情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラム
【課題】画面に表示されたキーの操作により文字等の入力を受け付ける情報端末において、誤入力を削減する。
【解決手段】入力内容を確定させるための所定操作又は改行の入力を受け付けるまでの間に実施された削除操作の回数がキー毎に入力履歴記憶部11に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。そして、その削除回数に基づき、キーサイズ変更部13により当該キーのサイズが縮小され、縮小されたキーが表示制御部14の制御により表示部15に表示されるので、ユーザにおける誤入力の傾向に従ったサイズのキーが表示される。これにより、当該キーにおける誤入力を削減できる。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【解決手段】入力内容を確定させるための所定操作又は改行の入力を受け付けるまでの間に実施された削除操作の回数がキー毎に入力履歴記憶部11に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。そして、その削除回数に基づき、キーサイズ変更部13により当該キーのサイズが縮小され、縮小されたキーが表示制御部14の制御により表示部15に表示されるので、ユーザにおける誤入力の傾向に従ったサイズのキーが表示される。これにより、当該キーにおける誤入力を削減できる。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルの機能を有する画面を備えた情報端末が普及している。このような情報端末では、文字等の入力手段として、画面に表示されたキーボードである、いわゆるソフトキーボードが提供されることがある。また、ソフトキーボードの利便性向上のため、表示されるキーの大きさを使用頻度に応じて可変とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−265240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソフトキーボードでは、画面上におけるキーが表示された領域に指等を物理的に接触させることにより入力操作が実施されるので、機械的に動作するキーを有する通常のキーボードに比較して、ユーザの操作の癖に基づく誤入力が発生しやすい。ユーザの操作の癖は、例えば、情報端末の保持の仕方、入力に用いる指の種類といった事項に起因する。特許文献1に記載される技術では、ユーザの操作の癖を考慮していないので、ユーザの癖に基づく誤入力を防止できない。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画面に表示されたキーの操作により文字等の入力を受け付ける情報端末において、誤入力を削減することが可能な情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の情報端末は、 文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示手段と、表示手段におけるキーに対する文字入力を受け付ける入力受付手段と、入力受付手段により受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段と、入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき、表示手段に表示されるキーのサイズを変更する変更手段と、変更手段により変更されたキーのサイズに従って、キーを表示手段に表示させる表示制御手段とを備え、入力受付手段は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として入力履歴記憶手段に記憶させ、変更手段は、入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の表示制御方法は、文字が各々割り当てられた複数のキーを表示手段に表示する表示ステップと、表示ステップにおいて表示されたキーに対する文字入力を受け付ける入力受付ステップと、入力受付ステップにおいて受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき、表示手段に表示されるキーのサイズを変更する変更ステップと、変更ステップにおいて変更されたキーのサイズに従って、キーを表示手段に表示させる表示制御ステップとを有し、入力受付ステップは、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として、入力履歴記憶手段に記憶させ、変更ステップは、入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の表示制御プログラムは、コンピュータに、文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示機能と、表示機能により表示されたキーに対する文字入力を受け付ける入力受付機能と、入力受付機能により受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶機能と、入力履歴記憶機能により記憶された入力履歴情報に基づき、表示手段に表示されるキーのサイズを変更する変更機能と、変更手段により変更されたキーの大きさに従って、キーを表示手段に表示させる表示制御機能とを実現させ、入力受付機能は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として、入力履歴記憶機能に記憶させ、変更機能は、入力履歴記憶機能により記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0009】
本発明の情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムによれば、誤入力された文字の削除操作の回数がキー毎に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。そして、その削除回数に基づき、当該キーのサイズが縮小され、縮小されたキーが表示手段に表示されるので、ユーザにおける誤入力の傾向に従ったサイズのキーが表示される。これにより、当該キーにおける誤入力を削減できる。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【0010】
また、本発明の情報端末では、入力受付手段は、入力内容を確定させるための確定操作を受け付けるまでの間に削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として入力履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に実施された削除操作の回数がキー毎に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。
【0012】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、削除回数が所定数以上のキーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、ユーザによる誤入力が多いキーが適切に抽出され、そのキーのサイズを縮小できる。従って、当該キーにおける誤入力を好適に削減できる。
【0014】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、キーのサイズを縮小した場合に、当該サイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、キーのサイズの縮小を実施することを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、キーのサイズが所定の下限サイズ未満に変更されることがないので、当該キーの操作が困難になることが防止される。
【0016】
また、本発明の情報端末では、表示手段は、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列を1以上含むキーボードを表示し、キーのサイズは、キーの所定方向に沿った長さであり、変更手段は、入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき当該キー配列に含まれる複数のキーからキーを抽出し、キー配列に含まれる複数のキーのサイズの合計が当該キー配列に関して予め設定された所定値となるように、抽出したキーのサイズを拡大することを特徴とする。
【0017】
この場合には、入力操作が行われた回数に基づき、所定の方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列の長さが一定の値になるようにキーのサイズが拡大されるので、キー配列により構成されるキーボードにおけるキー配列の方向に沿った長さが一定に保たれる。これにより、入力操作が困難になることが防止される。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【0018】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、一の前記キー配列に含まれるキーのうち最大の入力回数を有するキーのサイズを拡大することを特徴とする。
【0019】
この場合には、ユーザによる入力操作が多く行われたキーが適切に抽出され、そのキーのサイズを拡大できる。従って、当該キーに対する入力操作が好適に容易化される。
【0020】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、キーのサイズを拡大した場合に、当該サイズが所定の上限サイズを超えない場合に、キーのサイズの拡大を実施することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、キーのサイズが所定の上限サイズを超えて変更されることがないので、当該キーの過剰な拡大によりその他のキーの操作が困難になることが防止される。
【発明の効果】
【0022】
画面に表示されたキーの操作により文字等の入力を受け付ける情報端末において、誤入力を削減することが可能となる。従って、ユーザに快適な文字入力の環境を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】情報端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】情報端末のハードブロック図である。
【図3】入力履歴記憶部の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図4】キー属性記憶部の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図5】表示部におけるキーボードの表示例を示す図である。
【図6】表示制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】キーサイズ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】キーサイズ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】キーサイズ拡大処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】表示制御方法が実施される前におけるキー属性情報の例、キーサイズ制御処理が実施される直前における入力履歴記憶部の入力履歴情報の例、及び表示制御方法が実施された後におけるキー属性情報の例を示す図である。
【図11】表示制御方法が実施される前におけるキーボードの表示例、キーサイズの変更が実施された後に表示されるキーボードの表示例を示す図である。
【図12】表示制御プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0025】
図1は、情報端末1の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態の情報端末1は、文字が各々割り当てられた複数のキーを表示部15に表示し、表示部15におけるキーが表示された領域の操作により文字入力を受け付ける装置であって、例えば、移動体通信網を介した通信が可能な携帯端末である。この表示部15は、例えばディスプレイといった装置により構成される。また、情報端末1は、文字等の入力手段として、表示部15に表示されたキーボードであるソフトキーボードを提供する。情報端末1は、表示部1におけるキーボードのキーが表示された領域に対するユーザの指等の物理的接触を、情報端末1に対する入力として取得する。
【0026】
図1に示すように、情報端末1は、機能的には、入力受付部10(入力受付手段)、入力履歴記憶部11(入力履歴記憶手段)、キー属性記憶部12(変更手段)、キーサイズ変更部13(変更手段)、表示制御部14(表示制御手段)、及び表示部15(表示手段)、を備える。
【0027】
図2は、情報端末1のハードウエア構成図である。情報端末1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、ハードディスク、フラッシュメモリ等に例示される補助記憶装置105、入力デバイスであるキーボード等の入力装置106、ディスプレイ等の出力装置107などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。再び、図1を参照し、情報端末1の各機能部について詳細に説明する。
【0028】
入力受付部10は、キーに対する操作の入力を受付ける部分である。キーは、文字等の入力のために表示部15に表示された画像である。複数のキーには、それぞれ文字が割り当てられており、複数のキーは、例えば、ソフトキーボードを構成する。また、入力受付部10は、キーに対する操作の入力の履歴を入力履歴情報として、入力履歴記憶部11に記憶させる。
【0029】
入力履歴記憶部11は、入力受付部10により受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する部分である。図3は、入力履歴記憶部11の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図3に示すように、入力履歴記憶部11は、キー毎に削除回数及び入力回数を記憶している。
【0030】
削除回数は、表示部15に表示されたキーボードからの文字入力において、誤入力された文字を削除する削除操作の回数である。具体的には、入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に受け付けられた、入力された文字を削除する削除操作の回数である。入力内容を確定させるための確定操作は、例えば、日本語入力ソフトを用いて日本語入力をしている場合における変換操作及び確定操作、若しくは英文入力時におけるスペース及び改行操作等である。入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に受け付けられた削除操作は、誤入力を訂正するための削除操作である蓋然性が高い。このように削除回数を記憶するので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。
【0031】
入力回数は、表示部15に表示されたキーボードからの文字入力において、入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に受け付けられた、当該文字を入力する入力操作の回数である。
【0032】
キー属性記憶部12は、表示部15に表示された各キーの属性情報を記憶する部分である。属性情報は、各キーのサイズを含む。図4(a)は、キー属性記憶部12に記憶された属性情報の構成及び記憶されているデータの一部を示す例である。図4(a)に示すように、キー属性記憶部12は、キー毎のサイズを属性情報として記憶している。表示部15に表示されるキーボードは、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列を1以上含む。キー配列は、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなる。所定方向は、例えば、横方向である。この場合におけるキーのサイズは、表示部15におけるキーが表示された領域の、キー配列における所定方向に沿った長さである。
【0033】
また、属性情報は、各キー配列に含まれる複数のキーのサイズ合計を含んでもよい。図4(b)は、キー属性記憶部12に記憶された属性情報の構成及び記憶されているデータの一部を示す例である。図4(b)に示すように、キー属性記憶部12は、各キー配列に含まれる複数のキーのサイズ合計を属性情報として記憶している。
【0034】
キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報に基づき、表示部15に表示されるキーのサイズを変更する部分である。具体的には、例えば、表示部15に表示されるキーのサイズは、キー属性記憶部12に属性情報として記憶されているので、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12に記憶されているキーのサイズのデータを変更する。
【0035】
具体的には、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小する。即ち、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照し、削除回数が予め設定された所定回数以上のキーを抽出し、抽出したキーのサイズを縮小する。より具体的には、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12を参照し、縮小対象のキーのサイズを抽出し、抽出した値から予め設定された値を減じた値を、当該キーの縮小後のサイズとして、キー属性記憶部12に記憶させる。
【0036】
また、キーサイズ変更部13は、キーのサイズの下限値を有することができる。この下限値は、例えば、ユーザにより設定されることとしてもよいし、情報端末1のシステムが表示部15のサイズに基づき算出した値が設定されることとしてもよい。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを縮小した場合に、当該サイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、キーのサイズの縮小を実施することとしてもよい。
【0037】
また、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力回数に基づき、キー配列に含まれる複数のキーのサイズの合計が当該キー配列に関して予め設定された所定値となるように、当該キー配列に含まれるキーのサイズを拡大することとしてもよい。キーのサイズの合計に関する所定値は、キー属性記憶部12に予め記憶されている(図4(b)参照)。即ち、キーサイズ変更部13は、一のキー配列におけるキーのサイズを縮小した場合に、その縮小分を補うように、他のキーのサイズを拡大する。
【0038】
キーサイズ変更部13は、例えば、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照し、当該キー配列に含まれるキーから、入力回数が最大のキーを拡大候補キーとして抽出する。また、キーサイズ変更部13は、入力回数が所定回数以上のキーを拡大候補キーとして抽出する。また、キーサイズ変更部13は、入力回数に関する条件に加えて、削除回数が所定回数以下、又は入力回数に対する削除回数の割合が所定以下であることを、拡大候補キーの抽出の条件に加えることとしてもよい。
【0039】
また、キーサイズ変更部13は、キーのサイズの上限値を有することができる。この上限値は、例えば、ユーザにより設定されることとしてもよいし、情報端末1のシステムが表示部15のサイズに基づき算出した値が設定されることとしてもよい。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを拡大した場合に、当該サイズが所定の上限サイズを超えない場合に、キーのサイズの拡大を実施することとしてもよい。
【0040】
なお、本実施形態では、キーサイズ変更部13は、キーのサイズの縮小及び拡大を実施することとしているが、縮小のみを実施することとしてもよい。
【0041】
表示制御部14は、キーサイズ変更部13により変更されたキーのサイズに従って、キーを表示部15に表示させる部分である。具体的には、表示制御部14は、キー属性記憶部12に記憶された属性情報における各キーのサイズ(図4(a)参照)に従って表示させるキーのサイズを決定し、キーボードを表示部15に表示させる。
【0042】
表示部15は、表示制御部14の制御に従い、キーボードを表示する部分である。図5は、表示部15に表示されたキーボードにおける一のキー配列の例を示す図である。図5(a)は、キーサイズ変更部13によるキーのサイズの変更が実施される前のキー配列の例を示す。図5(a)に示されるように、キー配列B1に含まれる各キーのサイズは、一様のサイズとなっている。一方、図5(b)は、キーサイズ変更部13によるキーのサイズの変更が実施された後のキー配列の例を示す。図5(b)に示されるように、キー配列B2において、文字Q,W,Tが割り当てられたキーのサイズは縮小されており、文字E,Rが割り当てられたキーのサイズは拡大されている。
【0043】
次に、図6〜9を参照して、情報端末1における表示制御方法について説明する。図6は、表示制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0044】
まず、情報端末1は、ソフトキーボードを起動する(S1)。ソフトキーボードは、文字入力のためにキーボードを表示部15に表示するものである。ソフトキーボードの起動は、例えば、ユーザの操作により実施されてもよいし、文字入力を伴うアプリケーションが起動されたときに自動的に実施されることとしてもよい。ここで、ユーザがキーを操作した場合に、入力受付部10は、キーに対する操作の入力を受付ける(S2)。続いて、入力受付部10は、キーに対する操作の入力の履歴を入力履歴情報として、入力履歴記憶部11に記憶させる(S3)。
【0045】
そして、情報端末1が起動されていたソフトキーボードを終了すると(S4)、情報端末1は、キーサイズ制御処理を実施する(S5)。
【0046】
なお、本実施形態では、キーサイズ制御処理は、ソフトキーボードの終了時に実施されることとしているが、ソフトキーボードの起動時に実施されることとしてもよい。なお、本発明は、ソフトキーボードの起動中において、入力履歴情報が更新されることを契機としてキーサイズ制御処理が実施されることを排除しない。
【0047】
また、入力履歴記憶部11に記憶される入力履歴情報は、所定の契機にリセットされることとしてもよい。リセットのための所定の契機は、例えば、キーサイズ制御処理が所定回数行われたとき、所定時間ごと、またはユーザによる所定の入力があったときとすることができる。
【0048】
次に、キーサイズ制御処理の内容を説明する。図7は、キーのサイズの拡大が実施されない場合におけるキーサイズ制御処理のフローチャートである。一方、図8及び図9は、キーのサイズの拡大が実施される場合におけるキーサイズ制御処理のフローチャートである。
【0049】
図7に示すように、まず、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照して、削除回数が予め設定された所定回数以上のキーを縮小候補キーとして抽出する(S11)。そして、キーサイズ変更部13は、ステップS11で抽出したキーから、一の縮小候補キーを選択する(S12)。
【0050】
次に、キーサイズ変更部13は、ステップS12で選択した縮小候補キーのサイズの変更が可能であるか否かを判定する。即ち、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12を参照して縮小候補キーのサイズを取得する。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを縮小することにより当該キーのサイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、サイズの変更が可能であると判定する。サイズの変更が可能であると判定された場合には、処理手順はステップS14に進められる。一方、サイズの変更が可能であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS15に進められる。
【0051】
ステップS14において、キーサイズ変更部13は、縮小候補キーのサイズを縮小する(S14)。一方、ステップS15では、キーサイズ変更部13は、縮小候補キーのサイズの縮小を実施しない(S15)。
【0052】
続いて、キーサイズ変更部13は、ステップS11において抽出した全ての縮小候補キーを、ステップS12において選択済みであるか否かを判定する(S16)。全ての縮小候補キーを選択済みである場合には、キーサイズ制御処理を終了する。一方、全ての縮小候補キーを選択済みでない場合には、処理手順は、ステップS12に戻る。
【0053】
次に、図8及び図9を参照して、キーのサイズの拡大が実施される場合におけるキーサイズ制御処理を説明する。ステップS21〜S26の処理内容は、図7のフローチャートにおけるステップS11〜S16の処理内容と同様である。ステップS26において、全ての縮小候補キーを選択済みであると判定された場合には、キーサイズ変更部13は、キーサイズ拡大処理を実施する(S27)。キーサイズ拡大処理は、キー配列に含まれる複数のキーのサイズの合計を当該キー配列に関して予め設定された所定値とするための処理である。
【0054】
続いて、図9を参照して、キーサイズ拡大処理の処理内容を説明する。キーサイズ変更部13は、表示部15に表示されたキーボードに含まれる全てのキー配列に属するキーのサイズの合計が所定値であるか否かを判定する(S31)。キーのサイズの合計に関する所定値は、キー属性記憶部12にキー配列ごとに記憶されている(図4(b)参照)。キーのサイズの合計が所定値であると判定された場合には、キーサイズ拡大処理は終了する。一方、キーのサイズの合計が所定値であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS32に進められる。
【0055】
ステップS32において、キーサイズ変更部13は、キーボードに含まれるキー配列から一のキー配列を選択する(S32)。次に、キーサイズ変更部13は、ステップS22で選択したキー配列に含まれるキーから、サイズを拡大する候補のキーである拡大候補キーを抽出する(S33)。
【0056】
拡大候補キーの抽出は、種々の条件に基づき実施される。例えば、キーサイズ拡大処理が実施されて(S27)初めてステップS33の処理が実施されるときには、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照し、当該キー配列に含まれるキーから、入力回数が最大のキーを拡大候補キーとして抽出する。また、ステップS33〜S37の処理ループの繰り返しでは、前回の処理ループの実施時のステップS33において抽出された拡大候補キーの次に入力回数が多いキーを拡大候補キーとして抽出することができる。また、キーサイズ変更部13は、拡大候補キーの抽出に際して、入力回数に関する条件に加えて、削除回数が所定回数以下、又は入力回数に対する削除回数の割合が所定以下であることを、拡大候補キーの抽出の条件に加えることとしてもよい。
【0057】
次に、キーサイズ変更部13は、ステップS33において抽出した拡大候補キーのサイズの拡大が可能であるか否かを判定する(S34)。即ち、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12を参照して拡大候補キーのサイズを取得する。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを拡大することにより当該キーのサイズが所定の上限サイズを超えない場合に、サイズの拡大が可能であると判定する。サイズの拡大が可能であると判定された場合には、処理手順はステップS35に進められる。一方、サイズの拡大が可能であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS36に進められる。
【0058】
ステップS35において、キーサイズ変更部13は、拡大候補キーのサイズを拡大する(S35)。一方、ステップS36では、キーサイズ変更部13は、拡大候補キーのサイズの拡大を実施しない(S36)。
【0059】
続いて、キーサイズ変更部13は、ステップS32において選択したキー配列に属するキーのサイズの合計が所定値であるか否かを判定する(S37)。キーのサイズの合計が所定値であると判定された場合には、処理手順はステップS31に戻る。ここで、ステップS31の処理の後に、処理手順がステップS32に進められた場合には、キーサイズ変更部13は、未選択のキー配列を選択する。一方、キーのサイズの合計が所定値であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS33に戻る。
【0060】
次に、図10及び図11を参照して、表示制御方法が実施されたときの、表示部15に表示されるキーボードの例を、キー属性記憶部12の属性情報の遷移と共に簡単に説明する。図10(a)は、表示制御方法が実施される前におけるキー属性情報の例を示す図である。図10(b)は、キーサイズ制御処理が実施される直前における入力履歴記憶部の入力履歴情報の例を示す図である。図10(c)は、表示制御方法が実施された後におけるキー属性情報の例を示す図である。
【0061】
図10(a)に示す例では、キー属性記憶部12は、キーZのサイズ「3」、キーBのサイズ「3」、キーNのサイズ「3」を記憶している。図11(a)は、このときに表示されるキーボードの表示例を示す図である。図11(a)に示すように、キーB(K11),N(K12),Z(K13)は、一様のサイズ「3」の大きさで表示されている。
【0062】
ここで説明する例では、縮小候補キーの抽出のための削除回数の条件として、削除回数が3以上のキーを抽出することと設定されているものとする。また、キーのサイズに関する下限値として「1」、上限値として「5」が設定されているものとする。従って、キーサイズ変更部13は、図10(b)に示す入力履歴情報を参照して、削除回数が「4」であるキーBを縮小候補キーとして抽出し、このキーのサイズの縮小が可能であると判定する。そして、キーサイズ変更部13は、図10(c)に示すように、キーBのサイズを「2」に縮小する。
【0063】
また、キーサイズ変更部13は、図10(b)の入力履歴情報を参照して、入力回数が最大であるキーNを拡大候補キーとして抽出する。そして、キーサイズ変更部13は、キーNのサイズの拡大が可能であると判定すると、図10(c)に示すように、キーNのサイズを「4」に拡大する。図11(b)は、キーサイズの変更が実施された後に表示されるキーボードの表示例を示す図である。図11(b)に示すように、キーB(K21)は、サイズ「2」の大きさで表示され、キーN(K22)は、サイズ「4」の大きさで表示され、キーZ(K23)は、サイズ「3」の大きさで表示されている。
【0064】
次に、コンピュータを、本実施形態の情報端末1として機能させるための表示制御プログラムについて説明する。図12は、表示制御プログラム1mの構成を示す図である。
【0065】
表示制御プログラム1mは、表示制御処理を統括的に制御するメインモジュール100m、入力受付モジュール10m、入力履歴記憶モジュール11m、キー属性記憶モジュール12m、キーサイズ変更モジュール13m、表示制御モジュール14m、及び表示モジュール15mを備えて構成される。そして、各モジュール10m〜15mにより、情報端末1における各機能部10〜15のための各機能が実現される。なお、表示制御プログラム1mは、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図7に示されるように、記録媒体1dのプログラム格納領域1rに記憶される態様であってもよい。
【0066】
以上説明した本実施形態の情報端末1、表示制御方法及び表示制御プログラムでは、入力内容を確定させるための所定操作又は改行の入力を受け付けるまでの間に実施された削除操作の回数がキー毎に入力履歴記憶部11に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。そして、その削除回数に基づき、キーサイズ変更部13により当該キーのサイズが縮小され、縮小されたキーが表示制御部14の制御により表示部15に表示されるので、ユーザにおける誤入力の傾向に従ったサイズのキーが表示される。これにより、当該キーにおける誤入力を削減できる。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【0067】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…情報端末、10…入力受付部、11…入力履歴記憶部、12…キー属性記憶部、13…キーサイズ変更部、14…表示制御部、15…表示部、10m…入力受付モジュール、11m…入力履歴記憶モジュール、12m…キー属性記憶モジュール、13m…キーサイズ変更モジュール、14m…表示制御モジュール、15m…表示モジュール、1d…記録媒体、1m…表示制御プログラム、1r…プログラム格納領域、100m…メインモジュール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルの機能を有する画面を備えた情報端末が普及している。このような情報端末では、文字等の入力手段として、画面に表示されたキーボードである、いわゆるソフトキーボードが提供されることがある。また、ソフトキーボードの利便性向上のため、表示されるキーの大きさを使用頻度に応じて可変とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−265240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソフトキーボードでは、画面上におけるキーが表示された領域に指等を物理的に接触させることにより入力操作が実施されるので、機械的に動作するキーを有する通常のキーボードに比較して、ユーザの操作の癖に基づく誤入力が発生しやすい。ユーザの操作の癖は、例えば、情報端末の保持の仕方、入力に用いる指の種類といった事項に起因する。特許文献1に記載される技術では、ユーザの操作の癖を考慮していないので、ユーザの癖に基づく誤入力を防止できない。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画面に表示されたキーの操作により文字等の入力を受け付ける情報端末において、誤入力を削減することが可能な情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の情報端末は、 文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示手段と、表示手段におけるキーに対する文字入力を受け付ける入力受付手段と、入力受付手段により受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段と、入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき、表示手段に表示されるキーのサイズを変更する変更手段と、変更手段により変更されたキーのサイズに従って、キーを表示手段に表示させる表示制御手段とを備え、入力受付手段は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として入力履歴記憶手段に記憶させ、変更手段は、入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の表示制御方法は、文字が各々割り当てられた複数のキーを表示手段に表示する表示ステップと、表示ステップにおいて表示されたキーに対する文字入力を受け付ける入力受付ステップと、入力受付ステップにおいて受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき、表示手段に表示されるキーのサイズを変更する変更ステップと、変更ステップにおいて変更されたキーのサイズに従って、キーを表示手段に表示させる表示制御ステップとを有し、入力受付ステップは、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として、入力履歴記憶手段に記憶させ、変更ステップは、入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の表示制御プログラムは、コンピュータに、文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示機能と、表示機能により表示されたキーに対する文字入力を受け付ける入力受付機能と、入力受付機能により受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶機能と、入力履歴記憶機能により記憶された入力履歴情報に基づき、表示手段に表示されるキーのサイズを変更する変更機能と、変更手段により変更されたキーの大きさに従って、キーを表示手段に表示させる表示制御機能とを実現させ、入力受付機能は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として、入力履歴記憶機能に記憶させ、変更機能は、入力履歴記憶機能により記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0009】
本発明の情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムによれば、誤入力された文字の削除操作の回数がキー毎に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。そして、その削除回数に基づき、当該キーのサイズが縮小され、縮小されたキーが表示手段に表示されるので、ユーザにおける誤入力の傾向に従ったサイズのキーが表示される。これにより、当該キーにおける誤入力を削減できる。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【0010】
また、本発明の情報端末では、入力受付手段は、入力内容を確定させるための確定操作を受け付けるまでの間に削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられたキーに関する削除回数として入力履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に実施された削除操作の回数がキー毎に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。
【0012】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、削除回数が所定数以上のキーのサイズを縮小することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、ユーザによる誤入力が多いキーが適切に抽出され、そのキーのサイズを縮小できる。従って、当該キーにおける誤入力を好適に削減できる。
【0014】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、キーのサイズを縮小した場合に、当該サイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、キーのサイズの縮小を実施することを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、キーのサイズが所定の下限サイズ未満に変更されることがないので、当該キーの操作が困難になることが防止される。
【0016】
また、本発明の情報端末では、表示手段は、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列を1以上含むキーボードを表示し、キーのサイズは、キーの所定方向に沿った長さであり、変更手段は、入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき当該キー配列に含まれる複数のキーからキーを抽出し、キー配列に含まれる複数のキーのサイズの合計が当該キー配列に関して予め設定された所定値となるように、抽出したキーのサイズを拡大することを特徴とする。
【0017】
この場合には、入力操作が行われた回数に基づき、所定の方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列の長さが一定の値になるようにキーのサイズが拡大されるので、キー配列により構成されるキーボードにおけるキー配列の方向に沿った長さが一定に保たれる。これにより、入力操作が困難になることが防止される。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【0018】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、一の前記キー配列に含まれるキーのうち最大の入力回数を有するキーのサイズを拡大することを特徴とする。
【0019】
この場合には、ユーザによる入力操作が多く行われたキーが適切に抽出され、そのキーのサイズを拡大できる。従って、当該キーに対する入力操作が好適に容易化される。
【0020】
また、本発明の情報端末では、変更手段は、キーのサイズを拡大した場合に、当該サイズが所定の上限サイズを超えない場合に、キーのサイズの拡大を実施することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、キーのサイズが所定の上限サイズを超えて変更されることがないので、当該キーの過剰な拡大によりその他のキーの操作が困難になることが防止される。
【発明の効果】
【0022】
画面に表示されたキーの操作により文字等の入力を受け付ける情報端末において、誤入力を削減することが可能となる。従って、ユーザに快適な文字入力の環境を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】情報端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】情報端末のハードブロック図である。
【図3】入力履歴記憶部の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図4】キー属性記憶部の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図5】表示部におけるキーボードの表示例を示す図である。
【図6】表示制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】キーサイズ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】キーサイズ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】キーサイズ拡大処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】表示制御方法が実施される前におけるキー属性情報の例、キーサイズ制御処理が実施される直前における入力履歴記憶部の入力履歴情報の例、及び表示制御方法が実施された後におけるキー属性情報の例を示す図である。
【図11】表示制御方法が実施される前におけるキーボードの表示例、キーサイズの変更が実施された後に表示されるキーボードの表示例を示す図である。
【図12】表示制御プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0025】
図1は、情報端末1の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態の情報端末1は、文字が各々割り当てられた複数のキーを表示部15に表示し、表示部15におけるキーが表示された領域の操作により文字入力を受け付ける装置であって、例えば、移動体通信網を介した通信が可能な携帯端末である。この表示部15は、例えばディスプレイといった装置により構成される。また、情報端末1は、文字等の入力手段として、表示部15に表示されたキーボードであるソフトキーボードを提供する。情報端末1は、表示部1におけるキーボードのキーが表示された領域に対するユーザの指等の物理的接触を、情報端末1に対する入力として取得する。
【0026】
図1に示すように、情報端末1は、機能的には、入力受付部10(入力受付手段)、入力履歴記憶部11(入力履歴記憶手段)、キー属性記憶部12(変更手段)、キーサイズ変更部13(変更手段)、表示制御部14(表示制御手段)、及び表示部15(表示手段)、を備える。
【0027】
図2は、情報端末1のハードウエア構成図である。情報端末1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、ハードディスク、フラッシュメモリ等に例示される補助記憶装置105、入力デバイスであるキーボード等の入力装置106、ディスプレイ等の出力装置107などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。再び、図1を参照し、情報端末1の各機能部について詳細に説明する。
【0028】
入力受付部10は、キーに対する操作の入力を受付ける部分である。キーは、文字等の入力のために表示部15に表示された画像である。複数のキーには、それぞれ文字が割り当てられており、複数のキーは、例えば、ソフトキーボードを構成する。また、入力受付部10は、キーに対する操作の入力の履歴を入力履歴情報として、入力履歴記憶部11に記憶させる。
【0029】
入力履歴記憶部11は、入力受付部10により受け付けたキー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する部分である。図3は、入力履歴記憶部11の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図3に示すように、入力履歴記憶部11は、キー毎に削除回数及び入力回数を記憶している。
【0030】
削除回数は、表示部15に表示されたキーボードからの文字入力において、誤入力された文字を削除する削除操作の回数である。具体的には、入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に受け付けられた、入力された文字を削除する削除操作の回数である。入力内容を確定させるための確定操作は、例えば、日本語入力ソフトを用いて日本語入力をしている場合における変換操作及び確定操作、若しくは英文入力時におけるスペース及び改行操作等である。入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に受け付けられた削除操作は、誤入力を訂正するための削除操作である蓋然性が高い。このように削除回数を記憶するので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。
【0031】
入力回数は、表示部15に表示されたキーボードからの文字入力において、入力内容を確定させるための確定操作の入力を受け付けるまでの間に受け付けられた、当該文字を入力する入力操作の回数である。
【0032】
キー属性記憶部12は、表示部15に表示された各キーの属性情報を記憶する部分である。属性情報は、各キーのサイズを含む。図4(a)は、キー属性記憶部12に記憶された属性情報の構成及び記憶されているデータの一部を示す例である。図4(a)に示すように、キー属性記憶部12は、キー毎のサイズを属性情報として記憶している。表示部15に表示されるキーボードは、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列を1以上含む。キー配列は、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなる。所定方向は、例えば、横方向である。この場合におけるキーのサイズは、表示部15におけるキーが表示された領域の、キー配列における所定方向に沿った長さである。
【0033】
また、属性情報は、各キー配列に含まれる複数のキーのサイズ合計を含んでもよい。図4(b)は、キー属性記憶部12に記憶された属性情報の構成及び記憶されているデータの一部を示す例である。図4(b)に示すように、キー属性記憶部12は、各キー配列に含まれる複数のキーのサイズ合計を属性情報として記憶している。
【0034】
キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報に基づき、表示部15に表示されるキーのサイズを変更する部分である。具体的には、例えば、表示部15に表示されるキーのサイズは、キー属性記憶部12に属性情報として記憶されているので、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12に記憶されているキーのサイズのデータを変更する。
【0035】
具体的には、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された削除回数に基づき、キーのサイズを縮小する。即ち、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照し、削除回数が予め設定された所定回数以上のキーを抽出し、抽出したキーのサイズを縮小する。より具体的には、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12を参照し、縮小対象のキーのサイズを抽出し、抽出した値から予め設定された値を減じた値を、当該キーの縮小後のサイズとして、キー属性記憶部12に記憶させる。
【0036】
また、キーサイズ変更部13は、キーのサイズの下限値を有することができる。この下限値は、例えば、ユーザにより設定されることとしてもよいし、情報端末1のシステムが表示部15のサイズに基づき算出した値が設定されることとしてもよい。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを縮小した場合に、当該サイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、キーのサイズの縮小を実施することとしてもよい。
【0037】
また、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力回数に基づき、キー配列に含まれる複数のキーのサイズの合計が当該キー配列に関して予め設定された所定値となるように、当該キー配列に含まれるキーのサイズを拡大することとしてもよい。キーのサイズの合計に関する所定値は、キー属性記憶部12に予め記憶されている(図4(b)参照)。即ち、キーサイズ変更部13は、一のキー配列におけるキーのサイズを縮小した場合に、その縮小分を補うように、他のキーのサイズを拡大する。
【0038】
キーサイズ変更部13は、例えば、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照し、当該キー配列に含まれるキーから、入力回数が最大のキーを拡大候補キーとして抽出する。また、キーサイズ変更部13は、入力回数が所定回数以上のキーを拡大候補キーとして抽出する。また、キーサイズ変更部13は、入力回数に関する条件に加えて、削除回数が所定回数以下、又は入力回数に対する削除回数の割合が所定以下であることを、拡大候補キーの抽出の条件に加えることとしてもよい。
【0039】
また、キーサイズ変更部13は、キーのサイズの上限値を有することができる。この上限値は、例えば、ユーザにより設定されることとしてもよいし、情報端末1のシステムが表示部15のサイズに基づき算出した値が設定されることとしてもよい。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを拡大した場合に、当該サイズが所定の上限サイズを超えない場合に、キーのサイズの拡大を実施することとしてもよい。
【0040】
なお、本実施形態では、キーサイズ変更部13は、キーのサイズの縮小及び拡大を実施することとしているが、縮小のみを実施することとしてもよい。
【0041】
表示制御部14は、キーサイズ変更部13により変更されたキーのサイズに従って、キーを表示部15に表示させる部分である。具体的には、表示制御部14は、キー属性記憶部12に記憶された属性情報における各キーのサイズ(図4(a)参照)に従って表示させるキーのサイズを決定し、キーボードを表示部15に表示させる。
【0042】
表示部15は、表示制御部14の制御に従い、キーボードを表示する部分である。図5は、表示部15に表示されたキーボードにおける一のキー配列の例を示す図である。図5(a)は、キーサイズ変更部13によるキーのサイズの変更が実施される前のキー配列の例を示す。図5(a)に示されるように、キー配列B1に含まれる各キーのサイズは、一様のサイズとなっている。一方、図5(b)は、キーサイズ変更部13によるキーのサイズの変更が実施された後のキー配列の例を示す。図5(b)に示されるように、キー配列B2において、文字Q,W,Tが割り当てられたキーのサイズは縮小されており、文字E,Rが割り当てられたキーのサイズは拡大されている。
【0043】
次に、図6〜9を参照して、情報端末1における表示制御方法について説明する。図6は、表示制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0044】
まず、情報端末1は、ソフトキーボードを起動する(S1)。ソフトキーボードは、文字入力のためにキーボードを表示部15に表示するものである。ソフトキーボードの起動は、例えば、ユーザの操作により実施されてもよいし、文字入力を伴うアプリケーションが起動されたときに自動的に実施されることとしてもよい。ここで、ユーザがキーを操作した場合に、入力受付部10は、キーに対する操作の入力を受付ける(S2)。続いて、入力受付部10は、キーに対する操作の入力の履歴を入力履歴情報として、入力履歴記憶部11に記憶させる(S3)。
【0045】
そして、情報端末1が起動されていたソフトキーボードを終了すると(S4)、情報端末1は、キーサイズ制御処理を実施する(S5)。
【0046】
なお、本実施形態では、キーサイズ制御処理は、ソフトキーボードの終了時に実施されることとしているが、ソフトキーボードの起動時に実施されることとしてもよい。なお、本発明は、ソフトキーボードの起動中において、入力履歴情報が更新されることを契機としてキーサイズ制御処理が実施されることを排除しない。
【0047】
また、入力履歴記憶部11に記憶される入力履歴情報は、所定の契機にリセットされることとしてもよい。リセットのための所定の契機は、例えば、キーサイズ制御処理が所定回数行われたとき、所定時間ごと、またはユーザによる所定の入力があったときとすることができる。
【0048】
次に、キーサイズ制御処理の内容を説明する。図7は、キーのサイズの拡大が実施されない場合におけるキーサイズ制御処理のフローチャートである。一方、図8及び図9は、キーのサイズの拡大が実施される場合におけるキーサイズ制御処理のフローチャートである。
【0049】
図7に示すように、まず、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照して、削除回数が予め設定された所定回数以上のキーを縮小候補キーとして抽出する(S11)。そして、キーサイズ変更部13は、ステップS11で抽出したキーから、一の縮小候補キーを選択する(S12)。
【0050】
次に、キーサイズ変更部13は、ステップS12で選択した縮小候補キーのサイズの変更が可能であるか否かを判定する。即ち、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12を参照して縮小候補キーのサイズを取得する。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを縮小することにより当該キーのサイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、サイズの変更が可能であると判定する。サイズの変更が可能であると判定された場合には、処理手順はステップS14に進められる。一方、サイズの変更が可能であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS15に進められる。
【0051】
ステップS14において、キーサイズ変更部13は、縮小候補キーのサイズを縮小する(S14)。一方、ステップS15では、キーサイズ変更部13は、縮小候補キーのサイズの縮小を実施しない(S15)。
【0052】
続いて、キーサイズ変更部13は、ステップS11において抽出した全ての縮小候補キーを、ステップS12において選択済みであるか否かを判定する(S16)。全ての縮小候補キーを選択済みである場合には、キーサイズ制御処理を終了する。一方、全ての縮小候補キーを選択済みでない場合には、処理手順は、ステップS12に戻る。
【0053】
次に、図8及び図9を参照して、キーのサイズの拡大が実施される場合におけるキーサイズ制御処理を説明する。ステップS21〜S26の処理内容は、図7のフローチャートにおけるステップS11〜S16の処理内容と同様である。ステップS26において、全ての縮小候補キーを選択済みであると判定された場合には、キーサイズ変更部13は、キーサイズ拡大処理を実施する(S27)。キーサイズ拡大処理は、キー配列に含まれる複数のキーのサイズの合計を当該キー配列に関して予め設定された所定値とするための処理である。
【0054】
続いて、図9を参照して、キーサイズ拡大処理の処理内容を説明する。キーサイズ変更部13は、表示部15に表示されたキーボードに含まれる全てのキー配列に属するキーのサイズの合計が所定値であるか否かを判定する(S31)。キーのサイズの合計に関する所定値は、キー属性記憶部12にキー配列ごとに記憶されている(図4(b)参照)。キーのサイズの合計が所定値であると判定された場合には、キーサイズ拡大処理は終了する。一方、キーのサイズの合計が所定値であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS32に進められる。
【0055】
ステップS32において、キーサイズ変更部13は、キーボードに含まれるキー配列から一のキー配列を選択する(S32)。次に、キーサイズ変更部13は、ステップS22で選択したキー配列に含まれるキーから、サイズを拡大する候補のキーである拡大候補キーを抽出する(S33)。
【0056】
拡大候補キーの抽出は、種々の条件に基づき実施される。例えば、キーサイズ拡大処理が実施されて(S27)初めてステップS33の処理が実施されるときには、キーサイズ変更部13は、入力履歴記憶部11に記憶された入力履歴情報を参照し、当該キー配列に含まれるキーから、入力回数が最大のキーを拡大候補キーとして抽出する。また、ステップS33〜S37の処理ループの繰り返しでは、前回の処理ループの実施時のステップS33において抽出された拡大候補キーの次に入力回数が多いキーを拡大候補キーとして抽出することができる。また、キーサイズ変更部13は、拡大候補キーの抽出に際して、入力回数に関する条件に加えて、削除回数が所定回数以下、又は入力回数に対する削除回数の割合が所定以下であることを、拡大候補キーの抽出の条件に加えることとしてもよい。
【0057】
次に、キーサイズ変更部13は、ステップS33において抽出した拡大候補キーのサイズの拡大が可能であるか否かを判定する(S34)。即ち、キーサイズ変更部13は、キー属性記憶部12を参照して拡大候補キーのサイズを取得する。そして、キーサイズ変更部13は、キーのサイズを拡大することにより当該キーのサイズが所定の上限サイズを超えない場合に、サイズの拡大が可能であると判定する。サイズの拡大が可能であると判定された場合には、処理手順はステップS35に進められる。一方、サイズの拡大が可能であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS36に進められる。
【0058】
ステップS35において、キーサイズ変更部13は、拡大候補キーのサイズを拡大する(S35)。一方、ステップS36では、キーサイズ変更部13は、拡大候補キーのサイズの拡大を実施しない(S36)。
【0059】
続いて、キーサイズ変更部13は、ステップS32において選択したキー配列に属するキーのサイズの合計が所定値であるか否かを判定する(S37)。キーのサイズの合計が所定値であると判定された場合には、処理手順はステップS31に戻る。ここで、ステップS31の処理の後に、処理手順がステップS32に進められた場合には、キーサイズ変更部13は、未選択のキー配列を選択する。一方、キーのサイズの合計が所定値であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS33に戻る。
【0060】
次に、図10及び図11を参照して、表示制御方法が実施されたときの、表示部15に表示されるキーボードの例を、キー属性記憶部12の属性情報の遷移と共に簡単に説明する。図10(a)は、表示制御方法が実施される前におけるキー属性情報の例を示す図である。図10(b)は、キーサイズ制御処理が実施される直前における入力履歴記憶部の入力履歴情報の例を示す図である。図10(c)は、表示制御方法が実施された後におけるキー属性情報の例を示す図である。
【0061】
図10(a)に示す例では、キー属性記憶部12は、キーZのサイズ「3」、キーBのサイズ「3」、キーNのサイズ「3」を記憶している。図11(a)は、このときに表示されるキーボードの表示例を示す図である。図11(a)に示すように、キーB(K11),N(K12),Z(K13)は、一様のサイズ「3」の大きさで表示されている。
【0062】
ここで説明する例では、縮小候補キーの抽出のための削除回数の条件として、削除回数が3以上のキーを抽出することと設定されているものとする。また、キーのサイズに関する下限値として「1」、上限値として「5」が設定されているものとする。従って、キーサイズ変更部13は、図10(b)に示す入力履歴情報を参照して、削除回数が「4」であるキーBを縮小候補キーとして抽出し、このキーのサイズの縮小が可能であると判定する。そして、キーサイズ変更部13は、図10(c)に示すように、キーBのサイズを「2」に縮小する。
【0063】
また、キーサイズ変更部13は、図10(b)の入力履歴情報を参照して、入力回数が最大であるキーNを拡大候補キーとして抽出する。そして、キーサイズ変更部13は、キーNのサイズの拡大が可能であると判定すると、図10(c)に示すように、キーNのサイズを「4」に拡大する。図11(b)は、キーサイズの変更が実施された後に表示されるキーボードの表示例を示す図である。図11(b)に示すように、キーB(K21)は、サイズ「2」の大きさで表示され、キーN(K22)は、サイズ「4」の大きさで表示され、キーZ(K23)は、サイズ「3」の大きさで表示されている。
【0064】
次に、コンピュータを、本実施形態の情報端末1として機能させるための表示制御プログラムについて説明する。図12は、表示制御プログラム1mの構成を示す図である。
【0065】
表示制御プログラム1mは、表示制御処理を統括的に制御するメインモジュール100m、入力受付モジュール10m、入力履歴記憶モジュール11m、キー属性記憶モジュール12m、キーサイズ変更モジュール13m、表示制御モジュール14m、及び表示モジュール15mを備えて構成される。そして、各モジュール10m〜15mにより、情報端末1における各機能部10〜15のための各機能が実現される。なお、表示制御プログラム1mは、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図7に示されるように、記録媒体1dのプログラム格納領域1rに記憶される態様であってもよい。
【0066】
以上説明した本実施形態の情報端末1、表示制御方法及び表示制御プログラムでは、入力内容を確定させるための所定操作又は改行の入力を受け付けるまでの間に実施された削除操作の回数がキー毎に入力履歴記憶部11に記憶されるので、当該キーにおける誤入力を訂正するための削除操作の回数が適切に記憶される。そして、その削除回数に基づき、キーサイズ変更部13により当該キーのサイズが縮小され、縮小されたキーが表示制御部14の制御により表示部15に表示されるので、ユーザにおける誤入力の傾向に従ったサイズのキーが表示される。これにより、当該キーにおける誤入力を削減できる。従って、快適な文字入力の環境をユーザに提供できる。
【0067】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…情報端末、10…入力受付部、11…入力履歴記憶部、12…キー属性記憶部、13…キーサイズ変更部、14…表示制御部、15…表示部、10m…入力受付モジュール、11m…入力履歴記憶モジュール、12m…キー属性記憶モジュール、13m…キーサイズ変更モジュール、14m…表示制御モジュール、15m…表示モジュール、1d…記録媒体、1m…表示制御プログラム、1r…プログラム格納領域、100m…メインモジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示手段と、
前記表示手段における前記キーに対する文字入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段により受け付けた前記キー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段と、
前記入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき、前記表示手段に表示される前記キーのサイズを変更する変更手段と、
前記変更手段により変更されたキーのサイズに従って、前記キーを前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備え、
前記入力受付手段は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として前記入力履歴記憶手段に記憶させ、
前記変更手段は、前記入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、前記キーのサイズを縮小する
ことを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記入力受付手段は、入力内容を確定させるための確定操作を受け付けるまでの間に削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作を誤入力された文字を削除する削除操作として、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として前記入力履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記変更手段は、前記削除回数が所定数以上の前記キーのサイズを縮小することを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記変更手段は、前記キーのサイズを縮小することにより当該サイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、前記キーのサイズの縮小を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項5】
前記表示手段は、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列を1以上含むキーボードを表示し、
キーのサイズは、前記キーの前記所定方向に沿った長さであり、
前記変更手段は、前記入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき当該キー配列に含まれる複数のキーからキーを抽出し、前記キー配列に含まれる前記複数のキーのサイズの合計が当該キー配列に関して予め設定された所定値となるように、抽出したキーのサイズを拡大する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
前記変更手段は、一の前記キー配列に含まれるキーのうち最大の入力回数を有するキーのサイズを拡大することを特徴とする請求項5に記載の情報端末。
【請求項7】
前記変更手段は、前記キーのサイズを拡大することにより当該サイズが所定の上限サイズを超えない場合に、前記キーのサイズの拡大を実施することを特徴とする請求項5または6に記載の情報端末。
【請求項8】
文字が各々割り当てられた複数のキーを表示手段に表示する表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された前記キーに対する文字入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記入力受付ステップにおいて受け付けた前記キー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段に記憶された前記入力履歴情報に基づき、前記表示手段に表示される前記キーのサイズを変更する変更ステップと、
前記変更ステップにおいて変更されたキーのサイズに従って、前記キーを前記表示手段に表示させる表示制御ステップとを有し、
前記入力受付ステップでは、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として、前記入力履歴記憶手段に記憶させ、
前記変更ステップでは、前記入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、前記キーのサイズを縮小する
ことを特徴とする情報端末における表示制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示機能と、
前記表示機能により表示された前記キーに対する文字入力を受け付ける入力受付機能と、
前記入力受付機能により受け付けた前記キー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶機能と、
前記入力履歴記憶機能により記憶された入力履歴情報に基づき、前記表示手段に表示される前記キーのサイズを変更する変更機能と、
前記変更手段により変更されたキーの大きさに従って、前記キーを前記表示手段に表示させる表示制御機能とを実現させ、
前記入力受付機能は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として、前記入力履歴記憶機能に記憶させ、
前記変更機能は、前記入力履歴記憶機能により記憶された削除回数に基づき、前記キーのサイズを縮小する
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項1】
文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示手段と、
前記表示手段における前記キーに対する文字入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段により受け付けた前記キー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段と、
前記入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき、前記表示手段に表示される前記キーのサイズを変更する変更手段と、
前記変更手段により変更されたキーのサイズに従って、前記キーを前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備え、
前記入力受付手段は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として前記入力履歴記憶手段に記憶させ、
前記変更手段は、前記入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、前記キーのサイズを縮小する
ことを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記入力受付手段は、入力内容を確定させるための確定操作を受け付けるまでの間に削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作を誤入力された文字を削除する削除操作として、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として前記入力履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記変更手段は、前記削除回数が所定数以上の前記キーのサイズを縮小することを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記変更手段は、前記キーのサイズを縮小することにより当該サイズが所定の下限サイズ未満にならない場合に、前記キーのサイズの縮小を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項5】
前記表示手段は、所定方向に沿って並べられた複数のキーからなるキー配列を1以上含むキーボードを表示し、
キーのサイズは、前記キーの前記所定方向に沿った長さであり、
前記変更手段は、前記入力履歴記憶手段に記憶された入力履歴情報に基づき当該キー配列に含まれる複数のキーからキーを抽出し、前記キー配列に含まれる前記複数のキーのサイズの合計が当該キー配列に関して予め設定された所定値となるように、抽出したキーのサイズを拡大する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
前記変更手段は、一の前記キー配列に含まれるキーのうち最大の入力回数を有するキーのサイズを拡大することを特徴とする請求項5に記載の情報端末。
【請求項7】
前記変更手段は、前記キーのサイズを拡大することにより当該サイズが所定の上限サイズを超えない場合に、前記キーのサイズの拡大を実施することを特徴とする請求項5または6に記載の情報端末。
【請求項8】
文字が各々割り当てられた複数のキーを表示手段に表示する表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された前記キーに対する文字入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記入力受付ステップにおいて受け付けた前記キー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶手段に記憶された前記入力履歴情報に基づき、前記表示手段に表示される前記キーのサイズを変更する変更ステップと、
前記変更ステップにおいて変更されたキーのサイズに従って、前記キーを前記表示手段に表示させる表示制御ステップとを有し、
前記入力受付ステップでは、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として、前記入力履歴記憶手段に記憶させ、
前記変更ステップでは、前記入力履歴記憶手段に記憶された削除回数に基づき、前記キーのサイズを縮小する
ことを特徴とする情報端末における表示制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
文字が各々割り当てられた複数のキーを表示する表示機能と、
前記表示機能により表示された前記キーに対する文字入力を受け付ける入力受付機能と、
前記入力受付機能により受け付けた前記キー毎の入力の履歴を入力履歴情報として記憶する入力履歴記憶機能と、
前記入力履歴記憶機能により記憶された入力履歴情報に基づき、前記表示手段に表示される前記キーのサイズを変更する変更機能と、
前記変更手段により変更されたキーの大きさに従って、前記キーを前記表示手段に表示させる表示制御機能とを実現させ、
前記入力受付機能は、誤入力された文字を削除する削除操作を受け付けた場合に、当該削除操作の回数を当該文字が割り当てられた前記キーに関する削除回数として、前記入力履歴記憶機能に記憶させ、
前記変更機能は、前記入力履歴記憶機能により記憶された削除回数に基づき、前記キーのサイズを縮小する
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−203653(P2012−203653A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67707(P2011−67707)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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