説明

所在管理システム

【課題】IDタグを所持する動体の所在を特定することのできる所在管理システムを提供する。
【解決手段】個別に送信器情報が設定されており特定の監視エリアに限定して送信器情報を送信する複数の送信器Aと、動体に所持されて固有のタグ情報を有するICタグBと、タグ情報を受信する受信部を有する管理手段Dとを備えており、各送信器Aは複数の監視エリアに配置されており、ICタグBは、監視エリアにおいて送信器情報を受信すると、受信した送信器情報と共にタグ情報を管理手段Dへと送信しており、管理手段Dは、受信した送信器情報及びタグ情報からICタグBを所持する動体の所在情報を認識して管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、店舗内に導入される所在管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主に店舗内に導入される管理システムとしては、特開2003−187337号公報に示されたシステムが知られている。この管理システムは、固有のIDコードを含む呼出信号を発信するワイヤレス発信器と、このワイヤレス発信器の呼出信号を受けて、この呼出信号に含まれるIDコードを解析し、ワイヤレス発信器に対応した記号を表示する表示部を備えるワイヤレス受信器とを備えている。
【0003】
したがって、店舗内の各客席にワイヤレス発信器を設置することで、店員はどの席に着いた客人から呼び出されているのかを容易に把握することができる。
【特許文献1】特開2003−187337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例である管理システムにおいては、客席で注文を受ける形態ではなく特定の注文エリアにおいて一括して注文を受ける形態の店舗において、注文を終えた客人がどの客席に着いたかを把握することはできないシステムであった。従来、このような形態の店舗においては、注文エリアにて注文を終えた客人に対して、番号札を渡すか、或いは、商品の準備完了を通知する携帯型の受信器を渡すことで対応していた。しかし、番号札を渡す場合においては、特に広い店舗において、店員が番号札を探すのに時間がかるという問題が生じており、携帯型の受信器を渡す場合は、客人に商品を取りに来てもらう必要があり、店舗のサービスとしては不十分なシステムであった。
【0005】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、IDタグを所持する動体の所在を特定することのできる所在管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、個別に送信器情報が設定されており特定の監視エリアに限定して送信器情報を送信する複数の送信器と、動体に所持されて固有のタグ情報を有するICタグと、タグ情報を受信する受信部を有する管理手段とを備えており、各送信器は複数の監視エリアに配置されており、ICタグは、監視エリアにおいて送信器情報を受信すると、受信した送信器情報と共にタグ情報を管理手段へと送信しており、管理手段は、受信した送信器情報及びタグ情報からICタグを所持する動体の所在情報を認識して管理することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本願請求項1記載の所在管理システムにおいては、特定の監視エリアに限定して送信器情報を送信する複数の送信器を複数の監視エリアに配置することで、送信器情報及びタグ情報とからICタグを所持する動体の所在を特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1、2は、一実施形態であるICタグBシステムを示している。このICタグBシステムは、図1(a)〜(c)に示すように、送信器Aと、ICタグBと、管理手段Dとを備えている。送信器Aは、図1(a)に示すように、ループアンテナからなりLF周波数帯の電波を発生させる送信アンテナA1と、送信アンテナA1を動作させる送信回路と、送信回路を制御する送信制御部とを備えている。送信制御部は、各送信器Aに固有に設定されている送信器情報を記憶しており、送信回路は送信制御部から伝送された送信器情報を送信アンテナA1により無線送信している。なお、送信器AはLF周波数帯の電波を送信しているため、電波の届く範囲は直径数メートル以内に限定されるものである。
【0009】
ICタグBは、図1(b)に示すように、ループアンテナからなる受信アンテナB1と、受信回路と、タグ制御部と、送信回路と、送信アンテナB2と、電池とを具備するアクティブ型のICタグBである。送信器Aから送信された送信器情報は受信アンテナB1で受信され、受信回路によりタグ制御部へと伝送される。タグ制御部は、ICタグBに固有に設定されたタグ情報を記憶しており、伝送された送信器情報及びタグ情報を送信回路に伝送し、送信アンテナB2により無線送信する。
【0010】
なお、送信器AとICタグBとの通信においては、上記のように電波を利用するものではなく、赤外線を利用して通信するものであってもよい。
【0011】
管理手段Dは、図1(c)に示すように、受信アンテナC1、受信回路及び受信制御部を具備してICタグBからの信号を受信する受信器Cと、複数の受信器Cと通信する外部機器Pを備えている。外部機器Pは、パーソナルコンピュータ等からなり、受信器Cで受信した所在情報(送信器情報、タグ情報)は外部機器Pへと伝送され、外部機器Pにおいて複数の受信器Cが取得した所在情報を一括して管理している。
【0012】
図2に示すように、本実施形態の所在管理システムは、例えば雑居ビルに設けられた飲食店のような、店内エリアが複数階にわたっている店舗に導入される。店内エリアには各階(各監視エリア)に1台ずつ送信器Aが設置されており、1階の注文エリア3には受信器Cが設置されている。また、この店舗では、注文エリア3にて一括して客人Hからの注文を受けるシステムとなっている。
【0013】
この店舗において、客人Hが注文エリア3にて注文を行うと、店員1は客人HにICタグBを具備した番号札を渡す。その後、客人Hはいずれかの階の店内エリアに移動し、番号札に設けられたICタグBは、客人Hが移動した階に設置された送信器Aから送信器情報を受信する。そして、ICタグBは受信した送信器情報とタグ情報とを1階に設置された受信器Cへと送信する。送信された所在情報(送信器情報、タグ情報)は受信器Cから外部機器Pへと伝送され、外部機器Pにおいて客人Hの所在情報(客人Hが移動した階)が特定され表示される。
【0014】
したがって、店員1は外部機器Pに表示された客人Hの所在情報を確認することで、店員1が何階のフロアにいるかを把握することができ、効率よく客人Hのもとに注文の品を持ち運ぶことができる。
【0015】
なお、受信器Cは各階に1台ずつではなく、各客席2に1台ずつ設けていてもよい。この場合は、客人Hがどの階のどの席にいるかまで特定することが可能となる。また、ICタグBから送信される所在情報は、中継器を介して受信器Cへと送信するものであってもよい。この場合は、ICタグBが直接電波の届き難い位置にあったとしても、問題なく所在情報を受信器Cへと送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の一実施形態である所在管理システムを示すブロック図。
【図2】同所在管理システムの説明図。
【符号の説明】
【0017】
A 送信器
B ICタグ
C 受信器(受信部)
D 管理手段
H 客人(動体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別に送信器情報が設定されており特定の監視エリアに限定して送信器情報を送信する複数の送信器と、動体に所持されて固有のタグ情報を有するICタグと、タグ情報を受信する受信部を有する管理手段とを備えており、
各送信器は複数の監視エリアに配置されており、ICタグは、監視エリアにおいて送信器情報を受信すると、受信した送信器情報と共にタグ情報を管理手段へと送信しており、管理手段は、受信した送信器情報及びタグ情報からICタグを所持する動体の所在情報を認識して管理することを特徴とする所在管理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−204302(P2008−204302A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41532(P2007−41532)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】