説明

情報表示装置、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体

【課題】表示領域に道路と道路番号とを適切に表示可能な地図情報生成装置を提供する。
【解決手段】地図情報生成装置100の処理部150は、スケール1,2,3,4における道路番号の注記文字列の最終配置位置を、同一の道路番号が付与されたと認識された同一番号リンクに沿いかつ少なくとも1つの注記文字列が道路とともに表示領域に表示される位置に設定する。処理部150は、道路番号の注記文字列の最終配置位置の設定状態を反映させて注記データを生成して、この注記データに基づいて道路番号を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示領域に道路と道路番号とを表示する情報表示装置、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置において、例えば車両の現在位置近傍の地図をいわゆる鳥瞰図として表示させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ナビゲーション装置において、車両の走行位置を示す自車位置マーク近傍に、走行中の道路名称を表示させる構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものは、車両が現在走行中の経路と今後走行予定の経路を道路地図データから抽出する。また、これら抽出した経路などに関する文字データとその表示位置データを道路地図データから読み出す。さらに、表示位置に最も近い道路リンクの方角と同一の方角に表示文字を整列するとともに、道路との重なりがなくなるまで表示文字を道路リンクに垂直な方向に移動する。そして、表示位置を決定した文字をディスプレイの鳥瞰図道路地図上に描画する。
【0004】
また、特許文献2に記載のものは、自動車の現在位置周辺でかつ画面表示範囲より広い範囲の地図データを地図データ記憶部から読み出すとともに、自動車の走行に応じて地図をスクロール表示する。さらに、表示中の地図エリアに国道が存在しかつ自動車が国道を走行していることを認識すると、地図データの道路レイヤから走行道路の道路番号を抽出する。そして、この道路番号の道路番号画像を発生して、自動車位置マークの近傍に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3402011号公報(第2頁左欄−第3頁右欄、図5)
【特許文献2】特許2928404号公報(第2頁右欄−第3頁右欄、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載のような構成に利用される地図情報における道路名称の配置位置は、一般的に地図情報の制作者が設定することが考えられる。このため、この道路名称の配置位置を設定する作業が煩わしいおそれがあるという問題点が一例として挙げられる。また、特許文献1に記載のような構成において、所定の領域の地図を異なる縮尺で表示領域に表示させる際に、1つの縮尺に対応する地図情報が有する道路名称の表示位置情報に基づいて道路名称を表示させることが考えられる。しかしながら、このような構成では、地図が拡大して表示された際に道路名称の表示間隔が広がってしまい、表示領域に道路名称が表示されなくなるおそれがあるという問題点が一例として挙げられる。さらに、特許文献2のような構成では、車両の現在位置を認識する構成が必要なため、道路名称を表示させる構成が複雑になるおそれがあるという問題点が一例として挙げられる。
【0007】
本発明の目的は、表示領域に道路と道路番号とを適切に表示可能な情報表示装置、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、表示領域に道路と道路番号とを表示する情報表示装置であって、前記表示領域内の道路上に前記道路番号を表示する表示手段と、前記表示領域の縮尺の変更に応じて、前記道路上における前記道路番号の表示位置を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、広域を示す第1の縮尺から詳細を示す第2の縮尺に変更された場合に、第1の縮尺において表示されていた道路番号の表示位置を前記表示領域内の道路上の異なる位置に変更することを特徴とする情報表示装置である。
【0009】
請求項7に記載の発明は、コンピュータにより、表示領域に道路と道路番号とを表示する情報表示方法であって、前記コンピュータは、前記表示領域内の道路上に前記道路番号を表示する表示手段を備え、当該コンピュータは、前記表示領域の縮尺の変更に応じて、前記道路上における前記道路番号の表示位置を制御する表示制御工程を実施し、前記表示制御工程では、広域を示す第1の縮尺から詳細を示す第2の縮尺に変更された場合に、第1の縮尺において表示されていた道路番号の表示位置を前記表示領域内の道路上の異なる位置に変更することを特徴とする情報表示方法である。
【0010】
請求項8に記載の発明は、コンピュータを請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の情報表示装置として機能させることを特徴とする情報表示プログラムである。
【0011】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の情報表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報表示プログラムである。
【0012】
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の情報表示プログラムがコンピュータにて読取可能に記録されたことを特徴とする情報表示プログラムを記録した記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る地図情報生成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記一実施の形態における地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図3】前記一実施の形態における地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図4】前記一実施の形態におけるリンク情報テーブルの概略構成を示す模式図である。
【図5】前記一実施の形態におけるノード情報テーブルの概略構成を示す模式図である。
【図6】前記一実施の形態における注記データの概略構成を示す模式図である。
【図7】前記一実施の形態におけるスケール1の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。
【図8】前記一実施の形態におけるスケール2の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。
【図9】前記一実施の形態におけるスケール3の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。
【図10】前記一実施の形態におけるスケール4の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。
【図11】前記一実施の形態における仮配置位置に配置された道路番号の注記文字列に対する重複既存注記が存在した場合に設定される最終配置位置を示す模式図である。
【図12】前記一実施の形態におけるスケール1の縮尺で表される領域において設定される道路名称の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。
【図13】前記一実施の形態における道路番号に関する注記データの生成処理を示すフローチャートである。
【図14】前記一実施の形態における道路番号の最終配置位置の設定処理を示すフローチャートである。
【図15】前記一実施の形態における道路名称に関する注記データの生成処理を示すフローチャートである。
【図16】前記一実施の形態における道路名称の最終配置位置の設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の情報表示装置としての地図情報生成装置であって、例えば車両などの移動体に搭載される表示装置で地図を表示させるための地図情報を生成する構成を例示して説明する。図1は、地図情報生成装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図3は、地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図4は、リンク情報テーブルの概略構成を示す模式図である。図5は、ノード情報テーブルの概略構成を示す模式図である。図6は、注記データの概略構成を示す模式図である。図7は、スケール1の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。図8は、スケール2の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。図9は、スケール3の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。図10は、スケール4の縮尺で表される領域において設定される道路番号の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。図11は、仮配置位置に配置された道路番号の注記文字列に対する重複既存注記が存在した場合に設定される最終配置位置を示す模式図である。図12は、スケール1の縮尺で表される領域において設定される道路名称の注記文字列の最終配置位置を示す模式図である。
【0015】
[地図情報生成装置の構成]
図1において、100は地図情報生成装置である。この地図情報生成装置100は、例えば施設や工場あるいは店舗などの対象物としての地物や交差点に関する各種情報、移動路である道路に付与された道路番号や道路名称などを道路などとともに地図として図示しない表示装置の表示領域に表示させるための地図情報を生成する。そして、地図情報生成装置100は、入力部110と、表示手段としての表示部120と、記憶手段130と、メモリ140と、表示制御手段としての処理部150と、などを備えている。
【0016】
入力部110は、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えば地図情報生成装置100の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、地図情報を生成する際の各種設定、各種情報の検索などが例示できる。そして、入力部110は、設定事項の入力操作により、所定の信号を処理部150へ適宜出力して設定させる。
【0017】
表示部120は、処理部150にて制御され処理部150からの画像データの信号を画面表示させる。この表示部120としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。また、表示部120に表示させる画像データとしては、地物や交差点に関する情報や記憶手段130に記憶された地図情報に基づく地図などの画像データなどが例示できる。
【0018】
記憶手段130は、例えば図2および図3に示すような地図情報と、図4に示すようなリンク情報テーブル200と、図5に示すようなノード情報テーブル250と、などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。この記憶手段130としては、HD(Hard Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成などが例示できる。
【0019】
ここで、地図情報は、例えば図2に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図3に示すようなマッチングデータMMと、図示しない記号関連情報と、などを備えている。
【0020】
表示用データVMは、例えばそれぞれ固有の番号が付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。各表示用メッシュ情報VMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。
【0021】
そして、表示用メッシュ情報VMxは、名称情報VMxAと、道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。名称情報VMxAは、その領域における他要素データである例えば交差点の名称や地域の名称、すなわち地物や交差点に関する注記などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。ここで、注記は、地物の位置(以下、真位置と称す)を中心に配置される記号と、真位置や真位置から離間した位置に配置され地物の説明や名称あるいは内容を表す注記文字列と、真位置を中心に配設される指示点と、この指示点および注記文字列を結ぶ引出線と、などを備えている。そして、名称情報VMxAは、図6に示すように、複数の移動路関連情報としての注記データ170を有する注記リストデータ160などを備えている。
【0022】
注記データ170は、注記を表示させるための情報である。そして、注記データ170は、注記真位置データ180と、表示文字列データ190と、などを備えている。なお、注記データ170は、表示文字列データ190を備えない構成、あるいは、複数の表示文字列データ190を備えた構成となる場合もある。
【0023】
注記真位置データ180は、注記を適宜表示させるためのデータである。この注記真位置データ180は、オブジェクトID(Identification)情報181と、移動路内容情報および対象物内容情報としても機能する注記文字列情報182と、注記文字数情報183と、注記種別情報184と、スケール1表示タイプ情報185と、スケール2表示タイプ情報186と、スケール3表示タイプ情報187と、スケール4表示タイプ情報188と、真位置形状情報189と、などが1つのデータ構造として構成されている。
【0024】
オブジェクトID情報181は、注記真位置データ180を特定する固有の情報である。注記文字列情報182は、地図上に注記文字列を表示させるための情報である。具体的には、この注記文字列情報182には、例えば「MKWAKWANI」などの地名や、「AB町C丁目」などの交差点の名称、あるいは「CD病院」などの建物の名称など、文字を表す文字情報が記録される。なお、この注記文字列情報182に道路の番号を数字で表す文字情報が記録され、かつ、注記種別情報184に記録された種別が道路番号の場合、この数字は、例えば三角形や六角形あるいは八角形などの図形に重複した状態で表示装置に適宜表示される。ここで、注記種別情報184の種別が道路番号の場合、表示タイプが後述する無表示タイプまたは記号表示タイプに設定されるため、道路番号を示す数字は、図形とともに記号として適宜表示される。
【0025】
注記文字数情報183は、注記文字列情報182に基づいて表示される注記文字列の文字数を示す情報である。注記種別情報184は、注記真位置データ180に対応する注記の種別を示す情報である。具体的には、この注記種別情報184には、空港、警察署、大学、神社、地下鉄路線名、主要交差点、道路番号、都市高速道路や街道あるいは国道の道路名称など、注記の種別を示す情報が記録される。
【0026】
スケール1表示タイプ情報185は、地図縮尺が例えば10万分の1(以下、スケール1と称す)の場合における注記の表示タイプを示す情報である。具体的には、このスケール1表示タイプ情報185には、表示タイプが無表示タイプ、文字表示タイプ、記号文字表示タイプ、引出文字表示タイプ、記号表示タイプのいずれかである旨の情報が記録される。ここで、無表示タイプは、注記を表示させないタイプである。文字表示タイプは、注記文字列のみを表示させるタイプである。記号文字表示タイプは、記号および注記文字列を表示させるタイプである。引出文字表示タイプは、注記文字列と、指示点と、引出線と、を表示させるタイプである。記号表示タイプは、記号のみを表示させるタイプである。スケール2表示タイプ情報186は、地図縮尺が例えば5万分の1(以下、スケール2と称す)の場合における注記の表示タイプを示す情報である。スケール3表示タイプ情報187は、地図縮尺が例えば2万5千分の1(以下、スケール3と称す)の場合における注記の表示タイプを示す情報である。スケール4表示タイプ情報188は、地図縮尺が例えば1万2千5百分の1(以下、スケール4と称す)の場合における注記の表示タイプを示す情報である。
【0027】
ここで、スケール1表示タイプ情報185、スケール2表示タイプ情報186、スケール3表示タイプ情報187、スケール4表示タイプ情報188で示される表示タイプは、注記種別情報184の種別に対応して設定されている。すなわち、例えば注記種別情報184の種別が空港の場合、表示タイプは、スケール1,2,3,4において記号文字表示タイプに設定されている。また、種別が交番の場合、表示タイプは、スケール1が無表示タイプ、スケール2、スケール3、スケール4が記号表示タイプに設定されている。さらに、種別が道路番号の場合、表示タイプは、スケール1,2,3,4において上述したように無表示タイプまたは記号表示タイプに設定される。そして、種別が道路名称の場合、表示タイプは、スケール1,2,3,4において無表示タイプまたは文字表示タイプに設定される。なお、スケール1,2,3,4の縮尺としては、上述した縮尺に限らず適宜他の縮尺としてもよい。
【0028】
真位置形状情報189は、地図上における真位置を示す情報である。具体的には、真位置形状情報189には、真位置に対応する1つの緯度および経度を例えばX座標およびY座標で示す情報が記録されている。
【0029】
表示文字列データ190は、注記を所定の位置に配置表示させるためのデータである。そして、表示文字列データ190は、オブジェクトID情報191と、フォントサイズ情報192と、対応注記文字ID情報193と、内容位置情報としての文字列形状情報194と、などが1つのデータ構造として構成されている。
【0030】
オブジェクトID情報191は、表示文字列データ190を特定する固有の情報である。フォントサイズ情報192は、地図に表示される注記文字列のフォントサイズを示す情報である。なお、スケール1,2,3,4の全ての表示タイプが注記文字列を表示させないタイプ、すなわち無表示タイプまたは記号表示タイプの場合、フォントサイズ情報192を表示文字列データ190に組み込まない構成としてもよい。また、フォントサイズ情報192に、注記種別情報184の種別に対応したフォントサイズに関する情報を記録する構成としてもよい。対応注記文字ID情報193は、表示文字列データ190に対応する注記真位置データ180の固有の情報、すなわちオブジェクトID情報181に記録された情報と同一の情報である。
【0031】
文字列形状情報194は、フォントサイズ情報192でフォントサイズが設定された注記文字列の文字領域の位置や、引出線の位置を示す情報である。具体的には、文字列形状情報194には、文字領域や引出線の各頂点の座標を示す情報が記録されている。すなわち、例えば文字領域が長方形状の場合、4つの頂点の座標が記録される。また、文字領域が屈曲した形状の場合、例えば屈曲位置の座標など屈曲した形状を示すことが可能な座標が記録される。さらに、注記種別情報184に記録された種別が道路番号の場合、道路番号を囲む図形の外形を特定する座標が記録される。例えば、図形が多角形の場合、各頂点の座標が記録される。また、引出線が三角形状の場合、3つの頂点の座標が記録される。さらに、表示タイプが文字表示タイプ、記号文字表示タイプ、引出文字表示タイプのいずれかに設定されたスケール1,2,3,4のそれぞれに対応する文字領域の座標が記録される。すなわち、例えばスケール1が無表示タイプで、スケール2,3,4が文字表示タイプの場合、文字列形状情報194には、スケール2,3,4に対応する文字領域の座標が記録される。また、表示タイプが引出文字表示タイプに設定されたスケール1,2,3,4のそれぞれに対応する引出線の座標が記録される。なお、文字領域や引出線が長方形状の場合、対角線の両端に位置する2つの頂点の座標のみを記録する構成としてもよい。
【0032】
道路情報VMxBは、その領域における道路要素データである道路を絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。背景情報VMxCは、他要素データである著名な場所や建造物などを示すマークや、その著名な場所や建造物などを示す他要素データである画像情報などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。
【0033】
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。各マッチングメッシュ情報MMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。ここで、縮尺が同一であれば固有の番号の情報を用いてデータを関連付けておけばよく、また縮尺が異なる場合であれば例えば絶対座標を用いてデータを関連付けるなどすればよい。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
【0034】
リンク列ブロック情報は、図3に示すように、道路を構成し地点を表すノードNを結ぶ線分であるリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。具体的には、道路の所定の長さ例えば甲州街道や青梅街道などの連続する道路のように、リンクLが折れ線上にそれぞれ連なった連続するリンク列となるもので関連付けられている。そして、リンクLは、各リンクLに付加された固有の番号のリンクIDを有している。
【0035】
また、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNは、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号であるノードIDを有している。
【0036】
リンク情報テーブル200は、図4に示すように、リンク情報210が複数記録されたテーブル構造に構成されている。リンク情報210は、上述したリンク列ブロック情報の各リンクLに関連付けられた情報である。このリンク情報210は、オブジェクトID情報211と、道路種別情報212と、リンク種別情報213と、連結ノード特定情報としての始点ノードID情報214と、連結ノード特定情報としての終点ノードID情報215と、国道県道番号情報216と、路線名称情報217と、道路形状情報218と、などが1つのデータ構造として構成されている。
【0037】
オブジェクトID情報211は、各リンクLのリンクIDに関連付けられ、各リンク情報210を特定する固有の情報である。このオブジェクトID情報211には、リンクLのリンクIDが記録され、このオブジェクトID情報211によりリンク情報210に対するリンクLが特定される。なお、オブジェクトID情報211は、各リンクLを特定する情報が記録されていればよく、リンクID以外に例えばリンクLの座標などが記録されているものであってもよい。道路種別情報212は、オブジェクトID情報211で特定されるリンクLに対応する道路の種別に関する情報である。具体的には、この道路種別情報212には、例えばリンクLが有料道路であるか否か、本線か否か、国道であるか県道であるか否か、一方通行道路であるか否か、トンネルであるか否かなどのフラグ情報が記録される。さらに、リンクLの区間距離や、制限速度に関する情報などが記録されていてもよい。リンク種別情報213は、オブジェクトID情報211で特定されるリンクLの種別に関する情報である。具体的には、このリンク種別情報213には、例えばリンクLが交差点内においてリンクLの連結を表すためのショートリンク(以下、交差点内リンクと称す)Lか否か、いわゆる上下線が分離された道路のリンクLか否か、右折や左折専用のためのショートリンクLか否かなどの情報が記録される。
【0038】
始点ノードID情報214は、リンク列ブロック情報において、オブジェクトID情報211で特定されるリンクLの始点に配置されるノードNを特定するための情報である。この始点ノードID情報214には、リンクLの始点に配置されるノードNの例えばノードIDが記録される。なお、始点ノードID情報214には、ノードNの座標や住所などが記録されているものであってもよい。終点ノードID情報215は、リンク列ブロック情報において、オブジェクトID情報211で特定されるリンクLの終点に配置されるノードNを特定するための情報である。この終点ノードID情報215には、始点ノードID情報214と同様の情報が記録される。
【0039】
国道県道番号情報216は、オブジェクトID情報211にて特定されるリンクLに対応する道路が県道や国道の場合、この県道や国道に付与された番号を例えば「1」や「14」などの数字で表す情報である。路線名称情報217は、オブジェクトID情報211にて特定されるリンクLに対応する道路に固有の名称が付与されている場合、この付与された例えば「青梅街道」などの名称を表す情報である。道路形状情報218は、オブジェクトID情報211にて特定されるリンクLに対応する道路の形状に関する情報である。具体的には、この道路形状情報218には、例えば道路幅、車線数、中央分離帯を有するか否か、歩道を有するか否かなどの情報が記録されている。
【0040】
ノード情報テーブル250は、図5に示すように、ノード情報260が複数記録されたテーブル構造に構成されている。ノード情報260は、リンク列ブロック情報の各ノードNに関連付けられた情報である。このノード情報260は、オブジェクトID情報261と、接続リンク情報262と、座標情報であるノード座標情報263と、分岐フラグ情報264と、交差点名称情報265と、交差点関連情報266と、固有地点情報267と、などが関連付けられた1つのデータに構成されている。
【0041】
オブジェクトID情報261は、リンクLの両端に位置されるノードNのノードIDに関連付けられ、各ノード情報260を特定する固有の情報である。このオブジェクトID情報261には、例えばノードIDが記録され、このオブジェクトID情報261によりノード情報260に対するリンクLが特定される。なお、オブジェクトID情報261は、ノードNを特定するノードNの座標に関する情報などが記録されているものであってもよい。接続リンク情報262は、オブジェクトID情報261にて特定されるノードNに接続されるリンクLに関する情報である。この接続リンク情報262には、例えばノードNに接続されるリンクLのリンクIDが記録される。
【0042】
ノード座標情報263は、オブジェクトID情報261にて特定されるノードNの位置に関する情報である。このノード座標情報263には、例えば地図情報上におけるノードNの緯度および経度を例えばX座標およびY座標で示す情報が記録される。なお、これらの位置座標に関する情報の他に、ノードNの住所などが記録されていてもよい。分岐フラグ情報264は、オブジェクトID情報261にて特定されるノードNが交差点であるか否かを示すフラグ情報である。そして、分岐フラグ情報264は、例えばノードNが単に地点を示すものである場合「0」が記録され、ノードNが交差点である場合「1」が記録される。なお、分岐フラグ情報264が設けられない構成としてもよく、この場合、接続リンク情報262で2本以上のリンクLと接続される場合に交差点であると判断する構成にしてもよい。
【0043】
交差点名称情報265は、例えばノードNの分岐フラグ情報264に「1」が記録されてノードNが交差点である場合に記録される交差点の名称を表す情報である。交差点関連情報266は、ノードNが交差点である場合に記録される交差点の詳細な情報である。この交差点関連情報266には、例えばノードNの交差点の右左折に関する情報、右折レーンまたは左折レーンの有無に関する情報、信号の有無に関する情報などが記録される。なお、交差点関連情報266に交差点の名称に関する情報を記録して、ノード情報260に交差点名称情報265を組み込まない構成としてもよい。固有地点情報267は、オブジェクトID情報261にて特定されるノードNの名称に関する情報である。固有地点情報267には、例えば、その地点の名称、または目印となる建物の名称などが記録される。
【0044】
記号関連情報は、記号に関する情報である。この記号関連情報は、記号情報と、記号種別情報と、記号形状サイズ情報と、などが1つのデータ構造として構成されている。なお、記号関連情報に、記号情報を含まないデータ構造としてもよい。
【0045】
記号情報は、記号を表示させるための記号情報である。記号種別情報は、記号情報で示される地物の種別を示す情報である。具体的には、この記号種別情報には、注記真位置データ180の注記種別情報184と同様の情報が記録される。記号形状サイズ情報は、記号を表示させる際の形状サイズを示す情報である。具体的には、この記号形状サイズ情報には、例えば一般的に活字のサイズを示す単位であるポイントを用いた記号の形状サイズが記録される。
【0046】
メモリ140は、入力部110で入力操作される設定事項などを適宜読み出し可能に記憶する。また、メモリ140には、地図情報生成装置100全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。このメモリ140としては、例えば停電などにより突然電源が落ちた際にも記憶が保持される構成のメモリ、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)メモリなどを用いることが望ましい。なお、メモリ140としては、HD、DVD、光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
【0047】
処理部150は、図示しない各種入出力ポート、例えば入力部110が接続されるキー入力ポート、表示部120が接続される表示制御ポート、記憶手段130が接続される記憶ポート、メモリ140が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部150は、各種プログラムとして、図1に示すように、特定手段としても機能する移動路長認識手段としての番号付与リンク長算出手段151と、内容位置設定手段としての番号配置処理手段152と、特定手段としても機能する移動路長認識手段としての名称付与リンク長算出手段153と、内容位置設定手段としての名称配置処理手段154と、内容位置情報生成手段としても機能する移動路関連情報生成手段としての注記データ生成手段155と、などを備えている。
【0048】
番号付与リンク長算出手段151は、リンク情報テーブル200やノード情報テーブル250などに基づいて、同一の道路番号が付与されたリンクLの合計の長さを、同一の道路番号が付与された道路の実際の長さである合計リンク長として算出する。ここで、以下において、同一の道路番号が付与されたリンクLをまとめて表現する際には、同一番号リンクLbと適宜称して説明する。具体的には、番号付与リンク長算出手段151は、リンク情報テーブル200から所定のリンクLに対応するリンク情報210を取得する。そして、リンク情報210の国道県道番号情報216に道路番号が記録されていることを認識すると、このリンク情報210に対応するリンクLを番号付与リンクLとして認識する。さらに、番号付与リンクLの長さを同一番号リンクLbの小計リンク長として算出する。
【0049】
ここで、所定のリンクLの長さを算出する方法としては、例えば以下のような方法が例示できる。すなわち、リンク情報210の始点ノードID情報214および終点ノードID情報215に基づいてリンクLの始点および終点に配置されたノードNのノードIDを認識し、これら認識したノードIDがオブジェクトID情報261に記録されたノード情報260を取得する。そして、これら取得したノード情報260のノード座標情報263に記録されたノードNの座標に基づいて、リンクLの長さを算出する方法が例示できる。なお、道路種別情報212にリンクLの区間距離が記録されている場合、この区間距離に対応する長さをリンクLの長さとして認識する構成としてもよい。
【0050】
また、番号付与リンク長算出手段151は、例えば番号付与リンクLの始点や終点に配置されたノードNに対応する接続リンク情報262に基づいて、番号付与リンクLに接続されたリンクLを認識する。さらに、この接続先のリンクLの国道県道番号情報216に基づいて、接続先のリンクLが番号付与リンクLと同じ道路番号を有していることを認識すると、従前に算出した小計リンク長に接続先のリンクLの長さを加えた長さを新たな小計リンク長として算出する。そして、所定のリンクLが番号付与リンクLと同じ道路番号を有していると認識した場合に上述した処理により小計リンク長を算出し、番号付与リンクLと同じ道路番号を有していないと認識した場合に小計リンク長を同一番号リンクLbの合計リンク長として認識する。
【0051】
番号配置処理手段152は、所定の道路番号を有する同一番号リンクLbの合計リンク長の長さや、従前に配置位置が設定されている店舗などに関する注記(以下、既存注記と称す)の配置位置などに基づいて、この同一番号リンクLbが有する道路番号の注記文字列の配置位置を設定する。具体的には、番号配置処理手段152は、同一番号リンクLbの合計リンク長がスケール1,2,3,4に対してそれぞれ設定された第1,第2,第3,第4の配置間隔よりも長いか否かを適宜判断する。
【0052】
ここで、第1,第2,第3,第4の配置間隔は、実際の道路の長さが例えばそれぞれ4km、2km、1km、500mとなる間隔に、すなわちスケール1,2,3,4の全てにおける表示領域上での長さが4cmとなる間隔に設定されている。また、車両に搭載される表示装置は、一般的にいわゆる6.5インチ以上の表示領域、すなわち略矩形の短辺の長さが7.7cm以上の表示領域を有している。このため、第1,第2,第3,第4の配置間隔、すなわち4cm間隔で配置された道路番号の注記文字列のうち少なくともいずれか1つが、道路とともに表示領域に表示されることとなる。なお、各配置間隔は、上述した長さに限らず、表示領域に少なくとも1つの道路番号の注記文字列が表示される間隔であれば、適宜他の長さに設定してもよい。例えば家庭などに設置されるパーソナルコンピュータのモニターなど車両に搭載される表示装置よりも大きい表示領域を有する表示装置を対象とする場合、各配置間隔を上述した長さよりも長く設定してもよい。また、例えば携帯電話など車両に搭載される表示装置よりも小さい表示領域を有する表示装置を対象とする場合、各配置間隔を上述した長さよりも短く設定してもよい。そして、合計リンク長が第1,第2,第3,第4の配置間隔に第1,第2,第3,第4の配置間隔よりも短い所定の長さを加えた長さよりも長いか否かを判断する構成としてもよい。
【0053】
そして、番号配置処理手段152は、合計リンク長が例えば第1の配置間隔よりも長いと判断した場合、同一番号リンクLb上に複数の道路番号の注記文字列を配置できると認識する。例えば、合計リンク長が5kmの場合、2個の道路番号を第1の配置間隔である4kmに対応する間隔だけ離して配置できると認識する。また、合計リンク長が10kmの場合、3個の道路番号を配置できると認識する。すなわち、合計リンク長を第1の配置間隔で除した値の小数点以下を切り捨てた値に1を加えた数だけ道路番号を配置できると認識する。なお、上述した小数点以下を切り捨てた値の数だけ、あるいは小数点以下を切り捨てた値から所定の値だけ減じた数だけ道路番号を配置できると認識する構成としてもよい。そして、番号配置処理手段152は、複数の道路番号の注記文字列の仮配置位置を同一番号リンクLb上に第1の配置間隔毎に設定する。
【0054】
また、番号配置処理手段152は、合計リンク長が例えば第1の配置間隔よりも短いと判断した場合、同一番号リンクLb上に1個の道路番号の注記文字列しか配置できないと認識する。そして、1個の道路番号の注記文字列の仮配置位置を同一番号リンクLb上の所定の位置、例えば同一番号リンクLb上の中心や始点あるいは終点近傍の位置に設定する。
【0055】
さらに、番号配置処理手段152は、所定の道路番号を表す文字数と、例えばあらかじめそれぞれ設定されたフォントサイズおよび数字を囲む図形の形状と、などに基づいて注記文字列の文字領域の形状を認識する。そして、この形状を認識した文字領域を、仮配置位置に対応しかつ同一番号リンクLbに重複する状態に設定する。例えば、図7に示すような領域G11がスケール1の縮尺で表される場合、道路番号の注記文字列Wjt(tは自然数)を囲む八角形状の文字領域Hjt(tは自然数)を、仮配置位置Jat(tは自然数)に対応し、かつ、同一番号リンクLbに重複する状態に設定する。また、図7に示すような領域G21がスケール2の縮尺で表される場合、すなわちスケール1の2倍の縮尺で表される場合、図8に示すように、注記文字列Wju(uは自然数)の文字領域Hju(uは自然数)を、仮配置位置Jbu(uは自然数)に対応し、かつ、同一番号リンクLbに重複する状態に設定する。さらに、図7に示すような領域G31がスケール3の縮尺で表される場合、すなわちスケール1の4倍の縮尺で表される場合、図9に示すように、注記文字列Wjv(vは自然数)の文字領域Hjv(vは自然数)を、仮配置位置Jcv(vは自然数)に対応し、かつ、同一番号リンクLbに重複する状態に設定する。そして、図7に示すような領域G41がスケール4の縮尺で表される場合、すなわちスケール1の8倍の縮尺で表される場合、図10に示すように、注記文字列Wjw(wは自然数)の文字領域Hjw(wは自然数)を、仮配置位置Jdw(wは自然数)に対応し、かつ、同一番号リンクLbに重複する状態に設定する。
【0056】
そして、番号配置処理手段152は、例えば同一番号リンクLb近傍に存在する施設などの既存注記の注記データ170を取得する。さらに、この注記データ170の文字列形状情報194に基づいて、道路番号の注記文字列に重複する既存注記(以下、重複既存注記と称す)が存在することを認識すると、この重複既存注記と重複しない位置に道路番号の注記文字列の仮配置位置を再設定する。そして、注記文字列の文字領域を仮配置位置に対応しかつ同一番号リンクLbに重複する状態に設定して、重複既存注記が存在しないことを認識すると、この仮配置位置を最終配置位置として設定する。例えば、図11に示すように、仮配置位置Ja10が設定された想像線で示すような道路番号の注記文字列Wj10に対して既存注記の注記文字列Waが重複既存注記として存在している場合、道路番号の注記文字列Wj10の文字領域Hj10と注記文字列Waの文字領域Haとの重複量だけ移動させた位置を最終配置位置として設定する。ここで、文字領域Hj10が文字領域Haから所定距離だけ離れる位置を最終配置位置として設定する構成としてもよい。
【0057】
また、番号配置処理手段152は、図7〜図10に示すように、仮配置位置Ja1〜Ja4,Jb1〜Jb4,Jc1〜Jc3,Jd1〜Jd3にそれぞれ配置された道路番号の注記文字列Wj1〜Wj4に対する重複既存注記が存在しないことを認識すると、仮配置位置Ja1〜Ja4,Jb1〜Jb4,Jc1〜Jc3,Jd1〜Jd3を最終配置位置として設定する。そして、最終配置位置に配置された道路番号の注記文字列Wjtは、同一番号リンクLbに対応する道路に重複した状態で表示装置に表示される。
【0058】
ここで、上述したように第1,第2,第3,第4の配置間隔が4km、2km、1km、500mに設定されているため、表示領域上における道路番号の最終配置位置の間隔は、スケール1,2,3,4において約4cmとなる。
【0059】
名称付与リンク長算出手段153は、番号付与リンク長算出手段151と同様の処理を実施して、同一の道路名称が付与されたリンクLの合計の長さを、同一の道路名称が付与された道路の実際の長さである合計リンク長として算出する。ここで、以下において、同一の道路名称が付与されたリンクLをまとめて表現する際には、同一名称リンクLnと適宜称して説明する。具体的には、名称付与リンク長算出手段153は、リンク情報テーブル200から所定のリンクLに対応するリンク情報210を取得する。そして、リンク情報210の路線名称情報217に道路名称が記録されていることを認識すると、このリンク情報210に対応するリンクLを名称付与リンクLとして認識する。さらに、名称付与リンクLの長さを同一名称リンクLnの小計リンク長として算出する。そして、所定のリンクLが名称付与リンクLと同じ道路名称を有していると認識した場合に小計リンク長を算出し、名称付与リンクLと同じ道路名称を有していないと認識した場合に小計リンク長を同一名称リンクLnの合計リンク長として認識する。
【0060】
名称配置処理手段154は、所定の道路名称を有する同一名称リンクLnの合計リンク長の長さや、既存注記の配置位置などに基づいて、この同一名称リンクLnが有する道路名称の注記文字列の配置位置を設定する。具体的には、名称配置処理手段154は、同一名称リンクLnの合計リンク長が上述した第1,第2,第3,第4の配置間隔よりも長いか否かを適宜判断する。ここで、各配置間隔を、同一番号リンクLbに対応する間隔と異なる間隔に設定する構成としてもよい。
【0061】
そして、名称配置処理手段154は、合計リンク長が例えば第1の配置間隔よりも長いと判断した場合、同一名称リンクLn近傍に複数の道路名称の注記文字列を配置できると認識して、複数の道路名称の注記文字列の仮配置位置を同一名称リンクLn上に第1の配置間隔毎に設定する。また、合計リンク長が例えば第1の配置間隔よりも短いと判断した場合、同一名称リンクLn上に1個の道路名称の注記文字列しか配置できないと認識して、1個の道路名称の注記文字列の仮配置位置を同一名称リンクLn上の所定の位置に設定する。なお、仮配置位置を同一名称リンクLnから所定距離だけ離れた位置に第1の配置間隔毎に設定する構成としてもよい。
【0062】
さらに、名称配置処理手段154は、所定の道路名称の注記文字列の文字領域の形状を認識して、この形状を認識した文字領域を、仮配置位置に対応するとともに、同一名称リンクLnに沿いかつ重複しない状態に設定する。例えば、図12に示すような領域G12がスケール1の縮尺で表される場合、道路名称の注記文字列Wdz(zは自然数)の文字領域Hdz(zは自然数)を、仮配置位置Daz(zは自然数)に対応するとともに、同一名称リンクLnに沿いかつ重複しない状態に設定する。ここで、仮配置位置Da1近傍の同一名称リンクLnが屈曲しているため、文字領域Hd1を屈曲した形状に設定する。また、仮配置位置Da2,Da3,Da4近傍の同一名称リンクLnが略直線形状のため、文字領域Hd2,Hd3,Hd4を長方形状に設定する。さらに、図12で示すような領域G22,G32,G42がそれぞれスケール2,3,4の縮尺で表される場合も同様に道路名称の注記文字列の文字領域を設定する。
【0063】
また、名称配置処理手段154は、道路名称の注記文字列に対する重複既存注記が存在することを認識すると、この重複既存注記と重複しない位置に道路名称の注記文字列の仮配置位置を再設定する。そして、注記文字列の文字領域を仮配置位置に対応するとともに、同一名称リンクLnに沿いかつ重複しない状態に設定して、重複既存注記が存在しないことを認識すると、この仮配置位置を最終配置位置として設定する。そして、最終配置位置に配置された道路名称の注記文字列Wdzは、同一名称リンクLnに対応する道路に沿いかつ重複しない状態で表示装置に表示される。さらに、名称配置処理手段154は、図12に示すように、仮配置位置Da1〜Da4にそれぞれ配置された道路名称の注記文字列Wd1〜Wd4に対する重複既存注記が存在しないことを認識すると、仮配置位置Da1〜Da4を最終配置位置として設定する。なお、道路名称の最終配置位置の間隔も、スケール1,2,3,4において約4cmとなる。
【0064】
注記データ生成手段155は、道路番号や道路名称に関する注記文字列の最終配置位置の設定状態を反映させて注記データ170を生成する。具体的には、注記データ生成手段155は、道路番号を表示させるための注記データ170を生成する旨の設定入力を認識すると、番号付与リンク長算出手段151に所定の道路番号を有する同一番号リンクLbの合計リンク長を算出させる。そして、スケール1,2,3,4における表示タイプが記号表示タイプに設定されているか否かを適宜判断して、記号表示タイプに設定されていると判断すると、番号配置処理手段152に、この縮尺における道路番号の注記文字列の最終配置位置を設定させる。ここで、表示タイプの設定は、道路番号の注記データ170を生成する旨の設定入力とともに設定入力されたものであってもよいし、あらかじめ設定されたものであってもよい。
【0065】
また、注記データ生成手段155は、同一番号リンクLbに付与されている道路番号を記録した注記文字列情報182と、この道路番号を示す文字数を記録した注記文字数情報183と、種別が道路番号である旨を記録した注記種別情報184と、を生成する。さらに、設定された表示タイプを記録したスケール1表示タイプ情報185と、スケール2表示タイプ情報186と、スケール3表示タイプ情報187と、スケール4表示タイプ情報188と、を生成する。また、例えば同一番号リンクLbに接続された所定のノードNを選定して、このノードNに対応するノード情報260のノード座標情報263に基づいて、ノードNの座標を認識する。さらに、このノードNの座標の位置を同一番号リンクLbの真位置Pt(tは自然数)として設定して、この真位置Ptに対応する真位置形状情報189を生成する。例えば、図7に示すように、真位置P11を設定して真位置形状情報189を生成する。そして、これら生成した各種情報と、任意に設定したオブジェクトID情報181と、を組み込んだ注記真位置データ180を生成する。
【0066】
さらに、注記データ生成手段155は、1つの道路番号の注記文字列に対するスケール1,2,3,4における最終配置位置を示す座標を認識して、これらの座標と、注記文字列を表示させる際のスケールに関する情報と、を関連付けて記録した文字列形状情報194を生成する。ここで、注記データ生成手段155は、スケール1,2,3,4のうち少なくともいずれか1つの縮尺において最終配置位置が複数設定されている場合、すなわち複数の道路番号の注記文字列を表示させる場合、この設定された数に対応する個数の表示文字列データ190を生成する。すなわち、例えばスケール1,2,3,4においてそれぞれ4,8,16,32個の最終配置位置が設定された場合、32個の文字列形状情報194を生成する。そして、例えば1〜4番目の文字列形状情報194に、スケール1,2,3,4における最終配置位置の座標を記録する。また、5〜8番目の文字列形状情報194に、スケール2,3,4における最終配置位置の座標を記録する。さらに、9〜16番目の文字列形状情報194に、スケール3,4における最終配置位置の座標を記録する。そして、17〜32番目の文字列形状情報194に、スケール4における最終配置位置の座標を記録する。
【0067】
なお、例えば以下のような構成としてもよい。すなわち、スケール1,2,3,4においてそれぞれ4,8,16,32個の最終配置位置が設定された場合、この最終配置位置の個数である60個の文字列形状情報194を生成する。そして、1〜4番目の文字列形状情報194にスケール1の最終配置位置を、5〜12番目の文字列形状情報194にスケール2の最終配置位置を、13〜28番目の文字列形状情報194にスケール3の最終配置位置を、29〜60番目の文字列形状情報194にスケール4の最終配置位置を、それぞれ記録する構成としてもよい。
【0068】
また、注記データ生成手段155は、生成した文字列形状情報194の個数とそれぞれ同数のフォントサイズ情報192と、対応注記文字ID情報193と、を生成する。さらに、これら生成した各種情報と、任意に設定したオブジェクトID情報191と、を組み込んだ表示文字列データ190を、文字列形状情報194の個数と同数だけ生成する。そして、注記真位置データ180と、少なくとも1つの表示文字列データ190を組み込んだ注記データ170を生成して、記憶手段130に記憶させる。
【0069】
さらに、注記データ生成手段155は、道路名称を表示させるための注記データ170を生成する旨の設定入力を認識すると、名称付与リンク長算出手段153に所定の道路名称を有する同一名称リンクLnの合計リンク長を算出させる。そして、スケール1,2,3,4における表示タイプが文字表示タイプに設定されているか否かを適宜判断して、文字表示タイプに設定されていると判断すると、名称配置処理手段154に、この縮尺における道路名称の注記文字列の最終配置位置を設定させる。
【0070】
また、注記データ生成手段155は、同一名称リンクLnに付与されている道路名称を記録した注記文字列情報182と、この道路名称を示す文字数を記録した注記文字数情報183と、種別が道路名称である旨を記録した注記種別情報184と、を生成する。さらに、名称付与リンクLに接続された所定のノードNの座標の位置を同一名称リンクLnの真位置Ps(sは自然数)として設定して、この真位置Psに対応する真位置形状情報189を生成する。例えば、図12に示すように、真位置P21を設定して真位置形状情報189を生成する。そして、これら生成した各種情報などを組み込んだ注記真位置データ180を生成する。
【0071】
さらに、注記データ生成手段155は、道路番号に対応する表示文字列データ190の生成処理と同様の処理を実施して、名称配置処理手段154で設定された道路名称の注記文字列の最終配置位置の数に対応する個数の表示文字列データ190を生成する。そして、注記真位置データ180と、少なくとも1つの表示文字列データ190を組み込んだ注記データ170を生成して、記憶手段130に記憶させる。
【0072】
〔地図情報生成装置の動作〕
次に、地図情報生成装置100の動作について、図面を参照して説明する。
【0073】
(道路番号に関する注記データの生成処理)
まず、地図情報生成装置100の動作として、道路番号に関する注記データ170の生成処理について、図13および図14に基づいて説明する。図13は、道路番号に関する注記データの生成処理を示すフローチャートである。図14は、道路番号の最終配置位置の設定処理を示すフローチャートである。
【0074】
まず、地図情報生成装置100の処理部150は、注記データ生成手段155にて、道路番号を表示させるための注記データ170を生成する旨の設定入力を認識すると、図13に示すように、変数Zを1に設定する(ステップS101)。そして、処理部150は、番号付与リンク長算出手段151にて、番号付与リンクLを認識して(ステップS102)、同一番号リンクLbの小計リンク長を算出する(ステップS103)。この後、番号付与リンク長算出手段151は、接続先のリンクLを認識して(ステップS104)、この接続先のリンクLが番号付与リンクLと同じ道路番号を有しているか否かを判断する(ステップS105)。
【0075】
このステップS105において、番号付与リンクLと同じ道路番号を有していると判断した場合、ステップS103の処理を実施する。一方、ステップS105において、番号付与リンクLと同じ道路番号を有していないと判断した場合、この時点における小計リンク長を同一番号リンクLbの合計リンク長として認識する(ステップS106)。この後、注記データ生成手段155は、スケールZの表示タイプが記号表示タイプに設定されているか否かを判断する(ステップS107)。このステップS107において、処理部150は、記号表示タイプに設定されていると判断した場合、道路番号の最終配置位置の設定処理を実施する(ステップS108)。
【0076】
そして、ステップS108における道路番号の最終配置位置の設定処理を実施した後、または、ステップS107において記号表示タイプに設定されていないと判断した場合、注記データ生成手段155は、変数Zがスケールの種類数と同じか否か、すなわち4か否かを判断する(ステップS109)。このステップS109において、スケールの種類数と同じでないと判断した場合、変数Zに1を加えて(ステップS110)、ステップS107の処理を実施する。一方、ステップS109において、スケールの種類数と同じであると判断した場合、ステップS108の処理で設定された道路番号の最終配置位置に基づいて、注記データ170を生成して(ステップS111)、記憶手段130に記憶させて処理を終了する。
【0077】
一方、道路番号の最終配置位置の設定処理では、処理部150は、番号配置処理手段152にて、図14に示すように、同一番号リンクLbの合計リンク長が第Zの配置間隔よりも長いか否かを判断する(ステップS201)。このステップS201において、第Zの配置間隔よりも長いと判断した場合、第Zの配置間隔毎に道路番号の仮配置位置を設定する(ステップS202)。一方、ステップS201において、第Zの配置間隔よりも短いと判断した場合、同一番号リンクLbにおける所定の位置に道路番号の仮配置位置を設定する(ステップS203)。そして、番号配置処理手段152は、ステップS202またはステップS203における仮配置位置の設定処理を実施すると、変数Eを1に設定するとともに(ステップS204)、設定された仮配置位置数Fを認識する(ステップS205)。また、E番目の道路番号の文字領域、例えば仮配置位置が同一番号リンクLbの始点からE番目に近い道路番号の文字領域を、同一番号リンクLbに重複する状態に設定する(ステップS206)。この後、E番目の道路番号に対する重複既存注記が存在するか否かを判断する(ステップS207)。
【0078】
このステップS207において、重複既存注記が存在すると判断した場合、この重複既存注記と重複しない位置にE番目の道路番号の仮配置位置を仮設定して(ステップS208)、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS207において、重複既存注記が存在しないと判断した場合、E番目の道路番号の仮配置位置を最終配置位置として設定して(ステップS209)、変数Eが仮配置位置数Fと同じか否かを判断する(ステップS210)。そして、ステップS210において、仮配置位置数Fと同じであると判断した場合、処理を終了する。一方、ステップS210において、仮配置位置数Fと同じでないと判断した場合、変数Eに1を加えて(ステップS211)、ステップS206の処理を実施する。
【0079】
(道路名称に関する注記データの生成処理)
次に、地図情報生成装置100の動作として、道路名称に関する注記データ170の生成処理について、図15および図16に基づいて説明する。図15は、道路名称に関する注記データの生成処理を示すフローチャートである。図16は、道路名称の最終配置位置の設定処理を示すフローチャートである。
【0080】
まず、地図情報生成装置100の処理部150は、注記データ生成手段155にて、道路名称を表示させるための注記データ170を生成する旨の設定入力を認識すると、図15に示すように、変数Zを1に設定する(ステップS301)。そして、名称付与リンク長算出手段153は、名称付与リンクLを認識して(ステップS302)、同一名称リンクLnの小計リンク長を算出する(ステップS303)。この後、名称付与リンク長算出手段153は、接続先のリンクLを認識して(ステップS304)、この接続先のリンクLが名称付与リンクLと同じ道路名称を有しているか否かを判断する(ステップS305)。
【0081】
このステップS305において、名称付与リンクLと同じ道路名称を有していると判断した場合、ステップS303の処理を実施する。一方、ステップS305において、名称付与リンクLと同じ道路名称を有していないと判断した場合、小計リンク長を同一名称リンクLnの合計リンク長として認識して(ステップS306)、スケールZの表示タイプが文字表示タイプに設定されているか否かを判断する(ステップS307)。このステップS307において、文字表示タイプに設定されていると判断した場合、道路名称の最終配置位置の設定処理を実施する(ステップS308)。
【0082】
そして、ステップS308における道路名称の最終配置位置の設定処理を実施した後、または、ステップS307において文字表示タイプに設定されていないと判断した場合、変数Zがスケールの種類数と同じか否かを判断する(ステップS309)。このステップS309において、スケールの種類数と同じでないと判断した場合、変数Zに1を加えて(ステップS310)、ステップS307の処理を実施する。一方、ステップS309において、スケールの種類数と同じであると判断した場合、ステップS308の処理で設定された道路名称の最終配置位置に基づいて、注記データ170を生成して(ステップS311)、記憶手段130に記憶させて処理を終了する。
【0083】
一方、道路名称の最終配置位置の設定処理では、処理部150は、名称配置処理手段154にて、図16に示すように、同一名称リンクLnの合計リンク長が第Zの配置間隔よりも長いか否かを判断する(ステップS401)。このステップS401において、第Zの配置間隔よりも長いと判断した場合、第Zの配置間隔毎に道路名称の仮配置位置を設定する(ステップS402)。一方、ステップS401において、第Zの配置間隔よりも短いと判断した場合、同一名称リンクLnにおける所定の位置に道路名称の仮配置位置を設定する(ステップS403)。そして、名称配置処理手段154は、ステップS402またはステップS403の処理を実施すると、変数Aを1に設定するとともに(ステップS404)、設定された仮配置位置数Bを認識する(ステップS405)。また、A番目の道路名称の文字領域を、同一名称リンクLnに沿いかつ重複しない状態に設定して(ステップS406)、A番目の道路名称に対する重複既存注記が存在するか否かを判断する(ステップS407)。
【0084】
このステップS407において、重複既存注記が存在すると判断した場合、この重複既存注記と重複しない位置にA番目の道路名称の仮配置位置を再設定して(ステップS408)、ステップS406の処理を実施する。一方、ステップS407において、重複既存注記が存在しないと判断した場合、A番目の道路名称の仮配置位置を最終配置位置として設定して(ステップS409)、変数Aが仮配置位置数Bと同じか否かを判断する(ステップS410)。そして、ステップS410において、仮配置位置数Bと同じであると判断した場合、処理を終了する。一方、ステップS410において、仮配置位置数Bと同じでないと判断した場合、変数Aに1を加えて(ステップS411)、ステップS406の処理を実施する。
【0085】
〔地図情報生成装置の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、地図情報生成装置100は、以下に示すような作用効果を奏することができる。ここで、道路番号の配置位置設定に対する作用効果について主に説明するが、道路名称の配置位置設定に対しても同様の作用効果を奏することができる。
【0086】
すなわち、地図情報生成装置100の処理部150は、例えば番号付与リンク長算出手段151にて、同一の道路番号が付与された同一番号リンクLbを認識する。さらに、処理部150は、番号配置処理手段152にて、スケール1,2,3,4における道路番号の注記文字列の最終配置位置を、同一番号リンクLbに沿いかつ少なくとも1つの注記文字列が道路とともに表示領域に表示される位置に設定する。そして、処理部150は、注記データ生成手段155にて、番号配置処理手段152における最終配置位置の設定状態を反映させて注記データ170を生成して記憶手段130に記憶させる。このため、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160の制作者に例えば道路番号の注記文字列の配置位置を設定させる煩わしい設定入力を実施させることなく、道路番号を適切な位置に表示させるための注記データ170を生成できる。また、道路番号の注記文字列の最終配置位置をスケール1,2,3,4において少なくとも1つの注記文字列が表示される位置に設定するので、所定の領域が拡大して表示された場合であっても道路番号の間隔が広がり表示領域に道路番号が表示されないという不具合を防止できる。さらに、注記リストデータ160を利用して道路番号を表示させる構成に、車両の現在位置を認識させる構成を設けることなく道路番号を表示させることができる。そして、互いに異なる制作者がリンク情報テーブル200および注記リストデータ160の道路番号の設定入力を実施する構成と比べて、1つ道路番号を有する道路に対応するリンク情報210や注記データ170に対して異なる道路番号を設定入力する不整合を防止できる。したがって、地図情報生成装置100は、異なる縮尺で表示される道路とともに道路番号を表示させるための注記データ170を適切に生成できる。
【0087】
また、注記データ生成手段155は、道路番号を表示させるためのデータとして、道路番号の注記文字列を表示させるための注記文字列情報182と、この注記文字列情報182で表示される注記文字列の文字領域の位置を示す文字列形状情報194と、を有する注記データ170を生成する。このため、例えば所定の道路番号を有する道路が延長された場合、道路番号の複数の注記文字列が所定の位置に配置された1つの画像を表示させるための画像データを生成する構成と比べて、道路番号を表示させるためのデータの更新を容易にできる。
【0088】
そして、番号付与リンク長算出手段151は、道路を表す複数のリンクLに対応する国道県道番号情報216に同一の道路番号が記録されていることを認識すると、この複数のリンクLが同一番号リンクLbである、すなわち複数のリンクLが同一の道路番号が付与された道路を表していると判断する。このため、国道県道番号情報216を参照するだけの簡単な処理で、同一の道路番号が付与された道路を特定できる。
【0089】
さらに、番号配置処理手段152は、例えばスケール1における道路番号の注記文字列の最終配置位置を第1の配置間隔毎に設定する。このため、最終配置間隔を互いに異なる間隔で設定する構成のように、表示領域上に多量の道路番号が存在する箇所や道路番号の間隔が空きすぎている箇所などが発生することがない。したがって、最終配置間隔を互いに異なる間隔で設定する構成と比べて、利用者に道路番号を良好に認識させることが可能な注記データ170を生成できる。
【0090】
また、地図情報生成装置100は、スケール1,2,3,4の全てにおける道路番号の最終配置位置を約4cm毎に設定する。このため、スケール1,2,3,4での道路番号の表示間隔が略同一となる注記データ170を生成でき、複数の縮尺における道路番号の視認のしやすさを略同一にできる。したがって、地図情報生成装置100は、道路番号をより適切に表示させる注記データ170を生成できる。
【0091】
そして、番号配置処理手段152は、同一番号リンクLbの合計リンク長が例えば第1の配置間隔よりも長いことを認識すると、道路番号の最終配置位置を同一番号リンクLbに沿って複数設定する。このため、最終配置位置を設定可能な数を設定前に認識できるので、道路番号の文字領域を同一番号リンクLbに沿って適宜移動させながら従前に設定した配置位置から例えば第1の配置間隔離れた位置か否かを判断して最終配置位置を設定する構成と比べて、処理の効率化を図ることができる。
【0092】
さらに、番号配置処理手段152は、合計リンク長が第1の配置間隔よりも短いことを認識すると、道路番号の最終配置位置を同一番号リンクLbに沿って1つだけ設定する。このため、同一番号リンクLbの合計リンク長が第1の配置間隔よりも短い場合であっても、その道路番号を表示できる注記データ170を生成できる。したがって、例えば同一番号リンクLbの合計リンク長が第1の配置間隔よりも短い場合に道路番号の最終配置位置を設定しない構成、すなわちその道路番号を表示しない注記データ170を生成する構成と比べて、利便性が高い注記データ170を生成可能な地図情報生成装置100を提供できる。
【0093】
そして、番号付与リンク長算出手段151は、始点ノードID情報214および終点ノードID情報215に基づいて同一番号リンクLbの始点および終点に配置されたノードNを認識し、この認識したノードNのノード座標情報263に基づいて同一番号リンクLbの合計リンク長を算出する。このため、同一番号リンクLbのノードNの座標に基づく計算により合計リンク長をより容易に認識できる。
【0094】
また、番号配置処理手段152は、道路番号の注記文字列の仮配置位置を設定して、この仮配置位置に配置した道路番号に対する重複既存注記が存在することを認識すると、この重複既存注記に重複しない位置に仮配置位置を再設定する。このため、道路番号を他の注記と確実に重複しない状態で表示できる注記データ170を生成でき、地図情報生成装置100の利便性を向上できる。
【0095】
さらに、番号配置処理手段152は、所定の図形に重複して表示される道路番号の最終配置位置を同一番号リンクLbに重複する位置に設定する。このため、地図情報生成装置100は、一般的な道路地図と同様の表示形態で道路番号を表示できる注記データ170を生成でき、利用者に違和感を覚えさせることなく道路番号を視認させることができる。
【0096】
そして、名称配置処理手段154は、道路名称の最終配置位置を同一名称リンクLnに重複しない位置に設定する。このため、地図情報生成装置100は、一般的な道路地図と同様の表示形態で道路名称を表示できる注記データ170を生成でき、利用者に違和感を覚えさせることなく道路名称を視認させることができる。また、道路名称が同一名称リンクLnの道路と重複して視認しにくくなるという不具合を確実に防止できる注記データ170を生成できる。
【0097】
また、名称配置処理手段154は、同一名称リンクLnが屈曲している場合、道路名称の文字領域を全ての文字から同一名称リンクLnまでの距離が略同一となる状態、すなわち文字領域を屈曲した形状に設定する。このため、例えば同一名称リンクLnが屈曲している場合であっても道路名称の文字領域を長方形状に設定する構成、すなわち文字領域を文字から同一名称リンクLnまでの距離が異なる状態に設定する構成と比べて、利用者に道路名称をより確実に認識させることができる。したがって、利便性がより高い注記データ170を生成可能な地図情報生成装置100を提供できる。
【0098】
そして、本発明の情報生成装置を、道路番号を道路とともに表示装置で表示させるための注記データ170を生成する地図情報生成装置100に適用している。このため、地図情報生成装置100は、地図上で道路番号を適切な位置に表示可能な注記データ170を生成でき、所定の道路の道路番号を利用者に良好に認識させることができる。
【0099】
さらに、本発明の情報生成装置を、車両に搭載される表示装置に道路番号や道路を表示させるための注記データ170を生成する地図情報生成装置100に適用している。このため、例えば家庭などに設置される表示装置と比べて表示領域が小さい移動体に搭載される表示装置においても、道路番号を適切な位置に表示可能な状態に注記データ170を更新でき、地図情報生成装置100の利便性をさらに向上できる。
【0100】
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。ここで、道路番号の配置位置設定に対する変形について主に説明するが、道路名称の配置位置設定に対しても同様の変形を適用できる。
【0101】
すなわち、番号付与リンク長算出手段151にて、例えば利用者による複数のリンクLを同一番号リンクLbとして選択する旨の設定入力に基づいて、複数のリンクLが同一の道路番号が付与された道路を表していると判断する構成としてもよい。このような構成にすれば、番号付与リンク長算出手段151に国道県道番号情報216の内容を認識する機能を設ける必要がなく、番号付与リンク長算出手段151の構成を簡略にできる。
【0102】
そして、同一番号リンクLbに沿いかつ少なくとも1つの注記文字列が道路とともに表示領域に表示される位置であれば、例えばスケール1における道路名称の配置間隔を互いに異なる間隔に設定したり、第1,第2,第3,第4の配置間隔を表示領域上における長さが互いに異なる間隔となる状態に設定したりする構成としてもよい。また、番号配置処理手段152にて、道路番号の最終配置位置を同一番号リンクLbに重複しない位置に設定する構成としてもよい。さらに、名称配置処理手段154にて、道路名称の最終配置位置を同一名称リンクLnに重複する位置に設定する構成としてもよい。これらのような構成にしても、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160の制作者に例えば道路番号の注記文字列の配置位置を設定させる煩わしい設定入力を実施させることがない。また、所定の領域が拡大して表示された場合であっても道路番号の間隔が広がり表示領域に道路番号が表示されないという不具合を防止できる。さらに、注記リストデータ160を利用して道路番号を表示させる構成に車両の現在位置を認識させる構成を設けることなく道路番号を表示させることができる。したがって、地図情報生成装置100は、道路番号が道路の位置に略対応して表示される注記データ170を適切に生成できる。
【0103】
また、番号配置処理手段152にて、道路番号の文字領域を例えば同一番号リンクLbに沿って適宜移動させながら従前に設定した配置位置から例えば第1の配置間隔離れた位置か否かを判断して、文字領域を設定する構成としてもよい。このような構成にすれば、番号付与リンク長算出手段151に同一番号リンクLbの合計リンク長を算出する機能を設ける必要がなく、番号付与リンク長算出手段151の構成を簡略にできる。
【0104】
そして、番号配置処理手段152にて、合計リンク長が例えば第1の配置間隔よりも短いことを認識した際に、道路番号の最終配置位置を設定せずに道路番号の最終配置位置の設定処理を終了する構成としてもよい。このような構成にすれば、道路番号の最終配置位置の設定処理時における処理負荷を適宜低減できる。また、表示領域に表示される情報量を適宜低減させる注記データ170を生成でき、利用者に各種情報を適宜良好に視認させることができる。
【0105】
また、番号付与リンク長算出手段151にて、例えば利用者による同一番号リンクLbの合計リンク長の設定入力に基づいて、合計リンク長を認識する構成としてもよい。このような構成にすれば、番号付与リンク長算出手段151に合計リンク長を算出する機能を設ける必要がなく、番号付与リンク長算出手段151の構成を簡略にできる。
【0106】
さらに、番号配置処理手段152に、道路番号の仮配置位置を重複既存注記に重複しない位置に再設定する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、番号配置処理手段152の構成を簡略にできる。また、道路番号の最終配置位置の設定処理時における処理負荷を適宜低減できる。
【0107】
さらに、処理部150に、番号付与リンク長算出手段151および番号配置処理手段152を設けない構成、または、名称付与リンク長算出手段153および名称配置処理手段154を設けない構成としてもよい。これらのような構成にすれば、処理部150の構成をより簡略にできる。
【0108】
また、名称配置処理手段154にて、同一名称リンクLnが屈曲している場合であっても道路名称の文字領域を屈曲した形状ではなく長方形状に設定する構成としてもよい。このような構成にすれば、名称配置処理手段154に、文字領域を屈曲した形状に設定する機能を設ける必要がなく、名称配置処理手段154の構成を簡略にできる。
【0109】
そして、道路番号の複数の注記文字列が所定の位置に配置された1つの画像を表示させるための画像データを生成する構成に適用してもよい。また、道路番号や道路名称を表示するための注記データ170に限らず、電車やバスの路線名称や路線番号を表示させるための路線関連情報、道路に接続された場所の地名を道路接続地名情報、回路を構成する移動路としての配線に付与された番号や名称を表示するための回路図情報を生成する構成など、所定の移動路の内容を表示するための移動路関連情報を生成するいかなる構成に適用してもよい。さらに、地図や回路図などを紙などに印刷するための上述した情報を生成する構成に適用してもよい。また、地図を表示させる表示装置としては、移動体に搭載される構成に限られず、家庭や工場などに設置される構成をも対象にできる。
【0110】
さらに、本発明の情報表示装置を例えばナビゲーション装置やパーソナルコンピュータなど地図を適宜表示する構成に適用し、表示領域に表示される領域のみに対して道路番号の最終配置位置を同一番号リンクLbに沿いかつ少なくとも1つの道路番号が表示される位置に設定して、道路番号を道路とともに表示させる構成としてもよい。
【0111】
また、上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、上述したように取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
【0112】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0113】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記実施の形態では、地図情報生成装置100の処理部150は、スケール1,2,3,4における道路番号の注記文字列の最終配置位置を、同一の道路番号が付与されたと認識された同一番号リンクLbに沿いかつ少なくとも1つの注記文字列が道路とともに表示領域に表示される位置に設定する。そして、処理部150は、道路番号の注記文字列の最終配置位置の設定状態を反映させて注記データ170を生成して記憶手段130に記憶させる。このため、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160の制作者に例えば道路番号の注記文字列の配置位置を設定させる煩わしい設定入力を実施させることなく、道路番号を適切な位置に表示させるための注記データ170を生成できる。また、道路番号の注記文字列の最終配置位置をスケール1,2,3,4において少なくとも1つの注記文字列が表示される位置に設定するので、所定の領域が拡大して表示された場合であっても道路番号の間隔が広がり表示領域に道路番号が表示されないという不具合を防止できる。さらに、注記リストデータ160を利用して道路番号を表示させる構成に、車両の現在位置を認識させる構成を設けることなく道路番号を表示させることができる。したがって、地図情報生成装置100は、異なる縮尺で表示される道路とともに道路番号を表示させるための注記データ170を適切に生成できる。
【符号の説明】
【0114】
100 情報表示装置としての地図情報生成装置
120 表示手段としての表示部
150 表示制御手段としての処理部
214 連結ノード特定情報としての始点ノードID情報
215 連結ノード特定情報としての終点ノードID情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域に道路と道路番号とを表示する情報表示装置であって、
前記表示領域内の道路上に前記道路番号を表示する表示手段と、
前記表示領域の縮尺の変更に応じて、前記道路上における前記道路番号の表示位置を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、広域を示す第1の縮尺から詳細を示す第2の縮尺に変更された場合に、第1の縮尺において表示されていた道路番号の表示位置を前記表示領域内の道路上の異なる位置に変更する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、前記第1の縮尺から前記第2の縮尺に変更された場合に、第1の縮尺において表示されていた複数の道路番号のうち少なくとも一つの道路番号の表示位置を、前記表示領域内の道路上の異なる位置に変更する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、前記第1の縮尺から前記第2の縮尺に変更された場合に、前記表示領域における道路番号の表示間隔が所定の間隔となるように、前記道路番号の表示位置を変更する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報表示装置において、
前記第2の縮尺での前記所定の間隔は、前記第1の縮尺での前記表示領域における道路番号の表示間隔と略同一の間隔である
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、同一の道路番号が付与される道路の表示領域内の長さを算出し、算出した道路の長さが前記所定の間隔に対応する長さよりも長い場合に道路番号の表示間隔が所定の間隔となるように道路番号の表示位置を変更し、短い場合に当該道路上に一つの道路番号を表示する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報表示装置において、
道路のデータとして表されるリンクには、当該リンクと他のリンクとを結び前記道路の地点データとして表されるノードを特定する連結ノード特定情報が関連付けられ、
前記ノードには、当該ノードの位置座標が関連付けられ、
前記表示制御手段は、道路を表す複数のリンクの前記連結ノード特定情報に基づいて前記複数のリンクの端部に設けられたノードを特定し、この特定した前記ノードの位置座標に基づいて前記複数のリンクの長さの合計値を算出して前記道路の表示領域内の長さを算出する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
コンピュータにより、表示領域に道路と道路番号とを表示する情報表示方法であって、
前記コンピュータは、前記表示領域内の道路上に前記道路番号を表示する表示手段を備え、
当該コンピュータは、前記表示領域の縮尺の変更に応じて、前記道路上における前記道路番号の表示位置を制御する表示制御工程を実施し、
前記表示制御工程では、広域を示す第1の縮尺から詳細を示す第2の縮尺に変更された場合に、第1の縮尺において表示されていた道路番号の表示位置を前記表示領域内の道路上の異なる位置に変更する
ことを特徴とする情報表示方法。
【請求項8】
コンピュータを請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の情報表示装置として機能させる
ことを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項9】
請求項7に記載の情報表示方法をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の情報表示プログラムがコンピュータにて読取可能に記録された
ことを特徴とする情報表示プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−53695(P2011−53695A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219670(P2010−219670)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【分割の表示】特願2005−150175(P2005−150175)の分割
【原出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】