説明

成形体および多数個取り配線基板

【課題】多数個取り配線基板が反っても、最も凹または凸となった領域が中央部に位置する多数個取り配線基板および、多数個取り配線基板を作製するための成形体を提供する。
【解決手段】成形体は、平面視で矩形状で、縦横に配列された複数の配線基板領域1aを含んだ複数のセラミックグリーンシート1と、複数の配線基板領域1aのそれぞれに埋設され、複数の配線基板領域1aのそれぞれにおいて縦方向に偏在している金属体2とを備えており、縦方向の上端に配置された配線基板領域1aに設けられた金属体2からセラミックグリーンシート1の上辺までの距離が、縦方向の下端に配置された配線基板領域1aに設けられた金属体2からセラミックグリーンシート1の下辺までの距離に等しい。成形体を焼成して多数個取り配線基板とする際に、多数個取り配線基板が反っても、最も凹または凸となった領域を多数個取り配線基板の中央に位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子や発光素子等の電子部品を搭載するための配線基板を製作するための成形体および多数個取り配線基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品を搭載し、電子機器に組み込まれる配線基板としてセラミック製のものが用いられており、配線基板の表面および内部には、配線導体が配置されている。配線基板上に搭載された電子部品と配線導体とを電気的に接続することによって、電子装置が作製される。
【0003】
このような配線基板には、例えば、放熱用等の目的で金属体が埋設されているものがある(例えば、特許文献1を参照。)。このような金属体は、例えば、配線基板に実装される電子部品が発する熱を配線基板の外に逃がして、放熱性を高めるためのものである。
【0004】
また、このような配線基板は、近年の電子装置の薄型化および小型化の要求に伴って、その大きさが小さくなってきており、複数の配線基板を効率よく製作するために、多数個取り配線基板を分割することによって製作することが行なわれている。多数個取り配線基板は、広面積の母基板に配線基板となる複数の配線基板領域が縦横に配列形成されたものである。なお、このような多数個取り配線基板は、セラミックスの焼成収縮によって凸または凹となるように反っていることがあった。また、配線基板において、金属体が平面視で配線基板の中央から上下左右のいずれかの辺側に偏って配置されることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−71013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、金属体が偏って配置された配線基板を得るための多数個取り配線基板を作製すると、多数個取り配線基板が反って、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域が、多数個取り配線基板の中央から金属体の偏っている方向にずれることがあった。このような多数個取り配線基板では、電子部品素子を搭載する際や、樹脂モールドする際に、多数個取り配線基板に金型を載置すると、多数個取り配線基板が割れてしまうことがあった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は多数個取り配線基板が反って、凹または凸となったとしても、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域が中央部に位置する多数個取り配線基板および、このような多数個取り配線基板を作製するための成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の成形体は、平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域を含んでいる複数のセラミックグリーンシートと、前記複数の配線基板領域のそれぞれに埋設されており、前記複数の配線基板領域のそれぞれにおいて前記縦方向に偏在して設けられている金属体とを備えており、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の上端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属体から前記セラミックグリーンシートの上辺までの距離が、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の
下端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属体から前記セラミックグリーンシートの下辺までの距離に等しいことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の多数個取り配線基板は、平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域を含んでいる母基板と、前記複数の配線基板領域のそれぞれに埋設されており、前記複数の配線基板領域のそれぞれにおいて前記縦方向に偏在して設けられている金属焼結体とを備えており、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の上端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属焼結体から前記母基板の上辺までの距離が、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の下端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属焼結体から前記母基板の下辺までの距離に等しいものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の成形体によれば、複数の配線基板領域のうち縦方向の上端に配置された配線基板領域に設けられた金属体からセラミックグリーンシートの上辺までの距離が、複数の配線基板領域のうち縦方向の下端に配置された配線基板領域に設けられた金属体からセラミックグリーンシートの下辺までの距離に等しいことから、セラミックグリーンシートを焼成して多数個取り配線基板としたときに、多数個取り配線基板が仮に反ったとしても、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域を多数個取り配線基板の中央に位置させることができる。
【0011】
本発明の多数個取り配線基板によれば、複数の配線基板領域のうち縦方向の上端に配置された配線基板領域に設けられた金属体から母基板の上辺までの距離が、複数の配線基板領域のうち縦方向の下端に配置された配線基板領域に設けられた金属体から母基板の下辺までの距離に等しいことから、多数個取り配線基板が仮に反ったとしても、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域を多数個取り配線基板の中央に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は、本発明の成形体の第1の実施形態の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図2】(a)は、本発明の成形体の第1の実施形態の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図3】(a)は、本発明の成形体の第1の実施形態の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図4】(a)は、本発明の成形体の第1の実施形態の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図5】(a)は、本発明の成形体の第1の実施形態の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図であり、(c)は(a)のB−B線における断面図である。
【図6】(a)は、本発明の多数個取り配線基板の第1の実施形態の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図7】(a)は、本発明の成形体の第2の実施形態の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図8】(a)は、本発明の多数個取り配線基板の第2の実施形態の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図1〜図6において、上方向とは仮想のy軸の正方向のことをいう。
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における成形体は、図1〜図5に示す例のように、平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域1aを含んでいる複数のセラミックグリーンシート1と、複数の配線基板領域1aのそれぞれに埋設されており、複数の配線基板領域1aのそれぞれにおいて縦方向に偏在しており、セラミックグリーンシート1に複数設けられている金属体2とを備えており、複数の配線基板領域1aのうち縦方向の上端に配置された配線基板領域1aに設けられた金属体2からセラミックグリーンシート1の上辺までの距離L1が、複数の配線基板領域1aのうち縦方向の下端に配置された配線基板領域1aに設けられた金属体2からセラミックグリーンシート1の下辺までの距離L2に等しいものである。
【0015】
なお、第1の実施形態における金属体2からセラミックグリーンシート1の上辺までの距離L1と金属体2からセラミックグリーンシート1の下辺までの距離L2とは等しい長さであるが、製造時のばらつきによって生じる0.1mm程度の誤差は含むものとする。
【0016】
また、第1の実施形態の成形体は、上記構成において、図1に示す例のように、金属体2が、平面視でセラミックグリーンシート1の中央を通って横方向(x方向)に伸びた仮想直線(C−C線)を挟んで線対称に配置されているときには、成形体を焼成して多数個取り配線基板を作製する際に、焼成収縮による応力がC−C線を挟んで略均等に加わるので、多数個取り配線基板が反ったときに、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域をC−C線上に位置させるのに有効である。
【0017】
また、第1の実施形態の成形体は、上記構成において、図2に示す例のように、金属体2が、縦方向(y方向)に等間隔に配置されているときには、成形体を焼成して多数個取り配線基板を作製する際に、焼成収縮による応力が配線基板領域1aに略均等に分布するので、多数個取り配線基板が反ったときに、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域を多数個取り配線基板の中央に位置させるのに有効である。
【0018】
また、第1の実施形態の成形体は、上記構成において、図3に示す例のように、平面視において縦方向(y方向)の上端に配置された配線基板領域1aから下端に配置された配線基板領域1aにかけて、縦方向(y方向)に隣り合って配置された複数の配線基板領域1aにおいて金属体2が複数の配線基板領域1aの境界を挟んで線対称に配置されているときには、成形体を焼成して多数個取り配線基板を作製する際に、隣接する配線基板領域1aに焼成収縮による応力が略均等に加わるので、多数個取り配線基板が反ったときに、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域を多数個取り配線基板の中央に位置させるのに有効である。
【0019】
セラミックグリーンシート1は、セラミック粉末に有機バインダおよび有機溶剤、また必要に応じて所定量の可塑剤や分散剤を加えたスラリーを得て、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂や紙製の支持体上にドクターブレード法,リップコーター法またはダイコーター法等の成形方法によって塗布してシート状に成形し、温風乾燥,真空乾燥または遠赤外線乾燥等の乾燥方法によって乾燥することによって作製する。
【0020】
セラミック粉末としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)粉末,窒化アルミニウム(AlN)粉末,ガラスセラミック粉末等が挙げられ、配線基板7に要求される特性に合わせて適宜選択される。
【0021】
セラミック粉末が酸化アルミニウム粉末や窒化アルミニウム粉末の場合は、酸化珪素(SiO)や酸化マグネシウム(MgO)等の焼結助剤となる成分の粉末が加えられ、ま
た、着色剤として酸化マンガン(MnO)等の粉末を加えてもよい。
【0022】
セラミック粉末がガラスセラミック粉末の場合は、ガラス粉末とフィラー粉末とを10:90乃至99:1、好ましくは40:60乃至80:20の質量比で混合する。ガラスセラミック粉末のガラス粉末としては、従来からガラスセラミックスに用いられているものを用いればよく、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(ただし、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す。),SiO−Al−M1O−MO系(ただし、M1およびM2は同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す。),SiO−B−Al−M1O−M2O系(ただし、M1およびM2は上記と同じである。),SiO−B−M3O系(ただし、M3はLi、NaまたはKを示す。),SiO−B−Al−M3O系(ただし、M3は上記と同じである。),Pb系,Bi系等のガラスの粉末が用いられる。
【0023】
また、ガラスセラミック粉末のフィラー粉末としては、従来からガラスセラミックスに用いられているものを用いればよく、例えばAlとSiOとZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiO(クリストバライト,クオーツ)の少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末が挙げられる。
【0024】
有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに用いられているものを用いればよく、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独集合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独共重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量はセラミック粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつセラミック粉末が分散され、グリーンシートのハンドリング性や加工性が良好な量であればよく、セラミック粉末に対して10乃至20質量%程度が望ましい。
【0025】
スラリーに含まれる溶剤は、セラミック粉末および有機バインダを分散させ、グリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類,エーテル類,エステル類,ケトン類,アルコール類等の有機溶剤や水が挙げられる。これらの中で、トルエン,メチルエチルケトン,イソプロピルアルコール等の蒸発係数の高い溶剤は、スラリー塗布後の乾燥工程が短時間で終了できるので好ましい。溶剤の量は、セラミック粉末に対して30乃至100質量%の量で加えることによって、スラリーを良好に支持体上に塗布
することができるような粘度、具体的には3cps乃至100cps程度となるようにする
ことが望ましい。
【0026】
なお、セラミックグリーンシート1は、複数のセラミックグリーンシートを積層したものも含まれる。このような複数層からなるセラミックグリーンシート1は、複数枚のセラミックグリーンシートを準備し、これらを積層して加圧することにより形成される。
【0027】
次に、図1〜図5に示す例のように、セラミックグリーンシート1の配線基板領域1aに金属体2を埋設するとともに、配線導体パターン3を配置する。なお、金属体2の埋設と配線導体パターン3の配置とはどちらを先に行ってもよい。
【0028】
金属体2をセラミックグリーンシート1に埋設するには、セラミックグリーンシート1に穴を設けて、この穴に金属体2を配置しておけばよい。
【0029】
金属体2が埋設される穴は、金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工によって形成できる。このとき、金属体2は成形体の上面または下面あるいは上下の両方の面に露出されていてもよい。例えば、平面視で角部が円弧状の矩形状や円形の底面を有する柱状に形成されているときには、柱状の金属体2の底面が成形体の上面または下面に露出されていてもよい。金属体2が成形体の上面または下面に露出されていると、金属体2が露出していない場合に比べて、成形体を焼成する際に、金属体2が成形体の厚み方向にも変形しやすくなるので、成形体の面方向への変形を抑制するのに有効である。
【0030】
金属体2は、金属シートまたは金属ペーストからなり、金属シートまたは金属ペーストをセラミックグリーンシート1の穴に充填することで配置できる。
【0031】
金属体2が金属シートからなる場合には、金属シートは、平面視でセラミックグリーンシート1の穴と同じ形状で、セラミックグリーンシート1の穴の深さと同じ厚みに形成されて、セラミックグリーンシート1の穴を充填するように埋設されていればよい。
【0032】
なお、金属シートは、セラミックグリーンシート1に打ち抜き加工で穴を設けると同時に埋設されると成形体を効率よく作製できる。
【0033】
例えば、貫通孔の形成されたセラミックグリーンシート1の上面に金属シートを載置し、セラミックグリーンシート1に貫通孔を形成する打ち抜き金型を用いて、金属シート側から金属シートとセラミックグリーンシートとに貫通孔を打抜くと、セラミックグリーンシート1の貫通孔内に、この貫通孔と同サイズに打ち抜かれた金属シートを嵌め込むことができる。
【0034】
また、金属体2が金属ペーストからなる場合には、金属ペーストは、セラミックグリーンシート1の穴に充填されて配置されていればよい。また、金属ペーストを用いる場合には、金属ペーストはセラミックグリーンシート1の穴に保持されるような粘度に調整されていればよいが、セラミックグリーンシート1の穴を底のあるものとしておくことが好ましい。
【0035】
金属体2として金属シートを用いる場合には、金属シートは金属粉末に有機バインダおよび有機溶剤を、また必要に応じて所定量の可塑剤や分散剤を加えてスラリーを得て、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂や紙製の支持体上にドクターブレード法,リップコーター法またはダイコーター法等の成形方法によって塗布してシート状に成形し、温風乾燥,真空乾燥または遠赤外線乾燥等の乾燥方法によって乾燥することによって作製する。
【0036】
金属粉末としては、例えば、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),金(Au),銀(Ag),銅(Cu),パラジウム(Pd),白金(Pt)等の1種または2種以上からなる粉末が挙げられ、要求される特性に合わせて適宜選択される。なお、金属粉末が、2種以上からなる場合は混合,合金,コーティング等のいずれの形態であってもかまわない。例えば、Cu粉末とW粉末とを混合した金属体2を用いると、放熱性に優れた銅タングステン(CuW)からなる金属焼結体12とすることができる。
【0037】
金属シートに用いられる有機バインダおよび、スラリーに含まれる溶剤としては、上記のセラミックグリーンシートに用いられた材料を用いることができる。
【0038】
有機バインダの添加量は金属粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつ金属粉末が分散され、グリーンシートのハンドリング性や加工性が良好な量であれば
よく、金属粉末に対して10乃至20質量%程度が望ましい。
【0039】
溶剤の量は、金属粉末に対して30乃至100質量%の量で加えることによって、スラリー
を良好に支持体上に塗布することができるような粘度、具体的には3cps乃至100cp
s程度となるようにすることが望ましい。
【0040】
金属ペーストに用いられる有機バインダとしては、従来から金属ペーストに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系,アルキド系の有機バインダがより好ましい。
【0041】
また、有機バインダの添加量としては、金属粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつ金属粉末を分散できる量であればよく、金属粉末に対して5乃至20質量%程度の量であることが望ましい。
【0042】
金属ペーストに用いる溶剤としては、金属粉末と有機バインダとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、テルピネオールやブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。印刷後の形成性,乾燥性を考慮し、低沸点溶剤を用いることが好ましい。溶剤は金属粉末に対して4乃至15質量%の量で加えられ、15000乃至40000cps程度となるように調整される。
【0043】
なお、金属ペーストには、焼成時のセラミックグリーンシート1の焼成収縮挙動や収縮率と合わせるため、または焼成後の配線導体13の接合強度を確保するために、ガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。
【0044】
また、図4に示す例のように、金属体2は、平面視で成形体の上面側と下面側との大きさが異なっており、上面側と下面側との間に段差を設けることで、成形体を焼成した際に、母基板11と金属焼結体12との接触面積を大きくできる。このような形状の金属焼結体12を作製するには、セラミックグリーンシート1を複数のセラミックグリーンシートで形成し、上側のセラミックグリーンシートに第1貫通孔を形成し、下側のセラミックグリーンシートに第1貫通孔よりも径の大きい第2貫通孔を形成し、これらの貫通孔のそれぞれに合わせた大きさの金属体2を埋設し、上側と下側のセラミックグリーンシートを積層して加圧することによって形成することができる。
【0045】
成形体の上面側と下面側とで金属体2の大きさが異なる場合には、上面側における金属体2からセラミックグリーンシート1の上辺までの距離L1と金属体2からセラミックグリーンシート1の下辺までの距離L2はL1=L2とされ、下面側における金属体2からセラミックグリーンシート1の上辺までの距離L3と金属体2からセラミックグリーンシート1の下辺までの距離L4はL3=L4とされる。
【0046】
また、金属体2は、図5に示す例のように、横方向にも偏在していてもよい。この場合には、平面視で、金属体2からセラミックグリーンシート1の左辺までの距離L5と金属体2からセラミックグリーンシート1の右辺までの距離L6とは、L5=L6とされる。なお、L3=L4,L5=L6の場合もL1=L2の場合と同様に、それぞれの距離は製造工程における0.1mm程度のばらつきによる誤差は含むものとする。
【0047】
配線導体パターン3は、電子部品のワイヤボンディング等の接続手段によって各電極と
電気的に接続される接続電極となる配線導体13、半田等の接合材を介して外部回路基板の配線導体13と電気的に接続される接続パッドとなる配線導体13、接続電極と接続パッドとを電気的に接続するための貫通導体や基板内で引き回される内部配線層となる配線導体13となるものである。
【0048】
このような配線導体パターン3は、例えば、セラミックグリーンシート1にパンチングや金型による打ち抜き加工やレーザ加工によって貫通導体となる配線導体パターン3用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体となる配線導体パターン3用の導体ペーストをスクリーン印刷法やプレス充填によって埋め込んで貫通導体となる配線導体パターン3を形成し、セラミックグリーンシート1の上面または下面の貫通導体となる配線導体パターン3が露出した部分の上に配線導体層となる配線導体パターン3用の導体ペーストをスクリーン印刷法、グラビア印刷法等の印刷法によって所定パターン形状で印刷することによって、10μm〜20μm程度の厚みで形成される。
【0049】
導体ペーストは、金属粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を加えてボールミルやプラネタリーミキサー等の混練手段によって均質に分散させて混練した後、溶剤を必要量添加することによって、印刷や貫通孔の充填に適した粘度に調整することによって作製される。
【0050】
このような導体ペーストは、上記した金属ペーストと同様の材料を用いて、同様の方法で作製できる。
【0051】
次に、主面および内部に配線導体パターン3が形成されたセラミックグリーンシート1を加圧することによって、成形体を作製する。積層する際は、それぞれの貫通孔同士が平面視で重なるように積層される。このときの成形体への加圧は必要に応じて加熱しながら行なう。加圧および加熱の条件は用いる有機バインダ等の種類や量によって異なるが、概ね2〜20MPaの圧力および30〜100℃の温度である。また、ステンレス等からなる金属
体の上に、これらのセラミックグリーンシート1を載置し、これらのセラミックグリーンシート1の上方に配置されたステンレス等からなる金属体やゴム等からなる弾性体によって加圧される。
【0052】
なお、図1〜図5に示す例においては、成形体は、1枚のセラミックグリーンシート1に金属体2および配線導体パターン3を配置することよって作製されているが、複数枚のセラミックグリーンシート1を準備して積層することによって成形体を作製してもよい。積層する際はセラミックグリーンシート1同士の接着性を向上させるために、溶剤と有機バインダや可塑剤等とを混合した接着剤を用いてもよい。
【0053】
また、複数枚のセラミックグリーンシート1を積層して成形体を作製する場合には、貫通導体となる配線導体パターン3同士は直接接続されていればよいが、配線導体パターン3同士の接続をより良好なものとするために、貫通導体となる配線導体パターン3同士の間にこれらのパターンよりも幅広の配線導体パターン3を形成しておくことが好ましい。
【0054】
このようにして作製した成形体を焼成することで、図6に示す例のような多数個取り配線基板を作製できる。なお、成形体は、焼成することによって、セラミックグリーンシート1が母基板11に、金属体2が金属焼結体12に、配線導体パターン3が配線導体13、金属枠体パターン4は金属枠体14になる。また、図6に示す例においては、電子部品17を搭載した状態の多数個取り配線基板を示す。
【0055】
第1の実施形態における多数個取り配線基板は、平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域を含んでいる母基板11と、複数の配
線基板領域のそれぞれに埋設されており、複数の配線基板領域のそれぞれにおいて縦方向に偏在して設けられている金属焼結体12とを備えており、複数の配線基板領域のうち縦方向の上端に配置された配線基板領域に設けられた金属焼結体12から母基板11の上辺までの距離L11が、複数の配線基板領域のうち縦方向の下端に配置された配線基板領域に設けられた金属焼結体12から母基板11の下辺までの距離L12に等しいものである。このような構成であることから、多数個取り配線基板が反って凹または凸となっている領域を多数個取り配線基板の中央に位置させることができる。
【0056】
なお、図6に示す例のように、多数個取り配線基板の上面側と下面側とで金属焼結体12の大きさが異なる場合には、上面側における金属焼結体12から母基板11の上辺までの距離L11と金属焼結体12から母基板11の下辺までの距離L12はL11=L12とされ、下面側における金属焼結体12から母基板11の上辺までの距離L13と金属焼結体12から母基板11の下辺までの距離L14はL13=L14とされる。
【0057】
焼成する工程は有機成分の除去とセラミック粉末および金属粉末の焼結とから成る。有機成分の除去は100〜1000℃程度の温度範囲で成形体を加熱することによって行ない有機
成分を分解し、揮発させる。焼結温度はセラミックの組成および金属の組成によって異なり、800〜1600℃程度の範囲内で行なう。また、焼成雰囲気はセラミック粉末や導体材料
によって異なり、大気中あるいは還元雰囲気中あるいは非酸化性雰囲気中等で行なわれ、有機成分の除去を効果的に行なうために雰囲気中に水蒸気等を含ませてもよい。
【0058】
多数個取り配線基板を、配線基板領域1a同士の境界線1cまたは配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cに沿って分割することによって、配線基板が製作される。多数個取り配線基板を、配線基板領域1a同士の境界線1cまたは配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界線1cに沿って分割する方法としては、境界線1c上に分割溝1dを形成しておき、この分割溝1dに沿って撓折して分割する方法、またはスライシング法等によって境界線1cに沿って切断する方法等を用いることができる。分割溝1dは、焼成前の成形体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によって成形体の厚みより小さく切込んだりすることによって形成するか、焼成後の多数個取り配線基板にスライシング装置によって多数個取り配線基板の厚みより小さく切込むことによって形成できる。
【0059】
なお、配線導体パターン3が焼結した配線導体13の露出する表面には、電解めっき法あるいは無電解めっき法によってめっき層が被着される。これによって、配線導体13と電子部品との固着、配線導体13と外部回路基板の配線導体との接合、配線導体13とボンディングワイヤとの接合を強固にできる。めっき層は、ニッケル,金等の耐蝕性に優れる金属や銀等の反射性に優れる金属、銅等の放熱性にすぐれる金属から成るものである。例えば、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3μm程度の金めっき層とを順次被
着させる。また、例えば、電子部品17として発光素子が搭載される場合には、金めっき層の表面に、さらに銀めっき層が被着されていると、発光装置としたときに発光素子の発光する光を良好に反射できる。また、平面視で電子部品17が搭載される領域において、配線導体13とニッケルめっき層との間に銅めっき層が被着されていると、放熱性に優れた配線基板を得ることができる。
【0060】
このような多数個取り配線基板には、多数個取り配線基板の一方主面の配線基板領域1aに電子部品を収納するための凹部を備えていても構わない。凹部は、例えば金型やパンチングによる打ち抜き方法によって凹部用の貫通孔を形成したセラミックグリーンシート1と、凹部の底面となる貫通孔を形成していないセラミックグリーンシート1とを積層することによって形成できる。また、凹部は、複数の階段状であっても良いし、多数個取り配線基板の両主面に形成されても構わない。
【0061】
また、多数個取り配線基板は、縦または横の少なくとも一方の並びに複数の配線基板領域1aが配列されているものである。このような配線基板領域1aの配置は、多数個取り配線基板や配線基板領域1aの大きさ、配線基板領域1aに搭載される電子部品や配線導体13の配置等に合わせて設定される。
【0062】
また、配線基板領域1a同士の間にもダミー領域1bが配置されていても良い。このようなときには、平面視で隣り合って配置された配線基板領域1aの左右または上下に非対称な切り欠きとなる穴を設ける場合に有効である。
【0063】
ここで、図6に示す例においては、電子部品17はワイヤボンディング型の半導体素子である場合を示しており、半導体素子を接合材によって配線基板領域1aに固定した後、接続部材18であるボンディングワイヤを介して半導体素子の電極と配線導体13とを電気的に接続している。
【0064】
また、電子部品17は、フリップチップ型の半導体素子である場合には、はんだバンプや金バンプ、または導電性樹脂(異方性導電樹脂等)等の接合材を介して、半導体素子の電極と配線導体13とを電気的および機械的に接続および接合できる。このような場合には、接合材によって電子部品17を各配線基板領域1aに接合した後に、電子部品17と配線基板との間にアンダーフィルを注入してもよい。
【0065】
本実施形態の成形体は上記構成であることから、成形体を焼成して多数個取り配線基板を作製する際に、多数個取り配線基板が反ったときに、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域を多数個取り配線基板の縦方向(y軸方向)において中央に位置させることができる。
【0066】
なお、図6に示す例のように、金属焼結体12が等間隔に配置されていると、多数個取り配線基板の配線基板領域1a上に電子部品を搭載する効率を高めるのに有効である。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による成形体について、図7を参照しつつ説明する。
【0068】
本発明の第2の実施形態における成形体において、上記した第1の実施形態の成形体と異なる部分は、図7に示す例のように、複数の配線基板領域1aのうち縦方向の上端に配置された配線基板領域1aに設けられた複数の金属体2を囲む仮想円4のうち最小の仮想円4の中心からセラミックグリーンシート1の上辺までの距離が、複数の配線基板領域1aのうち縦方向の下端に配置された配線基板領域1aに設けられた複数の金属体2を囲む仮想円のうち最小の仮想円4の中心からセラミックグリーンシート1の下辺までの距離に等しい点である。その他の構成については、上記した第1の実施形態による成形体と同様である。なお仮想円4は、金属体2を元に設定される領域であり、図7においては破線で示す。
【0069】
本実施形態の成形体においても、成形体を焼成して多数個取り配線基板を作製する際に、多数個取り配線基板が反ったときに、多数個取り配線基板の最も凹んだ領域または最も凸となった領域を多数個取り配線基板の縦方向(y軸方向)において中央に位置させることができる。
【0070】
最小の仮想円4は、平面視で配線基板領域1aに設けられた複数の金属体2を囲んで描ける仮想円のうち最小のものである。このような最小の仮想円4は、複数の金属体2の少なくとも2つに接して描いた円となる。なお、図7に示す例では、仮想直線(C−C線)を挟んで線対称に配置されているが、最小の仮想円4が縦方向に等間隔に配置されていて
も構わない。
【0071】
また、第2の実施形態における多数個取り配線基板において、上記した第1の実施形態の多数個取り配線基板と異なる部分は、図8に示す例のように、複数の配線基板領域1aのうち縦方向の上端に配置された配線基板領域1aに設けられた複数の金属焼結体12を囲む仮想円のうち最小の仮想円4の中心から母基板の上辺までの距離が、複数の配線基板領域1aのうち縦方向の下端に配置された配線基板領域1aに設けられた複数の金属焼結体12を囲む仮想円のうち最小の仮想円4の中心から母基板11の下辺までの距離に等しい点である。その他の構成については、上記した第1の実施形態による多数個取り配線基板と同様である。
【0072】
本実施形態の多数個取り配線基板においても、多数個取り配線基板が反って凹または凸となっている領域を多数個取り配線基板の縦方向(y軸方向)において中央に位置させることができる。なお、図8に示す例のように、最小の仮想円4が等間隔に同一方向に配置されていると、多数個取り配線基板の配線基板領域1a上に電子部品を搭載する効率を高めるのに有効である。
【0073】
また、本実施形態の多数個取り配線基板は、金属焼結体12を1つ配置する場合と比較して、平面視で複数の金属焼結体12のそれぞれを小さくできるので、配線導体13の配置の自由度を高めて、配線導体13の偏りによる多数個取り配線基板の変形を抑制するのに有効である。
【0074】
なお、本発明は、上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、配線基板領域1aの境界に、多数個取り配線基板を分割した際に溝となる穴を形成し、穴の内面に導体を形成して、多数個取り配線基板を分割した際に、いわゆるキャスタレーション導体を形成してもかまわない。
【0075】
また、図4に示す例のように、それぞれの配線基板領域1aの外周部に、配線導体パターン3を囲むような金属枠体パターン4を配置しておいてもよい。金属枠体パターン4は、配線導体パターン3と同様の材料を用いて製作できる。このような金属枠体パターン4が燒結されることによって、図6に示す例のような金属枠体14が形成できる。金属枠体14は、配線導体13と同様の材料からなり、電子部品17を樹脂モールドする際の樹脂固定部や、電子部品17として発光素子を搭載する場合には発光素子の光を反射させる反射層として用いることができる。なお、金属枠体14の表面に銀めっき層を被着しておくと、発光素子17から側面方向に放射された光を良好に反射できる。
【0076】
また、電子部品17が発光素子である場合には、図6に示す例のように、金属焼結体12は、平面視で電子部品17よりも大きくしておくと、発光素子が発する熱を金属焼結体12の全面にわたって放熱できるので好ましい。
【0077】
また、図1または図3に示す例のように、金属体2が成形体の上面または下面の少なくとも一方に露出していてもよい。このような成形体を用いると、焼成されて多数個取り配線基板を分割して得た配線基板の放熱性を良好にするのに有効である。
【0078】
また、図2および図4〜図6に示す例のように、金属体2が成形体の上面および下面に露出されず、セラミックグリーンシート1の内部に埋設されていてもよい。このような成形体を焼成して得た多数個取り配線基板を分割した配線基板を用いて電子装置とすると、配線基板の上面または下面に形成された表面電極が金属焼結体12を介して短絡することを防止できる。よって、平面視で表面電極を大きくできる。
【0079】
また、母基板11の配線基板領域1aの下面に放熱体が配置されていても良い。このような放熱体は、多数個取り配線基板を分割した配線基板を用いた電子装置を外部回路基板に実装したときに、放熱体と外部回路基板とが接合または当接することによって放熱性を高めることができる。
【0080】
また、金属焼結体12は平面視で角部が円弧状とした矩形状であることが好ましい。矩形状の電子部品17であるときには、配線基板領域1aにおいて、平面視で電子部品と重なる面積を小さくすることなく、金属焼結体12の大きさを小さくできるので、金属焼結体12と表面電極との短絡を低減できる。
【0081】
また、電子部品17は、部分的に放熱性を高くしたい場合には、平面視で放熱性を高めたい部分と金属焼結体12とが重なるように配置すればよい。例えば、電子部品17が撮像素子であれば、金属焼結体12は、撮像素子に設けられたDSP(Digital Signal Processor)等の信号処理回路の部分と重なるように配置しておくとよい。信号処理回路で発生した熱を金属焼結体12に伝わりやすくし、受光部側に熱が伝わりにくくなるので、撮像素子の受光部が熱によって歪むことを抑制することができるとともに、消費電力を低減できる。
【0082】
第2の実施形態の多数個取り配線基板において、複数の金属焼結体12は母基板1の内部で金属部材を介して互いにつながっていてもよい。このような多数個取り配線基板を分割して得られる配線基板に電子部品を実装した場合において、金属焼結体12を放熱体として用いると、電子部品で生じる熱が複数の金属焼結体12から均等に放熱されやすい。
【符号の説明】
【0083】
1・・・・セラミックグリーンシート
1a・・・配線基板領域
1b・・・ダミー領域
1c・・・配線基板領域1aの境界線
1d・・・分割溝
2・・・・金属体
3・・・・配線導体パターン
4・・・・最小の仮想円
11・・・・母基板
12・・・・金属焼結体
13・・・・配線導体
14・・・・金属枠体
17・・・・電子部品
18・・・・接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域を含んでいる複数のセラミックグリーンシートと、前記複数の配線基板領域のそれぞれに埋設されており、前記複数の配線基板領域のそれぞれにおいて前記縦方向に偏在して設けられている金属体とを備えており、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の上端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属体から前記セラミックグリーンシートの上辺までの距離が、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の下端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属体から前記セラミックグリーンシートの下辺までの距離に等しいことを特徴とする成形体。
【請求項2】
平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域を含んでいる複数のセラミックグリーンシートと、前記複数の配線基板領域のそれぞれに埋設されており、前記複数の配線基板領域のそれぞれにおいて前記縦方向に偏在して設けられている複数の金属体とを備えており、
前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の上端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記複数の金属体を囲む仮想円のうち最小の仮想円の中心から前記セラミックグリーンシートの上辺までの距離が、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の下端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記複数の金属体を囲む仮想円のうち最小の仮想円の中心から前記セラミックグリーンシートの下辺までの距離に等しいことを特徴とする成形体。
【請求項3】
前記金属体が、平面視で前記セラミックグリーンシートの中央を通って前記横方向に伸びた仮想直線を挟んで線対称に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形体。
【請求項4】
前記金属体が、前記縦方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形体。
【請求項5】
平面視において前記縦方向の上端に配置された前記配線基板領域から下端に配置された前記配線基板領域にかけて、前記縦方向に隣り合って配置された前記複数の配線基板領域において前記金属体が前記複数の配線基板領域の境界を挟んで線対称に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形体。
【請求項6】
平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域を含んでいる母基板と、前記複数の配線基板領域のそれぞれに埋設されており、前記複数の配線基板領域のそれぞれにおいて前記縦方向に偏在して設けられている金属焼結体とを備えており、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の上端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属焼結体から前記母基板の上辺までの距離が、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の下端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記金属焼結体から前記母基板の下辺までの距離に等しいことを特徴とする多数個取り配線基板。
【請求項7】
平面視において矩形状を有しており、縦方向および横方向に配列された複数の配線基板領域を含んでいる母基板と、前記複数の配線基板領域のそれぞれに埋設されており、前記複数の配線基板領域のそれぞれにおいて前記縦方向に偏在して設けられている複数の金属焼結体とを備えており、
前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の上端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記複数の金属焼結体を囲む仮想円のうち最小の仮想円の中心から前記母基板の上辺までの距離が、前記複数の配線基板領域のうち前記縦方向の下端に配置された前記配線基板領域に設けられた前記複数の金属焼結体を囲む仮想円のうち最小の仮想円の中心から前
記母基板の下辺までの距離に等しいことを特徴とする多数個取り配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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