説明

情報記録媒体、情報記録方法、情報記録装置、情報再生方法および情報再生装置

【課題】スペア領域内に存在する欠陥クラスタを欠陥エントリで管理しようとすると、多層化などに伴ってスペア領域サイズが増加するほどDFLサイズも自動的に大きくなってしまう課題がある。
【解決手段】本発明の情報記録媒体は、スペア領域各々に対応する次に使用可能な位置を示すポインタ情報を持ち、かつスペア領域の使用方向に制限をつける。さらにスペア領域内の欠陥クラスタを示す欠陥エントリをDFLに備える。これにより、スペア領域15のサイズが大きくなったとしても、DFL21のサイズはコンパクトに抑えることができる。また、物理再フォーマットを行った後も、スペア領域15中の欠陥クラスタに対して欠陥であることを認識して、そこを交替クラスタとして再割り当てしない(使用しない)ように制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は欠陥管理機能を備えた情報記録媒体に対する記録再生方法、記録再生装置に関するものであり、特に複数回の繰り返し記録が可能な書換え型光ディスクへの記録再生を行う光ディスクドライブ等に有効である。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量で交換可能な情報記録媒体、およびそれを扱うディスクドライブ装置が広く普及している。
【0003】
大容量で交換可能な情報記録媒体としては、DVDやBlu−ray Disc(以下、BDとも記載する。)といった光ディスクが良く知られている。光ディスクドライブ装置は、レーザ光を用いて光ディスク上に微小なピットを形成することによって記録再生を行う装置であり、大容量で交換可能な情報記録に適している。レーザ光としてDVDは赤色レーザ、BDは赤色レーザより波長が短い青色レーザを用いることが特徴であり、それによりBDはDVDよりも記録密度を高め、大容量化を実現している。
【0004】
一方で光ディスクは交換可能な情報記録媒体であるため、埃や傷などによってその記録面に欠陥が存在する。そのため光ディスクへの記録再生を行う光ディスクドライブ装置では、記録再生データの信頼性保証のために欠陥管理を行うのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【0005】
図1は、光ディスクの領域構成図である。円盤状の光ディスク1には、スパイラル状に多数のトラック2が形成されており、各トラック2には細かく分けられた多数のブロック3が形成されている。
【0006】
ここで、トラック2の幅(トラックピッチ)は、例えばBDでは0.32μmであったりする。またブロック3は、エラー訂正の単位であり、記録および再生動作が行われる最
小の単位である。例えば、DVDの場合には1ECC(サイズ:32KByte)、BDの場合には1クラスタ(サイズ:64Kbyte)といったサイズであり、光ディスクのデータの最小単位であるセクタ(サイズ:2KByte)という単位を用いて説明すると、1ECC=16セクタ、1クラスタ=32セクタとなる。なお、以下の文中でクラスタと記載した場合は、全てブロック3と同じ意味であることを留意頂きたい。
【0007】
また、光ディスク1の領域は、リードイン領域4とデータ領域5とリードアウト領域6に大別される。ユーザデータの記録再生はデータ領域5に対して行われる。リードイン領域4とリードアウト領域6は、光ヘッド(図示せず)がデータ領域5の端へアクセスする場合に、光ヘッドがオーバーランしてもトラック2に追随できるようにのりしろとしての役割を果たす。
【0008】
図2は、記録層を1層のみ備えた書換え型光ディスクの領域構造を示す図である。
【0009】
データ領域5は、ユーザデータの記録再生を行うユーザデータ領域14と、ユーザデータ領域14の中の欠陥セクタを含むクラスタの代わりに用いるクラスタ(以下交替クラスタ)として予め用意されたスペア領域15(記録層1層(L0層)で、その内周側に存在するスペア領域なので、Inner Spare Area Layer0(以下、ISA0と呼ぶ))とで構成される。
【0010】
リードイン領域4とリードアウト領域6には、光ディスク1における欠陥ブロックに関する欠陥管理情報を書き込むための領域として、リードイン領域4には第1の欠陥管理情報領域10(以下DMA1とする)と第2の欠陥管理情報領域11(以下DMA2とする)を備え、リードアウト領域6には第3の欠陥管理情報領域12(以下DMA3とする)と第4の欠陥管理情報領域13(以下DMA4とする)を備えている。DMA1〜DMA4はそれぞれ所定の位置に配置される領域である。ここでDMA1〜DMA4は全て同じ情報が多重記録されている。これは、DMA1〜DMA4自身が欠陥に冒されている場合の備えであり、例え正しく再生されないDMAがあってもどれか1つでも正しく再生できるDMAがあれば欠陥管理情報を取得することができるためである。
【0011】
DMA1〜DMA4はそれぞれディスク定義構造20(以下DDSと呼ぶ)と欠陥リスト21(以下DFLと呼ぶ)とを備える。
【0012】
DDS20は、DFL21の配置を示す位置情報や、スペア領域15に関する情報(例えばサイズ情報など)などを含む情報である。
【0013】
図16は、記録層を1層のみ備えた書換え型光ディスクにおけるDFL21のデータ構造を示す説明図である。
【0014】
DFL21は、DFLヘッダ30と0個以上の欠陥エントリ31(図16は、n+1個(nは0以上の整数)の欠陥エントリ31を備えた場合の例)とDFLターミネータ32から構成される。つまり欠陥クラスタが検出されていない場合は、DFL21はDFLヘッダ30とDFLターミネータ32から構成される。
【0015】
DFLヘッダ30は、この情報がDFLであることを示す識別情報であるDFL識別子40と、DFL21が更新された回数を示す第1更新回数情報41と、DFL21に含まれる欠陥エントリ31の個数を示す欠陥エントリ数42とを備える。
【0016】
DFLターミネータ32は、この情報がDFLの終端位置を意味するターミネータであることを示すDFLターミネータ識別子50と、DFL21が更新された回数を示す第2
更新回数情報51とを備える。第1更新回数情報41と第2更新回数情報51は同じ値を示す情報であり、万が一DFL21の更新途中で瞬停などの電源が切れるような事象などが発生して更新が正常に行えなかったとしてもそれを検出できるようにするためにDFL21の先頭位置と終端位置にそれぞれ同じ情報を備える。
【0017】
欠陥エントリ31はデータ領域5中で検出された欠陥クラスタに関する情報である。欠陥エントリでは、複数の種類(属性)によって欠陥クラスタを管理する(例えば特許文献2)。
【0018】
図17(A)から(C)は、欠陥エントリ31の構成、および欠陥エントリ31で管理する欠陥の属性を示す説明図である。図17(A)に示すように、欠陥エントリ31は、第1状態フィールド31a、第1アドレスフィールド31b、第2状態フィールド31c、第2アドレスフィールド31dにより構成される。なお、欠陥エントリ31の構成は、この例にのみ限定されるものではなく、これら以外の任意のフィールドを含んでいても良い。
【0019】
第1状態フィールド31aおよび第2状態フィールド31cは、後述するように、当該欠陥エントリ31の属性(種類)などを示す。第1アドレスフィールド31bおよび第2アドレスフィールド31dには、第1状態フィールド31aおよび第2状態フィールド31cの属性に応じて、欠陥クラスタあるいは交替クラスタの位置情報等が格納される。一例としては、第1アドレスフィールド31bに欠陥クラスタの先頭セクタの物理アドレス番号が格納され、第2アドレスフィールド31dに交替クラスタの先頭セクタの物理アドレス番号が格納される場合がある。
【0020】
第1状態フィールド31aは、例えば4ビットのフラグ情報である。図17(B)に、第1状態フィールド31aの定義の一例を示す。
【0021】
例えば第1状態フィールド31aの値が0000であることは、欠陥クラスタに交替クラスタが割り当てられており、欠陥クラスタのユーザデータが交替クラスタに記録されていることを示す(この属性をRAD0と呼ぶ)。
【0022】
また第1状態フィールド31aの値が1000であることは、欠陥クラスタに交替クラスタが割り当てられているが、欠陥クラスタのユーザデータは交替クラスタに記録されていないことを示す(この属性をRAD1と呼ぶ)。
【0023】
また第1状態フィールド31aの値が0001であることは、欠陥クラスタに交替クラスタが割り当てられていないことを示す(この属性をNRDと呼ぶ)。
【0024】
また第1状態フィールド31aの値が0010であることは、当該欠陥エントリ31が欠陥クラスタの位置情報に関して有意な情報を含んでいないことを示す(この属性をSPRと呼ぶ)。但し、当該欠陥エントリ31の第2アドレスフィールド31dに指定されているセクタアドレスは、当該セクタを先頭とするクラスタ(つまりスペア領域15中のクラスタ)が、将来の交替先として利用可能であることを意味する。
【0025】
また第1状態フィールド31aの値が0100であることは、欠陥クラスタの可能性がある領域であることを示す(この属性をPBAと呼ぶ)。言いかえれば、欠陥クラスタとは確定していないが、欠陥の可能性がある領域のことであり、主に後述の物理再フォーマットが行われることで生成される属性である。この場合、当該欠陥エントリ31の第1アドレスフィールド31bには欠陥クラスタの可能性がある領域の先頭クラスタにおける先頭セクタの物理アドレス番号を示し、第2アドレスフィールド31dには欠陥クラスタの
可能性がある領域のサイズ(クラスタ数など)を意味する。
【0026】
さらに第1状態フィールド31aの値が0111であることは、欠陥クラスタがスペア領域15中の欠陥クラスタであることを意味する(この属性をUNUSEと呼ぶ)。
【0027】
ここでSPR属性およびUNUSE属性を除く属性では、欠陥クラスタの位置情報は当該欠陥エントリ31の第1アドレスフィールド31bにて指定され、SPR属性およびUNUSE属性では第2アドレスフィールド31dに指定されるのが一般的である。
【0028】
なお欠陥エントリ31は欠陥クラスタに関する位置情報を含むと説明したが、当該欠陥エントリ31が示すクラスタは欠陥に限定される必要はない。具体的には例えばRAD0属性などはあるクラスタに対して交替クラスタが割り当てられ、交替クラスタに交替記録されていることを示す属性であり、あるクラスタとは欠陥でなくとも、何らかの要因で意図的に交替クラスタに交替記録されたクラスタであっても良い。あるいはNRD属性は欠陥クラスタに交替クラスタが割り当てられていないことを示すが、これはつまり、NRD属性で示されるクラスタには有効なデータが記録されていない(正しく読み出せない)ことを示す属性であり、何らかの要因で有効データが記録されていないクラスタをNRD属性として管理されても良い。
【0029】
第2状態フィールド31cは、例えば4ビットのフラグ情報である。図17(C)に示すように、第2状態フィールド31cが0000の場合は、当該フィールドが使用されていないことを示すが、0100の場合は、第1アドレスフィールド31bまたは第2アドレスフィールド31dに示されるクラスタに対して後述の物理再フォーマットが行われたことを示す。これには、物理再フォーマット時のクリーニング等により、第1アドレスフィールド31bまたは第2アドレスフィールド31dに示されているクラスタの欠陥が解消されているかも知れないこと、また欠陥クラスタおよび交替クラスタのいずれにも有意なユーザデータは存在しないこと、という2つの意味がある。
【0030】
図18は、欠陥エントリ31における第1状態フィールド31aおよび第2状態フィールド31cの組み合わせにおける一例を示す説明図である。
【0031】
例えばユーザデータ領域14の欠陥クラスタを管理するPBA属性、およびスペア領域15のクラスタを管理するSPR属性については、物理再フォーマットによって欠陥が解消されているかも知れないことを示す第2状態フィールド31cが0100(これをRDE状態と呼ぶ)の欠陥エントリ31が生成され得る。
【0032】
また欠陥エントリ31における属性のうちPBA属性を除いてはすべて1つのクラスタ(ブロック)単位で管理され、PBA属性については1クラスタ(ブロック)以上の領域、つまり複数クラスタ(ブロック)に跨る領域を管理することが可能な属性である。
【0033】
DFL21に含まれる欠陥エントリ31は、ソートされた状態で管理される。具体的には例えば、第1状態フィールド31aの最上位ビットを除く欠陥エントリ31に対して昇順にソートされた形で管理される。つまり、欠陥属性(但し、RAD0とRAD1は同一の属性として扱う)ごとにまとまった形で、さらにその欠陥属性のまとまりの中で管理対象クラスタ(つまり第1アドレスフィールド31bや第2アドレスフィールド31dで示されるクラスタ等)の物理アドレス番号で昇順にソートされた形になる。
【0034】
ここで物理再フォーマットについて説明する。
【0035】
光ディスク1を記録するためには、データ領域5におけるユーザデータ領域14とスペ
ア領域15の配置の決定等を行うための初期化(Initialize)フォーマットを行う。またこれとは別に、すでに記録中の光ディスク1に対してもフォーマットを行うことが出来る。これを物理再フォーマットと呼ぶ。
【0036】
欠陥クラスタの数が多くなると、交替クラスタへアクセスする頻度が高くなり、その結果極端に記録再生速度(パフォーマンス)が低下し、特に動画の記録再生等に支障が生じることがある。また交替クラスタを含むスペア領域15が確保されるのはデータ領域5中であるため、交替の多発に備えて交替領域を多く確保すると、ユーザデータの記録可能容量(つまりユーザーデータ領域14の容量)も圧迫される。このような場合、ディスクの表面に付着した汚れを拭くなどしてクリーニングした後に、物理再フォーマット(再初期化:Re−Initialization)を行ったりする。これは、ディスクに後発的に生じる欠陥(後発欠陥)の場合は、ディスク表面に付着した指紋や塵などの汚れに起因することが多いため、クリーニングを行うことにより、後発的に生じた欠陥の多くが解消される可能性があるからである。物理再フォーマット処理としては、例えばDFL21に登録されている欠陥クラスタに対して、あるいはディスク全面に対してサーティファイと呼ばれる試し書きを行うことで、当該クラスタが欠陥か否かを判断する方法や、DFL21に登録されている欠陥エントリ31の欠陥属性を欠陥が解消されているかも知れないことを示す属性(例えば、欠陥エントリ31の第2状態フィールド31cを0100)に変更する方法や、あるいはその光ディスク1に対して初めて記録を行なう際に行う初期化フォーマットと同様に、DFL21を初期状態(つまり何も欠陥クラスタが登録されていない状態)にするといった方法などがある。また物理再フォーマットを行うと、ある特殊な場合を除いて、データ領域5に含まれるユーザデータ等はすべて無効なデータとなる。ここである特殊な場合と記載したのは、データ領域5中に存在するユーザデータは有効なままで、スペア領域15のサイズだけを変更するような物理再フォーマット機能が提供される場合もあるからである。
【0037】
ここで、交替クラスタとして使用可能なスペア領域15における、使用可能なクラスタの管理方法について説明する。交替クラスタとして割り当てることが出来るクラスタの管理方法としては、以下に述べるような方法が考えられる。
【0038】
まず、追記型情報記録媒体では、次に使用可能なスペア領域15内の位置(物理アドレス番号)を示すポインタ情報で管理するという方法が考えられる(例えば、特許文献3や特許文献4)。またこれを実現するために、スペア領域15の使用順番に制限を付けられている。ここで制限とは、スペア領域15においてトラックパスの方向、つまり物理アドレス番号の小さいクラスタから順に(昇順に)使用する、あるいはさらに複数存在するスペア領域15に対しても、物理アドレス番号が小さいスペア領域15から順に使用するという内容である。
【0039】
別の方法としては、先に図17で説明したように、スペア領域15内における使用可能なクラスタ、および使用不能なクラスタを、それぞれクラスタ単位で欠陥エントリ31として管理するという方法が考えられる(例えば、特許文献2)。これは、スペア領域15に含まれるクラスタ全てに対して、第1状態フィールド31aが0010(SPR)である欠陥エントリ31、および0111(UNUSE)である欠陥エントリ31としてDFL21に管理するというものである。この方法では、交替先として使用可能なクラスタ位置を管理するSPR属性の欠陥エントリ31で示される位置が交替クラスタとして使用可能なクラスタであるとすぐに判断できる。またスペア領域15については、SPR属性の欠陥エントリ31で管理されるクラスタであれば、どのクラスタを交替先として割り当てても問題は無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2003−346429号公報
【特許文献2】特許第3858050号公報
【特許文献3】米国特許第5715221号公報
【特許文献4】特開2006−344375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
しかしここで述べた2つの方法は、いずれもデメリットがある。まずポインタ情報によって次に使用可能な位置を管理する方法は、1回のみ記録可能な追記型情報記録媒体に対しては有効な方法であるといえる。しかし、複数回の記録が可能で物理再フォーマットが実施されうる書き換え型情報記録媒体に対しては有効とはいえない。何故ならば、書き換え型情報記録媒体では、物理フォーマットによってポインタ情報の変更(更新)が発生したり、DFL21(図16)で管理される欠陥クラスタの情報が消えるなど、追記型情報記録媒体と違って、使用途中に媒体の状態が変わる可能性があるためである。そのため、ポインタ情報が指す位置は、追記型情報記録媒体の場合は初めて使用するクラスタであることが保証されるのに対して、書換え型情報記録媒体の場合は必ずしも初めて使用するクラスタとは限らず、例えば以前欠陥として検出されていたクラスタの可能性もある。つまり書換え型情報記録媒体の場合には、追記型情報記録媒体のようにポインタ情報だけを頼りに交替先を割り当てると、以前欠陥であったクラスタを交替先として割り当てるなど、交替記録処理のパフォーマンス低下につながる恐れがある。
【0042】
この課題を解決すべく検討されたのが、スペア領域15内における使用可能なクラスタ、および使用不能なクラスタを、それぞれクラスタ単位で欠陥エントリ31としてDFL21に備えることで管理しようとする2つ目の方法である。この方法の場合は上述したように、少なくとも欠陥クラスタの位置情報は消去されずに残し、当該欠陥エントリ31の第2状態フィールド31cに物理再フォーマットが行われたことを示す情報を設定するというものである。この方法ならば、以前欠陥だったクラスタに関する情報は物理再フォーマットを行ってもそのまま残るため、以前欠陥だったクラスタを物理再フォーマット後に交替先として割り当てるリスクは抑えることが出来る。しかし一方でこの方法の場合は、スペア領域15中に含まれるクラスタ毎に欠陥エントリ31を必要とするため、何も欠陥クラスタが存在しない初期状態においても、DFL21のサイズは少なくともスペア領域15に含まれる総クラスタ数分の欠陥エントリ31が必要となるため、スペア領域15のサイズに応じて最低限必要なDFL21のサイズも増加することになる。ここでスペア領域15は、図2の例では記録層の内周側1箇所のみに備える例を記載したが、内周側だけでなく外周側にも備える方法も一般的であり、さらに記録層を2層備えるような記録媒体であれば、それぞれの記録層にスペア領域15を備えるのが一般的である。この方法だと、今後記録層が3層、4層、あるいはそれ以上備える多層記録媒体の場合、DFL21の最低限必要なサイズも増大してしまうという課題がある。DFL21のサイズが増加すると、これを記録するためのDMAのサイズも増大することに加え、DFL21の情報は情報記録媒体への記録再生を行う際に実際のアクセス位置を算出するためのアドレス変換に必要であるため、記録再生を行うたびに情報記録媒体から読み出していたのでは非効率的であるため、一旦読み出した内容をDRAMのようなメモリに読み出しておくのが一般的であるが、それを実現するためにはメモリの容量も多く必要になってしまうという課題につながる。
【0043】
そこで、これら2つの課題を解決できる方法、つまりスペア領域15のサイズが大きくなったとしてもDFL21のサイズはコンパクトに抑え、且つ、物理再フォーマットを行った後もスペア領域15中の欠陥クラスタに対して欠陥であることを認識して、そこを交替クラスタとして再割り当てしない(使用しない)ように制御できる欠陥管理方法が求め
られている。
【課題を解決するための手段】
【0044】
本発明の情報記録媒体は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用される領域であり、前記欠陥管理情報は、前記スペア領域の中に存在する欠陥ブロックを示すスペア欠陥属性と、前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含む。
【0045】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を含む。
【0046】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とのうちの少なくとも一方を含む。
【0047】
本発明の情報記録方法は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体への情報記録方法であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、前記スペア領域の中に存在する欠陥ブロックを示すスペア欠陥属性と、前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報と、を含み、前記記録方法は、前記次使用可能スペア位置情報と前記欠陥エントリとに基づいて、前記欠陥ブロックの代わりに交替ブロックを割り当てるステップと、前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップとを包含する。
【0048】
ある実施形態によれば、前記記録方法は、前記交替ブロックを割り当てた場合に、
(a)前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップと、
(b)前記ステップ(a)で合致しないと判断した場合、前記次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップと、
(c)前記ステップ(a)で合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップとを包含する。
【0049】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とのうちの少なくとも一方を含み、前記ステップ(a)は、前記次のブロック位置が、前記確定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断するステップを含み、前記ステップ(c)は、前記ステップ(a)で合致すると判断した場合に、前記確
定スペア欠陥属性の欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップを含む。
【0050】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性を含み、前記記録方法は、
(a)前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記暫定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断するステップと、
(b)前記ステップ(a)で合致すると判断した場合、前記次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップとをさらに包含する。
【0051】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性を含み、前記交替ブロックを割り当てるときに、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記欠陥エントリの前記セクタ番号に合致しない場合は、前記次使用可能スペア領域情報が示すブロックを交替ブロックとして割り当て、前記交替ブロックを割り当てるときに、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記暫定スペア欠陥属性で管理されるセクタ番号に合致する場合は、
(a)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを交替ブロックとして割り当てるステップと、
(b)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを前記所定の方向に向かってスキップした次のブロックを交替ブロックとして割り当てるステップと、のうちの一方のステップを実行する。
【0052】
ある実施形態によれば、前記記録方法は、前記交替ブロックを割り当てる場合に、
(a)前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップと、
(b)前記ステップ(a)で合致しないと判断した場合、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックを前記交替ブロックとして決定するステップと、
(c)前記ステップ(a)で合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かって次のブロックを前記交替ブロックとして決定するステップと、を備え、
更新する場合に、
(d)前記ステップ(b)または(c)で交替ブロックとして決定したブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップ、を備える。
【0053】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を含み、前記ステップ(a)は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択するステップと、前記選択した前記スペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップとを含む。
【0054】
ある実施形態によれば、前記ステップ(a)は、前記次使用可能スペア位置情報と一致するか比較すべき前記欠陥エントリを確定するステップと、一致した場合に、一致するか比較すべき前記欠陥エントリを次の欠陥エントリに更新するステップとを含む。
【0055】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性と
を含み、前記ステップ(a)は、前記次使用可能スペア位置情報と同じセクタ番地を有する前記暫定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリを削除するステップと、前記次使用可能スペア位置情報が、前記確定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップとを含む。
【0056】
本発明の情報記録装置は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体へ情報を記録する情報記録装置であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、前記スペア領域の中に存在する欠陥ブロックを示すスペア欠陥属性と、前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記情報記録装置は、前記次使用可能スペア位置情報と前記欠陥エントリとに基づいて、前記欠陥ブロックの代わりに交替ブロックを割り当て、前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0057】
ある実施形態によれば、前記記録装置は、前記交替ブロックを割り当てた場合に、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断し、合致しないと判断した場合、前記次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新し、合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0058】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とのうちの少なくとも一方を含み、前記記録装置は、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記確定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断し、合致すると判断した場合、前記確定スペア欠陥属性の欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0059】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性を含み、前記記録装置は、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記暫定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断し、合致すると判断した場合、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0060】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性を含み、前記記録装置は、前記交替ブロックを割り当てるときに、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記欠陥エントリの前記セクタ番号に合致しない場合は、前記次使用可能スペア領域情報が示すブロックを交替ブロックとして割り当て、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記暫定スペア欠陥属性で管理される前記セクタ番号に合致する場合は、
(a)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを交替ブロックとして割り当てる、(b)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを前記所定の方向に向かってスキップした次のブロックを交替ブロックとして割り当てる、
のうちのいずれかを実行して前記交替ブロックを割り当てる。
【0061】
ある実施形態によれば、前記記録装置は、前記交替ブロックを割り当てる動作を実行するために、前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部で合致しないと判断した場合、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックを前記交替ブロックとして決定する決定部とを備え、前期決定部は、前記判断部で合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かって次のブロックを前記交替ブロックとして決定し、前記記録装置は、前記決定部が交替ブロックとして決定したブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する更新部をさらに備える。
【0062】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を含み、前記判断部は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択し、前記選択したスペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する。
【0063】
ある実施形態によれば、前記判断部は、前記次使用可能スペア位置情報と一致するか比較すべき前記欠陥エントリを確定し、一致した場合に、一致するか比較すべき前記欠陥エントリを次の欠陥エントリに更新する。
【0064】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域において使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とを含み、前記判断部は、前記次使用可能スペア位置情報と同じセクタ番地を有する前記暫定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリを削除し、前記次使用可能スペア位置情報が、前記確定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する。
【0065】
本発明の情報再生方法は、前記情報記録方法によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生方法であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【0066】
本発明の情報再生装置は、前記情報記録装置によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生装置であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【0067】
本発明の情報記録方法は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体への情報記録方法であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記情報記録方法は、
(a)前記ユーザデータ領域の欠陥ブロックを検出するステップと、
(b)前記スペア領域の欠陥ブロックを検出するステップと、
(c)前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックの代わりに使用する前記交替ブロックとして、前記ステップ(b)で検出した欠陥ブロックを避けつつ、前記所定の方向に沿って前詰めで順に前記スペア領域のブロックを割り当てるステップと、
(d)前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックのセクタ番号を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録するステップと、
(e)前記ステップ(c)で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップと、
(f)前記ステップ(d)および(e)で更新された前記欠陥管理情報を、前記欠陥管理情報領域へ記録するステップと、を包含する。
【0068】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記スペア領域使用位置情報を含み、前記ステップ(c)は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択するステップを含み、前記ステップ(e)は、前記ステップ(c)で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように、前記選択したスペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップを含む。
【0069】
本発明の情報記録装置は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体へ情報を記録する情報記録装置であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記情報記録装置は、前記ユーザデータ領域の欠陥ブロックを検出するユーザデータ領域欠陥ブロック検出部と、前記スペア領域の欠陥ブロックを検出するスペア領域欠陥ブロック検出部と、前記検出したユーザデータ領域の欠陥ブロックの代わりに使用する前記交替ブロックとして、前記検出したスペア領域の欠陥ブロックを避けつつ、前記所定の方向に沿って前詰めで順に前記スペア領域のブロックを割り当て、前記検出したユーザデータ領域の欠陥ブロックのセクタ番号を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録する交替ブロック算出部と、前記割り当てた交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する次使用可能スペア位置情報更新部と、前記交替ブロック算出部および次使用可能スペア位置情報更新部で更新された前記欠陥管理情報を、前記欠陥管理情報領域へ記録する管理情報記録部とを備える。
【0070】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記スペア領域使用位置情報を含み、前記交替ブロック算出部は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択し、前記次使用可能スペア位置情報更新部は、前記割り当てた交替ブロックの次のブロック位置を指すように、前記選択したスペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0071】
本発明の情報記録媒体は、前記情報記録方法によって情報が記録される情報記録媒体であって、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用される領域であり、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記更新された欠陥管理情報が、前記欠陥管理情報領域に記録される。
【0072】
本発明の情報再生方法は、前記情報記録方法によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生方法であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【0073】
本発明の情報再生装置は、前記情報記録装置によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生装置であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【発明の効果】
【0074】
本発明の書換え型情報記録媒体は、スペア領域15の各々において次に使用可能な位置を示す次使用可能スペア位置情報43(図3)を有し、且つ、スペア領域15に対してそれぞれ個別に、使用順番(使用方向)に制限を付ける(例えば物理アドレス番号の昇順方向に向かって使用する)。さらにスペア領域15内の欠陥を管理するための欠陥属性を有する欠陥エントリ31をDFL21に備える。このようにすることで、記録層の多層化等に伴ってスペア領域15のサイズが増加したとしても、DFL21のサイズをコンパクトに抑えることができる。また、物理再フォーマットを行った後でも、物理再フォーマット前のスペア領域15内における欠陥クラスタに関する情報を保持させることにより、物理再フォーマット後の欠陥交替処理時の処理パフォーマンスの低下も防ぐことができる。
【0075】
さらに、次使用可能スペア領域位置情報43と欠陥エントリ31とに基づいて、スペア領域15における交替クラスタを、欠陥ブロックの代わりとして割り当て、次使用可能スペア位置情報43を更新する。このことにより、スペア領域15内のクラスタが欠陥クラスタであるか否かを判断するために、そのクラスタに実際に記録を行い欠陥であるか否かを判断するといった、時間のかかる処理を行う必要がなくなり、欠陥交替記録時において適切な交替クラスタの割り当てを速く行うことができる。
【0076】
さらに、物理再フォーマット時に割り当てる交替クラスタをスペア領域15の使用順番(方向)にしたがって前詰めで割り当てるようにする。これにより、スペア領域15の使用順番に従った方向において、次使用可能スペア位置情報43より後に、交替先として割り当てられているクラスタが無い状態を実現できる。そのため、スペア領域15内の使用済みクラスタを次使用可能スペア位置情報43のみで管理することが可能になる。つまり、物理再フォーマット後に交替先としてすでに割り当てられてDFL21に登録されているクラスタを、サーチする必要は無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】光ディスクの物理構造を示す図である。
【図2】光ディスクの詳細な領域構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における、DFL21のデータ内容を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1における、欠陥エントリ31の具体例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における、光ディスク記録再生装置100のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1における、初期フォーマット後の光ディスク1の状態を示す図である。
【図7】(A)から(D)は、本発明の実施の形態における、欠陥交替処理の具体例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における、物理再フォーマット処理を示すフロー図である。
【図9】本発明の実施の形態における、交替クラスタの割り当て処理を示すフロー図である。
【図10】(A)から(F)は、本発明の実施の形態における、物理再フォーマット時の交替先再割り当て処理を示す図である。
【図11】(A)から(F)は、本発明の実施の形態における、物理再フォーマット後の交替先割り当て処理を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2および実施の形態3における、光ディスク1の領域構造を示す図である。
【図13】(A)および(B)は、本発明の実施の形態2および実施の形態3における、スペア領域15の使用方向、およびDFLヘッダ30データ内容を示す図である。
【図14】(A)および(B)は、本発明の実施の形態3における、欠陥エントリ31の属性および欠陥エントリ31の具体例を示す図である。
【図15】(A)から(D)は、本発明の実施の形態3における、交替先割り当ての具体例を示す図である。
【図16】DFL21のデータ内容を示す図である。
【図17】(A)から(C)は、欠陥エントリ31の構成および内容を示す図である。
【図18】欠陥エントリ31の具体例を示す図である。
【図19】(A)から(F)は、本発明の実施の形態における、物理再フォーマット後の交替先割り当て処理を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における多層光ディスクの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0079】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、情報記録媒体として、記録層を1層のみ備えた書換え型光ディスクを例にとって説明する。
【0080】
1.領域構造/データ構造
本発明の実施の形態1における書換え型光ディスクのデータ構造は、図2を用いて説明した書換え型光ディスクと、スペア領域15の使い方、DFL21に含まれるDFLヘッダ30の内容、および欠陥エントリ31の内容を除いて同じであるため、ここでは、内容が異なるものについてのみ説明する。
【0081】
図3は、本発明の実施の形態1における書換え型光ディスクのDFL21の内容を説明する説明図である。
【0082】
DFLヘッダ30は、この情報がDFLであることを示す識別情報であるDFL識別子40と、DFL21が更新された回数を示す第1更新回数情報41と、DFL21に含まれる欠陥エントリ31の個数を示す欠陥エントリ数42に加えてさらに、スペア領域15において次に使用可能なクラスタ位置を管理するための情報である次使用可能スペア位置情報43(本発明の実施の形態1の場合は、P_ISA0(Next Available PSN of Inner Spare Area layer0)と呼ぶ)とを備える。次使用可能スペア位置情報43は、例えば次に使用可能なスペア領域15内のクラスタにおける先頭セクタの物理アドレス番号で管理される。なお、この次使用可能スペア位置情報43のようなスペア領域15における次に使用可能な位置の管理情報は、光ディスク1に離散的に存在するスペア領域15の数分だけDFLヘッダ30に情報を備える。本発明の実施の形態1では、記録層は1層のみであり、かつスペア領域15は内周側のみに存在するため1つのみの情報であるが、例えばスペア領域15を離散的に複数備える場合には、それぞれのスペア領域15ごとにこの次使用可能スペア位置情報43を持つ。詳細については、後述の本発明の実施の形態2において説明する。
【0083】
図4は、本発明の実施の形態1における欠陥エントリ31における第1状態フィールド31aおよび第2状態フィールド31cの組み合わせにおける一例を示す説明図である。
【0084】
本発明の実施の形態1では、欠陥管理情報は、スペア領域15の中に存在する欠陥クラスタを示すスペア欠陥属性と欠陥クラスタのセクタ番地(先頭セクタの物理アドレス番号)を含む欠陥エントリ31を備えるとともに、スペア領域15において次に交替クラスタとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報43を備える。
【0085】
これにより、第1状態フィールド31aが0010(SPR)で、第2状態フィールド31cが0000の属性の欠陥エントリ31をDFL21に含まない構成とすることができる。より具体的には、次使用可能スペア位置情報43が指す位置が欠陥エントリ31で管理される欠陥クラスタで無ければ、そのクラスタは交替クラスタとして使用可能なクラスタ(つまり、第1状態フィールド31aが0010(SPR)で、第2状態フィールド31cが0000の属性の欠陥エントリ31と同等)と判断することが出来る。つまり図4に示すように、SPR属性の欠陥エントリ31としては、第2状態フィールド31cが0100、つまり物理再フォーマット前にスペア領域15で欠陥だったクラスタ(つまり第1状態フィールド31aが0111(UNUSE)属性だったクラスタ)を管理するための欠陥エントリ31であるSPR(RDE)属性のみである。
【0086】
つまり、図17を用いて説明した書換え型光ディスクとは異なり、本実施形態では、交替クラスタとして使用可能なスペア領域15のクラスタは、欠陥エントリ31という形で管理しない構成となる。本発明の実施の形態1では、使用可能なスペア領域15のクラスタを、欠陥エントリ31としてではなく、DFLヘッダ30に含まれる次使用可能スペア位置情報43で管理する。
【0087】
また次使用可能スペア位置情報43等で次に使用可能なスペア領域15のクラスタ位置を管理するため、スペア領域15は必ず所定の方向に向かって順番に使用しなくてはならないという制限が設けられている。具体的には、スペア領域15については例えばトラックパスの方向に沿って、つまり物理アドレス番号の昇順(物理アドレス番号が小さいクラスタから大きいクラスタに向かって)にクラスタを使用する、あるいは例えば図13で示したようにスペア領域15が各記録層の内周側と外周側にそれぞれスペア領域15が配置されるような場合であれば、内周側に配置されるスペア領域15(ISA0、ISA1、ISA2)は光ディスク1に対して内周側から外周側に向かって使用し、外周側に配置されるスペア領域15(OSA0、OSA1、OSA2)は外周側から内周側に向かって使用する、あるいはすべてのスペア領域15とも物理アドレス番号に対して昇順に使用する、あるいは物理再フォーマットにおいてスペア領域15のみが拡張されるような場合を考慮して、物理アドレス番号が最も大きいスペア領域15(この図の場合であればOSA2)を除いては物理アドレス番号に対して昇順に使用し、OSA2だけは物理アドレス番号に対して降順に使用するなどの方法が有効である。
【0088】
なお、ある1つのスペア領域15内において使用するクラスタについては使用順番が制限されるが、離散的に複数存在するスペア領域15において、どのスペア領域15から使用しなければならないというようなスペア領域15間の使用順番には制限は必要無い。つまり最初に交替先として使用するスペア領域はISA0で無くとも良く、例えばOSA2(図12)などであっても良い。
【0089】
なお本発明の実施の形態1では、次使用可能スペア位置情報43をDFLヘッダ30に含むものとして説明を行ったが、これは一般的にDMAにおいては、繰り返し記録に伴うDMA自身のサイクル劣化に伴う欠陥等に考慮して、DFL21を記録するための予備領
域は備えられているが、各種管理情報の位置情報を備えるDDS20はDMAにおける所定の位置に記録されている必要があるためサイクル劣化に対する予備領域は備えない場合が多い。そのため、記録中の交替記録発生のために毎回更新する必要がある次使用可能スペア位置情報43のような情報は、DDS20に含むよりも、DFL21内に含んだほうがサイクル劣化等の問題に対して有効と考えたためである。例えばサイクル劣化の問題等を気にする必要も無いくらいの性能を持つ書換え型の光ディスク1であれば、スペア領域15における次に使用可能なクラスタの管理情報である次使用可能スペア位置情報43等は、DFLヘッダ30に含まれるものとして説明を行ったが、例えばDDS20に含まれても同様の効果を得ることが出来る。
【0090】
2.光ディスク記録再生装置の構成
図5は、本発明の実施の形態1における光ディスク1への記録再生を行う光ディスク記録再生装置100の構成を示す。本発明の実施の形態における記録処理、再生処理、フォーマット処理等の各種処理は、光ディスク記録再生装置100が備える各制御部により制御される。
【0091】
光ディスク記録再生装置100は、I/Oバス180を介して上位制御装置(図示せず)に接続される。上位制御装置は、例えば、ホストコンピュータ(ホストPC)である。
【0092】
光ディスク記録再生装置100は、上位制御装置からの命令を処理する命令処理部110と、光ディスクへの記録再生を行うためのレーザ光を照射する光ピックアップ120と、光ピックアップ120からの出力レーザパワー等の制御を行うレーザ制御部130と、光ピックアップ120を目的位置へ移動(シーク)したりサーボ制御を行うためのメカ部140と、記録する及び再生したユーザデータやその他情報を一時的に記憶するためのメモリ150と、DMAから読み出したりDMAへ記録するDDS20やDFL21といった管理情報を最新状態で格納する管理情報格納メモリ160と、光ディスク1からの記録再生処理などのシステム処理全般の統括制御を行うシステム制御部170とを備える。
【0093】
システム制御部170はさらに、ユーザデータや管理情報等のデータの記録再生を行う記録部171、再生部172と、光ディスク1に対する初期化フォーマットや物理再フォーマットといったフォーマット処理を制御するフォーマット制御部173と、欠陥クラスタの交替クラスタとしてスペア領域15におけるクラスタの割り当てを行う交替先算出部174と、管理情報格納メモリ160に格納されているDDS20やDFL21等の管理情報を最新状態に更新する管理情報更新部175から構成される。
【0094】
管理情報格納メモリ160には、例えば光ディスク1の起動時に再生部172によってDMAから読み出した最新の管理情報が記憶され、以降はDFL21やDDS20の内容に変化(例えば欠陥クラスタが検出され、欠陥エントリ31が増えたなど)した場合には主に管理情報更新部175によって管理情報格納メモリ160におけるDFL21に相当するデータやDDS20に相当するデータの更新を行うことになる。そしてこれらのデータは、光ディスク1が光ディスク記録再生装置100から排出されるまでの任意のタイミング(例えば光ディスク1の排出直前や所定時間光ディスク1へのアクセスが発生しなかった場合等)で記録部171によってDMA1からDMA4に記録される。
【0095】
3.記録方法
3−(1)初期化フォーマット
未使用(未記録)状態の光ディスク1に対して記録を行うためには、上述した通り、ユーザデータ領域14とスペア領域15の配置(ユーザデータ領域14の開始位置やスペア領域15のサイズ等)などを決定する初期化フォーマット処理(Initialize)を実施する必要がある。
【0096】
図6は、本発明の実施の形態1における書換え型光ディスク1に対して初期化フォーマットを実施した後の状態を説明した図である。ここで図中のユーザデータ領域14、およびスペア領域15において数字が書いてある四角1つが1クラスタを示し、番号は物理アドレス番号を示す。但し厳密に言えば、1クラスタはBDの場合は32セクタから構成されるため、セクタ毎に割り振られる物理アドレス番号は1クラスタごとに32ずつ増えて行くことになるが、本発明の実施の形態1の説明では、説明簡略化のため、物理アドレス番号としてクラスタ単位の通し番号を物理アドレス番号として図で示すこととする。また図の左側が光ディスク1の内周側(リードイン領域4側)であり、図の右側が外周側(リードアウト領域5側)を示している。さらにスペア領域15は、トラックパスの方向である内周側から外周側に向かって、つまり物理アドレス番号の小さいクラスタから大きいクラスタに向かって昇順に使用されるものとする。
【0097】
初期化フォーマットの時点ではまだ光ディスク1のユーザデータ領域14やスペア領域15における欠陥クラスタは検出されていないため、初期化フォーマット実施後は、DFL21は空の状態(つまり、欠陥エントリ31が存在しない状態であり、欠陥エントリ数42も0の状態)となり、次に使用可能なスペア領域の位置を管理する次使用可能スペア位置情報43は、スペア領域15において使用方向に向かって最初の位置(図6の場合、スペア領域15は点線で示した方向、つまり物理アドレス番号の昇順に使用されるため、内周側先頭クラスタの位置である#1)を指した状態となる。これを初期DFLと呼ぶ。
【0098】
つまり初期化フォーマットが要求された場合は、システム制御部170におけるフォーマット制御部173はまず、管理情報格納メモリ160に初期DFLとユーザデータ領域14の開始位置やスペア領域15のサイズなどを確定させた初期状態のDDS20(図2)とを生成する(初期状態のDDS20を初期DDSと呼ぶ)。そして記録部171によって初期DFL及び初期DDSの記録を行なう。なお、記録部171によって記録を行う際には、例えば事前にシステム制御部170が記録を行うレーザパワーやストラテジ等の記録条件をレーザ制御部130に設定し、記録対象であるDMA領域の位置へメカ制御部140を用いて光ピックアップ120を移動(シーク)させる処理を行っておく。なお、以降の本明細書において「記録部171によって記録を行なう」と記載した場合には、上述の記録条件設定や光ピックアップ120を目的位置へ移動させる処理も含んでいるものとする。
【0099】
なお、ユーザデータ領域14およびスペア領域15において1つの欠陥クラスタも存在しないような光ディスク1に対して、後述する物理再フォーマットを実施した場合も、ここで説明した図6で示す状態と同じ状態となる。
【0100】
3−(2)通常の欠陥交替記録と欠陥エントリ31の関係
図7(A)から図7(D)は、図6の状態、つまり初期化フォーマット後の光ディスク1に対して記録を行った場合の一例であり、欠陥クラスタを検出した場合の交替先の割り当て、およびDFL21における欠陥エントリ31の状態について説明するための図である。
【0101】
図7(A)および(B)は、ユーザデータ領域14の先頭クラスタであるクラスタ:#101から連続記録中に、クラスタ:#103を欠陥として検出した場合の、交替記録実施後の状態を示している。記録部171によってユーザデータ領域14への記録中に欠陥クラスタが検出されると、そのクラスタの代わりに用いる交替クラスタとして、交替位置算出部174はスペア領域15において次使用可能スペア位置情報43(図3)が示しているクラスタを割り当てる。図7(A)および(B)に示す例では、次使用可能スペア位置情報43はクラスタ:#1を示しているので、このクラスタを交替先として割り当て、
そして記録部171は欠陥クラスタへ記録しようとしていたデータを割り当てた交替クラスタに対して交替記録する。この時あわせて管理情報更新部175によって、管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータにおける次使用可能スペア位置情報43を、スペア領域15において次に使用可能なクラスタ位置(#2)を指すように更新する。
【0102】
交替記録に成功した場合(つまり、交替先として割り当てたクラスタが欠陥では無い正常クラスタであった場合)は、管理情報更新部175は、第1アドレスフィールド31bとして欠陥クラスタの位置情報(#103)、第2アドレスフィールド31dとして交替クラスタの位置情報(#1)、第1状態フィールド31aとして、交替先が割り当てられ、欠陥クラスタのデータが交替クラスタに記録されていることを示す0000(RAD0)、第2状態フィールド31cは未使用を示す0000の欠陥エントリ31を生成し、管理情報格納バッファ160におけるDFL21に相当するデータに追加登録する。
【0103】
更新された管理情報格納バッファ160中のDFL21に相当するデータは、上述した任意のタイミングに、記録部171によってDMAに記録反映する。
【0104】
図7(C)および(D)は、図7(A)および(B)の状態からさらに記録部171によるユーザデータ領域14への記録中に、クラスタ:#105が欠陥として検出され、さらに割り当てた交替先のクラスタ:#2も欠陥であった場合の、交替記録実施後の状態を示している。この場合も、ユーザデータ領域14中で検出された欠陥クラスタ:#105の代わりに用いる交替クラスタとして、交替先算出部174は次使用可能スペア位置情報43が示しているスペア領域15中のクラスタ:#2を割り当て、割り当てたクラスタに対して記録部171によって交替記録が行われる。この時あわせて管理情報更新部175によって、管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータにおける次使用可能スペア位置情報43を、スペア領域15において次に使用可能なクラスタ位置(#3)を指すように更新する。ここで交替先として割り当てたクラスタ:#2が欠陥クラスタであった場合には、さらに交替先算出部174は、次使用可能スペア位置情報43が指すクラスタ:#3をクラスタ:#105の交替先として再割り当てして、記録部171によって再度交替記録を行う。この際、管理情報更新部175は、第2アドレスフィールド31dとして欠陥クラスタとして検出されたスペア領域15中のクラスタ:#2、第1状態フィールド31aとしてスペア領域15中の欠陥を示す0111(UNUSE)、第1アドレスフィールド31bは意味の無いデータであることを示す値(例えばAll 0データ)、および第2状態フィールド31cは未使用を示す0000の欠陥エントリ31を新たに生成し、管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータに対して追加登録する。またこの時あわせて管理情報更新部175は、管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当する次使用可能スペア位置情報43を、スペア領域15において次に使用可能なクラスタ位置(#4)を指すように更新する。
【0105】
交替記録に成功した場合、管理情報更新部175は、第1アドレスフィールド31bとして欠陥クラスタの位置情報(#105)、第2アドレスフィールド31dとして交替クラスタの位置情報(#3)、第1状態フィールド31aとして、交替先が割り当てられ、欠陥クラスタのデータが交替クラスタに記録されていることを示す0000(RAD0)、第2状態フィールド31cは未使用を示す0000の欠陥エントリ31を新たに生成し、管理情報格納バッファ160におけるDFL21に相当するデータに追加登録する。この際DFL21には、欠陥エントリ31が第1状態フィールド31aの最上位ビットを除いた値で昇順にソートした状態で登録する。そのため、DFL21に含まれる欠陥エントリ31の状態としては図7(C)および(D)に示すような状態となる。
【0106】
3−(3)交替クラスタの割り当て(物理再フォーマット時)
次に物理再フォーマットを行う場合の処理方法について、交替クラスタの割り当て方法を中心に説明を行う。なおここでは、物理再フォーマットとして、DFL21に登録されている全ての欠陥クラスタに対してサーティファイと呼ばれる欠陥検査処理(具体的には、所定のデータを記録し、それを再生して正しく読み出せるか否かによって欠陥クラスタか否かを判断する処理)を行うクイック・サーティフィケーション(Quick Certification)フォーマット(以下、クイック・サーティファイと呼ぶ)処理を例にとって説明する。クイック・サーティファイで欠陥と判断されたクラスタは、欠陥エントリ31(具体的には、ユーザデータ領域14中の欠陥クラスタは、第1状態フィールド31aが0000(RAD0)属性、もしくは1000(RAD1)属性の欠陥エントリ31、スペア領域15中の欠陥クラスタは、第1状態フィールド31aが0111(UNUSE)属性の欠陥エントリ31)としてDFL21に保持される。
【0107】
図8は、物理再フォーマット処理の手順を示すフロー図である。
【0108】
ステップ801:欠陥クラスタを検索する。具体的にはフォーマット制御部173はまず、光ディスク1におけるスペア領域15中に含まれる欠陥クラスタ、およびユーザデータ領域14における欠陥クラスタを検出する。検出方法としては、例えばクイック・サーティファイを行う場合は、DFL21に登録されている欠陥クラスタに対して記録部171および再生部172によって欠陥検査処理(サーティファイ)を行い、そのクラスタが本当に欠陥か否かを判断する。
【0109】
欠陥では無いと判断された場合は、欠陥情報更新部175によってそのクラスタを含む欠陥エントリ31をDFL21(より具体的には、管理情報格納メモリ160に存在するDFL21相当のデータ)から削除する。もしくは欠陥と判断された場合は、その欠陥クラスタに関する情報をメモリ150等に確保しておくという方法でも良い。
【0110】
ステップ802:次使用可能スペア位置情報43を初期化する。具体的には、フォーマット制御部173は、管理情報更新部175によって管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当する次使用可能スペア位置情報43を、スペア領域15の使用方向に対して初期状態となるように更新する。具体的には、例えばスペア領域15が物理アドレス番号の昇順(物理アドレス番号の小さいクラスタから大きいクラスタの順番)に使用される場合であれば、次使用可能スペア位置情報43をスペア領域15において物理アドレス番号が最も小さいクラスタ位置を指すように初期化する。
【0111】
ステップ803:交替クラスタの算出(再割り当て)を行う。具体的にはフォーマット制御部173は、交替先算出部174を用いてユーザデータ領域14における欠陥クラスタの交替クラスタを、スペア領域15の使用方向に沿って前詰め(使用方向に沿って、先頭側から欠陥クラスタでない使用可能なクラスタを順番に割り当て)となるように再割り当てする。
【0112】
この処理方法について、より詳細に説明を行う。
【0113】
図9は、交替先算出部174が行う交替クラスタの算出手順に関するフロー図である。
【0114】
ステップ901:交替先として使用するスペア領域15を決定する。具体的には交替先算出部174は、交替クラスタを割り当てることが可能なスペア領域15を算出する。なお、本発明の実施の形態1の場合は、スペア領域15が1つしか存在しないため、必ずそのスペア領域15が選択される。
【0115】
なおこのタイミングで、後述するスペア領域15が枯渇状態か否かの判断を行っても良
い。
【0116】
ステップ902:次使用可能スペア位置情報43の値を取得する。具体的には、交替先算出部174は管理情報格納メモリ160におけるDFL21相当のデータから、次使用可能スペア位置情報43を取得する。
【0117】
ステップ903:次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタが欠陥クラスタか否かを判断する。具体的には、交替先算出部174は次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ位置(物理アドレス番号)が、上述のステップ801で検出した欠陥クラスタに含まれているか否かを判断する。より具体的には、次使用可能スペア位置情報43が示す物理アドレス位置を欠陥クラスタ位置として含んだ欠陥エントリ31がDFL21(より具体的には、管理情報格納メモリ160におけるDFL21に相当するデータ)に存在するか否か判断する。この場合、判断を行う際に比較対象とする必要がある欠陥エントリ31は、スペア領域15に関する欠陥エントリである第1状態フィールド31aが0111(UNUSE)の欠陥エントリ31、および第1状態フィールド31aが0010(SPR)で第2状態フィールド31cが0100の欠陥エントリ31である。
【0118】
なお、上記ステップ801の段階で、スペア領域15で欠陥クラスタと判断されたクラスタに関する欠陥エントリ31については管理情報更新部175によって全てUNUSE属性(第1状態フィールド31aが0111)の欠陥エントリ31に更新しておいても良い。この場合には、次使用可能スペア位置情報43と合致するか否かの判断を行う際に比較対象とする欠陥エントリ31は、UNUSE属性(第1状態フィールド31aが0111)の欠陥エントリ31だけで良い。
【0119】
なお、本ステップにおいて欠陥クラスタとして扱うクラスタは、スペア領域15における欠陥クラスタを管理する属性である、第1状態フィールド31aが0111(UNUSE)の欠陥エントリ31で登録されているクラスタを対象として記載したが、同じくスペア領域15における欠陥クラスタを管理する属性として、第1状態フィールド31aが0010(SPR)で第2状態フィールド31cが0100の欠陥エントリ31(以降、SPR(RDE)属性と記載する)も存在する。これらは、UNUSE属性の欠陥エントリ31で管理されるクラスタは物理再フォーマット時の欠陥検査処理等によって欠陥クラスタであると確定しているクラスタ(=使用不能なクラスタ)であるのに対して、SPR(RDE)属性の欠陥エントリ31で管理されるクラスタについては、欠陥が解消されている可能性も含んだクラスタ(=使用可能かもしれないクラスタ(暫定欠陥クラスタ))であるという点において違いがある。
【0120】
上述のステップ903の時点、つまりクイック・サーティファイによる欠陥クラスタの検出後にDFL21にSPR(RDE)属性の欠陥エントリ31が残っていた場合には、このクラスタも欠陥クラスタという意味として扱うことになる。一方で例えば後述の3−(4)に記載した通常記録時の交替先割り当ての場合であれば、UNUSE属性で管理されるクラスタについては確定欠陥クラスタであるため交替先として使用しないように判断を行うが、SPR(RDE)属性で管理されるクラスタについては暫定欠陥クラスタであるため、UNUSE属性と同様に交替先として割り当てない(使用しない)ように扱っても良いし、あるいは欠陥が解消されている可能性を優先して交替先として割り当てるように(つまり使用可能な領域として)扱っても構わない。つまりUNUSE属性と同様に次使用可能スペア位置情報43とSPR(RDE)属性の欠陥エントリ31とが合致するか否かを判断し、合致した場合、交替先として割り当てない場合にはUNUSE属性の場合と同様に扱うが、交替先として割り当てる場合には、例えば合致したSPR(RDE)の欠陥エントリ31は削除して交替先として使用可能なものとして扱っても良い。この場合、(SPR(RDE)の欠陥エントリ31として管理されていた)交替クラスタに対して
正常に交替記録できた場合には、この交替クラスタを含むRAD0属性の欠陥エントリ31が登録されるが、一方で交替記録において交替クラスタが欠陥と判定された場合にはUNUSE属性の欠陥エントリ31としてこのクラスタが登録されることになる。
【0121】
なおステップ903での欠陥クラスタか否かの判断処理としては、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタが比較対象となるUNUSE属性(およびSPR(RDE)属性)の全ての欠陥エントリ31と合致するか否かを毎回判定しても良いが、別の方法としては、例えばディスク起動時のタイミングなど交替記録を行なう前の段階で、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ位置に合致、もしくは当該スペア領域15の使用方向に向かって次使用可能スペア位置情報43よりも後側で次に存在する欠陥クラスタ(スペア領域15が物理アドレス番号の昇順に使用されるとした場合は、次使用可能スペア位置情報43が指すクラスタ位置よりも物理アドレス番号が大きく、かつ次使用可能スペア情報43が示すクラスタ位置に最も近い欠陥クラスタ)を示す欠陥エントリ31の位置を確定させメモリ150等に比較対象エントリ位置情報として保持しておき、ステップ903では次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタが、保持しておいた比較対象エントリ位置情報が示す欠陥エントリ31が管理する欠陥クラスタと合致するか否かの判断だけを行うという方法でも構わない。この場合、一致すると判断された場合には、あわせて比較対象エントリ位置情報が当該スペア領域15における使用方向に対して次の欠陥クラスタ31を指すように更新する。
【0122】
なお、比較対象エントリ位置情報は、比較対象となる欠陥属性全てに対して保持する必要がある。さらにスペア領域15が複数存在する場合には、それぞれのスペア領域15ごとに欠陥属性全てに対して保持し、ステップ903においては、ステップ901で使用すると確定したスペア領域15に対応する比較対象エントリ位置情報と比較判断を行う。
【0123】
ステップ904:合致していると判断された場合は、次使用可能スペア位置情報43を更新する。具体的には、交替先算出部174は管理情報更新部175によって、次使用可能スペア位置情報43が当該欠陥クラスタを避けた、次のクラスタを指すように更新する。ここで次というのは、例えばスペア領域15が物理アドレス番号の昇順に使用される場合であれば、合致したと判断されたクラスタより物理アドレス番号が大きい次のクラスタを指すように更新するという意味である。そして、ステップ902に戻る。
【0124】
なおここで、当該欠陥クラスタを避けた次のクラスタを指すように説明を行ったが、これには2つの方法がある。
【0125】
1つは、単純に合致したクラスタの次のクラスタ位置を指すように1クラスタ単位で更新する方法、もう1つは、合致した際に、その欠陥クラスタを先頭に連続した欠陥クラスタが存在するか否かをチェックし、その連続した欠陥クラスタ数分を避けた次のクラスタ、つまり次の正常クラスタを指すように更新する方法である。ここでは前者を例にとって説明を行うが、いずれの方法を用いても良い。
【0126】
なおここで、後者の方法を用いた場合には、必ずしもステップ902に戻らなくてもよく、直接次のステップ905に進んでも良い。
【0127】
ステップ905:次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタを交替クラスタとして確定する。具体的には、交替先算出部174は、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタを交替クラスタとして確定する。
【0128】
ステップ906:次使用可能スペア位置情報43を更新する。具体的には、交替先算出部174は管理情報更新部175によって、次使用可能スペア位置情報43が交替クラス
タとして割り当てた次のクラスタ位置を指すように更新する。
【0129】
なおここで、交替クラスタとして割り当てた次のクラスタを指すように次使用可能スペア位置情報43を更新すると説明を行ったが、これには2つの方法がある。1つは、単純に割り当てたクラスタの次のクラスタ位置を指すように次使用可能スペア位置情報43を更新する方法、もう1つは、割り当てたクラスタの次のクラスタが欠陥クラスタとしてDFL21に登録されているか否かをこの時点でチェックして、割り当てたクラスタの次に存在する使用可能なクラスタ位置を指すように次使用可能スペア位置情報43を更新する方法である。ここでは前者を例にとって説明を行うが、いずれの方法を用いても良い。
【0130】
以上の手順で、交替先として割り当てられるスペア領域15および交替クラスタが確定される。
【0131】
なおここでは詳細は記載しなかったが、次使用可能スペア位置情報43がスペア領域15の領域外の位置を指す場合がある。より具体的には、スペア領域15の全てのクラスタを使い尽くしてしまい、交替先として割り当てるクラスタが他に存在しないような場合も考えられる。このような場合には次使用可能スペア位置情報43は、例えば図2に示すような光ディスク1の場合には、スペア領域15の終端位置の次に存在するユーザデータ領域14の先頭クラスタ位置を指す場合がある。つまり、次使用可能スペア位置情報43がスペア領域15内のクラスタ位置ではない位置(物理アドレス番号)を示す場合には、対応するスペア領域15は枯渇状態であると判断することが出来る。なおスペア領域15が使用不能(枯渇状態)であることを示す他の方法としては、例えば次使用可能スペア位置情報43が16進数表記でFFFFFFFFの場合やAll0データ(00000000)といった枯渇状態を示す所定の値をセットする方法、あるいは別途DDS20等にスペア枯渇フラグを備え、そのフラグがセットされている場合には枯渇状態と判断するなどの方法も考えられる。
【0132】
よって交替先を割り当てる際には、例えばステップ905を行う前のタイミング、もしくはステップ902のタイミングなどで、次使用可能スペア位置情報43が示す位置がスペア領域15内であるか否か、あるいは当該スペア領域15が枯渇(Full)状態か否かのチェックを行う。そしてもし枯渇状態であると判断された場合は、スペア領域15が複数存在している場合には、他に使用可能なスペア領域15が存在していればそのスペア領域15に対して上記処理を続行させ、使用可能なスペア領域15が他に存在しない場合には交替先の割り当て失敗としてフォーマット処理自体をエラーとして扱うような処理(ステップ)も必要になる。
【0133】
またステップ906で更新した次使用可能スペア位置情報43がスペア領域15外の位置を示す場合など、当該スペア領域15が枯渇状態となった場合には、例えばステップ906のタイミングなどで次使用可能スペア位置情報43に対して枯渇状態を示す所定の値をセットする、あるいはスペア枯渇フラグをセットするといった処理も行う必要がある。
【0134】
ステップ804:欠陥エントリ31を更新する。具体的にはフォーマット制御部173は管理情報更新部175によって、ステップ801で検出された欠陥クラスタを含む欠陥エントリ31を変更(更新)する。
【0135】
より具体的には、ステップ801で欠陥として検出されたクラスタがユーザデータ領域14内(つまり第1状態フィールド31aが0000(RAD0)、1000(RAD1)、0100(PBA)、NRD(0001))である場合には、検出された欠陥クラスタを第1アドレスフィールド31bに、ステップ803で再割り当てされた交替クラスタを第2アドレスフィールド31dとし、第1状態フィールド31aを0000(RAD0
)、第2状態フィールド31cを0000(未使用)としたRAD0属性の欠陥エントリ31として、管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータを修正更新する。
【0136】
なおここではRAD0属性として登録する説明を行ったが、RAD1属性で登録しても構わない。
【0137】
なおここではPBA属性、NRD属性の欠陥エントリ31についてもRAD0に変更するように記載をしたが、これについては必ずしもRAD0属性に変換せずとも良く、例えばNRD属性の欠陥エントリ31はそのまま保持でも良く、またPBA属性の欠陥エントリ31についてはNRD属性に修正更新するという形でも問題ない。
【0138】
またステップ801で欠陥として検出されたクラスタがスペア領域15内(つまり第1状態フィールド31aが0111(UNUSE)、もしくは第1状態フィールド31aが0010(SPR)で第2状態フィールド31cが0100)である場合には、検出された欠陥クラスタを第2アドレスフィールド31dに含み、第1状態フィールド31aを0111(UNUSE)、第1アドレスフィールド31bはAll 0(未使用)、第2状態フィールド31cは0000(未使用)としたUNUSE属性の欠陥エントリ31として管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータを修正更新する。
【0139】
ステップ805:DMAに管理情報を記録する。具体的にはフォーマット制御部173は、上記ステップ804で更新された管理情報格納メモリ160に格納されている最新状態のDFL21に相当するデータ、およびDDS20に相当するデータを、記録部171によってDMA1からDMA4に記録する。
【0140】
以上で物理再フォーマット処理が完了する。
【0141】
ここで、ステップ803で記載した、スペア領域15の使用方向に沿って前詰め(使用方向に沿って、先頭から順番に割り当て)となるように再割り当てすることの意味について説明する。
【0142】
図10(A)から(F)は、クイック・サーティファイを実施する際に、交替先の再割り当てを行わなかった場合、および交替先の再割り当てを行った場合の例を示す説明図である。
【0143】
図10(A)および(B)は、クイック・サーティファイ実施前の光ディスク1の状態(初期状態)を示す図である。例えば、ユーザデータ領域14内のクラスタ:#103がスペア領域15内のクラスタ:#3に、ユーザデータ領域14内のクラスタ:#106がスペア領域15内のクラスタ:#2に交替記録されたRAD0属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録されており、またスペア領域15内のクラスタ:#1は交替記録の際に欠陥クラスタと判定されたクラスタで、UNUSE属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録されている状態である。またこの時、次使用可能スペア位置情報43はクラスタ:#4を指している。
【0144】
この状態の光ディスク1に対してクイック・サーティファイを実施する。ここで欠陥クラスタと判定されていたスペア領域15内のクラスタ:#1は、サーティファイ時には欠陥状態が解消されていると判定された場合を考えてみる。
【0145】
図10(C)および(D)は、交替先の再割り当てを行わなかった場合の、クイック・サーティファイ後の光ディスク1の状態を示す図である。
【0146】
クラスタ:#1が、サーティファイの結果正常クラスタと判定されたため、DFL21からは#1に関するUNUSE属性の欠陥クラスタ31が削除された状態となる。また物理再フォーマットを行ったため、次使用可能スペア位置情報43(図中のP_ISA0)は初期化される(上記ステップ802の処理に相当する)。具体的には、スペア領域15の使用方向に対して先頭のクラスタ、つまりスペア領域15が物理アドレス番号の昇順に使用される領域だとすると、スペア領域15において最も物理アドレス番号が小さいクラスタ(この場合はクラスタ:#1)を指すように初期化される。
【0147】
但しこの方法の場合、クイック・サーティファイ前にもともと交替先が割り当てられていた欠陥エントリ31についてはそのままの状態となるため、結果として次使用可能スペア位置情報43は#1を指し、かつ、その位置よりも使用方向側に既に交替先として割り当てられたクラスタが存在することになる。
【0148】
この場合、以降のユーザデータ領域14への記録中に別の欠陥を検出して交替クラスタを割り当てたいような場合、次使用可能スペア位置情報43が指すクラスタを交替先として使用できるか否かを判断することになるが、この場合は、UNUSE属性(および、SPR(RDE)属性)で登録された欠陥クラスタ位置に加えて、既にRAD0、あるいはRAD1属性における第2アドレスフィールド31dに示される、交替先として既に使用されているスペア領域15内のクラスタについてもチェックを行う必要がある。ここで先に述べたように、DFL21において欠陥エントリ31は属性ごとに昇順にソートされて配置される形である。そのためUNUSE属性の場合においては、その属性内で一致アドレスが存在するか否かを例えば2分岐探索や上述したように比較対象の欠陥エントリ31を起動のタイミング等に確定させておいて、その欠陥エントリと比較を行うなどの方法で検索することは可能である。しかし、一方でRAD0(RAD1)属性については第1アドレスフィールド31bを基準にソートされた状態となるため、RAD0(RAD1)における第2アドレスフィールド31dに関してチェックを行うためには、全てのRAD0(RAD1)属性の欠陥エントリに対してサーチをかけないと使用済みか否かの判断は出来ない。こうなると、DFL21における欠陥エントリ31の個数が増えていくに従って、割り当て可能な交替クラスタの算出だけで時間を要してしまい、交替記録におけるパフォーマンス低下に繋がることになるという問題点がある。
【0149】
図10(E)および(F)は、交替先の再割り当てを行った場合の、クイック・サーティファイ後の光ディスク1の状態を示す図である。
【0150】
クラスタ:#1が、サーティファイの結果正常クラスタと判定されたため、DFL21からは#1に関するUNUSE属性の欠陥クラスタ31が削除された状態となる。また物理再フォーマットを行ったため、次使用可能スペア位置情報43は初期化される(ステップ802に相当する。またこの例の場合はクラスタ:#1を指した状態になる)。
【0151】
さらにこれに引き続いて、ステップ803(図9)、ステップ804に相当する交替先の再割り当てを行う。サーティファイを物理アドレス番号の昇順にアドレス番号の小さいクラスタから実施していくと考えると、まずユーザデータ領域15内のクラスタ:#103の交替クラスタとして、次使用可能スペア位置情報43が指すクラスタ(#1)が再割り当てされる。この際、次使用可能スペア位置情報43は次にクラスタ(#2)を指すように更新される。続けてユーザデータ領域15内のクラスタ:#106の交替クラスタとして、次使用可能スペア位置情報43が指すクラスタ(#2)が再割り当てされる。この際、次使用可能スペア位置情報43は次にクラスタ(#3)を指すように更新される。よって、図10(E)および(F)に示すようにクイック・サーティファイ完了後は、次使用可能スペア位置情報43はクラスタ:#3を指す状態となる。
【0152】
この場合、以降のユーザデータ領域14への記録中に別の欠陥を検出して交替クラスタを割り当てたいような場合、次使用可能スペア位置情報43が指すクラスタを交替先として使用できるか否かを判断することになるが、この場合は、UNUSE属性(および、SPR(RDE)属性)に登録されているか否かをチェックするだけでOKとなり、図10(C)および(D)で示した場合のように、交替先として既に使用済みか否かを気にする必要は無くなるため、割り当て可能な交替クラスタの確認もスムーズに実施することが可能となるというメリットがある。
【0153】
なお上記の説明では、クイック・サーティファイによってOKと判定された欠陥エントリ31をDFL21から削除し、その他の欠陥エントリ31はそのまま残しておく形で説明を行ったが、この手順はあくまで一例であり、クイック・サーティファイを実現する処理手順はこの方法に限られるものでは無い。具体的には、例えばステップ801で検出した欠陥クラスタに相当する情報を、別の形でメモリ150内などに保持(退避)しておき、ステップ802の次使用可能スペア位置情報43を初期化するタイミングであわせて管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータも初期化してやり、ステップ804にてメモリ150内に保持した欠陥クラスタを含む欠陥エントリ31をDFL21に新たに登録しなおすといった方法などでも実現できることは言うまでも無い。
【0154】
あるいは、別の方法として、例えば、サーティファイ処理を実施する前に、サーティファイ対象のクラスタ情報をDFL21とは別の形で例えばメモリ150内などに保持(退避)しておき、ステップ801の処理としてはこの情報に基づいてサーティファイを行い、サーティファイで欠陥と判定されなかったクラスタについてはここから削除してもよい。もしくはサーティファイで欠陥と判定されたクラスタを更に別の形でメモリ150内に保持し、ステップ802の次使用可能スペア位置情報43を初期化するタイミングであわせて管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータも初期化してやり、ステップ804にてメモリ150内に保持した欠陥クラスタを含む欠陥エントリ31をDFL21に新たに登録しなおすといった方法などでも実現できる。
【0155】
なお上記の説明では、クイック・サーティファイを例に取って説明を行ったが、別の物理再フォーマット処理でも同じ手順で実現できる。
【0156】
つまり例えば、ディスク(データ領域5)全面へのサーティファイを行うフル・サーティフィケーション(Full Certification)フォーマットを行う場合であれば、ステップ801を行う前などのタイミングで管理情報格納バッファ160中のDFL21相当のデータを初期化しておき、ステップ801ではディスク(データ領域5)上の全てクラスタに対してサーティファイを行い、検出された欠陥クラスタに関する情報をDFL21相当のデータ(またはメモリ150中)に格納する点を除けば、他は上記で説明した手順で実現できる。
【0157】
また例えば、DFL21に登録されている欠陥エントリ31の欠陥属性を欠陥が解消されているかも知れないことを示す属性(欠陥エントリ31の第2状態フィールド31cを0100)に変更するクイック・再フォーマット(Quick・Reformat)の場合には、例えばステップ801での検出処理としては何も行わず現状のDFL21に欠陥エントリ31として登録されている全ての欠陥クラスタを欠陥として扱う点、ステップ803での交替先算出処理は不要となる点、およびステップ804での欠陥エントリ31の更新処理が、ユーザデータ領域14内の欠陥クラスタである場合は、第1状態フィールド31aを0100(PBA)、第1アドレスフィールド31bを欠陥クラスタの物理アドレス番号、第2状態フィールド31cを0100、第2アドレスフィールド31dを連続した欠陥クラスタ数とした欠陥エントリ31に修正登録する、スペア領域15内の欠陥ク
ラスタである場合は、第1状態フィールド31aを0010(SPR)、第1アドレスフィールド31bをAll 0、第2状態フィールド31cを0100、第2アドレスフィールド31dを欠陥クラスタの物理アドレス番号とした欠陥エントリ31で修正登録するという形に変わる点を除いて、これも上記で説明した手順で実現できることに変わりは無い。
【0158】
なお、上記では特に詳細は記載しなかったが、クイック・サーティファイを行う場合、ステップ801でDFL21に登録されている全ての欠陥クラスタに対して前もってサーティファイを行ってからステップ802以降を行う方法でも、あるいはステップ801からステップ804を対象となる欠陥クラスタ1つ毎に実施する方法などでも実現可能である。ここでフォーマット処理を行う場合、ステップ802の処理(次使用可能スペア位置情報43の初期化処理)は、ステップ803の処理を行う前に1回のみ実施すれば良い処理である。つまりステップ801からステップ804までの処理を、対象となる欠陥クラスタ1つ毎に実施する方法を採用する場合であっても、ステップ802だけは最初の1回だけ実施すれば良く、以降は実施しない。
【0159】
なお、ステップ803で交替先として再割り当てするクラスタは欠陥で無い正常なクラスタである必要があることから、スペア領域15における欠陥クラスタに関しては、ステップ803を実施する前にサーティファイを行っておく方が好ましいと考えることも出来る。より詳細に言えば、ユーザデータ領域14で欠陥として検出されたクラスタの交替先としては、スペア領域15における欠陥クラスタを避けて前詰めで割り当てる必要がある。
【0160】
こう考えた場合には、ステップ801の処理において、ユーザデータ領域14でのサーティファイ等の欠陥検出処理ステップとスペア領域15へのサーティファイ等の欠陥検出処理ステップも行い、先にスペア領域15中の欠陥クラスタに対してサーティファイ処理を行い、それが完了した後でユーザデータ領域14中の欠陥クラスタに対してサーティファイ処理を行う、もしくは例えばステップ801ではスペア領域15中の欠陥クラスタに対しては全てサーティファイを行って欠陥クラスタを確定させた状態にしておき、残りのユーザデータ領域14における欠陥クラスタについては、ステップ801で全てに対してサーティファイを行う方法でも、ステップ801からステップ804を対象となる欠陥クラスタ1つ毎に実施する方法でも実現可能である。
【0161】
あるいはステップ801からステップ804を、スペア領域15中の欠陥も含めて全てに対して対象となる欠陥クラスタ1つ毎に実施する場合であった場合でも、ステップ903で欠陥クラスタとの合致した場合には、そのクラスタに対してのサーティファイが未実施の場合にはサーティファイを行い、その結果OKであればそのクラスタを交替先クラスタとして算出するようにしても良い。
【0162】
なお上記ステップ801とステップ802の実施順番に制限は無い。つまり、欠陥クラスタの検出より前に次使用可能スペア位置情報43の初期化を行っていても良い。
【0163】
3−(4)交替クラスタの割り当て(通常記録時)
物理再フォーマットが実施された光ディスク1におけるユーザデータ領域14への記録中に欠陥クラスタを検出して交替クラスタを割り当てる際の処理手順について説明する。
【0164】
この場合の処理手順は、上記3−(3)で、物理再フォーマット時のステップ803として図9を用いて行った処理と同じ手順で求めることが出来る。
【0165】
図11(A)から(F)は、スペア領域15に関する欠陥エントリ31が存在する場合
を考慮した、交替クラスタの算出処理の説明図である。
【0166】
図11(A)および(B)は、物理再フォーマット(クイック・サーティファイ)を実施した直後の光ディスク1の状態(初期状態)を示す。クイック・サーティファイではスペア領域15中のクラスタ:#2のみ欠陥クラスタとして判定され、このクラスタがUNUSE属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録されている。また物理再フォーマット後の次使用可能スペア位置情報43は、スペア領域15が物理アドレス番号の昇順に使用される領域であり、#1を指した状態で初期化されている。
【0167】
図11(C)および(D)は、図11(A)および(B)の状態の光ディスク1におけるユーザデータ領域14への記録中に、クラスタ:#103を新規欠陥として検出して交替記録を実施した後の光ディスク1の状態を示す。この場合、図9に示したフローに沿って説明すると、
ステップ901:使用するスペア領域15を確定(ISA0)
ステップ902:次使用可能スペア位置情報43を取得(#1)
ステップ903:#1はDFL21に登録されていないと判断
ステップ905:次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ(#1)が交替先
ステップ906:次使用可能スペア位置情報43を更新(#2)
となり、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ:#1は欠陥クラスタとしてDFL21に登録されていないため、そのまま交替先として使用することが出来、その結果、第1アドレスフィールド31bが欠陥クラスタである#103、第2アドレスフィールド31dが交替クラスタである#1で、第1状態フィールド31aが0000(RAD0)の欠陥エントリ31が新規にDFL21に追加登録される。また次使用可能スペア位置情報43は、交替クラスタとして割り当てたクラスタの次のクラスタ位置(#2)を指すように更新される。
【0168】
図11(E)および(F)は、図11(C)および(D)の状態の光ディスク1におけるユーザデータ領域14への記録中に、更に別のクラスタ:#105を新規欠陥として検出して交替記録を実施した後の光ディスク1の状態を示す。この場合、図9に示したフローに沿って説明すると、
ステップ901:使用するスペア領域15を確定(ISA0)
ステップ902−1:次使用可能スペア位置情報43を取得(#2)
ステップ903−1:#2はDFL21に登録されていると判断
ステップ904:次使用可能スペア位置情報43を更新(#3)
ステップ902−2:次使用可能スペア位置情報43を取得(#3)
ステップ903−2:#3はDFL21に登録されていないと判断
ステップ905:次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ(#3)が交替先
ステップ906:次使用可能スペア位置情報43を更新(#4)
となり、最初に次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ:#2は欠陥クラスタとしてDFL21に登録されているため、交替クラスタとしてはその次のクラスタ(#3)が選択され、その結果、第1アドレスフィールド31bが欠陥クラスタである#105、第2アドレスフィールド31dが交替クラスタである#3で、第1状態フィールド31aが0000(RAD0)の欠陥エントリ31が新規にDFL21に追加登録される。また次使用可能スペア位置情報43は、交替クラスタとして割り当てたクラスタの次のクラスタ位置(#4)を指すように更新される。
【0169】
以上のように、本発明の記録方法および記録装置では、次使用可能スペア領域位置43と欠陥エントリ31とに基づいて、スペア領域における交替クラスタが割り当てられ、次使用可能スペア位置情報43が更新される。
【0170】
なお、本発明の再生方法および再生装置では、ユーザデータを再生する場合、上記のような記録方法または記録装置によって割り当てられた交替クラスタが欠陥クラスタの代わりに再生され、情報が読み出される。
【0171】
なおここでは、ステップ906における次使用可能スペア位置情報43の更新処理では、交替先として割り当てたクラスタの次のクラスタ位置を指し、交替先の算出を行うステップ903において次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ位置が欠陥クラスタとしてDFL21に登録されているか否かをチェックするように説明を行ったが、例えばステップ906における次使用可能スペア位置情報43の更新方法はここで説明した限りではない。つまり例えば、上述したように、ステップ906の次使用可能スペア位置情報43更新の際に、更新後のクラスタ位置が欠陥クラスタか否か(例えばUNUSE属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録されているか否か)をチェックし、ステップ906において次使用可能スペア位置情報43が示す位置を必ず、欠陥クラスタでないスペア領域15内の正常(使用可能)なクラスタ位置を指すように制御するような方法でも同様の効果を得ることが出来るのは言うまでも無い。例えば、図19(C)および(D)に示すように、欠陥クラスタの交替先として割り当てたクラスタの次のクラスタ位置(#2)が欠陥クラスタである場合には、次使用可能スペア位置情報43は、欠陥クラスタとしてUNUSE属性でDFL21に登録されている#2を指すように更新するのではなく、欠陥クラスタを指さないように、その次に存在する正常クラスタ位置である#3を指すように更新する。より具体的に言えば、スペア領域15内に例えばUNUSE属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録されたクラスタのような欠陥クラスタが存在する場合、次使用可能スペア位置情報43は、ステップ906において欠陥クラスタ位置を指した状態で終わっても、欠陥クラスタを避けて正常クラスタ位置を指した状態で終わっても良い。ここで、図19(A)および(B)は、物理再フォーマットを実施した直後の光ディスク1の状態(初期状態)を示す。図19(C)および(D)は、図19(A)および(B)の状態の光ディスク1におけるユーザデータ領域14への記録中に、クラスタ:#103を新規欠陥として検出して交替記録を実施した後の光ディスク1の状態を示す。図19(E)および(F)は、図19(C)および(D)の状態の光ディスク1におけるユーザデータ領域14への記録中に、更に別のクラスタ:#105を新規欠陥として検出して交替記録を実施した後の光ディスク1の状態を示す。
【0172】
このように、次使用可能スペア位置情報43が欠陥クラスタを避けて正常クラスタ位置を指した状態で終わる場合においては、ステップ903において、使用が決定された交替クラスタの次のクラスタ位置(物理アドレス番号)が、欠陥エントリに存在する欠陥クラスタのセクタ番地に合致するか否かを判断してもよい。合致すると判断した場合は、ステップ904において、欠陥エントリが示す欠陥クラスタを避けて、さらに次のクラスタ位置を指すように次使用可能スペア位置情報43を更新してもよい。また、合致しないと判断した場合は、ステップ905において、使用が決定された交替クラスタの次のクラスタ位置を指すように、次使用可能スペア位置情報43を更新してもよい。
【0173】
また上述したように、UNUSE属性(確定スペア欠陥属性)の欠陥エントリ31で管理されるクラスタは交替先として使用しないが、欠陥が解消された可能性のあるSPR(RDE)属性(暫定スペア欠陥属性)で管理されるクラスタ(=使用可能かもしれない、暫定的に欠陥と判断したクラスタ)は、交替先として用いても良いし、あるいは交替先として使用しなくても(すなわち割り当てなくても)良い。つまり次使用可能スペア位置情報43は、UNUSE属性の欠陥エントリ31で管理されるクラスタは指さないが、SPR(RDE)属性の欠陥エントリ31で管理されるクラスタは指しても良い。
【0174】
また、ステップ903において、使用が決定された交替クラスタの次のクラスタ位置(物理アドレス番号)が、欠陥エントリに存在する欠陥クラスタのセクタ番地に合致するか
否かを判断するときに、欠陥エントリに存在するUNUSE属性(確定スペア欠陥属性)の欠陥クラスタのセクタ番地に合致するか否かを判断してもよい。さらに、合致すると判断された場合で、ステップ904において、欠陥エントリが示す欠陥クラスタを避けた次のクラスタ位置を指すように次使用可能スペア位置情報43を更新するときに、欠陥エントリが示すUNUSE属性(確定スペア欠陥属性)の欠陥クラスタを避けて、さらに次のクラスタ位置を指すように次使用可能スペア位置情報43を更新してもよい。
【0175】
また、ステップ903において、使用が決定された交替クラスタの次のクラスタ位置(物理アドレス番号)が、欠陥エントリに存在する欠陥クラスタのセクタ番地に合致するか否かを判断するときに、欠陥エントリに存在するSPR(RDE)属性(暫定スペア欠陥属性)の欠陥クラスタのセクタ番地に合致するか否かを判断してもよい。このとき、合致すると判断された場合は、交替クラスタとして割り当てたブロックの次のブロック位置(すなわち、SPR(RDE)属性(暫定スペア欠陥属性)の欠陥クラスタのセクタ番地)を指すように次使用可能スペア位置情報43を更新してもよい。
【0176】
この処理により、欠陥が解消されている可能性があるクラスタ(=使用可能かもしれないクラスタ)である、SPR(RDE)属性(暫定スペア欠陥属性)の欠陥エントリ31で管理されるクラスタの位置も、次使用可能スペア位置情報43の示すクラスタ位置となり得る。このため、SPR(RDE)属性の欠陥エントリ31で管理されるクラスタを交替先として使用する場合、もし欠陥が解消されている場合は、そのクラスタを交替処理に利用することができる。また、SPR(RDE)属性の欠陥エントリ31で管理されるクラスタを交替先として使用しないといった処理(例えば、UNUSE属性の欠陥エントリに変換する等して交替先として使用させない、あるいは単に交替先として使用しないでスキップする)も選択可能である。
【0177】
すなわち、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタが、SPR(RDE)属性(暫定スペア欠陥属性)で管理される欠陥クラスタのセクタ番地に合致するか否かを判断してもよい。このとき、合致すると判断された場合は、次使用可能スペア位置情報43が示すSPR(RDE)属性(暫定スペア欠陥属性)で管理される欠陥クラスタを、そのまま交替クラスタとして割り当ててもよい。もしくは、次使用可能スペア位置情報43が示すSPR(RDE)属性(暫定スペア欠陥属性)で管理される欠陥クラスタをスペア領域15の使用方向に向かってスキップして、さらに次のクラスタを交替クラスタとして割り当ててもよい。
【0178】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、スペア領域15を複数備える場合の例として、情報記録媒体として記録層を3層備え、更に各記録層とも内周側と外周側にそれぞれスペア領域15を備えた書換え型光ディスクを例にとって説明する。
【0179】
1.領域構造/データ構造
図12は、本発明の実施の形態2における、記録層を3層備えた書換え型光ディスクの領域構造を示す説明図である。
【0180】
本発明の実施の形態2における書換え型光ディスクのデータ構造は、本発明の実施の形態1で説明した記録層を1層のみ備えた書換え型光ディスクの場合と、各記録層での欠陥管理情報領域(DMA)の役割、およびスペア領域を記録層の内周側・外周側にそれぞれ備える点、およびDFLヘッダ30のデータ構造を除いては同じであるため、ここでは、内容が異なるものについてのみ説明する。
【0181】
光ディスク1は記録層を3層備え、それぞれ記録層L0(L0層)、記録層L1(L1
層)、記録層L2(L2層)と呼ぶ。またL0層とは、ディスク基板(図示せず)に最も近い記録層で、言い換えればレーザ照射を行う側であるディスク表面から最も遠い記録層を示す。つまりL2層が、レーザ照射を行うディスク表面側となる。
【0182】
各記録層におけるリードイン領域4とリードアウト領域6には、光ディスク1における欠陥ブロックに関する欠陥管理情報を書き込むための領域として、リードイン領域4には第1の欠陥管理情報領域10(以下DMA1とする)と第2の欠陥管理情報領域11(以下DMA2とする),リードアウト領域6には第3の欠陥管理情報領域12(以下DMA3とする)と第4の欠陥管理情報領域13(以下DMA4とする)を備えている。
【0183】
ここで光ディスク1における管理情報である欠陥管理情報等は全ての記録層分を1つの情報としてまとめて管理し、その情報は基本的に基準層であるL0層におけるDMA1からDMA4に対して記録される。そのため、基準層以外の記録層であるL1層およびL2層におけるDMA1からDMA4の位置に相当する領域は、上書き記録に伴うサイクル劣化が発生した場合などの欠陥管理情報の代替記録先として予約割り当てされている領域である。言い換えれば、代替記録が不要な場合には、L1層およびL2層のDMA1からDMA4には有効な情報は記録されないままとなる。
【0184】
また各記録層は、内周側と外周側にともにスペア領域15を備える。内周側のスペア領域をInner Spare Area(ISA)、外周側のスペア領域をOuter Spare Area(OSA)と呼ぶ。また本明細書においては、各記録層のスペア領域15を識別できるように、ISA、OSAの後ろに層番号(L0層の場合は0)を付与して、例えばL1層の外周側スペア領域15の場合はOSA1と呼ぶこととする。
【0185】
全てのスペア領域15とも、ユーザデータ領域14の欠陥セクタを含むクラスタの代わりに用いる交替クラスタとして予め用意された領域である。なお、それぞれのスペア領域15の中においては、所定の方向に沿って順に使用されるという使用制限はあるが、検出された欠陥クラスタの交替先として複数存在するスペア領域15のどのスペア領域を用いるかは完全に任意である。言い換えれば、複数存在するスペア領域15においてどのスペア領域15を交替先として割り当てても良い。つまり例えば、L2層のユーザデータ領域14で検出された欠陥クラスタの交替先として、L0層のスペア領域15であるISA0を割り当てても問題ない。
【0186】
図13(B)はDFLヘッダ30のデータ構造を示す説明図である。
【0187】
図13(A)に示すように、記録層を3層(L0層、L1層、およびL2層)備え、かつ各記録層の内周側と外周側にそれぞれスペア領域15を備えた光ディスクの場合は、各スペア領域における次に使用可能なクラスタ位置を管理するための情報を持つため、DFL識別子40、更新回数情報41、欠陥エントリ数42に加えて、次使用可能スペア位置情報43として各スペア領域に対応したP_ISA0、P_OSA0、P_OSA1、P_ISA1、P_ISA2、P_OSA2とを備える。
【0188】
ここで物理アドレス番号が割り振られる順番、つまりトラックパスはオポジットパスと呼ばれる形を例に取る。オポジットパスとは、層毎に物理アドレス番号が増えていく方向が逆向きになっている方式で、具体的にはこの図12の場合はL0層が内周側から外周側に向かって物理アドレス番号が増えていき、L1層は逆に外周側から内周側に向かって物理アドレス番号が増えていき、L2層はL0層と同様に内周側から外周側に向かって物理アドレス番号が増えていくという方式である。
【0189】
図13(A)に示す各スペア領域15内に記された点線の矢印は、本発明の実施の形態
2における、そのスペア領域15の使用方向を示す。つまり、L2層のスペア領域15であるOSA2を除いては全てトラックパスの方向、つまり物理アドレス番号の昇順に使用されるが、全てのスペア領域15の中で最も物理アドレス番号が大きくなるスペア領域15(以降、これを最終スペア領域とも呼ぶ)であるOSA2だけは、物理アドレス番号の降順に使用されるものとする。
【0190】
以下、本実施の形態2では、スペア領域15の使用方向はここで示した通りとして説明を行う。
【0191】
なお、本発明の実施の形態2ではトラックパスとしてオポジットパスの場合を例に説明したが、トラックパスの方式としてはこれに限ったものでは無い。つまり例えば全ての記録層で同じ半径方向に向かって物理アドレス番号が割り振られるパラレルパスと呼ばれる方式であっても同様の効果を得ることが出来る。
【0192】
2.光ディスク記録再生装置の構成
本発明の実施の形態2における光ディスク記録再生装置100は、本発明の実施の形態1において、図5で説明したものと同じであるため、説明は省略する。
【0193】
3.記録方法
3−(1)初期化フォーマット
本発明の実施の形態2における初期化フォーマット処理は、光ディスク1上にスペア領域15が複数存在することに伴って次使用可能スペア位置情報43の数が複数個に増えたことを除いて、本発明の実施の形態1の3−(1)において説明した内容と同じであるため、説明は省略する。
【0194】
なお、各スペア領域15に対応する次使用可能スペア位置情報43は、いずれも対応するスペア領域15において、使用方向である所定の方向に向かって最初の位置(例えば各スペア領域15が図13において点線で示した方向、つまり最終スペア領域であるOSA2を除いては物理アドレス番号の昇順に、最終スペア領域であるOSA2は物理アドレス番号の降順に使用されるような場合であれば、次使用可能スペア位置情報43であるP_ISA0、P_OSA0、P_OSA1、P_ISA1およびP_ISA2はいずれも、対応するスペア領域15において物理アドレス番号が一番小さいクラスタ位置、P_OSA2はL2層における外周側のスペア領域15であるOSA2において物理アドレス番号が一番大きいクラスタ位置)を指した状態となる。
【0195】
3−(2)通常の欠陥交替記録と欠陥エントリ31の関係
本発明の実施の形態2における初期化フォーマット後の光ディスク1に対する欠陥交替処理方法は、欠陥クラスタの交替先として割り当て可能なスペア領域15が光ディスク1上に複数存在する点を除いて、本発明の実施の形態1の3−(2)において説明した内容と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0196】
欠陥クラスタの交替先として割り当て可能なスペア領域15が複数存在する場合には、複数のスペア領域15のうち、任意の1つのスペア領域15を選択して交替クラスタを割り当てる。
【0197】
例えば図12におけるL0層のユーザデータ領域14において欠陥クラスタを検出した場合、その交替先として交替クラスタを割り当てるスペア領域15としては、ISA0、OSA0、OSA1、ISA1、ISA2、およびOSA2がいずれも使用可能である(例えば枯渇状態ではない、あるいはユーザ等によってWrite Protect(記録禁止設定)されていない等)場合には、これらのうちどのスペア領域15を使用しても良
い。このような場合、主に交替記録の処理に要する時間(パフォーマンス)を考慮して、欠陥クラスタ位置の最も近くに存在するスペア領域15(以降、これを理想交替スペア領域と呼ぶ)を交替先として割り当てるのが好ましい。ここで最も近くとは、例えば以下のようなものである。
【0198】
・欠陥クラスタと同一記録層に存在するスペア領域15で、かつ交替先として使用可能なクラスタと欠陥クラスタとの半径距離が小さいスペア領域15
・欠陥クラスタと同一記録層に存在するスペア領域15で、かつ交替先として使用可能なクラスタと欠陥クラスタとの物理アドレス番号差が小さい(近い)スペア領域15
・光ピックアップ120の移動(シーク)処理は、所定の方向に向かっての処理の方が高速に実施できる(具体的には、内周側から外周側へ向かってのシークの方が外周側から内周側に向かってのシークよりも高速に実施可能)ことを考慮して、交替先として使用可能なクラスタと欠陥クラスタとの間の光ピックアップ120の移動(シーク)に要する時間が最も短くなると思われるスペア領域15
(シークに要する時間は、例えば、欠陥クラスタ位置と交替クラスタ位置との間のトラック本数に、内周側から外周側、あるいは外周側から内周側とで異なる重み付け係数を乗じて演算算出することが出来る。)
さらに、例えば上述のように交替先として割り当てるのが好ましい理想交替スペア領域が使用不能な状態(枯渇状態、もしくはユーザによる記録禁止設定状態等)の場合には、一例としては以下のような判断基準によって交替先として使用するスペア領域15を決定しても良い。
【0199】
・欠陥クラスタと同一記録層に存在する、理想交替スペア領域では無いスペア領域15
・同一記録層に存在するスペア領域15がすべて使用不能な場合には、隣接する記録層で、かつ交替先として使用可能なクラスタと欠陥クラスタとの半径距離が小さい、もしくは光ピックアップ120の移動(シーク)に要する時間が短くなると思われるスペア領域15
(隣接記録層が両側に存在する場合には、当該記録層との間の層間距離が短い側の記録層を優先的に採用する、あるいは基準層に近い側の記録層を優先的に採用する等の判断を行っても良い)
あるいは後述の実施の形態3に示すように、交替記録するクラスタ数が1クラスタサイズではなく複数クラスタに跨るような場合には、連続して交替クラスタを割り当てることが可能なスペア領域15、さらには割り当てる交替クラスタに対して連続アクセスできるように、物理アドレス番号の昇順に交替クラスタを割り当てることが容易なスペア領域15を優先的に割り当てるなどの方法も効果的である。
【0200】
なお、ここで記載した交替先として用いるスペア領域15の決定方法はあくまで一例であり、上述したように離散的に複数存在するスペア領域15のうちどのスペア領域15を交替先として使用するかは完全に任意である。つまり欠陥クラスタに最も近いスペア領域15を割り当てるというのも1つの方法であれば、例えば必ず物理アドレス番号の小さいクラスタから順に(つまり、ISA0から順にOSA0、OSA1、ISA1、ISA2、OSA2の順)にスペア領域15を使用するといった方法でも構わない。
【0201】
3−(3)交替クラスタの割り当て(物理再フォーマット時)
本発明の実施の形態2における物理再フォーマット時の交替クラスタの割り当て方法は、ステップ901の、交替先として使用するスペア領域15の求め方を除いて、本発明の実施の形態1の3−(3)において説明した内容と同じであるため、ここでは、内容が異なるものについてのみ説明する。
【0202】
ステップ901:交替先として使用するスペア領域15を決定する。具体的には交替先
算出部174は、交替先として割り当てることが可能なスペア領域15を算出する。ここで、交替先として割り当てることが可能なスペア領域15が1つしか存在しない場合には、本発明の実施の形態1で説明したように使用するスペア領域15は一意に決まるが、交替先として割り当てることが可能なスペア領域15が複数存在する場合には、本発明の実施の形態2の3−(2)において説明した方法と同じ方法(考え方)等によって使用するスペア領域15を選択・決定する。つまりこのタイミングで、スペア領域15が枯渇状態か否かの判断も行い、使用するスペア領域15を決定する。
【0203】
3−(4)交替クラスタの割り当て(通常記録時)
本発明の実施の形態2における、物理再フォーマットが実施された光ディスク1におけるユーザデータ領域14への記録中に欠陥クラスタを検出して交替クラスタを割り当てる際の処理方法は、上述した3−(3)と同様に、ステップ901の交替先として使用するスペア領域15の求め方を除いて、本発明の実施の形態1の3−(4)において説明した内容と同じであり、またステップ901における交替先として使用するスペア領域15の求め方についても本発明の実施の形態2の3−(2)において説明した方法と同じ方法(考え方)であるため、説明は省略する。
【0204】
すなわち、実施の形態1と同様に、本実施形態の記録方法および記録装置では、次使用可能スペア領域位置43と欠陥エントリ31とに基づいて、スペア領域における交替クラスタが割り当てられ、次使用可能スペア位置情報43が更新される。
【0205】
なお、実施の形態1と同様に、本実施形態の再生方法および再生装置では、ユーザデータを再生する場合、上記のような記録方法または記録装置によって割り当てられた交替クラスタが欠陥クラスタの代わりに再生され、情報が読み出される。
【0206】
以上述べたように、交替先として割り当てることが可能なスペア領域15が複数存在するような場合であっても、基本的に考え方はスペア領域15が1つしか存在しない場合と比べて、どのスペア領域15を使用するかという判断処理が入る点を除いてはすべて同じ方法(考え方)で実現できる。
【0207】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、本発明の実施の形態2と同様に、情報記録媒体として記録層を3層備え、更に各記録層とも内周側と外周側にそれぞれスペア領域15を備えた書換え型光ディスクを例にとって説明する。
【0208】
1.領域構造/データ構造
本発明の実施の形態3における書換え型光ディスクの領域構造は、本発明の実施の形態2において、図12を用いて説明したものと同じであるため、説明は省略する。
【0209】
但し本発明の実施の形態3における書換え型光ディスクにおける、DFL21に含まれる欠陥エントリ31の内容(属性)は、本発明の実施の形態1および本発明の実施の形態2において説明したものに加えて、新たな属性を含む。
【0210】
図14(A)および(B)は、本発明の実施の形態3における欠陥エントリ31における第2状態フィールド31cが取りうる状態の例、および第1状態フィールド31aおよび第2状態フィールド31cの組み合わせにおける一例を示す説明図である。
【0211】
第2状態フィールド31cは、図14(A)に示すように、当該フィールドが使用されていないことを示す0000、および第1アドレスフィールド31bまたは第2アドレスフィールド31dに示されるクラスタに対して後述の物理再フォーマットが行われ、第1
アドレスフィールド31bまたは第2アドレスフィールド31dに示されているクラスタの欠陥が解消されているかも知れないこと、また欠陥クラスタおよび交替クラスタのいずれにも有意なユーザデータは存在しないことを示す0100(RDE状態)に加えてさらに、連続した欠陥領域における始端位置を示す0001、および終端位置を示す0010という状態を新たに取りうる。これは、例えばRAD0のような欠陥クラスタに対して交替クラスタが割り当てられているような場合で、かつ(物理アドレス番号が)連続している欠陥クラスタに対して、連続した交替クラスタを割り当てていることを管理するためのものであり、CRD(Continuous RAD)と呼ばれる。より具体的には、例えばユーザデータ領域14における物理アドレス番号:#101、#102、#103の3つの連続したクラスタに対して、それぞれ順にスペア領域15における#1、#2、#3の3つの連続したクラスタを交替先として割り当てて交替記録を行ったような場合、欠陥クラスタおよび交替クラスタの始端位置(つまり#101と#1)を第1状態フィールド31aが0000で第2状態フィールド31cが0001であるCRD0(先頭)を示す欠陥エントリ31、欠陥クラスタおよび交替クラスタの終端位置(つまり#103と#3)を第1状態フィールド31aが0000で第2状態フィールド31cが0010であるCRD0(終端)を示す欠陥エントリ31としてペアで登録することで、複数クラスタに跨るような連続欠陥クラスタを管理するものである。このように連続した欠陥クラスタをまとめて管理することが出来るようになるため、DFL21のサイズをコンパクトにするのに役立つ。
【0212】
ここで(物理アドレス番号が)連続しているクラスタというのは、物理アドレス番号の昇順の方向に連続したクラスタのことを示す。つまり例えば、ユーザデータ領域14における物理アドレス番号:#101、#102、#103の3つの連続したクラスタに対して、それぞれ順にスペア領域15における#3、#2、#1のクラスタを交替先として割り当てたような場合は、本明細書においては連続したクラスタとは言わず、この場合には第2状態フィールド31cが0001および0010で示される連続欠陥クラスタを管理する欠陥エントリ31では管理されない。より具体的に言えば、ユーザデータ領域14における物理アドレス番号の昇順に連続した複数の欠陥クラスタに対して、物理アドレス番号の昇順の方向に順に使用されるスペア領域15であるISA0、OSA0、OSA1、ISA1およびISA2を交替先として割り当てる場合にはCRD属性の欠陥エントリ31が生成されやすいが、物理アドレス番号の降順の方向に順に使用されるスペア領域15であるOSA2を交替先として割り当てる場合には、1クラスタごとに交替クラスタを求める方法ではCRD属性の欠陥エントリ31は生成されないことになる。
【0213】
また交替クラスタである#2および#4が欠陥クラスタだったような場合で、ユーザデータ領域14における物理アドレス番号:#101、#102、#103の3つの連続したクラスタに対して、それぞれ順にスペア領域15における#1、#3、#5のクラスタを交替先として割り当てたような場合も、本明細書においては連続したクラスタとは言わず、第2状態フィールド31cが0001および0010で示される連続欠陥クラスタを管理する欠陥エントリ31では管理されない。
【0214】
図14に示すように、第2状態フィールド31cが0001および0010の欠陥エントリ31を備えうるのは、第1状態フィールド31aが0000のRAD0属性、および1000のRAD1属性であるとする。
【0215】
なお図14に示した第2状態フィールド31cの値や、第1状態フィールド31aと第2状態フィールド31cの組み合わせ例はあくまで一例であり、これらの値や組み合わせのみに限ったものではなく、例えばNRD属性に対して第2状態フィールド31cが0001および0010の欠陥エントリ31を備えたりしても同等の効果を得ることが出来ることは明白である。
【0216】
なおここで説明したように、連続した欠陥クラスタに対して連続した交替クラスタが割り当てられたような場合であっても、第2状態フィールド31cが0001および0010の欠陥エントリ31を使用せず、欠陥クラスタをすべて本発明の実施の形態1および本発明の実施の形態2で説明したのと同様に1クラスタ単位で管理するRAD0属性などを用いてDFL21に登録したとしても、DFL21に登録されうる欠陥エントリ31の数が多少増加するだけでありDFL21としての欠陥クラスタおよび交替クラスタの管理は問題なく出来るため問題は無い。
【0217】
2.光ディスク記録再生装置の構成
本発明の実施の形態3における光ディスク記録再生装置100は、本発明の実施の形態1において、図5で説明したものと同じであるため、説明は省略する。
【0218】
3.記録方法
3−(1)初期化フォーマット
本発明の実施の形態3における初期化フォーマット処理は、本発明の実施の形態2の3−(1)において説明した内容と同じであるため、説明は省略する。
【0219】
3−(2)通常の欠陥交替記録と欠陥エントリ31の関係
本発明の実施の形態3における初期化フォーマット後の光ディスク1に対する欠陥交替処理方法は、本発明の実施の形態2の3−(2)において説明した内容と同じであるため、説明は省略する。
【0220】
なおここでは詳細は説明しないが、ユーザデータ領域14において複数クラスタの連続した欠陥クラスタが検出され、それをスペア領域15における連続したクラスタを交替先として割り当てて交替記録を行った場合には、第1状態フィールド31aが0000、第2状態フィールド31cが0001および0010のCRD0属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録されうる点が本発明の実施の形態2の場合と差異がある点である。
【0221】
3−(3)交替クラスタの割り当て(物理再フォーマット時)
3−(4)交替クラスタの割り当て(通常記録時)
本発明の実施の形態3における物理再フォーマット時の交替クラスタの割り当て方法は、および物理再フォーマットが実施された光ディスク1におけるユーザデータ領域14への記録中に欠陥クラスタを検出して交替クラスタを割り当てる際の処理方法は、図9で示すステップ901からステップ906の判断に新たな観点が入る点を除いては本発明の実施の形態2の3−(3)および3−(4)で説明した内容と同じであるため、ここでは、内容が異なるものについてのみ説明する。
【0222】
ステップ901:交替先として使用するスペア領域15を決定する。具体的には交替先算出部174は、交替先として割り当てることが可能なスペア領域15を算出する。ここで、交替先として割り当てることが可能なスペア領域15が1つしか存在しない場合には、本発明の実施の形態1で説明したように使用するスペア領域15は一意に決まるが、交替先として割り当てることが可能なスペア領域15が複数存在する場合には、本発明の実施の形態2の3−(2)において説明した方法と同じ方法(考え方)で使用するスペア領域15を決定する。つまりこのタイミングで、スペア領域15が枯渇状態か否かの判断も行い、使用するスペア領域15を決定する。
【0223】
またあわせてこのとき、交替クラスタとして複数クラスタ連続して割り当てたいクラスタ数N(Nは1以上の正数)も考慮する。つまり、例えばNクラスタ連続した欠陥クラスタに対して交替クラスタを割り当てるような場合は、この連続数であるNを考慮して、例
えば以下のような条件も加えて使用するスペア領域15を確定させても良い。
・次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタから連続してNクラスタを交替クラスタとして割り当てることが可能な(つまり、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタから連続Nクラスタについて、当該クラスタを欠陥クラスタとした欠陥エントリ31がDFL21に登録されていない)スペア領域15を優先的に使用する。
(物理アドレス番号に対して昇順に交替先を使用するスペア領域15を優先的に使用する)
・すべてのスペア領域15について、連続Nクラスタの交替クラスタの割り当てが出来ない場合には、その中で最も多く連続して交替クラスタを割り当て可能なスペア了領域15を優先的に使用する。
【0224】
なおここで示した条件はあくまで一例であり、この条件に限ったものではない。またあるいは、必ずしもこれらを使用するスペア領域15を確定させる際の条件として加えなくとも良い。
【0225】
ステップ902:本発明の実施の形態1の3−(3)で説明したステップ902と同じである。
【0226】
ステップ903:本発明の実施の形態1の3−(3)で説明したステップ903と同じである。
【0227】
なおここであわせて交替先算出部174は、交替クラスタとして複数クラスタ連続して割り当てる場合を考慮し、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ位置を先頭として、以降連続して割り当てることが可能なクラスタ数を判断する。具体的には、連続Nクラスタの欠陥クラスタに対する交替先を割り当てる場合であれば、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ位置を先頭として、そのクラスタ位置以降Nクラスタの中にDFL21に欠陥クラスタとして登録されているクラスタが無いか、および当該スペア領域15の終端位置を超えないかをチェックし、Nを上限とした連続して割り当てることが可能なクラスタ数を判断する。
【0228】
ステップ904:本発明の実施の形態1の3−(3)で説明したステップ904と同じである。
【0229】
ステップ905:次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタを交替クラスタとして確定する。具体的には、交替先算出部174は、次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタを交替クラスタとして確定する。またあわせて、上述のステップ903で判断した連続して割り当てることが可能なクラスタ数を連続割り当てクラスタ数として確定する。
【0230】
ステップ906:次使用可能スペア位置情報43を更新する。具体的には、交替先算出部174は管理情報更新部175によって、次使用可能スペア位置情報43が交替クラスタとして割り当てた次のクラスタ位置を指すように更新する。より詳細に言えば、ステップ905で複数クラスタ連続して交替クラスタを割り当てると確定した場合には、割り当てる連続複数クラスタの次のクラスタ位置を指すように次使用可能スペア位置情報43を更新する。
【0231】
以上の手順で、交替先として割り当てられるスペア領域15および交替クラスタが確定される。ここで説明した手順により、物理再フォーマット時、および通常欠陥交替時の交替クラスタの割り当てとも実現可能である。
【0232】
ここで図15(A)から(D)を用いて、ここで説明した処理の一例を説明する。なお
使用するスペア領域15は、ステップ901においてISA0と確定したものとする。
【0233】
図15(A)および(B)が交替先を割り当てる前の光ディスク1の状態(初期状態)を示す。交替先であるスペア領域15のクラスタ:#5が欠陥クラスタ(UNUSE属性)としてDFL21に登録されている。また次使用可能スペア位置情報43はクラスタ:#1を示している。
【0234】
この状態の光ディスク1に対して、ユーザデータ領域14におけるクラスタ:#101から#110までの10クラスタを、連続した欠陥クラスタとして検出したとする。図15(C)および(D)が、10クラスタの連続した欠陥クラスタに対して交替先を割り当てた後の光ディスク1の状態を示す。
【0235】
この場合、理想的には交替クラスタとしても10クラスタの連続したクラスタを割り当てられる形が好ましいが、交替クラスタであるスペア領域15には次使用可能スペア位置情報43が示すクラスタ#1から連続欠陥クラスタ数である10クラスタ分の間に欠陥クラスタである#5を含む。このような場合には、連続欠陥クラスタは分割された形で交替される。まず連続して交替先を割り当てることが可能な先頭4クラスタ分がCRD0属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録され、残りの6クラスタ分に相当する交替クラスタが、欠陥クラスタである#5以降の正常クラスタである#6を先頭に連続して割り当てられ、CRD0属性の欠陥エントリ31としてDFL21に登録される。つまり、ユーザデータ領域14における欠陥クラスタ:#101から#104の連続4クラスタが、スペア領域15における#1から#4に連続交替記録され、かつユーザデータ領域14における欠陥クラスタ:#105から#110の連続6クラスタが、スペア領域15における#6から#11に連続交替記録される。よってDFL21に登録される欠陥エントリ31としては、第1状態フィールド31aが0000、第1アドレスフィールド31bが#101、第2状態フィールド31cが0001、第2アドレスフィールド31dが#1のCRD0(先頭)属性、および第1状態フィールド31aが0000、第1アドレスフィールド31bが#104、第2状態フィールド31cが0010、第2アドレスフィールド31dが#4のCRD0(終端)属性の欠陥エントリ31と、第1状態フィールド31aが0000、第1アドレスフィールド31bが#105、第2状態フィールド31cが0001、第2アドレスフィールド31dが#6のCRD0(先頭)属性、および第1状態フィールド31aが0000、第1アドレスフィールド31bが#110、第2状態フィールド31cが0010、第2アドレスフィールド31dが#11のCRD0(終端)属性の欠陥エントリ31がDFL21に登録されることになる。
【0236】
なおこの例では、説明の都合上、交替先として使用するスペア領域15としてISA0が選択されたものとして説明を行ったが、上述したように、他に存在するスペア領域15において連続して交替先を割り当てることが可能なスペア領域15が存在するような場合には、そのスペア領域15を交替先として使用し、#101から#110に対して連続した交替クラスタを割り当てても良い。
【0237】
以上のように、実施の形態1および2と同様に、本実施形態の記録方法および記録装置では、次使用可能スペア領域位置43と欠陥エントリ31とに基づいて、スペア領域における交替クラスタが割り当てられ、次使用可能スペア位置情報43が更新される。
【0238】
なお、実施の形態1および2と同様に、本実施形態の再生方法および再生装置では、ユーザデータを再生する場合、上記のような記録方法または記録装置によって割り当てられた交替クラスタが欠陥クラスタの代わりに再生され、情報が読み出される。
【0239】
ここで、光ディスク1の製造方法について、以下に説明する。図20では、一例として
、記録層を3層備えた多層光ディスク1を示している。光ディスク1は、光ビームが照射される側から遠い順に(つまり基板1001側から順に)記録層L0、記録層L1、記録層L2を含む情報記録層1002を備える。光ディスク1の製造方法としては、アドレス信号やコントロールデータに応じた、情報信号を記録するためのトラックが設けられた記録層L0、記録層L1、記録層L2を、ディスク基板1001上にこの順に形成する。これにより、ユーザデータ領域、欠陥管理領域、スペア領域が図1、図2に示す配置となる記録層を製造できる。なお、記録層と記録層の間には、中間層などを含んでも良い。また記録層の上にカバー層を形成してもよい。
【0240】
なお、本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3において説明した欠陥エントリ31の属性(第1状態フィールド31aや第2状態フィールド31cで管理される欠陥エントリ31の種類)はあくまで一例である。つまり例えば、スペア領域15における欠陥クラスタを管理する属性として、1クラスタ単位で管理されるUNUSE属性、およびSPR(RDE)属性の欠陥エントリ31を例に記載したが、例えばこれらの属性と同じ意味だがCRD属性と同様に複数クラスタ単位で管理されるというような属性などが存在するような場合、あるいは物理再フォーマットによってUNUSE属性やSPR(RDE)属性とは意味の異なるスペア領域15中の欠陥クラスタを管理する新たな属性が存在するような場合等においても、本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3において説明したUNUSE属性、あるいはSPR(RDE)属性の欠陥エントリ31と同じように扱うことで、上記で記載したのと同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0241】
なお、本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3において、書換え型光ディスクの場合には、所定のスペア領域15(例えば最終スペア領域)のサイズを変更(増加・減少)させる物理再フォーマット機能を備えることがある。そのため、もし枯渇状態のスペア領域15に対してサイズを増加させるような処理が行われた場合には、そのスペア領域15は枯渇状態ではなくなるため、本発明の実施の形態1の3−(3)で説明したようなスペア領域15の枯渇状態を示す情報については、これを変更する必要がある。具体的には、例えば次使用可能スペア位置情報43が枯渇状態を示す所定の値(16進数表記でFFFFFFFFの場合や、All0データの場合等)を示していた場合には、次の使用可能なスペア領域15内のクラスタ位置を指しなおすように変更したり、あるいはスペア枯渇フラグのような情報を備えているような場合であれば、そのフラグを枯渇状態では無いことを示すように変更(クリア)したりする必要がある。一方で、スペア領域15に隣接しているスペア領域15外の位置(例えばユーザデータ領域14のクラスタ位置。図13に示すように最終スペア領域であるOSA2における次使用可能スペア位置情報43(P_OSA2)の場合であれば、L2層のユーザデータ領域14の最外周位置に相当する最終クラスタ位置)を示すことで枯渇状態を表すような場合であれば、スペア領域15のサイズ変更がなされたとしても、次使用可能スペア位置情報43の値を変更するといった特別な処理は行わなくても良いことになる。
【0242】
なお本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3では、次使用可能スペア位置情報43などの情報の更新は直接管理情報格納メモリ160中のDFL21に相当するデータを更新するように記載したが、例えば次使用可能スペア位置情報43などは光ディスク1の起動時に必要な情報を別途内部変数として確保したメモリ150中に読み出し、DMAへの記録を行なう前に内部変数の値を管理情報格納メモリ160中の次使用可能スペア位置情報43の部分に反映するといった管理を行っても良いことは言うまでも無い。
【0243】
なお本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3において、欠陥エントリ31における欠陥種類(属性)について例を挙げて説明したが、例えば第1状態フィ
ールド31aや第2状態フィールド31cにおける値やビット数などはあくまで一例で各属性を識別することが出来る値であれば良く、この例の限りではない。
【0244】
なお本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3で示した各スペア領域15の使用方向はあくまで一例を示しただけであり、各スペア領域15内において所定の順番で使用されるという条件においてはどのような使用方向であっても良い。
【0245】
なお本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3では、スペア領域15における欠陥クラスタを示す欠陥エントリ31の属性として、第1状態フィールド31aの値が0111のUNUSE属性と第1状態フィールド31aの値が0010で第2状態フィールド31cが0100のSPR(RDE)属性という、第1状態フィールド31aの値が異なる2つの属性を有するものとして説明を行ったが、これらについてはスペア領域15における通常の欠陥状態とRDE状態との2状態を管理できれば上記の形に限定されるものではない。つまり例えば、第1状態フィールド31aは同じ0111のUNUSE属性で、第2状態フィールド31cの値を0000の場合と0100(RDE)の場合の2状態、つまりUNUSE属性とUNUSE(RDE)属性としても同様に管理することも可能である。
【0246】
以上、説明したように、本発明の情報記録媒体は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用される領域であり、前記欠陥管理情報は、前記スペア領域の中に存在する欠陥ブロックを示すスペア欠陥属性と、前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含む。
【0247】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を含む。
【0248】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とのうちの少なくとも一方を含む。
【0249】
本発明の情報記録方法は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体への情報記録方法であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、前記スペア領域の中に存在する欠陥ブロックを示すスペア欠陥属性と、前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報と、を含み、前記記録方法は、前記次使用可能スペア位置情報と前記欠陥エントリとに基づいて、前記欠陥ブロックの代わりに交替ブロックを割り当てるステップと、前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップとを包含する。
【0250】
ある実施形態によれば、前記記録方法は、前記交替ブロックを割り当てた場合に、
(a)前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップと、
(b)前記ステップ(a)で合致しないと判断した場合、前記次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップと、
(c)前記ステップ(a)で合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップとを包含する。
【0251】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とのうちの少なくとも一方を含み、前記ステップ(a)は、前記次のブロック位置が、前記確定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断するステップを含み、前記ステップ(c)は、前記ステップ(a)で合致すると判断した場合に、前記確定スペア欠陥属性の欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップを含む。
【0252】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性を含み、前記記録方法は、
(a)前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記暫定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断するステップと、
(b)前記ステップ(a)で合致すると判断した場合、前記次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップとをさらに包含する。
【0253】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性を含み、前記交替ブロックを割り当てるときに、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記欠陥エントリの前記セクタ番号に合致しない場合は、前記次使用可能スペア領域情報が示すブロックを交替ブロックとして割り当て、前記交替ブロックを割り当てるときに、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記暫定スペア欠陥属性で管理されるセクタ番号に合致する場合は、
(a)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを交替ブロックとして割り当てるステップと、
(b)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを前記所定の方向に向かってスキップした次のブロックを交替ブロックとして割り当てるステップと、のうちの一方のステップを実行する。
【0254】
ある実施形態によれば、前記記録方法は、前記交替ブロックを割り当てる場合に、
(a)前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップと、
(b)前記ステップ(a)で合致しないと判断した場合、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックを前記交替ブロックとして決定するステップと、
(c)前記ステップ(a)で合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かって次のブロックを前記交替ブロックとして決定するステップと、を備え、
更新する場合に、
(d)前記ステップ(b)または(c)で交替ブロックとして決定したブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップ、を備える。
【0255】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を含み、前記ステップ(a)は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択するステップと、前記選択した前記スペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップとを含む。
【0256】
ある実施形態によれば、前記ステップ(a)は、前記次使用可能スペア位置情報と一致するか比較すべき前記欠陥エントリを確定するステップと、一致した場合に、一致するか比較すべき前記欠陥エントリを次の欠陥エントリに更新するステップとを含む。
【0257】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とを含み、前記ステップ(a)は、前記次使用可能スペア位置情報と同じセクタ番地を有する前記暫定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリを削除するステップと、前記次使用可能スペア位置情報が、前記確定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップとを含む。
【0258】
本発明の情報記録装置は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体へ情報を記録する情報記録装置であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、前記スペア領域の中に存在する欠陥ブロックを示すスペア欠陥属性と、前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記情報記録装置は、前記次使用可能スペア位置情報と前記欠陥エントリとに基づいて、前記欠陥ブロックの代わりに交替ブロックを割り当て、前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0259】
ある実施形態によれば、前記記録装置は、前記交替ブロックを割り当てた場合に、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断し、合致しないと判断した場合、前記次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新し、合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0260】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域における使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とのうちの少なくとも一方を含み、前記記録装置は、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記確定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断し、合致すると判断した場合、前記確定スペア欠陥属性の欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かってさらに次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0261】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠
陥属性を含み、前記記録装置は、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置が、前記暫定スペア欠陥属性の欠陥ブロックのセクタ番地に合致するか否かを判断し、合致すると判断した場合、前記交替ブロックとして割り当てたブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0262】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性を含み、前記記録装置は、前記交替ブロックを割り当てるときに、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記欠陥エントリの前記セクタ番号に合致しない場合は、前記次使用可能スペア領域情報が示すブロックを交替ブロックとして割り当て、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックが、前記暫定スペア欠陥属性で管理される前記セクタ番号に合致する場合は、
(a)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを交替ブロックとして割り当てる、(b)前記暫定スペア欠陥属性で管理されるブロックを前記所定の方向に向かってスキップした次のブロックを交替ブロックとして割り当てる、
のうちのいずれかを実行して前記交替ブロックを割り当てる。
【0263】
ある実施形態によれば、前記記録装置は、前記交替ブロックを割り当てる動作を実行するために、前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部で合致しないと判断した場合、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックを前記交替ブロックとして決定する決定部とを備え、前期決定部は、前記判断部で合致すると判断した場合、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けて、前記所定の方向に向かって次のブロックを前記交替ブロックとして決定し、前記記録装置は、前記決定部が交替ブロックとして決定したブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する更新部をさらに備える。
【0264】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を含み、前記判断部は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択し、前記選択したスペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する。
【0265】
ある実施形態によれば、前記判断部は、前記次使用可能スペア位置情報と一致するか比較すべき前記欠陥エントリを確定し、一致した場合に、一致するか比較すべき前記欠陥エントリを次の欠陥エントリに更新する。
【0266】
ある実施形態によれば、前記スペア欠陥属性は、前記スペア領域において使用不能な欠陥ブロックを示す確定スペア欠陥属性と、以前は前記スペア領域における欠陥ブロックであったが現在は欠陥が解消されている可能性があるブロックを示す暫定スペア欠陥属性とを含み、前記判断部は、前記次使用可能スペア位置情報と同じセクタ番地を有する前記暫定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリを削除し、前記次使用可能スペア位置情報が、前記確定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する。
【0267】
本発明の情報再生方法は、前記情報記録方法によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生方法であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【0268】
本発明の情報再生装置は、前記情報記録装置によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生装置であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【0269】
本発明の情報記録方法は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体への情報記録方法であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記情報記録方法は、
(a)前記ユーザデータ領域の欠陥ブロックを検出するステップと、
(b)前記スペア領域の欠陥ブロックを検出するステップと、
(c)前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックの代わりに使用する前記交替ブロックとして、前記ステップ(b)で検出した欠陥ブロックを避けつつ、前記所定の方向に沿って前詰めで順に前記スペア領域のブロックを割り当てるステップと、
(d)前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックのセクタ番号を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録するステップと、
(e)前記ステップ(c)で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップと、
(f)前記ステップ(d)および(e)で更新された前記欠陥管理情報を、前記欠陥管理情報領域へ記録するステップと、を包含する。
【0270】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記スペア領域使用位置情報を含み、前記ステップ(c)は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択するステップを含み、前記ステップ(e)は、前記ステップ(c)で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように、前記選択したスペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップを含む。
【0271】
本発明の情報記録装置は、ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体へ情報を記録する情報記録装置であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記情報記録装置は、前記ユーザデータ領域の欠陥ブロックを検出するユーザデータ領域欠陥ブロック検出部と、前記スペア領域の欠陥ブロックを検出するスペア領域欠陥ブロック検出部と、前記検出したユーザデータ領域の欠陥ブロックの代わりに使用する前記交替ブロックとして、前記検出したスペア領域の欠陥ブロックを避けつつ、前記所定の方向に沿って前詰めで順に前記スペア領域のブロックを割り当て、前記検出したユーザデータ領域の欠陥ブロックのセクタ番号を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録する交替ブロック算出部と、前記割り当てた交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する次使用可能スペア位置情報更新部と、前記交替ブロック算出部および次使用可能スペア位置情報更新部で更新された前記欠陥管理情報を、前記欠陥管理情報領域へ記録する管理情報記録部とを備える。
【0272】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記スペア領域使用位置情報を含み、
前記交替ブロック算出部は、前記複数のスペア領域の中から、前記交替ブロックを割り当てるために使用するスペア領域を選択し、前記次使用可能スペア位置情報更新部は、前記割り当てた交替ブロックの次のブロック位置を指すように、前記選択したスペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報を更新する。
【0273】
本発明の情報記録媒体は、前記情報記録方法によって情報が記録される情報記録媒体であって、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用される領域であり、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報とを含み、前記更新された欠陥管理情報が、前記欠陥管理情報領域に記録される。
【0274】
本発明の情報再生方法は、前記情報記録方法によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生方法であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【0275】
本発明の情報再生装置は、前記情報記録装置によって情報が記録された情報記録媒体から前記情報を再生する情報再生装置であって、前記割り当てられた交替ブロックを再生することで前記情報を読み出す。
【0276】
また、上述したように、本発明の情報記録媒体は、ブロック単位で記録再生を行う情報記録媒体であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックが前記スペア領域の中に位置することを示すスペア欠陥属性と前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報を備え、これにより、上記目的が達成される。
【0277】
前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を備えても良い。
【0278】
前記スペア欠陥属性はさらに、前記スペア領域において使用不能な欠陥ブロックであることを示す確定スペア欠陥属性と、前記スペア領域において以前欠陥ブロックであったが欠陥が解消されている可能性があるブロックであることを示す暫定スペア欠陥属性とを有しても良い。
【0279】
本発明の情報記録方法は、ブロック単位で記録再生を行う情報記録媒体への情報記録方法であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックが前記スペア領域の中に位置することを示すスペア欠陥属性と前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を
管理するための次使用可能スペア位置情報を備え、前記記録方法は、前記交替ブロックを割り当てる場合に、(a)前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップと、(b)前記ステップ(a)で合致しないと判断した場合、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックを前記交替ブロックとして決定するステップと、(c)前記ステップ(a)で合致すると判断した場合、前記所定の方向に向かって、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けた次のブロックを前記交替ブロックとして決定するステップと、(d)前記ステップ(b)または前記ステップ(c)で求めた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップとを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0280】
前記ステップ(a)は、(a−1)前記次使用可能スペア位置情報と一致比較すべき前記欠陥エントリを確定する初期化ステップと、(a−2)一致した場合に、一致比較すべき前記欠陥エントリを1つ進める更新ステップとであっても良い。
【0281】
前記スペア欠陥属性はさらに、前記スペア領域において使用不能な欠陥ブロックであることを示す確定スペア欠陥属性と、前記スペア領域において以前欠陥ブロックであったが欠陥が解消されている可能性があるブロックであることを示す暫定スペア欠陥属性とを有し、前記ステップ(a)は、(a−3)前記次使用可能スペア位置情報と同じ前記セクタ番地を持つ前記暫定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリを削除するステップと、(a−4)前記次使用可能スペア位置情報が、前記確定スペア欠陥属性を持つ前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップとであっても良い。
【0282】
前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を備え、前記ステップ(a)は、(a−5)前記複数のスペア領域のうち、前記交替ブロックを割り当てる前記スペア領域を確定するステップと、(a−6)前記ステップ(a−5)で確定した前記スペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断するステップとであっても良い。
【0283】
本発明の情報記録方法は、ブロック単位で記録再生を行う情報記録媒体への情報記録方法であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報を備え、前記情報記録方法は、(a)前記ユーザデータ領域の欠陥ブロックを検出するステップと、(b)前記スペア領域の欠陥ブロックを検出するステップと、(c)前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックに対する前記交替ブロックとして、前記所定の方向に沿って順に前詰めで、かつ前記ステップ(b)で検出した欠陥ブロックを避けて、前記スペア領域のブロックを割り当て、前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックの前記セクタ番号を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録するステップと、(d)前記ステップ(c)で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップと、(e)前記ステップ(c)および前記ステップ(d)で更新された前記欠陥管理情報を、前記欠陥管理情報領域へ記録するステップとを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0284】
前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記スペア領域使用位置情報を備え、前記ステップ(c)は、
(c−1)前記複数のスペア領域のうち、前記交替ブロックを割り当てる前記スペア領域を確定するステップと、(c−2)前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックに対する前記交替ブロックとして、前記所定の方向に沿って順に前詰めで、かつ前記ステップ(b)で検出した欠陥ブロックを避けて、前記ステップ(c−1)で確定した前記スペア領域のブロックを割り当て、前記ステップ(a)で検出した欠陥ブロックの前記セクタ番地を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録するステップとであり、前記ステップ(d)は、(d−1)前記ステップ(c−2)で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように、前記ステップ(c−1)で確定した前記スペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報を更新するステップであっても良い。
【0285】
本発明の情報記録装置は、ブロック単位で記録再生を行う情報記録媒体への情報記録装置であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックが前記スペア領域の中に位置することを示すスペア欠陥属性と前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報を備え、前記記録装置は、前記交替ブロックを割り当てる場合に、前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部で合致しないと判断した場合、前記次使用可能スペア位置情報が示すブロックを前記交替ブロックとして決定する第1交替ブロック決定部と、前記判断部で合致すると判断した場合、前記所定の方向に向かって、前記欠陥エントリが示す欠陥ブロックを避けた次のブロックを前記交替ブロックとして決定する第2交替ブロック決定部と、前記第1交替ブロック決定部または前記第2交替ブロック決定部で求めた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する更新部とを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0286】
前記判断部は、前記次使用可能スペア位置情報と一致比較すべき前記欠陥エントリを確定する初期化部と、一致した場合に、一致比較すべき前記欠陥エントリを1つ進める比較エントリ更新部とからなっても良い。
【0287】
前記スペア欠陥属性はさらに、前記スペア領域において使用不能な欠陥ブロックであることを示す確定スペア欠陥属性と、前記スペア領域において以前欠陥ブロックであったが欠陥が解消されている可能性があるブロックであることを示す暫定スペア欠陥属性とを有し、前記判断部は、前記次使用可能スペア位置情報と同じ前記セクタ番地を持つ前記暫定スペア欠陥属性の前記欠陥エントリを削除する欠陥エントリ削除部と、前記次使用可能スペア位置情報が、前記確定スペア欠陥属性を持つ前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する第1判断部とからなっても良い。
【0288】
前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記次使用可能スペア位置情報を備え、前記判断部は、前記複数のスペア領域のうち、前記交替ブロックを割り当てる前記スペア領域を確定するスペア領域確定部と、前記スペア領域確定部で確定した前記スペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報が、前記欠陥エントリの前記セクタ番地に合致するか否かを判断する第2判断部とからなっても良い。
【0289】
本発明の情報記録装置は、ブロック単位で記録再生を行う情報記録媒体への情報記録装置であって、前記情報記録媒体は、ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含む
スペア領域と、前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域とを備え、前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用され、前記欠陥管理情報は、欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報を備え、前記情報記録装置は、前記ユーザデータ領域の欠陥ブロックを検出するユーザデータ領域欠陥ブロック検出部と、前記スペア領域の欠陥ブロックを検出するスペア領域欠陥ブロック検出部と、前記ユーザデータ領域欠陥ブロック検出部で検出した欠陥ブロックに対する前記交替ブロックとして、前記所定の方向に沿って順に前詰めで、かつ前記スペア領域欠陥ブロック検出部で検出した欠陥ブロックを避けて、前記スペア領域のブロックを割り当て、前記ユーザデータ領域欠陥ブロック検出部で検出した欠陥ブロックの前記セクタ番号を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録する交替ブロック算出部と、前記交替ブロック算出部で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように前記次使用可能スペア位置情報を更新する次使用可能スペア位置情報更新部と、前記交替ブロック算出部および次使用可能スペア位置情報更新部で更新された前記欠陥管理情報を、前記欠陥管理情報領域へ記録する管理情報記録部とを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0290】
前記情報記録媒体は、前記スペア領域を複数備え、前記欠陥管理情報は、前記複数のスペア領域の各々に対応する前記スペア領域使用位置情報を備え、前記交替ブロック算出部は、前記複数のスペア領域のうち、前記交替ブロックを割り当てる前記スペア領域を確定するスペア領域確定部と、前記ユーザデータ領域欠陥ブロック検出部で検出した欠陥ブロックに対する前記交替ブロックとして、前記所定の方向に沿って順に前詰めで、かつ前記スペア領域欠陥ブロック検出部で検出した欠陥ブロックを避けて、前記スペア領域確定部で確定した前記スペア領域のブロックを割り当て、前記ユーザデータ領域欠陥ブロック検出部で検出した欠陥ブロックの前記セクタ番地を含む前記欠陥エントリを前記欠陥管理情報に登録する第1交替ブロック算出部とからなり、前記次使用可能スペア位置情報更新部は、前記第1交替ブロック算出部で割り当てた前記交替ブロックの次のブロック位置を指すように、前記スペア領域確定部で確定した前記スペア領域に対応する前記次使用可能スペア位置情報を更新しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0291】
本発明にかかる情報記録再生方法は、主に欠陥管理機能を備えた書換え型光ディスクを記録再生可能な光ディスクドライブ装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0292】
1 光ディスク
2 トラック
3 ブロック
4 リードイン領域
5 データ領域
6 リードアウト領域
10、11、12、13 DMA
14 ユーザデータ領域
15 スペア領域
20 DDS
21 DFL
30 DFLヘッダ
31 欠陥エントリ
32 DFLターミネータ
40 DFL識別子
41 第1更新回数情報
42 欠陥エントリ数
43 次使用可能スペア位置情報
50 DFLターミネータ
51 第2更新回数情報
100 光ディスク記録再生装置
110 命令処理部
120 光ピックアップ
130 レーザ制御部
140 メカ制御部
150 メモリ
160 管理情報格納メモリ
170 システム制御部
171 記録部
172 再生部
173 フォーマット制御部
174 交替先算出部
175 管理情報更新部
180 I/Oバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック単位で記録再生を行う書換え型情報記録媒体であって、
前記情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、
前記ユーザデータ領域における欠陥ブロックの代わりに使用されうる交替ブロックを含むスペア領域と、
前記ユーザデータ領域および前記スペア領域における欠陥ブロックを管理するための欠陥管理情報を記録するための欠陥管理情報領域と
を備え、
前記スペア領域は、所定の方向に向かって順に使用される領域であり、
前記欠陥管理情報は、
前記欠陥ブロックのセクタ番地を含む欠陥エントリと、
前記スペア領域において、次に前記交替ブロックとして使用可能な位置を管理するための次使用可能スペア位置情報と
を含む、情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−154777(P2011−154777A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78733(P2011−78733)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【分割の表示】特願2010−541653(P2010−541653)の分割
【原出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】