説明

感熱線及び機器の保護方法

【課題】電子・電気機器に接触させて取り付け、その機器の過熱で動作させる感熱線において、迅速に動作させ得る感熱線を提供する。
【解決手段】内部導体1上に感熱絶縁層2が設けられ、該感熱絶縁層2上に外部導体3が設けられ、該外部導体3上に保護被覆層4が設けられ、前記外部導体3の導体素線径dが保護被覆層4の厚みhに対し、d≦30hとされ、同厚みhと感熱絶縁層2の断面積Sとの積S・h(mm)がS・h≦14.0×10−3とされており、感熱線外部からの加熱に対する感熱絶縁層の昇温時定数を充分に大きくでき、被保護電子・電気機器の過熱開始後、速やかにその機器への給電を停止して機器を熱的に安全に保護できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感熱線及びその感熱線を使用して電子・電気機器を保護する方法に関し、例えば電池の熱的保護に有用である。
【背景技術】
【0002】
電子・電気機器においては、自己発熱による火災等に至る事故を未然に防止するために、電子・電気機器に温度ヒューズを取付け、当該機器が所定の危険温度に達したときに温度ヒューズを動作させてその機器への給電を遮断することが汎用されている。
しかしながら、多数箇を並設した電子・電気機器群を統括的に保護する場合、各電子・電気機器に温度ヒューズを取付け、これら温度ヒューズ相互間を電気的に接続することは配線作業上や保守上容易ではない。
そこで、導体間を所定融点の感熱絶縁層で絶縁した連続感熱線を前記複数箇の温度ヒューズを電気的に接続することに代えて使用し、この連続感熱線を電子・電気機器群に巻装することが考えられる。
【0003】
電気毛布や電気カーペットの分野では、分散した複数箇所にサーモスタットや温度ヒューズ等を配設する代りに、電気毛布等の熱源である発熱線の絶縁層に所定融点の感熱絶縁層を用い発熱線の何の箇所で異常発熱が生じても、その箇所での感熱絶縁層の溶融により発熱線の導体間を短絡させ、遮断手段、例えばヒューズを動作させて電気毛布への給電を停止することが行われている。(例えば、非特許文献1)
【非特許文献1】大竹 実,電子技術,第15卷第10号,P81〜83
【0004】
図5は電気毛布用の感熱発熱線を示し、ヒータ用の内部導体1’上に感熱絶縁層2’を設け、該感熱絶縁層2’上に信号用の外部導体3’を設け、該外部導体3’上に保護被覆層4’を設けてある。前記ヒータ用内部導体が異常昇温されると、その熱で感熱絶縁層が溶融されて内部導体と外部導体とが短絡され、その短絡電流によりヒューズ等の遮断手段が動作されて発熱線への給電が停止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記同軸型の感熱線を電子・電気機器に接触させてその電子・電気機器の発熱により作動させる過程を考察すると、感熱絶縁層が融解温度に加熱された後は、電子・電気機器からの熱が感熱絶縁層の融解に費やされ感熱絶縁層自体の温度は一定に保持され(融解温度に保持される)、感熱絶縁層の融解が終結した時点で作動が実質的に完了されるとみなし得る。
従って、感熱線の動作特性は感熱絶縁層の融解に要する時間で評価できる。
図6の(イ)は前記感熱線の熱の入出状態を示し、感熱絶縁層が融解温度Tに達したのちの電池の温度をT、電池から感熱絶縁層への熱伝達係数をλとすると、流入熱量ΔQin
ΔQin=λ(T−T)△t
で与えられ、流出熱量ΔQoutは、外部温度をT、放熱係数をαとすると、
ΔQout=α(T−T)△t
で与えられる。
感熱絶縁層の単位時間当たりの融解容積をΔV、融解熱量をβ、比重をρとすると、単位時間当たりの融解に費やされる熱量ΔQは
ΔQ=βρΔV
で与えられ、融解中の感熱絶縁層の外径をrとすると、
ΔV=2πrΔr
が成立し、更に熱平衡により
ΔQin−ΔQout=ΔQ
が成立するから、
λ(T−T)△t−α(T−T)△t=2πβρrΔr
が成立する。
今、感熱絶縁層が融解温度Tに達した時点をt=0、電池の温度TをT=pt+T(感熱絶縁層が融解温度に達した初期時点ではほぼ定常状態にある)、感熱絶縁層の外径をr、内径をrとすると、感熱絶縁層が融解するのに要する時間t、すなわち感熱絶縁層の外径がr→rになるのに要する時間tは、
pt/2=α(T−T)t+πβρ(r−r)/λ
を満たすtで与えられ、
π(r−r)が感熱絶縁層の断面積Sに等しく、電池から感熱絶縁層への熱差伝達係数λが感熱絶縁層の厚みhに対しλ=k/hの関係がある(kは定数)から、前式は
pt/2=α(T−T)t+kβρ・Sh
で表すことができる。
ここで、α(T−T)は単位時間当たりの放熱量であり、α(T−T)=Aとすると、前記融解に要する時間tは
図の(ロ)に示すように、
=pt/2とY=At+kβρ・Shとの正側交点のt値、tで与えられ、点線Y’で示すように単位時間当たりの放熱量Aを少にして斜線Yの勾配を低くする程、また感熱絶縁層の断面積Sと保護被覆層の厚みhとの積Shを小さくする程、融解に要する時間をtで示すように短くできる。
【0006】
しかしながら、電気毛布等に使用されている前記同軸型感熱線では、前記溶融時間が長く、かかる感熱線を被保護電子・電気機器に接触させて機器の過熱に基づく感熱絶縁層の溶融で内部導体と外部導体とを短絡させ、その短絡で遮断手段を動作させようとすると、機器の過熱継続時間が長くなり、機器の種類の如何によっては、例えば電池では爆裂に至る畏れがある。
【0007】
本発明の目的は、電子・電気機器に接触させて取り付け、その機器の過熱で動作させる感熱線において、迅速に動作させ得る感熱線及びこの感熱線を使用しての機器の保護方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る感熱線は、内部導体上に感熱絶縁層が設けられ、該感熱絶縁層上に外部導体が設けられ、該外部導体上に保護被覆層が設けられ、前記外部導体の導体素線径dが保護被覆層の厚みhに対し、d≦30hとされ、同厚みhと感熱絶縁層の断面積Sとの積S・h(mm)がS・h≦14.0×10−3とされていることを特徴とし、通常、感熱絶縁層の厚みは200μm以下、感熱線外径は1500μm以下、長さは0.05〜8mとされる。内部導体には鉄線、鋼線、銅被覆鉄線、銅被覆鋼線、ニッケル線、ステンレス線の何れかを使用することもできる。また、内部導体には、外側の導体占積率が内側の導体占積率よりも小とされた撚合線、または全体が扁平あるいは多角化された撚合線または単線を使用することもできる。
【0009】
本発明に係る機器の保護方法は、前記の感熱線を、被保護機器に曲げた状態で接触させ、被保護機器の異常昇温で感熱線の感熱絶縁層を溶融させ内部導体と外部導体とを電気的に短絡させて遮断手段をオフ動作させることを特徴とし、被保護機器を複数箇の電池とし、感熱線を電池群の周りまたは電池の間を縫って配設することができる。感熱絶縁層をその溶融点より低い温度に予熱しておくこともできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る同軸型感熱線では、保護被覆層の厚みhと感熱絶縁層の断面積Sとの積S・h(mm)をS・h≦2.0×10−3として充分に小さくしてあるから、更に外部導体の導体素線径dを前記厚みhに対しd≦30hとして充分に小さくし感熱絶縁層の熱が外部導体を伝って逃げ難くすることにより前記放熱量Aを充分に小さくしてあるから、感熱絶縁層の融解に要する時間を従来の同軸型感熱線に較べて著しく短くでき、それだけ迅速に電池からの給電を遮断して電池を熱的に安全に保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1の(イ)は本発明に係る感熱線の斜視図を、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図をそれぞれ示している。
図1において、1は内部導体であり、単線または撚合線を用いることができる。2は内部導体上に設けた感熱絶縁層であり、所定融点乃至は軟化点の熱可塑性樹脂を用いることができる。3は感熱絶縁層2上に設けた外部導体であり、導体素線の撚合層や導体素線の密巻層を用いることができる。4は外部導体3上に設けた保護被覆層であり、前記感熱絶縁層よりも高い融点乃至は軟化点の熱可塑性樹脂の押出被覆層またはテープ巻回層等を用いることができ、その厚みは200μm以下、好ましくは150μm以下とされている。
前記外部導体3の素線外径dは保護被覆層4の厚みhの30倍以下としてある。
この保護被覆層4の厚みh(mm)と感熱絶縁層2の断面積S(mm2)との積S・h(mm)は、14.0×10−3〜0.1×10−3としてある。
【0012】
本発明に係る感熱線は、電子・電気機器の外面、例えば電池の缶体外面に熱的に接触されて使用される。この場合、感熱絶縁層が電池からの熱で融解温度にまで加熱されたのち、それ以後の電池の発生熱で感熱絶縁層が温度上昇されることなく融解されていき、融解終結により感熱線の動作が完了される。
本発明に係る同軸型感熱線では、保護被覆層の厚みhと感熱絶縁層の断面積Sとの積S・h(mm)をS・h≦14.0×10−3として充分に小さくしてあるから、更に外部導体の導体素線径dを前記厚みhに対しd≦30hとして充分に小さくし感熱絶縁層の熱が外部導体を伝って逃げ難くすることにより前記放熱量Aを充分に小さくしてあるから、感熱絶縁層の融解に要する時間を従来の同軸型感熱線に較べて著しく短くでき、それだけ迅速に電池の給電を遮断して電池を熱的に安全に保護できる。
なお、S・hを小さくし過ぎると、保護被覆層の厚みhを5μm以上になし難く、従って保護被覆層の機械的強度不足が避けられないか、感熱絶縁層の厚みが薄くなり過ぎて内外導体間の耐電圧DC50vの保証が至難となるので、S・hは0.5×10−3以上とすることが好ましい。
【0013】
本発明に係る感熱線において、感熱絶縁層の厚みは200μm〜25μm、好ましくは100μm〜25μmとされ、保護被覆層の厚みは200μm〜5μm、好ましくは150μm〜5μmとされる。感熱線の外径は、通常700μm〜1200μmである。
【0014】
本発明に係る感熱線は、電子・電気機器に、例えば電池の缶体に一周未満の角度で沿わせたり、1回または2回以上巻き付けて使用することができる。
また、図2の(イ)に示すように並設した複数箇の電子・電気機器、例えば並設電池群の周りに感熱線wを巻回したり、図2の(ロ)に示すように電池の間を縫って感熱線wを配設したり、図2の(ハ)や(ニ)に示すように電池群の行間または列間を縫って感熱線wを配設して使用することもできる。
図2の例では、電池缶体(筒体)の周方向に感熱線を沿わせているが長手方向に沿わせるようにしてもよい。例えば、電池を二個並列・多段で密接して配設する場合、感熱線を電池間の谷に沿い電池の長手方向に向け延設し、電池端で反対側に廻したうえ反対側でも電池間の谷に沿い電池の長手方向に向け延設していくことを上段から下段に向け(または下段から上段に向け)繰り返していくこともできる。
【0015】
感熱線を機器に曲げ状態で接触させ、内部導体及び外部導体の曲げ反力を感熱絶縁層に支持させた状態とすると、感熱絶縁層が溶融乃至は軟化されたときにその曲げ反力を解放させて内外導体間の接触を加速でき、感熱線の動作を迅速化できる。従って、曲げ反力を大きくするために、内部導体に単線導体を使用したり、鉄線、鋼線、銅被覆鉄線、銅被覆鋼線、ニッケル線等の高弾性率導体を使用することが好ましい。
【0016】
内部導体を通常の撚線構造に対して図3に示すように外側部分の導体占積率を内側部分の導体占積率よりも小とした特別な撚線構造にしたり、または断面を扁平化或は多角化(例えば三角形)すれば、前記感熱絶縁層の断面積が同じでも、内外導体間の距離を局部的に短縮して短絡し易くできるので、有利である。
【0017】
本発明に係る感熱線においては、一端側の内部導体端部に端子を、他端側の外部導体端部に端子を予め取り付けておくこともできる。
【0018】
本発明に係る感熱線を用いて電子・電気機器、例えば並設電池群を異常過熱から保護するには、例えば、前記の図2の(イ)〜(ニ)に示すように電池群の電池相互間を縫って、または電池群の行間あるいは列間を縫って、または電池群に外接して感熱線を配設し、更に、図4に示すように、電池群の出力端oと負荷Zとの間に抵抗体付き温度ヒューズ6の温度ヒューズ61を接続し、電池群の出力端oを配設感熱線wの一端側の内部導体1に電気的に接続し、配設感熱線wの他端側の外部導体3を抵抗体付き温度ヒューズ6の抵抗体62の一端に接続し、抵抗体他端を接地しておく。
電池が異常昇温すると、電池の缶体と接触している感熱線部分の感熱絶縁層が溶融され、感熱線の内外導体間が短絡され、電池のために抵抗体付き温度ヒューズ6の抵抗体62が通電発熱され、その発生熱で抵抗体付き温度ヒューズ6の温度ヒューズ61が溶断動作される。
この例では、電池を負荷から遮断する手段に抵抗体付き温度ヒューズを使用しているが、感熱線の短絡で生じる外部導体の受電で通電遮断作動するものであれば、適宜のものを使用できる。
【0019】
本発明に係る機器の保護方法において、感熱絶縁層を予熱しておけば、それだけ早期に感熱絶縁層を融点乃至は軟化点に到達させて遮断時間を短縮できる。その感熱絶縁層の予熱手段としては、電池の缶体と内部導体とを熱的に導通し常時の電池熱で内部導体を加熱する方法、内部導体を通電発熱させる方法等がある。
【実施例1】
【0020】
表1に示すように、内部導体に450μmφの銅合金単線を、感熱絶縁層に厚み90μm,融解温度96℃のポリエチレン系樹脂層を、外部導体に外径130μmφ素線の10本掛け密巻層を、保護被覆層に厚み10μmの耐熱塩化ビニル樹脂層(耐熱温度110℃)をそれぞれ使用した。
従って、d(外部導体の導体素線径)=13h(h=保護被覆層の厚み)、S(感熱絶縁層の断面積mm)・h(保護被覆層の厚みm)=1.53×10−3(mm)である。
【実施例2】
【0021】
表1に示すように、内部導体に450μmφの銅合金単線を、感熱絶縁層に厚み70μm,融解温度96℃のポリエチレン系樹脂層を、外部導体に外径130μmφ素線の密巻層を、保護被覆層に厚み5μmの耐熱塩化ビニル樹脂層(耐熱温度110℃)をそれぞれ使用した。
従って、d(外部導体の導体素線径)=26h(h=保護被覆層の厚み)、S(感熱絶縁層の断面積)・h(保護被覆層の厚み)=0.57×10−3(mm)である。
【実施例3】
【0022】
表1に示すように、内部導体に450μmφの銅合金単線を、感熱絶縁層に厚み50μm,融解温度96℃のポリエチレン系樹脂層を、外部導体に外径130μmφ素線の密巻層を、保護被覆層に厚み5μmの耐熱塩化ビニル樹脂層(耐熱温度110℃)をそれぞれ使用した。
従って、d(外部導体の導体素線径)=26h(h=保護被覆層の厚み)、S(感熱絶縁層の断面積)・h(保護被覆層の厚み)=0.39×10−3(mm)である。
【実施例4】
【0023】
表1に示すように、内部導体に450μmφの銅合金単線を、感熱絶縁層に厚み30μm,融解温度96℃のポリエチレン系樹脂層を、外部導体に外径130μmφ素線の密巻層を、保護被覆層に厚み5μmの耐熱塩化ビニル樹脂層(耐熱温度110℃)をそれぞれ使用した。
従って、d(外部導体の導体素線径)=26h(h=保護被覆層の厚み)、S(感熱絶縁層の断面積)・h(保護被覆層の厚み)=0.23×10−3(mm)である。
【実施例5】
【0024】
表1に示すように、内部導体に450μmφの銅合金単線を、感熱絶縁層に厚み10μm,融解温度96℃のポリエチレン系樹脂層を、外部導体に外径130μmφ素線の密巻層を、保護被覆層に厚み10μmの耐熱塩化ビニル樹脂層(耐熱温度110℃)をそれぞれ使用した。
従って、d(外部導体の導体素線径)=13h(h=保護被覆層の厚み)、S(感熱絶縁層の断面積)・h(保護被覆層の厚み)=0.15×10−3(mm)である。
【表1】

【0025】
〔比較例〕
実施例1に対し、表2に示すように保護被覆層の厚みを100μmとした以外、実施例1に同じとした。
従って、d(外部導体の導体素線径)=1.3h(h=保護被覆層の厚み)、S(感熱絶縁層の断面積)・h(保護被覆層の厚み)=15.3×10−3(mm)である。
【0026】
【表2】

これらの実施例品及び比較例品の動作温度及び動作時間を次のようにして測定した。
電池用金属ケース(直径18mmφ、長さ68mm、材質ニッケル)内にヒータ線を挿入し、アルミナ粉末を充填して製作したヒータに各実施例品または比較例品を一回巻き付け、DC5.08vを内部導体側に課電し、ヒータを95℃に加熱し、この加熱時点を起点として5℃/1分の昇温速度で昇温し、内外導体間が短絡したときの時間(遮断時間)を測定した。
【0027】
それらの測定結果は表1及び表2に示す通りである。
比較例と実施例との対比から明らかなように、d(外部導体の素線径)/h(保護被覆層の厚み)を少にしても、S(感熱絶縁層の断面積)・h(保護被覆層の厚み)が大になると、電池に対する熱的保護を満足に行い得ないことが確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る感熱線を示す図面である。
【図2】本発明に係る感熱線の異なる配設パターンを示す図面である。
【図3】本発明に係る感熱線の内部導体の撚合構成の一例を示す図面である。
【図4】本発明に係る感熱線を使用しての電池の異常過熱に対する保護回路の一例を示す図面である。
【図5】電気毛布用の公知の感熱発熱線を示す図面である。
【図6】同軸型感熱線を機器に接触させて使用する場合の熱の入出状態及び感熱絶縁層の融解時間を示す図面である。
【符号の説明】
【0029】
1 内部導体
2 感熱絶縁層
3 外部導体
4 保護被覆層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部導体上に感熱絶縁層が設けられ、該感熱絶縁層上に外部導体が設けられ、該外部導体上に保護被覆層が設けられ、前記外部導体の導体素線径dが保護被覆層の厚みhに対し、d≦30hとされ、同厚みhと感熱絶縁層の断面積Sとの積S・h(mm)がS・h≦14.0×10−3とされていることを特徴とする感熱線。
【請求項2】
感熱絶縁層の厚みが200μm以下であり、感熱線外径が1500μm以下であるあることを特徴とする請求項1記載の感熱線。
【請求項3】
長さが0.05〜8mであることを特徴とする請求項1または2記載の感熱線。
【請求項4】
内部導体が鉄線、鋼線、銅被覆鉄線、銅被覆鋼線、ニッケル線、ステンレス線の何れかであることを特徴とする請求項1〜3何れか記載の感熱線。
【請求項5】
内部導体に、外側の導体占積率が内側の導体占積率よりも小とされた撚合線、または全体が扁平或るいは多角化された撚合線あるいは単線が使用されていることを特徴とする請求項1〜4何れか記載の感熱線。
【請求項6】
請求項1〜5何れか記載の感熱線を、被保護機器に曲げた状態で接触させ、被保護機器の異常昇温で感熱線の感熱絶縁層を溶融させ内部導体と外部導体とを電気的に短絡させて遮断手段をオフ動作させることを特徴とする機器の保護方法。
【請求項7】
被保護機器が複数箇の電池であり、感熱線を電池群の周りまたは電池の間を縫って配設することを特徴とする請求項6記載の機器の保護方法。
【請求項8】
感熱絶縁層をその溶融点より低い温度に予熱しておくことを特徴とする請求項6または7記載の機器の保護方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−190595(P2006−190595A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2275(P2005−2275)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000225337)内橋エステック株式会社 (115)
【Fターム(参考)】