説明

情報表示システム、情報伝送方法、携帯電話端末装置、外部表示装置

【課題】携帯電話端末装置に取り付け、着信の相手先の情報を表示させることができるようにする。
【解決手段】携帯電話端末装置11は、ストラップ接続部19と、ストラップ接続部19をコアとして巻回された一次側コイル18と、一次側コイル18にパターン信号を供給する電流制御部17とを備える。外部表示装置21は、ストラップ接続部19に着脱自在の二次側コイル25と、情報を表示する外部表示部22と、二次側コイル25と外部表示装置21との間を繋ぐストラップ部24とを備える。二次側コイル25をストラップ接続部19に取り付けて、携帯電話端末装置11に外部表示装置21を固定すると共に、一次側コイル18と二次側コイル25とを電磁誘導で結合し、携帯電話端末装置11からのパターン信号を、一次側コイル18と二次側コイル25との電磁誘導により外部表示装置21に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末装置にストラップとして外部表示装置を取り付けるようにした情報表示システム、情報伝送方法、このような情報表示システムに用いられる携帯電話端末装置、外部表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
着信応答時にアンテナから放射される電波を検知し、発光ダイオードなどを駆動して、着信を知らせるようにした携帯電話ストラップが知られている。また、例えば特許文献1には、アンテナとして作用する細紐を用い、このアンテナで受けた電波の検知出力で、EL(Electro Luminescence)素子を駆動するようにしたものが提案されている。また、特許文献2には、電磁誘導コイルにより、携帯電話からの電波を受け、この電磁誘導コイルのエネルギーで発光ダイオードを点灯させることで、ボタン電池等を不要にしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−069202号公報
【特許文献2】特開2000−358087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に示される携帯電話のストラップは、着信時に携帯電話端末装置から放射される電波を検出して、発光ダイオードやEL素子を点灯させるものである。そのため、このような携帯電話端末装置のストラップは、単に、着信の有無を知らせるものであり、誰からの着信か等の情報を表示させることはできないという問題があった。
【0005】
一般に、携帯電話端末装置には、外部コネクタが設けられており、このコネクタから信号を取り出すことで、各種の情報を取り出すことができる。そのため、携帯電話端末装置のストラップがこのようなコネクタを介して情報を取り出すことで、当該ストラップに誰からの着信か等の情報を表示させることができると考えられる。
しかしながら、ストラップがこのようなコネクタを介して情報を取り出す場合、ストラップの回路構成が複雑になることで高価になると共に、コネクタ接続部が邪魔になり、携帯電話端末装置のファッション性を著しく害することになる。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明は、着信の相手先の情報を表示させることができると共に、安価で、簡単に装着できるようにした情報表示システム、情報伝送方法、携帯電話端末装置、外部表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、携帯電話端末装置と、当該携帯電話端末装置に着脱自在の外部表示装置とを備える情報表示システムであって、前記携帯電話端末装置は、前記外部表示装置を接続するストラップ接続部と、前記ストラップ接続部をコアとして巻回された一次側コイルと、前記一次側コイルにパターン信号を供給する電流制御部とを備え、前記外部表示装置は、前記ストラップ接続部に着脱自在の二次側コイルと、情報を表示する外部表示部と、前記二次側コイルと前記外部表示部との間を電気的に繋ぐストラップ部とを備え、前記二次側コイルを前記ストラップ接続部に取り付けて、前記携帯電話端末装置に前記外部表示装置を固定すると共に、前記一次側コイルと前記二次側コイルとを電磁誘導で結合し、携帯電話端末装置からの前記パターン信号を、前記一次側コイルと前記二次側コイルとの電磁誘導により前記外部表示装置に伝送することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、携帯電話端末装置から、前記外部表示装置を着脱自在に取り付けられた携帯電話端末装置に情報伝送する情報伝送方法であって、前記携帯電話端末装置の一次側コイルと前記外部表示装置の二次側コイルとを電磁誘導で結合し、携帯電話端末装置からの前記パターン信号を、前記一次側コイルと前記二次側コイルとの電磁誘導を介して伝送することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、ストラップを着脱自在に取り付けるストラップ接続部と、前記ストラップ接続部をコアとして巻回された一次側コイルと、前記一次側コイルにパターン信号を供給する電流制御部とを備え、前記ストラップ接続部に接続された二次側コイルに、伝送する情報に基づくパターン信号を電磁誘導で送信可能としたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、携帯電話端末装置のストラップ接続部に着脱自在に取り付ける二次側コイルと、情報を表示する外部表示部と、前記二次側コイルと前記外部表示部との間を繋ぐストラップ部とを備え、前記二次側コイルを前記携帯電話端末装置のストラップ接続部に取り付けて固定すると共に、前記一次側コイルと前記二次側コイルとを電磁誘導で結合し、携帯電話端末装置からの前記パターン信号が、前記一次側コイルと前記二次側コイルとの電磁誘導により伝送されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外部表示装置の二次側コイルを携帯電話端末装置のストラップ接続部に取り付けると、携帯電話端末装置側の一次側コイルと外部表示装置側の二次側コイルとが電磁誘導で結合される。このため、携帯電話端末装置からのパターン信号を、外部表示装置側に電磁誘導で送ることができ、外部表示装置に、着信の相手先の情報を簡単に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の携帯電話端末装置及び外部表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の携帯電話端末装置に外部表示装置を取り付けて使用する場合の状態の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における携帯電話端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態における外部表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の携帯電話端末装置及び外部表示装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の携帯電話端末装置11は、CPU(中央処理装置)12と、メモリ13と、送受信部14と、キー入力部15と、表示部16と、電流制御部17と、一次側コイル18と、ストラップ接続部19とを備えている。
【0015】
CPU12は、装置内の各部と接続されており、装置内の各部を制御する。また、CPU12は、着信時の相手先等に対応するパターン信号を、メモリ13から読み出して、出力する機能を有する。
メモリ13は、CPU12が実行するための各種の制御用プログラムやデータの保管に使用される。また、メモリ13には、着信時の相手先等に対応するパターン信号が記憶されている。
送受信部14は、無線によってデータの送受信を行う回路である。
キー入力部15は、各種キーからのキー入力を受け付ける入力回路である。
表示部16は、装置本体の前面に配置されており、液晶パネルあるいは有機EL等の表示装置である。
電流制御部17は、CPU12で生成されたパターン信号を一次側コイル18に供給する。ストラップ接続部19は、例えばフェライト部材からなり、ストラップを取り付けるための取り付け金具であると共に、一次側コイル18のコアとなっている。
一次側コイル18は、ストラップ接続部19をコアとして巻回されている。
【0016】
外部表示装置21は、ユーザが携帯電話端末装置11に着脱自在に取り付けて使用される。図1に示すように、外部表示装置21は、外部表示部22と、信号検出部23と、ストラップ部24と、二次側コイル25で構成される。
【0017】
二次側コイル25は、携帯電話端末装置11のストラップ接続部19に着脱自在に取り付ける接続部となると共に、携帯電話端末装置11の一次側コイル18と電磁誘導で結合され、携帯電話端末装置からのパターン信号を受信する。例えば、ストラップ接続部19が開閉部を備えるカラビナ状の構造を有していれば、当該開閉部を開放することで、二次側コイル25を携帯電話端末装置11に着脱させることができる。なお、二次側コイル25がストラップ接続部19に着脱自在であるための構成はこれに限られず、二次側コイル25またはストラップ接続部19が他の構造を有することで着脱自在となっていても良い。
【0018】
ストラップ部24は、二次側コイル25と外部表示装置21との間を繋ぐ吊り紐であると共に、二次側コイル25と外部表示装置21との間の信号を伝送する。
信号検出部23は、二次側コイル25からストラップ部24を介して伝送されてきたパターン信号を検出する。
外部表示部22は、例えば、液晶パネルや有機ELで構成され、パターン信号に基づく情報を表示する。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態の携帯電話端末装置11に外部表示装置21を取り付けて使用する場合の状態の説明図である。
【0020】
図2に示すように、外部表示装置21は、ストラップ部24の先端の二次側コイル25が携帯電話端末装置11のストラップ接続部19に巻回されることにより、携帯電話端末装置11に取り付けられる。前述したように、ストラップ接続部19は、例えばフェライト部材からなっている。外部表示装置21の二次側コイル25を携帯電話端末装置11のストラップ部24に取り付けると、携帯電話端末装置11側の一次側コイル18と、外部表示装置21側の二次側コイル25とは、電磁誘導で結合される。
【0021】
図1において、メモリ13には、着信の相手先に応じたパターン信号が記憶されている。携帯電話端末装置11に着信があると、CPU12は、メモリ13から着信の相手先に応じたパターン信号を読み出し、このパターン信号を電流制御部17に供給する。電流制御部17は、CPU12からのパターン信号に応じた電流を一次側コイル18に供給する。
【0022】
前述したように、外部表示装置21を携帯電話端末装置11のストラップ部24に取り付けると、携帯電話端末装置11側の一次側コイル18と外部表示装置21側の二次側コイル25とは電磁誘導で結合される。このため、一次側コイル18に着信の相手先に応じたパターン信号が流れると、このパターン信号は、一次側コイル18から二次側コイル25に伝えられ、ストラップ部24を介して、信号検出部23に供給される。
【0023】
信号検出部23は、着信の相手先に応じたパターン信号から、例えば電話番号や相手先を示す表示信号を生成し、この表示信号を外部表示部22に供給する。外部表示部22は、この表示信号により、図2に示すように、電話番号や相手先を示す情報の表示を行う。
【0024】
図3は、本発明の第1の実施形態における携帯電話端末装置11の動作を示すフローチャートである。図3において、CPU12は、着信があったかどうかを判定し(ステップS1)、着信があったら、メモリ13から、着信の相手先に応じたパターン信号を読み出し(ステップS2)、このパターン信号を電流制御部17に供給する(ステップS3)。これにより、一次側コイル18に、パターン信号に応じた電流が流れる。一次側コイル18に、パターン信号に応じた電流が流されると、電磁誘導により、二次側コイル25に、パターン信号に応じた電流が流れる。
【0025】
図4は、本発明の第1の実施形態における外部表示装置21の動作を示すフローチャートである。図4において、外部表示装置21の信号検出部23は、二次側コイル25に電磁誘導によるパターン信号に応じた電流が流れるかどうかを検出しており(ステップS11)、二次側コイル25にパターン信号に応じた電流が流れると、着信の相手先に応じたパターン信号から、例えば電話番号や相手先を示す表示信号を生成し、この表示信号を外部表示部22に供給する(ステップS12)。外部表示部22は、この表示信号により、電話番号や相手先の名前を示す情報の表示を行う(ステップS13)。
【0026】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態では、外部表示装置21の二次側コイル25を携帯電話端末装置11のストラップ接続部19に取り付けると、携帯電話端末装置11側の一次側コイル18と外部表示装置21側の二次側コイル25とが電磁誘導で結合される。このため、CPU12からのパターン信号を、外部表示装置21側に電磁誘導で送ることができ、外部表示装置21に、着信の情報を簡単に表示させることができる。
【0027】
なお上述の実施形態では、着信の相手先の電話番号や相手の名前のパターン信号を、一次側コイル18と二次側コイル25との電磁誘導により、携帯電話端末装置11から外部表示装置21に伝送して、外部表示部22に表示させているが、着信の情報以外にも、時刻アラームやバッテリー残量アラームなどを示すパターン信号を電流制御部17に信号を送出し、一次側コイル18と二次側コイル25との電磁誘導により、携帯電話端末装置11から外部表示装置21に伝送して、外部表示部22に表示をさせることができるようにしても良い。
【0028】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0029】
11:携帯電話端末装置
12:CPU
13:メモリ
14:送受信部
15:キー入力部
16:表示部
17:電流制御部
18:一次側コイル
19:ストラップ接続部
21:外部表示装置
22:外部表示部
23:信号検出部
24:ストラップ部
25:二次側コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話端末装置と、当該携帯電話端末装置に着脱自在の外部表示装置とを備える情報表示システムであって、
前記携帯電話端末装置は、
前記外部表示装置を接続するストラップ接続部と、
前記ストラップ接続部をコアとして巻回された一次側コイルと、
前記一次側コイルにパターン信号を供給する電流制御部とを備え、
前記外部表示装置は、
前記ストラップ接続部に着脱自在の二次側コイルと、
情報を表示する外部表示部と、
前記二次側コイルと前記外部表示部との間を電気的に繋ぐストラップ部とを備え、
前記二次側コイルを前記ストラップ接続部に取り付けて、前記携帯電話端末装置に前記外部表示装置を固定すると共に、前記一次側コイルと前記二次側コイルとを電磁誘導で結合し、
携帯電話端末装置からの前記パターン信号を、前記一次側コイルと前記二次側コイルとの電磁誘導により前記外部表示装置に伝送する
ことを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
前記携帯電話端末装置から前記外部表示装置に、着信の相手先に基づく情報をパターン信号で伝送し、前記外部表示装置は、前記着信の相手先に基づく情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記携帯電話端末装置から前記外部表示装置に、時刻アラームに基づく情報をパターン信号で伝送し、前記外部表示装置は、前記時刻アラームに基づく情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記携帯電話端末装置から前記外部表示装置に、バッテリー残量に関する情報をパターン信号で伝送し、前記外部表示装置は、前記バッテリー残量に関する情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項5】
携帯電話端末装置から、前記外部表示装置を着脱自在に取り付けられた携帯電話端末装置に情報伝送する情報伝送方法であって、
前記携帯電話端末装置の一次側コイルと前記外部表示装置の二次側コイルとを電磁誘導で結合し、携帯電話端末装置からの前記パターン信号を、前記一次側コイルと前記二次側コイルとの電磁誘導を介して伝送する
ことを特徴とする情報伝送方法。
【請求項6】
ストラップを着脱自在に取り付けるストラップ接続部と、
前記ストラップ接続部をコアとして巻回された一次側コイルと、
前記一次側コイルにパターン信号を供給する電流制御部とを備え、
前記ストラップ接続部に接続された二次側コイルに、伝送する情報に基づくパターン信号を電磁誘導で送信可能とした
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項7】
携帯電話端末装置のストラップ接続部に着脱自在に取り付ける二次側コイルと、
情報を表示する外部表示部と、
前記二次側コイルと前記外部表示部との間を繋ぐストラップ部とを備え、
前記二次側コイルを前記携帯電話端末装置のストラップ接続部に取り付けて固定すると共に、前記一次側コイルと前記二次側コイルとを電磁誘導で結合し、
携帯電話端末装置からの前記パターン信号が、前記一次側コイルと前記二次側コイルとの電磁誘導により伝送される
ことを特徴とする外部表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−176685(P2011−176685A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40133(P2010−40133)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】