説明

感覚器官的に許容されるイブプロフェン経口投与用製剤、該製剤の製法並びに使用法

【課題】イブプロフェンの欠点の1つは、多くの経口投与形態において許容性を制限しがちな、不快な、苦みを有することであり、この制限を緩和する方法として、風味剤及び/または甘味剤で苦みをマスク或いは経口投与の間、味蕾と接触することを妨げる物質でイブプロフェンを被覆すること以外の方法で苦みをマスクする方法の提供。
【解決手段】イブプロフェンとマスキング成分例えば、冷却剤、有機酸及びシクロデキストリンを1種以上含む製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イブプロフェンの感覚器官的に許容される固形経口投与製剤及びその製法並びに使用法に関する。
米国特許法 35 U.S.C. § 119 (e)の規定に基づき、本願は2005年11月2日出願の米国仮特許出願 Serial No. 60/733,127の優先権、並びに2006年6月1日出願の米国仮特許出願 Serial No. 60/810,417の優先権を主張し、かつそこでの開示を引例としてここに合体される。
【背景技術】
【0002】
咽喉炎、喉頭炎、口や喉の潰瘍、過剰粘液及び口や喉の刺激が、典型的に通常の風邪、インフルエンザ及び病気などに付随する。薬局店頭で入手可能な薬品を含めて、種々の異なった薬品がこの種のタイプの病気を治療するために開発されてきた。そのような薬品にはジクロニン(Dyclonine)口内錠(例えばSUCRETSTMの名で市販されている); ベンゾカイン+メントール 口内錠(例えばCEPACOLTMの名で市販されている); メントール 口内錠(例えばVICKSTMの名で市販されている); 及びアスピリン含有チューインガム(例えばASPERGUMTM の名で市販されている)。
【0003】
イブプロフェン (2-(p-イソブチルフェニル)プロピオン酸)は鎮痛、解熱作用を有することで知られている非ステロイド性消炎剤(NSAID)である。イブプロフェンは、発熱の減少のみならず、通常の風邪、歯痛、頭痛、背痛、月経困難(Dysmennorhea)、月経開始前症候群に伴う筋肉痛、リウマチ性関節炎、骨関節炎を含む種々の病気に伴う痛と炎症の治療に有用である。
【0004】
従って、他のNSAIDsのように、イブプロフェンは、軽度の及び慢性の双方の炎症に伴う痛の治療のための、処方箋薬及び薬局店頭製剤の形で広く使用されてきた。しかし、その欠点の1つはイブプロフェンが多くの経口投与形態において許容性を制限しがちな、不快な、苦みを有することである。この制限を緩和する方法は、風味剤及び/または甘味剤で苦みをマスク或いは経口投与の間、味蕾と接触することを妨げる物質でイブプロフェンを被覆することによって苦みをマスクする試みを含んできた。例えば、薬局店頭で一般に入手しうるイブプロフェン製剤には経口シュガーシロップ形態のイブプロフェン懸濁液である。
特許文献2にはイブプロフェン含有ローゼンジ(口内錠)及びそれらによる咽喉炎の治療への使用が開示されている。イブプロフェン活性剤の苦みをなくし、そしてそれにより感覚器官的に許容される口内錠を作製するために、そこに開示の口内錠製剤は、マスキング剤として、十分量のシクロデキストリン(例えば、イブプロフェンの少なくとも2倍量のシクロデキストリン)を含んでいる。
シクロデキストリンが相対的に高コストであるため、新たな感覚器官的に許容される経口イブプロフェン製剤、例えば、仮にあるとして、特許文献2に教示のシクロデキストリンよりも少量のシクロデキストリンが存する製剤の開発に興味が持たれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62-298528号公報
【特許文献2】特開平4-26618号公報
【特許文献3】米国特許第5,024,997号
【特許文献4】米国特許第5,055,461号
【特許文献5】米国特許第5,780,046号
【特許文献6】米国特許第6,166,083号
【特許文献7】米国特許第6,194,003号
【特許文献8】米国特許第6,517,870号
【特許文献9】米国特許第6,616,083号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Breslin et al., Chem. Senses (2001) 26: 55-65; Hahn, Int. J. Clin. Pharm. Res. VI(1) 81-86 (1986)
【非特許文献2】Schactel et al., Clin. Pharmacol. Ther. (1988) 44: 704-711
【非特許文献3】Wilson et al., Drugs made in Germany 38, No.3 (1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の要約)
イブプロフェンの感覚器官的に許容される固形経口投与製剤、該製剤の作成法並びに使用法が提供される。主題の製剤の特徴はそれらがイブプロフェンとマスキング成分を含有することにある。ある具体例において、マスキング成分が1種以上の冷却剤、有機酸及びシクロデキストリンを含む。主題の発明は種々の適用への使用の知見に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
詳細な記述
イブプロフェンの感覚器官的に許容される固形経口投与製剤及びその製法並びに使用法が提供される。主題の製剤の特徴はイブプロフェンとマスキング成分を含有することにある。ある事例では、該マスキング成分は1種以上の冷却剤、有機酸及びシクロデキストリンを含有する。主題の発明は、種々の適用への使用の知見である。
【0009】
本発明につき、より詳細に記述する前に、本発明は記載の特定の具体例に限定されるものでなく、勿論変形を含むものと理解されるべきである。本発明の範囲は添付の請求項のみによって制限されるものであるから、ここで使用されている用語は、特定の具体例のみの記述のためであり、制限するためのものでないと、また理解されるべきである。
ある値の範囲が示されている場合、その間に存在する値のそれぞれ(その範囲の上限と下限との間において、文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、下限の1/10の単位にまで)、及び、その言及された範囲における任意の他の言及された値または間に存在する値は本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は独立してそれらのより小さい範囲に含まれうる。従って、そのような実施形態もまた本発明に包含される。しかし、そのような実施形態は、言及された範囲における何らかの特に含まれない限界に依存する。言及された範囲が上限、下限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる上限、下限のいずれかまたは両方を含まない範囲もまた、本範囲において含まれる。
【0010】
他に規定がなければ、ここで使用された全ての技術的、科学的用語は本発明が属する当業者によって共通的に理解される意味と同じ意味を有する。ここに記載した方法、材料と類似または均等なそれらは、また、本発明の実施または試験に使用されうるが、代表的例示の方法、材料を目下記載する。
本願で述べた全ての刊行物または特許は、あたかも引例により合体されると特別に、個々に示したかの如く、そして刊行物が引用された関連の方法及び/または材料を開示、記載するために引例によって、ここに合体したかの如く、それに関連してその刊行物が引用された関連の方法及び/または材料を開示、記載する。刊行物の引用は本願の出願日前の単なる開示を提供するものでが、本発明が先発明の特典によりそのような刊行物に先行する権利を放棄したものであることを容認するものでない。更に、提供された刊行物の日付は現実の刊行日と異なるかもしれず、ここに確認される必要があるかもしれない。
【0011】
本文及び請求項で使用されている如く、単数形、“a”、“an”、及び“the”は、文脈が明確に他のことを指示していなければ、複数対象物を含む。請求項がいかなる任意の要素を除外するよう起案されているかもしれないことが更に注意される。従って、この記述はクレーム要素の列挙に関連して、“solely”、“only”等の排他的用語の使用、または“negative”限定の使用のための先行基礎として、使用されると意図される。
【0012】
本開示を読むとき当業者にとって明らかな様に、ここに記載のあるいは例示の個々の具体例は、本発明の範囲あるいは精神から逸脱することなく、他のいくつかの具体例の特徴と容易に分離あるいは結合しうる別個の構成及び特徴を有する。ここに挙げた方法は、事象の挙げた順番のみならず、論理的に可能な挙げた事象のいかなる順番で実施してもよい。
上記にレビューしたように、本発明は感覚器官的に許容されるイブプロフェンの経口固形投与製剤並びにその製法と使用法を提供する。より詳細に発明の代表的事例を更に記述するに際して、感覚器官的に許容される製剤がまずより詳細にレビューされ、次いで製剤の製法のプロトコルのレビューと製剤が使用に関する知見である代表的適用のレビューを行う。
感覚器官的に許容されるイブプロフェン固形経口投与製剤
【0013】
上記に要約したとおり、主題の発明は感覚器官的に許容されるイブプロフェン経口固形投与製剤を提供する。該製剤は感覚器官的に許容されるので、それらは被投薬者の口の味覚受容体と接触され、そして被投薬者の感覚、特に味覚感覚に一般的に受け入れられると考えられる。より具体的には本発明の感覚器官的に許容される製剤は、イブプロフェンの不快な、苦い味が十分にマスクされている固形経口製剤である。特に下記の実験の項で報告されている評価プロトコルを使用するとき、組成物のスコアが1かそれ以下、例えば、−2を含む−1かそれ以下のような0かそれ以下ならば、イブプロフェンの不快な、苦い味が完全にマスクされているとみなされる。
【0014】
普通の意味で、主題の製剤はイブプロフェン製剤に限定されず、その代わり、プロピオン酸誘導体製剤として考えられる。プロピオン酸誘導体は鎮痛化合物としてよく知られている。ここで使用されるプロピオン酸誘導体には限定的でなく、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン(benoxaprofen)、ナプロキセンナトリウム(naproxen sodium)、フルビプロフェン(flurbiprofen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、フェノブプロフェン(fenbuprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、インドプロフェン(indoprofen)、ピルプロフェン(pirprofen)、カプロフェン(carpofen)、オキサプロフェン(oxaprofen)、プロノプロフェン(pranoprofen)、ミクロプロフェン(microprofen)、チオキサプロフェン(tioxaprofen)、スプロプロフェン(suproprofen)、アルミノフェン(alminoprofen)、チアプロフェン酸(tiaprofenic acid)、フルプロフェン(fluprofen)及びブクロキシック酸を含むと理解されるべきである。その構造式はU.S. Pat. No. 4,923,898に開示されており、ここに引例として合体される。ここに定義されるプロピオン酸誘導体は、遊離の-CH(CH3)COOHまたは-CH2CH2COOH、或いは-CH(CH3)COO-Na+やCH2CH2COO-Na+などの薬学的に許容される塩を有し、それらが芳香環に典型的には直接かカルボニル基を介して結合している、薬学的に許容される鎮痛剤/非ステロイド性消炎剤として定義される。
【0015】
記載の簡略と容易さのために、本発明はイブプロフェン製剤事例の用語でまず、ここに記載される。従ってこれらの代表的イブプロフェン製剤事例の主題の剤形にはイブプロフェンの有効量を含有している。イブプロフェンは広く使用され、よく知られた非ステロイド性消炎性プロピオン酸誘導体である。イブプロフェンは化学的に2-(4-イソブチルフェニル)-プロピオン酸として知られている。ここに使用のイブプロフェンには2-(4-イソブチルフェニル)-プロピオン酸及びその薬学的に許容される塩が含まれると理解されるべきである。好ましいイブプロフェン塩には、U.S. Pat. No. 4,279,926、4,873,231、5,424,075及び5,510,385に記載(これらの要部が引用として合体される)のアルギニン、リジン、ヒスチジン、及びその他の塩が挙げられる。イブプロフェン活性剤はラセミ混合物、あるいはS(+)またはR(-)イブプロフェンステレオアイソマー等のステレオアイソマーとして存在してもよいと理解されるべきである。
【0016】
主題の製剤に含まれるイブプロフェンの量は、それが本製剤の意図した目的を達成するに有効である限り、例えば、下記に更にレビューするように、必要としている主体に咽喉炎疼痛緩和を提供するに有効である限り、変更される。代表的事例においては、該製剤に含まれるイブプロフェンの量は、約50〜約200mgを含む約20〜約400mgのような約5〜約600mgの範囲である。
イブプロフェン活性剤に加えて、主題の製剤は、またマスキング成分を含む。マスキング成分とは、イブプロフェンの苦みを十分にマスクし、感覚器官的に許容される製剤を提供する1種以上の剤からなる成分を意味する。代表的事例では、マスキング成分は1種以上の冷却剤、有機酸及びシクロデキストリンから構成される。ある事例では、該マスキング成分には、全て3種の冷却剤、有機酸及びシクロデキストリンを含む、2種以上の冷却剤、有機酸及びシクロデキストリンを含む。
【0017】
従って、主題の発明のある事例では、1種以上の冷却剤を含む。「冷却剤」とは、主体の皮膚に接触させると、主体に冷却感、或いは冷却効果を与える剤を意味する。冷却剤は種々の物質から選ばれる。それらの物質の中からカルボキサミド類、メントール、ケタール類、ジオール類及びそれらの混合物が含まれる。ある事例では、冷却剤はアクリル酸アミドで、代表的アクリル酸アミドは下記式で示される化合物を含む:

【0018】
但し、R1、R2及びR3はそれぞれC1-C5 アルキルであり、これらは合わせて、炭素数5から10等の少なくとも合計5の炭素数を表し、R'はC1-C5 アルキル、C1-C8 ヒドロキシアルキルまたは炭素数8までのアルキルカルボキシアルキルを表す。R1の具体例は、メチル、エチルまたはn-プロピル、及びR2及びR3の双方或いは1つが*印を付した炭素原子のalphaまたはbeta位で分枝している。代表的事例において、冷却剤はN,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタナミド(またWS-23として公知; CAS # 51115-67-4)である。上記の化合物はいかなる好都合なプロトコルを用いて製造でき、代表的プロトコルはU.S. Patent No. 4,296,255に記載されている。他の代表的好ましい冷却剤としては、限定的でなく、リナロール(linalool)、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラル(hydroxycitronellal)、シクロヘキサンカルボキサミド、N-エチル-5-メチル-2-(1-メチルエチル)(またWS-3として公知; CAS # (39711-79-0)、Flescolat MGA (Haarman & Reimer)、Frescolat ML (Haarmann & Reimer)、PMD38 (Takasago)、CoolactP (Takasago)及びCooling Agent 10 (Takasago)が挙げられる。更なる好ましい冷却剤はメントール、3-1-メトキシプロパン-1,2-ジオール(Takasago製のTK-10として公知; メントール類及びメンチル類(ここで使用されるこれらはd体、l体及びそれらのラセミ混合物も含む)からなる群から選ばれる。TK-10はAmanoらのU.S. Pat. No. 4,459,425(1984年7月10か発行)に記載されている。WS-3及び他の成分はWatsonらのU.S. Pat. No. 4,136,163(1979年1月23日発行)に記載されている。これらの開示は、ペパーミント油やスペアミント油などのような種々の油と同様にここにレファレンスとして合体される。
【0019】
製剤に存する冷却剤の量はイブプロフェンの苦みをマスク或いは隠すに十分量である(例えば、該マスキング成分により、或いは他のマスキング成分との併用により)そしてそれにより製剤を感覚器官的に許容されるものに作製される。代表的事例において、イブプロフェンの含量を基準として、製剤中に存在するイブプロフェンに対する冷却剤の割合は、約0.5から約1を含む約0.5から約1.5等の約0.25から約2の範囲である。
該マスキング成分はまたアミノ酸を含む一種以上の有機酸を含む。好ましい有機酸は、限定的でなく、グリコール酸、乳酸、メチル乳酸、例えばリンゴ酸、クエン酸、タルトロン酸、酒石酸、コハク酸などのポリカルボン酸、好ましいアミノ酸は限定的でなく、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、リジン、5-ヒドロキシリジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、プロリン、ホモシステイン、ホモシスチン、ホモセリン、オルニチン、シトルリン、クレアチン、asparaginic acid、3-アミノプロパン酸、テアニン(theanine)、2-アミノブタン酸、4-アミノブタン酸、2-アミノ-2-メチルプロパン酸、2-メチルl-3-アミノプロパン酸、2,6-アミノピメリン酸、2-アミノ-3-フェニルブタン酸、フェニルグリシン、カナバニン(canavanine)、カナリン(canaline)、4-ヒドロキシアルギニン、4-ヒドロキシオルニチン、ホモアルギニン、4-ヒドロキシホモアルギニン(hydroxyhomoarginine)、β−リジン、2、4-ジアミノブタン酸、2,3-ジアミノプロパン酸、2-メチルセリン、3-フェニルセリン ベタイン、タウリン、システインスルフィン酸(cysteinesulfinic acid)、メチオニンスルホキサイド及びメチオニンスルホンなどのS−含有アミノ酸である。
【0020】
製剤に存するマスキング成分としての有機酸(アミノ酸を含めて)の量はイブプロフェンの苦みをマスク或いは隠すに十分量である(例えば、該マスキング成分により、或いは他のマスキング成分との併用により)そしてそれにより製剤を感覚器官的に許容されるものに作製される。代表的事例において、イブプロフェンの含量を基準として、製剤中に存在するイブプロフェンに対する有機酸の割合は、約1から約2を含む約1から約3などの約0.5から約4の範囲である。
【0021】
代表的事例において、該マスキング成分はシクロデキストリンを含む。シクロデキストリンには手頃なシクロデキストリンあるいはα-、β-またはγ-シクロデキストリンを含むシクロデキストリンの混合物である。代表的事例では、シクロデキストリンはβ-シクロデキストリンである。本発明の事例の特徴は、存在する場合、該製剤中のシクロデキストリンの全量は、massに換算して該製剤中のイブプロフェンの約1倍量以下を含め、イブプロフェン活性剤の約1.5倍量以下などのイブプロフェン活性剤の約2倍以下である。
上に要約したように、主題の製剤は経口的に許容される固形製剤である。固形製剤は沢山の異なる剤形で存在し、代表的剤形は、限定的でなく口内錠、トローチ、錠剤、ガーグル、スプレイのような液剤及びガムである。ここで使用される「口内錠“lozenge”」は活性剤を含有するシュガー基剤或いはシュガーアルコール基剤(例えばソルビトール)の溶かした塊を冷却することにより形成される全ての投与形態を含むと意図される。ここで使用される「錠剤“tablet”」は、圧縮した散剤、顆粒、或いは圧縮ペーストから作製される単一用量剤形を包含すると意図される。固形投与剤形は口内錠、トローチ、錠剤、カプセル、チュイングガムの製造に当業界で公知の方法で作成され、酸調節剤、乳化剤、安定化剤、緩衝剤、香料、甘味剤、着色剤、保存剤などのそのような投与剤形に公知の他の成分を含有させてもよい。
【0022】
例えば、本発明の固形製剤は口内錠の基剤(例えばシュガーと液体ブドウ糖の混合物)を真空で加熱し、過剰の水分を除去して口内錠として作製される。残余の成分を混合し混合物とする。生じた混合物を連続した円柱状の塊とし、それから個々の口内錠が形成される。その口内錠は冷却され、目でチェックを受け、適当な容器にパックされる。適切な包装の1つは、アルミニウムホイルなどの金属で閉鎖された水不浸透のプラスチック材(例えばポリビニルクロライド)からなる発砲性パックである。患者はブリスターに圧力かけ、口内錠を移動させ、口内錠を破裂させ、金属ホイルシールを通過させる。口内錠は通常患者により吸い込まれ、イブプロフェンを放出させる。所望により、エタノールがイブプロフェン、メントール、WS-23、及びWS-3を溶解させるため使用されうる。
トローチの作製に関しては、湿潤顆粒法が通常使用され、打錠用の顆粒を作製し、トローチ剤形に作製される。エタノールが必要に応じ、イブプロフェン、メントール、WS-23、及びWS-3を溶解させるために使用されうる。顆粒化後、湿潤顆粒が乾燥され、滑沢剤と混合し、最後に打錠され、トローチとする。
【0023】
咀嚼しうる固形投与剤形は、咀嚼キャンデーやチュイングガムを製造するに使用される方法で作製される。例えば、咀嚼しうる固形投与剤形はシュガーシロップの押出し混合物から作製され、それにイブプロフェン及び必要に応じて、泡立ち剤、保湿剤、滑沢剤、香料及び着色剤を加えられる(Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Volume 1, Second Edition edited by H A Lieberman, L Lachman and J B Schwartz published in 1989参照)。
【0024】
従って、種々の異なった固形投与製剤が本発明により提供される。更に固形投与製剤が常法で容易に作製されるので、その製剤用に特別な手順を必要としない。例えば、味マスキング剤、希釈剤、結合剤または他の適当な添加剤がイブプロフェンに添加され、それに必要に応じ、水または有機溶媒が加えられ、そして均等に混合され、圧縮或いは造粒され、そして滑沢剤と混合され、圧縮される。希釈剤として、シュガーが主に使用され、白糖、粉糖、ラクトース、フラクトース、スターチシロップ、還元麦芽糖、D-マンニトール、D-ソルビトール及びブドウ糖などの1種以上が使用される。結合剤にはポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トウモロコシ澱粉、ゼラチン及びアラビヤガムが使用される。滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、タルク、蔗糖脂肪酸エステル等が適切に選択され、使用される。
多くの事例において、製造方法は、活性成分とマスキング成分を含有する中間組成物を製造する最初の工程とついでその中間組成物から経口投与剤形を製造する第2の工程を含むことを特徴としうる。
【0025】
主題の製剤を使用する方法
主題の感覚器官的に許容されるイブプロフェン固形経口投与製剤はそれを必要としている主体、特に主体の咽喉頭(例えば喉)部位にイブプロフェンを配送適用の使用の知見である。本発明を実施する場合、該用量が例えば本人または介護士により主体の口に置かれ、その際に主体が口中に製剤を維持し、所望の利益を享受する。その際の維持とは広く使用され、製剤のタイプによるが、吸い込み、咀嚼などを含む。この様にして、唾液または口腔で溶解されたイブプロフェンの直接の作用は、例えば喉頭炎の治療のために、粘膜上で発揮される。
【0026】
主題の方法を実施する際には、製剤は定められた期間、例えば病状、例えば炎症の経過により、単回或いは複数回投与され、その場合にその期間複数回投与されるときの投与スケジュールは時間毎、日毎などである。
上記の製剤及び方法は、イブプロフェンの主体への投与、殊に主体の咽喉頭への投与が望ましいいかなる適用への使用の知見である。他の適用において、ここに述べた主題の方法は、例えば咽喉炎、しわがれ声等のこの適用の導入項でレビューした病状を含め、炎症、痛みなどの治療に有効である。
【0027】
一般的にはそのような主体は、“哺乳動物”または“哺乳類”であり、これらの用語は広義に使用され、食肉目(犬、猫など)、齧歯類(マウス、モルモットモ、ラッテなど)、霊長類(例えばヒト、チンパンジー、サル)を含む哺乳類綱に属する有機体を表す。多くの事例ではホストはヒトである。
代表的事例において、主題の方法は、咽喉炎の治療に使用の知見である。なお他の事例では、主題の方法は、例えば、演説、歌唱などの長期間の声を使用することから生じるしわがれ声の治療に使用の知見である。治療(treatment)とは、少なくともホストを悩ませている痛みの改善を意味し、その際の改善(amelioration)とは痛みの程度の少なくとも減少に関する広い意味で使用される。従って治療はまた、最早痛みから解放されるような、発作の停止、中止、終了などの痛みが完全に阻止される状態も含む。従って、治療(treatment)は、例えば咽喉頭の痛みの治療(cure)と制御の双方を意味する。
【0028】
キット
主題のキットが、少なくとも1個以上、例えば上記のような感覚器官的に許容される経口投与製剤の複数を含むキットも提供される。
キット中の主題の製剤は、パッケージの中にあってもよい。キットの製剤は使用まで製剤の組成物を保管するために、個々のポーチ又はそれに類した物に入れてもよい。
主題のキットはまた、如何に製剤を使用するかの指示書を含んでもよい。その指示書は、代表的には製剤の投与方法や投与スケジュールなどを含む。その指示書は適切な記録媒体上に記録されうる。その指示書は例えば、紙あるいはプラスチックのような代替物に印刷されてよい。従って、その指示は、容器挿入物として、キットの中、キットの容器のラベルの中に、あるいはその部品の中(即ち、容器またはサブ容器と共に)などに存在してもよい。他の態様においては、指示は、CD−ROM、デスケットなどの適当なコンピュターで読み取り可能な貯蔵媒体に存する電子貯蔵データとして存在する。
【実施例】
【0029】
以下の実施の例、比較の例は例示であって、限定を目的としたものでない。
1.実施例1
1.0gのイブプロフェン及び0.5gのl-メントールを2mlのエタノールに溶解後、生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加え、生じた組成物をよく捏ねた。室温で1夜乾燥後モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用の型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ20個(36.4mg のイブプロフェン、18.2mgのl-メントール)を作製した。
【0030】
2.実施例2
1.0gのイブプロフェン及び0.5gのWS-23 (市販の冷却剤; N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタナミド; Millennium Specialty Chemicalsから)を2mlのエタノールに溶解し、生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を室温で1晩乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで生じた細粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ20個を得た(36.4mg のイブプロフェン、18.2mgのWS-23)。
【0031】
3.実施例3
1.0gのイブプロフェン及び0.5gのWS-3 (市販の冷却剤;シクロヘキサンカルボキサマイド, N-エチル-5-メチル-2-(1−メチルエチル); Millennium Specialty Chemicalsから)を2mlのエタノールに溶解し、生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を室温で1晩乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで生じた細粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ20個を得た(36.4mgのイブプロフェン、18.2mgのWS-3)。
【0032】
4.実施例4
1.0gのイブプロフェンを2mlのエタノールに、そして1.0gのクエン酸を1mlの精製水にそれぞれ溶かした。両液を合し、ボルテックスミキサー(vortex mixer)を用いてよく混合した。生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を5日間減圧下50℃で乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで生じた細粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ25個を得た(33.3mg のイブプロフェン、33.3mgのクエン酸)。
【0033】
5.実施例5
1.0gのイブプロフェンを2mlのエタノールに、そして1.0gのリンゴ酸を1mlの精製水にそれぞれ溶かした。両液を合しボルテックスミキサーを用いてよく混合した。生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を7日間減圧下50℃で乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで生じた細粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ25個を得た(33.3mgのイブプロフェン、33.3mgのリンゴ酸)。
【0034】
6.実施例6
1.0gのイブプロフェンを2mlのエタノールに、そして1.0gのグルタミン酸を1mlの精製水にそれぞれ溶かした。両液を合しボルテックスミキサーを用いてよく混合した。生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を室温で1晩乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで生じた細粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ25個を得た(33.3mgのイブプロフェン、33.3mgのグルタミン酸)。
【0035】
7.実施例7
1.0gのイブプロフェンを2mlのエタノールに、そして1.0gのタウリンを1mlの精製水にそれぞれ溶かした。両液を合しボルテックスミキサーを用いてよく混合した。生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を7日間減圧下50℃で乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで生じた細粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ25個を得た(33.3mg のイブプロフェン、33.3mgのタウリン)。
【0036】
8.実施例8
3.0gのイブプロフェンを4mlのエタノールに溶かし、3.0gのβ−シクロデキストリンを2mlの精製水と共にモーター中で捏ねた。イブプロフェン溶液をモーター中のbeta-シクロデキストリン組成物に加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を室温で1晩乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで生じた細粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量80mgのトローチ60個を得た(40mgのイブプロフェン、40mgのβ−シクロデキストリン)。
【0037】
9.実施例9 (比較例として)
1.0gのイブプロフェンを2mlのエタノールに溶かし、そして1mlの精製水を加えた。生じた溶液をモーター中の4gのD-ソルビトールに加えた。生じた混合物をよく捏ねた後、混合物を50-60℃で1晩乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、ついで0.1gのタルクと10秒間混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ20個を得た(40mgのイブプロフェン)。
【0038】
10.試験例: イブプロフェンの許容し難い刺激感を減少させる効果
(方法) イブプロフェンの不愉快な刺激感は実施例1−8と比較例としての実施例9の方法で作製したイブプロフェントローチを用いて、パネリストで試験した。
(結果) Table 1に示すように、イブプロフェンの不快な刺激感は以下の成分を加えることにより減少することが確認される。
l-メントール、WS-23、WS-3、クエン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、タウリン及びβ−シクロデキストリン。
【0039】
【表1】

【0040】
主題のイブプロフェントローチ(5mg及び10mg)が8人のボランチアにおいて疼痛緩和効果を示し、そして10mgのトローチの方がよりよい結果を示し、平4−26618の他の製剤で観察された結果に類似することが見られた。
上に示した如く、上にリストした成分を更に含有する、口内錠、トローチ、ガムなどのイブプロフェン含有固形投与製剤は口腔粘膜及び咽頭粘膜に直接に作用して、咽喉頭における炎症や疼痛を緩和しうる。単位当たりのイブプロフェンの量はOTCの経口剤の量よりも少なく、該製剤は安全で副作用がないことが確認されている。
【0041】
11.試験例: イブプロフェントローチの刺激感のマスキング効果のみならず、咽喉炎の緩和効果
(方法) 以下のようにして作製されたイブプロフェントローチを用い、咽喉炎の緩和効果をボランテアにおいて評価した:
実施例10
1.0gのイブプロフェンを2mlのエタノールに溶かし、そしてモーター中で1.0gのβ−シクロデキストリンを0.5 mlの精製水で捏ねた。イブプロフェン溶液をモーター中のβ−シクロデキストリン組成物に加えた。得られた混合物をよく捏ねた。その後、混合物を室温で1晩乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、イブプロフェン/β−シクロデキストリン顆粒を作製した。
0.5gのl-メントールを2mlのエタノールに溶解し、そして2.5gのD-ソルビトールをモーター中で1mlの精製水と捏ねた。そのl-メントール溶液をモーター中でのD-ソルビトール組成物に加えた。生じた組成物をよく捏ねた。その後、混合物を室温で1晩乾燥し、モーターで粉砕し、0.5mm穴の篩で篩いにかけ、l-メントール/D-ソルビトール顆粒を作製した。
【0042】
ついで、イブプロフェン/β−シクロデキストリン顆粒とl-メントール/D-ソルビトール顆粒を0.1gのステアリン酸マグネシウムと10秒間よく混合した。得られた顆粒を錠剤用型(直径13mm、1.5−2.0トンの圧、20秒間)に押し込み、1個あたりの重量200mgのトローチ25個を得た(40mgのイブプロフェン、40mgのβ−シクロデキストリン、20mgのl-メントール)。
【0043】
(結果)
Table 2に示すように、イブプロフェントローチは咽喉炎の緩和によく作用し、かつイブプロフェンの刺激感はこの製剤を適用することにより減少したことが確認された。
【表2】

【0044】
主題の発明は感覚器官的に許容され、そして製造に経済的である重要な新規経口イブプロフェン製剤を提供することは上記結果及び議論から明らかである。従って、主題の発明は当該分野に多大な貢献するものである。
上記の発明が理解を明確にするために、例示や実施例である程度詳細に記載しているが、添付の請求項の精神または範囲内で、ある程度の変更や修正が可能であることは、本発明の教示にてらし、当業者にとって自明である。
したがって、前述は単なる発明の原理を例示している。当業者が、ここに明らかに記載或いは示されていなくても、発明の原理を具現し、そしてその精神及び範囲に含まれる種々の変形を考案しうることは理解されるであろう。ここに列挙した全ての例示及び条件付き用語は原則的には、発明の原理と技術を助長すべく発明者により貢献された概念を理解するために読者を手助けすることを意図されており、そしてそのような特定的に列挙した例示及び条件に限定されないと理解されるべきである。更に発明の特定の例示のみならず、発明の原理、形態及び具体例を列挙した全ての記述は構造的、機能的均等の両者を含むと意図されている。更にそのような均等は現在の均等及び将来展開される均等を含み、即ち構造に関係なく同じ機能を達成すると展開される要素を含む。従って本発明の範囲は、ここに示され、記載の具体的事例に限定されるものではなく、むしろ本発明の範囲及び精神は、添付の請求項によって具現されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イブプロフェンの感覚器官的に許容される固形経口製剤であって、
ラセミイブプロフェン、(i)該イブプロフェンに対する有機酸の割合が1〜2の範囲である有機酸および(ii)該イブプロフェンに対する冷却剤の割合が0.25〜2の範囲である冷却剤の少なくとも1を含有するマスキング成分、および滑沢剤を含有し、該イブプロフェンの2倍以上のシクロデキストリンを含有しない、該イブプロフェンの配送が持続する間、主体の口の中で維持されるように製剤化された口内錠またはトローチである製剤。
【請求項2】
マスキング成分が冷却剤である請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
冷却剤がl-メントール、dl-メントール、WS-23 (N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタナミド)、WS-3(シクロヘキサンカルボキサミド、N-エチル-5-メチル-2-(1-メチルエチル))、ペパーミント油及びスペアミント油から選択される請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
マスキング成分が有機酸を含有する請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
有機酸がアスパラギン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、タウリン、酒石酸及びコハク酸から選ばれる請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
マスキング成分がシクロデキストリンを含有する請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
マスキング成分が2種以上の冷却剤と有機酸を含有する請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
マスキング成分が冷却剤、有機酸及びシクロデキストリンを含有する請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
イブプロフェンの感覚器官的に許容される固形経口製剤であって、該製剤が:
(a) ラセミイブプロフェン;
(b)(i)該イブプロフェンに対する有機酸の割合が1〜2の範囲である有機酸および(ii)該イブプロフェンに対する冷却剤の割合が0.25〜2の範囲である冷却剤の少なくとも1成分からなるマスキング成分;および
滑沢剤を含有し、該イブプロフェンの2倍以上のシクロデキストリンを含有しない、該イブプロフェンの配送が持続する間、主体の口の中で維持されるように製剤化された口内錠またはトローチである製剤。
【請求項10】
マスキング成分が冷却剤と有機酸の双方を含有する請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
製剤がシクロデキストリンを含有する請求項9に記載の製剤。
【請求項12】
冷却剤がl-メントール、dl-メントール、WS-23、WS-3、ペパーミント油及びスペアミント油から選ばれる請求項9に記載の製剤。
【請求項13】
有機酸がアスパラギン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、タウリン、酒石酸及びコハク酸から選ばれる請求項9に記載の製剤。
【請求項14】
イブプロフェンの感覚器官的に許容される固形経口製剤をマスクする方法であって、該方法が:
(a) ラセミイブプロフェン;
(i)該イブプロフェンに対する有機酸の割合が1〜2の範囲である有機酸および(ii)該イブプロフェンに対する冷却剤の割合が0.25〜2の範囲である冷却剤の少なくとも1を含有するマスキング成分;および
滑沢剤
を含む中間組成物を製造し;
但し該中間組成物がイブプロフェンの2倍以上のシクロデキストリンを含有せず、そして
(b) 該中間組成物から該イブプロフェンの配送が持続する間、主体の口の中で維持されるように製剤化された口内錠またはトローチである固形経口製剤を作製することよりなる方法。
【請求項15】
ラセミイブプロフェンの感覚器官的に許容される該イブプロフェンの配送が持続する間、主体の口の中で維持されるように製剤化された口内錠またはトローチである固形投与製剤を含むキット。
【請求項16】
イブプロフェンの感覚器官的に許容される固形経口製剤であって、
ラセミイブプロフェン、2またはそれ以上の有機酸からなるマスキング成分、希釈剤、および滑沢剤の混合物を含む、製剤中にイブプロフェンの2倍以上のシクロデキストリンを含有しない、該イブプロフェンの配送が持続する間、主体の口の中で維持されるように製剤化された口内錠またはトローチである製剤。
【請求項17】
該マスキング成分が2つの異なる有機酸からなる請求項16記載の製剤。
【請求項18】
該二つの有機酸がクエン酸と酒石酸である請求項16または17記載の製剤。
【請求項19】
シクロデキストリンを含む請求項16〜18のいずれかに記載の製剤。
【請求項20】
シクロデキストリンがイブプロフェンの量の1倍量以下の量で存在する請求項16〜19のいずれかに記載の製剤。
【請求項21】
シクロデキストリンを含まない請求項16〜18のいずれかに記載の製剤。

【公開番号】特開2012−255018(P2012−255018A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184203(P2012−184203)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2008−538910(P2008−538910)の分割
【原出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(502346286)テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッド (26)
【Fターム(参考)】