送信する。
【0041】
受信部49は、通信網13を介してサーバ12から送信されてきた反応音声を受信し、音声再生制御部44に供給する。入力部50は、例えば赤外線信号の受光部やボタンなどからなり、ユーザの操作に応じた信号を制御部51に供給する。制御部51は、入力部50からの信号に応じて、画像再生制御部42、音声再生制御部44、および送信制御部47の動作を制御する。
【0042】
[サーバの構成例]
さらに、図1のサーバ12は、例えば図3に示すように構成される。
【0043】
サーバ12は、受信部81、制御部82、音声処理部83−1乃至音声処理部83−M、および送信部84から構成される。
【0044】
受信部81は、通信網13を介してクライアント11から送信されてきた音声を受信し、制御部82に供給する。制御部82は、受信部81から供給された音声を、音声処理部83−1乃至音声処理部83−Mに供給する。
【0045】
音声処理部83−1乃至音声処理部83−Mは、制御部82から供給された音声に基づいて反応音声を生成し、送信部84に供給する。
【0046】
例えば音声処理部83−1は、演算部91−1−1乃至演算部91−N−1、および加算部92−1を備えており、制御部82から演算部91−1−1乃至演算部91−N−1には、それぞれクライアント11−1乃至クライアント11−Nからの音声が供給される。
【0047】
演算部91−1−1乃至演算部91−N−1は、仮想会場の任意の2つの位置の間の音響特性を表すインパルスレスポンスを予め記録しており、制御部82から供給された音声に対して、記録しているインパルスレスポンスを用いた畳み込み演算を行なう。演算部91−1−1乃至演算部91−N−1は、畳み込み演算により得られた音声を加算部92−1に供給する。
【0048】
加算部92−1は、演算部91−1−1乃至演算部91−N−1から供給された音声を加算し、その結果得られた1つの音声を反応音声として送信部84に供給する。
【0049】
同様に、音声処理部83−m(但し、2≦m≦M)は、演算部91−1−m乃至演算部91−N−m、および加算部92−mを備えている。これらの演算部91−1−m乃至演算部91−N−m、および加算部92−mは、演算部91−1−1乃至演算部91−N−1および加算部92−1と同様の動作を行なう。
【0050】
なお、以下、演算部91−n−m(但し、1≦n≦N,1≦m≦M)を個々に区別する必要のない場合、単に演算部91−nとも称し、演算部91−1乃至演算部91−Nを個々に区別する必要のない場合、単に演算部91とも称する。
【0051】
また、以下、加算部92−1乃至加算部92−Mを個々に区別する必要のない場合、単に加算部92とも称し、音声処理部83−1乃至音声処理部83−Mを個々に区別する必要のない場合、単に音声処理部83とも称する。
【0052】
送信部84は、音声処理部83から供給された反応音声を、通信網13を介してクライアント11に送信する。
【0053】
例えば、同じコンテンツを視聴しているユーザがN人であり、サーバ12にN個の音声処理部83が設けられているとする。すなわち、M=Nであり、クライアント11−1乃至クライアント11−Nから音声が送信されてきたとする。
【0054】
そのような場合、例えば、音声処理部83−1乃至音声処理部83−Nのそれぞれは、クライアント11からの音声に基づいて、クライアント11−1乃至クライアント11−Nに対して送信される反応音声を生成する。そして、送信部84は、生成されたN個の反応音声を、それぞれクライアント11−1乃至クライアント11−Nに送信する。つまり、この例では、N個のクライアント11ごとに、反応音声が生成される。
【0055】
[再生処理の説明]
ところで、クライアント11を所有するユーザが、クライアント11を操作してコンテンツの再生を指示すると、クライアント11は、その指示に応じて再生処理を開始し、ユーザにより指定されたコンテンツを再生する。
【0056】
以下、図4のフローチャートを参照して、クライアント11による再生処理について説明する。
【0057】
ステップS11において、取得部41は、ユーザにより指定されたコンテンツを取得する。そして、取得部41は、取得したコンテンツを構成する画像データを画像再生制御部42に供給し、コンテンツを構成する音声データを音声再生制御部44に供給する。例えば、コンテンツとして、テレビジョン放送された番組のデータが取得される。なお、コンテンツは、画像または音声の何れか一方からなるものであってもよい。
【0058】
ステップS12において、クライアント11は、コンテンツの再生を開始する。具体的には、画像再生制御部42は、取得部41から供給された画像データを表示部43に供給して、表示部43に画像を表示させ、音声再生制御部44は、取得部41から供給された音声データを音声出力部45に供給して、音声出力部45に音声を出力させる。
【0059】
これにより、クライアント11において、ユーザにより指定されたコンテンツが再生されるので、ユーザは、再生されたコンテンツを視聴する。すると、コンテンツの各場面でユーザは、コンテンツに対する反応を示し、その反応として歓声や笑い声などを発する。このようにしてユーザにより発せられた、コンテンツに対する反応の音声は、収音部46に到達する。
【0060】
ステップS13において、収音部46は、ユーザから発せられた音声を収音し、これにより得られた音声データを送信制御部47に供給する。送信制御部47は、収音部46から供給された音声データを送信部48に供給する。
【0061】
なお、収音部46により収音された音声は、常に送信部48からサーバ12に送信されるようにしてもよいし、所定の音量以上である場合にのみ音声が送信されるようにしてもよい。
【0062】
例えば、所定の音量以上であるときにのみ音声が送信される場合、送信制御部47は、収音部46から供給された音声の音量が、予め定めた閾値以上であるか否かを判定する。そして、送信制御部47は、音声の音量が閾値以上である場合にのみ、収音部46からの音声を送信部48に供給し、サーバ12に送信させる。したがって、例えばユーザのコンテンツに対する反応の音声のうち、ほぼ無音に近い区間の音声は送信されないことになる。
【0063】
このように、ユーザのコンテンツに対する反応が小さく、収音部46で収音される音声の音量が小さい場合には、収音された音声をサーバ12に送信しないようにすることで、クライアント11やサーバ12における処理の負荷を軽減させることができる。また、通信網13におけるトラフィック量が無駄に多くなることを抑制することができる。
【0064】
ステップS14において、送信部48は、送信制御部47から供給された音声データを、通信網13を介してサーバ12に送信する。
【0065】
例えば、送信部48は、ユーザの音声データを、UDP(User Datagram Protocol)パケットに格納して送信する。つまり、送信部48は、UDPにしたがってコネクションレスでサーバ12と通信を行う。
【0066】
通信プロトコルとしてUDPを採用すれば、TCP(Transmission Control Protocol)などを用いる場合と比べて、音声の伝送の遅延を低下させるとともに、通信処理の負荷を軽減させることができる。なお、UDPでは、TCPよりも信頼性が低くなるが、反応音声を生成するにあたり、ユーザ一人ひとりの音声は重要ではなく、各ユーザの音声は弁別できないようにすることが好ましいため、サーバ12に送信されるパケット(音声)は、必ずしも高い信頼性で伝送される必要はない。
【0067】
このようにして、各クライアント11からサーバ12に対して音声データが送信されると、サーバ12は、それらのクライアント11から受信した音声データを用いて、反応音声の音声データを生成し、各クライアント11に送信してくる。
【0068】
ステップS15において、受信部49は、サーバ12から送信されてきた反応音声、より詳細には反応音声の音声データが格納されたパケットを受信し、音声再生制御部44に供給する。例えば反応音声は、UDPパケットに格納されてサーバ12から送信されてくる。
【0069】
ステップS16において、音声出力部45は、反応音声を出力する。すなわち、音声再生制御部44は、受信部49から反応音声の音声データが供給されると、その音声データに対し、適宜デコードなどの処理を施す。
【0070】
そして、音声再生制御部44は、反応音声の音声データを、取得部41から供給されるコンテンツの音声データに加算して、音声出力部45に供給する。音声出力部45は、音声再生制御部44から供給された音声データに基づいて、音声を出力する。これにより、音声出力部45からは、コンテンツの音声とともに、そのコンテンツに対する他の多くのユーザの反応である反応音声が出力される。
【0071】
このようにクライアント11では、コンテンツの再生中に、コンテンツの各場面に対する多数のユーザの反応音声が出力されるので、ユーザは、コンテンツの視聴中に、リアルタイムで他のユーザの反応を知ることができる。
【0072】
ステップS17において、クライアント11は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、ユーザによりコンテンツの再生終了が指示された場合、処理を終了すると判定される。ステップS17において、処理を終了しないと判定された場合、処理はステップS13に戻り、上述した処理が繰り返される。すなわち、コンテンツの再生が継続して行なわれ、コンテンツの音声に、サーバ12から受信した反応音声が重畳されて再生される。
【0073】
これに対して、ステップS17において、処理を終了すると判定された場合、クライアント11はサーバ12との通信を終了するとともに、コンテンツの再生を停止して、再生処理は終了する。
【0074】
以上のように、クライアント11は、コンテンツを再生するとともに、そのコンテンツに対する他の多くのユーザの反応である反応音声をサーバ12から受信し、コンテンツの音声とともに反応音声を出力する。
【0075】
これにより、再生するコンテンツによらず、ユーザに、他の多くのユーザのコンテンツに対する反応をリアルタイムで知らせることができ、あたかも同じ場所で多くのユーザと一緒にコンテンツを視聴しているように感じさせることができる。したがって、ユーザは、コンテンツの各場面で他のユーザと感情を共有することができ、よりコンテンツの視聴を楽しむことができる。
【0076】
例えば、この情報処理システムによれば、全く別の場所にいる知らないユーザが、同じコンテンツを視聴して感動し、それを声にすることにより、各ユーザは、同じ場面で声をあげたユーザ達のたくさんの声を聞くことができ、感動を共有することができる。
【0077】
なお、以上においては、ユーザのコンテンツに対する反応として発せられた音声が、各クライアント11からサーバ12に送信されると説明したが、ユーザの音声をサーバ12に送信するか否かを、ユーザが設定できるようにしてもよい。そのような場合、例えば音声が送信されない設定とされると、コンテンツの再生中に、送信部48からユーザの音声は送信されないが、受信部49ではサーバ12からの反応音声が受信されて、コンテンツとともに反応音声が再生される。
【0078】
[配信処理の説明]
また、図4の再生処理が行われて、複数のクライアント11から音声が送信されてくると、サーバ12は、配信処理を開始して、反応音声を各クライアント11に送信する。以下、図5のフローチャートを参照して、サーバ12による配信処理について説明する。
【0079】
ステップS41において、受信部81は、通信網13を介してクライアント11から送信されてきた音声を受信し、制御部82に供給する。これにより、制御部82には、クライアント11−1乃至クライアント11−Nのそれぞれから受信された音声が供給される。
【0080】
ステップS42において、制御部82は、受信部81から供給された音声に対し、必要に応じてデコード等の処理を施し、音声を分配する。
【0081】
例えば、クライアント11−1乃至クライアント11−Nからサーバ12に音声が送信され、ユーザ(クライアント11)ごとに反応音声が生成されるとする。そのような場合、音声処理部83−1乃至音声処理部83−Nにより、それぞれクライアント11−1乃至クライアント11−Nに送信される反応音声が生成される。この場合、例えば制御部82は、クライアント11−1乃至クライアント11−Nからの音声のそれぞれを、各音声処理部83の演算部91−1乃至演算部91−Nに供給する。
【0082】
ステップS43において、演算部91は、制御部82から供給された音声(音声データ)に対して、予め記録しているインパルスレスポンスを用いた畳み込み演算を行ない、加算部92に供給する。そして、ステップS44において、加算部92は、演算部91−1乃至演算部91−Nから供給された音声を加算して反応音声の音声データを生成し、送信部84に供給する。なお、生成された反応音声の音声データには、必要に応じて加算部92により、エンコード等の処理が施される。
【0083】
例えば、図6の左側に示すように、仮想会場R11に4人のユーザU1乃至ユーザU4が配置されていると仮定され、これらのユーザU1乃至ユーザU4が所有するクライアント11−1乃至クライアント11−4からサーバ12に音声が送信されてきたとする。
【0084】
図6の例では、ユーザU2は、仮想会場R11の中央に位置しており、ユーザU2を囲むようにユーザU1、ユーザU3、およびユーザU4が配置されている。このような場合、ユーザU2には、ユーザU2自身が発した音声の他、ユーザU1、ユーザU3、およびユーザU4のそれぞれから発せられた音声が聞こえるはずである。
【0085】
したがって、各ユーザからの音声を、そのユーザの位置からユーザU2までの間の音響特性に応じて加工し、加工された各音声を加算することで、仮想会場R11にいるユーザU2に聞こえる反応音声を得ることができる。
【0086】
ここで、ユーザU1からユーザU2へと伝わる音声の音響特性を表すインパルスレスポンスをh12とし、ユーザU3からユーザU2へと伝わる音声の音響特性を表すインパルスレスポンスをh32とする。また、ユーザU4からユーザU2へと伝わる音声の音響特性を表すインパルスレスポンスをh42とし、ユーザU2からユーザU2自身へと伝わる音声の音響特性を表すインパルスレスポンスをh22とする。
【0087】
また、図中、右側に示すように演算部91−1乃至演算部91―4に、それぞれインパルスレスポンスh12、h32、h42、およびh22が記録されているとする。この場合、ユーザU1、U3、U4、およびU2の音声、つまりそれらのユーザのクライアント11から送信されてきた音声データが、演算部91−1乃至演算部91−4に供給される。
【0088】
すると、演算部91−1は、ユーザU1の音声データを、インパルスレスポンスh12で畳み込み、その結果得られた音声データを加算部92に供給する。同様に、演算部91−2乃至演算部91−4も、ユーザU3、U4、およびU2の音声データを、インパルスレスポンスh32、h42、およびh22で畳み込み、これにより得られた音声データを加算部92に供給する。
【0089】
そして、加算部92は、演算部91−1乃至演算部91−4から供給された音声データを加算することで、ユーザU2のクライアント11に送信される反応音声の音声データを生成する。この反応音声は、仮想会場R11にいるユーザU2に聞こえる、歓声等の各ユーザの音声である。
【0090】
なお、反応音声の生成時において、加算される各ユーザの音声データは、各ユーザの声が弁別できない程度に充分小さいゲインで加算される。つまり、反応音声を再生したときに、各ユーザの音声が弁別できなくなるように、充分小さいゲインで、各音声データが加算される。これは、ユーザの中には、人に聞かせるには好ましくないことを発言する人がいる場合もあり得るためである。このように、一人ひとりの声を弁別できない程度に小さくし、それらの音声を加算することで、多数のユーザの歓声や笑い声の集まりを反応音声として得ることができる。
【0091】
各音声処理部83では、各ユーザの仮想会場R11での位置により定まる音響特性に応じて、それらのユーザの音声に音声処理が施され、音声処理された音声が加算されて、ユーザごとの反応音声とされる。
【0092】
なお、仮想会場R11における各ユーザの位置は、例えば制御部82により無作為に定められる。制御部82は、定められた各ユーザの位置に応じて、各ユーザの音声データを、各音声処理部83の演算部91に供給する。また、各演算部91に予め定められたユーザの音声が供給されるようにし、演算部91が供給されたユーザの仮想会場R11の位置に応じたインパルスレスポンスを生成するようにしてもよい。
【0093】
図5のフローチャートの説明に戻り、各ユーザに送信される反応音声が生成され、それらの反応音声の音声データが加算部92から送信部84に供給されると、処理はステップS44からステップS45へと進む。
【0094】
ステップS45において、送信部84は、加算部92から供給された各ユーザの反応音声の音声データを、それらのユーザのクライアント11に送信する。例えば反応音声は、クライアント11によるユーザの音声の送信時と同様に、UDPパケットに格納されて送信される。
【0095】
ステップS46において、サーバ12は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、コンテンツの放送が終了した場合、処理を終了すると判定される。
【0096】
ステップS46において、処理を終了しないと判定された場合、処理はステップS41に戻り、上述した処理が繰り返される。これに対して、ステップS46において、処理を終了すると判定された場合、配信処理は終了する。
【0097】
以上のようにして、サーバ12は、各クライアント11から送信されてきた音声を、ユーザの仮想会場における位置に応じた音響特性で加工して加算し、多数のユーザのコンテンツに対する反応である反応音声を生成する。そして、サーバ12は、生成した反応音声を各クライアント11に送信する。
【0098】
これにより、コンテンツを視聴しているユーザに対して、他の多くのユーザのコンテンツに対する反応をリアルタイムで配信することができ、ユーザに、他の多くのユーザと同じ会場でコンテンツを視聴しているかのような臨場感を与えることができる。その結果、ユーザは、コンテンツの各場面で他のユーザと感情を共有することができ、よりコンテンツの視聴を楽しむことができる。
【0099】
なお、以上においては、ユーザごとに反応音声を生成すると説明したが、ユーザをいくつかのグループに分けて、それらのグループごとに反応音声が生成されるようにしてもよい。そのような場合、ユーザが所有するクライアント11に対して、そのユーザが属すグループの反応音声が送信される。
【0100】
例えば、ユーザごとに反応音声を生成する場合、コンテンツを視聴しているユーザが1万人いると、1人のユーザの反応音声を生成するのに必要な音声の畳み込み演算が1万回であるから、サーバ12全体で合計1万×1万回の畳み込み演算が必要となる。
【0101】
そこで、ユーザをグループ分けし、各グループに対して1つの反応音声を生成したり、各ユーザに対して同じインパルスレスポンスを用いたりすれば、サーバ12における演算量を低減させることができる。
【0102】
例えば、ユーザのグループ分けとしては、仮想会場がコンサートホールである場合に、会場の1階席のユーザと2階席のユーザの2つのグループに分けることが考えられる。
【0103】
この場合、制御部82は、無作為、または予め記録しているユーザの情報に基づいて、ユーザを会場の1階席のグループ、または2階席のグループに分け、グループごとに反応音声を生成させる。
【0104】
このとき、制御部82は、例えば1階席のグループに属す各ユーザについて、1階席のなかから無作為にユーザの座席位置を選択し、同様に2階席のグループに属す各ユーザについて、2階席のなかから無作為にユーザの座席位置を選択する。そして、制御部82は各ユーザの座席位置に応じて、ユーザの音声を音声処理部83の各演算部91に分配する。
【0105】
例えば、1階席のグループの反応音声を生成する音声処理部83の各演算部91は、供給されたユーザの音声に対して、そのユーザの座席位置から、1階の特定の座席位置までの音響特性を表すインパルスレスポンスを用いて、音声の畳み込みを行なう。そして、加算部92は、各演算部91から供給された音声を加算して、1階席のグループの反応音声とする。
【0106】
このようにして得られた1階席のグループの反応音声は、実際には仮想会場の1階の特定の座席にいるユーザに聞こえる各ユーザの音声であるが、この反応音声が、1階席にいる各ユーザに聞こえる反応音声であるとされる。そして、この反応音声は、1階席のグループに属す各ユーザのクライアント11に対して送信される。
【0107】
なお、以上においては、制御部82によりユーザが属すグループが定められると説明したが、どのグループに属すかをユーザ自身が決められるようにしてもよい。
【0108】
そのような場合、例えばユーザは、クライアント11の入力部50を操作して、仮想会場における自分の座席位置を指定する。例えば、コンサートホールにおける1階席または2階席の何れかがユーザにより指定される。
【0109】
すると、制御部51は、ユーザにより指定されたグループを示す情報を送信制御部47に供給する。例えば、グループを示す情報は、1階席を示す情報などとされる。送信制御部47は、制御部51から供給されたグループを示す情報を、収音部46から供給された音声データに付加して送信部48に供給する。
【0110】
このようにして、グループを示す情報が付加された音声データが、図4のステップS14でサーバ12に送信される。サーバ12では、グループを示す情報が付加された音声データが受信されると、制御部82が、音声データに付加されたグループを示す情報に基づいて、各ユーザのグループ分けを行なう。なお、グループを示す情報は、音声データとは別に送信されるようにしてもよい。
【0111】
また、グループ分けの他の例としては、例えば、出演者が紅組と白組に分かれて歌合戦をする番組などがコンテンツとして再生される場合に、紅組を応援するユーザと白組を応援するユーザの2つのグループに分けることなども考えられる。この場合、白組のグループのユーザに対しては、白組のグループに属すユーザの音声が、紅組のグループのユーザの音声よりも、より大きく聞こえるような反応音声が生成されるようにすることができる。
【0112】
[クライアントの他の構成例1]
さらに、以上においては、クライアント11は例えば図2に示す構成とされると説明したが、クライアント11は、コンテンツの再生が可能であり、かつサーバ12からの反応音声が出力できる装置であれば、どのような構成であってもよい。
【0113】
例えば、クライアント11は、図7に示すように、コンテンツの音声と、反応音声とが異なる音声出力部から出力されるような構成とされてもよい。なお、図7において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0114】
図7のクライアント11は、図2のクライアント11に対して、さらに音声再生制御部121および音声出力部122が設けられている点で異なり、その他の点では図2のクライアント11と同じ構成となっている。
【0115】
図7のクライアント11では、サーバ12から受信された反応音声の音声データは、受信部49から音声再生制御部121に供給される。音声再生制御部121は、制御部51の制御にしたがって反応音声の音声データに対して、適宜デコード等の処理を施し、音声出力部122に供給する。音声出力部122は、例えばスピーカなどからなり、音声再生制御部121から供給された音声データに基づいて、反応音声を出力する。
【0116】
このように、図7のクライアント11では、コンテンツの音声は音声出力部45から出力され、反応音声は音声出力部122から出力される。
【0117】
[クライアントの他の構成例2]
また、クライアント11は、例えば図8に示す構成とされてもよい。なお、図8において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0118】
図8のクライアント11は、図2のクライアント11に対して、さらに通話処理部151、収音部152、および通信部153が設けられている点で異なり、その他の点では図2のクライアント11と同じ構成となっている。
【0119】
図8のクライアント11は、例えばチューナ内蔵型の携帯電話機などからなり、通信網を介して他の携帯電話機との通話処理を行う。
【0120】
すなわち、収音部152は、クライアント11を所持するユーザが発話すると、その音声を収音し、得られた音声データを通話処理部151に供給する。通話処理部151は、収音部152からの音声データを通信部153に供給し、通信部153は、その音声データを、通信網を介して通話相手の携帯電話機に送信する。
【0121】
また、通信部153は、通話相手の携帯電話機から送信されてきた音声データを受信し、通話処理部151に供給する。通話処理部151は、通信部153から供給された音声データを、音声再生制御部44を介して音声出力部45に供給し、音声を出力させる。
【0122】
〈第2の実施の形態〉
[情報処理システムの構成例]
さらに、図1では、通信網13に1つのサーバ12のみが接続されている例について説明したが、通信網13に複数のサーバが接続されるようにしてもよい。
【0123】
例えば、図9に示すように、コンテンツごとにサーバが設けられ、それらのサーバが通信網13に接続されるようにしてもよい。なお、図9において、図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0124】
図9の情報処理システムでは、通信網13には、クライアント11と、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182が接続されている。これらのサーバ12、サーバ181、およびサーバ182は、互いに異なるコンテンツについて、クライアント11から受信した音声に基づいて反応音声を生成し、反応音声を各クライアント11に送信する。
【0125】
ここで、例えば各コンテンツには、予めサーバ12、サーバ181、またはサーバ182の何れかにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が対応付けられている。つまり、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182のうち、コンテンツに対応付けられたURLにより特定されるサーバが、そのコンテンツについての反応音声を生成する処理を行うサーバである。
【0126】
例えば、各コンテンツに対応付けられたURLは、ユーザによる入力部50の操作によって直接入力されてもよいし、取得部41によりコンテンツの放送波から抽出され、制御部51に供給されるようにしてもよい。
【0127】
クライアント11は、視聴中のコンテンツについて反応音声を受信しようとする場合、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182のうち、そのコンテンツに対応付けられているURLにより特定されるサーバにアクセスする。すなわち、送信制御部47は、制御部51からの指示にしたがって送信部48を制御し、URLにより特定されるサーバに、収音部46で収音された音声を送信させる。また、受信部49は、URLにより特定されるサーバから反応音声を受信し、音声再生制御部44を介して音声出力部45に反応音声を供給する。
【0128】
この例では、クライアント11により行なわれる再生処理は、アクセス先がURLにより定まるだけで、再生処理として図4を参照して説明した処理と同様の処理が行われる。また、サーバ181およびサーバ182も図3のサーバ12と同様の構成とされ、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182は、図5を参照して説明した配信処理と同様の処理を行う。
【0129】
〈第3の実施の形態〉
[情報処理システムの構成例]
また、URLにより特定のサーバ12等にアクセスするのではなく、コンテンツを特定するコンテンツID等により、クライアント11からの音声が適切なサーバ12等に転送されるようにしてもよい。
【0130】
そのような場合、情報処理システムは、例えば図10に示すように構成される。なお、図10において、図9における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0131】
図10の情報処理システムでは、通信網13には、クライアント11と分配装置211とが接続され、さらに分配装置211には、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182が接続されている。
【0132】
この例では、各クライアント11は、ユーザのコンテンツに対する反応を収音して得られた音声とともに、コンテンツを特定するコンテンツIDを分配装置211に送信する。このコンテンツIDは、例えばテレビジョン放送のチャンネル番号などとされる。
【0133】
分配装置211は、各コンテンツについて、コンテンツのコンテンツIDと、そのコンテンツの反応音声を生成するサーバを示す情報とを予め対応付けて記録しており、スイッチとして機能する。すなわち、分配装置211は、クライアント11から音声とコンテンツIDが送信されてくると、これらを受信し、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182のうち、受信したコンテンツIDにより特定されるサーバに、クライアント11からの音声を送信する。
【0134】
また、分配装置211は、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182から送信されてきた各コンテンツの反応音声を受信し、それらのコンテンツのコンテンツIDを送信してきたクライアント11に対して反応音声を送信する。
【0135】
[再生処理の説明]
次に、図10の情報処理システムを構成する各装置により行われる処理について説明する。まず、図11のフローチャートを参照して、図2のクライアント11により行われる再生処理について説明する。なお、ステップS71乃至ステップS73の処理は、図4のステップS11乃至ステップS13の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0136】
ステップS74において、送信部48は、送信制御部47から供給されたコンテンツIDおよび音声をUDPパケットに格納し、通信網13を介して分配装置211に送信する。
【0137】
ここで、分配装置211に送信されるコンテンツIDは、例えば入力部50の操作により入力されたり、取得部41によりコンテンツの放送波から抽出されたりする。制御部51は、入力部50または取得部41から、ユーザが視聴しているコンテンツのコンテンツIDを取得し、送信制御部47に供給する。
【0138】
送信制御部47は、制御部51から供給されたコンテンツIDを、収音部46からの音声とともに送信部48に供給する。なお、コンテンツIDが収音部46で収音された音声に付加されるようにしてもよい。
【0139】
このようにしてクライアント11からコンテンツIDと音声が送信されると、これらのコンテンツIDと音声は、分配装置211によりサーバ12、サーバ181、またはサーバ182の何れかに転送される。そして、コンテンツIDと音声の転送先によって、コンテンツに対する反応音声が生成され、その反応音声は、分配装置211を介してクライアント11に送信されてくる。
【0140】
ステップS75において、受信部49は、分配装置211から送信されてきた反応音声を受信して、音声再生制御部44に供給する。そして、その後、ステップS76およびステップS77の処理が行われて再生処理は終了するが、これらの処理は図4のステップS16およびステップS17と同様であるので、その説明は省略する。
【0141】
[転送処理の説明]
次に、図12のフローチャートを参照して、図10の分配装置211により行なわれる転送処理について説明する。
【0142】
ステップS101において、分配装置211は、クライアント11から送信されてきたコンテンツIDおよび音声を受信する。そして、ステップS102において、分配装置211は、サーバ12、サーバ181、およびサーバ182のうち、受信したコンテンツIDにより特定されるサーバを選択する。
【0143】
ステップS103において、分配装置211は、ステップS102で選択したサーバに対して、クライアント11から受信したコンテンツIDおよび音声を送信する。これにより、同じコンテンツを再生しているクライアント11からの音声が、同じサーバに送信されることになる。
【0144】
サーバ12等にコンテンツIDと音声が送信されると、これを受信したサーバ12等は、受信した音声に基づいて反応音声を生成し、分配装置211に送信してくる。
【0145】
ステップS104において、分配装置211は、サーバ12等から送信されてきた反応音声を受信する。そして、ステップS105において、分配装置211は、受信した反応音声をUDPパケットに格納し、通信網13を介してクライアント11に送信する。例えば、サーバ12から受信した反応音声は、サーバ12に対応付けられたコンテンツIDを送信してきたクライアント11に送信される。
【0146】
ステップS106において、分配装置211は処理を終了するか否かを判定する。例えば、コンテンツの放送が終了した場合、処理を終了すると判定される。
【0147】
ステップS106において、処理を終了しないと判定された場合、処理はステップS101に戻り、上述した処理が繰り返される。これに対して、ステップS106において、処理を終了すると判定された場合、転送処理は終了する。
【0148】
このようにして、分配装置211は、各クライアント11から送信されてきた音声を、音声とともに送信されてきたコンテンツIDにより特定されるサーバに送信し、これに応じてサーバから送信されてきた反応音声を、クライアント11に送信する。したがって、複数のサーバで異なるコンテンツの反応音声が生成されている場合においても、異なるコンテンツに対する反応の音声が、1つの反応音声に混在してしまうようなことを防止することができる。
【0149】
[配信処理の説明]
さらに、図13のフローチャートを参照して、図10のサーバ12により行われる配信処理について説明する。
【0150】
ステップS131において、受信部81は、分配装置211から送信されてきたコンテンツIDおよび音声を受信して、制御部82に供給する。そして、その後、ステップS132乃至ステップS134の処理が行われて、コンテンツの反応音声が生成されるが、これらの処理は図5のステップS42乃至ステップS44と同様であるので、その説明は省略する。
【0151】
ステップS135において、送信部84は、加算部92から供給された反応音声を、分配装置211に送信する。そして、その後、ステップS136の処理が行われて配信処理は終了するが、ステップS136の処理は、図5のステップS46の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0152】
このようにして、サーバ12は、分配装置211から送信されてきた音声に基づいて、反応音声を生成する。なお、図10のサーバ181およびサーバ182も、図13の配信処理と同様の処理を行う。
【0153】
また、以上においては、1つの反応音声は、1つのサーバ(例えば、サーバ12)により生成されると説明したが、複数のサーバにより1つの反応音声が生成されるようにしてもよい。
【0154】
そのような場合、例えば最終的な反応音声を生成するサーバに、複数のサブサーバが接続される。サブサーバは、複数のクライアント11から音声を受信して、仮の反応音声を生成し、サーバに送信する。そして、サーバは、複数のサブサーバから受信した仮の反応音声を加算することで、最終的な反応音声を生成し、反応音声を各サブサーバに送信する。さらに、サブサーバは、サーバから受信した反応音声を、各クライアント11に送信する。
【0155】
このように、複数のサブサーバとサーバにより反応音声を生成すれば、より迅速に反応音声を生成することができるようになり、コンテンツに対する反応音声の遅延をより少なくすることができる。なお、いくつかのサブサーバからの仮の反応音声を受信して、それらの仮の反応音声を加算し、その結果得られた仮の反応音声をサーバに送信するサブサーバがさらに設けられてもよい。
【0156】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0157】
図14は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0158】
コンピュータにおいて、CPU301,ROM(Read Only Memory)302,RAM(Random Access Memory)303は、バス304により相互に接続されている。
【0159】
バス304には、さらに、入出力インターフェース305が接続されている。入出力インターフェース305には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記録部308、ネットワークインターフェースなどよりなる通信部309、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動するドライブ310が接続されている。
【0160】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU301が、例えば、記録部308に記録されているプログラムを、入出力インターフェース305及びバス304を介して、RAM303にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0161】
コンピュータ(CPU301)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア311に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0162】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア311をドライブ310に装着することにより、入出力インターフェース305を介して、記録部308にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部309で受信し、記録部308にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM302や記録部308に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0163】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0164】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0165】
11−1乃至11−N,11 クライアント, 12 サーバ, 41 取得部, 44 音声再生制御部, 45 音声出力部, 46 収音部, 47 送信制御部, 48 送信部, 49 受信部, 81 受信部, 82 制御部, 84 送信部, 91−1−1乃至91−N−M,91 演算部, 181 サーバ, 182 サーバ, 211 分配装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの再生を制御する再生制御手段と、
前記コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音することで得られた音声データを、通信網を介して複数の装置から受信し、受信した複数の前記音声データに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算することで反応音声の反応音声データを生成するサーバから送信された、UDPパケットに格納された前記反応音声データを、前記通信網を介して受信する受信手段と、
前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて前記反応音声を出力する音声出力手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記コンテンツの再生時において、周囲にいるユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音する収音手段と、
前記収音手段により収音された音声の音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記サーバに送信する送信手段と
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記反応音声データは、複数のユーザからなるグループごとに生成される
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記収音手段により収音された音声の音量が、所定の値以上である場合、前記収音手段により収音された音声の音声データを送信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記反応音声データは、前記反応音声の再生時において、前記音声処理が施された前記音声データの各音声が弁別できないように、前記音声処理が施された前記音声データを充分小さいゲインで加算することにより生成される
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記収音手段により収音された音声の前記音声データとともに、前記コンテンツを示す情報を送信し、
前記サーバにおいて、同じ前記コンテンツを示す情報とともに送信されてきた前記音声データに基づいて、前記反応音声データが生成される
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信手段は、前記コンテンツに対して定められたURLにより特定される前記サーバに、前記音声データを送信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記音声出力手段は、前記コンテンツの再生時において、前記コンテンツの音声および前記反応音声を出力する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンテンツの再生を制御する再生制御手段と、
前記コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音することで得られた音声データを、通信網を介して複数の装置から受信し、受信した複数の前記音声データに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算することで反応音声の反応音声データを生成するサーバから送信された、UDPパケットに格納された前記反応音声データを、前記通信網を介して受信する受信手段と、
前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて前記反応音声を出力する音声出力手段と
を備える情報処理装置の情報処理方法であって、
前記再生制御手段が前記コンテンツの再生を制御し、
前記受信手段が前記反応音声データを受信し、
前記音声出力手段が前記反応音声を出力する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項10】
コンテンツの再生を制御し、
前記コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音することで得られた音声データを、通信網を介して複数の装置から受信し、受信した複数の前記音声データに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算することで反応音声の反応音声データを生成するサーバから送信された、UDPパケットに格納された前記反応音声データを、前記通信網を介して受信させ、
前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて、音声出力手段に前記反応音声を出力させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音して得られた音声データをUDPパケットに格納して送信する装置から、通信網を介して前記音声データを受信する受信手段と、
複数の前記装置から受信した前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施す音声処理手段と、
前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算して、反応音声の反応音声データを生成する加算手段と、
前記反応音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記装置に送信する送信手段と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
前記加算手段は、複数のユーザからなるグループごとに異なる前記音声処理が施された前記音声データを加算することで、前記グループごとに前記反応音声データを生成する
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記加算手段は、前記反応音声の再生時において、前記音声処理が施された前記音声データの各音声が弁別できないように、前記音声処理が施された前記音声データを充分小さいゲインで加算することで、前記反応音声データを生成する
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音して得られた音声データをUDPパケットに格納して送信する装置から、通信網を介して前記音声データを受信する受信手段と、
複数の前記装置から受信した前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施す音声処理手段と、
前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算して、反応音声の反応音声データを生成する加算手段と、
前記反応音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記装置に送信する送信手段と
を備える情報処理装置の情報処理方法であって、
前記受信手段が、前記音声データを受信し、
前記音声処理手段が、前記音声データに前記音声処理を施し、
前記加算手段が、前記反応音声データを生成し、
前記送信手段が、前記反応音声データを送信する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項15】
コンテンツの再生時に、ユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音して得られた音声データをUDPパケットに格納して送信する装置から、通信網を介して前記音声データを受信させ、
複数の前記装置から受信した前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施し、
前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算して、反応音声の反応音声データを生成し、
前記反応音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記装置に送信させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
通信網を介して接続されたクライアントとサーバとからなる情報処理システムであって、
前記クライアントは、
コンテンツの再生を制御する再生制御手段と、
前記コンテンツの再生時において、周囲にいるユーザが前記コンテンツに対する反応として発した音声を収音する収音手段と、
前記収音手段により収音された音声の音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記サーバに送信する第1の送信手段と、
複数の前記クライアントから送信された前記音声データに基づいて生成された反応音声の反応音声データを、前記サーバから受信する第1の受信手段と、
前記コンテンツの再生時において、受信した前記反応音声データに基づいて前記反応音声を出力する音声出力手段と
を備え、
前記サーバは、
前記クライアントから送信された、前記音声データを受信する第2の受信手段と、
複数の前記クライアントから送信された前記音声データのそれぞれに対して、仮想的な1つの会場におけるユーザの位置と前記会場の音響特性とに基づいて音声処理を施す音声処理手段と、
前記音声処理が施された複数の前記音声データを加算して、前記反応音声データを生成する加算手段と、
前記反応音声データをUDPパケットに格納し、前記通信網を介して前記クライアントに送信する第2の送信手段と
を備える
情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−129800(P2012−129800A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279510(P2010−279510)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】