説明

感湿捲縮複合繊維

【課題】乾燥状態と吸湿状態における捲縮率の変化が大きく、これらの状態の変化に伴う目開きの変化が大きいため快適性に優れた衣料が得られ、かつ複合繊維を構成する成分間での剥離が起こりにくい感湿捲縮複合繊維を提供する。
【解決手段】ポリアミド成分とポリエステル成分とがサイドバイサイドに接合されている複合繊維であって、該ポリエステル成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が0.7〜5.0モル%共重合されている変成ポリエチレンテレフタレートとし、該複合繊維の横断面を偏平度1.3〜5.0である三角断面である感湿捲縮複合繊維とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湿度変化により可逆的に捲縮率が変化する複合繊維に関し、更に詳しくはその捲縮率の変化が大きく、快適性に極めて優れた衣料が得られる複合繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
木綿・羊毛・羽毛などの天然繊維が湿度変化によって可逆的にその形態・捲縮率が変化することは、従来から良く知られており、衣服にした際に、汗で湿ると捲縮が弱くなって織編物の目開きが大きくなることにより水分を衣服外に放出し、乾くと捲縮が強くなり織編物の目開きが小さくなって保温性を回復するという優れた機能がある。これに対して、合成繊維に同様の機能を付与する検討がなされており、ナイロン6と変性ポリエチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型複合繊維が特許文献1、2等で提案されている。しかしこれら複合繊維は、染色等の後工程や実用において、ポリアミド成分とポリエステル成分との接合部で剥離が生じやすいといった問題がある。また、乾燥状態と吸湿状態での捲縮率の変化をさらに大きくすることにより、より快適性に優れた衣料を得られないかといった要望がある。
【0003】
これに対して、捲縮率の変化を向上させる試みとしては、特許文献3に、ポリエステル成分とポリアミド成分とを扁平状に接合し、かつ、ポリアミド成分にナイロン4のような吸湿率の高いポリアミドを用いた複合繊維が提案されている。しかし、かかる従来技術も、乾燥状態と吸湿状態での捲縮率の変化を著しく向上させるものではなく、さらなる改良が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開昭58−46118号公報
【特許文献2】特開昭58−46119号公報
【特許文献3】特開平3−213518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術を背景になされたものであり、乾燥状態と吸湿状態における捲縮率の変化が大きく、これらの状態の変化に伴う目開きの変化が大きいため快適性に優れた衣料が得られ、かつ複合繊維を構成する成分間での剥離が起こりにくい感湿捲縮複合繊維を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、ポリエステル成分とポリアミド成分とからなる複合繊維について、各成分や複合繊維の断面形状について種々検討したところ、乾燥状態と吸湿状態での捲縮率の変化が大きく、かつ剥離が発生し難い複合繊維が得られることを見出した。
【0007】
かくして本発明によれば、ポリアミド成分とポリエステル成分とがサイドバイサイドに接合されている複合繊維であって、該ポリエステル成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が0.7〜5.0モル%共重合されている変成ポリエチレンテレフタレートであり、該繊維の横断面が偏平度1.3〜5.0の三角断面であることを特徴とする感湿捲縮複合繊維が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乾燥状態と吸湿状態における捲縮率の変化が大きく、これらの状態の変化に伴う目開きの変化が大きいため快適性に優れた衣料が得られ、かつ複合繊維を構成する成分間での剥離が起こりにくい感湿捲縮複合繊維を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の感湿捲縮複合繊維は、ポリエステル成分とポリアミド成分がサイドバイサイドに接合されている複合繊維である。より具体的には、上記複合繊維を熱処理して、両成分に収縮率差及び熱収縮応力差を生じさせ、捲縮を発現させた繊維である。
【0010】
上記ポリアミド成分としては、主鎖中にアミド結合を有するものであり、例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12等が挙げられる。特にコスト性、汎用性、製糸性等の観点からナイロン6、ナイロン66が好ましい。なお、上記のポリアミド成分にはこれらをベースに公知の成分を共重合せしめても良く、酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、公知の抗酸化剤、帯電防止剤、耐光剤等を含有させても良い。
【0011】
一方、ポリエステル成分は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が1.0〜5.0モル%、好ましくは1.5〜3.5モル%、より好ましくは2.5〜3.5モル%共重合させた変成ポリエチレンテレフタレートである必要がある。5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が1.0モル%未満の場合は、ポリアミド成分との剥離が発生し十分な性能を発現することができない。逆に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が5.0モル%を超える場合は、ポリエステル成分の溶融粘度が大きくなり製糸性が大きく低下する。なお、上記ポリエステル成分は、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を共重合またはブレンドしていてもかまわない。
【0012】
上記のポリアミド成分とポリエステル成分からなる複合繊維は、該ポリアミド成分は熱処理による収縮率及び熱収縮応力が共に高いのに対し、該ポリエステル成分は熱処理により容易に結晶化が進み、収縮率及び熱収縮応力が共に低いため、ポリアミド成分が外側に、ポリエステル成分が内側に配された捲縮を有する複合繊維となる。
【0013】
また、上記複合繊維においては、乾燥状態においては高い捲縮率を有していても、吸湿状態においては外側のポリアミド成分が吸湿して伸長するのに対し内側のポリエステル成分は長さ変化がほとんど起こらないため捲縮率が低下する。このため、上記複合繊維は、湿度によって可逆的に捲縮率が変化する感湿捲縮複合繊維となる。
【0014】
本発明においては、ポリエステル成分が前述した変性ポリエチレンテレフタレートであること、さらに複合繊維の断面形状が次に述べる三角断面であることが肝要であり、これによって乾燥状態と吸湿状態の捲縮率の変化を大きくすることができ、かつ複合繊維を構成する2成分間での剥離を起こり難くすることができる。
【0015】
すなわち、本発明においては、複合繊維の横断面形状を、偏平率が1.3〜5倍、好ましくは1.3〜4.0倍、より好ましくは1.3〜3.0倍の三角断面とすることが大切である。かかる偏平状の三角断面とすることにより、乾燥状態における捲縮の曲率半径がより大きくなり、これを織編物などの布帛としたときの乾燥状態と吸湿状態とにおける捲縮形態の変化を容易にし、大きなものとすることができる。その結果、これらの状態の変化による通気性差を大きくすることができ、快適性に優れた衣料を得ることができる。図1には、本発明の複合繊維の横断面形状の概略図を示すが、本発明でいう偏平度とは、単繊維の三角断面の頂点から底辺への垂線の長さが最も長い部分の長さをaとし、その底辺の頂点間距離をbとしたとき、下記式により算出される値をいう。
偏平率=a/b
【0016】
このため、偏平率が1.3未満の場合では、乾燥状態における捲縮の曲率半径が小さくなり、さらに乾燥状態と吸湿状態とにおける捲縮変化も小さくなり好ましくない。また、偏平率が5を超えると、接合部長さと偏平率との関係から、ポリエステル成分とポリアミド成分の剥離が起こり易くなる問題があり、好ましくない。
【0017】
本発明においては、特にポリエステル成分が偏平先端の頂点部分を占め、ポリアミド成分が底辺部分を占める断面形状のとき、大きな捲縮力が生まれ、かつポリエステル成分である先端部分は先細りするために後述する適度な捲縮周期とすることができ好ましい。また、かかる三角断面としたとき、乾燥状態と吸湿状態とにおけるポリアミド成分側の変形を容易に行わせ、捲縮変形を大きくでき、同時に剥離が発生し難くなる。
【0018】
また、本発明においては、乾燥状態と吸湿状態における複合繊維の捲縮率の差が15%以、好ましくは17〜50%であることが望ましい。これにより、本発明の複合繊維を衣料とした際、発汗時などの吸湿状態では複合繊維の捲縮率が低くなって布帛の目開きが大きくなり、汗を蒸発させる速乾効果が得られる。一方、乾燥状態では複合繊維の捲縮率が大きくなり、布帛の目開きが小さくなって保温性に優れたものとなる。また、通常、本発明でいう乾燥状態で着用されるが、捲縮率が大きいためストレッチ効果に優れた衣料となる。つまり、あらゆる点で着用快適性に優れた衣料とすることができる。
【0019】
本発明においては、乾燥状態における捲縮率は、15〜35%であることが好ましく、19〜28%であることがより好ましい。一方、吸湿状態における捲縮率は、0.2〜8%であることが好ましく、1〜7%であることがより好ましい。
【0020】
本発明においては、複合繊維の乾燥状態における捲縮曲率半径ρが大きすぎると間延びしたクリンプとなり易く捲縮力が小さくなり、乾燥状態と吸湿状態とにおける捲縮率の差も小さくなる傾向がある。一方、上記捲縮曲率半径ρが小さすぎても捲縮が発現し難くなり、捲縮力が小さくなり、乾燥状態と吸湿状態とにおける捲縮率の差が小さくなり易い。このため、捲縮曲率半径ρは、0.5〜5mmが好ましく、1〜3mmがよりこのましい。
【0021】
また、複合繊維の乾燥状態における捲縮周期Lが、大きすぎると織編物の拘束力下で捲縮が充分発現しにくい傾向があり、乾燥状態と吸湿状態とにおける捲縮率の差が小さくなり易い。一方、上記捲縮周期Lが、小さすぎると衣料としたとき風合いが硬くなる傾向がある。このため、上記捲縮周期Lは、0.3〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.5mmがよりこのましい。
【0022】
さらに本発明においては、特に捲縮曲率半径ρと捲縮周期Lが下記式を満足しているとき、乾燥状態と吸湿状態とにおける捲縮率変化が大きく、快適性に優れた衣料が得られることがわかった。
ρ≧0.25L+0.25
【0023】
本発明において、ポリアミド成分とポリエステル成分との繊維横断面における面積比は、ポリアミド成分/ポリエステル成分=30/70〜70/30が好ましく、40/60〜60/40がより好ましい。
【0024】
本発明の複合繊維の総繊度は特に限定されないが、衣料用素材として用いられる30〜200dtex、単繊度は1〜10dtexが好ましい。なお、必要に応じて交絡処理が施されていても良い。
【0025】
本発明のサイドバイサイド型三角断面繊維を得るには、複合紡糸口金の吐出孔部分の形状を工夫する必要がある。本発明者の検討によれば、吐出時のポリマー流の曲がり、ねじれなどを抑制するために、図2の如く、三角形の底辺部分を形成する吐出孔部分のスリット幅を大きく、頂点に向かう部分のスリット幅を小さくし、さらに頂点部分にポリマーが流れ難くなる現象を抑制するために頂点にスリット幅の約1.5倍の円形部分を設けることにより、安定した製糸捲取が可能になる。
【0026】
本発明の複合繊維は、例えば次の方法により製造することができる。すなわち、図2に示すような紡糸口金を用い、ポリエステル及びポリアミドの溶融ポリマーを吐出し、それらを溶融状態で接合し、これを冷却固化し、これを必要に応じて延伸することにより得ることができる。
【0027】
さらに、延伸を行う場合は、紡糸で得られ未延伸糸を一旦巻き取った後これを延伸、さらに必要に応じて熱処理を行う、いわゆる別延方式のほか、未延伸糸を一旦巻き取らないで延伸、さらに必要に応じて熱処理を行う、いわゆる直延方式のどちらの方法も採用することができる。上記紡糸における紡糸速度としては、例えば、通常採用されている1000〜3500m/分程度を採用することができる。また、延伸、熱処理は、延伸後の伸度が25〜50%、延伸後の沸騰水収縮率が5〜15%程度になるように条件を設定することが、捲縮の発現、製織編性などからは好ましい。
【0028】
本発明の複合繊維は、以上に述べた快適性を有し、しかもポリエステル成分とポリアミド成分が界面で剥離し難いため、過酷な状況で使用されやすいスポーツウェアーや、日常的に繰返し使用される下着などに好適に用いることができる。なお、スポーツウェアーとしては、例えば、サッカーシャツ、野球のアンダーシャツ、テニスウェア、ゴルフウェアなどが挙げることができる。その際、上記複合繊維を衣料の30%以上に用いることによって十分な快適性を得ることができる。
【実施例】
【0029】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
【0030】
(1)ポリアミドの固有粘度
m−クレゾールを溶媒として使用し30℃で測定した。
【0031】
(2)ポリエステルの固有粘度
【0032】
(3)偏平度
顕微鏡写真により単繊維の横断面を撮影し、三角断面の頂点から底辺への垂線の長さが最も長い部分の長さをaとし、底辺の頂点間距離をbとし、下記式により求めた。
偏平度=a/b
【0033】
(4)吸湿状態における捲縮率TCh(%)及び乾燥状態における捲縮率TCd(%)
複合繊維を長さ30cmのカセにとり、1.77×10−3cN/dtex(2mg/de)の荷重をかけて沸騰水中で30分間処理して捲縮を発現させ、次いで24時間自然乾燥を行い、吸湿状態及び乾燥状態におけるそれぞれの捲縮率を測定するためのサンプルを準備した。
【0034】
一方のサンプルを水中に30分間浸漬後これを取り出し、ろ紙で付着した水をふき取った後、10分以内に下記方法で捲縮率TCを測定し、これを吸湿状態における捲縮率TCh(%)とした。また、他方のサンプルは、温度100℃で10分間乾燥した後、10分以内に下記方法で捲縮率TCを測定し、これを乾燥状態における捲縮率TCd(%)とした。さらに、両者の差(TCd−TCh)を吸湿による複合繊維糸の変化率△TCとした。
【0035】
(捲縮率TCの測定方法)
捲縮率TCは、複合繊維を、温度25℃、湿度60℃の雰囲気下において、0.177cN/dtex(200mg/de)の荷重下で1分間放置した後の長さをL1とし、その後、1.77×10−3cN/dtex(2mg/de)の荷重下で1分間放置した後の長さをL2とし、次式より求めた。
捲縮率TC(%)=(L1−L2)/L1×100
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
【0036】
(5)強度(cN/dtex)、伸度(%)
繊維試料を気温25℃、湿度60%の恒温恒湿に保たれた部屋に一昼夜放置した後、サンプルの長さ100mmを(株)島津製作所製引っ張り試験機テンシロンにセットし、200mm/minの速度にて伸張し、破断時の強度、伸度を測定した。
【0037】
(6)沸水収縮率BWS(%)
JIS L1013 8.18 B法に準じて測定した。沸水温度はBoil状態とした。
【0038】
(7)界面剥離
複合繊維を筒編みし、カチオン染料にてボイル染色後120℃の高圧染色機中にて30分処理した後、この筒編みを解きほぐして繊維を取り出し、顕微鏡観察にてポリエステル成分とポリアミド成分の界面剥離の割合を調べた。剥離している単繊維数が全体の5%以下を合格とした。
【0039】
(8)快適性
繊維を132g/mのニットとし、これを任意に選んだ5人のひじとひざにつけ、1日過ごしてもらい、ベタツキ感、ムレ感を評価した。ベタツキ感、ムレ感のないものを、良好、これらがあるものを不良とした。
【0040】
[実施例1]
固有粘度[η]が1.2のナイロン6(Ny6)と、固有粘度[η]が0.38で3.0モル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸(SIP)を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレート(変性PET)とをそれぞれ270℃、290℃にて溶融し、図2の複合紡糸口金を用い、それぞれ12g/分の吐出量にて押出して接合しサイドバイサイド型複合繊維を形成し、冷却固化・油剤を付与したあと、糸状を速度1000m/分、温度60℃のローラーにて予熱し、ついで、速度3100m/分、温度150℃に加熱されたローラー間で延伸熱処理を行い巻き取って77dtex−24filの複合繊維を得た。得られた複合繊維の横断面は、図3の如く、偏平状の三角断面を呈し、偏平度は1.4であった。結果を表1に示す。
【0041】
[実施例2]
変性ポリエステルを、固有粘度[η]が0.38で4.5モル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレート(PET)の変更した以外は実施例1と同様にして複合繊維を得た。結果を表1に示す。
【0042】
[実施例3]
紡糸口金を変更し、偏平度を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして複合繊維を得た。結果を表1に示す。
【0043】
[実施例4、5]
ナイロン6と変性ポリエステルの紡糸口金からの吐出量を変更した以外は実施例1と同様にして、表1の変性ポリエステル/ナイロン6面積比を有する複合繊維を得た。結果を表1に示す。
【0044】
[比較例1]
特開2004−360094号公報の図2記載の口金を用いた以外は実施例1と同様にして複合繊維を得た。得られた複合繊維は中空部のない丸断面形状であった。結果を表1に示す。
【0045】
[比較例2]
変性ポリエステルを、固有粘度[η]が0.63の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合させていないポリエチレンテレフタレート(PET)の変更した以外は実施例1と同様にして複合繊維を得た。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、乾燥状態と吸湿状態における捲縮率の変化が大きく、これらの状態の変化に伴う目開きの変化が大きいため快適性に優れた衣料が得られ、かつ複合繊維を構成する成分間での剥離が起こりにくい感湿捲縮複合繊維を提供することができる。このため、過酷な状況で使用されやすいスポーツウェアーや、日常的に繰返し使用される下着などに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の感湿捲縮複合繊維の横断面の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の感湿捲縮複合繊維を製造するのに用いる紡糸口金の吐出孔の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の感湿捲縮複合繊維の横断面の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0049】
a 三角断面の頂点から底辺への垂線の長さにおいて最も長い部分の長さ
b 三角断面の底辺の頂点間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド成分とポリエステル成分とがサイドバイサイドに接合されている複合繊維であって、該ポリエステル成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が0.7〜5.0モル%共重合されている変成ポリエチレンテレフタレートであり、該複合繊維の横断面が偏平度1.3〜5.0である三角断面であることを特徴とする感湿捲縮複合繊維。
【請求項2】
乾燥状態と吸湿状態における複合繊維の捲縮率の差が15%以上である、請求項1記載の感湿捲縮複合繊維。
【請求項3】
繊維横断面において、ポリアミド成分が三角断面の底辺側に配され、ポリエステル成分が三角断面の頂点側に配されている、請求項1記載の感湿捲縮複合繊維。
【請求項4】
乾燥時の捲縮曲率半径ρと捲縮周期Lとの関係が下記式を満足する、請求項1記載の感湿捲縮複合繊維。
ρ≧0.25L+0.25
【請求項5】
請求項1記載の複合繊維を30重量%以上用いた布帛。
【請求項6】
請求項1記載の複合繊維を30重量%以上用いた衣料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−231453(P2007−231453A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54686(P2006−54686)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】