成形物の湾曲面を抜く刃型を有した抜き型の製造方法

【課題】成形物の湾曲面において、十字抜きの各辺の長さを十字抜きの中心から、同心円上に同比率で、均等に切り込むことが可能な高精度の抜き型の開発。
【解決手段】成形物に忠実な形状に加工される部品と、雄雌刃５，７とを同時に加工することで、成形物の形状に忠実な刃型を作製し、これを互い違いの刃物として利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、「成形物の一部分に、形状切り込み、又は抜き落とし加工をする抜き型」に用いる物で、従来にない刃型の製造方法により、成形物の湾曲面に十字の切り込みを入れる事を可能としたものである。
【背景技術】
【０００２】
抜き型は、成形物の平面を抜く事が普通であり、多少の立体形状面でも可能ではあるが、湾曲面に十字の切り込みを入れるための技術は、確立されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
成形物の湾曲面において、切り込んだ十字の各辺の長さを十字の中心から同心円上で、同比率に均等に切り込むことが可能な、抜き型の開発。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
成形物の位置を定着させるための製品ガイドという、成形物の形状に忠実に加工する部品の、加工前の材料のうちに雄雌刃となる、異なった材質、硬度の材料を埋め込んでおき、同時に加工することで、成形物に忠実な形状の刃物を作成する。
【発明の効果】
【０００５】
十字の切り込みを入れる対象の成形物は、飲料容器用のプラスチック製の蓋で、用途は主にストロ−の差込くちであるが、容器の湾曲面にストロ−くちを配置できるという特異性と、十字の各辺の長さが同じであることで、ストロ−を差し込む際の抵抗が安定するという、平面に切り込む物と比べても衰えることなく、成形物上の十字切りの機能を十分に発揮することができる。
【発明を実施させるための最良の形態】
【０００６】
本発明の実施の形態を図１〜図５に基づいて説明する。
製品ガイド（６）と、同時加工した刃型（５）（７）のうち、雄刃（７）を取り出し、雌刃（５）と、それぞれ上下型に互い違いに組み込むことで、成形物の湾曲面に対し、鏡面的に切り込む（図２）抜き型の作製が可能となる。
【実施例】
【０００７】
焼き入れ処理済みのＳＫＤ−１１種の鋼材を雄刃、プリハ−ドン系の鋼材を雌刃とし、これを製品ガイドとなるＳＳ材の、ワイヤカットで開けた穴に埋め込んだ後、同時に成形物の形状に加工する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の抜き型
【図２】本発明の抜き型で、成形物に切り込みを入れている状態
【図３】雌型
【図４】雄型
【図５】製品ガイドに埋め込まれた、雄雌型の配置図
【符号の説明】
【０００９】
１雌刃側プレ−ト
２雄刃側プレ−ト
３ガイドブシュ
４ガイドポスト
５雌刃
６製品ガイド
７雄刃
８雄刃ホルダ−

【特許請求の範囲】
【請求項１】
成形物の湾曲面に、十字の切り込みを入れるための抜き型において、製品ガイドと同時加工することで、成形物の形状に忠実な雄雌刃を作製、これを取り出し、互い違いに合い型に組み込み、成形物の湾曲面に対し鏡面的に切り込む、十字抜き用の刃型を有した抜き型の製造方法。

【図１】