説明

情報開示システム、情報開示方法、および、情報開示プログラム

【課題】データベース21、22のセキュリティを守りつつ、利用者が必要な情報の取得を可能にする情報開示方法を提供する。
【解決手段】複数のデータベース21、22を互いに識別可能な情報コード5、データベース21、22の内容を表すテキスト情報5と、テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザID(5)をデータベース毎に取得し、ユーザ端末4からの端末ユーザIDをともなう検索命令を受けて検索事項を含むテキスト情報5を検索し、検索された検索事項を含むテキスト情報5毎に対応する有効ユーザIDに端末ユーザIDが一致するか否かを判定し、検索されたテキスト情報毎に、一致しない場合に、テキスト情報5に対応する情報コードをユーザ端末4に出力し、データベース21、22を管理する管理者の管理者名と管理者の連絡先6を情報コードに関係付けて記憶し、出力される情報コードに関係付けられた管理者名と連絡先6を抽出しユーザ端末4に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索エンジンをともなう情報開示システム、情報開示方法、および、情報開示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ネットワーク上で情報共有する場合、情報源であるデータベースのセキュリティを守るために、各データベースに対して、利用者それぞれに、必要に応じて、アクセス権を設定している。利用者は、検索したい検索項目を検索エンジンに設定し、検索エンジンは、検索項目を含むデータベースを検索する。検索エンジンは、アクセス権を有する利用者にデータベースを提供する目的で、ファイルシステムやグループウェアといったネットワークに接続し、アクセス権を一元管理するACL(Access Control List)を用いてアクセス権を有する利用者にデータベースのアクセス可能な所在を提供している。このように、アクセス権を設定すれば、特定の利用者にしかデータベースを使えなくすることができる。逆に、利用者は、検索エンジンによって検索しても、利用者のアクセス権が設定されていないデータベースの存在を知ることができない。
【0003】
そこで、アクセス権等により開示が制限されているデータベースを、その秘匿性の程度に応じて、また、利用者の必要度に応じてデータベースの一部の情報を開示することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、開示されたデータベースの一部の情報が利用者の所望の情報であるとは限らなかった。
【特許文献1】特開平11−39243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、データベースのセキュリティを守りつつ、利用者が必要な情報の取得を可能にする情報開示システムを提供することにある。
【0005】
本発明の目的は、データベースのセキュリティを守りつつ、利用者が必要な情報の取得を可能にする情報開示方法を提供することにある。
【0006】
本発明の目的は、データベースのセキュリティを守りつつ、利用者が必要な情報の取得を可能にする情報開示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の一態様によれば、複数のデータベースを互いに識別可能な情報コード、前記データベースの内容を表すテキスト情報と、前記テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザIDを前記データベース毎に取得し、前記ユーザ端末からの端末ユーザIDをともなう検索命令を受けて検索事項を含む前記テキスト情報を検索し、検索された前記検索事項を含む前記テキスト情報毎に対応する前記有効ユーザIDに前記端末ユーザIDが一致するか否かを判定する検索エンジンに、接続される情報開示システムであって、検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報に対応する前記情報コードを前記ユーザ端末に出力する情報コード出力部と、前記データベースを管理する管理者の管理者名と前記管理者の連絡先を前記情報コードに関係付けて記憶する管理者情報記憶部と、前記管理者情報記憶部から、出力される前記情報コードに関係付けられた前記管理者名と前記連絡先を抽出し前記ユーザ端末に出力する管理者情報出力部を有することを特徴とする情報開示システムが提供される。
【0008】
本願発明の一態様によれば、複数のデータベースを互いに識別可能な情報コード、前記データベースの内容を表すテキスト情報と、前記テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザIDを前記データベース毎に取得し、前記ユーザ端末からの端末ユーザIDをともなう検索命令を受けて検索事項を含む前記テキスト情報を検索し、検索された前記検索事項を含む前記テキスト情報毎に対応する前記有効ユーザIDに前記端末ユーザIDが一致するか否かを判定し、検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報に対応する前記情報コードを前記ユーザ端末に出力し、前記データベースを管理する管理者の管理者名と前記管理者の連絡先を前記情報コードに関係付けて記憶し、出力される前記情報コードに関係付けられた前記管理者名と前記連絡先を抽出し前記ユーザ端末に出力することを特徴とする情報開示方法が提供される。
【0009】
本願発明の一態様によれば、複数のデータベースを互いに識別可能な情報コード、前記データベースの内容を表すテキスト情報と、前記テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザIDを前記データベース毎に取得し、前記ユーザ端末からの端末ユーザIDをともなう検索命令を受けて検索事項を含む前記テキスト情報を検索し、検索された前記検索事項を含む前記テキスト情報毎に対応する前記有効ユーザIDに前記端末ユーザIDが一致するか否かを判定する検索エンジンを利用可能なコンピュータが実行する情報開示プログラムであって、検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報に対応する前記情報コードを前記ユーザ端末に出力する手順と、前記データベースを管理する管理者の管理者名と前記管理者の連絡先を前記情報コードに関係付けて記憶する手順と、出力される前記情報コードに関係付けられた前記管理者名と前記連絡先を抽出し前記ユーザ端末に出力する手順を前記コンピュータに実行させるための情報開示プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る情報開示システムによれば、データベースのセキュリティを守りつつ、利用者が必要な情報の取得を可能にする情報開示システムを提供できる。
【0011】
本発明の一態様に係る情報開示方法によれば、データベースのセキュリティを守りつつ、利用者が必要な情報の取得を可能にする情報開示方法を提供できる。
【0012】
本発明の一態様に係る情報開示プログラムによれば、データベースのセキュリティを守りつつ、利用者が必要な情報の取得を可能にする情報開示プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、図解のためだけであり、本発明はそれらの図面に限定されるものではない。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。
【実施例1】
【0014】
図1に示すように、実施例1に係る情報開示システム2は、検索エンジン3とユーザ端末4と情報インデックスデータベース5に接続している。情報共有システム1は、情報開示システム2、検索エンジン3、ユーザ端末4と情報インデックスデータベース5を有している。検索エンジン3は、グループウェアのファイル管理機能を有するファイル管理部9やファイルサーバ10を有する。ファイル管理部9には、複数のデータベース21がアップロードされている。ファイルサーバ10には、複数のデータベース22がアップロードされている。
【0015】
検索エンジン3は、複数のデータベース21、22を互いに識別可能な情報コード、データベース21、22の内容を表すテキスト情報、データベース21、22の格納場所を表す格納場所情報と、テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザIDを、データベース21、22毎に取得している。そして、検索エンジン3は、対応する情報コードと関係付けてテキスト情報をテキスト情報データベースに記憶させている。同様に、検索エンジン3は、対応する情報コードと関係付けて格納場所情報を格納場所情報データベースに記憶させている。検索エンジン3は、対応する情報コードと関係付けて有効ユーザIDをアクセスコントロールリスト(ACL:Access Control List)に記憶させている。
【0016】
利用者は、ユーザ端末4により、利用者を識別可能な端末ユーザIDと、検索事項を入力し、さらに、検索エンジンが検索事項を含むテキスト情報を検索するように検索命令を入力する。端末ユーザIDと検索事項と検索命令は、情報開示システム2を介して、検索エンジン3に入力される。検索エンジン3は、検索事項を含むテキスト情報を検索する。検索エンジン3は、検索された検索事項を含むテキスト情報毎に対応する有効ユーザIDを、ACLから抽出する。なお、テキスト情報にアクセス権が設定されていない場合には有効ユーザIDは抽出されない。検索エンジン3は、抽出された有効ユーザIDに端末ユーザIDが一致するか否かを判定する。これらの抽出結果と判定結果が検索結果として、情報開示システム2に送信される。
【0017】
図4に示すように、情報開示システム2は、受信部11、選択部12、データベースに対するアクセス権の設定の有無判定部13、ユーザに対するアクセス権の有無判定部14、本文表示可能一覧表表示部15、要約を有する一覧表表示部16、タイトルを有する一覧表表示部17、開示NG情報表示部18、開示範囲決定部19と、情報開示管理情報データベース6を有している。情報開示管理情報データベース6は、図1に示すように、開示範囲情報データベースと管理者情報データベースを有している。
【0018】
図2に示すように、開示範囲情報データベース7は、情報コード100、200、所属(システム開発部)、開示範囲ユーザID(A1234567)と開示率100%、20%を記憶している。情報コード100、200は複数のデータベースそれぞれに設定されており、情報コード100、200によれば複数のデータベースを識別することができる。所属には、開示範囲ユーザID(A1234567)の利用者の所属する組織名が記憶される。開示範囲ユーザID(A1234567)は複数の利用者それぞれに設定されており、開示範囲ユーザIDによれば、複数の利用者を識別することができる。開示率には、データベースから取得されたテキスト情報の開示される情報量の取得された情報量に対する比率が記憶される。開示率100%、20%は情報コード100、200と開示範囲ユーザID(A1234567)に関係付けられて記憶されている。開示範囲情報データベース7は、情報コード100、200と開示範囲ユーザID(A1234567)を指定されることにより、対応する開示率100%、20%を抽出し出力することができる。
【0019】
図3に示すように、管理者情報データベース8は、情報コード100、200、対象情報名(ナレッジDB)、(設計トラブル事例)、管理者名(山田太郎)、(鈴木一郎)、管理者所属(製品開発部)、(製品設計部)、管理者TEL(1234)、(5678)と管理者メールアドレス(Add)(A3456712@abc.toshiba.co.jp)、(B5678910@xxy.toshiba.co.jp)を記憶している。図3の情報コード100、200は、図2の情報コード100、200と同じである。対象情報名には、情報コードが対応するデータベースの名称(ナレッジDB)、(設計トラブル事例)が記憶される。管理者名には、情報コードに対応するデータベースを管理する管理者の氏名(山田太郎)、(鈴木一郎)が記憶される。管理者所属には、管理者(山田太郎)、(鈴木一郎)の所属する組織名(製品開発部)、(製品設計部)が記憶される。管理者TELには、管理者が有する電話の電話番号(1234)、(5678)が記憶される。管理者メールアドレスには、管理者(山田太郎)、(鈴木一郎)が有するメールアドレス(A3456712@abc.toshiba.co.jp)、(B5678910@xxy.toshiba.co.jp)が記憶される。管理者名、管理者所属、管理者TELと管理者メールアドレスは、情報コードに関係付けられて記憶されている。管理者情報データベース8は、情報コードを指定されることにより、対応する対象情報名、管理者名、管理者所属、管理者TELと管理者メールアドレスを抽出し出力することができる。なお、管理者の管理とは、特定の利用者にデータベースの利用を認め、その認められた利用者がデータベースにアクセス可能なアクセス権を設定したり、データベースの一部をその認められた利用者に開示可能な開示率を設定したりすることである。
【0020】
なお、情報開示システム2は、コンピュータであってもよく、プログラムに書かれた手順をコンピュータに実行させることにより、情報開示システム2を実現させてもよい。
【0021】
次に、図1の情報開示システム2さらには情報共有システム1を用いた実施例1に係る情報開示方法について説明する。
【0022】
図5に示すように、実施例1の情報開示方法は、まず、ステップS1で、図4の受信部11が、ユーザ端末4から出力された端末ユーザIDと検索事項をともなった検索命令を受信する。
【0023】
ステップS2で、情報開示システム2が、受信した端末ユーザID、検索事項と検索命令を、検索エンジン3に送信する。
【0024】
ステップS3で、検索エンジン3が、受信した検索命令にしたがい検索を行う。検索エンジン3が、検索前に生成したテキスト情報データベースから検索事項を含んだテキスト情報を抽出し検索する。検索エンジン3は、抽出されたテキスト情報に対応する図1のデータベース21、22の情報コードをテキスト情報データベースから抽出する。
【0025】
ステップS4で、図4の受信部11が、検索エンジン3の検索結果である抽出され検索事項を含んだテキスト情報と、抽出された情報コードを、検索エンジン3から受信する。
【0026】
ステップS5で、選択部12が、抽出された複数の情報コードの中から1つの情報コードを選択する。このことにより、抽出された複数の情報コードに対応する複数のデータベース21、22の中から1つのデータベースが選択されたことになる。
【0027】
ステップS6で、アクセス権の設定の有無判定部13が、選択されたデータベースに任意のアクセス権の設定の有無を判定する。アクセス権の設定の有無判定部13が、選択されたデータベースに関してACLがあるか否か判定する。任意のアクセス権の設定があれば、また、ACLがあれば、ステップS7に進む。任意のアクセス権の設定がなければ、また、ACLがなければ、ステップS8に進む。
【0028】
ステップS7で、アクセス権の有無判定部14が、選択されたデータベースについて利用者のアクセス権が設定されているか否か判定する。アクセス権の有無判定部14が、選択されたデータベースのACLに利用者の端末ユーザIDが含まれているか否か判定する。アクセス権の有無判定部14が、検索された検索事項を含むテキスト情報に対応する有効ユーザIDに端末ユーザIDが一致するか否かを判定する。利用者のアクセス権があれば、また、ACLに利用者の端末ユーザIDが含まれていれば、ステップS8に進む。利用者のアクセス権がなければ、また、ACLに利用者の端末ユーザIDが含まれていなければ、ステップS11に進む。
【0029】
ステップS8で、選択されたデータベースについて利用者のアクセス権が設定されているので、本文表示可能一覧表表示部15が、選択されたデータベースのテキスト情報を一覧表の一部として、ユーザ端末4に表示する。また、このテキスト情報を、ステップS6とS7の条件を満たすデータベースに関して表示することにより、一覧表を作成することができる。
【0030】
ステップS9で、本文表示可能一覧表表示部15が、利用者がデータベースに直接アクセスし本文を表示する権限を有するかの再度の判定を行う。判定の内容はステップS6とS7の繰り返しである。利用者が本文を表示する権限を有し、本文の表示が可能な場合はステップS10に進む。利用者が本文を表示する権限を持たず、本文の表示ができない場合はステップS17に進んだり、ステップS16に進んだりする。
【0031】
ステップS10で、本文表示可能一覧表表示部15が、選択されたデータベースの格納場所を、格納場所情報データベースから抽出し、テキスト情報と同様に、一覧表の一部として、ユーザ端末4に表示する。いわゆる、データベースのリンクを設定する。このことにより、利用者は、ユーザ端末4からデータベースをダウンロードすることが可能になる。そして、ユーザ端末4にデータベースの本文を表示させることができる。また、このテキスト情報と格納場所を、ステップS6とS7の条件を満たすデータベースに関して表示することにより、一覧表を作成することができる。なお、ステップS3だけでなく、ステップS3からS10までを検索エンジン3で実施してもよい。
【0032】
ステップS11で、開示範囲決定部19が、データベースに対して利用者にデータ開示権が設定してあるか否か判定する。また、開示範囲決定部19が、データベースに対して利用者に設定された情報開示率が既定値を満たしている否か判定する。これらの判定には、図2の開示範囲情報データベースを用いる。開示範囲情報データベースは、有効ユーザIDに一致しない端末ユーザIDを設定しているユーザ端末4に出力可能なテキスト情報の範囲の広さの程度を示す情報開示率を記憶している。また、開示範囲情報データベースは、テキスト情報の情報コードと端末ユーザIDに関係付けて、情報開示率を記憶している。なお、開示範囲情報データベースでは、不特定多数の利用者の端末ユーザIDを設定する必要はないが、特定多数の利用者の端末ユーザIDを設定しておく必要はある。もちろん、アクセス権を有する利用者の端末ユーザIDを設定する必要はない。特定多数の利用者とは、データベースに対して、おのずと守秘義務が生じる者たちであると考えられる。例えば、ある会社で開発されたデータベースに対して、その会社の従業員の全員あるいは、その会社のそのデータベースの関連部門の従業員の全員に対しては、アクセス権を与えるか、さもなければ、開示範囲情報データベースに端末ユーザIDを設定する。このことにより、データベースの秘密を維持しつつ、従業員全員をデータベースの存在、更には内容を知りうる環境におくことができる。したがって、あるデータベースに対してある利用者のデータ開示権の設定があるとは、開示範囲情報データベースに、あるデータベースと、ある利用者とに関係付けられた情報開示率が設定されていることである。データ開示権がない場合は、守秘義務のないような部外者であると考えられるので、データベースの存在、内容を一切開示することなくステップS16に進む。データ開示権がある場合は、守秘義務のある部内者であると考えられるので、開示率の大小によりステップS12又は、ステップS14に進む。大小を判定するために判定基準として0%を設定している。判定基準を低くすれば、より多くの利用者に広範囲の開示を示すことができる。判定基準を高くすれば、より少ない利用者にのみ広範囲の開示を示すことができる。データベースの情報コード毎に開示率の判定基準を変えて設定しておいてもよい。
【0033】
ステップS14で、タイトルを有する一覧表表示部17を構成する情報コード出力部が、検索事項を有するテキスト情報に対応するデータベースの情報コードのみをユーザ端末4に出力する。情報コードのみを開示するのは、最小限の情報開示に抑えるためである。また、情報コードの換わりにデータベースのタイトルでも、最小限の情報開示を実施することができる。
【0034】
ステップS19で、タイトルを有する一覧表表示部17が、利用者が開示NG情報を表示する権限を有するかの再度の判定を行う。判定の内容はステップS6、S7とS11の繰り返しである。利用者が開示NG情報を表示する権限を有し、開示NG情報の表示が可能な場合はステップS15に進む。利用者が開示NG情報を表示する権限を持たず、開示NG情報の表示ができない場合はステップS14に戻ったり、ステップS16に進んだりする。
【0035】
ステップS15で、開示NG情報表示部18が、図3の管理者情報データベースから、情報コードに関係付けられた管理者名と、管理者との連絡を取るのに必要な連絡先とデータベースの特定事項、例えば、連絡先であれば管理者の所属、電話番号、メールアドレス、データベースの特定事項であればデータベースのタイトルを抽出し、ユーザ端末4に出力する。ユーザ端末4には、以下の様な開示NG情報が表示される。
【0036】
開示NG情報の表示例:
”検索事項に関連する情報は存在しますが、開示が制限されています。
以下の情報管理者に問い合わせて下さい。
情報名(タイトル):ナレッジDB
管理者:山田太郎
管理者所属:製品開発部
管理者連絡先(Tel):1234
メールAdd:A3456712@abc.toshiba.co.jp”
【0037】
利用者は、開示NG情報を用いて所望のデータベースの管理者に連絡を取ることができる。そして、利用者は、管理者に、アクセス権の設定や、開示率を増大させることを請求することができる。管理者は、セキュリティの維持が保てることを確認した上で、利用者にアクセス権を設定したり、開示率を増大させたりする。利用者は、再度、検索事項について検索を行うことにより、所望のデータベースについて所望の範囲の情報を、ユーザ端末4に表示させることができる。
【0038】
ステップS12で、要約を有する一覧表表示部16を構成する要約出力部が、検索事項を有するテキスト情報を開示率に応じて減らしてユーザ端末4に出力する。要約としてテキスト情報を減じて開示するのは、テキスト情報の開示を最小限に抑えるためである。
【0039】
ステップS18で、要約を有する一覧表表示部16が、利用者が開示NG情報を表示する権限を有するかの再度の判定を行う。判定の内容はステップS6、S7とS11の繰り返しである。利用者が開示NG情報を表示する権限を有し、開示NG情報の表示が可能な場合はステップS13に進む。利用者が開示NG情報を表示する権限を持たず、開示NG情報の表示ができない場合はステップS12に戻ったり、ステップS16に進んだりする。
【0040】
ステップS13で、開示NG情報表示部18が、ステップS15と同様に、管理者名と、管理者との連絡を取るのに必要な連絡先とデータベースの特定事項を抽出し、ユーザ端末4に出力する。ユーザ端末4には、ステップS15と同様の開示NG情報が表示される。利用者は、開示NG情報を用いて所望のデータベースの管理者に連絡を取ることができる。そして、利用者は、管理者に、アクセス権の設定や、開示率を増大させることを請求し、管理者は、セキュリティの維持が保てることを確認した上で、利用者にアクセス権を設定したり、開示率を増大させたりする。利用者は、再度、検索事項について検索を行うことにより、所望のデータベースについて所望の範囲の情報を、ユーザ端末4に表示させることができる。なお、ステップS17でも、開示NG情報表示部18が、ステップS13、S15と同様に、管理者名と、管理者との連絡を取るのに必要な連絡先とデータベースの特定事項を抽出し、ユーザ端末4に出力する。そして、ステップS17の後にステップS8に戻る。
【0041】
ステップS16で、選択部12が、検索事項を含んでいるが開示されていない他のデータベースがあるか否か判定する。まだあれば、その他のデータベースを選択し、ステップS6に戻る。もうなければ、実施例1の情報開示方法を終了する。
【0042】
情報開示方法は、手順としてコンピュータが実行可能な情報開示プログラムにより表現することができる。この情報開示プログラムをコンピュータに実行させることにより、情報開示方法を実施することができる。
【0043】
実施例1によれば、データベースのセキュリティを守りつつ、利用者は必要な情報を取得することができる。開示率の設定されている利用者は、様々な形式のアクセス権で管理されている情報であるデータベースを、ネットワーク上で情報開示システム2に接続されたユーザ端末4を用いて、検索エンジン3にアクセスし、検索することで一定のセキュリティを保ちつつ、最低でも、欲する情報の有無を確認できる。アクセス権が設定されていなくても、開示率が設定されている利用者には、管理者への問い合わせ先の表示が示されるので、情報取得の機会を逸しない。実施例1によれば、アクセス権による管理を保ちつつ、情報を欲するあるいは欲する可能性のある利用者に対して、情報の開示率を設定して、この開示率を管理することで、情報の一部を開示する。この一部の開示により、セキュリティを守りつつ、情報共有における情報取得の機会均等化を推進できる。
【実施例2】
【0044】
実施例2に係る情報開示システム2が、実施例1の情報開示システムと異なる点は、図6に示すように、開示範囲情報データベース7が、図2の実施例1のように開示率を有していない点である。開示範囲ユーザID(A1234567)は、情報コード100、200に関係付けられて記憶されている。このことにより、例えば、情報コード100に関係付けられた開示範囲ユーザID(A1234567)の利用者は、情報コード100のデータベースのデータ開示権を有するのである。
【0045】
実施例2に係る情報開示方法が、実施例1の図5の情報開示方法と異なる点は、図7に示すように、ステップS11乃至S13が省かれている点である。これは、開示率の判定が不要だからである。すなわち、ステップS7において、利用者がアクセス権を有していない場合に、ステップS14に進む。
【0046】
ステップS14で、タイトルを有する一覧表表示部17を構成する情報コード出力部が、利用者がデータ開示権を有しているか判定する。具体的には、検索されたデータベースの情報コードに関係付けられた開示範囲ユーザIDを抽出し、抽出された開示範囲ユーザIDに利用者のユーザIDが一致するか判定する。利用者がデータ開示権を有している場合のみ、タイトルを有する一覧表表示部17を構成する情報コード出力部が、検索事項を有するテキスト情報に対応するデータベースの情報コードのみをユーザ端末4に出力する。情報コードのみを開示するのは、最小限の情報開示に抑えるためである。また、情報コードの換わりにデータベースのタイトルでも、最小限の情報開示を実施することができる。以下、実施例1のステップS19とS15と同様に、ステップS19とS15を実施することができる。
【0047】
利用者は、ステップS15の開示NG情報を用いて所望のデータベースの管理者に連絡を取ることができる。そして、利用者は、管理者に、アクセス権の設定を請求することができる。管理者は、セキュリティの維持が保てることを確認した上で、利用者にアクセス権を設定する。利用者は、再度、検索事項について検索を行うことにより、所望のデータベースにアクセスし、ユーザ端末4にデータベースの本文を表示させることができる。
【0048】
実施例1と2は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、実施例1と2によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。本発明は、その技術的思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。すなわち、本発明の特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、変更・改良や一部転用などが可能であり、これらすべて本発明の請求範囲内に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報開示システムを含んだ情報共有システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報開示システムが有する開示範囲情報データベースの構造図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る情報開示システムが有する管理者情報データベースの構造図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る情報開示システムの構成図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る情報開示方法のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る情報開示システムの構成図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る情報開示方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 情報共有システム
2 情報開示システム
3 検索エンジン
4 ユーザ端末
5 情報インデックスデータベース
6 情報開示管理情報データベース
7 開示範囲情報データベース
8 管理者情報データベース
9 グループウェアのファイル管理機能
10 ファイルサーバ
11 受信部
12 選択部
13 データベースに対するアクセス権の設定の有無判定部
14 ユーザに対するアクセス権の有無判定部
15 本文表示可能一覧表表示部
16 要約を有する一覧表表示部
17 タイトルを有する一覧表表示部
18 開示NG情報表示部
19 開示範囲決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータベースを互いに識別可能な情報コード、前記データベースの内容を表すテキスト情報と、前記テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザIDを前記データベース毎に取得し、前記ユーザ端末からの端末ユーザIDをともなう検索命令を受けて検索事項を含む前記テキスト情報を検索し、検索された前記検索事項を含む前記テキスト情報毎に対応する前記有効ユーザIDに前記端末ユーザIDが一致するか否かを判定する検索エンジンに、接続される情報開示システムであって、
検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報に対応する前記情報コードを前記ユーザ端末に出力する情報コード出力部と、
前記データベースを管理する管理者の管理者名と前記管理者の連絡先を前記情報コードに関係付けて記憶する管理者情報記憶部と、
前記管理者情報記憶部から、出力される前記情報コードに関係付けられた前記管理者名と前記連絡先を抽出し前記ユーザ端末に出力する管理者情報出力部を有することを特徴とする情報開示システム。
【請求項2】
前記有効ユーザIDに一致しない前記端末ユーザIDを設定しているユーザ端末に出力可能な前記テキスト情報の範囲の広さの程度を示す開示率を、前記テキスト情報の前記情報コードと前記端末ユーザIDに関係付けて記憶する開示範囲情報記憶部と、
検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報の前記情報コードと前記端末ユーザIDに対応する前記開示率を、開示範囲情報記憶部から読み出し、読み出された前記開示率に応じて前記テキスト情報の前記ユーザ端末に出力する範囲を決定する開示範囲決定部と、
前記テキスト情報を前記範囲に応じて減らして、前記ユーザ端末に出力する要約出力部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報開示システム。
【請求項3】
複数のデータベースを互いに識別可能な情報コード、前記データベースの内容を表すテキスト情報と、前記テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザIDを前記データベース毎に取得し、
前記ユーザ端末からの端末ユーザIDをともなう検索命令を受けて検索事項を含む前記テキスト情報を検索し、
検索された前記検索事項を含む前記テキスト情報毎に対応する前記有効ユーザIDに前記端末ユーザIDが一致するか否かを判定し、
検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報に対応する前記情報コードを前記ユーザ端末に出力し、
前記データベースを管理する管理者の管理者名と前記管理者の連絡先を前記情報コードに関係付けて記憶し、
出力される前記情報コードに関係付けられた前記管理者名と前記連絡先を抽出し前記ユーザ端末に出力することを特徴とする情報開示方法。
【請求項4】
前記有効ユーザIDに一致しない前記端末ユーザIDを設定しているユーザ端末に出力可能な前記テキスト情報の範囲の広さの程度を示す開示率を、前記テキスト情報の前記情報コードと前記端末ユーザIDに関係付けて記憶し、
検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報の前記情報コードと前記端末ユーザIDに対応する前記開示率を、開示範囲情報記憶部から読み出し、読み出された前記開示率に応じて前記テキスト情報の前記ユーザ端末に出力する範囲を決定し、
前記テキスト情報を前記範囲に応じて減らして、前記ユーザ端末に出力することをさらに行うことを特徴とする請求項3に記載の情報開示方法。
【請求項5】
複数のデータベースを互いに識別可能な情報コード、前記データベースの内容を表すテキスト情報と、前記テキスト情報を読み出すアクセス権を有するユーザ端末に設定される有効ユーザIDを前記データベース毎に取得し、前記ユーザ端末からの端末ユーザIDをともなう検索命令を受けて検索事項を含む前記テキスト情報を検索し、検索された前記検索事項を含む前記テキスト情報毎に対応する前記有効ユーザIDに前記端末ユーザIDが一致するか否かを判定する検索エンジンを利用可能なコンピュータが実行する情報開示プログラムであって、
検索された前記テキスト情報毎に、前記一致しない場合に、前記テキスト情報に対応する前記情報コードを前記ユーザ端末に出力する手順と、
前記データベースを管理する管理者の管理者名と前記管理者の連絡先を前記情報コードに関係付けて記憶する手順と、
出力される前記情報コードに関係付けられた前記管理者名と前記連絡先を抽出し前記ユーザ端末に出力する手順を前記コンピュータに実行させるための情報開示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−34510(P2007−34510A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214610(P2005−214610)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】