説明

感光性組成物、カラーフィルタ及び樹状分岐化合物

【課題】現像残渣の発生を抑制するとともに、良好な画素パターンを形成可能な感光性組成物を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)、(B)並びに(C);
(A)カルボキシル基(a1)及びエチレン性不飽和二重結合基(a2)を備える樹状分岐化合物、
(B)感光性重合開始剤、並びに
(C)溶剤
を含有することを特徴とする感光性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性組成物、カラーフィルタ及び樹状分岐化合物に関わり、より詳しくは、放射線照射によるリソグラフィーに利用可能な樹状分岐化合物、透過型又は反射型のカラー液晶表示素子、固体撮像素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等に用いられるカラーフィルタの形成に有用な感光性組成物、当該感光性組成物を用いて形成されたカラーフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
感光性組成物を用いてカラーフィルタを形成する方法として、基板上あるいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、感光性組成物の塗膜を形成し、所定のパターンを有するフォトマスクを介して放射線を照射(以下、「露光」という。)して、現像し未露光部を溶解除去して、その後ポストベークすることにより、各色の画素を得る方法が知られている。
【0003】
一方、固体撮像素子に用いられるカラーフィルタにおいては、解像度向上の観点から、1〜3μm程度の微細な画素パターンの形成が求められている。しかしながら、このように画素が小さくなるにしたがい、未露光部のアルカリ現像液との接触面積が小さくなるため、溶解不良による現像残渣の発生、更には画素パターンの剥がれやゆがみといった問題が生じた。
【0004】
このような問題を解決すべく、次のような種々の検討がなされている。例えば、エチレン性不飽和結合基量と水酸基量を特定範囲内に制御した親水性基含有樹脂を配合することで、顔料の凝集を抑制し、顔料の微細分散性を改善する方法(特許文献1)、分子主鎖から特定原子数離れた位置の側鎖に光重合性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂を配合することで、光重合性不飽和基の反応活性を高めて、塗膜の内部まで光硬化を促進する方法(特許文献2)が提案されている。また、(メタ)アクリル酸単位及びベンジル(メタ)アクリレート単位を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有しない樹脂と、(メタ)アクリロイル基を有する樹脂を配合することで、着色画素を形成する際、得られるコンタクトホールパターンの抜け性が良好で、かつ現像時に基板上に本来残るべきでない未溶解物が残らないとされている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−308603号公報
【特許文献2】特開2007−025535号公報
【特許文献3】特開2006−124664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、カラーフィルタに対して、更なる解像度向上への要求が益々強まっているが、従来の感光性組成物により、その要求に応えることは未だ不十分であり、改善の余地がある。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その課題は現像残渣の発生を抑制するとともに、良好な画素パターンを形成可能な感光性組成物及び該感光性組成物の創製に有用な樹状分岐化合物を提供することにある。また、本発明の課題は、上記感光性組成物から形成されたカラーフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討した結果、特定構造を有する樹状分岐化合物を含有せしめることで、現像残渣の発生を抑制するとともに、良好な画素パターンを形成可能な感光性組成物が得られることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、次の成分(A)、(B)並びに(C);
(A)カルボキシル基(a1)及びエチレン性不飽和二重結合基(a2)を備える樹状分岐化合物、
(B)感光性重合開始剤、並びに
(C)溶剤
を含有することを特徴とする感光性組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記感光性組成物を用いて形成されたカラーフィルタを提供するものである。
【0010】
更に、本発明は、下記(I)又は(II)に記載の樹状分岐化合物を提供するものである。
(I)末端に、下記式(1)で表わされる基及び下記式(2)で表わされる基を有する、樹状分岐化合物。
(II)下記式(5)で表わされる単位又は下記式(6)で表わされる単位からなるコアユニットと、
下記式(7)で表される単位からなる枝ユニットと、
下記式(1)で表わされる基及び下記式(2)で表わされる基を含む末端ユニットと
を備え、
上記コアユニットと上記枝ユニットとが単結合、アルキレン基、オキシアルキレン基及び下記式(8)で表される基から選択される連結ユニットにより連結してなる、樹状分岐化合物。
【0011】
【化1】

【0012】
【化2】

【0013】
【化3】

【0014】
【化4】

【0015】
【化5】

【0016】
【化6】

【0017】
〔式中、R1は、単結合、メチレン基、アルキレン基、アリーレン基、シクロヘキシレン基又はシクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、R2は、水素原子又はメチル基を示し、R3は、単結合、メチレン基又はアルキレン基を示し、*は、結合手を示す。〕
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、現像残渣の発生を抑制するとともに、良好な画素パターンを形成可能な感光性組成物、及び該感光性組成物の創製に有用な樹状分岐化合物を提供することができる。したがって、本発明の感光性組成物は、カラー液晶表示素子、固体撮像素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。
感光性組成物
以下、本発明の感光性組成物の構成成分について説明する。
【0020】
−(A)樹状分岐化合物−
(A)樹状分岐化合物は、カルボキシル基(a1)及びエチレン性不飽和二重結合基(a2)を備えることを特徴とするものである。
【0021】
カルボキシル基(a1)は、通常カルボキシル基を有する有機基(a1’)として樹状分岐化合物中にあり、通常末端を形成している。前記有機基(a1’)としては、下記式(1)で表される基であることが好ましい。
【0022】
【化7】

【0023】
〔式(1)中、
1は、単結合、メチレン基、アルキレン基、アリーレン基、シクロヘキシレン基又はシクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【0024】
アルキレン基としては、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。具体的には、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
アリーレン基としては、炭素数6〜14の単環から3環のアリーレン基が好ましく、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基等が挙げられる。
シクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基としては、シクロヘキセレン基、シクロヘキサジエニレン基が挙げられる。
なお、アリーレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基の結合部位は特に限定されず、環上のいずれの炭素原子でもよい。
中でも、R1としては、アルキレン基、アリーレン基、シクロへキシレン基内にエチレン性不飽二重結合を有する基が好ましい。
【0025】
エチレン性不飽和二重結合基(a2)は、通常エチレン性不飽和二重結合基を有する有機基(a2’)として樹状分岐化合物中にあり、通常末端を形成している。前記有機基(a2’)としては、下記式(2)で表される基であることが好ましい。
【0026】
【化8】

【0027】
〔式(2)中、
2は、水素原子又はメチル基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【0028】
このような構造を有する(A)樹状分岐化合物としては、コアユニットと、これを中心に第1世代枝ユニットから第n世代枝ユニットまで世代順に樹状に多分岐した構造を有するデンドリマー又はハイパーブランチポリマーであることが好ましい。ここで、第n世代における記号「n」は、枝ユニットの世代数を示し、第1世代から第n−1世代までが枝ユニットを構成し、第n世代枝ユニットが末端ユニットを構成する。なお、nは、好ましくは1〜5の整数、特に好ましくは2〜4の整数である。
【0029】
(A)樹状分岐化合物のコアユニットとしては、水酸基を3個以上有する多価アルコール由来の基が好ましく、具体的には、下記式(5)で表わされる単位又は下記式(6)で表わされる単位であることが好ましい。
【0030】
【化9】

【0031】
【化10】

【0032】
〔式(5)及び(6)中、*は、結合手を示す。〕
【0033】
また、枝ユニットとしては、ポリアミド単位、ポリエステル単位が好ましい。中でも、ポリエステル単位が好ましく、ポリエステルポリオール単位がより好ましく、具体的には、下記式(7)で表される単位が挙げられる。
【0034】
【化11】

【0035】
コアユニットと枝ユニットとの連結ユニットとしては、単結合、アルキレン基、オキシアルキレン基、下記式(8)で表される基が挙げられる。中でも、オキシアルキレン基、下記式(8)で表される基が好ましい。
【0036】
【化12】

【0037】
〔式(8)中、
3は、単結合、メチレン基又はアルキレン基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【0038】
コアユニットと枝ユニットとの結合部位を構成するアルキレン基としては、炭素数2〜6(好ましくは2〜4)のアルキレン基が挙げられる。なお、R3におけるアルキレン基も同様である。
また、オキシアルキレン基としては、オキシC26(好ましくはC24)アルキレン基が好ましく、具体的には、オキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシプロピレン等が挙げられる。なお、オキシアルキレン基の末端酸素原子は、枝ユニットと結合することが好ましい。
【0039】
末端ユニットとしては、上記式(1)で表わされる基及び上記式(2)で表わされる基であることが好ましい。
【0040】
好適な(A)樹状分岐化合物の一例として、例えば、下記式(9)で表わされる化合物、下記式(10)で表わされる化合物を挙げることができる。
【0041】
【化13】

【0042】
〔式(9)及び(10)中、
Xは、上記式(8)で表わされる基を示し、
Rは、水素原子、上記式(1)で表わされる基又は上記式(1)で表わされる基を示す。但し、Rが全て水素原子である場合を除く。〕
【0043】
(A)樹状分岐化合物は公知の方法により製造することが可能であるが、例えば、下記の(a)〜(b)を含む工程を下記の記載順で実施することにより製造することができる。
(a)エポキシ化多価アルコールと、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとを反応させる工程。
(b)工程aにより得られた反応生成物と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物及び酸無水物とを反応させる工程。
【0044】
(A)樹状分岐化合物の製造方法の一例を、下記のスキームIに示す。
【0045】
【化14】

【0046】
〔スキームI中、
1、R2、R及びXは上記と同義であり、但し、Rが全て水素原子である場合を除く。〕
【0047】
−工程a−
工程aは、エポキシ化多価アルコールと、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとを反応させる工程である。これにより、コアユニット及び枝ユニットを形成することができる。
【0048】
エポキシ化多価アルコールとしては、3価以上の多価アルコールの水酸基を、エポキシ基を有する基で置換したものであれば特に限定されず、水酸基をグリシジル基又はオキセタニル基を有する基で置換した多価アルコールが挙げられる。具体的には、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0049】
カルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、例えば、有機酸を用いたラクトン類の 開環重合により得ることが可能であるが、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、Polyester-8-hydroxyl-1-carboxyl bis-MPA dendron, Generation 3、Polyester-16-hydroxyl-1-carboxyl bis-MPA dendron, Generation 4、Polyester-32-hydroxyl-1-carboxyl bis-MPA dendron, Generation 5(以上、Sigma-Aldrich社製)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0050】
工程aは、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド等の相間移動触媒の存在下、有機溶剤中、通常、反応温度40〜150℃で1〜50時間程度行うことができる。
有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ジメチルホルムアミド等のアミン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等等のアセテート類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、アミン類が好適に使用される。
【0051】
エポキシ化多価アルコールと、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとの使用割合は、エポキシ化多価アルコール1当量に対して、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを1〜10当量、更に2〜6当量使用することが好ましい。
有機溶媒の使用量は、エポキシ化多価アルコールと、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールの合計質量に対して、好ましくは20〜1000質量%、更に好ましくは50〜500質量%である。
【0052】
工程a後においては反応生成物を単離してもよいが、単離することなく、工程bに供することができる。
【0053】
−工程b−
工程bは、工程aにより得られた反応生成物と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物及び酸無水物とを反応させる工程である。これにより、(A)樹状分岐化合物のカルボキシル基(a1)及びエチレン性不飽和二重結合基(a2)を形成することができる。
【0054】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等を挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、(メタ)アクリル酸が好適に使用される。
【0055】
酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、二塩基酸の無水物が好適に使用される。
【0056】
工程bは、有機溶剤中、通常、反応温度80〜150℃で1〜50時間程度行うことができる。有機溶剤としては、工程aと同様のものを使用することができる。
【0057】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物及び酸無水物の使用割合は、工程aにより得られた反応生成物1当量に対して、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物及び酸無水物を合計2〜200当量、更に4〜150当量使用することが好ましい。
有機溶媒の使用量は、工程aにより得られた反応生成物と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物及び酸無水物の合計質量に対して、好ましくは20〜1000質量%、更に好ましくは50〜500質量%である。
【0058】
反応終了後、必要に応じて、ろ過、洗浄、乾燥、濃縮、遠心分離、各種溶媒による抽出、クロマトグラフィー等の通常の精製手段を適宜組み合わせて、反応系から、(A)樹状分岐化合物を単離することができる。
【0059】
(A)樹状分岐化合物の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、好ましくは1000〜30000、特に好ましくは1500〜10000である。このような範囲内とすることで、現像残渣の発生抑制しつつ、良好なパターンをより確実に形成することができる。
【0060】
−(B)感光性重合開始剤−
(B)感光性重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線等の露光により、(A)樹状分岐化合物中のエチレン性不飽和二重結合基や、必要により配合される後掲の(F)多官能性単量体の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
【0061】
このような感光性重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
【0062】
本発明において、感光性重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。感光性重合開始剤としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0063】
チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0064】
アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
【0065】
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0066】
なお、感光性重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、感度改良の観点から、水素供与体を併用することが好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良できる点で好ましい。
【0067】
また、トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
【0068】
O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
【0069】
本発明において、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の感光性重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することができる。このような増感剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
【0070】
本発明において、(B)感光性重合開始剤の含有量は、(A)樹状分岐化合物100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、特に1〜15質量部が好ましい。このような割合で感光性重合開始剤を含有させることで、露光により十分な硬度で基板上に着色層を形成させることができる。
【0071】
−(C)溶剤−
(C)溶剤としては、本発明の感光性組成物を構成する成分(A)及び(B)や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜選択して使用することができる。(C)溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0072】
このような溶剤としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
【0073】
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
【0074】
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
【0075】
これらの溶剤のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。
【0076】
さらに、上記溶剤と共に、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を併用することもできる。これら高沸点溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0077】
(C)溶剤の含有量は特に限定されるものではないが、得られる感光性組成物の塗布性、安定性等の観点から、当該感光性組成物から溶剤を除いた成分の合計濃度が、5〜35質量%、特に10〜30質量%となる量が望ましい。
【0078】
−(D)着色剤−
(D)着色剤は後述するカラーフィルタに色を付与するために用いるものである。着色剤としては、着色性を有すれば特に限定されるものではなく、カラーフィルタ等の用途に応じて色彩や材質を適宜選択することができる。具体的には、着色剤として、顔料、染料及び天然色素の何れをも使用することが可能であり、また顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。
【0079】
有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメントに分類されている化合物が挙げられる。具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
【0080】
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー211;
【0081】
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74;
【0082】
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272;
【0083】
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
【0084】
また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。
【0085】
染料としては、例えば、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されている化合物を挙げることができる。
【0086】
C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等のアゾ系染料;
C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等のアントラキノン系染料;
C.I.パッドブルー5等のフタロシアニン系染料;
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等のキノンイミン系染料;
C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等のキノリン系染料;
C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等のニトロ系染料;
ディスパースイエロー201等のメチン系染料。
【0087】
本発明においては、(D)着色剤として顔料を使用する場合、当該顔料を、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法又はこれらの組み合わせにより精製して使用してもよい。また、顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用することもできる。顔料の粒子表面を改質する樹脂としては、例えば、特開2001−108817号公報に記載のビヒクル樹脂、又は市販の各種の顔料分散用の樹脂が挙げられる。カーボンブラック表面の樹脂被覆方法としては、例えば、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に記載の方法を採用することができる。また、有機顔料は、いわゆるソルトミリングにより、一次粒子を微細化して使用することが好ましい。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平08−179111号公報に開示されている方法を採用することができる。
【0088】
本発明の感光性組成物を画素の形成に用いる場合、画素には高精細な発色が求められることから、(D)着色剤としては、発色性の高い着色剤が好ましく、具体的には有機顔料が好適に使用される。
一方、本発明の感光性組成物をブラックマトリックスの形成に用いる場合、ブラックマトリックスには遮光性が要求されることから、(D)着色剤としては有機顔料又はカーボンブラックが好適に使用される。
【0089】
本発明においては、(D)着色剤を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(D)着色剤の含有量は、透明性、色純度及び遮光性の観点から、感光性組成物の固形分中に、好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。他方、上限は、現像残渣の抑制、良好なパターン形成の観点から、通常、70質量%である。なお、ここでいう「固形分」とは、後述する(C)溶剤以外の成分である。
【0090】
本発明においては、(D)着色剤を、所望により分散剤、分散助剤と共に使用することができる。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系等の適宜の分散剤を使用することができるが、カラーフィルターを形成した際、色調が安定することから、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等を挙げることができる。これら分散剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0091】
このような分散剤は商業的に入手することができ、例えば、アクリル系共重合体として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN21324(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ポリウレタンとして、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500、ソルスパース37500(以上、ルーブリゾール(株)社製)、ポリエチレンイミンとして、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)、ポリエステルとして、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880(以上、味の素ファインテクノ株式会社製)等を挙げることができる。
【0092】
分散剤の含有量は、(D)着色剤100質量部に対して、通常、100質量部以下、好ましくは1〜70質量部、更に好ましくは10〜50質量部である。このような含有量とすることで、現像性等を向上させ、現像残渣を抑制しつつ、良好なパターンを形成することができる。
【0093】
また、分散助剤としては、例えば、顔料誘導体が挙げられ、具体的には、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等を挙げることができる。分散助剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
【0094】
−(E)カルボキシル基を有する重合体−
本発明においては、更に(E)カルボキシル基を有する重合体(但し、上記成分(A)を除く)を含有せしめることにより、得られる着色組成物のアルカリ現像性や保存安定性を高めることができる。
(E)カルボキシル基を有する重合体としては、1分子中に1個以上のカルボキシル基を有する重合体であれば特に限定されるものではない。このような重合体としては、1個以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体(以下、「不飽和単量体(e1)」という。)と、該単量体とラジカル共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(e2)」という。)との共重合体が好ましい。
【0095】
不飽和単量体(e1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら不飽和単量体(e1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0096】
また、不飽和単量体(e2)としては、例えば、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレンの如き芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール(n=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(n=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの如き不飽和カルボン酸エステル;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。これら不飽和単量体(e2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0097】
不飽和単量体(e1)と不飽和単量体(e2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(e1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(e1)を共重合させることにより、保存安定性、アルカリ現像性に優れた感光性組成物を得ることができる。
【0098】
不飽和単量体(e1)と不飽和単量体(e2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728等に開示されている共重合体を挙げることができる。
【0099】
また、本発明においては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を、(E)カルボキシル基を有する重合体として使用することもできる。
【0100】
(E)カルボキシル基を有する重合体のMwは、通常、1,000〜300,000、好ましくは3,000〜100,000である。Mwが小さすぎると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方大きすぎると、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。ここで、「Mw」は、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
また、(E)カルボキシル基を有する重合体のMw/Mnは、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。ここで、「Mn」は、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
本発明において、(E)カルボキシル基を有する重合体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0101】
本発明において、(E)カルボキシル基を有する重合体の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、好ましくは10〜1,000質量部、より好ましくは15〜500質量部、更に好ましくは20〜300質量部である。かかる割合で(E)カルボキシル基を有する重合体を含有せしめることにより、更にアルカリ現像性や保存安定性に優れた感光性組成物を得ることができる。
【0102】
−(F)多官能性単量体−
本発明においては、(F)多官能性単量体を含有することができる。(F)多官能性単量体とは、2個以上の重合可能な基を有する単量体をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、(F)多官能性単量体としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好適に使用される。
【0103】
「2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物」の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0104】
ここで、「脂肪族ポリヒドロキシ化合物」としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
【0105】
また、「カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート」としては、例えば、特開11−44955号公報の段落〔0015〕〜〔0018〕に記載されている化合物を挙げることができる。上記アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0106】
また、「2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物」としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。なお、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造とは、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N,N−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N,N−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
【0107】
これらの多官能性単量体のうち、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N,N−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンが好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上及びおよび遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で特に好ましい。
本発明において、(F)多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0108】
本発明における(F)多官能性単量体の含有量は、(E)カルボキシル基を有する重合体100質量部に対して、5〜500質量部が好ましく、特に20〜300質量部が好ましい。
【0109】
−添加剤−
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤等を挙げることができる。
【0110】
本発明においては、感光性組成物は、適宜の方法により調製することができ、例えば、成分(A)及び(B)を、成分(C)や任意的に加えられる他の成分と共に、混合することにより調製することができる。好ましい感光性組成物の調製方法としては、成分(A)を成分(C)中、分散剤の存在下で、成分(B)と共に、例えばビーズミル、ロールミル等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色剤分散液とし、次いで、この着色剤分散液に、必要に応じて他の成分を添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
【0111】
カラーフィルタ及びその製造方法
本発明のカラーフィルタは、本発明の感光性組成物から形成された着色層を備えるものである。本明細書において「着色層」とは、カラーフィルタに用いられる画素及び/又はブラックマトリックスからなる層を意味する。
本発明のカラーフィルタは、透過型あるいは反射型のカラー液晶表示装置のほか、固体撮像素子、有機EL表示素子、電子ペーパーなどに極めて有用である。
【0112】
次に、本発明の感光性組成物を用いて、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
本発明のカラーフィルタを形成する方法は、少なくとも下記(1)〜(4)の工程を含んでおり、下記の記載順で実施することが好ましい。
(1)基板上に本発明の感光性組成物の塗膜を形成する工程。
(2)上記塗膜の少なくとも一部に露光する工程。
(3)露光後の塗膜を現像する工程。
(4)現像後の塗膜をポストベークする工程。
以下、これらの工程について順次説明する。
【0113】
−工程(1)−
工程(1)は、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成し、この基板上に、本発明の感光性組成物を塗布したのち、プレベークして溶媒を蒸発除去することにより、塗膜を形成する工程である。
本工程で使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、窒化シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドを挙げることができる。なお、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
液状組成物を基板に塗布する際には、回転塗布法、流延塗布法、ロール塗布法、スリットダイコーターを用いる塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、回転塗布法、スリットダイコーターを用いる塗布法が好ましい。
プレベークは、通常、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行われる。減圧乾燥は、通常50〜200Paに到達するまで行う。また、加熱乾燥の条件は、通常70〜110℃で1〜10分程度である。
塗布厚は、乾燥後の膜厚として、通常、0.6〜8μm、好ましくは1.2〜5μmである。なお、ここでいう「塗布厚」は、基板表面からの塗膜の厚さである。
【0114】
−工程(2)−
工程(2)は、工程(1)で形成された塗膜の少なくとも一部に露光する工程である。塗膜の一部に露光する際には、通常、所定のパターンを有するフォトマスクを介して行われる。
露光に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線等を使用することができるが、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましい。
放射線の露光量は、通常、10〜10,000mJ/cm2 である。
【0115】
−工程(3)−
工程(3)は、現像液、好ましくはアルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する工程である。
アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
現像条件は、常温で10〜300秒程度が好ましい。
【0116】
−工程(4)−
工程(4)は、現像後の塗膜をポストベークする工程である。これにより、感光性組成物の硬化物からなる画素パターンが所定の配列で配置された基板を得ることができる。
ポストベークの条件は、180〜240℃で5〜40分程度が好ましい。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常、0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μmである。ここでいう「膜厚」とは、基板表面からの画素の厚さである。
【0117】
赤色、緑色又は青色の顔料が分散された各感光性組成物を用いて、工程(1)〜(4)を繰り返し行い、赤色、緑色及び青色の画素パターンを同一基板上に形成することによって、赤色、緑色及び青色の三原色の画素パターンが所定の配列で配置された着色層を基板上に形成することができる。なお、本発明においては、各色の画素パターンの形成順は任意に選択することができる。
また、黒色着色剤を含有する感光性組成物を用いて、工程(1)〜(4)を順次行うにより、ブラックマトリックスを形成することができる。
【実施例】
【0118】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。ここで、「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
【0119】
[1]感光性組成物の調製
[合成例1]
水酸基を有する樹状分岐化合物(DR1)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとしてデンドロン(商品名「Polyester−8−hydroxyl−1−carboxyl bis−MPA dendron,Generation 3」、Sigma−Aldrich社製)138部と、エポキシ化多価アルコール(商品名「デナコールEX−314」、ナガセケムテック社製)20部と、テトラブチルアンモニウムブロミド3部とをN−メチルピロリドン300部に溶解し、100℃で12時間加熱した。その後、加熱後の溶液を、テトラハイドロフランとn−ヘキサンを50%ずつ含有する溶液に加え、析出した固形分を取り出すことにより、水酸基を有する樹状分岐化合物(DR1)を得た。
【0120】
[合成例2〜合成例4]
水酸基を有する樹状分岐化合物(DR2)〜(DR4)の合成
下記表1に示す化合物を下記表1に示す量を用いた以外は合成例1と同様の手法にて、水酸基を有する樹状分岐化合物(DR2)〜(DR4)を得た。なお、表1中に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
【0121】
【表1】

【0122】
表1中に記載の各成分の略称は、以下のとおりである。
DD1:商品名「Polyester−8−hydroxyl−1−carboxyl bis−MPA dendron,Generation 3」、Sigma−Aldrich社製。
DD2:商品名「Polyester−16−hydroxyl−1−carboxyl bis−MPA dendron,Generation 4」、Sigma−Aldrich社製。
DD3:商品名「Polyester−32−hydroxyl−1−carboxyl bis−MPA dendron,Generation 5」、Sigma−Aldrich社製。
EPO1:商品名「デナコールEX−314」、ナガセケムテック社製、下記式(i)の化合物。
EPO2:商品名「デナコールEX−411」、ナガセケムテック社製、下記式(ii)の化合物。
【0123】
【化15】

【0124】
【化16】

【0125】
[合成例5]
樹状分岐化合物(A1)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、合成例1で得た、水酸基を有する樹状分岐化合物(DR1)を100部、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物としてアクリル酸を46部、ヒドロキノンモノメチルエーテルを0.5部、パラトルエンスルホン酸を50部、トルエンを378部入れた後、6時間加熱還流させ、理論生成水量の95%を流出させた。その後、加熱環流後の溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液を300部加え、室温で30分間撹拌し、未反応のアクリル酸及び残留触媒のパラトルエンスルホン酸を除去した。次いで、酸無水物として無水コハク酸を27部、テトラブチルアンモニウムブロミドを3部反応容器に添加し、100℃8時間加熱した。その後、反応容器に水を300部加え、室温で攪拌して後、水層を除去した。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを50部添加した後、トルエンを留去し、樹状分岐化合物(A1)を含有する溶液を得た。
【0126】
[合成例6〜合成例14]
樹状分岐化合物(A2)〜(A10)の合成
下記表2に示す化合物を下記表2に示す量を用いた以外は合成例5と同様の手法にて、樹状分岐化合物(A2)〜(A10)を得た。なお、表2中に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
【0127】
【表2】

【0128】
表2中に記載の各成分の略称は、以下のとおりである。
DR1:前記水酸基を有する樹状分岐化合物(DR1)。
DR2:前記水酸基を有する樹状分岐化合物(DR2)。
DR3:前記水酸基を有する樹状分岐化合物(DR3)。
DR4:前記水酸基を有する樹状分岐化合物(DR4)。
HB1:Sigma−Aldrich製、商品名「Hyperbranched bis−MPA polyester−16−hydroxyl,generation 2」
HB2:Sigma−Aldrich製、商品名「Hyperbranched bis−MPA polyester−32−hydroxyl,generation 3」
HB3:Sigma−Aldrich製、商品名「Hyperbranched bis−MPA polyester−64−hydroxyl,generation 4」
AA:アクリル酸
MA:メタクリル酸
UA1:無水コハク酸
UA2:テトラヒドロフタル酸無水物
【0129】
[合成例15]
カルボキシル基を有する重合体(E1)の合成
攪拌機を備えた反応容器に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを200部、メタクリル酸を10部、ベンジルメタクリレートを25部、スチレンを11部、N−フェニルマレイミドを19部、グリセロールメタクリレートを5部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートを30部及び分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマーを5部仕込んで、窒素置換した。その後、80℃5時間加熱することにより、カルボキシル基を有する重合体(E1)を含有する溶液を得た。得られた重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は10,000、ポリスチレン換算数平均分子量は6,000であった。
なお、ポリスチレン換算重量平均分子量及び数平均分子量の測定は、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本およびG4000HXL1本を直列に接続)を用い、溶出溶媒テトラヒドロフラン、流量1.0ミリリットル/分、カラム温度40℃の条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。
【0130】
[調製例1]
顔料分散液(M1)の調製
着色剤として、C.I.ピグメントレッド254を70部及びC.I.ピグメントイエロー139を30部、分散剤(商品名「Disperbyk−LPN21324」、ビックケミー(BYK)社製)を30部、前記カルボキシル基を有する重合体(E1)を110部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを575部、ビーズミルにより12時間混合及び分散して、顔料分散液(M1)を得た。
【0131】
[調製例2〜調製例11]
顔料分散液(M2)〜(M11)の調製
下記表3に示す成分を下記表3に示す量を用いた以外は調製例1と同様の手法にて、顔料分散液(M2)〜顔料分散液(M11)を得た。なお、表3中に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
【0132】
【表3】

【0133】
表3中に記載の各成分の略称は、以下のとおりである。
R254:C.I.ピグメントレッド254
R177:C.I.ピグメントレッド177
G36:C.I.ピグメントグリーン36
G7:C.I.ピグメントグリーン7
G58:C.I.ピグメントグリーン58
Y139:C.I.ピグメントイエロー139
Y150:C.I.ピグメントイエロー150
Y180:C.I.ピグメントイエロー180
Y185:C.I.ピグメントイエロー185
Y138:C.I.ピグメントイエロー138
Y83:C.I.ピグメントイエロー83
B15:6:C.I.ピグメントブルー15:6
B15:4:C.I.ピグメントブルー15:4
V23:C.I.ピグメントバイオレット23
BKY:商品名「Disperbyk−LPN21324」、ビックケミー(BYK)社製
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0134】
[実施例1]
感光性組成物の調製
樹状分岐化合物(A1)を38部、感光性重合開始剤として、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(商品名CGI−242、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)を2部及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)を6部、顔料分散液(M1)を705部、カルボキシル基を有する重合体(E1)を110部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを139部、シトラコン酸(和光純薬工業(株)製)を0.25部及び商品名「F−475」(大日本インキ化学工業(株)製)を0.25部混合して、実施例1の感光性組成物を得た。
【0135】
[実施例2]〜[実施例12]、及び[比較例1]〜[比較例2]
感光性組成物の調製
下記表4に示す成分を下記表4に示す量を用いた以外は実施例1と同様の手法にて、[実施例2]〜[実施例12]、[比較例1]〜[比較例3]の感光性組成物を得た。なお、表4中に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。表4中には顔料濃度についても併記する。
【0136】
【表4】

【0137】
表4中に記載の各成分の略称は、以下のとおりである。
AR1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物
AR2:ペンタエリスリトールトリアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物
AR3:ビスコート#1000(デンドリチックアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製)
B1:エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(商品名CGI−242、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
B2:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
B3:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名イルガキュア379、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
F1:シトラコン酸(和光純薬工業(株)製)
F2:マロン酸(和光純薬工業(株)製)
F3:界面活性剤F−475(大日本インキ化学工業(株)製)
F4:界面活性剤FTX−218((株)ネオス製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0138】
[2]評価
[2−1]
残渣評価用の下地膜形成用組成物の調製
【0139】
[合成例16]
下地膜形成用組成物に含まれる重合体の合成
フラスコ内を窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを0.6部溶解したメチル−3−メトキシプロピオネート溶液を200部仕込んだ。引き続きtert-ブチルメタクリレートを37.5部、グリシジルメタクリレートを62.5部を仕込んだ後、撹拌し、70℃にて6時間加熱した。冷却後、重合体を含有する樹脂溶液を得た。
【0140】
[調製例12]
下地膜形成用組成物の調製
前記[合成例16]で得られた樹脂溶液を33.3部(重合体を10部含有)、メチル−3−メトキシプロピオネートを31.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを3.4部で希釈したのち、トリメリット酸を0.3部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.5部、商品名「FC−4432」(住友スリーエム(株)製)を0.005部を溶解し、下地膜形成用組成物を調製した。
【0141】
[2−2]
評価
前記感光性組成物(実施例1〜12および比較例1〜3)について、下記手法にてその性能を評価した。評価結果を表5に示す。
【0142】
[2−2−1]
画素パターンの形成
6インチシリコンウェハー上に、自動塗布現像装置(東京エレクトロン(株)製クリーントラック、商品名「MARK−Vz」)を用いて、前記下地膜形成用組成物をスピンコート法にて塗布した後、230℃で300秒間ベークを行い、膜厚0.6μmの下地膜を形成した。この下地膜上に感光性組成物をスピンコート法にて塗布した後、90℃で150秒間プレベークを行って、膜厚0.75μmの塗膜を形成した。その後、得られた基板を室温に冷却し、基板上の塗膜に、フォトマスクを介して、縮小投影露光機((株)ニコン製NSR−2005i10D、レンズ開口数=0.63)を用いて、波長365nm(i線)にて30〜500mJ/cm2の露光量を10mJ/cm2間隔で露光した。続いて、自動塗布現象装置内で、0.05%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液により90秒間パドル(液盛り)現像し、超純水によりリンスし、スピン乾燥した後、ホットプレート上にて230℃で300秒間ポストベークを行って、ドットパターン又はは市松模様のパターンを形成した。
【0143】
[2−2−2]
パターン形状
前記画素パターンの形成において、ドットパターンの幅が1.0μmの寸法となる時の露光量を適正露光量とした。この適正露光量での1.0μmのドットパターンを、走査型電子顕微鏡により観察し、下記基準にて評価を行った。
「○」:パターンに剥がれやゆがみがない。
「×」:パターンに剥がれやゆがみがある。
【0144】
[2−2−3]
残渣
前記パターン形状の評価にて、1.0μmのドットパターンのエッジ部分及び周辺の未露光部を、走査型電子顕微鏡により観察し、下記基準にて評価を行った。
「○」:残渣がない。
「×」:残渣がある。
【0145】
[2−2−4]
残膜率の評価
前記画素パターンの形成において、露光量500mJ/cm2で形成された10.0μmのドットパターンの、露光後の膜厚およびポストベーク後の膜厚を走査型電子顕微鏡で測定し、下記式により残膜率(%)=ポストベーク後の膜厚/露光後の膜厚×100として算出した。なお、残膜率(%)が70%未満であると、硬化不足である可能性が高く、ポストベーク時に昇華物が発生し、ポストベーク炉を汚染するおそれがあると考えられる
【0146】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)並びに(C);
(A)カルボキシル基(a1)及びエチレン性不飽和二重結合基(a2)を備える樹状分岐化合物、
(B)感光性重合開始剤、並びに
(C)溶剤
を含有することを特徴とする感光性組成物。
【請求項2】
前記カルボキシル基(a1)が下記式(1)で表わされる基である、請求項1記載の感光性組成物。
【化1】

〔式中、
1は、単結合、メチレン基、アルキレン基、アリーレン基、シクロヘキシレン基又はシクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【請求項3】
前記エチレン性不飽和二重結合基(a2)が下記式(2)で表わされる基である、請求項1又は2に記載の感光性組成物。
【化2】

〔式中、
2は、水素原子又はメチル基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【請求項4】
前記成分(A)がデンドリマー又はハイパーブランチポリマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【請求項5】
前記成分(A)が
下記式(5)で表わされる単位又は下記式(6)で表わされる単位からなるコアユニットと、
下記式(7)で表される単位からなる枝ユニットと、
下記式(1)で表わされる基及び下記式(2)で表わされる基を含む末端ユニットと
を備え、
前記コアユニットと前記枝ユニットとが単結合、アルキレン基、オキシアルキレン基及び下記式(8)で表される基から選択される連結ユニットにより連結してなるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

〔式中、
1は、単結合、メチレン基、アルキレン基、アリーレン基、シクロヘキシレン基又はシクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、
2は、水素原子又はメチル基を示し、
3は、単結合、メチレン基又はアルキレン基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【請求項6】
さらに、成分(D)として着色剤を、成分(E)としてカルボキシル基を有する重合体(但し、成分(A)を除く)を、それぞれ含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【請求項7】
前記成分(D)の含有割合が当該感光性組成物から前記成分(C)を除く全成分の総量に対して40質量%以上である、請求項6記載の感光性組成物。
【請求項8】
請求項6又は7記載の感光性組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
【請求項9】
末端に、下記式(1)で表わされる基及び下記式(2)で表わされる基を有する、樹状分岐化合物。
【化9】

【化10】

〔式中、
1は、単結合、メチレン基、アルキレン基、アリーレン基、シクロヘキシレン基又はシクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、
2は、水素原子又はメチル基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【請求項10】
下記式(5)で表わされる単位又は下記式(6)で表わされる単位からなるコアユニットと、
下記式(7)で表される単位からなる枝ユニットと、
下記式(1)で表わされる基及び下記式(2)で表わされる基を含む末端ユニットと
を備え、
前記コアユニットと前記枝ユニットとが単結合、アルキレン基、オキシアルキレン基及び下記式(8)で表される基から選択される連結ユニットにより連結してなる、樹状分岐化合物。
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

〔式中、
1は、単結合、メチレン基、アルキレン基、アリーレン基、シクロヘキシレン基又はシクロヘキシレン基内にエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、
2は、水素原子又はメチル基を示し、
3は、単結合、メチレン基又はアルキレン基を示し、
*は、結合手を示す。〕

【公開番号】特開2012−83594(P2012−83594A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230450(P2010−230450)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】