説明

感受性哺乳動物において気道疾患を引き起こすウイルス

【課題】パラミクソウイルス科のニューモウイルス亜科に含まれ、系統学的にメタニューモウイルス属に該当するものとして同定される、単離された哺乳動物性のネガティブセンス一本鎖RNAウイルス(MPV)、ならびにその成分を提供する。
【解決手段】単離されたネガティブセンス一本鎖RNAメタニューモウイルス。前記ウイルスを含む、免疫原性組成物。MPV単離体のNタンパク質のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする単離された核酸。核酸とサンプルとを接触させることを含む、該サンプル中の哺乳動物メタニューモウイルスの検出方法。MPV感染の治療または予防方法における使用のための医薬組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された、本質的に哺乳動物性のネガティブセンス一本鎖RNAウイルス(MPV)であって、パラミクソウイルス科のニューモウイルス亜科に属し、系統学的にメタニューモウイルス属に該当するものとして同定される上記ウイルス。
【請求項2】
単離されたネガティブセンス一本鎖RNAウイルス(MPV)であって、パラミクソウイルス科のニューモウイルス亜科に属するものであり、かつ、そのウイルスの核酸配列を決定し、その配列を、最尤系統樹を100のブートストラップおよび3のジャンブルを用いて作製する系統樹解析で試験し、それが、鳥類の鼻気管炎の原因物質である七面鳥鼻気管炎ウイルス(TRTV)としても知られるトリ・ニューモウイルス(APV)のウイルス単離体に該当するというよりも、CNCM(パリ)にI-2614として寄託されているウイルス単離体に系統学的により近いものとして該当することを見出すことによって、系統学的にメタニューモウイルス属に該当するものとして同定される上記ウイルス。
【請求項3】
トリ・ニューモウイルスがAPV C型(APV-C)からなる、請求項2に記載のウイルス。
【請求項4】
前記核酸配列が、前記ウイルスのウイルスタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のウイルス。
【請求項5】
前記オープンリーディングフレームがN、P、MおよびFタンパク質をコードするORFの群から選ばれる、請求項4に記載のウイルス。
【請求項6】
前記オープンリーディングフレームがSHまたはGタンパク質をコードするORFの群から選ばれる、請求項5に記載のウイルス。
【請求項7】
図6に示す配列に系統学的に対応する核酸または機能性断片を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のウイルス。
【請求項8】
CNCM(パスツール研究所、パリ)にI-2614として寄託されているMPV単離体または系統学的にそれに該当するウイルス単離体を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のウイルス。
【請求項9】
気道疾患に罹患しているヒトから単離される、請求項8に記載のウイルス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のウイルスから得られる、単離された核酸もしくは組換え核酸またはそのMPV特異的機能性断片。
【請求項11】
請求項10に記載の核酸を含むベクター。
【請求項12】
請求項10に記載の核酸または請求項11に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項13】
請求項10に記載の核酸によりコードされる、単離されたタンパク質様分子もしくは組換えタンパク質様分子またはそのMPV特異的機能性断片。
【請求項14】
請求項13に記載のタンパク質様分子またはそのMPV特異的機能性断片を含む抗原。
【請求項15】
請求項14に記載の抗原に対して特異的な抗体。
【請求項16】
ウイルス単離体をMPVとして同定する方法であって、そのウイルス単離体またはその成分を、請求項15に記載の抗体と反応させることを含む上記方法。
【請求項17】
ウイルス単離体をMPVとして同定する方法であって、そのウイルス単離体またはその成分を、請求項10に記載の核酸と反応させることを含む上記方法。
【請求項18】
前記MPVがヒトMPVを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法により、パラミクソウイルス科のニューモウイルス亜科に含まれ、系統学的にメタニューモウイルス属に該当するものとして同定される哺乳動物性のネガティブセンス一本鎖RNAウイルスとして同定されるウイルス単離体。
【請求項20】
哺乳動物のMPV感染をウイルス学的に診断する方法であって、その哺乳動物のサンプルを請求項10に記載の核酸または請求項15に記載の抗体と反応させることにより、そのサンプル中のウイルス単離体またはその成分の存在を判定することを含む上記方法。
【請求項21】
哺乳動物のMPV感染を血清学的に診断する方法であって、その哺乳動物のサンプルを請求項13に記載のタンパク質様分子もしくはその断片または請求項14に記載の抗原と反応させることにより、そのサンプル中のMPVまたはその成分に対して特異的な抗体の存在を判定することを含む上記方法。
【請求項22】
MPV感染を診断するための診断キットであって、請求項1〜9のいずれか一項に記載のウイルス、請求項10に記載の核酸、請求項13に記載のタンパク質様分子もしくはその断片、請求項14に記載の抗原、および/または請求項15に記載の抗体を含む上記キット。
【請求項23】
医薬組成物を製造するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載のウイルス、請求項10に記載の核酸、請求項11に記載のベクター、請求項12に記載の宿主細胞、請求項13に記載のタンパク質様分子もしくはその断片、請求項14に記載の抗原、または請求項15に記載の抗体の使用。
【請求項24】
MPV感染の治療または予防のための医薬組成物を製造するための、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
気道疾患の治療または予防のための医薬組成物を製造するための、請求項23または24に記載の使用。
【請求項26】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のウイルス、請求項10に記載の核酸、請求項11に記載のベクター、請求項12に記載の宿主細胞、請求項13に記載のタンパク質様分子もしくはその断片、請求項14に記載の抗原、または請求項15に記載の抗体を含む医薬組成物。
【請求項27】
請求項26に記載の医薬組成物を個体に投与することを含む、MPV感染の治療または予防方法。
【請求項28】
請求項26に記載の医薬組成物を個体に投与することを含む、気道疾患の治療または予防方法。
【請求項29】
前記個体がヒトを含む、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
気道疾患の治療に有用な抗ウイルス剤を得る方法であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載のウイルスを含む細胞培養物または実験動物を樹立し、その培養物または動物を候補の抗ウイルス剤で処理し、そのウイルスまたはその培養物もしくは動物の感染に及ぼすその剤の効果を判定し、目的とする効果を有する抗ウイルス剤を選び出すことを含む上記方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法により得られる、抗ウイルス剤。
【請求項32】
医薬組成物を製造するための、請求項31に記載の抗ウイルス剤の使用。
【請求項33】
気道疾患の治療のための医薬組成物を製造するための、請求項33に記載の使用。
【請求項34】
MPV感染の治療のための医薬組成物を製造するための、請求項32または33に記載の使用。
【請求項35】
請求項31に記載の抗ウイルス剤を含む医薬組成物。
【請求項36】
請求項35に記載の医薬組成物を個体に投与することを含む、MPV感染の治療または予防方法。
【請求項37】
請求項35に記載の医薬組成物を個体に投与することを含む、気道疾患の治療または予防の方法。
【請求項38】
前記個体がヒトを含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
動物のMPV感染をウイルス学的に診断する方法であって、その動物のサンプルをトリ・ニューモウイルス(APV)の成分と特異的に反応する核酸もしくは抗体と反応させることにより、そのサンプル中のウイルス単離体もしくはその成分の存在を判定することを含み、但し、その核酸もしくは抗体がMPVの成分と交差反応性である、上記方法。
【請求項40】
動物のMPV感染を血清学的に診断する方法であって、その動物のサンプルをAPV単離体もしくはその成分から誘導されるタンパク質様分子もしくはその断片または抗原と反応させることにより、そのサンプル中のMPVもしくはその成分に対する抗体の存在を判定することを含み、但し、その分子、断片または抗原が、MPVの成分と本質的に相同であるように選ばれる、上記方法。
【請求項41】
鳥類のAPV感染をウイルス学的に診断する方法であって、その鳥類のサンプルを請求項10に記載の核酸または請求項15に記載の抗体と反応させることにより、そのサンプル中のウイルス単離体もしくはその成分の存在を判定することを含み、但し、その核酸もしくは抗体がAPVの成分と交差反応性である、上記方法。
【請求項42】
鳥類のAPV感染を血清学的に診断する方法であって、その鳥類のサンプルを請求項13に記載のタンパク質様分子もしくはその断片または請求項14に記載の抗原と反応させることにより、そのサンプル中のAPVもしくはその成分に特異的な抗体の存在を判定することを含み、但し、その分子、断片または抗原が、本質的にAPVの成分と相同であるように選ばれる、上記方法。
【請求項43】
前記APVがAPV-Cを含む、請求項39〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
APV特異的抗体を検出するように設計された診断試験の、MPVに対する抗体を検出するための使用。
【請求項45】
前記試験が、酵素免疫アッセイ(EIA)を含む、請求項44に記載の使用。
【請求項46】
APV特異的抗体を検出するように設計された診断試験においてサンプルを試験することを含む、サンプル中のMPVに対する抗体の検出方法。
【請求項47】
前記試験が酵素免疫アッセイ(EIA)を含む、請求項46に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−1】
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【図6A−2】
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【図6A−3】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18a】
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【図18b】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2011−177173(P2011−177173A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50982(P2011−50982)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2002−557978(P2002−557978)の分割
【原出願日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願人】(503257871)
【Fターム(参考)】