説明

成形金型装置およびそれを用いた雌ねじ部付き軸孔を有する成形体の成形方法

【課題】雌ねじ部付き軸孔を有した成形体用の成形金型装置および成形方法を実現する。
【解決手段】ダイキャビティに原料粉末を充填し、上パンチ側と下パンチ側により原料粉末を圧縮成形する雌ねじ部付き軸孔を有した成形体用の成形金型装置であって、コアロッド20の外周に形成されたねじ部20aと、上パンチ側のうちコアロッドと摺接する上パンチを分割形成した上内パンチ42及びそれを囲む上外パンチ40と、上内パンチの内周面に形成されてねじ部20aに対し摺動自在に嵌合する雌ねじ部42aと、上内パンチを支持した状態で回動する回転駆動手段(44,45等)と、下パンチ側のうちコアロッドと摺接する下パンチを分割形成した下内パンチ34及びそれを囲む下外パンチ32と、下内パンチの内周面に形成されてねじ部20aに対し摺動自在に嵌合する雌ねじ部34aと、下内パンチを支持した状態で回動する回転駆動手段(35,36等)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料粉末を圧縮成形した成形体を焼結して機械部品を製造する粉末冶金法において、原料粉末を押型の型孔内に充填しこれをパンチで加圧して圧粉成形する成形金型装置およびそれを用いた雌ねじ部付き軸孔を有する成形体の成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイスに設けられた型孔に原料粉末を充填し、上下パンチにより原料粉末を圧縮成形して製品形状を付与し、得られた成形体を焼結するいわゆる押型成形法による粉末冶金法は、ニアネットシェイプに造形できることや、大量生産に向くことから各種機械部品の製造に適用されている。
【0003】
このような粉末冶金法において、雌ねじ部付き軸孔を有する機械部品の製造方法としては、特許文献1に開示の構成があり、図12はその特許文献1の成形金型装置及び方法を示している。この成形金型装置は、ダイ1の内孔に側面から貫通するとともに雌ねじ部が形成された横孔2を形成し、このダイ1の横孔2に進退駆動司能であり雄ねじ3aが形成された横ロッド3を挿入させるとともに、スライダ7によりベース6上を進退可能に載置されたモータ8の出力部を横ロッド3に接続した構成である。
【0004】
以上の成形金型装置を用いる成形方法としては、ダイ1と下パンチ5と横ロッド3とから構成されるダイキャビティに粉末Mを充填し(図12(a))、横ロッド3が充填粉末Mのニュートラルゾーンの位置にあるようにして上下各パンチ4,5により充填粉末Mを圧縮成形し(図12(b))、その後に上パンチ4と下パンチ5を同時に成形体Pから離間させ、かつ雄ねじ3a付き横ロッド3をモータ8により回転させることでダイ1の内孔から退出させ(図12(c))、その後に成形体Pをダイ1の外に抜き出す(図12(d))ことを特徴としている。
【特許文献1】特開平04−327398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の成形方法においては、図9(a)のような単純な外形の成形体P0は成形できるが、図9(b)や同(c)のようなフランジ部を有する成形体P1,P2、同(d)のようなフランジ部の外周部が高くなる凸部分を有する成形体P3、図9(e)のような外周に歯溝が形成された歯溝付き成形体P4などについては、成形することが難しい。このため、図9(b)〜(e)等の形状の機械部品を粉末冶金法で製造するにあたっては、雌ねじ部を形成しない単純な貫通孔として成形して、焼結後、貫通孔に機械加工を施して雌ねじ部を形成している。しかしながら、貫通孔に雌ねじ部を形成した状態に成形できれば、機械加工を省くことができ、その分コストを低減できることとなる。そこで、本発明の目的は、図9(b)〜(e)等の形状であっても成形可能にする成形金型装置およびそれを用いて雌ねじ部付き軸孔を有した成形体を成形する成形方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため請求項1の発明は、ダイスの型孔と、下パンチもしくは下パンチ群と、軸孔形成用コアロッドとにより形成されるダイキャビティに、原料粉末を充填し、上パンチもしくは上パンチ群と前記下パンチもしくは下パンチ群により原料粉末を圧縮成形する雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体用の成形金型装置であって、前記コアロッドの外周に形成されたねじ部と、前記上パンチもしくは上パンチ群のうち、前記コアロッドと摺接する上パンチを分割形成した上内パンチおよびそれを囲む上外パンチと、前記上内パンチの内周面に形成されて前記コアロッド側ねじ部に対して摺動自在に嵌合する雌ねじ部と、前記上内パンチを支持した状態で回動する回転駆動手段と、前記下パンチもしくは下パンチ群のうち、前記コアロッドと摺接する下パンチを分割形成した下内パンチおよびそれを囲む下外パンチと、前記下内パンチの内周面に形成されて前記コアロッド側ねじ部に対して摺動自在に嵌合する雌ねじ部と、前記下内パンチを支持した状態で回動する回転駆動手段とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の成形金型装置を用いた雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体の成形方法であって、前記ダイキャビティに対する原料粉末の充填時には、前記下内パンチのパンチ面を、前記下外パンチのパンチ面よりも下方に配置した状態で充填し、前記圧縮成形時には、前記上内パンチと、前記上外パンチとをともに降下させて各パンチのパンチ面を原料粉末に当接させ、前記下内パンチを前記コアロッド側ねじ部に沿って回転させつつ、前記ダイスに対して相対的に上昇させて、前記下外パンチのパンチ面に揃えるとともに、前記上内パンチ側雌ねじ部を前記コアロッド側ねじ部に嵌合するとともに、前記コアロッド側ねじ部に沿って回転させつつ、さらに下降させて前記ダイキャビティ内の原料粉末内に突出させて予圧縮し、次いで、前記上外パンチを前記上内パンチと高さが揃うまで降下させ、前記上外パンチと前記上内パンチとの各パンチ面が揃った後は、前記上外パンチをさらに降下させるとともに前記上内パンチを回転させつつ前記上外パンチと揃えてさらに降下させ、同時に、前記下外パンチを前記ダイスに対して相対的に上昇させるとともに、前記下内パンチを回転させつつ前記下外パンチと揃えて前記ダイスに対して相対的に上昇させて、成形を行うことを特徴としている。
【0008】
以上の雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体の成形方法は、請求項4のごとく前記圧縮成形後の前記成形体の離型時には、前記ダイキャビティ内の前記成形体を、前記上内パンチと前記下内パンチとで挟んだ状態でその上内パンチおよび下内パンチの同期した回転を伴って前記コアロッドから抜き出すことが好ましい。
【0009】
また、以上の成形金型装置としては、請求項2のごとく前記上内パンチの雌ねじ部と摺動自在に嵌合されるよう配置されて、前記コアロッドのねじ部と連続するねじ部を形成している上コアロッドを有していることが好ましい。そして、以上の成形方法としては、請求項2に記載された前記上コアロッドにより前記上内パンチの回転および上下駆動をガイドさせることが好ましい。
【0010】
なお、以上の本発明において、「軸孔」は、製品形状のほぼ中心に位置し、上下パンチないし成形軸と一致する方向に貫通する孔である。「雌ねじ部付き軸孔」は、軸孔が雌ねじ構成となっている以外に、軸孔の一部が雌ねじに形成されている構成も含む。「コアロッドの外周に形成されたねじ部」は、前記雌ねじ部を転写し形成するねじ溝形状となっている。また、「下パンチもしくは下パンチ群」および「上パンチもしくは上パンチ群」は、「下パンチ」および「上パンチ」の構成例は図9(a)のごとくフランジ部の有さない単純な成形体用金型成形装置、例えば図10(a)のような形態であり、「下パンチ群」および「上パンチ群」の構成例は図9(b)〜同(e)のような成形体用金型成形装置、例えば形態例や図10(b)〜(d)のような形態である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の本発明では、請求項3の成形方法に好適な成形金型装置となり、図9(b)〜(e)等に示される雌ねじ部付き軸孔を有した成形体を原料粉末の圧縮成形と同時に形成でき、それにより従来必要としていた機械加工を省いてコスト低減を図り、結果として、粉末冶金法を適用した製品範囲を拡大可能にする。
【0012】
請求項2の本発明では、上コアロッドを有していると、図11から推察されるごとく上内パンチの回転や上下駆動をガイドして安定化でき、装置信頼性を向上できる。
【0013】
請求項3の本発明では、例えば、図3と図4のごとく原料粉末を上内パンチと下内パンチとにより予圧縮した後、上外パンチを上内パンチとパンチ面が面一になるまで降下させて、原料粉末をコアロッドのねじ部を含む上内パンチと下内パンチとの間に流動させ、その後、図5のごとく最終的な上内外パンチと下内外パンチにより原料粉末を圧縮して成形するため、原料粉末の流入し難いねじ部(コアロッド側ねじ部)付近の密度を高めることができ、それにより雌ねじ部付き軸孔を有した成形体でも物性の均一性を保って品質を充足できる。
【0014】
請求項4の本発明では、成形体の抜き出しに際して、図7のごとく成形体を挟んだ上内パンチおよび下内パンチをそれぞれ回転駆動手段により同期させて回転させることで、コアロッドをねじ同士の噛み合いを介して軸方向に駆動し、コアロッドを成形体の雌ねじ部付き軸孔から退避させることができる。
【0015】
請求項4の本発明では、請求項2の上コアロッドにより上内パンチの回転および上下駆動をガイドさせるため、例えば、原料粉末のはみ出しなどを確実に防いだり圧縮形成を安定して行えるようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を適用した成形金型装置およびそれを用いた雌ねじ部付き軸孔を有する成形体の成形方法として、図1〜図8に示した装置構造およびそれを用いた成形方法、図10に示した変形例1〜4、図11に示した変形例5の順に説明する。
【0017】
(装置構造)図1の成形金型装置は、図9(b)のような雌ねじ部付き軸孔および該軸孔を形成しているボス部の一端面側の外周にフランジ部を有した成形体P1を圧縮成形する場合に用いられる構造の一例である。装置構造は、ダイス10を基準として、ダイス10の型孔に対応したコアロッド20と、下パンチ群および上パンチ群とからなる。なお、プレスの駆動機構は省略しているが、油圧プレス等の公知の機構が適宜に用いられる。
【0018】
ここで、ダイス10は、成形体の外周形状を形成する型孔を有しており、ダイプレート11に固定された状態で用いられる。前記型孔は、前記成形体P1のフランジ部に対応した孔径である。
【0019】
コアロッド20は、ダイス10の型孔に望む一端側外周に形成されたねじ部20aと、他端側に形成された回転防止溝20bとを有している。ねじ部20aは、成形体P1の雌ねじ部を形成するねじ溝形状をなしている。回転防止溝20bは、コアロッド20の他端側に円盤部を設け、該円盤部の複数箇所に上下溝としてそれぞれ設けられている。そして、以上のコアロッド20は、下部側がコアロッド取付板21上に立設されたホルダー22の内部に配置され、かつ、各回転防止溝20bがホルダー22の内周上下に設けられた対応する回転防止条52bに上下動自在に嵌合支持されている。
【0020】
下パンチ群は、成形体P1のフランジ部を成形する端面を有する下第1パンチ30と、成形体P1のボス部を成形する端面を有する下第2外パンチ32および下第2内パンチ34とから構成されている。このうち、下第1パンチ30は、外径がダイス10の型孔と摺動自在に嵌合するとともに、内径が下第2外パンチ32の外径と摺動自在に嵌合する。そして、この下第1パンチ30は、ダイス10の真下に配置された下第1パンチプレート31に固定支持される。
【0021】
下第2外パンチ32は、外径が下第1パンチ30の内径と摺動自在に嵌合するとともに、内径が下第2内パンチ34の外径と摺動自在に嵌合する。そして、この下第2外パンチ32は、下第1パンチプレート31の真下に配置された下第2パンチプレート33に固定支持される。また、下第2内パンチ34は、外径が下第2外パンチ32の内径と摺動自在に嵌合するとともに、パンチ面側の端部内周に形成された雌ねじ部34aを有し、該雌ねじ部34aがコアロッド側ねじ部20aと摺動自在に噛み合っている。また、下第2内パンチ34は回転駆動手段を介して回動される。この回転駆動手段としては、ウオームホイール35およびウオーム36からなるウオーム歯車機構の例である。詳述すると、ウオームホイール35は、ホルダー22に対しベアリンク機構37などを介して回動自在に支持されており、コアロッド20を中心に形成した貫通孔から串差し状に挿通している。下第2内パンチ34は、そのウオームホイール35の上面側に対し固定支持されている。ウオーム36は、ウォームホイール35に噛み合っていて、図示せぬサーボモータの駆動によりウォームホイール34および下第2内パンチ34を正転ないしは逆転する。
【0022】
上記した下パンチ群の構造特徴は、従来通常の軸孔が雌ねじ部を有さない成形体を成形する場合に用いられるボス部を成形する下第2パンチを、下第2内パンチ34とそれを囲む下第2外パンチ32に分割して構成したものであり、加えて下第2内パンチ34の内周面にコアロッド20の外周のねじ部20aに対応し該ねじ部20aに摺動自在に嵌合する雌ねじ部34aを形成し、下第2内パンチ34をコアロッド20の周囲に回動可能にするとともに、下第2内パンチ34を回転駆動する回転駆動手段(例えば、サーボモータ、ウォーム36、ウオームホイール34)に接続したものである。
【0023】
これに対し、上パンチ群は、成形体P1のフランジ部側の端面を成形する上外パンチ40と上内パンチ42とから構成されている。上外パンチ40は、シリンダ兼用保持部材41に設けられた流体圧シリンダ41aにより上下方向に駆動される。すなわち、シリンダ兼用保持部材41は、下側に設けられた流体圧シリンダ41aおよび上側に設けられた配置空間41b等を有し、上パンチプレート46に固定支持されている。
【0024】
上内パンチ42は、外径が上外パンチ40の内径と摺動自在に嵌合するとともに、パンチ面側の端部内周に形成された雌ねじ部42aを有し、該雌ねじ部42aがコアロッド側ねじ部20aと摺動自在に噛み合う。また、上内パンチ42は回転駆動手段を介して回動される。この回転駆動手段としては、ウオームホイール43およびウオーム44からなるウオーム歯車機構の例である。つまり、ウオームホイール43は、シリンダ兼用保持部材41の配置空間41bに対しベアリンク機構45などを介して回動自在に支持されている。上内パンチ42は、そのウオームホイール43の下面側に対し固定支持されている。ウオーム44は、ウォームホイール43に噛み合っていて、図示せぬサーボモータの駆動によりウォームホイール43および下内パンチ42を正転ないしは逆転する。
【0025】
なお、以上の金型成形装置においては、コアロッド20は、回転不能とされているが、上下方向には固定されておらず、下第2内パンチ34の雌ねじ部34aおよび上内パンチ42の雌ねじ部42aと嵌合する浮動状態にある。このため、上内パンチ42および下第2内パンチ34の回転および上下駆動においては、各内パンチがコアロッド20の外周を1回転する際に、コアロッド20のねじ部20aの1ピッチ分だけ上下方向に駆動されるよう上下の駆動速度を調整して上下駆動を行うことになる。
【0026】
(成形方法)次に、以上の成型金型装置を用いた成形方法について図2〜図8を参照して説明する。図2は原料粉末の充填完了状態を示している。すなわち、原料粉末Mは、ダイス10の型孔、下第1外パンチ30、下第2外パンチ32、下第2内パンチ34およびコアロッド20から形成されるダイキャビティに充填される。このとき、重要なことは、下第2内パンチ34がそのパンチ面を下第2外パンチ32のパンチ面よりh1だけ下げられた状態で原料粉末Mの充填を行う。
【0027】
次いで、上パンチプレート46を降下させて、上外パンチ40および上内パンチ42のパンチ面を原料粉末Mに当接させる。この状態から、図3に示すように、上パンチプレート46をさらに降下させるとともに、図示せぬサーボモータを駆動させ、ウォーム44を回転させるとともに、ウォームホイール43およびウォームホイール43に支持された上内パンチ42を回転駆動させる。この回転駆動により、上内パンチ42は、雌ねじ部42aがコアロッド側ねじ部20aと螺合ないしは嵌合し、ねじ部20aに沿って回転して原料粉末Mの中に先端部を突出する。このとき、上パンチプレート46は降下しているが、上外パンチ40は流体圧シリンダ41aを介して、上外パンチ40のパンチ面が原料粉末に当接した状態を維持するよう位置調整される。このようにして上内パンチ42のみが原料粉末Mの中にh2だけ突出することとなり、その分、原料粉末Mのうち、上内パンチ42のパンチ面付近にある原料粉末Mの対応部が圧縮される。
【0028】
また、上記の上パンチ群の駆動と同時に、下パンチ群側では、図示せぬサーボモータを駆動させ、ウォーム36を回転させるとともに、ウォームホイール35およびウォームホイール35に支持された下第2内パンチ34を回転駆動させつつ、下第2内パンチ34をダイス10に対して相対的に上昇させて、下第2内パンチ34のパンチ面を下第2外パンチ32のパンチ面に揃える。このとき、下パンチ群側では下第2内パンチ34のパンチ面と下第2外パンチ32のパンチ面との段差h1の分だけ、原料粉末Mの対応部を予圧縮する。
【0029】
以上のようにして、上パンチ群側(上内パンチ42)のh2に相当する予圧縮、および下パンチ群側(下第2内パンチ34)のh1に相当する予圧縮により、原料粉末Mは、コアロッド20の周囲すなわち成形後の軸孔の雌ねじ部の両端面に相当する部分が予圧縮され、密度が局所的に高められる。
【0030】
上記の予圧縮を行った後、図4に示すように、流体圧シリンダ41aを駆動して上外パンチ40を降下させて上内パンチ42のパンチ面と上外パンチ40のパンチ面を揃えて原料粉末Mを圧縮する。同時に、下第1パンチ30をダイス10に対して相対的に上昇させるとともに、下第2内パンチ34を回転駆動しつつ下第2外パンチ32とパンチ面を揃えてダイス10に対して相対的に上昇させる。このとき、原料粉末Mが圧縮されるが、この圧縮により発生する内径方向の側圧により、原料粉末Mの充填深さが大きい成形後のボス部の低密度領域、すなわち前記予圧縮されていない成形後の軸孔の雌ねじ部の中央部に一部の粉末の流動が生じ、この原料粉末Mの流動により、成形後の軸孔の雌ねじ部の中央部でコアロッド20のねじ部20aに直角方向の圧力を受け成形後の軸孔の雌ねじ部の中央部の密度が高まる。なお、図4の矢印は以上のような原料粉末Mの流動方向を模式的に示している。
【0031】
次いで、図5に示すように、上外パンチ40を降下させるとともに、上内パンチ42を回転させつつ上外パンチ40と揃えて降下させる。同時に、下第1パンチ30と下第2外パンチ32をダイス10に対して相対的に上昇させるとともに、下第2内パンチ34を回転させつつ下第2外パンチ32と揃えてダイス10に対して相対的に上昇させて最終的な圧縮を行い成形体P1の成形を完了させる。
【0032】
成形後は、図6に示すように、上外パンチ40を流体圧シリンダ41aにより成形体P1を保持しつつ、ダイス10と下第1パンチ30を同時に下方に下げて(いわゆるホールドダウン)、成形体P1をダイス10より抜き出す。次いで、図7に示すように上外パンチ40を流体圧シリンダ41aにより上昇させて上内パンチ42のパンチ面と下第2内パンチ34のパンチ面とで成形体P1を上下方向に挟持し、上内パンチ42および下第2内パンチ34を同期させて回転させる。この回転により、コアロッド20が各パンチ42,34で回転送りされて、図8に示すように、コアロッド20が下方に移動されて、成形体Pの軸孔より抜き出される。この場合、成形体P1は、ダイス10の型孔から抜き出された時点で、スプリングバックにより膨張するため、成形体Pの軸孔も拡径するので、コアロッド20を成形体P1の雌ねじ部付き軸孔より容易に抜き出すことができる。
【0033】
(変形例1〜4)以上は、図9(b)の雌ねじ部付きの軸孔および該軸孔を形成しているボス部の一端面側の外周にフランジ部を有した形状の成形体P1を成形する場合の例であるが、図9(a)のナット形の成形体P0、同(c)から同(e)のような形状の成形体P2〜P4についても同様に当てはまる。
【0034】
ここで、図9(a)のナット形状の成形体P0を成形する場合は、図10(a)に例示されるように、図1の上外パンチ40を変更するとともに下第1パンチ30を省略して、上パンチを上記上外パンチ40に対応する上外パンチ40Aおよび上記上内パンチ42に対応する上内パンチ42Aから構成し、下パンチを上記下第2外パンチ32に対応する下外パン32Aおよび上記下第2内パンチ34に対応した下内パンチ34Aから構成する。
【0035】
すなわち、この場合は、雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体P0の成形方法であって、前記ダイキャビティに対する原料粉末Mの充填時には、下内パンチ34Aのパンチ面を、下外パンチ32Aのパンチ面よりも下方に配置した状態で充填する。圧縮成形時には、前記上内パンチ42Aと、上外パンチ40Aとをともに降下させて各パンチのパンチ面を原料粉末に当接させ、下内パンチ34Aをコアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、ダイス10に対して相対的に上昇させて、下外パンチ32Aのパンチ面に揃えるとともに、上内パンチ側雌ねじ部42aをコアロッド側ねじ部20aに嵌合するとともに、コアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、さらに下降させて前記ダイキャビティ内の原料粉末M内に突出させて予圧縮し、次いで、上外パンチ40Aを上内パンチ42Aと高さが揃うまで降下させ、上外パンチ40Aと上内パンチ42Aとの各パンチ面が揃った後は、上外パンチ40Aをさらに降下させるとともに上内パンチ42Aを回転させつつ上外パンチ40Aと揃えてさらに降下させ、同時に、下外パンチ32Aをダイス10に対して相対的に上昇させるとともに、下内パンチ34Aを回転させつつ下外パンチ32Aと揃えてダイス10に対して相対的に上昇させて、成形を行う。また、圧縮成形後の成形体の離型時には、前記ダイキャビティ内の成形体P0を、上内パンチ42Aと下内パンチ32Aとで挟んだ状態でその上内パンチおよび下内パンチの同期した回転を伴ってコアロッド20から抜き出すことになる。
【0036】
また、図9(c)のボス部の中間部の外周にフランジ部が形成された形状の成形体P2を成形する場合は、図10(b)に例示されるように、図1の上外パンチ40を多段パンチとし、上パンチ群を成形体P2のフランジ部を成形する上第1パンチ401と、ボス部を成形する上第2外パンチ40Bおよび上第2内パンチ42Bとから構成し、上第1パンチ401と下第1パンチ30間の原料粉末を従来から行われているようにトランスファーしてから上記のような成形要領で得ることができる。
【0037】
すなわち、この場合も、雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体P2の成形方法であって、前記ダイキャビティに対する原料粉末Mの充填時には、下内パンチ34のパンチ面を、下外パンチ32のパンチ面よりも下方に配置した状態で充填する。圧縮成形時には、上第1パンチ401および前記上第2内パンチ42Bと上第2外パンチ40Bとをともに降下させて各パンチのパンチ面を原料粉末に当接させ、下第2内パンチ34をコアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、ダイス10に対して相対的に上昇させて、下第2外パンチ32のパンチ面に揃えるとともに、上内パンチ側雌ねじ部42aをコアロッド側ねじ部20aに嵌合するとともに、コアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、さらに下降させて前記ダイキャビティ内の原料粉末M内に突出させて予圧縮し、次いで、上第2外パンチ40Bを上第2内パンチ42Bと高さが揃うまで降下させ、上第2外パンチ40Bと上第2内パンチ42Bとの各パンチ面が揃った後は、上第1パンチ401および上第2外パンチ40Bをさらに降下させるとともに上第2内パンチ42Bを回転させつつ上第2外パンチ40Bと揃えてさらに降下させ、同時に、下第2外パンチ32をダイス10に対して相対的に上昇させるとともに、下第2内パンチ34を回転させつつ下第2外パンチ32と揃えてダイス10に対して相対的に上昇させて、成形を行う。また、圧縮成形後の成形体の離型時には、前記ダイキャビティ内の成形体P2を、上第2内パンチ42Bと下第2内パンチ34とで挟んだ状態でその上第2内パンチおよび下第2内パンチの同期した回転を伴ってコアロッド20から抜き出すことになる。
【0038】
また、図9(d)のフランジ部外周部が片側に高くなる凸部分を有する成形体P3を成形する場合は、図10(c)に例示されるように、図1の下第1パンチ30を多段パンチとし、下パンチ群を、フランジ部の高くなった部分(凸部分)を成形する下第1パンチ301と、図1の下第1パンチ30に対応するフランジ部成形用の下第2パンチ30Bと、図1の下第2外パンチ32に対応するボス部成形用の下第3外パンチ32Bおよび図1の下第2内パンチ34に対応する下第3内パンチ34Bとから構成し、上記のような成形要領で得ることができる。
【0039】
すなわち、この場合も、雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体P3の成形方法であって、前記ダイキャビティに対する原料粉末Mの充填時には、下第3内パンチ34Bのパンチ面を、下第3外パンチ32のパンチ面よりも下方に配置した状態で充填する。圧縮成形時には、上内パンチ42と上外パンチ40とをともに降下させて各パンチのパンチ面を原料粉末に当接させ、下第3内パンチ34Bをコアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、ダイス10に対して相対的に上昇させて、下第3外パンチ32Bのパンチ面に揃えるとともに、上内パンチ側雌ねじ部42aをコアロッド側ねじ部20aに嵌合するとともに、コアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、さらに下降させて前記ダイキャビティ内の原料粉末M内に突出させて予圧縮し、次いで、上外パンチ40を上内パンチ42と高さが揃うまで降下させ、上外パンチ40と上内パンチ42との各パンチ面が揃った後は、上外パンチ40をさらに降下させるとともに上内パンチ42を回転させつつ上外パンチ40と揃えてさらに降下させ、同時に、下第1パンチ301と下第3外パンチ32Bをダイス10に対して相対的に上昇させるとともに、下第3内パンチ34Bを回転させつつ下第3外パンチ32Bと揃えてダイス10に対して相対的に上昇させて、成形を行う。また、圧縮成形後の成形体の離型時には、前記ダイキャビティ内の成形体P3を、上内パンチ42と下第3内パンチ34Bとで挟んだ状態で該上内パンチおよび下第3内パンチの同期した回転を伴ってコアロッド20から抜き出すことになる。
【0040】
さらに、図9(e)のごとく外周に縦溝ないしは歯溝が形成された歯溝付き成形体P4を成形する場合は、図10(d)に例示されるように、まず、ダイス10の型孔を歯溝形状とするとともに、ダイス10の型孔と摺動自在に嵌合する上パンチを上外パンチ40Cと上内パンチ42Cに分割するとともに、ダイス10の型孔と摺動自在に嵌合する下パンチを下外パンチ32Cおよび下内パンチ34Cに分割して構成し、さらに上外パンチ40Cおよび下外パンチ32Cの外周に前記歯溝形状に対応する溝形成を付与するだけで、上記のようにな成形要領で得ることができる。
【0041】
すなわち、この場合も、雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体P4の成形方法であって、前記ダイキャビティに対する原料粉末Mの充填時には、下内パンチ34Cのパンチ面を、下外パンチ32Cのパンチ面よりも下方に配置した状態で充填する。圧縮成形時には、前記上内パンチ42Cと、上外パンチ40Cとをともに降下させて各パンチのパンチ面を原料粉末に当接させ、下内パンチ34Cをコアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、ダイス10に対して相対的に上昇させて、下外パンチ32Cのパンチ面に揃えるとともに、上内パンチ側雌ねじ部42aをコアロッド側ねじ部20aに嵌合するとともに、コアロッド側ねじ部20aに沿って回転させつつ、さらに下降させて前記ダイキャビティ内の原料粉末M内に突出させて予圧縮し、次いで、上外パンチ40Cを上内パンチ42Cと高さが揃うまで降下させ、上外パンチ40Cと上内パンチ42Cとの各パンチ面が揃った後は、上外パンチ40Cをさらに降下させるとともに上内パンチ42Cを回転させつつ上外パンチ40Cと揃えてさらに降下させ、同時に、下外パンチ32Cをダイス10に対して相対的に上昇させるとともに、下内パンチ34Cを回転させつつ下外パンチ32Cと揃えてダイス10に対して相対的に上昇させて、成形を行う。また、圧縮成形後の成形体の離型時には、前記ダイキャビティ内の成形体P4を、上内パンチ42Cと下内パンチ32Cとで挟んだ状態でその上内パンチおよび下内パンチの同期した回転を伴ってコアロッド20から抜き出すことになる。
【0042】
なお、以上の変形例以外でも、例えば、図9(d)の場合にフランジ部を同(c)のごとくボス部の中間に配置する成形体形状や、図9(b),同(c),同(d)の場合に外周を同(e)のごとく歯車形状としたり、上記のフランジ部を肉抜き形状としたりする場合等、従来の成形金型装置を上記した要領で改良することで対応可能である。
【0043】
(変形例5)図11は、上コアロッドを備えた成形金型装置の一例を図2に対応して示している。この説明では、上記形態と同じ部材および部位に同じ符号を付して重複した記載を省く。すなわち、図11の成形金型装置は、図1の装置に比べて上コアロッド48およびそれと関係する構成が変更されている。
【0044】
上コアロッド48は、ダイス10の型孔に望む一端側外周に形成されたねじ部48aと、他端側に形成された回転防止溝48bとを有している。ねじ部48aは、コアロッド20のねじ部20aと同じねじ溝形状をなしている。回転防止溝28bは、上コアロッド48の他端側に円盤部を設け、該円盤部の複数箇所に上下溝としてそれぞれ設けられている。そして、以上の上コアロッド48は、上部側がシリンダ兼用保持部材41Aの配置空間41bにあって、上パンチプレート46に下設されたホルダー49の内部に配置され、かつ、各回転防止溝28bがホルダー49の内周上下に設けられた対応する回転防止条49bに上下動自在に嵌合支持されている。
【0045】
以上のシリンダ兼用保持部材41Aは、上記形態に比べて配置空間41bをホルダー49に対応して上下に大きく形成している。また、上記した回転駆動手段を構成しているウオームホイール43は、ホルダー49に対しベアリンク機構45などを介して回動自在に支持されており、上コアロッド48を、中心に形成した貫通孔から串差し状に挿通している。上内パンチ42は、上コアロッド48を内側に挿通した状態で、ウオームホイール43の下面側に固定支持されている。ウオーム44は、ウォームホイール43に噛み合っていて、図示せぬサーボモータの駆動によりウォームホイール43および上内パンチ42を正転ないしは逆転する。上コアロッド48は、上内パンチ42の回転および上下駆動をガイドして、例えば、原料粉末Mのはみ出しなどを確実に防いだり圧縮形成を安定して行えるようにする。なお、上コアロッド48は、駆動制御をより的確にするため専用のピストン機構などにより上下動可能にしたり、専用の回動機構により回動可能にすることもある。このように本発明は、請求項で特定される構成を実質的に備えておればよく、細部は上記形態や変形例を参考にして更に変更可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明形態の成形金型装置例を示す模式図であり、図9(b)の成形体P1を成形する場合に好適な成形金型装置である。
【図2】図1の成形金型装置を用いて図9(b)の成形体を成形する場合の成形方法のうち、原料粉末の充填状態を示す模式図である。
【図3】図2の粉末充填状態から原料粉末を予圧縮した状態を示する模式図である。
【図4】図3の予圧縮後、更に原料粉末圧縮過程の中間状態を示す模式図である。
【図5】図4の状態から原料粉末の圧縮過程の最終状態を示す模式図である。
【図6】図5の状態から成形体をダイスから抜き出した状態を示す模式図である。
【図7】図6の状態から上外パンチを退避させて成形体を上内パンチと下内パンチで挟持した状態を示す模式図である。
【図8】図7の状態からコアロッドの抜き出しを完了した状態を示す模式図である。
【図9】(a)から(e)は本発明に係る雌ねじ部付き軸孔を有した成形体の形状例を示す模式図である。
【図10】(a)は図9(a)の成形体を、(b)は図9(c)の成形体を、(c)は図9(d)の成形体を、(d)は図9(e)の成形体を成形する場合に好適な成形金型装置をそれぞれ図5に対応して示す要部模式図である。
【図11】上コアロッドを備えた成形金型装置例を図2に対応して示す模式図である。
【図12】特許文献1に開示の成形金型装置および成形方法を示す模式図である。
【符号の説明】
【0047】
10…ダイス(11はダイプレート)
20…コアロッド(20aはねじ部、20bは回転防止溝)
22,49…ホルダー(22b,49bは回転防止条)
30,301…下第1パンチ
30B…下第2パンチ
32…下第2外パンチ(下外パンチに相当)
32A,32C…下外パンチ
32B…下第3外パンチ(下外パンチに相当)
34…下第2内パンチ(下内パンチに相当し、34aは雌ねじ部)
34A,34C…下内パンチ(34aは雌ねじ部)
34B…下第3内パンチ(下内パンチに相当し、34aは雌ねじ部)
35,43…ウォームホイール(回転駆動手段)
36,44…ウォーム(回転駆動手段)
40,40A,40C…上外パンチ
40B…上第2外パンチ
41…シリンダ兼用保持部材(41aは流体圧シリンダ、41bは配置空間)
42,42A,42C…上内パンチ(42aは雌ねじ部)
42B…上第2内パンチ(42aは雌ねじ部)
401…上第1パンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイスの型孔と、下パンチもしくは下パンチ群と、軸孔形成用コアロッドとにより形成されるダイキャビティに、原料粉末を充填し、上パンチもしくは上パンチ群と前記下パンチもしくは下パンチ群により原料粉末を圧縮成形する雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体用の成形金型装置であって、
前記コアロッドの外周に形成されたねじ部と、
前記上パンチもしくは上パンチ群のうち、前記コアロッドと摺接する上パンチを分割形成した上内パンチおよびそれを囲む上外パンチと、
前記上内パンチの内周面に形成されて前記コアロッド側ねじ部に対して摺動自在に嵌合する雌ねじ部と、
前記上内パンチを支持した状態で回動する回転駆動手段と、
前記下パンチもしくは下パンチ群のうち、前記コアロッドと摺接する下パンチを分割形成した下内パンチおよびそれを囲む下外パンチと、
前記下内パンチの内周面に形成されて前記コアロッド側ねじ部に対して摺動自在に嵌合する雌ねじ部と、
前記下内パンチを支持した状態で回動する回転駆動手段
とを備えていることを特徴とする雌ねじ部付き軸孔を有する成形体用成形金型装置。
【請求項2】
前記上内パンチの雌ねじ部と摺動自在に嵌合されるよう配置されて、前記コアロッドのねじ部と連続するねじ部を形成している上コアロッドを有していることを特徴とする請求項1に記載の雌ねじ部付き軸孔を有する成形体用成形金型装置。
【請求項3】
請求項1に記載の成形金型装置を用いた雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体の成形方法であって、
前記ダイキャビティに対する原料粉末の充填時には、前記下内パンチのパンチ面を、前記下外パンチのパンチ面よりも下方に配置した状態で充填し、
前記圧縮成形時には、前記上内パンチと、前記上外パンチとをともに降下させて各パンチのパンチ面を原料粉末に当接させ、前記下内パンチを前記コアロッド側ねじ部に沿って回転させつつ、前記ダイスに対して相対的に上昇させて、前記下外パンチのパンチ面に揃えるとともに、前記上内パンチ側雌ねじ部を前記コアロッド側ねじ部に嵌合するとともに、前記コアロッド側ねじ部に沿って回転させつつ、さらに下降させて前記ダイキャビティ内の原料粉末内に突出させて予圧縮し、
次いで、前記上外パンチを前記上内パンチと高さが揃うまで降下させ、前記上外パンチと前記上内パンチとの各パンチ面が揃った後は、前記上外パンチをさらに降下させるとともに前記上内パンチを回転させつつ前記上外パンチと揃えてさらに降下させ、同時に、前記下外パンチを前記ダイスに対して相対的に上昇させるとともに、前記下内パンチを回転させつつ前記下外パンチと揃えて前記ダイスに対して相対的に上昇させて、成形を行うことを特徴とする雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体の成形方法。
【請求項4】
前記圧縮成形後の前記成形体の離型時には、前記ダイキャビティ内の前記成形体を、前記上内パンチと前記下内パンチとで挟んだ状態でその上内パンチおよび下内パンチの同期した回転を伴って前記コアロッドから抜き出すことを特徴とする請求項3に記載の雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体の成形方法。
【請求項5】
請求項2に記載された前記上コアロッドにより前記上内パンチの回転および上下駆動をガイドさせることを特徴とする請求項3または4に記載の雌ねじ部付きの軸孔を有する成形体の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−47806(P2010−47806A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213510(P2008−213510)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000233572)日立粉末冶金株式会社 (272)
【Fターム(参考)】