説明

感光性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物及びプリント配線板

【課題】ソルダーレジスト層の形成に好適に用いられ、芳香環含有エポキシ樹脂から調製された樹脂をマトリックス樹脂として使用しつつ、光による硬化膜の劣化を抑制することができる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る感光性樹脂組成物は、下記成分A1,B1,C及びDを含有する。
A1 芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる水添エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、
B1 1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
C 光重合開始剤、
D 希釈剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板のソルダーレジスト層の形成に好適に用いられる感光性樹脂組成物、この感光性樹脂組成物を含有するソルダーレジスト用組成物、及びこのソルダーレジスト用組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、民生用及び産業用の各種プリント回路基板のレジストパターン形成法としては、印刷配線板の高配線密度化に対応するため、スクリーン印刷法に代わって、解像性及び寸法精度等に優れたドライフィルムや液状の現像可能な感光性樹脂組成物を用いる方法が大きな位置を占めてきている。
【0003】
また、近年、携帯端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶ディスプレイのバックライト、照明器具の光源などに用いられる発光ダイオード等の光学素子を、ソルダーレジスト層が被覆形成されたプリント配線板に直接実装することが増えてきている。
【0004】
このような光学素子が実装されるプリント配線板においては、ソルダーレジスト層が光によって劣化して変色などが生じるという問題がある。特に発光ダイオード等の光をソルダーレジスト層で効率よく反射するためにソルダーレジスト層に酸化チタンを含有させてソルダーレジスト層を白色化させている場合には、酸化チタンの光活性によってソルダーレジスト層が黄変しやすくなり、ソルダーレジスト層の光反射性能が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、特許文献1では芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂をマトリックス樹脂としてソルダーレジスト層を形成することで、ソルダーレジスト層の黄変を抑制することが提案されている。
【0006】
しかし、上記のようにマトリックス樹脂が芳香環を有さない樹脂に制限されてしまうと、マトリックス樹脂の選択の幅が狭くなってしまい、ソルダーレジスト層に要求される耐酸性、耐アルカリ性、現像性、基板との密着性、耐めっき性、はんだ耐熱性、耐電蝕性等の性能を充分に発揮させることが困難となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−322546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ソルダーレジスト層の形成に好適に用いられ、芳香環含有エポキシ樹脂から調製された樹脂をマトリックス樹脂として使用しつつ、光による硬化膜の劣化を抑制することができる感光性樹脂組成物、この感光性樹脂からなるソルダーレジスト用組成物、及びこのソルダーレジスト用組成物から形成された硬化膜をソルダーレジスト層として有するプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、下記成分A1,B1,C及びDを含有することを特徴とする。
【0010】
A1 芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる水添エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、
B1 1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
C 光重合開始剤、
D 希釈剤。
【0011】
前記「芳香環」は、炭化水素から構成される芳香環を指し、例えば複素環は含まれない。
【0012】
このため、芳香環含有エポキシ樹脂から調製された樹脂をマトリックス樹脂として使用しつつ、この芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加することで感光性樹脂組成物の硬化物の光による劣化を抑制し、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の黄変を抑制することができる。
【0013】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、下記成分A1及びA2のうち少なくとも一方、並びに下記成分B2,C及びDを含有するものであってもよい。
【0014】
A1 芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる水添エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、
A2 芳香環を有さないエポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、
B2 芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する水添エポキシ樹脂エポキシ化合物、
C 光重合開始剤、
D 希釈剤。
【0015】
このため、芳香環含有エポキシ樹脂から調製された樹脂をマトリックス樹脂として使用しつつ、この芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加することで感光性樹脂組成物の硬化物の光による劣化を抑制し、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の黄変を抑制することができる。
【0016】
本発明においては、前記成分B2の芳香環の水素化率が50%以上であることが好ましい。
【0017】
この場合、感光性樹脂組成物の硬化物の光による劣化を充分に抑制し、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の黄変を更に抑制することができる。
【0018】
本発明においては、前記成分B2がノボラック型エポキシ樹脂を含むことも好ましい。
【0019】
この場合、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の劣化を抑制しつつ、この硬化膜の耐酸性、耐アルカリ性、現像性、基板との密着性、耐めっき性、はんだ耐熱性を優れたものとすることができる。
【0020】
本発明においては、前記成分B2が多環芳香族型エポキシ樹脂を含むことも好ましい。
【0021】
この場合、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の劣化を抑制しつつ、この硬化膜の耐酸性、耐アルカリ性、現像性、基板との密着性、耐めっき性、はんだ耐熱性を優れたものとすることができる。
【0022】
本発明においては、前記成分A1における水添エポキシ樹脂の芳香環の水素化率が50%以上であることが好ましい。
【0023】
この場合、感光性樹脂組成物の硬化物の光による劣化を充分に抑制し、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の黄変を更に抑制することができる。
【0024】
本発明においては、前記成分A1における芳香環含有エポキシ樹脂が、ノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0025】
この場合、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の劣化を抑制しつつ、この硬化膜の耐酸性、耐アルカリ性、現像性、基板との密着性、耐めっき性、はんだ耐熱性を優れたものとすることができる。
【0026】
本発明においては、前記成分A1における芳香環含有エポキシ樹脂が、多環芳香族型エポキシ樹脂であることも好ましい。
【0027】
この場合、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の劣化を抑制しつつ、この硬化膜の耐酸性、耐アルカリ性、現像性、基板との密着性、耐めっき性、はんだ耐熱性を優れたものとすることができる。
【0028】
また、感光性樹脂組成物は、更に下記成分Eを含有することが好ましい。
【0029】
E 白色の着色剤
この場合、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の色を白色にすることができ、特に高反射性のソルダーレジスト層の形成のために好適となる。
【0030】
本発明に係るソルダーレジスト用組成物は、上記感光性樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0031】
このため、ソルダーレジスト用組成物を、芳香環含有エポキシ樹脂から調製することができると共に、この芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加することで、ソルダーレジスト用組成物から形成されるソルダーレジスト層の光による劣化を抑制し、ソルダーレジスト層の黄変を抑制することができる。
【0032】
本発明に係るプリント配線板は、上記ソルダーレジスト用組成物から形成された永久皮膜を備えることを特徴とする。
【0033】
このため、ソルダーレジスト用組成物を芳香環含有エポキシ樹脂から調製することができると共に、この芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加することで、ソルダーレジスト用組成物から形成されるソルダーレジスト層の光による劣化を抑制し、ソルダーレジスト層の黄変を抑制することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、マトリックス樹脂として、芳香環含有エポキシ樹脂から調製されたものを使用しつつ、この感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の光による劣化を抑制することができる。
【0035】
この感光性樹脂組成物からなるソルダーレジスト用組成物でプリント配線板のソルダーレジスト層を形成することで、マトリックス樹脂を芳香環を有さない樹脂に制限することなく、ソルダーレジスト層の光による劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、下記の感光性樹脂A1と,エポキシ化合物B1と,光重合開始剤Cと、希釈剤Dとを含有する。或いは、本発明に係る感光性樹脂組成物は、下記の感光性樹脂A1と感光性樹脂A2のうちの少なくとも一方と、水添エポキシ化合物B2と、光重合開始剤Cと、希釈剤Dとを含有する。特に感光性樹脂組成物は、感光性樹脂A1と,水添エポキシ化合物B2と,光重合開始剤Cと、希釈剤Dとを含有することが好ましい。前記感光性樹脂A1,感光性樹脂A2、エポキシ化合物B1及び水添エポキシ化合物B2は、感光性樹脂組成物から硬化物を形成する際のマトリックス樹脂となる。以下、各成分について詳述する。
【0038】
〔感光性樹脂A1〕
感光性樹脂A1は、芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる水添エポキシ樹脂a1から合成されるものであり、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する。この感光性樹脂A1は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加することにより得られる水添エポキシ樹脂a1に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bと飽和或いは不飽和の酸無水物cとを反応させることで合成することができる。この場合、感光性樹脂A1はカルボキシル基を有することになり、感光性樹脂組成物にアルカリ性溶液による剥離性を付与することができる。
【0039】
この感光性樹脂A1は、芳香環含有エポキシ樹脂から調製されるものであるが、その芳香環が水素添加されているため、この感光性樹脂A1をマトリックス樹脂として含む感光性樹脂組成物の硬化物の劣化が抑制されることとなる。
【0040】
水添エポキシ樹脂a1は、特に水素添加されたノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂は、各種フェノール類とホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下で反応させて得られる各種フェノールノボラック樹脂に、エピハロヒドリンを反応させることで得られる。フェノール類としては例えばフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビフェノール系化合物、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。特に好ましいノボラック型エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0041】
また、水添エポキシ樹脂a1を、ノボラック型エポキシ樹脂以外の多環芳香族型エポキシ樹脂を水素添加することで得ることもできる。この多環芳香族型エポキシ樹脂としては、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0042】
エポキシ樹脂の水素添加は、例えばエポキシ樹脂をルテニウム、ロジウム等の水素化触媒の存在下に、加圧下に水素により水素化することによりおこなうことができる。
【0043】
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bとしては、適宜のポリマー又はプレポリマーが用いられるが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物が挙げられる。また、このエチレン性不飽和化合物bとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を有する多官能アクリレートや多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られるもののようなエチレン性不飽和基を複数有する化合物を使用することもできる。これらの化合物を一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。また、アクリル酸及びメタクリル酸により感光性樹脂組成物に導入されるエチレン性不飽和基は特に光反応性に優れるため、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bはアクリル酸及びメタクリル酸のうちの少なくとも一方を含有することが好ましい。
【0044】
エチレン性不飽和化合物bの使用量は、水添エポキシ樹脂a1のエポキシ基1モルに対してエチレン性不飽和化合物bのカルボキシル基が0.7〜1.2モルの範囲となる量であることが好ましく、特に前記カルボキシル基が0.9〜1.1モルの範囲となる量であることが好ましい。この場合、感光性樹脂A1中におけるエポキシ基の残存量を特に低減して、感光性樹脂組成物が予備乾燥程度の弱い熱乾燥条件下におかれた場合に感光性樹脂A1が熱硬化反応を起こすことを抑制し、感光性樹脂組成物の露光後の現像性の低下を防止することができる。また、感光性樹脂組成物中に未反応のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bが残存することを抑制することもできる。
【0045】
飽和或いは不飽和の酸無水物cとしては、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物、及び無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられる。これらの化合物を一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。
【0046】
この酸無水物cは、感光性樹脂A1に酸価を与え、感光性樹脂組成物に希アルカリ水溶液による再分散、再溶解性を付与することを主たる目的として使用される。酸無水物cの使用量は、感光性樹脂A1の酸価が25〜150mgKOH/gの範囲になるように選択することが好ましい。この感光性樹脂A1の酸価が25mgKOH/g以上であれば感光性樹脂組成物に良好な現像性を付与することができ、またこれが150mgKOH/g以下であれば感光性樹脂A1から形成される硬化膜中の残存カルボキシル基を低減し、硬化膜の良好な電気特性、耐電蝕性及び耐水性等を維持できる。特に感光性樹脂A1の酸価が40〜100mgKOH/gである場合に最適な効果が得られる。
【0047】
水添エポキシ樹脂a1と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物b及び飽和又は不飽和の酸無水物cとの付加反応は、公知の方法で行うことができる。例えば水添エポキシ樹脂a1とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bとの付加反応にあたっては、水添エポキシ樹脂a1の溶剤溶液にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bを加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて撹拌混合し、常法により、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させることができる。熱重合禁止剤としてはハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。また、触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルスチビンなどが挙げられる。
【0048】
また、水添エポキシ樹脂a1とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bとの付加反応生成物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物cとの付加反応にあたっては、前記付加反応生成物の溶剤溶液に飽和又は不飽和多塩基酸無水物cを加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて撹拌混合し、常法により反応させることができる。反応条件は上記水添エポキシ樹脂a1とエチレン性不飽和化合物bとの付加反応と同様とすることができ、また熱重合禁止剤及び触媒は、上記水添エポキシ樹脂a1とエチレン性不飽和化合物bとの付加反応に使用したものをそのまま使用することができる。
【0049】
感光性樹脂A1の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましい範囲は3000〜400000である。この範囲において、感光性樹脂組成物に特に優れた感度と解像性とが付与される。
【0050】
感光性樹脂組成物中の感光性樹脂A1の配合量は特に制限されないが、同時に配合される希釈剤D中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で10〜80質量%の範囲であることが望ましい。この場合、感光性樹脂組成物の良好な感度及び作業特性並びに硬化膜の良好な物性を充分に確保することができる。
【0051】
〔感光性樹脂A2〕
感光性樹脂A2は、芳香環を有さないエポキシ化合物a2から合成されるものであり、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する。
【0052】
この感光性樹脂A2は、芳香環を有さないエポキシ化合物a2から調製されるため、この感光性樹脂A2をマトリックス樹脂として含む感光性樹脂組成物の硬化物の劣化が抑制されることとなる。
【0053】
この感光性樹脂A2としては、下記の感光性樹脂A21,A22,A23を挙げることができる。
【0054】
エポキシ化合物a2としてエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物a21を用い、このエチレン性不飽和化合物a21と、必要に応じて使用される他のエチレン性不飽和化合物dとを重合させて得られる重合体に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bと飽和或いは不飽和の酸無水物cとを反応させて得られる感光性樹脂A21。
【0055】
エポキシ化合物a2として1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物a22を用い、このエポキシ化合物a22にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bと飽和或いは不飽和の酸無水物cとを反応させて得られる感光性樹脂A22。
【0056】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物a21を用い、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bと、必要に応じて使用される他のエチレン性不飽和化合物dとを重合させて得られる化合物に、前記エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物a21を反応させて得られる感光性樹脂A23。
【0057】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物a21としては、芳香環を有さない適宜のポリマー又はプレポリマーが用いられるが、例えばアクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体;β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物を一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。特に、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。
【0058】
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物a22としては、芳香環を有さない適宜のエポキシ樹脂や重合系エポキシ化合物等を単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂脂等が好ましく、これらのエポキシ化合物はそれぞれ単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
【0059】
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物b及び飽和或いは不飽和の酸無水物cとしては、上述の感光性樹脂A1の調製時に用いられるエチレン性不飽和化合物b及び酸無水物cと同様のものを用いることができる。
【0060】
エチレン性不飽和化合物dとしては、適宜のポリマー或いはプレポリマーが用いられ、上記感光性樹脂A21においてはエチレン性不飽和化合物a21と、A23においてはエチレン性不飽和化合物bとそれぞれ共重合可能なエチレン性不飽和単量体であればよい。このエチレン性不飽和化合物dは感光性樹脂の光硬化性の調整及び硬化膜物性の調整のために必要に応じて使用される。このエチレン性不飽和化合物dとしては、特に直鎖又は分岐の脂肪族、芳香族、或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルアクリレート又はアルコキシアルキルメタクリレート、ベンジルアクリレート又はベンジルメタクリレート等、並びにN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類、スチレン等が挙げられる。またこれらのものに加えて、必要に応じて、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を用いることもできる。これらはそれぞれ一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。これらエチレン性不飽和化合物dは硬化膜の硬度及び油性の調節が容易である等の点で特に好適である。
【0061】
感光性樹脂A21の製造において、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物a21の使用量は、共重合体の製造に用いられる重合性化合物成分全量中で40〜95モル%の範囲であることが好ましい。これが40モル%以上であることで、十分な光硬化性を得ると共に、パターン形成工程において良好な感度や解像性が得られ、また最終的に形成されるソルダーレジストのはんだ耐熱性を更に向上することができる。特に好ましい範囲は50〜95モル%であり、この範囲では形成されるソルダーレジストが特に優れたはんだ耐熱性及び耐電蝕性を示す。
【0062】
感光性樹脂A21の製造において、上記エチレン性不飽和化合物a21とエチレン性不飽和化合物dとの反応は、公知の重合方法、例えば溶液重合、エマルション重合等によりおこなわれる。溶液重合の方法としては、上記エチレン性不飽和化合物a21とエチレン性不飽和化合物dからなるエチレン性不飽和化合物の混合物を適当な有機溶剤中で、重合開始剤の存在下、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法や、共沸重合法等が挙げられる。
【0063】
上記有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。これらを一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。
【0064】
前記重合のための重合開始剤としては、例えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類が挙げられる。これらを一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。また、前記重合開始剤としてレドックス系の開始剤を使用してもよい。
【0065】
また、感光性樹脂A21及び感光性樹脂A22の製造において、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bの使用量は、感光性樹脂A21の製造の場合の上記共重合体のエポキシ基1モル当たり、或いは感光性樹脂A22の製造の場合のエポキシ化合物a22のエポキシ基1モル当たり、エチレン性不飽和化合物bのカルボキシル基が0.7〜1.2モルの範囲となる量であることが好ましく、特に前記カルボキシル基が0.9〜1.1モルの範囲となる量であることが好ましい。この場合、感光性樹脂中におけるエポキシ基の残存量を特に低減して、感光性樹脂組成物が予備乾燥程度の弱い熱乾燥条件下におかれた場合に感光性樹脂が熱硬化反応を起こすことを抑制し、感光性樹脂組成物の露光後の現像性の低下を防止することができる。また、感光性樹脂組成物中に未反応のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物bが残存することを抑制することもできる。
【0066】
感光性樹脂A21及び感光性樹脂A22の製造において、酸無水物cは、感光性樹脂に酸価を与え、感光性樹脂組成物に希アルカリ水溶液による再分散、再溶解性を付与することを主たる目的として使用される。酸無水物cの使用量は、感光性樹脂の酸価が25〜150mgKOH/gの範囲になるように選択することが好ましい。この感光性樹脂の酸価が25mgKOH/g以上であれば感光性樹脂組成物に良好な現像性を付与することができ、またこれが150mgKOH/g以下であれば感光性樹脂から形成される硬化膜中の残存カルボキシル基を低減し、硬化膜の良好な電気特性、耐電蝕性及び耐水性等を維持できる。特に感光性樹脂の酸価が40〜100mgKOH/gである場合に最適な効果が得られる。
【0067】
感光性樹脂A21及び感光性樹脂A22の製造において、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物b及び飽和又は不飽和の酸無水物cの付加反応は、公知の方法を用いて行うことができる。具体的には、感光性樹脂A1の製造時の水添エポキシ樹脂a1と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物b及び飽和又は不飽和の酸無水物cとの付加反応と同様の手法によりおこなうことができる。
【0068】
A23の製造において、上記エチレン性不飽和化合物bとエチレン性不飽和化合物dとを反応させて得られる共重合体は、公知の重合方法、例えばA21の製造に用いたものと同様な方法で得ることができる。また、この共重合体に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物a21を付加させる反応も公知の方法を用いることができ、例えば感光性樹脂A21及び感光性樹脂A22の製造におけるエチレン性不飽和化合物bや酸無水物cの付加反応と同様の方法を採ることができる。なお、感光性樹脂A23の製造において、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物a21の使用量は、製造された感光性樹脂A23中にカルボキシル基を残存させて、感光性樹脂A23が充分な酸価を有するようになる量であることが好ましい。
【0069】
〔エポキシ化合物B1〕
エポキシ化合物B1は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する。エポキシ化合物B1は、溶剤難溶性エポキシ化合物であってもよく、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物等であってもよい。エポキシ化合物Bの種類は特に限定されないが、特にトリグリシジルイソシアヌレート、YX4000(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂等が望ましい。また、このうちトリグリシジルイソシアヌレートを用いる場合には、このトリグリシジルイソシアヌレートが、特にS−トリアジン環骨格面に対し3個のエポキシ基が同一方向に結合した構造をもつβ体、又はこのβ体と、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポキシ基が他の2個のエポキシ基と異なる方向に結合した構造をもつα体との混合物であることが好ましい。
【0070】
このエポキシ化合物B1が芳香環を有さないものである場合には、このエポキシ化合物B1をマトリックス樹脂として含む感光性樹脂組成物の硬化物の劣化が更に抑制される。
【0071】
感光性樹脂組成物中におけるエポキシ化合物B1の配合量は特に制限されないが、同時に配合される希釈剤D中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で0.1質量%以上であることが好ましく、この場合、硬化膜の耐はんだ性、耐めっき性等を更に向上することができる。またこの配合量を50重量%以下とすることで感光性樹脂組成物の現像性を更に向上することができる。
【0072】
〔水添エポキシ化合物B2〕
水添エポキシ化合物B2は、芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られるものであり、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する。この水添エポキシ化合物B2としては、感光性樹脂A1の調製に用いられる水添エポキシ樹脂a1と同様のものを用いることができる。
【0073】
水添エポキシ化合物B2は、特に水素添加されたノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。また、水添エポキシ化合物B2を、ノボラック型エポキシ樹脂以外の多環芳香族型エポキシ樹脂を水素添加することで得ることもできる。
【0074】
この水添エポキシ化合物B2は、芳香環含有エポキシ樹脂から調製されるものであるが、その芳香環が水素添加されているため、この水添エポキシ化合物B2をマトリックス樹脂として含む感光性樹脂組成物の硬化物の劣化が抑制されることとなる。
【0075】
感光性樹脂組成物中における水添エポキシ化合物B2の配合量は特に制限されないが、同時に配合される希釈剤D中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で0.1質量%以上であることが好ましく、この場合、硬化膜の耐はんだ性、耐めっき性等を更に向上することができる。またこの配合量を50重量%以下とすることで感光性樹脂組成物の現像性を更に向上することができる。
【0076】
〔光重合開始剤C〕
光重合開始剤Cとしては、例えば、ベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類、2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含むもの、及び(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。これらの光重合開始剤Cと共に、p−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤や増感剤等を併用してもよい。また、可視光、近赤外線露光用等の光重合開始剤も使用可能である。これらの光重合開始剤Cを一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。また、レーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等を併用することもできる。
【0077】
感光性樹脂組成物中における光重合開始剤Cの配合量は、感光性樹脂組成物の光硬化性と、この感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の物性の良好なバランスをとることができるように適宜設定することが好ましく、特に同時に配合される希釈剤D中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で0.1〜30質量%の範囲であることが望ましい。
【0078】
〔希釈剤D〕
希釈剤Dとしては、光重合性化合物及び有機溶剤の少なくとも一方を使用することができる。
【0079】
光重合性化合物は感光性樹脂組成物を希釈して塗布し易い状態に調整したり、感光性樹脂組成物全体の酸価を調整したり、感光性樹脂組成物の光重合性を向上したりするために使用することができる。光重合性化合物としては、適宜のポリマー或いはプレポリマーを使用することができる。光重合性化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の単官能アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような光重合性化合物を一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。
【0080】
光重合性化合物を使用する場合、感光性樹脂組成物中の光重合性化合物の含有量は0.05〜40質量%の範囲であることが好ましい。また、この配合量は特に有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で50重量%以下であることが望ましく、これにより、乾燥膜の表面粘着性が強くなり過ぎるのを抑制して、パターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接当てがって露光するときにネガマスクの汚損等を防止することができる。
【0081】
有機溶剤は、感光性樹脂A等を溶解させ、感光性樹脂組成物を希釈し、液状として塗布可能にしたり、感光性樹脂組成物の乾燥による造膜性を向上したりするために使用することができる。有機溶剤の具体例としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;ジアルキルグリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤を一種単独で使用し、或いは複数種を併用することができる。
【0082】
有機溶剤の含有量は、仮乾燥時に速やかに揮散し、乾燥膜に残存しないように適宜選択することが好ましい。この含有量は、特に組成物の成分全量中で5〜99.5重量%の範囲であることが好ましく、この場合、感光性樹脂組成物の良好な塗布性を維持することができる。尚、有機溶剤の好適な配合量は塗布方法により異なるので、塗布方法に応じて適宜調節することが好ましい。
【0083】
〔白色の着色剤E〕
感光性樹脂組成物は、白色の着色剤Eを含有することで白色に着色されていてもよい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の色を白色にすることができ、特に高反射性のソルダーレジスト層の形成のために好適となる。白色の着色剤Eとしては、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0084】
白色の着色剤Eの使用量は適宜設定されるが、好ましくは5〜80質量%の範囲、より好ましくは15〜50質量%の範囲とする。この使用量を5質量%以上とすることで感光性樹脂組成物から形成される硬化膜が高い隠蔽性、白色性を発揮することができるようになり、またこの使用量を80質量%以下とすることで前記硬化膜の耐熱性、鉛筆硬度等のレジストに必要な物性を高く維持することができるようになる。
【0085】
〔他の成分〕
感光性樹脂組成物中には、上記各成分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びメラミン、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分;紫外線硬化性エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹脂等に(メタ)アクリル酸を付加したもの;ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物などを、適宜加えてもよい。
【0086】
また、感光性樹脂組成物中には、本発明の目的に反しない範囲で、上記感光性樹脂A1,A2以外の感光性樹脂を配合してもよい。
【0087】
また感光性樹脂組成物には、必要に応じて、エポキシ樹脂硬化剤;硬化促進剤;白色以外の着色剤;シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤界面活性剤;高分子分散剤などを配合してもよい。
【0088】
〔感光性樹脂組成物の調製〕
上記のような感光性樹脂A1、エポキシ化合物B1、光重合開始剤C及び希釈剤Dを配合し、或いは感光性樹脂A1と感光性樹脂A2の少なくとも一方、水添エポキシ化合物B2、光重合開始剤C及び希釈剤Dを配合し、更に必要に応じてその他の成分を配合して、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練することにより、感光性樹脂組成物を得ることができる。その場合に、上記各成分のうち一部、例えばD成分の一部及びB1,B2成分を予め混合して分散させておき、これとは別に残りの成分を予め混合して分散させておき、使用時に両者を混合して感光性樹脂組成物を調製してもよい。
【0089】
〔プリント配線板に対するソルダーレジスト層の形成〕
上記感光性樹脂組成物をソルダーレジスト用組成物として使用して、プリント配線板上へソルダーレジスト層を形成し、ソルダーレジスト層を有するプリント配線板を作製することができる。ソルダーレジスト層の形成方法は特に限定されないが、最も一般的な方法を例示すれば以下の通りである。
【0090】
プリント配線板に対して、ソルダーレジスト用組成物を浸漬法、スプレー、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スクリーン印刷等の適宜の手法により塗布した後、ソルダーレジスト用組成物中の有機溶剤を揮発させるために例えば60〜120℃で予備乾燥を行ない、乾燥膜を形成する。
【0091】
この乾燥膜に対し、パターンが描かれたネガマスクを乾燥膜の表面に直接又は間接的に当てがい、活性エネルギー線を照射することにより、ネガマスクを介して乾燥膜を露光する。ネガマスクとしては、ソルダーレジスト層のパターン形状が活性エネルギー線を透過させる露光部として描画されると共に他の部分が活性エネルギー線を遮蔽する非露光部として形成された、マスクフィルムや乾板等のフォトツールなどが用いられる。また活性エネルギー線としては、ソルダーレジスト用組成物の組成に応じ、紫外線、可視光、近赤外線等などの適宜の活性エネルギー線が挙げられる。例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等の光源から紫外線等を照射する。
【0092】
尚、露光の手法は、上記のようなネガマスクを用いる方法に限られるものではなく、適宜の手法を採用することができ、例えばレーザー露光等による直接描画法等を採用することもできる。
【0093】
露光後のプリント配線板からネガマスクを取り外し、現像処理することにより、乾燥膜の非露光部分を除去し、残存する乾燥膜の露光部分にてソルダーレジスト層を形成する。
【0094】
現像処理では、感光性樹脂層を形成するソルダーレジスト用組成物の種類に応じた適宜の現像液を使用することができる。現像液の具体例としては例えば炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などのアルカリ溶液を例示することができる。また、前記アルカリ溶液以外でもモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンを使用することができ、これらは、単独でも組み合わせても用いることができる。このアルカリ溶液の溶媒としては、水単独のみならず、例えば水と低級アルコール類等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0095】
更に、必要に応じてソルダーレジスト層を例えば120〜180℃で30〜90分程度の条件で加熱処理を施すことでエポキシ化合物B1,B2を熱硬化させ、ソルダーレジスト層の膜強度、硬度、耐薬品性等を向上させる。
【実施例】
【0096】
以下、本発明の具体的な実施例を提示することで、本発明を更に詳述する。
【0097】
〔合成例1〕
カルビトールアセテート200部に水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(核水素化率95%、エポキシ当量265)265部を溶解させ、これを攪拌しながら更にアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。
【0098】
これにより得られた溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート215部を加えて100℃で3時間反応させ、感光性樹脂の50%溶液(A−1)を得た。
【0099】
〔合成例2〕
カルビトールアセテート200部に水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(核水素化率88%、エポキシ当量230)230部を加えて溶解させ、これを攪拌しながらアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。
【0100】
これにより得られた溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート180部を加えて100℃で3時間反応させ、感光性樹脂の50%溶液(A−2)を得た。
【0101】
〔合成例3〕
カルビトールアセテート200部に水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(核水素化率76%、エポキシ当量206)206部を加えて溶解させ、これを攪拌しながらアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。
【0102】
これにより得られた溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート156部を加えて100℃で3時間反応させ、感光性樹脂の50%溶液(A−3)を得た。
【0103】
〔合成例4〕
カルビトールアセテート200部に水添ナフタレン型エポキシ樹脂(核水素化率90%、エポキシ当量215)215部を加えて溶解させ、これを攪拌しながら更にアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。
【0104】
これにより得られた溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート165部を加えて100℃で3時間反応させ、感光性樹脂の50%溶液(A−4)を得た。
【0105】
〔合成例5〕
カルビトールアセテート200部に水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量230、東都化成株式会社製、品番ST−3000)230部を加えて溶解させ、これを攪拌しながらアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。
【0106】
これにより得られた溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート180部を加えて100℃で3時間反応させ、感光性樹脂の50%溶液(A−5)を得た。
【0107】
〔合成例6〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、メタクリル酸30部、メチルメタクリレート50部、ブチルメタクリレート20部、カルビトールアセテート100部、ラウリルメルカプタン0.5部、アゾビスイソブチロニトリル4部を加え、窒素気流下に加熱し、75℃において5時間重合を行ない、50%共重合体溶液を得た。
【0108】
この50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05部、グリシジルメタクリレート28.4部、ジメチルベンジルアミン2.0部を加え、80℃で24時間付加反応を行なった後、カルビトールアセテート13部を加えることで、感光性樹脂の50%溶液(A−6)を得た。
【0109】
〔合成例7〕
還流冷却器に、温度計、窒素置換用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート70部、メチルメタクリレート30部、カルビトールアセテート100部、ラウリルメルカプタン0.2部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下で加熱、攪拌しつつ80℃において5時間重合を行い、50%共重合体溶液を得た。
【0110】
この50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05部、アクリル酸37部、ジメチルベンジルアミン0.2部、を加えて100℃で24時間付加反応を行い、続いて、無水テトラヒドロフタル酸45部、カルビトールアセテート79部を加え、100℃で3時間反応させ、感光性樹脂の50%溶液(B−1)を得た。
【0111】
〔合成例8〕
カルビトールアセテート60部にエピクロンN−680(大日本インキ化学工業株式会社製のクレゾールノボラック型樹脂、エポキシ当量214)214部を加えて溶解させ、これを攪拌しながらアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。
【0112】
これにより得られた溶液にカルビトールアセテート95部を加え、攪拌し、エポキシアクリレート溶液を得た。
【0113】
続いて、この溶液にテトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート87部を加えて100℃で3時間反応させ、感光性樹脂の50%溶液(B−2)を得た。
【0114】
〔実施例1乃至10及び比較例1乃至3〕
上記各合成例で生成された感光性樹脂の溶液に、表1に示す各配合組成の配合成分を加え、これを3本ロールで混練し、実施例1乃至10及び比較例1乃至4の感光性樹脂組成物を得た。
【0115】
表1中の「ルシリンTPO」は光重合開始剤であるジフェニル(2,4,6‐トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシドを、「DPHA」はジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを、「シリコーン」は信越シリコーン株式会社製の品番KS−66を、それぞれ示す。
【0116】
また、表1中の「C−1」はクレゾールノボラックエポキシ樹脂水素添加品(核水素化率95%、エポキシ当量265)の70%カルビトールアセテート溶液を、「C−2」は水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量230)の70%カルビトールアセテート溶液を、「C−3」はエピクロンN−680(大日本インキ化学工業株式会社製のクレゾールノボラック型樹脂、エポキシ当量214)の70%カルビトールアセテート溶液を、「C−4」は日産化学社製トリグリシジルイソシアヌレート(TEPIC−SP)を、それぞれ示す。
【0117】
各感光性樹脂組成物及びそれにより最終的にソルダーレジストの形成されたプリント配線板の各性能を下記の試験方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0118】
(タック性)
露光工程においてネガマスクを乾燥膜表面に直接当てがうとともに各ソルダーレジスト用組成物における最適露光量の紫外線を照射した後、ネガマスクを取り外すときの粘着の状態及び乾燥膜の指触粘着性を、下記の評価基準により評価した。
◎:ネガマスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼付痕もなかった。また、指触によっても全く粘着を感じなかった。
○:ネガマスクを取り外した際には粘着を感じなかったが、乾燥膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められた。また、指触によってもかすかに粘着を感じた。
△:ネガマスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗を感じると共に、乾燥膜上にマスクの貼付痕が認められた。また、指触によってもわずかな粘着を感じた。
×:ネガマスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンが毀損した。指触によっても顕著な粘着を感じた。
【0119】
(耐酸性)
室温においてテストピースを1時間、10%の塩酸に浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を観察して評価した。評価方法は次の通りである。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
【0120】
(耐アルカリ性・現像性)
露光工程において線幅及び線間が共に40μmの同心円状のソルダーレジスト層が形成されるようなネガマスクを用い、形成されたソルダーレジスト層のパターン形状を観察し、次のように評価した。
◎:シャープな同心円状のパターンが形成された。
○:同心円状のパターンは形成されるが、線間、線幅の一定性にわずかにむらがあった。
△:同心円状のパターンは形成されているが、その一部にわずかに樹脂残り又は欠落があった。
【0121】
(密着性)
JIS D0202の試験方法に従って、テストピースのソルダーレジスト層に碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハン粘着テープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視により次の基準に従い判定した。
◎:100個のクロスカット部分のうちの全てに全く変化が見られない。
○:100個のクロスカット部分のうち1箇所に僅かに浮きを生じた。
△:100個のクロスカット部分のうち2〜10箇所に剥がれを生じた。
×:100個のクロスカット部分のうち11〜100箇所に剥がれを生じた。
【0122】
(PCT特性)
テストピースを温度121℃の飽和水蒸気中に50時間放置した後、このテストピースのソルダーレジスト層の外観を観察し、その結果を次の基準に従って判定した。
◎:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が全く見られない。
○:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が極僅かに見られる。
△:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が若干認められる。
×:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が認められる。
【0123】
(耐めっき性)
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、テストピースのめっきを行い、めっきの状態を観察した。またソルダーレジスト層に対してセロハン粘着テープ剥離試験をおこなうことでめっき後のソルダーレジスト層の密着状態を観察した。評価方法は次の通りである。
◎:外観の変化、テープ剥離時の剥離、めっきの潜り込みのいずれについても全くなかった。
○:外観変化はなく、テープ剥離時においても剥離も生じなかったが。レジストの末端部分において、極めてわずかながら、めっきの潜り込みがみられた。
△:外観変化はないが、テープ剥離時に一部剥離が見られるもの。
×:ソルダーレジスト層の浮きが見られ、テープ剥離時に剥離が見られるもの。
【0124】
(はんだ耐熱性)
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融はんだ浴に15秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを3回おこなった後の表面白化の程度を観察した。
【0125】
表面白化の評価方法は次の通りである。
◎:異常を生じなかった。
○:僅かに白化が認められた。
△:白化が認められた。
×:著しく白化した。
【0126】
(耐紫外線黄変)
露光工程における露光光量を100J/cmとし、露光前後における乾燥膜の外観を比較して、黄変の程度を確認し、下記のように評価した。
◎:外観の変化無し。
○:殆ど外観の変化無し。
△:若干の黄変が認められる。
×:著しい黄変が認められる。
【0127】
(耐熱黄変)
ソルダーレジスト用組成物を塗布した直後の基板と、これを150℃、100時間の条件で保存したものとを比較し、塗膜の黄変の程度を下記のように評価した。
◎:外観の変化無し。
○:殆ど外観の変化無し。
△:若干の黄変が認められる。
×:著しい黄変が認められる。
【0128】
(鉛筆硬度)
ソルダーレジスト層の鉛筆硬度を、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、JIS K5400に準拠して測定して評価した。
【0129】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A1,B1,C及びDを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物;
A1 芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる水添エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、
B1 1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
C 光重合開始剤、
D 希釈剤。
【請求項2】
下記成分A1及びA2のうち少なくとも一方、並びに下記成分B2,C及びDを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物;
A1 芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる水添エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、
A2 芳香環を有さないエポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、
B2 芳香環含有エポキシ樹脂を水素添加して得られる、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する水添エポキシ樹脂エポキシ化合物、
C 光重合開始剤、
D 希釈剤。
【請求項3】
前記成分B2の芳香環の水素化率が50%以上であることを特徴とする請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記成分B2がノボラック型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記成分B2が多環芳香族型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記成分A1における水添エポキシ樹脂の芳香環の水素化率が50%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記成分A1における芳香環含有エポキシ樹脂がノボラック型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記芳香環含有エポキシ樹脂が多環芳香族型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
下記成分Eを含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
E 白色の着色剤
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなることを特徴とするソルダーレジスト用組成物。
【請求項11】
請求項10に記載のソルダーレジスト用組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えることを特徴とするプリント配線板。

【公開番号】特開2011−64863(P2011−64863A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214274(P2009−214274)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000166683)互応化学工業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】