説明

成形された食料製品を製造するための方法および装置、ならびに食料製品

本発明は、成形された食料製品を製造するための方法に関するものであり、この方法では1つまたは複数の食材、とりわけ肉、野生動物、家禽、野菜または魚、それらの組み合わせおよび/またはそこから統合された混合物から冷凍予製品が製造される。予製品は加工の枠内で少なくとも1つの成形過程を介して、所望の輪郭を備える食料製品に変形され、成形過程では少なくとも1つの圧力スタンプが輪郭の形成のために、平坦な支持台または輪郭付けられた支持台に対して予製品をプレスする。公知の成形方法が本発明により、食材をより大事にするものになる。大事に加工するために本発明は、圧力制御または行程制御される複数の部分ステップで変形のタイミング制御または変形を行うことを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形された食料製品を製造するための方法に関するものであり、この方法では1つまたは複数の、とりわけ肉、魚、野生動物、家禽、炭水化物、および/または野菜を含む食材または組み合わせおよび/またはそこから統合された混合物から冷凍予製品が製造され、
この予製品が加工ライン内の加工の枠内で、少なくとも1つの成形過程を介して所望の輪郭を備える食料製品に成形される。ここで成形過程では、少なくとも1つの圧力スタンプが輪郭を付与するために、平坦な支持台または輪郭を有する支持台に対して予製品をプレスする。
【0002】
さらに本発明はこの方法を実現するための装置、およびこの方法により製造された食料製品に関する。
【背景技術】
【0003】
この形式の食料製品の製造方法は特許文献1から公知である。この方法では予製品として、1つの塊に成長された筋肉が使用され、これが空洞部に入れ込まれ、圧力スタンプを介して、空洞部により規定された形状に変形される。ここでは予製品の高さと幅に依存して、多少の大きさの変形を行わなければならない。次にこのように成形された肉片は空洞部から取り出され、さらなる加工に、とりわけ調理プロセスまたはその他の調合プロセスに供給することができる。
【0004】
この公知の方法により肉製品に所望の形状を付与することができるが、肉の変形によりこの肉の構造が、できるだけ大事に処理しても変化して、このようにして形成された肉片がとりわけその見た目、飲食のための歯触りおよび噛み堪えが天然の肉片から異なってしまうという危険性がある。
【0005】
さらに成形行程が大きい場合には、不所望の裂け目が肉の細胞構造に発生するおそれが常にあり、このことは繋がった肉片の印象を台無しにするものである。また後での調理プロセスで肉がこの裂け目に沿って崩壊したり、この個所に変色が生じたり、破壊された細胞構造のこの領域に他の添加材料が入り込んだり、または製品が少なくとも繊維質に感じられるようになり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許明細書第1156720号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の課題は、冒頭に述べた方法を改善し、予製品をより大事に変形することができるようにし、これにより一方ではこの方法の適用可能性が他の形式の予製品にも拡張されるようにし、他方では予製品ができるだけ変形プロセスによりわずかしか損傷されないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明より、圧力スタンプが、中間ステップまたは休止を介して時間的に相互に分離された少なくとも2つの部分プレスステップで圧力をもたらし、第1の部分プレスステップでは予製品が予備成形され、第2の部分プレスステップでは予製品がプレス圧力の上昇により、または圧力スタンプが支持台の方向にさらに調整されることにより、さらに成形されることによって解決される。
【0009】
本発明の方法によって、専門分野では専門用語「シャーペン」とも称される変形が個別のステップまたはクロック制御で実行される。ここでは2つまたはそれ以上の部分プレスステップが順次実行され、部分プレスステップの後にそれぞれ中間ステップが設けられている。この中間ステップは、圧力スタンプがその目下の位置に、引き戻しまたは引き下げなしで停留する純粋な休止とすることができる。
【0010】
しかし中間ステップが、予製品との接触を失うまでスタンプを引き戻すことを含むか、または中間ステップ内でさらなる方法ステップを適用することもできる。例えば成形装置が相応に構成されている場合、中間ステップ内で圧力スタンプがそれ以上降下されないが、予製品への圧力を連続的に維持し、支持台と予製品との相対運動、または圧力スタンプと予製品との相対運動によって、プレス方向に対して直角に配置されたマッサージ方向で、予製品の予備成形された部分を弛緩させることもできる。
【0011】
予製品として本発明によればすべての形式の食材、ペットフード用の食材も使用することができる。本発明は魚、家禽または肉の加工に制限されるものではなく、前記肉製品または魚製品の内部を含み、場合により完全に、または部分的に予調理された製品、または調合された製品、またはその他のすでに部分的に加工された製品を含むものであり、他のすべての食材および食材のレシピ、例えば野菜、パン類、麺類等を使用することができる。
【0012】
有利な成形方法の重要な特徴は、予製品が自然製品として、または予備加工された製品としてまず低温冷凍され、このとき場合により塩分を含有しても予製品がその凝固点以下に、または場合により予製品に含まれる水分の凝固点以下に過冷却されるような温度が選択される。しかし一般的に本発明はそれに制限されるものではなく、理論的には完全に冷凍されていない結合物または完全に解凍された予製品も本発明の方法により加工することができる。ここでそのような予製品では、形状付与に続いて調理プロセスが直接実行される場合が考えられる。
【0013】
本発明の方法が施される前の予製品の予備加工は、例えば肉片の予備加工である。肉製品の加工の際には、形状付与の前に、肉が公知のタンブラー法により予備加工されるのが通例である。このタンブラー法では、調味マリネードが肉に刷り込まれる。この刷り込みプロセスを介して、天然の肉の組成が調味マリネードの添加によって変化し、ここでは凝固点が水の凝固点から低温の方向にシフトする。したがって予製品は相応に低く冷却され、したがって冷凍された状態で変形することができる。
【0014】
野菜混合物、野菜の充填された肉類または麺類等では、仕込まれた調味成分、例えば調味ソース、カラシ成分または所定の基礎製品によっても凝固点が低下する。ここでも有利には適切な温度によって、冷凍された予製品が加工されることが保証される。
【0015】
この冷凍された予製品は冷凍されない予製品に対して、冷凍プロセスによる脆化の結果、冷凍プロセスに付随する液体結晶の接着力が、主要な形状安定剤の変形後も残るという利点を有する。しかし基本的に、本発明を冷凍されていない型製品に適用することも考えられる。したがって本発明の重要な利点に関する以下の説明は、冷凍された型製品に限定されるものではなく、本発明はとくに有利には冷凍された予製品とともに実現可能であると理解すべきである。
【0016】
もっとも単純な場合、本発明は特別のドロップセンタ形の空洞部なしで、予製品の圧縮にだけ作用することができる。このような方法は、例えばプリフォームの作製のために考えられる。このプリフォームは後でウィナーシュニッツェルとしてさらに加工される。このシュニッツェルは周知のように非常に薄い肉層を有するから、ここでは通常の肉片を所望の薄さに圧縮することができる。
【0017】
これに対して本発明の択一的構成は、予製品が押し込まれる空洞部を使用する。ここでは輪郭を選択することにより、例えば子供にとって魅力的な特別に楽しい形状を有する食料製品を形成することができる。または元とは異なる形状であっても、天然の食料の形状を有する食料製品を形成することができる。例えば任意に成形された肉部分から、その形状がステーキまたはハンバーガー片に相当する食料品を形成することができる。
【0018】
肉の加工の他に、本発明の方法は他のすべての食材の加工にも使用することができる。したがって例えば野菜製品を成形できるだけでなく、麺類をこのようにして製造することも、またはとりわけ前記食材の混合物を予製品として使用することもできる。ここで冷凍された予製品を使用することは、冷凍された材料の加工性が良いという理由から意味があるだけでなく、例えば卵含有製品または家禽含有製品の場合にサルモネラ菌による汚染の防止がここでは格段に改善される。
【0019】
本発明によれば変形方法が、提案された部分プレスステップで実行される。ここで本発明の簡単な構成では、圧力スタンプがクロック制御で予製品の上に沈下され、軽いハンマー運動で次第に所望の変形が達成される。部分プレスステップの持続時間は基本的に任意に調整することができるが、0.1秒から60秒の間、とりわけ0.5秒から2秒の間の部分プレスステップがとくに有利であると判明した。しかし最終的に部分プレスステップの有利な持続時間は、所要の成形度と、もちろん装填された予製品の材料にも依存する。
【0020】
可能なプロセス実行の際に、予期しない状態、とりわけ高い成形度に応答するために、成形過程中に成形速度を測定することができる。例えば種々異なる幾何形状を備えるが、重量は同じである肉が成形装置に投入される場合、本来の製品の製造に必要な成形度が、基本形状に依存して非常に大きく変化することがある。ここでは成形度が大きい場合に、それ自体比較的長く設定された部分プレスステップである当該の部分プレスステップを早期に中断し、内部を弛緩させるためにまず強く変形された肉に休憩時間を与えるか、またはこの肉を冒頭に述べたマッサージステップでリラックスさせるのが有意義であり得る。
【0021】
本発明の方法の有利な実施形態は2つではなく、多数の部分プレスステップ、例えば10、20または30の部分プレスステップを使用する。これらの部分プレスステップは同じ持続時間、または異なる持続時間を有することができる。とりわけ肉の成形に関連しては、それぞれ約1秒の長さを有する5つ以上の、例えば約10〜15の部分プレスステップを適用するのが有利であると判明した。その間に、同様に1秒とすることのできる休止がそれぞれ設けられる。このようにして、連続的で軽いハンマーに相当する作用が得られる。ここで圧力スタンプは各部分プレスステップで、小さな行程だけさらに支持台の方向に走行される。
【0022】
予製品の各食材ごとに、および所要の成形度または期待される成形度ごとに部分プレスステップの長さと適用される圧力が異なるように構成するのが有意義である。例えば成形の増大とともに部分プレスステップを短縮するのが適切である。このことはとりわけ横方向には小さいが、圧縮方向には高い一様な厚さを有する予製品の場合に推奨されることである。この場合、圧力スタンプの相応に大きな走行行程により第1の粗い成形を実行することができる。一方、比較的後の最終的成形は、比較的小さな行程ではあるが、当接面が比較的大きいので相応に比較的大きな変形すべき肉量を伴って行われる。したがい比較的後の段階では、例えば部分プレスステップの持続時間の短縮によって成形行程を短縮するのが有意義である。
【0023】
しかし予製品の形態によっては、逆のやり方も解決手段になり得る。すなわち大きな走行行程を比較的小さな区間で行い、一方、比較的小さな走行行程を、全面での当接により1つのステップで実行することができる。これは例えば予製品が種々異なる食材の混合からなり、予製品の中央で混合物または生産物が高く突き出ていて、成形過程によって下方にゆっくりと幅広にプレスすべき場合である。これにより混合物または生産物が、例えば生地製品のような下方のペーストに押し込まれるが、その前に崩壊することがない。
【0024】
これとは択一的にまたはこれに加えて、比較的後の時点または早い時点で変形行程を短縮する代わりに、変形圧力を減少することにより加工することももちろんできる。予製品を大事に加工するために、圧力スタンプには個々の部分プレスステップ中に異なる形式で変形圧力を印加することができる。もっとも簡単な場合、「自発的成形プレスステップ」が使用される。このステップでは、それぞれの部分プレスステップごとに所望の圧力が自然に、すなわち意図的な遅延なしで完全に圧力スタンプに伝達される。この圧力が予製品のある程度の変形を引き起こすと、この変形によって圧力が弱まる。なぜなら、作業圧が圧力スタンプの作業バルブに短時間だけ導入される場合には、圧力スタンプの運動によって、そしてこれにより引き起こされる作業バルブの拡大によって圧力システムも部分的に弛緩するからである。しかし作業圧は変化せずに維持することもできる。これにより相応に迅速にさらなる変形を行うことができる。
【0025】
択一的に純粋に行程制御された自然変形を行うこともできる。この場合はこの部分プレスステップで予製品の応答に依存せずに、圧力スタンプの所定の、とりわけ直線の行程経過に沿って変形を行うことができる。種々異なる部分プレスステップが加工と、希望または経験に応じて任意に相互に組み合わせられる。
【0026】
部分プレスステップの間には、種々異なる中間休止を設けることができる。多くの場合、部分的に変形された予製品に休止を与え、その間に予製品の構造が変形圧力から回復することができる。または割れた冷凍結合物を新たな相互結合冷凍により再び閉じ込めることができる。後者はとりわけ緩い結合物、例えばパスタ製品、ライス製品の変形の場合に推奨される。このような製品は、個々の構成部分が冷凍結合されることだけで相互に結合されている。それどころか水蒸気または類似の手段を添加することにより、新たな結合を形成することができる。
【0027】
これに対して別の場合では予製品をマッサージすることにより、予製品の養生を補強するのが有意義であり得る。例えば圧力スタンプは円形運動または並進運動を、圧力方向に対して直角の平面内で実行することができる。この場合もちろん圧力スタンプは、部分的に変形された予製品の表面に当接されたままとなる。これにより肉が側方に押し付けられるフェーズ、または弛緩されるフェーズとともに、肉の軽い転がり負荷または捏ね負荷が生じる。このことは圧力スタンプの振動運動を介して増強することができる。そのためにこの圧力スタンプを、部分プレスステップの圧力スタンプと交換することもできる。予製品を落ち着かせるために、圧力スタンプを超音波励振することもできる。
【0028】
最後にもちろん上記の手段は動作機構的に反転することができる。この場合、支持台が相応の運動を実行し、圧力スタンプは静止状態に留まる。もちろん予製品の両側に作用するために、運動する圧力スタンプと運動する支持台を組み合わせることも可能である。
【0029】
最後に変形プロセスを簡素化するために、予製品を空洞部に取り付ける前に、または支持台に載置する前に、変形を容易にする流体またはその他の物質により予製品を処理することも可能である。このようにして例えば肉製品にオイル含有マリネードを練り込んだり、または細胞構造内のタンパク質濃度が変形に有利にシフトするよう、この肉製品を練ることができる。
【0030】
静止フェーズ中に、圧力スタンプを所定の行程だけ引き戻すこともできる。ここで所定の行程とは、一方では所定の行程区間だけの戻り走行と理解すべきである。しかし他方では圧力スタンプが所定の対抗圧に対して再びたわむことができること、すなわち圧力に依存して復帰することであると理解すべきである。後者は、上に述べたように圧力スタンプの運動によって予製品のマッサージ機能を実現すべき場合に有意義である。
【0031】
メモリ効果による部分成形の不所望の復帰をこのようにして制限または阻止することができる。なぜなら圧力に依存する復帰の場合には、静止フェーズ中でも圧力スタンプのある程度の成形作用が維持されているからである。このようにして静止フェーズ中および圧力低下中にも予製品の個々の層内で、例えば圧力下にある物質の流動によりさらなる変形を行うことができる。
【0032】
基本的に可能なすべてのやり方で、圧力スタンプの引き戻し、または圧力スタンプのたわみが考えられるが、簡単な場合には圧力スタンプを所定の行程だけ単に引き戻すことができる。択一的に調整圧を部分的に、または環境圧まで低減することも簡単である。さらに圧力スタンプの引き戻しを緩慢に、線形行程曲線、または漸進的または下降的行程曲線および/または圧力経過曲線に沿って行うこともできる。
【0033】
本発明の方法の別の構成では、部分プレスステップが行程制御される成形フェーズと圧力制御される成形フェーズから統合される。行程制御される成形フェーズでは、圧力スタンプが所定の行程だけ、圧力特性に依存せずに支持台に対して調整される。これに対して圧力制御されるフェーズ中には予製品の対抗圧に対して応答することができる。したがってここでは、予製品の荷重容量に依存して設定される所定の最大圧力を上回ることはない。この方法は、予製品の損傷をさらに良好に回避できるという利点を有する。
【0034】
この2相の部分プレスステップからなる可能な適用例では、構造の損傷に関してクリティカルではない第1の行程をまず行程制御で走行し、一方、損傷に関してはるかにクリティカルである第2の行程を圧力制御で走行することができる。別の適用例では、圧力制御される成形フェーズ中に、例えば肉状の予製品の負荷軽減が考慮される。したがって圧力が上昇しても、行程制御の成形フェーズと圧力制御の成形フェーズとを1つの部分プレスステップ内で時間的に交番することによって、構造が損傷されず、しかも最高の変形結果を達成することができる。
【0035】
基本的に、順次並んだ行程制御フェーズと圧力制御フェーズのすべての組み合わせを、個々の部分プレスステップ内で多数回繰り返すこともできる。最後に、部分プレスステップを連続的な成形部分プレスステップとして構成することもできる。この場合、プレスステップは前もって設定された負荷曲線に沿って、圧力の下にある予製品の応答に依存しないで実行される。この変形は、最大圧縮圧に達するか、または最大変形行程に達することにより終了することができる。
【0036】
設定された負荷経過は線形に、漸進的または下降的に構成することができる。さらに圧力が再びわずかに低減される負荷軽減フェーズか、または圧力が一定に維持される連続的な負荷フェーズが継続することができる。第2のフェーズは位置固定した圧力スタンプによって特徴付けることもできる。したがってここでは成形圧力に依存しないで、第1の圧力上昇フェーズの経過後に、スタンプ位置を一定にするフェーズを設けることができる。
【0037】
したがって本発明の方法は、この形式の簡単な部分プレスステップの任意の組み合わせから統合することができる。この場合、圧力制御および工程制御と、材料に作用する種々の休止フェーズ、または作用しない種々の休止フェーズとを入れ替える必要はない。
【0038】
本発明の方法の別の構成は、圧力スタンプまたは支持台の特別の構成に関するものである。予製品によっては非常に高い負荷と非常に大きな変形行程が局所的に発生し、空洞部ないし予製品の別の領域が比較的弱く負荷されたり、まったく負荷されなかったり、または変形されないことが生じる。ここですべての条件を前もって考慮することはしばしば非常に困難である。なぜならしばしば形状の異なる予製品を成形しなければならないからである。例えば肉製品の枠内では、まったく薄い偏平な予製品も、例えばさいころ状の肉片や、または細く高い起立した肉片に加工される。
【0039】
圧力スタンプ、支持台、そしてもちろん予製品への負荷も上記の場合で完全に異なることは明白である。弾性的に構成された圧力スタンプは、これらの状況を考慮することができる。すなわち圧力スタンプは最初に、スタンプ面が負荷に依存して変形することによってピーク負荷を完全に回避することができる。次に弾性的な復帰力により、さらなる行程経過でこれが再び取り消され、これにより予製品を所望のように均一に変形することができる。
【0040】
圧力スタンプの別の特別の実施形態では、圧力スタンプを1つまたは複数の部分ステップでは弾性的に構成し、比較的後の部分ステップでは硬化するように構成する。この場合、圧力スタンプは移動しない平坦な圧力面を有する。このために圧力スタンプは下側圧力プレートを有し、この下側圧力プレートはバネを介して本来のスタンプ体と結合されている。このバネは、第1の部分ステップ中に圧力スタンプの弾性に作用し、これにより比較的強く負荷される領域は比較的に小さな変形を受ける。圧力スタンプが、この圧力スタンプから出発して下側圧力プレートまで機械式、液圧式、または空気圧式に走行可能である補強ボルトを有していれば、バネ作用を廃止することができる。この場合、圧力スタンプは平坦で、もはや弾性ではない圧力プレートを有する。このボルトは、部分プレスステップの開始前にすでに走行することもできる。これによりこの圧力スタンプはこの部分プレスステップ中には、弾性技術的に均一な特性を示し、これに対して別の部分プレスステップ中にはバネを含めた特性を示す。
【0041】
択一的にこのボルトは、部分プレスステップの実行中にも適用することができる。これにより例えば本来の圧力に加えて圧力プレートが移動する領域で、この移動をボルトの圧力により再び取り消すことができる。したがって本来の圧力スタンプの行程または圧力を一定に維持すれば、対抗圧の高まった領域に付加的な圧縮力を及ぼすことができる。この対抗圧も自発的に形成されるか、または圧力または行程に依存して形成することができる。
【0042】
圧力スタンプ、支持台とこの両者の構造部材の間に配置された予製品との弾性接触力により、上に述べたようにプレス面の移動を可能にするか、または阻止すべき場合、このことはもちろん支持台の側でも行うことができる。これはとりわけ、支持台として1つまたは複数の空洞部を備える加工品支持体が使用される場合に有利である。この場合、空洞部を加工品支持体の上に弾性に配置することができる。このように弾性支承された空洞部を圧力スタンプによってバネに当接するまで下方に押し付けることができ、これにより弾性作用が取り消される。しかし択一的に、弾性作用を取り消す装置を設けることもできる。
【0043】
これは、圧力スタンプが内側領域に対して別個に制御可能であり、かつ走行可能な外側領域を有し、この外側領域が縁部を、空洞部の外でフレームに押し付け、これにより空洞部が支持縁部上に固定されるようにして行われる。次に空洞部を充填する内部の圧力スタンプが、予製品の成形のためにこの空洞部へ走行することができる。択一的に加工品支持体自体がすでに上に説明したボルトを有し、このボルトが加工品支持体から空洞部のフレームに走行可能であり、これによりフレームが圧縮方向で固定されるようにすることもできる。
【0044】
本発明の別の実施形態では、液圧式または空気圧式ベアリングを介して保持された空洞部を使用することができる。このベアリングは、圧縮圧力とは反対方向に圧力を及ぼすことができるよう選択的に制御することができる。例えば3点ベアリングまたは4点ベアリングを設けることができ、これらは空洞部が固定されたフレームを保持する。各支持点には液圧式または空気圧式の調整素子を設けることができ、この調整素子は空洞部をスタンプに対向して押し付けることができる。空洞部の領域にピーク負荷が発生すると、弾性に支承された空洞部が傾斜することとなる。まさにこのことを回避し、むしろ反対方向の傾斜位置を形成することができるようにするため、液圧式または空気圧式ベアリングを介して空洞部を配向することができる。この配向は、材料堆積の比較的大きな領域で圧縮圧力が高まり、これにより予製品の一部が、均一な材料分散を達成するために圧縮圧力の小さな領域に押されるように行われる。
【0045】
部分プレスステップ中に予製品は、圧力スタンプの定速運動、または加速運動ないし減速運動により種々異なる負荷を受けることがある。とりわけ加速または減速フェーズ中の圧力スタンプの運動全体を設定することができ、または圧力に依存させることもできる。予製品に対してどのような組み合わせがもっとも有利であるかは、予製品のそれぞれの軟度から得られるものであり、有利には実験により求められる。
【0046】
本方法の実施中に圧力測定によって、予製品の特性とその負荷を求めることができる。圧力負荷は中央の圧力スタンプの負荷に基づいて検出することができる。しかし圧力面全体にわたり点状に分散された圧力センサ、または面状に負荷を検出する圧力センサも可能である。後者は例えば圧電センサフォイルの使用によって行われる。この圧電センサフォイルにより圧力面の全領域を監視することができる。次に臨界的圧力が検出されると、それぞれ他方のプロセス量を維持しながら圧力を低減するか、圧力への暴露時間を低減するか、または圧力スタンプの走行速度を低減することができる。臨界的圧力より下方では、一定の圧力でまたは一定の走行速度で成形することができる。
【0047】
食料製品用の有利な加工装置は、前記成形装置の少なくとも1つを有する。この成形装置内に、特別の形状を達成すべき場合には支持台を配置することができる。この支持台はここでは空洞部とすることができる。しかし有利には成形装置ごとに多数の空洞部を設けることができる。これにより成形装置の1つの成形過程によって複数の食料製品を製造することができる。装着装置は多数の空洞部に、方法圧力の適用前に予製品を装着することができる。択一的に、空洞部を有し、すでに装着されて成形装置で使用される加工品支持体を使用することもできる。後者は、とりわけ加工ライン全体を使用する場合に興味深い。
【0048】
このような加工ラインは、例えば予製品がまず食料製品のブロックに統合され、この食料製品が引き続き分割装置、とりわけ帯ノコにより個々の予製品に一人前分ごとに分割される場合には前加工部を有することができる。このブロックは例えば冷凍された筋肉からなることができる。ここではまず肉片が冷凍されない状態で練られる。またはそれ以外のやり方で準備され、引き続き冷凍されるブロックに統合することができる。
【0049】
このように準備された予製品が空洞部に装填された後、または支持台に載置された後、上に説明した方法手段にしたがって成形装置により成形を行うことができる。ここでもっとも簡単な場合、個別の成形装置が使用される。
【0050】
本発明の有利な改善形態では圧力スタンプに輪郭を付けることができる。すなわち平坦でない表面を有することができる。これを適用すれば、表面に輪郭を付けるべき製品も製造できる。
【0051】
択一的に輪郭付けられており、例えば外側中央に予製品と反対方向に突き出る隆起部を有する圧力スタンプ、またはボール状に構成された多数の領域を有する圧力スタンプを、変形装置内での準備的形状付与のために使用することができる。ここで圧力スタンプの最深の個所が予製品のすべての領域に作用することができるようにするため、圧力スタンプを部分プレスステップ中に回転することができる。この回転は有利には、部分プレスステップの総数に基づきすべての部分プレスステップを経過した後に圧力スタンプが360°回転しているような角度だけ回転するように行われる。6つの部分ステップがあれば、回転はそれぞれ60°だけ行われ、これにより予製品のほとんどの各領域が圧力スタンプの各領域と接触するようになる。
【0052】
上に説明した回転可能な圧力スタンプは最終的な形状スタンプと、手動でまたは自動的な工具交換により交換することができる。またはこの圧力スタンプは第1の成形装置で使用され、ここでは、予処理とこれに付随する成形が行われた後に、空洞部がその中に予処理された予製品とともに第2の成形装置に供給される。次にこの第2の成形装置が最終的な形状スタンプによって最後の変形を行う。この2段階の成形では、とりわけ圧力スタンプを行程制御および/または圧力制御で調整することにより、種々異なる予製品、すなわち一方では平坦な予製品と、他方では非常に高さのある予製品を同じ輪郭に成形することができる。その場合に、過度に大きな変形速度によって肉構造またはその他の食料の構造が過度に強く巻き添えになるようなことがない。
【0053】
複数の成形ステーションを使用する場合、さしあたり圧力スタンプの大きさにより最大負荷を低減することができる。例えば第1の成形ステーションでは圧力スタンプを、これが空洞部の一部だけをカバーするように小さく構成することができる。これにより比較的早期の成形フェーズでは、予製品が圧力スタンプを部分的に回避することができる。この回避はさらに、過度の成形度を阻止する。ここで圧力スタンプが回転可能に支承されておらず、回転軸に対して同心に配置されていなければ、複数の部分プレスステップにわたり支持台または空洞部の種々異なる領域に圧縮圧力を及ぼすことができる。この実施形態において所望の統一的輪郭を達成するために、空洞部または支持台を第2の成形ステーションに供給することができる。ここでは空洞部全体または予製品の全面をカバーする比較的大きな圧力スタンプが、1つまたは複数の部分プレスステップにより最終的成形を行うことができる。
【0054】
部分プレスステップ間に設けられた弛緩フェーズは、部分プレスステップと同じ長さにすることができる。しかし必要に応じて弛緩フェーズの長さを延長または短縮することもできる。弛緩中は、予製品を完全に無圧力にすることができる。択一的に所定の部分圧を維持することもできる。部分的に成形された予製品を、前に説明したマッサージすることは、部分プレスステップ中または弛緩フェーズ中に、圧力スタンプまたは支持台の振動によって、または超音波領域にある短波長の上昇下降運動によって行うことができる。
【0055】
最後に、部分プレスステップ内での先行の成形における成形度および圧力経過を、圧力または成形度が非常に不利な場合には、弛緩フェーズまたは少なくとも1つの部分プレスステップを延長することにより考慮することができる。しかしここでは圧力センサが、部分プレスフェーズ内での圧力スタンプの走行行程中に、圧力スタンプが比較的長い行程領域にわたって対抗圧を受けたか否かを検出することができる。そこから、明らかに予製品を圧力方向で特段に変形しなければならないという事実が得られる。このような強い変形は、比較的長い弛緩フェーズにつながる。
【0056】
これに対して圧力スタンプが対抗圧なしで同じ走行行程を走行する場合、そこから予製品が相応に偏平であることを推定することができる。したがって走行行程が長くても過度に大きな変形が発生していることはない。このことからさらに、圧縮時間の最適化のために比較的に短い弛緩フェーズが生じる。
【0057】
予製品は、成形中に有利には低温である。通例現在では、マイナス15゜の温度で成形が実行される。材料の流動性を改善するために、凝固点のすぐ下まで温度を上昇することができる。多くの予製品は塩分含有の物質を含むから、この場合、温度は例えばマイナス5°である。塩分含有物質が存在しなければ、もちろん比較的に高い温度、例えば水の凝固点(=摂氏0°)のわずか下の温度を選択することができる。比較的高い温度により、成形を大事に実行することができる。このようにして付加的に、細胞構造が破壊されるのを回避することができる。
【0058】
本発明の方法は、予製品を所望の所定の高さに成形するのに適用することができる。これは、例えばハンバーガー片または肉片の形状が有利にはシュニッツェルまたはランプステーキに相応するように製造すべき場合である。この成形では、所望の高さに達するまで圧力を及ぼさなければならない。これを可能にするため、もちろん、空洞部が外側境界を有する場合には、過度に多量の肉を空洞部に充填しないようにしなければならない。
【0059】
これに対して所定の高さを達成できない場合には、最大圧力に達することも成形過程の終了を意味する。この場合、肉は最大許容圧により変形され、完成製品の高さはさほど重要ではない。このことはとりわけ、製造すべき食料製品の高さが実質的に重要ではなく、出荷される予製品での高さの差が、純粋に圧力制御されてプロセスが実行されたにもかかわらず過度に大きくなく、それでも実質的に食料品工業のための標準的製品として製造できる場合にとくに有利である。
【0060】
さらに本発明は、とりわけ低温冷凍された予製品を成形するすべての方法に関するものであり、当該方法が純粋な成形に限定されているか、または加工ステップがその前または後で行われるかには無関係である。とりわけ任意に統合され、部分的または完全に前調理された製品、または最終的に調理された製品をこの方法に導入することができる。予成形された食料製品は引き続きすぐに食することができるか、またはさらなる加工および調理が必要であるか、またはその他の食品技術的処理または変更を受けることができる。
【0061】
本発明はとりわけ前記方法にだけ限定されるものではない。とりわけ本発明は、この方法を実施するために使用することのできる装置、およびこの方法を介して当該装置により製造可能な最終製品および中間製品を含む。
【0062】
本発明の方法を実施するために必要な装置には、もっとも簡単な場合、1つの成形装置だけが設けられており、この成形装置はクロック制御で、または弛緩フェーズにより相互に分離された個別の部分プレスステップで予製品に圧力をもたらすことができる。オプションとしてこの成形装置に圧力制御部を設けることができる。この圧力制御部は、前もって規定された圧力経過曲線にしたがって、もたらされる走行圧力を変化することができる。または圧力制御部はセンサ系を有し、圧縮圧力が予製品から圧力スタンプに伝達されることに基づく対抗圧を検出することができる。もちろん択一的に、支持台への圧力を検出することもできる。変形結果を複数の視野から光学的に記録し、制御量として用いることもできる。
【0063】
対抗圧または成形度に依存して、圧力スタンプに対するプロセス圧を選択的に上昇または下降することができ、これにより上に述べたような方法ステップを実施することができる。
【0064】
加工ラインの別の実施形態は第2の成形装置と供給装置を有し、この供給装置を介して成形装置に予製品を搬送することができる。そして予製品を比較的大きな結合体から、例えば上に述べた低温冷凍したブロックから分割により個々に一人前部分に製造することができる。この一人前部分は次に供給装置を介して自動的に支持台に分散される。または空洞部に装填される。
【0065】
成形装置が複数の空洞部を操作することができれば、1つの共通のスタンプを介して成形を行うことができる。このスタンプの下面は、個別の圧力プレートを各空洞部にもたらすことができるように構成されている。しかし複数の圧力スタンプを設けることもできる。これにより各スタンプそれ自体が上記の方法ステップ、とりわけ圧力応答を行うことができる。もちろん後者は、各空洞部に幾何形状の異なる予製品を配置できる場合にとくに有利である。これに対して予製品がブロックから切り出される場合、各予製品はほぼ同じ輪郭を有することになる。これにより個々の予製品に対して異なって応答することが不要になる。
【0066】
成形装置は有利には、公知の方法を介して予製品に対し調整することのできる圧力スタンプを有する。ここではとりわけ圧縮シリンダを使用することができる。この圧縮シリンダはサーボ技術により駆動することができる。もちろん液圧式または機械式圧縮シリンダを使用することもできる。後者の場合、カムシャフトに似た偏心ディスクを介して圧力スタンプが行程制御で降下される。
ここで弾性支承部は、空気圧式または液圧式手段を介しても操作することができ、これらの手段は圧力スタンプの圧力制御機能を機械的駆動の場合でも可能にする。
【0067】
本発明の方法により製造され、成形された食料品は、引き続き支持台または空洞部から取り出される。次に食料品はさらに加工することができ、とりわけ調理プロセスまたはその他の調合を行うことができる。引き続き中間保存のために低温冷凍することも、最終消費者に直接販売することももちろん可能である。
【0068】
本発明のさらなる特徴および利点は、従属請求項から得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形された食料製品を製造するための方法であって、1つまたは複数の、とりわけ肉、魚、野生動物、家禽、炭水化物、および/または野菜を含有する食料品または組み合わせおよび/またはそこから統合された混合物から冷凍予製品が製造され、当該の予製品が加工ライン内の加工の枠内で、少なくとも1つの成形過程を介して所望の輪郭を備える食料製品に成形され、ここで成形過程では、少なくとも1つの圧力スタンプが輪郭を付与するために、平坦な支持台または輪郭を有する支持台に対して予製品をプレスする製造方法において、
前記圧力スタンプが、中間ステップまたは休止により時間的に相互に分離された少なくとも2つの部分プレスステップで圧力をもたらし、第1の部分プレスステップでは予製品が予備成形され、第2の部分プレスステップでは予製品が圧縮圧力の上昇により、および/または圧力スタンプが支持台の方向にさらに調整されることによりさらに成形される、ことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記部分ステップの持続時間は、0.1秒から60秒、有利には0.5秒から2秒であることを特徴とする請求項1記載の食料製品の製造方法。
【請求項3】
予製品の成形速度または成形度を測定し、成形速度または成形度が大きい場合、部分プレスステップを早期に終了するか、または部分プレスステップの長さをとりわけ0.5秒から1秒に短縮することを特徴とする請求項1または2記載の食料製品の製造方法。
【請求項4】
30までの部分プレスステップ、とりわけ5から30の部分プレスステップが実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項5】
部分プレスステップの持続時間は、部分プレスステップの数の増大とともに短縮されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項6】
少なくとも1つの部分プレスステップが自発的成形プレスステップとして構成されており、該自発的成形プレスステップでは圧力が最大部分プレス圧に自然に上昇するか、または成形行程が最大部分成形行程に自然に上昇し、当該状態がそれぞれの部分プレスステップの残り時間中に維持されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項7】
複数の部分プレスステップが設けられており、少なくとも2つの個々の部分プレスステップの間のフェーズでは、全フェーズ中に、または該フェーズの一部で、その間に中間休止を伴って、圧力が当該フェーズの出発圧まで1回または複数回再び低減されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項8】
少なくとも2つの個々の部分プレスステップの間に、圧力スタンプが所定の行程だけ圧力に依存しておよび/または圧力に依存しないで所定の行程長を引き戻されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項9】
前記所定の行程は圧力制御で決定され、圧力スタンプは、所定の線形、漸進的または下降的圧力経過曲線に沿って、所定の目標圧をそれ以上上回らなくなるまで引き戻されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項10】
部分プレスステップの少なくとも1つは、行程制御される成形フェーズと、その前および/またはその後に実行される圧力制御される少なくとも1つの成形フェーズとを有し、行程制御される成形ステップでは、圧力スタンプが連続的にまたは時間的に変化して、しかし前もって設定された速度で支持台面へ調整され、圧力制御される成形フェーズでは、圧力スタンプが連続的にまたは時間的に変化して、しかし前もって設定された圧力経過で支持台面へ調整されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項11】
少なくとも1つの部分プレスステップが連続的成形プレスステップとして構成されており、当該連続的成形プレスステップでは、圧力または成形行程が最大の部分圧縮圧に達するまで連続的に高められることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項12】
前記連続的成形プレスステップは、圧縮圧力が最大の部分圧縮圧に達するまで上昇する第1のフェーズと、これに続く第2のフェーズから形成されており、該第2のフェーズでは前記最大の部分圧縮圧が一定に保持されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項13】
前記連続的成形プレスステップは、所定のスタンプ行程を備える第1のフェーズと、これに続く第2のフェーズから形成されており、該第2のフェーズでは圧力スタンプが圧縮方向で位置固定されることを特徴とする請求項11記載の食料製品の製造方法。
【請求項14】
圧力スタンプの当接面および/または支持台は、少なくとも圧力に対して横方向に弾性的に構成されており、これにより前記圧力スタンプおよび/または支持台は、圧力面の移動による局所的な負荷の上昇に応答することができることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項15】
個別に並置され、圧力スタンプの圧力面全体を形成する複数の圧力素子を有する圧力スタンプが使用され、該圧力素子は個別に制御可能であり、圧力とは反対方向の応力をセンサ系を介して測定することができ、部分プレスステップの開始時にはすべての圧力素子が均等に支持台に調整され、圧力スタンプが予製品の一部に当接することで支持台圧が発生した場合には、当該圧力スタンプに対する圧力が少なくとも一時的に、隆起した領域に予備成形が形成されるまで高められることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項16】
圧力面と、予製品に接触する作用面とを有する圧力スタンプが使用され、前記圧力面と作用面は、作用面が圧力方向にバネの力で戻ることができるように1つまたは複数のバネを介して相互に接続されており、これにより圧力スタンプが予製品へ調整される際に、まず作用面がバネ力に抗して復帰され、バネが当接して初めて全圧力が予製品に作用することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項17】
圧力方向に弾性的に構成された支持台、とりわけ弾性的な取り付け台により形成された支持台が使用されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項18】
部分プレスステップの少なくとも一部で、または全部分ステップ中に圧力が一定に保持され、変形の度合いが圧力スタンプの調整行程と、圧力への暴露時間により達成されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項19】
部分プレスステップの少なくとも一部で、または全部分ステップ中に、圧力スタンプが支持台に対して一定の圧力で調整され、変形の度合いは圧力スタンプの走行の持続時間を介して達成されることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項20】
支持台は圧力方向で弾性に、取り付け台の上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項21】
支持台は、圧力方向に弾性的に構成されており、とりわけ弾性的な取り付け台により形成されていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項22】
圧力スタンプおよび/または支持台は、圧力方向に対して直角に延在する少なくとも一方向で小さな振動を実行することができるように構成されており、これにより予製品は軽いマッサージ運動の下でプレスされることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項23】
前記振動は非常に短い振動周期を有し、とりわけ超音波振動であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項24】
前記支持台は、少なくとも1つの空洞部を備える工具支持体であり、該空洞部には予製品が圧力スタンプを介して押し込み可能であり、該圧力スタンプの形状は前記空洞部の内部横断面に適合しており、引き続き該空洞部に予製品が側方から導入可能であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項25】
圧力スタンプは、前記支持台に対して平行ではない圧力面を有し、予製品当たりに適用される部分プレスステップの数により360°を割り算することで得られる角度だけ、個々の部分プレスステップ間で回転されることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項26】
各予製品に対する加工ラインは、それぞれ少なくとも1つの圧力スタンプを備える少なくとも2つの成形ステーションを有しており、第1の成形ステーションではまず粗い成形が実行され、予製品は次の成形ステーションに搬送され、そこでさらに成形され、予製品は最後の成形ステーションで所望の輪郭を有することを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項27】
工具支持体上または内にある予製品が加工ラインにより搬送され、個々の成形ステーションの圧力スタンプは、工具支持体上にある予製品に圧力を伝達することを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項28】
前記工具支持体は、予製品を収容するための空洞部を有しており、第1の成形ステーションの圧力スタンプは該空洞部の横断面よりも小さく、最後の成形ステーションの圧力面は、作業空隙を除けば空洞部の横断面に実質的に相当し、最後の成形ステーションでは最終形状が作製され、これに前置された成形ステーションでは予製品が比較的小さな成形度で予備成形されることを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項29】
少なくとも2つの部分プレスステップ間にはそれぞれ1つのリラクゼーションフェーズが設けられており、該リラクゼーションフェーズ中には圧力がそれ以上、上昇または下降されないことを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項30】
前記リラクゼーションフェーズ中には圧力スタンプが一定の圧力または低減された圧力を及ぼし、予製品は、圧力方向に対して平行の軸を中心にする圧力スタンプおよび/または支持台の振動運動および/または円形運動によりマッサージされることを特徴とする請求項1乃至29のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項31】
前記リラクゼーションフェーズ中には圧力が環境圧まで低下されることを特徴とする請求項29記載の食料製品の製造方法。
【請求項32】
前記リラクゼーションフェーズの持続時間は、0.1秒から60秒、有利には0.5秒から2秒であることを特徴とする請求項29乃至31のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項33】
リラクゼーションフェーズの持続時間は、部分プレスステップの数の増大とともに短縮されることを特徴とする請求項29乃至32のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項34】
予製品の成形速度または成形度を測定し、成形速度または成形度が大きい場合、リラクゼーションフェーズの持続時間をとりわけ1秒から5秒に延長することを特徴とする請求項32記載の食料製品の製造方法。
【請求項35】
本方法の実施中、予製品はマイナス1℃からマイナス30℃、有利にはマイナス5℃からマイナス15℃、とくに有利にはマイナス5℃からマイナス8℃の間の温度を有することを特徴とする請求項1乃至34のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項36】
前記部分プレスステップは圧力制御または行程制御され、予製品が所定の高さ、とりわけ10mmに圧縮されるまで適用されるか、または圧縮されるように集中的に適用されることを特徴とする請求項1乃至35のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項37】
前記部分プレスステップは、予製品が所定の最大圧に曝されるまで圧力制御で適用されることを特徴とする請求項1乃至36のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項38】
予製品は肉、魚、野生動物または家禽からなる食料製品であり、成形過程の前の予製品は、1つの塊に成長された筋肉を大事に練ることにより作製されることを特徴とする請求項1乃至37のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項39】
練られた筋肉塊は低温冷凍された直方体形状のブロックに統合され、引き続きこのブロックが分割装置、とりわけノコ刃が相互に平行かつ直角に配置された帯ノコにより、所望の重量を備える該ブロックの一人前分の予製品に分割されることを特徴とする請求項1乃至38のいずれか1項に記載の食料製品の製造方法。
【請求項40】
前記請求項1から39までの特徴を備える方法により製造されたことを特徴とする食料製品。
【請求項41】
予製品が装着可能であり、少なくとも1つの圧力スタンプと、これと協働する少なくとも2つの支持台とを有する成形装置を備える、成形された食料製品の製造装置であって、前記成形装置は、前記圧力スタンプと前記支持台との間に装填された予製品をプレスすることによって該予製品を所定の形状または厚さに変換することができる製造装置において、
前記成形装置は、圧力スタンプを本方法の実施のために時間的、圧力的および/または行程的に規定のように前記支持台に対して調整することができ、これにより請求項1から39までのいずれか1項に記載の方法による成型過程が実行可能である、ことを特徴とする製造装置。
【請求項42】
請求項41に記載の、成形された食料製品の製造装置であって、予製品を加工ラインおよび予製品供給部によって搬送するための搬送装置と加工ラインとを有し、該搬送装置は予製品を成形装置に供給することのできる製造装置において、
前記加工ラインは付加的に、食料品を低温冷凍されたブロックに統合するための装置と、該ブロックを当該ブロックの個々の一人前分の形状に分割するための分割装置、とりわけノコ刃が平行かつ直角に配置された帯ノコを有し、前記一人前分が搬送装置を介して成形装置に供給可能であることを特徴とする製造装置。

【公表番号】特表2011−500067(P2011−500067A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530284(P2010−530284)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061497
【国際公開番号】WO2009/052865
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510072799)ニーンシュテット ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】