説明

成形用ブランク枚数判別装置及び同判別方法

【課題】搬送装置で持ち上げられて保持された成形用ブランク1のブランク枚数を簡単に且つ精度良く検出する。
【解決手段】成形用ブランク1の厚さを検出する非接触式の磁気センサ16と、該センサ16の検出値に基いて成形用ブランク1の枚数を判別する枚数判別手段と、搬送装置が持ち上げている成形用ブランク1を、その端面がセンサ1に対してブランク厚さの検出に適した定位置で対面するように位置決め支持する樹脂製のブランク受け17とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形装置に送られる成形用ブランクの枚数判別装置及び同判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板等の成形用ブランクを所定のラック内に積み重ねて収容しておき、そのブランク積層部のブランクを上から順に搬送装置のバキュームカップで吸着して持ち上げ、例えばプレス成形装置に搬送することは一般に行なわれている。このようなブランクは、その表面に成形時の傷つき防止、焼付き防止等のために油材が塗られている。そのため、積み重ねられた上下のブランク同士が密着状態となっていることがある。その場合、ブランクをバキュームカップで持ち上げたときに、1枚ずつに離れず、2枚以上が同時に持ち上がることがある。そのまま、例えば2枚のブランクが密着したままプレス成形装置に搬入されてプレス機械が作動した場合、オーバロード検出によってプレス機械は停止するが、型具が破損する。
【0003】
これを避けるために、マグネットフローターにて最上部のブランクとその1枚下のブランクとを分離させることも行なわれている。しかし、その場合でも2枚のブランクが同時に持ち上がってしまうことがある。すなわち、最上部のブランクは、1枚下のブランクに対してずれて重なっているときは分離され易いが、ずれが殆どない状態で重なっているときは分離されにくい。従って、ラック等から持ち上げられた成形用ブランクが複数枚重なった状態になっているか否かを検出して、トラブルを未然に防ぐことが求められる。
【0004】
そのようなブランク枚数の判別装置としては例えば特許文献1に記載されたものが知られている。これは、搬送装置に保持されたブランクを上下のローラ間に差し込み、ローラ間隔の変位量によってブランク厚さを検出し、その検出厚さに基いてブランク枚数が1枚か否かを判別するものである。また、特許文献2には、積み重ねたブランクを背面のストッパに当てることによって位置ずれのない整列状態にし、その状態で最上部のブランクをバキュームカップにて吸着して上昇させ、その上昇途中で非接触式の厚さセンサの検知範囲を通過させることにより、その上昇するブランクの枚数を判別することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−318336号公報
【特許文献2】特開平10−71441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のブランク枚数判別装置では、一対のローラを相対移動可能に設ける必要があって、装置構造が複雑になり易い。また、ローラー間にブランクを差し込むためには、ブランクをローラー間に臨むように精度良く位置付ける必要があるが、実際には難しい。すなわち、例えば、大物ブランクでは、その重量によって搬送装置のアームに若干の撓みを生じ、さらにその撓みに伴って搬送中にブランクの揺れを招くこともある。そのため、ローラーに対するブランクの位置決めが難しくなる。また、搬送装置自体は各種センサを用いることにより精度良く制御することができるとしても、ブランク積層部のブランクが前後左右にずれた状態で積み重ねられている場合は、搬送装置によるブランクの保持位置がずれ、その結果、ブランクの搬送位置も予定の位置からずれてしまうことになる。
【0007】
このような問題は、非接触式の厚さセンサをブランク搬送経路上に設置し、搬送装置によってブランクを厚さセンサの検出範囲内に位置付けてブランク厚さを検出する場合でも生ずることである。すなわち、搬送アームに撓みを生ずる場合は、ブランクを厚さセンサの検出範囲内に精度良く位置付けることが難しくなり、また、ブランクが不揃いに積層されている場合は、そのブランクのずれが厚さセンサに対する位置決め誤差となって現れることになる。
【0008】
また、特許文献2のブランク枚数判別装置では、ブランクが上昇途中でセンサの検知範囲を通過する一瞬の間にブランク厚さを検出するものであるから、検出精度を高めることが難しい。特に生産ライン上のタクトタイム変更のためにブランク上昇速度を変える必要があるときはブランク厚さの誤検出を招き易くなる。また、ブランクの形状や大きさが異なる場合は、それらを収容するラック毎にブランク厚さを検出するためのセンサ等を適正配置で設けなければならず、さらにコストも高くなる。
【0009】
そこで、本発明は、上述の問題を招くことなく、ブランク枚数を簡単に且つ精度良く検出することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、搬送装置にて持ち上げた成形用ブランクを非接触式の厚さセンサに対して精度良く位置決めすることができるブランク受けを設けるようにした。
【0011】
すなわち、ここに提示する成形用ブランク枚数判別装置は、成形用ブランクが積み重ねられたブランク積層部から搬送装置が持ち上げた成形用ブランクの枚数を搬送途中で判別するものであって、上記成形用ブランクの厚さを検出する非接触式の磁気センサと、該センサの検出値に基いて上記成形用ブランクの枚数を判別する枚数判別手段とを備え、さらに、上記搬送装置が持ち上げている成形用ブランクを、その端面が上記センサに対してブランク厚さの検出に適した定位置で対面するように位置決め支持する樹脂製のブランク受けとを備えていることを特徴とする。
【0012】
従って、ブランク積層部から搬送装置で持ち上げた成形用ブランクをそのままブランク受けに支持させると、その成形用ブランクの端面が上記センサに対してブランク厚さの検出に適した定位置で対面することになる。すなわち、ブランク積層状態の不揃いによって成形用ブランクが搬送装置に若干位置ずれして保持される場合や、搬送装置の一部に撓みを生ずる場合でも、成形用ブランクを上記ブランク受けに支持させるようにすれば、ブランク端面を常に定位置でセンサに対面させることができる。よって、センサによる成形用ブランクの厚さの検出精度が高くなり、搬送装置による成形用ブランク保持枚数の誤判別防止に有利になる。
【0013】
また、上記ブランク受けは、樹脂製であるから、磁気を検出媒体とする上記センサに対してノイズを与えることがなく、該センサの誤作動を招かない。ブランク受け用樹脂材料としては、例えば、硬質ウレタン樹脂を採用することができ、その他にフッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、硬質塩化ビニル樹脂等を採用することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、上記ブランク受けとして、間隔をあけて設けられた一対の位置決め支持部を備え、該両位置決め支持部の間に上記センサが配置されており、上記位置決め支持部は、上記成形用ブランクの端面を接触させる縦面と、上記成形用ブランクを支持する横面とがL字状に設けられたものであり、上記縦面が上記センサと上記成形用ブランクの端面との対面距離を一定にし、上記横面が上記センサに対する上記成形用ブランクの端面の高さを一定にすることを特徴とする。
【0015】
従って、成形用ブランクを一対の位置決め支持部によって安定した状態に支持することができ、ブランク厚さの誤検出防止に有利になる。そして、成形用ブランクの端面が上記縦面に接触し、その下面が上記横面に受けられるようにすると、該成形用ブランクの端面は、センサからの距離及びセンサに対する高さが厚さ検出に適した定位置に位置付けられることになり、ブランク厚さの誤検出防止にさらに有利になる。
【0016】
この場合、一対の位置決め支持部は、1つのブランク受け部材に間隔をおいて形成するようにしてもよく、或いは間隔をおいて配置した別個のブランク受け部材に各々1つの位置決め支持部を形成するようにしてもよい。
【0017】
好ましい実施形態では、上記ブランク受けが上記成形用ブランクで押されたときに上記センサと共に後退することができるように、該ブランク受け及びセンサを弾性的に支持する支持手段を備えていることを特徴とする。
【0018】
従って、搬送装置によって成形用ブランクをブランク受けに押し当てるようにすれば、該成形用ブランクの端面とセンサとの距離が厚さ検出に適正な距離になる。換言すれば、搬送装置による成形用ブランクの停止位置のずれ、或いはブランク積層部での成形用ブランクの位置ずれを上記弾性的支持によって吸収することができる。そして、それら位置ずれに起因して成形用ブランクがブランク受けに強く当たることがあっても、ブランク受けやセンサ、或いは成形用ブランクの破損ないし変形が避けられる。
【0019】
好ましい実施形態では、上記搬送装置は、上記成形用ブランクをバキュームカップによって持ち上げて上記ブランク受けに設置するものであり、上記枚数判別手段にて成形用ブランク枚数が1枚であると判別されたときは当該成形用ブランクが該ブランクの成形装置に搬送され、上記枚数判別手段にて成形用ブランク枚数が2枚以上であると判別されたときは当該成形用ブランクが上記ブランク積層部に戻されるように、上記搬送装置を制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0020】
従って、搬送装置によって成形用ブランクが2枚以上同時に持ち上げられることがあっても、それがそのまま成形装置に搬入されることが防止される。そして、その同時に持ち上げられた2枚以上の成形用ブランクは元のブランク積層部に戻されるから、該ブランク積層部から最上部の成形用ブランクを再度持ち上げて、ブランク枚数の判定及び成形装置への搬入を続行することができる。
【0021】
また、ここに提示する成形用ブランク枚数判別方法は、成形用ブランクが積層されたブランク積層部から搬送装置が持ち上げた成形用ブランクの枚数を搬送途中で判別する方法であって、上記成形用ブランクの厚さを検出する非接触式の磁気センサと、上記成形用ブランクをその端面が上記センサに対してブランク厚さの検出に適した定位置で対面するように位置決め支持する樹脂製のブランク受けとを用意し、上記搬送装置にて上記ブランク積層部から持ち上げた上記成形用ブランクを上記樹脂製のブランク受けに支持させることにより、該成形用ブランクの端面を上記定位置において上記センサと対面するように位置決め、上記センサで得られた上記成形用ブランクの厚さに基いて該成形用ブランクの枚数を枚数判別手段にて判別することを特徴とする。
【0022】
従って、上記成形用ブランク枚数判別装置の説明で明らかなように、当該方法によれば、ブランク積層状態の不揃いによって成形用ブランクが搬送装置に若干位置ずれして保持される場合や、搬送装置の一部に撓みを生ずる場合でも、その成形用ブランクの端面を常に定位置でセンサに対面させることができ、また、ブランク受けがセンサに対してノイズを与えることもないから、該センサによる成形用ブランクの厚さの検出精度が高くなり、成形用ブランクの枚数の誤判別防止に有利になる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、ブランク積層状態の不揃いによって成形用ブランクが搬送装置に若干位置ずれして保持される場合や、搬送装置の一部に撓みを生ずる場合でも、その成形用ブランクを上記ブランク受けに支持させるようにするだけで、その成形用ブランクの端面を常に定位置でセンサに対面させることができ、また、ブランク受けがセンサに対してノイズを与えることもないから、該センサによる成形用ブランクの厚さの検出精度が高くなり、成形用ブランクの枚数の誤判別防止に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態の全体構成図である。
【図2】実施形態に係るブランク厚さ検出装置の斜視図である。
【図3】同検出装置の平面図である。
【図4】同検出装置にブランクが位置決め支持される様子を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0026】
図1において、1は強磁性のプレス成形用ブランク(以下、単に「ブランク」という。)、2はブランク1が積み重ねられたラック(ブランク積層部)、3はラック2からブランク1を持ち上げて搬送する搬送装置、4は搬送装置3によって持ち上げられたブランク1の厚さを検出するブランク厚さ検出装置である。ブランク厚さの検出値は、ブランク枚数を判別する枚数判別手段5に与えられ、その判別結果は搬送装置3の制御手段6に与えられる。
【0027】
ラック2は昇降台11を備え、該昇降台11にブランク1が積み重ねられている。搬送装置3にて最上部のブランク1が持ち上げられる都度、昇降台11がブランク1枚厚さ分上昇する。搬送装置3は、所謂パレタイジングロボットであり、固定部12から延びる多関節アーム13の先端にブランク保持ハンド14が設けられ、該ハンド14にブランク把持手段としてのバキュームカップ15が取付けられている。
【0028】
ブランク厚さ検出装置4は、ブランク厚さを検出する非接触式の磁気センサ16と、ブランク1をその端面が磁気センサ16に対してブランク厚さの検出に適した定位置で対面するように位置決め支持する樹脂製のブランク受け17とを備えている。磁気センサ16及びブランク受け17は、基台18上の支持手段19に弾性的に支持されている。
【0029】
図2及び図3に示すように、磁気センサ16及びブランク受け17は断面L字状のアングル板21に固定されている。本例の場合は、間隔をおいて配置された一対のブランク受け17を備え、両ブランク受け17間に磁気センサ(センサヘッド)16が配置されている。磁気センサ16は、磁束を発生する駆動コイルと、ブランク1を透過した磁束を検出する検出コイルとを有し、磁束がブランク1を透過したときと透過しないときとで検出コイルに誘起される電圧の差に基いてブランク厚さを検出するものである。このようなセンサヘッドとしては、キーエンス社製のDH−320を用いることが可能である。
【0030】
枚数判別手段(アンプユニット)5では、ブランク1枚の厚さに相当する検出レベルが予め設定され、磁気センサ16による検出値(誘起電圧差)が検出レベルを越えるときに、ブランク1が2枚以上重なっていると判定する。
【0031】
各ブランク受け17は、硬質ウレタン樹脂製であって、図4に示すようにブランク1の端面を接触させることによって該ブランク1の端面と磁気センサ16との対面距離を一定にする縦面17aと、ブランク1を支持することによって磁気センサ16に対するブランク1の端面の高さを一定にする横面17bとからなるL字状の位置決め支持部を備えている。
【0032】
すなわち、ブランク1の端面を縦面17aに接触させると、該ブランク1の端面と磁気センサ16とがブランク厚さ検出に最適な距離で対面した状態になり、ブランク1を横面17bに支持させる(ブランク下面を横面17bに接触させた状態にする)と、ブランク1の端面は磁気センサ16に対してブランク厚さ検出に最適な高さで磁気センサ16に対面することになる。
【0033】
支持手段19は、基台18に固定された支持プレート22と、上記アングル板21を弾性的に後退(磁気センサ16の背部に向かって後退)できるように支持プレート22に支持するスプリングダンパー23とを備えて構成されている。
【0034】
上記構成において、ラック2に積み重ねられたブランク1は、上から順に搬送装置3のバキュームカップ15で吸引して持ち上げられ、ブランク厚さ検出装置4に送られる。ブランク1は、搬送装置3で保持されたまま、図4に示すように下方へ斜行させられ、ブランク端部がブランク受け17の横面17bに載せられるとともに、ブランク1の端面が縦面17aに当てられる。ブランク1の端面が縦面17aに当たるときの衝撃はスプリングダンパー23によって吸収される。
【0035】
ラック2においてブランク1の積み重ね状態が不揃いで前後左右に位置ずれしている場合、ブランク1のブランク受け17での停止位置がずれるが、その位置ずれがスプリングダンパー23によって吸収されることになる。そして、ブランク1の端面が上記縦面17aに接触した状態になることによって、該端面と磁気センサ16との間隔がブランク厚さの検出に最適な距離になる。また、搬送装置3の多関節アーム13やブランク保持ハンド14がブランク1の重みで撓むケースでも、ブランク1はブランク受け17の横面17bに載せられることによって、ブランク1の端面は磁気センサ16による厚さ検出に最適な高さになる。
【0036】
従って、磁気センサ16によるブランク厚さの検出は精度が高いものになり、誤検出が避けられる。
【0037】
ブランク厚さの検出結果は枚数判別手段5に与えられ、搬送装置3にて保持されているブランク1の枚数が判別される。判別結果は搬送装置3の制御手段6に与えられる。制御手段6は、ブランク枚数が1枚であるときはそのブランク1がプレス成形装置(図示省略)に送られるように搬送装置3の作動を制御し、ブランク枚数が2枚以上であるときはそれらブランク1が元のラック2に戻されるように搬送装置3の作動を制御する。
【0038】
本発明者の実験によれば、ブランク受け17を設けることなく、搬送装置3の制御のみによってブランク1の端面を磁気センサ16の検出範囲に位置付けるようにした場合は、ブランク1の端面と磁気センサ17との距離、並びにその端面の高さにばらつきを生じ、ブランク1の2枚重ねを検出・判別できないことがあった。
【0039】
また、ブランク受け17を、樹脂製ではなく、アルミ合金製としたケースについても実験したが、枚数判別手段5の検出レベルを下げても、未反応になったり、或いは突如、検出レベルを越えてレッドゾーン(2枚重ねと判別されるゾーン)に入ることがあった。これは、アルミ合金の場合は、磁性がない純アルミニウムとは違って、多少の磁性をもつためと考えられる。
【0040】
これに対して、樹脂製のブランク受け17を用いた本発明の実施形態では、2枚重ねを1枚と誤検出することは皆無であった。
【0041】
なお、本発明において、ブランクとしては、図1等に示す平板形状に限らず、事前にプレス成形、その他の一次加工或いは二次加工が施されて凹凸が形成されたものであってもよい。また、ブランクとしては、プレス成形に供されるものに限らず、曲げ、切断、打ち抜きなど各種の成形装置に供されるものを含む。
【符号の説明】
【0042】
1 成形用ブランク
2 ラック(ブランク積層部)
3 搬送装置
4 ブランク厚さ検出装置
5 枚数判別手段
6 制御手段
16 磁気センサ
17 ブランク受け(位置決め支持部)
17a 縦面
17b 横面
19 支持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形用ブランクが積み重ねられたブランク積層部から搬送装置が持ち上げた成形用ブランクの枚数を搬送途中で判別するための成形用ブランク枚数判別装置であって、
上記成形用ブランクの厚さを検出する非接触式の磁気センサと、
上記センサの検出値に基いて上記成形用ブランクの枚数を判別する枚数判別手段と、
上記搬送装置が持ち上げている成形用ブランクを、その端面が上記センサに対してブランク厚さの検出に適した定位置で対面するように位置決め支持する樹脂製のブランク受けとを備えていることを特徴とする成形用ブランク枚数判別装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記ブランク受けとして、間隔をあけて設けられた一対の位置決め支持部を備え、該両位置決め支持部の間に上記センサが配置されており、
上記位置決め支持部は、上記成形用ブランクの端面を接触させる縦面と、上記成形用ブランクを支持する横面とがL字状に設けられたものであり、
上記位置決め支持部の縦面が上記センサと上記成形用ブランクの端面との対面距離を一定にし、上記位置決め支持部の横面が上記センサに対する上記成形用ブランクの端面の高さを一定にすることを特徴とする成形用ブランク枚数判別装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
上記ブランク受けが上記成形用ブランクで押されたときに上記センサと共に後退することができるように、該ブランク受け及びセンサを弾性的に支持する支持手段を備えていることを特徴とする成形用ブランク枚数判別装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
上記搬送装置は、上記成形用ブランクをバキュームカップによって持ち上げて上記ブランク受けに設置するものであり、
上記枚数判別手段にて成形用ブランク枚数が1枚であると判別されたときは当該成形用ブランクが該ブランクの成形装置に搬送され、上記枚数判別手段にて成形用ブランク枚数が2枚以上であると判別されたときは当該成形用ブランクが上記ブランク積層部に戻されるように、上記搬送装置を制御する制御手段を備えていることを特徴とする成形用ブランク枚数判別装置。
【請求項5】
成形用ブランクが積層されたブランク積層部から搬送装置が持ち上げた成形用ブランクの枚数を搬送途中で判別するための成形用ブランク枚数判別方法であって、
上記成形用ブランクの厚さを検出する非接触式の磁気センサと、上記成形用ブランクをその端面が上記センサに対してブランク厚さの検出に適した定位置で対面するように位置決め支持する樹脂製のブランク受けとを用意し、
上記搬送装置にて上記ブランク積層部から持ち上げた上記成形用ブランクを上記樹脂製のブランク受けに支持させることにより、該成形用ブランクの端面を上記定位置において上記センサと対面するように位置決め、
上記センサで得られた上記成形用ブランクの厚さに基いて該成形用ブランクの枚数を枚数判別手段にて判別することを特徴とする成形用ブランク枚数判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−6022(P2012−6022A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141829(P2010−141829)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】