説明

成形装置及び成形方法

【課題】メンテナンス性を向上させ、長期間にわたって高精度な成形を可能とすることができる成形装置及び成形方法を提供する。
【解決手段】転がり軸受23を介してレール12に沿って可動側金型20を案内することで、転写面11,12の光軸が精度良く整列するようになるので、高精度なレンズの成形を行うことができる。特に、転動体である球23bが常にレール12に接触しているので、安定した保持を行うことができる。又、レンズに回折構造が形成されているような場合、本実施の形態は特に有効である。更に、レール12と転がり軸受23とは、摺動ではなく転がり接触するので、部材の削れや摩耗を抑えることができ、変形を抑制すると共に金型や光学素子の汚染を抑制しつつ、長期間にわたって安定した成形を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子を成形するのに好適な成形装置及び成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、高密度光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生(以下、「記録及び/又は再生」を「記録/再生」と記載する)を行える光ピックアップ装置が開発され、既に市販されている。高密度光ディスクの一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光ディスク、いわゆるBlu−ray Disc(以下、BDという)では、DVD(NA0.6、光源波長650nm、記憶容量4.7GB)と同じ大きさである直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり25GBの情報の記録が可能である。
【0003】
ところで、このような光ピックアップ装置に用いる対物レンズを樹脂で成形すると、安価に大量生産が可能になるため好ましいが、かかる対物レンズは本来的に高NAであることから、所望の光学特性を得る為には例えば光学面の位置ズレを精度良く抑える必要がある。これに対し特許文献1には、固定側金型と可動側金型の位置合わせをテーパブッシュとテーパガイドを使用することで、入子の転写面の位置ずれを抑える成形装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-267362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の技術によれば、テーパ面同士を篏合させると、その嵌合部が線当たりもしくは面当たりとなり、固定側金型と可動側金型を合わせたときに、嵌合部が擦り合わさる状態になる。これにより嵌合部が削れたり摩耗し、テーパガイドやテーパブッシュが早期に変形する恐れがあり、かかる変形により金型の位置合わせの精度が低下してしまうこととなる。また、嵌合部の削れや摩耗により削り粉が発生し、金型を汚したり、製品への付着や混入が起こりやすく、安定した製品を提供できなくなるという問題がある。かかる問題を抑制すべく、極力嵌合部が擦れない様に型合わせを行うには、テーパガイドとテーパブッシュの位置合わせを嵌合前に精度良く行う必要があるが、そのためにはテーパガイドとテーパブッシュの軸線を精度良く位置合わせする機構を設けることが考えられる。しかし、このような位置合わせ機構を設けた分、金型が大きく複雑になり、このため工数とコストの増大を招くこととなる。
【0006】
本発明は、コストを低く抑えつつ、高精度な光学素子の成形を可能とすることができる成形装置及び成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の成形装置は、光学素子を転写成形する成形装置において、
それぞれ光学素子の転写面を備え、相対的に可動な第1の金型及び第2の金型と、
前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの一方に設けられ、転動体を備えた転がり軸受と、
前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの他方に設けられ、前記転がり軸受の転動体が常に接して転動するレールと、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、成形時に、前記転動体が前記レールに沿って転動することにより、前記第1の金型と前記第2の金型との案内を行うことで、高い繰り返し位置決め精度が確保され、これにより高精度な光学素子を成形することができ、特にレンズの場合には光学面間偏心を有効に抑えることができる。又、前記レールと前記転がり軸受とは、摺動ではなく転がり接触するので、部材の削れや摩耗を抑えることができ、変形を抑制すると共に金型や光学素子の汚染を抑制しつつ、長期間にわたって安定した成形を行うことができる。尚、転がり軸受は、筒部と開口との間に、転動体を転動可能に収容する保持体を有していても良い。
【0009】
請求項2に記載の成形装置は、請求項1に記載の発明において、前記転がり軸受の転動体は、前記一方の金型内において循環することを特徴とする。これにより、簡素な構成でありながらも前記筒部を用いて円滑な案内を行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の成形装置は、請求項1に記載の発明において、前記転がり軸受の転動体は、筒状の保持体に保持されていることを特徴とする。これにより、簡素な構成でありながらも前記筒部を用いて円滑な案内を行うことができる。
【0011】
請求項4に記載の成形装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記転がり軸受の転動体は球又はころであることを特徴とする。特に、ころを用いた場合には、球の点当たりに対し、線当たりになるから、より支持剛性が高くなる。更に、円筒状の軸受の場合、回転防止の機能が付加されるので、安定した位置合わせをすることができる。
【0012】
請求項5に記載の成形装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記転がり軸受の転動体には予圧が付与されることを特徴とする。「予圧を付与する」とは、転動体を収容する隙間の間隔より僅かに大きな径の転動体を、かかる隙間に収容することをいう。このように、ころがり軸受の転動体に予圧がかかるようにすることで、ガタを抑えて、安定した金型の位置合わせを行うことができる。
【0013】
請求項6に記載の成形装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記光学素子には回折構造が設けられ、前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの一方の転写面には、前記回折構造に対応した微細形状が設けられていることを特徴とする。本発明の成形装置によれば、前記第1の金型と前記第2の金型とを精度良く位置決めできるので、光学素子の光学面に精度良く回折構造を形成できる。「回折構造」とは、段差を有し、回折によって光束を収束あるいは発散させる作用を持たせる構造の総称である。例えば、単位形状が光軸を中心として複数並ぶことによって構成されており、それぞれの単位形状に光束が入射し、透過した光の波面が、隣り合う輪帯毎にズレを起こし、その結果、新たな波面を形成することによって光を収束あるいは発散させるような構造を含むものである。回折構造は、好ましくは段差を複数有し、段差は光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。また、回折構造を設けたレンズが単玉非球面レンズの場合、光軸からの高さによって光束のレンズへの入射角が異なるため、回折構造の段差量は各輪帯毎に若干異なることとなる。例えば、レンズが単玉非球面の凸レンズである場合、同じ回折次数の回折光を発生させる回折構造であっても、一般的に光軸から離れる程、段差量が大きくなる傾向となる。
【0014】
請求項7に記載の成形装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記光学素子の像側開口数NAが、0.8≦NA≦0.95であることを特徴とする。BD用光ピックアップ装置用の対物レンズなどの高NAレンズ、特に3互換対応レンズなどのレンズ径の大きいレンズは、光学面の偏心が性能を劣化させる影響が非常に大きいので、本発明の効果が特に顕著となる。
【0015】
請求項8に記載の成形方法は、それぞれ光学素子の転写面を備え、相対的に可動な第1の金型及び第2の金型を用いて、光学素子を転写成形する成形方法において、
前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの一方に設けたレールに沿って、前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの他方に設けられた転がり軸受を介して案内しつつ、前記第1の金型と前記第2の金型とを型締めして成形を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、前記転がり軸受を介して前記レールに沿って、前記第1の金型と前記第2の金型との案内を行って型締めすることで、高い繰り返し位置決め精度が確保され、これにより高精度な光学素子を成形することができ、特にレンズの場合には光学面間偏心を有効に抑えることができる。又、前記レールと前記転がり軸受とは、摺動ではなく転がり接触するので、部材の削れや摩耗を抑えることができ、変形を抑制すると共に金型や光学素子の汚染を抑制しつつ、長期間にわたって安定した成形を行うことができる。
【0017】
本明細書において用いる光学素子としては、例えばレンズ、プリズム、回折格子光学部品(回折レンズ、回折プリズム、回折板)、光学フィルター(空間ローパスフィルター、波長バンドパスフィルター、波長ローパスフィルター、波長ハイパスフィルター等々)、偏光フィルター(検光子、旋光子、偏光分離プリズム等々)、位相フィルター(位相板、ホログラム等々)などがあるが、以上に限られることはない。BD用光ピックアップ装置用の対物レンズなどの高NAレンズ、特に3互換対応レンズなどのレンズ径の大きいレンズは、光学面の偏心が性能を劣化させる影響が非常に大きいので、その成形に本発明が有効である。又、プリズムなどの角度に厳しい光学素子は、光の反射や回折面をする光学面が固定側金型と可動側金型に分かれている場合、転写面の相対角度がずれることを非常に嫌うから、その成形に本発明が有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コストを低く抑えつつ、高精度な光学素子の成形を可能とすることができる成形装置及び成形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態に係る成形装置の一部の軸線方向断面図である。
【図2】図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図である。
【図3】本実施の形態の変形例を示す図3と同様な図である。
【図4】第2の実施の形態にかかる成形装置の部分断面図である。
【図5】変形例にかかる転がり軸受23Aと円筒部12Aの軸線直交方向断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の成形方法を実行する第1の実施の形態に係る成形装置の一部の軸線方向断面図である。図2は、図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図である。第1の金型である固定側金型10は、不図示のフレームに固定され、転写面11と、転写面11を設けた面と交差する面に複数の(ここでは2本の)レール12とを有している。但し、図2では1本のレール12のみ示す。レール12は、断面が矩形状の棒状体であり、図2に示すように、その両側面に、断面形状が円弧状であってレール12の軸線方向に延在する溝12aを2列ずつ有している。
【0021】
一方、第2の金型である可動側金型20は、図1において不図示の駆動装置により移動可能に支持されており、転写面11に対向する転写面21と、レール12を保持する転がり軸受23を設けた保持部22とを有している。
【0022】
転がり軸受23は、図2に示すように、保持部22内に形成された循環路23aと、循環路23a内に連なって循環するように配置された複数の球23bとからなる。循環路23aは、開口22の内周面に一部が露出する表層路23cと、表層路23cより奥側に形成された深層路23dの端部同士を、それぞれ連結した形状である。表層路23c内を転動する球23bは、レール12の溝12aに常時接触するようになっている。
【0023】
転写面11,21の少なくとも一方には、回折構造に対応した輪帯状の微細形状が形成されている。尚、可動側金型にレールを設け、固定側金型に転がり軸受を設けても良い。
【0024】
次に、本実施の形態の動作について説明する。まず、図1に示すごとく、固定側金型10に対して可動側金型20を離間した状態から、不図示の駆動装置により可動側金型20を接近させる。
【0025】
このとき、循環路23aの表層路23c内に位置する球23bは、保持部22の相対移動に応じてレール12の溝12a上を転動するが、表層路23c内で順次押されるので、その奥側の球23bは深層路23d内へと転動してゆくと共に、深層路23d内の球23bが表層路23cへと現れて、循環しながらレール12の溝12aに接触してゆく。このとき、球23bにはレール12と保持部22との間で予圧が付与されるようになり、これによりレール12に対して保持部22はガタなく支持され、精度良く案内されることとなる。
【0026】
可動側金型20が固定側金型10と密着するまで移動して、型締めを行った後、不図示の供給源から、転写面11,21とで形成されるキャビティ内に樹脂を充填し、固化させた後、図1に示すように、可動側金型20を固定側金型10から離間することで、回折構造を有するレンズを成形することができる。
【0027】
本実施の形態によれば、転がり軸受23を介してレール12に沿って可動側金型20を案内することで、転写面11,12の光軸が精度良く整列するようになるので、像側開口数NAが、0.8≦NA≦0.95であるような高精度なレンズの成形を行うことができる。特に、転動体である球23bが常にレール12に接触しているので、安定した保持を行うことができる。又、レンズに回折構造が形成されているような場合、本実施の形態は特に有効である。更に、レール12と転がり軸受23とは、摺動ではなく転がり接触するので、部材の削れや摩耗を抑えることができ、変形を抑制すると共に金型や光学素子の汚染を抑制しつつ、長期間にわたって安定した成形を行うことができる。
【0028】
図3は、本実施の形態の変形例を示す図3と同様な図である。本変形例においては、転がり軸受23’の転動体として、ころ23b’を用いている。より具体的には、レール12’の両側面には、V字状の溝12a’が形成されており、その一対の斜面12b’が転動面となっている。一方、溝12a’に対向して、保持部22’の内側面には、断面が一定の三角形状でレール12’の軸線方向に延在する隆起22a’が形成されており、その一対の斜面22b’が転動面となっている。尚、ころ23b’は不図示の循環路を介して循環可能となっている。
【0029】
本実施の形態によれば、転がり軸受23’のころ23b’が、斜面12b’、22b’との間で転動するため、点接触である球に比べて転動面に線接触することから支持剛性が高くなり、転写面11,12(図1)の光軸がより精度良く整列するようになるので、高精度なレンズの成形を行うことができる。
【0030】
図4は、第2の実施の形態にかかる成形装置の部分断面図である。第1の金型である固定側金型10”は、上述の実施の形態と同様に不図示のフレームに固定され、転写面11”と、転写面11”を設けた面から延在する複数の(ここでは2本の)レール12”とを有している。レール12”は円筒状であるが、角筒状でも良い。
【0031】
一方、第2の金型である可動側金型20”は、上述と同様に不図示の駆動装置により駆動され、転写面11”に対向する転写面21”と、レール12”を内包するように形成された貫通開口22”と、貫通開口22”の周囲に等間隔に設けられた複数の(ここでは一対の)転がり軸受23”とを有する。貫通開口22”の内径は、レール12”の外形より僅かに大きくなっている。転写面11”,21”の少なくとも一方には、回折構造に対応した輪帯状の微細形状が形成されている。尚、可動側金型にレールを設け、固定側金型に開口を設けても良い。
【0032】
転がり軸受23”は、可動側金型20”内に形成された循環路23a”と、循環路23a”内に連なって循環するように配置された複数の球23b”とからなる。循環路23a”は、貫通開口22”の内周面に一部が露出する表層路23c”と、表層路23c”より深層側に形成された深層路23d”の端部同士を、それぞれ連結したトラック形状である。表層路23c”内を転動する球23b”は、その表面の一部が貫通開口22”内に突出し、常時レール12”の表面に当接している。球23b”には可動側金型20”及びレール12”との間で予圧が付与されている。
【0033】
次に、本実施の形態の動作について説明する。まず図4に示すごとく、固定側金型10”に対して可動側金型20”を離間した状態から、不図示の駆動装置により接近させると、レール12”に当接した球23b”が表層路23c内を転動し、これにより順次押された奥側の球23b”は深層路23d”内へと転動してゆくと共に、深層路23d”内の球23b”が表層路23c”へと現れて、循環しながらレール12”の外周に接触してゆく。これによりレール12”はガタなく支持され、精度良く案内されることとなる。
【0034】
可動側金型20”が固定側金型10”と密着するまで移動して、型締めを行った後、不図示の供給源から、転写面11”,21”とで形成されるキャビティ内に樹脂を充填し、固化させる。その後、図4に示すように、可動側金型20”を固定側金型10”から離間することで、成形された回折構造を有するレンズを容易に取り出すことができる。
【0035】
本実施の形態によれば、転がり軸受23”を介してレール12”に沿って可動側金型20”を案内することで、転写面11”,12”の光軸が精度良く整列するようになるので、高精度なレンズの成形を行うことができる。特に、転動体である球23b”が常にレール12”に接触しているので、安定した保持を行うことができる。又、レンズに回折構造が形成されているような場合、本実施の形態は特に有効である。更に、レール12”と転がり軸受23”とは、摺動ではなく転がり接触するので、部材の削れや摩耗を抑えることができ、変形を抑制すると共に金型や光学素子の汚染を抑制しつつ、長期間にわたって安定した成形を行うことができる。
【0036】
図5は、図4に示す実施の形態の変形例にかかる転がり軸受23Aと円筒部12Aの軸線直交方向断面を示す図である。本変形例においては、固定側金型(不図示)に設けられた円筒部12Aの外周には、等間隔で溝12Aaが軸線方向に延在するように形成されている。一方、開口22Aの内周には、溝12Aaに対向するようにして、溝22Aaが軸線方向に延在するように形成されている。転がり軸受23Aは、複数の球23Abと、球23Abを保持する円管状の保持体23Acとを有する。球23Abは、溝12Aa、溝22Aa上を転動可能となっており、また不図示の循環路を介して循環可能となっている。転がり軸受23Aは、支持剛性が高く、円筒部12Aと開口22Aとの軸線方向移動を許容しつつ相対回転を阻止する機能を有する。
【0037】
また、上述した実施の形態において、転写面21は可動側金型20に直接形成しても良いし、入れ子の様に別部材として転写面21を作製し、可動側金型20に組み込んでも良い。このとき、可動側金型20に対して転写面21を有する別部材が、可動側金型20が移動する方向と直交する方向に移動しない様に固定することが好ましい。例えば、可動側金型20と転写面21を有する前記別部材の間に軸受を介在させる方法でも良い。軸受には転動体が保持されていることが好ましく、転動体としては、球やころを使用することができる。例えば、転動体として図3に記載したようなころを用いた軸受を採用しても良い。また、軸受に保持された球またはころに予圧をかけることが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
10、10” 固定側金型
11、11“ 転写面
12 レール
12A 円筒部
12Aa 溝
12a’ 溝
12b’ 斜面
20、20” 可動側金型
21、21“ 転写面
22 保持部
22” 貫通開口
22A 開口
22Aa 溝
22a’ 隆起
22b’ 斜面
23,23”、23A 転がり軸受
23Ab 球
23Ac 保持体
23a、23a” 循環路
23b、23b” 球
23c、23c” 表層路
23d、23d” 深層路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を転写成形する成形装置において、
それぞれ光学素子の転写面を備え、相対的に可動な第1の金型及び第2の金型と、
前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの一方に設けられ、転動体を備えた転がり軸受と、
前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの他方に設けられ、前記転がり軸受の転動体が常に接して転動するレールと、を有することを特徴とする成形装置。
【請求項2】
前記転がり軸受の転動体は、前記一方の金型内において循環することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
前記転がり軸受の転動体は、筒状の保持体に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項4】
前記転がり軸受の転動体は球又はころであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形装置。
【請求項5】
前記転がり軸受の転動体には予圧が付与されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形装置。
【請求項6】
前記光学素子には回折構造が設けられ、前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの一方の転写面には、前記回折構造に対応した微細形状が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成形装置。
【請求項7】
前記光学素子の像側開口数NAが、0.8≦NA≦0.95であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の成形装置。
【請求項8】
それぞれ光学素子の転写面を備え、相対的に可動な第1の金型及び第2の金型を用いて、光学素子を転写成形する成形方法において、
前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの一方に設けたレールに沿って、前記第1の金型及び前記第2の金型のうちの他方に設けられた転がり軸受を介して案内しつつ、前記第1の金型と前記第2の金型とを型締めして成形を行うことを特徴とする成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−245828(P2011−245828A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124228(P2010−124228)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】