説明

情報読取装置、情報読取方法及び情報読取システム

【課題】医療用ポンプ等の製品の製造コストを上昇させずに、その製品内のデータを迅速に取得できる情報読取装置等を提供すること。
【解決手段】対象物2の表示部21に信号として表示される当該対象物の情報である対象物情報を取得するための情報読取装置であって、表示部に表示される信号を撮像するための撮像部3と、撮像部で撮像された信号の画像情報を取得する情報読取装置本体4と、を有し、信号には、対象物情報を示す本体信号と調整に使用される予備信号81とが含まれ、情報読取装置本体は、撮像部が撮像した予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断するための予備信号画像比較情報51と、撮像部が撮像した本体信号の画像情報である本体信号画像情報から本体信号を抽出し、対象物情報を得るための本体信号比較情報58と、を有する情報読取装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ等に表示されたデータを読み取るための情報読取装置、情報読取方法及び情報読取システムに関するものである。特に、輸液ポンプ等の医療機器のディスプレイ等に表示されたデータを読み取るための情報読取装置、情報読取方法及び情報読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、輸液ポンプ等の医療機器は、その動作履歴等のデータをその内部のメモリに蓄積し、メモリに蓄積したデータを必要に応じてディスプレイ等に表示する構成となっている(例えば、特許文献1)。
このような特許文献1のような輸液ポンプ等の内部履歴データ等を取得するには、次のような方法があった。
すなわち、輸液ポンプ等の内部履歴データをディスプレイに表示させて、その表示を利用者等が書き写す等して取得するか、特別な通信装置を輸液ポンプ等に設置させ、その通信装置を介してコンピュータ等に内部履歴データを送信する等の方法であった。
【特許文献1】特開2005−253999号公報(明細書段落0106等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、輸液ポンプ等の医療用ポンプの内部履歴データをディスプレイに表示させて、その表示を利用者等が書き写す等して取得する方法では、データが多量の場合、データの取得に時間と労力がかかりすぎるという問題があった。
また、特別な通信装置を医療用ポンプ等に設置させ、その通信装置を介してコンピュータ等に内部履歴データを送信する等の方法では、このような通信装置等を医療用ポンプ等に設置する必要があり、医療用ポンプ等の製造コスト等が上昇するという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明は、医療用ポンプ等の製品の製造コストを上昇させずに、その製品内のデータを迅速に取得できる情報読取装置、情報読取方法及び情報読取システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、本発明によれば、対象物の表示部に信号として表示される当該対象物の情報である対象物情報を取得するための情報読取装置であって、前記表示部に表示される信号を撮像するための撮像部と、前記撮像部で撮像された前記信号の画像情報を取得する情報読取装置本体と、を有し、前記信号には、前記対象物情報を示す本体信号と調整に使用される予備信号とが含まれ、前記情報読取装置本体は、前記撮像部が撮像した前記予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断するための予備信号画像比較情報と、前記撮像部が撮像した前記本体信号の画像情報である本体信号画像情報から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための本体信号比較情報と、を有することを特徴とする情報読取装置により達成される。
【0006】
前記構成によれば、情報読取装置本体は、撮像部が撮像した予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断するための予備信号画像比較情報を有しており、この予備信号は調整に用いられる信号である。
このため、情報読取装置本体は、撮像部が撮像した予備信号の画像情報である予備信号画像情報(例えば、表示部のセグメントの全灯等)と、予め備えている予備信号画像比較情報(例えば、表示部のセグメントの全灯等)を比較することで、その撮像部の位置が対象物の表示部に対して適切か否かを容易且つ確実に判断することができる。
また、情報読取装置は、撮像部が撮像した本体信号の画像情報である本体信号画像情報から本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための本体信号比較情報を有している。
このため、情報読取装置は、撮像部が撮像した本体信号の画像情報である本体信号画像情報(例えば、表示部のセグメントで表示される数字等)と、予め備えている本体信号比較情報(例えば、数字等のデータ)を比較することで、撮像した本体信号画像情報から本体信号を抽出し、対象物情報を得ることができる。
したがって、対象物である例えば、医療用ポンプ等の内部に蓄積されている履歴データ等が医療用ポンプの表示部に表示されれば、情報読取装置は、これらの履歴データを取得することができる。
すなわち、特別な通信装置を医療用ポンプ等に設置することなく、その履歴データを取得することができ、医療用ポンプ等の製造コストの上昇を防ぐことができる。
また、情報読取装置は、撮像部が撮像した表示部のデータを自動的に読み取っていくので、利用者等が表示部を視認してデータを書き取る場合に比べ極めて迅速に処理をすることができる。
【0007】
好ましくは、前記本体信号には、同一の前記対象物信号について異なる方法で表示される複数の異種本体信号が含まれ、前記情報読取装置本体は、前記撮像部が撮像した複数の前記異種本体信号の画像情報である複数の異種本体信号画像情報を比較して、その適否を判断する構成となっていることを特徴とする情報読取装置である。
【0008】
前記構成によれば、本体信号には、同一の対象物信号について異なる方法で表示される複数の異種本体信号が含まれ、情報読取装置本体は、撮像部が撮像した複数の異種本体信号の画像情報である複数の異種本体信号画像情報を比較して、その適否を判断する構成となっている。
このため、情報読取装置は、同一の対象物信号を異なる複数の異種本体信号(例えば、表示部のセグメントの表示の通常表示と反転表示等)で取得し、これらを比較することで、その適否を判断することができる。
したがって、情報読取装置は、より確実に、対象物である例えば、医療用ポンプ等の内部に蓄積されている履歴データ等を取得することができる。
【0009】
好ましくは、前記予備信号画像比較情報が、輝度情報及び/又は表示部の座標位置情報であることを特徴とする情報読取装置である。
【0010】
前記構成によれば、予備信号画像比較情報が、輝度情報及び/又は表示部の座標位置情報であるので、より精度良く、その撮像部の位置が対象物の表示部に対して適切か否かを判断することができる。
【0011】
好ましくは、前記表示部は、前記対象物情報を表示するために、相互に区分され得る複数の領域を有し、前記本体信号を前記領域毎に切り出して抽出するための切り出し用情報を備えることを特徴とする情報読取装置である。
【0012】
前記構成によれば、表示部は、対象物情報を表示するために、相互に区分され得る複数の領域を有し、本体信号を領域毎に切り出して抽出するための切り出し用情報を備えている。
このため、表示部に表示された数字等の情報を混同等することなく、明確に区分して把握することができ、精度良く、対象物である例えば、医療用ポンプ等の内部に蓄積されている履歴データ等を取得することができる。
【0013】
好ましくは、前記対象物が医療用ポンプであって、前記対象物情報には、前記医療用ポンプの稼動履歴情報を含むことを特徴とする情報読取装置である。
【0014】
好ましくは、前記表示部は、複数の点灯及び消灯が可能なセグメント部から構成され、各前記セグメント部の点灯又は消灯で非文字記号を表示し、前記本体信号の少なくとも一部が前記非文字記号で表示され、前記情報読取装置本体は、前記非文字記号から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための非文字記号信号比較情報と、を有することを特徴とする情報読取装置である。
【0015】
前記構成によれば、表示部は、複数の点灯及び消灯が可能なセグメント部から構成され、各セグメント部の点灯又は消灯で非文字記号を表示し、本体信号の少なくとも一部が非文字記号で表示される。また、情報読取装置本体は、非文字記号から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための非文字記号信号比較情報を有している。
このため、対象物である例えば、医療用ポンプ内の履歴データ等である数字等を表示部に表示する際、表示部に数字等として示さずセグメント1個の点灯等といった非文字記号で示すことができるので、表示部に数字等を示す場合に比べ格段に多くの情報を迅速に表示させることができる。
一方、情報読取装置本体は、自己が備える非文字記号信号比較情報と、撮像した非文字記号とを比較することで、本体信号を抽出でき、対象物情報を得ることができる。
【0016】
前記課題は、本発明によれば、対象物の表示部に信号として表示される当該対象物の情報である対象物情報を取得するための情報読取方法であって、前記信号には、前記対象物情報を示す本体信号と、調整に使用される予備信号とが含まれ、前記表示部に表示される信号を撮像するための撮像部で撮像された前記信号の画像情報を取得する前記情報読取装置本体は、予備信号画像比較情報に基づき、前記撮像部が撮像した前記予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断し、本体信号比較情報に基づき、前記撮像部が撮像した前記本体信号の画像情報である本体信号画像情報から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得ることを特徴とする情報読取方法により達成される。
【0017】
前記課題は、本発明によれば、対象物と、前記対象物の表示部に信号として表示される当該対象物の情報である対象物情報を取得するための情報読取装置と、を有する情報読取システムであって、前記情報読取装置は、前記表示部に表示される信号を撮像するための撮像部と、前記撮像部で撮像された前記信号の画像情報を取得する情報読取装置本体と、を有し、前記信号には、前記対象物情報を示す本体信号と調整に使用される予備信号とが含まれ、前記対象物は、前記表示部に表示するための前記予備信号情報を有し、前記情報読取装置本体は、前記撮像部が撮像した前記予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断するための予備信号画像比較情報を有し、前記対象物は、前記表示部に表示するための前記本体信号情報を有し、前記情報読取装置本体は、前記撮像部が撮像した前記本体信号の画像情報である本体信号画像情報から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための本体信号比較情報と、を有することを特徴とする情報読取システムにより達成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、本発明は、医療用ポンプ等の製品の製造コストを上昇させずに、その製品内のデータを迅速に取得できる情報読取装置、情報読取方法及び情報読取システムを提供することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる輸液ポンプ等の医療用ポンプの内部の履歴データ等を取得するための内部情報読取システム1を示す概略図である。
図1に示すように、内部情報読取システム1は、対象物である例えば、医療用ポンプ2の表示部である例えば、ポンプ側ディスプレイ21を撮像するための撮像部である例えば、カメラ3を有している。
図2は、ポンプ側ディスプレイ21を示す概略図である。図2に示すように、ポンプ側ディスプレイ21は、上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213を有している。
上部表示部211には、図2に示すように、相互に区分される複数の領域である8つのLED(Light Emitting Diode(発光ダイオード))のセグメントからなる一つの表示単位が上段に4個、下段に3個配置されている。すなわち、図2に示すように、上段に4つの表示単位211a乃至211dが配置され、下段に3つの表示単位211e乃至211gが配置されている。
これらの各表示単位211a等は、それぞれが例えば、0乃至9までの数字及び点を表示することができるようになっている。
【0021】
また、中部表示部212には、区分される領域である1つのLEDが配置され、このLEDを点灯又は消灯させることで、例えば医療用ポンプ2の電源のON又はOFFを示すようになっている。
また、下段表示部213には、区分される領域である2つのLEDが左右方向に配置され、左側は気泡表示部213a、右側は閉塞表示部213bとなり、それぞれが点灯又は消灯する構成となっている。
【0022】
ところで、内部情報読取システム1では、図1に示すように、カメラ3が医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21の上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213を撮像し、その画像情報を図1に示す情報読取装置本体である例えば、内部情報読取装置4に送信する構成となっている。
【0023】
図3は、医療用ポンプ2内に蓄積される対象物情報であり医療用ポンプの稼動履歴情報である例えば、ヒストリーデータを示す概略図である。図3に示すように、医療用ポンプ2のヒストリーデータには、履歴番号順にその月日、時刻、流量、予定量、積算量、警報状態等が含まれている。
そして、利用者が医療用ポンプ2内のヒストリーデータを参照したい場合は、このヒストリーデータが、上部表示部211等に表示される構成となっている。
そして、このヒストリーデータは履歴番号単位で順に表示される構成となっている。例えば、最初、上部表示部211の表示単位211a乃至211dに、図3の履歴番号1の月日「0917」が表示され、表示単位211e乃至211gに、流量「050」が表示される。その次に、上部表示部211の表示単位211a乃至211dに時刻「0823」が表示され、表示単位211e乃至211gに履歴番号「001」が表示される。
このように、上部表示部211の表示単位211a乃至211d及び表示単位211e乃至211gに順次、図3のヒストリーデータの数字データを履歴番号順に表示すると共に、下部表示部213には、気泡や閉塞の警報情報を点灯又は消灯で表示する構成となっている。
【0024】
また、図3に示すように、ヒストリーデータには、図2で示される数字情報、警報情報等だけでなく、他に運転状態、閉塞下設定、プローブ接続等も含まれ、これらもポンプ側ディスプレイ21に表示されるが、本実施の形態の説明では、説明を簡略化するため、図2に示すように、数字情報、警報情報等に限定して以下説明する。
したがって、本発明には、他のヒストリーデータの表示も含まれる。
また、図1の内部情報読取装置4には、図1に示すように、利用者にデータ等を表示するための読取側ディスプレイ41が備わっている。
【0025】
このように、図2のポンプ側ディスプレイ21には、図3の履歴番号単位で、そのヒストリーデータが順に表示されるが、この表示を図1のカメラが撮像し、この画像情報を図1の内部情報読取装置4に送信する構成となっている。そして、内部情報読取装置4が、受信した画像情報から図3に示すヒストリーデータを取得し、そのデータを格納する構成となっている。
【0026】
上述のように、内部情報読取装置4は、医療用ポンプ2内のヒストリーデータを取得するのであるが、内部情報読取装置4及び医療用ポンプ2等は、コンピュータを有しており、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク等を有し、これらはバスを介して配置されている。
ところで、バスはすべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部パスである。
CPUは所定のプログラムの処理を行う他、バスに接続されたROM等を制御している。ROMは、各種プログラムや各種情報等を格納している。
RAMは、プログラム処理中のメモリの内容を対比したり、プログラムを実行するためのエリアとしての機能を有する。
【0027】
図4は、医療用ポンプ2の主な内部構成等を示す概略図であり、図5は、内部情報読取装置4の主な内部構成等を示す概略図である。
図6及び図7は、本実施の形態の内部情報読取システム1の主な動作等を示す概略フローチャートである。
以下、内部情報読取装置4が、医療用ポンプ2内のヒストリーデータを取得する工程を説明しつつ、内部情報読取装置4及び医療用ポンプ2の内部構成等も併せて説明する。
図4は、医療用ポンプ2の主な内部構成等を示す概略図であり、図5は、内部情報読取装置4の主な内部構成等を示す概略図である。
図6及び図7は、本実施の形態の内部情報読取システム1の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【0028】
先ず、内部情報読取システム1を利用する利用者は、図1に示すように、内部にヒストリーデータを蓄積している医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21の前にカメラ3を配置し、このカメラ3に内部情報読取装置4を接続する。
この状態で、図6のST1に示すように、利用者は、内部情報読取装置4を起動させる。具体的には、図5の情報読取装置制御部42が、読取ソフトデータ格納部50内の読取ソフトデータを参照して実行し、ST2に示すように、先ず、カメラ3を起動させる。
カメラ3は、カメラ制御部31を介して起動され、カメラ3の撮像画像は、読取側ディスプレイ41(図1及び図5参照)にディスプレイ制御部41aを介して表示される。
【0029】
一方、医療用ポンプ2は、図6のST101で、利用者により内部データ連続表示モードに切替られる。具体的には、図4の医療用ポンプ2に備わっているモード切替スイッチ23を内部利用者が切り替えることで実行される。
内部データ切替表示モードに切り替えることで、医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21は、図3のヒストリーデータが連続して表示されるモードに変更される。
具体的には、図4のモード切替スイッチ23が利用者によって操作されると、図6のST102に進む。ST102では、図4の医療用ポンプ制御部80がポンプ側セグメント認識データ格納部81内のポンプ側セグメント認識データを参照して実行する。
このポンプ側セグメント認識データは、例えば図2のポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返しデータであり、これが、予備信号の一例である。
したがって、ST102では、医療用ポンプ制御部80の指示で、ポンプ側ディスプレイ制御部22を介して、ポンプ側ディスプレイ21の上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213が全灯と消灯を繰り返すことになる。
【0030】
次に、図6のST3で、内部情報読取装置1が、ポンプ側セグメント認識信号を受信したか否かを判断する。具体的には、ST102で、ポンプ側ディスプレイ21が表示した全灯と消灯との繰り返し信号を、カメラ3が撮像する。この撮像したポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号の画像が、予備信号画像情報の一例である。
そして、内部情報読取装置1は、情報読取装置制御部42等を介して、このポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号の画像を、図5の読取側セグメント認識信号データ格納部51の読取側セグメント認識信号データと比較する。
この読取側セグメント認識信号データは、例えば、ポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返しデータとなっており、予備信号画像比較情報の一例である。したがって、この比較により、内部情報読取装置1は、医療用ポンプ2が、そのポンプ側ディスプレイ21に全灯と消灯の繰り返し信号を表示したか否か、若しくは、その全灯と消灯の繰り返し信号を受信できたか否かを判断することができる。
【0031】
ST3で、内部情報読取装置1が、医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号を受信できない場合は、カメラ3の医療用ポンプ2に対する位置が適切でないことが考えられるので、内部情報読取装置1の読取側ディスプレイ41に、例えば「ポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号が受信できない」旨が表示される。
この表示を見た利用者は、カメラ3の位置が適切でないことを知ることができ、カメラ3の位置を適切な位置に修正等することができる。
【0032】
一方、ST3で、内部情報読取装置1が、カメラ3を介して医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号を受信できた場合は、図6のST4、ST5及びST6及びST7に進む。
ST4では、撮像画像の輝度データと輝度基本データとを比較する。すなわち、内部情報読取装置1は、図示しない輝度の計測器を有し、この輝度の計測器を用いて、カメラ3が撮像したポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号の画像の輝度を計測する。
そして、ST5で、この計測された輝度データと、図5の輝度基本データ格納部52内の輝度基本データ(予備信号画像比較情報の一例)とを比較して、カメラ3が撮像したポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号の画像の輝度が適切な範囲か否かを判断する。
具体的には、輝度基本データは、例えば250〜300sd/m(カンデラ/平方メートル)であり、カメラ3が撮像したポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号の画像の輝度が、この範囲内であれば、輝度が適正と判断される。
【0033】
ST5で、輝度が適正の範囲内でないと判断された場合は、内部情報読取装置1の読取側ディスプレイ41に、例えば「ポンプ側ディスプレイ21の全灯と消灯の繰り返し信号の輝度が適正範囲内でない」旨が表示される。
この表示を見た利用者は、カメラ3の位置が適切でないことを知ることができ、カメラ3の位置を適切な位置に修正等することができる。
【0034】
また、ST6では、撮像画像から発光セグメントデータを取得し、その座標データを把握し、把握された座標データを座標基本データと比較する。すなわち、内部情報読取装置1は、発光している部分からポンプ側ディスプレイ21の上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213に相当する位置を把握する。
これは、例えば、撮像画像中のポンプ側ディスプレイ21の基準点(例えば、上端中央部等)を基準とした座標データで判断する。
次に、ST7で、この座標データが求められた、上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213に相当する発光部分と、図5の座標基本データ格納部53内の座標基本データ(予備信号画像比較情報の一例)とを比較して、カメラ3が撮像したポンプ側ディスプレイ21の上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213に相当する発光部分が適切な位置となっているか否かを判断する。
具体的には、座標基本データは、上部表示部211、中部表示部212、下部表示部213の位置が、基準点(ポンプ側ディスプレイ21の上端中央部等)からの座標(X、Y)データとなっており、カメラ3が撮像したポンプ側ディスプレイ21の上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213に相当する発光部分が、この座標データの範囲内であれば、その位置が適正と判断される。
【0035】
ST7で、座標位置が適正の範囲内でないと判断された場合は、内部情報読取装置1の読取側ディスプレイ41に、例えば「ポンプ側ディスプレイ21の位置が適正範囲内でない」旨が表示される。
この表示を見た利用者は、カメラ3の位置が適切でないことを知ることができ、カメラ3の位置を適切な位置に修正等することができる。
【0036】
このように、本実施の形態では、内部情報読取装置4は、カメラ3を介して医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21の表示を撮像して、その内部のヒストリーデータ等の履歴情報を取得する前に、その表示の読み取り間違いを防止するため、カメラ3と医療用ポンプ2との相対位置等を調整する複数の工程を実施している。このため、その後に実施される、内部のヒストリーデータ等の履歴情報を取得工程で、データを間違いなく適切且つ確実に取得することができる。
具体的には、この調整工程は、「セグメント認識信号を受信したか」否かだけでなく、「撮像画像の輝度データが」所定の範囲内か、そして、撮像され「把握された座標データが座標基本データ」の所定範囲内かも判断し、これらがすべて適正な範囲内である場合に限り、次の工程に進む構成となっている。
したがって、その後に実施される、内部のヒストリーデータ等の履歴情報の取得工程では、そのデータの取得が間違いなく確実に実行されることが確保されている。
【0037】
図6のST5及びST7で、それぞれ適正な範囲内であると判断されると、ST8に進む。ST8では、内部情報読取装置4の読取側ディスプレイ41に「内部データ連続撮像準備完了」の表示がなされる。
すなわち、このような表示が、読取側ディスプレイ41に表示されると共に、カメラ制御部31によりカメラ3は撮像可能状態となる。
【0038】
内部情報読取装置4の読取側ディスプレイ41におけるST8の表示を見た利用者は、医療用ポンプ2の内部データ連続表示開始キースイッチ24を押下する。
図6のST103で、医療用ポンプ2が、内部データ連続表示開始キースイッチ24の押下があったと判断すると、ST104で、内部データの連続表示が開始される。
具体的には、図4の医療用ポンプ制御部80が内部データ連続表示開始キースイッチ24の押下を検知すると、内部データ格納部82に格納されている図3に示すヒストリーデータを履歴番号順にポンプ側ディスプレイ21に表示させることになる。
このとき、医療用ポンプ制御部80は、図4の通常表示用データ格納部83に格納されている通常表示用データを参照して表示する。
すなわち、例えば、図2の上部表示部211に数字を表示するときは、示したい数字部分を点灯させ、その他の部分を消灯して表示する。
具体的には、上述したように、図2に示す上部表示部211の各表示単位211a乃至211gは、それぞれ数字等を示すための7つのセグメント(LED)と、ドットを示す1つのセグメント(LED)から成っており、これらを点灯又は消灯することで表示する。
【0039】
このようにセグメントを点滅させることで、上述のように図3のヒストリーデータ(対象物情報及び本体信号情報の一例)の数字データを順に表示させる。
また、図2の中部表示部212や下部表示部213は、上述のように、それぞれ、数字以外のヒストリーデータをそれぞれ表示する。
これらポンプ側ディスプレイ21に表示された信号が本体信号の一例となっている。
上述したように、図2のポンプ側ディスプレイ21の各表示部211等だけでは、図3のヒストリーデータを全て表示することはできないが、図2は、表示部分を簡略化したものであって、他の表示部分も所定位置に配置される。
なお、
【0040】
ポンプ側ディスプレイ21における図3のヒストリーデータの表示が履歴番号順に開始されると、ST105で、同一履歴番号内の内部データ、図3では、例えば履歴番号1の各データが全てポンプ側ディスプレイ21に表示されたか否かが判断される。
そして、ST5で同一履歴番号のヒストリーデータが全て表示されたと判断されると、ST106に進み、今度は、同じヒストリーデータを反転表示する。
具体的には、図4の反転表示用データ格納部84の反転表示用データを参照して表示する。すなわち、ST104で表示した通常表示用データと反対に、示したい数字等を消灯し、他の部分を点灯することで表示することとなる。
図9(a)は通常表示データの例を示し、(b)はその反転表示データの例を示すものである。
図9に示すように、例えば、数字の「2」であれば、通常表示では(a)の黒字で示す部分を点灯し、反転表示では(b)の黒字で示す部分を点灯する。
これら上述の通常表示用データと反転表示用データが、異種本体信号の一例となっている。
【0041】
次に、ST107に進む。ST107では、同一履歴番号のヒストリーデータが全て反転表示されたか否かが判断される。
そして、ST107で、同一履歴番号のヒストリーデータが全て反転表示されたと判断された場合は、ST108で、医療用ポンプ制御部80は、内部データ格納部82内の図3に示すヒストリーデータを参照し、未だポンプ側ディスプレイ21に表示されていない履歴番号のヒストリーデータの存否を判断する。
そして、未だポンプ側ディスプレイ21に表示されていない履歴番号のヒストリーデータがあれば、ST109に示すように表示し、ST104乃至ST108の工程を繰り返すことになる。
【0042】
一方、ST108で、未表示のヒストリーデータがないと判断されたときは、ST110で内部データの連続表示が終了する。
【0043】
次に、医療用ポンプ2側のこのようなST103乃至ST110までの工程に対応する内部情報読取装置4の動作を以下、説明する。
先ず、内部情報読取装置4は、ST8で、カメラ3が撮像状態にあるため、医療用ポンプ2がST104で図3のヒストリーデータをポンプ側ディスプレイ21に表示すると、その信号を、そのままカメラ3が撮像し、図5の画像取得部32等によって画像が取得され、図5の画像データ格納部55に格納される。
【0044】
次に、内部情報読取装置4は、図6のST9に示すように、撮像されセグメントの観測位置の切り出しを行う。すなわち、図5の画像データ格納部55に格納されている画像データを解析するための解析単位の切り出しを行う。
図5に示すように、切り出し用データ格納部56に格納されている切り出し用データ、例えば、上部表示部211に相当する発光部分には、上段に4個の表示単位211a等、下段に3個の表示単位211e等が存在すること、中部表示部212に相当する発光部分には、1個のLEDがあること、下部表示部213に相当する発光部分には、左右に2個のLEDがあること等が格納されている。
したがって、内部情報読取装置4は、図8に示すように、各表示単位211a等を切り出すことになる。
【0045】
図8は、内部情報読取装置4が、撮像されたセグメントの観測位置を切り出す状態等を示す概略説明図である。
図8に示すように、図5の画像データ格納部55に格納されている画像データからポンプ側ディスプレイ21の上部表示部211に相当する発光部分を上段4個、下段3個に切り分け、それぞれを表示単位211a乃至211gとする。
また、中部表示部212に相当する発光部分を1個の中部表示部として切り分け、下部表示部213に相当する発光部分を左右に2個に分けて切り分ける。
このように切り分けられた各発光部分のデータは、図5の切り出し済みデータ格納部57に格納される。
【0046】
また、医療用ポンプ2のST106でポンプ側ディスプレイ21に表示された反転表示画像データも、上述の通常表示画像データと同様に、図5の画像データ格納部55に格納され、それぞれの上部表示部211、中部表示部212及び下部表示部213が、図8に示すように、切り出され、図5の切り出し済みデータ格納部57に格納される。
このとき、例えば、格納されている画像データが、通常表示の画像データか、反転表示の画像データかは、医療用ポンプ2が表示したフラッグで識別できる構成とすることができる。例えば、反転表示のデータをポンプ側ディスプレイ21に表示する際に、先頭に目印のフラッグを表示する構成としてもよい。
【0047】
次に、ST10に進み、内部情報読取装置4は、切り出し済みデータ格納部57に格納されているデータを参照して、撮像されたセグメントの観測位置が通常表示と反転表示で同一か否かを判断する。
このST10は、医療用ポンプ2によるヒストリーデータの表示が全て終了してから実行しても良いし、ヒストリーデータを撮像、取得しながら実施してもよい。
具体的には、図5の切り出し済みデータ格納部57に格納されている通常表示の画像データと反転表示の画像データを比較する、例えば、一方を反転させる等することで、発光部分と非発光部分が一致するか否かを判断する。この場合、一致の範囲として一定の許容範囲を定めることができる。
【0048】
ST10で、通常表示の画像データと反転表示の画像データが一致しない場合、ST12に示すように、取得した画像データが間違いと判断し、内部情報読取装置4の読取側ディスプレイ41に「画像取得不可」と表示し、その結果を利用者に通知する。
このように、本実施の形態では、内部情報読取装置4が、カメラ3を介して取得した画像データの精度を上げるために、通常及び反転の画像データの比較を行う。したがって、極めて精度の高い画像データを取得することができる。
【0049】
一方、ST10で、通常表示の画像データと反転表示の画像データが一致した場合は、ST11に進み、表示パターンとの照合を行う。
すなわち、内部情報読取装置4は、図5の切り出し済みデータ格納部57の切り出し済みデータを、表示パターンデータ格納部58の表示パターンデータと比較して、その画像データの意味を把握する。
この表示パターンデータは、例えば、上部表示部211に対応した数字データ、中部表示部212に対応したON/OFFデータ、下部表示部213に対応した気泡及び/又は閉塞データ等なっている。この表示パターンデータが本体信号比較情報の一例となっている。
【0050】
具体的には、図8の右側に示すように、上部表示部211に関しては、各表示単位211a等の点灯セグメント(LED)部分の形状から各数字を把握する。
また、中部表示部212に関しては、LEDが発光している場合はON、発光していない場合はOFFと把握する。
さらに、下部表示部213に関しては、左側のLEDが発光している場合は、気泡警報あり、右側のLEDが発光している場合は、閉塞警報ありと把握する。
このように画像データを表示パターンデータと比較し、その差が一定の範囲にあるか否かを判断することで、画像データの意味を把握する(ST13)。
したがって、ST13で、画像データが表示パターンデータと比べ一定の範囲内にない場合は、ST12と同様に、利用者に「画像取得不可」である旨表示する。
【0051】
一方、ST13で、画像データが表示パターンデータと比べ一定の範囲内にあるときは、把握した意味を図5の表示データ格納部59に格納する。
このとき、表示データ格納部59には、図3のヒストリーデータの項目データが、ポンプ側ディスプレイ21がデータを表示する順に登録されているので、履歴番号毎に順番に意味を把握した数字データ等を登録すれば、表示データ格納部59内に、医療用ポンプ2内の内部データ格納部82内のヒストリーデータと同様のデータを内部情報読取装置4内に登録することができる。
【0052】
このように、本実施の形態では、医療用ポンプ2に内部に登録してあるヒストリーデータを、特別な通信装置を医療用ポンプ2に設置することなく迅速に読み取り、登録することができる。
また、この読み取りは、医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21の表示をカメラ3で撮像し、その画像をコンピュータが解析するものであるため、極めて高速に読み取ることができる構成なっている。
したがって、利用者が視認して読み取る場合に比べ比較にならないほど高速に読取処理を実行することができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の実施の形態にかかる内部情報読取システムの医療用ポンプ200の主な内部構成等を示す概略図であり、図11は、第2の実施の形態にかかる内部情報読取装置300の主な内部構成等を示す概略図である。
図12及び図13は、本実施の形態の内部情報読取システムの主な動作等を示す概略フローチャートである。
本実施の形態にかかる内部情報読取システムは、上述の第1の実施の形態にかかる内部情報読取システム1と多くの構成等を共通としているため、以下、その共通部分は同一符号等として説明を省略し、以下、その相違点を中心に説明する。
上述の第1の実施の形態と本実施の形態との主な相違点は、以下のとおりである。すなわち、第1の実施の形態の図6のST104の内部データの連続表示開始工程では、ポンプ側ディスプレイ21は、その上部表示部211に数字をそのまま表示している。しかし、本実施の形態では、数字をそのまま表示せず、数字を表示する代わりに、各表示単位211aの一部等を点灯等させるという非文字記号を使うことである。
【0054】
以下、詳細に説明する。先ず、図12のST103の後で、内部データ連続表示開始キーが押下されると、ST401に進む。ST401では、図10の内部データ格納部82内の内部データ、例えば、図3のヒストリーデータの数字データを、そのまま数字データとするのではなく、内部データである数字データ等をセグメント簡易表示データに変換する。
具体的には、図10の内部データ変換用セグメント簡易表示データ格納部201の内部データ変換用セグメント簡易表示データを参照して変換するが、その変換を図14を用いて説明する。図14は、内部データ変換用セグメント簡易表示データの概略説明図である。
図14に示すように、例えば、図2における上部表示部211の各表示単位211a乃至211gは、それぞれ(a)乃至(h)の8つのセグメント(LED)から成っている。そして、上述の第1の実施の形態では、このうち(a)乃至(g)の7つのセグメントで、数字を表し、セグメント(h)がドットを表す構成となっている。
しかし、本実施の形態では、これら8つのセグメントのうち、ドット部分(セグメント(h))を除く7つのセグメント(a)乃至(g)の組合せで数字等を示すものである。
【0055】
例えば、図3のヒストリーデータの月日を示す場合は、図14の表示単位211aの7つのセグメントと隣の表示単位211bの2のセグメント((a)及び(b))の合計9つのセグメントで示す。
すなわち、この9つのセグメントの点灯、消灯の組合せで512通りの点滅パターンが可能となる。このセグメントの点滅パターンの組合せが、非文字記号の一例となっている。
月日は366日分あればよいのであるから、512通りの点滅パターンと、これに対応する特定の月日を予め定めておけば、この9つのセグメントで月日を示すことができ、しかも、僅か9つのセグメントで表示できることになる。
【0056】
また、同様に図3のヒストリーデータの時刻は、図14の表示単位211bのセグメント(c)乃至(g)及び、その隣接する表示単位211cのセグメント(a)乃至(f)の11のセグメントによる2048の点滅パターンで表示することができることになる。
そして、図3の流量も同様に、図14の表示単位211cのセグメント(g)と、その隣接する表示単位211dのセグメント(a)乃至(g)、さらにその隣接する表示単位211eのセグメント(a)の合計9つのセグメントによる512の点滅パターンで示すことができる。
さらに、図3の履歴番号も、同様に、図14の表示単位211eのセグメント(b)乃至(g)及び、その隣接する表示単位211fのセグメント(a)乃至(d)の合計10のセグメントによる1024の点滅パターンで示すことができる。
【0057】
このように、表示単位211a等の各セグメント(a)乃至(g)の点滅パターンの組合せで、図3のヒストリーデータを表示させることで、ポンプ側ディスプレイ21の1回の表示で、履歴番号、月日、時刻、流量等を同時に表示することができる。
この点、上述の第1の実施の形態の表示では、これらを2回に分けて表示していたことと比べ格段に早くヒストリーデータを表示することができる。
【0058】
図10の内部データ変換用セグメント簡易表示データ格納部201には、上述の点滅パターンと履歴番号、月日、時刻及び流量等との対応データが格納されている。
このため、図12のST401では、医療用ポンプ2は、内部データ格納部82に格納されている図3のヒストリーデータと内部データ変換用セグメント簡易表示データ格納部201のデータを参照し、表示単位211a等のセグメントの点滅パターンを取得して、ST402で、その点滅パターンをポンプ側ディスプレイ21に表示することになる。
【0059】
次いで、図3の同一履歴番号内のヒストリーデータの全てをセグメント簡易データ(セグメントの点滅パターンのデータ)に変換して表示したか否かが判断され(ST403)、全ての表示が終了すると、ST404で、第1の実施の形態のST106等と同様に、セグメント(LED)の点滅を逆にする反転表示を実行する。
【0060】
その後、ST405で、ST404の反転表示が同一の全ての履歴番号のヒストリーデータについて終了したか否かを判断し、その後、ST108で他の履歴番号のヒストリーデータがなければ、ST110で終了する。
一方、ST108で、未だ未表示のヒストリーデータがあれば、ST406でST401と同様に、ヒストリーデータをセグメント簡易表示データ(セグメントの点滅パターンのデータ)に変換し、ST407で、そのセグメント簡易表示データを表示することになる。
【0061】
一方、内部情報読取装置4は、医療用ポンプ2のポンプ側ディスプレイ21が表示したセグメント簡易表示データをカメラ3で撮像し、図11の画像データ格納部55に格納される。その後、図12のST9で、第1の実施の形態と同様に撮像されたセグメントの観測位置の切り出しが実施され、ST10で撮像されたセグメントの観測位置が通常表示と反転表示で同一の範囲内であるかが判断される
ST10で、セグメントの観測位置が通常表示と反転表示で同一の範囲内であると判断された場合は、図12のST501に進み、セグメント変換用データとの照合が行われる。
具体的には、図11のセグメント簡易データ変換用データ格納部301内のセグメント簡易データ変換用データを参照して、セグメント簡易データを図3のヒストリーデータに戻す工程である。
すなわち、このセグメント簡易データ変換用データは、上述の図10の内部データ変換用セグメント簡易表示データ格納部201のデータと逆に、セグメント簡易データに対応するヒストリーデータの履歴番号、月日、時刻及び流量等とのデータが格納されている(非文字記号信号比較情報の一例)。
【0062】
次に、ST502で撮像したセグメント簡易データが内部データ変換用セグメント簡易表示データの範囲内か否かを判断し(ST502)、範囲内である場合は、ST503で、セグメント簡易データをヒストリーデータに変換して、図11の表示データ格納部59に格納する。
【0063】
このように本実施の形態では、医療用ポンプ2内のヒストリーデータを迅速且つ効率的にポンプ側ディスプレイ21に表示することができるので、内部情報読取装置4も迅速且つ効率的に、対象とする医療用ポンプ2内のヒストリーデータを取得することができる。
【0064】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1の実施の形態にかかる輸液ポンプ等の医療用ポンプの内部の履歴データ等を取得するための内部情報読取システムを示す概略図である。
【図2】ポンプ側ディスプレイを示す概略図である。
【図3】医療用ポンプ内に蓄積される対象物情報であり医療用ポンプの稼動履歴情報である例えば、ヒストリーデータを示す概略図である。
【図4】医療用ポンプの主な内部構成等を示す概略図である。
【図5】内部情報読取装置の主な内部構成等を示す概略図である。
【図6】第1の実施の形態の内部情報読取システムの主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図7】第1の実施の形態の内部情報読取システムの主な動作等を示す他の概略フローチャートである。
【図8】内部情報読取装置が、撮像されたセグメントの観測位置を切り出す状態等を示す概略説明図である。
【図9】(a)は通常表示データを示し、(b)はその反転表示データを示すものである。
【図10】第2の実施の形態にかかる内部情報読取システムの医療用ポンプの主な内部構成等を示す概略図である。
【図11】第2の実施の形態にかかる内部情報読取装置の主な内部構成等を示す概略図である。
【図12】第2の実施の形態の内部情報読取システムの主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図13】第2の実施の形態の内部情報読取システムの主な動作等を示す他の概略フローチャートである。
【図14】内部データ変換用セグメント簡易表示データの概略説明図である。
【符号の説明】
【0066】
1・・・内部情報読取システム、2・・・医療用ポンプ、3・・・カメラ、4、200・・・内部情報読取装置、21・・・ポンプ側ディスプレイ、23・・・モード切替スイッチ、24・・内部データ連続表示開始キースイッチ、31・・・カメラ制御部、32・・・画像取得部、41・・・ディスプレイ、41a・・・読取側ディスプレイ、42・・・情報読取装置制御部、50・・・読取ソフトデータ格納部、51・・・読取側セグメント認識信号データ格納部、52・・・輝度基本データ格納部、53・・・座標基本データ格納部、55・・・画像データ、56・・・切り出し用データ格納部、57・・・切り出し済みデータ格納部、58・・・表示パターンデータ格納部、59・・・表示データ格納部、80・・・医療用ポンプ制御部、81・・・ポンプ側セグメント認識信号データ格納部、82・・・内部データ格納部、84・・・反転表示用データ格納部、201・・・内部データ変換用セグメント簡易表示データ格納部、211・・・上部表示部、211a〜g・・・表示単位、212・・・中部表示部、213・・・下部表示部、213a・・・気泡表示部、213b・・・閉塞表示部、301・・・セグメント簡易データ変換用データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の表示部に信号として表示される当該対象物の情報である対象物情報を取得するための情報読取装置であって、
前記表示部に表示される信号を撮像するための撮像部と、
前記撮像部で撮像された前記信号の画像情報を取得する情報読取装置本体と、を有し、
前記信号には、前記対象物情報を示す本体信号と調整に使用される予備信号とが含まれ、
前記情報読取装置本体は、
前記撮像部が撮像した前記予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断するための予備信号画像比較情報と、
前記撮像部が撮像した前記本体信号の画像情報である本体信号画像情報から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための本体信号比較情報と、を有することを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記本体信号には、同一の前記対象物信号について異なる方法で表示される複数の異種本体信号が含まれ、
前記情報読取装置本体は、前記撮像部が撮像した複数の前記異種本体信号の画像情報である複数の異種本体信号画像情報を比較して、その適否を判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記予備信号画像比較情報が、輝度情報及び/又は表示部の座標位置情報であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記対象物情報を表示するために、相互に区分され得る複数の領域を有し、
前記本体信号を前記領域毎に切り出して抽出するための切り出し用情報を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記対象物が医療用ポンプであって、前記対象物情報には、前記医療用ポンプの稼動履歴情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項6】
前記表示部は、複数の点灯及び消灯が可能なセグメント部から構成され、各前記セグメント部の点灯又は消灯で非文字記号を表示し、前記本体信号の少なくとも一部が前記非文字記号で表示され、
前記情報読取装置本体は、前記非文字記号から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための非文字記号信号比較情報と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項7】
対象物の表示部に信号として表示される当該対象物の情報である対象物情報を取得するための情報読取方法であって、
前記信号には、前記対象物情報を示す本体信号と、調整に使用される予備信号とが含まれ、
前記表示部に表示される信号を撮像するための撮像部で撮像された前記信号の画像情報を取得する前記情報読取装置本体は、予備信号画像比較情報に基づき、前記撮像部が撮像した前記予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断し、
本体信号比較情報に基づき、前記撮像部が撮像した前記本体信号の画像情報である本体信号画像情報から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得ることを特徴とする情報読取方法。
【請求項8】
対象物と、
前記対象物の表示部に信号として表示される当該対象物の情報である対象物情報を取得するための情報読取装置と、を有する情報読取システムであって、
前記情報読取装置は、
前記表示部に表示される信号を撮像するための撮像部と、
前記撮像部で撮像された前記信号の画像情報を取得する情報読取装置本体と、を有し、
前記信号には、前記対象物情報を示す本体信号と調整に使用される予備信号とが含まれ、
前記対象物は、前記表示部に表示するための前記予備信号情報を有し、
前記情報読取装置本体は、前記撮像部が撮像した前記予備信号の画像情報である予備信号画像情報の適否を比較判断するための予備信号画像比較情報を有し、
前記対象物は、前記表示部に表示するための前記本体信号情報を有し、
前記情報読取装置本体は、前記撮像部が撮像した前記本体信号の画像情報である本体信号画像情報から前記本体信号を抽出し、前記対象物情報を得るための本体信号比較情報と、を有することを特徴とする情報読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−146219(P2010−146219A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321691(P2008−321691)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】